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特許7124599エレベーターの敷居を保守する機能を備えた保守装置およびエレベーターシステム
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  • 特許-エレベーターの敷居を保守する機能を備えた保守装置およびエレベーターシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】エレベーターの敷居を保守する機能を備えた保守装置およびエレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20220817BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B66B13/30 Z
B66B13/30 K
B66B5/00 G
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018179767
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020050468
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】堀田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 崇行
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】安達 尚生
(72)【発明者】
【氏名】布施 諒祐
(72)【発明者】
【氏名】小川 葵
(72)【発明者】
【氏名】上條 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】田澤 亮
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-224494(JP,A)
【文献】特開平08-175779(JP,A)
【文献】実開平03-022866(JP,U)
【文献】実開昭62-092159(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/30
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのドアの下部に設けられ、上側にいくにつれて目が細かくなるように配置された複数の研磨部を備え、前記エレベーターの敷居の上面に接触した状態で前記ドアの開閉に応じて移動することにより前記敷居の上面を研磨する研磨体と、
前記ドアの下部において前記研磨体の上面に設けられ、前記複数の研磨部が削れた後に前記敷居の上面に接触した状態で前記ドアの開閉に応じて移動することにより前記敷居の上面にコーティング材を塗布する塗布体と、
を備えたエレベーターの保守装置。
【請求項2】
請求項1に記載の保守装置と、
前記エレベーターの運転モードが通常モードから保守モードに切り替わった際に、前記エレベーターの運転モードが通常モードであるときの複数の階の各々におけるドアの開閉の回数に応じて複数の階の各々におけるドアの開閉の回数を制御する制御装置と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項3】
上下方向に移動する機構を備えた請求項1に記載の保守装置と、
前記エレベーターの運転モードが通常モードである場合に前記保守装置を上側に配置させて前記保守装置と前記敷居の上面との接触を解放し、前記エレベーターの運転モードが保守モードである場合に前記保守装置を下側に配置させて前記保守装置と前記敷居の上面との接触を維持する制御装置と、
を備えたエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターの敷居を保守する機能を備えた保守装置およびエレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターを開示する。エレベーターは、かごを備える。かごは、かご敷居を備える。かご敷居は、かごの出入口に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-2375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のエレベーターにおいて、敷居の上面が傷ついた場合、敷居の上面を磨く必要がある。この際、専門的な技術を要する。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、エレベーターの敷居を自動で研磨することができるエレベーターの保守装置およびエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベーターの保守装置は、エレベーターのドアの下部に設けられ、上側にいくにつれて目が細かくなるように配置された複数の研磨部を備え、前記エレベーターの敷居の上面に接触した状態で前記ドアの開閉に応じて移動することにより前記敷居の上面を研磨する研磨体と、前記ドアの下部において前記研磨体の上面に設けられ、前記複数の研磨部が削れた後に前記敷居の上面に接触した状態で前記ドアの開閉に応じて移動することにより前記敷居の上面にコーティング材を塗布する塗布体と、を備えた。
【0008】
この発明に係るエレベーターシステムは、前記保守装置と、前記エレベーターの運転モードが通常モードから保守モードに切り替わった際に、前記エレベーターの運転モードが通常モードであるときの複数の階の各々におけるドアの開閉の回数に応じて複数の階の各々におけるドアの開閉の回数を制御する制御装置と、を備えた。
【0009】
この発明に係るエレベーターシステムは、上下方向に移動する機構を備えた前記保守装置と、前記エレベーターの運転モードが通常モードである場合に前記保守装置を上側に配置させて前記保守装置と前記敷居の上面との接触を解放し、前記エレベーターの運転モードが保守モードである場合に前記保守装置を下側に配置させて前記保守装置と前記敷居の上面との接触を維持する制御装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0010】
これらの発明によれば、研磨体は、エレベーターのドアの開閉に応じて移動することによりエレベーターの敷居を研磨する。このため、エレベーターの敷居を自動で研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターの乗場ドアの要部を昇降路の側から見た際の正面図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置を昇降路の側から見た際の正面図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置を昇降路の側から見た際の正面図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置を昇降路の側から見た際の正面図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置を昇降路の側から見た際の正面図である。
図7】実施の形態2におけるエレベーターの保守装置の要部の側面図である。
図8】実施の形態3におけるエレベーターの保守装置の要部の正面図である。
図9】実施の形態3におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターの制御装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターシステムの制御装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0013】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0014】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、建築物の各階を貫く。複数の乗場2の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場2の各々は、昇降路1に対向する。かご3は、昇降路1の内部に設けられる。
【0015】
複数の乗場ドア4の各々は、エレベーターのドアとして複数の乗場2の各々の出入口に設けられる。かごドア5は、エレベーターのドアとしてかご3の出入口に設けられる。
【0016】
例えば、制御装置6は、エレベーターの昇降路1の上部に設けられる。制御装置6は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。例えば、制御装置6は、かご3の昇降を制御し得るように設けられる。例えば、制御装置6は、かご3が各階に停止した際にかごドア5の開閉を制御し得るように設けられる。この際、当該階において、乗場ドア4は、かごドア5の開閉に応じて開閉する。
【0017】
次に、図2を用いて、乗場2の出入口の保守方法を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターの乗場ドアの要部を昇降路の側から見た際の正面図である。
【0018】
図2に示されるように、乗場敷居7は、乗場2の出入口の下縁部に設けられる。乗場敷居7は、溝を備える。
【0019】
乗場ドア4は、戸当たり体8と複数のドアシュー9と保守装置10とを備える。
【0020】
例えば、戸当たり体8は、セーフティーシューである。例えば、戸当たり体8は、戸当たりゴムである。複数のドアシュー9は、乗場敷居7の溝に案内される。
【0021】
保守装置10は、乗場ドア4の下部において乗場ドア4の戸当たり側に設けられる。保守装置10は、乗場ドア4の開閉に応じて乗場敷居7の上面を研磨する。保守装置10は、乗場ドア4の開閉に応じて乗場敷居7の上面にコーティング材を塗布する。
【0022】
次に、図3から図6を用いて、保守装置10を説明する。
図3から図6は実施の形態1におけるエレベーターの保守装置を昇降路の側から見た際の正面図である。
【0023】
図3に示されるように、保守装置10は、研磨体11と塗布体12と枠体13と弾性体14と貯蔵体15と管体16とを備える。
【0024】
研磨体11は、複数の研磨部を備える。複数の研磨部の各々は、矩形状に形成される。複数の研磨部は、上側にいくにつれて目が細かくなるように配置される。例えば、第1研磨部11aは、最も粗い目を備える。例えば、第2研磨部11bは、粗くもなく細かくもない目を備える。例えば、第3研磨部11cは、最も細かい目を備える。
【0025】
塗布体12は、矩形状に形成される。例えば、塗布体12は、スポンジである。塗布体12は、研磨体11の上面に接触するように配置される。
【0026】
枠体13は、研磨体11の第1研磨部11aが下方に突き出すように研磨体11と塗布体12とを収納する。
【0027】
弾性体14は、枠体13の内部において塗布体12の上方に設けられる。弾性体14は、塗布体12に対して下方への荷重をかけ得るように設けられる。
【0028】
例えば、貯蔵体15は、タンクである。貯蔵体15は、乗場ドア4の裏面に設けられる。貯蔵体15は、コーティング材を貯蔵し得るように設けられる。
【0029】
管体16の一側は、貯蔵体15に連結される。管体16の他側は、枠体13の側面に形成された穴に連結される。
【0030】
初期状態において、第1研磨部11aは、弾性体14による荷重を受けて乗場敷居7の上面に接触した状態を維持する。この状態において、乗場ドア4が開閉すると、第1研磨部11aは、敷居の上面に接した状態で移動する。その結果、乗場敷居7の上面は、第1研磨部11aの目に応じて研磨される。
【0031】
この際、コーティング材は、貯蔵体15から管体16に流出する。当該コーティング材は、第1研磨部11aの側面により枠体13の内部への進入を抑制される。
【0032】
図4に示されるように、第1研磨部11aが削れてなくなると、第2研磨部11bは、弾性体14による荷重を受けて乗場敷居7の上面に接触した状態を維持する。この状態において、乗場ドア4が開閉すると、第2研磨部11bは、乗場敷居7の上面に接した状態で移動する。その結果、乗場敷居7の上面は、第2研磨部11bの目に応じて研磨される。
【0033】
この際、コーティング材は、第2研磨部11bの側面により枠体13の内部への進入を抑制される。
【0034】
図5に示されるように、第2研磨部11bが削れてなくなると、第3研磨部11cは、弾性体14による荷重を受けて乗場敷居7の上面に接触した状態を維持する。この状態において、乗場ドア4が開閉すると、第3研磨部11cは、乗場敷居7の上面に接した状態で移動する。その結果、乗場敷居7の上面は、第3研磨部11cの目に応じて研磨される。
【0035】
この際、コーティング材は、第3研磨部11cの側面により枠体13の内部への進入を抑制される。
【0036】
図6に示されるように、第3研磨部11cが削れてなくなると、塗布体12は、弾性体14による荷重を受けて敷居の上面に接触した状態を維持する。この際、コーティング材は、塗布体12に補充される。この状態において、乗場ドア4が開閉すると、塗布体12は、乗場敷居7の上面に接した状態で移動する。その結果、乗場敷居7の上面は、コーティング材で覆われる。
【0037】
以上で説明した実施の形態1によれば、研磨体11は、乗場ドア4の開閉に応じて移動することにより乗場敷居7を研磨する。このため、乗場敷居7を自動で研磨することができる。その結果、作業員による保守作業の回数を減らすことができる。また、乗場敷居7の取替えの手間を省くことができる。このため、乗場敷居7の保守のコストを下げることができる。
【0038】
また、研磨体11は、乗場ドア4の戸当たり側に設けられる。このため、乗場敷居7において利用者の目に留まる範囲を全体的に研磨することができる。
【0039】
また、研磨体11は、上側にいくにつれて目が細かくなるように配置された複数の研磨部を備える。このため、乗場敷居7を徐々に研磨することができる。
【0040】
また、塗布体12は、乗場ドア4の開閉に応じて移動することにより乗場敷居7にコーティング材を塗布する。このため、乗場敷居7にコーティング材を自動で塗布することができる。
【0041】
また、コーティング材は、貯蔵体15から補充される。このため、コーティング材の不足を抑制することができる。
【0042】
なお、研磨体11と塗布体12とを別々に設けてもよい。この際、研磨体11で乗場敷居7を研磨した後に塗布体12で乗場敷居7にコーティング材を塗布する設定とすればよい。
【0043】
実施の形態2.
図7は実施の形態2におけるエレベーターの保守装置の要部の側面図である。なお、実施の形態1と同一または相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0044】
実施の形態2の研磨体11において、複数の研磨部は、中心の側にいくにつれて目が細かくなるように配置される。複数の研磨部は、研磨体11の回転に応じて回転する。
【0045】
例えば、第1研磨部11aは、円筒状に形成される。第1研磨部11aは、最も粗い目を備える。例えば、第2研磨部11bは、第1研磨部11aの内周面に接触するように円筒状に形成される。第2研磨部11bは、粗くもなく細かくもない目を備える。例えば、第3研磨部11cは、第2研磨部11bの内周面に接触するように円柱状に形成される。第3研磨部11cは、最も細かい目を備える。
【0046】
以上で説明した実施の形態2によれば、複数の研磨部は、中心の側にいくにつれて目が細かくなるように配置される。複数の研磨部は、研磨体11の回転に応じて回転する。このため、乗場敷居7を徐々に研磨することができる。
【0047】
実施の形態3.
図8は実施の形態3におけるエレベーターの保守装置の要部の正面図である。なお、実施の形態1と同一または相当部分には、同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0048】
実施の形態3の保守装置10は、塗布体12と貯蔵体15と管体16とを備えない。
【0049】
研磨体11は、単一の研磨部を備える。
【0050】
枠体13は、研磨体11の下部が下方に突き出すように研磨体11を収納する。
【0051】
弾性体14は、枠体13の内部において研磨体11の上方に設けられる。弾性体14は、研磨体11に対して下方への荷重をかけ得るように設けられる。
【0052】
次に、図9を用いて、制御装置6の動作の概要を説明する。
図9は実施の形態3におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターの制御装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0053】
ステップS1では、制御装置6は、エレベーターの運転モードが通常モードから保守モードに切り替わったか否かを判定する。ステップS1でエレベーターの運転モードが通常モードから保守モードに切り替わっていない場合、制御装置6は、ステップS1の動作を行う。ステップS1でエレベーターの運転モードが通常モードから保守モードに切り替わった場合、制御装置6は、ステップS2の動作を行う。
【0054】
ステップS2では、制御装置6は、エレベーターの運転履歴の情報に基づいてエレベーターの運転モードが通常モードであるときの複数の階の各々における乗場ドア4の開閉の回数を検出する。
【0055】
その後、制御装置6は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、制御装置6は、エレベーターの運転モードが通常モードであるときの複数の階の各々における乗場ドア4の開閉の回数に応じて複数の階の各々における乗場ドア4の開閉の回数を制御する。具体的には、制御装置6は、エレベーターの保守モードが終了する際に全ての階における乗場ドア4の開閉の回数の合計が同じとなるように各階において乗場ドア4の開閉を行う。その後、制御装置6は、動作を終了する。
【0056】
以上で説明した実施の形態3によれば、制御装置6は、エレベーターの運転モードが通常モードであるときの複数の階の各々における乗場ドア4の開閉の回数に応じて複数の階の各々における乗場ドア4の開閉の回数を制御する。このため、エレベーターの保守モードが終了した際に、全ての階における乗場敷居7の研磨の状態を均一にすることができる。
【0057】
次に、図10を用いて、制御装置6の例を説明する。
図10は実施の形態1におけるエレベーターの保守装置が適用されるエレベーターシステムの制御装置のハードウェア構成図である。
【0058】
制御装置6の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える。
【0059】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える場合、制御装置6の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ17bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ17aは、少なくとも1つのメモリ17bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置6の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ17aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ17bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0060】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、制御装置6の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置6の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0061】
制御装置6の各機能について、一部を専用のハードウェア18で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、かご3を制御する機能については専用のハードウェア18としての処理回路で実現し、かご3を制御する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ17aが少なくとも1つのメモリ17bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0062】
このように、処理回路は、ハードウェア18、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御装置6の各機能を実現する。
【0063】
なお、実施の形態1から実施の形態3の保守装置10に上下方向に移動する機構を設けてもよい。この際、エレベーターの運転モードが通常モードである場合に保守装置10を上側に配置させて保守装置10と乗場敷居7の上面との接触を解放すればよい。エレベーターの運転モードが保守モードである場合に保守装置10を下側に配置させて保守装置10と乗場敷居7の上面との接触を維持させればよい。この場合、エレベーターの運転モードが保守モードであるときのみに、乗場敷居7の保守を適切に行うことができる。例えば、利用者の少ない夜間のみに、乗場敷居7の保守を適切に行うことができる。
【0064】
また、実施の形態1から実施の形態3の保守装置10をかごドア5に設けてもよい。この場合、かご3の出入口の下縁部に設けられたかご敷居の上面を適切に保守することができる。
【0065】
また、実施の形態1から実施の形態3の保守装置10を既設のエレベーターの乗場ドア4または既設のエレベーターのかごドア5に後から取り付けてもよい。この場合も、既設のエレベーターの乗場敷居7の上面または既設のエレベーターのかご敷居の上面を適切に保守することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 昇降路、 2 乗場、 3 かご、 4 乗場ドア、 5 かごドア、 6 制御装置、 7 乗場敷居、 8 戸当たり体、 9 ドアシュー、 10 保守装置、 11 研磨体、 11a 第1研磨部、 11b 第2研磨部、 11c 第3研磨部、 12 塗布体、 13 枠体、 14 弾性体、 15 貯蔵体、 16 管体、 17a プロセッサ、 17b メモリ、 18 ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10