(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】異常診断システム、その異常診断システムを備えた荷役装置、および異常診断方法
(51)【国際特許分類】
F15B 20/00 20060101AFI20220817BHJP
F04B 51/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
F15B20/00 D
F04B51/00
(21)【出願番号】P 2019030329
(22)【出願日】2019-02-22
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100102037
【氏名又は名称】江口 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100098671
【氏名又は名称】喜多 俊文
(74)【代理人】
【識別番号】100149962
【氏名又は名称】阿久津 好二
(74)【代理人】
【識別番号】100170988
【氏名又は名称】妹尾 明展
(72)【発明者】
【氏名】飯泉 仁美
(72)【発明者】
【氏名】西浦 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宙潤
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-186466(JP,A)
【文献】特開2007-218165(JP,A)
【文献】特開2006-052762(JP,A)
【文献】特開平10-281113(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187934(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0084271(US,A1)
【文献】中国実用新案第207554464(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 20/00-20/12
F04B 49/00-51/00
F15B 11/00-11/22;21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、
前記バッテリーで駆動するモーターと、
前記モーターで駆動し、シリンダに液体を供給するポンプと、
を備えた液圧装置における異常を診断する異常診断システムであって、
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量の各々に対応付けて、電圧標準値を記憶する電圧標準値記憶部と、
前記バッテリーの出力電圧を測定する電圧測定部と、
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定する重量測定部と、
前記電圧標準値記憶部に記憶されている電圧標準値に基づいて、前記重量測定部で測定された重量に対応する電圧標準値を選択し、前記電圧測定部で測定された電圧の電圧測定値と
前記選択された電圧標準値とを比較して前記液圧装置の異常を判断する制御部と、
を備えた異常診断システム。
【請求項2】
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量の各々に対応付けて、時間標準値を記憶する時間標準値記憶部と、
前記物品を荷役する時間を計測する時間測定部
とを備え、
前記制御部は
、前記時間標準値記憶部に記憶されている時間標準値に基づいて、前記重量測定部で測定された重量に対応する時間標準値を選択し、前記時間測定部で計測された時間の時間測定値を
前記選択された時間標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断する
、請求項
1に記載の異常診断システム。
【請求項3】
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量の各々に対応付けて、圧力標準値を記憶する圧力標準値記憶部と、
前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定する圧力測定部とをさらに備え、
前記制御部は、前記圧力標準値記憶部に記憶されている圧力標準値に基づいて、前記重量測定部で測定された重量に対応する圧力標準値を選択し、前記圧力測定部で測定された圧力の圧力測定値を前記選択された圧力標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断する、請求項1または2に記載の異常診断システム。
【請求項4】
前記重量測定部が、前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定する圧力測定部、前記モーターに流れる電流を計測する電流測定部、及び、前記モーターの回転数を計測する回転数測定部の少なくとも1つである、請求項1~3のいずれかに記載の異常診断システム。
【請求項5】
バッテリーと、
前記バッテリーで駆動するモーターと、
前記モーターで駆動し、シリンダに液体を供給するポンプと、を備えた液圧装置における異常を診断する異常診断システムであって、
前記バッテリーの出力電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部で測定された電圧の電圧測定値と予め測定しておいた電圧の電圧標準値とを比較して前記液圧装置の異常を判断する制御部と、
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定する重量測定部とを備え、
前記制御部が重量測定部で測定された重量の重量測定値を予め測定していた重量標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断し、
前記重量測定部が
、前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定する圧力測定部
、前記モーターに流れる電流を計測する電流測定部
、及び、前記モーターの回転数を計測する回転数測定部の少なくとも1つである
、異常診断システム。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれかに記載の異常診断システムを備えた荷役装置。
【請求項7】
バッテリーと、
前記バッテリーで駆動するモーターと、
前記モーターで駆動し、シリンダに液体を供給するポンプと、を備えた液圧装置における異常を診断する異常診断方法であって、
前記バッテリーの出力電圧を測定して電圧測定値を得るステップと、
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定するステップと、
予め記憶されている物品の重量の各々と電圧標準値との対応関係に基づいて、前記測定するステップで測定された重量に対応する電圧標準値を選択するステップと、
前記電圧測定値を
前記選択された電圧標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断するステップと、を備えた異常診断方法。
【請求項8】
前記物品を荷役する時間を測定して時間測定値を得るステップと、
予め記憶されている物品の重量の各々と時間標準値との対応関係に基づいて、前記測定するステップで測定された重量に対応する時間標準値を選択するステップと、
前記時間測定値と
前記選択された時間標準値とを比較して前記液圧装置の異常を判断するステップ
とを
さらに含む、請求項
7に記載の異常診断方法。
【請求項9】
前記シリンダ内の液体にかかる圧力の圧力測定値を測定するステップと、
予め記憶されている物品の重量の各々と圧力標準値との対応関係に基づいて、前記測定するステップで測定された重量に対応する圧力標準値を選択するステップと、
前記圧力測定値と前記選択された圧力標準値とを比較して前記液圧装置の異常を判断するステップとをさらに含む、請求項7または8に記載の異常診断方法。
【請求項10】
前記重量を測定するステップが、前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定するステップ、前記モーターに流れる電流を計測するステップ、及び、前記モーターの回転数を計測するステップの少なくとも1つである、請求項7~9のいずれかに記載の異常診断方法。
【請求項11】
バッテリーと、
前記バッテリーで駆動するモーターと、
前記モーターで駆動し、シリンダに液体を供給するポンプと、を備えた液圧装置における異常を診断する異常診断方法であって、
前記バッテリーの出力電圧を測定して電圧測定値を得るステップと、
前記電圧測定値を予め測定しておいた電圧の電圧標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断するステップと、
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定して重量測定値を得るステップとを備え、
前記判断するステップが、前記重量測定値を予め測定しておいた重量の重量標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断するステップを含み、
前記重量の測定が、前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定するステップ
、前記モーターに流れる電流を計測するステップ
、及び、前記モーターの回転数を測定するステップの少なくとも1つである、異常診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧装置の異常診断システム、その異常診断システムを備えた荷役装置、および異常診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックに物品を積載したり荷下ろししたりするためにゲート装置またはリフト装置などの荷役装置が使用されている。たとえばトラックの荷役装置は液圧(油圧)装置と荷受台を備え、液圧装置によって荷受台を昇降させている。液圧装置はバッテリーでモーターを回転させてポンプを駆動し、液圧シリンダに液体を供給したり排出させたりする。液圧シリンダは液体の供給と排出によって直線運動し、液圧シリンダに取り付けられた荷受台が昇降する。
【0003】
荷受台が昇降途中で停止すると、トラックを動かすことができず、その場で荷役装置を修理する必要がある。そのため荷役装置の動力部分である液圧装置の異常を早期に発見し、故障する前に補修することが重要になる。そこで、定期的または使用時間に応じて液圧装置をメンテンナンスしているのが実情である。しかし、液圧装置をメンテナンスする前に故障すると、トラックが停止している場所まですぐに行って修理しなくてはならない。
【0004】
ここで、下記特許文献1は1つの液圧シリンダが操作されているときにドレン流量を検出し、しきい値と比較して液圧シリンダの異常を検出している。しかし、特許文献1は液圧シリンダの異常を検出できるが、モーター、ポンプおよびバッテリーの異常を検出できない。特許文献1の方法で異常診断して異常が無くても、荷受台が昇降途中で停止するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、液圧装置の異常の予防保全するための異常診断システム、その異常診断システムを備えた荷役装置、および異常診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決すべく、本発明に係る異常診断システム、その異常診断システムを備えた荷役装置、および異常診断方法は、以下に述べるような構成を有する。
【0008】
本発明の異常診断システムは、バッテリーと、前記バッテリーで駆動するモーターと、前記モーターで駆動し、シリンダに液体を供給するポンプと、を備えた液圧装置における異常を診断する。異常診断システムは、前記バッテリーの出力電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部で測定された電圧の電圧測定値と予め測定しておいた電圧の電圧標準値とを比較して前記液圧装置の異常を判断する制御部とを備える。
【0009】
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定する重量測定部を備える。前記制御部は重量測定部で測定された重量の重量測定値を予め測定していた重量標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断することを含む。
【0010】
前記重量測定部は前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定する圧力測定部およびモーターに流れる電流を計測する電流測定部の少なくとも1つである。また、前記重量測定部はモーターの回転数を計測する回転数測定部であってもよい
【0011】
前記物品を荷役する時間を計測する時間測定部を備える。前記制御部は時間測定部で計測された時間の時間測定値を予め測定しておいた時間標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断することを含む。
【0012】
前記電圧標準値、重量標準値、および時間標準値の少なくとも1つが変更可能である。
【0013】
前記電圧測定値、重量測定値、および時間測定値の少なくとも1つをネットワークを介して通信するための通信手段を備える。
【0014】
前記制御部の判断結果を表示する表示手段を備えてもよい。
【0015】
本願の荷役装置は上述した異常診断システムを備える。
【0016】
本願の異常診断方法は、前記バッテリーの出力電圧を測定して電圧測定値を得るステップと、前記電圧測定値を予め測定しておいた電圧の電圧標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断するステップとを備える。
【0017】
前記シリンダに供給された液体による動力で荷役される物品の重量を測定して重量測定値を得るステップを備える。前記判断するステップは、前記重量測定値を予め測定しておいた重量の重量標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断するステップを含む。
【0018】
前記重量の測定が、前記シリンダ内の液体にかかる圧力を測定するステップおよびモーターに流れる電流を計測するステップの少なくとも1つである。また、前記重量の測定が、モーターの回転数を測定するステップを含んでもよい。
【0019】
前記物品を荷役する時間を測定して時間測定値を得るステップを備える。前記時間測定値と予め測定しておいた時間標準値と比較して前記液圧装置の異常を判断する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、バッテリーの電圧を測定し、電圧測定値と電圧標準値を比較することで、その比較結果から液圧装置、特にバッテリーの異常を検知できる。バッテリーが完全に故障する前に修理や交換を行うことができ、荷受台が途中で停止することを未然に防止できる。
【0021】
また、荷役される物品の重量を測定し、重量測定値と重量標準値とを比較することで、その比較結果から液圧装置、特にモーターまたはポンプの少なくとも1つの異常を検知できる。さらに、時間測定部で物品を荷役している時間を測定し、時間測定値と時間標準値と比較することで、その比較結果から液圧装置、特にモーターまたはポンプの少なくとも1つの異常を検知できる。予め異常を検出して修理や交換を行うことができ、荷受台が途中で停止することを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本願の異常診断システムの構成を示す図である。
【
図3】本願の異常診断システムにおける液圧装置の構成を示す液圧(油圧)回路である。
【
図4】メモリに記憶される標準値の一例を示すグラフである。
【
図5】回転検出器を使用した異常診断システムの構成を示す図である。
【
図6】電流測定部を使用した異常診断システムの構成を示す図である。
【
図7】通信手段を使用した異常診断システムの構成を示す図である。
【
図8】格納引出用液圧シリンダを追加した液圧装置の構成を示す液圧(油圧)回路である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に係るその異常診断システム、異常診断システムを備えた荷役装置、および異常診断方法について図面を参照して説明する。複数の実施形態を説明するが、異なる実施形態であっても同じ手段には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0024】
[実施形態1]
図1に示す本願の異常診断システム10は、バッテリー12の出力電圧を測定する電圧測定部14、液圧シリンダ内の液圧を測定する圧力計16、荷受台の上昇時間を測定する時間測定部18、液圧装置の異常を判断する制御部20を備える。
【0025】
本願の異常診断システム10は、トラックまたはフォークリフト等の荷役装置に使用されている液圧装置の異常を診断する。たとえば、
図2に示すように、荷役装置22は荷受台24と液圧装置26を備える。液圧装置26はトラック28の荷受台24を昇降させる。このように荷受台24を昇降させるために、液圧装置26は荷役用液圧シリンダ32を備える(
図3)。荷役用液圧シリンダ32は荷受台24を昇降させるための液圧シリンダである。荷役用液圧シリンダ32はシリンダの中に液体(作動油)を供給または排出することでシリンダ内のピストンを直線運動するものである。ピストンにピストンロッドが取り付けられており、ピストンが直線運動することで、ピストンロッドの先端に取り付けられた荷受台24が上昇または下降する。
【0026】
図3に示すように、液圧シリンダ32を駆動させるための液圧装置26は、バッテリー12の電力で駆動するモーター36、そのモーター36の動力によって駆動するポンプ38、液体を荷役用液圧シリンダ32に供給または排出するために液体の流れを制御する電磁バルブ40、42、および液体を溜めるタンク44を備える。本説明において、液圧装置26はバッテリー12も含める。電磁バルブ40、42は方向制御弁を使用しており、ソレノイドに電流を流して弁を切り換え、液体の流れる方向を切り換える。
図3に示す電磁バルブ40、42はソレノイドを励磁しないとチェック弁(逆止弁)が選択された状態になり、ソレノイドを励磁させることで弁が開いた状態になる。
【0027】
液圧装置26の動作について説明する。モーター36の動力によってポンプ38が駆動し、タンク44に溜められた液体が各電磁バルブ40、42まで送られる。制御部20から各電磁バルブ40、42に信号を送信し、各電磁バルブ40、42のソレノイドに電流を流して弁を制御し、液体の流れる方向を制御する。具体的には、荷受台24を上昇させるときは、電磁バルブ40のソレノイドに電流を流して励磁し、電磁バルブ42のソレノイドは励磁させない。タンク44から荷役用液圧シリンダ32へ電磁バルブ40を通して液体が流れる経路が形成され、荷役用液圧シリンダ32に液体が供給される。荷役用液圧シリンダ32のピストンが移動し、ピストンロッドが荷受台24を上昇させるように移動する。なお、荷受台24が上昇しきった後にポンプ38が継続駆動していれば、リリーフ弁46を動作させて荷役用液圧シリンダ32に入りきらない液体をタンク44に流す。また、荷受台24を下降させるときは、電磁バルブ40のソレノイドは励磁させず、電磁バルブ42のソレノイドを励磁する。荷役用液圧シリンダ32からタンク44へ2つの電磁バルブ40、42を通して液体が流れる流路が形成される。荷受台24と物品の重量によって荷役用液圧シリンダ32のピストンが押され、荷役用液圧シリンダ32の液体がタンク44に向けて流れる。その際、荷役用液圧シリンダ32の液体が一気に排出され、荷受台24が一気に降下するのを防止する必要がある。そのために、電磁バルブ42とタンク44の間に絞り弁48を設けて、液体の排出を調整する。
【0028】
モーター36を駆動させるバッテリー12はトラック28などに使用されているものを使用する。トラック28のエンジンを停止させてからスイッチ50を押して液圧装置26を駆動させる。スイッチ50を押している間、液圧装置26が動作する。なお、モーター36のために専用のバッテリーをトラック28に設置してもよい。
【0029】
モーター36は直流ブラシレスモータを使用するが、他のモーターを使用してもよい。モーター36を駆動させる回路は、モーター36に電力供給するバッテリー12、モーター36とバッテリー12との接続および切断をおこなうコンタクタ52を備える(
図1)。制御部20からコンタクタ52へ信号を入力すると、コンタクタ52がオンになる。コンタクタ52がオンになるとバッテリー12とモーター36が接続され、モーター36に電力が供給される。
【0030】
電圧測定部14はモーター36に並列に接続された電圧計である。電圧測定部14はモーター36の両端電圧を測定し、測定された電圧値は制御部20に入力される。モーター36の両端電圧を測定しているが、コンタクタ52が閉じた状態でコンタクタ52の電圧降下を0として考えると、測定された電圧値はバッテリー12の両端電圧と同じになる。また、コンタクタ52の電圧降下を予め測定しておき、モーター36の両端電圧からコンタクタ52の電圧降下分を減算してバッテリー12の両端電圧を求めてもよい。電圧測定部14で測定された測定値が標準値よりも一定値以上低ければバッテリー12に異常が発生していると判断できる。
【0031】
圧力計16は荷役用液圧シリンダ32のシリンダ内の液体圧力が測定できる位置に取り付けられている。
図3においては、ポンプ38とバルブ40の間に圧力計16が接続されている。圧力計16はブルドン管圧力計またはダイアフラム式圧力計などを使用する。荷役用液圧シリンダ32に液体を供給しているときに圧力を測定する。荷受台24に載せられた物品の重量によって荷役用液圧シリンダ32内の液体の圧力が異なる。物品が重くなれば圧力計16で測定される圧力が大きくなる。このため圧力計16は重量測定部として機能する。測定された圧力値は制御部20に入力される。圧力計16で測定された測定値に標準値から一定値以上異なる値、たとえば大きなリップルなどがあればモーター36、ポンプ38またはその両方に異常が発生していると判断する。圧力値をそのまま使用してもよいし、物品の重量に変換して使用してもよい。
【0032】
時間測定部18は荷受台24が上昇している時間を計測するタイマーである。スイッチ50が押されている間に荷受台24が上昇する。その荷受台24の上昇する時間を測定し、制御部20に入力する。荷受台24の上昇する時間が標準値よりも一定時間以上長ければ、ポンプ38の吐出量が低下しており、モーター36、ポンプ38またはその両方に異常が発生していると判断できる。
【0033】
制御部20はCPUとメモリを備える。メモリはRAMとROMを備え、標準値を記憶し、さらにCPUが演算する際の一時記憶に利用される。標準値は後述するように電圧標準値、圧力標準値および時間標準値を含む。また、メモリにソフトウェアを記憶しておき、CPUはソフトウェアにしたがって演算する。制御部20は、外部とのデータの入出力のためにアナログ/ディジタル変換する回路とディジタル/アナログ変換する回路を備えてもよい。
【0034】
制御部20はモーター36のオン・オフ、電磁バルブ40、42の制御、液圧装置26の異常を判断する。スイッチ50が押されると制御部20は起動し、モーター36を駆動させるためにコンタクタ52に信号を入力する。また、電磁バルブ40、42に信号を入力し、上述したように電磁バルブ40、42における液体の流れる方向を制御する。スイッチ50は荷受台24の上昇および下降のためのスイッチを備える。押されたスイッチ50によって制御部20から各電磁バルブ40、42に送る信号が異なる。さらに、制御部20は電圧測定部14、圧力計16および時間測定部18で測定された各測定値と各標準値とを比較し、バッテリー12と液圧装置26の異常を判断する。
【0035】
メモリに記憶される電圧標準値、圧力標準値および時間標準値は
図4のようになっている。
図4に示す各標準値は荷受台24を上昇させるときの標準値であり、バッテリー12および液圧装置26が正常な場合の標準値である。まず、電圧標準値について説明する。スイッチ50を押した直後はモーター36の起動時の電圧降下によって、一旦電圧が降下する(T1)。その後、電圧が元の値に近い値まで上昇した後(T2)、バッテリー12の使用によって徐々に電圧が降下する。荷受台24が上昇しきるとそれ以上荷受台24が移動できないため、モーター36の負荷が高まり、電圧が降下する(T3)。スイッチ50が押されてからこの電圧降下があるまでの時間が荷受台24の上昇時間であり、時間測定部18はその上昇時間を測定する。そしてスイッチ50がオフになると、モーター36が停止され、モーター36への負荷がなくなり、電位が上昇する(T4)。なお、T4の後の電圧はコンタクタ52がオフになるため実際には測定できないが、説明のために
図4に示している。バッテリー12に異常があると、
図4に示すように、電圧測定部14で測定された電圧測定値が電圧標準値よりも低い電圧になる。電圧測定値と電圧標準値の差が一定以上あると荷受台24が停止するおそれがあるため、制御部20は異常と判断する。
【0036】
次に圧力標準値について説明する。
図4に示すように、荷受台24に載せられた物品の重量によって荷役用液圧シリンダ32の液体に圧力が生じ、荷受台24に物品が載せられている間ほぼ一定値で推移する。荷受台24が上昇しきるとそれ以上荷受台24が移動できないため、圧力が高くなる(T3)。スイッチ50が押されてからこの圧力変化があるまでの時間が荷受台24の上昇時間であり、時間測定部18はその上昇時間を測定する。なお、圧力が高まった後はリリーフ弁46の作用によって一定の圧力で推移する。スイッチ50がオフになるとモーター36が停止され、圧力が維持される。モーター36、ポンプ38またはその両方の異常があると、
図4に示すように、圧力測定値に大きなリップルが生じる場合がある。また、リップル以外にも圧力測定値が圧力標準値と大きく異なる場合もある。圧力測定値と圧力標準値の差を取った時にその差が一定値以上になると、制御部20はモーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断する。
【0037】
さらに、時間標準値は、上述しているように、スイッチ50が押されてからT3までの時間である(
図4)。モーター36、ポンプ38またはその両方に異常があると、
図4に示すように、時間測定部18で測定された時間測定値が長くなる。時間測定部18で測定された時間測定値と時間標準値の差が一定値以上になれば、荷受台24の上昇に時間がかかっており、モーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断する。
【0038】
荷受台24に載せられる物品の重量によって圧力計16で測定される圧力、時間測定部18で測定される時間が変化する。そのため、メモリに複数の重量についての各標準値を記憶しておく。なお、圧力計16で測定された圧力測定値を使用するのであれば、重量に応じた圧力について圧力標準値を記憶しておく。また、バッテリー12の両端電圧によってモーター36に流れる電流が変化する。電圧測定値と電圧標準値の差が異常値になっていない場合であっても、制御部20はその差から上昇時間が長くなるように電圧標準値を変換してもよい。
【0039】
荷受台24を上昇させるときは必ず物品が載せられているとは限らない。たとえば物品を荷下ろしした後に荷受台24を上昇させるときは荷受台24に物品が載っていない場合がある。それらの状態では物品の重量が0になる。上述した各標準値に物品の重量が0の場合も含めておくことで、物品が無い状態でも異常を診断することができる。
【0040】
上記のように制御部20は各測定値と各標準値の差を求め、その差が一定以上になればバッテリー12、モーター26またはポンプ38のいずれか1つの異常と判断する。このとき、差に応じて異常の程度を分類してもよい。たとえば差に応じて軽度の異常と重度の異常に分類し、後述する表示手段54に表示して注意を喚起するようにする。軽度の異常であれば点検をし、重度の異常であれば部品交換等を行うようにする。
【0041】
制御部20が異常と判断した場合にそれを伝えるための表示手段54を備える。表示手段54は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのディスプレイ、LEDなどの点灯装置、スピーカーなどの音声装置を含む。ディスプレイに異常の内容を表示してもよいし、LEDを点灯させることで異常を知らせてもよいし、警報音や異常の内容を知らせる音声などをスピーカーで発することで異常を知らせてもよい。
【0042】
異常診断システム10はトラック28やフォークリフトなどの荷役装置22の中に備えられる。荷役装置22が動作中に異常診断システム10も動作し、荷役装置22、特に荷役装置22に含まれる液圧装置26の異常を診断する。
【0043】
次に異常診断システム10と荷役装置22の動作について説明する。荷役装置22は荷受台24に物品を載せた後、荷台30に物品を積載するために荷受台24が上昇するときの動作について説明する。(1)荷受台24に物品が載せられた後、スイッチ50が押されると制御部20はコンタクタ52に信号を送る。信号が入力されている間、コンタクタ52がオンになり、バッテリー12からモーター36に電力が供給される。モーター36が駆動し、モーター36の動力でポンプ38が駆動して、各電磁バルブ40、42まで液体が供給される。荷受台24を上昇させるためには制御部20から電磁バルブ40に信号を送ってソレノイドを励磁させる。タンク44から荷役用液圧シリンダ32まで液体の経路が形成され、荷役用液圧シリンダ32に液体が供給される。荷役用液圧シリンダ32のピストンが動作し、荷受台24を上昇させる。
【0044】
(2)電圧測定部14はバッテリー12の両端電圧の電圧値を測定し、制御部20に入力する。圧力計16は荷役用液圧シリンダ32における液体の圧力値を測定し、制御部20に入力する。時間測定部18は荷受台24の上昇時間を測定し、制御部20に入力する。時間測定部18が測定する荷受台24の上昇時間は、スイッチ50が押されてから上述した電圧または圧力の変化があるまでの時間である。
【0045】
(3)制御部20は最初に測定された圧力測定値に応じて、電圧標準値、圧力標準値および時間標準値を選択する。たとえば圧力標準値に応じて電圧標準値と時間標準値をメモリに記憶しておき、圧力測定値と同一の圧力標準値およびその圧力標準値に対応した電圧標準値と時間標準値を選択する。なお、重量に応じて標準値を記憶している場合、制御部20は圧力値を重量に変換し、その重量に応じた標準値を選択する。
【0046】
(4)制御部20は選択した各標準値を測定された電圧測定値、圧力測定値および時間測定値と比較し、その差分を計算する。差分が一定値以上大きければバッテリー12または液圧装置26の少なくとも1つに異常があると判断する。具体的には、電圧測定値と電圧標準値の差が一定値以上あればバッテリー12の異常と判断する。圧力測定値と圧力標準値の差が一定値以上あればモーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断する。時間測定値と時間標準値の差が一定値以上あればモーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断する。
【0047】
(5)異常があれば表示手段54で異常を表示し、操作者に異常を知らせる。また、異常が無い場合は、正常であることを表示手段54で表示してもよい。
【0048】
スイッチ50が押された際にバッテリー12の電圧が極端に低いなど、荷受台24が上昇する直前に電圧測定値と電圧標準値の差が非常に大きければ、液圧装置26を停止させてもよい。バッテリー12の電圧降下が大きく、荷受台24は上昇途中で停止する確率が高くなるため、液圧装置26を停止させることでトラック30が移動できる状態を確保する。表示手段54に荷役装置22が故障していることを表示する。なお、バッテリー12の電圧が低い場合に、トラック28のエンジンを駆動させて、バッテリー12を充電させながら、または充電させた後に、荷受台24を作動させてもよい。
【0049】
以上のように、本発明は各測定値と各標準値を比較することで、バッテリー12、モーター36、荷役用液圧シリンダ32の異常を検出できる。物品を荷役するたびに異常を診断しており、液圧装置26が故障して荷受台24が途中で停止する前に異常を発見しやすい。荷役装置22が動作していても故障に繋がる異常を発見でき、荷役装置22の故障を未然に防ぎやすい。
【0050】
[実施形態2]
図5の異常診断システム56のように、上記圧力計16の代わりにモーター36に回転検出器(回転測定部)58を取り付けてもよい。荷受台24に積載された物品の重量によってモーター36にかかる負荷(トルク)が変化し、モーター36の回転数に影響する。たとえば、物品の重量が重くなればモーター36にかかる負荷が大きくなり、モーター36の回転数が遅くなる。そのため、回転検出器58は荷受台24に載せられた物品の重量に応じた回転数を測定して回転数測定値を得る。回転数測定値は制御部20に入力される。制御部20は回転数から重量に変換してもよい。また制御部20は予め重量に応じた回転数を測定し、回転数標準値としてメモリに記憶しておく。
【0051】
回転数測定値は、液圧装置26が正常であれば上記圧力測定値と同じでほぼ一定値で推移する。回転数測定値と回転数標準値との差が一定値以上になれば、制御部20は、モーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断できる。
【0052】
図6の異常診断システム60のように、上記圧力計16と回転検出器58の代わりに、モーター36に流れる電流を計測する電流測定部を用いてもよい。電流測定部64はモーター36とコンタクタ52の間に直列に接続された電流計である。荷受台24に載せられた物品の重量によってモーター36にかかる負荷(トルク)が変化し、その負荷に応じてモーター36に流れる電流が変化する。たとえば荷受台24に載せられた物品の重量が重くなれば、モーター36にかかる負荷が大きくなり、電流が大きくなる。測定された電流値は電流測定値として制御部20に入力される。制御部20は電流値を重量に変換してもよい。また、制御部20は予め物品の重量に応じた電流値を測定しておき、電流標準値としてメモリに記憶しておく。
【0053】
液圧装置26に異常が無ければ電流測定値は上記圧力測定値と同様に一定で推移する。電流測定値と電流標準値との差が一定値以上になれば、制御部はモーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断できる。
【0054】
圧力計16、回転検出器58および電流測定部62は荷受台24に載せられた物品の重量を測定する重量測定部として機能し、圧力測定値、回転数測定値および電流測定値は重量測定値であり、圧力標準値、回転数標準値および電流標準値は重量標準値である。重量測定部、重量測定値および重量標準値において、1つの手段を使用することに限定されず、複数の手段を一緒に使用してもよい。複数の測定値を使用することで正確な測定が可能なる。たとえば圧力測定値、回転数測定値、電流測定値の中から複数の値を測定した場合、1つの測定値にのみが標準値と一定値以上の差になっても単なるノイズの可能性がある。そのため、複数の測定値と標準値の差が一定値以上になった場合にモーター36、ポンプ38またはその両方の異常と判断してもよい。
【0055】
[実施形態3]
上記実施形態1または2において、時間測定部18を省略した構成にすることも可能である。上述したように時間測定部18によってモーター36またはポンプ38の少なくても1つの異常を検出していた。上記の実施形態において、重量測定部として機能する圧力計16、回転検出器60または電流測定部64によってモーター36、ポンプ38またはその両方の異常を判断できる。そのため、時間測定部18を省略することが可能である。なお、逆に時間測定部18を省略せず、圧力計16、回転検出器60または電流測定部64の少なくとも1つを省略してもよい。
【0056】
[実施形態4]
図7の異常診断システム70のように、測定値を通信するための通信手段72を備えてもよい。通信手段72はネットワーク74を介して移動体通信をおこなえる装置、WiFiで通信する装置などが挙げられる。各測定値を通信手段72によって送信し、ホストコンピュータ76の記憶手段で記憶する。また、制御部20がおこなう異常の判断をホストコンピュータ76で行ってもよい。ホストコンピュータ76で判断された結果は、ネットワーク74を介して上記表示手段54で表示するようにする。さらに、ホストコンピュータ76からネットワーク74を介して操作者のコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットに結果を送信してもよい。荷役装置22のメンテナンス者のコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどにネットワーク74を介して結果を送信してもよい。メンテナンス者のコンピュータ等に結果をディスプレイに表示するためのソフトウェア(アプリケーション)を記憶しておく。操作者がメンテナンス者に連絡をしなくても、メンテナンス者に荷役装置22の異常が報告される。メンテナンス者が荷役装置22の操作者に連絡し、メンテナンスするためにトラック28の停止している場所まで行くことも可能である。
【0057】
[実施形態5]
制御部20のメモリに記憶された各標準値およびソフトウェアを書き換えられるように構成してもよい。たとえば、上記ネットワーク74を介して各標準値およびソフトウェアを書き換えてもよい。物品の重量による各標準値が増えた場合などに対応できる。
【0058】
[実施形態6]
図8の液圧装置80のように、荷台30を格納および引き出すための格納引出用液圧シリンダ82、格納引出用液圧シリンダ82に液体を供給または排出するための電磁バルブ84、86を備えてもよい。荷受台24は昇降だけでなく、荷台30の下方に格納および引き出しする構成であってもよく、液圧装置80は液圧装置26に対して荷受台24を荷台30の下方に格納および引き出しするための構成が追加されている。
【0059】
図8の液圧装置80において、荷受台24を荷台30の下方から引き出す場合は、電磁バルブ84のソレノイドを励磁させ、電磁バルブ86のソレノイドを励磁させない。タンク44から電磁バルブ84を介して格納引出用液圧シリンダ82のピストンの一方側Aまでの液体の経路が形成される。途中絞り弁88によって液体の流量が調整される。液体が格納引出用液圧シリンダ82のピストンの一方側Aに流入され、ピストンの他方側Bの液体は排出されて一方側Aに流れる。なお、一方側Aと他方側Bの液体の圧力が同じになる場合、格納引出用液圧シリンダ82を傾斜させて配置させたり、手動で荷受台24を引き出せるようにして、一方側Aに液体が流れるようにしてもよい。ピストンが移動し、荷台30の下方に収納された荷受台24が引き出される。荷受台24を荷台30の下方に格納する場合、電磁バルブ86のソレノイドを励磁させ、電磁バルブ84のソレノイドを励磁させない。タンク44から格納引出用液圧シリンダ82の他方側Bまでの液体の経路ができ、さらに格納引出用液圧シリンダ82の一方側Aから電磁バルブ86を介してタンク44までの液体の経路ができる。タンク44の液体が格納引出用液圧シリンダ82のピストンの他方側Bに入ると同時に、格納引出用液圧シリンダ82のピストンの一方側Aの液体が電磁バルブ86を通してタンク44に流れる。
【0060】
格納と引き出しを行うためのスイッチ50を備えておき、格納または引き出しのスイッチ50が押されると制御部20が上記のような動作を行うように各電磁バルブ84、86に信号を送る。なお、荷受台24の格納または引き出しが終了した後もスイッチ50が押されたときに格納引出用液圧シリンダ82に入らない液体をタンク44に流すために電磁バルブ90とリリーフ弁92を駆動させる。リリーフ弁92はリリーフ弁46よりも低圧で動作するようにする。電磁バルブ90のソレノイドに電流を流して駆動させたときに、荷役用シリンダ32に影響を与えず、省エネであり液音をおさえることができる。
【0061】
図8の液圧装置80であっても荷受台24の昇降時に上記のような異常検出をおこなってもよい。また、荷受台24の格納および引き出し時に、昇降時と同様の異常検出をおこなってもよい。この場合、荷受台24に物品が載せられていないので、物品の重量標準値(圧力標準値、回転数標準値および電流標準値は重量標準値)を0として上記の異常検出をおこなう。その他は、上記の異常検出と同様に、電圧測定値と電圧基準値、重量測定値と重量標準値、時間測定値と時間標準値の差を取り、その差が一定以上の場合に異常と判断する。
【0062】
[実施形態7]
各実施形態において制御部20は各標準値と各測定値を比較する際に差分を取って、その差が一定値以上であれば異常と判断している。制御部20がおこなうその比較は差分を取ることに限定されない。たとえば、各標準値に一定の範囲を設定し、制御部20は各測定値がその一定の範囲に入っていなければ異常と判断するようにしてもよい。
【0063】
[実施形態8]
液圧装置は上記の実施形態に限定されず、液圧装置の構成によっては、荷受台24を下降させるときに、上記実施形態で説明したことと同様の異常診断を行ってもよい。
【0064】
全ての実施形態はトラックを例に説明したが、トラックは一例であり、液圧シリンダを使用する機器に対して本願は適用できる。その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0065】
10、56、60、70:異常診断システム
12:バッテリー
14:電圧測定部
16:圧力計
18:時間測定部
20:制御部
22:荷役装置
24:荷受台
26、80:液圧装置
28:トラック
30:荷台
32:荷役用液圧シリンダ
36:モーター
38:ポンプ
40、42、84、86、90:電磁バルブ
44:タンク
46、92:リリーフ弁
48、88:絞り弁
50:スイッチ
52:コンタクタ
54:表示手段
58:回転検出器
62:電流測定部
72:通信手段
74:ネットワーク
76:ホストコンピュータ
82:格納引出用液圧シリンダ