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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】形状計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/25 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
G01B11/25 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019054050
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020153884
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉井 孝次
(72)【発明者】
【氏名】中村 潤
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-063737(JP,A)
【文献】特開平06-126442(JP,A)
【文献】特開2019-015552(JP,A)
【文献】特開2001-276974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接前または溶接後に鋼構造体に形成された計測対象の形状を計測する形状計測装置であって、
複数の車輪を有し、前記車輪によって走行面上を走行可能な台車本体と、
前記台車本体に設けられた、前記台車本体の進行方向と平行に延びる軸部と、
前記軸部に設けられた、前記進行方向と直交する方向に延びる棒部材と前記棒部材の一端に設けられた前記計測対象と接触させる球面部とを有するガイドロッドと、
前記計測対象を含む前記鋼構造体に照射されるレーザー光を照射するレーザー照射部と、
前記レーザー照射部から照射されたレーザー光が前記計測対象を含む前記鋼構造体で反射された反射光を受光する受光部と、
を有し、
前記ガイドロッドと前記レーザー照射部とは、前記ガイドロッドの前記棒部材の軸線と前記レーザー照射部から前記計測対象を含む前記鋼構造体に照射されるレーザー光の前記進行方向と直交する方向における照射幅中心とが一致するように配置されると共に、前記軸部を中心に回転可能に構成され、
前記計測対象の形状計測は、前記ガイドロッドの前記球面部を前記計測対象に接触させた状態で、前記計測対象に向けて前記レーザー照射部からレーザー光を照射して反射された反射光を前記受光部で受光して得られる受光結果に基づいて行うことを特徴とする形状計測装置。
【請求項2】
接触する前記計測対象に対して前記球面部を付勢する弾性部材を前記ガイドロッドに設けたことを特徴とする請求項1に記載の形状計測装置。
【請求項3】
前記台車本体の進行方向の一方側に配置され、前記台車本体が走行する走行面に接触するとともに、前記台車本体の走行に基づく回転変位に応じて所定幅のパルスを出力するロータリーエンコーダを有しており、
前記パルスの出力タイミングに応じて前記受光部で得た前記反射光の受光結果を、外部に出力することを特徴とする請求項1または2に記載の形状計測装置。
【請求項4】
前記台車本体は、前記台車本体を走行させる際に作業者が把持する把持部を有し、前記把持部は、前記台車本体を前記進行方向と直交する前記台車本体の幅方向と平行な方向から見て、前記ロータリーエンコーダの鉛直上方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の形状計測装置。
【請求項5】
前記把持部は、前記台車本体の前記進行方向と平行な方向から見て前記ロータリーエンコーダの鉛直上方に位置することを特徴とする請求項4に記載の形状計測装置。
【請求項6】
前記ガイドロッド及び前記レーザー照射部は、前記台車本体の前記進行方向と直交する方向における幅方向と鉛直上下方向の少なくとも一方の位置を調整可能な調整機構を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の形状計測装置。
【請求項7】
外部に出力された前記受光結果に基づいて、前記計測対象の形状データを表示可能な表示部を前記台車本体の上方に、前記台車本体に対して着脱可能に設けたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の形状計測装置。
【請求項8】
前記台車本体を走行させる際に作業者が把持する把持部は、前記台車本体に対して位置変更が可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の形状計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、溶接工程においては、溶接した後に溶接接手部分が確実に溶接されているかどうかを確認するための溶接状態(隅肉)の確認や、溶接作業前に溶接予定部位の状態(開先形状)を確認する作業を行うのが一般的である。
【0003】
開先部位を検出する方法としては、接触式と非接触式とがあり、前者はプローブ式の接触センサを用いる方式であり、開先形状が特定の形状、例えばY型やV型といったものしか適用できないという欠点がある。そのため、形状や位置を問わず検出が可能な非接触検出として、レーザーを開先幅方向にスキャニングするレーザースキャンセンサ方式が注目されている。
【0004】
レーザースキャンセンサを用いた検出作業は、これまで、作業者がレーザー変位計を保持しながら溶接部位を一点ずつ計測器で計測し、その結果を別の場所もしくは他の作業者が持っている表示装置でその都度確認し、確認した結果から計測姿勢の調整や、計測機器の計測条件の変更等を行って測定条件を調整している。そのため、検出すべき溶接部位の全長が長い場合や曲線の場合、また作業者が計測機器を所定位置に保持しにくい狭いまたは傾いた環境下での検出は、作業者が安定して計測機器を保持することが困難であり、また計測機器を支える手の振動によって、精度の高い安定した検出を行うことができない、という問題が生じていた。
【0005】
一方、非接触型の検出方式を用いた計測機構であるレーザースキャンセンサを用いた計測機構としては、特許文献1及び2に記載の技術が知られている。
【0006】
特許文献1は、レーザーを用いた非接触型計測センサ装置、特に大型水圧鉄管全周の開先形状を計測する計測装置に関する。従来の手作業による複数人での計測では、計測場所や計測姿勢が悪いために、労力及び時間が多大となる他、計測を行った作業者間での計測バラつきも大きい点に鑑み、前記計測センサを用いた自動計測装置を鉄管の溶接継手部に沿って自走する台車に搭載して計測する、というものである。
【0007】
特許文献2は、開先内に入り込む所定のテーパー形状を備えた倣いローラを備え、その両側にレーザースキャンセンサを配置した装置本体を、複数の車輪上に搭載して自走またはけん引する検出機構が開示されている。係る構成、つまり倣いローラを開先から外れないように、検出位置を一定に保つように開先内に倣う構成を備えることによって、簡単且つ正確に開先幅や目違い量を検出することができる、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平11-47932号公報
【文献】特開2001-276974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、大型水圧鉄管の溶接継手部という特定の予め決まった形状の計測部位を計測するために、係る部位に沿って予め設けられたレール上に台車を沿わせて自走させるものである。そのため、建築現場での開先や隅肉が形成される部位のように測定環境や計測部位の角度が様々な計測部位に柔軟に対応し、且つ、精度よく測定するものではない。また、大型水圧鉄管の溶接継手部に特化しているものゆえ、そのような柔軟な計測を必要とするものではない。
【0010】
また、特許文献2に開示された技術は、開先幅が変化した場合に正確に検出する機構ではある。しかしながら建設現場では、開先のみならず鋼構造体に様々な位置や角度で形成されている隅肉などの溶接についても検出する必要があるが、そのような開先、隅肉の両方に適用可能なものとしては考慮されていない。
【0011】
例えば、隅肉は接合する鋼板同士の継ぎ目などのため斜めに形成されている部位があるが、そのような部位を計測するのに対応できる構成ではなく、考慮もされていない。また、検出部位の形状を正確に把握するためには、レーザースキャンの幅方向は勿論、当該幅方向とは直交する方向の距離情報を正確に把握する必要があるが、係る配慮は何らなされていない。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、溶接前または溶接後に鋼構造体に形成された開先や隅肉といった計測対象の形状を、全長にわたって安定して精度よく計測することができる形状計測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る形状計測装置は、溶接前または溶接後に鋼構造体に形成された計測対象の形状を計測する形状計測装置であって、複数の車輪を有し、前記車輪によって走行面上を走行可能な台車本体と、前記台車本体に設けられた、前記台車本体の進行方向と平行に延びる軸部と、前記軸部に設けられた、前記進行方向と直交する方向に延びる棒部材と前記棒部材の一端に設けられた前記計測対象と接触させる球面部とを有するガイドロッドと、前記計測対象を含む前記鋼構造体に照射されるレーザー光を照射するレーザー照射部と、前記レーザー照射部から照射されたレーザー光が前記計測対象を含む前記鋼構造体で反射された反射光を受光する受光部と、を有し、前記ガイドロッドと前記レーザー照射部とは、前記ガイドロッドの前記棒部材の軸線と前記レーザー照射部から前記計測対象を含む前記鋼構造体に照射されるレーザー光の前記進行方向と直交する方向における照射幅中心とが一致するように配置されると共に、前記軸部を中心に回転可能に構成され、前記計測対象の形状計測は、前記ガイドロッドの前記球面部を前記計測対象に接触させた状態で、前記計測対象に向けて前記レーザー照射部からレーザー光を照射して反射された反射光を前記受光部で受光して得られる受光結果に基づいて行うことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る形状計測装置は、接触する前記計測対象に対して前記球面部を付勢する弾性部材を前記ガイドロッドに設けてもよい。
【0015】
また、本発明に係る形状計測装置は、前記台車本体の進行方向の一方側に配置され、前記台車本体が走行する走行面に接触するとともに、前記台車本体の走行に基づく回転変位に応じて所定幅のパルスを出力するロータリーエンコーダを有しており、前記パルスの出力タイミングに応じて前記受光部で得た前記反射光の受光結果を、外部に出力する構成であってもよい。
【0016】
また、本発明に係る形状計測装置は、前記台車本体は、前記台車本体を走行させる際に作業者が把持する把持部を有し、前記把持部は、前記台車本体を前記進行方向と直交する前記台車本体の幅方向と平行な方向から見て、前記ロータリーエンコーダの鉛直上方に位置していてもよい。
【0017】
また、本発明に係る形状計測装置は、前記把持部は、前記台車本体の前記進行方向と平行な方向から見て前記ロータリーエンコーダの鉛直上方に位置していてもよい。
【0018】
また、本発明に係る形状計測装置は、前記ガイドロッド及び前記レーザー照射部は、前記台車本体の前記進行方向と直交する方向における幅方向と鉛直上下方向の少なくとも一方の位置を調整可能な調整機構を備えていてもよい。
【0019】
また、本発明に係る形状計測装置は、外部に出力された前記受光結果に基づいて、前記計測対象の形状データを表示可能な表示部を前記台車本体の上方に、前記台車本体に対して着脱可能に設けてもよい。
【0020】
また、本発明に係る形状計測装置は、前記台車本体を走行させる際に作業者が把持する把持部は、前記台車本体に対して位置変更が可能に構成してもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る形状計測装置は、溶接前または溶接後に鋼構造体に形成された開先や隅肉といった計測対象の形状を、全長にわたって安定して精度よく計測することができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る形状計測装置の概略構成を示した側面図である。
図2図2は、実施形態に係る形状計測装置の概略構成を示した正面図である。
図3図3は、実施形態に係る形状計測装置の概略構成を示した背面図である。
図4図4は、ガイドロッド及び測定部の一部を上下方向で切断した断面図である。
図5図5は、形状計測装置による計測時の開先の近傍の拡大図である。
図6図6は、図1のA-A断面図である。
図7図7は、図1のB-B断面図である。
図8図8は、軸部材、ホルダー及び操作バーが幅方向に移動した状態を示した図である。
図9図9は、形状計測装置によって隅肉の形状を計測する場合を示した図である。
図10図10は、形状計測装置による計測時の隅肉の近傍の拡大図である。
図11図11は、台車本体に対する操作バーの把持部の取り付け位置を変更した場合を示した図である。
図12図12は、形状計測装置及び処理装置の構成を示したブロック図である。
図13図13は、表示操作部の画面表示の一例を示した図である。
図14図14は、実施形態に係る形状計測装置と処理装置とを用いた形状計測の制御の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る形状計測装置の実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0024】
図1は、実施形態に係る形状計測装置1の概略構成を示した側面図である。図2は、実施形態に係る形状計測装置1の概略構成を示した正面図である。図3は、実施形態に係る形状計測装置1の概略構成を示した背面図である。図4は、ガイドロッド20及び測定部30の一部を上下方向で切断した断面図である。図5は、形状計測装置1による計測時の開先3の近傍の拡大図である。図6は、図1のA-A断面図である。図7は、図1のB-B断面図である。
【0025】
図1に示すように、実施形態に係る形状計測装置1は、台車本体10、ガイドロッド20、測定部30、操作バー40、ロータリーエンコーダ50、及び、表示操作部60などを備えている。なお、ここでは、図2などに示すように、実施形態に係る形状計測装置1の計測対象が、鋼構造体を構成する鋼板2Aと鋼板2Bとの突き合わせ溶接を行う前に、鋼板2Aと鋼板2Bとの間に形成された開先3である場合について説明する。
【0026】
台車本体10は、台座部11及びステー部12などによって構成されている。台座部11には、台車本体10を鋼板2A,2B上で走行させる際に、鋼板2A,2Bの上面である走行面2a,2bに接触させる複数の車輪13が設けられている。ステー部12は、台車本体10の進行方向で台座部11の後方側で上方に立設された一対のサイドステー12a,12bや、サイドステー12a,12bの上端に固定された前記進行方向と直交する方向である幅方向に延在する上部ステー12cなどによって構成されている。
【0027】
ガイドロッド20は、台車本体10の進行方向の前方側に配置されており、ガイドロッド軸部材21、先端部22、及び、スプリング23などによって構成されている。
【0028】
ガイドロッド軸部材21は、前記進行方向と直交する方向に長尺な丸棒状の軸部材からなる。ガイドロッド軸部材21は、測定部30の前記進行方向の前方側の面に設けられたガイドロッドホルダー32に、ガイドロッド軸部材21の軸線方向(図4では上下方向)にスライド移動可能に保持されている。
【0029】
先端部22は、鋼などの金属によって構成されており、図4に示すように、球体の一部を径方向に切断することによって形成された平坦部22aと、先端部22の平坦部22a以外の外周面を形成する球面部22bとを有している。ガイドロッド軸部材21の下端面21aには、雄ねじ部21bが設けられている。また、先端部22の平坦部22aには、雄ねじ部21bと螺合可能なねじ穴22cがあけられている。そして、先端部22は、雄ねじ部21bとねじ穴22cとを螺合させることにより、ガイドロッド軸部材21の下端に固定される。
【0030】
また、ガイドロッド20には、先端部22を計測対象である開先3に向かって付勢するための弾性部材であるスプリング23が設けられている。このスプリング23は、中空内部にガイドロッド軸部材21が挿通されている。スプリング23の下端は、先端部22の平坦部22aと接触させている。スプリング23の上端は、ガイドロッドホルダー32の下面32aに接触させている。そして、先端部22とガイドロッドホルダー32とによってスプリング23を挟み込んで圧縮させることにより、スプリング23の弾性力(復元力)によって先端部22が開先3に向かって付勢される。これにより、ガイドロッド20の球面部22bは、スプリング23によって開先3に向かって付勢されて開先3に接触しているため、開先3から受ける反力に対しても形状計測装置1全体の上下振動を吸収し、比較的安定した計測が可能となる。
【0031】
図1に示すように、測定部30は、測定部30の外郭を形成する筐体31、ガイドロッドホルダー32、レーザー照射部33、及び、受光部34などを有しており、台車本体10に設けられている。また、図1に示すように、測定部30には、後述するコントローラ120(図12参照)との間で通信を行うための通信ケーブル80が接続されている。
【0032】
筐体31の前記進行方向で前方側の面である前面31aには、ガイドロッド軸部材21を保持する筒状のガイドロッドホルダー32が設けられている。図4に示すように、ガイドロッドホルダー32は、筐体31の前面31aとガイドロッドホルダー32とにあけられた、前記進行方向に貫通するねじ孔311,321にボルト91を挿通して、筐体31の前面31aにボルト91によって固定されている。ガイドロッドホルダー32には、ガイドロッド軸部材21が挿通可能な不図示の貫通孔があけられており、この貫通孔にガイドロッド軸部材21を挿通させることによって、ガイドロッドホルダー32にガイドロッド軸部材21が保持される。
【0033】
図1に示すように、レーザー照射部33は、前記進行方向と直交する方向の所定範囲にわたってレーザー光Lを照射するライン光源であって、筐体31内の下部に設けられている。図5に示すように、レーザー照射部33から開先3及び鋼構造体に向けてレーザー光Lを照射させるときには、レーザー照射部33から照射されるレーザー光Lの照射領域L内に開先3が位置する状態で行う。なお、レーザー照射部33は、ガイドロッド軸部材21の軸線AXと、照射領域Lにおける前記直交する方向での照射幅中心Pとが一致するように配置されている。
【0034】
図1に示すように、受光部34は、筐体31内の下部であって、レーザー照射部33よりも前記進行方向で前方に設けられている。受光部34は、レーザー照射部33から照射されたレーザー光Lが、開先3及び鋼構造体(鋼板2A,2B)で反射された反射光Lを受光する。
【0035】
棒状の取手部材である操作バー40は、操作バー軸部41と、台車本体10を走行させる際に作業者が把持する把持部42とを有している。把持部42の下端面42aには、雄ねじ部42bが設けられている。また、操作バー軸部41の上端面41aには、雄ねじ部42bと螺合可能なねじ穴41bがあけられている。そして、把持部42は、雄ねじ部42bとねじ穴41bとを螺合させることにより操作バー軸部41の上端に固定される。
【0036】
ロータリーエンコーダ50は、台車本体10の前記進行方向の後方側に配置され、台車本体10が走行する走行面2bに周面50aが接触されており、台車本体10の走行に基づくロータリーエンコーダ50の回転変位に応じて所定幅のパルスを出力する。そして、前記パルスの出力タイミングに応じて、受光部34で得た反射光Lの受光結果を、外部に出力、例えば、後述する処理装置100(図12参照)のコントローラ120(図12参照)に出力する。これにより、台車本体10を手動で走行させても、走行面2bに接触したロータリーエンコーダ50で一定距離毎にパルスを出力するため、受光結果(測定結果)は台車本体10の走行速度に関係なく一定の計測が可能となる。なお、台車本体10の走行に伴ってロータリーエンコーダ50が回転可能であれば、ロータリーエンコーダ50の周面50aの一部が前記幅方向で開先3の上に位置していてもよい。
【0037】
また、実施形態に係る形状計測装置1は、図1に示すような形状計測装置1の前記幅方向から見た側面視で、操作バー40の把持部42がロータリーエンコーダ50の鉛直上方に位置している。具体的には、形状計測装置1の前記幅方向の側面視で、前記上下方向に延びる操作バー40の軸線と同一線上にロータリーエンコーダ50が位置するように、操作バー40の把持部42をロータリーエンコーダ50の鉛直上方に位置させるのがより好ましい。このように、操作バー40の把持部42をロータリーエンコーダ50の鉛直上方に配置することによって、走行面からロータリーエンコーダ50が走行時に受ける上下のばたつきを、操作バー40の把持部42を把持した作業者によって、しっかりと押さえつけて精度よくパルス出力を行うことが可能となる。
【0038】
表示操作部60は、外部に出力された受光結果に基づいて計測対象の形状データを表示可能であり、台車本体10の上方に、台車本体10に対して着脱可能に設けられている。それにより、測定して得られた測定対象の形状を上方から表示操作部60により作業者が把握可能である他、上方にスペースの制限があり測定対象の形状データを視認しにくい場合であっても表示操作部60を取り外して確認することができ、作業者が手元で見ながら台車本体10を操作することもできる。そのため、計測形状による作業判断をよりリアルタイムに行うことができる。
【0039】
なお、表示操作部60は、台車本体10に対して角度調整可能であっても良く、その場合、上方にスペースの制限があるような場合でも台車本体10に配置したまま、例えば斜めから表示操作部60の計測結果を確認することが可能となる。
【0040】
実施形態に係る形状計測装置1では、図2に示すように、計測対象である開先3にガイドロッド20の球面部22bを接触させた状態で、作業者が操作バー40の把持部42を把持して手動によって、台車本体10を前記進行方向に走行させる。そして、台車本体10を前記進行方向に走行させながら、開先3に向けてレーザー照射部33からレーザー光Lを照射し、開先3及び鋼構造体で反射された反射光Lを受光部34で受光し、受光結果に基づいて開先3の形状を計測する。
【0041】
また、実施形態に係る形状計測装置1は、ガイドロッド20及び測定部30を、台車本体10の進行方向と直交する方向である幅方向と上下方向との少なくとも一方に移動させて、台車本体10に対するガイドロッド20及び測定部30の前記幅方向と前記上下方向との少なくとも一方の位置を調整可能な調整機構70を備えている。調整機構70は、軸部材71、ホルダー72、ブラケット73、及び、ガイド部材74などを備えている。
【0042】
軸部材71は、前記進行方向に長尺な丸棒状であり、前記進行方向の前方側の端部が測定部30の前記進行方向の後方部分と接続されている。
【0043】
図3及び図6を参照して、ホルダー72は、前記進行方向と直交する方向である幅方向に並んで配置された第1ホルダー部72aと第2ホルダー部72bとを有している。第1ホルダー部72aと第2ホルダー部72bとのそれぞれの前記幅方向で対向する面721a,721bには、軸部材71の周面に沿った不図示の凹み部が対を成して形成されている。また、第1ホルダー部72aには、前記幅方向に貫通するとともに、上下方向で前記凹み部を介して配置された不図示の一対のねじ孔が設けられている。また、第2ホルダー部72bには、前記幅方向で第1ホルダー部72aと対向する面721bに、第1ホルダー部72aに設けられた前記一対のねじ孔に対応した位置で、不図示の一対の有底のねじ穴があけられている。
【0044】
そして、軸部材71の後方側の端部は、前記凹み部に嵌り込み、第1ホルダー部72aと第2ホルダー部72bとに挟まれた状態で、前記一対のねじ孔と前記一対のねじ穴とに挿通された2つのボルト92を締め付けることによって、ホルダー72に保持される。
【0045】
なお、ホルダー72で保持する軸部材71の後方側の端部の位置は、2つのボルト92の締め付けを緩めて、第1ホルダー部72aと第2ホルダー部72bとに挟まれた状態の軸部材71を、ホルダー72に対して前記進行方向で前方側または後方側に移動させることによって調整可能である。また、この位置の調整によって、軸部材71に接続された測定部30、さらには測定部30のガイドロッドホルダー32に保持されたガイドロッド20の台車本体10に対する前記進行方向の位置の調整を行うことができる。
【0046】
また、第1ホルダー部72aと第2ホルダー部72bとに軸部材71が挟まれた状態で、2つのボルト92の締め付けを緩めることによって、軸部材71を前記進行方向と同方向に延びる軸線を中心に回転させることが可能である。このように軸部材71を回転させることによって、軸部材71に接続された測定部30、さらには測定部30のガイドロッドホルダー32に保持されたガイドロッド20が、軸部材71の軸線を回転軸として、この回転軸を中心に回転する。
【0047】
第2ホルダー部72bには、前記上下方向で貫通し、操作バー40の操作バー軸部41が挿通される貫通孔722bが設けられている。また、第2ホルダー部72bの前記幅方向で第1ホルダー部72a側とは反対側の面723bに、前記上下方向に延在するとともに貫通孔722bと連通した切り欠き部724bが設けられている。また、第2ホルダー部72bには、切り欠き部724bと交差するように前記進行方向に貫通し、前記上下方向に並んで配置された不図示の一対のねじ孔があけられている。
【0048】
操作バー軸部41の下方側の端部は、貫通孔722bに挿通された状態で、前記一対のねじ孔に挿通された2つのボルト93を締め付けることにより、切り欠き部724bの前記進行方向の間隔が狭まるように第2ホルダー部72bが変形し、操作バー軸部41が貫通孔722bの内周面で挟み込まれて、ホルダー72に保持される。
【0049】
なお、操作バー軸部41とホルダー72との前記上下方向での相対位置は、2つのボルト93の締め付けを緩めて、貫通孔722bに操作バー軸部41が挿通された状態で、ホルダー72に対して操作バー軸部41、または、操作バー軸部41に対してホルダー72、を前記上下方向で上方側または下方側に移動させることによって調整可能である。
【0050】
そして、ホルダー72に軸部材71が保持された状態で、操作バー軸部41に対してホルダー72の前記上下方向に移動させることによって、この移動に連動して、ホルダー72に保持された軸部材71が前記上下方向に移動する。これにより、軸部材71に接続された測定部30も前記上下方向に移動することになるため、測定部30の前記上下方向の位置を調整することができる。
【0051】
図3及び図7を参照して、ブラケット73は、前記上下方向で貫通し、操作バー40の操作バー軸部41が挿通される貫通孔731が設けられている。また、ブラケット73の前記進行方向で後方側の面732に、前記上下方向に延在するとともに貫通孔731と連通した切り欠き部733が設けられている。また、ブラケット73には、切り欠き部733と交差するように前記幅方向に貫通するねじ孔734があけられている。
【0052】
操作バー軸部41は、貫通孔731に挿通された状態で、ねじ孔734に挿通されたボルト94を締め付けることにより、切り欠き部733の前記幅方向の間隔が狭まるようにブラケット73が変形し、操作バー軸部41が貫通孔731の内周面で挟み込まれて、ブラケット73に保持される。
【0053】
なお、操作バー軸部41とブラケット73との前記上下方向での相対位置は、ボルト94の締め付けを緩めて、貫通孔731に操作バー軸部41が挿通された状態で、ブラケット73に対して操作バー軸部41を前記上下方向で上方側または下方側に移動させることによって調整可能である。
【0054】
ガイド部材74は、上部ステー12cの前記進行方向で後方側の面121cに4つのボルト97によって固定されており、ブラケット73を保持するとともに、ブラケット73の前記幅方向への移動をガイドする。ガイド部材74には、前記進行方向と前記上下方向との四方を面で囲んで中空内部741が形成されている。ガイド部材74の前記進行方向で後方側の面742には、前記幅方向に延在するとともに、中空内部741と連通した開口部743が設けられている。この開口部743には、前記幅方向に延在するとともに、前記上下方向で対向した下側ガイド面74aと上側ガイド面74bとが形成されている。
【0055】
ブラケット73の前記幅方向で両端部には、2つのボルト95がそれぞれ挿通される一対のねじ孔735が前記進行方向に貫通して設けられている。また、ガイド部材74の中空内部741には、2つのボルト95と螺合させる2つの四角ナット96が設けられている。
【0056】
ガイド部材74に対するブラケット73の固定は、ブラケット73の前記進行方向で前方側の面736と、ガイド部材74の前記進行方向で後方側の面742とを対向させた状態で、ブラケット73の一対のねじ孔735に挿通された2つのボルト95を、ガイド部材74の開口部743から中空内部741に挿入する。そして、2つのボルト95と2つの四角ナット96とを螺合させて、2つのボルト95を締め付けることによって、ガイド部材74にブラケット73が固定される。
【0057】
ガイド部材74に対するブラケット73の前記幅方向への移動は、ボルト95の締め付けを緩めて、開口部743に2つのボルト95が挿通された状態で、下側ガイド面74aと上側ガイド面74bとの少なくとも一方に2つのボルト94の周面を接触させながら、前記幅方向にブラケット73をスライドさせることによって可能である。これにより、ガイド部材74とブラケット73との前記幅方向での相対位置が調整可能である。このように、ガイド部材74とブラケット73との前記幅方向での相対位置を調整することによって、ブラケット73に操作バー軸部41が保持された操作バー40の前記幅方向の位置を調整することができる。
【0058】
また、ホルダー72に軸部材71が保持されるとともに、ホルダー72及びブラケット73に操作バー軸部41が保持された状態で、ガイド部材74に対してブラケット73を前記幅方向に移動させることによって、この移動に連動して、図8に一点鎖線で示すように、軸部材71及びホルダー72が前記幅方向に移動する。これにより、軸部材71に接続された測定部30も前記幅方向に移動することになるため、測定部30、さらには測定部30のガイドロッドホルダー32に保持されたガイドロッド20の前記幅方向の位置を調整することができる。
【0059】
実施形態に係る形状計測装置1では、台車本体10の上下または左右のスペースが制限されるような計測環境であっても、調整機構70によって台車本体10に対してガイドロッド20及び測定部30の前記上下方向及び前記幅方向の位置の調整を行って、計測対象の形状の計測を行うことができる。
【0060】
図9は、形状計測装置1によって隅肉4の形状を計測する場合を示した図である。図10は、形状計測装置1による計測時の隅肉4の近傍の拡大図である。図9に示すように、実施形態に係る形状計測装置1の計測対象が、鋼構造体を構成する鋼板2Cと鋼板2Dとの隅肉溶接によって形成された隅肉4である場合には、例えば、鋼板2Cの上面を走行面2cとして、台車本体10の車輪13を走行面2cに接触させて鋼板2C上に形状計測装置1を設置する。そして、ガイドロッド20における先端部22の球面部22bが隅肉4と接触するように、調整機構70によって、ガイドロッド20及び測定部30を、前記上下方向及び前記幅方向の位置を調整したり、軸部材71の軸線を中心にして回転位置を調整したりする。この際、図10に示すように、ガイドロッド軸部材21の軸線AXと、レーザー照射部33から照射されたレーザー光Lの照射幅中心Pとが一致するように、ガイドロッド20及び測定部30の位置が調整される。また、ガイドロッド20の球面部22bは、隅肉4に接触させることが好ましい。これにより、鋼板2Cの走行面2cでの凹凸による台車本体10の振動によって、隅肉4と、レーザー照射部33及び受光部34との距離が変動するのを抑えつつ、側面2dによってガイドロッド20の球面部22bをガイドして、隅肉4の長手方向にわたって精度よく計測することができる。
【0061】
そして、実施形態に係る形状計測装置1では、ガイドロッド20の球面部22bが隅肉4と接触した状態で、作業者が操作バー40の把持部42を把持して手動によって、台車本体10を前記進行方向に走行させる。そして、台車本体10を前記進行方向に走行させながら、隅肉4に向けてレーザー照射部33からレーザー光Lを照射し、隅肉4及び鋼板2C,2Dから反射された反射光Lを受光部34で受光し、受光結果に基づいて隅肉4の形状を計測する。
【0062】
以上のように、実施形態に係る形状計測装置1では、測定方法や部位の角度が異なる開先3や隅肉4といった様々な形状の計測対象に対して、形状の計測が可能である。特に、ガイドロッド20とレーザー照射部33の光軸とが一致し、ガイドロッド20の回転位置調整と連動して前記光軸の調整が可能な構成であるため、常に計測対象である任意の開先3や隅肉4に対して一定の位置関係を保って、所定幅のレーザー計測が可能となり、精度の高い測定を安定して行うことが可能となる。また、台車本体10の走行は、自動走行ではなく操作バー40の把持部42を把持した作業者が台車本体10を押すことにより、任意の速度で台車本体10を走行させることができる。そのため、不意の走行面の凹凸による台車本体10の振動が予測される場合でも、台車本体10の速度を柔軟に作業者の判断で変更することができる。
【0063】
また、実施形態に係る形状計測装置1では、台車本体10に対する操作バー40の把持部42の取り付け位置を変更可能に構成されている。実施形態に係る形状計測装置1では、図11に示すように、把持部42を操作バー軸部41から抜いて、軸部材71の前記進行方向で後方側の面71aにあけられたねじ穴71bと、把持部42の雄ねじ部42bとを螺合させることによって、軸部材71の後端に把持部42を固定することができる。これにより、台車本体10の上方にスペースの制限があるような測定環境下であっても、台車本体10を進行させる際に作業者が把持する操作バー40の把持部42の位置を、台車本体10を進行させやすい位置に変更することが可能となる。
【0064】
図12は、形状計測装置1及び処理装置100の構成を示したブロック図である。図12に示すように、形状計測装置1は、台車本体10に測定部30とロータリーエンコーダ50と表示操作部60とが設けられている。処理装置100は、小型コンピュータ110とコントローラ120とバッテリー130とを備えている。形状計測装置1の表示操作部60と、処理装置100の小型コンピュータ110とは、Wi-Fiなどの無線通信によって相互に通信が可能となっている。形状計測装置1の測定部30及びロータリーエンコーダ50と、処理装置100のコントローラ120とは、通信ケーブルによって相互に通信が可能なように接続されている。また、形状計測装置1の表示操作部60、測定部30及びロータリーエンコーダ50と、処理装置100のバッテリー130とは、電源ケーブルによってバッテリー130から表示操作部60、測定部30及びロータリーエンコーダ50に電力供給が可能なように接続されている。なお、処理装置100のバッテリー130からの電力供給に替えて、形状計測装置1の台車本体10に別途でバッテリーを設けて、その別途で設けたバッテリーから表示操作部60、測定部30及びロータリーエンコーダ50に電力を供給するように構成してもよい。また、表示操作部60にバッテリーを内蔵させて、その内蔵させたバッテリーによって表示操作部60を作動させるように構成してもよい。
【0065】
図13は、表示操作部60の画面表示の一例を示した図である。図13に示すように、表示操作部60の画面には、例えば、形状表示部61、取込データ数表示部62、取込開始ボタン63、取込中止ボタン64、取込停止ボタン65、及び、強制取込ボタン66などが表示される。なお、取込開始ボタン63、取込中止ボタン64、取込停止ボタン65、及び、強制取込ボタン66は、画面上にソフトウェア的に再現された入力装置であるソフトウェアキーである。形状表示部61には、計測対象の形状データとして、計測対象の形状を示した波形67が表示される。取込データ数表示部62には、計測を開始してからの取込データの数が表示される。取込開始ボタン63は、データの取り込みを開始するときに作業者が押下するボタンである。取込中止ボタン64は、データの取り込みを中止するときに作業者が押下するボタンである。取込停止ボタン65は、データの取り込みを停止するときに作業者が押下するボタンである。強制取込ボタン66は、形状計測装置1の現在の位置でのデータのみを取り込むときに作業者が押下するボタンである。
【0066】
図14は、実施形態に係る形状計測装置1と処理装置100とを用いた形状計測の制御の一例を示したフローチャートである。
【0067】
まず、作業者は、計測対象に対して形状計測装置1を設置する(ステップS1)。具体的には、形状計測装置1のガイドロッド20の球面部22bが、計測対象と接触するように形状計測装置1と計測対象との位置関係を目視で確認したり、表示操作部60における形状表示部61の中央に測定対象の形状が表示されるように、形状表示部61に表示された波形67を見たりしながら、計測対象に対して形状計測装置1を設置する。なお、この際、表示操作部60に表示された強制取込ボタン66を作業者が押下することによって、形状計測装置1の現在の位置でのデータのみを取り込み、形状表示部61に測定対象の形状を示した波形67を表示させればよい。
【0068】
次に、作業者は、計測条件を設定する(ステップS2)。具体的には、形状計測装置1の表示操作部60から計測条件を入力し、その入力した計測条件を表示操作部60から処理装置100の小型コンピュータ110に無線通信によって出力する。
【0069】
次に、計測を開始する(ステップS3)。具体的には、表示操作部60に表示された取込開始ボタン63を作業者が押下して開始する。つまり押下により計測対象に向けてレーザー照射部33からレーザー光Lを照射し、計測対象及び鋼構造体から反射された反射光Lを受光部34で受光することでデータの取得を行う。
【0070】
次に、作業者が形状計測装置1を手動で走行させてデータを取得する(ステップS4)。具体的には、形状計測装置1の操作バー40の把持部42を作業者が把持して、作業者が台車本体10を押すことにより、計測対象の長手方向に沿って任意の速度で台車本体10を鋼構造体の走行面上を走行させる。そして、走行面上で台車本体10を走行させながら、計測対象に向けてレーザー照射部33からレーザー光Lを照射し、計測対象及び鋼構造体から反射された反射光Lを受光部34で受光する。そして、受光部34での受光結果を、ロータリーエンコーダ50からのパルスの出力タイミングに応じて、処理装置100のコントローラ120に出力する。コントローラ120に出力された受光結果は、処理装置100の小型コンピュータ110によって計測対象の形状を示す波形などの形状データに処理される。そして、小型コンピュータ110の処理結果を、小型コンピュータ110から表示操作部60に無線通信によって出力し、表示操作部60の形状表示部61に計測対象の形状データとして、計測対象の形状を示した波形67を表示させる。なお、データを取得する際は、ロータリーエンコーダ50が走行面から離れないように注意する。また、表示操作部60の形状表示部61に表示された波形67が乱れないように注意する。さらには、形状計測装置1のガイドロッド20の球面部22bが計測対象から離れないように注意する。
【0071】
次に、計測を終了する(ステップS5)。具体的には、計測対象の形状を前記長手方向で所望の長さ分だけ計測したら、データの取り込みを終了するときに、表示操作部60に表示された取込停止ボタン65を作業者が押下して、データの取り込みを終了する。
【符号の説明】
【0072】
1 形状計測装置
2A,2B,2C,2D 鋼板
2a,2b,2c 走行面
2d 側面
3 開先
4 隅肉
10 台車本体
11 台座部
12 ステー部
13 車輪
20 ガイドロッド
21 ガイドロッド軸部材
21a 下端面
21b 雄ねじ部
22 先端部
22a 平坦部
22b 球面部
22c ねじ穴
23 スプリング
30 測定部
31 筐体
32 ガイドロッドホルダー
33 レーザー照射部
34 受光部
40 操作バー
41 操作バー軸部
41a 上端面
41b ねじ穴
42 把持部
42a 下端面
42b 雄ねじ部
50 ロータリーエンコーダ
50a 周面
60 表示操作部
61 形状表示部
62 取込データ数表示部
63 取込開始ボタン
64 取込中止ボタン
65 取込停止ボタン
66 強制取込ボタン
70 調整機構
71 軸部材
71a 面
71b ねじ穴
72 ホルダー
72a 第1ホルダー部
72b 第2ホルダー部
73 ブラケット
74 ガイド部材
74a 下側ガイド面
74b 上側ガイド面
80 通信ケーブル
91,92,93,94,95,97 ボルト
96 四角ナット
100 処理装置
110 小型コンピュータ
120 コントローラ
130 バッテリー
311,321,734,735 ねじ孔
722b,731 貫通孔
724b,733 切り欠き部
741 中空内部
743 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14