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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】橋梁架け替え工法
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20220817BHJP
   E01D 24/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
E01D21/00 B
E01D24/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019113059
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020204209
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-09-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 説明場所 :JFE・MMB・川田・宮地・ピーエス三菱 特定建設工事共同企業体工事事務所(大阪府池田市石橋2-13-30 ニュースパークナカムラビル4F) 説 明 日:2019年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】特許業務法人MTS国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(72)【発明者】
【氏名】葛西 敏
(72)【発明者】
【氏名】中村 信也
(72)【発明者】
【氏名】伊佐 和人
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-190008(JP,A)
【文献】特開2004-332222(JP,A)
【文献】特開2018-059311(JP,A)
【文献】特開2001-241012(JP,A)
【文献】特開2003-034911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00ー24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁の既設上部工を新設上部工に架け替える橋梁架け替え工法であって、
新設桁本体部および新設床版本体部を有してなる新設上部工本体部を、前記既設上部工の下方近傍であって、架け替え対象の前記既設上部工を解体撤去する作業時の足場として前記新設上部工本体部を利用するのに必要な第1高さまでジャッキアップする第1ジャッキアップ工程と、
前記第1ジャッキアップ工程でジャッキアップした前記新設上部工本体部を足場として利用して、架け替え対象の前記既設上部工を解体撤去する既設上部工解体撤去工程と、
前記既設上部工解体撤去工程で前記既設上部工を解体撤去した後、前記既設上部工解体撤去工程で足場として利用した前記新設上部工本体部を、前記第1高さよりも高い供用時の高さ位置までさらにジャッキアップする第2ジャッキアップ工程と、
前記第2ジャッキアップ工程で供用時の高さ位置までジャッキアップした前記新設上部工本体部の前記新設桁本体部の橋軸方向両端部に、下部工と連結する端部桁をそれぞれ連結する端部桁連結工程と、
を有することを特徴とする橋梁架け替え工法。
【請求項2】
前記第1ジャッキアップ工程後、前記新設上部工本体部の前記新設桁本体部の上面と前記既設上部工の既設桁の下面との間に、橋軸方向に所定間隔を以て複数のサンドルを配置し、前記既設上部工を橋軸直角方向に前記サンドルの上方位置で切断する工程を、前記既設上部工解体撤去工程は含むことを特徴とする請求項1に記載の橋梁架け替え工法。
【請求項3】
前記新設上部工は、前記既設上部工の下方で作製されることを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁架け替え工法。
【請求項4】
前記橋梁は鋼橋であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の橋梁架け替え工法。
【請求項5】
前記新設床版本体部は、鋼床版であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の橋梁架け替え工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の既設上部工を新設上部工に架け替える工法に関し、詳細には、新設上部工を足場として使用する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
供用下の道路橋を架け替える場合においては、仮設設備として設けられる足場(以下、仮設足場と記す。)を通行止め後に設置し、既設床版撤去、仮設足場撤去、既設桁撤去、新設桁架設、仮設足場設置、新設床版設置、仮設足場撤去という流れで工事を進めることが一般的である。このため、従来の一般的な架け替え工法においては、既設上部工の撤去の際に仮設足場の設置と撤去を行い、新設上部工の架設の際に、再度、仮設足場の設置と撤去というように、既設上部工撤去用の仮設足場の設置と撤去作業が、道路橋の架け替え工事の施工期間、および車両が通行できない時間が長くなる原因の1つになっている。
【0003】
これに対して、特許文献1では、旧橋を撤去し新橋を架設する橋梁の撤去・架設工法において、旧橋上および旧橋付近に荷卸しされた新橋構成部材を全体またはブロック毎にクレーンまたは台車等にて架設位置に移動して仮設し、新橋にて旧橋を支持した上で旧橋をブロック毎に切断して搬出した後、新橋を架設位置に降下させて架設することにより、工期の短縮が可能となる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-241012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においても、足場等を構成する仮設材の添接が、架け替え対象の径間のほぼ全領域にわたって必要であり、工期の短縮が十分であるとは言えない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、橋梁を架け替える際の仮設足場を設ける領域および期間を削減して、橋梁架け替えに要する施工期間を従来よりも短縮させた橋梁架け替え工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の橋梁架け替え工法により、前記課題を解決したものである。
【0008】
即ち、本発明に係る橋梁架け替え工法は、橋梁の既設上部工を新設上部工に架け替える橋梁架け替え工法であって、新設桁本体部および新設床版本体部を有してなる新設上部工本体部を、前記既設上部工の下方の第1位置にジャッキアップする第1ジャッキアップ工程と、前記第1ジャッキアップ工程でジャッキアップした前記新設上部工本体部を足場として利用して、架け替え対象の前記既設上部工を解体撤去する既設上部工解体撤去工程と、前記既設上部工解体撤去工程で前記既設上部工を解体撤去した後、前記既設上部工解体撤去工程で足場として利用した前記新設上部工本体部を、前記第1位置よりも高い供用時の高さ位置までさらにジャッキアップする第2ジャッキアップ工程と、前記第2ジャッキアップ工程で供用時の高さ位置までジャッキアップした前記新設上部工本体部の前記新設桁本体部の橋軸方向両端部に、下部工と連結する端部桁をそれぞれ連結する端部桁連結工程と、を有することを特徴とする橋梁架け替え工法である。
【0009】
ここで、本願において、新設桁および新設床版ならびに新設上部工の「本体部」とは、上方から見て下部工と重ならない部位であって、かつ、当該部位の橋軸方向両端部が下部工の近傍に位置する部位のことであり、当該部位は架け替え対象の径間の大部分の領域を占める部位である。
【0010】
また、本願において、「下部工と連結」とは、少なくとも鉛直方向下向きの荷重が下部工に伝達可能な状態であることを意味する。
【0011】
前記新設上部工は、前記既設上部工の下方で作製してもよい。
【0012】
前記橋梁は鋼橋であってもよい。
【0013】
前記新設床版本体部は、鋼床版であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る橋梁架け替え工法によれば、橋梁を架け替える際の仮設足場を設ける領域および期間を削減して、橋梁架け替えに要する施工期間を従来よりも短縮させた橋梁架け替え工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図2】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図3】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図4】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図5】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図6】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図7】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図8】本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の一工程を模式的に示す側面図
図9】扛上設備16の高さを高くしていく一工程を模式的に示す側面図
図10】扛上設備16の高さを高くしていく一工程を模式的に示す側面図
図11】扛上設備16の高さを高くしていく一工程を模式的に示す側面図
図12】扛上設備16の高さを高くしていく一工程を模式的に示す側面図
図13】扛上設備16の高さを高くしていく一工程を模式的に示す側面図
図14】従来の工法において既設桁82を解体撤去する際の既設桁82の支持状況を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法について詳細に説明する。
【0017】
図1図8は本発明の実施形態に係る橋梁架け替え工法の各工程を模式的に示す側面図(架け替え対象径間を側方(橋軸直角方向)から見た側面図)である。
【0018】
図1図8を参照しつつ、本実施形態に係る橋梁架け替え工法の各工程(ステップS1~S8)について説明する。
【0019】
なお、以下の説明では、下部工86、88の間に架設されている架け替え対象の既設上部工80を、新設上部工10で架け替えるものとして説明する。また、架け替え対象の橋梁は鋼橋であり、既設桁82は鋼桁であるものとし、また、新設桁12も鋼桁であるものとして説明する。ただし、本発明の適用対象の橋梁が鋼橋に限定されるわけではない。
【0020】
下部工86、88については、橋脚であっても橋台であってもよく、本実施形態に係る橋梁架け替え工法は、下部工の種類によらず、適用することができる。
【0021】
<ステップS1>
架け替え対象の既設上部工80の下方の地面上に鋼板(図示せず)を敷き、その鋼板の上に橋軸方向に適当な間隔でサンドル50を配置する。そして、サンドル50の上に新設鋼桁部材を載置し、長手方向に隣り合う新設鋼桁部材同士を、図示せぬ添接鋼板および高力ボルト等を用いて連結して、新設桁本体部12Aを組み立てる。
【0022】
新設桁本体部12Aを組み立てた後、新設桁本体部12Aに新設床版本体部14Aを設置して、新設上部工本体部10Aを完成させる。設置する新設床版本体部14Aとして用いることができる床版の種類は特には限定されず、鋼床版、RC床版、PC床版、合成床版等を新設床版本体部14Aとして用いることができるが、他の形式の床版と比べて軽量で、かつ、新設桁本体部12Aへの設置作業も迅速に行うことができる観点から、新設床版本体部14Aの床版として鋼床版を用いることが好ましい。なお、いずれの床版を用いる場合も、舗装を行う時期は、供用時の高さまでジャッキアップさせた後であり、供用時の高さまでジャッキアップさせる前は、舗装を行うことは不要である。
【0023】
また、新設桁本体部12Aは、架け替え対象の既設上部工80の下方の地面上で組み立てなくてもよく、例えば工場等で組み立てて、大型トレーラー等により、架け替え対象の既設上部工80の下方に搬入してもよい。
【0024】
<ステップS2>
新設桁本体部12Aの両端部の下方に扛上設備16を配置する。扛上設備16は、伸縮部である油圧ジャッキ16Aと、サンドル16Bとからなる。なお、油圧ジャッキ16Aに替えて、扛上設備16の伸縮部にねじ式ジャッキを用いることも可能である。
【0025】
<ステップS3>
扛上設備16の高さを高くして、新設上部工本体部10Aを既設上部工80の解体撤去作業時の足場として必要な高さまで持ち上げる。ただし、用いる油圧ジャッキ16Aのストロークは必ずしも大きくなくてもよく、油圧ジャッキ16Aの伸縮ロッド16A1(図10参照)を伸縮させながらサンドル16Bを積み上げていくことで、扛上設備16の高さを高くしていくことができる。
【0026】
図9図13を用いて、扛上設備16の高さを高くしていくプロセスを説明する。
【0027】
図9は、新設桁本体部12Aの端部下方に油圧ジャッキ16Aとサンドル16Bを配置した状態を示している。この状態から、油圧ジャッキ16Aの伸縮ロッド16A1を伸ばし、図10に示すように、サンドル16Bの上方に空間を作る。そして、サンドル16Bの上方に作った空間に、図11に示すように、新たにサンドル16B1を挿入して、サンドル16B全体の高さを高くする。次に、図12に示すように、油圧ジャッキ16Aの伸縮ロッド16A1を一旦収縮させ、高さが高くなったサンドル16Bに荷重を移し替えるとともに、油圧ジャッキ16Aの上方に空間を作る。そして、油圧ジャッキ16Aを持ち上げて、図13に示すように、油圧ジャッキ16Aの下方にサンドル16B2を挿入して、油圧ジャッキ16Aの位置を高くする。図9図13の作業を繰り返すことで、扛上設備16の高さを高くしていくことができるので、用いる油圧ジャッキ16Aのストロークは必ずしも大きくなくてもよい。
【0028】
もちろん、油圧ジャッキ16Aの1ストローク分の長さで、新設上部工本体部10Aを必要な高さまで(既設上部工80の下方近傍まで)持ち上げることができるのであれば、図9図13の作業を行うことは不要である。
【0029】
また、図13の段階で、油圧ジャッキ16Aの下方にサンドル16B2を挿入する代わりに、2台目の油圧ジャッキを挿入して、油圧ジャッキを2段に積み重ねて使用するようにしてもよい。
【0030】
<ステップS4>
ステップS3で新設上部工本体部10Aを既設上部工80の解体撤去作業時の足場として必要な高さ(既設上部工80の下方近傍の高さ)まで持ち上げた後、図4に示すように、既設上部工80の既設桁82の下面と、新設上部工本体部10Aの新設桁本体部12Aの上面との間に、橋軸方向に適宜の間隔でサンドル18を配置し、サンドル18を介して既設上部工80の荷重が新設上部工本体部10Aに伝達されるようにして、既設上部工80をサンドル18を介して新設上部工本体部10Aで支持する。
【0031】
<ステップS5>
ステップS4で既設上部工80をサンドル18を介して新設上部工本体部10Aで支持してから、既設上部工80の既設床版84を撤去し、既設床版84を撤去した後、既設桁82を撤去する。既設上部工80(既設桁82および既設床版84)の撤去を行った後の状態を図5に示す。
【0032】
既設上部工80を撤去する方法は、従来から一般的に用いられている方法を用いることができる。具体的には例えば、既設床版84については、ウォールソー等を用いて縦横に適宜の大きさに切断してクレーンで吊り上げて撤去すればよく、既設桁82については、高力ボルト接合を行っている高力ボルトを取り外すか、あるいはガス切断やワイヤーソー、ウォールソー等で適宜の長さに切断して、クレーンで吊り上げて撤去する。
【0033】
ここで、本実施形態に係る橋梁架け替え工法においては、新設上部工本体部10Aを足場として利用するため、既設上部工80の撤去のための仮設足場を設けることが不要であり、このため、施工期間および車両通行止めの期間を短くすることができる。
【0034】
既設桁82を橋軸直角方向に切断する際には、切断した既設桁82の部位が落下しないように、切断位置がサンドル18の上方にくるような位置で切断する。サンドル18は、新設上部工本体部10Aの新設桁本体部12Aの上面に配置するので、サンドル18の配置位置を変えることは容易であり、本実施形態に係る橋梁架け替え工法おいては、既設桁82を橋軸直角方向に切断する際の切断位置を現場の状況に応じて変更することも容易である。一方、従来の工法では、図14に示すように、既設桁82を橋軸直角方向に切断する際の切断位置の下方にベント90が位置するように、ベント90を設ける必要があり、切断位置を変更する場合には、ベント90の位置を移動させるか、ベント90を新たに設ける必要があり、大きな労力を要していた。
【0035】
また、本実施形態に係る橋梁架け替え工法においては、図4に示すように、既設桁82を多数の箇所について容易にサンドル18で支持することができるので、既設桁82の切断位置を多数設けることも容易である。したがって、作業員を多数投入して、複数個所で既設桁82の切断作業を同時並行で行って、既設桁82の撤去に要する時間を短くすることもでき、架け替え工事の施工期間および車両通行止めの期間をより短くすることもできる。
【0036】
また、本実施形態に係る橋梁架け替え工法においては、新設上部工本体部10Aを足場に用いているため、足場が非常に丈夫であり、足場上での作業の安全性を向上させることができ、また、万一、既設上部工80の部材の一部が落下するようなことがあっても受け止めることができ、この点からも安全性が高い。
【0037】
<ステップS6>
ステップS5で既設上部工80(既設桁82および既設床版84)の撤去を行った後、図6に示すように、扛上設備16で新設上部工本体部10A(新設桁本体部12Aおよび新設床版本体部14A)を供用時の高さ位置まで上昇させる。
【0038】
<ステップS7>
新設上部工本体部10Aの新設桁本体部12Aを下部工86、88と連結させるための端部桁12Bを、下部工86、88上の所定の位置にそれぞれ配置して、新設上部工本体部10Aの新設桁本体部12Aの橋軸方向両端部それぞれに端部桁12Bを連結する。新設桁本体部12Aおよび端部桁12Bはどちらも鋼桁であり、添接鋼板および高力ボルトを用いた高力ボルト摩擦接合で連結し、新設桁12を完成させ、その後、端部桁12Bに取り付ける端部床版14Bを設置して、新設床版14を完成させて、新設上部工10を完成させる。
【0039】
ここで、本実施形態に係る橋梁架け替え工法においては、すでにステップS1の段階で新設上部工本体部10Aが完成しているため、新設上部工本体部10Aを組み立てるための仮設足場の設置は不要である。したがって、必要な仮設足場は、端部桁12Bと新設桁本体部12Aとの連結作業および端部床版14Bの設置作業のための仮設足場だけであり、扛上設備16および下部工86、88近傍の極めて限定的な範囲に設けるだけでよい。また、この仮設足場の設置においては、扛上設備16のサンドル16Bを活用することができ、仮設足場を容易に設置することもできる。
【0040】
なお、端部桁12Bを、下部工86、88上の所定の位置にそれぞれ配置する際にはクレーンを用いるが、通常の橋梁の場合、端部桁12Bの長さは3m程度と短いことが想定されるので、吊り上げ能力が50~80トン程度のクレーン(特別な許可なく公道を走行可能なクレーン)を用いることができ、また、クレーンによる設置作業も容易である。
【0041】
<ステップS8>
新設上部工10を完成させた後、新設上部工10の上面に舗装等を設けるとともに、扛上設備16を撤去して、既設上部工80の新設上部工10への架け替えが完了する。架け替えが完了した状態を図8に示す。
【符号の説明】
【0042】
10…新設上部工
10A…新設上部工本体部
12…新設桁
12A…新設桁本体部
12B…端部桁
14…新設床版
14A…新設床版本体部
14B…端部床版
16…扛上設備
16A…油圧ジャッキ
16A1…伸縮ロッド
16B、16B1、16B2、18、50…サンドル
80…既設上部工
82…既設桁
84…既設床版
86、88…下部工
90…ベント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14