(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】サイドエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
B60R 21/201 20110101AFI20220817BHJP
B60R 21/264 20060101ALI20220817BHJP
B60R 21/207 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B60R21/201
B60R21/264
B60R21/207
(21)【出願番号】P 2019153679
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】永田 松雄
(72)【発明者】
【氏名】橋戸 達矢
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-091485(JP,A)
【文献】特開2019-059434(JP,A)
【文献】特開2013-121758(JP,A)
【文献】特開2017-043328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16 - 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた状態のサイドエアバッグと、
車両に取り付けられる取付部を有し、前記サイドエアバッグに供給される膨張用ガスを発生させるガス発生器と、
前記サイドエアバッグ及び前記ガス発生器の周囲を覆うとともに前記サイドエアバッグの展開膨張時に破断可能なラッピングシートと、
前記ガス発生器に電気的に接続される接続端部を有し、前記ラッピングシートの外部に引き出されるワイヤハーネスと、を備え、
前記ワイヤハーネスには、第1係止部が設けられており、
前記ラッピングシートには、前記第1係止部と係止される第2係止部が設けられている、
サイドエアバッグ装置。
【請求項2】
前記第1係止部は、係止突部を有しており、
前記第2係止部は、前記係止突部が挿通される係止孔を有しており、
前記係止突部が前記係止孔に挿通されることで前記第1係止部と前記第2係止部とが互いに係止されている、
請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項3】
前記ラッピングシートには、可撓性のシート材が重ね合わされた状態で固定されており、
前記係止孔は、前記ラッピングシート及び前記シート材を貫通して設けられている、
請求項2に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項4】
前記シート材は、前記ラッピングシートに接着されている、
請求項3に記載のサイドエアバッグ装置。
【請求項5】
前記シート材を第1のシート材とするとき、
前記ラッピングシートと前記第1のシート材との間には、前記ラッピングシート及び前記第1のシート材と重ね合わされた状態で、前記第1のシート材より硬質な第2のシート材が設けられており、
前記係止孔は、前記ラッピングシート、前記第2のシート材、及び前記第1のシート材を貫通して設けられている、
請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、サイドエアバッグ装置が組み付けられている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載のサイドエアバッグ装置は、シートバックのサイドフレームに取り付けられたインフレータと、当該インフレータによって発生するガスにより展開膨張されるサイドエアバッグと、インフレータ及び折り畳まれた状態のサイドエアバッグ全体を被覆するラッピングシートとを備えている。ラッピングシートは、袋状をなす縦長のシート本体を有している。インフレータの上端部には、ワイヤハーネスの接続端部が接続されている。また、ラッピングシートは、ワイヤハーネスのうちシート本体の外部に導出された部分を覆うクランプ片と、このクランプ片をシート本体の表面に貼り付ける止着手段としてのコーションラベルとを備えている。こうした構成によれば、クランプ片によって、ワイヤハーネスのうちシート本体の外部に導出された部分がシート本体の長手方向に沿った姿勢に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のものを含めて従来のサイドエアバッグ装置においては、車両への組み付け作業に際して、作業者が誤ってワイヤハーネスを掴んで取り扱うおそれがある。この場合、ワイヤハーネスの接続端部に対してサイドエアバッグ装置の自重による大きな引張荷重が作用しやすい。従来、こうした問題に対して、ワイヤハーネスの接続端部における引張強度を高めるなどの対策が取られている。そのため、ワイヤハーネスの接続端部の構成が複雑になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ワイヤハーネスの接続端部の構成を複雑にすることを抑制しつつ、ワイヤハーネスの接続端部に対して大きな引張荷重が作用することを抑制できるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのサイドエアバッグ装置は、折り畳まれた状態のサイドエアバッグと、車両に取り付けられる取付部を有し、前記サイドエアバッグに供給される膨張用ガスを発生させるガス発生器と、前記サイドエアバッグ及び前記ガス発生器の周囲を覆うとともに前記サイドエアバッグの展開膨張時に破断可能なラッピングシートと、前記ガス発生器に電気的に接続される接続端部を有し、前記ラッピングシートの外部に引き出されるワイヤハーネスと、を備え、前記ワイヤハーネスには、第1係止部が設けられており、前記ラッピングシートには、前記第1係止部と係止される第2係止部が設けられている。
【0007】
同構成によれば、ワイヤハーネスに設けられた第1係止部と、ラッピングシートに設けられた第2係止部とが互いに係止されることにより、ワイヤハーネスのうちこれら係止部よりもガス発生器との接続端部側の部分のラッピングシートに対する変位が規制される。このため、例えば車両への組み付け作業に際して、作業者が誤ってワイヤハーネスを掴んで取り扱った場合であっても、ワイヤハーネスの接続端部に対してサイドエアバッグ装置の自重による大きな引張荷重が作用することを抑制できる。したがって、ワイヤハーネスの接続端部の構成を複雑にすることを抑制しつつ、ワイヤハーネスの接続端部に対して大きな引張荷重が作用することを抑制できる。
【0008】
上記サイドエアバッグ装置において、前記第1係止部は、係止突部を有しており、前記第2係止部は、前記係止突部が挿通される係止孔を有しており、前記係止突部が前記係止孔に挿通されることで前記第1係止部と前記第2係止部とが互いに係止されていることが好ましい。
【0009】
同構成によれば、第1係止部の係止突部を、第2係止部の係止孔に挿通することによって第1係止部と第2係止部とを容易に係止させることができる。
上記サイドエアバッグ装置において、前記ラッピングシートには、可撓性のシート材が重ね合わされた状態で固定されており、前記係止孔は、前記ラッピングシート及び前記シート材を貫通して設けられていることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、係止孔の周縁部の剛性がラッピングシートと重ね合わされた状態で固定されているシート材によって高められる。したがって、第2係止部の強度を高めることができる。
【0011】
上記サイドエアバッグ装置において、前記シート材は、前記ラッピングシートに接着されていることが好ましい。
同構成によれば、シート材をラッピングシートに対して容易に固定することができる。
【0012】
上記サイドエアバッグ装置において、前記シート材を第1のシート材とするとき、前記ラッピングシートと前記第1のシート材との間には、前記ラッピングシート及び前記第1のシート材と重ね合わされた状態で、前記第1のシート材より硬質な第2のシート材が設けられており、前記係止孔は、前記ラッピングシート、前記第2のシート材、及び前記第1のシート材を貫通して設けられていることが好ましい。
【0013】
同構成によれば、係止孔の周縁部の剛性がラッピングシートと重ね合わされた状態で固定されている第1のシート材と、ラッピングシートと第1のシート材との間に設けられる第2のシート材によって高められる。したがって、第2係止部の強度を一層高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ワイヤハーネスの接続端部の構成を複雑にすることを抑制しつつ、ワイヤハーネスの接続端部に対して大きな引張荷重が作用することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態のサイドエアバッグ装置を示す側面図。
【
図3】(a)~(d)は、同実施形態のサイドエアバッグ装置の製造工程を順に示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図3を参照して、サイドエアバッグ装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、サイドエアバッグ装置10は、自動車のフロントシートのシートバックのサイドフレームに取り付けられるものであり、折り畳まれた状態のサイドエアバッグ20、サイドエアバッグ20に供給される膨張用ガスを発生させるガス発生器30を備えている。また、サイドエアバッグ装置10は、サイドエアバッグ20及びガス発生器30の周囲を覆うとともにサイドエアバッグ20の展開膨張時に破断可能なラッピングシート40及びガス発生器30に電気的に接続されるワイヤハーネス50を備えている。
【0017】
<サイドエアバッグ20>
サイドエアバッグ20は、1枚の布片が、その中央部分に設定された折り線に沿って二つ折りして重ね合わされており、その重ね合わされた部分を袋状となるように結合させることにより形成されている。上記布片としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えば、ポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
【0018】
<ガス発生器30>
ガス発生器30は、長尺筒状をなし、膨張用ガスを供給するインフレータ31と、インフレータ31を覆うとともにガスの噴出する方向を制御するディフューザとして機能するリテーナ32とを備えている。なお、以降において、インフレータ31の軸線方向を単に軸線方向とし、インフレータ31の径方向を単に径方向として説明することがある。リテーナ32には、径方向外側に向かって突出する一対のボルト33が軸線方向において互いに間隔をおいて固定されている。これらボルト33が、本発明に係る取付部として機能する。
【0019】
<ワイヤハーネス50>
図2に示すように、ワイヤハーネス50は、電線51及び電線51を被覆する被覆材52を備えている。
【0020】
図1に示すように、ワイヤハーネス50の第1端及び第1端の反対側の第2端には、第1コネクタ53及び第2コネクタ54がそれぞれ接続されている。
第1コネクタ53は、インフレータ31のガス噴出口31aが設けられた一端とは反対側の他端に接続されている。第1コネクタ53が、本発明に係る接続端部に相当する。
【0021】
第2コネクタ54は、インフレータ31に対して作動信号を出力するための制御装置(図示略)に接続される。
図1及び
図2に示すように、ワイヤハーネス50における第1コネクタ53と第2コネクタ54との間の部分には、第1係止部55が設けられている。
【0022】
図2に示すように、第1係止部55は、樹脂製のバンドクリップである。第1係止部55は、被覆材52の外周に締め付けられるバンド部56と、バンド部56の外面に突設される係止突部57と、バンド部56が挿通されるとともにバンド部56による締め付け度合を調節可能な環状部58とを有している。
図2に拡大して示すように、バンド部56には、バンド部56の長さ方向に間隔をおいて複数の溝56aが形成されている。環状部58には、バンド部56の複数の溝56aのうちの一部に対して係止可能な爪58aが設けられている。
【0023】
<エアバッグ組付体11>
図3(a)に示すように、サイドエアバッグ20は、内部にガス発生器30が配置された状態で折り畳まれている。折り畳まれた状態のサイドエアバッグ20の外周には、サイドエアバッグ20の折り崩れを防ぐための帯状部材21が巻かれている。
【0024】
これらサイドエアバッグ20、ガス発生器30、ワイヤハーネス50、及び帯状部材21によって、エアバッグ組付体11が構成される。
<ラッピングシート40>
図3(a)に示すように、ラッピングシート40は、エアバッグ組付体11を収容するものであり、長尺袋状である。ラッピングシート40は、1枚の不織布を折り線L1,L2にて折り重ねることによって形成されている。こうした不織布は、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂製の繊維及び同繊維よりも融点の低い熱可塑性樹脂製のバインダ繊維によって形成されている。ラッピングシート40の周縁部には、互いに重ねられた不織布同士のバインダ繊維を溶融させることで互いに熱溶着された複数の溶着部46,47が設けられている。ラッピングシート40には、折り線L1に沿って延在し、展開膨張されるサイドエアバッグ20によって破断されるミシン目(図示略)が形成されている。ラッピングシート40の周縁部のうち上記折り線L1とは反対側の部分には、ラッピングシート40の内外を連通する開口部40aが形成されている。
【0025】
図3(b)に示すように、エアバッグ組付体11は、上記開口部40aを通じてラッピングシート40の内部に収容される。このとき、エアバッグ組付体11の軸線方向とラッピングシート40の長手方向とが略一致する。この状態において、ワイヤハーネス50のうち第2コネクタ54側の部分は、上記開口部40aを通じてラッピングシート40の外部に引き出される。
【0026】
図3(b)に示すように、ラッピングシート40における開口部40a付近の部分であって、ワイヤハーネス50の付近には、ワイヤハーネス50の第1係止部55が係止される第2係止部42が設けられている。
【0027】
図2及び
図3に示すように、第2係止部42は、ラッピングシート40に設けられた挿通孔41aと、ラッピングシート40の外面に重ね合わされた状態で固定された円環状のシート材43の中心孔43aと、及びラッピングシート40とシート材43との間に設けられた円環状の金属板材44の中心孔44aとを有している。金属板材44は、シート材43の外径よりも小さい外径を有している。挿通孔41a、中心孔44a,43aが同一軸線上に位置するように、ラッピングシート40、金属板材44、及びシート材43が設けられており、シート材43の外周部分がラッピングシート40の外面に接着されている。シート材43は、シート本体41を構成する不織布よりも目付が大きく、強度が高い不織布によって形成されている。金属板材44は、例えば鉄などにより形成されたワッシャである。上記シート材43及び金属板材44が本発明に係る第1のシート材及び第2のシート材に相当する。
【0028】
図2に示すように、上記挿通孔41a、中心孔44a,43aによって、第1係止部55の係止突部57が挿通される係止孔42aが構成される。
なお、シート本体41には、一対のボルト33を挿通させるための都合5つの孔45a,45b,48が設けられている(
図3(a)及び
図3(b)参照)。
【0029】
次に、サイドエアバッグ装置10の製造手順について説明する。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、エアバッグ組付体11を開口部40aを通じてラッピングシート40内に収容する。このとき、ラッピングシート40の一対の孔45bにリテーナ32の一対のボルト33が挿通される。また、ワイヤハーネス50の第2コネクタ54側の部分がラッピングシート40の外部へ引き出される。
【0030】
続いて、
図3(c)に示すように、第1係止部55の係止突部57を弾性変形させつつ第2係止部42の係止孔42aに挿通する。このとき、係止突部57が、係止孔42aの外径よりも外周側に突出することで係止孔42aの周縁部に係止される。
【0031】
また、ラッピングシート40の側部を折り返すことにより、同側部に設けられた一対の孔45aに上記一対のボルト33が挿通される。
続いて、
図3(c)及び(d)に示すように、折り線L3に沿って、ラッピングシート40の側部を折り返すことにより、同側部に設けられた孔48が一方のボルト33に挿通される。
【0032】
こうしたサイドエアバッグ装置10が搭載された車両においては、車両の側突等によって、車両に対して閾値以上の衝撃が加わり、そのことが車両に設けられた衝撃センサ(図示略)によって検出されると、その検出信号に基づき上記制御装置からガス発生器30に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、インフレータ31から膨張用ガスがサイドエアバッグ20内へ噴出される。こうして噴出されたガスによりサイドエアバッグ20の内圧が上昇し、ラッピングシート40に設けられた上記ミシン目が破断されて同サイドエアバッグ20が乗員とサイドドアとの間に展開膨張される。
【0033】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
(1)サイドエアバッグ装置10は、折り畳まれた状態のサイドエアバッグ20と、ガス発生器30と、サイドエアバッグ20及びガス発生器30の周囲を覆い、サイドエアバッグ20の展開膨張時に破断可能なラッピングシート40と、ワイヤハーネス50とを備えている。ガス発生器30は、車両に取り付けられるボルト33を有し、サイドエアバッグ20に供給される膨張用ガスを発生させる。ワイヤハーネス50は、ガス発生器30に電気的に接続される第1コネクタ53を有し、ラッピングシート40の外部に引き出されている。ワイヤハーネス50には、第1係止部55が設けられている。ラッピングシート40には、第1係止部55と係止される第2係止部42が設けられている。
【0034】
こうした構成によれば、ワイヤハーネス50に設けられた第1係止部55と、ラッピングシート40に設けられた第2係止部42とが互いに係止されることにより、ワイヤハーネス50のうちこれら係止部42,55よりもガス発生器30との第1コネクタ53側の部分のラッピングシート40に対する変位が規制される。このため、例えば車両への組み付け作業に際して、作業者が誤ってワイヤハーネス50を掴んで取り扱った場合であっても、ワイヤハーネス50の第1コネクタ53に対してサイドエアバッグ装置10の自重による大きな引張荷重が作用することを抑制できる。したがって、ワイヤハーネス50の接続端部の構成を複雑にすることを抑制しつつ、ワイヤハーネスの接続端部に対して大きな引張荷重が作用することを抑制できる。
【0035】
(2)第1係止部55は、係止突部57を有している。第2係止部42は、係止突部57が挿通される係止孔42aを有している。係止突部57が係止孔42aに挿通されることで第1係止部55と第2係止部42とが互いに係止されている。
【0036】
こうした構成によれば、第1係止部55の係止突部57を、第2係止部42の係止孔42aに挿通することによって第1係止部55と第2係止部42とを容易に係止させることができる。
【0037】
(3)ラッピングシート40には、シート材43が重ね合わされた状態で固定されている。係止孔42aは、ラッピングシート40及びシート材43を貫通して設けられている。
【0038】
こうした構成によれば、ラッピングシート40の係止孔42aの周縁部の剛性がラッピングシート40と重ね合わされた状態で固定されているシート材43によって高められる。したがって、第2係止部42の強度を高めることができる。
【0039】
(4)シート材43は、ラッピングシート40に接着されている。
こうした構成によれば、シート材43をラッピングシート40に対して容易に固定することができる。
【0040】
(5)ラッピングシート40とシート材43との間には、ラッピングシート40及びシート材43と重ね合わされた状態で金属板材44が設けられている。係止孔42aは、ラッピングシート40、金属板材44、シート材43を貫通して設けられている。
【0041】
こうした構成によれば、係止孔42aの周縁部の剛性がラッピングシート40と重ね合わされた状態で固定されているシート材43と、ラッピングシート40とシート材43との間に設けられる金属板材44によって高められる。したがって、第2係止部42の強度を一層高めることができる。
【0042】
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0043】
・例えば可撓性のシート材43によって第2係止部42の強度を確保できるのであれば、金属板材44を省略してもよい。
・金属板材44をラッピングシート40に対して直接固定するようにしてもよい。この場合、シート材43を省略することができる。
【0044】
・シート材43は不織布に限定されず、例えば織布など可撓性を有する他の材料によって形成することができる。
・上記実施形態では、第1係止部55が係止突部57を有するとともに、第2係止部42が係止孔42aを有する構成について例示した。これとは逆に、第1係止部が係止孔を有するとともに、第2係止部が同係止孔に係止される係止突部を有する構成として本発明を具体化することもできる。
【符号の説明】
【0045】
10…サイドエアバッグ装置、11…エアバッグ組付体、20…サイドエアバッグ、21…帯状部材、30…ガス発生器、31…インフレータ、31a…ガス噴出口、32…リテーナ、33…ボルト(取付部)、40…ラッピングシート、40a…開口部、41…シート本体、41a…挿通孔、42…第2係止部、42a…係止孔、43…シート材(第1のシート材)、44…金属板材(第2のシート材)、43a,44a…中心孔、45a,45b,48…孔、46,47…溶着部、50…ワイヤハーネス、51…電線、52…被覆材、53…第1コネクタ(接続端部)、54…第2コネクタ、55…第1係止部、56…バンド部、56a…溝、57…係止突部、58…環状部、58a…爪。