IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社村田製作所の特許一覧

<>
  • 特許-電子部品モジュール 図1
  • 特許-電子部品モジュール 図2
  • 特許-電子部品モジュール 図3
  • 特許-電子部品モジュール 図4
  • 特許-電子部品モジュール 図5
  • 特許-電子部品モジュール 図6
  • 特許-電子部品モジュール 図7
  • 特許-電子部品モジュール 図8
  • 特許-電子部品モジュール 図9
  • 特許-電子部品モジュール 図10
  • 特許-電子部品モジュール 図11
  • 特許-電子部品モジュール 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】電子部品モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/00 20060101AFI20220817BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20220817BHJP
   H01L 25/10 20060101ALI20220817BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220817BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20220817BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01L23/00 C
H01L23/28 F
H01L25/10 Z
H01L25/00 B
H05K9/00 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021528221
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2020023431
(87)【国際公開番号】W WO2020262077
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2019119279
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新開 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】勝部 彰夫
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-18867(JP,A)
【文献】特開平8-330782(JP,A)
【文献】特開2017-73521(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031807(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00
H01L 23/28
H01L 25/10
H01L 25/00
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
基板の第1主面に実装された電子部品と、
前記基板の前記第1主面に実装された実装型部品と、
前記第1主面に形成された絶縁性樹脂と、
前記絶縁性樹脂の表面に形成された導電性のシールド膜と、
を備え、
前記絶縁性樹脂は、開口部を有し、当該開口部内に前記実装型部品が配置されており、
前記開口部には、導体壁が設けられている、
電子部品モジュール。
【請求項2】
前記導体壁は、
前記基板に実装される側と反対側の開口面積が、前記実装型部品と同じ高さにおける平面断面積よりも小さい、
請求項1に記載の電子部品モジュール。
【請求項3】
前記導体壁は、
前記開口部の全周に亘って、前記基板に実装される側と反対側の開口部における壁の位置が、前記実装型部品と同じ高さにおける壁の位置よりも前記開口部の中心側にある、
請求項2に記載の電子部品モジュール。
【請求項4】
前記導体壁と前記シールド膜とは、接触している、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品モジュール。
【請求項5】
前記実装型部品は、外部接続用の端子部品である、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子部品モジュール。
【請求項6】
前記基板は、前記第1主面に対向する第2主面を有し、
前記第2主面には、アンテナ導体が配置されている、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子部品モジュール。
【請求項7】
前記基板は、前記第1主面に対向する第2主面を有し、
前記第2主面には、他の電子部品が実装されるとともに、前記他の電子部品を覆う第2の絶縁性樹脂が形成されている、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子部品モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に電子部品を実装した電子部品モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線モジュールが記載されている。特許文献1に記載の無線モジュールは、基板、電子部品、樹脂層、および、シールド層を備える。
【0003】
電子部品は、基板に実装されており、樹脂層によって覆われている。樹脂層は、基板における電子部品の実装面の一部を覆っている。シールド層は、樹脂層の表面を覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-93014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の無線モジュールのような電子部品モジュールでは、基板への実装型部品として、コネクタ等の樹脂層で覆われない実装型部品を用いることがある。一方で、IC等の電子部品は、保護等から樹脂層で覆われることが好ましい。
【0006】
しかしながら、樹脂層で覆われる電子部品が、樹脂層で覆われない実装型部品の周囲に存在する場合、これらを両立させる構造を実現することは、容易ではなかった。特に、電子部品モジュールが小型になると、実装型部品と電子部品との距離は短くなる。したがって、電子部品を樹脂層で覆いながら、実装型部品を樹脂層で覆わない構造を実現することは、さらに容易ではなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、樹脂層で覆われない実装型部品と、樹脂層で覆われるIC等の電子部品とが基板の同一面に混在する構造を容易に実現できる電子部品モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の電子部品モジュールは、基板、電子部品、実装型部品、絶縁性樹脂、および、導電性のシールド膜を備える。電子部品は、基板の第1主面に実装される。実装型部品は、基板の第1主面に実装される。導体壁は、筒状であり、基板の第1主面に実装され、実装型部品が配置される内部空間を有する。絶縁性樹脂は、第1主面に形成される。導電性のシールド膜は、絶縁性樹脂の表面に形成される。絶縁性樹脂は、開口部を有し、当該開口部内に実装型部品が配置されており、開口部には導体壁が設けられている。
【0009】
この構成では、実装型部品と電子部品とは、導体壁によって、第1主面上において、別々の空間に分離される。したがって、実装型部品を絶縁性樹脂で覆わず、電子部品を絶縁性樹脂で覆うことが、容易になる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、樹脂層で覆われた電子部品と、樹脂層で覆われていない実装型部品とが同一面に混在する構造を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(A)は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す側面断面図である。図1(B)は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す平面図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールと他のコネクタ部材との接続構造を示す拡大断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの製造方法を示すフローチャートである。
図4図4(A)、図4(B)、図4(C)、図4(D)は、図3に示す製造方法の所定の工程でのコネクタの箇所の形状を示す側断面の拡大図である。
図5図5は、電子部品モジュールを外部の回路基板に実装する態様での構成を示す側面断面図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る電子部品モジュールにおけるコネクタの部分を拡大した側面断面図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る電子部品モジュールの製造方法を示すフローチャートである。
図8図8(A)、図8(B)、図8(C)、図8(D)、図8(E)は、図7に示す製造方法の所定の工程でのコネクタの箇所の形状を示す側断面の拡大図である。
図9図9は、第3の実施形態に係る電子部品モジュールにおけるコネクタの部分を拡大した側面断面図である。
図10図10は、第4の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す側面断面図である。
図11図11(A)、図11(B)は、電子部品モジュールに外部から接続するコネクタ部材の第1の派生例の構成を示す側断面の拡大図である。
図12図12(A)、図12(B)は、電子部品モジュールに外部から接続するコネクタ部材の第2の派生例の構成を示す側断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る電子部品モジュールについて、図を参照して説明する。図1(A)は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す側面断面図である。図1(B)は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す平面図である。
【0013】
[電子部品モジュール10の構成]
図1(A)、図1(B)に示すように、電子部品モジュール10は、基板20、コネクタ30、電子部品411、電子部品412、導体壁50、絶縁性樹脂60、および、シールド膜70を備える。
【0014】
基板20は、絶縁性の主体を有し、電子部品モジュール10を実現するための導体パターンを備える。基板20は、矩形の平板であり、互いに対向する第1主面201と第2主面202とを有する。
【0015】
基板20の第1主面201には、ランド導体211、ランド導体212、ランド導体221、および、ランド導体222が形成されている。ランド導体211、ランド導体212、ランド導体221、および、ランド導体222の個数は、それぞれに実装される部品の個数に対応している。ランド導体212は、ランド導体211を囲むように配置されている。
【0016】
基板20の第2主面202には、アンテナ導体230が形成されている。アンテナ導体230は、例えば、基板20の第2主面202の略全体亘る面積からなる巻回形の導体である。
【0017】
コネクタ30は、ランド導体211に実装される。コネクタ30は、外部に接続される接続面が基板20側と反対側になるように、配置されている。コネクタ30が、本発明の「実装型部品」である。
【0018】
電子部品411は、ランド導体221に実装される。電子部品412は、ランド導体222に実装される。電子部品411は、例えば、IC等であり、電子部品412は、例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ等のチップ部品である。電子部品411および電子部品412が、本発明の「電子部品」に対応するが、電子部品411だけを本発明の「電子部品」としてもよい。
【0019】
導体壁50は、ランド導体212に実装される。導体壁50は、例えば、銅(Cu)等の金属を材料としている。導体壁50は、筒状であり、内部空間500を有する。導体壁50は、主体部501と端部502とを有する。主体部501と端部502とは一体形成されている。端部502は、主体部501における筒状の延びる方向の一方端に接続する。
【0020】
主体部501は、延びる方向における全ての位置において、断面積が略同じである。端部502は、延びる方向において、主体部501に接続する側の端から、徐々に断面積が小さくなる形状である。すなわち、筒状である導体壁50は、基板20に実装される側と反対側の開口面積が、実装型部品と同じ高さにおける平面断面積よりも小さい。この際、端部502の断面形状の中心は、主体部501の断面形状の中心と略一致する。言い換えると、端部502は、主体部501側の端部から徐々にすぼむ形状である。また、端部502における主体部501と反対側の端部(導体壁50の開口部)における壁の位置は、主体部501の壁の位置よりも内部空間の中心側にある。
【0021】
端部502における主体部501に接続する側と反対側の断面積、すなわち、導体壁50の端部502側の開口部の面積(開口面積)は、コネクタ30に接続する他のコネクタ部材の形状に応じて設定されている。
【0022】
導体壁50は、主体部501における端部502に接続する側と反対側の端部において、ランド導体212に実装される。
【0023】
導体壁50の高さ(筒が延びる方向の長さ)は、コネクタ30の高さよりも大きい。より好ましくは、主体部501の高さ(筒が延びる方向の長さ)は、コネクタ30の高さよりも大きい。これにより、コネクタ30は、導体壁50によって囲まれた空間内(内部空間500)に配置される。
【0024】
絶縁性樹脂60は、基板20の第1主面201側に形成されている。絶縁性樹脂60は、電子部品411および電子部品412を覆っている。これにより、電子部品411および電子部品412は、絶縁性樹脂60によって保護される。
【0025】
絶縁性樹脂60は、導体壁50の外面に当接しており、導体壁50によって囲まれる空間内には形成されていない。これにより、コネクタ30は、絶縁性樹脂60に覆われない。
【0026】
そして、絶縁性樹脂60は、導体壁50の内部空間を除いて、第1主面201の全体を覆っている。この際、絶縁性樹脂60は、導体壁50の端部502側の開口面を覆っていない。これにより、第1主面201における導体壁50の内部空間以外(コネクタ30の実装される位置以外)は、保護される。
【0027】
シールド膜70は、導電性を有する。シールド膜70は、絶縁性樹脂60の表面に形成されている。シールド膜70は、例えば、基板20の接地用導体パターンに接続している。
【0028】
この際、シールド膜70は、導体壁50の端部502側の開口面を覆っていない。これにより、電子部品モジュール10は、コネクタ30の接続面が外部から見える開口567を備える。
【0029】
このような構成によって、電子部品モジュール10は、コネクタ30、電子部品411、および、電子部品412を、基板20の同一面に実装しながら、電子部品411および電子部品412を絶縁性樹脂60およびシールド膜70で覆い、且つ、コネクタ30を外部のコネクタ部材に対して接続することができる。
【0030】
さらに、電子部品モジュール10は、導体壁50が基板20に実装されていることによって、電子部品411および電子部品412とコネクタ30との間の所望の位置に、導体壁50を確実且つ容易に設置できる。例えば、電子部品モジュール10を小型化することによって、電子部品411とコネクタ30との間が短くなっても、この間に、導体壁50を確実且つ容易に設置できる。
【0031】
また、この導体壁50によって、電子部品モジュール10は、絶縁性樹脂60の形成時に、コネクタ30が絶縁性樹脂で覆われてしまうことを、抑制できる。特に、導体壁50は、徐々にすぼむ形状の端部502を有することによって、絶縁性樹脂60の形成時に導体壁50の外側から加わる圧力に対する導体壁50の物理的な(構造的な)耐性は向上する。
【0032】
また、この構成では、電子部品411とコネクタ30との間に導体壁50が存在する。これにより、電子部品411から放射されるノイズがコネクタ30に伝搬されることが抑制される。したがって、電子部品411とコネクタ30とが近接していても、コネクタ30の接続部に対する電子部品411の放射ノイズの影響を抑制できる。
【0033】
すなわち、本実施形態によれば、コネクタの周囲には、開口部を有する空間が存在し、また、電子部品モジュールに形成されたシールド膜とは別の導体壁が設けられている。このようにすることで、コネクタに対する電磁波の影響を抑制するための導体壁を、電子部品モジュール全体に施されるシールド膜から構成する必要がない。したがって、効果的なシールド状態を、簡易な工程で実現できる。
【0034】
[外部との接続態様1]
このような構成の電子部品モジュール10は、例えば、次のように、他の回路基板等に接続される。図2は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールと他のコネクタ部材との接続構造を示す拡大断面図である。
【0035】
図2に示すように、コネクタ30には、コネクタ部材90が接続される。コネクタ部材90は、ベース部901、接続部902、根元部903、および、ケーブル904を備える。ベース部901は、開口567に入る形状である。接続部902および根元部903は、ベース部901に接続している。接続部902と根元部903とは、ベース部901を基準に互いに反対側に接続している。
【0036】
接続部902は、接続端子を有し、コネクタ30に嵌合、接続可能な形状である。根元部903は、ケーブル904に接続している。
【0037】
このような構成において、ベース部901は、突起部910を備える。突起部910は、ベース部901の側面から突出する形状である。ベース部901の側面とは、接続部902および根元部903が接続する面に直交する面である。
【0038】
突起部910は、例えば、弾性体である。突起部910は、突起部910を含むベース部901の外形が、開口567よりも大きくなる形状である。
【0039】
このような構成によって、コネクタ部材90がコネクタ30に接続している状態から、コネクタ部材90に対して外部に引き出す力が加わっても、導体壁50の端部502が主体部501側の端部から徐々にすぼむ形状となっているため、突起部910が導体壁50の端部502の内面に当たる。これにより、コネクタ部材90がコネクタ30から外れることを抑制できる。
【0040】
なお、突起部910は、弾性体であることによって、圧縮によって小さくなる。したがって、コネクタ部材90を導体壁50の内部空間に挿入する際には、開口567の内壁によって圧縮され、導体壁50の内部空間への挿入は可能である。
【0041】
[製造方法]
上述の構成からなる電子部品モジュール10は、例えば、次に示す製造方法で製造できる。図3は、第1の実施形態に係る電子部品モジュールの製造方法を示すフローチャートである。図4(A)、図4(B)、図4(C)、図4(D)は、図3に示す製造方法の所定の工程でのコネクタの箇所の形状を示す側断面の拡大図である。
【0042】
まず、図4(A)に示すように、基板20の第1主面201に、コネクタ30およびカバー部材50Pを実装する(図3、S11)。カバー部材50Pは、導体壁50に対して、蓋部503を追加した形状である。蓋部503は、端部502における主体部501へ接続する端部と反対側の端部に接続している。蓋部503は、端部502における主体部501側と反対側の端部の面を塞いでいる。このような蓋部503を有することによって、カバー部材50Pを、マウンタ等によって容易に実装できる。なお、この際、上述の電子部品411および電子部品412も実装される。
【0043】
この状態において、基板20は、熱処理(例えば、リフロー処理)される(図3、S12)。これにより、コネクタ30は、ランド導体211に接合し、カバー部材50Pは、ランド導体212に接合する。なお、この際、上述の電子部品411もランド導体221に接合し、電子部品412もランド導体222に接合する。
【0044】
次に、基板20の第1主面201側に絶縁性樹脂60を塗布する。この際、図4(B)に示すように、カバー部材50Pの全体を覆うように、絶縁性樹脂60を塗布する(図3、S13)。このとき、電子部品411、電子部品412も、絶縁性樹脂60に覆われる。そして、絶縁性樹脂を熱等によって硬化する(図3、S14)。
【0045】
次に、図4(C)に示すように、絶縁性樹脂60の表面を覆うように、スパッタ等によってシールド膜70を形成する(図3、S15)。
【0046】
次に、図4(D)に示すように、コネクタ30の上部に存在するシールド膜70、絶縁性樹脂60、および、カバー部材50Pの蓋部503を、レーザ等によって削除し、開口567を形成する(図3、S16)。
【0047】
このような製造方法を用いることによって、上述の構造からなる電子部品モジュール10を容易に製造できる。
【0048】
[外部との接続態様2]
上述の外部との接続態様1では、ケーブル904によって、電子部品モジュール10を外部に接続する態様を示した。しかしながら、電子部品モジュール10を、外部の回路基板に直接実装してもよい。図5は、電子部品モジュールを外部の回路基板に実装する態様での構成を示す側面断面図である。
【0049】
外部の回路基板80は、主面801を有する。また、回路基板80は、例えば、電子部品モジュール10を含む通信機器のメイン制御部を実現するための電子部品が実装されていたり、メイン制御部を実現するための導体パターンが形成されている。コネクタ部材90Aは、主面801に実装されている。
【0050】
電子部品モジュール10は、第1主面201が回路基板80の主面801に対向するように、回路基板80に対して配置される。そして、コネクタ30は、コネクタ部材90Aに嵌合しており、電気的に接続する。これにより、電子部品モジュール10は、回路基板80に対して、物理的に固定されるとともに、電気的に接続される。
【0051】
[第2実施形態]
第2の実施形態に係る電子部品モジュールについて、図を参照して説明する。図6は、第2の実施形態に係る電子部品モジュールにおけるコネクタの部分を拡大した側面断面図である。
【0052】
[電子部品モジュール10Aの構成]
第2の実施形態に係る電子部品モジュール10Aは、第1の実施形態に係る電子部品モジュール10に対して、図6に示すコネクタ30の部分の構造において異なる。電子部品モジュール10Aの他の構成は、電子部品モジュール10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0053】
図6に示すように、電子部品モジュール10Aでは、導体壁50の端部502は、シールド膜70に接続している。この構成により、例えば、シールド膜70が接地されていれば、導体壁50も、より確実に接地され、シールド性も向上する。
【0054】
[製造方法]
このような構成の電子部品モジュール10Aは、例えば、次のように製造される。図7は、第2の実施形態に係る電子部品モジュールの製造方法を示すフローチャートである。図8(A)、図8(B)、図8(C)、図8(D)、図8(E)は、図7に示す製造方法の所定の工程でのコネクタの箇所の形状を示す側断面の拡大図である。
【0055】
図7のステップS11からステップS14、図8(A)、図8(B)に示すように、絶縁性樹脂60を硬化させるまでの工程は、第1の実施形態と同様であり、説明は省略する。
【0056】
絶縁性樹脂60が硬化した状態で、絶縁性樹脂60を部分的に削除する(図7、S21)。具体的には、図8(C)に示すように、カバー部材50Pの蓋部503が露出するまで、絶縁性樹脂60を削除する。
【0057】
次に、図8(D)に示すように、絶縁性樹脂60の表面およびカバー部材50Pの蓋部503を覆うように、スパッタ等によってシールド膜70を形成する(図7、S15)。
【0058】
次に、図8(E)に示すように、コネクタ30の上部に存在するシールド膜70、および、カバー部材50Pの蓋部503を、レーザ等によって削除し、開口567を形成する(図7、S22)。
【0059】
このような製造方法を用いることによって、上述の構造からなる電子部品モジュール10Aを容易に製造できる。
【0060】
[第3実施形態]
第3の実施形態に係る電子部品モジュールについて、図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係る電子部品モジュールにおけるコネクタの部分を拡大した側面断面図である。
【0061】
[電子部品モジュール10Bの構成]
第3の実施形態に係る電子部品モジュール10Bは、第1の実施形態に係る電子部品モジュール10に対して、図9に示すコネクタ30の部分の構造において異なる。電子部品モジュール10Bの他の構成は、電子部品モジュール10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0062】
図9に示すように、電子部品モジュール10Bでは、導体壁50の端部502は、シールド膜70に接続している。また、端部502における外部への端面とシールド膜70の表面とは面一である。この構成により、例えば、シールド膜70が接地されていれば、導体壁50も、より確実に接地され、シールド性も向上する。また、第2の実施形態に係る電子部品モジュール10Aと比較して、電子部品モジュール10Bは、低背化できる。
【0063】
[第4実施形態]
第4の実施形態に係る電子部品モジュールについて、図を参照して説明する。図10は、第4の実施形態に係る電子部品モジュールの構成を示す側面断面図である。
【0064】
[電子部品モジュール10Cの構成]
図10に示すように、第4の実施形態に係る電子部品モジュール10Cは、第1の実施形態に係る電子部品モジュール10に対して、基板20の第2主面202側の構造において異なる。電子部品モジュール10Cの他の構成は、電子部品モジュール10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0065】
電子部品モジュール10Cは、電子部品モジュール10と比較して、アンテナ導体230が省略され、電子部品413、電子部品414、絶縁性樹脂61、および、シールド膜70Cをさらに備える。
【0066】
基板20の第2主面には、ランド導体223、および、ランド導体224が形成されている。電子部品413は、ランド導体223に実装され、電子部品414は、ランド導体224に実装されている。絶縁性樹脂61は、電子部品413および電子部品414を含み、基板20の第2主面202の全体を覆っている。シールド膜70Cは、絶縁性樹脂60および絶縁性樹脂61の表面と基板20の側面とを覆っている。
【0067】
このような構成において、電子部品モジュール10Cは、例えば、第2主面202が回路基板80の主面801に対向するように、回路基板80に設置される。電子部品モジュール10Cは、両面テープ800によって、回路基板80の主面801に接着している。
【0068】
このように、基板20に対して両面実装されている電子部品モジュール10Cに対しても、上述のコネクタ30の部分の構造を採用することできる。そして、コネクタ30に接続するケーブル等のコネクタ部材を介して、電子部品モジュール10Cは、回路基板80に接続できる。
【0069】
[コネクタ部材の派生例]
上述の説明では、コネクタ30に接続するコネクタ部材90に、弾性体の突起部910を備える態様を示した。しかしながら、コネクタ部材は、次に示す態様であってもよい。図11(A)、図11(B)は、電子部品モジュールに外部から接続するコネクタ部材の第1の派生例の構成を示す側断面の拡大図である。図12(A)、図12(B)は、電子部品モジュールに外部から接続するコネクタ部材の第2の派生例の構成を示す側断面の拡大図である。
【0070】
[第1派生例]
図11(A)、図11(B)に示すように、コネクタ部材90Bは、コネクタ部材90に対して、突起部910Bの構造において異なる。コネクタ部材90Bの他の構成は、コネクタ部材90と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0071】
コネクタ部材90Bの突起部910Bは、ベース部901に対して可動する。具体的には、突起部910Bの先端は、外力によって、ベース部901から根元部903の方向へ可動する。一方、突起部910Bの先端は、ベース部901から接続部902の方向へは、所定量以上可動しない。
【0072】
このような構成では、コネクタ部材90Bを、外部から導体壁50の内部空間500に挿入する場合、図11(A)に示すように、突起部910Bは可動して、突起部910Bの先端は、ベース部901の側面に近づく。これにより、コネクタ部材90Bは、開口567を介して、内部空間500に、容易に挿入できる。
【0073】
一方、コネクタ部材90Bを内部空間500から外部に引き出そうとすると、突起部910Bは、導体壁50の端部502の内面に接触し、引っかかる。これにより、コネクタ部材90Bが内部空間500から外部に引き出されることは、抑制される。
【0074】
[第2派生例]
図12(A)、図12(B)に示すように、コネクタ部材90Cは、コネクタ部材90に対して、突起部910Cの構造において異なり、ボタン905を備える点で異なる。コネクタ部材90Cの他の構成は、コネクタ部材90と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0075】
コネクタ部材90Cの突起部910Cは、ベース部901に対して可動する。具体的には、突起部910Cは、ボタン905への操作によって、ベース部901の内部へ収容される態様と、ベース部901の外部に突出する態様とを切り替えられる。
【0076】
このような構成では、コネクタ部材90Cを、外部から導体壁50の内部空間500に挿入する場合、図12(A)に示すように、突起部910Cをベース部901に収容する。これにより、コネクタ部材90Cは、開口567を介して、内部空間500に、容易に挿入できる。
【0077】
そして、コネクタ部材90Cをコネクタ30に接続した状態において、ボタン905を操作することで、突起部910Cをベース部901から突出させる。この状態では、コネクタ部材90Cを内部空間500から外部に引き出そうとすると、突起部910Cは、導体壁50の端部502の内面に接触し、引っかかる。これにより、コネクタ部材90Cが内部空間500から外部に引き出されることは、抑制される。
【0078】
なお、突起部の構成は、これらに限るものではなく、突起部の形状を変更でき、所定の形状を維持可能な構成であれば、本願のコネクタ部材に採用することができる。
【0079】
また、上述の各実施形態に示す構成は、適宜組み合わせることが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0080】
10、10A、10B、10C:電子部品モジュール
20:基板
30:コネクタ
50:導体壁
50P:カバー部材
60、61:絶縁性樹脂
70、70C:シールド膜
80:回路基板
90、90A、90B、90C:コネクタ部材
201:第1主面
202:第2主面
211、212、221、222、223、224:ランド導体
230:アンテナ導体
411、412、413、414:電子部品
500:内部空間
501:主体部
502:端部
503:蓋部
567:開口
800:両面テープ
801:主面
901:ベース部
902:接続部
903:根元部
904:ケーブル
905:ボタン
910、910B、910C:突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12