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特許7125082情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20220817BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20220817BHJP
   G06F 30/398 20200101ALI20220817BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F30/12
G06F30/398
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018012312
(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公開番号】P2019133222
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佑輝
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-016074(JP,A)
【文献】特開2008-225589(JP,A)
【文献】特開2006-155601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/10
G06F 30/12
G06F 30/398
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路設計用のCADにおいて回路設計に用いられる電子部品の情報を含む部品ライブラリを記憶する記憶部と、
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得する特性対応表取得部と、
ユーザが電子部品を前記部品ライブラリに登録する際に、前記複数の項目のうちの、前記ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させる項目値入力部と、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成することにより、前記ユーザが入力した項目値に対応する特性情報の電子部品が登録された部品ライブラリを前記記憶部に記憶させる特性情報生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記項目値入力部は、前記特性対応表の中の前記選択項目に対応する複数の項目値のいずれかを前記ユーザに選択させることにより、前記選択項目の項目値を前記ユーザに入力させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記項目値入力部は、前記複数の項目のうちの2以上の前記選択項目を前記ユーザに選択させ、
前記特性情報生成部は、2以上の前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、2以上の前記選択項目のいずれとも異なる前記特性項目を含む特性情報を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記複数の項目は、前記電子部品の特性の分類を示す分類項目を更に含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記項目値入力部において前記ユーザが選択する前記選択項目の候補を取得する候補取得部を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記候補取得部は、テキスト形式で供給された情報を表形式に変換することにより前記選択項目の候補を取得する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記項目値入力部は、スプレッドシートのセルである
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記特性情報を用いて前記部品ライブラリに登録されている電子部品を含む回路の設計をチェックする回路チェック部を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
回路設計用のCADにおいて回路設計に用いられる電子部品の情報を含む部品ライブラリを記憶する記憶部を有するコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、
ユーザが電子部品を前記部品ライブラリに登録する際に、前記複数の項目のうちの、前記ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成することにより、前記ユーザが入力した項目値に対応する特性情報の電子部品が登録された部品ライブラリを前記記憶部に記憶させるステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
回路設計用のCADにおいて回路設計に用いられる電子部品の情報を含む部品ライブラリを記憶する記憶部を有するコンピュータに、
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、
ユーザが電子部品を前記部品ライブラリに登録する際に、前記複数の項目のうちの、前記ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成することにより、前記ユーザが入力した項目値に対応する特性情報の電子部品が登録された部品ライブラリを前記記憶部に記憶させるステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、CAD(Computer Aided Design)システムを活用して電子機器等の設計を行う際に用いられるCADライブラリの生成システムが開示されている。CADライブラリは、部品情報に関するデータベースから収集した情報に基づいて生成される。これにより特許文献1のCADライブラリシステムは、人手による処理を少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-165898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているようなライブラリの生成を行う際に、設計に用いるすべての電子部品の情報があらかじめデータベースに記録されているとは限らない。この場合、ユーザは、電子部品のデータシート等を参照して手作業で情報を入力する必要が生じる場合がある。特許文献1にはこのような場合の処理については何ら開示されていない。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、ユーザが手作業で電子部品の情報を入力する場合においても作業を簡略化することができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によれば、電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得する特性対応表取得部と、前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させる項目値入力部と、前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成する特性情報生成部と、を備えることを特徴とする情報処理システムが提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成するステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法が提供される。
【0008】
本発明の更に他の観点によれば、コンピュータに、電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成するステップと、を実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが手作業で電子部品の情報を入力する場合においても作業を簡略化することができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理システムの機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理システムにより行われる処理の概略を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態に係る特性対応表を示す概念図である。
図5】第1実施形態に係る入力シートの表示例を示す図である。
図6】第1実施形態に係るドロップダウンリストによる入力例を示す図である。
図7】第1実施形態に係る項目値の入力完了後の入力シートを示す図である。
図8】第2実施形態に係るドロップダウンリストによる入力例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る項目値の入力完了後の入力シートを示す図である。
図10】第3実施形態に係る情報処理システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を説明する。図面において同様の要素又は対応する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化することがある。
【0012】
[第1実施形態]
本実施形態の情報処理システム10は、CADに用いられる部品ライブラリの作成を支援するシステムである。電気回路、プリント回路板等のCADにおいて、自動的に回路設計のチェックを行う機能が設けられている場合がある。電気回路に搭載される電子部品の特性を考慮した回路チェック機能を実現するためには、回路設計に使用する電子部品の部品ライブラリを準備する必要がある。部品ライブラリは、電子部品の電気特性等の情報を含む。
【0013】
部品ライブラリに設計に用いる電子部品が登録されていない場合には、ユーザは、使用しようとする電子部品のデータシート等を参照しながら、手作業で電子部品の情報を入力する必要があった。電子部品の電気特性等には多くの項目があるため、この入力作業は、複雑で手間がかかることが多かった。本実施形態の情報処理システム10は、この入力作業の支援に関するものである。
【0014】
なお、本実施形態の情報処理システム10は、スプレッドシート(表計算ソフトのシート)をGUI(Graphical User Interface)として含む設計支援ソフトウェアをコンピュータで実行することにより実現され得る。あるいは、本実施形態の情報処理システム10は、表計算のソフトウェアに対応したマクロ言語により記述されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現され得る。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システム10のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報処理システム10は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)、ラップトップPC、タブレットPC等のコンピュータであり得る。また、情報処理システム10は、他の装置との通信機能を備えた情報通信端末であってもよい。
【0016】
情報処理システム10は、演算、制御及び記憶を行うコンピュータとしての機能を実現するため、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103及びHDD(Hard Disk Drive)104を備える。また、情報処理システム10は、通信I/F(インターフェース)105、表示装置106及び入力装置107を備える。CPU101、RAM102、ROM103、HDD104、通信I/F105、表示装置106及び入力装置107は、バス108を介して相互に接続される。なお、表示装置106及び入力装置107は、これらの装置を駆動するための不図示の駆動装置を介してバス108に接続されてもよい。
【0017】
図1では、情報処理システム10を構成する各部が一体の装置として図示されているが、これらの機能の一部は外付け装置により提供されるものであってもよい。例えば、表示装置106及び入力装置107は、CPU101等を含むコンピュータの機能を構成する部分とは別の外付け装置であってもよい。
【0018】
CPU101は、ROM103、HDD104等に記憶されたプログラムに従って所定の動作を行うとともに、情報処理システム10の各部を制御する機能をも有する。RAM102は、揮発性記憶媒体から構成され、CPU101の動作に必要な一時的なメモリ領域を提供する。ROM103は、不揮発性記憶媒体から構成され、情報処理システム10の動作に用いられるプログラム等の必要な情報を記憶する。HDD104は、不揮発性記憶媒体から構成され、処理に用いられるデータ、プログラム等の記憶を行う記憶装置である。
【0019】
通信I/F105は、Wi-Fi(登録商標)、4G等の規格に基づく通信インターフェースであり、他の装置との通信を行うためのモジュールである。表示装置106は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等であって、画像、文字、インターフェース等の表示に用いられる。入力装置107は、キーボード、ポインティングデバイス等であって、ユーザが情報処理システム10を操作するために用いられる。ポインティングデバイスの例としては、マウス、トラックボール、タッチパネル等が挙げられる。表示装置106及び入力装置107は、タッチパネルとして一体に形成されていてもよい。
【0020】
なお、図1に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の装置が追加されていてもよく、一部の装置が設けられていなくてもよい。また、一部の装置が同様の機能を有する別の装置に置換されていてもよい。更に、本実施形態の一部の機能がネットワークを介して他の装置により提供されてもよく、本実施形態の機能が複数の装置に分散されて実現されるものであってもよい。例えば、HDD104は、半導体メモリを用いたSSD(Solid State Drive)に置換されていてもよく、クラウドストレージに置換されていてもよい。
【0021】
図2は、本実施形態に係る情報処理システム10の機能ブロック図である。情報処理システム10は、特性対応表取得部121、項目値入力部122、特性情報生成部123、候補取得部124、回路チェック部125、表示情報生成部126及び記憶部127を有する。
【0022】
CPU101は、ROM103等に記憶されたプログラムをRAM102にロードして実行することにより、特性対応表取得部121、項目値入力部122、特性情報生成部123、候補取得部124、回路チェック部125及び表示情報生成部126の機能を実現する。これらの各部で行われる処理については後述する。CPU101は、HDD104を制御することにより記憶部127の機能を実現する。記憶部127は、処理に用いられるデータを記憶するデータベースとして機能する。
【0023】
図3乃至図7を参照して、本実施形態における処理の概要、GUIの構成等について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理システム10により行われる処理の概略を示すフローチャートである。本フローチャートの処理順に沿って、適宜図4乃至図7を参照しつつ、本実施形態における処理を説明する。ユーザが入力装置107を介して本処理を開始する操作を行うと、情報処理システム10は、図3の処理を開始する。
【0024】
図3のステップS101において、特性対応表取得部121は、図4に例示されるような特性対応表を取得する。ここで、特性対応表取得部121は、通信I/F105により他の装置から特性対応表を取得してもよいが、記憶部127にあらかじめ記憶されている特性対応表を読み出すことにより特性対応表を取得してもよい。
【0025】
ここで、図4を参照して特性対応表の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る特性対応表を示す概念図である。特性対応表は、複数の項目と、複数の項目のそれぞれに対応する項目値とを有する。図4には、「電源電圧」、「回路種別」、「分類項目」、「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の項目が挙げられている。ここで、「IiL[mA]」、「IiH[mA]」は、それぞれ、「PD/PUなし」、「PUあり」、「PDあり」の3つに場合分けされている。
【0026】
「電源電圧」は、電子部品の電源端子に入力可能な電源電圧を示す項目である。「回路種別」は、電子部品の回路種別を示す項目である。「分類項目」は、特性の分類を示す項目である。「IiL[mA]」は、入力がローレベルの場合の流出電流を示す項目である。「IiH[mA]」は、入力がハイレベルの場合の入力電流を示す項目である。「PD/PUなし」、「PUあり」、「PDあり」は、プルアップ(PU)抵抗、プルダウン(PD)抵抗の有無を示している。
【0027】
また、図4には、「電源電圧」、「回路種別」、「分類項目」、「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の項目のそれぞれに対応した項目値が複数個示されている。例えば、「電源電圧」に対応する項目値としては、「5V系」、「3.3V系」が挙げられている。「回路種別」に対応する項目値としては、「TTL(Transistor to Transistor Logic)」、「CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)」、「PECL(Positive Emitter Coupled Logic)」、「HCSL(High Speed Current Steering Logic)」、「LVDS(Low Voltage Differential Signaling)」が挙げられている。「分類項目」に対応する項目値としては、「T1」、「C1」等の特性の分類を示す記号が挙げられている。「IiL[mA]」、「IiH[mA]」に対応する項目値としては、「0.6」等の電流値が挙げられている。なお、「分類項目」以外の項目は、電子部品の特性を示すものであることから特性項目と呼ばれることもある。
【0028】
図3のステップS102及びステップS103において、候補取得部124は、後述する選択項目の候補を取得する。ステップS102において、候補取得部124は、電子部品の電気特性の項目情報を取得する。項目情報のデータ形式は、例えば、テキスト形式であり得る。より具体的には、項目情報のデータは、「分類項目,電源電圧,回路種別,…」のようなカンマ区切りのテキストデータであり得る。このテキスト形式の項目情報のデータは、例えば、電子部品のデータシートから取得されたものであり得る。
【0029】
ステップS103において、候補取得部124は、テキスト形式で取得された情報を表形式に変換することにより選択項目の候補を取得する。これにより、データの形式をユーザが把握しやすいものとすることができ、選択を行いやすくすることができる。なお、この変換処理は、スプレッドシートのソフトウェアに備えられているマクロ言語により記述されたプログラムにより実現され得る。
【0030】
なお、あらかじめ表形式で選択項目の候補が提供され得る場合には、ステップS102及びステップS103は、省略され得る。この場合、ステップS102及びステップS103に代えて、候補取得部124は、表形式の選択項目の候補の取得処理を行う。
【0031】
候補取得部124は、通信I/F105により他の装置からテキスト形式又は表形式の情報を取得してもよいが、記憶部127にあらかじめ記憶されている情報を読み出すことにより当該情報を取得してもよい。
【0032】
ステップS104において、項目値入力部122は、ユーザに少なくとも1つの選択項目を選択させ、当該選択項目に対応する項目値を入力させるためのGUIである入力シートを生成する。表示情報生成部126は、入力シートを表示装置106に表示させるための表示情報を生成する。これにより、表示装置106には、ユーザが項目値を入力する入力シートが表示される。この入力シートの生成は、例えば、スプレッドシートのソフトウェアにより実現され得る。
【0033】
図5は、本実施形態に係る入力シートの表示例を示す図であり、ユーザが項目値を入力する前の入力シートを示している。1行目の「分類項目」、「電源電圧」、「回路種別」、「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の項目は、候補取得部124により取得された項目情報により設定されたものである。
【0034】
ステップS105において、項目値入力部122は、ユーザによる選択項目の項目値の入力の受け付けを行う。本実施形態ではユーザは、「分類項目」を選択項目として選択し、「分類項目」の下のセル内に項目値を入力する。項目値の入力は、キーボード等を用いてテキストを入力してもよいが、マウス等のポインティングデバイスによりドロップダウンリストから選択することにより入力を行ってもよい。なお、ドロップダウンリストは一例であり、これ以外のポインティングデバイスを用いた入力インターフェースも同様に用いられ得る。例えば、ドロップダウンリストは、ラジオボタン、コンボボックス等に置換されてもよい。
【0035】
図6は、本実施形態に係るドロップダウンリストによる入力例を示す図である。ユーザが「分類項目」の列のセルを選択すると、ドロップダウンリストにより項目値の入力候補が表示される。ユーザが表示された候補のいずれかを選択することによりセルへの項目値の入力が完了する。ここで、ドロップダウンリストに表示される入力候補は、例えば、特性対応表の「分類項目」の列の項目値であり得る。
【0036】
ステップS106において、特性情報生成部123は、選択項目の項目値と特性対応表とに基づいて、選択項目とは異なる特性項目を含む特性情報を生成する。図7を参照してこの処理を詳細に説明する。図7は、本実施形態におけるユーザが項目値の入力を完了した後の入力シートを示している。図7には「分類項目」の項目値として「C31」が入力された場合の表示例が示されている。項目値が入力されると、スプレッドシートの参照機能等を用いることにより、特性情報生成部123は、特性対応表の対応する分類項目の行の「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の値を入力シートの対応するセルに転記する。これにより、ユーザは、手入力をしなくても「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の値を自動的に入力することができる。その後、特性情報生成部123は、スプレッドシートのマクロ言語等により記述されたプログラムにより、入力された特性情報を、部品ライブラリとして記憶部127に出力する。あるいは、記憶部127に既存の部品ライブラリがある場合には、特性情報生成部123は、入力された特性情報を、当該部品ライブラリに追加する。
【0037】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システム10は、分類項目等の一部の項目のみをユーザに入力させるだけで他の特性情報を特性対応表から抽出して部品ライブラリを生成することができる。したがって、すべての特性情報をユーザが手作業で入力する場合と比べて作業が簡略化される。また、データシートを参照して適切に特性情報を入力するためには、電気部品に関する技術知識が要求される場合があるが、本実施形態の手法では一部の項目は自動的に入力されるため、技術知識がさほど要求されない。また、人間による作業量を少なくすることができるため、誤記の発生を低減することもできる。以上のように本実施形態によれば、ユーザが手作業で電子部品の情報を入力する場合においても作業を簡略化することができる情報処理システムが提供される。
【0038】
図3の処理により部品ライブラリが生成された後、回路チェック部125は、電気回路、プリント回路板等のCADにおける回路設計の自動チェックを行う。回路チェック部125は、ユーザが回路設計に用いている電子部品の情報を部品ライブラリから参照し、これを用いて回路設計が所定の基準(デザインルール)に適合しているか否かを判定する。なお、回路チェック部125の機能は、部品ライブラリの生成を行う情報処理システム10と一体化されていなくてもよく、別の装置又はソフトウェアとして提供されるものであってもよい。この場合、情報処理システム10は、回路チェック部125の機能を備える回路チェックシステムに部品ライブラリの提供を行うデータベースとして機能する。
【0039】
[第2実施形態]
本実施形態の情報処理システム10は、入力シートの構成が第1実施形態と異なる。その他の点については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0040】
図8は、本実施形態に係るドロップダウンリストによる入力例を示す図である。本実施形態では、項目値入力部122は、ユーザによる2以上の選択項目の入力の受け付けを行う。本実施形態ではユーザは、「分類項目」と「PU/PD」を選択項目として選択する。「分類項目」の入力については第1実施形態と同様に行われる。「分類項目」が入力された後、ユーザが「PU/PD」の列のセルを選択すると、ドロップダウンリストにより項目値の入力候補が表示される。ユーザが表示された候補のいずれかを選択することによりセルへの項目値の入力が完了する。ここで、ドロップダウンリストに表示される入力候補は、例えば、特性対応表の「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の場合分けに用いられている「PD/PUなし」、「PUあり」、「PDあり」の行の項目であり得る。なお、「分類項目」と「PU/PD」の入力の順序は逆であってもよい。
【0041】
その後、特性情報生成部123は、「分類項目」の項目値と、「PU/PD」の項目値と、特性対応表とに基づいて、2つの選択項目とは異なる特性項目を含む特性情報を生成する。図9は、本実施形態におけるユーザが項目値の入力を完了した後の入力シートを示している。図9に示されるように、「分類項目」が「C31」で、「PU/PDなし」の場合の「IiL[mA]」、「IiH[mA]」の値が入力シートの対応するセルに転記される。
【0042】
本実施形態においても第1実施形態の場合と同様に、分類項目等の一部の項目のみをユーザに入力させるだけで他の特性情報を特性対応表から抽出して部品ライブラリを生成することができる。これにより、ユーザが手作業で電子部品の情報を入力する場合においても作業を簡略化することができる情報処理システムが提供される。本実施形態では、ユーザに複数の項目値を入力させることにより、自動入力される項目の個数を絞ることができる。そのため、本実施形態の構成は、部品ライブラリの入力項目数を絞りたい場合に有効である。
【0043】
上述の実施形態において説明した情報処理システムは以下の第3実施形態のようにも構成することができる。
【0044】
[第3実施形態]
図10は、第3実施形態に係る情報処理システム20の機能ブロック図である。情報処理システム20は、特性対応表取得部221、項目値入力部222及び特性情報生成部223を備える。特性対応表取得部221は、電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得する。項目値入力部222は、複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値をユーザに入力させる。特性情報生成部223は、選択項目の項目値と特性対応表とに基づいて、選択項目とは異なる特性項目の項目値を含む特性情報を生成する。
【0045】
本実施形態によれば、ユーザが手作業で電子部品の情報を入力する場合においても作業を簡略化することができる情報処理システムが提供される。
【0046】
[変形実施形態]
本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0047】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態で例示した入力シートにおいて、例示した以外の項目が更に追加されていてもよい。例えば、部品名、部品の価格、部品の寸法、部品の供給先、入力者名、入力者のコメント等が項目として追加されてもよい。
【0048】
上述の実施形態ではスプレッドシートを用いた例が示されているが、これに限られるものではなく、例えば、データベース管理ソフト及びこれに対応したマクロなどにより実現されるものであってもよい。
【0049】
上述の実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記憶媒体に記録させ、記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体だけでなく、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。また、上述の実施形態に含まれる1又は2以上の構成要素は、各構成要素の機能を実現するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路であってもよい。
【0050】
該記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disk)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記憶媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
【0051】
上述の各実施形態の機能により実現されるサービスは、SaaS(Software as a Service)の形態でユーザに対して提供することもできる。
【0052】
なお、上述の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0053】
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0054】
(付記1)
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得する特性対応表取得部と、
前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させる項目値入力部と、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成する特性情報生成部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【0055】
(付記2)
前記項目値入力部は、前記特性対応表の中の前記選択項目に対応する複数の項目値のいずれかを前記ユーザに選択させることにより、前記選択項目の項目値を前記ユーザに入力させる
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理システム。
【0056】
(付記3)
前記項目値入力部は、前記複数の項目のうちの2以上の前記選択項目を前記ユーザに選択させ、
前記特性情報生成部は、2以上の前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、2以上の前記選択項目のいずれとも異なる前記特性項目を含む特性情報を生成する
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理システム。
【0057】
(付記4)
前記複数の項目は、前記電子部品の特性の分類を示す分類項目を更に含む
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0058】
(付記5)
前記項目値入力部において前記ユーザが選択する前記選択項目の候補を取得する候補取得部を更に備える
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0059】
(付記6)
前記候補取得部は、テキスト形式で供給された情報を表形式に変換することにより前記選択項目の候補を取得する
ことを特徴とする付記5に記載の情報処理システム。
【0060】
(付記7)
前記項目値入力部は、スプレッドシートのセルである
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0061】
(付記8)
前記特性情報を用いて前記電子部品を含む回路の設計をチェックする回路チェック部を更に備える
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【0062】
(付記9)
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、
前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【0063】
(付記10)
コンピュータに、
電子部品の特性を示す特性項目を含む複数の項目と、前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目値とを有する特性対応表を取得するステップと、
前記複数の項目のうちの、ユーザが選択した少なくとも1つの選択項目に対応する項目値を前記ユーザに入力させるステップと、
前記選択項目の項目値と前記特性対応表とに基づいて、前記選択項目とは異なる前記特性項目の項目値を含む特性情報を生成するステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0064】
10、20 情報処理システム
121、221 特性対応表取得部
122、222 項目値入力部
123、223 特性情報生成部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10