(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A63F7/02 316D
A63F7/02 312Z
(21)【出願番号】P 2018122936
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】椿谷 悠
【審査官】島田 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特許第5874098(JP,B1)
【文献】特開2016-087112(JP,A)
【文献】特開2017-064410(JP,A)
【文献】特開2016-214993(JP,A)
【文献】特開2003-210694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な流下路と、
遊技球が進入可能で前記流下路から分岐する分岐路と、
前記流下路内に突出して、前記流下路を流下する遊技球を前記分岐路に誘導する突出位置と、前記突出位置よりも引っ込んで、引き続き遊技球に前記流下路を流下させる退避位置と、に移動可能な振分部材と、を有し、
前記振分部材は、前記突出位置に配置される際に、前記流下路内に前記分岐路の入口と対向する位置から突出
し、
前記流下路を囲む壁面部と、
前記壁面部に形成され、前記突出位置で前記振分部材を前記流下路内に突出させるための開口部と、を有し、
前記壁面部から突出して上下方向に延在すると共に、前記開口部より上流側から前記流下路を流下してきた遊技球と当接して該遊技球を前記開口部から遠ざけるレールを少なくとも1つ有する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遊技機では、前後にスライドして遊技球の流路を開閉するシャッターによって、遊技球が振り分けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-163614号(段落[0231]、
図11,13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、シャッターが閉まるときに、シャッターと該シャッターの先方に配置された壁との間に遊技球が挟まれることがあり、球噛みの発生を抑制することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、遊技球が流下可能な流下路と、遊技球が進入可能で前記流下路から分岐する分岐路と、前記流下路内に突出して、前記流下路を流下する遊技球を前記分岐路に誘導する突出位置と、前記突出位置よりも引っ込んで、引き続き遊技球に前記流下路を流下させる退避位置と、に移動可能な振分部材と、を有し、前記振分部材は、前記突出位置に配置される際に、前記流下路内に前記分岐路の入口と対向する位置から突出し、前記流下路を囲む壁面部と、前記壁面部に形成され、前記突出位置で前記振分部材を前記流下路内に突出させるための開口部と、を有し、前記壁面部から突出して上下方向に延在すると共に、前記開口部より上流側から前記流下路を流下してきた遊技球と当接して該遊技球を前記開口部から遠ざけるレールを少なくとも1つ有する遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、球噛みの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図9】(A)第1振分状態の振分部材と振分駆動機構の正面図、(B)第2振分状態の振分部材と振分駆動機構の正面図
【
図10】(A)第1振分状態の振分部材と振分駆動機構の前方斜視図、(B)第2振分状態の振分部材と振分駆動機構の前方斜視図
【
図11】(A)第1振分状態の振分部材と振分駆動機構の後方斜視図、(B)第2振分状態の振分部材と振分駆動機構の後方斜視図
【
図14】(A)振分部材が第2振分状態のときの落下部の平断面図、(B)振分部材が第1振分状態のときの落下部の平断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、
図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1の全体が視認可能となっている。遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている(
図2参照)。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0009】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
【0011】
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
【0012】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側部分には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下側部分における横方向の中央部には、第1始動入賞口14Aが設けられている。第1始動入賞口14Aは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなして、常時開放している。
【0014】
第1始動入賞口14Aの下方には、第2始動入賞口14Bが設けられている。第2始動入賞口14Bは、前側に開放し、回動扉14Tによって開閉される。具体的には、回動扉14Tは、通常は、鉛直に起立した閉位置に配置され、上述の普通図柄当否判定で当りになると、下端部を中心に回動し、前倒しとなった開位置に配置される。開位置に配置された回動扉14Tは、上方から流下する遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと案内する。
【0015】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。特別図柄当否判定の結果は、表示画面13Gに表示される。特別図柄当否判定で当りになると、遊技状態が大当り遊技状態になって、大当り遊技が実行される。
【0016】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右下部分には、大入賞口15が設けられている。大入賞口15は、横長矩形に形成されて、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。遊技状態が大当り遊技状態になって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入球可能となる。大入賞口15に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出される。大当り遊技では、予め設定された回数だけ大入賞口15が開放されるラウンド遊技が、大当り遊技の種類に応じた回数だけ実行される。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限数の遊技球が大入賞口15に入球するか又は予め設定されたラウンド遊技時間が経過すると、終了する。
【0017】
遊技領域R1には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B及び大入賞口15のほか複数の一般入賞口20が設けられている。一般入賞口20は、第1始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなして、常時開放している。一般入賞口20に遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(
図1参照)に払い出される。また、遊技領域R1には、何れの入賞口14A,14B,15,20にも入球しなかった遊技球を外部に排出するためのアウト口16が備えられている。
【0018】
図3に示されるように、本実施形態の遊技機10では、大当り遊技中に大入賞口15に入球した遊技球は、誘導路30を流下し、第1入球領域51と第2入球領域52の何れかの入球領域を流下して、遊技盤11の後側に排出される。遊技球の入球領域への振り分けは、振分部材60によって行われる。遊技盤11の後側に排出された遊技球は、球排出ダクト(図示せず)を通って球回収装置(図示せず)に回収される。
【0019】
第2入球領域52は、所謂、V入賞領域であって、大当り遊技中に遊技球が第2入球領域52を流下する(第2入賞領域52に入球する)と、大当り遊技終了後の遊技状態は、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な有利状態となる。一方、大当り遊技中に遊技球が第2入球領域52を流下しない(即ち、大当り遊技中に遊技球が第1入球領域51のみを流下する(第1入賞領域51のみに入球する))場合、大当り遊技終了後の遊技状態が通常の遊技状態となる。有利状態の例としては、時短状態、確変状態等が挙げられる。
【0020】
なお、大当り遊技中に遊技球が第2入球領域52を流下しないとき(即ち、遊技球が第1入球領域51のみを流下するとき)、大当り遊技終了後の遊技状態が、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な第1有利状態となり、大当り遊技中に遊技球が第2入球領域52を流下したとき、大当り遊技終了後の遊技状態が第1有利状態よりも遊技者に有利な第2有利状態となってもよい。
【0021】
[1]誘導路30
図3及び
図4に示されるように、誘導路30は、メイン流路31と、メイン流路31から分岐した分岐流路41と、からなる。メイン流路31をそのまま流下する遊技球は、第2入球領域52を流下し、分岐流路41を流下する遊技球は、第1入球領域51を流下する。
【0022】
メイン流路31は、導入部32と転動路33と落下部34とを、メイン流路31の上流側からこの順番に備えてなる。
【0023】
図4に示されるように、導入部32は、大入賞口15の奥側(後側)に配設された入賞部屋15Rから下方に延びている。具体的には、導入部32は、入賞部屋15Rの床壁に形成された排出口に連通し、入賞部屋15Rに受容された遊技球を下方へと誘導する。なお、導入部31の一部は、球検出スイッチ321の検出孔321Aによって構成されている。
【0024】
図4及び
図5に示されるように、転動部33は、導入部32の下端部から左右方向の一方側(本実施形態では、左側)へ延びている。具体的には、
図5に示されるように、転動部33の床壁331は、下方へ向かうにつれて左側へ向かうように湾曲した湾曲部331Aと、後下がりに傾斜した末端傾斜部331Cと、が段差部331Bを介して連絡された構造になっている。そして、転動部33を流下する遊技球は、床壁331の上を転動して左側に誘導される。
【0025】
図4に示されるように、転動部33を前後に挟む壁部のうち後側に配置された後壁333には、末端傾斜部331Cを転動してきた遊技球を転動部33から排出するための末端開口333Kが形成されている。なお、末端開口333Kは、遊技球が1つだけ通過可能な大きさに形成されている。
【0026】
また、
図6に示されるように、転動部33を前後に挟む壁部のうち前側に配置された前壁332の左端部は、左側へ向かうにつれて後側へ向かうように湾曲した後方誘導部332Aとなっている。
【0027】
図12に示されるように、落下部34は、略鉛直な直線状に形成され、その上端部が転動部33の末端部(左側の端部)に連絡している。具体的には、落下部34は、転動部33より後側に配置され、末端開口333K(
図4参照)に連通している。そして、落下部34は、転動部33の末端開口333Kから排出された遊技球を下方に落下させる。
【0028】
図14(A)に示されるように、落下部34の流路断面は、遊技球が1つだけ通過可能な大きさに形成されている。具体的には、落下部34の流路断面形状は、略正方形状に形成されていて、その正方形の一辺の長さが、遊技球の直径より若干大きくなっている。
【0029】
図7に示されるように、落下部34を左右に挟んで対向する1対の対向壁340,340のうち左側に配置される第1対向壁341には、第1開口部341Aが形成されている。第1開口部341Aの高さは、遊技球1.5個分より大きく、2個分未満となっている。なお、第1開口部341の前後方向の長さは、遊技球1個分より若干大きくなっている。
【0030】
1対の対向壁340,340のうち右側に配置される第2対向壁342には、第2開口部342Aが形成されている。第2開口部342Aは、第1開口部341Aに対向配置されている。具体的には、第2開口部342Aの下端は、第1開口部341Aの下端と略同じ高さに配置され、第2開口部342Aの高さは、遊技球1個分程度になっている。なお、第2開口部342Aの前後方向の長さは、第1開口部341Aの前後方向の長さと略同じになっている。
【0031】
落下部34の下方には、第2球検出センサ54が配置されていて、落下部34を落下してきた遊技球は、第2球検出センサ54の第2検出孔54Aを通過する。この第2検出孔54Aは、上述した第2入球領域52を構成する。
【0032】
図7に示されるように、分岐流路41は、左下がりに傾斜し、その右端部が第1開口部341Aに連通している。
【0033】
分岐流路41の床壁411は、第1開口部341Aの開口下縁部から左下がりに傾斜している。床壁411の左端部には、排出口411Aが形成されている。排出口411Aの下方には、第1球検出センサ53が配置されていて、排出口411Aから排出された遊技球は、第1球検出センサ53の第1検出孔53Aを通過する。この第1検出孔53Aは、上述した第1入球領域51を構成する。
【0034】
分岐流路41の天井壁412は、第1開口部341Aの開口上縁部から左下方へ延びている。詳細には、天井壁412は、上流側湾曲部412Aと、中間傾斜部412Bと、下流側湾曲部412Cと、を分岐流路41の上流側から、この順番に備えてなる。上流側湾曲部412Aと下流側湾曲部412Cは、左側へ向かうにつれて下方へ向かうように湾曲し、中間傾斜部412Bは、左下がりに傾斜している。なお、中間傾斜部412Bの傾斜は、床壁411の傾斜よりも大きくなっていて、分岐流路41の下流端における高さ(上下方向の長さ)は、分岐流路41の上流端における高さ(即ち、第1開口部341Aの上下方向の長さ)よりも低くなっている。
【0035】
[2]振分部材60
図4に示されるように、誘導路30を流下する遊技球は、振分部材60によって第1入球領域51と第2入球領域52の何れかに振り分けられる。振分部材60は、
図9(A)に示される振分駆動機構70により駆動されて、遊技球を第1入球領域51に振り分ける第1振分状態(
図7参照)と、遊技球を第2入球領域52に振り分ける第2振分状態(
図8参照)と、に変化する。
【0036】
図9(A)、
図10(A)及び
図11(A)に示されるように、振分部材60は、盤状に形成された回動軸部61と、回動軸部61からその径方向の一方側に張り出したアーム部62と、アーム部62の先端部から回動軸部61の周方向(回動軸部61を中心とする円の周方向)一方側に突出する受止突部63と、を有している。
【0037】
回動軸部61には、中心孔61Aが形成されている。中心孔61Aには、
図7及び
図8に示される支軸部343が挿通されている。支軸部343は、第2対向壁342のうち第2開口部342より上側に配置された部分に一体形成されて、前後方向に延びている。そして、回動軸部61は、支軸部343を中心にして、回動可能となっている。
【0038】
図10(A)及び
図10(B)に示されるように、アーム部62は、略直方体状に形成され、回動軸部61より前側に迫り出している。
図7及び
図14(B)に示されるように、アーム部62は、第2対向壁342より右側に配置されると共に、メイン流路31の落下部34を前後方向に挟む1対の前後対向壁345,345のうち後側に配置される前後対向壁345の前側と後側とに跨って配置される。なお、アーム部62の前側を向く面には、回動軸部61から遠い側を段付き状に前側に迫り出させる段差部62Dが形成されている。
【0039】
図9(A)及び
図9(B)に示されるように、受止突部63は、アーム部62の先端部(回動軸部61から遠い側の端部)から正面視時計方向に突出している。また、
図14(B)に示されるように、受止突部63は、アーム部62の前端寄り部分から突出し、後側の前後対向壁345より前側に配置される。
【0040】
図9(A)及び
図10(A)に示されるように、受止突部63のうち回動軸部61に臨む面は、球受止面64となっている。球受止面64には、アーム部62から離れるにつれて回動軸部61から離れるように、複数段階の傾斜が設けられている。具体的には、球受止面64は、受止突部63の先端部に形成された先端傾斜部64Aと、先端傾斜部64Aに連続した基端傾斜部64Bと、が備えられている。先端傾斜部64Aと基端傾斜部64Bは共に、アーム部62から離れるに従って回動軸部61から離れるように傾斜し、基端傾斜部64Bの傾斜角が先端傾斜部64Aの傾斜角より大きくなっている。
【0041】
図10(A)に示されるように、振分駆動機構70は、ソレノイド71と、可動鉄芯72と、動力伝達部材73と、を含んでなる。ソレノイド71は、プル型になっていて、ソレノイド71が通電される(ONにされる)と、
図10(A)から
図10(B)への変化に示されるように、可動鉄芯72がソレノイド71に吸引される。
【0042】
可動鉄芯72の一端部には、フランジ72Fが形成され、このフランジ72Fとソレノイド71の間には、コイルバネ74が介装されている。そして、可動鉄芯72は、コイルバネ74によって、フランジ72Fがソレノイド71から遠ざかる方向に付勢されている。動力伝達部材73は、可動鉄芯72のフランジ72Fに取り付けられ、可動鉄芯72と一体になって移動する。
【0043】
図11(A)に示されるように、動力伝達部材73には、係合孔73Aが設けられている。この係合孔73Aには、振分部材60の回動軸部61に設けられた係合ピン60Pが挿通されている。そして、ソレノイド71が通電されて動力伝達部材73が移動すると、その動力が回動軸部61に伝達され、
図11(A)から
図11(B)への変化に示されるように、振分部材60が回動軸部61の中心孔61Aを中心にして回動する。
【0044】
ソレノイド71が非通電状態のとき、振分部材60は、
図7、
図9(A)、
図10(A)及び
図11(A)に示される突出位置に配置される。振分部材60が突出位置に配置された状態では、アーム部62は、回動軸部61から下方に垂下すると共に落下部34に沿って配置され、受止突部63は、第2開口部342Aを通って落下部34に突入する(
図7及び
図9(A)参照)。
【0045】
ソレノイド71が通電状態になると、可動鉄芯72が駆動され、振分部材60は、
図8、
図9(B)、
図10(B)及び
図11(B)に示される退避位置に配置される。振分部材60が退避位置に配置された状態では、アーム部62は、回動軸部61から右下方に向かって延び、落下部34の下流側へ向かうにつれて落下部34から離れるように落下部34に対して傾斜する。受止突部63は、第2開口部342Aの奥側に退避して落下部342から外れる(
図8及び
図9(B)参照)。
【0046】
図7に示されるように、振分部材60が突出位置に配置された状態で、受止突部63は落下部34を遮ると共に、第1開口部341Aに突き合わされる。この状態で、落下部34を落下する遊技球は、受止突部63(詳細には、球受止面64(
図9(A)参照))に受け止められて、第1開口部341Aへと誘導される。第1開口部341Aへ誘導された遊技球は、分岐流路41を通って、第1入球領域51を流下する。即ち、振分部材60は、突出位置に配置されたときに、落下部34を落下する遊技球を第1入球領域51へと振り分ける第1振分状態となる。
【0047】
図8に示されるように、振分部材60が退避位置に配置された状態では、受止突部63が落下部34の外側(本実施形態では、右側)に外れる。この状態で、落下部34を落下する遊技球は、受止突部63に受け止められることなく、そのまま落下部34を落下し、第2入球領域52を流下する。即ち、振分部材60は、突出位置に配置されたときに、落下部34を落下する遊技球を第2入球領域52へと振り分ける第2振分状態となる。
【0048】
本実施形態では、振分部材60の受止突部63が、落下部34の延在方向と交差する左右方向に移動し、第1対向壁341に対して接近、離間する。このため、振分部材60が突出位置へ移動するときに、振分部材60と第1対向壁341との間に遊技球が挟まって球噛みが発生するという事態が考えられる。しかしながら、本実施形態の遊技機10では、突出位置に配置された振分部材60の受止突部63は、第1開口部341Aに突き合わされるので、第1対向壁341との間に遊技球を挟むことが抑制され、球噛みの発生が抑制される。
【0049】
なお、詳細には、振分部材60が突出位置に配置されたときの受止突部63の先端部と第1開口部341Aの開口上縁部との間隔は、遊技球1個分より大きく、1.5個分以下となっている。これにより、受止突部63に受け止められた遊技球を分岐流路41へとスムーズに進入させることが可能となっている。また、分岐流路41の天井壁412の上流側湾曲部412Aにおける湾曲部分は、遊技球との干渉を避ける逃がし部として作用する。
【0050】
また、振分部材60が突出位置に配置されたときの受止突部63の先端部と第1開口部341Aの開口下縁部との間隔は、遊技球0.5個分未満となっている。これにより、受止突部63と床壁411との間に遊技球が進入することが抑制され、受止突部63と床壁411との間の球噛みの発生が抑えられている。
【0051】
[3]隔離手段80
本実施形態の遊技機10では、メイン流路31の落下部34を挟む1対の対向壁340,340のうち一方の対向壁340である第1対向壁341には、分岐流路41に連通する第1開口部341Aが形成され、他方の対向壁340である第2対向壁342には、振分部材60の受止突部63の出入口となる第2開口部342Aが形成されている。このような遊技機10の構成では、振分部材60が第2振分状態となって、落下部34を落下する遊技球を、分岐流路41に案内することなく、そのまま落下させるときに、該遊技球が第2開口部342Aに進入したり、第2開口部342Aの開口下縁部に跳ね返されて分岐流路41に進入したりして、第2入球領域52に入球しない入球エラーが発生し得る。特に、本実施形態では、メイン流路31において落下部34に遊技球を誘導する転動部33が遊技球を左側に転動させ、第2開口部342Aを有する第2対向壁342は、落下部34に対して右側に配置されているので、転動部33を転動してきた遊技球が第1対向壁341と衝突することによって、その遊技球が第2開口部342Aに近づき易くなっている。そこで、遊技機10には、入球エラーの抑制を図るべく、落下部34を落下する遊技球を第2開口部342Aから遠ざけるための隔離手段80が備えられている。
【0052】
図14(A)及び
図14(B)に示されるように、隔離手段80は、落下部34を落下する遊技球(
図14(A)及び
図14(B)には、二点鎖線で示されている。)に対して第2対向壁342側(即ち、右側)に配置される。隔離手段80は、落下部34を落下する遊技球に第2対向壁342側から当接することで、該遊技球を第2開口部342Aから遠ざける。
【0053】
図12及び
図13に示されるように、隔離手段80は、上下方向に延在する隔離レール81によって構成されている。隔離レール81の上端は、転動部33より下方に配置され、隔離レール81の下端は、第2開口部342Aの開口下縁と略同じ高さに配置されている。詳細には、隔離レール81の上端は、転動部33の床壁331における末端傾斜部331Cの上面を後側に延長した延長面(
図13には二点鎖線で示されている。)より下方に配置されている。なお、隔離レール81の上端部は、第1対向壁341に向かって下るように傾斜したテーパ状に形成されている。
【0054】
図14(A)に示されるように、隔離レール81は、落下部34を前後に挟む前後対向壁345,345のうち前側に配置される前後対向壁345の後面に突設された突条によって構成されている。そして、第2対向壁342の前端部に落下部34の内側から重ねられる。ここで、隔離レール81は、第2対向壁342との間に間隔をあけずに配置されてもよいし、間隔をあけて配置されてもよい。なお、隔離レール81は、上方から見て第2球検出センサ54の第2検出孔54Aの外縁部に重なる。
【0055】
ところで、隔離レール81は、前側の前後対向壁345に形成されることにより、落下部34の内部において前端寄り部分に配置される。その結果、落下部34を落下する遊技球は、落下部34の後寄り部分を通り易くなる。このため、本実施形態では、
図14(B)に示されるように、振分部材60の受止突部63が、落下部34の後側に寄せて配置されることで、遊技球の受け止めの安定化が図られている。
【0056】
このように、本実施形態の遊技機10では、隔離レール81が落下部34を落下してきた遊技球に第2対向壁342側から当接可能となっているので、遊技球が第2開口部342Aに進入することが抑制され、第2入球領域52に入球させるための遊技球が第2入球領域52に入球しない入球エラーが発生することを抑制可能となる。しかも、隔離レール81は、落下部34に沿って延在するので、遊技球を第2対向壁342から遠ざけた状態のまま落下させることが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、隔離レール81は、第2開口部342Aに落下部34の内側から重ねられているので、遊技球が第2開口部342Aの横を落下するときに、第2開口部342へ近づくことが抑制される。
【0058】
なお、本実施形態では、隔離レール81は、第2対向壁342のうち第2開口部342Aよりも上側に配置された部分に落下部34の内側から重ねられているので、第2開口部342Aより上側において第2対向壁342から遠ざけることができる。従って、仮に、隔離レール81が第2開口部342Aに重ねられない構成であっても、遊技球が第2開口部342Aの横を落下するときに、その遊技球が第2開口部342Aに進入することが抑制される。
【0059】
[上記実施形態から抽出される技術的な特徴群について]
以下、上述した実施形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0060】
<特徴A群>
以下の特徴A群は、遊技機に関し、「特許文献A(特開2016-163614号(段落[0231]、
図11,13))の遊技機では、V入賞口へと続く流路を前後にスライドして開閉するシャッターによって、遊技球がV入賞口に入賞するか否かが振り分けられる。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、シャッターが閉まるときに、シャッターと該シャッターの先方に配置された壁部との間に遊技球が挟まれることがあり、球噛みの発生を抑制することが求められている。」という課題をもってなされたものである。
【0061】
[特徴A1]
遊技球が1個ずつ流下可能なメイン流路(メイン流路31)と、
前記メイン流路を挟んで対向する1対の対向壁(対向壁340)と、
前記1対の対向壁のうち一方の対向壁(第1対向壁341)に形成された第1開口部(第1開口部341A)と、
前記第1開口部に連通して、前記メイン流路から分岐する分岐流路(分岐流路41)と、
前記メイン流路を流下してきた遊技球を前記分岐流路に流下させる第1振分状態と該遊技球をそのままメイン流路に流下させる第2振分状態とに変化する振分部材(振分部材60)と、
前記振分部材が前記第2振分状態であるときに前記メイン流路を流下してきた遊技球が入球可能な入球領域(第2流下領域52)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記1対の対向壁のうち他方の対向壁(第2対向壁342)には、前記第1開口部と対向する第2開口部(第2対向壁342A)が設けられ、
前記振分部材は、前記第2開口部の奥側に引っ込む退避位置と前記第2開口部から飛び出す突出位置との間を移動可能であって、前記突出位置に配置されたときに前記第1振分状態となり、前記退避位置に配置されたときに前記第2振分状態となる、遊技機。
【0062】
本特徴に示す構成では、振分部材は、第1開口部と対向する第2開口部の奥側に引っ込んだり飛び出したりする。本構成によれば、振分部材が第1振分状態となって第2開口部から飛び出しても、その振分部材の先方には、第1開口部が待ち受けることになるので、振分部材による球噛みが抑制される。
【0063】
[特徴A2]
前記振分部材は、前記突出位置に配置されたときに前記メイン流路を流下してきた遊技球を受け止め可能な球受止面(球受止面64)を有し、
前記球受止面には、前記振分部材が前記突出位置に配置されたときに前記第1開口部へ近づくにつれて前記メイン流路の下流側を向くように配置される複数段階の傾斜(先端傾斜部64Aと基端傾斜部64B)が設けられている、特徴A1に記載の遊技機。
【0064】
本特徴に示す構成では、突出位置に配置された振分部材が、メイン流路を流下してきた遊技球を受け止めて分岐流路へ流下させ易くなる。なお、本特徴の具体的な構成としては、第1開口部へ近づくにつれてメイン流路の下流側へ向かうように傾斜した傾斜部を複数備えて、それら複数の傾斜部を振分部材の突出方向に並べ、第1開口部に近い側(即ち、突出先端側)の傾斜部の傾斜角を第1開口部から遠い側(即ち、突出先端から遠い側)の傾斜部の傾斜角より小さくする構成が挙げられる。
【0065】
[特徴A3]
前記振分部材は、
前記メイン流路の延在方向と前記一対の対向壁の対向方向とに直交する方向に沿って延在する回動軸部(回動軸部61)と、
前記回動軸部から回動半径方向に張り出した張出部(アーム部62)と、
前記張出部から前記回動軸部の回動方向に突出する受止突部(受止突部63)と、を備え、
前記張出部は、前記振分部材が前記突出位置に配置されたときに、前記メイン流路に沿って配置される一方、前記振分部材が前記退避位置に配置されたときに、前記回動軸部から離れるにつれて前記メイン流路から遠ざかるように傾斜し、
前記受止突部は、前記振分部材が前記突出位置に配置されたときに前記第2開口部を通って前記メイン流路に突入し、前記振分部材が前記退避位置に配置されたときに、前記第2開口部の奥側に配置される、請求項1又は2に記載の遊技機。
【0066】
振分部材は、直動可能に構成されてもよいし、回動可能に構成されてもよい。特に、後者の場合において、本特徴に示す構成とすれば、振分部材が退避位置から突出位置に移動するときに、受止突部によって遊技球を掬い取り易くなる。
【0067】
[特徴A4]
前記第2開口部の開口縁のうち前記メイン流路の上流側に配置された部分は、前記メイン流路の延在方向に対して斜めに傾斜している、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の遊技機。
【0068】
本特徴に示す構成では、振分部材と第2開口部の開口縁との間に遊技球が挟まって球噛みすることを抑制可能となる。
【0069】
[特徴A5]
前記メイン流路には、第1水平方向の一方側へ下るように遊技球を転動させる転動部(転動部33)と、前記転動部の下端部に連絡して遊技球を落下させる落下部(落下部34)と、が備えられ、
前記1対の対向壁は、前記第1水平方向で対向し、
前記第1開口部は、前記1対の対向壁のうち前記第1水平方向の一方側に配置される第1対向壁(第1対向壁341)に形成されると共に、前記第2開口部は、前記1対の対向壁のうち前記第1水平方向の他方側に配置される第2対向壁(第2対向壁342)に形成され、
前記落下部を落下する遊技球を前記第2対向壁から遠ざけて該遊技球が前記第2開口部に進入することを規制する隔離手段(隔離手段80)を有している、特徴A1乃至A4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0070】
本特徴に示す構成によれば、振分部材が退避位置に配置された状態で、遊技球が第2開口部に進入したり第2開口部の開口下縁部に跳ね返されて第1開口部に進入したりすることが抑えられ、入球領域に入球させるための遊技球が入球領域に入球しない入球エラーが発生することを抑制可能となる。なお、本特徴における「遊技球が第2開口部に進入する」とは、遊技球の一部が進入することを含むものである。
【0071】
[特徴A6]
前記隔離手段は、前記第2対向壁のうち前記第2開口部より上側に配置される部分から突出するか又は当該部分に前記メイン流路の内側から重ねられて、前記落下部を落下する遊技球と当接可能な球当接部(隔離レール81)により構成されている、特徴A5に記載の遊技機。
【0072】
[特徴A7]
前記隔離手段は、前記第2開口部に前記メイン流路の内側から重ねられて、前記落下部を落下する遊技球と当接可能な球当接部(隔離レール81)により構成されている、特徴A5に記載の遊技機。
【0073】
特徴A6又は特徴A7に示す構成では、遊技球を第2対向壁から遠ざけ易くなる。
【0074】
[特徴A8]
前記球当接部は、上下方向に延在するレール(隔離レール81)を少なくとも1つ有する、特徴A6又はA7に記載の遊技機。
【0075】
本特徴に示す構成では、遊技球を第2対向壁から遠ざけた状態のまま流下させることが可能となる。
【0076】
[特徴A9]
遊技球が1個ずつ流下可能な流路(メイン流路31)と、
前記流路を挟んで対向する1対の対向壁(対向壁340)と、
前記1対の対向壁のうち一方の対向壁(第1対向壁341)に形成された第1開口部(第1開口部341A)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記1対の対向壁のうち他方の対向壁(第2対向壁342)に形成された第2開口部(第2開口部342A)の奥側に引っ込む退避位置と前記第2開口部から飛び出す突出位置との間を移動可能な移動部材(振分部材60)を有し、
前記第1開口部は、前記突出位置に配置された前記移動部材に突き合わされる、遊技機。
【0077】
本特徴に示す構成では、移動部材が突出位置に配置されて第2開口部から飛び出しても、その移動部材に第1開口部が突き合わされるので、移動部材による球噛みが抑制される。
【0078】
なお、特徴A9に示す構成に、特徴A1~A8に示す構成が組み合わされてもよい。
【0079】
特徴A群には、以下の実施形態が含まれてもよい。
【0080】
(a1)
図15に示されるように、振分部材60を、落下部34の延在方向と交差する方向に直動して、第2開口部342Aの奥側に退避した退避位置と、第2開口部342Aから突出する突出位置と、に配置される構成としてもよい。
【0081】
(a2)
図16に示されるように、転動部33の配置が左右逆であってもよい。この場合、隔離手段80(
図12~
図14参照)を備えない構成としてもよい。
【0082】
(a3)
図17に示されるように、第2開口部342Aの開口上縁が前下がり又は後下がりに傾斜してもよい(
図17には、後下がりに傾斜する例が示されている。)。これにより、振分部材60の受止突部63と第2開口部342Aの開口上縁部との間の球噛みが抑制される。
【0083】
(a4)受止突部63の球受止面64は、傾斜部として先端傾斜部64Aのみを備えてもよいし、アーム部62から離れるにつれて回動軸部61の周方向(回動軸部61を中心とする円の周方向)一方側を向くように湾曲した湾曲部を備えてもよい。なお、湾曲部は、振分部材60が突出位置に配置されたときに落下部34の下流側へ向かうにつれて第1開口部341Aへ向かうように配置される。
【0084】
<特徴B群>
以下の特徴B群は、遊技機に関し、「特許文献B(特開2016-163614号(段落[0224]、
図11、
図12)の遊技機では、遊技球を落下させる落下路の先にV入賞口を有し、落下路から横に分岐した分岐路の先に通常入球口を有している。そして、横案内路との分岐部分に設けられたシャッター部材によって、遊技球をV入賞口と通常入球口の何れかに入球させる。」という背景技術について、「特許文献Bの遊技機では、V入賞口に入球させるための遊技球がV入賞口に入球しない入球エラーが発生することがあり、入球エラーの改善が求められていた。」という課題をもってなされたものである。
【0085】
[特徴B1]
遊技球が1個ずつ流下可能なメイン流路(メイン流路31)と、
前記メイン流路を流下してきた遊技球が入球可能な入球領域(第2入球領域52)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記メイン流路を挟んで対向する1対の対向壁(対向壁340)のうち少なくとも一方の対向壁(第2対向壁342)には、遊技球が進入可能な開口部(第2開口部342A)が形成されていて、
前記メイン流路を流下する遊技球を前記一方の対向壁から遠ざける隔離手段(隔離手段80)を有している、遊技機。
【0086】
本特徴に示す構成によれば、メイン流路を流下してきた遊技球が開口部に進入することが抑制され、入球領域に入球させるための遊技球が入球領域に入球しない入球エラーが発生することを抑制可能となる。なお、本特徴における「遊技球が進入可能な開口部」は、遊技球の一部が進入可能なものも含む。
【0087】
[特徴B2]
前記隔離手段は、前記一方の対向壁のうち前記開口部よりも前記メイン流路の上流側に配置される部分から突出するか又は当該部分に前記メイン流路の内側から重ねられて、前記メイン流路を流下してきた遊技球と当接可能な球当接部(隔離レール81)により構成されている、特徴B1に記載の遊技機。
【0088】
[特徴B3]
前記隔離手段は、前記第2開口部に前記メイン流路の内側から重ねられて、前記メイン流路を流下してきた遊技球と当接可能な球当接部(隔離レール81)により構成されている、特徴B1に記載の遊技機。
【0089】
特徴B2又はB3に示す構成では、遊技球を一方の対向壁から遠ざけ易くなる。
【0090】
[特徴B4]
前記球当接部は、前記メイン流路に沿って延在するレール(隔離レール81)を少なくとも1つ有する、特徴B2又はB3に記載の遊技機。
【0091】
本特徴に示す構成では、遊技球を一方の対向壁から遠ざけた状態のまま流下させることが可能となる。
【0092】
[特徴B5]
前記メイン流路には、第1水平方向の一方側へ下るように遊技球を転動させる転動部(転動部33)と、前記転動部の下端部に連絡して遊技球を落下させる落下部(落下部34)と、が備えられ、
前記1対の対向壁は、前記第1水平方向で対向し、
前記開口部は、前記1対の対向壁のうち前記第1水平方向の他方側に配置される対向壁に形成されている、特徴B1乃至B4のうち何れか1に記載の遊技機。
【0093】
本特徴に示す構成では、転動部で第1水平方向の一方側に転動してきた遊技球が、第1水平方向の一方側に配置される対向壁に跳ね返されて他方側の対向壁に形成された開口部に進入することが抑制される。
【0094】
なお、特徴B群に示す特徴に特徴A群に示す特徴を組み合わせてもよい。
【0095】
特徴B群には、以下の実施形態が含まれてもよい。
【0096】
(b1)
図18に示されるように、振分部材60は、前後にスライドして第2球検出センサ54の第2検出孔54Aを開閉するシャッター部材で構成されてもよい。この場合、第2開口部342Aは不要となる。また、転動部33は、左右逆に配置されることが好ましい。隔離手段80(
図12~
図14参照)は、落下部34を落下する遊技球を第1対向壁341の第1開口部341Aから遠ざける。
【0097】
(b2)隔離レール81は、第2対向壁342のうち第2開口部342Aより上側の部分にのみ重ねられてもよいし、第2開口部342Aにのみ重ねられてもよい。
【0098】
(b3)隔離レール81は、第2対向壁342に形成されてもよいし(
図19参照)、後側の前後対向壁345に形成されてもよい。なお、後者の場合、振分部材60の受止突部63は、落下部34において前側に寄せて配置されればよい。
【0099】
(b4)隔離レール81は、第2対向壁342の幅方向(前後方向)に複数備えられてもよい。その際、複数の隔離レール81は、第2対向壁342に形成されてもよいし(
図19参照)、1対の前後対向壁345,345のそれぞれに形成されてもよい。
【0100】
(b5)隔離手段80は、第2対向壁342又は前後対向壁345に形成された突部(例えば、突起、瘤、ボス、リブ等)をさらに含んでもよいし、該突部のみで構成されてもよい。突部が前後対向壁345に形成される場合、その突部は、前側の前後対向壁345と後側の前後対向壁345の何れに形成されてもよい。なお、突部は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0101】
(b6)隔離手段80は、例えば、第1対向壁341に埋め込まれて遊技球を第1対向壁341に引き寄せる磁石によって構成されてもよい。この磁石の磁力は、遊技球の落下を妨げない強さに調整されればよい。
【符号の説明】
【0102】
10 遊技機
31 メイン流路
33 転動部
34 落下部
41 分岐流路
51 第1入球領域
52 第2入球領域
60 振分部材
80 隔離手段
341 第1対向壁
341A 第1開口部
342 第2対向壁
342A 第2開口部