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特許7125145重金属及びホルムアルデヒドから肌を保護する組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】重金属及びホルムアルデヒドから肌を保護する組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20220817BHJP
   C07C 211/14 20060101ALI20220817BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220817BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20220817BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20220817BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220817BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
A61K8/41
C07C211/14
A61Q19/00
A61Q1/02
A61Q19/10
A61Q5/02
C11D3/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019527797
(86)(22)【出願日】2017-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 KR2017005821
(87)【国際公開番号】W WO2018097431
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2016-0157956
(32)【優先日】2016-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0026114
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519179877
【氏名又は名称】エフエヌジー リサーチ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】グ,ヨン サム
(72)【発明者】
【氏名】ソン,キ ナム
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-49316(JP,A)
【文献】特開2011-213671(JP,A)
【文献】米国特許第5428156(US,A)
【文献】特表平6-506213(JP,A)
【文献】特表2014-511404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
C07C 211/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重金属及びホルムアルデヒドを除去するための有効成分が下記化学式1のトリエンチンまたはその塩である、重金属及びホルムアルデヒドを除去するための化粧品組成物。
【化1】
【請求項2】
前記トリエンチンまたはその塩は組成物全体重量に対して0.01~5.0重量%で含有されるものである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記化粧品組成物は基礎化粧品、色合い化粧品、洗浄化粧品、シャンプーまたはせっけんで利用されるものである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部環境から肌を保護するための組成物に関するものである。より詳細には、本発明は肌に存在する重金属とホルムアルデヒドを効果的に除去するための組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業発展によって大気汚染はますますひどくなっている。主要大気汚染物質はホルムアルデヒドのような揮発性有機化合物(VOCs)、二酸化硫黄、酸化窒素、オゾン、一酸化炭素のような有害ガス、及びPb、Cd、As、Cr、Cu、Niのような重金属らである。
【0003】
このような汚染物質は、通常、微細ほこり(PM10)または、超微細ほこり(PM2.5)に吸着されるか、または凝結され、呼吸気管を通じて人体に流入されて喘息、肺機能損傷のような多様な呼吸器疾患を起こす。また、このような汚染物質は皮膚炎、アレルギー、アトピーのような肌疾患を起こす。
【0004】
ホルムアルデヒドは人体に対して発ガン物質で分類される代表的VOCであり、アトピーを誘発する物質としてよく知られている。
【0005】
微細ほこりの成分は地域、環境、季節によるが、Hg、Pb、Cd、As、Cr、Cu、Ni、Zn、Mn、Co、Snのような有害な重金属が20%程度で含有されているものとして報告されている。
【0006】
このような微細ほこりと重金属から肌を保護するために化粧料形態の多様な組成物らが開示されている。
【0007】
韓国公開特許第10-2010-0056239号明細書は、スエヒロタケ多糖体、海藻多糖体及び高麗人参多糖体でなされた群から選択された1種以上を有効成分として含み、黄砂、排気ガスまたは外部汚染物にある重金属と微細ほこりを吸い付ける化粧料組成物を開示している。
【0008】
韓国登録特許第10-0715241号明細書はアルギン酸を過酸化水素水で処理して製造されたカルボキシラートアルギン酸を有効成分として含む重金属洗浄用化粧料組成物を開示している。
【0009】
韓国公開特許第10-2016-0000959号明細書は、濁酒など酒類製造過程で生成される副産物である酒粕や蒸溜泊を有効成分とする重金属及び微細ほこり除去用化粧料組成物を開示している。
【0010】
Ethylenediaminetetraacetic acid(EDTA)は、エチレンジアミン系化合物として、4個のカルボン酸塩と2個のアミン基を媒介にして金属イオンと結合して水溶性キレート化合物を形成する。EDTAはPb2+イオンと強い親和性を有するため鉛中毒治療剤としても使用され、化粧品と関連しては化粧品内に存在するCa2+、Mg2+イオンのキレート剤として金属イオン封鎖剤の役割をして化粧品の安全性を増加させるか、または肌保湿のための成分として主に利用されている。EDTAは重金属イオンに効果的なキレート剤であるが、皮膚刺激を起こすものとして知られており化粧料全体重量に対して通常0.05%以下で利用されており、0.10重量%以上では利用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0056239号明細書
【文献】韓国登録特許第10-0715241号明細書
【文献】韓国公開特許第10-2016-0000959号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術と比べて皮膚刺激または毒性がないか、または非常に低いながらも従来物質に比べて高い重金属及びホルムアルデヒド除去能力を有する皮膚用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、下記化学式1のトリエンチンまたはトリエンチン誘導体、下記化学式2のサイクレンまたはサイクレン誘導体、下記化学式3のサイクラムまたはサイクラム誘導体及びこれらの塩のうちから選択された1種以上を含む、重金属及びホルムアルデヒドから肌を保護する組成物を提供する。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
(前記式らで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立的に水素、または-R-COOHであり、RはC~Cのアルキル基、置換されている、または置換されていない芳香族、または、置換されている、または置換されていない複素環(heterocyclic)である。)
【0017】
本発明で重金属とホルムアルデヒド除去のための前記有効成分は、望ましくは、下記化学式4のトリエンチン、化学式5のサイクレン、化学式6のサイクラムから選択される。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
前記トリエンチン誘導体は、望ましくは、下記化学式7乃至9の化合物、またはこれらの塩のうちから選択される。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
(前記式らで、R、Rはそれぞれ独立的に水素、または C~Cのアルキル基であり、Xは酸素(O)、硫黄(S)または窒素(N)である。)
【0025】
前記サイクレン誘導体は、望ましくは、下記化学式10乃至12の化合物またはこれらの塩のうちから選択される。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
(前記式らで、 R、Rはそれぞれ独立的に水素、または C~Cのアルキル基であり、Xは酸素(O)、硫黄(S)または窒素(N)である。)
【0029】
前記サイクラム誘導体は、望ましくは、下記化学式13乃至15の化合物、またはこれらの塩のうちから選択される。
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
(前記式らで、 R、Rはそれぞれ独立的に水素、または C~Cのアルキル基であり、Xは酸素(O)、硫黄(S)、または窒素(N)である。)
【発明の効果】
【0033】
本発明による皮膚用組成物は、従来重金属キレート剤、重金属除去有効成分と比べて少量でも力強い重金属除去能とホルムアルデヒド除去能を有する一方、皮膚刺激または毒性がないか、または非常に低く、外部環境から肌を保護するための皮膚用組成物として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、実施例1乃至12による重金属除去用化合物0.1重量%水溶液の重金属除去能試験結果を示すグラフである。
図2図2は、実施例1乃至12による重金属除去用化合物0.5重量%水溶液の重金属除去能試験結果を示すグラフである。
図3図3は、実施例1乃至12による重金属除去用化合物1.0重量%水溶液の重金属除去能試験結果を示すグラフである。
図4図4は、実施例13乃至27による重金属除去用化合物0.5重量%を含む外被用組成物の重金属除去能試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明者らは、外部環境に露出されて惹起されることで肌に存在する重金属を効果的に除去することができる外被用組成物を開発するために重金属と配位結合することができるキレート剤に対して多くの研究を進行した。
【0036】
下記化学式16のトリエンチン(trientine)はTriethylenetetramine(TETA)の一般名である。
【0037】
【化16】
【0038】
トリエンチン重塩酸塩(Triethylenetetramine dihydrochloride)は、マウス実験で銅(copper)の代謝に関与するのが明かされた(F.W.Sunderman et al.、Toxicol.Appl.Pharmacol.38、177(1976))。トリエンチン重塩酸塩は薬理的には銅に対するキレート剤で作用してウィルソン病(Wilson's disease)治療剤としてよく知られている(JM Walshe、Prog.Clin.Biol.Res.34、271(1979); R.H.Haslam et al.、Dev.Pharmacol.Ther.1、318(1980))。
【0039】
下記化学式17のサイクレン(Cyclen)は1、4、7、10-tetraazacyclododecaneの一般名である。この化合物はガドリニウム(Gd)と配位結合を通じてキレートを形成して核医学造影剤として利用される。
【0040】
【化17】
【0041】
下記化学式18のサイクラム(Cyclam)は1、4、8、11-tetraazacyclotetradecaneの一般名である。この化合物はガドリニウム(Gd)と配位結合を通じてキレートを形成して核医学造影剤として利用される。
【0042】
【化18】
【0043】
前記トリエンチン、サイクレン、サイクラムのようなキレート剤らは薬学的に経口または血管投与方法を通じて体内の銅を排出するためか、または造影剤としての使用がよく知られている。しかし、これら化合物は肌の重金属除去のような皮膚用の用途は報告されたことがない。
【0044】
本発明でトリエンチン、サイクレン、サイクラム及びこれらの誘導体化合物は肌の重金属除去能を有するのみならず、皮膚刺激、毒性がないことが明かされる。トリエンチン、サイクレン、サイクラム化合物は過去には肌に有害なものとして知られていた。本発明の実験結果、重金属除去に効果的な量の使用では皮膚刺激または毒性がなく、これらは肌保護用成分で許容されることが確認された。
【0045】
一方、本発明でトリエンチン、サイクレン、サイクラムとこれらの誘導体化合物が1級発ガン物質であるホルムアルデヒドの除去に非常に効果的であることが確認された。
【0046】
本発明は、下記化学式19のトリエンチンまたはトリエンチン誘導体、下記化学式20のサイクレンまたはサイクレン誘導体、下記化学式21のサイクラムまたはサイクラム誘導体及びこれらの塩で選択された1種以上を含む、重金属とホルムアルデヒドを除去する皮膚用組成物を提供する。
【0047】
【化19】
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
(前記式らで、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立的に水素、または-R-COOHであり、Rは C~Cのアルキル基、置換されている、または置換されていない芳香族、または、置換されている、または置換されていない複素環である。)
【0050】
本発明の皮膚用組成物は重金属及びホルムアルデヒド除去のための有効成分であるトリエンチン、トリエンチン誘導体、サイクレン、サイクレン誘導体、サイクラム、サイクラム誘導体またはこれらの塩を含むことを特徴とする。
【0051】
一方、本発明で、前記トリエンチン、サイクレン、サイクラム化合物のアミン位置へのカルボキシ基の導入は重金属配位結合度を向上させる一方、アミンの位置への芳香族または複素環の導入は皮膚刺激をめっきり減少させることが確認された。
【0052】
本発明によるトリエンチン誘導体、サイクレン誘導体、サイクラム誘導体は下記化学式22ないし30の化合物で望ましく選択される。
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】
【化30】
(前記式らで、 R、Rはそれぞれ独立的に水素または C~Cのアルキル基であり、Xは酸素(O)、硫黄(S)または窒素(N)である。)
【0062】
本発明のトリエンチンまたはトリエンチン誘導体、サイクレンまたはサイクレン誘導体、サイクラムまたはサイクラム誘導体化合物は制限されないが、組成物全体重量に対して0.01~5.0重量%、望ましくは0.05~2.0重量%、より望ましくは0.1~1.0重量%であることがある。
【0063】
本発明のトリエンチンまたはトリエンチン誘導体、サイクレンまたはサイクレン誘導体、サイクラムまたはサイクラム誘導体化合物は、水溶性塩の形態で利用することができる。本発明の前記化合物は塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩の形態で利用することができる。前記塩の製造は公知の方法によって遂行されることができる。本発明の塩は望ましくは二塩酸塩(dihydrochloride)または四塩酸塩(tetrahydrochloride)であり、さらに望ましくは二塩酸塩である。
【0064】
本発明の組成物は肌に存在するPb、Cd、As、Cr、Cu、Ni、Zn、Mn、Co、Snのような重金属除去に利用することができる。
【0065】
本発明による皮膚用組成物は、水中油(O/W)または油中水(W/O)エマルジョンまたはオイル-フリー(oilfree)で剤形化することができる。本発明による皮膚用組成物は基礎化粧料、メークアップ化粧料、毛髪用化粧料、ボディー用化粧料などで剤形化することができる。本発明の組成物は柔軟化粧水、栄養化粧水、栄養エッセンス、栄養オイル、保湿オイル、栄養クリーム、保湿クリーム、パウダー、パック、ファウンデーション、メークアップベース、ステッキ、クレンジング、シャンプー、ゲル、ローション及び、軟膏などの剤形で製造することができる。本発明の組成物は液状、クリーム状、ペースト状、固体状など多様な性状で適用が可能であり、通常の化粧料製法を利用して剤形化することができる。
【0066】
本発明の皮膚用組成物は、前記剤形に必要な公知された化粧料成分、例えば、維持成分、保湿剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調節剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、精製水、イオン水などをさらに含むことができる。
【0067】
一方、本発明の皮膚用組成物は肌の重金属を除去することで脱毛治療の薬学的補助成分または肌関連治療剤で利用することができる。
【0068】
以下、実施例を通じて本発明の重金属除去用外被用組成物を詳しく説明する。但し、下記実施例は本発明の一例示であるだけで下記の実施例で本発明の請求範囲が制限されない。
【0069】
<トリエンチン誘導体の合成>
実施例1:3、6、9、12-tetrakis(carboxymethyl)-3、6、9、12-tetraazatetradecanedioic acid(化学式(1e))の製造
【0070】
【化31】
【0071】
Triethylenetetramine(10.0g)をアセトニトリル(ACN)(400ml)に溶解した。K11O(66.1g)とEthyl bromoacetate(78.8g)を投入して昇温して48時間還流攪拌した。反応終結後反応物を常温に冷却して濾過した。反応物の固体は廃棄して余液は真空濃縮した。濃縮液にメチレンクロライド(MC)(200ml)、精製水(300ml)投入後30分間撹拌後定置をして層分離した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールでコラム精製してDiethyl3、6、9、12-tetrakis(2-ethoxy-2-oxoethyl)-3、6、9、12-tetraazatetradecanedioate(29.6g)を回収した。(収率:64.8%)
【0072】
H NMR(CDCl):4.16(q、8H)、4.14(q、4H)、3.57(s、8H)、3.44(s、4H)、2.85(t、4H)、2.78(t、4H)、2.74(s、4H)、1.27(t、12H)、1.26(t、6H)
【0073】
前記製造されたDiethyl3、6、9、12-tetrakis(2-ethoxy-2-oxoethyl)-3、6、9、12-tetraazatetradecanedioate(29.6g)とNaOH(12.33g)、メタノール(180ml)、精製水(120ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌した。反応終結後40℃で冷却して真空濃縮して溶媒を除去した。10%HCl水溶液でpHを5~6に合わせて30分間撹拌して、MC(400ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(15.9g)を回収した(収率:72.3%)。
【0074】
H NMR (DMSO):4.57(s、8H)、4.55(s、4H)、4.22(s、12H)
【0075】
実施例2:4、4'、4''、4'''-(((ethane-1、12iylbis((4-carboxyphenyl)azanediyl))bis(ethane-2、9iyl))bis(azanetriyl))tetrabenzoic acid(化学式(1f))の製造
【0076】
【化32】
【0077】
トリエチレンテトラミン(10.0g)、ethyl4-bromobenzoate(108.1g)、t-BuONa(46.0g)及びトルエン(600ml)を投入撹拌した後、35℃に昇温した。50% (t-Bu)Pトルエン溶液(2.8g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した。Pd(dba)(Bis(dibenzylideneacetone)palladium)(2.0g)を投入して昇温して還流攪拌した。反応終結後反応物を常温で冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置して有機層を層分離した。水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してtetraethyl 4、4'、4''、4'''-(((ethane-1、12iylbis((4-(ethoxycarbonyl)phenyl)azanediyl)) bis(ethane-2、9iyl)) bis(azanetriyl))tetrabenzoate(22.9g)を回収した(収率:32.4%)。
【0078】
H NMR(CDCl):7.82(m、4H)、7.71(m、8H)、7.25(m、8H)、6.95(m、4H)、4.15(q、8H)、4.11(q、4H)、3.45~3.18(m、12H)、1.27(t、12H)、1.26(t、6H)
【0079】
Tetraethyl4、4'、4''、4'''-(((ethane-1、12iylbis((4-(ethoxycarbonyl)phenyl)azanediyl)) bis(ethane-2、9iyl))bis(azanetriyl))tetrabenzoate(22.9g)とNaOH(6.1g)、メタノール(180ml)、精製水(140ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6に合わせて30分間撹拌した。MC(200ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(17.0g)を回収した(収率:89.0%)。
【0080】
H NMR (DMSO):7.80(m、4H)、7.68(m、8H)、7.15(m、8H)、6.94(m、4H)、3.41~3.28(m、12H)
【0081】
実施例3:5、5'-((2-((5-carboxypyridin-3-yl)(2-((5-carboxypyridin-3-yl)(2-((5-carboxypyridin-3-yl)(14rboxypyridin-4-yl)amino)ethyl)amino)ethyl)amino)ethyl)azanediyl)dinicotinicacid(化学式(1g))の製造
【0082】
【化33】
【0083】
Triethylenetetramine(10.0g)、ethyl 5-bromonicotinate(108、5g)、t-BuONa(46.0g)とXylene(600ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.8g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(2.0g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置して層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してdiethyl 5、5'-((2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin-3-yl)(2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin-3-yl)(2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin-3-yl)(2-(ethoxycarbonyl)pyridin-4-yl)amino)ethyl)amino)ethyl)amino)ethyl)azanediyl)dinicotinateを回収した(収率:27.8%)。
【0084】
H NMR(CDCl):8.92(d、4H)、8.85(d、2H)、8.45(d、4H)、8.43(d、2H)、7.89(d、4H)、7.76(d、2H)、4.23(q、8H)、4.15(q、4H)、3.42~3.11(m、12H)、1.27(t、12H)、1.26(t、6H)
【0085】
Diethyl 5、5'-((2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin-3-yl)(2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin3-yl)(2-((5-(ethoxycarbonyl)pyridin-3-yl)(2-(ethoxycarbonyl)pyridin-4-yl)amino)ethyl)amino)ethyl)amino)ethyl)azanediyl)dinicotinate(19.8g)とNaOH(5.3g)、メタノール(160ml)、精製水(120ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(160ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(13.0g)を回収した(収率:78.4%)。
【0086】
H NMR (DMSO):8.95(d、4H)、8.87(d、2H)、8.46(d、4H)、8.44(d、2H)、7.89(d、4H)、7.75(d、2H)、3.41~3.11(m、12H)
【0087】
実施例4:5、5'、5''、5'''-(((ethane-1、12iylbis((5-carboxyfuran-2-yl)azanediyl))bis(ethane-2、9iyl))bis(azanetriyl))tetrakis(furan-14rboxylicacid)(化学式(1h))の製造
【0088】
【化34】
【0089】
Triethylenetetramine(10.0g)、ethyl 5-bromofuran-14rboxylate(103.3g)、t-BuONa(46.0g)とtoluene(600ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu) P toluene solution(2.8g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(2.0g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してtetraethyl 5、5'、5''、5'''-(((ethane-1、12iylbis((5-(ethoxycarbonyl)furan-2-yl)azanediyl))bis(ethane-2、9iyl))bis(azanetriyl))tetrakis(furan-14rboxylate)(25.3g)を回収した(収率:37.9%)。
【0090】
H NMR(CDCl):7.42(m、12H)、4.31(q、8H)、4.28(q、4H)、3.65~3.15(m、12H)、1.27(t、12H)、1.25(t、6H)
【0091】
Tetraethyl 5、5'、5''、5'''-(((ethane-1、12iylbis((5-(ethoxycarbonyl)furan-2-yl)azanediyl))bis(ethane-2、9iyl))bis(azanetriyl))tetrakis(furan-14rboxylate) (25.3g)とNaOH(7.2g)、メタノール(200ml)、精製水(150ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6に合わせて30分間撹拌した。MC(200ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(15.0g)を回収した(収率:71.8%)。
【0092】
H NMR (DMSO):7.41(m、12H)、3.67~3.15(m、12H)
【0093】
<サイクレン誘導体の合成>
実施例5:2、2'、2''、2'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetraacetic acid(化学式(2e))の製造
【0094】
【化35】
【0095】
Cyclen(10.0g)とacetonitrile(400ml)を投入撹拌してK11O(40.1g)とEthyl bromoacetate(42.7g)を投入して昇温して40時間還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して濾過して固体は廃棄して余液は真空濃縮した。濃縮液にMC(200ml)、精製水(300ml)投入後30分間撹拌後定置して層分離した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールにコラム精製してtetraethyl 2、2'、2''、2'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetraacetate(15.7g)を回収した(収率:52.3%)。
【0096】
H NMR(CDCl):4.19(q、8H)、3.19(s、8H)、2.48(s、16H)、1.27(t、12H)
【0097】
Tetraethyl2、2'、2''、2'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetraacetate(15.7g)とNaOH(5.6g)、メタノール(95ml)、精製水(60ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(200ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(9.9g)を回収した(収率:80.5%)。
【0098】
H NMR (DMSO):3.88(s、8H)、3.23(s、16H)
【0099】
実施例6:4、4'、4''、4'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrabenzoic acid(化学式(2f))の製造
【0100】
【化36】
【0101】
Cyclen(10.0g)、ethyl4-bromobenzoate(58.5g)、t-BuONa(27.9g)とtoluene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.4g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.7g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置して層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してtetraethyl4、4'、4''、4'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrabenzoate(15.8g)を回収した(収率:35.6%)。
【0102】
H NMR(CDCl):7.81(d、8H)、6.98(d、8H)、4、15(q、8H)、3.48(s、16H)、1、25(t、12H)
【0103】
Tetraethyl4、4'、4''、4'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrabenzoate(15.8g)とNaOH(3.8g)、メタノール(130ml)、精製水(100ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(130ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(11.5g)を回収した(収率:85.2%)。
【0104】
H NMR (DMSO):7.82(d、8H)、6.97(d、8H)、3.45(s、16H)
【0105】
実施例7:5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetranicotinic acid(化学式(2g))の製造
【0106】
【化37】
【0107】
Cyclen(10.0g)、ethyl 5-bromonicotinate(58.7g)、t-BuONa(27.9g)とxylene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu) P toluene solution(2.4g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.7g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してTetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetranicotinate(17.9g)を回収した(収率:40.1%)。
【0108】
H NMR(CDCl):8.95(d、4H)、8.46(d、4H)、7.83(d、4H)、4.21(q、8H)、3.38(s、16H)、1.24(t、12H)
【0109】
Tetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetranicotinate(17.9g)とNaOH(4.3g)、メタノール(150ml)、精製水(110ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6に合わせて30分間撹拌した。MC(160ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(11.6g)を回収した(収率:75.6%)。
【0110】
H NMR (DMSO):8.96(d、4H)、8.44(d、4H)、7.84(d、4H)、3.36(s、16H)
【0111】
実施例8:5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylicacid)(化学式(2h))の製造
【0112】
【化38】
【0113】
Cyclen(10.0g)、ethyl 5-bromofuran-14rboxylate(56.0g)、t-BuONa(27.9g)とtoluene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.4g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.7g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してtetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylate)(12.6g)を回収した(収率:30.0%)。
【0114】
H NMR(CDCl):7.39(d、8H)、4.35(q、8H)、3.28(s、16H)、1.35(t、12H)
Tetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、7、10-tetraazacyclododecane-1、4、7、10-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylate)(12.6g)とNaOH(3.2g)、メタノール(100ml)、精製水(75ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(100ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(7.9g)を回収した(収率:73.9%)。
【0115】
H NMR (DMSO):7.40(d、8H)、3.29(s、16H)
【0116】
<サイクラム誘導体の合成>
実施例9:2、2'、2''、2'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetraacetic acid(化学式(3e))の製造
【0117】
【化39】
【0118】
Cyclam(10.0g)とacetonitrile(400ml)を投入撹拌してK11O(34.5g)とEthyl bromoacetate(36.7g)を投入して昇温して40時間還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して濾過して固体は廃棄して余液は真空濃縮した。濃縮液にMC(200ml)、精製水(300ml)投入の後30分間撹拌の後定置をして層分離した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールにコラム精製してTetraethyl2、2'、2''、2'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetraacetate(15.4g)を回収した(収率:56.8%)。
【0119】
H NMR(CDCl):4.12(q、8H)、3.36(s、8H)、2.69~2.73(m、16H)、1.60(m、4H)、1.26(t、12H)
【0120】
Tetraethyl2、2'、2''、2'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetraacetate(15.4g)とNaOH(5.2g)、メタノール(90ml)、精製水(60ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(200ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(9.3g)を回収した(収率:75.9%)。
【0121】
H NMR(DO):3.51(s、8H)、3.14(s、8H)、3.07(t、8H)、1.85(q、4H)
【0122】
実施例10:4、4'、4''、4'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrabenzoic acid(化学式(3f))の製造
【0123】
【化40】
【0124】
Cyclam(10.0g)、ethyl4-bromobenzoate(50.3g)、t-BuONa(24.0g)とtoluene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.0g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.5g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してTetraethyl4、4'、4''、4'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrabenzoate(12.3g)を回収した(収率:31.0%)。
【0125】
H NMR(CDCl):7.80(d、8H)、6.94(d、8H)、4.13(q、8H)、2.65~2.71(m、16H)、1.65(m、4H)、1.26(t、12H)
【0126】
Tetraethyl4、4'、4''、4'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrabenzoate(12.3g)とNaOH(2.6g)、メタノール(100ml)、精製水(70ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(100ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(8.6g)を回収した(収率:81.2%)。
【0127】
H NMR (DMSO):7.83(d、8H)、6.95(d、8H)、2.63~2.73(m、16H)、1.62(m、4H)
【0128】
実施例11:5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetranicotinic acid(化学式(3g))の製造
【0129】
【化41】
【0130】
Cyclam(10.0g)、ethyl 5-bromonicotinate(50.3g)、t-BuONa(24.0g)とxylene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.0g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.5g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してtetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetranicotinate(11.1g)を回収した(収率:27.8%)。
【0131】
H NMR(CDCl):8.91(d、4H)、8.37(d、4H)、7.85(d、4H)、4.15(q、8H)、2.67~2.64(m、16H)、1.71(m、4H)、1.24(t、12H)
【0132】
Tetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetranicotinate(11.1g)とNaOH(2.6g)、メタノール(90ml)、精製水(70ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(120ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(7.4g)を回収した(収率:77.6%)。
【0133】
H NMR (DMSO):8.93(d、4H)、8.38(d、4H)、7.85(d、4H)、2.67~2.66(m、16H)、1.72(m、4H)
【0134】
実施例12:5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylicacid)(化学式(3h))の製造
【0135】
【化42】
【0136】
Cyclam(10.0g)、ethyl 5-bromofuran-14rboxylate(48.1g)、t-BuONa(24.0g)とtoluene(400ml)を投入撹拌した。35℃に昇温して50% (t-Bu)P toluene solution(2.0g)を投入して30分間撹拌して50℃に昇温した後Pd(dba)(1.5g)を投入して昇温して還流撹拌して反応を終結した。常温に冷却して精製水(1000ml)を投入して30分間撹拌定置をして層分離して水層は廃棄した。有機層はMgSO処理して真空濃縮後MC-メタノールコラム精製してTetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylate)(14.1g)を回収した(収率:37.5%)。
【0137】
H NMR(CDCl):7.40(d、8H)、4.23(q、8H)、2.65~2.71(m、16H)、1.66(m、4H)、1.29(t、12H)
【0138】
Tetraethyl 5、5'、5''、5'''-(1、4、8、11-tetraazacyclotetradecane-1、4、8、11-tetrayl)tetrakis(furan-14rboxylate)(14.1g)とNaOH(3.5g)、メタノール(110ml)、精製水(85ml)を投入して55~60℃に昇温して12時間撹拌して反応を終結した。40℃に冷却して真空濃縮して溶媒を除去して10%HCl水溶液でpHを5~6で合わせて30分間撹拌した。MC(120ml)を投入して抽出した。抽出した有機層はMgSO処理して表題化合物(9.4g)を回収した。(収率:78.1%)
【0139】
H NMR (DMSO):7.41(d、8H)、2、69~2.72(m、16H)、1.68(m、4H)
【0140】
実験例1:有効重金属除去能試験
(1)重金属汚染源及び皮膚サンプルの準備
Pb(NO 162.1mg、Cd(NO 211.2mg、Zn(NO 292.3mgそれぞれを1L蒸溜水に入れてそれぞれの重金属100ppm水溶液を準備した。
【0141】
トリエンチン、サイクレン、サイクラム及び実施例1乃至12で製造された誘導体化合物と比較例1としてEDTAを0.1g、0.5g、1.0gを100ml蒸溜水に入れて0.1重量%、0.5重量%、1.0重量%の試料らをそれぞれ準備した。
【0142】
屠殺して毛を除去した豚から横・縦5の背中の皮サンプルを準備した。
【0143】
(2)実験
前記準備されたそれぞれの豚皮にそれぞれの重金属1.0mlを塗布して室温で10分間放置した。
【0144】
前記準備された試料らをそれぞれの豚皮に薄く塗布後2分頃と後精製水をつけたガーゼを利用して豚皮をきれいに拭き上げた後、豚皮をメタノール50mlに入れて60分間超音波振盪して抽出し、常温で冷やした後、メタノール50mlを追加した後、豚皮を抜き取った試料らを試験液で準備した。
【0145】
前記準備された試験液を誘導結合プラズマ質量分析機(ICP-MS、Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)(XseriesTM2、Thermo Fisher Scientific社、UK)を利用して該当の重金属成分を分析した。
【0146】
ICP-MSで鉛(Pb)の測定質量(m/z)は206-208、カドミウム(Cd)は114、亜鉛(Zn)66-68位置の数値を測定して下記数学式1によって重金属除去率を計算して表1及び図1乃至3に示した。
【0147】
【数1】
【0148】
【表1】
【0149】
前記表1及び図1乃至3に示されたように本発明の実施例による重金属キレート剤化合物は0.1重量%から鉛(Pb)除去率平均89.2%、カドミウム(Cd)除去率平均88.4%、銅(Cu)除去率平均93.7%で比較例1のEDTA化合物(Pb84.3%、Cd82.3%、Cu86.5%)、キレートを含まない対照区1(Pb74.6%、Cd76.2%、Cu76.8%)と比べて重金属除去能が著しいことを分かる。
【0150】
これは0.5重量%、1.0重量%含有水溶液でも等しい結果を示すことが分かる。但し、前記実施例の0.5重量%と1.0重量%との間の重金属除去率との差は大きくないものとして示された。これは0.5重量%容量で十分な重金属除去効果があることを意味する。
【0151】
実験例2:有効成分の皮膚刺激度試験
20~30代の男女それぞれ10人、計20人を対象にCTFA(The Cosmetic、Toiletry & Fragrance Association.Inc.Washington、D.C.、20036、1991)ガイドラインによって貼布の方法で人体皮膚1次刺激試験を実施した。
【0152】
8mm直径、10パネルを有したピンチャンバ(pin chamber)にフィルターペーパーディスクを安置させて前記実験例1による外被用組成物をそれぞれ20μlずつ滴下させて、10分間自然乾燥させた後、被試験者の背中部位にScanpor tapeで固定させた。
【0153】
24時間経過後ピンチャンバを除去して肉眼で皮膚変化を観察して下記の数学式2によって皮膚刺激度及び判定等級を計算して下記表2にその結果を示した。
【0154】
【数2】
[皮膚刺激判定基準]
(-):紅斑や特異現象なし;(±)周りよりちょっと赤くなる;(+):周りよりめっきり赤くなる;(++):周りよりひどく赤くなって脹れ上がる。
[皮膚刺激判定等級]
刺激度0~0.1:等級I(無刺激範囲);
刺激度0.11~0.3:等級II(軽刺激範囲);
刺激度0.31~0.5:等級III(中刺激範囲);
刺激度0.51以上:等級IV(強刺激範囲)
【0155】
【表2】
【0156】
前記表2に示されるように、本発明の実施例による重金属キレート剤化合物は、人体皮膚刺激実験で0.5重量%濃度範囲まではすべて無刺激範囲である等級Iを示し、1.0重量%濃度範囲ではトリエンチン、サイクレン、サイクラムは等級II(軽刺激範囲)を示した反面、これらの芳香族、複素環誘導体ではすべて等級Iを示し皮膚刺激減少が向上することを分かる。反面、比較例1のEDTAは1.0重量%濃度で等級III(中刺激範囲)で判定されており本発明の化合物に比べて皮膚刺激度が高いことが分かる。
【0157】
実験例3:ホルムアルデヒド除去能試験
35.0%ホルムアルデヒド溶液に精製水を入れて、2.0%ホルムアルデヒド希釈液を製造した。前記希釈液に3mol当量に該当する本発明のトリエンチン、サイクレン、サイクラムとこれらの誘導体化合物をそれぞれ投入して常温で撹拌しながらホルムアルデヒド変化量をガスクロマトグラフィー(GC)分析を実施して観察した。
【0158】
ホルムアルデヒドの含量は、下記分析条件で実施され、初期、30分、180分経過後ホルムアルデヒドの含量を表3に示した。
【0159】
<GC分析条件>
-検出器:炎色イオン化検出器
-コラム:ZB-1(0.32mm×30m、3.00μm)またはこれと類似なコラム。
-ヘッドスペース条件:平衡温度60℃、平衡時間10分、移送ライン温度:65℃
-コラム温度:初めて5分間50℃に維持し、その次毎分30℃ずつ200℃まで温度をあげて200℃で10分間維持。
-検体導入部温度:140℃近所の一定温度。
-検出器温度:250℃近所の一定温度。
-運搬気体:窒素
-分割比:略1:20
-流量:2.5mL/分
-注入量:試験液5uLをマイクロシリンジでバイアルに注入後ヘッドスペース条件によって維持して蒸気上1mLをコラムに注入する。
-分析時間:20分
【0160】
【表3】
【0161】
前記表3に見えるようにGC分析結果、本発明の化合物投入30分ばかりにホルムアルデヒドは初期値に対し40~45%程度減り、180分後には検出されなくて完全消えることを確認した。これは本発明の化合物がホルムアルデヒドと効果的に吸い付くことを意味する。
【0162】
実施例13ないし27:外被用組成物の製造
トリエンチン、サイクレン、サイクラム及び前記実施例1乃至12で製造されたトリエンチン誘導体、サイクレン誘導体、サイクラム誘導体を重金属除去有効成分にして組成物全体重量に対して0.5重量%が含有されるように水中油(O/W)エマルジョン剤形の外被用組成物を製造した。
【0163】
外被用組成物の各成分らは下記表4に示した。
【0164】
【表4】
【0165】
外被用組成物の製造は次の手順で実施された。
【0166】
(1)精製水に前記有効成分を入れて混合して溶解させた。
【0167】
(2)前記精製水にグリセリン、ブチレングリコール、ソディウムヒアルロネート、セトステアリルアルコールを入れて70℃で加温、溶解させて水性液を製造した。
【0168】
(3)ステアリン酸、PEG-100ステアレート、スクアラン、ポリソルベート60、防腐剤、香料を混合して70℃で加温、溶解させて油性液を製造した。
【0169】
(4)前記油性液を水性液に徐々に投入しながら撹拌して水中油エマルジョン剤形の外被用組成物を製造した。
【0170】
実験例4:外被用組成物の重金属除去能試験
前記実施例13乃至27、比較例2、対照区2によって製造された外被用組成物の重金属除去能を試した。
【0171】
実験は前記実験例1の方法と等しく実施したし、その結果を下記表5に示した。
【0172】
【表5】
【0173】
前記表5及び図4に示されたように本発明の実施例による重金属キレート剤化合物0.5重量%含有外被用組成物は、鉛(Pb)除去率平均91.8%、カドミウム(Cd)除去率平均91.3%、銅(Cu)除去率平均96.5%で比較例2のEDTA化合物(Pb88.6%、Cd87.5%、Cu89.1%)、キレートを含まない対照区2(Pb76.8%、Cd77.5%、Cu78.1%)と比べて重金属除去能が著しいことを分かる。
【0174】
実験例5:外被用組成物の皮膚刺激度試験
前記実施例13乃至27、比較例2によって製造された外被用組成物の皮膚刺激度を試験した。
【0175】
実験は前記実験例2の方法と等しく実施し、その結果を下記表6に示した。
【0176】
【表6】
【0177】
前記表6に示されるように、本発明の実施例による重金属キレート剤化合物は、人体皮膚刺激実験で0.5重量%濃度ですべて無刺激範囲である等級Iを見せた反面、比較例2のEDTAは等級II(軽刺激範囲)で判定されて本発明の化合物に比べて皮膚刺激度が高いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
以上説明したように、本発明は、外部環境から肌を保護するための組成物、より詳細には、肌に存在する重金属とホルムアルデヒドを効果的に除去するための組成物に関するものである。
図1
図2
図3
図4