(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】関節運動ジョイント用の調心機構を有するアダプタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220817BHJP
A61B 17/29 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
A61B17/072
A61B17/29
(21)【出願番号】P 2018040898
(22)【出願日】2018-03-07
【審査請求日】2021-02-08
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ビアーズリー
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-198480(JP,A)
【文献】特開2014-176649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0344970(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0022078(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 ― 1/32
A61B 17/00 ― 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイントアセンブリであって、
第1の長手方向軸を画定する第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
前記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され前記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
前記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され前記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、前記第1のリンクが前記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、前記第2の駆動シャフトが前記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
前記第1のリンクに連結されたリンクガイドであって、外カラーを備えるリンクガイドと、
前記第1の支持具に固定された第1の端部及び前記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、前記ばねケージは、前記第1のリンク、ならびに前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、前記第1の支持具及び前記第2の支持具の間で前記ばね経路を画定し、前記ばねケージは、前記第1の支持具に対する前記第2の支持具の関節運動に応答して前記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように前記
前記リンクガイドの前記外カラーの外表面と係合する、ばねケージと、を備える、ジョイントアセンブリ。
【請求項2】
前記ばねケージは、前記第1の支持具及び前記第2の支持具を、前記第1の長手方向軸及び前記第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる、請求項1に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項3】
第2のリンクをさらに備え、前記第2のリンクは、前記第1のリンクが前記第2のリンクを介して前記第2の駆動シャフトに連結されるように、前記第1のリンクと前記第2の駆動シャフトとの間に配設され、これらに連結され
、前記第1のリンクの回転が、前記第2の駆動シャフトの回転を引き起こすように前記第2のリンクの回転を引き起こす、請求項1に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項4】
前記ばねケージは、前記第1の支持具に対する前記第2の支持具の関節運動に応答して前記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように前記第2のリンクと係合する、請求項3に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のリンクは、前記第1の駆動シャフトの一部分を回動自在に受容するキャビティを画定し、遠位ボールを含む、請求項1に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項6】
前記ばねケージは、前記第1の支持具及び前記第2の支持具を、前記第1の長手方向軸及び前記第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせ、前記第1のリンクは、前記整列位置において、前記第1の長手方向軸及び前記第2の長手方向軸と同軸である第1のリンク軸を画定し、前記ばねケージは、前記第1のリンク軸が前記第1の長手方向軸に対する第1のジョイント角度を画定するように、前記第1の支持具に対する前記第2の支持具の関節運動に応答して前記第1のリンクを制御する、請求項5に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項7】
前記リンクガイドは、前記第1のリンクの周りに配設され
ている、請求項6に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項8】
前記リンクガイドは、内カラー
をさらに含み、前記内カラーは、間隙を画定するスプリットリングを形成し、前記外カラーは、内表面を含み、前記外カラーは、前記外カラーの前記内表面が前記内カラーの前記リングと係合して、前記間隙を低減して、前記リンクガイドを前記第1のリンクに固設するように、前記内カラーの前記リング上で受容される、請求項
6に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のリンクは、前記キャビティと前記遠位ボールとの間に位置決めされ、かつ前記第1のリンク軸に直交して配設されたディスクを画定し、前記内カラーの前記リングは、前記リンクガイドを前記第1のリンクに対して長手方向に固設するように前記ディスクを受容する溝を画定している、請求項8に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項10】
前記内カラーは、弾性材料で形成され、前記内カラーの前記リングと前記外カラーの前記内表面との間の係合が、前記内カラー及び前記外カラーを互いに対して固定するように、外向きに付勢される、請求項8に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項11】
前記内カラーは、プラスチックで形成され、前記外カラーは、金属で形成される、請求項8に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項12】
前記内カラー及び前記外カラーは、プラスチックで形成される、請求項8に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項13】
前記外カラー
の前記外表面は、摩擦低減コーティングを有する
、請求項12に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項14】
第2のリンクをさらに備え、前記第2のリンクは、前記第1のリンクが前記第2のリンクを介して前記第2の駆動シャフトに連結されるように、前記第1のリンクと前記第2の駆動シャフトとの間に配設され、これらに連結され、前記第1のリンクの回転が、前記第2の駆動シャフトの回転を引き起こすように前記第2のリンクの回転を引き起こし、前記第2のリンクは、前記第1のリンクの前記遠位ボールを回動自在に受容するキャビティを画定し、前記第2のリンクは、前記第2の駆動シャフト内に回動自在に受容される遠位ボールを含む、請求項5に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項15】
アダプタであって、
ハンドルに連結するように構成された近位部分と、
前記近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する長尺部分と、
前記長尺部分によって支持され、ツールアセンブリを前記ハンドルに解放可能に連結するように構成された遠位部分と、を備え、前記遠位部分は、ジョイントアセンブリであって、
前記第1の長手方向軸に沿って配設された第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
前記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、前記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
前記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、前記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、前記第1のリンクが前記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、前記第2の駆動シャフトが前記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
前記第1のリンクに連結されたリンクガイドであって、外カラーを備えるリンクガイドと、
前記第1の支持具に固定された第1の端部及び前記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、前記ばねケージは、前記第1のリンク、ならびに前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、前記第1の支持具及び前記第2の支持具の間で前記ばね経路を画定し、前記ばねケージは、前記第1の支持具に対する前記第2の支持具の関節運動に応答して前記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように
前記リンクガイドの前記外カラーの外表面と係合する、ばねケージと、を有する、ジョイントアセンブリを含む、アダプタ。
【請求項16】
外科用システムであって、
ハンドルと、
前記ハンドルに取り外し可能に連結されたアダプタであって、前記アダプタは、
前記ハンドルに連結するように構成された近位部分と、
前記近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する長尺部分と、
前記長尺部分によって支持された遠位部分であって、前記遠位部分は、ジョイントアセンブリであって、
前記第1の長手方向軸に沿って配設された第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
前記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、前記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
前記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、前記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、前記第1のリンクが前記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、前記第2の駆動シャフトが前記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
前記第1のリンクに連結されたリンクガイドであって、外カラーを備えるリンクガイドと、
前記第1の支持具に固定された第1の端部及び前記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、前記ばねケージは、前記第1のリンク、ならびに前記第1の駆動シャフト及び前記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、前記第1の支持具及び前記第2の支持具の間で前記ばね経路を画定し、前記ばねケージは、前記第1の支持具に対する前記第2の支持具の関節運動に応答して前記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように
前記リンクガイドの前記外カラーの外表面と係合する、ばねケージと、を有する、ジョイントアセンブリを含む、遠位部分と、を含む、アダプタと、
前記アダプタの前記遠位部分に取り外し可能に連結されたツールアセンブリと、を備える、外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本開示は、外科用器具、より具体的には、外科用器具の関節運動ジョイント用の調心機構に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の論述
多数の外科用器具製造者は、外科用器具を動作させる及び/または操作するための自社独自の動力付き駆動システムを有する製品ラインを開発してきた。多くの事例において、外科用器具は、再使用可能な動力付きハンドルアセンブリと、使用前に動力付きハンドルアセンブリに解放可能に接続され、その後、処分されるかまたはいくつかの事例において再使用のために再殺菌されるために、使用後にエンドエフェクタから接続解除される使い捨てエンドエフェクタ等と、を含む。
【0003】
概して、既存の外科用器具のアダプタは、ハンドルアセンブリから、電気機械的に、または手動で、エンドエフェクタに動力を変換及び伝達する。アダプタは、アダプタの長手方向軸に対してエンドエフェクタを関節運動させるための1つまたは複数の関節運動ジョイントを支持し得る。手術部位への到達性を改善するために、関節運動ジョイントは、エンドエフェクタをアダプタの長手方向軸に対して種々の軸の周りに関節運動させるように構成され、エンドエフェクタに対して所望の関節運動角度を実現するために複数ジョイントまたはユニバーサルジョイントを含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関節運動機構の関節運動ジョイントが関節運動の複数の軸を含むとき、関節運動の程度は、エンドエフェクタを関節運動させるために力が適用されたときに、エンドエフェクタが複数の軸の周りに同時に関節運動されるので、正確に制御することが困難になり得る。加えて、外科用器具の作動中に、互いに対する複数の関節運動ジョイントの位置は、ジョイントを通過する、ハンドルとエンドエフェクタとの間に働く力に応答して変化し得る。エンドエフェクタを複数の軸の周りに関節運動させるために支持するアダプタの関節運動機構の正確さを改善する継続的なニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様において、ジョイントアセンブリは、第1の支持具と、第2の支持具と、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のリンクと、ばねケージと、を含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸を画定し、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通って延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通って延在する。第1のリンクは、第1のリンクが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、第2の駆動シャフトが第1のリンクの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、これらに連結される。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間にばね経路を画定し、それにより、第1のリンクならびに第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設される。ばねケージは、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答してジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように第1のリンクと係合する。
【0006】
態様において、ばねケージは、第1の支持具及び第2の支持具を、第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる。
【0007】
いくつかの態様において、ジョイントアセンブリは、第1のリンクと第2の駆動シャフトとの間に配設され、これらに連結される第2のリンクを含む。第1のリンクの回転は、第2の駆動シャフトの回転を引き起こすように第2のリンクの回転を引き起こし得る。ばねケージは、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答してジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように第2のリンクと係合し得る。
【0008】
いくつかの態様において、第1のリンクは、第1の駆動シャフトの一部分を回動自在に受容するキャビティを画定し、遠位ボールを含む。第1のリンクは、整列位置において第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸と同軸である第1のリンク軸を画定し得る。ばねケージは、第1のリンク軸が第1の長手方向軸に対する第1のジョイント角度を画定するように、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答して第1のリンクを制御し得る。
【0009】
ある態様において、ジョイントアセンブリは、第1のリンクの周りに配設されるリンクガイドを含む。リンクガイドは、第1のリンクを位置決めするために、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動中にばねケージによって直接的に係合され得る。リンクガイドは、内カラー及び外カラーを含み得る。内カラーは、間隙を画定するスプリットリングを形成し得る。外カラーは、内表面を含み得、外カラーの内表面が内カラーのリングと係合して、間隙を低減して、リングガイドを第1のリンクに固設するように、内カラーのリング上で受容され得る。第1のリンクは、キャビティと遠位ボールとの間に位置決めされるディスクを画定し得る。ディスクは、第1のリンク軸に直交して配設され得、内カラーのリングは、リンクガイドを第1のリンクに対して長手方向に固設するようにディスクを受容する溝を画定し得る。内カラーは、弾性材料で形成され、内カラーのリングと外カラーの内表面との間の係合が内カラーと外カラーとを互いに対して固定するように、外向きに付勢され得る。ここで、内カラーは、プラスチックで形成され、外カラーは、金属で形成される。内カラー及び外カラーは、プラスチックで形成されてもよい。外カラーは、摩擦低減コーティングを有する外表面を含み得る。第2のディスクは、第1のリンクの遠位ボールを回動自在に受容するキャビティを画定し得る。第2のリンクは、第2の駆動シャフト内に回動自在に受容される遠位ボールを含み得る。
【0010】
本開示の別の態様において、アダプタは、近位部分と、長尺部分と、遠位部分と、を含む。近位部分は、ハンドルに連結するように構成される。長尺部分は、近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する。遠位部分は、長尺部分によって支持され、ツールアセンブリをハンドルに解放可能に連結するように構成される。遠位部分は、第1の支持具、第2の支持具、第1の駆動シャフト、第2の駆動シャフト、第1のリンク及びばねケージを含むジョイントアセンブリを含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸に沿って配設され、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通って延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通って延在する。第1のリンクは、第1のリンクが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、第2の駆動シャフトが第1のリンクの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、これらに連結される。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間にばね経路を画定し、それにより、第1のリンクならびに第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設される。ばねケージは、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答してジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように第1のリンクと係合する。
【0011】
本開示の別の態様において、外科用システムは、ハンドルと、アダプタと、ツールアセンブリと、を含む。アダプタは、ハンドルに取り外し可能に連結され、近位部分と、長尺部分と、遠位部分と、を含む。近位部分は、ハンドルに取り外し可能に連結される。長尺部分は、近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する。遠位部分は、長尺部分によって支持され、ツールアセンブリをハンドルに解放可能に連結するように構成される。遠位部分は、第1の支持具と、第2の支持具と、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のリンクと、ばねケージと、を含む、ジョイントアセンブリを含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸に沿って配設され、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通って延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通って延在する。第1のリンクは、第1のリンクが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、第2の駆動シャフトが第1のリンクの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、これらに連結される。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部と、第2の支持具に固定された第2の端部と、を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間にばね経路を画定し、それにより、第1のリンクならびに第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設される。ばねケージは、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答してジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように第1のリンクと係合する。ツールアセンブリは、アダプタの遠位部分に取り外し可能に連結される。
【0012】
別の態様において、ジョイントアセンブリは、第1の支持具と、第2の支持具と、ばねケージと、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のケーブルと、第2のケーブルと、を含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸を画定し、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間に延在する、ばね経路を画定する。ばねケージは、第1の支持具及び第2の支持具を第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の駆動シャフトが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフトに連結される。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具を通って延在し、第2の支持具に固設された端部を各々が有する。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具に対して第2の支持具が関節運動するように第1の長手方向軸に対して平行な方向に並進可能であり、それにより、第2の長手方向軸が第1の長手方向軸に対する全ジョイント角度で配設される。
【0013】
態様において、ジョイントアセンブリは、ばね経路内に配設されると共に第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトの各々に連結される、第1のリンクを含み、それにより、第1のリンクが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、第2の駆動シャフトが第1のリンクの回転に応答して回転する。第1のリンクは、第1の駆動シャフトの一部分を回動自在に受容するキャビティを画定し得る。第1のリンクは、第2の駆動シャフトが第1のリンクの遠位ボールの回転に応答して回転するように第2の駆動シャフトに連結される、遠位ボールを含み得る。第1のリンクは、整列位置において第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸と同軸である第1のリンク軸を画定する。ばねケージは、第1のリンク軸が第1の長手方向軸に対する第1のジョイント角度を画定するように、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動に応答して第1のリンクを制御し得る。
【0014】
いくつかの態様において、ジョイントアセンブリは、第1のリンクの周りに配設されるリンクガイドを含む。リンクガイドは、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動中にばねケージによって直接的に係合され得る。リンクガイドは、内カラー及び外カラーを含み得る。内カラーは、間隙を画定するスプリットリングを形成し得る。外カラーは、内表面を含み得る。外カラーは、外カラーの内表面が内カラーのリングと係合して、キャップを低減して、リンクガイドを第1のリンクに固設するように、内カラーのリング上で受容され得る。第1のリンクは、キャビティと遠位ボールとの間に位置決めされ、第1のリンク軸に直交して配設されるディスクを画定し得る。内カラーのリングは、リンクガイドを第1のリンクに対して長手方向に固設するようにディスクを受容する溝を画定し得る。
【0015】
特定の態様において、内カラーは、弾性材料で形成される。内カラーは、内カラーのリングと外カラーの内表面との間の係合が内カラーと外カラーとを互いに対して固定するように、外向きに付勢され得る。内カラーは、プラスチックで形成され得、外カラーは、金属で形成され得る。代替的に、内カラー及び外カラーは、プラスチックで形成されてもよい。外カラーの外表面は、摩擦低減コーティングを含み得る。
【0016】
ある態様において、ジョイントアセンブリは、ばね経路内に配設される第2のリンクを含む。第2のリンクは、第1のリンクの遠位ボールを回動自在に受容するキャビティを画定し、第2の駆動シャフト内に回動自在に受容される遠位ボールを含む。第1のリンクの回転は、第2の駆動シャフトの回転を引き起こすように第2のリンクの回転を引き起こし得る。第2のリンクは、整列位置において第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸と同軸に整列される第2のリンク軸を画定し得る。ばねケージは、ジョイントアセンブリに沿った均一な関節運動を提供するために第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動中に第2のリンクと係合し得る。
【0017】
態様において、第1のジョイント角度、第2のジョイント角度、及び第3のジョイント角度は、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動中に互いに等しい。全ジョイント角度は、第1の支持具に対する第2の支持具の関節運動中に第1のジョイント角度、第2のジョイント角度、及び第3のジョイント角度の合計であり得る。
【0018】
いくつかの態様において、第1のケーブル及び第2のケーブルは、ばねケージの外表面に沿って配設される。
【0019】
本開示の別の態様において、アダプタは、近位部分と、長尺部分と、遠位部分と、を含む。近位部分は、ハンドルに連結するように構成される。長尺部分は、近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する。遠位部分は、長尺部分によって支持され、ツールアセンブリをハンドルに解放可能に連結するように構成される。遠位部分は、第1の支持具と、第2の支持具と、ばねケージと、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のケーブルと、第2のケーブルと、を有する、ジョイントアセンブリを含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸に沿って配設され、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間に延在する、ばね経路を画定する。ばねケージは、第1の支持具及び第2の支持具を第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の駆動シャフトが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフトに連結される。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具を通って延在し、第2の支持具に固設された端部を各々が有する。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具に対して第2の支持具が関節運動するように第1の長手方向軸に対して平行な方向に並進可能であり、それにより、第2の長手方向軸が第1の長手方向軸に対する全ジョイント角度で配設される。
【0020】
本開示の別の態様において、外科用システムは、ハンドルと、アダプタと、ツールアセンブリと、を含む。アダプタは、ハンドルに取り外し可能に連結され、近位部分と、長尺部分と、遠位部分と、を含む。近位部分は、ハンドルに連結するように構成される。長尺部分は、近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する。遠位部分は、長尺部分によって支持され、ツールアセンブリをハンドルに解放可能に連結するように構成される。遠位部分は、第1の支持具と、第2の支持具と、ばねケージと、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のケーブルと、第2のケーブルと、を有する、ジョイントアセンブリを含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸に沿って配設され、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間に延在する、ばね経路を画定する。ばねケージは、第1の支持具及び第2の支持具を第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の駆動シャフトが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフトに連結される。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具を通って延在し、第2の支持具に固設された端部を各々が有する。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具に対して第2の支持具が関節運動するように第1の長手方向軸に対して平行な方向に並進可能であり、それにより、第2の長手方向軸が第1の長手方向軸に対する全ジョイント角度で配設される。ツールアセンブリは、アダプタの遠位部分に取り外し可能に連結される。
【0021】
本開示の別の態様において、ジョイントアセンブリは、第1の支持具と、第2の支持具と、ばねケージと、第1の駆動シャフトと、第2の駆動シャフトと、第1のリンクと、を含む。第1の支持具は、第1の長手方向軸を画定し、第2の支持具は、第2の長手方向軸を画定する。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部及び第2の支持具に固定された第2の端部を有する。ばねケージは、第1の支持具と第2の支持具との間にばね経路を画定する。ばねケージは、第1の支持具及び第2の支持具を第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる。第1の駆動シャフトは、第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第1の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の支持具を通ってばね経路内に延在する。第2の駆動シャフトは、第2の駆動シャフトが第1の駆動シャフトの回転に応答して回転するように、第1の駆動シャフトに連結される。第1のリンクは、第1の駆動シャフトと第2の駆動シャフトとの間でばね経路内に回転可能に配設され、これらに回転可能に固定される。第1のリンクは、第2の支持具が第1の支持具に対して関節運動させられるときに、関節運動の軸を制御するためにばねケージと動作可能に係合される。
【0022】
本開示の別の態様において、外科用システムは、ハンドルと、アダプタと、ツールアセンブリと、を含む。アダプタは、ハンドルに解放可能に連結されるように構成される近位部分及び駆動軸を画定する遠位部分を含む。遠位部分は、遠位軸に直交する方向に延在する連結支柱を有するツールアセンブリコネクタを含む。ツールアセンブリは、ツール軸を画定し連結機構を含む。連結機構は、キャビティを画定し、スライダを含む。キャビティは、ツールアセンブリコネクタを受容するようにサイズ決め及び寸法決めされる。スライダは、ロック位置とアンロック位置との間でツール軸に対して横断方向に可動である。スライダは、ツール軸に対して横断するロックセグメントを有するロック経路を画定する。スライダは、ロック位置にあるときに、ツールアセンブリをツールアセンブリコネクタに解放可能に固設するように、アダプタの連結支柱をロックセグメントに受容するように構成される。
【0023】
態様において、連結機構は、キャビティがツールアセンブリをアダプタの遠位部分と配向するときにツールアセンブリコネクタが受容されるときにツールアセンブリコネクタの連結支柱を受容するように構成される切欠を画定する。連結機構は、キャビティ内に延在し、切欠を画定する遮断セクションを含む。ツールアセンブリコネクタは、ツールアセンブリ及びアダプタの遠位部分を互いに対して回転自在に固定するために、ツールアセンブリコネクタがキャビティにおいて受容されるときに遮断セクションを受容するように構成された棚状部を含み得る。連結支柱は、棚状部から直交して延在し得る。
【0024】
いくつかの態様において、スライダは、ツール軸に対して平行な方向に延在する受容セグメントを含む。受容セグメントは、スライダがロック位置にあるときに切欠を越えて延在する受容壁によって部分的に画定され得る。連結支柱と受容壁との係合は、連結支柱がロックセグメント内に配設されるまでスライダをアンロック位置に向かわせるように構成され得る。
【0025】
特定の態様において、連結機構は、キャビティ内に延在する整列支柱を含む。ツールアセンブリコネクタは、ツールアセンブリ及びアダプタの遠位部分を互いに対して回転自在に固定するために整列支柱を受容するように構成された開口部を画定し得る。スライダは、ツール軸に対して直交する方向に延在するスライダ支柱を含み得る。連結機構は、スライダをロック位置に向かって付勢するようにスライダと係合する付勢部材を含み得る。
【0026】
更なる態様において、関節運動外科用ステープリング器具は、回転可能な中心駆動シャフトと、少なくとも第1のケーブル及び第2のケーブルと、を有する。中心駆動シャフトは、ボールを有する遠位端部を画定する。器具は、第1のリンク及び第2のリンクを有する関節運動ジョイントを有し、第1のリンク及び第2のリンクは、通路を有する近位端部及びボールを有する遠位端部を有する。中心駆動シャフトのボールは、第1のリンクのボールに繋げられ、第1のリンクのボールは、第2のリンクのボールに繋げられる。器具は、第2のリンクのボールを受容するように構成された近位端部を有する遠位駆動シャフトを含み、遠位駆動シャフトは、第2のリンクに繋がれている。ばねケージは、関節運動ジョイントを囲み、遠位ハウジングに取り付けられる。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1のケーブル及び第2のケーブルの反対方向の運動が遠位ハウジングを関節運動させるように、遠位ハウジングに取り付けられる。ある実施形態において、関節運動ステープリング器具は、携帯モータ付きハンドルによって駆動されるか、またはロボット外科用システムにおいて使用されるように構成されるステープリングリロードユニットとして具体化される。また、ある実施形態は、アダプタに接続するステープリングリロードを含み、アダプタは、モータ付きハンドル、ロボットシステムまたは手動ハンドルに接続されるように構成されている。
【0027】
さらに、矛盾のない範囲で、本明細書で説明された態様のうちのいずれも、本明細書で説明された任意のまたは全ての他の態様と併せて使用され得る。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ジョイントアセンブリであって、
第1の長手方向軸を画定する第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
上記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され上記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
上記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され上記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、上記第1のリンクが上記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、上記第2の駆動シャフトが上記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
上記第1の支持具に固定された第1の端部及び上記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、上記ばねケージは、上記第1のリンク、ならびに上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、上記第1の支持具及び上記第2の支持具の間で上記ばね経路を画定し、上記ばねケージは、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動に応答して上記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように上記第1のリンクと係合する、ばねケージと、を備える、ジョイントアセンブリ。
(項目2)
上記ばねケージは、上記第1の支持具及び上記第2の支持具を、上記第1の長手方向軸及び上記第2の長手方向軸が同軸に整列される整列位置に向かわせる、上記項目に記載のジョイントアセンブリ。
(項目3)
上記第1のリンクと上記第2の駆動シャフトとの間に配設され、これらに連結される第2のリンクをさらに備え、上記第1のリンクの回転が、上記第2の駆動シャフトの回転を引き起こすように上記第2のリンクの回転を引き起こす、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目4)
上記ばねケージは、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動に応答して上記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように上記第2のリンクと係合する、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目5)
上記第1のリンクは、上記第1の駆動シャフトの一部分を回動自在に受容するキャビティを画定し、遠位ボールを含む、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目6)
上記第1のリンクは、上記整列位置において、上記第1の長手方向軸及び上記第2の長手方向軸と同軸である第1のリンク軸を画定し、上記ばねケージは、上記第1のリンク軸が上記第1の長手方向軸に対する第1のジョイント角度を画定するように、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動に応答して上記第1のリンクを制御する、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目7)
上記第1のリンクの周りに配設されたリンクガイドをさらに備え、上記リンクガイドは、上記第1のリンクを位置決めするために、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動中に上記ばねケージによって直接的に係合される、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目8)
上記リンクガイドは、内カラー及び外カラーを含み、上記内カラーは、間隙を画定するスプリットリングを形成し、上記外カラーは、内表面を含み、上記外カラーは、上記外カラーの上記内表面が上記内カラーの上記リングと係合して、上記間隙を低減して、上記リンクガイドを上記第1のリンクに固設するように、上記内カラーの上記リング上で受容される、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目9)
上記第1のリンクは、上記キャビティと上記遠位ボールとの間に位置決めされ、かつ上記第1のリンク軸に直交して配設されたディスクを画定し、上記内カラーの上記リングは、上記リンクガイドを上記第1のリンクに対して長手方向に固設するように上記ディスクを受容する溝を画定している、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目10)
上記内カラーは、弾性材料で形成され、上記内カラーの上記リングと上記外カラーの上記内表面との間の係合が、上記内カラー及び上記外カラーを互いに対して固定するように、外向きに付勢される、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目11)
上記内カラーは、プラスチックで形成され、上記外カラーは、金属で形成される、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目12)
上記内カラー及び上記外カラーは、プラスチックで形成される、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目13)
上記外カラーは、摩擦低減コーティングを有する外表面を含む、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目14)
上記第2のリンクは、上記第1のリンクの上記遠位ボールを回動自在に受容するキャビティを画定し、上記第2のリンクは、上記第2の駆動シャフト内に回動自在に受容される遠位ボールを含む、上記項目のいずれか一項に記載のジョイントアセンブリ。
(項目15)
アダプタであって、
ハンドルに連結するように構成された近位部分と、
上記近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する長尺部分と、
上記長尺部分によって支持され、ツールアセンブリを上記ハンドルに解放可能に連結するように構成された遠位部分と、を備え、上記遠位部分は、ジョイントアセンブリであって、
上記第1の長手方向軸に沿って配設された第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
上記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、上記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
上記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、上記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、上記第1のリンクが上記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、上記第2の駆動シャフトが上記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
上記第1の支持具に固定された第1の端部及び上記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、上記ばねケージは、上記第1のリンク、ならびに上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、上記第1の支持具及び上記第2の支持具の間で上記ばね経路を画定し、上記ばねケージは、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動に応答して上記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように上記第1のリンクと係合する、ばねケージと、を有する、ジョイントアセンブリを含む、アダプタ。
(項目16)
外科用システムであって、
ハンドルと、
上記ハンドルに取り外し可能に連結されたアダプタであって、上記アダプタは、
上記ハンドルに連結するように構成された近位部分と、
上記近位部分から延在し、第1の長手方向軸を画定する長尺部分と、
上記長尺部分によって支持された遠位部分であって、上記遠位部分は、ジョイントアセンブリであって、
上記第1の長手方向軸に沿って配設された第1の支持具と、
第2の長手方向軸を画定する第2の支持具と、
上記第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、上記第1の支持具を通って延在する第1の駆動シャフトと、
上記第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、上記第2の支持具を通って延在する第2の駆動シャフトと、
上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの各々の間に配設され、かつそれらの各々に連結される第1のリンクであって、それにより、上記第1のリンクが上記第1の駆動シャフトの回転に応答して回転し、上記第2の駆動シャフトが上記第1のリンクの回転に応答して回転する、第1のリンクと、
上記第1の支持具に固定された第1の端部及び上記第2の支持具に固定された第2の端部を有する、ばねケージであって、上記ばねケージは、上記第1のリンク、ならびに上記第1の駆動シャフト及び上記第2の駆動シャフトの一部分が、ばね経路内に配設されるように、上記第1の支持具及び上記第2の支持具の間で上記ばね経路を画定し、上記ばねケージは、上記第1の支持具に対する上記第2の支持具の関節運動に応答して上記ジョイントアセンブリにわたって均一な関節運動をもたらすように上記第1のリンクと係合する、ばねケージと、を有する、ジョイントアセンブリを含む、遠位部分と、を含む、アダプタと、
上記アダプタの上記遠位部分に取り外し可能に連結されたツールアセンブリと、を備える、外科用システム。
(摘要)
ジョイントアセンブリは、第1の支持具及び第2の支持具と、ばねケージと、第1の駆動シャフト及び第2の駆動シャフトと、第1のケーブル及び第2のケーブルと、を含んでいる。ばねケージは、第1の支持具に固定された第1の端部と、第2の支持具に固定された第2の端部と、を有し、第1の支持具と第2の支持具との間にばね経路を画定している。第1の駆動シャフトは、第1の支持具によって画定される第1の長手方向軸に沿って回転可能に配設され、第2の駆動シャフトは、第2の支持具によって画定される第2の長手方向軸に沿って回転可能に配設される。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第1の支持具を通って延在し、第2の支持具に固設された端部を有する。第1のケーブル及び第2のケーブルは、第2の長手方向軸が第1の長手方向軸に対する全ジョイント角度で配設されるように、第1の支持具に対して第2の支持具を関節運動させるように第1の長手方向軸に対して平行な方向に並進可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の種々の態様は、本明細書に組み込まれその一部をなす図面を参照して以下に説明される。
【0029】
【
図1】本開示によって提供される電気機械システムの斜視図である。
【
図2】ツールアセンブリがアンクランプ構成である、
図1の電気機械システムのアダプタ及びツールアセンブリの斜視図である。
【
図3】アダプタのジョイントアセンブリが整列位置である、
図2の詳細部の指定エリアの拡大図である。
【
図4】ジョイントアセンブリの可撓性ブーツが取り外された、
図3の詳細部の指定エリアの拡大図である。
【
図5】アダプタ及び可撓性ブーツが取り外されてからツールアセンブリが分離された、
図2のツールアセンブリの近位端部及びアダプタの遠位端部の斜視図である。
【
図6】アダプタとのツールアセンブリの連結前に、
図5のアダプタの遠位端部と整列及び配向された
図5のツールアセンブリの斜視図である。
【
図8】アダプタの遠位部分がツールアセンブリの近位部分内に部分的に受容されロック機構がアンロック位置である、ツールアセンブリとアダプタとの連結中における、
図6のツールアセンブリ及びアダプタの断面図である。
【
図9】アダプタの遠位部分がツールアセンブリの近位部分内に完全に受容されロック機構がロック位置である、
図6のツールアセンブリ及びアダプタの断面図である。
【
図10】
図4の切断線10-10に沿った断面図である。
【
図12】部品が分離された、
図2のアダプタの遠位端部の斜視図である。
【
図13】部品が互いに分離された、
図12のジョイントアセンブリの近位支持具、ばねケージ、及び遠位支持具の拡大図である。
【
図14】互いに組み立てられた、
図13のジョイントアセンブリの近位支持具、ばねケージ、及び遠位支持具の遠位端部からの側面斜視図である。
【
図15】互いに組み立てられた、
図13のジョイントアセンブリの近位支持具、ばねケージ、及び遠位支持具の近位端部からの側面斜視図である。
【
図16】アダプタの外筒及び可撓性ブーツが取り外された、
図2のアダプタ及びツールアセンブリの遠位部分の背面斜視図である。
【
図17】外筒及び可撓性ブーツが取り外された、
図16のアダプタの遠位部分の斜視図である。
【
図18】柔軟性ブーツ、ばねケージ、及び関節運動ケーブルが取り外された、
図6のジョイントアセンブリの斜視図である。
【
図19】部品が分離された、
図12のアダプタの遠位部分の第1のリンク及びリンクガイドの斜視図である。
【
図20】互いに組み立てられた、
図19の第1のリンク及びリンクガイドの遠位端部からの斜視図である。
【
図21】
図20の第1のリンク及びリンクガイドの近位端部からの斜視図である。
【
図23】整列位置におけるジョイントアセンブリを例示する、
図4の切断線23-23に沿った断面図である。
【
図24】関節運動位置における
図2のツールアセンブリ及びアダプタの遠位端部の側面図である。
【
図25】関節運動位置におけるジョイントアセンブリを例示する
図24のジョイントアセンブリの拡大長手方向断面図である。
【
図26】ロールアセンブリ及び関節運動アセンブリを示すためにアダプタの外筒及び部分が破線で示された、
図2のアダプタの近位部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の実施形態が、ここで、同様の参照番号が別々の図の各々において同一または対応する要素を示す図面を参照して詳細に説明される。本明細書で使用されるように、「臨床医」という用語は、医者、看護師、または任意の他の医療提供者を意味し、補助者を含み得る。加えて、「近位」という用語は、臨床医に最も近い、機器またはその構成要素の部分を意味し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠い、機器またはその構成要素の部分を意味する。さらに、以下の図面及び説明において、「前部」、「後部」、「上位」、「下位」、「上面」、「底面」等のような用語は、単に説明の便宜上使用され、それに開示を限定することを意図されるものではない。
【0031】
本開示は、概して、電気機械外科用システムによる使用のためのアダプタに関する。アダプタは、リンクの形態の1つ以上のユニバーサルジョイントと、ユニバーサルジョイントの周りに配設されたばねケージと、近位支持具及び遠位支持具を含むジョイントアセンブリと、を含む。ばねケージは、近位支持具と遠位支持具との間で支持され延在する。ばねケージ及びリンクは、遠位支持具が近位支持具に対して関節運動されるときに近位支持具と遠位支持具との間の均一な関節運動をもたらすように協調し、それにより、各リンクが隣接リンクと類似の関節運動角度を画定するように関節運動される。
【0032】
加えて、この開示は、ツールアセンブリをアダプタの遠位部分に解放可能に連結するための連結機構に関する。連結機構は、ツールアセンブリのツール軸に対して横断方向に動くスライダを含む。アダプタの遠位部分は、ツールアセンブリをアダプタの遠位部分に解放可能に固定するために、スナップロック様式でスライダによって捕捉される連結支柱を含む。
【0033】
ここで
図1を参照すると、本開示による外科用システム10は、ハンドル100と、アダプタ200と、ツールアセンブリ600(例えば、エンドエフェクタ、複数または単一使用ツールアセンブリ)と、を含む。ハンドル100は、アダプタ200との解放可能な接続のために構成され、次に、アダプタ200は、ツールアセンブリ600との解放可能な接続のために構成される。共に、ハンドル100及びアダプタ200は、ツールアセンブリ600を作動させるように協調し得る。外科用システム10は、電気機械的動力付きシステムであり得、ハンドル100は、電動、例えば、バッテリー駆動であり得る。代替的に、外科用システム10は、手動で作動されてもよい。
【0034】
ハンドル100は、電気機械外科用システム10の種々の動作を実施するためにシャフト及び/またはギヤ構成要素を駆動するように構成される駆動機構(図示せず)を含む。特に、駆動機構は、ツールアセンブリ600を作動させ、以下に詳細に説明されるようにアダプタ200の長手方向アダプタ軸A-A(
図2)に対してツールアセンブリ600を作動させるように関節運動ケーブル402~408(
図17)を操作するために、中心駆動シャフト260(
図18)、第1のリンク330(
図18)、及び第2のリンク340(
図18)を回転させるように構成される。代表的な動力付きハンドルの詳細な説明について、米国特許公開第2015/0272577号及び米国特許第9,055,943号が参照され得る。これらの開示の各々の全体の内容は、本明細書において参照によって組み込まれる。
【0035】
図2~4に対する追加の参照によると、アダプタ200は、近位部分202(
図2)、長尺部分204、遠位部分206、及びツールアセンブリコネクタ208を含む。近位部分202は、アダプタ200をハンドル100(
図1)に連結するように構成される。長尺部分204は、アダプタ200の近位部分202からアダプタ200の遠位部分206に延在し、アダプタ200のアダプタ軸A-Aを画定する。遠位部分206は、ツールアセンブリコネクタ208を支持するジョイントアセンブリ300を含む。ツールアセンブリコネクタ208は、遠位部分206の遠位端部に位置決めされ、ツールアセンブリ600をアダプタ200に連結するように構成される。ジョイントアセンブリ300は、非関節運動位置からツールアセンブリコネクタ208上で支持されるツールアセンブリ600を関節運動させるために、以下に詳細に説明されるように、アダプタ軸A-Aに対してツールアセンブリコネクタ208を関節運動させるように構成され、非関節運動位置において、ツールアセンブリ600のツール軸T-T(
図7)は、ツールアセンブリ600のツール軸T-Tがアダプタ軸A-Aと不整列である関節運動位置に、アダプタ200のアダプタ軸A-Aと整列される。
【0036】
図3及び4を特に参照すると、ツールアセンブリ600は、開構成(
図3)と閉またはクランプ構成(図示せず)との間で互いに対して可動である、第1の顎部材610及び第2の顎部材620を含む。以下に詳細に説明されるように、ジョイントアセンブリ300は、非関節運動位置と複数の関節運動位置との間でツールアセンブリ600の操作を許容する。実施形態において、ツールアセンブリ600は、複数のステープルまたは締結具(図示せず)を有するステープルカートリッジ612を解放可能に受容する第1の顎部材610及びアンビル622を支持する第2の顎620を有するステープラとして構成される。ステープルカートリッジ612は、移送中にステープルカートリッジ612内の複数のステープルを保持するために、ステープルカートリッジ612に解放可能に固定されるシッピングウェッジ614を含み得る。シッピングウェッジ614はまた、使用後にステープルカートリッジ612を第1の顎部材610から分離することを補助する舌状部616を含み得る。ステープルカートリッジ及びシッピングウェッジの代表的な実施形態は、共同所有の米国特許公開第2014/0252065号で開示され、この全体内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0037】
図5~11を参照すると、ツールアセンブリ600は、ツールアセンブリ600をアダプタ200のツールアセンブリコネクタ208に解放可能に連結するために、連結機構630を含む。ツールアセンブリ600がツールアセンブリコネクタ208に連結されるとき、ツールアセンブリ600は、アダプタ200のツールアセンブリコネクタ208に回転可能かつ軸方向に固定される。このように、ツールアセンブリ600は、ツールアセンブリコネクタ208の関節運動及び回転に応答してアダプタ200の近位部分202(
図2)に対して関節運動及び回転する。加えて、ツールアセンブリ600がツールアセンブリコネクタ208に連結されるとき、アダプタ200の駆動出力690は、ツールアセンブリ200の駆動部材694が駆動出力690の回転に応答して回転するように、ツールアセンブリ600の駆動部材694と係合される。
【0038】
図5を特に参照すると、ツールアセンブリコネクタ208は、開口部640、641を画定する遠位接面を有し、棚状部646を含み、連結支柱648が棚状部646に対して直交方向に棚状部646から延在している。開口部641は、駆動部材694がアダプタ200の駆動出力690と係合するように、ツールアセンブリ600の駆動部材694を受容する。
【0039】
ツールアセンブリ600の連結機構630は、ツールアセンブリコネクタ208がコネクタキャビティ632内で少なくとも部分的に受容されるように、アダプタ200のツールアセンブリコネクタ208と嵌合するようにサイズ決め及び寸法決めされる、コネクタキャビティ632を画定する。ツールアセンブリコネクタ208全体は、コネクタキャビティ632内に受容され得ると考えられる。
【0040】
連結機構630は、ツールアセンブリ600をツールアセンブリコネクタ208と整列し、ツールアセンブリ600をツールアセンブリコネクタ208に対して回転可能に固定するために、コネクタキャビティ632内に近位に延在し、アダプタ200のツールアセンブリコネクタ208の開口部640内に受容されるようにサイズ決め及び寸法決めされる整列支柱642を含む。連結機構630はまた、コネクタキャビティ632内に遠位に延在し、ツールアセンブリコネクタ208の棚状部646と係合するようにサイズ決め及び寸法決めされる遮断セクション634を含む。遮断セクション634と棚状部646との間の係合は、ツールアセンブリ600をツールアセンブリコネクタ208に対して回転可能に固定する。遮断セクション634は、ツールアセンブリコネクタ208の棚状部646の連結支柱648がコネクタキャビティ632内により深く遮断セクション634を通過するように、サイズ決め及び寸法決めされる切欠636を画定する。示されるように、切欠636は、蒲鉾形状を有するが、切欠636は、複数の形状、例えば、矩形を有してもよい。
【0041】
ここで
図6~11を参照すると、連結機構630は、ツールアセンブリコネクタ208をコネクタキャビティ632内で解放可能に固設するためにロックアセンブリ650を含む。ロックアセンブリ650は、スライダ652及び付勢部材651(
図10)を含む。以下に詳述されるように、スライダ652は、ツールアセンブリコネクタ208をコネクタキャビティ632内で受容し解放可能に固設するために、ロック位置とアンロック位置との間においてツール軸T-Tに対して横断方向に可動である。
【0042】
図7を特に参照すると、スライダ652は、ツール軸T-Tに対して平行であり側方にオフセットされたロック経路654を画定する。ロック経路654は、受容セグメント656、及びツールアセンブリコネクタ208の連結支柱648を受容するロックセグメント658を有する。示されるように、受容セグメント656は、ツール軸T-Tに対して実質的に平行である軸を画定し、ロックセグメント658は、ツール軸T-T及び受容セグメント656の軸に対して実質的に直交する軸を画定する。ツールアセンブリコネクタ208がコネクタキャビティ632内に受容されるとき、ツールアセンブリコネクタ208は、ツールアセンブリ600に対して長手方向に固定される。受容セグメント656は、
図7に示すようにスライダ652がロック構成にあるときに、軸T-Tに対してある角度で配設され切欠636上に位置決めされる、受容壁657によって部分的に画定される。
【0043】
実施形態において、ロック経路654のロックセグメント658は、受容セグメント656と共に90°未満または90°よりも大きい角度を画定し得る。ロックセグメント658が受容セグメント656と共に90°よりも大きい角度を画定する実施形態において、付勢部材651(
図10)は、スライダ652が連結支柱648と係合してロック位置に戻るときに、ロック機構650がツールアセンブリコネクタ208をコネクタキャビティ632のさらに中に引き込むことを引き起こし得る。ロックセグメント658が受容セグメント656と共に90°未満の角度を画定する実施形態において、付勢部材651(
図10)は、ロック機構650がツールアセンブリコネクタ208をコネクタキャビティの外に出させることを引き起こし得る。
【0044】
図10及び11を特に参照すると、付勢部材651は、連結機構630内に配設され、ツールアセンブリ600の長手方向軸T-Tに対して直交方向に圧縮可能である。付勢部材651は、スライダ652を横断的にロック位置に向かわせるようにスライダ652のスライダ支柱659と係合される。スライダ659は、ツール軸に対して直交方向にスライダ652から延在する。
【0045】
図7~10を参照すると、連結機構630のコネクタキャビティ632におけるアダプタ200のツールアセンブリコネクタ208の解放可能な連結が詳細に説明される。まず
図7を参照すると、ツールアセンブリ600は、ツール軸T-Tがアダプタ軸A-Aと整列され、かつ連結支柱648が切欠636内に通過するように配向されるように、アダプタ200と整列され配向される。ツールアセンブリ600がアダプタ200と整列され配向されるとき、ツールアセンブリコネクタ208は、矢印Cによって表されるようにツール軸T-Tに対して平行な方向においてコネクタキャビティ632内に動かされる。
【0046】
図8を参照すると、ツールアセンブリコネクタ208がコネクタキャビティ632に入るとき、連結支柱648は、連結機構650の切欠636に入る。連結支柱648と切欠636を画定する遮断セグメント634の壁との間の係合は、ツールアセンブリ600をアダプタ200に対して精密に配向するように、ツール軸T-Tの周りでツールアセンブリ600を回転させ得る。連結支柱648は、切欠636を通過し、連結支柱648は、受容セグメント656の一部分を画定するスライダ652の受容壁657と係合する。連結支柱648と受容壁657との間の係合は、矢印D1によって表されるように、付勢部材651の付勢に抗してアンロック位置に向かう第1の方向にスライダ652を動かす。より具体的には、スライダ652が第1の方向に動くと、スライダ652のスライダ支柱659(
図11)が、付勢部材651を圧縮する。
【0047】
図9及び10を参照すると、ツールアセンブリコネクタ208がコネクタキャビティ632内に受容されるとき、連結支柱648は、受容セグメント656を画定する受容壁657を通り過ぎてロックセグメント658内に動かされる。連結支柱648がロックセグメント658に入ると、付勢部材651は、スライダ652をロック位置に戻すために、矢印D2によって表される、第1の方向の反対の第2の方向に、スライダ652を動かすようにスライダ支柱659を付勢する。連結支柱648がロックセグメント658内に位置決めされてスライダ652がロック位置にあるとき、ツールアセンブリコネクタ208は、ツールアセンブリ600をアダプタ200に固設するようにコネクタキャビティ630内で固設される。ツールアセンブリ600がアダプタ200に固設されるとき、連結機構630の整列支柱642(
図11)は、
図11に示されるようにツールアセンブリコネクタ208に対するツールアセンブリ600の配向を固定的に保持するように、ツールアセンブリコネクタ208の開口部640内に受容される。
【0048】
ツールアセンブリ600をアダプタ200から解放するために、スライダ652は、アンロック位置に動かされ、アダプタ200は、ツールアセンブリ600から離れるように動かされる。スライダ652がアンロック構成であるとき、連結支柱648は、ツールアセンブリ600がアダプタ200から手動で分離されることができるように、ロック経路654の受容セグメント656と整列される。ツールアセンブリ600がアダプタ200から分離されるとき、スライダ652は、付勢部材651がスライダ652をロック位置に戻すことを許容するように解放されることができる。
【0049】
図12を参照すると、ジョイントアセンブリ300が、アダプタ200の遠位部分206に配設され、かつ遠位部分206に対するツールアセンブリコネクタ208の関節運動を制御するように構成され、それにより、ツールアセンブリ600の関節運動は、外科用システム10の動作の全フェーズ中に予測可能であり安定的である。ジョイントアセンブリ300は、可撓性ブーツ302、ケーブルガイド310、近位支持具320、第1のリンク330、第2のリンク340、遠位駆動シャフト350、リンクガイド360、ばねケージ370、及び遠位支持具380を含む。
【0050】
図13~15を追加参照すると、近位支持具320は、実質的に円筒状であり、そこを通る中心通路322を画定する。近位支持具320は、円筒状部分321及び遠位フランジ326を含む。近位支持具320の円筒状部分321は、中心通路322がアダプタ200のアダプタ軸A-Aと同軸であるように、ケーブルガイド310内に受容される。遠位フランジ326は、円筒状部分321から外向きに放射状に延在する、袖部327を含み、隣接袖部327間で近位に面する凹部328及びスロット329を画定するように円筒状部分321と協調する。近位に面する凹部328及びスロット329の各々は、以下に詳述されるようにケーブルガイド310(
図12)の部分を受容する。円筒状部分321の一部分は、レース324(
図13)を画定するように遠位フランジ326を遠位に越えて延在する。
【0051】
ばねケージ370は、近位端部372及び遠位端部376を含み、近位端部372と遠位端部376との間に延在するばね経路374を画定する。ばねケージ370の近位端部372は、ばね経路374が中心通路322と連通であるように、近位支持具320に固設される。レース324は、ばねケージ370の近位端部372を近位支持具320と同軸に整列するように、ばね経路374内に受容される。近位端部372は、近位支持具320の袖部327及び/または円筒状部分321に溶接され得る。
【0052】
遠位支持具380は、ばねケージ370の遠位端部376に固設される。具体的には、遠位支持具380は、ばねケージ370の遠位端部が遠位支持具380と同調して動くように、ばねケージ370の遠位端部376を受容する、近位に接するソケット382を画定する。遠位端部376は、ソケット382内で溶接され得る。遠位支持具380はまた、以下に詳述されるように関節運動ケーブル402~408(
図17)の部分を受容する開口部384を画定する。
【0053】
図16及び17を参照すると、ケーブルガイド310は、アダプタ206の遠位部分内で支持され、ばねケージ370の周囲の関節運動機構400の関節運動ケーブル402~408を遠位支持具380に向かって導く。ケーブルガイド310は、実質的に筒状であり、中心通路318(
図12)を画定する。ケーブルガイド310は、ケーブルガイド310の近位部分を実質的に閉鎖する近位プレート317を含む。近位プレート317は、中心駆動シャフト260を受容する駆動シャフト開口部319、及びケーブル溝312と整列されたケーブル開口部311を画定する。ケーブル溝312は、アダプタ軸A-Aに対して平行な方向に延在し、関節運動ケーブル402~408の運動を受容しガイドする。
【0054】
図17を特に参照すると、ケーブルガイド310は、ケーブルリフト314を含み、各々が近位孔315及び遠位孔316を画定する。各ケーブルリフト314は、それぞれの溝312から関節運動ケーブル402~408のうちのそれぞれ1つを受容する。各ケーブル402~408は、関節運動ケーブル402~408の各々がばねケージ370の外表面に沿って配設され、かつ遠位支持具380に固設されるように、近位孔315を通り、遠位孔316を通り、遠位支持具380に向かって延在する。実施形態において、関節運動ケーブル402~408の各々の遠位端部は、遠位支持具380に形成された開口部384で受容されるフェルールを含む。例えば、ケーブル404は、遠位支持具380の開口部384のうちのそれぞれ1つの中に受容されるフェルール405をケーブル404の遠位端部に含む。実施形態において、溝312及びケーブルリフト314は、アダプタ軸A-Aの周りで等しく離間される。示されるように、4つのケーブル402~408があり、溝312及びケーブルリフト314は、ケーブルガイド310の周りで互いに約90°離間される。4つ未満または4つよりも多い関節運動ケーブルが存在してもよいことが考えられる。
【0055】
図16及び17を再び参照すると、ケーブルガイド310(
図23)の中心通路318は、近位支持具320の円筒状部分321(
図12)を受容する。円筒状部分321が中心通路318内で受容されるとき、ケーブルリフト314の各々は、近位支持具320の袖部327間で確定されたスロット329のうちのそれぞれ1つを通って延在する。加えて、ケーブルガイド310の遠位部分は、袖部327によって画定された近位に接する凹部328(
図16)内で受容される。ケーブルガイド310の遠位部分は、近位支持具320上でのケーブルガイド310の余分な遠位の並進を防止するために袖部327と係合し得る。近位支持具320の近位部分は、近位支持具320がケーブルガイド310を通って完全に通過することを防止するために、ケーブルガイド310の近位プレート317と係合し得る。
【0056】
図18を参照すると、アダプタ200の中心駆動シャフト260は、遠位駆動シャフト350が中心駆動シャフト260の回転に応答して回転するように、第1のリンク330及び第2のリンク340によってジョイントアセンブリ300の遠位駆動シャフト350に動作可能に連結される。中心駆動シャフト260は、アダプタ200のアダプタ軸A-Aに沿って配設され、遠位駆動シャフト350は、ツールアセンブリ600がアダプタ200に連結されるときに、ツールアセンブリ600の長手方向軸T-Tに対して平行である遠位駆動軸D-Dを画定する。以下に詳述されるように、遠位駆動シャフト350は、遠位駆動軸D-Dがアダプタ軸A-Aと整列される整列位置、及び遠位駆動軸D-Dがアダプタ軸A-Aとある角度を画定する複数の関節運動位置を有する。
【0057】
第1のリンク及び第2のリンク330、340は、遠位駆動シャフト350を中心駆動シャフト260に回転可能に連結するために、中心駆動シャフト260と遠位駆動シャフト350との間でばねケージ370内で順次配設される。再び
図12の追加参照によると、中心駆動シャフト260は、横断通路265及び横断通路265と連通であるアーチ状スロット266を画定する駆動ボール264を含む。横断通路265は、駆動ボール264の中心を通過し、アダプタ軸A-Aに対して直交方向に延在する。駆動ボール264の横断通路265は、中心ピン267を回転可能に受容する。中心ピン267は、中心ピン267の中心長手方向軸に対して直交方向に中心ピン267の中央を通過するピン開口部268を画定する。駆動ボール264のアーチ状スロット266は、アダプタ軸A-Aに対して平行であり、これを通過する平面において画定される。
【0058】
図19~22を参照すると、第1のリンク330は、第1のリンク軸L1-L1を画定し、近位リング331、遠位ボール334、及び中心ディスク361を含む。近位リング331は、中心駆動シャフト260の駆動ボール264(
図12)を受容するようにサイズ決め及び寸法決めされる近位キャビティ332を画定する。近位リング331の外表面は、第1のリンク軸L1-L1に対して直交する軸の周りに整列されるピンホール333を画定する。第1のリンク330は、ピンホール333、駆動ボール264のアーチ状スロット266、及び中心ピン267のピン開口部268(
図12)を通って受容される駆動ピン339を含むことで、第1のリンク330を中心駆動シャフト260の駆動ボール264に連結し、一方で第1のリンク330がアーチ状スロット266(
図12)によって画定された平面で中心ピン267の周りで関節運動することを許し、それにより、第1のリンク軸L1-L1が、以下に詳述されるようにアダプタ軸A-Aとある角度を画定するようにアダプタ軸A-Aに関して回転され得る。
【0059】
アーチ状スロット266及び駆動ピン339は、中心駆動シャフト260に対する第1のリンク330の関節運動の程度を制限する。具体的には、第1のリンク330が中心ピン267の周りに関節運動すると、駆動ピン339は、第1のリンク330と中心駆動シャフト260との間の関節運動の最大角度を画定するように駆動ピン339がアーチ状スロット266の端部に到達するまで、アーチ状スロット266内で回動する。第1のリンク330と中心駆動シャフト260との間の最大角度は、約15°~約60°の範囲であり、例えば、約30°である。このため、単一ジョイントの関節運動の最大角度よりも大きな関節運動の角度に適応するためには、追加の関節運動リンクが要求される。例えば、ジョイントアセンブリが互いに対して関節運動可能な2つの構成要素のみ、例えば、中心駆動シャフト260及び遠位駆動シャフト350のみを有する場合、2つの構成要素間の関節運動の最大角度は、第1の角度、例えば、30°に制限され得る。関節運動のこの第1の角度を超えるために、リンク、例えば、第1のリンク330は、第1の2つの構成要素、例えば、中心駆動シャフト260と遠位駆動シャフト380との間の関節運動の角度を倍化、例えば、60°にするために、第1の2つの構成要素間に位置決めされ得る。同様に、関節運動の第2の角度を超えるために、別のリンク、例えば、第2のリンク340が、関節運動の第3の角度、例えば、90°に到達するために順次追加され得る。続けて、関節運動の第4の角度、例えば、120°が、第1の2つの構成要素間に別のリンクを順次追加することによって実現され得ることが想到される。
【0060】
第1のリンク330の遠位ボール334は、中心駆動シャフト260の駆動ボール264(
図12)に類似であり、横断通路335及び横断通路335と連通であるアーチ状スロット336を画定する。横断通路335は、駆動ボール334の中心を通過し、第1のリンク軸L1-L1に対して直交方向に延在する。駆動ボール334の横断通路335は、中心ピン337を回転可能に受容する。中心ピン337は、中心ピン337の中心長手方向軸に対して直交方向に中心ピン337の中央を通過するピン開口部338を画定する。駆動ボール334のアーチ状スロット336は、第1のリンク軸L1-L1に対して平行であり、これを通過する平面において画定される。
【0061】
リンクガイド360は、第1のリンク330をばねケージ370のばね経路374(
図13)内に位置決めし、かつ詳述されるようにばねケージ370の関節運動に応答して第1のリンク330を中心駆動シャフト260の駆動ボール264の周りで回転させるように、第1のリンク330に連結される。リンクガイド360は、外カラー362及び内カラー364を含み得る。外カラー362は、外カラー362の中心開口部を画定する内表面363a、及び第1のリンク330をばねケージ370内で調心するためにばねケージ370と係合するように構成される外表面363bを含む。内カラー364は、近位セクション365及び遠位フランジ367を有するスプリットリングの形態である。近位セクション365は、第1のリンク330の中心ディスク361を受容するディスク溝369を画定する内表面368を有する。遠位フランジ367は、内表面363aと外表面363bとの間で画定される外カラー362の厚さに略等しい距離、近位セクション365の外表面を越えて延在する。
【0062】
図22を特に参照すると、内カラー364の近位セクション365は、リンクガイド360のディスク溝369内に受容された第1のリンク330の中心ディスク361を用いて第1のリンク330上で位置決めされる。内カラー364のスプリット366は、第1のリンク330の中心ディスク361が、中心ディスク361がディスク溝369内で位置決めされるまで、近位セクション365を通過可能であるように、内カラー364が拡張することを許容する。外カラー362は、その後、外カラー362の内表面363aが、近位セクション365を圧縮するように近位セクション365と係合するように、近位セクション365上でスライドされ、それにより、スプリット366が低減または除去され、内カラー364及び外カラー362が第1のリンク330に固設される。内表面363a及び/または近位セクション365は、内カラー364と外カラー362との間の並進に対する抵抗を増大するために増強された摩擦特徴を有し得る。加えて、内カラー364は、スプリット366が
図19に示されるように圧縮構成において第1の寸法を有し、かつ近位セクション365が外カラー362の内表面363aと係合されるときに、第1の寸法よりも小さい第2の寸法を有するように、拡張構成に自己付勢される弾性材料で形成され得る。内カラー364が外カラー362内に受容されるとき、内カラー364の遠位フランジ367は、外カラー362の外表面363bと合致する。
【0063】
実施形態において、外カラー362は、金属から形成され、内カラー364は、プラスチックから形成される。外カラー362を金属から形成することは、リンクガイド360が以下に詳述されるように、ばねケージ370によって係合されるときのリンクガイド360の歪みまたはピンチングを低減し得る。プラスチックから内カラー364を形成することは、以下に詳述されるように、第1のリンク330がリンクガイド360に対して回転するときの内カラー364と第1のリンク330との間の摩擦を低減し得る。内カラー364が、内カラー364と第1のリンク330との間の摩擦を低減するように摩擦低減コーティングを有する金属から形成されてもよいことが考えられる。リンクガイド360と第1のリンク330との間の摩擦を低減することは、第1のリンク330の回転中の熱の発生を低減すると共に、関節運動をもたらすために要求される力の量を低減し得ると理解されるであろう。
【0064】
いくつかの実施形態において、リンクガイド360は、関節運動中のばねケージ370の歪みを防止するために十分な強度を有し、かつ内カラー364と第1のリンク330との間の摩擦を低減するために低表面粗さを有する単一カラーから形成される。これらの実施形態において、リンクガイド360は、金属で形成されてもよく、プラスチックで形成されてもよい。
【0065】
第2のリンク340の構築は、第1のリンク330の構築と実質的に類似である。したがって、第2のリンク340の構築は、詳細に説明せず、類似符号によって表される同様の構造を有する。
【0066】
図12及び23を参照すると、遠位駆動シャフト350は、遠位駆動軸D-Dを画定し、近位リング351及び遠位シャフト354を含む。近位リング351は、第2のリンク340の遠位ボール344を受容する近位キャビティ352(
図23)を画定する。近位リング351の外表面は、遠位駆動軸D-Dに対して直交する軸の周りに整列されるピンホール353を画定する。駆動ピン359は、遠位駆動シャフト350のピンホール353、第2のリンク340のアーチ状スロット346、及び中心ピン347のピン開口部348を通って受容されることで、遠位駆動シャフト350を第2のリンク340に連結し、一方でアーチ状スロット346によって画定される平面において中心ピン347の周りで遠位駆動シャフト350が関節運動することを許し、それにより、遠位駆動軸D-Dが、以下に詳述されるように、第2のリンク軸L2-L2とある角度を画定する。
【0067】
図18を参照すると、ジョイントアセンブリ300は、ツール軸T-Tがアダプタ軸A-Aと同軸であるようにツールアセンブリ600がアダプタ200と同軸に整列される整列位置を有する。整列位置において、第1のリンク軸L1-L1、第2のリンク軸L2-L2、及び遠位駆動軸D-Dは、
図23に示されるようにアダプタ軸A-Aと同軸である。ばねケージ370は、ばねケージ370が近位支持具320及び遠位支持具380を互いから離間させる整列力を及ぼすように、近位支持具320及び遠位支持具380と係合され、それにより、ジョイントアセンブリ300は、整列位置に向かわされる。アダプタ200は、整列位置で関節運動ケーブル402~408の引張を維持する関節運動機構400(
図26)を含み、それにより、関節運動ケーブル402~408の各々は、遠位支持具380において互いに対して実質的に等しい力を及ぼす。
【0068】
図24及び25を参照すると、アダプタ200(
図2)は、ジョイントアセンブリ300を操作する関節運動機構400(
図26)を含む。関節運動機構400及びジョイントアセンブリ300は、ツールアセンブリ600の作動前、作動中、及び作動後にジョイントアセンブリ300の関節運動を制御するように協調する。例えば、ツールアセンブリ600が組織をクランプするか、クランプされた組織を通してステープルを発射するか、及び/または組織を切断するように作動されるとき、関節運動機構400及びジョイントアセンブリ300は、ツールアセンブリ600の各機能中に、チャタリングを低減し、かつアダプタ200に関してツールアセンブリ600の位置を維持するように協調する。
【0069】
ツールアセンブリ600をアダプタ200に対して関節運動させるために、関節運動ケーブル402~408のうちの1つ以上が近位に引き込まれ、関節運動ケーブル402~408のうちの1つ以上が遠位に延在するように解放され、正反対に位置するケーブル402~408が関節運動機構400によって近位に引き込まれる。示されるように、ケーブル402が近位に引き込まれるとき、ケーブル406は、ツール軸T-Tをアダプタ軸A-Aに対して90°の角度で位置決めするために、ツールアセンブリ600がアダプタ200に対して矢印Uによって表される方向に関節運動されるように、遠位に引き込まれる。ケーブル404及び408(図示せず)は、この運動によって影響を受けないが、ケーブル404または408のうちの一方はまた、別の平面においてツールアセンブリ600をアダプタ200に対して関節運動させるために、ケーブル404及び408のうちの他の一方を遠位に引き込むように近位に引き込まれてもよく、それにより、ツールアセンブリ600は、複数の平面においてアダプタ200に対して関節運動される。
【0070】
図25を参照すると、ケーブル402が近位に引き込まれると、ケーブル402のフェルール403は、遠位支持具380の一部分を近位支持具320に向かって引き込むように、遠位支持具380を近位に引き込む。ケーブル402が近位に引き込まれると、ケーブル406は、ばねケージ370の調心力に応答してケーブル402の反対側の遠位支持具380の部分が、ケーブル406を遠位に引き込むようにケーブル406のフェルール407と係合するように、解放される。関節運動機構400は、近位支持具320に対する遠位支持具380の関節運動が予測可能な様式で制御されるように、ケーブル402を近位に引き込み、同時にケーブル406を遠位に引き込むように構成される。
【0071】
遠位支持具380が近位支持具320に対して関節運動すると、ばねケージ370は、リンク330、340の各々及び遠位駆動シャフト350の互いに対する関節運動の均一な角度を制御するために、リンクガイド360の位置を制御する。具体的には、ばねケージ370は、第1のリンク330及び第2のリンク340に固設されるリンクガイド360の外表面363bと係合することで、アダプタ軸A-Aに対する第1のリンク軸L1-L1の関節運動の角度によって表される中心駆動シャフト260に対する第1のリンク330の関節運動の角度を、第1のリンク軸L1-L1に対する第2のリンク軸L2-L2の関節運動の角度によって表される第1のリンク330に対する第2のリンク340の関節運動の角度に実質的に等しく、かつ第2のリンク軸L2-L2に対する遠位駆動軸D-Dの関節運動の角度によって表される第2のリンク340に対する遠位駆動シャフト350の関節運動の角度に実質的に等しくなるように制御する。
【0072】
ばねゲージ370の調心力及びリンクガイド360の外表面363bとのばねケージ370の係合は、軸の各々が互いに対して実質的に等しい角度で関節運動されるように、リンクガイド330、340の各々の均一な関節運動を容易にする。例えば、
図25に示されるように、第1のリンク330は、第1のリンク軸L1-L1がアダプタ軸A-Aと約30°の角度を画定するように中心駆動シャフト260に対して関節運動され、第2のリンク340は、第2のリンク軸L2-L2が第1のリンク軸L1-L1と約30°の角度を画定するように第1のリンク330に対して関節運動され、遠位駆動シャフト350は、遠位駆動軸D-Dが第2のリンク軸L2-L2と約30°の角度を画定するように第2のリンク340に対して関節運動される。これらの軸間で画定された角度の各々の合計は、アダプタ200に対する遠位支持具380の総関節運動、したがって、アダプタ200に関して遠位支持具380に固設されるツールアセンブリ600の関節運動に等しい。したがって、遠位駆動軸D-Dは、例えば、90°で示されるように、アダプタ軸A-Aに対する第1のリンク軸L1-L1、第1のリンク軸L1-L1に対する第2のリンク軸L2-L2、及び第2のリンク軸L2-L2に対する遠位駆動軸D-Dの関節運動の角度の合計に等しい関節運動角度でアダプタ軸A-Aに対して関節運動される。
【0073】
ツールアセンブリ600を整列位置に戻すために、ケーブル402は、ばねケージ370が遠位支持具380を整列位置に向かって動かすように解放される。ケーブル402が解放されると共に、ケーブル406は、遠位支持具380が整列位置に戻るときにジョイントアセンブリ300に安定性を提供するために近位に引き込まれる。
【0074】
ここで
図26を参照すると、アダプタ200(
図2)の近位部分202は、コネクタ220、関節運動機構400、及び回転機構500を含む。コネクタ220は、アダプタ200の近位部分202に固設され、アダプタ200をハンドル100(
図1)に解放可能に連結する。ハンドル100は、近位駆動シャフト270の回転を容易にし、かつコネクタ220がハンドル100に解放可能に連結されるときに関節運動機構400を操作するように構成される。近位駆動シャフト270は、アダプタ200のアダプタ軸A-Aに沿って延在し、中心駆動シャフト260(
図12)の回転をもたらすように長尺部分204を通って延在する。長尺部分204はまた、近位駆動シャフト260の周りに同軸に配設される中心筒280、及び中心筒280の周りに同軸に配設される外筒207を含むことで、それらの間に経路272を画定する。関節運動機構400は、ジョイント300(
図3)を関節運動させるために、関節運動ケーブル402~408を操作する。関節運動機構及び回転機構を有するアダプタの代表的な近位部分の詳細な説明について、2017年3月3日に出願された、共同所有の米国特許公開第15/449,210号[代理人整理番号#C00013870.USU1(203-11287)]に対する参照がなされ、この全体内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0075】
本明細書で説明された任意の構成要素は、強度、耐久性、耐摩耗性、重量、耐腐食性、製造の容易さ、製造のコスト等を考慮して、金属、プラスチック、樹脂、合成物等のいずれかから製作され得る。
【0076】
本開示の別々の実施形態が図面において示されてきたが、本開示は、それに限定されることが意図されるものではなく、本開示は、当該技術分野で許容される幅広い範囲のものとして意図され、本明細書が同様に読み取られることを意図される。上の実施形態の任意の組み合わせもまた、想到され、添付の特許請求の範囲の範囲内である。このため、上の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に特定の実施形態の具体例として解釈されるべきである。当業者は、ここに添付された特許請求の範囲の範囲内で他の変形例を想到するであろう。