IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 現代自動車株式会社の特許一覧 ▶ 起亞自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両の車体フロア 図1
  • 特許-車両の車体フロア 図2
  • 特許-車両の車体フロア 図3
  • 特許-車両の車体フロア 図4
  • 特許-車両の車体フロア 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】車両の車体フロア
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
B62D25/20 E
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018218604
(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公開番号】P2020040642
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2018-0108061
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 賢 植
(72)【発明者】
【氏名】李 炳 天
(72)【発明者】
【氏名】鄭 熙 錫
(72)【発明者】
【氏名】洪 徳 和
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-154563(JP,A)
【文献】特開2008-087650(JP,A)
【文献】特開平06-321139(JP,A)
【文献】国際公開第2013/076818(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0049582(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0248822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
B60N 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが装着されるシートレールを有する車両の車体フロアであって、
両側に設けられたセンターサイドメンバと、センターサイドメンバ同士の間に設けられ、前後方向に延びたトンネルメンバと、センターサイドメンバとトンネルメンバとが連結されるように延び、一対のシートレールが装着されるセンタークロスメンバとからなるセンターフロアと、
センターフロアの後方に配置され、両側のセンターサイドメンバに連結されるリアサイドメンバを有し、トンネルメンバが連結されるリアフロアと、
センターサイドメンバと一緒にリアサイドメンバを覆うように装着され、センタークロスメンバとリアフロアとの間に延設され、センタークロスメンバと一緒にいずれか一つのシートレールが装着されるサイド補強メンバと、
センタークロスメンバとリアフロアとの間でトンネルメンバを覆うように装着され、サイド補強メンバ側に延びるように形成され、センタークロスメンバと一緒に他の一つのシートレールが装着されるセンター補強メンバと、を含んでなることを特徴とする車両の車体フロア。
【請求項2】
センターフロアとリアフロアとはキックアップメンバによって連結され、キックアップメンバはセンターフロアの後端部から後方に傾くように延びてリアフロアに連結されることにより、センターフロアとリアフロアに高さ差が生じることを特徴とする請求項1に記載の車両の車体フロア。
【請求項3】
サイド補強メンバは、センターサイドメンバとリアサイドメンバを覆うように前後方向に延びたボディ部、及びボディ部からセンタークロスメンバとキックアップメンバとの間に延び、シートレールが装着される装着部で構成されることを特徴とする請求項2に記載の車両の車体フロア。
【請求項4】
ボディ部は、センターサイドメンバを覆うように、センタークロスメンバが連結された部位まで延設され、センターサイドメンバとリアサイドメンバに装着された状態でセンタークロスメンバを包み込む支持溝が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両の車体フロア。
【請求項5】
ボディ部には、車体の内側に突出して内部空間を持つように、かつ突出面が開放されるように補強部が形成され、補強部には、内部空間を横切る支持リブが形成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両の車体フロア。
【請求項6】
補強部は、車体の内側に突出してセンターフロア、リアフロア、キックアップメンバの一部を覆うように延設されたことを特徴とする請求項5に記載の車両の車体フロア。
【請求項7】
支持リブは、補強部の形状に沿って前後方向に延びたメインリブと、メインリブから上下方向に延びて補強部の内側面に結合される補助リブと、から構成されたことを特徴とする請求項5に記載の車両の車体フロア。
【請求項8】
装着部は、上端が平面を持つ多角形に形成され、センタークロスメンバの高さと同じ高さを有することを特徴とする請求項2に記載の車両の車体フロア。
【請求項9】
センタークロスメンバにはシートレールが装着される装着用ホールが形成され、装着部には装着用ホールの一直線上に配置される固定用ホールが形成され、いずれか一つのシートレールが装着用ホールと固定用ホールを介して装着されることを特徴とする請求項2に記載の車両の車体フロア。
【請求項10】
センター補強メンバは、センタークロスメンバとキックアップメンバとの間のトンネルメンバを覆うように且つキックアップメンバの傾斜面に接触するように形成された蓋部と、蓋部から両側のセンターサイドメンバに延び、センターフロアに接触する結合部と、から構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両の車体フロア。
【請求項11】
蓋部には、下端部が外側に折り曲げられてセンターフロアに接する下端接触部が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の車両の車体フロア。
【請求項12】
蓋部には、後端部が外側に折り曲げられてキックアップメンバの傾斜面に接する後端接触部が形成されたことを特徴とする請求項10に記載の車両の車体フロア。
【請求項13】
結合部は、内部空間を持つように形成され、内部空間を横切って延びた補強リブが形成されたことを特徴とする請求項10に記載の車両の車体フロア。
【請求項14】
結合部は、上面が平面を持つように形成され、センタークロスメンバの高さと同じ高さを有することを特徴とする請求項10に記載の車両の車体フロア。
【請求項15】
センタークロスメンバには、シートレールが装着される装着用ホールが形成され、結合部には、装着用ホールの一直線上に配置される結合用ホールが形成されることで、他の一つのシートレールが装着用ホールと結合用ホールを介して装着されることを特徴とする請求項10に記載の車両の車体フロア。
【請求項16】
センターフロアには、サイド補強メンバ及びセンター補強メンバが接する面が平面を持つように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の車体フロア。
【請求項17】
サイド補強メンバとセンター補強メンバはアルミニウム材質からなることを特徴とする請求項1に記載の車両の車体フロア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車体フロアに係わり、より詳細には、シートの移動のためのシートレールを有する車両の車体フロアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の床面をなす車両のフロア構造は、運転席と助手席を支えるフロントフロア、後部座席を支えるセンターフロア、及び燃料タンクが固定されてトランクルームを形成するリアフロアからなる。このような車両のフロア構造は、マフラーパイプが通過するためのトンネルメンバが一体に備えられ、各フロアは、全体的な強度を確保するためにさまざまなメンバが構成される。
特に、車両の座席は、シートレールを介して、車体フロアにスライド移動可能に構成される。特に、後部座席を車体にスライド移動可能に設置するためには、シートレールを設置するための別途の構造物をフロア上に設置しなければならない。このような別途の構造物は、単にシートレールを設置するために別途用意しなければならないことにより、部品数の増加による製造コストの上昇につながるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】韓国特許公開第10-2014-0080545号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、シートレールの新規な設置構造を備え、車体フロアの全体剛性が確保できる車両の車体フロアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明による車両の車体フロアは、シートが装着されるシートレールを有する車両の車体フロアにおいて、両側に設けられたセンターサイドメンバと、センターサイドメンバ同士の間に設けられ、前後方向に延びたトンネルメンバと、センターサイドメンバとトンネルメンバとが連結されるように延び、一対のシートレールが装着されるセンタークロスメンバとからなるセンターフロアと、センターフロアの後方に配置され、両側のセンターサイドメンバに連結されるリアサイドメンバを有し、トンネルメンバが連結されるリアフロアと、センターサイドメンバと一緒にリアサイドメンバを覆うように装着され、センタークロスメンバとリアフロアとの間に延設され、センタークロスメンバと一緒にいずれか一つのシートレールが装着されるサイド補強メンバと、センタークロスメンバとリアフロアとの間でトンネルメンバを覆うように装着され、サイド補強メンバ側に延びるように形成され、センタークロスメンバと一緒に他の一つのシートレールが装着されるセンター補強メンバと、を含んでなることを特徴とする。
【0006】
センターフロアとリアフロアとはキックアップメンバによって連結され、キックアップメンバはセンターフロアの後端部から後方に傾くように延びてリアフロアに連結されることにより、センターフロアとリアフロアに高さ差が生じることを特徴とする。
【0007】
サイド補強メンバは、センターサイドメンバとリアサイドメンバを覆うように前後方向に延びたボディ部、及びボディ部からセンタークロスメンバとキックアップメンバとの間に延び、シートレールが装着される装着部で構成されたことを特徴とする。
【0008】
ボディ部は、センターサイドメンバを覆うように、センタークロスメンバが連結された部位まで延設され、センターサイドメンバとリアサイドメンバに装着された状態でセンタークロスメンバを包み込む支持溝が形成されたことを特徴とする。
【0009】
ボディ部には、車体の内側に突出して内部空間を持つように且つ突出面が開放されるように補強部が形成され、補強部には、内部空間を横切る支持リブが形成されたことを特徴とする。
【0010】
補強部は、車体の内側に突出してセンターフロア、リアフロア、キックアップメンバの一部を覆うように延設されたことを特徴とする。
【0011】
支持リブは、補強部の形状に沿って前後方向に延びたメインリブと、メインリブから上下方向に延びて内部空間の内側面に結合される補助リブと、から構成されたことを特徴とする。
【0012】
装着部は、上端が平面を持つ多角形に形成され、センタークロスメンバの高さと同じ高さを有することを特徴とする。
【0013】
センタークロスメンバには、シートレールが装着される装着用ホールが形成され、装着部には、装着用ホールの一直線上に配置される固定用ホールが形成され、いずれか一つのシートレールが装着用ホールと固定用ホールを介して装着されることを特徴とする。
【0014】
センター補強メンバは、センタークロスメンバとキックアップメンバとの間のトンネルメンバを覆うように且つキックアップメンバの傾斜面に接触するように形成された蓋部と、蓋部から両側のセンターサイドメンバに延び、センターフロアに接触する結合部と、から構成されたことを特徴とする。
【0015】
蓋部には、下端部が外側に折り曲げられてセンターフロアに接する下端接触部が形成されたことを特徴とする。
【0016】
蓋部には、後端部が外側に折り曲げられてキックアップメンバの傾斜面に接する後端接触部が形成されたことを特徴とする。
【0017】
結合部は、内部空間を持つように形成され、内部空間を横切って延びた補強リブが形成されたことを特徴とする。
【0018】
結合部は、上面が平面を持つように形成され、センタークロスメンバの高さと同じ高さを有することを特徴とする。
【0019】
センタークロスメンバには、シートレールが装着される装着用ホールが形成され、結合部には、装着用ホールの一直線上に配置される結合用ホールが形成され、他の一つのシートレールが装着用ホールと結合用ホールを介して装着されることを特徴とする。
【0020】
センターフロアには、サイド補強メンバ及びセンター補強メンバが接する面が平面を持つように形成されたことを特徴とする。
【0021】
サイド補強メンバとセンター補強メンバはアルミニウム材質からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
上述したような構造を持つ車両の車体フロアは、サイド補強メンバ及びセンター補強メンバを介して、センターフロア及びリアフロアとトンネルメンバの周辺部の剛性が確保され、センターフロアとリアフロアがシートレールの設置構造を提供することにより、構造が単純化され、部品点数の減少及び製造コストの削減が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る車両の車体フロアを示す図である。
図2図1の車両の車体フロアによるサイド補強メンバを説明する図である。
図3図1の車両の車体フロアによるサイド補強メンバを説明する図である。
図4図1の車両の車体フロアによるセンター補強メンバを説明する図である。
図5図1の車両の車体フロアによるセンター補強メンバを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る車両の車体フロアについて説明する。
【実施例
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係る車両の車体フロアを示す図、図2及び図3図1に示す車両の車体フロアによるサイド補強メンバを説明する図、図4及び図5図1に示す車両の車体フロアによるセンター補強メンバを説明する図である。
本発明は、シートが装着されるシートレールRを有する車両の車体フロアに関するものであり、車体フロアは、フロントフロア、センターフロア、リアフロアに区分できる。ここで、シートレールRの場合は、後席に該当するシートレールであって、シートが安定的に装着されるように一対で図示した。このようなシートレールは、通常、一対からなるが、一対以上の複数から構成できる。後述するサイド補強メンバ及びセンター補強メンバは、車体内への設置位置を変更して適用可能である。
【0026】
本発明に係る車両の車体フロアは、図1に示すように、両側に設けられたセンターサイドメンバ11と、センターサイドメンバ11同士の間に設けられ、前後方向に延びたトンネルメンバ12と、センターサイドメンバ11とトンネルメンバ12とが連結されるように延び、一対のシートレールRが装着されるセンタークロスメンバ13とからなるセンターフロア10と、センターフロア10の後方に配置され、両側のセンターサイドメンバ11に連結されるリアサイドメンバ21が備えられ、トンネルメンバ12が連結されるリアフロア20と、センターサイドメンバ11と一緒にリアサイドメンバ21を覆うように装着され、センタークロスメンバ13とリアフロア20との間に延びるように形成され、センタークロスメンバ13と一緒にいずれか一つのシートレールR1が装着されるサイド補強メンバ30と、センタークロスメンバ13とリアフロア20との間でトンネルメンバ12を覆うように装着され、サイド補強メンバ30側に延びるように形成され、センタークロスメンバ13と一緒に他の一つのシートレールR2が装着されるセンター補強メンバ40と、を含んで構成される。
【0027】
すなわち、本発明の車体フロアアセンブリは、センターフロア10とリアフロア20が構成され、センターフロア10の前方には、フロントフロア(図示せず)が備えられる。ここで、センターフロア10は、両側にセンターサイドメンバ11が備えられ、センターサイドメンバ11同士の間に、中央側に車体の長さ方向である前後方向にマフラーパイプが通過するトンネルメンバ12が備えられる。また、センターフロア10は、トンネルメンバ12を中心に両側のセンターサイドメンバ11に向かって延びたセンタークロスメンバ13が備えられることにより、センターサイドメンバ11とトンネルメンバ12がセンタークロスメンバ13によって連結されることにより、全体剛性が確保される。
【0028】
一方、センターフロア10の後方にリアフロア20が設けられ、リアフロア20は、センターサイドメンバ11に連結されるリアサイドメンバ21を備える。このようなセンターフロア10とリアフロア20とは互いにに結合されて一体に構成でき、それぞれ備えられたメンバによって剛性が確保される。
特に、本発明では、センターフロア10とリアフロア20の剛性を確保するためのサイド補強メンバ30及びセンター補強メンバ40が備えられる。このようなサイド補強メンバ30とセンター補強メンバ40はアルミニウム材質からなり、強度が確保でき、重量は減少するように構成できる。
【0029】
つまり、サイド補強メンバ30は、センターサイドメンバ11と一緒にリアサイドメンバ21を覆うように形成され、センターサイドメンバ11及びリアサイドメンバ21を覆うように装着されることにより、センターサイドメンバ11及びリアサイドメンバ21の剛性を補強する。これに加え、サイド補強メンバ30は、センタークロスメンバ13とリアフロア20との間に延びるように形成されることにより、延びた部分を介してシートレールR1が装着されるように構成される。これにより、一対のシートレールのうちいずれか一つのシートレールR1がセンタークロスメンバ13とサイド補強メンバ30に装着されて固定されることにより、シートレールRの設置構造をセンタークロスメンバ13と一緒にサイド補強メンバ30が代替して別途の構造物なしに他の一つのシートレールR1の設置が可能である。
【0030】
一方、トンネルメンバ12には、センタークロスメンバ13とリアフロア20との間を覆うようにセンター補強メンバ40が装着される。このようなセンター補強メンバ40は、サイド補強メンバ30側に延びるように形成されることにより、トンネルメンバ12の剛性を補強するとともに、延びた部分を介して他の一つのシートレールR2が装着されるように構成される。これにより、一対のシートレールRのうち他の一つのシートレールR2がセンタークロスメンバ13とセンター補強メンバ40に装着されて固定されることにより、シートレールの設置構造をセンタークロスメンバ13と一緒にセンター補強メンバ40が代替して別途の構造物なしに他の一つのシートレールR2の設置が可能である。
【0031】
このように、一対のシートレールRは、センタークロスメンバ13に装着された状態で、サイド補強メンバ30とセンター補強メンバ40にそれぞれ固定されることにより、一対のシートレールRが車体フロアに別途の構造物なしに設置できる。また、サイド補強メンバ30が各サイドメンバの剛性を補強し、センター補強メンバ40が、トンネルメンバ12を含む中央部の剛性を補強することにより、剛性が確保されて耐久性が向上する。
【0032】
一方、図1に示すように、センターフロア10とリアフロア20はキックアップメンバ50によって連結され、キックアップメンバ50はセンターフロア10の後端部から後方に傾くように延びてリアフロア20に連結されることにより、センターフロア10とリアフロア20に高さ差が生じることができる。
このようなキックアップメンバ50は、センターフロア10とリアフロア20との間に設けられ、傾斜を持つように形成されることにより、車両衝突の際にセンターフロア10、キックアップメンバ50、リアフロア20が衝突を吸収するように構成される。また、センターフロア10とリアフロア20は、傾斜を持つキックアップメンバ50によって連結され、センターフロア10とリアフロア20に高さ差が生じることにより、高さ差によって、リアフロア20に燃料タンクが装着できる空間を確保することができる。
【0033】
一方、図1乃至図3に示すように、サイド補強メンバ30は、センターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21を覆うように前後方向に延びたボディ部31と、ボディ部31からセンタークロスメンバ13とキックアップメンバ50との間に延び、いずれか一つのシートレールR1が装着される装着部32とから構成できる。
このように、サイド補強メンバ30はボディ部31と装着部32で構成される。ボディ部31は、前後方向に延設され、センターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21を覆うように形成される。
このようなボディ部31には、センタークロスメンバ13とキックアップメンバ50との間に延びる装着部32が備えられる。装着部32は、シートレールRが装着されなければならないので、上部が平面を持つ多角形に形成され、センタークロスメンバ13の高さと同じ高さを有するように形成される。これにより、装着部32は、センタークロスメンバ13と同じ形状に形成でき、同じ高さを有するように形成されていずれか一つのシートレールR1が安定的に装着されて固定できる。
【0034】
詳しくは、図1乃至図3に示すように、ボディ部31は、センターサイドメンバ11を覆うように、センタークロスメンバ13が連結された部位まで延設され、センターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21に装着された状態でセンタークロスメンバ13を包み込む支持溝311が形成できる。
もちろん、ボディ部31は、センターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21の両方を覆うように延設できるが、ボディ部31が過度に延びる場合、剛性が低下することがあり、製造コストが上昇する。これにより、ボディ部31は、リアサイドメンバ21とセンターサイドメンバ11を覆うように、センターサイドメンバ11からセンタークロスメンバ13が装着された部位まで延設されることにより、リアサイドメンバ21及びセンターサイドメンバ11と一緒にセンターサイドメンバ11に連結されるセンタークロスメンバ13の連結部分の剛性が確保される。
【0035】
このため、ボディ部31には、センタークロスメンバ13を包み込む支持溝311が形成されることにより、ボディ部31がセンターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21に装着されるときに、センターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21を包み込むとともに支持溝311にセンタークロスメンバ13が挿入されて包まれることにより、センターサイドメンバ11、リアサイドメンバ21、センタークロスメンバ13の連結部分の剛性が確保される。
【0036】
一方、図3に示すように、ボディ部31には、車体の内側に突出して内部空間を持つように且つ突出面が開放されるように補強部312が形成され、補強部312には、内部空間を横切る支持リブ313が形成され得る。
すなわち、ボディ部31から車体の内側に突出する補強部312は、内部空間を持つように形成され、内部空間に支持リブ313が形成されることにより、ボディ部31の全体剛性が確保される。このような補強部312は、車体の内側に突出するが、センターフロア10、キックアップメンバ50、リアフロア20の形状に対応して形成され、センターフロア10、リアフロア20、キックアップメンバ50の一部を覆うように形成される。
【0037】
これにより、ボディ部31がセンターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21に装着されるときに、補強部312がセンターフロア10、キックアップメンバ50、リアフロア20に接することができる。また、補強部312は、車体の内側に突出し、車体の内側を向く突出面が開放されるように形成されることにより、補強部312の内部空間に支持リブ313が上下方向の荷重を支持するように内部空間に満たされる。
このような支持リブ313は、補強部312の形状に沿って前後方向に延びたメインリブ313aと、メインリブ313aから上下方向に延びて補強部の内側面に結合される補助リブ313bとから構成できる。
【0038】
図3に示すように、支持リブ313は、メインリブ313aと補助リブ313bから構成され、メインリブ313aが補強部312の形状に沿って前後方向に延びて補強部312の前端と後端に連結され、メインリブ313aを中心として複数の補助リブ313bが上下方向に延びることにより、補助リブ313bが内部空間に満たされて補強部312の剛性が確保される。このようなメインリブ313aと補助リブ313bは、内部空間の面積に応じて、剛性が弱い部分の剛性が補強されるように放射される形状または多数の分岐に分岐するように形成できる。
このように、ボディ部31は、補強部312が備えられ、補強部312の内部空間に支持リブ313が形成されることにより、支持リブ313によって補強部312の剛性が増大されることによりボディ部31全体の剛性が確保される。これにより、ボディ部31が装着されるセンターサイドメンバ11とリアサイドメンバ21の剛性が確保される。
【0039】
一方、図1に示すように、センタークロスメンバ13にはシートレールRが装着される装着用ホールH1が形成され、装着部32には装着用ホールH1の一直線上に配置される固定用ホールH2が形成されることにより、いずれか一つのシートレールR1が装着用ホールH1と固定用ホールH2を介して装着できる。
このように、センタークロスメンバ13には装着用ホールH1が形成され、サイド補強メンバ30には固定用ホールH2が形成され、装着用ホールH1と固定用ホールH2は、車両の前後方向に一直線上に配置されることにより、一対のシートレールRのうちいずれか一つのシートレールR1が装着用ホールH1と固定用ホールH2を介して設置できる。ここで、シートレールRの場合は、締結ボルトBがシートレールRを貫通して装着用ホールH1と固定用ホールH2に締結されることにより、いずれか一つのシートレールR1がセンタークロスメンバ13とサイド補強メンバ30に固定できる。
このように、いずれか一つのシートレールR1は、センタークロスメンバ13、センターサイドメンバ11及びリアサイドメンバ21の剛性を補強するサイド補強メンバ30の装着部32に装着されて固定されることにより、別途のいずれか一つのシートレールR1を設置するための構造物が不要であるので、構造が単純化され、製造コストが低減する。
【0040】
一方、図1図4及び図5に示すように、センター補強メンバ40は、センタークロスメンバ13とキックアップメンバ50との間のトンネルメンバ12を覆うように形成されるが、キックアップメンバ50の傾斜面に接触するように形成された蓋部41と、蓋部41から両側のセンターサイドメンバ11に延び、センターフロア10に接触する結合部42とから構成できる。
このように、センター補強メンバ40は、蓋部41と結合部42から構成される。蓋部41は、トンネルメンバ12を覆うように形成されることにより、トンネルメンバ12が通過するように前方部と後方部に開通しているカバーの形で形成できる。また、蓋部41は、前端部がセンタークロスメンバ13に接触し、後端部がキックアップメンバ50の傾斜面に接触するように構成されることにより、蓋部41の位置が安定的に固定できる。
【0041】
このような蓋部41には、両側のセンターサイドメンバ11に延び、センターフロア10に接する結合部42が形成される。ここで、結合部42は、他の一つのシートレールR2が装着されなければならないので、センタークロスメンバ13と同じ形状に形成でき、上面が平面を持つように形成され、センタークロスメンバ13の高さと同じ高さを持つことができる。これにより、他の一つのシートレールR2がセンタークロスメンバ13とセンター補強メンバ40との結合部42に安定的に装着されて固定できる。
【0042】
一方、図4及び図5に示すように、蓋部41には、下端部が外側に折り曲げられてセンターフロア10に接する下端接触部411が形成できる。つまり、蓋部41の下端部が外側に折り曲げられて下端接触部411を形成することにより、蓋部41の下端部は断面を持つように形成される。これにより、蓋部41がトンネルメンバ12に装着されるとき、蓋部41の下端部に形成された下端接触部411がセンターフロア10に面接触することにより、蓋部41がセンターフロア10に安定的に支持できる。
また、蓋部41には、後端部が外側に折り曲げられてキックアップメンバ50の傾斜面に接する後端接触部412が形成されることにより、後端接触部412を介してキックアップメンバ50に面接触して安定的に支持できる。
このように、蓋部41の下端部には下端接触部411が形成され、蓋部の後端部には後端接触部412が形成されることにより、蓋部41がトンネルメンバ12に装着されるとき、蓋部41の前端部がセンタークロスメンバ13に接触した状態で、下端接触部411と後端接触部412がそれぞれセンターフロア10とキックアップメンバ50に接することにより、蓋部41の位置が安定的に固定できる。
【0043】
一方、図5に示すように、結合部42は、内部空間を持つように形成され、内部空間を横切って延びた補強リブ421が形成できる。
すなわち、結合部42は、内部空間を持つように形成される。内部空間に補強リブ421が形成されることにより、結合部42と一緒にセンター補強メンバ40の剛性が確保される。このような結合部42は、内部空間を持つが、下端部が開放されるように形成されてセンターフロア10を覆うように装着され、補強リブ421が内部空間を満たすように形成されて結合部42の剛性が確保される。
特に、センター補強メンバ40がトンネルメンバ12に装着された状態で、結合部42の内部空間に設けられた補強リブ421がセンターフロア10に接触するように形成されることにより、結合部42の剛性を確保するとともに、センターフロア10から発生する水分が結合部42の内部に流入してシートレールRの装着部分に到達しないように遮断することができる。
【0044】
一方、図1に示すように、センタークロスメンバ13には、シートレールRが装着される装着用ホールH1が形成され、結合部42には、装着用ホールH1の一直線上に配置される結合用ホールH3が形成されることにより、他の一つのシートレールR2が装着用ホールH1と結合用ホールH3を介して装着できる。
このように、センタークロスメンバ13には装着用ホールH1が形成され、センター補強メンバ40の結合部42には結合用ホールH3が形成され、装着用ホールH1と結合用ホールH3は車両の前後方向に一直線上に配置されることにより、一対のシートレールRのうち他の一つのシートレールR2が装着用ホールH1と結合用ホールH3を介して固定できる。ここで、シートレールRは、締結ボルトBが他の一つのシートレールR2を貫通して装着用ホールH1と結合用ホールH3に締結されることにより、センタークロスメンバ13とセンター補強メンバ40に固定できる。
【0045】
このように、他の一つのシートレールR2は、センタークロスメンバ13と一緒に、トンネルメンバ12の剛性を補強するセンター補強メンバ40に装着されて固定されることにより、別途のシートレールRを設置するための構造物が不要であるので、構造が単純化され、製造コストが低減する。
上述したような構造を持つ車両の車体フロアは、サイド補強メンバ30及びセンター補強メンバ40を介して、センターフロア及びリアフロアとトンネルメンバ12の周辺部の剛性が確保され、センターフロアとリアフロアがシートレールRの設置構造を提供することにより、構造が単純化され、部品数の減少及び製造コストの削減が実現される。
【0046】
本発明を実施例で説明したが、技術的思想を逸脱しない範囲で、多様な改良及び変化を加えることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 センターフロア
11 センターサイドメンバ
12 トンネルメンバ
13 センタークロスメンバ
20 リアフロア
21 リアサイドメンバ
30 サイド補強メンバ
31 ボディ部
311 支持溝
312 補強部
313 支持リブ
313a メインリブ
313b 補助リブ
32 装着部
40 センター補強メンバ
41 蓋部
411 下端接触部
412 後端接触部
42 結合部
421 補強リブ
50 キックアップメンバ
図1
図2
図3
図4
図5