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特許7125356超音波CT装置、画像処理装置、および、画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】超音波CT装置、画像処理装置、および、画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/15 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A61B8/15
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019004581
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020110431
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】特許業務法人 山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪田 悠史
(72)【発明者】
【氏名】川畑 健一
(72)【発明者】
【氏名】寺田 崇秀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】武 文晶
(72)【発明者】
【氏名】山中 一宏
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183438(JP,A)
【文献】国際公開第2012/043569(WO,A1)
【文献】特開2018-029653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に対して送信角度を変えながら超音波を複数回送信し、前記送信ごとに前記被写体を透過した超音波を受信する超音波素子列と、
前記超音波素子列を構成する超音波素子が前記受信によりそれぞれ得た受信信号を、前記被写体を配置せずに前記超音波素子列によって超音波を送受信して前記超音波素子によりそれぞれ得た受信信号と比較することにより、その受信信号の信頼度を示す値を超音波素子ごとに求める信頼度算出部と、
前記信頼度算出部が算出した前記受信ごとの前記各超音波素子の受信信号の前記信頼度を示す値に基づいて画像再構成をすることにより、前記被写体の断面における前記信頼度の分布を示す信頼度マップを生成する信頼度マップ生成部と、
前記受信信号を補正する補正部と、
断層画像生成部とを有し、
前記補正部は、前記超音波素子列のある超音波素子を補正の起点として、隣接する超音波素子の受信信号の到達時間の差が、超音波の中心周期の半周期以内に収まるように、前記受信信号の到達時間に対して中心周期の整数倍を加減する補正を行った後、前記超音波素子の受信信号を、前記信頼度の値によって補正し、
前記断層画像生成部は、前記補正部による補正後の受信信号を用いて前記被写体の物性値の分布を示す断層画像を生成する
ことを特徴とする超音波CT装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波CT装置であって、
前記信頼度算出部は、
前記受信信号が示す、前記被写体を透過した超音波の前記超音波素子への到達時間と、前記被写体を配置せずに超音波を送受信して得た到達時間との差(到達時間差)が、所定の到達時間差よりも小さい場合、前記所定の到達時間差より大きい場合よりも、大きな信頼度を設定する条件、および、
前記超音波素子の受信信号の信号強度と、前記被写体を配置せずに超音波を送受信して得た信号強度との比(減衰率)が、所定の減衰量より小さい場合、前記所定の減衰量よりも大きい場合よりも、大きな信頼度を設定する条件、
の少なくとも一方にしたがって、前記信頼度の値を算出することを特徴とする超音波CT装置。
【請求項3】
請求項1に記載の超音波CT装置であって、
前記信頼度算出部は、対象の前記超音波素子の受信信号の前記信頼度の値に、対象の前記超音波素子と周囲の前記超音波素子との距離が近いほど大きな値となる重みを乗じて加算することを特徴とする超音波CT装置。
【請求項4】
請求項1に記載の超音波CT装置であって、前記信頼度マップ生成部は、前記受信ごとの前記各超音波素子の受信信号の前記信頼度を示す値を、前記超音波素子の配列方向および前記超音波の前記送信角度方向について並べることによりサイノグラムを生成し、前記サイノグラムを逆投影することにより、前記信頼度マップを生成することを特徴とする超音波CT装置。
【請求項5】
被写体に対して送信角度を変えながら超音波を複数回送信し、前記送信ごとに前記被写体を透過した超音波を超音波素子列で受信した受信信号を受け取って、前記被写体を配置せずに前記超音波素子列によって超音波を送受信して前記超音波素子によりそれぞれ得た受信信号と比較することにより、その受信信号の信頼度を示す値を超音波素子ごとに求める信頼度算出部と、
前記信頼度算出部が算出した前記受信ごとの前記各超音波素子の受信信号の前記信頼度を示す値に基づいて画像再構成をすることにより、前記被写体の断面における前記信頼度の分布を示す信頼度マップを生成する信頼度マップ生成部と
前記受信信号を補正する補正部と、
断層画像生成部とを有し、
前記補正部は、前記超音波素子列のある超音波素子を補正の起点として、隣接する超音波素子の受信信号の到達時間の差が、超音波の中心周期の半周期以内に収まるように、前記受信信号の到達時間に対して中心周期の整数倍を加減する補正を行った後、前記超音波素子の受信信号を、前記信頼度の値によって補正し、
前記断層画像生成部は、前記補正部による補正後の受信信号を用いて前記被写体の物性値の分布を示す断層画像を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
被写体に対して送信角度を変えながら超音波を複数回送信して前記送信ごとに前記被写体を透過した超音波を超音波素子列で受信した受信信号を受け取る手段、
受け取った前記受信信号を、前記被写体を配置せずに前記超音波素子列によって超音波を送受信して前記超音波素子によりそれぞれ得た受信信号と比較することにより、その受信信号の信頼度を示す値を超音波素子ごとに求める信頼度算出手段、
前記信頼度算出部が算出した前記受信ごとの前記各超音波素子の受信信号の前記信頼度を示す値に基づいて画像再構成をすることにより、前記被写体の断面における前記信頼度の分布を示す信頼度マップを生成する信頼度マップ生成手段、
前記受信信号を補正する補正手段、
断層画像生成手段、
として機能させるための画像処理プログラムであって、
前記補正手段は、前記超音波素子列のある超音波素子を補正の起点として、隣接する超音波素子の受信信号の到達時間の差が、超音波の中心周期の半周期以内に収まるように、前記受信信号の到達時間に対して中心周期の整数倍を加減する補正を行った後、前記超音波素子の受信信号を、前記信頼度の値によって補正し、
前記断層画像生成手段は、前記補正手段による補正後の受信信号を用いて前記被写体の物性値の分布を示す断層画像を生成する
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波CT(Computed Tomography)装置は、媒質中の被写体へ、複数の方向から超音波を照射し、被写体を透過した超音波を受信することにより受信信号を得て、受信信号から被写体内部の物性値(音速や減衰率)の分布を示す断層画像を生成する装置である。超音波は、圧電素子等の超音波素子を用いて発生する。超音波素子は、リングアレイ状に並べられ、被写体は、リングアレイ状の超音波素子の開口内に挿入されて撮影される。
【0003】
特許文献1には、超音波CTの基本構成と画像化技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表平08-508925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波CT装置において、被写体内の音速分布の画像を再構成するためには、被写体を透過した超音波が各超音波素子へ到達する時間を受信信号によって計測する必要がある。しかしながら、被写体によって超音波信号が大幅に減弱した場合や、超音波信号がノイズと干渉した場合や、超音波を受信する超音波素子の感度低下が生じた場合等には、一部の超音波素子の受信信号から到達時間の推定(計測)が困難となることがある。到達時間の計測が困難な受信信号が一部に含まれると、再構成した音速画像に偽像が生じる原因となる。
【0006】
本発明の目的は、受信信号に到達時間の計測が困難なデータが含まれる場合、その受信信号が、再構成画像に寄与している領域を表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の超音波CT装置は、被写体に対して送信角度を変えながら超音波を複数回送信し、送信ごとに被写体を透過した超音波を受信する超音波素子列と、超音波素子列を構成する超音波素子の受信信号を、被写体を配置せずに超音波素子列によって超音波を送受信して得た受信信号と比較することにより、その受信信号の信頼度を示す値を超音波素子ごとに求める信頼度算出部と、信頼度算出部が算出した受信ごとの各超音波素子の受信信号の信頼度を示す値に基づいて画像再構成をすることにより、被写体の断面における信頼度の分布を示す信頼度マップを生成する信頼度マップ生成部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受信信号の信頼度を求め、被写体の断面における信頼度の分布を信頼度マップとして示すことができるため、信頼度の低い受信信号が再構成画像に寄与している領域をユーザは把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態における超音波CT装置のサジタル断面の概略の構造を示すブロック図。
図2】実施形態のリング状の超音波素子列(リングアレイ)のコロナル断面の概略の構造を示す図。
図3】実施形態の信号処理部7の機能ブロック図。
図4】実施形態の超音波CT装置の動作を示すフローチャート。
図5】信頼度のサイノグラムの一例を示す図。
図6】(a-1)低信頼度の受信信号から生成した音速画像例、(a-2)低信頼度の受信信号を補正した後生成した音速画像例、(a-3)低信頼度の受信信号の信頼度マップ例、(b-1)中程度の信頼度の受信信号から生成した音速画像例、(b-2)中程度の信頼度の受信信号を補正した後生成した音速画像例、(b-3)中程度の信頼度の受信信号の信頼度マップ例。
図7】実施形態の超音波CT装置が表示する画面例。
図8】(a)および(b)信頼度マップの信頼度の合計が閾値以下等の場合に表示するユーザインターフェース画面例。
図9】(a)実施形態の超音波CT装置において、到達時間推定部70が求めた到達時間差の一例を示す図、(b)~(d)起点とする超音波素子から順次、連続化処理を施した到達時間差を示す図、(e)加重平均後の到達時間差を示す図。
図10】(a)実施形態の超音波CT装置において、到達時間推定部70が求めた到達時間差の一例であって、不連続個所の時間差が大きい例を示す図、(b)~(d)起点とする超音波素子から順次連続化処理を施した到達時間差を示す図、(e)加重平均後の到達時間差を示す図。
図11】(a)および(b)は、図9(b)~(d)の連続化処理を示す説明図。
図12】(a)一般的な透過波の到達時間を示すグラフ、(b)本実施形態の連続化処理後の到達時間を示すグラフ。
図13】送信した超音波の周期を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態の超音波CT装置について説明する。
【0011】
超音波CT装置は、被写体へ、複数の方向から超音波を照射し、被写体を透過した信号から被写体のある断面における物性値(音速や減衰率)の分布を示す物性値画像を生成する。超音波CT装置は、マンモグラフィと異なり放射線被曝がないため、より若年層に適用可能な乳癌検診装置として期待されている。以下では本発明を乳癌検診装置に利用する形態を述べるが、撮影対象は特に限定されない。
【0012】
まず、本実施形態の超音波CT装置の概要について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の超音波CT装置の概要を示すブロック図である。
【0013】
図1のように、本実施形態の超音波CT装置は、超音波素子列3と、信頼度算出部71と、信頼度マップ生成部72とを備えている。
【0014】
超音波素子列3は、図2に示すように、複数の超音波素子を配列した構成であり、一例としてはリング状である。超音波素子列3は、被写体1に対して1以上の超音波素子から超音波(入射波)を送信し、送信ごとに被写体1を透過した超音波(透過波)を複数の超音波素子によって受信することにより、受信信号をそれぞれ得る。この送受信を、入射波の送信角度を変えながら複数回繰り返す。
【0015】
信頼度算出部71は、被写体1を配置して超音波素子列3から超音波を送受信して得た超音波素子の受信信号を、被写体1を配置せずに超音波を送受信して得た受信信号と比較する。これにより、その受信信号の信頼度を示す値を超音波素子ごとに求める。
【0016】
信頼度マップ生成部72は、信頼度算出部が算出した受信ごとの各超音波素子の受信信号の信頼度を示す値に基づいて画像再構成を行う。これにより、被写体の断面における信頼度の分布を示す信頼度マップ(信頼度画像)を生成する。この信頼度マップの画素値(信頼度)が小さい領域は、信頼度の低い受信信号が寄与している領域、すなわち、信頼度の低いと判断された受信信号として受信された透過波が通過した被写体の断面の領域を示している。よって、ユーザは、信頼度マップを見ることにより、信頼度の低い領域を把握することができる。例えば、信頼度マップを、別途生成した物性値分布画像と見比べることにより、物性値分布画像における信頼度の低い領域(偽像が存在する領域等)を把握することができる。以下、詳しく説明する。
【0017】
さらに詳しく本実施形態の超音波CT装置について説明する。超音波CT装置被写体1を乗せるベッド2が備えられ、ヘッド2には、胸部を挿入する開口2aが設けられている。開口2aの下部には、円柱状の水槽4が配置されている。その内部には、図2に示したようなリング状の超音波素子列(以下、リングアレイとも呼ぶ)3が、水槽4の軸方向に平行移動可能に備えられている。リングアレイ3は、超音波送受信器として機能する圧電素子等の超音波素子を円状に複数配置した構成である。水槽4には、温水が満たされている。水槽4には予備タンク5が接続されている。予備タンク5は、水槽4の温水を浄化、過熱、脱気する機能を備えている。
【0018】
リングアレイ3および予備タンク5には、制御部6および信号処理部7が接続されている。信号処理部7は、図3にその機能ブロック図を示したように、到達時間推定部70、信頼度算出部71、信頼度マップ生成部72、補正部73、および、断層画像生成部74が備えられている。これらの各部の動作については後で詳しく説明する。信号処理部7には、入出力部9と記憶部8が接続されている。
【0019】
信号処理部7は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーと、メモリとを備えたコンピュータ等によって構成され、CPUが、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、信号処理部7の各部の機能をソフトウエアにより実現する。なお、信号処理部7は、その一部または全部をハードウエアによって実現することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて信号処理部7を構成し、信号処理部7の各部の機能を実現するように回路設計を行えばよい。
【0020】
超音波CT装置の撮影条件は、ユーザにより、入出力部9のタッチパネルやキーボード等を通して設定される。設定された条件等は、記憶部8のメモリやハードディスクドライブ等に保存される。これらの条件を基に、信号処理部7のCPU(Central Processing Unit)等で処理された制御信号が、制御部6内に配置されている各種コントローラーに送られる。コントローラーは、リングアレイ3の各超音波素子による超音波信号の送受信やスイッチング、リングアレイ3の上下動の制御、予備タンク5による水圧制御や温水の温度制御などを行う。リングアレイ3の各超音波素子の受信信号は、記憶部8に記録されると共に、信号処理部7で信頼度算出や画像再構成等の信号処理演算が実行される。再構成された被写体1の断層画像や信頼度マップ等の情報は、入出力部9のモニタ等に表示される。制御部6と信号処理部7と記憶部8は、ベッド2の下部の空間に収めることもできる。
【0021】
<超音波CT装置の具体的構成>
以下、超音波CT装置の具体的構成と動作の一例を示す。リングアレイ3の各超音波素子から照射する超音波の中心周波数を1.5MHzとすると、水中での超音波の波長は約1mmである。超音波素子(圧電素子)のピッチを0.5mmとすると、超音波素子2048チャネルで、直径326mmのリングアレイ3が構成される。制御部6は、リングアレイ3の512チャネルの超音波素子を駆動し、位相を揃えた平面波の超音波を照射した後、同じ512チャンネルの超音波素子により反射波を受信し、送信した超音波素子と対向する位置のある512チャネルの超音波素子により透過波を受信する。これによって撮影視野(Field of View:FOV)を直径230mmの円形に確保することができる。制御部6リングアレイ3上で駆動する512チャネルの超音波素子を4チャネルずつずらして、平面波を照射し、反射波および透過波を受信することを繰り返すことで、被写体1の周囲360度からの透過波及び反射波の信号を、0.7度ずつ角度がずれた512ビューについて得ることができる。超音波素子の水槽4の軸方向の厚みを10mmとすると、水槽4の軸方向に5mmピッチでリングアレイ3を変位させて、上述の超音波送受信を繰り返すことにより、200mmの変位で40スライスのデータが得られる。上記手順を、被写体1を挿入した状態と、挿入していない状態とに対して行い、得られた受信信号(透過波信号および反射波信号)に基づいて、スライスごとに画像再構成することにより、被写体1の乳房の三次元情報が得られる。
【0022】
<超音波CT装置の動作>
以下、超音波CT装置が、透過波の受信信号から被写体1の断層画像(物性値画像)および信頼度マップを再構成する際の各部の動作を、図4のフローを用いて説明する。具体的には、断層画像として、被写体の断面における音速と減衰率の分布をそれぞれ示す音速画像と減衰率画像を再構成する。
【0023】
まず、制御部6は、被写体1を配置した状態で、リングアレイ3の複数の超音波素子から超音波(平面波)を上述のように送信させ、対向する位置にある複数の超音波素子により、透過波信号を計測(受信)させる(ステップ1001)。これをあらかじめ定めたビューごとに繰り返す。
【0024】
つぎに、信号処理部7の到達時間推定部70は、超音波素子ごとに計測された透過波の受信信号(受信信号)について、時間方向にヒルベルト変換(包絡線検波)を実施し、受信信号のピーク位置の超音波素子への到達時間と、ピーク位置の信号強度を求める(ステップ1002)。
【0025】
到達時間推定部70は、到達時間および信号強度を、予め求めておいた被写体1を挿入せずに計測した到達時間および信号強度と比較することにより、被写体1の挿入前後の到達時間差t及び信号強度比(減衰率)αを算出する(ステップ1003)。これを、ビュー(投影角度)ごと、受信素子(チャネル)ごとに行う。到達時間推定部70は、得られた到達時間差tをビュー(投影角度)番号および受信素子(チャネル)番号を2軸とする2次元平面に配列することにより、到達時間差tのサイノグラムを得る。同様に、得られた信号強度比αを配列することにより、信号強度比αのサイノグラムを得る。到達時間推定部70は、これら2種類のサイノグラムをスライス毎に得る。
【0026】
つぎに、信頼度算出部71は、超音波素子が受信した受信信号の信頼度を示す値Wを、投影角度ごと、受信素子ごとに算出する(ステップ1004)。受信信号の信頼度を示す値W(以下、信頼度Wとも呼ぶ)の算出方法については、後で詳しく説明する。また、信頼度算出部71は、信頼度Wを、ビュー(投影角度)番号および受信素子(チャネル)番号を2軸とする2次元平面に配列することにより、信頼度Wのサイノグラムを図5のように得る。
【0027】
補正部73は、信頼度算出部71が求めた信頼度W等を用いて、到達時間差tのサイノグラムの到達時間差tおよび信号強度比αのサイノグラムの信号強度比αを補正する(ステップ1005)。補正方法については、後で詳しく説明する。
【0028】
断層画像生成部74は、補正後の到達時間差tのサイノグラムおよび信号強度比αのサイノグラムをそれぞれ、X線CT装置の分野で広く利用されているフィルタ補正逆投影法(Filtered Back Projection、FBP)や逐次近似再構成法等により再構成する。これにより、到達時間差tのサイノグラムからは、図6(a-2)、(b-2)のような被写体内の音速分布を示す音速画像が生成され、信号強度比αのサイノグラムからは、減衰率分布を示す減衰率画像が生成される(ステップ1006)。なお、音速と等価な物理量である屈折率や遅さ(音速の逆数)についても同様に画像化が可能である。生成された音速画像や減衰率画像は、信頼度Wを用いて補正された到達時間差tや信号強度比αのサイノグラムから再構成されているため、補正を行わずに再構成した場合に得られる図6(a-1)、(b-1)のような音速画像と比較して、線状の偽像や被写体領域における画素値の飽和等を抑制することができる。
【0029】
また、信頼度マップ生成部72は、図5の信頼度Wのサイノグラムをフィルタ補正逆投影法(Filtered Back Projection、FBP)や逐次近似再構成法等により再構成することにより、受信信号の信頼度分布を示す信頼度マップを図6(a-3)、(b-3)のように生成する(ステップ1006)。
【0030】
断層画像生成部74と信頼度マップ生成部72は、生成した音速画像、減衰率画像、および、信頼度マップを入出力部9に表示する(ステップ1007)。例えば、図7の画面例のように、物性値画像(音速画像および/または減衰率画像)と、信頼度マップとを並べて入出力部9の表示部に表示することができる。信頼度マップは、各受信信号の信頼度を示すため、ユーザは信頼度マップの各画素の示す信頼度と、その画素の位置(領域)を物性値画像とを見比べることにより、物性値画像(音速画像や減衰率画像)の信頼性が高い領域と低い領域とを把握することができる。
【0031】
<信頼度の算出と、受信信号の補正>
ここで、ステップ1004における信頼度の算出方法と、ステップ1005における到達時間差および信号強度比の補正方法について詳しく説明する。
【0032】
信頼度算出部71は、信頼度を求める対象であるi番目の超音波素子の受信信号を、被写体を配置せずに受信した受信信号と比較することにより、その受信信号の信頼度を示す値(後述のD(t)・A(αi))を求める。この信頼度を示す値に、i番目の超音波素子と周囲のj番目の超音波素子との距離が近いほど大きな値となる(重み)を掛けたものを信頼度wijとする。異なる複数のjについての信頼度wijを加算することにより、対象のi番目の超音波素子の受信信号の加算後の信頼度Wiを求める。
【0033】
具体的には、信頼度算出部71は、以下の3つの条件にしたがって信頼度Wiを算出する。
(a)ステップ1003において到達時間推定部70が算出した到達時間差tが、所定の到達時間差よりも小さい場合、所定の到達時間差より大きい場合よりも、大きな信頼度を設定する条件(関数D(t))、
(b)到達時間推定部70が算出した信号強度比(減衰率)αが、所定の減衰量より小さい場合、所定の減衰量よりも大きい場合よりも、大きな信頼度を設定する条件(関数A(α))、
(c)信頼度を算出する対象となるi番目の超音波素子と、超音波素子列3の周囲のj番目の超音波素子との距離rijが近いほど大きな値となる関数R(rij)により、上記条件(1),(2)で設定された信頼度(D(t)・A(αi))を重み付けして加算する条件、
の3つである。
【0034】
上述した信頼度Wの算出方法を数式を用いて表すと式(2)、(3)のようになる。式(1)は、信頼度Wおよび加重加算前の信頼度wijを使って、到達時間差tを補正する数式である。
【数1】
【数2】
【数3】
【0035】
すなわち、信頼度算出部71は、信頼度を求める対象の超音波素子をi番目、周囲の超音波素子をj番目とした場合、式(2)、(3)に示すように、i番目の超音波素子の到達時間差tが小さい場合大きい値となるD(t)と、減衰率αが小さい場合大きい値となるA(α)と、i番目の超音波素子とj番目の超音波素子との距離rijが小さいほど大きい値となるR(rij)との積により、加算前の信頼度wijを式(2)により求める。そして、式(3)により、jを異ならせて、信頼度wijを加算することにより、i番目の超音波素子の加重加算後の受信信号の信頼度Wを求める。例えば、信頼度算出部71は、iが2番目であり、自分を含めて周囲3つの超音波素子の重みwijを加算して、信頼度Wを求める場合
=w21+w22+w23
を式(3)により算出する。w21、w22、w23は、式(2)により、
21=D(t)・A(α)・R(r21
22=D(t)・A(α)・R(r22
23=D(t)・A(α)・R(r23
である。
【0036】
なお、加重加算する信頼度wijは、3つに限られず、超音波素子列3のすべての超音波素子の重みを加算してもよい。
【0037】
関数D(t)、A(α)、R(rij)としては、上述した条件(a),(b),(c)を満たす値を与える関数であればどのようなものでもよく、例えば、ローラン多項式や指数関数等を用いる。また、D(t)、A(α)、R(rij)は、その値が定数である場合も含む。
【0038】
上述の信頼度wijは、補正前の受信信号データから補正後の受信信号データを推定する際の、各受信信号の信頼度を表している。補正部73は、信頼度wijを用いて、対象のi番目の超音波素子の受信信号の到達時間差tと、周囲の複数のj番目の超音波素子の到達時間差tjと加重平均することにより、式(1)により、補正後の到達時間差t’を算出することができる(ステップ1005)。
【0039】
具体的には、i=2であり、自分を含めて周囲3つの超音波素子の到達時間差tjを式(1)により、加重平均する場合、補正部73は、
ti’=(w21・t+w22・t+w23・t)/W
を算出する。
【0040】
なお、加重平均する到達時間差tは、3つに限られず、超音波素子列3のすべての超音波素子の重みを加算してもよい。
【0041】
補正部73は、到達時間差tのサイノグラムを構成する到達時間差tを補正後のt’に置き換えることにより補正する。補正部73は、減衰率αについても、同様に信頼度に重み付けして加重平均することにより、補正後の減衰率α’を求め、減衰率αのサイノグラムを補正する。補正部73が、式(1)により信頼度wij,Wを用いて到達時間tや減衰率αを加重平均する補正を行うことにより、再構成される音速画像や減衰率画像を平滑化して、偽像を除去することができる。
【0042】
また、信頼度算出部71は、式(3)により算出した加算後の信頼度Wを並べたサイノグラムを生成する(ステップ1004)。信頼度マップ生成部72は、信頼度Wのサイノグラムから信頼度マップを生成する(ステップ1006)。
【0043】
この信頼度マップは、各受信信号の信頼度を示すため、ステップ1007において、信頼度マップ生成部72と断層画像生成部74は、図7のように物性値画像と並べて表示し、ユーザは信頼度マップと物性値画像とを見比べることにより、受信信号の信頼性が物性値画像(音速画像や減衰率画像)の画素に与えている影響を見積もることができる。
【0044】
また、信頼度マップ生成部72と断層画像生成部74は、信頼度マップを物性値画像と並べて表示する他に、適当な閾値でマスク処理して、もしくは適当な重みで重ねて表示することにより、ユーザの物性値画像の読影・診断を補助することができる。例えば、スライス平面(x,y)上の信頼度マップの画素値をc(x,y)とし、物性値画像(音速画像や減衰画像)の画素値をI(x,y)とした場合、断層画像生成部74は、適当な閾値cthresholdを用いて、式(4)のように信頼度の低い画素を不可視(NAN, Not a Number)とする画像処理を施すことができる。このように信頼度に応じて物性値画像を調整・強調する画像処理を行うことができる。
【0045】
I’(x,y) = I(x,y) (c(x,y) ≧ cthreshold)
= NAN (c(x,y) < cthreshold) (式4)
【0046】
また、信頼度マップ生成部72は、入出力部9を介してユーザから信頼度マップ上で関心領域の設定を受け付け、設定された関心領域内の画素あたりの平均信頼度(関心領域内の各画素の示す信頼度の平均値)を算出し、それを表示する構成としてもよい。
【0047】
また、信頼度マップ生成部72は、予め定めておいた閾値以下の信頼度を示す画素の数あるいは画素が占める面積が、予め定めた一定値以上に達した場合に、再計測をユーザに促すメッセージ、または、メンテナンスの必要性を示す警告メッセージを、入出力部9において表示する構成としても良い。この場合、警告メッセージを表示するかどうかを、ユーザが切り替えられる構成としてもよい。
【0048】
また、図4のフローでは、ステップ1005において到達時間差tおよび信号強度比αに対して毎回補正を施し、ステップ1006において補正後の音速画像および減衰率画像を生成する構成であったが、信頼度マップの各画素が示す信頼度の合計が予め定めた閾値以下の場合や、閾値以下の信頼度を示す画素の数あるいは画素が占める面積が、予め定めた一定値以上に達した場合に、信頼度マップ生成部72が、例えば図8(a)に示すようなユーザインターフェース画面を入出力部9に表示し、ステップ1005の補正部3による式(1)の平滑化補正を到達時間差tや信号強度比αに適用するかどうかの指示をユーザから受け付ける構成としてもよい。ユーザが、画面上の補正適用ボタン801を押下した場合には、ステップ1005を実施した後、ステップ1006により補正後の物性値画像(音速画像や減衰率画像)を生成し、図7の画面例のように表示する。図8(a)の画面を表示する前、または、キャンセルボタン802が押下された場合には、補正を施していない物性値画像(図6(a-1)や図6(b-1))を図7の物性値画像として表示する。このとき、信頼度マップ生成部72は、図8(b)のような画面を表示し、信頼度マップを表示するかどうかの指示をユーザから受け付ける構成としてもよい。ユーザが、画面上の信頼度マップ表示ボタン803を押下した場合、信頼度マップを表示し、キャンセルボタン804を押下した場合には、信頼度マップが生成しているが表示は行わない。
【0049】
また、補正部3による式(1)による平滑化補正後の物性値画像を表示するか、補正していない物性値画像を表示するかどうかをユーザが切り替えるボタン701を図7の画面に表示してもよい。ユーザがボタン701により平滑化補正ONを選択した場合には、断層画像生成部74は、図7のように補正後の音速画像を表示し、平滑化補正OFFを選択した場合には、補正していない音速画像を表示する。
【0050】
また、図7の画面に、信頼度マップを表示するかどうかをユーザが切り替えるボタン702を表示してもよい。ユーザがボタン702により信頼度マップの表示ONを選択した場合には、信頼度マップ生成部72は、図7のように補正後の音速画像を表示し、信頼度マップの表示OFFを選択した場合には、信頼度マップを表示しない。
【0051】
<別の平滑化処理を併用する例>
なお、上述の式(1)では、信頼度wijおよびWを用いて受信信号データ(到達時間差t、減衰率α)を平滑化する補正を、補正部73が行っているが、補正部73が別の平滑化処理を併用してもよい。例えば、補正部73は、補正前の到達時間差tに替えて、超音波素子の配列方向の移動平均後の到達時間差を用いても良い。あるいは、補正部73は、以下に説明する図9から図11に示した方法により、各超音波素子の到達時間差tを連続化処理により平滑化してもよい。
【0052】
図9図11の連続化処理による平滑化補正方法について説明する。図12は、一般的な平面波の超音波を被写体1に照射し、その透過波を超音波素子列3で受信した到達時間を示している。図12において、横軸は時間,縦軸は超音波素子(チャネル)の配列方向,濃淡は信号振幅を表している。また、図12には超音波素子が計測した波の到達タイミングを黒線で追記してある。一般には、透過波は、被写体1に急峻な構造変化があっても、急激には変化しないため、隣接する超音波素子の波の到達タイミングは、なめらかにしか変化せず、連続した線となる。しかしながら、実際に計測した到達タイミングは、図12(a)に矢印で示したように、透過波の減衰が激しく,到達タイミングが不連続になっている個所がある。このため、図12(a)中の矢印の部分で生じている、到達タイミングの不連続性は、誤計測によるものである。そこで、補正部73は、図12(b)に示すように,この不連続な部分を滑らかにつなぐように、到達タイミングに連続化処理を施す。以下、さらに説明する。
【0053】
図9(a)に、ステップ1002において到達時間推定部70が求めた到達時間差tを示す。横軸が到達時間差、縦軸がチャネル方向である。到達時間差tは、矢印の個所において、誤計測により不連続になっている。そこで、図9(b)、図11(a)に示すように、補正部73は、k番目の超音波素子を補正の起点として、隣接するk+1番目の超音波素子の到達時間差tk+1のk番目の到達時間差tkに対する差が、送信波の周期Tの±T/2に収まるように、周期Tの整数倍を到達時間差tk+1に加算または減算する。つぎに、k+2番目の超音波素子の到達時間差tk+2のk+1番目の到達時間差tk+1に対する差が、送信波の周期Tの±T/2に収まるように、周期Tの整数倍を到達時間差tk+2に加算または減算する。補正部73は、同様の処理を、k+3番目以降の超音波素子についても繰り返し、図9(b)のような到達時間差列tk+1~k+nを求める。これにより、不連続な部分をなめらかにつなぐ連続化処理を施すことができる。なお、送信波の周期Tは、図13に一例を示したように、送信した超音波の周波数帯域に含まれる任意の周波数の逆数とし、典型的には中心周波数fcの逆数とする。
【0054】
補正部73は、連続化処理後の到達時間差tk+1~k+nに式(1)の補正を適用することにより、信頼度wijおよびWiを用いて受信信号データ(到達時間差t、減衰率α)を平滑化する補正を行う。
【0055】
図9(b)の連続化処理後の具体的な到達時間差tk+1~k+nの一例を図12(b)に示す。図12(b)は、図12(a)と比較して、受信信号の大減弱により不連続になった到達時間が連続するように補正されている様子が分かる。
【0056】
また、図9(b)~(d)、図11(b)に示したように、補正部73は、起点とする超音波素子を変えて、隣接する超音波素子の到達時間差の差が、送信波の周期Tの±T/2に収まるように、周期Tの整数倍を加算または減算する補正をそれぞれ行うことにより、複数の連続化処理後の到達時間差列を求めてもよい。そして、補正部73は、図9(b)~(d)のように得られた複数の補正後の到達時間差列の対応する超音波素子の到達時間差に、起点の超音波素子からその超音波素子までの距離に応じた重みを掛けて加重平均する。このとき、重みは、起点となる超音波素子から離れるほど、値が小さくなるように設定する。このように、加重平均を求めることにより、より連続性を高めることができる。
【0057】
図10(a)に示すように、不連続になっている個所の到達時間差が、連続個所の到達時間差から大きく離れている到達時間差列を示している。このような場合、図10(b)~(d)に示すように、連続化処理後の到達時間差列は、対応する超音波素子の到達時間差が、起点とする超音波素子の位置によってばらつきが大きくなるが、加重平均を求めることにより、図10(e)のように連続性を高めることができる。補正部73は、加重平均後の到達時間差列に式(1)の補正を適用すればよい。
【0058】
このように、連続化処理を施すことにより、大減弱等の影響によって物性値分布画像上に現れる偽像を低減できるため、読影時の診断補助が可能となる画像を提供できる。
【0059】
ユーザは本補正の前後の画像を確認でき、補正の適用の有無をいつでも切り替え可能である。
【0060】
<変形例>
上述してきた実施形態では、超音波CT装置の信号処理部で信頼度の算出や、信頼度マップの生成を行う構成であったが、超音波CT装置とは別の画像処理装置に、図3の信号処理部7の構成を配置し、信頼度の算出や信頼度マップの生成を行ってもよい。例えば、超音波CT装置で取得した透過波の受信信号データを、図1および図3の信号処理部7、記憶部8、入出力部9を有する画像処理装置へ転送し、そこで図4に示した動作により本実施形態の処理を実施することもできる。なお、受信信号データの転送は、通信回線やインターネットを介して行ってもよい。すなわち、画像処理装置をサーバー上に配置し、クラウドサービスとして、ユーザから受信信号データを受け取って、生成した信頼度画像や物性値画像をユーザに送信し、ユーザの表示装置に図7のように表示させることも可能である。
【0061】
また、上述の実施形態では、超音波素子列3としてリングアレイ状のものを用いることを説明したが、超音波素子列3の形状は、リングアレイに限定されるものではない。例えば、リニアプローブ対を回転させる方法等で取得した透過波の受信信号データにも同様に適用可能である。
【0062】
また、上述の説明では、超音波素子列から平面波の超音波を照射しているが、拡散波照射でも同様に補正が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…被写体
2…ベッド
3…リングアレイ
4…水槽
5…予備タンク
6…制御部
7…信号処理部
8…記憶部
9…入出力部
71…信頼度算出部
72…信頼度マップ生成部
73…補正部
74…断層画像生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13