IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニーの特許一覧

特許7125391排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒
<>
  • 特許-排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒 図1
  • 特許-排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒 図2
  • 特許-排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒 図3
  • 特許-排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】排ガス処理のための骨格外の鉄及び/又はマンガンを有するLTA触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 29/78 20060101AFI20220817BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20220817BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20220817BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20220817BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20220817BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B01J29/78 A ZAB
B01D53/94 400
B01D53/94 241
B01D53/94 245
B01D53/94 280
B01D53/94 223
F01N3/08 B
F01N3/10 A
F01N3/10 Z
F01N3/24 A
F01N3/28 301E
F01N3/28 301D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019523068
(86)(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 US2017058970
(87)【国際公開番号】W WO2018081682
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/414,883
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェデイコ, ジョセフ
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-108136(JP,A)
【文献】特開昭53-086693(JP,A)
【文献】国際公開第2009/141894(WO,A1)
【文献】特開平06-071141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/86
B01D 53/94
F01N 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LTA骨格及び約15から約70のシリカ対アルミナのモル比を有するアルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ、及びモレキュラーシーブ材料の総重量に基づいて、約1から約10重量パーセントの鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せを含む、排ガスを処理するためのアンモニアSCR触媒用触媒組成物。
【請求項2】
モレキュラーシーブが、約15から約70のシリカ対アルミナのモル比を有する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せが、ゼオライト材料の総重量に基づいて、約0.5から約10重量パーセントの担持量で存在する、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項4】
触媒組成物が新鮮である、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項5】
触媒組成物がエイジングしている、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の触媒組成物と基材とを含む、触媒物品。
【請求項7】
基材がフロースルーモノリスである、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項8】
基材がウォールフローフィルターである、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項9】
触媒組成物が基材内にある、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項10】
触媒組成物が基材上にある、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項11】
基材が押出成形されており、かつ、触媒組成物が基材内にある、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項12】
基材が押出成形されており、かつ、触媒組成物が基材上のコーティングである、請求項6に記載の触媒物品。
【請求項13】
排ガスを処理するためのシステムであって、
a.請求項6に記載の触媒物品と、
b.ディーゼル酸化触媒、NOx吸収触媒、リーンNOxトラップ、フィルター、NHインジェクタ、及びSCR触媒から選択される1つ以上の上流の構成要素と、
を備えている、システム。
【請求項14】
下流のアンモニアスリップ触媒をさらに含む、請求項13に記載の排ガスを処理するためのシステム。
【請求項15】
請求項1に記載の触媒組成物を含む、エンジン。
【請求項16】
請求項1に記載の触媒組成物を含む、車両。
【請求項17】
排ガスを処理するための方法であって、
NOxを含む排ガス及び還元剤を、請求項1に記載の触媒組成物と接触させること;及び
NOの少なくとも一部をN及びHOへと選択的に還元すること、
を含む、方法。
【請求項18】
排ガスが、リーンバーン内燃エンジンに由来する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
還元剤がNHである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記NHの少なくとも一部が、リーンNOxトラップ(LNT)、NAC、又はNO吸蔵触媒に由来する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
触媒と接触する前記排ガスが、リッチとリーンとを交互に繰り返す、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照することによって本願に援用される、2016年10月31日出願の米国仮特許出願第62/414,883号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む触媒、並びに、これらの触媒を含む物品及びこれらの物品を調製する方法、及び、好ましくはエンジン、とりわけディーゼルエンジンからの排ガスを処理するためのこれらの触媒の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発電所及びエンジンにおける炭化水素系燃料の燃焼は、大部分において、比較的無害な窒素(N)、水蒸気(HO)、及び二酸化炭素(CO)を含む、煙道ガス又は排ガスを生成する。しかしながら、煙道ガス及び排ガスは、比較的少量ではあるが、例えば不完全燃焼から生じる一酸化炭素(CO)、未燃燃料由来の炭化水素(HC)、過度の燃焼温度による窒素酸化物(NOx)、及び粒子状物質(大部分はスート)などの有害物質及び毒性物質も含有する。大気中に放出される煙道ガス及び排ガスの環境影響を軽減するために、望ましくない成分の量を、好ましくは、今度は、他の有害な又は毒性の物質を生じないプロセスによって、除去又は低減することが望ましい。
【0004】
典型的には、リーンバーンガスエンジンからの排ガスは、炭化水素燃料の適度な燃焼を確実にするために供給される高比率の酸素に起因して、正味の酸化効果を有する。このようなガスにおいて、除去するのに最も問題となる成分の一つは、一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(NO)を含めた、NOである。排ガスは、還元の代わりに酸化反応を優先するのに十分な酸素を含むことから、NOのNへの還元は、特に問題となる。にもかかわらず、NOは、選択的触媒還元(SCR)として一般に知られるプロセスによって還元することができる。SCRプロセスは、触媒の存在下、アンモニア等の還元剤を用いて、NOを元素窒素(N)と水に変換することを包含する。SCRプロセスでは、排ガスをSCR触媒と接触させる前に、アンモニアなどのガス状の還元剤が、排ガス流に添加される。還元剤は触媒上に吸収され、ガスが触媒化基材の内部又は上を通過する際に、NO還元反応が起こる。アンモニアを使用する化学量論的SCR反応の化学式は次の通りである:
4NO+4NH+O → 4N+6H
2NO+4NH+O → 3N+6H
NO+NO+2NH → 2N+3H
【0005】
ゼオライトは、アルミノケイ酸塩でできた三次元骨格を有する、モレキュラーシーブの型である。AEI、AFX、BEA、CHA、及びMORなど、ある特定の構造を有するゼオライトは、SCR触媒として有用であることが知られている。このようなゼオライトは、主としてアルミナとシリカから構築された、分子的に多孔性の結晶質又は偽晶構造を有する。これらのゼオライトの触媒性能は、例えば、骨格の表面上に存在するイオン種の一部分がCu2+などの金属カチオンで交換されるカチオン交換などによって骨格外金属を取り込むことにより、改善することができる。典型的には、より高い金属濃度は、より高い触媒性能に対応しうる。
【0006】
骨格外の鉄を含むCHAゼオライトは、安定であることが知られている。しかしながら、これらの触媒は、Fe又はMnが骨格外金属として存在する場合には、遅い過渡応答を有する。しかしながら、Fe又はMnのいずれかを骨格外金属として用いた小細孔ゼオライトであるLTAの使用は、大細孔ゼオライトの過渡応答と共に、骨格外金属を含むCHAゼオライトの使用で見られるのと同じ安定性及び炭化水素被毒の利益をもたらす。
【発明の概要】
【0007】
驚くべきことに、骨格外の鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含むLTA構造、及び約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するゼオライトが、同様のSAR及び同様の金属担持量を有する他のゼオライト触媒と比較して、より良好な着火を提供することができ、炭化水素被毒の可能性を低減することが見出されている。
【0008】
本発明の触媒は、他の触媒と比較した場合に、NO及びアンモニアの酸化などの用途において、より良好な低温着火をもたらすことによって、触媒性能の改善をもたらすことができる。本発明の触媒は、他の触媒と比較して、炭化水素被毒に対する耐性の改善をもたらしうる。
【0009】
したがって、本発明の第1の態様では、LTA構造及び約10から約70のシリカ対アルミナのモル比を有するゼオライトと、ゼオライトの総重量に基づいて、約0.5から約10重量パーセントの鉄、マンガン、又はそれらの組合せとを含む触媒組成物が提供される。
【0010】
本明細書に記載される触媒組成物と、触媒がその上及び/又は内に配置された基材とを含む触媒物品もまた、提供される。
【0011】
(a)本明細書に記載される触媒物品と、(b)ディーゼル酸化触媒、NOx吸収触媒、リーンNOxトラップ、フィルター、NHインジェクタ、及びSCR触媒から選択される1つ以上の上流の構成要素と、(c)任意選択的に、下流のアンモニアスリップ触媒とを含む、排ガスの処理のためのシステムもまた提供される。本明細書に記載される触媒は、システム内の第1の触媒として用いることができ、あるいは、1つ以上の触媒の下流に配置することができる。システムは、燃料インジェクタ、第2の尿素インジェクタ、SCRF、追加のSCR、ディーゼル酸化触媒(DOC)、又はディーゼル発熱触媒(DEC)のうちの1つ以上をさらに備えていてもよい。システムはまた、NOx、アンモニア、粒子状物質(PM)等を検出できる1つ以上のセンサをさらに備えていてもよい。
【0012】
(a)NOxを含む排ガス及び還元剤を本明細書に記載される触媒組成物と接触させること;及び、(b)NOxの少なくとも一部をNとHOへと選択的に還元することを含む、排ガスを処理する方法がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】骨格外Mnを含む新鮮なAFX、BEA、CHA、及びLTA触媒を150℃から500℃の温度で使用したパーセントNOx変換を示すグラフ。
図2】骨格外Mnを含む新鮮なAFX、BEA、CHA、及びLTA触媒を150℃から500℃の温度で使用して形成されたNOの濃度を示すグラフ。
図3】骨格外Mnを含むエイジングしたAFX、BEA、CHA、及びLTA触媒を150℃から500℃の温度で使用したパーセントNOx変換を示すグラフ。
図4】骨格外Mnを含むエイジングしたAFX、BEA、CHA、及びLTA触媒を150℃から500℃の温度で使用して形成されたNOの濃度を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の態様は、約15から約70のシリカ対アルミナのモル比(SAR)を伴うLTA構造を有するゼオライト(アルミノケイ酸塩)と、ゼオライトの重量に基づいて、約0.5から約10重量パーセントの交換された鉄、マンガン、又はそれらの組合せとを含む、触媒組成物を対象とする。
【0015】
本明細書で用いる場合、用語「LTA」とは、国際ゼオライト協会(IZA)の構造委員会によって認められたLTA骨格型を指す。アルミノケイ酸塩ゼオライト構造の大部分は、アルミナ及びシリカで構成されているが、アルミニウム以外の骨格金属を含んでいてもよい(すなわち、金属置換したゼオライト)。用語「金属交換した」とは、骨格構造に関連して、骨格外金属イオン又は遊離の金属イオンを有しているが、骨格自体の一部を形成していない、ゼオライトを意味する。交換されてLTA内に入る金属イオンは、鉄、マンガン、又はそれらの組合せである。約15から約70のシリカ対アルミナのモル比(SAR)を有するLTAの任意のアルミノケイ酸塩アイソタイプが、本発明に適している。
【0016】
モレキュラーシーブの主結晶相はLTAであるが、FAUなどの他の結晶相も、重量で、10%未満、好ましくは、5%未満、さらに好ましくは2%未満、さらになお好ましくは1%未満などの微量で存在していてもよい。主結晶相は、少なくとも約90重量パーセントのLTA、好ましくは少なくとも約95重量パーセントのLTA、さらになお好ましくは少なくとも約98又は少なくとも約99重量パーセントのLTAを含みうる。モレキュラーシーブは、FAUなど、LTAの合成に用いることができるゼオライトの微量の不純物を含む場合がある。これらの微量は、好ましくは、5重量パーセント未満、さらに好ましくは約2重量パーセント未満、又は最も好ましくは約1重量パーセント未満である。好ましくは、LTAモレキュラーシーブは他の結晶相を実質的に含まず、また、2つ以上の骨格型の連晶ではない。他の結晶相に関して「実質的に含まない」とは、モレキュラーシーブが少なくとも99重量パーセントのLTAを含むことを意味する。
【0017】
ゼオライトは、約15から約70、約15から約60、約15から約55、約15から約50、約15から約45、約15から約40、約15から約35、約15から約30、約20から約70、約20から約60、約20から約55、約20から約50、約20から約45、約20から約40、約20から約35又は約20から約30のシリカ対アルミナのモル比(SAR)を有しうる。ゼオライトにおけるシリカ対アルミナ比は、従来の分析法によって決定することができる。この比は、ゼオライト結晶の硬い原子骨格における比を可能な限り厳密に表すこと、及び、結合剤中、若しくはチャネル内のカチオン性又は他の形態のケイ素又はアルミニウムを排除することを意味する。特にアルミナ結合剤などの結合剤と組み合わせた後に、ゼオライト内のシリカ対アルミナ比を測定することは困難な場合があることから、これらのシリカ対アルミナの比は、ゼオライト自体のSARに関して、すなわち、ゼオライトを他の触媒成分と組み合わせる前の比で表される。
【0018】
LTAゼオライトはまた、骨格外金属として鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物も含む。本明細書で用いる場合、「骨格外金属」は、ゼオライトモレキュラーシーブの骨格内に存在するが、ゼオライトの骨格の一部ではない金属である。好ましくは、(一又は複数の)骨格外金属の存在は、NO還元、NH酸化、及びNO貯蔵などのプロセスを含めた、ディーゼルエンジン由来の排ガスなどの排ガス処理を促進する。用語「鉄、マンガン、又はそれらの混合物」とは、ゼオライトが、(a)鉄、(b)マンガン、(c)交換された鉄とマンガンとの混合物;又は(d)交換された鉄を含むゼオライトと、交換されたマンガンを含むゼオライトとの混合物を含みうることを意味し、ここで、該ゼオライトは、LTA骨格型と、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)とを有する。
【0019】
鉄、マンガン、又はそれらの組合せは、ゼオライトの総重量に基づいて、例えば約0.5重量%から約7.5重量%、約1から約5重量%、約2.5重量%から約4.0重量%、及び約3重量%から約3.5重量%など、約0.5から約10重量パーセント(重量%)の濃度でゼオライト中に存在することができる。
【0020】
骨格外金属は、例えば、約50から約100g/ft、又は約75から約90g/ftなど、約40から約120g/ftのゼオライト又はウォッシュコート担持量で存在することができる。
【0021】
骨格外金属は、ゼオライト中のアルミニウム、すなわち骨格アルミニウムに対する量で存在しうる。本明細書で用いる場合、骨格外金属:アルミニウム(M:Al)の比は、ゼオライト中の骨格外金属のモル骨格Alに対する相対的なモル量に基づいている。触媒ゼオライトは、約0.1から約1.0、好ましくは約0.2から約0.5のM:Al比を有しうる。約0.2から約0.5のM:Al比は、Mが鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せの場合、さらに特には、Mが鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せであり、ゼオライトのSARが約15から約70である場合に、特に有用である。
【0022】
骨格外金属を含むゼオライトは、触媒的に活性な(一又は複数の)金属の可溶性の塩又は前駆体を含む溶液中にゼオライトをブレンドすることによって、生成することができる。溶液のpHは、ゼオライト構造上又は構造内(であるが、ゼオライト骨格は含まない)に、触媒的に活性な金属カチオンの沈殿を誘導するように調整することができる。例えば、イオン交換によってモレキュラーシーブ構造内に触媒的に活性な鉄又はマンガンのカチオンを取り込み可能にするのに十分な時間、LTAゼオライトを、酢酸鉄、硝酸鉄、又は硫酸鉄;若しくは、酢酸マンガン、又は硝酸マンガンを含む溶液中に浸漬させることができる。交換されていない鉄又はマンガンイオンは、沈殿しうる。用途に応じて、交換されていないイオンの一部が遊離の鉄又はマンガンとしてゼオライト内に残留してもよい。金属交換したゼオライトは、その後、洗浄、乾燥、及びか焼することができる。
【0023】
概して、モレキュラーシーブ内又はモレキュラーシーブ上での鉄又はマンガンカチオンのイオン交換は、室温又は最高で約80℃の温度で約1から24時間にわたり、約7のpHで行うことができる。結果的に得られる触媒モレキュラーシーブは、好ましくは約100から120℃で一晩乾燥し、その後、少なくとも約500℃の温度でか焼することができる。
【0024】
触媒組成物は、骨格外金属としての鉄及びマンガンのうちの少なくとも1つと、アルカリ又はアルカリ土類金属のうちの少なくとも1つとの組合せを含みうる。アルカリ又はアルカリ土類金属は、バリウム、カルシウム、セシウム、マグネシウム、カリウム、ルビジウム、ナトリウム、ストロンチウム、又はそれらの組合せから選択されうる。本明細書で用いられる場合、語句「アルカリ又はアルカリ土類金属」とは、アルカリ金属とアルカリ土類金属とが代替的に用いられることを意味するのではなく、その代わりに、1つ以上のアルカリ金属を単独で、又は1つ以上のアルカリ土類金属と組み合わせて使用することができること、並びに、1つ以上のアルカリ土類金属を単独で、又は1つ以上のアルカリ金属と組み合わせて使用することができることを意味する。好ましいアルカリ又はアルカリ土類金属は、カルシウム、カリウム、及びそれらの組合せを含む。触媒組成物は、バリウム及び/又はマグネシウムを本質的に含まない場合がある。触媒は、カルシウム及びカリウム以外のアルカリ又はアルカリ土類金属を本質的に含まない場合がある。触媒は、カルシウム以外のアルカリ又はアルカリ土類金属を本質的に含まない場合がある。触媒は、カリウム以外のアルカリ又はアルカリ土類金属を本質的に含まない場合がある。本明細書で用いる場合、用語「本質的に含まない」とは、触媒が、感知される量の特定の金属を有しないことを意味する。すなわち、該特定の金属は、触媒の基本的な物理的及び/又は化学的特性、特に、触媒のNOxの選択的な低減又は貯蔵能力に関して、影響を与えるであろう量では存在しない。
【0025】
ゼオライトは、3重量パーセント未満、さらに好ましくは1重量パーセント未満、さらになお好ましくは0.1重量パーセント未満のアルカリ含量を有しうる。
【0026】
1つ以上のアルカリ及びアルカリ土類金属(集合的にA)は、ゼオライト中の骨格外金属(M)の量に対する量で、ゼオライト中に存在しうる。好ましくは、M及びAは、特にMが鉄であり、Aがカルシウムの場合には、それぞれ、例えば、約10:1から約2:1、約10:1から約3:1、又は約6:1から約4:1など、約15:1から約1:1のモル比で存在する。アルカリ金属及び/又はカルシウムなどのアルカリ土類金属が存在する場合、鉄、マンガン、又はそれらの組合せの量は、ゼオライトの重量に基づいて、10重量パーセント未満、例えば、8重量パーセント未満、6重量パーセント未満、5重量パーセント未満、4重量パーセント未満、3重量パーセント未満、又は2重量パーセント未満で存在しうる。
【0027】
骨格外の鉄、マンガン、又はそれらの組合せ(M)と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの組合せ(A)の相対的な蓄積量は、ゼオライト中のアルミニウム、すなわち骨格アルミニウムの量に対して、ある量でゼオライト中に存在しうる。本明細書で用いる場合、(M+A):Alの比は、対応するゼオライト中のモル骨格Alに対するM+Aの相対的なモル量に基づいている。
【0028】
鉄、マンガン及びアルカリ/アルカリ土類金属は、イオン交換、含浸、同形置換等の任意の知られている技法によってゼオライトに加えることができる。骨格外金属及びアルカリ又はアルカリ土類金属は、任意の順序でゼオライトに加えることができる(例えば、鉄及び/又はマンガンは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の前、後、若しくは同時に交換することができる)が、好ましくは、特にアルカリ土類金属がカルシウムの場合には、アルカリ又はアルカリ土類金属は、鉄又はマンガンの前又は同時に加えられる。
【0029】
本発明のゼオライト触媒はまた、比較的大量のセリウム(Ce)も含む。セリウムは、ゼオライトの総重量に基づいて、少なくとも約1重量パーセントの濃度で触媒中に存在しうる。好ましい濃度の例としては、ゼオライトの総重量に基づいて、少なくとも約2.5重量パーセント、少なくとも約5重量パーセント、少なくとも約8重量パーセント、少なくとも約10重量パーセント、約1.35から約13.5重量パーセント、約2.7から約13.5重量パーセント、約2.7から約8.1重量パーセント、約2から約4重量パーセント、約2から約9.5重量パーセント、及び約5から約9.5重量パーセントが挙げられる。
【0030】
セリウムは、約50から約550g/ftの担持量で触媒中に存在しうる。Ceの他の範囲としては、100g/ft超、200g/ft超、300g/ft超、400g/ft超、500g/ft超、約75から約350g/ft、約100から約300g/ft、及び約100から約250g/ftが挙げられる。
【0031】
Ceの濃度は、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せで促進されたゼオライト上での交換に利用可能な理論的最大量を超過していてよい。
【0032】
Ceは、Ceイオン、モノマーセリア、オリゴマーセリア、及びそれらの組合せなど、1つより多い形態で存在してよく、ここで、該オリゴマーセリアは、例えば、1μm未満、約10nmから約1μm、約100nmから約1μm、約500nmから約1μm、約10から約500nm、約100から約500nm、及び約10から約100nmなど、5μm未満の平均結晶サイズを有することを条件とする。本明細書で用いる場合、用語「モノマーセリア」とは、ゼオライト結晶の上及び/又は中に遊離して存在する、及び/又は、ゼオライトに弱く結合しているがゼオライトの骨格ではない、個々の分子又は部分としてのCeOを意味する。本明細書で用いる場合、「オリゴマーセリア」という用語は、ゼオライト結晶の上及び/又は中に遊離して存在する、及び/又は、ゼオライトに弱く結合しているが、ゼオライトの骨格ではない、ナノ結晶CeOを意味する。
【0033】
本発明の触媒は、不均一触媒反応システム(すなわち、反応ガスと接触した固体触媒)に適用可能である。接触表面積、機械的安定性、及び流体の流れの特性のうちの少なくとも1つを改善するため、触媒は、基材、好ましくは多孔質基材の上及び/又は内に配置されうる。
【0034】
本発明の第2の態様は、環境大気質を改善するため、特に、リーンバーン内燃エンジン、発電所、ガスタービンなどによって生成される排ガス又は煙道排出物を改善するための触媒物品を対象とする。排ガス排出物は、少なくとも一部には、幅広い動作温度範囲にわたって、リーンバーン排ガス中のHN及びNO濃度のうちの少なくとも一方を低減することによって改善されうる。有用な触媒は、NOを選択的に還元し、及び/又は、酸化環境でアンモニアを酸化するものである(すなわち、SCR触媒及び/又はAMOX触媒)。
【0035】
触媒を含むウォッシュコートは、ハニカムコーディエライトブリック又は波形の金属プレートなど、不活性基材上に塗布することができる。
【0036】
触媒は、充填剤、結合剤、及び強化剤などの他の成分とともに混練して押出可能なペーストとすることができ、その後、ダイを通じて押出成形して、ハニカムブリックを形成する。
【0037】
触媒物品は、基材上にコーティングされているか、及び/又は基材内に組み込まれた、本明細書に記載される金属促進化LTAゼオライト触媒を含みうる。
【0038】
本発明のある特定の態様は、触媒ウォッシュコートを提供する。本明細書に記載されるLTA触媒を含むウォッシュコートは、好ましくは、溶液、懸濁液、又はスラリーである。適切なコーティングは、表面コーティング、基材の一部分を貫通するコーティング、基材に浸透するコーティング、又はそれらの幾つかの組合せを含む。
【0039】
ある特定の態様では、本発明は、約0.5から約5μm、約0.7から約1.5μm、約1から約5μm、又は約1μmから約10μmなど、約0.5μm超、好ましくは約0.1μmと約15μmの間の平均結晶サイズ(すなわち、双晶を含む個々の結晶の)を有するLTAアルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ結晶を含む触媒組成物であり、特にフッ素などのハロゲンを含まないか、あるいは実質的に含まない触媒についてのものである。結晶サイズは、結晶面の1つの端部の長さ、好ましくは、結晶が針状ではないことを条件に、端部の最長の長さである。結晶サイズの直接測定は、SEM及びTEMなどの顕微鏡観察方法を使用して行うことができる。例えば、SEMによる測定は、材料の形態を高倍率(典型的には1000倍から10,000倍)で検査することを含む。SEM法は、個々の粒子が1000倍から10,000倍の倍率で視野にわたって合理的に均一に広がるように、ゼオライト粉末の代表的な部分を適切なマウント上に分配することによって行うことができる。この個体群から、個々のランダムな結晶(例えば、50から200)の統計的に有意なサンプルが検査され、直線的な端部の水平線と平行な個々の結晶の最長寸法が、測定かつ記録される。(明らかに大きい多結晶の集合体である粒子は、測定に含まれるべきではない。)これらの測定値に基づいて、サンプルの結晶サイズの算術平均が計算される。
【0040】
平均結晶サイズD50に加えて、触媒組成物は、好ましくは、その大部分が、約0.5から約5μm、約0.7から約5μm、約1から約5μm、約1.5から約5.0μm、約1.5から約4.0μm、約2から約5μm、又は約1μmから約10μmなど、約0.5μm超、好ましくは約0.5μmと約15μmとの間である、結晶サイズを有する。好ましくは、結晶サイズのサンプルの第一四分位と第三四分位が、約0.5μmよりも大きく、好ましくは、約0.5と約15μmとの間、例えば、約0.5から約5μm、約0.7から約5μm、約1から約5μm、約1.5から約5.0μm、約1.5から約4.0μm、約2から約5μm、又は約1μmから約10μmまでの範囲内に含まれる。
【0041】
触媒組成物は、好ましくは、約5から約9μm、約5から約8μm、約5から約7μmなど、約10μm未満、好ましくは約5μmと約10μmの間のD90を有しうる(結晶の90%がD90値以下のサイズを有する)。
【0042】
触媒は、以下:
(a)約15から約70、約15から約60、約15から約55、約15から約50、約15から約45、約15から約40、約15から約35、約15から約30、約20から約70、約20から約60、約20から約55、約20から約50、約20から約45、約20から約40、約20から約35、又は約20から約30のシリカ対アルミナのモル比(SAR);
(b)約0.5から約5μm、約0.7から約1.5μm、約1から約5μm、又は約1μmから約10μmなど、約0.5μm超、好ましくは約0.1μmと約15μmの間の平均結晶サイズ;
(c)結晶の大部分が、約0.5から約5μm、約0.7から約1.5μm、約1から約5μm、又は約1μmから約10μmなど、約0.5μm超、好ましくは約0.1μmと約15μmの間の結晶サイズを有しうる;及び
(d)好ましくは、約5から約9μm、約5から約8μm、約5から約7μmなど、約10μm未満、好ましくは約5μmと約10μmのD90(結晶の90%がD90値以下のサイズを有する)、のうちの1つ以上を有する、鉄、マンガン、又はそれらの組合せで促進されたLTAゼオライトでありうる。
【0043】
好ましくはこれらの触媒は、フッ素などのハロゲンを含まないか、又は実質的に含まない。
【0044】
これらの触媒は、高い水熱耐性を有することができ、またSCR触媒として使用すると、高いNOx変換ももたらす。
【0045】
SCR触媒は、別々の区域に配置された、又はブレンドとして配合された、2つ以上の触媒を含みうる。例えば、SCR触媒は、本明細書で定義されたLTAゼオライトを含む第1の区域と、異なるSCR触媒などの第2の触媒を含む第2の区域とを含みうる。第1及び第2の区域は、ウォールフローフィルター又はフロースルーハニカムなどの単一の基材上にあるか、又は、別々の基材上にあるが、好ましくは、基材の単一ユニット上又は単一ユニット内に配置される。第2の触媒の例は、小細孔モレキュラーシーブ、中細孔モレキュラーシーブ、及び大細孔モレキュラーシーブを含む、アルミノケイ酸塩、シリコアルミノリン酸塩、及びケイ酸鉄などのモレキュラーシーブを含む。特定の用途に対して、小さい孔のゼオライト及びSAPOが好適である。小細孔モレキュラーシーブの例は、CHAである。小細孔モレキュラーシーブの別の例は、AFXである。他の小細孔モレキュラーシーブとしては、AFX、AFT、DDR、ERI、KFI、LEV及びRHOが挙げられる。他の有用なモレキュラーシーブとしては、BEA、MFI、MOR、及びFERが挙げられる。第2の触媒のモレキュラーシーブは、Hの形態であってよく、及び/又は、Cu、Fe、Ni、Co、及びMnなどの遷移金属、Au、Ag、Pt、Pd、及びRuなどの貴金属、又はそれらの幾つかの組合せによって交換されてもよい。特に有用な金属としては、Fe及びCuが挙げられる。第2の触媒の他の例としては、任意選択的に、タングステン及び/又はモリブデンなどの他の金属と組み合わせた、シリカ、チタニア、又はアルミナ上に担持されたVなどのバナジウム触媒が挙げられる。第1の区域は、排ガスの流れに関して第2の区域の上流又は下流にありうるが、好ましくは、下流にある。上流の区域及び下流の区域は、それぞれ、フロースルーハニカム基材の前端部及び後端部に対応することができ、あるいは、それぞれ、ウォールフローフィルターの入口側及び出口側に対応することがでる。2つの区域は、互いに部分的に又は完全に重なりあっていてよい。部分的な重なりについては、該重なりあっているセクションは、第3の中間区域を作り出す。あるいは、2つの区域は、それらの間にほとんど又は全く隙間なしに、互いに隣接していてもよい(すなわち、0.2インチ未満)。あるいは、第1及び第2の触媒は、一緒にブレンドされ、単一の触媒層としてウォッシュコートしてもよく、あるいは、均質なハニカム基材として押出成形してもよい。ある特定の態様では、触媒は、第1の触媒材料及び第2の触媒材料の一方又は両方とブレンドされた、又は第3の区域上に配置された、第3の触媒材料をさらに含むことができ、ここで、第3の区域は、第1及び/又は第2の触媒の下流又は上流にあるが、好ましくは同一基材上にある。
【0046】
ウォッシュコートはまた、充填剤、結合剤、安定剤、レオロジー調節剤、並びに、アルミナ、シリカ、非ゼオライトシリカアルミナ、チタニア、ジルコニア、セリアのうちの1つ以上を含む他の添加剤など、非触媒成分も含みうる。
【0047】
触媒組成物は、グラファイト、セルロース、デンプン、ポリアクリル酸塩、及びポリエチレンなどの細孔形成剤を含むことができる。これらの追加の成分は、必ずしも望ましい反応を触媒しなくてよいが、その代わりに、例えば、その動作温度範囲を増加させる、触媒の接触表面積を増大させる、触媒の基材に対する接触性を増加させる等によって、触媒の効果を改善する。
【0048】
ウォッシュコート担持量は、>1.2g/in、>1.5g/in、>1.7g/in、又は>2.00g/inなど、>0.3g/inであってよく、好ましくは、<2.5g/inなど、<3.5g/inでありうる。
【0049】
ウォッシュコートは、約0.8から1.0g/in、1.0から1.5g/in、又は1.5から2.5g/inの担持量で基材に塗布されうる。
【0050】
触媒物品
最も一般的な基材設計のうちの2つは、ハニカムとプレートである。好ましい基材、特に特に移動用途のための基材としては、両端が開放されており、一般に基材の入口面から出口面まで延びる、複数の隣接した平行なチャネルを備えており、結果的に表面積の体積に対する高い比をもたらす、いわゆるハニカムの幾何学形状を有するフロースルーモノリスが挙げられる。ある特定の用途では、ハニカムフロースルーモノリスは、好ましくは、例えば1平方インチあたり約600から800セルの高いセル密度を有する。ハニカムフロースルーモノリスは、約0.18から約0.35mm、好ましくは約0.20から約0.25mmの平均内壁厚さを有しうる。ある特定の他の用途では、ハニカムフロースルーモノリスは、好ましくは、1平方インチあたり約150から約600セル、さらに好ましくは1平方インチあたり約200から約400セルの低いセル密度を有する。好ましくは、ハニカムモノリスは多孔性である。コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、セラミック、及び金属に加えて、基材に使用できる他の材料としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、α-アルミナ、針状ムライト等のムライト、ポルサイト、例えばAlOsZFe、Al/Ni又はBCZFe等のサーメット、又はこれらのいずれか2つ以上のセグメントを含む複合物が挙げられる。好ましい材料としては、コーディエライト、炭化ケイ素、及びチタン酸アルミナが挙げられる。
【0051】
プレート型の触媒は、一般に、低い圧力損失を有し、ハニカム型よりも目詰まり及び汚れの影響を受けにくい。これは、高効率の定置用途において有利でありうるが、プレート構成は、はるかに大きく、はるかに高価になる可能性がある。ハニカム構成は、典型的にはプレート型よりも小さく、移動用途には有利であるが、より高い圧力損失を有し、より容易に目詰まりする。
【0052】
プレート基材は、金属、好ましくは波形の金属から構築することができる。
【0053】
本発明の別の態様は、本明細書に記載されるプロセスで作られた触媒物品である。
【0054】
触媒物品は、排ガスの処理のための別の組成物の少なくとも1つの追加の層が基材に塗布される前又は後のいずれかに、金属促進化LTAゼオライト組成物を、好ましくはウォッシュコートとして、基材に層として塗布する工程を含むプロセスによって製造することができる。金属促進化LTA触媒層を含む、基材上の1つ以上の触媒層は、連続した層状で配置される。本明細書で用いる場合、基材上の触媒層に関する用語「連続した」とは、各層が(一又は複数の)隣接した層と接触しており、触媒層が、全体として、基材上に一方が他方の上になるように配置されることを意味する。
【0055】
鉄、マンガン、又はそれらの組合せを伴うLTA触媒は、基材上に第1の層として配置することができ、酸化触媒、還元触媒、掃去成分、又はNO貯蔵成分などの別の組成物は、基材上に第2の層として配置される。
【0056】
鉄、マンガン、又はそれらの組合せを伴うLTA触媒は、基材上に第2の層として配置することができ、酸化触媒、還元触媒、掃去成分、又はNO貯蔵成分などの別の材料は、基材上に第1の層として配置される。本明細書で用いる場合、用語「第1の層」及び「第2の層」は、触媒物品を貫流、通過、又はその上を流れる排ガスの流れの法線方向に対する触媒物品内の触媒層の相対的な位置を説明するために用いられる。通常の排ガス流の条件下では、排ガスは、第2の層と接触する前に第1の層と接触する。
【0057】
第2の層は、最下層として不活性基材に塗布することができ、第1の層は、連続した一連の副層として第2の層の上に塗布される最上層である。この構成では、排ガスは、第2の層と接触する前に第1の層を貫通してそれに接触し、その後、第1の層を通って戻り、触媒構成要素から出る。
【0058】
第1の層は、基材の上流部分に配置された第1の区域であってよく、第2の層は、第1の区域の下流にある第2の区域として基材上に配置されうる。
【0059】
触媒物品は、好ましくはウォッシュコートとしての金属促進化LTAゼオライト触媒組成物を、基材に第1の区域として塗布し、その後、排気ガスを処理するための少なくとも1つの追加の組成物を基材に第2の区域として塗布する工程を含むプロセスによって製造することができ、ここで、第1の区域の少なくとも一部は、第2の区域の下流にある。あるいは、金属促進化LTAゼオライト触媒組成物は、追加の組成物を含む第1の区域の下流にある、基材の第2の区域に塗布することができる。追加の組成物の例としては、酸化触媒、還元触媒、掃去成分(例えば、硫黄、水等)、又はNO貯蔵成分が挙げられる。
【0060】
排気システムに必要とされる空間の量を低減するために、個々の排気構成要素は、複数の機能を実行するように設計することができる。例えば、フロースルー基材の代わりにウォールフローフィルター基材にSCR触媒を塗布することにより、1つの基材が、排ガス中のNO濃度を触媒的に低減し、排ガスからスートを機械的に除去するという2つの機能を果たすことができるようにすることで、排気処理システムの全体的なサイズを縮小する役割を果たす。
【0061】
基材は、ハニカムウォールフローフィルター又はパーシャルフィルターでありうる。ウォールフローフィルターは、それらが複数の隣接する平行なチャネルを含むという点で、フロースルーハニカム基材と似ている。しかしながら、フロースルーハニカム基材のチャネルは両端が開放されているのに対し、ウォールフロー基材のチャネルは一方の端部が閉栓されており、該閉栓は隣接するチャネルの向かい合った端部で交互のパターンでされている。チャネルの閉栓された交互の端部は、基材の入口面に入るガスが、チャネル内を直進して流出するのを妨げる。代わりに、排ガスは、基材の前面から入り、チャネルの約半分まで移動し、そこでチャネルの残り半分に入って基材の裏面から出る前に、チャネルの壁を通過するように強いられる。
【0062】
基材の壁は、ガス透過性であるが、ガスが壁を通過する際に、ガスからスートなどの粒子状物質の大部分を捕捉する、多孔率及び細孔径を有している。好ましいウォールフロー基材は、高効率フィルターである。本発明と共に使用するウォールフロー型フィルターは、好ましくは、少なくとも70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の効率を有する。効率は、約75から約99%、約75から約90%、約80から約90%、又は約85から約95%でありうる。効率は、スート及び他の同様の寸法の粒子、典型的には従来のディーゼル排ガスで見られる粒子濃度に対するものである。例えば、ディーゼル排気中の微粒子は、0.05ミクロンから2.5ミクロンの範囲のサイズでありうる。よって、効率は、この範囲、又は、例えば、0.1から0.25ミクロン、0.25から1.25ミクロン、もしくは1.25から2.5ミクロンなどのサブレンジに基づくことができる。
【0063】
多孔率は、多孔質基材中の空隙のパーセンテージの尺度であり、排気システムにおける背圧に関係する:一般に、多孔率が低いほど、背圧が高くなる。好ましくは、多孔質基材は、例えば約40から約75%、約40から約65%、又は約50から約60%など、約30から約80%の多孔率を有する。
【0064】
基材の全空隙容積のパーセンテージとして測定される細孔の相互接続性とは、細孔、空隙、及びチャネルのうち1つ以上が、入口面から出口面まで多孔質基材中を通過する連続した通路を形成するように連結されている度合いのことである。細孔の相互接続性とは対照的に、細孔、空隙、及びチャネルは、入口面又は出口面にだけ、単一の開口部を有していてもよく、あるいは、それらは、各々が入口面又は出口面のいずれかにある、2つ以上の開口部を有していてもよい。好ましくは、多孔質基材は、少なくとも約30%、さらに好ましくは少なくとも約40%の細孔相互接続容積を有する。
【0065】
多孔質基材の平均細孔径もまた、濾過にとって重要である。平均細孔径は、水銀ポロシメトリーを含む任意の許容される手段によって決定することができる。多孔質基材の平均細孔径は、基材自体によって、基材の表面上のスートケーキ層の促進によって、又はこれらの両方の組合せによって妥当な効率を提供する一方で、低背圧を促進するのに十分に大きい値であるべきである。好ましい多孔質基材は、約10から約40μm、例えば、約20から約30μm、約10から約25μm、約10から約20μm、約20から約25μm、約10から約15μm、及び約15から約20μmの平均細孔径を有する。
【0066】
LTA触媒を含む、鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含む押出成形された固形体は、LTAゼオライトと、骨格外金属(別々に、又は金属交換したゼオライトとして一緒に、のいずれかで)、結合剤、任意選択的に有機増粘化合物とをブレンドして均質なペーストにし、その後、結合剤/マトリクス成分又はそれらの前駆体、及び任意選択的に安定化セリア及び無機繊維の1つ以上に加えることによって、生産することができる。ブレンドは、混合又は混練装置、若しくは押出機内で圧縮することができる。混合物は、湿潤性を高め、それによって均一なバッチを精製するために、結合剤、細孔形成剤、可塑剤、界面活性剤、潤滑剤、及び分散剤などの有機添加剤を加工助剤として有しうる。結果的に得られる材料を、特に、押出ダイを備えた押出プレス又は押出機を使用して、成形することができる。結果的に得られた成形品は、乾燥及びか焼されうる。有機添加剤は、押出成形された固形体のか焼中にゼオライトから「燃え尽きる」。骨格外の鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含むLTAゼオライト触媒は、押出成形された固形体の表面上に存在するか、あるいは押出成形された固形体内へと完全に若しくは部分的に浸透する、1つ以上の副層として、ウォッシュコートされるか、あるいは他の方法で押出成形された固形体に適用されうる。あるいは、骨格外の鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含むLTAゼオライトは、押出の前に、上述した他の成分の混合物に加えてもよい。
【0067】
押出成形された固形体は、鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含むLTAゼオライトを含みうる。これらの押出成形された固形体は、一般に、その第1の端部から第2の端部まで延びる、均一に寸法化された平行なチャネルを有するハニカムの形状をした一体構造を含みうる。チャネルを画成するチャネル壁は多孔質である。典型的には、外部の「皮膜」が、押出成形された固形体の複数のチャネルを取り囲む。押出成形された固形体内のチャネルは、円形、楕円形、方形、三角形、及び六角形など、任意の所望される断面を有しうる。第1の上流端部のチャネルは、例えば適切なセラミックセメントなどで遮断することができ、第1の上流端部で遮断されていないチャネルは、第2の下流端部で遮断して、ウォールフローフィルターを形成することができる。典型的には、第1の上流端部で遮断される構成は、チェッカーボードに似ており、下流のチャネル端部も遮断及び開放された同様の構成を有している。
【0068】
結合剤/マトリクス成分は、好ましくは、コーディエライト、窒化物、炭化物、ホウ化物、金属間化合物、アルミノケイ酸リチウム、スピネル、任意選択的にドープされたアルミナ、シリカ源、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、ジルコン、及びこれらのうち任意の2つ以上の混合物からなる群より選択される。押出成形される前はペーストの形態でありうる、結合剤/マトリクスは、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、シリカ‐アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、及びセラミック繊維からなる群から選択される、強化無機繊維を任意選択的に含みうる。
【0069】
アルミナ結合剤/マトリクス成分は、好ましくはガンマアルミナであるが、他のいずれかの遷移アルミナ(すなわち、アルファアルミナ、ベータアルミナ、カイアルミナ、イータアルミナ、ローアルミナ、カッパアルミナ、シータアルミナ、デルタアルミナ)、ランタンベータアルミナ、及びこのようアルミナのいずれか2つ以上の混合物であってもよい。アルミナの熱安定性を増加させるために、アルミナに少なくとも1つの非アルミニウム元素をドープすることが好ましい。適切なアルミナドーパントは、ケイ素、ジルコニウム、バリウム、ランタニド、及びそれらのいずれか2つ以上の混合物を含む。適切なランタニドドーパントは、La、Ce、Nd、Pr、Gd、及びそれらのいずれか2つ以上の混合物を含む。
【0070】
シリカ源は、シリカゾル、クオーツ、溶融シリカ又は非晶質シリカ、ケイ酸ナトリウム、非晶質アルミノケイ酸塩、アルコキシシラン、例えばメチルフェニルシリコーン樹脂などのシリコーン樹脂結合剤、粘土、タルク、又はそれらのいずれか2つ以上の混合物を含みうる。このリストで、シリカは、長石、ムライト、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、ターナリー-シリカ-アルミナ-ジルコニア、ターナリー-シリカ-アルミナ-マグネシア、ターナリー-シリカ-マグネシア-ジルコニア、ターナリー-シリカ-アルミナ-トリア、及びこれらのいずれか2つ以上の混合物など、SiO2でありうる。
【0071】
好ましくは、金属促進されたLTAゼオライトは、押出成形された触媒体全体を通して分散され、好ましくは、押し出された触媒体の全体を通して均一に分散される。
【0072】
押出成形された固形体は、40から70%など、30から80%の多孔率を有するウォールフローフィルターへと作製することができる。多孔率と細孔容積と細孔半径は、例えば、水銀圧入ポロシメトリーを使用して測定することができる。
【0073】
本明細書に記載されるLTA触媒を含む鉄、マンガン、又はそれらの組合せは、還元剤、好ましくはアンモニアと窒素酸化物との反応を促進して、元素窒素(N)及び水(HO)を選択的に形成することができる。触媒は、還元剤(すなわち、SCR触媒)を用いた窒素酸化物の還元に有利となるように調合されうる。このような還元剤の例としては、炭化水素(例えば、C3-C6炭化水素)及び、アンモニア及びアンモニアヒドラジンなどの窒素系還元剤、若しくは、尿素((NHCO)、カルボミン酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、又はギ酸アンモニウムなどの任意の適切なアンモニア前駆体が挙げられる。
【0074】
本明細書に記載されるLTA触媒を含む鉄、マンガン、又はそれらの組合せはまた、アンモニアの酸化も促進しうる。触媒は、特に、ある濃度のアンモニアが、典型的にはSCR触媒の下流で遭遇する、酸素によるアンモニアの酸化に有利に働くように配合することができる(例えば、アンモニアスリップ触媒(ASC)などのアンモニア酸化(AMOX)触媒)。鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含むLTAゼオライト触媒は、酸化下層の上の最上層として配置することができ、該下層は、白金族金属(PGM)触媒又は非PGM触媒を含む。好ましくは、下層内の触媒は、アルミナを含むが、それに限定されない、高表面積担体上に配置される。
【0075】
SCR及びAMOXの動作は連続して実行させてよく、両プロセスは、本明細書に記載される金属促進されたLTAゼオライトを含む触媒を利用し、ここで、SCRプロセスはAMOXプロセスの上流で起こる。例えば、触媒のSCR配合物はフィルターの入口側に配置することができ、触媒のAMOX配合物はフィルターの出口側に配置することができる。
【0076】
NO化合物の還元又はガス中のNHの酸化のための方法は、NOの触媒還元のために、ガスを本明細書に記載される触媒組成物と、ガス中のNO及び/又はNHのレベルを低下させるのに十分な時間、接触させることを含む。
【0077】
触媒物品は、選択的触媒還元(SCR)触媒の下流に配置されたアンモニアスリップ触媒を有しうる。アンモニアスリップ触媒は、選択的触媒還元プロセスでは消費されない窒素還元剤の少なくとも一部を酸化することができる。アンモニアスリップ触媒は、ウォールフロー型フィルターの出口側に配置することができ、SCR触媒は、フィルターの上流側に配置することができる。
【0078】
アンモニアスリップ触媒はフロースルー基材の下流端に配置することができ、SCR触媒はフロースルー基材の上流端に配置することができる。
【0079】
アンモニアスリップ触媒及びSCR触媒は、排気システム内の別々のブリック上に配置することができる。これらの別々のブリックは、それらが互いに流体連通していること、及びSCR触媒ブリックがアンモニアスリップ触媒ブリックの上流に配置されることを条件として、互いに隣接し、互いに接触していてよく、あるいは、特定の距離だけ離れていてもよい。
【0080】
SCRプロセス及びAMOXプロセスの一方又は両方を、少なくとも100℃の温度で行うことができる。該プロセスは、約150℃から約750℃、約175から約550℃、約175から約400℃の温度で起こりうる。
【0081】
SCRプロセス及びAMOXプロセスの一方又は両方を、約450から約900℃、約500から約750℃、約500から約650℃、約450から約550℃、又は約650から約850℃の温度範囲で行うことができる。
【0082】
450℃より高い温度は、例えば、フィルターの上流の排気システムに炭化水素を注入することによって活発に再生される、ディーゼル微粒子フィルター(任意選択的に触媒化された)を含む排気システムを備えた大型及び軽量ディーゼルエンジンからの排気ガスの処理に特に有用であり、ここで、本明細書に記載されるLTAゼオライト触媒は、フィルターの下流に位置している。
【0083】
本発明の別の態様では、ガスを、本明細書に記載されるLTAゼオライトを含む触媒と、ガス中のNO化合物のレベルを低減するのに十分な時間、接触させることを含む、NO化合物の還元及びガス中のNHの酸化のうちの少なくとも一方についての方法が提供される。これらの方法は、次の工程の1つ以上を含みうる:(a)触媒フィルターの入口と接触するスートを蓄積すること及び燃焼することの少なくとも一方;(b)好ましくはNOxと還元剤の処理を包含する触媒工程の介在なしに、触媒フィルターと接触するより前に窒素性還元剤を排ガス流内に導入する工程;(c)NOx吸蔵触媒又はリーンNOxトラップ上でNHを生成すること、及び好ましくは下流のSCR反応においてこのようなNHを還元剤として使用すること;(d)排ガス流をDOC接触させて、(i)炭化水素ベースの可溶性有機画分(SOF)及び一酸化炭素をCOへと酸化すること、(ii)NOをNOへと酸化し、これを次に微粒子フィルターで微粒子物質を酸化するために使用できること;及び(iii)排ガス中の粒子状物質(PM)を低減すること、のうちの少なくとも1つ;(e)還元剤の存在下で、排ガスを、1つ以上のフロースルーSCR触媒含有装置と接触させて、排ガス中のNOx濃度を低下させること;及び、(f)排ガスを大気中に放出する前に、排ガスを、好ましくはSCR触媒の下流のアンモニアスリップ触媒と接触させて、全てではないにしてもほとんどのアンモニアを酸化するか、あるいは、排ガスがエンジンに入る/再入する前に、排ガスを再循環ループに通すこと。
【0084】
SCRプロセスでの消費のために、窒素系還元剤、特にNHのすべて又は少なくとも一部を、例えば、ウォールフローフィルター上に配置された本発明のSCR触媒など、SCR触媒の上流に配置された、NOx吸蔵触媒(NAC)、リーンNOxトラップ(LNT)、又はNO吸蔵/還元触媒(NSRC)によって供給することができる。本発明に有用なNAC成分は、塩基性材料(例えば、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、及びそれらの組合せを含めた、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属など)、及び貴金属(白金など)、及び任意選択的に、ロジウムなどの還元触媒成分の触媒の組合せを含む。NACに有用な塩基性材料の具体的な種類としては、酸化セシウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、及びそれらの組合せが挙げられる。貴金属は、好ましくは、20から60g/ftなど、約10から約200g/ftで存在しうる。あるいは、触媒の貴金属は、約40から約100グラム/ftでありうる平均濃度によって特徴付けることができる。
【0085】
周期的にリッチな再生事象の間に、NHがNOx吸蔵触媒上で生成されうる。NOx吸蔵触媒の下流のSCR触媒は、システム全体のNOの還元効率を向上させることができる。複合的なシステムでは、SCR触媒は、リッチな再生事象の間にNAC触媒から放出されるNHを貯蔵することができ、貯蔵されたNHを利用して、通常のリーン動作状態の間にNAC触媒をすり抜けたNOxの一部又はすべてを選択的に還元する。
【0086】
本明細書に記載される排ガスの処理のための方法は、例えば、内燃エンジン(移動式又は固定式)、ガスタービン、及び石炭若しくは石油の火力発電所など、燃焼プロセスに由来する排ガスに対して行うことができる。本方法はまた、精錬などの工業プロセスに由来するガス、精錬所のヒーター及びボイラー、燃焼炉、化学処理工業、コークス炉、都市廃棄物のプラント及び焼却炉等に由来するガスを処理するためにも使用することができる。本方法は、例えば、ディーゼルエンジン、リーンバーンガソリンエンジン、又は液化石油ガス若しくは天然ガスにより駆動されるエンジンなど、車両のリーンバーン内燃エンジンからの排ガスを処理するために使用することができる。
【0087】
本発明の別の態様は、内燃エンジン(移動式又は固定式)、ガスタービン、石炭若しくは石油の火力発電所などに由来する燃焼プロセスよって発生した排ガスを処理するためのシステムである。このようなシステムは、本明細書に記載される金属促進されたLTAゼオライトを含む触媒物品と、排ガスを処理するための少なくとも1つの追加の構成要素とを含み、ここで、触媒物品と少なくとも1つの追加の構成要素は、一体的なユニットとして機能するように設計される。
【0088】
本システムは、本明細書に記載される、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライト、流れる排ガスを導くための導管、触媒物品の上流に配置された窒素還元剤源を含む触媒物品を含みうる。本システムは、ゼオライト触媒が所望の効率以上で、例えば、100℃超、150℃超、又は175℃超でNOの還元を触媒することが可能であると判定される場合にのみ、流れる排ガス中に導入される窒素系還元剤を計量するための制御装置を含みうる。窒素還元剤の計量は、SCR触媒に入る排ガス中に、1:1のNH/NO及び4:3のNH/NOで計算して、60%から200%の理論的なアンモニアが、存在しうるように調整することができる。
【0089】
システムは、排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素へと酸化するための酸化触媒(例えば、ディーゼル用酸化触媒(DOC))を含んでよく、ここで、酸化触媒は、排ガス中に導入する窒素還元剤を計量する地点の上流に位置しうる。
【0090】
酸化触媒は、例えば、250℃から450℃の酸化触媒の入口における排ガス温度で、約4:1から約1:3のNOのNOに対する体積比を有するSCRゼオライト触媒に入るガス流が得られるように適合させることができる。酸化触媒は、フロースルーモノリス基材をコーティングする、白金、パラジウム、又はロジウムなどの少なくとも1つの白金族金属(又はこれらの何らかの組み合わせ)を含みうる。少なくとも1つの白金族金属は、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムの両方の組合せである。白金族金属は、アルミナ、例えばアルミノケイ酸塩ゼオライトなどのゼオライト、シリカ、非ゼオライトシリカアルミナ、セリア、ジルコニア、チタニア、又はセリアとジルコニアの両方を含む混合酸化物若しくは複合酸化物など、高表面積ウォッシュコート成分上に担持されうる。
【0091】
適切なフィルター基材は、酸化触媒とSCR触媒との間に位置しうる。フィルター基材は、例えばウォールフロー型フィルターなど、上述したもののいずれかから選択することができる。例えば先に論じた種類の酸化触媒などで、フィルターが触媒化されている場合には、好ましくは、窒素還元剤を計量する地点は、フィルターとゼオライト触媒との間に位置する。あるいは、フィルターが触媒化されていない場合には、窒素還元剤を計量するための手段は、酸化触媒とフィルターとの間に位置しうる。
【0092】
本発明の第2の態様では、触媒組成物は、
a.ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有する、LTA骨格型を有するゼオライト;
b.ゼオライトの総重量に基づいて、骨格外金属としての約0.5から約10、好ましくは約1.5から約5重量パーセントの鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物、及び
c.ゼオライトの総重量に基づいて、少なくとも約1.35重量パーセントのセリウムであって、オリゴマーセリアが5μm未満の粒径を有することを条件として、交換されたセリウムイオン、モノマーセリア、オリゴマーセリア、及びそれらの組合せから選択される形態で存在する、セリウム
を含む。
【0093】
触媒組成物は、ゼオライトの総重量に基づいて、約2から約3.5、約2から約3、又は約2から約2.5重量パーセントの交換された鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を含みうる。
【0094】
触媒組成物は、約0.17から約0.24のゼオライト中のAlに対する比で、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの組合せを含みうる。
【0095】
組成物は、ゼオライトの総重量に基づいて、約1.35から約13.5、好ましくは約2.7から約8.1重量パーセントのセリウムを含みうる。
【0096】
組成物は、Ti、TiO、Zr及びZrOを実質的に含まない場合がある。
【0097】
NOxの処理方法は、約200から約550℃の温度で、少なくとも約70%のNOx変換を達成するのに必要な時間の間、リーンバーン燃焼エンジンによって生成される排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒組成物と接触させることを含む。
【0098】
触媒組成物は、
a.ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有する、LTA骨格型を有するゼオライト;
b.骨格外金属としての約40から約400g/ftの鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物;及び
c.オリゴマーセリアが5μm未満の粒径を有することを条件として、交換されたセリウムイオン、モノマーセリア、オリゴマーセリア、及びそれらの組合せ.から選択される形態で存在する、少なくとも約50g/ftのセリウム
を含む。
【0099】
本発明の第3の態様では、触媒組成物は、LTA骨格型を有する2つのゼオライトのブレンドを含み、ここで、ゼオライトは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、第1のモレキュラーシーブは、約0.01から1μmの平均結晶サイズを有し、第2のモレキュラーシーブは、約1から約5μmの平均結晶サイズを有し、ここで、第1のモレキュラーシーブは第1の骨格外金属を含み、第2のモレキュラーシーブは第2の骨格外金属を含み、第1及び第2の骨格外金属のうちの一方は、骨格外金属としての鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を含み、第1及び第2の骨格外金属のうちの他方は、アンチモン、ビスマス、セシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、スズ、チタン、タングステン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、及びそれらの組合せからなる群より独立して選択される。
【0100】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0101】
第1及び第2の交換される金属交換される金属は、鉄でありうる。
【0102】
第1のモレキュラーシーブは、約10から50のシリカ対アルミナ比を有することができ、第2のモレキュラーシーブは、約20から50のシリカ対アルミナ比を有することができる。
【0103】
触媒組成物は、第1のモレキュラーシーブと第2のモレキュラーシーブとのブレンドを含みうる。
【0104】
第1のモレキュラーシーブと第2のモレキュラーシーブのうちの少なくとも一方は、押出物でありうる。
【0105】
第1の骨格外金属は、モレキュラーシーブの総重量に基づいて、約1から約5重量%の量で存在してよく、第2の骨格外金属は、約0.4:1.0から約1.5:1.0の第1の骨格外金属と第2の骨格外金属との重量比を達成するのに十分な量で存在しうる。
【0106】
第1のモレキュラーシーブと第2のモレキュラーシーブとは、約0.5:1.0から約1.5:1.0のモル比で存在しうる。
【0107】
本発明の第4の態様では、触媒組成物は、
a.ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有する、LTA骨格型を有するゼオライト;
b.ゼオライト材料の総重量に基づいて、約0.5から約10、好ましくは約1から約5重量パーセントの卑金属(「B」)、ここで、卑金属は、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物であり、かつ、遊離及び/又は骨格外の交換金属としてゼオライト材料中に配置される、及び
c.遊離及び/又は骨格外の交換金属としてゼオライト材料中に配置された、アルカリ又はアルカリ土類金属(集合的に「A」)、
を含み、ここで、B及びAは、それぞれ、約15:1から約1:1のモル比で存在する。
【0108】
アルミナは、ゼオライト骨格の一部であるアルミニウム(Al)を含み、触媒組成物は、約0.1から約0.4の(B+A):Alのモル比を有しうる。
【0109】
触媒は、0.25未満:1、好ましくは約0.1から約0.24のBのAlに対するモル比を有しうる。
【0110】
触媒は、約10:1から約3:1のBのAに対するモル比を有しうる。
【0111】
アルカリ又はアルカリ土類金属は、Cs、Na、K、及びRbからなる群より選択されるアルカリ金属でありうる。
【0112】
アルカリ又はアルカリ土類金属は、Ba、Ca、Mg、及びSrからなる群より選択されるアルカリ土類金属でありうる。
【0113】
アルカリ又はアルカリ土類金属は、Ca、K、及びそれらの組合せからなる群より選択され、B:Alは、約0.17から約0.24のモル比で存在しうる。
【0114】
ゼオライトは、約1μmから約5μmの平均結晶サイズを有しうる。
【0115】
触媒組成物は、(d)ゼオライトの総重量に基づいて、ゼオライト材料中に約1から約10重量パーセントのセリウムをさらに含んでよく、該セリウムは、交換されたセリウムイオン、モノマーセリア、オリゴマーセリア、及びそれらの組合せから選択される形態で存在し、ここで、オリゴマーセリアは、5μm未満の粒径を有することを条件とする。
【0116】
触媒組成物は、Zr、ZrO、Ti、及びTiOを実質的に含まない場合がある。
【0117】
触媒的に活性なウォッシュコートは、(a)本発明のこの態様について上述した触媒組成物と、(b)セリア、アルミナ、シリカ、(非ゼオライト)シリカ-アルミナ、天然粘土、TiO、ZrO、及びSnOから選択される1つ以上の安定剤及び/又は結合剤とを含み、触媒組成物と1つ以上の安定剤及び/又は結合剤は、スラリー中に一緒に存在する。
【0118】
触媒物品は、(a)本発明のこの態様について上述した触媒組成物と、b)基材とを含み、ここで、触媒組成物は、基材の表面に配置される、基材の少なくとも一部に浸透する、又はそれらの組合せである。
【0119】
基材は、フロースルーモノリス又はウォールフローモノリスでありうる。
【0120】
排ガス中のNOxを低減する方法は、(a)リーンバーン燃焼プロセスに由来し、かつNOと還元剤とを含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述した触媒組成物と接触させること;及び、(b)NOxの一部をNとHOに変換することを含む。
【0121】
本発明の第5の態様では、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、該ゼオライトは、アルカリ処理によって導入されたメソ細孔を含み、ここで、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在する。
【0122】
SCR触媒は、SCR触媒の総重量に基づいて、50から95重量%のゼオライトを含みうる。
【0123】
触媒は、無機結合剤成分を含みうる。無機結合剤成分は、多孔質粒子を含みうる。無機結合剤成分は、触媒的に活性化されうる。
【0124】
無機結合剤成分は触媒活性層でコーティングされた粒子、又は、それらの粒子形態を保持しつつゼオライト骨格構造へと少なくとも部分的に変換された粒子を含みうる。
【0125】
触媒は、押出成形された触媒、好ましくはハニカム触媒又はウォールフローフィルターの形態でありうる。
【0126】
本発明のこの態様について上述したSCR触媒を生成する方法は、アルカリ処理によって、小細孔の触媒的に活性な成分にメソ多孔性を導入することを含む。好ましくは、LTA骨格を有するゼオライトは、メソ細孔がゼオライト内に導入される場合に、骨格外金属を含まない。
【0127】
本方法は、触媒的に活性なセルを形成するために、ゼオライトに触媒的に活性な金属イオンを導入することをさらに含みうる。
【0128】
ゼオライトは、メソ細孔の導入の後に、直接、金属イオン交換されてもよく、あるいは、金属イオン交換を行う前に、まず、中間の形態へと変換されてもよい。
【0129】
該方法は、成形可能な触媒組成物を提供すること、及び、該成形可能な触媒組成物を、好ましくは押出成形によって成形体へと成形し、その後、成形体にメソ細孔を導入することを含みうる。
【0130】
本発明の第6の態様では、排ガスを処理する触媒は、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含み、該鉄、マンガン、又はそれらの混合物がゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在する、第1のLTA骨格型を有するゼオライトと、主に、Hの形態、NH の形態、アルカリ金属の形態、又はアルカリ土類金属の形態のうちの少なくとも1つの形態をした、第2のLTA骨格型を有するゼオライトとのブレンドを含む。
【0131】
第2のゼオライトは、カルシウムを含みうる。
【0132】
第2のゼオライトは、遷移金属を本質的に含まない場合がある。
【0133】
第2のゼオライトは、非骨格金属を本質的に含まない場合がある。
【0134】
第1のゼオライト及び第2のゼオライトは、異なるシリカ対アルミナ比を有しうる。
【0135】
第1のゼオライトは、第2のゼオライトと比較して低いシリカ対アルミナ比を有しうる。
【0136】
第1のゼオライト及び第2のゼオライトは、独立して、約10から約35のシリカ対アルミナ比を有しうる。
【0137】
第1及び第2のゼオライトは、同じシリカ対アルミナ比を有しうる。
【0138】
第2及び第1のゼオライトは、約0.1から約1の相対比で存在しうる。
【0139】
排ガスを処理するための触媒物品は、本発明のこの態様について上述した触媒を含む多孔質ハニカム基材を含む。
【0140】
排ガスを処理する方法は、本発明のこの態様について上述した触媒の存在下でNOxを含む排ガス流を還元剤と接触させることを含み、該接触によって、NOxの少なくとも一部をNと水に選択的に還元する。
【0141】
該接触は、約150から600℃の温度で起こりうる。
【0142】
本発明の第7の態様では、アンモニアスリップ触媒は、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む第1の層であって、LTA骨格型を有するゼオライトにおいて、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、第1の層と、ペロブスカイトを含む第2の層とを含んでよく、ここで、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている。
【0143】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0144】
第1の層は、第2の層の上に配置された被覆層でありうる。
【0145】
第1の層は第1の担体材料上に担持され、第2の層は第2の担体材料上に担持されうる。
【0146】
ペロブスカイトは、式ABOを有してよく、式中、Aは、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、ランタン(La)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、及びイットリウム(Y)のうちの少なくとも1つを含み、Bは、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも1つを含む。
【0147】
ペロブスカイトは、式LaCoO、LaMnO、LaSr(1-Y)CoO、又はLaSr(1-Y)MnOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。好ましくは、ペロブスカイトは式LaSr(1-Y)CoOを有し、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。
【0148】
ペロブスカイトは、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0149】
SCR触媒は、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0150】
アンモニアスリップ触媒は、約250℃と約650℃の間の温度で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%のN選択性を有しうる。
【0151】
LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む第1の層であって、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、第1の層と、ペロブスカイトを含む第2の層とを含む、アンモニアスリップ触媒を調製する方法であって、ここで、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されており、第1の層は、第2の層の上に配置された被覆層であり、該方法は、
(a)基材上にペロブスカイトを含む最下層のウォッシュコートを塗布することによって、基材上に最下層を形成すること、
(b)基材上の最下層のウォッシュコートを乾燥させること、
(c)基材上の最下層のウォッシュコートをか焼すること、
(d)工程(c)で形成されたか焼した最下層の上に、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む最上層のウォッシュコートを塗布することによって、最下層の上に配置された最上層を形成すること、
(e)基材上のか焼した最下層の上の最上層のウォッシュコートを乾燥させること、及び
(f)基材上の最下層のウォッシュコート上の最上層のウォッシュコートをか焼すること、
を含む。
【0152】
ペロブスカイトは、式ABOを有してよく、式中、Aは、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、ランタン(La)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、及びイットリウム(Y)のうちの少なくとも1つを含み、Bは、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも1つを含む。
【0153】
ペロブスカイトは、式LaCoO、LaMnO、LaSr(1-Y)CoO、又はLaSr(1-y)MnOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。
【0154】
ペロブスカイトは、式LaSr(1-Y)CoOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0であり(境界値を含む)、SCR触媒は、銅又は鉄SAPO-34又は銅又は鉄交換モレキュラーシーブを含む。
【0155】
ペロブスカイトは、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0156】
SCR触媒は、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0157】
燃焼源によって生成される排ガス流中のアンモニアの濃度を低減する方法において、該方法は、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む第1の層であって、該ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、第1の層と、ペロブスカイトを含む第2の層とを含むアンモニアスリップ触媒に、アンモニアを含む排ガス流を接触させることを含み、ここで、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている。
【0158】
第1の層は、第2の層の上に配置された被覆層でありうる。
【0159】
第1の層は第1の担体材料上に担持され、第2の層は第2の担体材料上に担持されうる。
【0160】
ペロブスカイトは、式ABOを有してよく、式中、Aは、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、ランタン(La)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、及びイットリウム(Y)のうちの少なくとも1つを含みBは、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも1つを含む。
【0161】
ペロブスカイトは、式LaCoO、LaMnO、LaSr(1-Y)CoO、又はLaSr(1-y)MnOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。
【0162】
ペロブスカイトは、式LaSr(1-Y)CoOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0であり(境界値を含む)、SCR触媒は、銅又は鉄SAPO-34又は銅又は鉄交換モレキュラーシーブを含む。
【0163】
ペロブスカイトは、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0164】
SCR触媒は、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0165】
アンモニアスリップ触媒は、約250℃と650℃の間の温度で、少なくとも70%のN選択性を有しうる。
【0166】
アンモニアスリップ触媒は、約250℃と650℃の間の温度で、少なくとも90%のN選択性を有しうる。
【0167】
少なくとも1つのSCR触媒、ペロブスカイト、及び白金族金属を含むシステムであって、該SCR触媒の少なくとも一部は、ペロブスカイトを含む層の上に配置された被覆層であり、かつ、該SCR触媒の少なくとも一部は、白金族金属を含む層の上に配置された被覆層であり、ここで、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0168】
ペロブスカイトを含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒と、白金族金属を含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒は、同じSCR触媒でありうる。
【0169】
ペロブスカイトを含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒、及び白金族金属を含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒は、ペロブスカイト層及び白金族金属層の両方の上の単層内に存在しうる。
【0170】
ペロブスカイトを含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒と、白金族金属を含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒とは、排ガスの流れが、最初に、ペロブスカイトを含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒を含む物品を通過し、その後、白金族金属を含む層の上に配置された被覆層内のSCR触媒を含む物品を通過するように、互いに隣接して位置する別々の触媒物品上に配置されうる。
【0171】
触媒物品は、(a)入口面端部及び出口面、並びに入口面から出口面へのガス流の軸を有するウォールフローモノリスと、(b)第1のSCR触媒を含む第1の層とペロブスカイトを含む第2の層とを含む、第1の組成物であって、第1の層が、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている、第1の組成物と、(c)第2のSCR触媒を含む第1の層と貴金属を含む第2の層とを含み、第1の層が、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている、第2の組成物と、を含んでよく、ここで、第1及び第2の組成物は、ウォールフローモノリスの一部分内に、軸に沿って直列に配置され、第1の組成物は、入口面に近接して配置され、第2の区域は出口面に近接して配置されており、SCR触媒の少なくとも1つは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0172】
第1のSCR触媒と第2のSCR触媒は同じSCR触媒でありうる。
【0173】
第1のSCR触媒と第2のSCR触媒は、異なるSCR触媒であってもよい。
【0174】
第1のSCR触媒及び第2のSCR触媒のうちの一方は、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ、又はそれらの混合物を含みうる。
【0175】
卑金属は、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、及びバナジウム(V)、並びにそれらの混合物からなる群より選択されうる。
【0176】
第1のSCR触媒及び第2のSCR触媒のうちの一方は、金属交換モレキュラーシーブを含んでよく、ここで、金属は、カルシウム、コバルト、銅、ガリウム、インジウム、鉄、ニッケル、銀、及びスズからなる群より選択される。
【0177】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、ゼオライトでありうる。
【0178】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔又は大細孔又はそれらの混合物でありうる。
【0179】
ペロブスカイトは、式ABOを有してよく、式中、Aは、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、銅(Cu)、ランタン(La)、鉛(Pb)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、及びイットリウム(Y)のうちの少なくとも1つを含み、Bは、アルミニウム(Al)、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)のうちの少なくとも1つを含む。
【0180】
ペロブスカイトは、式LaCoO、LaMnO、LaSr(1-Y)CoO、又はLaSr(1-y)MnOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。
【0181】
ペロブスカイトは、式LaSr(1-Y)CoOを有してよく、式中、Y=0.6から1.0である(境界値を含む)。
【0182】
ペロブスカイトは、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0183】
第1及び第2のSCR触媒は、各々、約0.2から約5.0g/inの濃度で存在しうる。
【0184】
触媒物品は、約250℃と約650℃の間の温度で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%のN選択性を有しうる。
【0185】
エンジン排ガス処理システムであって、(a)本発明のこの態様について上述した触媒物品と、(b)触媒物品の上流のアンモニア又は尿素供給源とを含む、システム。
【0186】
排ガスを処理する方法は、本発明のこの態様について上述した触媒物品の存在下、約150℃から約750℃の温度で、NOxの濃度を有する排ガス流を、還元剤と接触させることを含む。
【0187】
排ガス中のNOxを低減する方法は、ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、ガス中のNOx化合物のレベルを低下させるのに十分な時間及び温度で接触させることを含む。
【0188】
本発明の第8の態様では、触媒組成物は、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、ここで、該ゼオライトは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)、モレキュラーシーブの総重量に基づいて、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物から選択される、約0.5から10重量パーセントのイオン交換した金属(T)、及び、モレキュラーシーブの総重量に基づいて、約0.5から5重量パーセントのニッケルを有し、ここで、遷移金属及びニッケルは、約10:1から約1:2のT:Ni比で存在する。
【0189】
ニッケルの大部分は、骨格外金属として存在しうる。
【0190】
モレキュラーシーブは、結晶で構成することができ、遷移金属とニッケルは、XPSで測定した重量パーセントで存在し、これは、XRFで測定したそれらの重量パーセントの10%以内である。
【0191】
ゼオライトは、非アルミニウム骨格金属を本質的に含まない場合がある。
【0192】
ゼオライトは、約0.5から5ミクロンの平均結晶サイズを有しうる。
【0193】
ゼオライトは、SCR触媒であってよく、還元剤の存在下でNOxを低減してNにするのに有効でありうる。
【0194】
触媒物品は、本発明のこの態様について上述した触媒組成物でコーティングされた基材を含む。
【0195】
基材は、金属フロースルー基材、ハニカムフロースルー基材、ハニカムウォールフローフィルター、又はハニカムパーシャルフィルターでありうる。
【0196】
触媒物品は、酸化触媒を含む第2のコーティングをさらに含みうる。
【0197】
排ガスを処理する方法は、NOx及び還元剤を含むガスをwith本発明のこの態様について上述した触媒と接触させて、NOxの少なくとも一部を触媒的に低減させてNにすることを含みうる排ガスはさらに、硫黄源を含んでよく、好ましくは、排ガスは、少なくとも10ppmの硫黄を含む。
【0198】
本発明の第9の態様では、触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と、第1のSCR触媒と、任意選択的に、第2及び/又は第3のSCR触媒との組合せを含み、ここで、SCR触媒の少なくとも1つは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0199】
該組合せは、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と、第1のSCR触媒とのブレンドでありうる。
【0200】
該組合せは、第1のSCR触媒を含む最上層と、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金を含む最下層とを有する二重層であってよく、ここで、最下層は、基材上、又は、最下層と基材との間に位置する第3のSCR触媒上基材上に位置付けられる。
【0201】
低アンモニア貯蔵を有する担体上は、≧100、好ましくは≧500のシリカ対アルミナ比を有する、シリカ又はゼオライトを含む珪酸質担体でありうる。
【0202】
第1のSCR触媒の量の低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金の量に対する比は、これらの成分の重量に基づいて、0:1から300:1の範囲、好ましくは3:1から300:1の範囲でありうる(境界値を含む)。
【0203】
第1のSCR触媒は、銅及びモレキュラーシーブを含むCu-SCR触媒又は鉄及びモレキュラーシーブを含むFe-SCR触媒でありうる。
【0204】
白金は、ブレンド中の白金の担体の重量+白金の重量+第1のSCR触媒の重量に対して、(a)0.01-0.3重量%、(b)0.03-0.2重量%、(c)0.05-0.17重量%、及び(d)0.07-0.15重量%、(境界値を含む)のうちの少なくとも1つ割合で触媒中に存在しうる。
【0205】
白金は、触媒中に、層の重量に対して、0.1重量%から2重量%まで(境界値を含む)、好ましくは0.1から1重量%まで(境界値を含む)、さらに好ましくは0.1重量%から0.5重量%まで(境界値を含む)割合で存在しうる。
【0206】
触媒は、第2のSCR触媒をさらに含んでよく、ここで、第2のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置し、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドと少なくとも部分的に重なり合う。
【0207】
第2のSCR触媒9を含む上述の触媒は、第3のSCR触媒をさらに含んでよく、ここで、第3のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドに隣接して位置し、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドは、第3のSCR触媒と少なくとも部分的に重なり合う。
【0208】
触媒は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約250℃から約350℃の温度で、アンモニアからのN収率の向上をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、担持された白金は第2の層として存在し、かつ、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0209】
触媒は、(A)約350℃から約450℃の温度でのアンモニアからのN収率の向上、及び(b)同等の配合物を含む触媒と比較して、約350℃から約450℃の温度でのNOx生成の低減のうちの少なくとも一方をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、担持された白金は第2の層として存在し、かつ、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0210】
触媒は、同等の配合物を含む触媒と比較して、NHからのNOの形成の低減をもたらし、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、担持された白金は第2の層として存在し、かつ、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0211】
約250℃から約350℃の温度における排ガス中のアンモニアからのN収率を向上させる方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒と接触させることを含んでよく、収率の向上は、同等の配合物を含む触媒と比較して約5%から約10%であり、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、アンモニアを貯蔵する担体上の白金は第2の層として存在し、かつ、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0212】
排ガス中のNHからのNOの形成を低減する方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒と接触させることを含み、NOの形成の低減は、同等の配合物を含む触媒と比較して約20%から約40%であり、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、アンモニアを貯蔵する担体上の白金は第2の層として存在し、かつ、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0213】
本発明の第10の態様では、排ガスの処理のための触媒物品は、(A)WO-TiO担体上に少なくとも1つの貴金属を含む酸化触媒であって、該担体が、WOとTiOとを合わせた重量に基づいて、約1から約20重量パーセントのWOを含む、酸化触媒と、(b)酸素の存在下でNOを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒であって約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、触媒と、(c)基材とを含み、ここで、
酸化触媒は、基材上又は基材内に配置され、NOを選択的に還元するための触媒は、基材上又は基材内に配置されるが、酸化触媒とは物理的に隔てられている。
【0214】
担体は、WOとTiOとを合わせた重量に基づいて、約2から約10重量パーセントのWOを含有しうる。
【0215】
酸化触媒は、Al、Ce、Mo、Si、V、及びZrを本質的に含まない場合がある。
【0216】
少なくとも1つの貴金属は、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、又はそれらの組合せ、好ましくはPt、Pd、又はそれらの組合せでありうる。
【0217】
酸化触媒は、WO-TiO担体上の貴金属で構成されうる。
【0218】
触媒物品は、酸化触媒を含むウォッシュコートをさらに含みうる。
【0219】
酸化触媒は、基材上に第1のウォッシュコート層として配置されてよく、第2の触媒は、基材上に第2のウォッシュコート層として配置されてよく、ここで、第1のウォッシュコート層は、第2の層を完全に覆うが、第2の層とは分離している。
【0220】
排ガスを処理する方法は、(a)NHを含む排ガスを、WO-TiO担体上に貴金属を含む酸化触媒と、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトとを有する基材を通して流すことであって、担体が、WOとTiOとを合わせた重量に基づいて、約1から約20重量パーセントのWOを含む、流すこと、及び、(b)NHの少なくとも一部を酸化して、NO及びHOを生成すること、を含む。
【0221】
流れる排ガスは、少なくとも500ppmのSOを含みうる。
【0222】
排ガスの処理に使用した触媒物品の再生方法は、
a.排ガスを、酸化触媒とSCR触媒とを有する基材を通して流すことであって、該排ガスが、基材に入る前にSOを含んでおり、酸化触媒が、WO-TiO担体上に貴金属を含み、SCR触媒が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、担体が、WOとTiOとを合わせた重量に基づいて、約1から約20重量パーセントのWOを含む、流すこと;
b.触媒層内のSOの少なくとも一部を吸収すること;及び
c.触媒層が少なくとも5g/LのSOを吸着した後に、触媒を再生すること、を含む。
【0223】
排ガスの処理に使用した触媒物品の再生方法は、
a.排ガスを、酸化触媒を有する基材を通して流すことであって、該排ガスが、基材に入る前にSOを含んでおり、酸化触媒が、WO-TiO担体上に貴金属を含み、担体が、WOとTiOとを合わせた重量に基づいて、約1から約20重量パーセントのWOを含む、流すこと;
b.触媒層内のSOの少なくとも一部を吸収すること;及び
c.350℃を超えない温度で触媒を再生すること、を含む。
【0224】
本発明の第11の態様では、排ガスの処理のための触媒物品は、基材上及び/又は基材内に配置された第1の触媒層と、該第1の触媒層の上にコーティングされた第2の触媒層とを有する基材を含み;ここで、第1の触媒層は第1の酸化触媒を含み、第2の触媒層は、(i)担持されたパラジウムからなる第2の酸化触媒と、(ii)約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、NOを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒との混合物を含み;ここで、第1及び第2の酸化触媒は異なる配合物である。
【0225】
第2の触媒層は、Ag、Au、Ir、Os、Pt、Rh及びRuを本質的に含まない場合がある。
【0226】
第1の酸化触媒は、担持された貴金属でありうる。
【0227】
第1の酸化触媒は、金属酸化物粒子上に担持されたPt、又は金属酸化物粒子上に担持されたPtとPdの混合物でありうる。
【0228】
基材は、約50から約65%の壁多孔率を有するフロースルーハニカムでありうる。
【0229】
第1の触媒層の大部分は、基材壁内に配置することができ、第2の触媒層の大部分は、基材壁の表面上に配置することができる。
【0230】
排ガスを処理するための触媒物品は、
a.基材;
b.基材上及び/又は基材内に配置された第1の酸化触媒層;
c.第1の触媒層の上に配置された第2の触媒層であって、該第2の層は、NOを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒を含み、該NOを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、第2の触媒層;及び
d.第2の触媒層の上に配置された第3の触媒層であって、担持されたPdからなる第2の酸化触媒を含む、第3の触媒層;
を含み、ここで、
第1及び第2の酸化触媒は、異なる配合物である。
【0231】
第3の触媒層は、ルテニウム、レニウム、ロジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金、アルカリ及びアルカリ土類金属、並びに、パラジウム用の金属酸化物粒子担体の形態の遷移金属を除く遷移金属を本質的に含まない場合がある。
【0232】
排ガスを処理するための触媒物品は、
a.基材;
b.基材上及び/又は基材内に配置された第1の酸化触媒層;
c.第1の触媒層の上に配置された第2の触媒層であって、該第2の層は、NOxを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒を含み、該NOxを選択的に還元するため及び/又はNH3を貯蔵するための触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、第2の触媒層;及び
d.第1及び第2の触媒層の上流に配置された第3の触媒層であって、担持されたPdからなる第2の酸化触媒を含む、第3の触媒層;
を含み、ここで、
第1及び第2の酸化触媒は、異なる配合物である。
【0233】
排ガス処理システムは、
a.排ガスマニホールド;
b.窒素系還元剤を排ガス中に導入するためのサブシステム;
c.約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒;及び
d.基材上及び/又は基材内に配置された第1の触媒層と、該第1の触媒層の上にコーティングされた第2の触媒層とを有する基材であって、ここで、第1の触媒層は第1の酸化触媒を含み、第2の触媒層は、(i)担持されたパラジウムからなる第2の酸化触媒と、(ii)NOを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒との混合物を含み、第1及び第2の酸化触媒は異なる配合物である、基材;
を含み、ここで、
構成要素(a)-(d)は、直列に流体連通しており、それぞれ、上流から下流へと連続した順序になっており;該システムは、基材と排ガスマニホールドとの間に酸化触媒を含まない。
【0234】
排ガス処理システムは、
a.約4:1から約1:3のNO/NO比を生成するための第1の酸化触媒;
b.窒素系還元剤を排ガス中に導入するためのサブシステム;
c.ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒;
d.排ガスに燃料を導入するためのインジェクタ;
e.基材上及び/又は基材内に配置された第2の触媒層と、第2の触媒層の少なくとも一部の上にコーティングされた第1の触媒層とを有する、第2のフロースルーモノリスであって、ここで、第1の触媒層が、(i)第1の担体上のパラジウムからなる第1の酸化触媒と、(ii)NOxを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒との混合物を含み、第2の触媒層は第2の酸化触媒を含み、基材が排ガスマニホールドと流体連通している、第2のフロースルーモノリス;及び
f.ディーゼル微粒子フィルター;
を含み、ここで、
構成要素(a)-(e)は、それぞれ、上流から下流へと連続した順序になっている。
【0235】
基材上及び/又は基材内に配置された第1の触媒層と、該第1の触媒層の上にコーティングされた第2の触媒層とを有する基材を含む触媒物品と接触させることを含む、排ガスの処理方法であって、ここで、第1の触媒層は第1の酸化触媒を含み、第2の触媒層は、(i)担持されたパラジウムからなる第2の酸化触媒と、(ii)約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、NOxを選択的に還元するため及び/又はNHを貯蔵するための触媒と、の混合物を含み、ここで、第1及び第2の酸化触媒は異なる配合物であり、該接触により、(a)NHの少なくとも一部を第2の触媒層内に吸蔵し;(b)NHの少なくとも一部を酸化して、N及び/又は二次的NOを形成し;かつ、(c)二次的NOの少なくとも一部を、貯蔵されたNHを用いて選択的に還元して、N及びHOを生成する。
【0236】
排ガスは、CO及び/又は炭化水素をさらに含んでよく、ここで、該接触により、CO及び/又は炭化水素の少なくとも一部を酸化して、CO、及び任意選択的にHOを形成する。
【0237】
本方法は、さらに、
d.本発明のこの態様について上述した触媒物品の上流の排ガスに燃料を導入する工程;
e.該燃料を触媒物品と接触させて、燃料を酸化し、加熱された排ガスを生成する工程;及び
f.該加熱された排ガスを使用して、下流の微粒子フィルターを再生する工程、
を含みうる。
【0238】
本発明の第12の態様では、触媒物品は、(a)高多孔性基材の壁内に白金、パラジウム又はそれらの混合物を含む高多孔性基材と、(b)高多孔性基材の壁上のSCR触媒コーティングとを含むことができ、ここで、白金、パラジウム、又はそれらの混合物は、高多孔性担体の壁内に、金属として、又は担持された白金、パラジウム又はそれらの混合物として存在し、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0239】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0240】
白金、パラジウム又はそれらの混合物、若しくは担持された白金、パラジウム又はそれらの混合物はまた、高多孔性担体の壁上のコーティングとしても存在しうる。
【0241】
SCR触媒コーティングは、高多孔性基材の壁の少なくとも一部の両側に存在しうる。
【0242】
白金、パラジウム又はそれらの混合物は、高多孔性基材の壁の少なくとも一部の両側に存在しうる。
【0243】
触媒物品は、未処理の高多孔性基材の背圧と比較して、100%以下の背圧の増加を有しうる。
【0244】
触媒物品は、2%未満の高多孔性担体の壁上のSCR触媒コーティングの喪失を有しうる。
【0245】
高多孔性基材は、約40%から約80%の多孔率を有しうる。
【0246】
触媒物品は、約0.1重量%から約1重量%の白金又は約0.1重量%から約2重量%のパラジウムを含みうる。
【0247】
触媒物品は、少なくとも1つの卑金属助触媒をさらに含みうる。少なくとも1つの卑金属助触媒は、ネオジム(Nd)、バリウム(Ba)、セリウム(Ce)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、ストロンチウム(Sr)及びそれらの酸化物からなる群より選択されうる。
【0248】
触媒物品は、高多孔性基材の多孔率よりも小さい多孔率を有する基材を含む同等の物品よりも高い選択性で、NOxをNに変換することができる。
【0249】
NOxを含む排ガスを精製する方法は、NOxを含む排ガスを本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0250】
NOxを含む排ガスは、約150℃から約550℃の温度で、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触しうる。
【0251】
該方法は、NOxをNへと変換することができ、N選択性は、高多孔性基材の多孔率未満の多孔率を有する基材を含む同等の物品のN選択性より大きい。
【0252】
本発明の第13の態様では、触媒物品は、SCR触媒及びNOx吸蔵触媒を含み、ここで、SCR触媒は約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトを含み、該ゼオライトは、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物とイオン交換され、NOx吸蔵触媒は、セリア又は金属含有モレキュラーシーブ上にパラジウムを含み、ここで、金属は、セリウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀バナジウム、及び亜鉛、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0253】
NOx吸蔵触媒中の金属は、コバルト、マンガン、パラジウム、又は亜鉛であってよく、好ましくはパラジウム又は亜鉛でありうる。
【0254】
NOx吸蔵触媒は、パラジウム含有モレキュラーシーブを含んでよく、該モレキュラーシーブは、シリコアルミノフォスフェートを含んでおり、該シリコアルミノフォスフェートは、5%と15%の間(境界値を含む)のシリカを含む。
【0255】
NOx吸蔵触媒は、5から100(境界値を含む)のSARを有するゼオライト、又は5%と15%の間(境界値を含む)のシリカを含む、シリカアルミノホスフェートを含む、モレキュラーシーブを含みうる。
【0256】
SCR触媒中のゼオライト内の交換される金属は、モレキュラーシーブの重量に基づいて、0.01から10重量%の濃度で存在しうる。
【0257】
SCR触媒は、約0.5から約4.0g/inの担持量で存在しうる。
【0258】
NOx吸蔵触媒中の金属は、NOx吸蔵触媒の総重量に基づいて、0.01から20重量%の濃度で存在しうる。
【0259】
NOx吸蔵触媒は、約0.5から約4.0g/inの担持量で存在しうる。
【0260】
触媒物品は、(a)SCR触媒を含む第1の層及びNOx吸蔵触媒を含む第2の層、又は(b)NOx吸蔵触媒を含む第1の層及びSCR触媒を含む第2の層を含むことができ、ここで、SCR触媒は約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトを含み、該ゼオライトは、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物とイオン交換される。
【0261】
第1の層は、第2の層と接触する前に、触媒物品内を通過する排ガスと接触するように位置付けられうる。
【0262】
第1の層は、第2の層の上に配置された被覆層でありうる。
【0263】
第1の層は、第2の層に隣接していてよい。
【0264】
第1の層及び第2の層は、両方とも、同一基材上に位置していてもよい。
【0265】
第1の層は、第1の基材上に位置付けられてよく、第2の層は、第2の基材上に位置付けられうる。
【0266】
第1の層及び第2の層のうちの少なくとも一方におけるモレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA又はLTA構造を含みうる。
【0267】
第1の層及び第2の層におけるモレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA又はLTA構造を含む。
【0268】
触媒物品は、上流部分及び下流部分を有するフロースルー基材又はウォールフローフィルター、若しくは、入口側及び出口側を有するフィルター基材をさらに含みうる。
【0269】
基材がフロースルー基材の場合、第1の層は、基材の上流部分上のコーティングであり、第2の層は、基材の下流部分の上にコーティングされる。
【0270】
基材がウォールフローフィルターの場合、第1の層は、フィルターの入口側上のコーティングであり、第2の層は、フィルターの出口側上のコーティングである。
【0271】
SCR触媒は、基材の上流部分のフロースルー基材上に配置することができ、NOx吸蔵触媒は、基材の下流部分のフロースルー基材上に配置することができる。
【0272】
SCR触媒は、基材の入口部分のウォールフローフィルター上に配置することができ、NOx吸蔵触媒は、ウォールフローフィルターの下流部分のウォールフローフィルター上に配置することができる。
【0273】
SCR触媒及びNOx吸蔵触媒は、基材上に混合物として存在しうる。
【0274】
触媒物品は、1つ以上の追加の触媒をさらに含みうる。
【0275】
フィルター基材又はフロースルー基材は、炭化ケイ素、コーディエライト又はチタン酸アルミニウムを含みうる。
【0276】
NOx吸蔵触媒におけるモレキュラーシーブは、SCR触媒中の金属含有モレキュラーシーブ内のモレキュラーシーブと同一であってよく、NOx吸蔵触媒中の金属とSCR触媒中の金属は、モレキュラーシーブと組み合わせられる。
【0277】
NOx吸蔵触媒におけるモレキュラーシーブは、SCR触媒中の金属含有モレキュラーシーブ内のモレキュラーシーブとは異なっていてもよく、NOx吸蔵触媒中の金属は、NOx吸蔵触媒におけるモレキュラーシーブとの第1の組合せであってよく、SCR触媒中の金属は、SCR触媒におけるモレキュラーシーブとの第2の組合せであり、第1の組合せと第2の組合せは、第3の組合せで存在しうる。
【0278】
NOx吸蔵触媒は、パラジウム又は亜鉛であってよく、モレキュラーシーブは小細孔モレキュラーシーブでありうる。触媒は、Cu、Fe及びMnのうちの1つ以上をさらに含みうる。好ましくは、小細孔モレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA又はLTAを含む。
【0279】
NOx吸蔵触媒中の金属はパラジウムでありうる。
【0280】
パラジウムは、噴霧乾燥、含浸、又はイオン交換によってモレキュラーシーブ内に組み込まれうる。
【0281】
モレキュラーシーブは水熱エイジングしてもよい。
【0282】
触媒物品は、炭化水素-SCR活性をさらに含みうる。
【0283】
触媒物品は、炭化水素SCRによって、NOxの貯蔵を低減することができる。
【0284】
触媒物品は、パラジウム含有モレキュラーシーブを含み、かつ、次の条件:
(a)銅のアルミニウムに対する比が0.01から0.5である(境界値を含む);
(b)パラジウムのアルミニウムに対する比が0.01から0.5である(境界値を含む);及び
(c)(銅+パラジウム)のアルミニウムに対する比が0.02から0.5である(境界値を含む)
の1つ以上を満たす、NOx吸蔵触媒を含みうる。
【0285】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、押出成形されたモノリス基材を含み、ここで、
(a)押出成形された基材は、押出成形された基材の上に層として配置されたSCR触媒及びNOx吸蔵触媒を含む;又は
(b)押出成形された基材は、押出成形された基材の上に層として配置されたNOx吸蔵触媒及びSCR触媒を含む;又は
(c)押出成形された基材は、SCR触媒及びNOx吸蔵触媒を含む。
【0286】
触媒物品は、1つ以上の触媒を含む、1つ以上の追加の層をさらに含みうる。
【0287】
SCR触媒、NOx吸蔵触媒、及び少なくとも1つの結合剤を含む、触媒ウォッシュコートであって、該SCR触媒は、セリウム、クロム、コバルト、銅、ガリウム、インジウム、イリジウム、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウム、銀、スズ、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含み、NOx吸蔵触媒は、モレキュラーシーブと、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属とを含み、ここで、
(a)SCR触媒中の金属とNOx吸蔵触媒中の金属とは異なっているか、又は
(b)SCR触媒中の金属とNOx吸蔵触媒中の金属は同一であり、かつ、(i)NOx吸蔵触媒のみがモレキュラーシーブを含むか、あるいは、(ii)SCR触媒中のモレキュラーシーブが、NOx吸蔵触媒中のモレキュラーシーブとは異なっているのいずれかであり、少なくとも1つの結合剤が、アルミナ、シリカ、非ゼオライトシリカ-アルミナ、天然粘土、TiO、ZrO、及びSnOからなる群より選択される。
【0288】
アンモニアスリップ触媒の製造方法であって、該方法は、(a)基材上にセリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含むNOx吸蔵触媒を含む、最下層のウォッシュコートを塗布することによって、基材上に最下層を形成すること、(b)基材上の最下層のウォッシュコートを乾燥させること、(c)基材上の最下層のウォッシュコートをか焼すること、(d)工程(c)で形成されたか焼した最下層の上に、ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む最上層のウォッシュコートを塗布することによって、最下層の上に配置された最上層を形成すること、(e)基材上のか焼した最下層の上の最上層のウォッシュコートを乾燥させること、及び、(f)基材上の最下層のウォッシュコート上の最上層のウォッシュコートをか焼することを含む。
【0289】
アンモニアスリップ触媒の製造方法であって、該方法は、(A)ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、該ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む、最下層のウォッシュコートを基材上に塗布することによって、基材上に最下層を形成すること、(b)基材上の最下層のウォッシュコートを乾燥させること、(c)基材上の最下層のウォッシュコートをか焼すること、(d)セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含むNOx吸蔵触媒を含む最上層のウォッシュコートを、工程(c)で形成されたか焼した最下層の上に塗布することによって、最下層の上に配置された最上層を形成すること、(e)基材上のか焼した最下層の上の最上層のウォッシュコートを乾燥させること、及び、(f)基材上の最下層のウォッシュコート上の最上層のウォッシュコートをか焼することを含む。
【0290】
本発明のこの態様について上述した触媒物品、パッシブNOx吸着体(PNA)、及び任意選択的に、ディーゼル酸化触媒(DOC)又は触媒化スートフィルター(CSF)を含む、排気システムであって、ここで、パッシブNOx吸着体又はDOCはCSFの後に続き、本発明のこの態様について上述した触媒物品の上流に位置付けられ、本発明のこの態様について上述した物品は、フィルター上に位置している。
【0291】
排気システムは、追加のSCR又はSCRF触媒をさらに含んでいてよく、ここで、追加のSCR又はSCRF触媒は、本発明のこの態様について上述した触媒物品の上流に位置付けられる。
【0292】
排気システムは、本発明のこの態様について上述した触媒物品の上流のシステムに尿素を投与する第1の手段と、本発明のこの態様について上述した触媒物品の後にシステムに尿素を投与する第2の手段とをさらに含みうる。
【0293】
排気システムは、触媒物品の前にシステムに尿素を投与する第1の手段を制御する手段をさらに含んでよく、該システムに尿素を投与する第1の手段を制御する手段は、触媒物品の温度がライトオフ温度未満の場合に、尿素の導入を停止又は低減する。
【0294】
本発明のこの態様について上述した触媒物品と、密結合した触媒化スートフィルター(CSF)又はフィルター上のSCR(SCRF)とを含む、排気システムであって、ここで、触媒化スートフィルターは、本発明のこの態様について上述した触媒物品の下流に位置付けられる。
【0295】
排気システムは、MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下をもたらしうる。
【0296】
排気システムは、MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下をもたらしうる。
【0297】
排気システムは、MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下をもたらしうる。
【0298】
排気システムは、MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下をもたらしうる。
【0299】
排気システムは、次のうちの2つ以上をもたらしうる:(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下。
【0300】
排気システムは、次のうちの3つ以上をもたらしうる:(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下。
【0301】
排気システムは、(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下をもたらしうる。
【0302】
排気システムは、200℃以下の温度で、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも70%のNOx変換をもたらしうる。
【0303】
排気システムは、250℃以下の温度で、少なくとも90%のNOx変換をもたらしうる。
【0304】
排気システムは、250℃の温度で、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも65%、最も好ましくは少なくとも70%のCO変換をもたらしうる。
【0305】
排気システムは、300℃の温度で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも750%、さらに好ましくは少なくとも80%のCO変換をもたらしうる。
【0306】
排気システム内の触媒物品は、100℃においてNOx吸着をもたらしうる。
【0307】
触媒物品は、MVEG試験において、最初の250秒、好ましくは最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下をもたらしうる。
【0308】
触媒物品は、MVEG試験において、最初の1200秒にわたって生成したCO及びTHCのうちの少なくとも一方の蓄積量の少なくとも75%の低下をもたらしうる。
【0309】
触媒物品は、次のうちの2つ以上をもたらしうる:(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下。
【0310】
触媒物品は、次のうちの3つ以上をもたらしうる:(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下。
【0311】
触媒物品は、(a)MVEG試験において最初の250秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(b)MVEG試験において最初の1100秒にわたって生成したNOxの蓄積量の少なくとも50%の低下;(c)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したCOの蓄積量の少なくとも75%の低下;及び(d)MVEG試験において最初の1200秒にわたって生成したTHCの蓄積量の少なくとも75%の低下をもたらしうる。
【0312】
排ガスを処理する方法は、(a)入口面端部及び出口面、並びに入口面から出口面へのガス流の軸を有するウォールフローモノリスと、(b)LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む第1の層であって、該ゼオライトが約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、ゼオライトが、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、第1の層と、セリア又は金属含有モレキュラーシーブ上にパラジウムを含む、NOxトラップ触媒を含む第2の層であって、該金属が、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される、第2の層とを含む組成物であって、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている、組成物と、(c)任意選択的に、第2のSCR触媒を含む第1の層と貴金属を含む第2の層とを含み、第1の層が第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている、第2の組成物とを含む触媒物品の存在下、約150℃から約750℃の温度で、NOxの濃度を有する排ガス流を、窒素還元剤と接触させることを含み、ここで、第1及び第2の組成物は、ウォールフローモノリスの一部分内に軸に沿って直列に配置され、第1の組成物は、入口面に近接して配置され、第2の区域は出口面に近接して配置されている。
【0313】
触媒物品は、SCR触媒を含む第1の層とNOx吸蔵触媒を含む第2の層を含んでよく、ここで、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、NOx吸蔵触媒は、金属含有モレキュラーシーブを含み、ここで、金属は、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択され、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置される。
【0314】
触媒物品は、SCR触媒を含む第1の層とNOx吸蔵触媒を含む第2の層を含んでよく、ここで、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、NOx吸蔵触媒は、金属含有モレキュラーシーブを含み、ここで、金属は、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択され、第2の層は、第1の層の前に排ガスと接触するように配置される。
【0315】
排ガス流中のアンモニア、NOx、一酸化炭素、及び炭化水素のうちの1つ以上の濃度を低減する方法は、アンモニア、NOx、一酸化炭素、及び/又は炭化水素を含有する排ガス流を、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒を含む第1の層と、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含むNOx吸蔵触媒を含む第2の層とを含むアンモニアスリップ触媒と接触させることを含み、ここで、第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている。
【0316】
排ガス中のアンモニア、NOx、CO、及び炭化水素のうちの少なくとも1つを低減する方法は、ガスを、(a)入口面端部及び出口面、並びに入口面から出口面へのガス流の軸を有するウォールフローモノリスと、(b)第1のSCR触媒を含む第1の層及びセリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含むNOx吸蔵触媒を含む第2の層であって、第1の層が第2の層の前に排ガスと接触するように配置されている、第2の層と、任意選択的に、(c)第2のSCR触媒を含む第1の層と貴金属を含む第2の層とを含む第2の組成物とを含む触媒物品と接触させることを含み、
第1のSCR触媒と第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトであり、
第1の層が、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されており、第1及び第2の組成物が、ウォールフローモノリスの一部分内に、軸に沿って直列に配置され、ここで、第1の組成物は、入口面に近接して配置されており、第2の区域は、ガス中のアンモニア、NOx、CO、及び炭化水素のうちの少なくとも1つのレベルを低下させるのに十分な時間及び温度で、出口面に近接して配置されている。
【0317】
排ガス中のアンモニア、NOx、CO、及び炭化水素のうちの少なくとも1つを低減又は酸化する方法は、ガスを、(a)入口面端部及び出口面、並びに入口面から出口面へのガス流の軸を有するウォールフローモノリスと、(b)第1のSCR触媒を含む第1の層及びセリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択される金属を含むNOx吸蔵触媒を含む第2の層であって、第1の層の前に排ガスと接触するように構成された、第2の層と、任意選択的に、(c)第2のSCR触媒を含む第1の層と貴金属を含む第2の層とを含む、第2の組成物とを含む触媒物品と接触させることを含み、
第1のSCR触媒と第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトであり、
第1の層は、第2の層の前に排ガスと接触するように配置されており、第1及び第2の組成物は、ウォールフローモノリスの壁の一部分内又は壁上に、軸に沿って直列に配置され、第1の組成物は、入口面に近接して配置され、及び第2の区域は、ガス中のアンモニア、NOx、CO、及び炭化水素のうちの少なくとも1つのレベルを低下させるのに十分な時間及び温度で、出口面に近接して配置される。
【0318】
少なくとも排ガス流中のアンモニア、NOx、CO、及びTHCのうちの1つの濃度を低減する方法であって、該方法は、アンモニア、NOx、CO及びTHCを含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、ガス中のアンモニア、NOx、CO及びTHCのうちの少なくとも1つのレベルを低下させるのに十分な時間及び温度で、接触させることを含む。
【0319】
エンジンの冷間始動時における排ガス流中のNOxの濃度を低減する方法は、NOxを含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含み、ここで、貯蔵されたNOxは、炭化水素SCRによって低減される。
【0320】
アンモニアスリップ触媒は、入口区域及び出口区域を含んでよく、ここで、SCR触媒は入口区域内に位置付けられ、NOx吸蔵触媒は出口区域内に位置付けられ、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含んでおり、NOx吸蔵触媒は、金属含有モレキュラーシーブを含んでおり、ここで、金属は、セリウム、コバルト、鉄、ランタン、マンガン、モリブデン、ニオブ、パラジウム、タングステン、銀、及び亜鉛からなる群より選択され、SCR触媒及びNOx吸蔵触媒のうちの少なくとも一方は、ウォールフローフィルター上に位置付けられる。
【0321】
触媒物品は、SCR触媒及びNOx吸蔵触媒を含んでよく、ここで、SCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、NOx吸蔵触媒は、金属含有モレキュラーシーブを含み、ここで、金属は、パラジウム、銀、又はそれらの混合物であり、SCR触媒及びNOx吸蔵触媒は同じモレキュラーシーブを含み、SCR触媒の金属とNOx吸蔵触媒の金属は、両方とも、モレキュラーシーブ内で交換される。
【0322】
NOx吸蔵触媒中の金属含有モレキュラーシーブ内のモレキュラーシーブは、ゼオライト、アルミノホスフェート、又はシリコアルミノフォスフェートを含みうる。
【0323】
NOx吸蔵触媒中の金属含有モレキュラーシーブ内のモレキュラーシーブは、小細孔モレキュラーシーブでありうる。
【0324】
小細孔モレキュラーシーブは、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、LTA、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物又は連晶からなる群より選択される骨格型を含んでよく、好ましくは、モレキュラーシーブは、AEI又はCHA骨格型を含む。
【0325】
SCR触媒中の交換される金属の重量のNOx吸蔵触媒中の交換される金属の重量に対する比は、0.1から70でありうる。
【0326】
本発明のこの態様について上述した触媒物品の調製方法は、
(a)鉄、マンガン、及びそれらの混合物からなる群より選択される第1の金属を、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトに加えて、第1の金属を含むモレキュラーシーブを形成すること;
(b)第1の金属を含むモレキュラーシーブをか焼して、第1のか焼したモレキュラーシーブを形成すること;
(c)パラジウム又は銀、及びそれらの混合物からなる群より選択される第2の金属を、第1のか焼したモレキュラーシーブに加えて、第1の金属及び第2の金属を含むモレキュラーシーブを形成すること;及び
(d)第1の金属及び第2の金属を含むモレキュラーシーブをか焼することを含む。
【0327】
工程(a)及び(c)は、含浸、吸着、イオン交換、インシピエントウェットネス、沈殿などのうちの1つ以上によって、第1及び第2の金属を加えることを含みうる。
【0328】
該方法は、工程(a1)及び(c1)をさらに含んでよく、工程(a1)は、第1の金属を含むモレキュラーシーブを乾燥させることを含み、工程(c1)は、第1の金属及び第2の金属を含むモレキュラーシーブを乾燥させることを含む。
【0329】
エンジンの冷間始動時における排ガス流中のNOxの濃度を低減する方法は、NOxを含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させること、冷えたエンジンの始動時に触媒物品内にNOxを貯蔵すること、及び、貯蔵したNOxを炭化水素SCRによって低減することを含む。
【0330】
本発明の第14の態様では、触媒物品は、入口と出口を備えた基材と、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む第1のSCR触媒を含む第1の区域と、酸化触媒を含む第2の区域とを含み、ここで、第1の区域は基材の入口側に位置し、第2の区域は基材の出口側に位置している。
【0331】
第1の区域は、尿素又はアンモニアに対する非常に早い反応をもたらすことができる。
【0332】
第1の区域は、非常に低いNH貯蔵を有しうる。
【0333】
基材は、第1の基材と第2の基材とを含んでよく、各基材は、入口端及び出口端を含み、第1の区域の少なくとも一部は第1の基材上に位置し、第2の区域の一部は第2の基材上に位置し、ここで、第1の区域は第1の基材の入口側に位置し、第2の区域は第2の基材の出口側上に位置している。
【0334】
基材は、第1の基材と第2の基材とを含んでよく、ここで、第1の区域は第1の基材上に位置し、第2の区域は第2の基材上に位置している。
【0335】
触媒物品は、(a)第1のSCR触媒又は第2のSCR触媒と(b)アンモニア酸化触媒とを含む、アンモニアスリップ触媒(ASC)を含む第3の区域をさらに含んでよく、ここで、第3の区域は、第1の区域と第2の区域の間に位置し、第1のSCR触媒と第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトであり、該ゼオライトは、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物とイオン交換される。
【0336】
アンモニアスリップ触媒は、(a)第1のSCR触媒又は第2のSCR触媒と、(b)アンモニア酸化触媒との混合物を含む単層でありうる。
【0337】
アンモニアスリップ触媒は、アンモニア酸化触媒を含む最下層と、第1のSCR触媒又は第2のSCR触媒を含む最上層とを含む二重層でありうる。
【0338】
触媒物品は、第1の基材と第2の基材とを含む基材を有してよく、各基材は、入口端及び出口端を含み、第1の区域及び第3の区域は、第1の基材上に位置し、第1の区域は第1の基材の入口側に位置し、第3の区域は第1の基材の出口側に位置し、第2の区域は第2の基材上に位置している。
【0339】
触媒物品は、第1の基材と第2の基材とを含む基材を有してよく、各基材は、入口端及び出口端を含み、第1の区域は第1の基材上に位置し、第2の区域と第3の区域は第2の基材上に位置しており、第3の区域は第2の基材の入口側に位置し、第2の区域は第2の基材の出口側に位置している。
【0340】
触媒物品は、第1の基材、第2の基材、及び第3の基材を含む基材を有してよく、第1の区域は第1の基材上に位置し、第3の区域は第2の基材上に位置し、第2の区域は第3の基材上に位置しており、ここで、第3の区域は第1の区域の下流に位置し、第2の区域は第3の区域の下流に位置している。
【0341】
触媒物品は、卑金属、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ、及びそれらの混合物からなる群より選択される活性成分を含む、第2のSCR触媒を有しうる。
【0342】
卑金属は、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、バナジウム(V)及びジルコニウム(Zr)、及びそれらの混合物からなる群より選択されうる。
【0343】
触媒物品は、少なくとも1つの卑金属助触媒をさらに含みうる。
【0344】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔、大細孔又はそれらの混合物でありうる。
【0345】
モレキュラーシーブは、ゼオライトモレキュラーシーブ、金属置換したゼオライトモレキュラーシーブ、アルミノホスフェート(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換したアルミノホスフェート(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ-アルミノホスフェート(SAPO)モレキュラーシーブ、及び金属置換シリコ-アルミノホスフェート(MeSAPO)モレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群より選択されうる。
【0346】
モレキュラーシーブは、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0347】
モレキュラーシーブは、AEI、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、KFI、LEV、LTA、及びSFWからなる骨格型の群より選択される小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0348】
モレキュラーシーブは、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶、好ましくはFRE、MFI、及びSTTからなる骨格型の群より選択される中細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0349】
モレキュラーシーブは、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される大細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0350】
DOC触媒は、白金族金属又はそれらの混合物、好ましくは、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムの組合せを含みうる。
【0351】
DOC触媒は、約5から約75g/ft、好ましくは約8g/ftから約50g/ftの担持量で存在しうる。
【0352】
DOC触媒は、白金及びパラジウムを含んでよく、ここで、Pt及びPdは、重量で10:1から1:100、好ましくは重量で5:1から1:10の比で存在する。
【0353】
アンモニア酸化触媒は、白金族金属、好ましくは白金、パラジウム、ルテニウム、又はそれらの混合物を含みうる。
【0354】
アンモニア酸化触媒を担持する白金族金属は、0.1g/ftから20g/ft、好ましくはfrom1g/ftから10g/ftの範囲でありうる。
【0355】
触媒物品が、(a)第1のSCR触媒又は第2のSCR触媒と、(b)アンモニア酸化触媒との混合物を含む単層としてアンモニアスリップ触媒を含む場合、該混合物は、MnO上に、Pd、Nb-Ce-Zr、又はNbをさらに含みうる。
【0356】
アンモニア酸化触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金を含み得る。
【0357】
低アンモニア貯蔵を有する担体は、珪酸質担体でありうる。
【0358】
珪酸質担体は、(a)少なくとも100、(b)少なくとも200、(c)少なくとも250、(d)少なくとも300、(e)少なくとも400、(f)少なくとも500、(g)少なくとも750及び(h)少なくとも1000のシリカ対アルミナ比のうちの少なくとも1つを有する、シリカ又はゼオライトを含みうる。
【0359】
珪酸質担体は、BEA、CDO、CON、FAU、GME、MEL、MFI又はMWWの骨格型を有するモレキュラーシーブを含みうる。
【0360】
SCR触媒の量の低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金の量に対する比は、これらの成分の重量に基づいて、比の端点の各々を含む、(a)0:1から300:1、(b)3:1から300:1、(c)7:1から100:1及び(d)10:1から50:1の範囲のうちの少なくとも1つである。
【0361】
基材は、コーディエライト、高多孔性コーディエライト、金属基材、押出SCR、ウォールフロー型フィルター、フィルター、又はSCRFでありうる。
【0362】
物品は、第1の片部及び第2の片部を含んでよく、第1の片部は第1の区域と第2の区域とを含み、第2の片部は第3の区域を含む。
【0363】
物品は、第1の片部及び第2の片部を含んでよく、第1の片部は第1の区域を含み、第2の片部は、第2の区域と第3の区域を含む。
【0364】
物品は、第1の片部、第2の片部及び第3の片部を含んでよく、第1の片部は第1の区域を含み、第2の片部は第3の区域を含み、第3の片部は第2の区域を含む。
【0365】
本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス中にNHを導入するため又は排ガス中でNHを形成するための第1の手段とを含む排気システムであって、ここで排ガス中にNHを導入するため又は排ガス中でNHを形成するための第1の手段は、触媒物品より前に位置している。
【0366】
排気システムは、CSF又はSCRFをさらに含んでよく、ここで、CSF又はSCRFは触媒物品の下流に配置されており、システムがSCRFを含む場合には、排ガス中にNHを導入するため、又は排ガス中でNHを形成するための第2の手段は、触媒物品とSCRFとの間に位置している。
【0367】
エンジンは、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス中にNHを導入するため、又は排ガス中でNHを形成するための手段とを含む排気システムを備えている。
【0368】
排ガス中のNHからのNOの形成を低減する方法であって、該方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0369】
排ガス中のNOxの形成を低減する方法であって、該方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0370】
排ガス中の炭化水素の形成を低減する方法であって、該方法は、炭化水素を含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0371】
本発明の第15の態様では、触媒物品は、入口端及び出口端、白金族金属を含むアンモニアスリップ触媒(ASC)と、金属交換モレキュラーシーブ、バナジウム、又は卑金属を含む第1のSCR触媒とを含む第1の区域、並びに、ディーゼル酸化触媒(DOC)、ディーゼル発熱触媒(DEC)、触媒化スートフィルター(CSF)、NOx吸収剤、選択的触媒還元/パッシブNOx吸着体(SCR/PNA)、コールドスタート触媒(CSC)又は三元触媒(TWC)からなる群より選択される第2の触媒を含む、第2の区域を含む、基材を含み、ここで、第1の区域は、第2の区域に対してガス流の上流に位置しており、SCR触媒及びSCR/PNAのうちの少なくとも1つは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0372】
ゼオライト上の骨格外金属としての鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0373】
第1の区域及び第2の区域は、同一基材上に配置されてよく、ここで、第1の区域は基材の入口側の上に配置されてよく、第2の区域は基材の出口側の上に配置されうる。
【0374】
触媒物品は、第2の基材をさらに含んでよく、ここで、第1の区域は第1の基材上に位置し、第2の区域は第2の基材上に位置し、第1の基材は第2の基材の上流に位置している。
【0375】
アンモニアスリップ触媒は、白金族金属を含む最下層と、該最下層の上に位置する、第1のSCR触媒を含む最上層とを含みうる。
【0376】
アンモニアスリップ触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金族金属と第1のSCR触媒とのブレンドを含みうる。
【0377】
第2の区域は、酸化触媒と第2のSCR触媒とのブレンドを含みうる。
【0378】
触媒物品は、第2のSCR触媒を含んでよく、該第2のSCR触媒は、アンモニア酸化触媒と第2の触媒との間に位置する(すなわち、ASCの下流かつ、ディーゼル酸化触媒(DOC)、ディーゼル発熱触媒(DEC)、触媒化スートフィルター(CSF)、NOx吸収剤、選択的触媒還元/パッシブNOx吸着体(SCR/PNA)、コールドスタート触媒(CSC)又は三元触媒(TWC)の上流)。
【0379】
白金族金属は、白金、パラジウム又は白金とパラジウムの組合せを含みうる。
【0380】
白金族金属は、低アンモニア貯蔵を有する担体上に存在しうる。
【0381】
白金は、ブレンド中の白金の担体の重量+白金の重量+第1のSCR触媒の重量に対して、(a)0.01-0.3重量%、(b)0.03-0.2重量%、(c)0.05-0.17重量%、及び(d)0.07-0.15重量%(境界値を含む)のうちの少なくとも1つから存在しうる。
【0382】
第2のSCR触媒は、卑金属、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ、又はそれらの混合物でありうる。
【0383】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔、大細孔、又はそれらの混合物である。
【0384】
触媒物品は、ただ1つのアンモニアスリップ触媒(ASC)を含んでよく、(a)第2の区域は、ディーゼル酸化触媒(DOC)を含まない、あるいは、(b)DOCは、アンモニアスリップ触媒に隣接せず、かつ、アンモニアスリップ触媒の下流に位置しない、のいずれかである。
【0385】
触媒物品は、ASC触媒を含む第3の区域をさらに含んでよく、該第3の区域は、第1の区域と第2の区域の間に位置する。
【0386】
第1の区域内のPGMは、発熱を生じさせるのに十分な量のパラジウムを含むことができる。
【0387】
本発明の第16の態様では、触媒物品は、入口端及び出口端、第1のSCR触媒を含む第1の区域、並びにアンモニアスリップ触媒(ASC)を含む第2の区域を含む基材を含んでおり、ここで、アンモニアスリップ触媒は第2のSCR触媒と酸化触媒とを含み、ASCはDOC機能を有し、第1の区域は基材の入口側に位置し、第2の区域は基材の出口側に位置し、第1のSCR触媒及び第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトか、あるいは、SFW骨格型を有するゼオライトを含む。
【0388】
第1の区域及び第2の区域は、同一基材上に配置されてよく、第1の区域は基材の入口側に配置されてよく、第2の区域は基材の出口側に配置されうる。
【0389】
触媒物品は、第2の基材をさらに含んでよく、ここで、第1の区域は第1の基材上に位置し、第2の区域は第2の基材上に位置し、第1の基材は第2の基材の上流に位置している。触媒物品は、第1の片部と第2の片部とを含んでよく、ここで、第1の区域は第1の片部に位置し、第2の区域は第2の片部に位置し、第1の片部は第2の片部の上流に位置している。
【0390】
ASCは、酸化触媒を含む最下層と第2のSCR触媒を含む最上層とを有する二重層であってよい。
【0391】
触媒物品は、酸化触媒と第2のSCR触媒とのブレンドを含む第2の区域を有しうる。
【0392】
酸化触媒は、白金族金属を含みうる。
【0393】
酸化触媒は、白金又はパラジウム若しくはそれらの混合物を含みうる。Ptは、ASC区域内に約0.1g/ftから約20g/ftの量で存在しうる。Pdは、ASC区域内に約0.1g/ftから約20g/ftの量で存在しうる。Pt及びPdは、約1:0.01から約1:10重量の比で存在しうる。
【0394】
第1のSCR触媒は、卑金属、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ又はそれらの混合物でありうる。卑金属は、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びジルコニウム(Zr)、並びにそれらの混合物からなる群より選択されうる。触媒物品は、少なくとも1つの卑金属助触媒をさらに含みうる。モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔、大細孔又はそれらの混合物でありうる。
【0395】
第1のSCR触媒は、ゼオライトモレキュラーシーブ、金属置換ゼオライトモレキュラーシーブ、アルミノホスフェート(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換したアルミノホスフェート(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ-アルミノホスフェート(SAPO)モレキュラーシーブ、及び金属置換シリコ-アルミノホスフェート(MeSAPO)モレキュラーシーブ、及びそれらの混合物からなる群より選択される,小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0396】
第1のSCR触媒は、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、KFI、LTA、LEV、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶、好ましくは、AEI、AFX、CHA、DDR、ERI、KFI、ITE、LEV、LTA、又はSFWからなる骨格型の群より選択されるからなる骨格型の群より選択される小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0397】
第1のSCR触媒は、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される中細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0398】
第1のSCR触媒は、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される大細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0399】
第2のSCR触媒は、Cu-SCR触媒、Fe-SCR触媒、卑金属、卑金属の酸化物若しくは混合酸化物又はバナジウム触媒であってもよい。
【0400】
Cu-SCR触媒は、銅及びモレキュラーシーブを含み、Fe-SCR触媒は、鉄及びモレキュラーシーブを含む。
【0401】
モレキュラーシーブは、ゼオライト、アルミノホスフェート(AlPO)、シリコ-アルミノホスフェート(SAPO)、又はそれらの混合物でありうる。
【0402】
Cu-SCR又はFe-SCRは、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される骨格型、好ましくはAEI、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、KFI、LEV、LTA又はSFWの骨格型を含む、モレキュラーシーブを含みうる。
【0403】
酸化触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上に白金を含みうる。
【0404】
触媒物品が、(a)第1のSCR触媒又は第2のSCR触媒と、(b)アンモニア酸化触媒との混合物を含む単層としてアンモニアスリップ触媒を含む場合、該混合物は、MnO上に、Pd、Nb-Ce-Zr、又はNbをさらに含みうる。
【0405】
低アンモニア貯蔵を有する担体は、珪酸質担体でありうる。珪酸質担体は、(a)少なくとも100、(b)少なくとも200、(c)少なくとも250、(d)少なくとも300、(e)少なくとも400、(f)少なくとも500、(g)少なくとも750及び(h)少なくとも1000のシリカ対アルミナ比のうちの少なくとも1つを有する、シリカ又はゼオライトを含みうる。珪酸質担体は、BEA、CDO、CON、FAU、GME、MEL、MFI又はMWWを含みうる。
【0406】
第2のSCR触媒の量の低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金の量に対する比は、これらの成分の重量に基づいて、比の端点の各々を含む、(a)0:1から300:1、(b)3:1から300:1、(c)7:1から100:1及び(d)10:1から50:1の範囲のうちの少なくとも1つでありうる。
【0407】
白金は、ブレンド中の白金の担体の重量+白金の重量+第1のSCR触媒の重量に対して、(a)0.01-0.3重量%、(b)0.03-0.2重量%、(c)0.05-0.17重量%、及び(d)0.07-0.15重量%のうちの少なくとも1つで存在しうる(境界値を含む)。
【0408】
基材は、コーディエライト、高多孔性コーディエライト、金属基材、押出SCR、ウォールフロー型フィルター、フィルター又はSCRFでありうる。
【0409】
最上層は、パラジウムをさらに含むことができる。
【0410】
触媒物品は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約250℃から約350℃の温度でのアンモニアからのN収率の向上をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1のコーティングとして存在し、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金は第2のコーティング中に存在し、NHを含むガスは第2のコーティングを通過する前に第1のコーティングを通過する。
【0411】
触媒物品は、(a)約350℃から約450℃の温度でのアンモニアからのN収率の向上、及び(b)同等の配合物を含む触媒と比較して、約350℃から約450℃の温度でのNOx生成の低減のうちの少なくとも一方をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1のコーティングとして存在し、担持された白金は第2のコーティング中に存在し、かつ、NHを含むガスは、第2のコーティングを通過する前に第1のコーティングを通過する。
【0412】
触媒物品は、同等の配合物を含む触媒と比較して、NHに由来するNOの形成の低減をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1のコーティングとして存在し、担持された白金は第2のコーティング中に存在し、NHを含むガスは、第2のコーティングを通過する前に第1のコーティングを通過する。
【0413】
触媒物品は、発熱を生じさせることができる。
【0414】
排気システムは、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス内にNHを形成するか又は排ガスにNHを導入するための第1の手段とを含むことができ、ここで、排ガス内にNHを形成するか又は排ガスにNHを導入するための第1の手段は、触媒物品の前に配置される。
【0415】
排気システムは、CSF又はSCRFをさらに含んでよく、該CSF又はSCRFは、触媒物品の下流に配置され、システムがSCRF含む場合には、排ガス中でNHを形成するため又は排ガス中にNHを導入するための第2の手段は、触媒物品とSCRFとの間に位置する。CSFは、CSFの前方に、高PGM担持量を含みうる。
【0416】
エンジンは、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス中でNHを形成するため又は排ガス中にNHを導入するための手段とを備えた排気システムを含みうる。
【0417】
排ガス中の炭化水素排出物を制御する方法は、炭化水素を含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含みうる。
【0418】
排ガス中の炭化水素排出物を処理する触媒中に発熱を形成する方法は、炭化水素を含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含みうる。
【0419】
排ガス中のNOx排出量を制御する方法は、NOx又はNHを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含みうる。
【0420】
排ガス中のNO排出物を制御する方法は、NOx又はNHを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含みうる。
【0421】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、DOCを含む排気システムの一部ではない場合がある。
【0422】
本発明の第17の態様では、触媒物品は、入口、出口、及び軸長を有するフロースルー基材;第1のSCR触媒を含むSCR区域;及び、(a)ASC区域及びDOC区域、又は(b)ASCとDOCの混合区域を含む、酸化区域を含み、ここで、酸化区域は、アンモニア酸化触媒及びDOC触媒を含み、SCR区域は、入口端から基材上に位置付けることができ、かつ、入口から基材の軸長未満で延在し、DOC区域又はASCとDOCの混合区域は、出口端から基材上に位置付けられ、DOC区域が存在する場合には、ASC区域はSCR区域とDOC区域との間に位置し、ここで、第1のSCR触媒は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0423】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0424】
第1のSCR触媒は、ASC区域又はASC/DOC混合区域の一部と重なり合っていてもよい。
【0425】
触媒物品は、(a)ASC区域が、アンモニア酸化触媒を含む最下層と、第1のSCR触媒を含む最上層とを含み、第1のSCR触媒が、ASC区域内のアンモニア酸化触媒の全体を覆っており、かつ、(b)DOC区域が、アンモニア酸化触媒を含む最下層と、DOC触媒を含む最上層とを含み、DOC触媒がDOC区域内のアンモニア酸化触媒の全体を覆うように構成することができる。
【0426】
触媒物品は、ASC区域が、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層を含んでよく、第1のSCRの一部もまた、ASC区域内のアンモニア酸化触媒とDOCの混合物の全体を覆う最上層を形成し、DOC区域がアンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含み、該混合物が基材のASC区域及びDOC区域に位置するように構成することができる。
【0427】
触媒物品は、ASC区域が、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層を含むことができ、ここで、最下層が基材上に位置しており、第1のSCRの一部がASC区域内の最下層の全体を覆う最上層を形成し、DOC区域がアンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含んでおり、ここで、DOC区域内のアンモニア酸化触媒とDOCの混合物が基材上に位置するように構成することができる。
【0428】
触媒物品は、酸化区域が、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層を含むASC/DOC混合区域と、第1のSCRを含む最上層とを含むことができ、ここで、最上層が最下層全体を覆い、該最下層が基材上に位置するように構成することができる。
【0429】
触媒物品は、第1のSCR触媒の一部を覆う第2のSCR触媒をさらに含んでよく、該第2のSCR触媒は、第1のSCR触媒と同一であるか、又は異なっている。
【0430】
触媒物品は、第2のSCR触媒をさらに含んでもよく、この場合、第1のSCR触媒は第2のSCR触媒の一部を覆い、第2のSCR触媒は第1のSCR触媒と同じであるか、又は異なっている。
【0431】
第2のSCR触媒は、第1のSCR触媒とは異なる活性触媒を含みうる。
【0432】
第2のSCR触媒は、第1のSCR触媒とは異なる担持量を有しうる。
【0433】
ASC区域は、第1のSCR触媒、第2のSCR触媒、及びアンモニア酸化触媒を含みうる。
【0434】
ASC区域は、アンモニア酸化触媒を含む最下層、第1のSCR触媒を含む中間層、及び第2のSCR触媒を含む第3の層を含みうる。
【0435】
中間層の厚さは、ASC区域の入口側からASC区域の出口側へと低下させてよく、第2のSCR触媒の厚さは、ASC区域の入口側からASC区域の出口側へと増加させてよく、DOC区域は、アンモニア酸化触媒を含む最下層、DOCを含む中間層、及び第2のSCRを含む最上層を含んでよく、ここで、ASC区域及びDOC区域の最下層は基材上に位置し、DOCはDOC区域内に位置している。
【0436】
ASC区域は、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層、第1の酸化触媒を含む中間層、及び第2のSCR触媒を含む第3の層を含みうる。
【0437】
中間層の厚さは、ASC区域の入口側からASC区域の出口側へと低下させてよく、第2のSCR触媒の厚さは、ASC区域の入口側からASC区域の出口側へと増加させてよく、DOC区域は、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層と、第2のSCRを含む最上層とを含んでよく、ここで、ASC区域及びDOC区域の最下層は、基材上に位置する。
【0438】
触媒物品は、SCR区域が、第1のSCR触媒と第2のSCR触媒とを含み、第2のSCR触媒が、SCR区域内の第1のSCR触媒の一部と重なっており、かつ、ASC/DOC混合区域が、アンモニア酸化触媒とDOCの混合物を含む最下層であって、基材上に位置する最下層と、ASC/DOC混合区域の最下層の全体を覆う、第2のSCRを含む最上層とを含むように構成することができる。
【0439】
第2のSCR触媒は、存在する場合には、卑金属、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ、又はそれらの混合物からなる群より独立して選択される活性成分を含みうる。
【0440】
卑金属は、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、セリウム(Ce)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)、並びにこれらの混合物からなる群より選択することができる。
【0441】
触媒物品は、少なくとも1つの卑金属助触媒をさらに含みうる。
【0442】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔、大細孔又はそれらの混合物でありうる。
【0443】
第2のSCR触媒は、ゼオライトモレキュラーシーブ、金属置換したゼオライトモレキュラーシーブ、アルミノホスフェート(AlPO)モレキュラーシーブ、金属置換したアルミノホスフェート(MeAlPO)モレキュラーシーブ、シリコ-アルミノホスフェート(SAPO)モレキュラーシーブ、及び金属置換シリコ-アルミノホスフェート(MeAPSO)モレキュラーシーブ、並びにそれらの混合物からなる群より選択される小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0444】
第2のSCR触媒は、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、LEV、KFI、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、及びZON、並びにそれらの混合物及び/又は連晶、好ましくはAEI、AFX、CHA、DDR、ERI、ITE、KFI、LEV、LTA又はSFWからなる骨格型の群より選択される小細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0445】
第2のSCR触媒は、AEL、AFO、AHT、BOF、BOZ、CGF、CGS、CHI、DAC、EUO、FER、HEU、IMF、ITH、ITR、JRY、JSR、JST、LAU、LOV、MEL、MFI、MFS、MRE、MTT、MVY、MWW、NAB、NAT、NES、OBW、PAR、PCR、PON、PUN、RRO、RSN、SFF、SFG、STF、STI、STT、STW、SVR、SZR、TER、TON、TUN、UOS、VSV、WEI、及びWEN、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される、白金、パラジウムを含みうる。
【0446】
第2のSCR触媒は、AFI、AFR、AFS、AFY、ASV、ATO、ATS、BEA、BEC、BOG、BPH、BSV、CAN、CON、CZP、DFO、EMT、EON、EZT、FAU、GME、GON、IFR、ISV、ITG、IWR、IWS、IWV、IWW、JSR、LTF、LTL、MAZ、MEI、MOR、MOZ、MSE、MTW、NPO、OFF、OKO、OSI、RON、RWY、SAF、SAO、SBE、SBS、SBT、SEW、SFE、SFO、SFS、SFV、SOF、SOS、STO、SSF、SSY、USI、UWY、及びVET、並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択される大細孔モレキュラーシーブを含みうる。
【0447】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、基材の軸長の約50から約90%、好ましくは約60から約80%、さらに好ましくは約70から約80%を覆う、第1のSCR層を有しうる。
【0448】
ASCは、アンモニア酸化触媒を含む下層と、SCR触媒を含む上層とを有する二重層を含みうる。
【0449】
アンモニア酸化触媒は、白金族金属、好ましくは白金、パラジウム、又はそれらの組合せを含みうる。
【0450】
アンモニア酸化触媒を担持する白金族金属は、0.5g/ftから50g/ftの範囲でありうる。
【0451】
アンモニア酸化触媒又はアンモニア酸化触媒とDOCの混合物は、担体の長さの約10%から約50%を覆いうる。
【0452】
アンモニア酸化触媒又はアンモニア酸化触媒とDOCの混合物は、境界値も含めて担体の長さの約10%から約40%までを覆いうる。
【0453】
酸化区域は、担体の長さの約10%から約40%、好ましくは担体の長さの約15%から約30%を覆いうる。
【0454】
DOC触媒は、貴金属、卑金属、又はゼオライトを含みうる。
【0455】
DOC触媒は、約5から約75g/ft、好ましくは約10g/ftから約40g/ftの担持量で存在しうる。
【0456】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、白金又はパラジウムを含むDOCを有しうる。
【0457】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、白金及びパラジウムを含むDOCを有してよく、ここで、Pt:Pdの重量比は、端点を含めずに、1:0から0:1である。
【0458】
DOCは、担体の長さの約10%から約30%、好ましくは担体の長さの約10%から約25%を覆うことができる。
【0459】
触媒は、ASC及びDOC区域によるNHの酸化で生成したNOxの約90%を窒素と水に変換することによる、NHスリップ制御選択性提供することができる。
【0460】
本発明のこの態様について上述した触媒物品は、DECとしてのDOCを有してもよく、ここで、DEC触媒は、発熱を発生させ、かつ、下流フィルターの受動的再生のためのNOを発生させる。
【0461】
DEC触媒は、貴金属、卑金属、又はゼオライトを含みうる。
【0462】
DEC触媒は、約5g/ftから約75g/ft、好ましくは約10g/ftから約40g/ftの担持量で存在しうる。
【0463】
DECは、白金、パラジウム、又は白金とパラジウムの組合せを含みうる。
【0464】
DECは、白金及びパラジウムを含んでよく、Pt:Pdの重量比は、端点を含めずに、1:0から0:1である。
【0465】
基材は、コーディエライト、高多孔性コーディエライト、金属基材、押出SCR、フィルター、SCRF、又は押出触媒でありうる。
【0466】
基材は、不活性基材でありうる。
【0467】
排気システムは、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス中でNHを形成するため又は排ガス中にNHを導入するための手段とを含む。
【0468】
触媒物品は、エンジンに密結合されうる。
【0469】
ディーゼルエンジンからの排気における良好なASC選択性及びDOC能力と相まった、低温NOx制御を提供する方法であって、該方法は、ディーゼルエンジンからの排ガスを本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0470】
本発明の第18の態様では、触媒物品は、(a)入口、出口、及びエンジンの動作中にそこを通って排ガスが流れる複数のチャネルを有する、押出成形された担体と、(b)該担体上の単層コーティング又は二層コーティングとを含み、ここで、単層コーティングは、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含み、二層コーティングは、最下層と最上層とを含み、最下層は、最上層と押出成形された担体との間に位置し、かつ、該最下層は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含み、最上層は第2のSCR触媒を含んでおり、押出成形された担体は、第3のSCR触媒を含み、ここで、第1のSCR、第2のSCR触媒、及び第3のSCR触媒のうちの少なくとも1つは、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0471】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0472】
低アンモニア貯蔵を有する担体は、珪酸質担体でありうる。
【0473】
第1のSCR触媒の量の低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金の量に対する比は、これらの成分の重量に基づいて、(a)0:1から300:1、(b)3:1から300:1、(c)7:1から100:1、及び(d)10:1から50:1の範囲のうちの少なくとも1つである(境界値を含む)。
【0474】
第1のSCR触媒は、銅及び小細孔モレキュラーシーブを含むCu-SCR触媒、鉄及び小細孔モレキュラーシーブを含むFe-SCR触媒、又は混合酸化物でありうる。
【0475】
第2のSCR触媒及び第3のSCR触媒は、互いに独立して、卑金属、卑金属の酸化物、モレキュラーシーブ、金属交換モレキュラーシーブ、又はそれらの混合物でありうる。
【0476】
モレキュラーシーブ又は金属交換モレキュラーシーブは、小細孔、中細孔、大細孔又はそれらの混合物でありうる。
【0477】
触媒は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約250℃から約300℃の温度で、アンモニアからのN収率の改善をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、珪酸質担体上の白金は第2の層として存在し、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0478】
第1のSCR触媒がバナジウムを含む場合には、触媒物品は、同等の配合物を含む触媒と比較して、失活の低減をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、珪酸質担体上の白金は第2の層として存在し、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0479】
排気システムは、本発明のこの態様について上述した触媒物品と、排ガス中でNHを形成する手段とを含みうる。
【0480】
排気システムは、本発明のこの態様について上述した触媒物品、SCR触媒、及びDOC触媒を含んでよく、該SCR触媒は、本発明のこの態様について上述した触媒物品とDOC触媒との間に位置する。
【0481】
排気システムは、SCR触媒の前に白金族金属を含んでよく、該白金族金属の量は、発熱を生じるのに十分である。
【0482】
約250℃から約300℃の温度で、排ガス中のアンモニアからのN収率を改善する方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0483】
この方法は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約10%から約20%の収率の改善をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、珪酸質担体上の白金は第2の層として存在し、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0484】
排ガス中のNHからのNOの形成を低減する方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含みうる。
【0485】
Oの形成の低減は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約20%から約40%でありえ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、珪酸質担体上の白金は第2の層として存在し、NHを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0486】
本発明の第19の態様では、触媒物品は、入口及び出口を有し、かつ、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む第1のコーティングと、第2のSCR触媒を含む第2のコーティングとでコーティングされた、基材を含み;ここで、第2のコーティングは、第1のコーティングと少なくとも部分的に重なっており、第1のSCR触媒及び第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトを含み、該ゼオライトは、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物でイオン交換される。
【0487】
第1のSCR触媒は、ACO、AEI、AEN、AFN、AFT、AFX、ANA、APC、APD、ATT、CDO、CHA、DDR、DFT、EAB、EDI、EPI、ERI、GIS、GOO、IHW、ITE、ITW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、NSI、OWE、PAU、PHI、RHO、RTH、SAT、SAV、SIV、THO、TSC、UEI、UFI、VNI、YUG、ZON、BEA、MFI及びFER並びにそれらの混合物及び/又は連晶からなる骨格型の群より選択されるモレキュラーシーブ上に担持されたCu又はFeを含みうる。
【0488】
第2のSCR触媒は、セリウム(Ce)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、及びバナジウム(V)、並びにそれらの混合物からなる群より選択される、モレキュラーシーブ上に担持された卑金属でありうる。
【0489】
第2のコーティングは、第1のコーティングと完全に重なり合うことができる。
【0490】
低アンモニア貯蔵を有する担体は、≧100の少なくとも1つのシリカ対アルミナ比を有する、シリカ又はゼオライトを含む珪酸質担体でありうる。
【0491】
低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金を含むブレンドは、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)、又はロジウム(Rh)のうちの少なくとも1つをさらに含みうる。
【0492】
触媒は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約200℃から約300℃の温度で、アンモニアからのN収率の改善をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、白金は第2の層として存在し、NH及びNOを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過し、N収率の改善は少なくとも10%である。
【0493】
触媒は、同等の配合物を含む触媒と比較して、約200℃から約350℃の温度で、NH及びNOxからのNOの形成の低減をもたらすことができ、ここで、第1のSCR触媒は第1の層として存在し、白金は第2の層として存在し、NH及びNOを含むガスは、第2の層を通過する前に第1の層を通過する。
【0494】
基材は、コーディエライト、高多孔性コーディエライト、金属基材、押出成形ハニカム、又はフィルターでありうる。
【0495】
第2のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の入口側に配置されうる。
【0496】
第2のSCR触媒は、低アンモニア貯蔵を有する担体上の白金と第1のSCR触媒とのブレンドを含む触媒の出口側に配置されうる。
【0497】
第2のSCR触媒は、促進されたCe-Zr又は促進されたMnOを含みうる。
【0498】
第2のコーティングは、入口から出口までの軸に沿った第1のコーティングの長さの少なくとも20%、重なっていてもよい。
【0499】
約200℃から約350℃の温度で、排ガス中のアンモニア及びNOxからのN収率を改善する方法であって、該方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0500】
アンモニア及びNOxを含む排ガスを処理する方法は、アンモニアを含む排ガスを、本発明のこの態様について上述した触媒物品と接触させることを含む。
【0501】
本発明の第20の態様では、触媒物品は、
a.多孔壁を有するハニカムウォールフローフィルターと、
b.多孔壁の少なくとも一部の上及び/又は内に配置された触媒ウォッシュコートであって、
(i)LTA骨格型を有し、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、骨格外金属としての鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を含む、ゼオライト;及び
(ii)ウォッシュコートの総重量に基づいて、10ミクロン未満のd90粒径を有する、約1から約30重量パーセントの結合剤を含む、触媒ウォッシュコートと、を含み、
該触媒ウォッシュコートは、モレキュラーシーブの総重量に基づいて、約0.5から約10重量パーセントのイオン交換された鉄、マンガン、又はそれらの組合せを含みうる。
【0502】
d90粒径は5ミクロン以下でありうる。
【0503】
d90粒径は1ミクロン以上でありうる。
【0504】
d90粒径は、端点を含めて、1ミクロンと5ミクロンの間でありうる。
【0505】
結合剤は、アルミナ、シリカ、セリア、チタニア、ジルコニア、又はそれらの2つ以上の組合せからなる群より選択されうる。好ましくは、結合剤はアルミナである。アルミナの結合剤は、γ-アルミナ、θ-アルミナ、又はそれらの混合物でありうる。
【0506】
ハニカムウォールフローフィルターは、好ましくはセラミックモノリスである。
【0507】
ハニカムウォールフローフィルターは、チタン酸アルミニウム、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、ムライト、アルミナ-シリカ-マグネシア、ケイ酸ジルコニウム、セラミック繊維複合体のうちの1つ以上で構成することができ、該フィルターは、不動態化されているか、又は不動態化されていない。
【0508】
本発明の第21の態様では、フィルター物品は、
a.入口面及び出口面を有する多孔質基材を備えたウォールフローフィルターと、
b.多孔質基材の入口面及び/又は出口面に、及び/又は、入口面と出口面の間にコーティングされたSCR触媒組成物であって、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む結晶を含む、触媒組成物とを備えることができ、ここで、
i.結晶は、約0.5から約15μmの平均結晶サイズを有し、かつ、
ii.結晶は、個々の結晶、約15μm未満の平均粒径を有する凝集体、又は個々の結晶と凝集体との組合せとして組成物中に存在する。
【0509】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0510】
平均結晶サイズは、約0.5から約5μmでありうる。
【0511】
結晶の大部分は、約0.5μm超かつ約5μm未満のサイズを有しうる。
【0512】
平均結晶凝集サイズは、約0.5から約5μmでありうる。
【0513】
平均結晶サイズは、約1.5から約5μmでありうる。
【0514】
SCR触媒組成物は粉砕されていない場合がある。
【0515】
SCR触媒組成物は、多孔質基材上及び/又は多孔質基材内に直接コーティングされうる。
【0516】
SCR触媒組成物は、カルボン酸を実質的に含まない場合がある。
【0517】
多孔質基材は、約40から約75%の多孔率及び約10から約25μmの平均細孔径を有するセラミックウォールフローモノリスでありうる。
【0518】
セラミックウォールフローモノリスは、微小亀裂ボイドを含みうる。
【0519】
フィルター物品は、350℃を上回る温度での加熱処理に供することはできない。
【0520】
多孔質基材は、チタン酸アルミニウムを主結晶相として有するセラミックウォールフローモノリスでありうる。
【0521】
フィルター物品の製造方法は、
a.不動態化されていないセラミックウォールフローモノリスの少なくとも一部を、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトの結晶を含むウォッシュコートスラリーでコーティングすることであって、
i.結晶が、約0.5μmから約15μmの平均結晶サイズを有し、
ii.結晶が、個々の結晶、約15μm未満の平均粒径を有する凝集体、又は個々の結晶と凝集体との組合せとして組成物中に存在し、かつ
iii.モレキュラーシーブが、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトである、コーティングすること、
b.モノリスから過剰のウォッシュコートスラリーを除去すること、及び
c.コーティングされたモノリスを乾燥及びか焼すること、
を含みうる。
【0522】
排ガスを処理するためのシステムは、
a.触媒化ウォールフローフィルターであって、
i.入口面及び出口面を有する多孔質基材と、
ii.多孔質基材の入口面及び/又は出口面に、及び/又は、入口面と出口面の間にコーティングされたSCR触媒組成物とを含み、該触媒組成物が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、結晶を含み、ここで、結晶は約0.5μmから約15μmの平均結晶サイズを有し、かつ、結晶は、個々の結晶、約15μm未満の平均粒径を有する凝集体、又は個々の結晶と凝集体との組合せとして組成物中に存在する、
触媒化ウォールフローフィルター、
b.該ウォールフローフィルターを、粒子状物質とNOを含むリーンバーン排ガス源に接続する導管、及び
c.還元剤をリーン燃焼排ガス内に導入するための還元剤供給システムであって、触媒化ウォールフローフィルターと流体連通しており、かつ、フィルターを通るガス流に対して触媒化ウォールフローフィルターの上流に配置されている、還元剤供給システム
を含みうる。
【0523】
排ガスを処理する方法は、
a.粒子状物質とNOとを含むリーン燃焼排ガスを、触媒化ウォールフローフィルター内を通過させることであって、
i.入口面及び出口面を有する多孔質基材と、
ii.多孔質基材の入口面及び/又は出口面に、及び/又は、入口面と出口面の間にコーティングされたSCR触媒組成物と、
を備えており、該触媒組成物が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、結晶を含み、ここで、結晶が、約0.5μmから約15μmの平均結晶サイズを有し、かつ、結晶が、個々の結晶、約15μm未満の平均粒径を有する凝集体、又は個々の結晶と凝集体との組合せとして組成物中に存在し、
該通過させることによって、排ガスから粒子状物質の少なくとも一部を分離して、部分的に精製された排ガスを形成する、
触媒化ウォールフローフィルター内に通過させること、及び
b.還元剤の存在下、リーン燃焼排ガス及び/又は部分的に精製された排ガスを、SCR触媒組成物と接触させて、NOxの少なくとも一部をN及び他の成分へと選択的に還元すること、
を含みうる。
【0524】
本発明の第22の態様では、ディーゼル微粒子フィルターは、
a.平均細孔径、入口側、出口側、及び入口側と出口側との間の多孔質の内部を有する、ウォールフローフィルター基材;及び
b.基材の出口側からコーティングされた触媒組成物であって、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、d50粒径分布を有する、触媒組成物
を含むことができ、
50粒径分布は、平均細孔径を4.9で割った値以上であり、入口側は、触媒コーティングを実質的に含まない。
【0525】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0526】
平均細孔径は、少なくとも約10μm、好ましくは少なくとも約15μmでありうる。
【0527】
ウォールフローフィルター基材はさらに、少なくとも約45パーセント、好ましくは少なくとも約55パーセント、さらに好ましくは少なくとも約65パーセントの多孔率を含みうる。
【0528】
50粒径分布は、少なくとも約2.5ミクロン、好ましくは少なくとも約3.5ミクロン、さらに好ましくは少なくとも約4ミクロンでありうる。
【0529】
ディーゼル微粒子フィルターは、触媒コーティングを実質的に含まない、多孔質の内部を有しうる。
【0530】
触媒組成物は、約0.5から約3.0g/in、好ましくは約0.9から約1.8g/inの量でディーゼル微粒子フィルター中に存在しうる。
【0531】
触媒組成物は、単層としてディーゼル微粒子フィルター中に存在しうる。
【0532】
ディーゼル微粒子フィルターは、フィルターの出口側からコーティングされた追加の触媒層をさらに含みうる。
【0533】
追加の触媒層の1つ以上は、アンモニアスリップ触媒を含みうる。
【0534】
リーンバーン排ガスを処理するためのシステムは、
a.本発明のこの態様について上述したディーゼル微粒子フィルターと、
b.ディーゼル微粒子フィルターと流体連通している、少なくとも1つの排気システム構成要素であって、ディーゼル微粒子フィルターの上流に配置されたNO源、ディーゼル微粒子フィルターの上流に配置された還元剤源、AMOX触媒、NOxトラップ、NOx吸収触媒、ディーゼル酸化触媒、及びSCR触媒からなる群より選択される、排気システム構成要素と、
を含みうる。
【0535】
リーンバーン排ガス中のスートを低減する方法は、
a.スートを運び、かつ、NOを任意選択的に含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述したディーゼル微粒子フィルターと接触させること;
b.排ガスをディーゼル微粒子フィルター内に通過させながら、スートの少なくとも一部を、ディーゼル微粒子フィルター上及び/又は内に捕捉すること;及び
c.捕捉されたスートを定期的及び/又は継続的に燃焼して、フィルターを再生すること
を含みうる。
【0536】
リーンバーン排気中のスートを低減する方法は、さらに、
d.排ガスを、フィルターの出口側からコーティングされたSCR触媒と接触させて、排ガス中のNOxの濃度を低下させる工程を含みうる。
【0537】
本発明の第23の態様では、ディーゼル微粒子フィルターは、
a.平均細孔径、入口側、出口側、及び入口側と出口側との間の多孔質の内部を有する、ウォールフローフィルター基材と、
b.基材の出口側からコーティングされた、d50の粒径分布を有する触媒組成物と、
を含むことができ、
c.d50の粒径分布は、平均細孔径を4.9で割った値より小さく、入口側は触媒コーティングを実質的に含まず、
該触媒組成物は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む、選択的還元触媒を含む。
【0538】
平均細孔径は、少なくとも約10μm、好ましくは少なくとも約15μmでありうる。
【0539】
ウォールフローフィルター基材は、少なくとも約45パーセント、好ましくは少なくとも約55パーセント、さらに好ましくは少なくとも約65パーセントの多孔率をさらに含みうる。
【0540】
50の粒径分布は、約2.5ミクロン以下、好ましくは約2ミクロン以下、さらに好ましくは約1から約2ミクロンでありうる。
【0541】
ウォールフローフィルター基材の多孔質の内部は、触媒コーティングを実質的に含まない場合がある。
【0542】
触媒組成物は、約0.5-3.0g/inの量、好ましくは約0.9-1.8g/inの量で存在しうる。
【0543】
触媒組成物は、単層として存在しうる。
【0544】
ディーゼル微粒子フィルターは、フィルターの出口側からコーティングされた1つ以上の追加の触媒層をさらに含みうる。
【0545】
触媒コーティング層は、アンモニアスリップ触媒を含みうる。
【0546】
リーンバーン排ガスを処理するためのシステムは、
a.本発明のこの態様について上述したディーゼル微粒子フィルターと、
b.ディーゼル微粒子フィルターと流体連通している、少なくとも1つの排気システム構成要素であって、ディーゼル微粒子フィルターの上流に配置されたNO源、ディーゼル微粒子フィルターの上流に配置された還元剤源、AMOX触媒、NOxトラップ、NOx吸収触媒、ディーゼル酸化触媒、及びSCR触媒からなる群より選択される、排気システム構成要素と、
を含みうる。
【0547】
リーンバーン排ガス中のスートを低減する方法は、
a.スートを運び、かつ、NOを任意選択的に含む排ガス流を、本発明のこの態様について上述したディーゼル微粒子フィルターと接触させること;
b.排ガスをディーゼル微粒子フィルター内に通過させながら、スートの少なくとも一部を、ディーゼル微粒子フィルター上及び/又は内に捕捉すること;及び
c.捕捉されたスートを定期的及び/又は継続的に燃焼して、フィルターを再生すること
を含む。
【0548】
本方法は、さらに、(d)排ガスを、フィルターの入口側からコーティングされたSCR触媒と接触させて、排ガス中のNOxの濃度を低下させる工程を含みうる。
【0549】
本発明の第24の態様では、排気処理システムで使用するための触媒ウォールフローモノリスは、多孔質基材を含み、かつ、それらの間の長手方向を画成する第1の面及び第2の面、並びに長手方向に延びる第1及び第2の複数のチャネルを有し、
第1の複数のチャネルは、第1の複数の内部表面を提供し、第1の面で開いており、第2の面で閉じており、第2の複数のチャネルは、第2の面で開いており、第1の面で閉じており、
第1の触媒材料は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトか、あるいはSFW骨格型のLTA構造を有するゼオライトを含み、ここで、第1の触媒材料は、多孔質基材内に分布されており、
微多孔膜は、第1の複数の内部表面の長手方向に延びる第1の部分上の第1の複数のチャネル内に提供され、
第1の部分は、第1の複数のチャネルの長さの75から95%で第1の面から延びる。
【0550】
第1の部分は、第1の複数のチャネルの長さの80から90%まで延びてもよい。
【0551】
微多孔膜は、厚さが第1の面に隣接する領域で最大になるように、長手方向に沿って減少する厚さを有していてもよい。
【0552】
多孔質基材は、第1の面から長手方向に延びる第1のセクションと、第2の面から長手方向に延び、かつ第1のセクションまで延びる、第2のセクションとを有してよく、第1の触媒材料は、第2のセクション全体にわたって分布している。触媒ウォールフローモノリスは、5:95から15:85の長手方向における第1のセクションの長さの長手方向における第2のセクションの長さに対する比を有しうる。
【0553】
燃焼排ガスの流れを処理するための排気処理システムは、本発明のこの態様について上述した触媒ウォールフローモノリスを含んでよく、ここで、第2の面は、第1の面の下流にある。
【0554】
本発明のこの態様について上述した触媒ウォールフローモノリスの製造方法は、
それらの間の長手方向を画成する第1の面及び第2の面、並びに長手方向に延びる第1及び第2の複数のチャネルを有する、多孔質基材を提供することであって、第1の複数のチャネルが、第1の面で開いており、かつ第2の面で閉じており、第2の複数のチャネルが、第2の面で開いており、かつ第1の面で閉じており、第1の複数のチャネルが第1の複数の内部表面を提供し、第2の複数のチャネルが第2の複数の内部表面を提供する、多孔質基材を提供すること;
多孔質基材に第1の触媒材料を含むウォッシュコートを浸透させて、多孔質基材内に分布する第1の触媒材料を提供すること;及び
第1の複数の内部表面上に微多孔膜を形成すること
を含む。
【0555】
NO及び粒子状物質を含む燃焼排ガスの流れを処理する方法は、排気流を、本発明のこの態様について上述したモノリス内に通過させることを含んでよく、ここで、第2の面は、第1の面の下流にある。
【0556】
排気処理システムで使用するための触媒ウォールフローモノリスは、多孔質基材を含み、かつ、それらの間の長手方向を画成する第1の面及び第2の面、並びに長手方向に延びる第1及び第2の複数のチャネルを有し、
第1の複数のチャネルは、第1の複数の内部表面を提供し、かつ、第1の面で開いており、第2の面で閉じており、第2の複数のチャネルは、第2の面で開いており、第1の面で閉じており、
第1の触媒材料は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライト、又はSFW骨格型を有するゼオライトを含み、ここで、第1の触媒材料は、多孔質基材全体に分布されており、
微多孔膜は、第1の複数のチャネル内に提供され、第1の複数の内部表面をコーティングし、かつ
微多孔膜は、閉塞した第2の面に隣接する領域で最も大きくなるように、長手方向に沿って増加する厚さを有する。
【0557】
微多孔膜は、使用時における背圧が、第1の面に隣接する領域の背圧よりも少なくとも20%大きくなるように、閉塞した第2の表面に隣接する領域の厚さを有しうる。
【0558】
微多孔膜は、第1の触媒材料とは異なる第2の触媒材料を含むことができ、ここで、第2の触媒材料は、好ましくは、スート燃焼助触媒である。
【0559】
触媒ウォールフローモノリスは、灰を捕捉するために、微多孔膜上にコーティングをさらに含んでよく、該コーティングは、好ましくはセリアを含む。
【0560】
触媒ウォールフローモノリスは、触媒的尿素加水分解のための微多孔膜上のコーティングをさらに含みうる。
【0561】
微多孔膜は、最大で80μm、好ましくは20から60μmの平均厚さを有しうる。
【0562】
燃焼排ガスの流れを処理するための排気処理システムは、本発明のこの態様について上述した触媒ウォールフローモノリスを含んでよく、ここで、第2の面は、第1の面の下流にある。
【0563】
排気処理システムで使用するための触媒ウォールフローモノリスは、多孔質基材を含み、かつ、それらの間の長手方向を画成する第1の面及び第2の面、並びに長手方向に延びる第1及び第2の複数のチャネルを有し、
第1の複数のチャネルは、第1の複数の内部表面を提供し、かつ、第1の面で開いており、第2の面で閉じており、第2の複数のチャネルは、第2の面で開いており、第1の面で閉じており、
第1の触媒材料は、約15から約70のシリカのアルミナに対する比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライト、又はSFW骨格型を有するゼオライトを含み、ここで、第1の触媒材料は、多孔質基材全体に分布されており、
微多孔膜は、第1の複数のチャネル内に提供され、第1の複数の内部表面をコーティングし、かつ
微多孔膜は、閉塞した第2の面に隣接する領域で最大になるように、長手方向に沿って増加する厚さを有する。
【0564】
排気処理システムで使用するための触媒ウォールフローモノリスは、多孔質基材を含むことができ、かつ、それらの間の長手方向を画成する第1の面及び第2の面、並びに長手方向に延びる第1及び第2の複数のチャネルを有し、
第1の複数のチャネルは、第1の複数の内部表面を提供し、第1の面で開いており、第2の面で閉じており、第2の複数のチャネルは、第2の面で開いており、第1の面で閉じており、
第1の触媒材料は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、該骨格外金属は、第1の複数のチャネルの長さの75から95%で第1の面から多孔質基材内に分布しており、及び
微多孔膜は、第1及び/又は第2の複数のチャネルの長さに沿って、多孔質基材上に配置されている。
【0565】
本発明の第25の態様では、エンジンからのNOを含む排ガスを処理するためのシステムは、
a.NOの選択的触媒還元のための第1の触媒組成物を有し、かつ、第1の容積を有する、フロースルーモノリス;
b.粒子状物質の低減及びNOの選択的触媒還元のための第2の触媒組成物を有し、かつ、第2の容積を有する、密結合粒子状物質フィルター;及び
c.約1:2未満の第1の容積の第2の容積に対する容積比
を含み、
フロースルーモノリスは、粒子状物質フィルターと流体連通しており、かつその上流に組み込まれており、
第1の触媒組成物又は第2の触媒組成物のうちの少なくとも一方は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0566】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0567】
容積比は、約1:10から約1:2、好ましくは約1:6から約1:4でありうる。
【0568】
フロースルーモノリスは、押出成形されたモノリスでありうる。
【0569】
粒子状物質フィルーは、第2の触媒組成物でコーティングされた、及び/又は第2の触媒組成物を含浸させた不活性基材でありうる。
【0570】
基材は、主に、コーディエライト又は金属のいずれかでできていてよい。
【0571】
フロースルーモノリスは、粒子状物質フィルターと比較して低い熱容量を有しうる。
【0572】
フロースルーモノリスは、粒子状物質フィルターと比較して低い比熱容量を有しうる。
【0573】
フロースルーモノリスは、粒子状物質フィルターの比熱容量の約20から約80%である比熱を有しうる。
【0574】
フロースルーモノリスは、粒子状物質フィルターの比熱容量の約35から約65%である比熱を有しうる。
【0575】
第1及び第2の触媒組成物のうちの一方は、卑金属で促進されたゼオライト又はシリコアルミノフォスフェートモレキュラーシーブを含みうる。
【0576】
システム内のフロースルーモノリスは、粒子状物質フィルター上のSCR触媒担持量よりも大きいSCR触媒担持量を有しうる。
【0577】
フロースルーモノリスは、約2から15g/inのSCR触媒担持量を有しうる。
【0578】
第1及び第2の触媒組成物のうちの一方が、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、かつ、第1及び第2の触媒組成物のうちの他方は、卑金属で促進されたゼオライト又はシリコアルミノフォスフェートモレキュラーシーブを含むことを条件に、第1の触媒組成物と第2の触媒組成物は、異なっていてもよい。
【0579】
NOの選択的触媒還元のための第2の触媒組成物は、粒子状物質フィルターの下流側にコーティングすることができる、及び/又は粒子状物質フィルターの下流側で含浸することができる。
【0580】
NOの選択的触媒還元のための第2の触媒組成物は、粒子状物質フィルターの上流側にコーティングすることができる、及び/又は粒子状物質フィルターの上流側で含浸することができる。
【0581】
粒子状物質フィルターは、フロースルーモノリスの約0.01から約0.25メートル下流にありうる。
【0582】
システムは、フロースルーモノリス及び粒子状物質フィルターと流体連通し、かつ、それらの間に配置された還元剤注入源をさらに含みうる。
【0583】
NO及びスートを含むエンジン排ガス流を処理する方法は、
a.排ガス流を、還元剤の存在下で、第1のSCR触媒組成物担持量及び第1の容積を有するフロースルーモノリスと接触させて、NOxの第1の部分が、NとOに変換された中間ガス流を生成すること;
b.中間ガス流を、第2のSCR触媒組成物担持量及び第1の容積の少なくとも約2倍の第2の容積を有する密結合触媒粒子状物質フィルターと接触させて、スートの一部を捕捉し、NOxの第2の部分がNとOに変換された、きれいなガス流を生成すること;
c.スート酸化温度でスートの一部を酸化して、触媒粒子状物質フィルターを再生すること;
d.触媒粒子状物質フィルターをSCRライトオフ温度まで加熱する前に、触媒密結合フロースルーモノリスをSCRライトオフ温度まで加熱すること;及び
e.第1及び第2の容積を合わせた容積と同じ容積を有する触媒粒子状物質フィルターと比較してより長い期間、低担持量条件下で、触媒粒子状物質フィルターのスート酸化温度を維持すること
を含んでよく、
第1のSCR触媒及び第2のSCR触媒のうちの少なくとも一方は、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含む。
【0584】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【0585】
排ガス流を接触させる工程及び中間ガス流を接触させる工程は、第1の容積と第2の容積を合わせた容積に等しい容積、並びに第1及び第2の担持量に等しいSCR触媒担持量を有する触媒粒子状物質フィルターと比較して、より高いNOx変換率を有しうる。
【0586】
本発明の第26の態様では、排ガスを処理するためのシステムは、
a.第1のアンモニア貯蔵容量を有する、鉄を担持した中細孔又は大細孔モレキュラーシーブを含む第1のSCR触媒区域と、
b.約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物とイオン交換された、LTA骨格型を有するゼオライトを含み、第2のアンモニア貯蔵容量を有する、第2のSCR触媒区域と、
を含み、
ここで、第1のSCR触媒区域は、通常の排ガスフロースルーシステムに関して第2のSCR触媒区域の上流に配置され、第2のアンモニア貯蔵容量は、第1のアンモニア貯蔵容量よりも大きい。
【0587】
第1のアンモニア貯蔵容量は約0.5から約2.0mmol/g触媒でありえ、第2のアンモニア貯蔵容量は約0.5から4.0mmol/gの触媒でありうる。
【0588】
システムは、第1のSCR触媒区域と第2のSCR触媒区域との間に配置された任意の触媒を含まない場合がある。
【0589】
第1のSCR触媒区域は、銅を本質的に含まない場合があり、第2の触媒区域は、鉄を本質的に含まない場合がある。
【0590】
第1のSCR触媒区域は、BEA骨格を有する鉄担持モレキュラーシーブを含みうる。
【0591】
第1のSCR触媒区域のモレキュラーシーブは、約10から約50のシリカ対アルミナ比を有しうる。
【0592】
第1及び第2のSCR触媒区域は、入口端、出口端、及び入口端から出口端まで測定した軸長を有するフロースルーハニカム基材上にコーティングすることができ、第1及び第2のSCR触媒区域は、隣接しているか、あるいは、少なくとも部分的に重なり合っている。
【0593】
第1の区域は、第2の区域に隣接している。
【0594】
第1の区域は、第2の区域と完全に重なり合っている。
【0595】
第1の区域と第2の区域が隣接しているか、あるいは軸長の90パーセント未満で重なり合っていることを条件に、第1の区域は、入口端から軸長の約10から40パーセントの位置である第1の端点へと延び、第2の区域は、軸長の約20から90パーセントである。
【0596】
システムは、第2のSCR触媒区域の下流の酸化触媒区域をさらに含みうる。
【0597】
第2のSCR触媒区域は、酸化触媒区域と完全に重なり合うことができる。
【0598】
酸化触媒は、白金族金属を含みうる。
【0599】
第1のSCR触媒区域と第2のSCR触媒区域との間に介在する触媒が存在しないことを条件に、第1のSCR触媒区域は、入口側及び出口側を有するウォールフローフィルター上にあってよく、第2のSCR触媒区域は、フロースルーハニカム基材上にありうる。
【0600】
システムは、第1のSCR触媒区域の上流に配置された部分NOx吸収剤をさらに含みうる。
【0601】
部分NOx吸収剤は、ウォールフローフィルターの上流に位置付けられたフロースルー基材上にコーティングされうる。
【0602】
システムは、第2のSCR触媒区域の下流のフロースルー基材上にコーティングされたアンモニアスリップ触媒をさらに含みうる。
【0603】
システムがエンジンマニホールド又はターボチャージャーと部分NOx吸収剤との間に排ガス処理触媒を含まないことを条件として、該システムは、エンジンマニホールド又はターボチャージャーと、該エンジンマニホールド又はターボチャージャーから部分NOx吸収剤へと排ガスを導くための導管とをさらに含みうる。
【0604】
排ガスを処理する方法は、鉄担持モレキュラーシーブが、銅担持モレキュラーシーブと比較して低いアンモニア貯蔵容量を有することを条件として、アンモニアと内燃エンジンに由来する排ガスとの混合物を、(a)約1.5mmolを超えないNH/gのアンモニア貯蔵容量を有する鉄担持モレキュラーシーブを含む第1のSCR区域、及び(b)少なくとも約1.2mmol NH/g触媒のアンモニア貯蔵容量を有する銅担持モレキュラーシーブ第2のSCR区域と、直列に接触させる工程を含む。
【0605】
本発明の第27の態様では、排ガス中のNO排出物を低減する方法は、NH及び入口NO濃度を含む排ガスを、約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有し、かつ、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を骨格外金属として含む、LTA骨格型を有するゼオライトを含むSCR触媒組成物と接触させることを含み、ここで、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物がゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在することができ、それによって出口NO濃度及び出口NO濃度を含む精製ガスを生成し、
a.入口NO濃度及び出口NO濃度は、>約4の相対比を有し、かつ
b.入口NO濃度及び出口NO濃度は、>約50の相対比を有する。
【0606】
入口NO濃度及び出口NO濃度は、>約5、好ましくは>約10の相対比を有しうる。
【0607】
入口NO濃度及び出口NO濃度は、>約80、好ましくは>約100の相対比を有しうる。
【0608】
NO及びNOは、約4:1から約1:3の容積比で存在しうる。
【0609】
NHは、約0.5:1から約1:2のNH/NO比及び約1:1から約6:3のNH/NO比でSCR触媒に入る排ガス中に存在しうる。
【0610】
排ガスを処理するためのシステムは、直列かつ流体連通して、ディーゼル酸化触媒、窒素系還元剤源、及びSCR触媒を含み、ここで、SCR触媒は約15から約70のシリカ対アルミナ比(SAR)を有するLTA骨格型を有するゼオライトを含み、ゼオライトは、骨格外として、鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物を含み、かつ、SCR触媒は、ハニカムウォールフローフィルター又はフロースルーモノリス上にコーティングされるか、あるいは、押出成形されたハニカム体である。
【0611】
鉄、マンガン、又は鉄とマンガンの混合物は、ゼオライトの重量の0.5%から10%までの合計量で存在しうる。
【実施例
【0612】
実施例1
Mn含有LTA
脱イオン水中、Mn(OAc)の溶液に乾燥したLTAのサンプルを加えることによって混合物を形成することにより、マンガンを含浸させたLTAのサンプル(SAR=46)を調製した。溶液中のMnの量は、96.67:3.33のLTA:Mn比をもたらした。混合物を、40rpmで回転させつつ、80℃で4時間,加熱した。その後、混合物を80℃で一晩乾燥させた。その後、乾燥させたMn含有ゼオライトを、3℃/分の速度で温度を上昇させることによって、該ゼオライトを室温から120℃まで加熱することにより、か焼した。サンプルを120℃で2時間、維持し、その後、温度が550℃に達するまで、3℃/分の速度で温度を上昇させた。サンプルを550℃で4時間、維持し、その後、加熱を停止し、サンプルを室温まで戻した。
【0613】
実施例2Mn含有AFX
マンガンを含浸させたAFXのサンプル(SAR=22)を、LTAの代わりにAFXを使用して、上記のように調製した。
【0614】
実施例3Mn含有BEA
マンガンを含浸させたBEAのサンプル(SAR=28.5)を、LTAの代わりにBEAを使用して、上記のように調製した。
【0615】
実施例4Mn含有CHA
マンガンを含浸させたCHAのサンプル(SAR=20.9)を、LTAの代わりにBEAを使用して、上記のように調製した。
【0616】
実施例5-8:エイジングしたサンプル
上記実施例の各々に由来するサンプルを、空気中、10%HOの雰囲気下、550℃で100時間、サンプルを処理することによって、水熱エイジングさせた。
【0617】
サンプルの試験
実施例1-4の粉末サンプル(新鮮)を試験して、NOxの変換を触媒する能力について判定し、形成されたNOの量を決定した。これらのサンプルの各々を、合成触媒活性試験(SCAT)反応器内に別々に入れ、90,000h-1の空間速度で、500ppmのNH、250ppmのNO、250ppmのNO、残りのNを含む、合成ディーゼル排ガス混合物(入口における)を使用して試験した。
【0618】
実施例5-8の粉末サンプル(エイジング)を試験して、NOxの変換を触媒する能力について判定し、形成されたNOの量を決定した。これらのサンプルの各々を、合成触媒活性試験(SCAT)反応器内に別々に入れ、上述の合成ディーゼル排ガス混合物を使用して試験した。
【0619】
図1は、新鮮なMn-LTAが、約190から約250℃の温度範囲にわたって、他の2つの小細孔ゼオライトであるMn-CHA及びMn-AFXよりも良好なNOx変換をもたらすことを示している。大細孔ゼオライトであるMn-BEAは、約150から約200℃で、3つのMn含有小細孔ゼオライトよりも良好なNOx変換をもたらす。
【0620】
図2は、Mn-CHA及びMn-AFXよりもNOのピーク濃度が低い、新鮮なMn-LTA型を示している。
【0621】
図3は、エイジングしたMn-LTAが、約180から約240℃の温度範囲にわたり、Mn-CHAよりも良好なNOx変換をもたらすことを示している。
【0622】
図4は、エイジングしたMn-LTAが、約210から約250℃の温度範囲にわたり、Mn-CHAよりも低いNOのピーク濃度をもたらすことを示している。
図1
図2
図3
図4