(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】改良型再封可能カバー部材を有する容器
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20220817BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B65D85/10 BRH
B65D85/10 BSG
B65D5/66 321B
(21)【出願番号】P 2019525775
(86)(22)【出願日】2017-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2017079051
(87)【国際公開番号】W WO2018091408
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-09
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】カイヨー ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】カンプホフ マリオン ビルギット ジモーネ
(72)【発明者】
【氏名】ニンプシュ ペーター
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505458(JP,A)
【文献】欧州特許第01803661(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0163563(US,A1)
【文献】特表2012-511478(JP,A)
【文献】再公表特許第2006/043496(JP,A1)
【文献】米国特許第4233195(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財のための容器であって、
ボックスおよびリッドを含む外側ハウジングであって、前記外側ハウジングの後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿って前記リッドが前記ボックスにヒンジ留めされているものと、
前記ボックス内の消費財のパッケージであって、前記パッケージが消費財を取り外すことができる出し入れ口を有
するものと、
前記
パッケージの出し入れ口を塞ぐ
ように適応された再封可能な密封カバー部材を備え、前記
再封可能な密封カバー部材が少なくとも前記出し入れ口の上にある閉位置か
ら移動可能、および
前記再封可能な密封カバー部材が前記パッケージの前記外表面から少なくとも部分的に持ち上げられている開位置か
ら移動可能なように、前記再封可能な密封カバー部材の少なくとも一部分を前記パッケージの
外表面に少なくとも部分的に貼り付けるための接着剤の配置が前記再封可能な密封カバー部材の下側に提供されて
おり、
前記リッドを開口すると、前記再封可能な
密封カバー部材が前記閉位置から前記開位置に向けて移動して、前記出し入れ口が少なくとも部分的に見えるように、前記再封可能な
密封カバー部材
の第一の部分が前記リッドの内表面に永久的に貼り付けられているものとを備え、
前記再封可能な密封カバー部材が、
繊維質セルロース系材料を含む基層と、
前記基層の外側に提供された金属含有層と、
前記基層の内側の上に提供された第一の高分子層とを備える、容器。
【請求項2】
前記再封可能な密封カバー部材が、前記金属含有層と前記基層の間に提供された第二の高分子層をさらに含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記金属含有層が金属インクを含む、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記金属含有層が、
前記基層の外側の第一の部分上にのみに延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記再封可能な密封カバー部材の前記第
一の部分が前記
基層の外側の前記第一の部分と重なり合わない、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
第一のプライマー層が、前記基層の外側に提供されていて、
前記再封可能な密封カバー部材の第二の部分上のみに延びる、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記再封可能な密封カバー部材の下側に接着剤のない領域がある、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記再封可能な密封カバー部材が、前記金属含有層の外側に提供されたワニス層をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記基層の坪量が少なくとも約20グラム/平方メートルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の容器。
【請求項10】
前記基層が少なくとも30重量パーセントの前記繊維質セルロース系材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の容器。
【請求項11】
前記再封可能な密封カバー部材が、前記出し入れ口の周辺を越えて延び、また前記再封可能な密封カバー部材
の内表面の後部ヒンジ領域上に提供された永久接着剤によって
、永久的に前記パッケージ
の外表面に貼り付けられていて、かつ少なくとも前記出し入れ口の前部縁端の周りに延びる前記再封可能な密封カバー部材の前記内表面の第二の領域上に提供された再密封可能な接着剤によって
、取り外し可能に前記パッケージ
の外表面に貼り付けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項12】
前記再封可能な密封カバー部材が上部および下部を備え、前記出し入れ口
の周辺に延びる前記下部
の内表面の第一の領域上に提供された永久接着剤によって前記下部が前記パッケージに貼り付けられていて、前記下部が、前記パッケージの前記出し入れ口と少なくとも部分的に整列された切り抜き部分を備え、また前記上部が、前記上部
の内表面の後部ヒンジ領域上に提供された永久接着剤によって
、永久的に前記下部に貼り付けられていて、かつ前記上部が少なくとも前記出し入れ口の上にある閉位置から、および前記切り抜き部分が見えるように前記上部が前記下部から持ち上げられている開位置から移動可能なように、前記ヒンジ領域から遠位に延びる前記上
部の前記内表面の剥離領域上に提供された第二の
、再密封可能な接着剤によって、少なくとも部分的に取り外し可能に前記下部に貼り付けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載の容器。
【請求項13】
前記上部が前記基層、前記金属含有層、および前記第一の高分子層を含み、前記下部が少なくとも一つのさらなる材料層を含む、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記パッケージがシート状ブランクから形成されていて、これは折り畳まれた時に、前記消費財を収容する密封された筐体を形成する、請求項1~13のいずれか一項に記載の容器。
【請求項15】
パッケージが、重なり合って消費財の群の周囲にラッピングを形成するように、前記ブランクの端部がひとまとめにされるように、前記ブランクを折り畳むことによって形成されていて、また前記密封領域が、前記ブランクの前記重なり合う端部にわたり少なくとも部分的に延び、かつ前記ブランクの前記重なり合う端部がまとめて密封されている、請求項14に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財のための容器に関する。本発明による容器には、喫煙物品などの細長い消費財品目用の容器としての特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
喫煙物品は典型的に、ボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿ってボックスにヒンジ留めされたリッドとを備える、剛直なヒンジリッド容器にパッケージされている。ボックス内に収容されている喫煙物品の束は一般的に、柔軟なシート材料から形成された内側ライナー、またはパッケージ内に包装されている。
【0003】
容器の一つのグループでは、パッケージは出し入れ口を有し、それを通して消費財を取り外すことができ、かつパッケージは出し入れ口を塞ぐ再封可能な密封カバー部材を有する。再封可能な密封カバー部材は典型的に、プラスチック製または金属製のラミネートで形成されている。
【0004】
エコ配慮を高める目的で、容器の特徴および機能を改善するニーズが存在し続ける。特に、この点で、分解可能な材料またはリサイクル可能な材料の含有量を増加させるように、高分子材料の含有量が低減された消費財用の容器を提供することが望ましい。しかし、これは理想的には、有用性と信頼性を損なうものであるべきではなく、よって再封可能な密封カバー部材などの構成要素の機械的性質が保持されるか、または潜在的にさらに強化される、一つのこうした容器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第一の態様によると、ボックスおよびリッドを含む消費財用の容器であって、外側ハウジングの後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿ってリッドがボックスにヒンジ留めされているものと、ボックス内の消費財のパッケージとを備える消費財用の容器が提供されている。容器の一つのグループでは、パッケージは出し入れ口を有し、それを通して消費財を取り外すことができ、かつパッケージは出し入れ口を塞ぐ再封可能な密封カバー部材を有する。カバー部材は、カバー部材が少なくとも出し入れ口の上にある閉位置から、およびカバー部材がパッケージの外表面から少なくとも部分的に持ち上げられている開位置から移動可能である。再封可能なカバー部材はリッドの内表面に永久的に貼り付けられていて、リッドを開口すると、再封可能なカバー部材が閉位置から開位置に向けて移動して、出し入れ口が少なくとも部分的に見えるようになる。再封可能な密封カバー部材は、繊維質セルロース系材料を備える基層と、基層の外側に提供された金属含有層と、基層の内側に提供された第一の高分子層とを備える。
【0006】
本明細書で使用される「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「上部」、「下部」および「側部」という用語は、容器が直立の位置にあり、容器の出し入れ口が容器の上部にある時の、本発明による容器の一部分とその構成要素の相対的な位置を意味する。本発明による容器を説明する時、説明される容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。外側ヒンジリッド・ハウジングの後部壁は、ヒンジ線を含む壁である。
【0007】
本発明による容器を説明する時、「長軸方向の」という用語は、下部から上部への方向、またはその逆の方向を意味し、一方「横断する」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を意味する。例えば、「容器の長軸方向軸」は、下部から上部に、またはその逆で上部から下部に延びる軸である。
【0008】
「幅」という用語は、横断方向に測定した、ブランクのパネル、または容器の壁などの要素の寸法を説明するために使用される。
【0009】
「パネル」という用語は、組み立てられた容器の壁を形成するために使用されるブランクの一部分に言及するために本明細書を通して使用される。パネルは、一つ以上の折り目に沿って一つ以上の他のパネルに従属してもよい。
【0010】
「折り目」という用語は、二つの隣接するパネルの間の折り畳みを意味する。容器を形成する時、隣接するパネルは、その共通の折り目に沿って折り畳まれ、これは容器の、または容器の部分の縁端を画定しうる。
【0011】
組み立てられた容器では、「壁」は一つのまたは幾つかの重なり合うパネルから形成されうる。幾つかの重なり合うパネルがある場合、これらは、例えば接着剤によって互いに取り付けられうる。さらに、壁は二つ以上の隣接しているまたは重なっているパネルで形成されてもよい。
【0012】
「高さ」という用語は、要素の幅に直角を成す方向に測定される、一つのこうした要素の寸法を説明するために使用される。ブランクの要素を説明する時は概して、ブランクの平坦な状態での要素について説明される。
【0013】
本明細書で使用される「厚さ」という用語は、シート状ブランクまたはシート状ブランクの層の二つの相反する表面の間を測定した最小距離を指す。実際には、所与の位置の距離は、相反する面に対して局所的に直角を成す方向に沿って測定される。層の「厚さ」は一般に、層(平坦な断面)全体で実質的に一定である。ところが、シート状ブランクの部分が例えば、エンボス加工、デボス加工、虚弱化などが施されている場合には、局所的な変動があってもよい。
【0014】
「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にある時に、その容器の内部に面する(例えば、消費財に面する)組立済み容器の構成要素の表面を意味するために使用される。「外表面」という用語は本明細書全体を通して、その容器の外部に向かって面する容器の構成要素の表面を意味するために使用される。例えば、容器の前部壁は、容器および消費財の内側を向いている内表面と、消費財に背いている外表面とを有する。注目すべきは、内表面または外表面が容器の組立に使用されるブランクの一定の側に必ずしも相当しないことである。消費財の周辺でブランクがどのように折り畳まれるかに応じて、ブランクの同じ側にある領域は、容器の内側に面する可能性も外側に面する可能性もある。
【0015】
「ヒンジ線」という用語は、ヒンジリッド・ハウジングを開くために、リッドが周りを旋回しうる線を意味する。ヒンジ線は、例えば容器の後部壁を形成するパネル内の折り目またはスコアラインであってもよい。
【0016】
本明細書で使用される「従属」という用語は、本発明による容器の二つの要素間の物理的接続を説明するために使用される。より詳細には、「従属」という用語は、容器またはブランクの二つの壁またはパネルなど、二つの要素間に材料の連続性があることを示すために使用される。これは、壁またはパネルが、隣接する壁またはパネルに直接的に従属する場合、また中間の壁またはパネルが二つの壁またはパネルを効果的に接続する場合の両方を包含する。
【0017】
一例として、側方壁または側方パネルは、隣接する前部壁または前部パネルに直接的に従属しうる。こうした場合、壁またはパネルは典型的に、隣接する壁から折り目に沿って従属する。別の方法として、丸みのあるまたは面取りされた縁端を有する容器では特に、側方壁または側方パネルは、前部壁または前部パネルに間接的に従属してもよい。こうしたケースでは、丸みのあるまたは面取りされた縁端を有する壁またはパネルは、側方壁または側方パネルと前部壁または前部パネルとを接続する。面取りされた縁端の場合、側方壁または側方パネルおよび前部壁または前部パネルはどちらも、それぞれの折り目に沿って接続する面取りされた縁端を有する壁またはパネルに従属してもよい。これはまた、例えば内側フレームの形態で提供された補強部材に、本発明による容器のオプションの構成要素に適用される。
【0018】
「実質的に透明」という用語は、少なくともかなりの比率の入射光が通過することを可能にし、そのため可視スペクトルで透視可能な材料を説明するために使用される。本発明において、実質的に透明な層は、下にある層(例えば、金属含有層または紙含有層)が実質的に透明な層を通して見えるのに十分な光が通過することを可能にする。実質的に透明な層材料は、完全に透明であってもよい。別の方法として、層を形成する材料は低めの透明度を有しながらも、実質的に透明な層を通して下にある層が見えるのに十分な光を依然として透過しうる。
【0019】
「虚弱線」という用語は本明細書で使用される場合、パッケージ(またはパッケージが形成されるブランク)の表面の一部分であって、そこからパッケージ(またはブランク)が形成される部分の構造強度が、例えば虚弱線に沿った曲げ、折り畳みまたは引き裂きに関した任意の適切な技術によって弱化されている部分を説明するために使用される。例えば、虚弱線は、スコアライン、筋付け線、切除線、または穿孔線として形成されうる。虚弱線は、材料を除去することによって、材料をずらすことによって、材料を圧縮することによって、材料をまとめて保持する力を局所的に低減することによって(例えば、繊維質材料内の繊維を破壊することによって)、また上記の組み合わせによって作成できる。虚弱線は、直線、曲線、断片的もしくは連続的な線、またはそれらの組み合わせであってもよい。数多くの例において、虚弱線は、ブランク内での折り目の位置付けを助けるために使用される。虚弱線はまた、例えば圧縮によって、虚弱線に垂直な方向に材料を強化するために使用されうる。さらに、虚弱線は装飾用途に使用できる。
【0020】
「スコアライン」という用語は、ブランクの材料に部分的に切り込みを入れることによって形成される線を説明するために使用される。スコアラインは、ブランクから材料を除去することによって形成されてもよい(その場合、スコアラインはブランク内の溝または谷を形成する)。別の方法として、スコアラインはブランクからの任意の材料を除去することなく生成されてもよく、これには部分的な側方向のずれと材料の圧縮が典型的に伴い、厚さがゼロではないナイフが材料を貫通することによって引き起こされる。スコアラインの深さはブランクの厚さより小さくなる。
【0021】
「筋付け線」という用語は、材料の一部分をブランクの平面に対して垂直にずらすことによって形成され、ブランクに溝または谷を形成する線を説明するために使用される。ずれは圧縮を伴う場合があり、ローラーなどの圧縮ツールの使用を典型的に伴う。別の方法として、または追加的に、筋付け線内の材料は、ブランクの反対側から少なくとも部分的に突き出るようにずらされてもよい。一般に、筋付け線が形成された時に、材料は除去されない。
【0022】
「切除線」という用語は、ブランクの表面から、切除によって所定の深さだけ材料を除去することによって(例えば、レーザービームまたはブレードによって)形成される線を説明するために使用される。
【0023】
「穿孔線」という用語は、ブランク内の個別の孔またはスロットの線または配列を説明するために使用される。孔は、ブランクに物体を押し通すことによって形成されてもよい。この結果、例えばパンチングによって材料がブランクから除去されることになりうる。別の方法として、孔は材料を除去せずに作成されてもよく、代わりに物体を使用して物質を孔の中心から外向きに押すことができる。別の代替の方法として、孔はレーザービームによって形成されてもよい。
【0024】
「折り目」という用語は、ブランクが折り畳まれるブランクの任意の線を説明するために使用される。折り目は、折り畳み作用を支援するための虚弱線によって画定されうる。別の方法として、例えばブランク材料およびその他の材料特性の成形しやすさに応じて、虚弱線の存在なしに折り畳みを形成することができる。
【0025】
既存の容器とは対照的に、本発明の再封可能な密封カバー部材は、繊維質セルロース系材料を備える基層と、基層の外側に提供された金属含有層と、基層の内側に提供された第一の高分子層とを備える。繊維質セルロース系材料を含む基層を含むことによって、再封可能な密封カバー部材は、既存の容器の再封可能な密封カバー部材と比較して、より高い含有量の分解性材料およびリサイクル可能材料を有することができる。従って、有利なことに容器の環境配慮性は増大する。さらに、第一の高分子層が実質的に透明である実施形態において、実質的に透明な高分子層は、下にある基層を見えるようにするため、こうした環境配慮性の増大は消費者にとって、より簡単に知覚可能になりうる。
【0026】
本発明において、繊維質セルロース系材料を含む基層を含めることは、再封可能な密封カバー部材の弾性特性に影響を与える。特に、リッドの開口中または閉口中に、カバー部材がリッドとともに移動する際に、セルロース系繊維は壊れうるかまたは損傷を受けうる。この結果、再封可能な密封カバー部材の一部がある状態に保持されたり、ある状態に有利に働いたりしかねず、従って再封可能な密封カバー部材の全体的な弾性的柔軟性が低減されうる。しかしながら、基層の内側に提供された第一の高分子層を含むことによって、本発明は、こうした悪影響を少なくとも部分的に補うことができる。すなわち、第一の高分子層は、再封可能な密封カバー部材が容器の使用中に、その全体的な弾性的柔軟性を失う可能性を低減するのに役立ちうる。結果として、カバー部材は、出し入れ口を反復的に塞ぐことにおいて、より効果的であることができ、それによって容器の内容物をより適切に保持するのを助ける。
【0027】
さらに、第一の高分子層は、基層内に含まれる繊維質セルロース系材料の固有の不均一さと比較して、より滑らかな仕上がりを提供することができる。これは有利なことに、再封可能な密封カバー部材が、消費財の周りに折り畳まれたシート状ブランクなど、パッケージの隣接した構成要素に対して、より適切に接着またはシールされるのを助けうる。さらに、第一の高分子層は、基層の内側の保護バリアを提供することができ、これは、基層の繊維質材料から生じる粉塵の微粒子が、再封可能な密封カバー部材をパッケージの残りの部分に取り付けるために使用される任意の製造装置を汚染しないようにするのを助ける。
【0028】
追加的に、第一の高分子層は、基層内に含まれる繊維質セルロース系材料の固有の不均一さと比較して、より滑らかな仕上がりを提供してもよく、それによって、出し入れ口を囲むパッケージの領域上に重なるか、またはその領域に接着されている、より適切な表面を提供しうる。これは、繊維質の基層内に典型的に存在しうる細孔およびチャネルをより適切に塞ぐのを助け、それによって再封可能な密封カバー部材の閉鎖または密封特性をさらに改善する。
【0029】
本発明による容器は製造が簡単で、かつ既存のパッケージ装置の大幅な修正を必要としない。特に、再封可能な密封カバー部材をパッケージの残りの部分または容器のリッドに取り付けるためのプロセスを変更する必要はない。
【0030】
再封可能な密封カバー部材は、基層、金属含有層および第一の高分子層のみから成りうる。別の方法として、再封可能な密封カバー部材は、それぞれ外側に、または内側に、または基層と金属含有層と第一の高分子層との間に配置された一つ以上の追加的な層を備えうる。
【0031】
従って、一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材は、金属含有層と基層の間に提供された第二の高分子層をさらに含む。第二の高分子層は、再封可能な密封カバー部材の弾性的柔軟性をさらに向上させるのに役立ちうる。第二の高分子層は、第一の高分子層と同一の材料で形成されていることが好ましい。第二の高分子層は、第一の高分子層と同一の厚さを有することが好ましい。
【0032】
第二の高分子層は、基層の外側に金属含有層を提供するための製造プロセスを支援しうる。すなわち、第二の高分子層は、基層内に含まれる繊維質セルロース系材料の固有の不均一さと比較して、より滑らかな仕上がりを提供することができ、それによって、より望ましい基体を形成することができ、この上に金属含有層が提供される。
【0033】
金属含有層は任意の適切な形態を有してもよい。例えば、金属含有層はアルミ箔などの箔の形態でもよい。金属含有層は銀インクなどの金属インクを含むことが好ましい。これは、印刷によって金属含有層が提供されることを可能にし、これは金属含有層が再封可能な密封カバー部材の全体にわたって延びない時に特に有利でありうる。さらに、これはまた、金属含有層を比較的に薄くすることを可能にし、それによって費用効率を向上することができる。より薄い金属含有層は、より厚い金属含有層よりも弾性的に柔軟でありうる。これはまた、再封可能な密封カバー部材が容器の使用中に、その全体的な弾性的柔軟性を失う可能性を低減するのに役立ちうる。結果として、カバー部材は、出し入れ口を反復的に塞ぐことにおいて、より効果的であることができ、それによって容器の内容物をより適切に保持するのを助ける。
【0034】
従って、金属含有層の厚さは、少なくとも約10マイクロメートル未満であることが好ましい。金属含有層の厚さは、少なくとも約5マイクロメートル未満であることがより好ましい。加えて、または別の方法として、金属含有層の厚さは、少なくとも約1マイクロメートルであることが好ましい。金属含有層の厚さは、少なくとも約2マイクロメートルであることがより好ましい。
【0035】
金属含有層の坪量は、少なくとも約1グラム/平方メートルであることが好ましい。金属含有層の坪量は、少なくとも約2グラム/平方メートルであることがより好ましい。加えて、または別の方法として、金属含有層の坪量は、約10グラム/平方メートル未満であることが好ましい。金属含有層の坪量は、約5グラム/平方メートル未満であることがより好ましい。特に好ましい実施形態において、金属含有層の坪量は、約2グラム/平方メートル~約6グラム/平方メートルである。金属含有層の坪量は、約4グラム/平方メートルであることが特に好ましい。
【0036】
一部の好ましい実施形態において、金属含有層は、再封可能な密封カバー部材の第一の部分上のみに延びる。これは、一つ以上の部分が金属製の外観を持たないことが望ましい場合に有利でありうる。例えば、一部の実施形態において、製造目的で再封可能な密封カバー部材の一部に見当合わせマークを提供することが好ましい場合がある。この場合、見当合わせマークは、非金属に見える背景上に提供されている場合に、より識別可能でありうる。別の例として、金属に見える必要がないブランクの部分があってもよい。例えば、リッドの内表面に永久的に貼り付けられた再封可能な密封カバー部材の部分は、容器の通常の使用中に消費者に見える可能性が低い。結果として、再封可能な密封カバー部材のこの部分は金属含有層を持たないことが望ましい場合があり、その理由は、金属含有層を持たないことが、容器の有用性または外観に影響を与えることなく、容器による環境への影響を低減するのに役立ちうるからである。
【0037】
従って、一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材の第二の部分は、リッドの内表面に永久的に貼り付けられていて、再封可能な密封カバー部材の第二の部分は、金属含有層を有する容器の第一の部分と重なり合わない。こうした実施形態において、リッドの内表面は流体案内要素を有し、再封可能な密封カバー部材の第二の部分は、流体案内要素の領域内のリッドの内表面に永久的に貼り付けられていることが好ましい。流体案内要素は、容器の壁内の窪みまたは切り抜きなどの凹部としうる。こうして、流体案内要素は、中に接着剤を受けて案内するように適応された貯蔵所としての役目を果たすことができ、流体案内要素外への接着剤の塗り付けや移動を低減する。こうした実施形態において、流体案内要素内の接着剤が、再封可能な密封カバー部材の第二の部分の基層に直接接着することが特に望ましい場合がある。これは、基層内の繊維とリッドの内表面内の繊維との間の直接的な接着を可能にし、従ってリッドの内表面と再封可能な密封カバー部材との間の強力な取り付けを提供しうる。
【0038】
再封可能な密封カバー部材の下側には、接着剤の配置が提供されうる。これは、再封可能な密封カバー部材の少なくとも一部をパッケージの残りの部分に少なくとも部分的に貼り付けるために使用できる。接着剤の配置は、再密封可能な接着剤および永久接着剤を含むことが好ましい。永久接着剤は、出し入れ口の後部縁端の周辺部に沿って再封可能な密封カバー部材をパッケージに貼り付けることが好ましい。再密封可能な接着剤は実質的に、出し入れ口の残りの部分の周辺部の周りに提供されることが好ましい。これは従って、リッドが閉位置にある時に接着剤の配置が再封可能な密封カバー部材と下にある内側パッケージとの間のシールを形成するように、出し入れ口の周りに接着剤の連続ループを形成することができる。
【0039】
接着剤の配置は、再封可能な密封カバー部材の下側で接着剤領域を横切って延びる。接着剤領域は、再封可能な密封カバー部材の下側全体を覆ってもよい。再封可能な密封カバー部材の下側が接着剤のない領域を含むように、接着剤領域は再封可能な密封カバー部材の下側の一部分のみを覆うことが好ましい。接着剤のない領域は、リッドの内表面に永久的に貼り付けられた再封可能な密封カバー部材の第二の部分の少なくとも一部分を横切って延びることが好ましい。特に好ましい実施形態において、接着剤のない領域は、リッドの内表面に永久的に貼り付けられた再封可能な密封カバー部材の第二の部分の面積よりも大きい。
【0040】
こうした実施形態において、再封可能な密封カバー部材の第二の部分には、非金属の別のインクが提供されうる。これは、リッドの内表面に永久的に貼り付けられた再封可能な密封カバー部材の部分を識別するのに役立ちうる。別の方法として、再封可能な密封カバー部材の第二の部分にインクが提供されなくてもよい。いずれの場合においても、再封可能な密封カバー部材の第二の部分にプライマー層を含めることが好ましい場合があり、これは非金属インク(存在する場合)を覆うか、または再封可能な密封カバー部材の第二の部分に対応する基層の外側の一部分を覆う。従って、一部の好ましい実施形態において、プライマー層は、基層の外側に提供されていて、再封可能な密封カバー部材の第二の部分上のみに延びる。こうしたプライマー層は、再封可能な密封カバー部材の第二の部分をリッドの内表面に永久的に貼り付ける時に有用でありうる。
【0041】
金属含有層は、再封可能な密封カバー部材の外表面の少なくとも一部分を形成しうる。しかしながら、一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材は、金属含有層の外側に提供されたワニス層をさらに備える。こうしたワニスは、再封可能な密封カバー部材の外表面の少なくとも一部分の外観をさらに改善するのに役立ちうる。
【0042】
一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材は、第一の高分子層の内側の一部分上に提供されたプライマー層をさらに備える。こうしたプライマー層は、再封可能な密封カバー部材をパッケージの残りの部分に貼り付けるために接着剤を使用する時に有用でありうる。
【0043】
基層の厚さは、少なくとも約20マイクロメートルであることが好ましい。基層の厚さは、少なくとも約25マイクロメートルであることがより好ましい。基層の厚さは、少なくとも約30マイクロメートルであることがさらにいっそうより好ましい。加えて、または別の方法として、基層の厚さは、約80マイクロメートル未満である。基層の厚さは、約60マイクロメートル未満であることがより好ましい。基層の厚さは、約40マイクロメートル未満であることがさらにいっそうより好ましい。特に好ましい実施形態において、基層の厚さは約30マイクロメートル~約40マイクロメートルである。基層の厚さは、約31マイクロメートルであることが特に好ましい。
【0044】
基層の坪量は、少なくとも約20グラム/平方メートルであることが好ましい。基層の坪量は、少なくとも約25グラム/平方メートルであることがより好ましい。加えて、または別の方法として、基層の坪量は、約50グラム/平方メートル未満であることが好ましい。基層の坪量は、約40グラム/平方メートル未満であることがより好ましい。特に好ましい実施形態において、基層の坪量は、約25グラム/平方メートル~約35グラム/平方メートルである。基層の坪量は、約31グラム/平方メートルであることが特に好ましい。
【0045】
好ましい実施形態において、基層は少なくとも30重量パーセントの繊維質セルロース系材料を含む。基層は少なくとも50重量パーセントの繊維質セルロース系材料を含むことがより好ましい。基層は少なくとも70重量パーセントの繊維質セルロース系材料を含むことがさらにいっそうより好ましい。一部の特に好ましい実施形態において、基層は実質的に完全に繊維質セルロース系材料で形成されている。一例として、基層は紙のシートから形成されうる。繊維質セルロース系材料の含有量がより高いと、基層がより容易に分解されるようになる。
【0046】
一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材は、出し入れ口の周辺を越えて延び、また再封可能な密封カバー部材の内表面の後部ヒンジ領域上に提供された永久接着剤によって、少なくとも部分的に永久的に前記パッケージに貼り付けられていて、かつ少なくとも出し入れ口の前部縁端の周りに延びる再封可能な密封カバー部材の内表面の第二の領域上に提供された再密封可能な接着剤によって、少なくとも部分的に取り外し可能にパッケージに貼り付けられている。
【0047】
一部の好ましい実施形態において、再封可能な密封カバー部材は上部および下部を備え、出し入れ口の周辺に延びる下部の内表面の第一の領域上に提供された永久接着剤によって下部がパッケージに貼り付けられていて、下部は、パッケージの出し入れ口と少なくとも部分的に整列された切り抜き部分を備え、上部は、上部の内表面の後部ヒンジ領域上に提供された永久接着剤によって、少なくとも部分的に永久的に下部に貼り付けられていて、上部が少なくとも出し入れ口の上にある閉位置から、および切り抜き部分が見えるように上部が下部から持ち上げられている開位置から移動可能なように、ヒンジ領域から遠位に延びる上層の内表面の剥離領域上に提供された第二の接着剤によって、少なくとも部分的に取り外し可能に下部に貼り付けられている。上部は、基層、金属含有層、および第一の高分子層を含むことが好ましく、下部は少なくとも一つのさらなる材料層を含む。材料の少なくとも一つのさらなる層は、繊維質セルロース系材料、金属材料および高分子材料のうちの一つ以上を含みうる。
【0048】
パッケージはシート状ブランクから形成されていることが好ましく、これは折り畳まれた時に、消費財を収容する密封筐体を形成する。こうした実施形態において、シート状ブランクは、繊維質セルロース系材料を含むシート状ブランク基層と、基層の外側に提供されたシート状ブランク金属含有層と、密封可能なポリオレフィンを含み、かつ基層の内側の少なくとも密封領域の上に提供された、シート状ブランクの第一の密封可能な層とを含むことが好ましい。こうしたパッケージは、重なり合って消費財の群の周囲にラッピングを形成するように、ブランクの端部がひとまとめにされるように、ブランクを折り畳むことによって形成されていて、また密封領域は、ブランクの重なり合う端部にわたり少なくとも部分的に延び、かつブランクの重なり合う端部がまとめて密封されていることが好ましい。
【0049】
再封可能な密封カバー部材の一つ以上の高分子層のために、任意の適切な高分子材料を使用しうる。第一および第二の高分子層のいずれか一つに含める適切な密封可能な高分子材料は、ポリオレフィン系およびアクリル系のポリマーを含む。一部の好ましい実施形態において、密封可能な材料はポリエチレンまたはポリプロピレンを含む。
【0050】
本発明の容器は随意に外側ラッパーを含んでもよく、これは例えば高密度または低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、またはその組み合わせなどの透明高分子フィルムであることが好ましく、また外側ラッパーは従来的な方法で施される。外側ラッパーは開封テープを含んでもよい。加えて、外側ラッパーには画像、消費者情報、またはその他のデータを印刷してもよい。
【0051】
本発明による容器には、たばこを燃焼するのではなく、例えば電気熱源または炭素熱源によって加熱することに依存する細長い喫煙物品(例えば、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロまたはその他のエアロゾル発生器など)用の容器としての特定の用途がある。当然のことながら、その寸法を適切に選択することによって、本発明による容器は、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリムまたはスーパースリムの紙巻たばこ用に設計されてもよい。別の方法として、その他の消費財を容器内に収容してもよい。
【0052】
寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、異なる合計数の喫煙物品、または異なる配置の喫煙物品を保持するように設計されてもよい。例えば、寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計10~30の喫煙物品を保持するように設計されてもよい。喫煙物品は、喫煙物品の合計数に応じて、異なる並べ方で配置されてもよい。
【0053】
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながらさらに本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、本発明による容器の実施形態の概略的な斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の容器の再封可能な密封可能カバー部材の上部の図および下部の図を示す。
【
図3】
図3は、
図2の再封可能な密封可能カバー部材の第一の断面図を示す。
【
図4】
図4は、
図2の再封可能な密封可能カバー部材の第二の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、本発明による容器10を示す。容器10は、直方体であり、かつボックス14とリッド16とを含む外側ハウジング12を備える。リッド16は、ハウジング12の後部壁を横切って延びるヒンジ線を中心としてヒンジ留めされていて、かつ開位置(
図1に示す)と閉位置の間で回転可能である。さらに、容器10は、喫煙物品の群を含み、ボックス14の中に収容されている内側パッケージ18を備える。
【0056】
パッケージ18は、内側パッケージの上部壁および前部壁を横切って延びる出し入れ口20を備える。リッド16が開位置にある時に、出し入れ口を通して内側パッケージ18内に収容された喫煙物品を取り外すことができる。内側パッケージ18は、パッケージの出し入れ口20を塞ぎ、かつパッケージの出し入れ口の周辺を越えて延びる、再封可能なカバー部材100を備える。カバー部材100は、カバー部材が少なくとも出し入れ口の上にある閉位置から、およびカバー部材100がパッケージ18の外表面から持ち上げられる開位置(
図1に図示)から移動可能である。さらに、リッド16を開口すると、再封可能なカバー部材22が閉位置から開位置に向かって移動して、出し入れ口20が少なくとも部分的に見えるように、再封可能なカバー部材100は、リッド16の内表面に永久的に貼り付けられている。
【0057】
図1の実施形態において、再封可能な密封カバー部材100は、出し入れ口20の周辺を越えて延びる。再封可能な密封カバー部材100は、再封可能な密封カバー部材100の内表面の後部ヒンジ領域に提供された永久接着剤によって、少なくとも部分的に永久的にパッケージに貼り付けられている。さらに、再封可能な密封カバー部材100は、出し入れ口20の少なくとも前部縁端の周りに延びる再封可能な密封カバー部材100の内表面の第二の領域上に提供された再密封可能な接着剤によって、少なくとも部分的に取り外し可能にパッケージ18に貼り付けられている。永久接着剤および再密封可能な接着剤の配置は、
図2~4でよりよく示されていて、これは以下でより詳細に説明されている。
【0058】
図2は、
図1の再封可能な密封可能カバー部材100の上部
図200および下部
図300を示す。
図3は、断面400に沿って見た再封可能な密封可能カバー部材100の第一の断面図を示す。
図4は、断面500に沿って見た再封可能な密封可能カバー部材100の第二の断面図を示す。
【0059】
図2~4から分かる通り、再封可能な密封カバー部材100は、第一の部分150および第二の部分170を備える。
【0060】
図3の断面図から分かる通り、第一の部分150では、再封可能な密封カバー部材100は、基層102と、基層102の外側に提供された金属含有層104と、基層102の内側に提供された第一の高分子層106とを備える。基層102は紙の層であり、金属含有層104は銀インクの層であり、第一の高分子層106はポリプロピレンの層である。ポリプロピレンの第二の高分子層108は、金属含有層104と基層102の間に提供されている。プライマー層112は第一の高分子層106の内側に提供されていて、実質的に透明なワニス層110は金属含有層104の外側に提供されている。
【0061】
再封可能な密封カバー部材100の下側には、再密封可能な接着剤114および永久接着剤116を含む接着剤の配置が提供されている。接着剤114、116は、再封可能な密封カバー部材100の第二の部分170にわたっては延びない。結果として、接着剤のないエリア171が、
図2に示された再封可能な密封カバー部材100の下側に見える。
図2の接着剤のないエリア171は、再封可能な密封カバー部材100の第二の部分170にわたってのみ延びるように示されているが、接着剤のない領域は、例えば再封可能な密封カバー部材100の第一の部分150内に延びることによって、第二の部分170を越えて延びうることが理解される。
【0062】
図4から分かる通り、第二の部分170では、再封可能な密封カバー部材100はまた、基層102、第一の高分子層106、第二の高分子層108を含む。しかしながら、金属含有層104は第二の部分170内には延びず、代わりに黒色インクなどの非金属インク層118が第二のプライマー層108の外側に提供されている。プライマー層120は、非金属インク層118の外側に追加的に提供されている。
【0063】
図2から分かる通り、上述の層配置の結果として、再封可能な密封カバー部材100の上部図は主に、再封可能な密封カバー部材100の第一の部分150において光沢のある金属の外観を有する。第二の部分170には金属の外観は提供されていないが、この部分は容器のリッドに固定されているため、消費者には簡単に見えない。スペアアウト部分190もまた、製造目的で見当合わせマークを提供するために、金属の外観なしにされている。しかしながら、金属含有層104は、希望に応じてこの部分190内に延びてもよい。再封可能な密封カバー部材100の下側はまた、第一の高分子層106、プライマー層112および接着層114、116が実質的に透明である場合に、実質的に紙様の外観を有する。