(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】骨セメント送達システム用分流器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20220817BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
A61B17/88
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2019545772
(86)(22)【出願日】2018-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018019211
(87)【国際公開番号】W WO2018156755
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマン,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ハーシュマン,ゲイブ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0270181(US,A1)
【文献】特表2014-507976(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0045241(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
A61B 17/88
A61F 2/28
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨セメント送達システムであって、
出口ポートを有するセメントリザーバ内に移動可能に配置されたプランジャーであって、骨セメントを前記セメントリザーバから前記出口ポートを通して選択的に排出させるように構成されている、プランジャーと、
前記セメントリザーバの前記出口ポートに
連結された延長チューブと、
分流器入口、第1の分流器出口、及び第2の分流器出口を備える分流器であって、前記分流器入口は、前記延長チューブに連結され、前記延長チューブの下流に位置する、分流器と、
前記骨セメントを目標部位に導くための送達カニューレに接続されるように構成されたカニューレ連結器であって、カニューレ連結器入口を有し、前記分流器の下流に位置する、カニューレ連結器と、
残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定するドルールアキュムレータであって、ドルール入口を有し、前記分流器の下流に位置する、ドルールアキュムレータと、
を備え、
前記第1の分流器出口は、前記カニューレ連結器入口に連結され、前記第2の分流器出口は、前記ドルール入口に連結されており、
前記分流器は、
前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間の流体連通が遮断される第1の形態と、
前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間の流体連通が遮断される第2の形態と
の間で選択的に移動するように構成された弁を備え、
前記システムは、前記弁を前記形態間で作動させるように操作可能に構成された制御面を備えるユーザー入力機構を更に備えている、
骨セメント送達システム。
【請求項2】
前記弁は、前記形態間で回転するロータ弁である、請求項1に記載の骨セメント送達システム。
【請求項3】
前記制御面は、前記延長チューブの上流に配置されたトリガーから構成されている、請求項1又は2に記載の骨セメント送達システム。
【請求項4】
前記トリガーは、前記トリガーと前記弁との間に配置された導管内において摺動可能なワイヤを備えるリンケージによって、前記弁に操作可能に連結されている、請求項3に記載の骨セメント送達システム。
【請求項5】
前記弁は、前記カニューレ連結器と前記ドルール容積部との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間及び前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間のそれぞれの流体連通が遮断され、これによって、前記骨セメントが前記ドルールアキュムレータの前記ドルール容積部から前記カニューレ連結器に移動され、前記目標部位への送達が可能になる、他の形態に選択的に移動するように構成されている、
請求項1~請求項4のいずれか
1つに記載の骨セメント送達システム。
【請求項6】
前記ドルールアキュムレータは、視覚的指標を有する容器である、
請求項1~請求項5のいずれか
1つに記載の骨セメント送達システム。
【請求項7】
前記ドルールアキュムレータは、前記分流器の前記第2の分流器出口に離脱可能に連結されている、
請求項1~請求項6のいずれか
1つに記載の骨セメント送達システム。
【請求項8】
前記延長チューブの上流に配置されたハンドルを更に備えている、
請求項1~請求項7のいずれか
1つに記載の骨セメント送達システム。
【請求項9】
前記プランジャーに操作可能に連結されたノブであって、前記ノブの回転が前記セメントリザーバ内の前記プランジャーの移動に対応するようになっている、ノブを更に備えている、
請求項1~請求項8のいずれか
1つに記載の骨セメント送達システム。
【請求項10】
骨セメント送達システムであって、
出口ポートを有するセメントリザーバ内に移動可能に配置されたプランジャーであって、骨セメントを前記セメントリザーバから前記出口ポートを通して選択的に排出させるように構成されている、プランジャーと、
前記セメントリザーバの前記出口ポートに
連結された延長チューブと、
分流器入口、第1の分流器出口、及び第2の分流器出口を備える分流器であって、前記分流器入口は、前記延長チューブに連結され、前記延長チューブの下流に位置する、分流器と、
前記骨セメントを目標部位に導くための送達カニューレに接続されるように構成されたカニューレ連結器であって、カニューレ連結器入口を有し、前記分流器の下流に位置する、カニューレ連結器と、
残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定するドルールアキュムレータであって、ドルール入口を有し、前記分流器の下流に位置する、ドルールアキュムレータと、
を備え、
前記第1の分流器出口は、前記カニューレ連結器入口に連結され、前記第2の分流器出口は、前記ドルール入口に連結されており、
前記分流器は、
前記カニューレ連結器と前記ドルール容積部との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間及び前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間のそれぞれの流体連通が遮断される、第1の形態と、
前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間の流体連通が遮断される、第2の形態と
の間で選択的に移動するように構成された弁を備え、
前記システムは、前記弁を前記形態間で作動させるように操作可能に構成された制御面を備えるユーザー入力機構を更に備えている、
骨セメント送達システム。
【請求項11】
前記弁は、前記形態間で回転するロータ弁である、請求項10に記載の骨セメント送達システム。
【請求項12】
前記制御面は、前記延長チューブの上流に配置されたトリガーから構成されている、請求項10又は11に記載の骨セメント送達システム
【請求項13】
前記トリガーは、前記トリガーと前記弁との間に配置された導管内において摺動可能なワイヤを備えるリンケージによって、前記弁に操作可能に連結されている、請求項12に記載の骨セメント送達システム。
【請求項14】
前記ドルールアキュムレータは、アクチュエータを備え、前記アクチュエータは、骨セメントを前記ドルールアキュムレータから前記分流器に向かって移動させ、次いで、前記送達カニューレ内に通すように、ユーザーによって作動されるように構成されている、請求項10~13のいずれかに記載の骨セメント送達システム。
【請求項15】
前記ドルールアキュムレータは、視覚的指標を有する容器である、請求項10~14のいずれかに記載の骨セメント送達システム。
【請求項16】
前記ドルールアキュムレータは、前記分流器の前記第2の分流器出口に離脱可能に連結されている、請求項10~15のいずれかに記載の骨セメント送達システム。
【請求項17】
前記延長チューブの上流に配置されたハンドルを更に備えている、請求項10~16のいずれかに記載の骨セメント送達システム。
【請求項18】
前記プランジャーに操作可能に連結されたノブであって、前記ノブの回転が前記セメントリザーバ内の前記プランジャーの移動に対応するようになっている、ノブを更に備えている、請求項10~17のいずれかに記載の骨セメント送達システム。
【請求項19】
骨セメント送達システムであって、
出口ポートを有するセメントリザーバ内に移動可能に配置されたプランジャーであって、骨セメントを前記セメントリザーバから前記出口ポートを通して選択的に排出させるように構成されている、プランジャーと、
骨セメントを排出するように前記プランジャーを
作動させる流体圧システムと、
分流器入口、第1の分流器出口、及び第2の分流器出口を備える分流器であって、前記分流器入口は、前記流体圧システムに連結され、前記流体圧システムの下流に位置する、分流器と、
前記骨セメントを目標部位に導くための送達カニューレに接続されるように構成されたカニューレ連結器であって、カニューレ連結器入口を有し、前記分流器の下流に位置する、カニューレ連結器と、
残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定するドルールアキュムレータであって、ドルール入口を有し、前記分流器の下流に位置する、ドルールアキュムレータと、
を備え、
前記第1の分流器出口は、前記カニューレ連結器入口に連結され、前記第2の分流器出口は、前記ドルール入口に連結されており、
前記分流器は、
前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間の流体連通が遮断される、第1の形態と、
前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間の流体連通が遮断される、第2の形態と
の間で選択的に移動するように構成された弁を備え、
前記システムは、前記弁を前記形態間で作動させるように操作可能に構成された制御面を備えるユーザー入力機構を更に備えている、
骨セメント送達システム。
【請求項20】
骨セメント送達システムであって、
出口ポートを有するセメントリザーバ内に移動可能に配置されたプランジャーであって、骨セメントを前記セメントリザーバから前記出口ポートを通して選択的に排出させるように構成されている、プランジャーと、
骨セメントを排出するように前記プランジャーを
作動させる流体圧システムと、
分流器入口、第1の分流器出口、及び第2の分流器出口を備える分流器であって、前記分流器入口は、前記流体圧システムに連結され、前記流体圧システムの下流に位置する、分流器と、
前記骨セメントを目標部位に導くための送達カニューレに接続されるように構成されたカニューレ連結器であって、カニューレ連結器入口を有し、前記分流器の下流に位置する、カニューレ連結器と、
残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定するドルールアキュムレータであって、ドルール入口を有し、前記分流器の下流に位置する、ドルールアキュムレータと、
を備え、
前記第1の分流器出口は、前記カニューレ連結器入口に連結され、前記第2の分流器出口は、前記ドルール入口に連結されており、
前記分流器は、
前記カニューレ連結器と前記ドルール容積部との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間及び前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間のそれぞれの流体連通が遮断される第1の形態と、
前記セメントリザーバと前記カニューレ連結器との間に流体連通が確立され、前記セメントリザーバと前記ドルール容積部との間の流体連通が遮断される第2の形態と
の間で選択的に移動するように構成された弁を備え、
前記システムは、前記弁を前記形態間で作動させるように操作可能に構成された制御面を備えるユーザー入力機構を更に備えている、
骨セメント送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2017年2月22日に出願された米国仮出願第62/462,043号の優先権及び利得を主張するものであり、その内容の全体が、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
[発明の分野]
本明細書に開示される実施形態は、一般的に、骨セメント送達システムに関し、更に詳細には、骨セメント送達システムと共に用いられる分流器に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの外科手術、特に、整形外科手術では、骨/関節構造の安定化、強度、剛性、及び移動を改良するために、一般的に、骨又は関節構造内への骨セメントの注入が行なわれている。このような外科手術の一般的な例として、関節形成術、椎体形成術、又は後彎矯正術が挙げられる。
【0004】
骨セメントを注入する典型的な外科手術では、セメント源は、骨セメントを所望の箇所に送達する送達装置に流体的に連結されている。所望の骨/関節構造に所望の強度をもたらすために、通常、骨セメントに高圧を加え、これによって、該骨セメントをセメント装置から所望の箇所に流動させる必要がある。従って、いったん所望量の骨セメントが所望の骨/関節構造に送達されたなら、該高圧がシステム内に残留し、望ましくない追加的な骨セメントを送達カニューレから押し出すことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、骨セメントの送達を正確に制御することを可能にするシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書には、骨セメント送達システムが開示されている。骨セメント送達システムは、出口ポートを有するセメントリザーバ内に移動可能に配置されたプランジャーを備えている。プランジャーは、骨セメントをセメントリザーバから出口ポートを通して選択的に排出させるように構成されている。システムは、セメントリザーバの出口ポートに連結された延長チューブも備えている。延長チューブは、システムのオペレータが放射線被爆を回避することを可能にするのに十分な長さを有している。加えて、システムは、分流器入口、第1の分流器出口、及び第2の分流器出口を備える分流器であって、分流器入口は、延長チューブに連結され、延長チューブの下流に位置する、分流器を備えている。また、システムは、骨セメントを目標部位に導くための送達カニューレに接続されるように構成されたカニューレ連結器も備えている。カニューレ連結器は、カニューレ連結器入口を有し、分流器の下流に位置している。更に、システムは、残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定するドルールアキュムレータを備えている。ドルールアキュムレータは、ドルール入口を有し、分流器の下流に位置している。第1の分流器出口は、カニューレ連結器入口に連結され、第2の分流器出口は、ドルール入口に連結されている。分流器は、セメントリザーバとドルール容積部との間に流体連通が確立され、セメントリザーバとカニューレ連結器との間の流体連通が遮断される第1の形態と、セメントリザーバとカニューレ連結器との間に流体連通が確立され、セメントリザーバとドルール容積部との間の流体連通が遮断される第2の形態との間で選択的に移動するように構成された弁を備えている。最後に、本システムは、弁を形態間で作動させるように操作可能に構成された制御面を備えるユーザー入力機構を更に備えている。
【0007】
骨セメントを目標部位に送達するための方法が、更に提供されている。この方法は、プランジャーに圧力を加えることによって、骨セメントを延長チューブを通して分流器の方に移動させるステップと、骨セメントを分流器を通して目標部位に送達するステップと、延長チューブからの残留骨セメントを目標部位に送達させないために、延長チューブの遠位側におけるある量の骨セメントをドルールアキュムレータ内に集めるステップと、を含んでいる。
【0008】
これらのシステム及び方法は、いったん所望量の骨セメントが送達されたなら、システム内に残留する圧力の大きさと無関係に、目標部位に送達される骨セメントの量を正確に制御することを可能にする。この構成によって、目標部位に送達される過剰な量の骨セメントに起因する患者の損傷が防がれることになる。
【0009】
本発明の利点は、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を参照することによってよく理解されたなら、容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1.1A】
図1は、一実施形態による分流器に連結された送達装置を備える骨セメント送達システムの破断斜視図である。
図1Aは、
図1の実施形態による骨セメント送達システムのリンケージの断面図である。
【
図2】ユーザーによって支持された送達装置を備える骨セメント送達システムであって、送達装置に連結された一実施形態による分流器がドルールアキュムレータ及び送達カニューレに連結された状態で示されている、骨セメント送達システムの破断右側面図である。
【
図3】ユーザーが他の形態にある送達装置を支持する状態を示す、
図2の骨セメント送達システムの他の破断右側面図である。
【
図4】ユーザーが第3の形態にある送達装置を支持する状態を示す、
図2及び
図3の骨セメント送達システムの他の破断右側面図である。
【
図5】他の実施形態による送達装置及び分流器を備える骨セメント送達システムの斜視図である。
【
図6】
図5の骨セメント送達システムの分解斜視図である。
【
図7】離脱形態にあるユーザー入力機構を示す、
図5及び
図6の骨セメント送達システムの一部の破断断面図である。
【
図8】係合形態にあるユーザー入力機構を示す、
図7の骨セメント送達システムの一部の他の破断断面図である。
【
図12】第1の形態にある弁を示す、
図11の線12-12に沿ったプッシュロッド及び弁の断面図である。
【
図13】第1の流路を画定する第1の形態にある弁を示す、
図11の線13-13に沿った断面図である。
【
図14】第2の形態にある弁を示す、
図12のプッシュロッド及び弁の他の断面図である。
【
図15】第2の流路を画定する第2の形態にある弁を示す、
図13の弁の他の断面図である。
【
図16】第3の流路を画定する追加的な形態にある弁を示す、他の断面図である。
【
図17】一実施形態による分流器が連結された送達装置を備える骨セメント送達システムの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、骨セメント送達システムが、
図1~
図6において総称的に20で示されている。なお、いくつかの図を通して、同様の番号が同様の構造を示すために用いられている。骨セメント送達システム20は、目標部位TS内への骨セメントBCの注入を容易にするように構成されている。目標部位の例として、全人工股関節置換術における髄管、椎体形成術又は後彎矯正術における椎体、及び骨セメントBCが用いられる他の目標部位TSが挙げられる。
【0012】
骨セメントBCは、典型的には、均一に混合された骨セメントである。しかし、骨セメントは、本発明の精神から逸脱することなく、不均一であってもよいし又は他の形態にあってもよい。本明細書に用いられる骨セメントBCは、当業者によって周知のどのような種類の骨セメント、例えば、制限されないが、流体又は流動状態又は相を有する材料、及び硬化、固形化又は固化可能な状態又は相を有する材料(例えば、合成物、ポリマー、等)が挙げられる。固化可能な材料の例として、制限されないが、流動性を有する注入可能な骨セメント(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系骨固化可能な材料)が挙げられる。この注入可能な骨セメントは、カニューレによって部位に送達(例えば、注入)され、その後、固化され、硬化材料になる。他の材料、例えば、リン酸カルシウム、骨成長材料、抗生物質、タンパク質、又はその組合せが、骨セメントに代わって又は骨セメントを増強するために用いられてもよい(但し、これらの材料は、最終的な配合の最優先特性(流動可能な状態及び硬化、固形化又は固化可能な状態を有する特性)に悪影響を与えてはならない)。材料によっては、人体が固化可能な材料を再吸収し及び/又は充填移植材料の種類に基づいて臨床成果を改良することもある。
【0013】
図1~
図4に最もよく示されるように、骨セメント送達システム20は、概して、送達装置22、延長チューブ24、送達カニューレ26に接続するように構成されたカニューレ連結器25、ドルールアキュムレータ(drool accummulator)38、及び本設計の一態様による分流器28を備えている。いくつかの構成では、延長チューブが省略され、送達装置が分流器に直接連結されていてもよい。カニューレ連結器25は、送達カニューレ26に直接連結されるように構成され、目標部位TSへの骨セメントBCの軸上送達又は軸外送達を行うように配置されている。例えば、
図2~
図4は、目標部位TSを画定する椎体内に骨セメントを導くように構成された出口を有する管腔を画定する送達カニューレ26を示している。例示的な一実施形態では、送達カニューレ26は、患者内の該当する骨部位内に挿入されるように構成されている。また、送達カニューレ26は、目標部位TSに空洞を形成する空洞形成装置も受け入れるようになっているとよい。例えば、空洞形成装置は、送達カニューレ26の管腔を通して導かれる拡張可能な部材であるとよい。他の例では、空洞形成装置は、形状記憶材料(例えば、ニチノール)から形成された予湾曲された遠位区域を有するスタイレットから構成されていてもよい。予湾曲された遠位区域は、送達カニューレ26の管腔を通って導かれる時に真っ直ぐになり、その後、目標部位又はその近くにおいて送達カニューレ26から出た後に湾曲形状に戻ることになる。医師は、空洞を形成するために、スタイレットを操作し、材料(例えば、海綿骨)を取り出すとよい。目標部位に空洞を形成する例示的なシステム及び方法は、所有者が共通する米国特許第8,226,657号、第8,771,278号、第8,894,658号、第9,095,393号、第9,158,078号、第9,526,551号、及び第9,839,443号に開示されている。これらの文献は、各々、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。代替的に、送達カニューレ26は、それ自体が空洞形成装置を構成していてもよい。いったん空洞が形成されたなら、空洞形成装置は、送達カニューレ26の管腔から取り出され、該管腔が骨セメントBCを目標部位TSに送達するために用いられるとよい。また、目標部位TSへの骨セメントBCの送達の前に追加的な送達チューブを送達カニューレ26の管腔内に配置することも考えられる。更に、送達カニューレ26が目標部位TS内に挿入される前に空洞が生成されてもよい。加えて、骨セメントBCの送達の前に空洞が生成されなくてもよい。送達カニューレ26は、当業者によって周知の医療グレードのステンレス鋼、ポリマー、又は他の材料から構成されているとよい。
【0014】
以下に詳細に説明するように、送達装置22は、セメントリザーバ30を備えている。セメントリザーバ30は、骨セメントBCを入口ポート32(
図6参照)又は他の開口を通して受け入れ、その後、出口ポート34から放出するように、構成されている。一実施形態では、出口ポート34は、総称的に36で示される連結装置を介して延長チューブ24の近位端に取外し可能に取り付けられるように構成されている。これによって、リザーバ30の出口ポート34から流出する骨セメントBCは、延長チューブ24に入り、該延長チューブ24に沿って流れることになる。延長チューブ24の近位端において、他の連結装置36’が、延長チューブ24を分流器28に離脱可能に取り付けるために用いられている。連結装置36,36’は、高圧流体継手が形成されるどのような適切な構成を有していてもよい。
【0015】
分流器28によって、ユーザーは、骨セメントBCを送達カニューレ26に連結されたカニューレ連結器25又はドルールアキュムレータ38のドルール容積部のいずれかに選択的に導くことが可能になる。従って、カニューレ連結器25に導かれた骨セメントBCは、送達カニューレ26を通って流れることになる。以下に詳細に説明するように、一構成では、分流器28によって、ユーザーは、骨セメントBCを目標部位TSに導く送達カニューレ26又は残留骨セメントを受け入れるドルールアキュムレータ38のいずれかに向かうセメントリザーバ30からの骨セメントBCの流れを制御することが可能になる。本明細書に用いられる「残留骨セメント(residual bone cement)」という用語は、骨セメントBCが放出された後も残留する高圧を受けた骨セメントを指している。従って、送達装置22の作動が終了した後も、この残留骨セメントBCは、継続して流れることになる。換言すれば、骨セメントBCをリザーバ30の出口ポートの外に移動させるプランジャー46の移動によって、骨セメント内に圧力が蓄積され、これによって、骨セメントBCの流れを生じさせることになる。いったん所望量の骨セメントBCが目標部位TS内に移動したと判断したなら、ユーザーは、セメント送達入力機構41の作動を停止する。しかし、セメントリザーバ30、延長チューブ24、及び送達カニューレ26内に残留する骨セメントBCは、依然として高圧を有し、目標部位TSに向かって継続して流れることになる。従って、残留骨セメントは、プランジャー46が送達装置22の先行する作動の後静止状態にある時に骨セメント送達システム内に残留するセメント、として規定される。
【0016】
前述したように、本明細書に示される送達装置22の代表的な態様は、予混合された骨セメントBCをセメントリザーバ30内に受け入れ、続いて、ユーザーが骨セメントBCを送達カニューレ26を介して目標部位TSに導くように構成されている。しかし、当業者であれば、分流器28の後続の説明から、異なる種類の送達装置22も考えられることを理解するだろう。非制限的な例によれば、送達装置22は、目標部位TSへの注入前又は注入中に、例えば、リザーバ30内において骨セメントBCを混合するように構成されていてもよい。リザーバ30内において骨セメントを混合する例示的なシステム及び方法は、所有者が共通する米国特許第6,547,432号、第6,736,537号、第7,134,782号、第7,306,361号、及び第7,320,540号に開示されている、これらの文献は、各々、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。例示的な一実施形態では、セメントリザーバ30は、プラスチックポリマー、ガラス、又は金属から構成される従来式の注射器である。しかし、セメントリザーバ30は、ある量の骨セメントBCを保持するように構成された当業者に周知のどのような容器であってもよい。一実施形態では、セメントリザーバ30及び対応する骨セメントは、国際特許出願公開第2008/045329A2号に記載されているようなものである。この文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0017】
図1~
図6を参照すると、図示される設計では、送達装置22は、ハンドル40、セメント送達入力機構41、ナット44、及びプランジャー46を更に備えている。典型的には、制限されないが、ハンドル40、セメント送達入力機構41、ナット44、及びプランジャー46を備える送達装置22の全体が、延長チューブ24の上流に配置されている。しかし、他の構成も考えられる。
図1~
図6に示されるように、一実施形態では、セメント送達入力機構41は、骨セメントBCをセメントリザーバ30から移動させるためにプランジャーを作動させるように回転されるように構成されたノブ42又は他の回転アクチュエータとして構成されている。しかし、セメント送達入力機構41は、骨セメントBCをセメントリザーバ30から移動させるためにプランジャーを作動させるように構成された他の機構であってもよい。この実施形態では、
図6に最もよく示されるように、ハンドル40及びノブ42の両方が、送達装置22の組立を容易にするために互いに連結された2部品コンポーネントとして具体化されている。しかし、ユーザーによって骨セメント送達システム20の保持を容易にするように構成された任意の従来式ハンドルを備える他の構成も考えられる。セメント送達入力機構41は、代替的に、ユーザーによる係合時にプランジャーを遠位側に移動させるように構成されたレバー又は他のアクチュエータの形態を有していてもよい。
【0018】
図1~
図6に示される実施形態では、ハンドル40は、略円筒状であり、セメントリザーバ30の近位端に形成されたフランジ48を介してセメントリザーバ30を支持している。リザーバ30は、ナット44内に形成された対応する形状のフランジレセプタクル50内に受け入れられている。ハンドル40は、略テーパ付き円筒輪郭を有するものとして図面の全体にわたって示されるが、当業者であれば、ハンドル40がどのような適切な輪郭、形状、又は構成を有していてもよいことを理解するだろう。非制限的な例によれば、送達装置22のハンドル40及び/又は他の構成部品は、「ピストルグリップ」の形態をもたらすように構成されていてもよい。
【0019】
図1~
図6に示される実施形態を更に参照すると、送達装置22のナット44は、略矩形形状を有し、ハンドル40内に形成された対応する形状のポケット52内に支持されている。プランジャー46は、遠位側作業端54、近位端56、及び作業端54と近位端56との間に配置されたシャフト58を備えている。プランジャー46の作業端54は、セメントリザーバ30内に少なくとも部分的に配置され、セメントリザーバ30内の骨セメントBCと係合するように構成されている。プランジャー46の近位端56は、ノブ42に受け入れられ、ノブ42と同時に回転するようになっているとよい。シャフト58がナット44と螺合して配置され、これによって、ハンドル40に対するブ42の回転が作業端54をリザーバ30に沿って移動させることになる。従って、ノブ42の回転によって、プランジャー46の作業端54がリザーバ30内において移動し、これによって、リザーバ30内に貯留された骨セメントBCの出口ポート34から流出する流れ及び/又は出口ポート34内に流入する流れを制御することができる。換言すれば、一方向のノブ42の回転は、骨セメントBCを出口ポート34を介してリザーバ30の外に前進させ、反対方向のノブ42の回転は、骨セメントBCを出口ポート34を介してリザーバ30内に後退させる。いくつかの実施形態では、ノブ42の回転を必要とすることなく骨セメントBCの後退を可能にするか又は促進するための自動化又はユーザー作動による遮断機構が設けられてもよい。
【0020】
前述したように、送達装置22は、多くの異なる形態に構成されてもよく、目標部位TSへの骨セメントBCの注入を促進するのに十分な任意の適切な形態で配置及び/又は構成されたどのような適切な数の構成部品を備えていてもよい。
図17に示される他の実施形態では、セメント送達入力機構41は、流体圧ポンプ53を有する流体圧システム51に連結された制御面を備えている。流体圧ポンプ53は、プランジャーを移動させ、骨セメントBCをセメントリザーバ30から目標部位TSに向かって移動させるように構成されている。流体圧システム51及び流体圧ポンプ53は、米国特許第8,361,078号に記載されている。この文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。しかし、流体圧システム51及び流体圧ポンプ53が他の構成を有することも考えられる。制御面は、流体圧システムの種々の貯留部を通る作動流体の選択的な移送を可能にする弁に連結されていてもよい。換言すれば、流体圧システムは、プランジャーを遠位側に移動させ、骨セメントBCをリザーバ30から出口ポート34を介して流出させるように構成されているとよい。この実施形態では、放射線被爆を回避するための距離が流体圧システム51自体によって与えられている。換言すれば、流体圧システム51の作動は、手術部位から遠く離れた箇所から制御することができる。すなわち、医者は、骨セメントBCがリザーバ30から流出する時に送達装置22を手で支持する必要がない。医者が送達装置22から離れて位置するので、放射線被爆の可能性が低減し、延長チューブを設ける必要がなくなる。このような実施形態では、セメントリザーバ30は、(例えば、延長チューブを介在させることなく)分流器28の隣接して配置されてもよいし、又は分流器28に直接連結されてもよい。
【0021】
図1~
図4に示される実施形態を再び参照すると、ドルールアキュムレータ38は、分流器28の下流側に連結され、残留骨セメントを受け入れるためのドルール容積部を画定している。従って、ドルールアキュムレータ38は、ドルール容積部を画定するように構成されたどのような容器であってもよい。いくつかの実施形態、例えば、
図1に示される実施形態では、ドルールアキュムレータ38は、視覚的指標を有する透明な注射器のような従来式容器として具体化されている。ドルールアキュムレータ38は、分流器28の第2の分流器出口102に取外し可能に取り付けられているとよい(又は永久的に連結されていてもよい)。この構成は、使用中にドルールアキュムレータ38内に集められた残留骨セメントの量に対応する目に見える指標をユーザーにもたらすことを理解されたい。他の実施形態では、ドルールアキュムレータ38は、伸縮性又は柔軟性材料から作製されていてもよいし、又は収集トレイ、容器等によって具体化されていてもよい。しかし、当業者であれば、分流器28及び/又はドルールアキュムレータ38が多数の異なる手法によって及び多数の異なる構成要素から構成されてもよいことを理解するだろう。非制限的な例によれば、残留骨セメントは、ドルールアキュレータ38内に貯留されるが、分流器28は、残留骨セメントをリザーバ30に向かって戻すように構成されていてもよい。更に、
図4に最もよく示されるが、分流器28は、ドルールアキュムレータ38がアクチュエータ37を備えるように構成されていてもよい。アクチュエータ37は、骨セメントBCをドルールアキュムレータ38から分流器28に向かって、最終的に、カニューレ連結器25に向かって、次いで、送達カニューレ26内に移動させるように、ユーザーによって作動されるように構成されている。この構成を用いることによって、目標部位TSへの骨セメントBCのより正確な居所的再送達を行うことが可能になる。
【0022】
更に、ドルールアキュムレータ38は、
図1~
図4に示される例では、目標部位TSに隣接して且つ延長チューブ24の下流に配置されているが、どのような適切な位置に配置されてもよいことを理解されたい。非制限的な例によれば、ドルールアキュムレータ38は、送達装置22に隣接して、すなわち、延長チューブ24の近位側に配置されていてもよい。
【0023】
本明細書に用いられる「ドルール容積部(drool volume」という用語は、ドルールアキュムレータ38内に集められる物質の体積として定義される。いくつの例では、ドルール容積部は、残留骨セメントを含み、他の例では、ドルール容積部は、システムからの圧力のみを含んでいる。更に具体的には、以下に更に詳細に説明するように、骨セメントBCをセメントリザーバ30から移動させるためにプランジャー46に圧力を加えると、本質的にシステム内の骨セメントBCの全ての圧力が増大する。使用中、増大した圧力は、いくつかの構成要素、例えば、延長チューブ24の柔軟性及び/又は弾性的拡張及び収縮によって増幅される。システム内の増大した圧力は、プランジャー46への加圧が終了した後でさえ残留する。これによって、所望量の骨セメントBCが目標部位TSに送達された後、目標部位内への残留骨セメントの望ましくない移動が生じることになる。この観点から、分流器28は、目標部位TSへの残留骨セメントの送達を防ぐために、残留骨セメントをドルールアキュムレータ38に導くように構成されている。従って、分流器28が残留骨セメントをドルールアキュムレータ38に導くように構成されている場合、システム内の残留骨セメントの圧力に依存して、ドルールアキュムレータ38内に貯留されるドルール体積は、システムからの骨セメントBCと加圧ガスとの混合物の場合もあり、又は骨セメントBCがドルールアキュムレータ38に達していない場合、加圧ガスのみの場合もある。
【0024】
有利には、
図2~
図4に示されるいくつかの実施形態では、分流器28は、延長チューブ24を介して送達装置22の出口ポート34から離間した位置において、送達カニューレ26に近接して配置されている。従って、分流器28は、延長チューブ24の下流に配置されていることになる。この配置によって、残留骨セメントをより正確に制御することが可能になる。すなわち、必要に応じて、延長チューブ24内のどのような残留骨セメントも分流器28に向かってドルールアキュムレータ38に迂回させることができる。
【0025】
延長チューブ24は、ユーザーが目標部位TSにおいて送達装置22を送達カニューレ26に対して位置決め又は操作することを可能にするために、柔軟であるとよい。ここでは、延長チューブ24は、送達装置22を目標部位TSから離して位置決めするのに十分な長さ、例えば、X線撮像に関連して放射される放射線からユーザーを離すのに十分な長さを有するように構成されている。いくつかの実施形態では、延長チューブ24の長さは、略200~400cm、一実施形態では、略300cmである。しかし、どのような長さの延長チューブ24が用いられてもよい。他の実施形態、例えば、送達装置22が流体圧システムを備える実施形態では、ユーザーが放射線から安全な距離を隔てるのに十分な長さが流体圧システム自体によって与えられるので、延長チューブを設ける必要がない。この長さは、流体圧ポンプ53をプランジャー46に連結するチューブによって与えられる。このチューブは、加圧流体を流体圧ポンプ53からセメントリザーバ30に送達するものである。使用時に、延長チューブ24は、延長チューブ24の長さの全体にわたって目標部位TS内への送達カニューレ26の位置を制御するのに十分な強度を有する材料から構成されているとよく、具体的には、最大4000psiの圧力に耐えるように構成されているとよい。何故なら、延長チューブ24内の典型的な作動圧が500~2000psiだからである。また、延長チューブ24は、加圧された骨セメントBCがセメントリザーバ30から分流器28に移動することを可能にするのに十分な強度を有している。例示的な一実施形態では、延長チューブ24は、プラスチックから構成されている。しかし、延長チューブ24は、金属、ガラス、複合材料等から構成されていてもよい。延長チューブ24は、金属編組又はライナーによって補強されていてもよい。
【0026】
図1~
図4に最もよく示されるように、分流器28の操作を容易にするために、総称的に61で示される制御面を備えるユーザー入力機構60が設けられている。ユーザー入力機構は、ユーザーが分流器28を作動させるように構成されている。
図1~
図4に示される例示的な一実施形態では、制御面は、トリガー68である。しかし、制御面は、ユーザーによって作動されるように構成されたどのような他の面であってもよい。典型的には、ユーザー入力機構は、
図1~
図4に示されるように、延長チューブ24を介して分流器28の上流に配置されている。しかし、どのような構成が用いられてもよい。
図1及び
図1Aに示される一実施形態では、ユーザー入力機構60は、リンケージ66を作動させるようにユーザーによって係合されるように構成された制御面を用いることができる。リンケージ66は、導管69内において摺動可能なワイヤ67によって具体化されている。更に具体的には、
図1に示される実施形態では、ユーザー入力機構60は、ワイヤ67に連結され、該ワイヤ67の他端が分流器28に連結されている。ユーザー入力機構60が作動されると、ワイヤ67が導管69内において摺動し、分流器28の弁92を弁形態間で移動させることになる。一実施形態では、導管ハウジングは、分流器28の弁92が弁形態間で移動する時に破片又は他の障害物からワイヤを保護するように構成されている。例示的な一実施形態では、導管は、プラスチックポリマーから構成されている。しかし、導管は、ゴム、金属。複合材料、等から構成されていてもよい。
【0027】
図2~
図10に示される他の実施形態では、ユーザー入力作動機構63は、送達装置22に連結されたマスター62と、分流器28に連結されたスレーブ64と、マスター62とスレーブ64との間に力伝達可能に介在するリンケージ66と、を備えている。以下に更に詳細に説明するように、マスター62は、ユーザーによって作動され、スレーブ64の対応する作動をもたらし、これによって、分流器28を制御するように構成されている。図示される代表的な実施形態では、ユーザー入力作動機構63は、流体圧システムによって具体化されており、作動流体がマスター62とスレーブ64との間でリンケージ(例えば、チューブ、ホース、ライン、等)に沿って流れるようになっている。しかし、当業者であれば、ユーザー入力作動機構63が、延長チューブ24を介して送達装置22の下流に離間した分流器28の操作を容易にするのに十分な任意の適切な構成を有することができることを理解するだろう。すなわち、ユーザー入力作動機構63は、分流器28を制御する1つ又は複数の流体圧構成部品、空圧構成部品、電気的構成部品、又は機械的構成部品を用いることができる。
【0028】
図2~
図10に示される実施形態では、分流器28とユーザー入力作動機構63との間のリンケージは、流体圧リンケージである。更に具体的には、
図2~
図10に示される実施形態では、ユーザー入力作動機構63のマスター62は、ユーザー入力機構60、マスターピストン70、マスターシリンダー72、及びリンケージ出口74を備えている。一実施形態では、ユーザー入力機構60は、トリガー68である。トリガー68は、ハンドル40に連結され、力をマスターピストン70に伝達し、離脱形態68A(
図7参照)と係合形態68B(
図8参照)との間で移動可能である。ユーザー入力作動機構63の位置付けは、特に制限されず、どのような形態で送達装置22に連結されてもよいし、又はいくつかの実施形態では、送達装置22から独立して操作される個別の構成要素として、例えば、分流器に隣接する個別の構成要素として形成されてもよいことを理解されたい。
【0029】
例示的な一実施形態では、トリガー68が離脱形態にある時、セメントリザーバ30とドルールアキュムレータ38のドルール容積部との間に流体連通が確立される。従って、骨セメントBCを目標部位TSに送達するために、ユーザーは、トリガー68をセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間に流体連通を確立させるための係合形態に移動させねばならない。しかし、トリガー68の係合形態がセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通の遮断に対応し、トリガー68の離脱形態がセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通の確立に対応するようになっていてもよい。
【0030】
図2~
図10に示される実施形態を更に参照すると、リンケージ出口74は、マスターシリンダー72と流体連通して配置され、リンケージ66を介してスレーブ64に流体連結するように構成されている。マスターピストン70は、マスターシリンダー72内においてトリガー68の移動に応じて移動可能になるように支持され、作動流体をリンケージ出口74から流入させ又はリンケージ出口74内に流入させてスレーブ64の対応する移動を生じさせるように構成されている。この目的を達成するために、
図9、
図10、
図12及び
図14に示されるように、ユーザー入力作動機構63のスレーブ64は、スレーブシリンダ76、スリーブ78、(
図12及び
図14に示されない)バネ80、プッシュロッド82、及びリンケージ入口84を備えている。スリーブ78は、スレーブシリンダ76内に支持され、リンケージ入口84に流体連通して連結されている。なお、リンケージ入口84は、リンケージ66を介してマスタ62に流体圧的に連結するように適合されている。プッシュロッド82は、シリンダ近位端86とセレクタ遠位端88との間に延在し、シリンダ端86とセレクタ遠位端88との間にスナップリング90を支持している。いくつかの実施形態では、シリンダ近位端86及びセレクタ遠位端88は、バネ80と協働し、プッシュロッド82を付勢するようになっている。シリンダ端86は、前述のリンケージ66を介するマスター62のリンケージ出口74との流体連通を介して作動流体がリンケージ入口84に対して流入又は流出することに応じて移動可能となるように、スリーブ78内に支持されている。
【0031】
図13~
図15を参照すると、分流器28は、第1の形態と第2の形態との間で選択的に移動するように構成された弁92を備えている。弁92は、分流器入口98、第1の分流器入口100、及び第2の分流器出口102を画定している。これらは、それぞれ、延長チューブ24、カニューレ連結器25、及びドルールアキュムレータ38のへの取付けを容易にするための連結装置36を備えている。このように構成において、弁92が第2の形態にある時(
図13参照)、第1の流路がセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間に画定される。加えて、弁92が第1の形態にある時(
図15参照)、第2の流路がセメントリザーバ30とドルールアキュムレータ38との間に画定される。換言すれば、弁92の第1の形態において、セメントリザーバ30とドルール容積部との間に流体連通が確立される。加えて、第1の形態において、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連結が遮断される。従って、第1の形態において、骨セメントBCは、セメントリザーバ30の出口ポートからドルールアキュムレータ38に流れる。弁92の第2の形態において、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間に流体連通が確立される。加えて、第2の形態において、セメントリザーバ30とドルール容積部との間の流体連通が遮断される。従って、第2の形態において、骨セメントBCは、セメントリザーバ30の出口ポートからカニューレ連結器25に流れ、目標部位TSに送達されることになる。
【0032】
外科手術において、望ましくない量の骨セメントBCがドルールアキュムレータ内に受け入れられることがある。無駄を制限し及び/又は手術に必要な骨セメントBCの量を最小限に抑えるために、ドルールアキュムレータ38内に受け入れられた骨セメントBCを目標部位TSに導くことが望ましい。この目的を達成するために、
図16に示される他の実施形態では、第1の形態において、ドルール容積部とカニューレ連結器25との間に流体連通がもたらされる。加えて、第1の形態において、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通が遮断される。更に、
図16Aに示される実施形態では、弁92の第2の形態において、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間に流体連通がもたらされる。加えて、第2の形態において、セメントリザーバ30とドルール容積部との間の流体連通及びセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通が遮断される。従って、第1の形態において、弁92と目標部位TSとの間の残留骨セメントBCは、ドルールアキュムレータ38に移動し、ドルールアキュムレータ38内に貯留された骨セメントBCは、分流器を通ってカニューレ連結器25に戻り、目標部位TSへの送達が可能になる。加えて、
図1~
図4に示されるように、ドルールアキュムレータ38は、追加的なプランジャー37を備えていてもよい。追加的なプランジャー37は、ユーザー又は他の機構によって作動され、骨セメントBCをドルールアキュムレータ38から目標部位TSに移動させるものである。ドルールアキュムレータ38とカニューレ連結器25との間に流路をもたらすこの構成によって、ドルールアキュムレータ38からの骨セメントBCを目標部位TSに送達することが可能になる。これは、
図16に概略的に示されるように、送達の制御を改良することになる。この構成は、本明細書に記載される弁92の第3の形態としてもたらされてもよい。加えて、この構成は、システム内に設けられる第2の弁によってもたらされるようになっていてもよい。第2の弁は、第1の弁92の移動によって第2の弁が移動するように、第1の弁92に対応していてもよいし、又は完全に独立した弁であってもよい。換言すれば、第2の弁は、第1の弁92と無関係に移動するようになっていてもよい。具体的には、トリガー68又は他のユーザー入力機構60が係合された時、第1の弁92及び第2の弁が、それぞれ、他の形態に移動するようになっていてもよい。更に、骨セメント送達システムは、ユーザーによって、第2の弁のみを必要に応じて弁形態間で移動させるように構成された第2のユーザー入力機構を備えていてもよい。
【0033】
図9~
図15を参照すると、以下に更に詳細に説明する例示的な一実施形態において、弁92は、第1の形態と第2の形態との間の移動が回転であるようなロータ弁である。しかし、弁92は、どのような形式の弁、例えば、制限されないが、ボール弁、ピンチ弁、バタフライ弁、グローブ弁、等であってもよい。加えて、第1の形態と第2の形態との間の弁92の移動は、どのような形態の移動、例えば、制限されないが、リニア移動、並行移動、反復移動、及び/又は振動であってもよい。また、第1及び第2の形態において画定される流路は、種々の弁によって画定されてもよい。例えば、システムと協働して作動する多重弁が設けられてもよい。
【0034】
図9~
図15に示される例示的な一実施形態では、分流器28は、弁92及びリテーナ96を備えている。弁92は、分流器入口98、第1の分流器出口100、及び第2の分流器出口102を画定している。これらは、それぞれ、延長チューブ24、送達カニューレ26、及びドルールアキュムレータ38への取付けを容易にするために連結装置36を備えている。
図10に最もよく示されるように、弁92のロータ部分94を収容するために、チャンバ104及び孔106が弁92内に画定されている。スレーブ64及びリテーナ96を弁92に固定するために、1つ又は複数の固定具108が用いられている。リテーナ96は、使用中、弁92に対するプッシュロッド82及びロータ部分94の移動を制限する。
【0035】
図10に最もよく示されるように、ロータ部分94は、カムヘッド110、セレクタピン112、及びシャフト114を備えている。シャフト114は、弁92内に画定された孔106内に回転可能に支持され、以下に更に詳細に説明するように、分流器入口98に隣接して画定された通路116、第1の分流器出口100、及び第2の分流器出口102を有している。ロータ部分94のカムヘッド110は、弁92内に画定されたチャンバ104内に配置されている。ここで、カムヘッド110及びチャンバ104の形状が、弁92の孔106内におけるシャフト114の回転を第1の形態94A(
図12及び
図13参照)と第2の形態94B(
図14及び
図15参照)との間に制限する。セレクタピン112は、シャフト114から半径方向にずれており、スレーブ64のプッシュロッドのセレクタ端88に係合するように形作られている。この構成によって、プッシュロッド82の直線移動をシャフト114の回転移動に変換することができる。従って、マスター62の作動が、第1及び第2の形態94A,94B間における弁92の移動をもたらすことになる(
図12と
図14とを比較し、
図13と
図15とを比較されたい)。図示の分流器28は、弁92を用いて分流器入口98から第1の分流器出口100又は第2の分流器出口102への骨セメントBCの流れを選択的に制御するようになっているが、他の形式の弁92及び/又は分流器28も考えられる。更に、分流器28は、多数の異なる手法によって、例えば、離散弁92を用いることなく、送達装置22からドルールアキュムレータ38又は送達カニューレ26のいずれかへの骨セメントBCの流れを制御するように構成されていてもよいことを理解されたい。
【0036】
図13に示されるように、弁92が第1の形態にある時、第1の流路118が通路116を介して分流器入口98と第2の分流器出口102との間に画定される。換言すれば、ユーザー入力機構60が離脱形態68B(
図7参照)にある時、これに応じて、弁92は、第1の形態94Aに配置され、これによって、骨セメントBCがリザーバ30の出口ポート34からドルールアキュムレータ38内に流れ、送達カニューレ26に流れないことになる。逆に、
図15に示されるように、弁92が第2の形態94Bにある時、第2の流路120が通路116を介して分流器入口98と第1の分流器出口100との間に画定される。換言すれば、ユーザー入力機構60が係合形態68B(
図8参照)にある時、これに応じて、弁92は、第2の形態94Bに配置され、これによって、骨セメントBCがリザーバ30の出口ポート34から送達カニューレ26内に流れ、ドルールアキュムレータ38に流れないことになる。また、ユーザー入力機構の係合形態が第1の係合形態にある弁92に対応し、ユーザー入力機構の離脱形態が第2の形態にある弁92に対応するようになっていてもよい。
【0037】
操作に際して、ユーザーは、送達カニューレ26の出口ポートが目標部位TSに隣接して配置されるように、骨セメント送達システム20を配置させる。例示的な一実施形態では、セメント送達入力機構41が作動されない時、弁92は、セメントリザーバ30とドルールアキュムレータ38のドルール容積部との間に流体連通を確立する第1の形態にある。従って、骨セメントBCを目標部位TSに送達するために、ユーザーは、ユーザー入力作動機構、例えば、トリガー68を作動させ、弁92をセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間に流体連通を確立する第2の形態に移動させるように、制御面に入力を与える必要がある。しかし、ユーザー入力作動機構63の作動が第1の形態に対応し、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通がユーザー入力作動機構63を作動させることなく達成されるようになっていてもよい。
【0038】
いったんセメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通が達成されたなら、ユーザーは、セメント送達入力機構41を把持し、例えば、ノブをねじり、これによって、圧力をプランジャー46に加え、該プランジャー46をセメントリザーバ30内において移動させ、骨セメントBCをセメントリザーバ30からその出口ポートを通して排出させることになる。延長チューブ24を備える実施形態、例えば、
図1-4に示される実施形態では、骨セメントBCは、延長チューブ24を通して分流器28に向かって移動する。次いで、この流体は、第2の形態にある弁92(
図15参照)を通って目標部位TSに送達される。更に具体的には、骨セメントBCは、分流器28の第1の分流器出口を通ってカニューレ連結器25に移動し、次いで、送達カニューレ26の出口ポートから排出される。
【0039】
いったん所望量の骨セメントBCが目標部位TSに送達されたなら、ユーザーは、弁92の形態を第1の形態に変更し、これによって、セメントリザーバ30とドルール容積部との間を流体連通させ、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通を遮断する(
図13参照)。分流器28の弁92の形態の変更は、前述のどのような方法、例えば、制限されないが、トリガー68を把持し、トリガー68と弁92との間に配置されたワイヤを作動させ、弁92を弁形態間で移動させることによって、行なわれるとよい。典型的には、ユーザーは、分流器28の形態を変更させるのと略同時に、セメント送達入力機構41、例えば、ノブから手を離し、プランジャーへの加圧を停止させる。しかし、セメント送達入力機構41を継続して作動させ、プランジャー46への加圧を継続させ、追加的な骨セメントBCをドルールアキュムレータ38に導いてもよい。なお、セメント送達入力機構41が離脱された後であっても、骨セメント送達システム20内に位置する骨セメントBCが圧縮され、高エネルギーを有している。骨セメントBCが高粘性であり、空気を含んでいるので、送達装置22のプランジャー46が前進するにつれて潜在的なエネルギーが必然的に骨セメントBC内に貯蔵される。従って、いくつかの操作条件では、セメント送達入力機構の作動が停止した後であっても、骨セメントBCは、延長チューブ24及び送達カニューレ26内に沿って継続的に流れることになる。この潜伏は、使用中のいくつかの構成部品、例えば、延長チューブ24の柔軟性及び/又は弾性的拡張及び収縮によって増幅される。換言すれば、骨セメントBCを移動させるのに必要な初期圧力は、プランジャー46の移動が停止しても残留することになる。従って、プランジャー46の移動が停止した後、望ましくない追加的な骨セメントBCが継続的に骨セメント送達システム30内に流れることになる。
【0040】
分流器28は、使用中に目標部位TSに向かう骨セメントBCの流れに対する有意義な制御をユーザーにもたらし、同時に、延長チューブ24、リザーバ30、及び/又は分流器28内の残留骨セメントを、該残留骨セメントを第1の流路118に沿ってドルールアキュムレータ38に向かって迂回させることによって、第2の流路120に沿って送達カニューレ26に向かって流れないようにすることができる。特に、いったん所望量の骨セメントBCが目標部位TSに送達されたなら、ユーザーは、分流器28の形態を第1の形態(
図13参照)に変更し、これによって、セメントリザーバ30とドルールアキュムレータ38のドルール容積部とを流体連通させ、前述したように、どのような残留骨セメントもドルールアキュムレータ38に向かって移動させることができる。更に、弁92の第1の形態において、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間の流体連通が遮断されるので、延長チューブ24からのどのような残留骨セメントも目標部位TSに送達されることがない。従って、残留骨セメント及び/又は残留骨セメント内に残る圧力がドルールアキュムレータ38内に集められ、これによって、加圧された骨セメントが目標部位TSに送達される望ましくない事態が阻止される。
【0041】
付加的又は代替的に、分流器28の弁92が追加的な形態(
図16参照)を有することも考えられる。この追加的な形態は、ドルールキュムレータ38とカニューレ連結器25との間に流体連通を確立し、セメントリザーバ30とカニューレ連結器25との間及びセメントリザーバ40とドルールアキュムレータ38との間のそれぞれの流体連通を遮断し、これによって、弁92と目標部位TSとの間の残留骨セメントをドルールアキュムレータ38に移動させ、またドルールアキュムレータ38内に貯留された骨セメントBCを分流器を通してカニューレ連結器25に戻し、目標部位TSに送達させることが可能になる。加えて、この追加的な形態は、前述したように、骨セメントBC送達システム内の第2の分流器によって達成されてもよいし、又は骨セメント送達システムの別の実施形態として達成されてもよい。
【0042】
骨セメント送達システム20は、本明細書では、図面の全体にわたって単一の分流器28、延長チューブ24、送達カニューレ26、及びドルールアキュムレータ38を有するものとして記載されているが、他の構成も考えられる。具体的には、個々の送達カニューレ26及び/又は個々のドルールアキュムレータ38に向かう流れを制御するために用いられる個々の分流器38に骨セメントBCを導くために、単一の送達装置22及び複数の延長チューブ24が用いられてもよい。同様に、個々の送達カニューレ26に向かう流れを制御するために、単一の分流器28が用いられてもよい。更に、個々の送達カニューレ26及び/又は個々のドルールアキュムレータ38に向かう流れを制御するように構成されたマニホールドとして、分流器28が設けられてもよい。
【0043】
前述の記載において、いくつかの実施形態が検討されている。しかし、本明細書において検討された実施形態は、包括的であることが意図されず、又は本発明を任意の特定の形態に制限するものではない。用いられた専門用語は、説明するためのものであり、制限するためのものではない。前述の示唆に照らしてして多くの修正及び変更が可能であり、本発明は、具体的に記載された以外の方法によって実施されてもよい。