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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】単一回路故障検出
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20220817BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
G01R31/28 P
G06F11/22 673F
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019552453
(86)(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018024563
(87)【国際公開番号】W WO2018183324
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】15/471,539
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリアエイ オミッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャンバスティアニ アドルフォ
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-095104(JP,A)
【文献】特表2007-531875(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009011431(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G06F 11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号に基づくテスト信号を生成する信号発生器と、
前記入力信号および前記テスト信号が入力され、第1関数を前記入力信号に適用して第1信号を生成し前記第1関数に基づく第2関数を前記テスト信号に適用して第2信号を生成する関数ブロックと、
処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号に基づく前記処理ブロックの出力に基づいて、前記関数ブロックおよび前記処理ブロックを含む回路が故障を有するかどうかを判断する故障検出ブロックと、
を備える
故障検出装置。
【請求項2】
前記処理ブロックの前記出力は、前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号の比較の結果を含み、
前記故障検出ブロックは、前記比較の結果がゼロになる場合、前記回路が故障を有しないと判断する
請求項1に記載の故障検出装置。
【請求項3】
前記処理ブロックの前記出力は、前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号の加算の結果を含み、
前記故障検出ブロックは、前記加算の結果が所定の範囲の数に等しい合計となる場合、前記回路が故障を有しないと判断する
請求項1に記載の故障検出装置。
【請求項4】
前記処理ブロックの前記出力は、前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号の加算の結果を含み、
前記故障検出ブロックは、前記加算の結果が所定の範囲外の合計となる場合、前記回路が故障を有すると判断する
請求項1~3のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項5】
記関数ブロックは、前記第1信号に対して前記第2信号を反転するデジタルロジックを備える
請求項1~4のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項6】
記デジタルロジックは、前記第信号を生成するために前記入力信号の2の補数をとる
請求項5に記載の故障検出装置。
【請求項7】
記関数ブロックは、前記第信号を生成するために前記入力信号の1の補数をとるデジタルロジックを備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項8】
記テスト信号は前記入力信号から派生する
請求項1~7のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項9】
記信号発生器は、複数の入力から複数の入力信号にそれぞれ対応する複数のテスト信号を生成することができる
請求項1~8のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項10】
記第2信号が受信されるまで前記第1信号に関連する情報を格納するメモリをさらに備える
請求項1~9のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項11】
記テスト信号および前記入力信号は、時分割多重化されている
請求項1~10のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項12】
記信号発生器は、前記入力信号が前記関数ブロック入力された後に続いて前記テスト信号を前記関数ブロック入力する
請求項1~11のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【請求項13】
入力信号に基づいてテスト信号を生成し、
前記入力信号およびテスト信号を関数ブロックに印加し、
前記関数ブロックによって、第1関数を前記入力信号に適用して第1信号を生成し、前記第1関数に基づく第2関数を前記テスト信号に適用して第2信号を生成し、
前記第1信号および前記第2信号を処理ブロックに印加し、
前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号に基づく前記処理ブロックの出力に基づいて、前記関数ブロックおよび前記処理ブロックを含む回路が故障を有するかどうかを判断する
故障検出方法。
【請求項14】
前記処理ブロックの前記出力は、前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号のビットの合計を含み、
前記回路が故障を有するかどうかという前記判断は、前記ビットの前記合計がゼロの周囲の所定の範囲外にあると、前記回路が故障を有すると判断することを含む
請求項13に記載の故障検出方法。
【請求項15】
ジタル加算器により前記入力信号の2の補数をとることにより前記入力信号に対して前記テスト信号を反転することをさらに含む
請求項13又は14に記載の故障検出方法。
【請求項16】
記入力信号の1の補数をとることにより前記入力信号に対して前記テスト信号を反転することをさらに含む
請求項13又は14に記載の故障検出方法。
【請求項17】
記入力信号およびテスト信号を時分割多重化することをさらに含む
請求項13~16のいずれか1項に記載の故障検出方法。
【請求項18】
記入力信号を前記関数ブロックに印加した後に続いて前記テスト信号を前記関数ブロックに印加することをさらに含む
請求項13~17のいずれか1項に記載の故障検出方法。
【請求項19】
コンピュータ実行可能な命令を格納するメモリと、
動作を行うためにコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサと
を備え、
前記動作は、
入力信号に基づくテスト信号を生成し、前記入力信号および前記テスト信号を関数ブロックに適用し、
前記関数ブロックによって、第1関数を前記入力信号に適用して第1信号を生成し前記第1関数に基づく第2関数を前記テスト信号に適用して第2信号を生成し、
処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号に基づく前記処理ブロックの出力に基づいて、前記関数ブロックおよび前記処理ブロックを含むプログラム機能が故障を有するかどうかを判断することを含む、
故障検出システム。
【請求項20】
前記処理ブロックの前記出力は、前記処理ブロックに入力された前記第1信号および前記第2信号の合を含み、
前記合計がゼロの周囲の所定の範囲外である場合に前記プログラム機能が故障を有すると判断する、
請求項19に記載の故障検出システム。
【請求項21】
記第1関数および前記第2関数の前記適用は、前記入力信号の1の補数または2の補数をとるデジタルロジックを介して前記第1信号に対して前記第2信号を反転することを含む
請求項19又は20に記載の故障検出システム。
【請求項22】
記動作は、複数の入力から受信された各入力信号に基づいた複数のテスト信号を生成することをさらに含む
請求項19~21のいずれか1項に記載の故障検出システム。
【請求項23】
前記関数ブロックは、
前記テスト信号を参照することなく前記入力信号に前記第1関数を適用することで前記入力信号から前記第1信号を生成し、
前記入力信号を参照することなく前記テスト信号に前記第2関数を適用することで前記テスト信号から前記第2信号を生成する、
請求項1~12のいずれか1項に記載の故障検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年3月28日に出願され「単一回路故障検出」と題された非仮米国特許出願第15/471,539号の優先権の利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、故障検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
故障検出回路は、短絡回路、故障のあるプロセッサ、および/または故障のある回路構成要素などの故障があるかどうかを判断するために使用される。その他の故障は、縮退故障、ブリッジ故障、トランジスタ故障またはオープン故障、最終的には機能性故障を引き起こす可能性のある放射によるフリッピング論理状態を含んでいてもよい
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、完全な補償は、故障検出回路により達成され、この故障検出回路は、結果として生じる回路出力を比較するために二重化された回路を使用している。2つの回路出力間の差が事前に定義された閾値を上回る場合、故障が起きたと判断することができる。しかしながら、これらの二重化された回路は、コスト面およびシリコン面積の双方が高くつく。代替技術としては、既知のテスト信号の挿入に基づくものがあるが、検出が遅く(長い検出時間)および/または100%のロジック故障検出を達成できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下は、明細書のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、明細書の簡単化した概要を示す。この概要は、明細書の広範囲の概要ではない。明細書の鍵となる、または、重要な要素を特定することも、明細書のいずれかの実施形態または請求項のいずれかの範囲に特有の何らかの範囲を記述することも意図していない。その唯一の目的は、後述のより詳細な説明の前置きとして、明細書のいくつかのコンセプトを簡単化して示すことである。
非限定的な例において、故障検出装置は、入力信号自体に基づくテスト信号を生成する信号発生器を含んでいてもよい。この装置は、関数ブロックをさらに含んでいてもよい。関数ブロックには、入力信号およびテスト信号が入力される。関数ブロックは、第1関数を入力信号に適用して第1信号を生成し、第2関数をテスト信号に適用して第2信号を生成し、第2関数は第1関数に基づいている。この装置は、第1信号および第2信号が処理ブロックを通過した後の、処理ブロックの出力に基づいて、関数ブロックおよび処理ブロックを含む回路が故障を有しているかどうかを判断する故障検出ブロックをさらに含んでいてもよい。
【0006】
別の非限定的な例において、故障検出方法は、入力信号に基づいてテスト信号を生成することを含んでもよい。本方法は、入力信号およびテスト信号を関数ブロックに印加することを含んでいてもよ本方法は、関数ブロックによって、第1関数を入力信号に適用して第1信号を生成し、第2関数をテスト信号に適用して第2信号を生成ことを含んでもよく、ここで第2関数は第1関数に基づいている。本方法は、第1信号および第2信号を処理ブロックに印加することをさらに含んでいてもよい。本方法は、第1信号および第2信号が処理ブロックを通過した後の、処理ブロックの出力に基づいて関数ブロックおよび処理ブロックを含む回路が故障を有するかどうかを判断することをさらに含んでいてもよい。
【0007】
さらに別の非限定的な例において、故障検出システムは、コンピュータ実行可能な命令を格納するメモリと、動作を行うためにコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサとを備えていてもよい。この動作は、入力信号に基づくテスト信号を生成し、入力信号およびテスト信号を関数ブロックに適用することを含んでいてもよい。この動作は、関数ブロックによって、第1関数を入力信号に適用して第1信号を生成し、第2関数をテスト信号に適用して第2信号を生成し、第関数は第関数に基づいていることをさらに含んでいてもよい。この動作は、第1信号および第2信号が処理ブロックを通過した後の、処理ブロックの出力に基づいて、関数ブロックおよび処理ブロックを含むプログラム機能が故障を有するかどうかを判断することをさらに含んでいてもよい。
【0008】
以下の説明および図面は、明細書の特定の説明的な態様を含む。これらの態様は叙述的であるが、明細書の原理が採用されてもよい様々な方法の一部である。明細書の他の利点および新規の特徴は、図面に関連して考察される場合に明細書の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の複数の態様、実施形態、目的、および利点は、全体を通して同様の参照符号が同様の部材を表す添付の図面に関連して以下の詳細な説明を検討すると明らかになる。
図1図1は、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出システムの非限定的ブロック図である。
図2図2は、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出システムの非限定的ブロック図である。
図3図3は、本開示の様々な非限定的態様に係る時間多重化を使用する故障検出システムの非限定的ブロック図である。
図4図4は、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出装置の非限定的概略図である。
図5図5は、開示された主題の様々な非限定的態様に係る単一回路における故障検出に関連付けられた非限定的方法の例示的フローチャートを示す図である。
図6図6は、本開示の特定の実施形態に係る演算環境についての例示的概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(概要)
簡単な概要が提供される一方で、本開示の特定の態様は、限定ではなく説明を目的としてここに記載すなわち描写される。したがって、開示された装置、システム、および手法によって示唆されるような開示された実施形態の変形例は、ここに開示される主題の範囲内に含まれるものとする。例えば、本開示の装置、技術、および方法の様々な実施形態は、MEMSセンサーおよびセンサーにおける故障検出システムの文脈において説明される。特に、MEMSセンサーから取得されたセンサーデータは、一連の処理構成要素を用いて処理され得るものであり、ここに開示される故障検出装置は、センサーデータ信号の故障検出に関連していてもよい。しかしながら、以下でさらに詳述するように、様々な例示的実施は、他のタイプの回路および他のタイプの信号における故障検出に適用され得る。ここで開示される原理は、ここに記載の主題から逸脱することなく、ソフトウエア処理における故障検出、プログラミング論理における故障検出に適用することもできる。
【0011】
ここで、MEMSセンサー、MEMS加速度計、MEMSジャイロスコープ、MEMS慣性センサー、1つまたは複数のMEMS音響センサー、および1つまたは複数のMEMS音声センサー等の用語は、文脈からこれらの用語を特に区別できない限り、互換可能に使用されている。例えば、これらの用語は、加速度、回転率、近接の測定、音響特性の判断、もしくは音響信号の生成などが可能な構成要素またはMEMSデバイスのことを指していてもよい。
【0012】
さらに、「同じ時間に」、「共通の時間」、「同時の」、「同時に」、「並行して」、「実質的に同時に」、「即時の」などの用語は、文脈からこれらの用語を特に区別できない限り、全体を通して互換可能に採用されている。なお、このような用語は、互いに相対的な時間のことを指していてもよく、1つまたは複数の動きを正確に同時に指していない場合があると理解されるものとする。例えば、システム制限(例えばダウンロード速度、プロセッサ速度、メモリアクセス速度など)は、遅延または非同期化された動きの原因となり得る。その他の実施形態において、このような用語は時間量の所定の閾値を上回らない期間内に起こる作動または動きを指していてもよい。
【0013】
様々な実施形態は、回路上での故障検出システムを提供し、こ複製された回路を使用せずに同回路における故障を検出する。テスト信号は入力信号に基づいて生成されてもよく、入力信号およびテスト信号は上記の回路を通して送信されてもよく、結果として生じる信号は何らかの故障があるか判断するために比較されてもよい。一実施形態において、テストされる処理ブロックを通過後に信号が比較された場合に、信号間の変化が所定量を上回る場合は故障が起きたと判断することができるように、入力信号のビットおよびテスト信号のビットに関数を適用してもよい。その他の実施形態において、第1関数を入力信号に適用してもよく、第2関数をテスト信号に適用してもよく、結果として生じる出力を比較してもよい。さらに他の実施形態において、入力信号およびテスト信号は時間多重化されて、故障の存在を判断するために使用できる第2出力信号が生成され得る。
【0014】
様々な他の構成または配置をここで説明する。なお、様々な実施形態は、他の構成要素および/または機能性を含んでいてもよい。また、様々な実施形態は、多機能テレビ、スマートフォンまたはその他のセルラーフォン、ウェアラブル(例えば時計、ヘッドフォンなど)、タブレットコンピュータ、電子ブックデバイス(すなわち電子書籍リーダー)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、モニター、デジタルレコーディングデバイス、電気器具、家庭用電気器具、携帯ゲームデバイス、リモートコントローラ(例えばビデオゲームコントローラ、テレビコントローラなど)、自動車デバイス、個人用電子機器、医療デバイス、工業システム、カメラ、および様々な他のデバイスを含む比較的大きいシステムまたは分野に含まれていてもよい。
【0015】
(例示的実施形態)
本開示の様々な態様または特徴は、図面を参照して説明され、全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指すために使用される。この明細書において、多数の具体的詳細は、本開示の完全な理解を提供するために定義される。しかしながら、開示の特定の態様は、これらの具体的詳細無しで、または、他の方法、構成要素、パラメータなどと共に実践されてもよいものとする。その他の事例において、周知の構造およびデバイスは、様々な実施形態の記載および説明を簡単化するためにブロック図の形態で示されている。
【0016】
図1は、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出システムの例示的な非限定的ブロック図100を示す。一実施形態において、信号102は、処理ブロック112による1つまたは複数の機能および/または動作を促すために、回路に印加されてもよい。処理ブロック112は、入力信号102に基づく動作を行う任意のプロセッサ、チップ、またはハードウエアロジックを含んでいてもよい。この動作は、メモリからの命令を実行すること、または、演算を行うこと、またはその他の動作を含んでいてもよい。
【0017】
様々な実施形態において、縮退故障、ブリッジ故障、トランジスタ故障またはオープン故障、短絡回路、および最終的に機能性破壊を引き起こす可能性のあるその他の故障などの故障を第2信号、すなわちテスト信号104に基づく信号を用いて検出することができる。従来のシステムでは、テスト信号は、テストされる処理ブロック112においてテストされる回路と重複する分離された回路を用いて印加される。しかしながら、ここに記載の実施形態では、テスト信号104を同じ回路に印加することができ、回路の複製の必要性ならびに不要なシリコン面積およびコストの増加を回避することができる
【0018】
テスト信号104は、いくつかの実施形態においては信号発生器により生成されてもよく、または、信号102の変更版および/または修正版であってもよい。これは、図1において「x」である入力信号102、および、「g(x)」であるテスト信号104として表されており、テスト信号104は、xの何らかの関数gである。
【0019】
テスト信号104および入力信号102は、それぞれ関数ブロック106を通過することができる。関数ブロック106は、第1関数を入力信号102に適用し、第2関数をテスト信号104に適用して、xの関数である修正済信号108(第1信号)およびxのgの別の関数である修正済テスト信号110(第2信号)にする。修正済テスト信号110(第2信号)におけるハッシュ記号は、信号に適用された機能が異なる機能であることを示していてもよい。しかしながら、その他の実施形態では、同じ関数を入力信号102およびテスト信号104の双方に適用することができる。その他の実施形態において、テスト信号104に適用される第2関数は、入力信号102に適用される第1関数の逆関数であってもよい。
【0020】
ここではデジタル回路が参照されるが、この原理は、ソフトウエア機能だけではなく、アナログ回路にも適用可能であると理解されるものとする。例えば、テスト信号104は入力信号102に基づいて生成され、テスト信号104に対応するデジタルビットは入力信号102を表すデジタルビットに基づいている。同様に、関数ブロック106は、入力信号102およびテスト信号104を表すデジタルビットに対して修正を行う。例えば、信号発生器または関数ブロック106は、デジタルロジックまたはデジタル加算器を含んでいてもよく、デジタルロジックまたはデジタル加算器は、入力信号102に対してテスト信号104を反転させるか、入力信号102およびテスト信号のビットの2の補数または1の補数をとって修正済信号108および110(第1信号および第2信号)を生成することができる。アナログ回路実施形態において、テスト信号発生器または関数ブロックは、信号のデジタルビットの修正を含まない信号のアナログ変換(例えば、反転など)を行うことができる。
【0021】
一実施形態において、修正済入力信号108(第1信号)および修正済テスト信号110(第2信号)の双方は、処理ブロック112を通過することができ、故障検出システムは、故障114が起きたかどうかを処理ブロック112の出力に基づいて判断することができる。出力信号108および110が所定値外である場合、処理ブロック112に故障114があると判断することができる。例えば、関数ブロック106は、修正済信号108(第1信号)および110(第2信号)が処理ブロック112を通過した場合、出力が互いに打ち消すか、または互いに加算または組み合わせられた場合、ある具体的な結果(例えば、一例示的実施形態においてはヌル値またはその他の実施形態においては別の値)を提供するよう修正済信号108および110となるように、信号102および104に関数を適用してもよい。例えば、出力信号のデジタルビットが互いに加算され所定値になる場合、処理ブロック112が機能的であり検出可能な故障が無いと判断してもよい。他方、比較の値が所定の範囲外であれば、故障検出システムは、処理ブロック112が何らかの種類の故障を有すると判断することができる。
【0022】
一実施形態において、関数ブロック106において入力信号102およびテスト信号104に適用される関数は、故障が存在するかどうかを判断するために行われる入力信号に対するテスト信号の比較を簡単化するため、処理ブロック112のタイプ、または、処理ブロック112において行われる変換のタイプに基づいていてもよい。その他の実施形態において、故障検出は、適用される関数と処理ブロック112とに基づいて変更されてもよい。
【0023】
処理ブロック112を通過後の信号108および110の出力の加算が比較される一実施形態では、故障が存在するかどうかを、結果として生じる値の範囲に基づいて判断することができる。処理ブロック112を通した値の何らかの自然な切り上げおよび切り下げがあってもよく、目標値前後の所定の範囲は、丸め値を構成していてもよい。
【0024】
一実施形態において、テスト信号104は、入力信号102が回路に印加された後に回路に導入してもよい。テスト信号は、各入力信号の後、連続的テストを提供するために、続いて、回路に印加されてもよく、または、テスト信号は、様々な所定の周期(例えばマイクロ秒毎、ミリ秒毎など)で、先行の入力信号をテスト信号のための基礎として用いて印加されてもよい。回路は、信号の比較を行うために対応する信号が受信されるまで入力信号またはテスト信号の記録を保持するために、1つまたは複数のメモリ(例えば、フラッシュ、EEPROM(登録商標)、RAM、DRAM、およびSRAMなど)を含んでいてもよい。
【0025】
その他の実施形態では、テスト信号104を、入力信号102と実質的に同じ時間に回路に印加してもよく、これらの信号は、入力信号102およびテスト信号104の双方を実質的に同じ時間に伝送するために、時間領域多重化もしくは周波数領域多重化されてもよく、または、多重化の形態であってもよい。
【0026】
一実施形態において、入力信号102は、複数の入力信号の1つであってもよく、入力信号の1つまたは複数に対応する1つまたは複数のテスト信号があってもよい。したがって、回路は、複数の入力信号と対応するテスト信号との間を比較することによって故障をテストすることができる。
【0027】
次に、図2を参照して、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出システムの非限定的ブロック図を説明する。
【0028】
図2に示す実施形態では、テスト信号204は、入力信号202の逆数であってもよい。関数ブロック206は、同じ関数を入力信号202およびテスト信号204の双方に適用して、f(x)である修正済入力信号208(第1信号)と-f(x)である修正済テスト信号210(第2信号)にしてもよい。関数ブロック206は、デジタルロジックを含んでいてもよく、デジタルロジックは、入力信号202に対してテスト信号204を反転させるか、入力信号202およびテスト信号204のビットの2の補数または1の補数をとって修正済信号208および210を生成することができる。アナログ回路実施形態において、テスト信号発生器または関数ブロックは、前記信号のデジタルビットの修正を含まない信号のアナログ変換(例えば、反転など)を行うことができる。
【0029】
修正済信号208および210(第1信号および第2信号)は、これら信号のデジタルビットを合計するデジタルロジック212(故障検出ブロック)によって比較されてもよい。エラーが無い場合、デジタルロジック212の結果は、0付近の出力214となるはずである。故障検出システムは、非ゼロ値が0の所定の範囲内である限り、非ゼロ値を故障無しとして受け入れることもできる。この所定の範囲は、回路において行われてもよい許容可能な丸めおよび概算のレベルからなる。他方、出力214の値がゼロの周囲の所定の範囲外である場合、回路は故障を有していると判断されてもよい。
【0030】
図2に示すこの実施形態において、この実施は、xの関数の結果は負のx入力については負であり、xの関数の結果は正のx入力については正である、奇関数に適していてもよい。その他の実施形態において、偶関数を異なる実施と共に使用することができる。
【0031】
図1における前記実施形態でのように、故障検出システム200は、単一回路上に含まれていてもよい。テスト信号204は、連続したテストを提供するため、各入力信号の後に、順次回路に印加されてもよく、または、テスト信号は、先行の入力信号をテスト信号のための基礎として用いて、様々な所定の周期(例えば、マイクロ秒毎、ミリ秒毎など)で印加されてもよい。回路は、信号の比較を行うために対応する信号が受信されるまで入力信号またはテスト信号の記録を保持するために、1つまたは複数のメモリ(例えば、フラッシュ、EEPROM(登録商標)、RAM、DRAM、およびSRAMなど)を含んでいてもよい。
【0032】
一実施形態において、入力信号202は、複数の入力信号の1つであってもよく、入力信号の1つまたは複数に対応する1つまたは複数のテスト信号があってもよい。したがって、回路は、複数の入力信号と対応するテスト信号との間を比較することによって故障をテストすることができる。
【0033】
次に、図3を参照して、本開示の様々な非限定的態様に係る時間多重化を用いる故障検出システムの非限定的ブロック図300を説明する。ここに示すこの実施形態において、302において複数の入力(例えば入力信号X、Y、Z、ならびにテスト信号-X、-Y、および-Z)があってもよい。これらの入力およびテスト信号は、マルチプレクサによって時分割多重化されてもよく、304および306において1つまたは複数の関数が入力およびテスト信号に適用されてもよい。処理ブロックを通過した後、308において、入力信号は、追加段階の間において順次テスト信号と比較されて、310においてそれらの比較結果の値が決定されてもよい。結果が所定値、例え図3の312では2LSB、よりも大きい場合、314において回路に故障がある可能性があると判断することができる。
【0034】
一実施形態において、ここに開示される故障検出システムは、故障検出を含むa×x+bを含む関数を実施する。「x」は、入力302を示し、「a」は、304において適用される関数(積)の定数を示し、「b」は、306において適用される関数(和)の定数を示す。
【0035】
次に、図4を参照して、本開示の様々な非限定的態様に係る故障検出装置402の非限定的概略図400を説明する。故障検出装置402は、信号発生器404を含んでいてもよく、信号発生器404は、入力信号に基づいたテスト信号を生成し、テスト信号を入力信号に関連付けられた回路へ印加する。関数ブロック406が含まれていてもよく、関数ブロック406は、第1関数を入力信号に適用し、第2関数をテスト信号に適用して、それぞれ第1信号および第2信号にし、第2関数は第1関数に基づいている。故障検出ブロック408が含まれていてもよく、故障検出ブロック408は、第1信号および第2信号がテストされる処理ブロックを通過した後に第1信号および第2信号を受信し、第1信号と第2信号とを比較して処理ブロックが故障を有しているかどうかを判断する。第2信号が受信されるまで第1信号に関連する記憶情報を格納するために、メモリ410がさらに含まれていてもよい。
【0036】
信号発生器は、入力信号の変更版および/または修正版に基づいてテスト信号を生成することができる。テスト信号および入力信号は、それぞれ関数ブロック406を通過することができ、関数ブロック406は、第1関数を入力信号に適用し、第2関数をテスト信号に適用して、xの関数である修正済信号(第1信号)およびxの別の関数である修正済テスト信号(第2信号)にすることができる。しかしながら、その他の実施形態において、関数ブロック406は、同じ関数を入力信号とテスト信号との双方に適用してもよい。その他の実施形態において、テスト信号に適用される第2関数は、入力信号に適用される第1関数の逆関数であってもよい。
【0037】
ここではデジタル回路が参照されるが、この原理は、ソフトウエア機能だけではなく、アナログ回路にも適用可能であると理解されるものとする。例えば、テスト信号は、入力信号に基づいて生成され、この場合、テスト信号のビットは、入力信号のビットに基づいている。同様に、関数ブロック406は、入力信号およびテスト信号のビットに対する修正を行う。例えば、信号発生器404または関数ブロック406は、デジタルロジックまたはデジタル加算器を含んでいてもよく、デジタルロジックまたはデジタル加算器は、入力信号に対してテスト信号を反転させるか、入力信号およびテスト信号のビットの2の補数または1の補数をとって修正済信号(第1信号および第2信号)を生成することができる。アナログ回路実施形態において、信号発生器404または関数ブロック406は、前記信号のビットの修正を含まない信号のアナログ変換(例えば、反転など)を行うことができる。
【0038】
一実施形態において、信号発生器404は、入力信号が回路に印加された後に回路へテスト信号を導入することができる。テスト信号は、連続したテストを提供するため、各入力信号の後に、回路に印加されてもよく、または、テスト信号は、先行の入力信号をテスト信号のための基礎として用いて、様々な所定の周期(例えば、マイクロ秒毎、ミリ秒毎など)で印加されてもよい。回路は、信号の比較を行うために対応の信号が受信されるまで、入力信号またはテスト信号の記録を保持するために1つまたは複数のメモリ(例えばメモリ410)を含んでいてもよい。
【0039】
故障検出ブロック408は、テストされるチップまたはロジックを通過した後の信号の出力を比較してもよい。信号の値を比較することにより、故障検出ブロック408は、値の合計が所定値の周囲の所定の範囲外にある場合は故障が起きたと判断することができる。テスト信号が入力信号の逆数であり、信号の組み合わせがゼロで(または、ゼロの周囲の所定の範囲内で)はない場合、故障検出ブロック408は、チップまたはロジックが故障を含むと判断することができる。
【0040】
(例示的方法)
上記主題を考慮し、本開示にしたがって実施され得る方法は、図5のフローチャートを参照してよりよく理解される。説明を簡単化するため、本方法は、一連のブロックとして示され記載されるが、このような図および対応の記載は、ブロックの順によって限定されず、複数のブロックは異なる順で起きても、および/または、ここに描写され記載される他のブロックと並行して行われてもよいこと理解されるものとする。フローチャートにより示される任意の非連続的な、または分岐したフローは、同じまたは同様の結果を達成する様々なその他の分枝、フロー経路、およびブロックの順番を実施することができるということを指すと理解されるものとする。また、以下に記載の本方法を実施するために全ての図示されたブロックが必要とされるわけではない場合もある。
【0041】
図5は、開示された主題の様々な非限定的態様に係る単一回路における故障検出に関連付けられた非限定的方法の例示的フローチャートを示す。非限定的な例として、例示的方法500は、入力信号と同じ回路に印加されるテスト信号に基づいてチップまたはデジタルロジックにおける故障を回路が有しているかどうかを判断することを簡単化することができる。本方法500は、502から開始することができ、本方法は、502において、テスト信号を回路に印加することを含み、この場合、テスト信号は、回路に印加された入力信号から派生するものである。
【0042】
本方法は、504において、修正済テスト信号(第2信号)および修正済入力信号(第1信号)を処理ブロックに印加することを含む。
【0043】
本方法は、506において、処理ブロックを通過後の修正済テスト信号および修正済入力信号の受信に応じて、ゼロにならないテスト信号および入力信号のビットの合計に対して処理ブロックが故障を含むと判断することを含む。
【0044】
(例示的動作環境)
ここに記載のシステムおよび処理は、単一の集積回路(IC)チップ、複数のIC、またはASICなどのハードウエア内において具体化され得る。さらに、各処理において処理ブロックの一部または全てが現れる順序は限定的ではないとみなされるものとする。むしろ、処理ブロックの一部は、様々な順序で実行され得るものであり、その全てがここに明確に説明されているわけではない場合もある。
【0045】
図6を参照して、請求される主題の様々な態様を実施するのに適した環境600は、コンピュータ602を含む。コンピュータ602は、処理ユニット604、システムメモリ606、1つまたは複数のセンサー635、およびシステムバス608を含む。システムバス608は、システムメモリ606を含むがこれに限定されないシステム構成要素を処理ユニット604に連結する。処理ユニット604は、様々な利用可能なプロセッサのいずれかであってもよい。デュアルマイクロプロセッサおよびその他のマルチプロセッサアーキテクチャも処理ユニット604として採用され得る。
【0046】
システムバス608は、任意の種々の利用可能なバスアーキテクチャを用いるメモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バスまたは外部バス、および/またはローカルバスを含む複数のタイプの1つまたは複数のバス構造のいずれかであってもよく、バスアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張されたISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)、カードバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカードインターナショナルアソシエーションバス(PCMCIA)、ファイヤーワイヤー(IEEE1394)、およびスモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)を含むがこれらに限定されない。
【0047】
システムメモリ606は、揮発性メモリ610および不揮発性メモリ612を含む。スタートアップ中などにコンピュータ602内の要素間で情報を伝送するためにベーシックルーチンを含むベーシックインプット/アウトプットシステム(BIOS)は、不揮発性メモリ612に格納されている。一実施形態において、処理ユニット604および/またはシステムメモリは、センサー635から受信したデジタル信号を処理および/または受信してもよい。その他の実施形態において、処理ユニット604は、センサー635から受信したクロック信号を用いてセンサー635(例えばセンサー308)から受信したアナログ信号にサンプリングを行ってもよい。限定ではなく例示として、不揮発性メモリ612は、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能なROM(PROM)、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM(登録商標))、またはフラッシュメモリを含んでいてもよい。揮発性メモリ610は、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。本態様によれば、揮発性メモリは、書き込み動作再試行ロジック(図6に図示せず)などを格納してもよい。限定ではなく例示として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、倍速SDRAM(DDRSDRAM)、および拡張SDRAM(ESDRAM)などの種々の形態で利用可能である。
【0048】
コンピュータ602は、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体も含んでいてもよい。図6は、例えば、ディスクストレージ614を示す。ディスクストレージ614は、磁気ディスクドライブ、ソリッドステートディスク(SSD)フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュメモリカード、またはメモリスティックのようなデバイスを含むがこれらに限定されない。さらに、ディスクストレージ614は、記憶媒体を個別に、または、コンパクトディスクROMデバイス(CD-ROM)、CD追記型ドライブ(CD-RDrive)、CD書き換え可能なドライブ(CD-RWDrive)またはデジタルヴァーサタイルディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光学ディスクドライブを含むがこれらに限定されない他の記憶媒体と組み合わせられて含んでいてもよい。システムバス608に対するディスクストレージデバイス614の接続を簡単化するために、インターフェース616などの取り外し可能な、または、取り外し不可能なインターフェースが典型的には使用される。ストレージデバイス614はユーザーに関連する情報を格納することができると理解されるものとする。このような情報は、サーバーへ、またはユーザーデバイスにおいて動作するアプリケーションへ格納または提供される可能性がある。一実施形態において、ディスクストレージ614に格納され、および/または、サーバーもしくはアプリケーションへ伝送される情報のタイプが(例えば、1つまたは複数の出力デバイス636を用いて)ユーザー通知されてもよい。ユーザーには、収集された、および/または(例えば、1つまたは複数の入力デバイス628からの入力によって)サーバーもしくはアプリケーションと共有されたこのような情報を有することを制御する機会が提供され得る。
【0049】
図6は、ソフトウエアを説明し、このソフトウエアは、ユーザーと適した動作環境600において説明されたベーシックコンピュータリソースとの間の仲介として機能すると理解されるものとする。このようなソフトウエアは、オペレーティングシステム618を含む。ディスクストレージ614に格納され得るオペレーティングシステム618は、コンピュータシステム602のリソースを制御し、かつ、配分する役割を果たす。アプリケーション620は、システムメモリ606またはディスクストレージ614のどちらかに格納された、プログラムモジュール624、および、ブート/シャットダウントランザクションテーブルなどのプログラムデータ626を介したオペレーティングシステム618によるリソースの管理を利用する。請求された主題は、様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組み合わせで実施され得ると理解されるものとする。
【0050】
ユーザーは、1つまたは複数の入力デバイス628を介してコンピュータ602へコマンドまたは情報を入力する。しかしながら、入力デバイス628は、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド、キーボード、マイク、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信用アンテナ、スキャナー、TVチューナーカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、およびウェブカメラなどのポインティングデバイスに限定されない。これらおよび他の入力デバイスは、1つまたは複数のインターフェースポート630を介してシステムバス608を通して処理ユニット604と接続する。1つまたは複数のインターフェースポート630は、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、およびユニバーサルシリアルバス(USB)を含む。1つまたは複数の出力デバイス636は、1つまたは複数の入力デバイス628と同じタイプのポートの一部を使用する。したがって、例えば、USBポートは、入力をコンピュータ602に提供するため、および、コンピュータ602から出力デバイス636へ情報を出力するために使用されてもよい。出力アダプタ634は、他の出力デバイス636のうちモニター、スピーカー、およびプリンターのような特別なアダプタを必要とする複数の出力デバイス636があることを示すために提供されている。出力アダプタ634は、限定ではなく例示として、出力デバイス636とシステムバス608との間の接続の手段を提供するビデオおよびサウンドカードを含む。なお、他のデバイスおよび/またはデバイスのシステムは、1つまたは複数のリモートコンピュータ638などの入力および出力の双方の能力を提供する。
【0051】
コンピュータ602は、1つまたは複数のリモートコンピュータ638などの1つまたは複数のリモートコンピュータに対する論理接続を用いるネットワーク環境において動作することができる。1つまたは複数のリモートコンピュータ638は、パーソナルコンピュータ、サーバー、ルーター、ネットワークPC、ワークステーション、器具に基づくマイクロプロセッサ、ピアデバイス、スマートフォン、タブレット、または他のネットワークノードであってもよく、コンピュータ602に関連して説明された要素の多くを典型的には含む。簡潔化のため、メモリストレージデバイス640のみが1つまたは複数のリモートコンピュータ638と共に説明される。1つまたは複数のリモートコンピュータ638は、ネットワークインターフェース642を介してコンピュータ602と論理的に接続され、その後、1つまたは複数の通信接続644を介して接続される。ネットワークインターフェース642は、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)およびセルラーネットワークなどの有線および/または無線通信ネットワークを含む。LANテクノロジーは、ファイバー分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、イーサネット(登録商標)、およびトークンリングなどを含む。WANテクノロジーは、ポイント・ツー・ポイントリンク、サービス総合デジタル網(ISDN)およびそれについての変形例のような回路スイッチングネットワーク、パケットスイッチングネットワーク、およびデジタル加入者線(DSL)を含むがこれらに限定されない。
【0052】
1つまたは複数の通信接続644は、ネットワークインターフェース642をバス608に接続するために採用されるハードウエア/ソフトウエアを指す。通信接続644は、説明の明確さのためにコンピュータ602の内部に示されているが、コンピュータ602の外側にあってもよい。ネットワークインターフェース642への接続に必要なハードウエア/ソフトウエアは、単に例示の目的で、一般電話グレードモデム、ケーブルモデムおよびDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、および有線および無線イーサネット(登録商標)カード、ハブ、およびルーターなどの内部および外部テクノロジーを含む。
【0053】
コンピュータ602は、図4を参照して上記で説明した故障検出装置402と関連付けられた機能を実施する故障検出エンジン646およびコントローラ648も含んでいてもよい。
【0054】
本開示の説明された態様は、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによって特定のタスクが行われる分散型の演算環境において実践されてもよい。分散された演算環境において、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモート双方のメモリストレージデバイスに位置していてもよい。
【0055】
ここで説明した様々な構成要素が1つまたは複数の電気回路を含んでいてもよいことが認められ、1つまたは複数の電気回路は、1つまたは複数の本イノベーションの実施形態を実施するために、適切な値の構成要素および回路要素を含んでいてもよい。さらに、様々な構成要素の多くが1つまたは複数の集積回路(IC)チップにおいて実施され得ることが認められる。例えば、一実施形態において、1セットの構成要素は、単一ICチップにおいて実施され得る。他の実施形態において、構成要素の1つまたは複数は、分離したICチップにおいて製造または実施される。
【0056】
上記で説明されたことは、本開示の実施形態の例を含む。請求される主題を説明する目的で構成要素または手法の考えられるあらゆる組み合わせを説明することは当然ながら不可能であるが、本イノベーションの多くのさらなる組み合わせおよび置換が可能であることが認められる。したがって、請求される主題は、添付の請求項の趣旨および範囲に含まれる変更、修正、および変形例などの全てを含むものとする。また、要約において記載されたものを含む本開示の説明された実施形態の上記記載は、包括的であることを意図しておらず、また、開示された実施形態を開示した正確な形態に限定することも意図していない。具体的な実施形態および例がここで説明を目的として記載されたが、当業者が認識できるように、このような実施形態および例の範囲内と考えられる様々な修正が可能である。また、全体を通して「ある実施形態」または「一実施形態」という用語の使用は、正確に具体的に記載されない限り、同じ実施形態を意図しない。
【0057】
特に、上記構成要素、デバイス、回路、およびシステムなどにより行われる様々な機能に関し、このような構成要素を説明するために使用される用語は、特記されない限り、請求された主題のここに説明された例示の態様における機能を行う、開示された構造に対する構造的等価物でないにもかかわらず、説明された構成要素の特定の機能を行う任意の構成要素(例えば、機能的等価物)に対応することを意図する。この点に関し、本イノベーションが、請求される主題の様々な方法の作動および/または事象を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体だけではなく、システムも含むことも認識される。
【0058】
前記図/システム/回路/モジュールは、複数の構成要素/ブロック間の相互動きに関して説明された。このようなシステム/回路および構成要素/ブロックは、これらの構成要素または特定されたサブ構成要素、特定された構成要素またはサブ構成要素の一部、および/または追加の構成要素を含んでいてもよく、これらの様々な置換および組み合わせに従っていることが認められる。サブ構成要素は、親構成要素内に含まれる(階層的)よりは、他の構成要素と通信可能に連結された構成要素として実施されてもよい。さらに、1つまたは複数の構成要素は、集合体機能性を提供する単一の構成要素に統合されるか、または、複数の分離したサブ構成要素に分割されてもよく、管理層などの任意の1つまたは複数の中間層が、集積された機能性を提供するためにこのようなサブ構成要素と通信可能に連結するために設けられていてもよい。ここで説明された任意の構成要素は、ここでは具体的に説明はされなかったが当業者には知られている1つまたは複数の他の構成要素と相互動きしてもよい。
【0059】
さらに、本イノベーションの特別な特徴は複数の実施の1つのみに関して説明されたかもしれないが、このような特徴は、他の実施の1つまたは複数の他の特徴と任意のまたは特別なアプリケーションにとって望ましく、かつ、有利なように組み合わされてもよい。さらに、用語「含む」、「含んでいる」、「有する」、「含有する」、これらの変化形、および他の同様の語が詳細な説明または請求項のいずれかで使用される限り、これらの用語は、「備える」と同様にオープンな移行句として、何らかの追加の、または他の要素を排除しないことを意図する。
【0060】
本願において、用語「構成要素」、「モジュール」、または「システム」などは、一般的に、コンピュータ関連の実体、ハードウエア(例えば回路)、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ、ソフトウエア、または、1つまたは複数の特定の機能性を有するオペレーション機械に関する実体のいずれかを指すことを意図する。例えば、構成要素は、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ)において動作する処理、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってもよいがこれらに限定されない。例示として、コントローラにおいて動作するアプリケーションおよびコントローラの双方が1つの構成要素であってもよい。1つまたは複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在してもよく、構成要素は、1つのコンピュータに集約されても、および/または、2つまたはそれ以上のコンピュータ間に分散されてもよい。さらに、「デバイス」は、特別に設計されたハードウエア;ハードウエアが特定の機能を実施できるようになるソフトウエアを同ハードウエア上で実行することにより特別化された汎用ハードウエア;コンピュータにより読み取り可能な媒体に格納されたソフトウエア;またはこれらの組み合わせの形態で提供されてもよい。
【0061】
また、「例」または「例示の」という語は、ここでは、例、実例、または説明として機能することを意味するために使用される。「例示の」としてここで説明された任意の観点または設計は、他の態様または設計よりも好ましい、または有利であるとは必ずしも解釈されない。むしろ、「例」または「例示の」という語の使用は、コンセプトを具体的に提示することが意図されている。本願では、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包含的な「または」を意味することが意図されている。つまり、特記されない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを使用する」は、自然な包含的な置換のいずれかを意味することが意図されている。すなわち、「XはAを使用する」、「XはBを使用する」、または、「XはAおよびBの双方を使用する」ならば、「XはAまたはBを採用する」は、上記の実例のいずれかの下で満たされる。また、本願および添付の特許請求の範囲において使用される場合の冠詞「a」および「an」は、特記されない限り、または単数を指すことが文脈から明らかでない限り、一般に、「1つまたは複数の」を意味するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6