(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】割当てリソース上の符号化されたデータを復号できないという指示に応答する再送信プロセスを実装する受信機、送信機、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/16 20060101AFI20220817BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20220817BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04 110
(21)【出願番号】P 2019571010
(86)(22)【出願日】2018-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2018066634
(87)【国際公開番号】W WO2018234484
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-02-14
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】ギョクテぺ,バリス
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルグ,コーネリウス
(72)【発明者】
【氏名】シエル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト,トーマス
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】Sequans Communications,On dynamic resource sharing between URLLC and eMBB in DL[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1701 R1-1700642,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1701/Docs/R1-1700642.zip>,2017年01月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04W 28/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機であって、
アンテナと、
前記アンテナに連結されるトランシーバであって、前記トランシーバは、無線通信ネットワークの送信機からデータブロックを受信するように構成され、前記データブロックは、前記受信機に割り当てられる複数のリソース上で送信される符号化されたデータを含む、トランシーバと、
前記符号化されたデータを復号し
、割り当てられる
前記リソースについて、前記符号化されたデータの復号が成功したか失敗したかを決定するように構成されるデコーダと、
プロセッサであって、
前記リソースのうちの前記復号に失敗した1つまたは複数がレポートに包含されているかどうかを評価し、前記レポートは、前記送信機によって作成されて前記受信機に対して送信され、障害を経験するリソースに関する知識に基づいて、割り当てられた前記リソースのうちの1つまたは複数
のリソースについて
、当該1つまたは複数のリソース上で送信される符号化されたデータが復号不能であること、または復号不能である可能性が高いことを示すものであり、
前記評価に応答して、前記トランシーバに前記送信機へ再送信要求を送信させる
ように構成される、プロセッサと、
を備え、
前記レポートは、前記1つまたは複数のリソースについて前記符号化されたデータが復号不能である確率を示し、割り当てられる
前記リソース上で送信される符号化されたデータが復号不能である前記確率に依存して
、割り当てられる
前記リソースを複数の汚染レベルに関連づけ、
前記確率は、前記1つまたは複数のリソースが前記送信機により、かつ/また
は1つまたは複数のさらなる送信機により経験する前記障害に依存する、
受信機。
【請求項2】
前記レポートは、前記送信機による、かつ/または前記無線通信ネットワークの1つまたは複数のさらなる送信機による1つまたは複数の障害を経験す
る1つまたは複数のリソースを含む、
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記1つまたは複数の障害には、前記送信機によって、かつ/または前記無線通信ネットワークの1つまたは複数のさらなる送信機によって引き起こされるパンクチャリング、干渉または信号強度の低下が含まれる、請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記再送信要求は、前記送信機へ、前記復号に失敗し
た1つまたは複数のリソースの汚染レベルを伝えるメッセージを含み、
前記メッセージは、前記送信機に、シグナリングされた前記汚染レベルに関連づけられる、かつ/またはシグナリングされた前記汚染レベルより高い汚染レベルに関連づけられるリソース上で送信される前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信することを要求する、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項5】
前記再送信要求は、2ビットのメッセージであり、
前記復号が、前記レポートに含まれるリソースのうちの1つまたは複数でのみ失敗した場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに、
前記送信機へ第1の2ビットメッセージ(NACK1)を送信させるように構成され、前記第1の2ビットメッセージ(NACK1)は、前記送信機に、前記レポートに第1の汚染レベルで含まれる前記1つまたは複数のリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信させ、前記プロセッサは、前記トランシーバに、
前記送信機へ第2の2ビットメッセージ(NACK2)を送信させるように構成され、前記第2の2ビットメッセージ(NACK2)は、前記送信機に、前記レポートに前記第1の汚染レベルおよび第2の汚染レベルで含まれる前記1つまたは複数のリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信させ、前記第1の汚染レベルは、前記第2の汚染レベルより高く、
前記復号が失敗したリソースが、前記レポートに含まれない1つまたは複数のリソースを含む場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに、前記送信機へ第3の2ビットメッセージ(NACK3)を送信させるように構成される、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項6】
前記第3の2ビットメッセージ(NACK3)は、前記送信機に、
前記受信機が、前記復号が失敗し
た1つまたは複数のリソースを特定できるように、前記受信機へ追加のリソースを割り当てさせ、
前記復号が失敗し
た1つまたは複数の特定されたリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信させ、または、前記データブロックの再送信または追加的冗長を送信させる、
請求項5に記載の受信機。
【請求項7】
前記データブロックの全てのリソースについて前記復号が成功した場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに前記送信機へ、第4の2ビットメッセージ(ACK)を送信して前記送信機へ前記データブロックの正しい受信を認識させるように構成される、
請求項5または請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
前記復号が、前記データブロックの全てのリソースで成功した場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに前記送信機へ、第1の再送信メッセージ(ACK)を送信して前記送信機へ前記データブロックの正しい受信を認識させるように構成され、
前記復号が、前記レポートに含まれる前記リソースのうちの1つまたは複数でのみ失敗した場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに、前記送信機へ第2の再送信メッセージ(NACK1)または第3の再送信メッセージ(NACK2)を送信させるように構成され、前記第2または第3の再送信メッセージ(NACK1、NACK2)は、前記送信機に、前記レポートにその汚染レベルに基づいて含まれる前記1つまたは複数のリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信させ、
前記復号が、前記レポートに含まれる前記データブロックの前記リソースのうちのいずれか1つと前記レポート
に含まれない前記データブロックの1以上の前記リソースとの両方で失敗した場合、前記プロセッサは、前記トランシーバに、前記送信機へ第4の再送信メッセージ(NACK3)を送信させるように構成され、前記第4の再送信メッセージ(NACK3)は、前記復号が失敗した前記データブロックの前記リソースを示し、前記送信機に、前記復号が失敗し
た1つまたは複数の特定されたリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信させる、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記データブロックの前記復号に続き、割り当てられた前記リソースについて、前記符号化されたデータの復号が成功したか、失敗したかを決定する前に、または前記データブロックの前記リソースのうちの1つまたは複数で復号が失敗した場合に、前記トランシーバに、前記送信機へレポート要求を送信させるように構成され、
前記レポート要求により、前記送信機は、前記レポートを前記受信機へ送信する、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項10】
送信機であって、
アンテナと、
前記アンテナに連結されるトランシーバと、を備え、前記トランシーバは、無線通信ネットワークの1つまたは複数の受信機と通信するように構成され、前記1つまたは複数の受信機は、前記送信機によりサービスを提供され、
前記トランシーバは、前記送信機が作成したレポートを前記1つまたは複数の受信機へ送信するように構成され、前記レポートは、障害を経験するリソースに関する知識に基づいて、前記1つまたは複数の受信機に割り当てられる1つまたは複数のリソースについて
、当該1つまたは複数のリソース上で送信される符号化されたデータが復号不能であること、または復号不能である可能性が高いことを示し、
前記レポートは、前記1つまたは複数のリソースについて前記符号化されたデータが復号不能である確率を示し、割り当てられる
前記リソースを複数の汚染レベルに
、割り当てられる
前記リソース上で送信される符号化されたデータが復号不能である前記確率に依存して関連づけ、
前記確率は、前記1つまたは複数のリソースが前記送信機により、かつ/また
は1つまたは複数のさらなる送信機により経験する前記障害に依存する、
送信機。
【請求項11】
前記無線通信ネットワークの前記送信機または前記1つまたは複数のさらなる送信機は、1つまたは複数のデータブロックを送信するための送信パターンに基づいて動作し、
前記送信機は、前記送信機または前記さらなる送信機のうちの1つまたは複数の前記送信パターンの変化に応じて前記レポートを生成するように構成されるプロセッサを備える、
請求項10に記載の送信機。
【請求項12】
前記送信パターンの前記変化は、前記送信機および/または前記送信機に隣接する1つまたは複数のさらなる送信機による、前記1つまたは複数の受信機に割り当てられる前記リソース上のパンクチャリング、干渉または信号強度の低下によって引き起こされる、請求項11に記載の送信機。
【請求項13】
前記送信パターンの前記変化は、前記送信機および/または前記送信機に隣接する1つまたは複数のさらなる送信機による、前記1つまたは複数の受信機に割り当てられる前記リソース上の1つまたは複数の予期せぬ送信によって引き起こされる、請求項11または請求項12に記載の送信機。
【請求項14】
前記1つまたは複数の受信機に割り当てられる前記リソース上の前記予期せぬ送信は、前記送信パターンによって規定されるものより高い信号強度を用いる送信、たとえばURLLC(超高信頼低遅延)送信、を含む、請求項13に記載の送信機。
【請求項15】
前記無線通信ネットワークの前記送信機および前記1つまたは複数のさらなる送信機は、合意された送信パターンを用いて動作し、前記合意された送信パターンは、1つまたは複数のデータブロックを送信するためのセル間干渉制御(ICIC)を基礎とする、
請求項10~請求項14のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項16】
前記無線通信ネットワークの前記1つまたは複数のさらなる送信機へのバックホールインタフェースを備え、前記バックホールインタフェースは、前記1つまたは複数のさらなる送信機と、おそらくは干渉による影響を受ける前記リソースについて通信するように構成される、請求項10~請求項15のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項17】
前記トランシーバは、前記レポートを同報通信信号または専用信号を用いて送信するように構成され、
前記同報通信信号は、前記送信機によりサービスを提供される複数の受信機について、前記無線通信ネットワークの前記送信機からの、かつ/または1つまたは複数のさらなる送信機からの干渉を経験している前記リソースを示す前記レポートを含み、前記複数の受信機は、前記送信機によりサービスを提供される全ての受信機、または前記送信機によりサービスを提供される受信機グループを含み、
前記専用信号は、前記送信機によりサービスを提供される1つの専用受信機について、前記無線通信ネットワークの前記送信機からの、かつ/または1つまたは複数のさらなる送信機からの干渉を経験している前記リソースを示す前記レポートを含む、
請求項10~請求項16のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項18】
前記トランシーバは、前記複数の受信機のうちの1つへデータブロックを送信するように構成され、前記データブロックは、前記受信機に割り当てられる複数のリソース上で送信される符号化されたデータを含み、
前記トランシーバは、前記受信機から、前記データブロックの前記送信に応答して、再送信要求を受信するように構成される、
請求項10~請求項17のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項19】
通信ネットワークであって、
請求項1~請求項9のうちの一項に記載の1つまたは複数の受信機と、
請求項10~請求項18のうちの一項に記載の1つまたは複数の送信機と、
を備える通信ネットワーク。
【請求項20】
前記通信ネットワークには、有線通信ネットワーク、無線通信ネットワーク、セルラネットワーク、無線ローカル・エリア・ネットワークまたは無線センサシステムが含まれる、請求項19に記載の通信ネットワーク。
【請求項21】
前記受信機は、移動体端末、IoTデバイスまたは無線通信ネットワークの基地局であり、前記送信機は、移動体端末、IoTデバイスまたは前記無線通信ネットワークの基地局である、請求項19または請求項20に記載の通信ネットワーク。
【請求項22】
IFFT(逆高速フーリエ変換)ベースの信号を用い、前記IFFTベースの信号には、CPを有するOFDM、CPを有するDFT-s-OFDM、CPのないIFFTベースの波形、f-OFDM、FBMC、GFDMまたはUFMCが含まれる、請求項19~請求項21のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項23】
前記無線通信ネットワークの前記送信機または前記1つまたは複数のさらなる送信機は、1つまたは複数のデータブロックを送信するための送信パターンに基づいて動作し、
前記レポートは、前記送信機または前記さらなる送信機のうちの1つまたは複数の前記送信パターンの変化に応じて生成される、
請求項19~請求項22のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項24】
前記送信パターンの前記変化は、前記受信機に割り当てられる前記リソース上の、前記送信機および/または前記送信機に隣接する1つまたは複数のさらなる送信機によるパンクチャリング、干渉または信号強度の低下によって引き起こされる、請求項23に記載の通信ネットワーク。
【請求項25】
前記送信パターンの前記変化は、前記送信機および/または前記送信機に隣接する1つまたは複数のさらなる送信機による、前記受信機に割り当てられる前記リソース上の1つまたは複数の予期せぬ送信によって引き起こされる、請求項23または請求項24に記載の通信ネットワーク。
【請求項26】
前記受信機に割り当てられる前記リソース上の前記予期せぬ送信は、前記送信パターンによって規定されるものより高い信号強度を用いる送信、たとえばURLLC(超高信頼低遅延)送信、を含む、請求項25に記載の通信ネットワーク。
【請求項27】
前記無線通信ネットワークの前記送信機および前記1つまたは複数のさらなる送信機は、合意された送信パターンを用いて動作し、前記合意された送信パターンは、1つまたは複数のデータブロックを送信するためのセル間干渉制御(ICIC)を基礎とし、前記無線通信ネットワークの前記送信機および前記1つまたは複数のさらなる送信機は、おそらくは干渉の影響を受ける前記リソースに関して、バックホールインタフェースを介して互いの間で通信する、
請求項23~請求項26のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項28】
前記レポートは、前記受信機へ同報通信信号または専用信号を用いて送信され、
前記同報通信信号は、前記送信機によりサービスを提供される複数の受信機について、前記無線通信ネットワークの前記送信機からの、かつ/または1つまたは複数のさらなる送信機からの干渉を経験している前記リソースを示すレポートを含み、前記複数の受信機は、前記送信機によりサービスを提供される全ての受信機、または前記送信機によりサービスを提供される受信機グループを含み、
前記専用信号は、前記送信機によりサービスを提供される1つの専用受信機について、前記無線通信ネットワークの前記送信機からの、かつ/または1つまたは複数のさらなる送信機からの干渉を経験しているリソースを示すレポートを含む、
請求項23~請求項27のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項29】
前記データブロックは、時間領域における複数のシンボルにより、かつ周波数領域における複数のサブキャリアにより規定され、前記符号化されたデータは、複数のコードブロック(CB)または複数のコードブロック・グループ(CBG)を含む、請求項23~請求項28のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項30】
前記受信機は、HARQプロセス、予測HARQプロセスまたは早期HARQプロセスに従って動作し、前記再送信要求は、復号不良を是正するための情報の要求を含む、請求項23~請求項29のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項31】
前記再送信要求は、第1の再送信メッセージ(ACK)、第2の再送信メッセージ(NACK、NACK1)および第3の再送信メッセージ(NACK2)のうちの1つまたは複数を含み、
前記第1の再送信メッセージ(ACK)は、前記受信機における前記データブロックの正しい受信を確認し、
前記第2の再送信メッセージ(NACK、NACK1)は、前記受信機における復号が、前記レポートに含まれる前記リソースのうちの1つまたは複数についてのみ失敗したことを示し、前記トランシーバは、前記第2の再送信メッセージ(NACK、NACK1)に応答して、前記レポートに含まれる前記1つまたは複数のリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信するように構成され、
前記第3の再送信メッセージ(NACK2)は、前記受信機において復号が失敗した前記データブロックのリソースのうちのいずれか1つを特定し、前記トランシーバは、前記第3の再送信メッセージ(NACK2)に応答して、前記復号が失敗した特定された前記1つまたは複数のリソース上で送信された前記符号化されたデータの再送信または追加的冗長を送信するように構成される、
請求項19~請求項22のいずれか一項に記載の通信ネットワーク。
【請求項32】
無線通信ネットワークの送信機からデータブロックを受信することであって、前記データブロックは
、受信機に割り当てられる複数のリソース上で送信される符号化されたデータを含むことと、
前記符号化されたデータを復号することと、
割り当てられる前記リソースについて、前記符号化されたデータの復号が成功したか失敗したかを決定することと、
前記リソースのうちで前記復号に失敗した1つまたは複数がレポートに包含されているかどうかを評価することであって、前記レポートは、前記送信機によって作成されて前記受信機に送信され、障害を経験するリソースに関する知識に基づいて、
割り当てられた
1つまたは複数のリソースについて
、当該1つまたは複数のリソース上で送信される符号化されたデータが復号不能であること、または復号不能である可能性が高いことを示すことと、
前記評価に応答して、前記送信機へ再送信要求を送信すること、
を含み、
前記レポートは、前記1つまたは複数のリソースについて前記符号化されたデータが復号不能である確率を示し、割り当てられる
前記リソースを複数の汚染レベルに
、割り当てられる
前記リソース上で送信される符号化されたデータが復号不能である前記確率に依存して関連づけ、
前記確率は、前記1つまたは複数のリソースが前記送信機により、かつ/または前記1つまたは複数のさらなる送信機により経験する前記障害に依存する、
方法。
【請求項33】
無線通信ネットワークの1つまたは複数の受信機と通信することを含み、前記1つまたは複数の受信機は、送信機によりサービスを提供され、
1つまたは複数の受信機と通信することは、前記1つまたは複数の受信機へレポートを送信することを含み、前記レポートは前記送信機が作成し、障害を経験するリソースに関する知識に基づいて、前記1つまたは複数の受信機に割り当てられた1つまたは複数のリソースについて
、当該リソース上で送信される符号化されたデータが復号不能であること、または復号不能である可能性が高いことを示し、
前記レポートは、前記1つまたは複数のリソースについて前記符号化されたデータが復号不能である確率を示し
、割り当てられる
前記リソースを複数の汚染レベルに
、割り当てられる
前記リソース上で送信される符号化されたデータが復号不能である前記確率に依存して関連づけ、
前記確率は、前記1つまたは複数のリソースが前記送信機により、かつ/また
は1つまたは複数のさらなる送信機により経験する前記障害に依存する、
方法。
【請求項34】
請求項32または請求項33に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線または有線通信ネットワークまたはシステムの分野に関し、より具体的には、データの送信に続いて、データの再送信またはデータに関連づけられる冗長(redundancy)の送信を要求し得る通信ネットワークまたは通信ネットワークが提供するサービスに関する。本発明の実施形態は、割当てリソース上の符号化されたデータを受信機において復号できない、または復号できない可能性が高い、という指示に応答する再送信プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、コアネットワーク102と、無線アクセスネットワーク104とを含む無線ネットワークの一例100を示す略図である。無線アクセスネットワーク104は、複数の基地局eNB
1~eNB
5を含み得、各基地局は、基地局を包囲する、個々のセル106
1~106
5により略示される固有のエリアにサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供するために設けられる。ユーザは、固定デバイスである場合も、モバイルデバイスである場合もある。さらに、無線通信システムは、基地局またはユーザに接続するIoTデバイスによってアクセスされ得る。モバイルデバイスまたはIoTデバイスには、物理デバイス、ロボットまたは車等の地上車両、有人または無人航空機(UAV)、後者はドローンとも呼ばれる、等の航空機、内部に電子機器、ソフトウェア、センサ、アクチュエータまたはこれらに類似するもの、ならびにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラを通じてデータを収集しかつ交換できるようにするネットワーク接続性を組み込んだ建物および他のアイテムが含まれ得る。
図1は、例示として5つのセルしか示していないが、無線通信システムは、このようなセルをより多く含み得る。
図1は、セル106
2内にあって基地局eNB
2によってサービス提供される、ユーザ機器(UE)とも呼ばれる2名のユーザUE1およびUE2を示している。セル106
4には、基地局eNB
4によってサービスされる別のユーザUE
3が示されている。矢印108
1、108
2および108
3は、データをユーザUE
1、UE
2およびUE
3から基地局eNB
2、eNB
4へ送信するため、またはデータを基地局eNB
2、eNB
4からユーザUE
1、UE
2、UE
3へ送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を略示している。さらに、
図1は、セル106
4内に、2つのIoTデバイス110
1および110
2を示しているが、これらは、固定デバイスでもモバイルデバイスでもあり得る。IoTデバイス110
1は、矢印112
1が略示するように、基地局eNB
4を介して無線通信システムにアクセスし、データを送受信する。IoTデバイス110
2は、矢印112
2が略示するように、ユーザUE
3を介して無線通信システムにアクセスする。個々の基地局eNB
1~eNB
5は、個々のバックホールリンク114
1~114
5を介してコアネットワーク102へ接続され、
図1では、該リンクが「コア」を指す矢印で略示されている。コアネットワーク102は、1つまたは複数の外部ネットワークへ接続され得る。
【0003】
データ送信には、物理リソースグリッドが使用され得る。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号がマッピングされるリソースエレメント・セットを備え得る。たとえば、物理チャネルには、ダウンリンクおよびアップリンク・ペイロード・データとも呼ばれる、ユーザ固有のデータを伝送する物理ダウンリンク共有チャネルおよび物理アップリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH)、たとえばマスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)を伝送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、たとえばダウンリンク制御情報(DCI)を伝送する物理ダウンリンク制御チャネルおよび物理アップリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH)、他が含まれ得る。アップリンクの場合、物理チャネルには、さらに、UEがMIBおよびSIBに同期しかつこれらを入手すると、UEがネットワークにアクセスするために用いる物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACHまたはRACH)が含まれ得る。物理信号には、基準信号(RS)、同期信号およびこれらに類似するものが含まれ得る。リソースグリッドは、時間領域に10ミリ秒といった所定の持続時間を有する、かつ周波数領域に所与の帯域幅を有するフレームを備え得る。フレームは、長さが予め規定されている所定数のサブフレーム、たとえば長さ1ミリ秒の2つのサブフレーム、を有し得る。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)の長さに依存して、6または7個のOFDMシンボルより成る2つのスロットを含み得る。
【0004】
無線通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システムまたはたとえばDFT-s-OFDMである他の任意のCPを有する、またはCPを持たないIFFTベース信号といった、周波数分割多重を基礎とする任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムであり得る。多元接続用非直交波形といった他の波形、たとえば、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重(GFDM)または汎用フィルタマルチキャリア(UFMC)も使用され得る。無線通信システムは、たとえば、LTE-Advanced pro規格または5GまたはNR(新無線)規格に従って動作し得る。
【0005】
また、データは、有線通信ネットワークまたは有線ネットワークおよび無線ネットワークの組合せ、たとえばローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、電話線、同軸ケーブルおよび/または電力線といった異なるタイプのワイヤ上で動作するG.hnネットワークまたはインターネット等の広域ネットワーク(WAN)、のチャネル上でも通信され得る。
【0006】
参照した上述のネットワークでは、データは、チャネルを介して送信される間に、ノイズでオーバーレイされる、または干渉といった他の外乱を受けることがあり、よって、受信機においてデータが正しく処理されない、または全く処理されないことがある。たとえば、送信されるべきデータが予め規定されたコードを用いて符号化される場合、符号化されたデータは、送信機で生成されかつチャネルを介して受信機へ転送される。送信の間、符号化されたデータは、たとえばノイズの多いチャネル状況に起因して、符号化されたデータの復号が不可能な程度まで乱されることがある。こうした状況に対処するために、有線および/または無線通信ネットワークは、再送信機構を採用することがある。たとえば、受信機が、符号化されたデータが復号不能であることを検出すると、送信機または送信者からの再送信が要求される。たとえば、HARQ(ハイブリッド自動再送要求)は、復号不良を訂正すべく送信機からの再送信を要求するために使用され得る。たとえば、追加的冗長(additional redundancy)が要求されることもある。送信機において、データの符号化は、送信されるべきデータに追加される冗長ビットを含み得る冗長の生成を含む。最初の送信では、冗長の一部のみが送信され得る。再送信が要求されると、冗長のさらなる部分が受信機へ送信され得る。たとえば、HARQは、チェイス合成(全ての再送信が同じ情報、データおよびパリティビットを含む)を採用する場合もあれば、増分冗長(全ての再送信が以前とは異なるパリティビットを含む)を採用する場合もある。
【0007】
たとえば、LTE規格に従って実装される、またはNR規格に従って実装される通信ネットワークでは、トランスポートブロック(TB)が1つまたは複数のコードブロック(CB)を含むことがある。LTE規格に従って実装される通信ネットワークでは、再送信要求がHARQ要求であることがあるが、HARQフィードバックが提供するフィードバックは、TB全体に対してのみであり、よって、単に単一のCBのみの障害であってもTB全体に対する再送信または追加的冗長の提供が開始される。NR規格に従って実装される無線通信システムでは、この欠点が、コードブロック・グループ(CBG)を導入することによって対処されてきた。各CGBについて、復号に障害があるTBのCBGに対してのみ、再送信または追加的冗長の送信が必要とされるように、HARQフィードバック、たとえば1ビットHARQフィードバックが提供され得る。CBGベースのHARQフィードバックは、TB全体に対する再送信/追加的冗長の必要性を回避するものであるが、それでもTBごとにマルチビットHARQフィードバックが必要とされる。これにより、アップリンク通信のシグナリングオーバーヘッドが発生し、かつ最終的に物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)においてリソース割当て問題が生じるが、後者は、復号が失敗した実際のCBGに関する詳細を送信機へ伝えるための追加のリソースを割り当てる必要性に起因して生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、通信ネットワークにおける再送信プロセスを改善する手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項に規定されているような発明対象によって達成される。
【0010】
実施形態は、従属請求項に規定されている。
【0011】
次に、添付の図面を参照して、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の一実施形態による、CBGベースのHARQフィードバック低減手法のタイムラインを示す。
【
図3】送信機から受信機へ情報を送信するための無線通信システムを示す略図である。
【
図4】本発明の手法に従って記述されるユニットまたはモジュールならびに方法ステップを実行し得るコンピュータシステムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照してさらに詳しく説明するが、諸図を通じて、同じ、または類似の機能を有するエレメントは、同じ参照符号で参照される。
【0014】
実施形態によれば、本発明は、アンテナと、トランシーバと、デコーダと、プロセッサとを備える、UEのような受信機を提供する。トランシーバは、アンテナへ連結されて、基地局のような無線通信ネットワークの送信機からデータブロックを受信する。データブロックは、受信機へ割り当てられる複数のリソースを用いて送信される符号化されたデータを含む。デコーダは、符号化されたデータを復号し、割り当てられたリソースについて、符号化されたデータの復号が成功したか失敗したかを決定する。プロセッサは、復号に失敗した1つまたは複数のリソースがレポートに包含されているかどうかを評価する。レポートは、割り当てられたリソースのうちの1つまたは複数について、1つまたは複数の割り当てられたリソース上で送信される符号化されたデータが復号不能であることを示すものである。プロセッサは、この評価に応答して、トランシーバに送信機へ再送信要求を送信させる。
【0015】
実施形態によれば、本発明は、アンテナとトランシーバとを有する、基地局のような送信機を提供する。トランシーバは、アンテナへ連結されて、無線通信ネットワークの、UEのような1つまたは複数の受信機と通信する。1つまたは複数の受信機は、送信機によってサービスを提供される。送信機は、1つまたは複数の受信機へ、上述のレポートまたは、受信機へ割り当てられる1つまたは複数のリソースについて、1つまたは複数の割り当てられたリソース上で送信される符号化されたデータが復号できないことを示す汚染レポートを送信する。
【0016】
本発明による手法の実施形態は、本発明による手法に従って実装されるUEのような1つまたは複数の受信機と、本発明による手法に従って実装される基地局のような1つまたは複数の送信機とを含む通信ネットワークを提供する。
【0017】
実施形態によれば、割り当てられるリソースは、先に述べたような物理リソースグリッドの1つまたは複数のリソースエレメントを含んでもよい。送信されるべきデータは、符号化されて、1つまたは複数のコードブロック(CB)として提供される。割り当てられる1つのリソースは、1つまたは複数のCBの送信に使用されてもよいが、後者の場合(複数のCBの送信に使用される場合)、コードブロック・グループ(CBG)とも呼ばれるCBのグループが規定されてもよく、その結果、受信機へ割り当てられる複数のリソースが複数のCBGを送信するために用いられてもよい。
【0018】
レポートは、割り当てられたリソースのうちの1つまたは複数で送信される符号化されたデータが復号不可であることを示す場合がある。1つまたは複数のリソースが、無線通信ネットワークの基地局および/または1つまたは複数のさらなる基地局および/または他のUEのような他のエンティティから生じる障害または外乱を受ける場合、送信されるデータは、復号できないことがある。1つまたは複数のさらなる該基地局は、UEにサービスを提供する基地局に隣接する、またはその近傍における基地局であってもよい。割り当てられたリソースに対する、1つまたは複数の基地局により引き起こされる障害または有害な影響には、パンクチャリング、干渉または信号強度の低下が含まれ得る。データブロックを基地局からUEへ、たとえば物理リソースグリッドの1つまたは複数のスロット、サブフレームまたはフレームといった特定の(specific)送信周期で送信することを決定する場合、符号化されたデータの送信に対して信頼性があるとされるリソースが割り当てられる。しかしながら、符号化されたデータをUEへ送信するために使用されるリソースの信頼性は、経時的に変化し得る。たとえば、特定のイベントは、リソースの障害を、たとえば問題のリソースを用いて送信される信号のパンクチャリング、干渉または信号強度の低下に起因して引き起こすことがある。こうした状況が発生する場合、リソース上の符号化されたデータは、UEにおいて復号できない可能性が高い。
【0019】
データをUEへ送信するために割り当てられるリソースは、基地局からの障害を経験することがあるが、該リソースは、予期しないトラフィックに応答する周囲の基地局によって、または周囲の基地局からサービスを提供される。このような予期しないトラフィックは、超高信頼低遅延(URLLC)送信を要求するサービスにより、または、より一般的には、データの高優先性送信を要求するサービスのための他の任意タイプの突発送信によって引き起こされることがある。URLLCサービスがネットワークに、UEにサービスを提供する基地局を介して接続すると、当初UEに割り当てられたリソースのうちの1つがURLLCサービスまたはトラフィックに割り当てられることがあり、その結果このリソースは、UEへのデータ送信に利用できなくなるが、これは、パンクチャリングとも呼ばれる。UEにサービスを提供する基地局が、URLLC送信にUEへ割り当てられたリソースのうちの1つを使用しない場合でも、URLLC送信の信号要件は、URLLCデータ送信がURLLC要件に準拠するように、所定の信号強度を要求し得る。これにより、信号強度の増加が必要となる場合があるが、基地局は、概して、基地局がサービスを提供する全てのアクティブなユーザと通信するための予め設定された電力バジェットに基づいて動作する。利用可能な電力のこの制限により、URLLC送信用のより高い信号強度のためにより多くの電力が必要となれば、基地局からUEへのデータ送信用にUEに割り当てられるリソースのうちの1つまたは複数における信号強度が低減されることがある。また、この低減される信号強度は、たとえば、リソースのうちの1つまたは複数における信号強度の低減に起因して、個々のリソース上の信号が、基地局とUEと間のチャネル上で干渉、ノイズおよび他の外乱の影響をより受けやすくなり得るという理由で、UEに割り当てられるリソースのうちの1つまたは複数におけるデータがUEで復号できなくなる原因ともなり得る。
【0020】
URLLCトラフィックが、UEが位置決めされるセルではなく、近傍のセルに存在する場合、特定のリソースを用いる近傍セルにおける高信号強度のURLLC送信は、UEが位置決めされるセルにおける対応するリソースに干渉を引き起こすことがある。
【0021】
コードブロックまたはコードブロック・グループの復号不良は、主として、UEが位置決めされるセルおよび/または近傍セルにおける予期せぬトラフィック、たとえばURLLCトラフィックによるパンクチャリング、干渉および低信号強度といった、上述の障害または影響に起因することが分かっている。URLLCトラフィックは、いつでも、かつ予期せずに発生し得るものであり、その結果、UEに割り当てられている、割り当てられた時点では信頼できるものとされていたリソースは、後には、これらのリソースを用いて送信される符号化されたデータがUEにおいて復号できなくなることがあるという点で信頼できる通信経路をもはや提供しない。
【0022】
本発明による手法は、UEに割り当てられたリソースであって、パンクチャリング、干渉または信号強度の低減といった障害を経験し、その結果これらのリソース上で送信される符号化されたデータは、UEにおいて正常に復号できない可能性が高い、またはおそらく復号できないリソースに関する知識を使用する。この知識は、UEがアクセスできる、汚染レポートとも呼ばれるレポートにおいて提供される。レポートは、UEに割り当てられたリソースのうちの、障害の影響を受けているために正常に復号できない符号化されたデータを含む可能性が高いリソースを示す。本発明による手法は、概して、UEにおける復号不良は、障害を経験するリソース上で送信されるデータに対して発生する可能性が最も高く、一方で、障害を経験しない他の割当てリソースは、復号可能とみなされることを想定するものである。本発明による手法は、この特性または知識を用いて、UEにおける復号の失敗に際して再送信または追加的冗長を要求するために必要な情報量を低減する。
【0023】
先に述べた従来技術による手法は、TBの各CBGに対して少なくとも1ビットを送信するが、本発明によれば、障害を経験するリソースに関する知識が活用され、より具体的には、汚染レポートに基づいて、復号不良が汚染レポートに示されているリソース上で発生したものかどうかが決定される。不良が汚染レポートに示されているリソース上で生じている場合、単一のメッセージが基地局へ返され得、よって基地局は、汚染レポートに示されているリソースの全てについて再送信または追加的冗長を提供し、すなわち、汚染レポートに示されているリソース上で送信される符号化されたデータの全てに対して再送信または追加的冗長が送信される。したがって、シグナリングオーバーヘッド、およびPUCCHにおけるリソースのスケジューリングに関する問題と同様に、再送信要求に必要な情報量は大幅に低減される。
【0024】
また、汚染レポートに含まれていないリソースにおける復号の失敗が決定されるという状況もあり得る。こうした場合、本発明は、基地局からTBまたはTB内のCBGのうちの1つまたは複数に向けた再送信または追加的冗長を要求するための従来のHARQプロセスを用いることがある。
【0025】
実施形態によれば、再送信プロセスは、HARQプロセス、予測HARQプロセスまたは早期HARQプロセスであってもよい。
【0026】
予測HARQプロセスの一例は、たとえば、2016年11月23日に提出された、欧州特許出願第16200361.0号明細書「RECEIVER,TRANSMITTER,COMMUNICATION NETWORK,DATA SIGNAL AND METHOD IMPROVING A RETRANSMISSION PROCESS IN A COMMUNICATION NETWORK」に記載され、該出願は、参照により開示に含まれる。予測HARQプロセスを実装するために、基地局は、UEへ送信されるべきデータを受信するLDPC(低密度パリティ検査)エンコーダを含んでもよい。LDPCエンコーダは、LDPCコードを用いてデータを符号化し、コードワードを取得する。コードワードは、LDPCコードを表す二部グラフの複数の検査ノードに関連づけられる複数の変数ノードによって規定される。コードワードは、二部グラフの検査ノードの部分集合に関連づけられる選択された変数ノードが残りの変数ノードより先に送信されるように、UEへ送信される。選択される変数ノードは、UEにおいて知られる部分コードワードを規定する。部分コードワードは、UEにより、送信されるコードワードの復号可能性をコードワードの全ての変数ノードを受信する前に推定するために使用される。UEは、送信されるコードワードの復号可能性を、部分コードワードを用いて、コードワードの全ての変数ノードを受信する前に推定するLDPCデコーダを含む。
【0027】
早期HARQプロセスの一例は、たとえば、2017年5月12日に提出された、欧州特許出願第17170871.2号明細書「RECEIVER,TRANSMITTER,COMMUNICATION NETWORK,DATA SIGNAL AND METHOD IMPROVING A RETRANSMISSION PROCESS IN A COMMUNICATION NETWORK」に記載され、該出願は、参照により開示に含まれる。早期HARQプロセスは、早期HARQフィードバックとも呼ばれる早期再送信要求が送信されることを見込むものである。早期HARQフィードバックは、従来のHARQ手順を実装する際に経験される再送信遅延またはHARQ遅延を減らせるようにする。フィードバックのタイミングは、最小限の時間にまで短縮され、かつ早期の段階で、データのさらなる冗長バージョン(RV)等の冗長の提供を可能にする。早期HARQプロセスによれば、1つまたは複数のコードブロック(CB)がデータブロックまたはTBに提供され得る。TBが複数のCBを含む場合、個々のCBは、グループ化されて複数のコードブロック・グループ(CBG)を形成してもよい。言い替えれば、各CBGは、少なくとも1つのCBを、または最大で、TBに提供される全てのCBを含んでもよい。TB以外に、各CBGは、UEにおいて、各CBGに対する別個のフィードバックによって独立して処理されてもよい。早期フィードバックを見込むために、データブロック内のコードブロックは、複数の部分を有し、かつコードブロックの第1の部分は、UEにおいてコードブロックの復号可能性を推定するために使用される。第1の部分は、先に述べた欧州特許出願第16200316.0号明細書に記載されているような手法を用いて取得されてもよい。LLR(対数尤度比)推定が使用される場合、第1の部分は、CBの他の任意の部分集合でもあり得る。コードブロックの第1の部分は、データブロックにおいて、コードブロックの残りの1つまたは複数の部分の前に配置される。コードブロックの第1の部分を残りの部分の前に置くことにより、第1の部分は、CBの残りの部分に先行して送信され、よって、コードブロックの復号可能性の推定は、UEにおいてデータブロックがまだ受信されている間に、既にUEにおいて開始され得る。推定に応答して、HARQフィードバックは、可能な限り早期に、たとえば各CBに対して個別に送信されてもよい。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態による、CBGベースのHARQフィードバック低減手法のタイムラインを示す。データの処理およびHARQフィードバックの生成については、UEの包含エレメントを参照して合わせて説明する。時間t
0において、データブロック200は、UEの1つまたは複数のアンテナANT
UEへ連結される、UEの受信機202で受信される。データブロック200は、先に説明したような物理リソースグリッドであってもよく、かつ複数のリソース204
1~204
9を含んでもよい。リソース204
1~204
9は、上述の物理リソースグリッドの1つまたは複数のリソースエレメントを含んでもよく、かつ送信されるべきデータは、符号化されて1つまたは複数のコードブロック・グループ(CBG)として提供される。
図2の例では、1つまたは複数の割り当てられたリソースがコードブロック・グループ(CBG)の送信に使用されている。各リソースは、1つのCBGに関連づけられ得るが、他の実施形態において、CBGは、2つ以上のリソースを用いてもよい。データブロック200は、無線通信ネットワークの基地局によりサービスを提供される複数のUEに割り当てられるリソースを含む。リソース204
1~204
3は、他のUEに割り当てられ、よってリソース204
4~204
9のみが現行のUEに割り当てられる。現行のUEに割り当てられるリソース204
4~204
9は、TBを規定してもよい。本発明は、
図2に示すデータブロック200のサイズに限定されず、どちらかといえば、他の実施形態に従って、データブロックがより多くの、またはより少ないリソースを含み得ることは、留意される。
【0029】
データブロック200の受信は、時間t
1で完了する。受信に続き、時間t
2において、デコーダ206による、UEに割り当てられた個々のリソース204
4~204
9上で送信された符号化されたデータの復号が開始される。208で略示されているように、デコーダ206は、UEに割り当てられたリソース204
4~204
9の各々について、これらのリソースにより伝送されたデータが正常に復号され得るか否かを決定する。
図2の実施形態では、復号が、208において文字「x」が示すリソース204
7を除く全てのリソースで成功したものと想定されている。
【0030】
復号および特定のリソース上のデータの復号が成功したか失敗したかの決定に続き、時間t
3において、UEのプロセッサ210は、データの復号が失敗したリソース204
7がUEにおいて入手可能な汚染レポート212に存在するかどうかを決定する。汚染レポートは、UEに割り当てられたリソース204
4~204
9のうちのどれが汚染され得るかを示す。
図2の実施形態において、汚染レポートは、リソース204
6および204
7が汚染されていることを示すものと想定されており、すなわち、汚染レポートは、リソース204
6および204
7上で送信されるデータがデコーダ206によって正常に復号され得ないことを示している。先に説明したように、リソース204
6および204
7は、汚染されている場合があって、たとえば、予期しないトラフィックに起因する何らかの外乱または障害を経験し得る。
【0031】
実施形態によれば、汚染レポートは、UEに割り当てられた個々のリソースまたはリソースグループを示す表を含むことがあり、該表では、リソースまたはリソースグループの各々について、これらが「汚染されている」かどうか、たとえば、これらの1つまたは複数のリソース上で送信されるデータの復号が、個々のリソースまたはリソースグループにおいて経験される何らかの干渉、パンクチャリングまたは信号強度の低下に起因して失敗する可能性が高いかどうか、が示される。この表は、
図2の212aに略示されている。他の実施形態によれば、汚染レポートは、異なる方法で実装されてもよい。
【0032】
リソース204
7上でデータの復号が失敗したという決定に続き、時間t
4において、プロセッサ210は、トランシーバ202に、アンテナANT
UEを介して、再送信または追加的冗長を要求するHARQフィードバックメッセージを送信させる。HARQフィードバックメッセージには、符号化されたデータが全て正常に復号化されたこと、または、復号の失敗があったことを示す単一のメッセージ、たとえば1ビットまたは2ビットメッセージ、が含まれる。再送信メッセージは、復号に失敗した実際のリソースまたは実際のCBGに関する指示を含まない。これにより、再送信メッセージのサイズおよびシグナリングオーバーヘッドを低減または最小にすることができる。また、復号に失敗したCBGを識別する情報のアップリンク送信用に、PUCCH内にリソースを割り当てる必要もない。復号不良があったことを示す再送信メッセージに応答して、基地局は、基地局でも利用可能な汚染レポートに基づいて、レポートにおいて汚染されているとして示されており、復号が事実上失敗したリソース-
図2の例では、リソース204
7、上で送信されたデータに関する、また、リソース204
6上で送信されたデータにも関する、再送信または追加的冗長の送信を開始する。
【0033】
本発明による手法は、復号エラーは、汚染されているリソースにおいて発生する可能性が最も高いものと想定している。したがって、実施形態によれば、データの再送信または該データの追加的冗長を要求するには、単純なHARQフィードバックメッセージ、たとえば単ビットのHARQフィードバックメッセージで足り、次に、基地局は、汚染レポートに基づいて、UEへどのデータを再送信する必要があるか、または、どのデータに関する追加的冗長を返送する必要があるか、を決定する。
【0034】
これより可能性としては低い、汚染されていないものと想定される、すなわち、障害を経験しないものと想定されているリソース2044、2045、2048または2049のうちの1つにおいて、たとえば予期しないトラフィックに起因して復号エラーが発生する場合は、従来のHARQ再送信要求が、汚染レポートに示されているリソースの外で不良が生じたCBGに対して送信されてもよい。
【0035】
実施形態によれば、UEは、CBG-eMBB(高度化モバイルブロードバンド)UEであってもよく、かつ基地局は、UEまたはUEグループへ、汚染レポートを用いて、パンクチャリング、干渉または低信号強度の影響を受け得る重要なリソースをシグナリングしてもよい。汚染レポートを介する重要なリソースのシグナリングは、CBG-eMBB UEがそのフィードバックを、たとえばある実施形態に従って1ビットに、または別の実施形態に従って2ビットに減らすことを可能にする。
【0036】
1ビットの実施形態では、NACKメッセージ(非確認応答メッセージ)が、自動的に、たとえば干渉により汚染されることが予測されているCBGの再送信、またはCBGの追加的冗長の送信を引き起こす。これより可能性としては低い、汚染されていないリソースが影響を受けた場合、これは、データの補完的再送信、完全再送信または冗長送信を含む次のHARQ再送信における詳細なCBG HARQフィードバックによって処理されてもよい。
【0037】
2ビットの実施形態によれば、HARQフィードバックを伝えるために、2ビットまたはマルチビットメッセージが使用されてもよい。第1のメッセージは、全てのデータが正常に復号されたことを示す確認応答メッセージACKであってもよい。第1の非確認応答メッセージNACK1は、汚染されているリソースのうちの1つまたは複数でのみ復号が失敗した場合に送信されてもよく、第2の非確認応答メッセージNACK2は、汚染されていないリソースのうちの1つまたは複数でも、すなわち汚染レポートに示されているリソース上および汚染レポートに示されていないリソース上で、復号が失敗した場合に送信されてもよい。第2の非確認応答メッセージNACK2は、UEが詳細なCBGフィードバックを送信できるようにするためのさらなるリソース割当ての要求を含む場合もあれば、該メッセージにより、自動的に、TBまたはデータブロック全体が完全に再送信される、または冗長が送信される場合もある。
【0038】
2ビットまたはマルチビットメッセージを用いるさらなる実施形態によれば、汚染レポートは、1つまたは複数のリソースについて、符号化されたデータが復号不可である確率を示してもよく、かつ、符号化されたデータが復号不可であるこれらの確率に依存して、個々の割り当てられたリソースが関連づけられる複数の汚染レベルが提供される。データが復号不可である確率は、個々のリソースに対する障害に依存する。実施形態によれば、パンクチャリングが復号不良を引き起こす確率は、近傍セルからの干渉より高く、かつ近傍セルからの干渉が復号不良を引き起こす確率は、データ送信のための信号強度の低減より高いと考えられている。汚染表に汚染レベルが含まれる場合、要求送信メッセージは、基地局へ3つ以上の非確認応答メッセージをシグナリングしてもよく、該非確認応答メッセージは各々、基地局が単に、シグナリングされる汚染レベルに関連づけられるリソース上で送信されたデータを再送信させる、または追加的冗長を提供させることを可能にする特定の汚染レベルに関連づけられる。たとえば、パンクチャリングを経験するリソースについてのみデータの復号が失敗した状況について考察すると、UEにより基地局へ、たとえば、基地局に単に、パンクチャリングを経験するリソース上で送信されるデータの再送信、または追加的冗長の提供を引き起こさせる汚染レベル2を示す、対応する非確認応答メッセージNACK1が送信されてもよい。干渉を経験する1つまたは複数の割り当てられたリソース上で送信されるデータの復号が失敗したと決定される場合、パンクチャリングおよび干渉を経験するリソース上のデータのみに関して再送信または追加的冗長の提供が行われるように、基地局へ、パンクチャリングおよび干渉を経験するリソースに影響が出ていることを示す汚染レベル1をシグナリングする第2のメッセージNACK2が送信されてもよい。復号不良が、パンクチャリングにも干渉にも関連づけられないリソース、たとえば低減された信号強度で動作するリソース、に対して発生した場合、第3のメッセージNACK3が基地局へ送信され、基地局は、汚染レベル3に起因する復号不良が発生したことを伝えるこのメッセージに応答して、汚染レポートにおいて明確にされたリソース上で送信される全てのデータまたは全てのデータの冗長を再送信させる。
【0039】
図2を参照して説明する例では、完全なデータブロックまたはTBが復号された後、この復号が成功したか失敗したかが決定される。他の実施形態によれば、TB、CBまたはCBGの復号可能性を、TB、CBまたはCBG全体の受信に先行して決定できるようにする、予測HARQプロセスまたは早期HARQが実装されてもよい。言い替えれば、ある特定のリソース上のデータの復号不可能性は、予測HARQまたは早期HARQを用いて決定されてもよく、かつ再送信メッセージは、復号可能性推定および汚染レポートを用いて生成されてもよい。
【0040】
図2は、汚染レポートが既にUEに存在する一実施形態について説明しているが、他の実施形態によれば、汚染レポートは、UEに、データブロックの復号に続いて、または復号に成功または失敗した割当てリソースの決定に先立って提供されてもよく、もしくは、汚染レポートは、復号が失敗した場合に要求されて基地局から送信されてもよい。
【0041】
本発明の実施形態によれば、汚染レポートは、UEにサービスを提供する基地局により、かつ/または1つまたは複数の隣接する基地局により生成されてもよい。基地局は、互いに、たとえばX2インタフェースのようなバックホール接続を介して通信してもよい。1つまたは複数のUEのための汚染レポートは、サービスを提供する側の基地局において、たとえば、UEにサービスを提供する基地局の送信パターンに基づいて生成されてもよい。また、1つまたは複数の隣接する基地局の送信パターンも、考慮されてもよい。実施形態によれば、無線通信ネットワークの基地局は、互いの間で、障害、たとえば干渉またはこれに類似するものによって影響される可能性が高い、またはおそらく影響されるリソースについて、X2インタフェースを介して通信し合ってもよい。基地局は、近傍のセルに、基地局に近い他のセルのUEを妨害する可能性が高い、URLLC送信といった予期せぬ送信について知らせてもよい。
【0042】
実施形態によれば、無線通信ネットワークにおける複数の基地局は、確立された合意の送信パターンに基づいて、たとえば、セル間干渉制御(ICIC)手法に基づいて動作してもよい。このような合意された送信パターンが存在する場合、送信パターンのこうした適合化に基づいて汚染レポートが生成され得るように、1つのデータブロックの送信後、合意された送信パターンを評価して、送信パターンにおいて規定されるリソースのいずれかが予期せぬ送信に起因する障害を経験しているかどうかが確認されてもよい。
【0043】
汚染レポートは、UEにサービスを提供する基地局により生成されてUEへ送信される。実施形態によれば、基地局は、おそらくは障害によって影響される全てのリソース、すなわち、データをUEにおいて復号できない方法で送信する可能性が最も高い全てのリソース、を含む汚染レポートを同報通信してもよい。汚染レポートを同報通信する場合、汚染レポートは、基地局により割り当てられた複数の、または全てのリソースの情報を含む。基地局によりサービスを提供されるUEは、同報通信を聞いて、レポートから、自らに関連する情報を抽出し、すなわち、UEは、受信した汚染レポートから自らに割り当てられたリソースを抽出し、復号の失敗が汚染レポートに示されたリソース上で発生したかどうかを決定するための上述の手法を実行する。
【0044】
他の実施形態によれば、基地局により、1名のUEまたはUEグループに、該UEまたはUEグループのリソースのうちのどれが障害を経験しているかを告げる汚染レポートの専用シグナリングが行われてもよい。
【0045】
さらなる実施形態によれば、UEは、本発明による手法に従ってUEがUEにおいて失敗した復号行動を報告し得る動的なHARQフィードバックを提供することもあれば、現行TBに関連する全てのCBGのデコーダ結果を含む詳細なHARQフィードバックを直に提供する場合もある。
【0046】
本発明の実施形態は、
図1に示されるような、基地局と、移動体端末またはIoTデバイスのようなユーザとを含む無線通信システムにおいて実装されてもよい。
図3は、送信機TXと受信機RXとの間で情報を通信し、かつ先に述べた本発明による手法の実施形態に従って動作するための無線通信システム300を示す略図である。送信機TX、たとえば基地局、は、1つまたは複数のアンテナANT
TX、または複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを含む。受信機RX、たとえばUE、は、少なくとも1つのアンテナANT
RXを含む。他の実施形態において、受信機RXは、2つ以上のアンテナを含んでもよい。矢印302で示すように、信号は、送信機TXと受信機RXとの間で無線リンクのような無線通信リンクを介して通信される。送信機TXおよび受信機RXの動作、および送信機TXと受信機RXとの間のシグナリングは、先に述べた本発明の実施形態に従う。
【0047】
たとえば、受信機RXは、1つまたは複数のアンテナANTRXと、アンテナへ連結されるトランシーバ304と、デコーダ306と、プロセッサ308とを含む。トランシーバ304は、無線通信ネットワーク300の送信機TXからデータブロック310を受信する。データブロック310は、受信機RXに割り当てられる複数のリソース312上で送信される符号化されたデータを含む。デコーダ310は、符号化されたデータを復号し、割り当てられたリソース312について、符号化されたデータの復号が成功したか失敗したかを決定する。プロセッサ308は、復号に失敗した1つまたは複数のリソース312がレポート314に包含されているかどうかを評価する。レポート314は、割り当てられたリソース312のうちの1つまたは複数について、割り当てられたリソースのうちの該1つまたは複数で送信された符号化されたデータが、たとえば、これらのリソースが送信機TXから、かつ/または318で略示されているような無線通信ネットワーク300の1つまたは複数のさらなる送信機316から経験する場合があるパンクチャリング、干渉または信号強度の低下といった障害に起因して復号不可であることを示す。プロセッサ308は、この評価に応答して、トランシーバ304から送信機TXへ再送信要求320を送信させる。
【0048】
実施形態によれば、送信機TXは、1つまたは複数のアンテナANTTXと、アンテナANTTXへ連結されるトランシーバ322とを含む。トランシーバ322は、無線通信ネットワーク300の1つまたは複数の受信機RXと通信する。1つまたは複数の受信機RXは、送信機TXによってサービスを提供される。トランシーバ322は、1つまたは複数の受信機RXへレポート310を送信する。レポート310は、1つまたは複数の受信機RXに割り当てられる1つまたは複数のリソース312について、割り当てられたリソースのうちの1つまたは複数で送信される符号化されたデータが復号不能であることを示すものである。実施形態によれば、送信機TXは、送信機TXから、かつ/または1つまたは複数のさらなる送信機318からの情報に基づいてレポート310を生成するプロセッサ324を含んでもよい。この情報は、所定のリソース上で送信されるデータが、おそらくは受信機で復号できないことを示してもよい。1つまたは複数のさらなる送信機318からの情報がやはりレポートの作成に使用される実施形態において、送信機TXは、無線通信ネットワーク300の1つまたは複数のさらなる送信機318へのバックホールインタフェース326を含んでもよい。
【0049】
説明している概念の幾つかの態様は、装置のコンテキストで説明されているが、これらの態様が、対応する方法の説明も表すことは明らかであり、その場合、ブロックまたはデバイスは、方法ステップに、または方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップのコンテキストで説明される態様は、対応する装置の対応するブロックまたはアイテムもしくは特徴の説明も表す。
【0050】
本発明の様々なエレメントおよび特徴は、アナログおよび/またはデジタル回路を用いるハードウェアにおいて、1つまたは複数の汎用または専用プロセッサによる命令の実行を介するソフトウェアにおいて、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せとして実装されてもよい。たとえば、本発明の実施形態は、コンピュータシステムまたは別の処理システムの環境において実装されてもよい。
図4は、コンピュータシステム400の一例を示す。ユニットまたはモジュール、ならびにこれらのユニットにより実行される方法のステップは、1つまたは複数のコンピュータシステム400で実行されてもよい。コンピュータシステム400は、専用または汎用デジタル信号プロセッサのような1つまたは複数のプロセッサ402を含む。プロセッサ402は、バスまたはネットワークのような通信インフラストラクチャ404へ接続される。コンピュータシステム400は、メインメモリ406、たとえばランダム・アクセス・メモリ(RAM)と、二次メモリ408、たとえばハード・ディスク・ドライブおよび/またはリムーバブル・ストレージ・ドライブとを含む。二次メモリ408は、コンピュータプログラムまたは他の命令をコンピュータシステム400にロードできるようにしてもよい。コンピュータシステム400は、さらに、ソフトウェアおよびデータをコンピュータシステム400と外部デバイスとの間で転送できるようにする通信インタフェース410を含んでもよい。通信は、電子的、電磁気的、光学的、または他の、通信インタフェースで処理できる信号形式であってもよい。通信は、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンクおよび他の通信チャネル412を用いてもよい。
【0051】
「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、概して、リムーバブル・ストレージ・ユニットまたはハード・ディスク・ドライブにインストールされるハードディスク等の有形記憶媒体を指して使用される。これらのコンピュータ・プログラム・プロダクトは、コンピュータシステム400へソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御論理とも呼ばれるコンピュータプログラムは、メインメモリ406および/または二次メモリ408に記憶される。コンピュータプログラムは、通信インタフェース410を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム400が本発明を実装することを可能にする。具体的には、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ402が本明細書に記述する方法のうちのいずれか等の本発明のプロセスを実装することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム400のコントローラを表してもよい。本開示がソフトウェアを用いて実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータ・プログラム・プロダクトに記憶され、かつ通信インタフェース410のようなインタフェースであるリムーバブル・ストレージ・ドライブを用いてコンピュータシステム400にロードされてもよい。
【0052】
ハードウェアまたはソフトウェアにおける実装は、個々の方法が実行されるようにプログラマブル・コンピュータ・システムと協働する(または、協働することができる)電子可読制御信号を記憶しているデジタル記憶媒体、たとえば、クラウドストレージ、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ、を用いて実行されてもよい。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ読取り可能であってもよい。
【0053】
本発明による実施形態の中には、本明細書に記述する方法のうちの1つが実行されるようにプログラマブル・コンピュータ・システムと協働することができる電子可読制御信号を有するデータキャリアを備えるものがある。
【0054】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータ・プログラム・プロダクトとして実装されてもよく、該プログラムコードは、コンピュータ・プログラム・プロダクトがコンピュータ上で実行されると方法のうちの1つを実行するように作用する。プログラムコードは、たとえば、機械可読キャリアに記憶されてもよい。
【0055】
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶される、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。したがって、言い替えれば、本発明による方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されると本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを有する、コンピュータプログラムである。
【0056】
したがって、本発明による方法のさらなる実施形態は、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを記録して備えるデータキャリア(または、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。したがって、本発明による方法のさらなる実施形態は、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは、たとえば、データ通信接続を介して、たとえばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。さらなる実施形態は、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するように構成される、または適合化される処理手段、たとえばコンピュータまたはプログラマブル論理デバイス、を備える。さらなる実施形態は、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしているコンピュータを備える。
【0057】
実施形態によっては、プログラマブル論理デバイス(たとえば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)を用いて、本明細書に記述する方法の機能の一部または全てが実行されてもよい。実施形態によっては、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイは、本明細書に記述する方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。概して、これらの方法は、好ましくは、あらゆるハードウェア装置によって実行される。
【0058】
これまでに述べた実施形態は、本発明の原理の単なる例示である。本明細書に記述した配置および詳細の変更および変形が、他の当業者に明らかとなる点は、理解される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書において実施形態の記述および説明として提示されている特定の詳細によって限定されるものではないことが意図される。