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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】グルーピング装置及びグルーピング方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04883 20220101AFI20220817BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220817BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220817BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20220817BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220817BHJP
   G09B 5/14 20060101ALN20220817BHJP
【FI】
G06F3/04883
G06F3/041 550
G06F3/041 595
G06F3/0484
G06F3/14 350A
G06Q50/20
G09B5/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020006770
(22)【出願日】2020-01-20
(65)【公開番号】P2021114160
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小野 徹
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-239415(JP,A)
【文献】特開2011-197776(JP,A)
【文献】特開2017-104639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04883
G06F 3/041
G06F 3/0484
G06F 3/14
G06Q 50/20
G09B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する複数の情報処理装置と接続されるグルーピング装置であって、
複数の前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部と
を具備し、
前記誘導軌跡情報は、前記表示画面の端部に前記入力軌跡が到達する時刻をコントロールするための入力タイミングを含む情報であるグルーピング装置。
【請求項2】
表示画面を有する複数の情報処理装置と接続されるグルーピング装置であって、
複数の前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部と
を具備し、
前記誘導情報提供部は、前記入力軌跡の始点の入力開始時刻の差が所定の閾値以下である複数の前記情報処理装置に対して前記誘導軌跡情報を送信するグルーピング装置。
【請求項3】
表示画面を有する複数の情報処理装置と接続されるグルーピング装置であって、
複数の前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部と
を具備し、
前記誘導情報提供部は、前記入力軌跡の始点の入力開始時刻の差が所定の閾値以下であり、かつ、該入力軌跡の始点の位置の差が所定の閾値以下である複数の前記情報処理装置に対して、前記誘導軌跡情報を送信するグルーピング装置。
【請求項4】
表示画面を有する複数の情報処理装置と接続されるグルーピング装置であって、
複数の前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部と
を具備し、
前記誘導軌跡情報は、軌跡入力を一時停止させる座標の情報と一時停止時間とを含むグルーピング装置。
【請求項5】
前記誘導情報提供部は、前記入力軌跡の始点が入力された全ての前記情報処理装置に対して前記誘導軌跡情報を送信する請求項1から4のいずれかに記載のグルーピング装置。
【請求項6】
表示画面を有する複数の情報処理装置と接続され、複数の前記情報処理装置を複数のグループにグルーピング可能なグルーピング装置であって、
複数の前記情報処理装置のうち、グルーピング要求のための一筆書きの始点が入力される全ての前記情報処理装置に対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部と
を具備し、
前記誘導情報提供部は、送信先の各前記情報処理装置に対して、入力軌跡の位置、方向または入力タイミングの少なくとも一つが相違する前記誘導軌跡情報をそれぞれ送信するグルーピング装置。
【請求項7】
前記誘導軌跡情報は、前記入力軌跡の位置又は前記入力軌跡の方向を誘導する情報を更に含み、
前記誘導情報提供部は、複数の情報処理装置に対して前記入力軌跡の位置、前記入力軌跡の方向、および前記入力タイミングの少なくとも一つが相違する誘導軌跡情報を送信する請求項1から6のいずれかに記載のグルーピング装置。
【請求項8】
表示画面を有する複数の情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程と
をコンピュータが実行するグルーピング方法であって、
前記誘導軌跡情報は、前記表示画面の端部に前記入力軌跡が到達する時刻をコントロールするための入力タイミングを含む情報であるグルーピング方法。
【請求項9】
表示画面を有する複数の情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程と
をコンピュータが実行するグルーピング方法であって、
前記誘導軌跡情報を送信する工程は、前記入力軌跡の始点の入力開始時刻の差が所定の閾値以下である複数の前記情報処理装置に対して前記誘導軌跡情報を送信するグルーピング方法。
【請求項10】
表示画面を有する複数の情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程と
をコンピュータが実行するグルーピング方法であって、
前記誘導軌跡情報を送信する工程は、前記入力軌跡の始点の入力開始時刻の差が所定の閾値以下であり、かつ、該入力軌跡の始点の位置の差が所定の閾値以下である複数の前記情報処理装置に対して、前記誘導軌跡情報を送信するグルーピング方法。
【請求項11】
表示画面を有する複数の情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程と
をコンピュータが実行するグルーピング方法であって、
前記誘導軌跡情報は、軌跡入力を一時停止させる座標の情報と一時停止時間とを含むグルーピング方法。
【請求項12】
表示画面を有する複数の前記情報処理装置を複数のグループにグルーピング可能なグルーピング方法であって、
コンピュータが、
複数の前記情報処理装置のうち、グルーピング要求のための一筆書きの始点が入力される全ての前記情報処理装置に対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、
前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程と
を実行し、
前記誘導軌跡情報を送信する工程において、送信先の各前記情報処理装置に対して、入力軌跡の位置、方向または入力タイミングの少なくとも一つが相違する前記誘導軌跡情報をそれぞれ送信するグルーピング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルーピング装置及びグルーピング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、学校等の授業においてタブレット端末を生徒に配布し、タブレット端末を用いた授業が行われている。また、一つのテーブルに4人程度の生徒が集まり、各自のタブレット端末で編集したノートをグループ内で共有しながら授業を進めるグループワークも行われる。
【0003】
グループワークの場合には、同じグループに属する生徒のタブレット端末をグループ化する必要がある。例えば、特許文献1には、図22に示すように、グループ化したいタブレット端末を並べ、同じグループに属する全ての端末の表示画面を指などで一筆書きさせ、その軌跡からタブレット端末をグループ化する技術が提案されている。
【0004】
具体的には、特許文献1には、各タブレット端末の表示画面の端部に位置する点(例えば、図22の点b~i)を抽出し、抽出した複数の点のうち、入力時刻の差が閾値以内(例えば、0.5秒以内)であり、かつ、2点間の距離が近い点同士をペアとして定めて、グループ化を行うグループ化方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-208720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような学校の授業におけるグループワークでは、複数のグループが存在し、各グループにおいて、ほぼ同時刻にグループ化のための一筆書きの行動がとられる可能性がある。例えば、図23に示されるように、グループ1がタブレット端末TAB1~4で構成され、グループ2がタブレット端末TAB5~8で構成されている場合に、グループ1とグループ2とでほぼ同時刻に一筆書きが開始され、タブレット端末TAB1の点A、タブレット端末TAB2の点B、タブレット端末TAB5の点a、及びタブレット端末TAB6の点bについて、図24に示されるような入力座標と入力時刻とが得られた場合を想定する。
【0007】
この場合、特許文献1に開示のグルーピング手法では、グループ1に属する点Aの入力時刻(00:00:00:40)から0.5秒以内に入力された点として、タブレットTAB2の点Bと、タブレットTAB6の点bとが取得される。そして、点B及び点bのうち、点Aに近い点は、点bであるから、点Aと点bとがペアとなる点であると判別され、この結果、タブレットTAB1とTAB6とがグルーピングされる。このように、特許文献1に開示されたグルーピング方法では、複数のグループにおいてほぼ同時刻に一筆書きが開始されてしまった場合に、誤ったグルーピングがなされる可能性があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、グルーピングの精度を向上させることのできるグルーピング装置及びグループピング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一態様は、表示画面を有する複数の情報処理装置と接続されるグルーピング装置であって、複数の前記情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する誘導情報提供部と、前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行うグルーピング部とを具備し、前記誘導軌跡情報は、前記表示画面の端部に前記入力軌跡が到達する時刻をコントロールするための入力タイミングを含む情報であるグルーピング装置である。
【0010】
本発明の第二態様は、表示画面を有する複数の情報処理装置のうちの少なくとも1つに対して、前記表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する工程と、前記入力軌跡に基づいて複数の前記情報処理装置のグルーピングを行う工程とをコンピュータが実行するグルーピング方法であって、前記誘導軌跡情報は、前記表示画面の端部に前記入力軌跡が到達する時刻をコントロールするための入力タイミングを含む情報である
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、グルーピングの精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るグルーピングシステムの全体概略構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るグルーピング装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係るタブレット端末の概略外観図である。
図4】本発明の一実施形態に係るタブレット端末のハードウェアの構成を示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係るグルーピング装置が備えるグルーピング機能の一例を示した機能構成図である。
図6】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡テーブルの一例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡の誘導到達点について説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡の一例について説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡割当テーブルの一例を示した図である。
図10】本発明の一実施形態に係るグルーピングテーブルの一例を示した図である。
図11】本発明の一実施形態に係るタブレット端末において実行されるグルーピング要求処理の手順の一例を示したフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態に係るタブレット端末において実行されるグルーピング要求処理の手順の一例を示したフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡情報提供方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡が表示された表示画面例を示した図である。
図15】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡が表示された表示画面例を示した図である。
図16】本発明の一実施形態に係るグルーピング方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図17】本発明の一実施形態に係るグルーピング方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図18】本発明の一実施形態に係る入力軌跡テーブルの一例を示した図である。
図19】本発明の一実施形態に係るグルーピングテーブルの一例を示した図である。
図20】本発明の一実施形態に係る誘導軌跡が表示された他の表示画面例を示した図である。
図21】本発明の一実施形態に係るグルーピング方法に関し、タブレット端末に描かれる入力軌跡について説明するための図である。
図22】従来のグルーピング方法について説明するための図である。
図23】従来のグルーピング方法による課題について説明するための図である。
図24】従来のグルーピング方法による課題について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るグルーピング装置及びグルーピング方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るグルーピングシステムの全体概略構成を示した図である。図1に示すように、グルーピングシステムは、複数のタブレット端末(情報処理装置)と、グルーピング装置1とを備えている。複数のタブレット端末TAとグルーピング装置1とは通信媒体を介して接続されており、相互に情報の授受が可能な構成とされている。通信媒体は、有線、無線を問わず、一例として、無線LAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0014】
本実施形態では、情報処理装置の一例としてタブレット端末TAを例示するが、この例に限定されない。例えば、情報処理装置は、スマートフォン、2in1タブレット等でもよい。また、以下においては、タブレット端末TAをそれぞれ区別する必要がある場合には、タブレット端末TA1,TA2,・・・TA8等のように称し、区別する必要がない場合には、単にタブレット端末TAと称する。
【0015】
グルーピング装置1は、タブレット端末TAに入力された軌跡情報に基づいて複数のタブレット端末TAをグルーピングする。より具体的には、グルーピング装置1は、例えば、図21に示すように、グループ化したいタブレット端末(図21では、一例として、タブレット端末TA1~TA4)を並べ、同じグループに属する全ての端末の表示画面上を指などで一筆書きさせることで入力された入力軌跡からタブレット端末TAのグルーピングを行う。また、これらの入力軌跡からグルーピングを確実に行うために、本実施形態に係るグルーピング装置1では、ある条件を満たすタブレット端末TAに対して誘導軌跡情報を送信することで、タブレット端末TAの表示画面に誘導軌跡を表示させる。これにより、ユーザによる軌跡の入力を誘導し、他のグループにおいて入力される入力軌跡との差別化を行えるようにしている。
【0016】
図2は、グルーピング装置1のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。図2に示すように、グルーピング装置1は、例えば、コンピュータシステムであり、CPU(Central Processing Unit)11、CPU11が実行するプログラム及びこのプログラムにより参照されるデータ等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能する主記憶装置13、ネットワークに接続するための通信部14等を備えている。また、グルーピング装置1は、入力部や表示部等を更に備えていてもよい。これら各部は、例えば、バス15を介して接続されている。補助記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気ディスク、光磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリ等が一例として挙げられる。
【0017】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、グルーピングプログラム)の形式で補助記憶装置12に記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置12に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0018】
図3は、本実施形態に係るタブレット端末TAの概略外観図である。
タブレット端末TAは、筐体21を備える。筐体21は、例えば、略矩形であり、正面には画像を表示するタッチパネルディスプレイ22が設けられる。
筐体21の正面又は背面には、カメラ、スピーカー、マイク等が設けられてもよい。さらに、筐体21の側面には、タブレット端末TAの電源をオン又はオフするためのボタン等の操作手段や、他の情報処理装置や記憶媒体等と接続可能なUSB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標:High-Definition Multimedia Interface)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格等の接続手段等が設けられてもよい。
【0019】
図4は、タブレット端末TAのハードウェアの構成を示す概略図である。
タブレット端末TAは、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、メモリ33、LCD(Liquid Crystal Display)34、グラフィクスアダプタ35、タッチセンサ36、入力コントローラ37、フラッシュメモリ38、通信デバイス39、電源回路40等を備えており、各部はバス45を介して直接または間接的に接続されている。なお、タッチパネルディスプレイ22は、LCD34とタッチセンサ36を含んで構成される。
【0020】
CPU31は、バス45を介して接続されたフラッシュメモリ38に格納されたOS(Operating System)によりタブレット端末TA全体の制御を行うとともに、フラッシュメモリ38に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を有する。また、CPU31は、所定の指示に応じて処理能力の変更を可能とする。
ROM32は、BIOS(Basic Input/Output System)や各種データ等を格納している。
メモリ33は、キャッシュメモリやRAM(Random Access Memory)で構成されており、CPU31の実行プログラム(例えば、制御プログラム)の読み込み、及び実行プログラムによる処理データの書き込みを行う作業領域として利用される書き込み可能なメモリである。
【0021】
LCD34は、CPU31の制御に従って、グラフィクスアダプタ35からのビデオ信号を画像として表示する。なお、表示装置はこの例に限定されない。例えば、LDC34に代えて有機EL等を用いた表示装置とされていてもよい。
グラフィクスアダプタ35は、CPU31の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号をLCD34に出力する。
【0022】
タッチセンサ36は、例えば、LCD34へのユーザの指や電子ペン等のポインティングデバイスの接触位置を検出して、入力コントローラ37に出力する。本実施形態において、タッチセンサ36は、電子ペンによる接触位置を電磁誘導方式により検出し、指による接触位置を静電容量方式により検出する、所謂、2レイヤーにより接触位置を検出する。しかしながら、タッチセンサ36による接触位置の検出方式はこれに限られず、公知の技術を適宜採用することが可能である。
入力コントローラ37は、プロセッサがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種処理を行い、タッチセンサ36の動作を制御する。
【0023】
フラッシュメモリ38は、例えば、Windows(登録商標),iOS(登録商標)、Android(登録商標)等のタブレット端末TA全体の制御を行うためのOS、周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ、特定業務に向けられたアプリケーション、及び各種データやファイル等を格納する機能を有する。なお、タブレット端末TAは、フラッシュメモリ38に替わる記憶手段としてHDD(Hard Disk Drive)等、他の記憶手段を備えてもよい。
【0024】
通信デバイス39は、ネットワークを介して他のデバイス(例えば、グルーピング装置1)との通信を制御する。
電源回路40は、ACアダプタ、電池、電池を充電するための充電器、及びDC/DCコンバータ等を備えており、CPU31の制御に従って、各デバイスに電力を供給する。
【0025】
図5は、グルーピング装置1が備えるグルーピング機能の一例を示した機能構成図である。なお、図5に示した各部により実現される後述の各種機能は、CPU11(図2参照)が補助記憶装置12に記憶されているグルーピングプログラムを主記憶装置13に読み出して実行することにより実現されるものである。
【0026】
図5に示すように、グルーピング装置1は、通信部51、情報取得部52、入力軌跡情報記憶部53、誘導軌跡情報提供部(誘導情報提供部)54、及びグルーピング部55を備えている。
通信部51は、例えば、各タブレット端末TA1~TA8から入力軌跡の座標情報及び入力時刻を含む判定用情報を受信するとともに、グルーピング結果であるグルーピングIDを各タブレット端末TA1~TA8へ送信する。なお、判定用情報及びグルーピングIDの詳細については後述する。
【0027】
情報取得部52は、通信部51を介して各タブレット端末TAから受信した判定用情報を入力軌跡情報記憶部53に格納する。
入力軌跡情報記憶部53は、各タブレット端末の識別情報である装置IDに関連付けて、当該タブレット端末から受信した判定用情報に基づく情報を登録した入力軌跡テーブルを格納する。図18に入力軌跡テーブルの一例を示す。図18に示すように、入力軌跡テーブルには、各タブレット端末において入力された入力軌跡の始点と終点について、それぞれ座標情報と入力時間とが登録されている。
【0028】
誘導軌跡情報提供部54は、例えば、複数のタブレット端末TAのうちの少なくとも1つに対して、表示画面にユーザによって入力される入力軌跡を誘導する誘導軌跡情報を送信する。また、誘導軌跡情報提供部54は、複数のタブレット端末TAに対して誘導軌跡情報を送信する場合には、後述するように、入力軌跡の位置、方向または入力タイミングの少なくとも一つが相違する誘導軌跡情報を送信する。より具体的には、各タブレット端末TAに送信される誘導軌跡情報は、タッチパネルディスプレイ22の端部における位置及び該軌跡到達点への到達時刻の少なくとも一つが互いに相違する誘導軌跡情報とされる。
誘導軌跡情報提供部54は、例えば、所定の条件を満たす入力情報を受信した場合に、その入力情報の送信元である各タブレット端末TAに対して誘導軌跡情報を送信する。
本実施形態では、所定の条件を満たす入力情報を受信した場合として、入力軌跡の開始時刻の差が所定の期間内である場合を例示して説明する。
【0029】
誘導軌跡情報提供部54は、例えば、判定部61、誘導軌跡情報データベース62、及び誘導軌跡情報管理部63を備えている。
判定部61は、各タブレット端末TAから受信した判定用情報に基づいて、誘導軌跡情報を送信する対象となるタブレット端末TAか否かを判定する。
誘導軌跡情報データベース62には、複数の誘導軌跡情報が格納されている。これら誘導軌跡情報は、入力軌跡の位置、方向または入力タイミングの少なくとも一つを誘導する情報とされている。ここで、入力タイミングを誘導する情報とは、表示画面の端部に入力軌跡が到達する時刻をコントロールするための誘導情報であり、例えば、ユーザによる入力軌跡の入力開始タイミングを指示する情報、入力軌跡の途中で入力を一時停止させる情報、表示画面の端部に入力軌跡が到達するタイミングを直接的に指示する情報等が挙げられる。
また、誘導軌跡情報は、表示画面の端部までユーザの入力軌跡を誘導するような情報であってもよいし、表示画面の端部まで到達せずに、途中まで誘導するような情報であってもよい。
本実施形態では、表示画面の端部まで入力軌跡を誘導する場合を例示して説明する。
【0030】
例えば、誘導軌跡情報データベース62には、軌跡IDと誘導軌跡情報とが関連付けられた誘導軌跡テーブルが格納されている。図6に誘導軌跡テーブルの一例を示す。誘導軌跡情報は、例えば、誘導軌跡を描くための関数(形状)と表示画面の端部における誘導到達点の座標(誘導先)とを含む情報である。図6の例では、形状として楕円弧、S字、ループ、直線等が登録され、誘導到達点の座標として、図7に示すように、表示画面の右上方領域における座標「右上」、右中央領域における座標「右中」、右下方領域における座標「右下」が登録されている。
【0031】
なお、誘導軌跡情報の始点は、共通の始点とされていてもよいし、誘導軌跡情報を送信する度に、任意に始点を設定することとしてもよい。例えば、誘導軌跡情報は、軌跡開始点の座標と、軌跡終了点の座標(これは、誘導到達点に相当する)を所定の関数に入力することにより、一定の曲線又は直線を定義できるような情報とされている。このように、誘導軌跡情報は、タブレット端末TAのLCD34に誘導軌跡(誘導線)を表示させるのに必要十分な情報が予め用意されていれば足りる。
【0032】
また、誘導軌跡情報は、図8に示すように、軌跡の途中で一旦停止させるようなものであってもよい。この場合、図6に示した誘導軌跡情報に、一旦停止させる座標と、一旦停止させる時間が更に含まれていればよい。
【0033】
誘導軌跡情報管理部63は、判定部61によって誘導軌跡情報の送信対象であると判定された各タブレット端末TAに対して、誘導軌跡情報データベース62に格納されている誘導軌跡テーブルから互いに異なる誘導軌跡情報を割り当て、割り当てた誘導軌跡情報をタブレット端末TAに対して送信するとともに、装置IDと誘導軌跡情報の軌跡IDとを関連付けて記憶する。図9は、装置IDと軌跡IDとが関連付けられた誘導軌跡割当テーブルの一例を示した図である。誘導軌跡情報管理部63は、誘導軌跡情報を割り当てる度に、誘導軌跡割当テーブルを更新する。
【0034】
グルーピング部55は、タブレット端末TAから受信した判定用情報、換言すると、入力軌跡情報記憶部53に格納されている入力軌跡テーブルに基づいてグルーピングを行う。
例えば、グルーピング部55は、抽出部71と、距離算出部72と、グループ判別部73と、グループ記憶部74とを備えている。
抽出部71は、入力軌跡情報記憶部53に格納されている入力軌跡テーブルから、互いに異なるタブレット端末TAにおける始点と終点であって、それらの入力時刻の差が所定の閾値以下(例えば、0.5秒以下)である点をペア候補の点として抽出する。
【0035】
距離算出部72は、抽出部71によって抽出されたペア候補の点間の距離を算出する。グループ判別部73は、距離算出部72によって算出された距離に基づいてペアの点を特定し、これらペアの点が描かれたタブレット端末を同じグループとしてみなしてグルーピングし、この結果に基づいてグループ記憶部74に格納されているグルーピングテーブルを更新する。
【0036】
図10は、グルーピングテーブルの一例を示した図である。図10に示すように、グルーピングテーブルでは、同じグループに属するタブレット端末の装置IDに対して共通のグループIDが登録されている。また、図10に示すグルーピングテーブルでは、一例として、グループ内における各タブレット端末TAの配置位置(ここでは、左上、右上、右下、左下)が登録されている。
【0037】
次に、本実施形態に係る各タブレット端末TAにおいて実行されるグルーピング要求方法について図11及び図12を参照して説明する。図11及び図12は、タブレット端末TAにおいて実行されるグルーピング要求方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。タブレット端末TAにおいては、グルーピング要求開始のための入力操作がユーザによって行われたときに、グルーピング要求処理が開始される。グルーピング要求開始のための入力操作とは、例えば、タブレット端末TAの表示画面に表示されているグループ化ボタンをユーザが操作した場合等が挙げられる。
【0038】
まず、グルーピング要求開始のための所定の入力操作がユーザによって行われると、各タブレット端末TAは自機の装置IDとグループ化開始信号と自機の画面解像度に関する情報(例えば、1920×1200)を関連付けてグルーピング装置1に送信する(SA1)。続いて、グルーピング装置1との時刻同期を行い(SA2)、入力待機モードとなる。
【0039】
続いて、ユーザによって軌跡入力が開始されたか否かを判定し(SA3)、軌跡入力がされた場合には(SA3:YES)、軌跡の始点となる入力座標の座標情報と入力時刻と自機の装置IDとを関連付けた判定用情報をグルーピング装置1に送信する(SA4)。ここで、軌跡入力の開始は、例えば、タッチパネルディスプレイ22に対してユーザの指や電子ペン等のポインティングデバイスが接触したときであり、具体的には、入力軌跡の始点(一筆書きの始点、すなわち、図21における点ST)や入力軌跡が複数のタブレット端末TAを跨いで更に描き続けられたときに該当する。以下、図21における一筆書きの始点STを入力軌跡の始点ともいう。
なお、一筆書きの始点は、表示画面の端部以外又は端部近傍以外の位置になることが好ましい。このため、例えば、ユーザが表示画面の端部または端部近傍から入力軌跡を描き始めた場合には、ユーザに対して、「画面の中央又は左側から描いてください。」などと案内を表示し、もう一度軌跡を開始するように促してもよい。
【0040】
続いて、誘導軌跡情報を受信したか否かを判定し(SA5)、誘導軌跡情報を受信した場合には(SA5:YES)、誘導軌跡情報に基づく誘導軌跡を表示画面に表示させ(SA6)、ステップSA7に移行する。一方、ステップSA5において、誘導軌跡情報を受信しなかった場合には(SA5:NO)、誘導軌跡を表示させることなく、ステップSA7に移行する。
【0041】
ステップSA7では、ユーザによる軌跡入力が終了したか否かを判定し、終了していない場合には(SA7:NO)、ステップSA5に戻る。一方、ユーザによる軌跡入力が終了した場合には(SA7:YES)、入力軌跡の終点の入力座標と入力時刻と自機の装置IDとを関連付けた判定用情報をグルーピング装置1に送信する(SA8)。なお、ユーザによる軌跡入力が終了した場合とは、タッチパネルディスプレイ22に対するユーザの指や電子ペン等による接触がなくなったときであり、具体的には入力軌跡の終点や入力軌跡が複数のタブレット端末TAを跨ぐときに該当する。
【0042】
続いて、グルーピング装置1からグループ化されたタブレット端末TAに共通に割り当てられるグループIDを受信したか否かを判定する(図12のSA9)。この結果、グループIDを受信した場合には(SA9:YES)、タッチパネルディスプレイ22にグループIDを表示させるとともに(SA10)、グループ確定ボタン及びグループ解除ボタンを表示させる。グループ確定ボタンは、例えば、グルーピング装置1によるグルーピング結果が正しい場合にユーザによって操作されるボタンであり、グループ解除ボタンは、グルーピング装置1によるグルーピング結果が誤りである場合にユーザによって操作されるボタンである。例えば、ユーザは、同じグループの全てのタブレット端末TAのタッチパネルディスプレイ22に同じグループIDが表示された場合には、グルーピング結果が正しいと判断し、グループ確定ボタンを押下する。一方、同じグループの一部のタブレット端末TAのタッチパネルディスプレイ22にグループIDが表示されていない場合、あるいは、表示されたグループIDが異なっている場合には、グルーピング結果が誤りであると判断し、グルーピング解除ボタンを押下する。
続いて、グループを確定させるグループ確定ボタンが操作された場合には(SA11)、グループ確定信号をグルーピング装置1に送信するとともに(SA12)、グループIDを保持し(SA13)、本処理を終了する。
【0043】
一方、グループ確定ボタンが操作されず、グループ解除ボタンが操作された場合には(SA11:NO)、グループ解除信号をグルーピング装置1に送信し(SA14)、処理を終了する。この場合、再度グループ化が必要な場合は、ユーザはグルーピング要求開始のための所定の入力操作を再度行い、軌跡の入力操作を再び行う。
【0044】
次に、グルーピング装置1において行われる誘導軌跡情報提供方法について図13を参照して説明する。図13は誘導軌跡情報提供方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0045】
まず、グルーピング装置1は、タブレット端末TAからグループ化開始信号と装置IDとを受信すると(SB1)、グループ化開始信号を受信したタブレット端末TAと時刻同期を行う(SB2)。ここで、グループ化開始信号は、上述したように、グルーピング要求開始のための入力操作、例えば、タブレット端末TAの表示画面に表示されているグループ化ボタンをユーザが操作した場合等に、装置IDとともにタブレット端末TAからグルーピング装置1に送信される信号である。このグループ化開始信号をグルーピング装置1が受信することにより、グループ化の処理である誘導軌跡情報提供方法の処理が開始される。
【0046】
続いて、タブレット端末TAから判定用情報を受信したか否かを判定し(SB3)、受信した場合には(SB3:YES)、判定用情報に基づいて入力軌跡情報記憶部53の入力軌跡テーブル(図18参照)を更新し(SB4)、受信した座標情報に基づいて一筆書きの始点か否かを判定する(SB5)。一筆書きの始点か否かは、受信した座標が表示画面の端部の座標か否かによって判定可能である。すなわち、ユーザが一筆書きを描き始める際に、タブレット端末TAのタッチパネルディスプレイ22の端部から軌跡を描き始めることは考えられないため、受信した座標がタブレット端末TAのタッチパネルディスプレイ22の端部の座標でなければ、一筆書きの始点と判定する。
【0047】
続いて、一筆書きの始点であると判定した場合には(SB5:YES)、直前に受信した一筆書きの始点の入力時刻と今回受信した一筆書きの始点の入力時刻との差が所定の閾値以下であるか否かを判定する(SB6)。すなわち、複数のグループにおいて、ほぼ同時刻にグルーピング要求のための一筆書きが開始されたか否かを判定する。この結果、入力時刻の差が所定の閾値以下である場合には(SB6:YES)、誘導軌跡情報データベース62から互いに異なる軌跡IDの誘導軌跡情報を選択し(SB7)、選択した各誘導軌跡情報を一筆書きの始点が入力された各タブレット端末TAに送信するとともに(SB8)、誘導軌跡割当テーブル(図9参照)を更新する(SB9)。すなわち、誘導軌跡情報の軌跡IDと誘導軌跡情報を送信したタブレット端末TAの装置IDとを関連付けて誘導軌跡割当テーブルに登録し、ステップSB10に移行する。
【0048】
一方、判定用情報を受信していない場合(SB3:NO)、受信した判定用情報が一筆書きの始点に関する情報でないと判定した場合(SB5:NO)、又は入力時刻の差が所定の閾値を超えていた場合(SB6:NO)には、ステップSB10に移行する。
【0049】
続いて、ステップSB10において、全てのタブレット端末TAについてグループ化が終了したか否かを判定し、終了した場合には本処理を終了する。一方、グループ化が終了していなかった場合には、ステップSB3に戻り、上述の処理を繰り返し行う。
【0050】
このように、本実施形態に係る誘導軌跡情報提供方法では、所定の期間内に複数のタブレット端末TAにおいて一筆書きが開始された場合に、それらのタブレット端末TAに対して、誘導軌跡情報を送信する。これにより、タブレット端末TA(例えば、タブレット端末TA1,TA5)に、例えば、互いに異なる曲線を描く誘導軌跡を表示させることができる。図14は一例としてのタブレット端末TA1の表示画面例、図15は一例としてのタブレット端末TA5の表示画面例である。
【0051】
ユーザは、表示された誘導軌跡に従って軌跡入力を行うことで、当該タブレット端末TA1、TA5における入力軌跡の終点を所定距離以上異ならせることができるとともに、端部への到達時刻を所定時間以上異ならせることができる。これにより、後述するグルーピング処理において、ペアとなるタブレット端末を確実に特定でき、グルーピングの精度を高めることが可能となる。
【0052】
次に、グルーピング装置1によって実行されるグルーピング方法について図16及び図17を参照して説明する。図16及び図17は、本実施形態に係るグルーピング方法の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0053】
グルーピング方法では、誘導軌跡情報提供方法のステップSB4において入力軌跡情報記憶部53に格納された入力軌跡テーブルを用いてタブレット端末TAのグルーピングが行われる。入力軌跡情報記憶部53には、図18に示すように、タブレット端末TAの装置ID毎に、入力軌跡の始点(一筆書きの始点を含む)の座標と入力時刻、及び入力軌跡の終点の座標と入力時刻がそれぞれ登録されている。以下、図18に示した入力軌跡テーブルを参照しながら、グルーピング方法について具体的に説明する。
【0054】
まず、入力軌跡テーブルから、対象となる装置ID(例えば、装置ID=1)を特定し、装置ID=1の終点の入力時刻(00:00:01:20)を取得する。続いて、取得した入力時刻との差が所定の閾値以内(例えば、0.5秒以内)の始点の情報をペア候補の点として抽出する(SC1)。この結果、例えば、装置ID=2の始点と、装置ID6の始点とがペア候補として抽出される。
続いて、抽出したペア候補の点との距離をそれぞれ算出し(SC2)、算出した距離に基づいて同じグループに属する装置IDを特定する。具体的には、算出した距離が最も短いペア候補をペアとして特定する(SC3)。例えば、装置ID=1の終点と装置ID=2の始点との距離は、装置ID=1の終点と装置ID=6の始点との距離よりも短いので、装置ID=1と装置ID=2とが同じグループであると判定する。なお、距離に代えて、Y座標値の差であってもよい。この場合、装置ID=1と装置ID=2とのY座標値の差は、40(=340-300)であるのに対し、装置ID=1と装置ID=6とのY座標値の差は、750(=1050-300)となり、同じ結果が得られる。
【0055】
続いて、ペアとして特定した装置IDを関連付けてグルーピングテーブル(図10参照)を更新する(SC4)。グルーピングテーブルは、同じグループに属するタブレット端末の装置IDに対して、共通のグループIDを登録したテーブルである。また、グルーピングテーブルには、同じグループにおいて、各タブレット端末がどの位置に配置されているのかを示す配置位置についても登録されてもよい。
【0056】
続いて、グループ化開始信号を受信した全てのタブレット端末TAについてグループ化されたか否かを判定する(SC5)。この結果、全てのタブレット端末TAについてのグループ化が終了していなければ(SC5:NO)、ステップSC1に戻り、同様の処理を繰り返し行う。これにより、図19に示すように、グルーピングテーブルに登録されている全ての装置IDに対してグループIDが登録されると、全てのタブレット端末TAに対してグループ化が終了したと判定し(SC5:YES)、各タブレット端末TAに対してグループIDを送信する(SC6)。
【0057】
続いて、全てのグループからグループ確定信号を受信したか否かを判定する(図17のSC7)。この結果、全てのグループからグループ確定信号を受信していない場合には(SC7:NO)、グループ解除信号を受信したか否かを判定する(SC8)。この結果、グループ解除信号を受信していない場合には(SC8:NO)、ステップSC7に戻る。
一方、グループ解除信号を受信した場合には(SC8:YES)、受信したグループに関する情報(例えば、誘導軌跡テーブル、入力軌跡テーブル、誘導軌跡割当テーブル)をリセットし(SC9)、ステップSC1に戻る。これにより、グルーピングを誤ったグループについては再度グルーピングが行われる。
【0058】
一方、全てのグループからグループ確定信号を受信した場合には(SC7:YES)、グループ化を確定し(SC10)、誘導軌跡テーブル、入力軌跡テーブル、誘導軌跡割当テーブルを初期化し(SC11)、本処理を終了する。
【0059】
以上説明してきたように、本実施形態に係るグルーピング装置1及びグルーピング方法によれば、グルーピング要求のための軌跡入力がほとんど同じ時刻(例えば、0.5秒以内)に開始されたタブレット端末TAに対して、表示画面の端部における軌跡到達点及び該軌跡到達点への到達時刻の少なくとも一つが相違する誘導軌跡を表示させることができる。これにより、誘導軌跡が表示されたタブレット端末TAに隣接するタブレット端末への入力軌跡の始点の座標またはタイミングを異なるグループ間で異ならせることが可能となる。これにより、ペアの点をより確実に、また、精度よく特定することができ、グルーピング精度を向上させることが可能となる。
【0060】
なお、本実施形態においては、グルーピング要求のための軌跡の入力がほとんど同じ時刻に開始されたタブレット端末を誘導軌跡情報の送信対象としていたが、誘導軌跡情報の送信対象となるタブレット端末はこの例に限定されない。例えば、グルーピング要求のための軌跡の入力が所定の時間内に行われ、かつ、一筆書きの始点ST(図21参照)の位置の差が所定の閾値以下である場合(換言すると、ほぼ同じ時刻に、ほぼ同じ座標位置において軌跡入力が開始された場合)に、この条件を満たすタブレット端末に対して誘導軌跡情報を送信することとしてもよい。また、このような条件を設けずに、一筆書きの始点ST(図21参照)が入力された全てのタブレット端末TAに対して誘導軌跡情報を送信することとしてもよい。あるいは、タブレット端末TAでグルーピング開始のためのボタン(例えば「タブレットグループ作成」ボタン。:図示せず)が操作されたことをきっかけに、タブレット端末TAに対して誘導軌跡情報を送信することとしてもよい。
【0061】
更に、上述した実施形態では、図14、15に示すように、4つのタブレット端末TAを縦2列横二列で配置させ、更に、左上のタブレット端末から一筆書きを描き始める場合を想定して説明したが、例えば、どのような配置やどのような台数のグルーピングにも対応できるように、図20に示すように、表示画面の4隅のそれぞれに到達点を持つ誘導軌跡情報をタブレット端末に送信することとしてもよい。この場合、図6に示したような誘導軌跡テーブルにおいて、誘導先を更に下、左、上とした誘導軌跡テーブルを更に設け、各誘導軌跡テーブルからそれぞれ一つずつ誘導軌跡情報を選択すればよい。このように、表示画面の4隅全てに到達点を持つ誘導軌跡を表示させることにより、ユーザの軌跡入力に自由度を持たせることができるとともに、従来に比べてグルーピングの精度を向上させることが可能となる。また、このような誘導軌跡を表示させる場合は、全てのタブレット端末に対して誘導軌跡を表示させることとしてもよい。
【0062】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した各処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 :グルーピング装置
11 :CPU
12 :補助記憶装置
13 :主記憶装置
14 :通信部
15 :バス
21 :筐体
22 :タッチパネルディスプレイ
31 :CPU
32 :ROM
33 :メモリ
34 :LCD
35 :グラフィクスアダプタ
36 :タッチセンサ
37 :入力コントローラ
38 :フラッシュメモリ
39 :通信デバイス
40 :電源回路
45 :バス
51 :通信部
52 :情報取得部
53 :入力軌跡情報記憶部
54 :誘導軌跡情報提供部(誘導情報提供部)
55 :グルーピング部
61 :判定部
62 :誘導軌跡情報データベース
63 :誘導軌跡情報管理部
71 :抽出部
72 :距離算出部
73 :グループ判別部
74 :グループ記憶部
TA(TA1~TA8):タブレット端末
図1
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