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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20220817BHJP
   H01L 33/46 20100101ALI20220817BHJP
   H01L 33/10 20100101ALI20220817BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/46
H01L33/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020193621
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2021141307
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】202010151268.0
(32)【優先日】2020-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】310014779
【氏名又は名称】隆達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】蔡沛修
(72)【発明者】
【氏名】陳怡如
(72)【発明者】
【氏名】許乃偉
(72)【発明者】
【氏名】余威徴
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0198022(US,A1)
【文献】特開2017-092477(JP,A)
【文献】特許第6635206(JP,B1)
【文献】特開2017-120874(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0024555(KR,A)
【文献】特開2018-121058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電極を有する発光素子であって、
半導体構造と、
前記半導体構造の一部に設けられる反射構造と、
前記反射構造の上面の第1部を被覆する第1の凸出部と、前記反射構造の前記上面の第2部を被覆する第2の凸出部と、前記反射構造の前記上面の前記第1部と前記第2部との間の第3部を露出させ、且つ前記第1の凸出部と前記第2の凸出部の間に位置する第1の凹み部と、前記半導体構造の周縁部の上面に位置する第1の周縁の上面を露出させる第2の凹み部と、を含む第1の絶縁構造と、
前記第1の凸出部に設けられ、前記第2の凹み部によって前記半導体構造の前記第1の周縁の上面に電気的に接触する第1の導電部と、前記第2の凸出部に設けられ、前記第1の凹み部によって前記反射構造の前記第3部に電気的に接触する第2の導電部と、前記第1の導電部と前記第2の導電部の間に位置し、前記第1の導電部と前記第2の導電部を電気的に隔離する凹溝部と、を含む導電構造と、
前記第1の導電部に設けられる第1のパッドと、(ここで、第1の電極は前記第1のパッドと前記第1の導電部で形成される。)
前記第2の導電部に設けられる第2のパッドと、(ここで、第2の電極は前記第2のパッドと前記第2の導電部で形成される。)
を備え、
前記第1のパッドと前記第2のパッドの真下の領域内の各構造の何れも平坦状に積層し、且つ如何なる凸状又は凹状の設計も存在しない発光素子。
【請求項2】
前記導電構造は、水平方向に前記導電構造の中心へ凹む形状となるように、前記導電構造の周縁に位置する複数の内凹部を更に含む請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第1の絶縁構造は、前記半導体構造の第2の周縁の上面を被覆する第3の凸出部を更に含み、
前記第2の周縁の上面は、前記半導体構造の前記周縁部の前記上面にあって、前記第1の周縁の上面の外側に位置する請求項1又は2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記導電構造の一部と前記第3の凸出部を被覆し、前記凹溝部によって前記第1の絶縁構造の前記第1の凸出部に接触し、前記第1のパッドと前記第2のパッドを対応的に露出させる形状を含む第2の絶縁構造を更に備え、
前記導電構造の前記一部と前記第3の凸出部は、前記第1のパッドと前記第2のパッドの真下の前記領域外に位置する請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記第2の絶縁構造は、前記第1のパッド及び前記第2のパッドに直接つながっていない請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記半導体構造は、下から上へ順に第1の半導体層、活性層及び第2の半導体層を含む請求項1~5の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項7】
前記活性層、前記第2の半導体層、前記反射構造の前記第1部、及び前記第1の絶縁構造の前記第1の凸出部を通過して前記第1の半導体層を露出させる少なくとも1つの貫通孔を更に含み、前記第1の導電部は前記貫通孔によって前記第1の半導体層に接触する請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
基板を更に備え、前記半導体構造は前記基板に設けられる請求項1~7の何れか1項に記載の発光素子。
【請求項9】
前記第1の絶縁構造は、前記反射構造の上面及び前記半導体構造の側壁に形成されるブラッグ反射鏡を更に含み、前記ブラッグ反射鏡の構造は、各々隣接するサブ層の屈折率と異なる屈折率を有する複数対のサブ層を含む請求項1~8の何れか1項に記載の発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子に関し、特に、フリップチップ型の発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)は、半導体材料製の発光素子であり、電気エネルギーを光に変換することができ、体積が小さく、エネルギー変換効率が高く、寿命が長く、省電力である等のメリットを有するため、様々な電子装置の光源に広く適用されている。
【0003】
現在、フリップチップ型発光ダイオードは、従来の発光ダイオードの発光効率を向上させたが、電流拡散の不均一により発光輝度が低く、且つ共結晶面の不整により応力抵抗力が低くなる。これに鑑みて、従来の技術には改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一実施形態の目的は、均一な発光と高応力抵抗力の効果を達成させる発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、半導体構造と、半導体構造の一部に設けられる反射構造と、第1の凸出部、第2の凸出部、第1の凹み部及び第2の凹み部を含み、該第1の凸出部が反射構造の第1部を被覆し、該第2の凸出部が反射構造の第2部を被覆し、該第1の凹み部が反射構造の第1部と第2部との間の第3部を露出させ、且つ第1の凸出部と第2の凸出部を仕切り、該第2の凹み部が半導体構造の第1の周縁の上面を露出させる第1の絶縁構造と、第1の導電部、第2の導電部及び凹溝部を含み、該第1の導電部が第1の凸出部に設けられ、第2の凹み部によって半導体構造の第1の周縁の上面に接触し、該第2の導電部が第2の凸出部に設けられ、第1の凹み部によって反射構造の第3部に接触し、該凹溝部が第1の導電部と第2の導電部を仕切る導電構造と、第1の導電部に設けられる第1のパッドと、第2の導電部に設けられる第2のパッドと、を備え、第1のパッドと第2のパッドの真下の各構造の何れも平坦状に積層し、且つ如何なる凸状又は凹状の設計も存在しない発光素子を提供する。
【0006】
ある実施形態において、導電構造は、水平方向に導電構造の中心へ収縮するように、導電構造の周縁に位置する複数の内凹部を更に含む。
【0007】
ある実施形態において、第1の絶縁構造は、第1の周縁の上面の外側に位置する半導体構造の第2の周縁の上面を被覆する第3の凸出部を更に含む。
【0008】
ある実施形態において、発光素子は、導電構造と第3の凸出部を被覆し、凹溝部によって第1の絶縁構造の前記第1の凸出部に接触し、第1のパッドと第2のパッドを対応的に露出させる形状を含む第2の絶縁構造を更に備える。
【0009】
ある実施形態において、第2の絶縁構造は、第1のパッド及び第2のパッドに直接つながっていない。
【0010】
ある実施形態において、半導体構造は、下から上へ順に第1の半導体層、活性層及び第2の半導体層を含む。
【0011】
ある実施形態において、発光素子は、活性層、第2の半導体層、反射構造の第1部、及び第1の絶縁構造の第1の凸出部を通過して第1の半導体層を露出させる少なくとも1つの貫通孔を更に含み、第1の導電部は貫通孔によって第1の半導体層に接触する。
【0012】
ある実施形態において、発光素子は、基板を更に含み、半導体構造は基板に設けられる。
【0013】
ある実施形態において、第1の絶縁構造は、反射構造の上面及び半導体構造の側壁に形成されるブラッグ反射鏡を更に含み、ブラッグ反射鏡の構造は、各々隣接するサブ層の屈折率と異なる屈折率を有する複数対のサブ層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を図面に合わせて読めば最も理解されやすくなる。注意すべきなのは、業界基準の操作手順によると、各種の特徴構造は縮尺通りに描かれていないこともある。実際には、議論の明確性のために、様々な構成の寸法は随意に増大させられ又は減少させられることがある。下記図面の説明は、本発明の前記または他の目的、特徴、メリット、実施例をより分かりやすくするためのものである。
図1】本開示の一実施形態の発光素子を示す上面図である。
図2図1の線分A-A’に沿って開示する発光素子の断面図である。
図3図1の線分B-B’に沿って開示する発光素子の断面図である。
図4図1で開示される発光素子の半導体構造の平面図である。
図5図1で開示される発光素子の反射構造の平面図である。
図6図1で開示される発光素子の第1の絶縁構造の平面図である。
図7図1で開示される発光素子の導電構造の平面図である。
図8図1で開示される発光素子の第2の絶縁構造の平面図である。
図9図1で開示される発光素子の第1のパッドと第2のパッドの平面図である。
図10】本開示の実施形態の一例を示した発光素子の導電構造を示す平面図である。
図11】本開示の実施形態の一例を示した発光素子の導電構造を示す平面図である。
図12】本開示の実施形態の一例を示した発光素子の導電構造を示す平面図である。
図13】本開示の実施形態の一例を示した発光素子の導電構造を示す平面図である。
図14】本開示の実施形態の一例を示した発光素子の導電構造を示す平面図である。
図15】本開示の実施形態の一例を示した発光素子を示す平面図である。
図16】本開示の実施形態の一例を示した発光素子を示す平面図である。
図17】本開示の実施形態の一例を示した発光素子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示内容の記述をより詳細化して、充実させるためには、以下、本発明の実施態様と具体的な実施例について、説明的な描述を提出するが、これは本発明の具体的な実施例を実施又は運用する唯一の形式ではない。下記開示された各実施例は、有益な状況で互に組み合わせ又は取って代ってもよいし、1つの実施例に他の実施例を加えてもよく、更に記載し又は説明する必要はない。以下の叙述において、下記の実施例を読者に十分に理解させるために、多くの所定の細部を詳しく記述する。しかしながら、これらの所定の細部がない場合でも、本発明の実施例を実行することができる。
【0016】
また、「下」、「上」等の空間の相対的な用語は、ある要素又は特徴と、他の要素又は特徴との図面における相対的関係を記述しやすくするためのものである。これらの空間上の相対的な用語は、図面に示す方位以外の、使用又は操作の時の異なる方位を含むことを目指す。装置は、別の方法で配置されてもよく(90°回転又は他の方位)、これに対して、ここで用いられる空間的相対記述は、対応的に解釈される。
【0017】
本明細書において、本文で冠詞について特に限定しない限り、「一つ」と「前記」は、単一又は複数のものを指してよい。更に理解されるのは、本明細書で用いられる「含む」、「備える」、「有する」及び類似の用語は、記載される特徴、領域、整数、工程、操作、素子及び/又は部材を指すが、その記述又は追加する一つ又は複数の他の特徴、領域、整数、工程、操作、素子、部材、及び/又はその中の群を排除しない。
【0018】
以下、本開示の発光素子をより詳しく説明するために、複数の実施例及び実験例を挙げるが、単に例示的に説明するためのものであり、本開示を限定するものではなく、本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲により定められたものを基準とすべきである。
【0019】
本開示のある実施形態において、下記の図面を参照されたい。図1は本開示の一実施形態の発光素子を示す上面図であり、図2図1の線分A-A’に沿って開示する発光素子の断面図であり、図3図1の線分B-B’に沿って開示する発光素子の断面図である。図4図9は、図1で開示される発光素子の流れ図である。本開示の発光素子は、基板10、半導体構造20、反射構造30、第1の絶縁構造40、導電構造50、第2の絶縁構造60、第1のパッド70、第2のパッド80及び貫通孔90を含む。
【0020】
基板10は、サファイア(sapphire)基板であってよいが、これに限定されない。一実施形態において、基板10は、成長基板であり、半導体構造20をエピタキシャル成長させることに用いられ、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)を成長させるためのヒ化ガリウム(GaAs)ウェーハ、又は窒化インジウムガリウム(InGaN)を成長させるためのサファイア(Al)ウェーハ、窒化ガリウム(GaN)ウェーハ又は炭化珪素(SiC)ウェーハを含む。
【0021】
半導体構造20は、前記基板10に設けられる。半導体構造20は、下から上へ順に第1の半導体層21、活性層22及び第2の半導体層23を含む。一実施形態において、第1の半導体層21は、中央が盛り上がった凸字形となり、その周縁の上面が外側から内側へ順に第2の周縁の上面202、第1の周縁の上面201、及び第3の周縁の上面203であり、第3の周縁の上面203が中央凸起に隣接する。一実施形態において、活性層22は、第1の半導体層21の中央凸起に設けられる。一実施形態において、第1の半導体層21及び第2の半導体層23は、被覆層(cladding layer)であってよく、その両者が異なる導電形態、電気特性、極性を有し、又はドープされた元素によって電子又は正孔を提供する。例えば、第1の半導体層21はn型電気特性の半導体層であり、第2の半導体層23はp型電気特性の半導体層である。活性層22は第1の半導体層21と第2の半導体層23との間に形成され、電子と正孔が電流駆動によって活性層22内に複合して、電気エネルギーを光エネルギーに変換して、光線を発する。
【0022】
反射構造30は、半導体構造20の一部に設けられる。一実施形態において、反射構造30は、中央が盛り上がった凸字形となる。詳しくいうと、反射構造30は第2の半導体層23の上面外周縁内に位置し、第1の絶縁構造40は半導体構造20の上面外周縁、第2の半導体層23の側壁、活性層22の側壁及び第3の周縁の上面203を被覆する。反射構造30の材料は、例えば、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)又は上記材料の合金のような、活性層22の発射する光線に対して高反射率を持つ金属材料を含む。一実施形態において、反射構造30は、その下に形成されるブラッグ反射鏡(DBR)を更に含む。ブラッグ反射鏡の構造は、複数対のサブ層を含み、且つサブ層の各々は隣接するサブ層の屈折率と異なる屈折率を有する。
【0023】
第1の絶縁構造40は、第1の凸出部41、第2の凸出部42、第3の凸出部43、第1の凹み部44及び第2の凹み部45を含む。第1の凸出部41は反射構造30の第1部31を被覆する。第2の凸出部42は反射構造30の第2部32を被覆する。第3の凸出部43は半導体構造20の第2の周縁の上面202を被覆し、第2の周縁の上面202が第1の周縁の上面201の外側に位置する。第1の凹み部44は、反射構造30の第1部31と第2部32との間の第3部33を露出させ、且つ第1の凸出部41と第2の凸出部42を仕切る。第2の凹み部45は半導体構造20の第1の周縁の上面201を露出させる。一実施形態において、第1の絶縁構造40の材料は、非導電材料を含む。非導電材料は、有機材料、無機材料又は誘電材料を含む。有機材料は、Su8、ベンゾシクロブテン(BCB)、パーフルオロシクロブタン(PFCB)、エポキシ樹脂(Epoxy)、アクリル樹脂(Acrylic Resin)、シクロオレフィンポリマー(COC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエーテルイミド(Polyether imide)又はフルオロカーボンポリマー(Fluorocarbon Polymer)を含む。無機材料は、シリコーン(Silicone)又はガラス(Glass)を含む。誘電材料は、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、又はフッ化マグネシウム(MgF)を含む。一実施形態において、第1の絶縁構造40は、反射構造30の上面及び半導体構造20の側壁に形成されるブラッグ反射鏡(DBR)を含んでよく、これにより、反射構造の被覆できない領域を補償して、全体の反射能力を高め、発光素子の輝度を向上させることができる。ブラッグ反射鏡の構造は、複数対のサブ層を含み、且つサブ層の各々は隣接するサブ層の屈折率と異なる屈折率を有する。
【0024】
導電構造50は、第1の導電部51、第2の導電部52、凹溝部53を含む。第1の導電部51は、第1の凸出部41に設けられ、第2の凹み部45によって半導体構造20の第1の周縁の上面201に接触する。第2の導電部52は、第2の凸出部42に設けられ、これらの第1の凹み部44によって反射構造30の第3部33に接触する。凹溝部53は、第1の導電部51と第2の導電部52を仕切るためのものである。一実施形態において、導電構造50の材料は、酸化インジウムスズ(ITO)、ニッケル、銀、チタン、亜鉛、銅、金、白金、タングステン、アルミニウム、クロム又は上記金属の合金である。導電構造50は、第2の凹み部45によって半導体構造20の第1の周縁の上面201に接触して、N電極の電流を均一に拡散可能にし、発光を均一にする。
【0025】
一実施形態において、図10図14に示すように、導電構造50は、複数の内凹部54を更に含む。これらの内凹部54は、水平方向に導電構造50の中心へ収縮するように、導電構造50の周縁に位置する。具体的には、図10及び図11は対称配列に属し、図12図13及び図14は非対称配列に属する。導電構造50の外周にこれらの内凹部54を有するので、導電構造50外周は囲むリング状ではなく、N電極の電流が依然として均一に拡散することができ、発光を均一にする。
【0026】
第2の絶縁構造60は、導電構造50と第3の凸出部43を被覆し、凹溝部53によって第1の絶縁構造40のこれらの第1の凸出部41に接触し、また第1のパッド70と第2のパッド80を対応的に露出させる形状を含む。一実施形態において、第2の絶縁構造60は、第1のパッド70及び第2のパッド80につながっていない。一実施形態において、第2の絶縁構造60の材料は、非導電材料を含む。非導電材料は、有機材料、無機材料又は誘電材料を含む。有機材料は、Su8、ベンゾシクロブテン(BCB)、パーフルオロシクロブタン(PFCB)、エポキシ樹脂(Epoxy)、アクリル樹脂(Acrylic Resin)、シクロオレフィンポリマー(COC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネイト(PC)、ポリエーテルイミド(Polyether imide)又はフルオロカーボンポリマー(Fluorocarbon Polymer)を含む。無機材料は、シリコーン(Silicone)又はガラス(Glass)を含む。誘電材料は、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、又はフッ化マグネシウム(MgF)を含む。
【0027】
第1のパッド70は第1の導電部51に設けられ、第2のパッド80は第2の導電部52に設けられる。第1のパッド70と第2のパッド80の真下の各構造の何れも平坦状に積層し、且つ如何なる凸状又は凹状の設計も存在しない。一実施形態において、第1のパッド70及び第2のパッド80は、例えば、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)又は上記材料の合金のような、金属材料を含む。一実施形態において、第1のパッド70はN-PADであり、第2のパッド80はP-PADである。
【0028】
図1及び図3に示すように、貫通孔90は活性層22、第2の半導体層23、反射構造30の第1部31、及び第1の絶縁構造40の第1の凸出部41を通過して第1の半導体層21を露出させ、第1の導電部51は貫通孔90によって第1の半導体層21に接触する。第1のパッド70と第2のパッド80の各々は3つの中間から外向きに凹む形状を有し、且つ凹底部に貫通孔90を有する。
【0029】
本開示は、更に、多くの異なる形態の発光素子の実施形態を提供し、図15図17は本開示の複数の実施形態の発光素子を示す平面図である。詳しくいうと、図15において、第1のパッド70と第2のパッド80の各々は4つの中間から外向きに凹む形状を有し、且つ凹底部に貫通孔90を有する。図16において、第1のパッド70と第2のパッド80の各々は1つの中間から外向きに凹む形状を有し、且つ凹底部に貫通孔90を有する。図17において、第2のパッド80は1つの中間外向きに僅かに凹んだ形状を有する。
【0030】
本開示の複数の実施形態において、図2図3の断面図から分かるように、本開示は共結晶面の平坦化設計によって、応力抵抗力を向上させる。例えば第1のパッド70と第2のパッド80の真下の各構造の何れも平坦状に積層し(例えば、反射構造30、第1の絶縁構造40、導電構造50の何れも連続的な平面である)、且つ如何なる凸状又は凹状の設計も存在しない。それと同時に、第1のパッド70と第2のパッド80が貫通孔90をバイパスし、ここで依然として電流の分布が保有される。
【0031】
なお、本開示もリング状に設計される電極によって、N極の接触する領域を増加させて、フリップチップ型発光ダイオードの電流を拡散させて分布を均一化させる。例えば、導電構造50は、第2の凹み部45によって半導体構造20の第1の周縁の上面201に接触する。
【0032】
本発明は、実施形態で前述の通りに開示されたが、それらに限定されなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよく、従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0033】
10:基板
20:半導体構造
201:第1の周縁の上面
202:第2の周縁の上面
203:第3の周縁の上面
21:第1の半導体層
22:活性層
23:第2の半導体層
30:反射構造
31:第1部
32:第2部
33:第3部
40:第1の絶縁構造
41:第1の凸出部
42:第2の凸出部
43:第3の凸出部
44:第1の凹み部
45:第2の凹み部
50:導電構造
51:第1の導電部
52:第2の導電部
53:凹溝部
54:内凹部
60:第2の絶縁構造
70:第1のパッド
80:第2のパッド
90:貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17