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特許7125506電気ケーブルのシールド導体を接地部分に接続するための接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】電気ケーブルのシールド導体を接地部分に接続するための接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20220817BHJP
   H01R 4/64 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01R4/48 C
H01R4/64 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020554182
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2019056906
(87)【国際公開番号】W WO2019192842
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】2018/5225
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ベルクハーン
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・アンドレーゼン
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ・ライプケ
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/211696(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0780923(EP,A2)
【文献】特開平06-036811(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第03428054(DE,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
H01R 4/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ケーブル(2)のシールド導体(20)を接地部分(3)に接続するための接続装置(1)であって、該接続装置は、受容空間(12)を囲んだハウジング(10)を備え、前記受容空間内には、前記電気ケーブル(2)が、長手軸(L)に沿って、前記シールド導体(20)と共に挿入可能であり、前記ハウジング(10)は、前記接地部分(3)が少なくとも部分的に前記受容空間(12)内で延在するように、前記接地部分(3)に取り付け可能である接続装置において、
前記ハウジング(10)上には、調整可能なバネ要素(11)が配置されており、該バネ要素はクランプ脚部(13)を有し、開放位置から前記ハウジング(10)に対するクランプ位置に移動可能であり、それによって、クランプ位置において、前記クランプ脚部(13)を用いて、前記受容空間(12)に挿入された前記電気ケーブル(2)の前記シールド導体(20)に作用し、前記クランプ脚部(13)は、前記シールド導体(20)に作用するための係合部分(130)を有しており、該係合部分は、前記長手軸(L)に対して垂直な面(A)で見て、前記シールド導体(20)に対向する側において、少なくとも部分的に湾曲しているか、又は傾斜した係合輪郭(K)を有しており、
前記係合部分(130)が、前記係合輪郭(K)を構成する第1の接触部分(132)と第2の接触部分(133)とを有しており、
前記第1の接触部分(132)と前記第2の接触部分(133)とが、スリット(135)によって互いから分離していることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項2】
電気ケーブル(2)のシールド導体(20)を接地部分(3)に接続するための接続装置(1)であって、該接続装置は、受容空間(12)を囲んだハウジング(10)を備え、前記受容空間内には、前記電気ケーブル(2)が、長手軸(L)に沿って、前記シールド導体(20)と共に挿入可能であり、前記ハウジング(10)は、前記接地部分(3)が少なくとも部分的に前記受容空間(12)内で延在するように、前記接地部分(3)に取り付け可能である接続装置において、
前記ハウジング(10)上には、調整可能なバネ要素(11)が配置されており、該バネ要素はクランプ脚部(13)を有し、開放位置から前記ハウジング(10)に対するクランプ位置に移動可能であり、それによって、クランプ位置において、前記クランプ脚部(13)を用いて、前記受容空間(12)に挿入された前記電気ケーブル(2)の前記シールド導体(20)に作用し、前記クランプ脚部(13)は、前記シールド導体(20)に作用するための係合部分(130)を有しており、該係合部分は、前記長手軸(L)に対して垂直な面(A)で見て、前記シールド導体(20)に対向する側において、少なくとも部分的に湾曲しているか、又は傾斜した係合輪郭(K)を有しており、
前記係合部分(130)が、前記係合輪郭(K)を構成する第1の接触部分(132)と第2の接触部分(133)とを有しており、
前記クランプ脚部(13)が、前記第1の接触部分(132)と前記第2の接触部分(133)との間に配置された、少なくとも1つの第3の接触部分(134)を有していることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項3】
前記第1の接触部分(132)と前記第2の接触部分(133)とが、前記長手軸(L)に対して垂直に延在する面(A)で見て、互いに対して角度を成していることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項4】
前記第3の接触部分(134)が、スリット(135)によって、前記第1の接触部分(132)及び前記第2の接触部分(133)から分離されている、請求項2に記載の接続装置(1)。
【請求項5】
前記第3の接触部分(134)が、前記長手軸(L)に対して垂直に延在する面(A)で見て、前記第1の接触部分(132)及び前記第2の接触部分(133)の両方に対して角度を付けられていることを特徴とする、請求項2又は4に記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記バネ要素(11)が、旋回軸(S)の周りに、前記ハウジング(10)に対して旋回可能であり、
前記バネ要素(11)が、旋回可能に前記ハウジング(10)上に配置されかつ前記クランプ脚部(13)に対して曲げられた作動脚部(110)を有していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記クランプ脚部(13)が、前記係合部分(130)の領域において、前記旋回軸(S)の周りに湾曲していることを特徴とする、請求項に記載の接続装置(1)。
【請求項8】
前記作動脚部(110)が、クランプ位置において、前記ハウジング(10)とラッチ接続するためのラッチ装置を有していることを特徴とする、請求項6又は7に記載の接続装置(1)。
【請求項9】
前記作動脚部(110)が、前記クランプ脚部(13)から離れた端部(113)に、前記ハウジング(10)の少なくとも1つのラッチ突起(102)とクランプ位置においてラッチ接続するための、少なくとも1つのラッチノーズ(114)を有していることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記作動脚部(110)の前記端部(113)には、前記バネ要素(11)をクランプ位置からの解除するための、工具係合部(115)が設けられていることを特徴とする、請求項に記載の接続装置(1)。
【請求項11】
前記作動脚部(110)は、該作動脚部(110)から突出した少なくとも1つのヒンジラグ(111)を備え、該ヒンジラグを通じて、前記作動脚部(110)は前記ハウジング(10)に旋回可能に接続されていることを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項12】
前記ハウジング(10)が、横方向(Q)に沿って互いに離間した、2つの平行に延在する側壁(100)と、該側壁(100)を互いに接続するベース(104)と、を有しており、前記側壁の間には、前記受容空間(12)が形成されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項13】
前記電気ケーブル(2)の前記シールド導体(20)が、前記長手軸(L)に沿って、前記側壁(100)の間を前記受容空間(12)を貫いて延在するように、前記ハウジング(10)に挿入可能であることを特徴とする、請求項12に記載の接続装置(1)。
【請求項14】
前記電気ケーブル(2)の前記シールド導体(20)が、前記長手軸(L)に対して横、かつ、前記横方向(Q)に対して横の挿入方向(E)において、前記受容空間(12)に挿入可能であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の接続装置(1)。
【請求項15】
前記ハウジング(10)が、前記接地部分(3)が前記横方向(Q)に沿って前記受容空間(12)を貫いて延在するように、前記接地部分(3)に取り付け可能であることを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項16】
前記側壁(100)が、前記接地部分(3)の受容のためのリセス(101)を有していることを特徴とする、請求項12から15のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項17】
前記接続装置(1)が、前記電気ケーブル(2)の前記シールド導体(20)を、クランプ位置において、前記バネ要素(11)と前記接地部分(3)との間に保持するように構成されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項18】
シールド導体(20)を有する電気ケーブル(2)と、接地部分(3)と、請求項1から17のいずれか一項に記載の接続装置(1)と、を有するアセンブリ。
【請求項19】
前記接地部分(3)が、取り付けレール又はバスバーの構成要素であることを特徴とする、請求項18に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ケーブルのシールド導体を接地部分に接続するための、請求項1のおいて書きに記載の接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該接続装置は、ハウジングを含んでおり、当該ハウジングは、受容空間を囲んでおり、当該受容空間内には、電気ケーブルが、長手軸に沿って、シールド導体と共に挿入され得る。当該ハウジングは、接地部分が少なくとも部分的に受容空間内で延在するように、接地部分に取り付け可能である。
【0003】
このような接続装置は、シールド接続クランプとも呼ばれ、シールド導体を、広範囲にわたって、接地部分、例えばバスバー、取り付けレール、又は、電気設備(例えば配電盤)のハウジング壁に接触させるために用いられる。この際、接触は、シールド導体の接地部分との確実な接地を、電気設備の寿命にわたって作り出すために、安定しているべきであり、特に耐熱性、耐食性(厳しい環境においても)と耐振性とを有するべきである。
【0004】
従来の接続装置は、比較的複雑な構造を有し、複数の部材を使用しており、従って、製造費用も高い。
【0005】
特許文献1から知られている構造クランプの場合、金属導体の形状の接地部分と、電気ケーブルとが、ハウジングに挿入され得る。ハウジング上には、締め付けネジが配置されており、当該締め付けネジを通じて、電気ケーブルが、クランプされて金属導体と接触し得る。
【0006】
特許文献2から知られている、シールドケーブルのケーブルシールドを少なくとも1つのモジュールのライン端子に接続するための接続要素の場合、プレートが、バネ要素によって、ハウジングに対して付勢されている。当該プレートを通じて、シールドケーブルは、電気的に接触され得る。
【0007】
特許文献3から知られているクランプアセンブリの場合、電気ケーブルのシールド導体が、バスバーとの電気的接触のために、バネ端子に取り付けられ得る。
【0008】
特許文献4には、電気ケーブルのシールド導体を、散逸電位、特に接地電位を有するレールに載置するためのシールド接続端子台が記載されている。この際、調整ネジは、シールド導体に係合するために、湾曲した輪郭を有する押圧部を備えている。
【0009】
特許文献5から知られているバネ端子の場合、2つの導体を接続端子台に接続するために、それぞれ1つの接触脚部を有するクランプバネが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国実用新案第202015102037号明細書
【文献】独国実用新案第20014918号明細書
【文献】独国特許出願公開第196108541号明細書
【文献】独国特許発明第19917407号明細書
【文献】国際公開第2016/166132号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、電気ケーブルのシールド導体の、接地部分(例えばバスバー、取り付けレール、又は、電気設備のハウジング縁部)との確実かつ安定した接触を可能にする接続装置であって、操作が容易であり、場合によってはクランプ位置から再び解除することも可能である接続装置を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本課題は、請求項1の特徴を有する物品によって解決される。
【0013】
それによると、当該接続装置は、調整可能に、特に旋回可能にハウジング上に配置されたバネ要素を有しており、当該バネ要素は、クランプ脚部を有し、開放位置からハウジングに対するクランプ位置に移動可能であり、それによって、クランプ位置において、クランプ脚部で、受容空間に挿入された電気ケーブルのシールド導体に作用を及ぼし、クランプ脚部は、シールド導体に作用するための係合部分を有しており、当該係合部分は、長手軸に対して垂直な面で見て、シールド導体に対向する側において、少なくとも部分的に湾曲した、又は傾斜した係合輪郭を有している。
【0014】
当該接続装置は、それに応じて、調整可能に、特に旋回可能にハウジング上に配置されたバネ要素を有しており、当該バネ要素は、クランプ脚部で、接続装置の受容空間に挿入された電気ケーブルのシールド導体に係合させられ得る。バネ要素は、例えばバネ鋼から製造されていてよく、従って、それ自体が弾性を有しており、それによって、シールド導体と接地部分との間の接触が損なわれることなく、シールド導体と接地部分との間のクランプによる接触が形成され、例えば、経年によるシールド導体又は接地部分の形状変化が補償され得る。
【0015】
この際、クランプ脚部のシールド導体への有利な係合(シールド導体は、特に電気ケーブルの成形に対応して、シリンダ状の基本形状を有し得る)を可能にするために、特にEMCに適した広範囲での接触のために、クランプ脚部は、係合部分を有しており、当該係合部分を通じて、クランプ脚部は、(面的に)シールド導体と係合可能であり、その成形において、シールド導体を考慮して調整されている。従って、係合部分は、湾曲又は傾斜した係合輪郭(長手軸に沿ってシールド導体が接続装置のハウジングの受容空間に挿入可能であり、当該長手軸に対して垂直な面で見て)を形成しており、それによって、係合部分は、周方向に見て、長手軸の周りで、少なくとも部分的に、面でシールド導体に接することが可能である。これによって、シールド導体と有利に、面的に接触する場合に、有利な力の作用が可能になる。加えて、接続装置のハウジング内でのシールド導体の固定が改善され得る。なぜなら、シールド導体は、係合輪郭を通じて、長手軸に対して垂直に延在する面においても、ハウジング内部で位置を保たれ、従って、長手軸に対して横には(接地部分に対して接線方向には)、クランプ脚部に対して変位し得ないからである。
【0016】
一態様において、係合部分は、第1の接触部分と第2の接触部分とを有しており、これらは共に係合輪郭を構成している。当該接触部分は、接触舌片のように形成されていてよく、好ましくはクランプ脚部に沿って長手方向に延在するスリットを通じて、互いから分離しているので、当該接触部分は、基本的に互いから独立して、弾性的に、ケーブルに密着可能である。このような方法で、接触部分を通じて、電気ケーブルへの有利な係合が可能となり、場合によっては、接続装置の型における許容差、及び電気ケーブルの形状における許容差の補償のもとで可能になる。
【0017】
第1及び/又は第2の接触部分は、例えば長手軸に対して垂直に延在する面において、少なくとも部分的に湾曲していてよい。当該接触部分は、例えば共に半円形の係合輪郭を形成し得る。
【0018】
付加的又は代替的に、これらの接触部分は、互いに対して角度を成す位置に配置されていてよい。この際、当該接触部分は、例えばそれぞれ少なくとも部分的に、直線状に延在していてよく、それによって、長手軸に対して垂直に延在する面において、例えばV字形の係合輪郭が生じる。この際、第1の接触部分と第2の接触部分とは、好ましくは互いに対して鈍角を形成している(長手軸に対して垂直に延在する面において見て)。
【0019】
一態様において、(長手軸の周りの周方向に見て)第1の接触部分と第2の接触部分との間に、少なくとも1つの第3の接触部分が配置されている。この際、当該接触部分は、例えばクランプ脚部上で長手方向に沿って延在するスリットによって、互いから分離しており、それによって接触部分の互いに対する弾性的な変位が可能である。
【0020】
第1の接触部分及び/又は第2の接触部分及び/又は第3の接触部分は、それ自体が少なくとも部分的に湾曲していてよい(長手軸に対して垂直に延在する面において見て)。従って、当該接触部分は共に、半円形の係合輪郭を形成し得る。付加的又は代替的に、当該接触部分は、互いに対して角度を成していてよく、このために、第3の接触部分は、第1の接触部分とも、第2の接触部分とも、(長手軸に対して垂直に延在する面において見て)好ましくは鈍角を形成している。
【0021】
バネ要素は、その接触部分と、好ましくは統合され、一体的に構成されている。この際、当該接触部分は、接触部分がスリットによって互いから切り離され、従って、互いに対して弾性的に動かされ得ることによって、クランプ脚部上に形成されている。
【0022】
バネ要素が、そのクランプ脚部に、3つよりも多い、例えばスリットによって互いから分離した接触部分を有しており、当該接触部分が共に係合輪郭を形成しているということも考えられ、可能である。
【0023】
一態様において、接続装置のバネ要素は、ハウジングに対して旋回可能である。バネ要素が旋回可能にハウジング上に取り付けられていることによって、バネ要素は、容易に作動し得る。旋回によって、バネ要素は、開放位置とクランプ位置との間で容易に変位可能であり、それによって、例えばシールド導体が、ハウジングに取り付けられた接地部分と接触するか、又は、電気ケーブルが接続装置から再び解除される。
【0024】
例えば、ハウジング及びバネ要素は、押し抜き曲げ部材として構成され得る。
【0025】
バネ要素は、例えば旋回可能にハウジングに取り付けられた作動脚部を有することが可能であり、当該作動脚部は、受容空間に挿入された電気ケーブルのシールド導体とクランプによって係合し得るクランプ脚部に接続されており、その際に、クランプ脚部に対して屈曲している。作動脚部は、クランプ位置において、ハウジングに対するバネ要素の位置を固定するために、ハウジングにラッチされ得る。作動脚部を通じて、利用者が、例えば手動でバネ要素に作用を及ぼし、バネ要素を、例えばそのクランプ位置の方向に押すことが可能であり、それによって、シールド導体が接地部分と電気的に接触する。この際、クランプ脚部を通じて、バネ要素はクランプによってシールド導体に係合するので、シールド導体は接触しながら接地部分に対して押し付けられ、それによってシールド導体と接地部分との間に電気的接触が形成される。
【0026】
クランプ脚部は、好ましくはその旋回軸の周りの係合領域において、付加的に湾曲するように設計されており、当該旋回軸の周りには、バネ要素が旋回可能にハウジングに接続されている。従って、係合部分の領域では、クランプ脚部に、長手軸に対して垂直に延在した面において、湾曲又は傾斜した輪郭が与えられており、さらにクランプ脚部は、(長手軸に対して横方向に延在した)旋回軸の周りに湾曲している。クランプ脚部が、(鋭い)末端縁ではなく、湾曲した係合部分を通じて、電気ケーブルのシールド導体と係合することによって、クランプ脚部のシールド導体との面での係合が得られる。係合部分の湾曲によって、鋭い縁部がシールド導体に接触することなく(さもないと、シールド導体の損傷につながり得る)、クランプ脚部はシールド導体に密着し、シールド導体に面で接触する。
【0027】
作動脚部を通じて、好ましくはクランプ位置におけるバネ要素のハウジングとのラッチが行われる。このために、作動脚部は、好ましくはラッチ装置を有しており、当該ラッチ装置は、例えばラッチノーズによって、クランプ脚部から離れた作動脚部の端部に形成されていてよい。ラッチノーズを通じて、作動脚部は、例えばハウジングのラッチ突起にはめ込まれるので、作動脚部は、そのクランプ位置において形状接続によって固定され、従って、クランプ位置に保持されている。
【0028】
接続装置の閉鎖のために、バネ要素は、例えば作動脚部への圧力によって、クランプ位置の方向に押される。クランプ位置において、バネ要素は、電気ケーブルのシールド導体を、ハウジングに取り付けられた接地部分とクランプしており、それによってシールド導体は、接地部分と電気的に接触している。バネ要素は、例えば利用者がドライバー等の工具を用いて、作動脚部の端部の工具係合部に介入し、この方法で、作動脚部のラッチノーズとハウジングのラッチ突起との間のラッチを解除することによって、閉鎖位置から解除され得る。ラッチが解除されると、バネ要素は、クランプ脚部の弾性的な付勢ゆえに(電気ケーブルのシールド導体との係合によってもたらされる)、クランプ位置から飛び出し、それによって、接続装置が開放され、ハウジングは接地部分から、電気ケーブルはハウジングから取り除かれ得る。
【0029】
しかしまた、工具を用いずにバネ要素を手動で開放することも考えられ、可能である。
【0030】
一態様において、バネ要素は、旋回軸の周りを旋回できるようにハウジングに取り付けられている。旋回可能な取り付けのために、作動脚部には、2つの向かい合うヒンジラグが形成されており、当該ヒンジラグは、作動脚部から突出し、例えばハウジング上に配置されたヒンジピンと係合しており、それによって、バネ要素はハウジングと関節式に接続されている。
【0031】
ハウジングは、例えば一体型に設計されていてよい。一態様において、ハウジングは、例えば2つの平行に延在し、横方向に沿って互いに離間した側壁と、当該側壁を互いに接続するベースと、を有していてよく、当該側壁の間には受容空間が形成されている。従って、当該ハウジングは、例えば横断面においてU字形の形状を有していてよく、このU字形の形状には、電気ケーブルが、剥き出しのシールド導体と共に挿入され得る。
【0032】
シールド導体は、例えばシールド導体が、クランプ位置において、長手軸に沿って、側壁の間を、受容空間を貫いて延在するようにハウジングに挿入され得る。この際、シールド導体は、例えば挿入方向において、長手軸に対して横に、かつ側壁が互いに離間している横方向に対して横に、受容空間に挿入され得る。従って、電気ケーブルは、ハウジングを貫いて通される必要はなく、挿入方向に沿ってハウジングに容易に挿入可能であり、その結果、シールド導体はハウジングの受容空間に位置することになる。
【0033】
電気ケーブルのシールド導体と接地部分との電気的接触のために、好ましくはまず、電気ケーブルが、剥き出しのシールド導体と共に、接続装置のハウジングに挿入される。次に、当該ハウジングが、ハウジング上に配置された電気ケーブルと共に、接地部分、例えば接地に用いられるバスバー、取り付けレール、又は例えば配電盤等の電気設備のハウジング壁の一部に取り付けられ得る。ハウジングが接地部分に取り付けられている場合、当該接地部分は、好ましくはハウジングの側壁が互いに離間している横方向に沿って、受容空間を貫いて延在している。このために、ハウジングの側壁は、リセスを有していてよく、当該リセスは、その形状において、接地部分の形状に適合しており、従って接地部分、例えば横断面が長方形の金属導体を受容することが可能である。
【0034】
従って、電気ケーブルと接地部分とは、異なる方向に沿ってハウジングに向かって延在している。電気ケーブルが、長手軸に沿ってハウジングを貫いている一方で、接地部分は、電気ケーブルに対して横に、横方向に沿って受容空間を貫いて延在している。
【0035】
この際、ハウジングの接地部分への取り付けには、少なくとも2つの変型例が考えられ、可能である。例えば、バスバー、取り付けレールの形、又はハウジング壁の一部の形である。例えば、スリットの形状でのリセスは、ハウジングの側壁上に形成可能であり、接続装置は、バネ要素をハウジングと旋回可能に接続している旋回軸の側において、接地部分に取り付けられ得る。この場合、特に、シールド接続クランプを、バネ要素(クランプ位置におけるバネ要素)が閉鎖している場合でも接地部分に取り付けることが可能であり、さらに、張力緩和が改善され得る。代替的に、リセスが側壁に形成されており、それによって、接続装置は、ハウジングの旋回軸から離れる側において、接地部分上にスライドされ得る。これは、必要に応じて、シールド導体の露出のために剥き出しにされる部分の長さが短縮され得る構造を可能にする。加えて、接地部分に接続装置が差し込まれる方向と、バネ要素の閉鎖運動と、はこの場合概ね同じ方向を向いているので、操作が容易になり得る。
【0036】
好ましくは、一方でバネ要素が、他方で電気ケーブルの(剥き出しにされた)シールド導体の接地部分が、クランプ位置に入る。従って、シールド導体は、バネ要素と接地部分との間に受容され、バネ要素のシールド導体とのクランプでの係合によって、接地部分と直接、電気的に接触して係合するように押圧される。
【0037】
以下に、本発明の基礎を成す思想を、図面に示された実施例に基づいて詳細に説明する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】電気ケーブルのシールド導体の、例えば電気的バスバー又は電気設備のハウジング縁部の形状における接地部分との電気的接触のための接続装置の概略図である。
図2】接続装置の側面図である。
図3】接続装置の前面図である。
図4】接続装置の上面図である。
図5】接続装置のさらなる実施例の斜視図である。
図6図5に係る接続装置の上面図である。
図7図6の線B-Bに沿った断面図である。
図8】接続装置の前面図である。
図9】接続装置のバネ要素を別個に示した図である。
図10】バネ要素の側面図である。
図11】バネ要素の前面図である。
図12】接続装置のさらなる実施例の斜視図である。
図13図12に係る接続装置の上面図である。
図14図13の線C-Cに沿った断面図である。
図15】接続装置の前面図である。
図16】接続装置のバネ要素を別個に示した図である。
図17】バネ要素の側面図である。
図18】バネ要素の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1から図4は、接続装置1の第1の実施例を概略図で示しており、接続装置1は、電気ケーブル2の導電性のシールド編組の形状における、シールド導体20の電気的接触のために用いられる。
【0040】
電気ケーブル2は、例えば複数の電気ケーブルワイヤ22を有しており、電気ケーブルワイヤ22は、シールド編組の形状におけるシールド導体20によって包囲されている。この際、シールド導体20は、外側に向けて、電気絶縁ジャケット21を用いて包まれているので、シールド導体20は、剥き出しにされていない場所では、外側に向けて電気的に絶縁されている。
【0041】
接続装置1を用いて、電気ケーブル2のシールド導体20は、例えばバスバー、取り付けレール又は電気設備のハウジング壁等の金属導体の形状における接地部分3と電気的に接触可能である。シールド導体20は、これによって、接地部分3の接地電位にもたらされ得るので、接続装置1を通じて、シールド導体20の接地がもたらされる。
【0042】
接地部分3には、基本的に、複数の電気ケーブル2が配置され、電気的に接地されていてよい。
【0043】
図示された実施例の場合、接続装置1は、図2から図4の図面から明らかであるように、ハウジング10を有しており、ハウジング10は、横方向Qに沿って互いに離間した、2つの平行な側壁100と、側壁100を互いに接続するベース104と、から構成されている。ハウジング10は、好ましくは一体型に製造されており、例えば金属薄板から成る押し抜き曲げ部材として製造されている。
【0044】
ハウジング100には、旋回軸Sの周りに旋回可能であるように、バネ要素11が配置されており、バネ要素11は、作動脚部110と、作動脚部110に対して屈曲したクランプ脚部13と、を有している。バネ要素11は、例えばバネ鋼から成る押し抜き曲げ部材として製造されており、それ自体が弾性を有するので、作動脚部110とクランプ脚部13とは、その位置において、互いに対して弾性的に変位可能である。
【0045】
図2から図4は、クランプ位置におけるバネ要素11を示しており、クランプ位置において、バネ要素11は、クランプ脚部13を通じて、電気ケーブル2の部分的に剥き出しにされたシールド導体20とクランプによって係合しており、ハウジング10を貫いて延在する接地部分3と電気的に接触して係合するように、シールド導体20を押圧している。当該クランプ位置において、バネ要素11は、作動脚部110のクランプ脚部13から離れた端部113上のラッチノーズ114を通じて、向かい合う側壁100上のラッチ突起102にラッチされており、それによって、バネ要素11は、そのクランプ位置において、ハウジング10に対して形状接続的に保持される。
【0046】
当該クランプ位置において、クランプ脚部13は、末端縁131から離れた係合部分130で、電気ケーブル2のシールド導体20に接している。係合部分130の領域では、クランプ脚部13は(旋回軸Sに対して垂直な面において)湾曲しているので、クランプ脚部13の鋭角の領域(特に末端縁131)は、シールド導体20に係合せず、従って、クランプ脚部13のシールド導体20との面的な係合がもたらされる。
【0047】
クランプ位置において、バネ脚部13は、バネ要素11がクランプ位置に押し込まれ、クランプ位置において作動脚部110を通じてハウジング10にラッチされることによって、作動脚部110に対して弾性的に付勢されている。バネ要素11の弾性ゆえに、シールド導体20と接地部分3との間の電気的接触が、たわみによって阻害されることなく、例えば電気ケーブル2のシールド導体20の(経年による)たわみが補償され得る。
【0048】
バネ要素11は、作動脚部110に、2つの向かい合うヒンジラグ111を有しており、これらのヒンジラグ111はそれぞれ、ハウジング10の側壁100の内の一方と関節式に接続されており、そのために、側壁100のヒンジピン103に関節式に配置されている。従って、バネ要素11は、ヒンジピン103の周りに旋回可能であり、特にバネ要素11が閉鎖方向Zに反してクランプ位置から解除されている開放位置と、クランプ位置と、の間で変位可能である。
【0049】
ハウジング10の側壁100には、互いに向かい合って、リセス101が形成されており、リセス101内には、例えば図3から明らかであるように、接地部分3が、接地部分3がハウジング10に取り付けられた位置において、横方向Qに沿って、ハウジング10の側壁100の間に形成された受容空間12を貫いて延在するように受容され得る。
【0050】
それに対して、電気ケーブル2は、部分的に剥き出しにされたシールド導体20を用いて、ハウジング10のベース104に背向する側の挿入方向Eにおいて、受容空間12に挿入可能であり、それによって、電気ケーブル2は、挿入された位置において、長手軸Lに沿って、横方向Qに対して横に、かつ挿入方向Eに対して横に、ハウジング10の受容空間12を貫いて延在する。
【0051】
電気ケーブル2のシールド導体20の、接地部分3との電気的接触のために、まず電気ケーブル2が、部分的に剥き出しにされたシールド導体20を用いて、挿入方向Eにおいて受容空間12に挿入される。この際一般的に、バネ要素11は、その開放位置にあり、当該開放位置では、バネ要素11が、閉鎖方向Zに反して、クランプ位置を離れるように動かされている。
【0052】
その後、接続装置1は、ハウジング10がリセス101を通じて接地部分3と係合することによって、接続装置1に配置された電気ケーブル2と共に、接地部分3に取り付けられる。従って、接地部分3は、ハウジング10の受容空間12を貫いて延在しており、それによって、バネ要素11と接地部分3とが、電気ケーブル2の異なる側に位置することになる。
【0053】
次に、作動脚部110への圧力によって、バネ要素11が、図2から図4に示されたクランプ位置に動かされ、作動脚部110がその端部113に配置されたラッチノーズ114を通じて、ハウジング10の側壁100におけるラッチ突起102にはめ込まれるまで、閉鎖方向Zに押される。このような方法で、バネ脚部13は、シールド導体20とクランプによって接触し、弾性的に付勢されるので、シールド導体20は、十分な接触力で、接地部分3に接触し、係合するように押圧される。
【0054】
電気ケーブル2を接地部分3から取り外す必要がある場合、利用者は、適切な工具、例えばドライバーを用いて、作動脚部110の端部113における開口部の形状の工具係合部115に介入することが可能であり、それによって、このような方法で、端部113の(弾性による)曲げを通じて、作動脚部110のハウジング10との固定が解除される。バネ脚部13の付勢ゆえに、バネ要素11がそのクランプ位置から飛び出し、それによって、接続装置1が開放され、ハウジング10が接地部分3から取り出され、電気ケーブル2がハウジング10から取り除かれ得る。
【0055】
図5から図8に示された、接続装置1のさらなる実施例は、機能的には、図1から図4を基に上述した実施例と略同じであるので、図1から図4に係る実施例に関する説明全体を参照すべきである。本明細書に記載された様々な実施例において、同じ機能の部材には、つねに同じ参照符号が付されている。
【0056】
図5から図8に係る実施例の場合、図1から図4に係る実施例とは異なり、ハウジング10の側壁100のリセス101は、逆の方向を向いている。図1から図4に係る実施例の場合、ハウジング10が長手軸Lに沿って接地部分3上に取り付けられることによって、接続装置1は、ハウジング10のバネ要素11の旋回軸Sから離れた側を通って、接地部分3に取り付けられ得るが、図5から図8に係る実施例の場合、接続装置1は、反対の方向において、つまりハウジング10のバネ要素11の旋回軸Sも位置している側を通って、接地部分3に取り付けられる。
【0057】
図1から図4に係る実施例の場合も、図5から図8に係る実施例の場合も、バネ要素11は、そのクランプ脚部13において、長手軸に対して垂直な面Aにおいて見て(図8及び図11における描画面に対応する)、係合部分130に係合輪郭Kが生じるように構成されており、係合輪郭Kは、直線状には伸びておらず、電気ケーブル2のシールド導体20の湾曲した表面形状に適合している。
【0058】
例えば図9から図11において別個に示されているバネ要素11の場合、クランプ脚部13は、2つの接触部分132、133を有するように構成されており、接触部分132、133は、クランプ脚部13上を長手方向に沿って延在するスリット135を通じて、互いから分離している。接触部分132、133は、接触舌片様に構成されており、互いに対して弾性的に変位可能であり、それによって、接触部分132、133は、バネ要素11がクランプ位置(図8を参照)に移動する際、電気ケーブル2のシールド導体20に弾性的に接触し得る。
【0059】
バネ要素11の図示された実施例では、接触部分132、133は、シールド導体20に係合するための係合輪郭Kを構成するために、互いに対して角度を付けられている。付加的に、接触部分132、133は、その互いから離れた外側面において凸状に湾曲しており、これらの外側面では、付加的に、リセス136が接触部分132、133に成形されており、リセス136は、接触部分132、133の、その端部における弾性を、シールド導体20への係合のために増大させる。
【0060】
係合輪郭Kを供給することによって、クランプ脚部13の、電気ケーブル2のシールド導体20への有利な係合が可能になる。例えば図8から明らかであるように、このような方法で、ハウジング10の受容空間12内でのケーブル2の固定も改善することができる。なぜなら、電気ケーブル2は、長手軸Lに対して垂直に延在する面Aにおいて、受容空間12内部に、係合輪郭Kとの係合によってロックされているからである。
【0061】
加えて、係合輪郭Kの供給によって、クランプ脚部13のシールド導体20への広範囲での係合が得られる。
【0062】
係合輪郭Kの角度を付けられた形状に対して代替的に、図9から図11に係るバネ要素11の実施例の場合、係合輪郭Kは、半円形状も有し得る。このために、接触部分132、133は、その端部の領域において、係合部分130を形成するためにそれぞれ、凹状に湾曲するように構成されていてよく、それによって、接触部分132、133が、その端部において共に、半円形状を形成する。
【0063】
別の、図12から図15に示された実施例の場合、ハウジング10に、図16から図18に別個に示されたバネ要素11が配置されている。バネ要素11は、そのクランプ脚部13に、接触舌片の形状の接触部分132、133、134を有しており、これらの接触部分はそれぞれ、スリット135によって互いに分離しており、従って、互いに対して弾性的に動かされ得る。
【0064】
図18から明らかであるように、接触部分132、133、134は、長手軸Lに対して垂直に延在する面Aにおいて(図18及び図15の描画面に対応する)、共に係合輪郭Kを構成しており、係合輪郭Kを通じて、クランプ脚部13は、接続装置1のハウジング10の受容空間12に挿入されたケーブル2のシールド導体20と係合させられ得る。
【0065】
2つより多い接触部分132、133、134を使用することによって、係合輪郭Kは、(名目上割り当てられた)シールド導体20の形状に適合することが可能であり、それによって接触部分132、133、134は、有利な方法で、シールド導体20に面で係合し得る。この際、弾性的な構造によって、接触部分132、133、134のシールド導体20への有利な係合挙動が、許容差の補償のもとで得られる。
【0066】
図12から図15に係る実施例において、接触部分132、133、134は、面Aにおいてそれぞれ直線状に延在しているが、その際、互いに対して角度を成しており、その結果、例えば図18から明らかであるような係合輪郭Kが生じる。
【0067】
代替的に、接触部分132、133、134が、その端部で、面Aにおいて、少なくとも部分的に(凸状又は凹状に)湾曲していることもあり得る。
【0068】
バネ要素11の構造を除いて、図12から図15に係る実施例は、図1から図4及び図5から図8に係る実施例と機能的に同じであり、従って、接続装置1の機能に関しては、上述の実施例に関する説明を参照すべきである。
【0069】
この際、接続装置1を接地部分3に取り付けるための挿入方向に関しては、図12から図15に係る実施例は、図5から図8に係る実施例に対応している。
【0070】
バネ要素11は、図1から図4に係る実施例の場合、例えば図9から図11に示されたバネ要素のように、又は図16から図18に示されたバネ要素のように、もしくは他の方法でも実現され得る。
【0071】
例えば、バネ要素1は、2つ、3つ又はそれより多い接触部分132、133、134を有し得る。
【0072】
本発明の基になる思想は、上述の実施例に限定されるものではなく、全く異なる種類の方法でも実現され得る。
【0073】
供給される接続装置は、単純な構造を有し、わずかな部材のみを用いるものであってよい。特に、接続装置は、基本的にハウジング部分とバネ要素とから製造され得る。さらなる部材は不要である。小型な構造において、容易かつ安価な製造がもたらされる。
【0074】
当該接続装置は、さらに、シールド導体の接地部分との電気的接触のための、有利かつ確実かつ安定した接触力を供給し得る。接続装置は、容易かつ直観的に操作可能であり、また、接触の解除も可能にする。
【0075】
当該接続装置は、基本的に、本明細書の記載とは異なるように構成されていてもよい。例えば、ハウジングは、異なる形状を有し得る。
【0076】
当該ハウジングは、好ましくは金属から、押し抜き曲げ部材として製造されていてよい。しかしながら、これは必ずしも必要ではない。ハウジングをプラスチックから製造することも、基本的には考えられ、可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 接続装置
10 ハウジング
100 側壁
101 リセス
102 ラッチ突起
103 ヒンジピン
104 ベース
11 バネ要素
110 作動脚部
111 ヒンジラグ
113 端部
114 ラッチノーズ
115 工具係合部
12 受容空間
13 クランプ脚部
130 係合部分
131 末端縁
132、133、134 接触部分(接触舌片)
135 スリット
136 リセス
2 ケーブル
20 シールド導体
21 ジャケット
22 ケーブルワイヤ
3 接地部分
A 面
E 挿入方向
K 係合輪郭
L 長手軸
S 旋回軸
Z 閉鎖方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18