(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】呼出システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/58 20060101AFI20220817BHJP
H04M 3/436 20060101ALI20220817BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H04M3/58
H04M3/436
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2021014049
(22)【出願日】2021-01-31
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】515089792
【氏名又は名称】株式会社iソフト
(74)【代理人】
【識別番号】100181881
【氏名又は名称】藤井 俊一
(72)【発明者】
【氏名】松浦 洋一
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155996(JP,A)
【文献】特開2005-277991(JP,A)
【文献】特開平10-065765(JP,A)
【文献】特開2001-298506(JP,A)
【文献】特開2016-127309(JP,A)
【文献】特開2015-115844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信を取次先携帯端末に転送する呼出システムにおいて、
着信の取り次ぎを管理するために情報通信網に接続された呼出管理システムと、
前記着信を
前記呼出管理システムに転送する移管手段と、
前記呼出管理システムによって取り次がれた着信を受ける取次先携帯端末を備え、
前記呼出管理システムは、
取次先となる者の識別標識及び
取次先携帯端末のアドレスを含む転送先情報を保持する転送先マスタと、
発信者の端末情報を検出する発信者識別手段と、
発信者に対し人定情報及び取次先情報の提供を促す情報提供誘導を行うと共に、当該情報提供誘導に副って人定情報及び取次先情報を検出する受付支援手段と、
前記取次先情報と転送先マスタが保持する転送先情報を照合し合致した転送先情報を出力する取次先管理手段と、
前記取次先管理手段から出力された転送先情報に登録されたアドレスの取次先携帯端末に着信を転送する連絡手段を備え、
前記連絡手段は、前記取次先管理手段から出力された転送先情報に登録されたアドレスの取次先携帯端末に前記受付支援手段で検出した人定情報及び前記発信者識別手段で検出した端末情報を送信し、
前記取次先携帯端末は、前記連絡手段から受信した着信の人定情報及び端末情報を着信日時と共に通知する着信通知手段を備えることを特徴とする呼出システム。
【請求項2】
前記取次先携帯端末は、着信に応答した旨の応答情報を呼出管理システムへ送信する応答通知手段を備え、
前記受付支援手段は、着信が取り次がれた後規定時間内での前記応答通知手段から呼出管理システムへの応答情報の不着をもって発信者に対し取次先が不在である旨を通知することを特徴とする
請求項1に記載の呼出システム。
【請求項3】
前記転送先情報は、取次先となる者の居所を含み、
前記呼出管理システムから転送先情報の提供を受け取次先となる者の居所にその者の識別標識を付して着信を報知する着信報知手段を備えることを特徴とする
請求項1又は請求項2のいずれかに記載の呼出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信者と受信者を取り次ぐための電話交換機能を持つ呼出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業等の職場においては、外線及び内線の取り次ぎが頻繁に行われるが、それを人任せにすると着信がある度に不定期に人手を割くこととなる。
電話機の留守番システムとして、着信した電話を転送先電話番号に転送するオートダイヤル部と、発信人を識別してオートダイヤル部に転送の許可を行う発信人識別部と、曜日別、時刻別に転送先電話番号のスケジュールを行い、設定時刻になったらオートダイヤル部に転送先電話番号を設定するスケジュール部とを備えるものが存在する(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、転送先の特定にスケジュールの登録が不可欠であり、席を外していた場合や、携帯電話機を機能させられない環境下では連絡が取れないという問題がある。
その他、従来の電話交換システムは、その仕様に応じて、通話断念の決断を発信者任せとし、又は発信者に不要な応答待ちを強いる事によって、発信者に不愉快な印象を与える等の不都合が生じると言う問題がある。
また、屋内に大規模な交換機器を設置すると、設置スペースの確保や保守管理、更には、増改築等に伴う移転や増設が煩雑であるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、受信者のスケジュールを登録せずとも当該受信者に確実に着信を報知することができ、取次先が不在であれば遅滞なくその旨を発信者に知らせることができる呼出システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明による呼出システムは、着信を取次先携帯端末に転送する呼出システムにおいて、着信の取り次ぎを管理するために情報通信網に接続された呼出管理システムと、前記着信を呼出管理システムに転送する移管手段と、前記呼出管理システムによって取り次がれた着信を受ける取次先携帯端末を備えたものである。
前記呼出管理システムは、取次先となる者の識別標識及び取次先端末のアドレスを含む転送先情報を保持する転送先マスタと、発信者に対し人定情報及び取次先情報の提供を促す情報提供誘導を行うと共に、当該情報提供誘導に副って人定情報及び取次先情報を検出する受付支援手段と、前記取次先情報と転送先マスタが保持する転送先情報を照合し合致した転送先情報を出力する取次先管理手段と、前記取次先管理手段から出力された転送先情報に登録されたアドレスの取次先携帯端末に着信を転送する連絡手段を備えることを特徴とする。
【0007】
前記呼出管理システムは、発信者の端末情報を検出する発信者識別手段を備え、前記連絡手段は、前記転送手段から出力された転送先情報に登録されたアドレスの取次先携帯端末に前記人定情報及び端末情報を送信し、前記取次先携帯端末に、前記連絡手段から受信した着信の人定情報及び端末情報を着信日時と共に通知する着信通知手段を備える構成を採ることができる。
【0008】
また、前記取次先携帯端末は、着信に応答した旨の応答情報を呼出管理システムへ送信する応答通知手段を備え、前記受付支援手段は、着信が取り次がれた後規定時間内での前記応答通知手段から呼出管理システムへの応答情報の不着をもって発信者に対し取次先が不在である旨を通知する構成を採ることができる。
【0009】
更に、前記転送先情報は、取次先となる者の居所を含み、前記呼出管理システムから転送先情報の提供を受け取次先となる者の居所にその者の識別標識を付して着信を報知する着信報知手段を備える構成を採ることもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による呼出システムによれば、転送先の特定に際して煩雑なスケジュールの登録が不要となる他、自動通話メッセージを受けた後に通話断念の決断を発信者任せとすることもなく、又は発信者に不要な応答待ちを強いる事ことを回避することもできる。
【0011】
また、屋内に大規模な交換機器を設置することなく、インターネット等の情報通信網を介して他の箇所に配置されたブラウザシステムを呼出管理システムとして使用することができるので、設置スペースの確保や保守管理、更には移転や増設等も容易になるという効果もある。
更に、取次先となる者の居所にその者の識別標識を付して報知する(例えば放送や掲示という形で不特定多数に広く報じる)着信報知手段を備える構成を採れば、席を外していた場合や、取次先携帯端末を機能させられない環境下においても着信があった事を知ることができる。
【0012】
而して、本発明は、受信者のスケジュールを登録せずとも当該受信者に確実に着信を報知することができ、取次先が不在であれば遅滞なくその旨を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による呼出システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明による呼出システムで用いられる取次先携帯端末のハードウエア及び機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明による呼出システムのハードウエア構成の一例を示す図でブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による呼出システムの実施の形態を、事業所の内外で働く従業員(以下「受信者」という)に対し、他者(以下「送信者」という)からの電話(以下「着信」という)の取り次ぎを行う例に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1に示す例は、前記事業所に設置され当該事業所への着信を、有線又は無線の情報通信網を介して呼出管理システム2に転送する移管手段1(中継器A)と、前記情報通信網に接続されたブラウザシステムとして構築され前記移管手段1から転送された着信について送信者の端末装置(以下「顧客端末D」という)と受信者が携帯する携帯端末装置(以下「取次先端末B」という)との通話を確立させる呼出管理システム2と、前記受信者となる従業員の居所(前記事業所の当該従業員が日常的に立ち寄るエリア)に設置された着信報知手段3のスピーカーシステムCやディスプレイシステム等によりその受信者の識別標識を付した着信連絡(着信が存在する旨の連絡)の報知を行う着信報知手段3と、前記取次先端末Bを備える呼出システムである(
図1及び
図3参照)。
尚、ここで識別標識とは、当該従業員の氏名、役職名、その他当該従業員を特定できるものを言う。
【0016】
前記移管手段1、呼出管理システム2及び着信報知手段3は、CPU(Central Proce ssing Unit)メモリ等で構成されたハードウエアに各々ソフトウエアがインストールされることによって各々の機能を奏する構成が採られている。
【0017】
<移管手段>
前記移管手段1は、情報通信網から着信を受ける受信手段4と、当該受信手段4が受けた着信を登録された移管先の呼出管理システム2へ自動的に情報通信網を経て移管転送する転送手段5を備える。
尚、着信の頻度が高い場合には、移管先のアドレス(電話番号やIPアドレス等)を複数設定しても良い。
【0018】
<呼出管理システム>
前記呼出管理システム2は、発信者(着信した顧客端末D)の端末情報を検出する発信者識別手段6と、発信者に対して当該発信者の人定情報及び取次先情報の提供を促す情報提供誘導を行うと共に、当該情報提供誘導に副って検出した人定情報及び取次先情報を出力する受付支援手段7と、発信者から提供された人定情報及び取次先情報、並びに発信者識別手段6が検出した端末情報を保持する履歴作成手段8と、当該事業所に属する従業員の居所情報等と前記識別標識とを紐付けてなる転送先情報を保持する従業員マスタ(転送先マスタ)9と、前記取次先情報と従業員マスタ9の転送先情報を照合し取次先情報の内容が合致した転送先情報を出力する取次先管理手段10と、前記取次先管理手段10から出力された転送先情報に登録されたアドレス(電話番号やIPアドレス等)の取次先端末Bへ着信を転送する連絡手段11と、前記取次先情報と従業員マスタ9の転送先情報を照合し取次先情報の内容が合致した転送先情報の従業員の居所情報を出力する報知管理手段12を備える。
【0019】
前記発信者識別手段6は、前記移管手段1の転送手段5から受けた着信(信号)から顧客端末Dのアドレス(電話番号やIPアドレス等)等の端末情報を検出してバッファメモリに格納する。
【0020】
前記受付支援手段7は、発信者の氏名及びその所属等からなる人定情報、並びに取次先(受信者)の氏名及びその所属等からなる取次先情報の提供を促すべく、ADPCM(適応的差分パルス符号変調)等による音声データを保持する応対マスタ13と、発信者の返答音声を文字データ(人定情報や取次先情報)に変換する音声認識手段14と、当該音声認識手段14による人定情報の採取状況及び取次先情報の適否に応じて当該応対マスタ13に保存された音声データを抽出する応対管理手段15と、当該応対管理手段15で抽出された音声データの再生出力を行う応対手段16を備える。
【0021】
前記応対管理手段15は、応対手段16で再生出力された情報提供誘導の音声データ(以下「問い」という)に対して提供されると予想される文言(例えば発信者の所属若しくは氏名、又は取次先の所属若しくは氏名等)の文字データを蓄えた従業員マスタ9及び辞書20を具備し、前記応対手段16による音声データの再生出力中に得られた人定情報又は取次先情報と当該従業員マスタ9及び辞書20の文字データとを照合し、前記音声認識手段14で得られた人定情報及び取次先情報の文字データを検出すれば、当該文字データを履歴作成手段8で前記人定情報、取次先情報及び着信日時を含む着信履歴情報として着信マスタ17に保存すると共に、当該人定情報及び取次先情報を取次先管理手段10へ出力する。
【0022】
一方、前記音声認識手段14で人定情報及び取次先情報の文字データを検出できなければ、再回答要請の音声データを前記応対マスタ13から取り出して再生する処理を、取り次ぎを可能とするに足る人定情報又は取次先情報が得られるまで、定められた問い毎に規定回数(例えば1回又は2回)繰り返す。
尚、情報が得られなくとも取り次ぎが可能な場合には、当該情報の検出をスキップする処理を採ることもできる。
【0023】
同じ問いについて規定回数の情報採取の試みを繰り返しても人定情報及び取次先情報が得られなかった場合、又は後に記す様に取次先管理手段10から取次不能情報又は不応答情報を受けた場合には、受付支援手段7は取次処理を打ち切り、応対管理手段15は取次不能である旨(取次不能通知)の音声データを前記応対マスタ13から取り出して再生し、着信の接続を切る作業を行う。
一方、各問いに対し取り次ぎに必要な人定情報及び取次先情報が得られた場合には、定められた問いの順序に即して順次情報提供誘導の音声データを再生する。取り次ぎに必要なすべての人定情報及び取次先情報が得られた場合には、受付支援手段7は検出した人定情報及び取次先情報を前記取次先管理手段10へ出力する。
【0024】
前記履歴作成手段8は、前記端末情報、人定情報、取次先情報及び着信日時を紐づけてなる着信履歴情報をメモリに記憶させた着信マスタ17を作成する。
この例の従業員マスタ9は、従業員の氏名(識別標識)と、所属と、取次先端末Bのアドレスと、居所及び当該居所に設置されたスピーカーシステムCのチャンネルからなる居所情報等とが紐づけられた従業員情報(転送先情報)としてメモリに記憶させたものである。
前記辞書20は、前記受付支援手段7による音声データの問いに対する回答として提供されると予想される発信者の所属若しくは氏名等を文字データとしてメモリに記憶させたものである。
【0025】
前記取次先管理手段10は、受付支援手段7が出力した取次先情報(氏名や所属等)を受けて従業員マスタ9を検索すると共に、当該取次先情報を含む転送先情報が存在する場合には当該氏名及び所属等と居所情報を含む転送先情報を出力し、当該氏名及び所属等を含む転送先情報が存在しない場合には取次不能情報を出力する。
【0026】
前記連絡手段11は、前記取次先管理手段10から出力された転送先情報を受け、当該転送先情報に登録されたアドレスを持つ取次先端末Bへ前記移管手段1が受けた着信を転送すると共に、人定情報、端末情報及び着信日時(以下「着信通知情報」という)を送信する。
【0027】
転送先の取次先端末Bが着信に応答し、当該取次先端末Bから応答通知手段ηにより応答信号が送信された場合には、前記取次先管理手段10は、発信者(顧客端末D)と取次先(取次先端末B)との間での通話及びデータ通信を確立させる。
一方、連絡手段11による着信の転送後規定回数のコール(5回~10回程度)を経ても転送先の取次先端末Bが着信に応答せず、当該取次先端末Bからその応答通知手段ηが発した応答信号を受信できなかった場合(不着)には、前記取次先管理手段10は、不応答情報を出力する。
【0028】
前記報知管理手段12は、前記取次先管理手段10からの転送先情報を受け、情報通信網を経て当該転送先情報を着信報知手段3へ送信する。
前記着信報知手段3は、前記呼出管理システム2から送信された転送先情報を受け、当該転送先情報から氏名、所属及び居所情報を検出する情報採取手段18と、当該氏名を付した呼出音声を転送先情報から導かれた当該従業員の居所に設置されたスピーカーシステムC又はディスプレイシステム(図示省略)へ出力する放送手段19を備える。
また、前記情報採取手段18は、前記呼出管理システム2の取次先管理手段10から送信された転送先情報を検出した後に、当該取次先管理手段10から送信された不応答情報を検出した場合には、当該放送手段19による呼出音声の出力を停止させる。
【0029】
<取次先端末>
この例の前記取次先端末Bは、CPU、メモリや記憶媒体及びタイマー等で構成されたコントローラ、キーマトリクスやタッチパネルやマイクロフォン等の入力インターフェース、ディスプレイ(liquid crystal display)やスピーカー等の出力インターフェースと、情報通信網に接続された無線通信インターフェースからなるハードウエアに、取次通話機能及び着信通知機能を与えるアプリケーションプログラムがインストールされることによって、無線通信手段αと、の入力手段βと、出力手段γと、前記呼出管理システム2から転送された着信を受けるための通話手段εと、着信通知情報をユーザー(当該取次先端末Bを携帯する従業員)に通知する着信通知手段ζと、着信に応答した旨の応答情報を呼出管理システム2へ送信する応答通知手段ηと、それらの機能手段を前記アプリケーションプログラムに副って制御する制御手段δを具備する構成を備えたスマートフォン等の端末機器である(
図3参照)。
前記呼出管理システム2で採用される転送手法によっては、携帯電話機又はPHS電話機などを採用することもできる。
【0030】
前記通話手段εは、前記連絡手段11からの着信の転送を受けて、当該取次先端末Bと前記顧客端末Dとの通話及び情報通信を行うものであって、着信に応答した際に取次先端末Bの端末情報を含む応答信号を出力する。
前記着信通知手段ζは、前記連絡手段11からの着信通知情報を受けて前記制御手段δのメモリに記録すると共に、前記入力手段βに対する使用者の操作に応じてディスプレイに当該着信通知情報を表示する。
前記応答通知手段ηは、取次先の受信者が着信に応答したことをもって、呼出管理システム2の取次管理手段10へ応答信号(応答情報)を送信する。
【0031】
<実施の態様>
上記呼出システムによれば、顧客端末Dからユーザーたる事業所宛てに発信が成されると、当該着信を受けた中継器(移管手段1)Aにより呼出管理システム2への転送が自動的に行われる。
【0032】
着信の転送を受けた呼出管理システム2は、当該着信の端末情報を検出すると共に、受付支援手段7から出力された、「はい、こちらは○○です。」「お名前(と会社名)をお聞かせください。」などの第一応対メッセージを顧客端末Dへ送信する。
第一応対メッセージを受けた顧客端末Dから、「××の××と申します。」などの第一応答メッセージ(人定情報)が返信されると、呼出管理システム2は、受付支援手段7から出力された、「お取り次ぎを希望される社員の氏名をお聞かせください。」などの第二応対メッセージを顧客端末Dへ送信する。
【0033】
呼出管理システム2は、第二応対メッセージを受けた顧客端末Dから、例えば「△△の△△さん(転送先)をお願いします。」などの第二応答メッセージ(取次先情報)が返信されると、取次先管理手段10により前記従業員マスタ9を検索し、第二応答メッセージに含まれる取次先情報に該当する転送先情報を検出した場合には、受付支援手段7により出力された、「お繋ぎしますので暫くお待ちください。」などの第三応対メッセージを当該顧客端末Dへ送信すると共に、△△さんの居所において「△△の△△さん、携帯にお電話です。」と呼出(放送手段19による呼出音声の出力)をしつつ、取次先端末Bの電話番号へ当該着信を転送すると共に、着信通知情報を送信する。
【0034】
一方、第二応答メッセージに含まれる者に該当する転送先情報を検出できなかった場合には、呼出管理システム2は、受付支援手段7により出力された、「お取り次ぎ先が検出できません。もう一度、お取り次ぎを希望される社員の氏名をお聞かせください。」などの第四応対メッセージを送信し、取次先管理手段10により取次先情報の検出が達成されるまで規定回数(1回又は2回)の検出を試みる。
尚、情報が得られなくとも取り次ぎが可能な場合には、当該情報の検出をスキップする処理を採ることもできる。
【0035】
呼出管理システム2は、規定回数の検出の試みを行ってもなお取次先管理手段10により取次先情報を検出出来なかった場合には、前記取次不能情報を出力し、受付支援手段7により出力された、「ご回答が確認できません。お手数ですが、氏名等をご確認の上、お掛け直し願います。」又は「ご指定の者がたずね当たりません。お手数ですが、氏名等をご確認の上、お掛け直し願います。」などの第五応対メッセージを送信して通話を終了させる。
【0036】
呼出管理システム2が顧客端末Dからの着信を取次先端末Bへ転送した後、規定回数の呼出(2回~3回程度)、又は電話の転送に伴う規定回数のコール(5回~10回程度)を経ても取次先端末Bによる応答がなかった場合には、前記呼出管理システム2は、受付支援手段7により出力された、「お出になりませんので、しばらく時間をおいてお掛け直し願います。」などの第六応対メッセージを送信して通話を終了し、報知管理手段12は、放送手段19等による呼出音声の出力を停止する。
【0037】
この様に、上記呼出システムによれば、事業所の内外で従事する従業員が取次先端末Bさえ所持してさえいれば、取次先である従業員のスケジュールを登録せずとも、当該取次先たる従業員に確実に着信を報知することができる。
併せて、当該従業員の居所において呼出や表示を行えば、取次先端末Bと従業員との位置関係に関わらず従業員に確実に着信を報知することができる。
また、仮に、取次先端末Bが不応答であった場合でも、当該取次先端末Bに着信があった旨の通知が残り、送信者へかけ直す際の便宜となる。
【0038】
更に、受付支援手段7で発信者への不在通知を行うことによって、転送したまま発信者を放置するといった無礼な応対が回避できる。即ち、通話を確立できなかった旨を発信者に速やかに返答することによって、発信者に不必要な応答待ちを強いることが回避できる他、通話断念の決断を発信者任せとすることに伴う不愉快な気分を惹起させる一因を解消することができる。
【符号の説明】
【0039】
A 中継器,B 取次先端末,C スピーカーシステム,D 顧客端末,
α 無線通信手段,β 入力手段,γ 出力手段,δ 制御手段,
ε 通話手段,ζ 着信通知手段,η 応答通知手段,
1 移管手段,2 呼出管理システム,3 着信報知手段,
4 受信手段,5 転送手段,
6 発信者識別手段,7 受付支援手段,8 履歴作成手段,9 従業員マスタ,
10 取次先管理手段,11 連絡手段,12 報知管理手段,13 応対マスタ,
14 音声認識手段,15 応対管理手段,16 応対手段,17 着信マスタ,
18 情報採取手段,19 放送手段,