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特許7125530プログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法
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  • 特許-プログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220817BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021167052
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2021-09-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520458347
【氏名又は名称】合同会社App5
(74)【代理人】
【識別番号】100222117
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼鞍 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】北沢 拓也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美樹也
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特許第6762547(JP,B1)
【文献】特開2017-33328(JP,A)
【文献】特開2002-163498(JP,A)
【文献】特表2012-502375(JP,A)
【文献】特開2004-5238(JP,A)
【文献】特開2001-142942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、及び前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置のコンピュータに実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、
前回の前記情報取得手段で取得された前回物件情報群と、今回の前記情報取得手段で取得された今回物件情報群とを記憶部に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された、前記前回物件情報群と前記今回物件情報群との差分に基づいて、前記前回物件情報群に存在していて、かつ、前記今回物件情報群に存在していない中古車物件情報を特定し、特定した前記中古車物件情報に含まれる販売価格を前記中古車物件情報の成約価格として推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された成約価格に関する情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記複数の中古車物件情報に含まれる各種情報に基づいて、前記情報取得手段で取得された物件情報群のうち、互いに類似する中古車物件情報を抽出し、抽出された中古車物件情報の前記成約価格を統計処理した統計価格情報を出力する統計手段としてさらに機能させ、
前記送信手段は、前記統計手段による前記統計価格情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記中古車物件情報に含まれる販売価格に関する情報と、前記統計手段によって統計処理された前記統計価格情報が示す価格に関する情報と、に基づいて前記中古車物件情報に対して評価情報を付与する評価手段としてさら機能させ、
前記送信手段は、前記評価手段による評価情報を前記ユーザ端末に送信する、
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、及び前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置であって、
前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、
前回の前記情報取得手段で取得された前回物件情報群と、今回の前記情報取得手段で取得された今回物件情報群とを記憶部に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された、前記前回物件情報群と前記今回物件情報群との差分に基づいて、前記前回物件情報群に存在していて、かつ、前記今回物件情報群に存在していない中古車物件情報を特定し、特定した前記中古車物件情報に含まれる販売価格を前記中古車物件情報の成約価格として推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された前記成約価格に関する情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えている、
サーバ装置。
【請求項5】
複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末と、前記中古車販売サイトに掲載される中古車情報を管理するサーバ装置とがネットワークを介して接続された中古車販売支援システムであって、
前記サーバ装置が、
前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、
前回の前記情報取得手段で取得された前回物件情報群と、今回の前記情報取得手段で取得された今回物件情報群とを記憶部に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段で記憶された、前記前回物件情報群と前記今回物件情報群との差分に基づいて、前記前回物件情報群に存在していて、かつ、前記今回物件情報群に存在していない中古車物件情報を特定し、特定した前記中古車物件情報に含まれる販売価格を前記中古車物件情報の成約価格として推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された前記成約価格に関する情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えている、
中古車販売支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中古車の販売価格を自動的に推定する中古車販売価格推定プログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の中古車販売推定プログラムは、販売対象の中古車の車種の現在に至るまでの販売価格の時系列的推移からなる市況情報と、販売価格との連関度とを取得しておき、入力を市況情報、出力を販売価格とした学習済みモデルを利用して、取得した市況情報に基づいて連関度のより高いものを優先させて販売価格を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6762547号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の中古車販売価格推定プログラムでは、推定価格の精度が連関度に依存するが、この連関度を取得するには、事前に過去のデータセットを蓄積しておき分析、解析する必要があるため、分析コストがかかるという問題があった。また、中古車販売業者は、例えば中古車物件の仕入れに際して、実際に中古車物件が取引された成約価格に関心があるが、特許文献1には成約価格に関する具体的な記載はない。そこで、本発明者らは、成約価格に関する情報をより簡便な方法で推定することにより、中古車販売支援においてより有益な情報を提供できるとの着想を得て本発明をするに至った。
【0006】
本発明の目的は、簡便な方法で中古車の成約価格を推定することができるプログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下のプログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法を提供する。
【0008】
[1]複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、及び前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置のコンピュータに実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記物件情報群を時系列的に比較することで、前記中古車販売サイトでの掲載が終了した中古車物件情報の販売価格を成約価格として推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された成約価格に関する情報を、前記掲載が終了した中古車物件情報の前記ユーザ端末に送信する送信手段として機能させるためのプログラム。
[2]前記推定手段が、前回の前記情報取得手段で取得された前回物件情報群のうち、今回の前記情報取得手段で取得された今回物件情報群に存在しない中古車物件情報が存在している場合に、前記今回物件情報群に存在しない中古車物件情報に対応する前回取得時の中古車物件情報に含まれる販売価格を成約価格として推定する、前記[1]に記載のプログラム。
[3]前記複数の中古車物件情報に含まれる各種情報に基づいて、前記情報取得手段で取得された物件情報群のうち、互いに類似する中古車物件情報を選定し、選定された中古車物件情報の前記成約価格を統計処理した統計価格情報を出力する統計手段としてさらに機能させ、前記送信手段は、前記統計手段による前記統計価格情報を前記ユーザ端末に送信する、前記[2]に記載のプログラム。
[4]前記中古車物件情報に含まれる販売価格に関する情報と、前記統計手段によって統計処理された前記統計価格情報が示す価格に関する情報と、に基づいて前記中古車物件情報に対して評価情報を付与する評価手段としてさら機能させ、前記送信手段は、前記評価手段による評価情報を前記ユーザ端末に送信する、前記[3]に記載のプログラム。
[5]複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、及び前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末とネットワークを介して接続されたサーバ装置であって、前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記物件情報群を時系列的に比較することで、前記中古車販売サイトでの掲載が終了した中古車物件情報の販売価格を成約価格として推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された前記成約価格に関する情報を、前記掲載が終了した中古車物件情報の前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えている、サーバ装置。
[6]複数の中古車物件情報が掲載された中古車販売サイト、前記中古車販売サイトへアクセスするユーザ端末と、前記中古車販売サイトに掲載される中古車情報を管理するサーバ装置とがネットワークを介して接続された中古車販売支援システムであって、前記サーバ装置が、前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記物件情報群を時系列的に比較することで、前記中古車販売サイトでの掲載が終了した中古車物件情報の販売価格を、前記掲載が終了した中古車物件情報の成約価格として推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された前記成約価格に関する情報を前記ユーザ端末に送信する送信手段と、を備えている、中古車販売支援システム。
[7]中古車に関する中古車物件情報が掲載された中古車販売サイトとネットワークを介して接続されたサーバ装置またはユーザ端末を介して中古車販売を支援する中古車販売支援方法であって、前記中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得し、前記情報取得手段によって取得された前記物件情報群を時系列的に比較することで、前記中古車販売サイトでの掲載が終了した中古車物件情報の販売価格を、前記掲載が終了した中古車物件情報の成約価格として推定する中古車販売支援方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプログラム、プログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法によれば、簡便な方法で適切な中古車の販売価格を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る中古車販売支援システムの構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、サーバ装置が取得する取得情報の一例である。
図4図4は、サーバ装置が推定する推定情報の一例である。
図5図5は、サーバ装置の制御部の動作例を示すフローチャートである。
図6図6は、他の実施の形態に係る中古車販売支援システムの構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
本発明の実施の形態に係る中古車販売支援システムの構成及び動作について、図1から図5を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る中古車販売支援システム100の構成の一例を示す概略図である。中古車販売支援システム100は、WEBサーバ101~103と、ネットワーク2と、サーバ装置3と、ユーザ端末4と、で構成されている。WEBサーバ101~103と、サーバ装置3と、ユーザ端末4とは、ネットワーク2を介して接続され、通信可能な状態である。ユーザ端末4からWEBサーバ101~103及びサーバ装置3にアクセス可能である。図1では、WEBサーバが3つ、サーバ装置が1つ、ユーザ端末が1つとして図示されているが、各サーバや端末の構成数はこれに限定されない。
【0013】
ネットワーク2は、高速通信が可能な通信ネットワークであり、例えば、イントラネットやLAN(Local Area Network)等の有線又は無線の通信網である。サーバ装置3は、例えばクラウドサーバであり、複数台のデータサーバで構築される。ユーザ端末4は、情報処理機能、通信機能、情報の入出力機能を有したコンピュータであり、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型のコンピュータ、タブレット端末またはスマートフォン等である。
【0014】
ユーザ端末4を利用するユーザとしては、例えば、中古車の購入を検討している消費者であり、あるいは、中古車販売業を営む中古車販売事業者である。
【0015】
図2は、サーバ装置3の構成例を示すブロック図である。サーバ装置3は、ネットワーク2を介して外部と通信する通信部31と、各種のプログラムを実行する制御部32と、制御部32に実行されるプログラム330が記憶されている記憶部33と、を有している。
【0016】
制御部32は、受信手段320と、記憶部33に記憶されたプログラム330を実行することで、情報取得手段321と、記憶手段322と、推定手段323と、統計手段324と、評価手段325と、送信手段326等として機能する。
【0017】
受信手段320は、中古車販売サイトA~Cの閲覧要求を受信する。閲覧要求は、例えば、ユーザ端末4に対するユーザ操作によって実行される。
【0018】
情報取得手段321は、WEBサーバ101~103が提供する中古車販売サイトA~Cに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する。所定の間隔とは、特に限定するものではないが、例えば24時間でもよく、1週間でも良いが、間隔が短いほど、前回取得した情報と今回取得した情報との間に時間差による情報の差分が小さくなるため、最新に近い情報を取得することになる。また、情報取得手段321は、例えばスクレイピング技術を用いて、各サイトに掲載されている中古車販売に関する各種情報を含んだ中古車物件情報を取得する。
【0019】
記憶手段322は、情報取得手段321が取得した物件情報群を取得情報331として記憶部33に記憶する。物件情報郡とは、複数の中古車物件情報からなる集合データである。また、記憶手段322は、推定手段323及び評価手段325によって得られた情報を推定情報332として記憶部33に記憶する。
【0020】
推定手段323は、記憶手段322によって記憶された物件情報群からなる取得情報331に基づいて、中古車物件の成約価格を推定する。
【0021】
より詳細にいうと、推定手段323は、記憶手段322によって記憶された取得情報331において、前回の情報取得手段321で取得された前回物件情報群331A(後述する図3に示す)のうち、今回の情報取得手段321で取得された今回物件情報群331B(後述する図3に示す)に存在しない中古車物件情報が存在している場合に、今回物件情報群331Bに存在しない中古車物件情報に対応する中古車物件の販売価格に関する情報を前回物件情報郡331Aから抽出して、抽出した販売価格に関する情報を当該中古車物件の成約価格として推定する。推定手段323の詳細については後述する。
【0022】
統計手段324は、記憶手段322によって記憶された取得情報331のうち、複数の中古車物件情報に含まれる各種情報に基づいて、互いに類似する中古車物件情報を選定し、選定された中古車物件情報の成約価格を統計処理した統計価格情報を出力する。統計価格情報は、例えば、複数の成約物件情報ごとの成約価格の平均成約価格である。
【0023】
評価手段325は、統計手段324によって統計処理された統計価格情報と、推定手段323によって推定された成約価格とを比較して、当該成約価格に紐づく中古車物件情報に対して評価情報を生成する。
【0024】
例えば、評価手段325は、対象の中古車物件情報の成約価格が、統計手段324によって得られた平均成約価格よりも高い場合には、当該中古車物件情報における取引では、相場よりも高値で中古車が購入されたとして、その中古車物件情報に対し、低い評価としてランクCを付与する。一方、成約価格が平均成約価格よりも低い場合には、相場よりも安値で中古車を購入できたとして、その成約価格に紐づく中古車物件情報に対して高い評価としてランクAを付与する。つまり、評価手段325によって、中古車の仕入れあるいは購入において、より有利に取引できた物件に高い評価が付与される。また、評価手段325は、成約価格と平均成約価格とが同じ価格の場合には、中古車物件情報に対してランクBを付与する。このように、上記の例では、評価手段325が生成する評価情報は、成約済みの中古車物件情報に対して、中古車売買取引における中古車販売事業者にとって良い仕入れができたか否かの評価指標であり、購入を希望する一般消費者にとっての有利な中古車売買ができたか否かの評価指標でもある。
【0025】
変形例として、評価手段325は、中古車販売サイトに掲載されている物件情報に含まれる販売価格に対して評価しても良い。例えば、中古車販売サイトに掲載されている販売中の中古車物件情報の販売価格が平均推定価格より高い場合には、評価手段325は、相場より高い物件であるとして、評価情報として低ランクCを付与する。つまり、この例では、評価手段325が生成する評価情報は、中古車の購入を希望する消費者にとって良い取引ができたか否かの評価指標となる。
【0026】
記憶部33には、制御部32が実行するプログラム330と、制御部32の情報取得手段321によって取得された取得情報331と、推定手段323によって推定された推定情報332とが記憶されている。
【0027】
送信手段326は、推定手段323によって推定された成約価格に関する情報を中古車物件情報に含めてユーザ端末4に送信する。また、送信手段326は、統計手段324による統計価格情報を中古車物件情報に含めてユーザ端末4に送信する。またさらに、送信手段326は、評価手段325による評価情報を中古車物件情報に含めてユーザ端末4に送信する。送信手段326は、後述する推定情報332をユーザ端末4に送信してもよい。
【0028】
次に、制御部32の推定手段323の詳細について図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3は、取得情報331の一例を示す概略図である。図4は、推定情報332の一例を示す概略図である。
【0029】
図3に示すように、情報取得手段321が前回取得時に取得した取得情報を記憶手段322が記憶部33に記憶する情報が前回物件情報群331Aであり、今回取得時に取得した取得情報を記憶手段322が記憶部33に記憶する情報が今回物件情報群331Bである。なお、図3では、情報取得手段321が24時間の間隔で、中古車物件情報を取得する場合であり、前回取得時の物件情報のうち3つの物件情報を例に挙げて説明する。
【0030】
前回物件情報群331Aには、情報取得手段321が取得した取得日と、中古車物件情報を一意に識別するための物件IDと、車種、年式、中古車販売サイトに中古車物件情報の掲載が開始された掲載開始日、販売店舗、販売価格等が含まれる。なお、前回物件情報群331Aに含まれる各種情報はこれに限らず、例えば走行距離や中古車両の仕様など、中古車販売に必要な情報が含まれていてもよい。
【0031】
推定手段323は、前回物件情報群331Aと、今回物件情報群331Bとを比較し、その差に基づいて成約価格を推定する。つまり、推定手段323は、前回物件情報群331Aと、今回物件情報群331Bとの差分によって、前回物件情報群331Aには存在するが、今回物件情報群331Bには存在しない中古車物件情報を特定し、抽出する。図3に示す例では、前回物件情報群331Aと、今回物件情報群331Bとの差分の中古車物件情報として、物件IDが「002」の中古車物件情報が抽出される。そして、推定手段323は、前回物件情報群331Aの物件IDが「002」の中古車物件情報に含まれる販売価格「320万」を、物件IDが「002」の中古車物件情報の成約価格として推定し、記憶手段322がこれを推定情報332として記憶する(図4に示す)。この際、記憶手段322は、今回物件情報群331Bの取得日を推定成約日として記憶し、評価手段325による評価情報を評価ランクとして記憶し、ステータスを「成約済」として記憶する。
【0032】
図5は、サーバ装置3の制御部32の動作例を示すフローチャートである。
【0033】
まず、制御部32の受信手段320がユーザ端末4に対するユーザ操作による中古車販売サイトA~Cのいずれかのサイトに対する閲覧要求があったか否かを判定する(ステップS30)。閲覧要求があった場合は(ステップS30:Yes)、情報取得手段321が中古車販売サイトに掲載されている情報を取得する(ステップS31)。一方で、閲覧要求がない場合には(ステップS30:No)、再度ステップS30の処理を実行する。
【0034】
次に、記憶手段322が、取得した情報を取得情報331として記憶部に記憶し(ステップS32)、推定手段323が前回物件情報群331A(図3に示す)と今回物件情報群331B(図3に示す)とを比較する(ステップS33)。
【0035】
そして、今回物件情報群331Bの中に、前回物件情報群331Aに含まれる中古車物件情報に対応する中古車物件情報が存在しない情報があるかどうかを判定する(ステップS34)。つまり、推定手段323は、前回物件情報群331Aと前回物件情報群331Aとの差分データのうち、前回物件情報群331Aには存在していて、今回物件情報群331Bには存在しない物件情報があるかどうかを判定する。
【0036】
前回物件情報群331Aには存在していて、今回物件情報群331Bには存在しない中古車物件情報がある場合には(ステップS34:Yes)、前回物件情報群331Aにおける中古車物件情報の販売価格を、当該中古車物件情報の中古車両の成約価格として推定する(ステップS35)。一方で、前回物件情報群331Aには存在していて、今回物件情報群331Bには存在しない中古車物件情報がない場合には(ステップS34:No)、ステップS34の処理を繰り返す。
【0037】
次に、統計手段324が、各種情報が類似する中古車物件情報を抽出し、抽出された中古車物件情報のそれぞれの推定価格に基づいて統計処理情報としての平均成約価格を生成する(ステップS36)。そして、評価手段325が、推定手段323によって推定された成約価格に対する評価情報を生成する(ステップS37)。
【0038】
記憶手段322が、推定手段323が推定した推定価格と、統計手段324が生成した平均成約価格と、評価手段325が生成した評価情報等の情報を推定情報332として記憶部33に記憶する(ステップS38)。この際、推定成約日とステータスを記憶しても良い。推定成約日は、例えば、今回物件情報群331Bに存在していなかった中古車物件情報に対応する前回物件情報群331Aの中古車物件情報における取得日を推定成約日としてもよい。
【0039】
最後に、送信手段326が、記憶部33に記憶された推定情報332をユーザ端末4に送信し(ステップS39)し、処理を終了する。
【0040】
(実施の形態の効果)
上記の実施の形態によれば、中古車販売サイトに掲載されている中古車物件情報を所定の間隔で取得し、取得された中古車物件情報を時系列的に比較することで、中古車販売サイトでの掲載が終了した時点の販売価格を、当該掲載が終了した中古車物件情報の成約価格として推定しているので、簡便な方法で中古車の成約価格を推定することができる。
【0041】
また、統計手段324によって推定手段323が推定した成約価格に関する統計価格情報を得ることができるので、中古車の購入あるいは仕入れの判断として有益な情報を提供することができる。
【0042】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【0043】
上記実施の形態では、送信手段326は、推定情報332をユーザ端末4にのみ送信していたが、これに限定されず、中古車物件に含まれる車両について評価する中古車評価サイトに送信しても良い(図6参照)。中古車評価サイトは、WEBサーバDが提供するサイトであり、例えば、特定の年式、色、車種等に関する中古車についての、一般的な基本情報や、複数の購入者のコメントを参照することができるサイトである。このような中古車評価サイトに、本発明における推定情報332の成約価格を提供することにより、中古車の購入に必要な有益情報を提示することになり、中古車評価サイトの信頼性や利便性の向上させることが可能である。
【0044】
また、上記の実施の形態では、推定情報332の項目は限定されず、例えば、物件IDごとの販売速度に関する情報が含まれていてもよい。販売速度に関する情報とは、取得情報331の掲載開始日と、推定情報332の推定成約日との差分日数によって得られる情報であり、この差分日数が小さいほど販売速度が速いことを意味する。評価手段325が、上記の販売速度に関する情報に基づいて、販売店舗ごとを評価してもよい。この場合には、評価手段325は、例えば、販売速度が早い物件を多く保持している販売店舗ほど、高い評価を付与するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
2…ネットワーク
3…サーバ装置
4…ユーザ端末
31…通信部
32…制御部
33…記憶部
100…中古車販売支援システム
320…受信手段
321…情報取得手段
322…記憶手段
323…推定手段
324…統計手段
325…評価手段
326…送信手段
330…プログラム
331…取得情報
332…推定情報
331A…前回物件情報群
331B…今回物件情報群
【要約】
【課題】簡便な方法で中古車の成約価格を推定することができるプログラム、サーバ装置、中古車販売支援システム及び中古車販売支援方法を提供する。
【解決手段】サーバ装置3は、中古車販売サイトに掲載されている複数の中古車物件情報からなる物件情報群を所定の間隔で継続的に取得する情報取得手段と、情報取得手段によって取得された物件情報群を時系列的に比較することで、中古車販売サイトでの掲載が終了した中古車物件情報の販売価格を成約価格として推定する推定手段と、推定手段によって推定された成約価格に関する情報をユーザ端末に送信する送信手段と、を備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6