(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】柔軟、透明な膨張性防炎塗料および同じものを組み込んだ複合材
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20220817BHJP
G02F 1/16753 20190101ALI20220817BHJP
G02F 1/167 20190101ALI20220817BHJP
【FI】
B32B27/00 B
G02F1/16753
G02F1/167
(21)【出願番号】P 2021503826
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 US2019042902
(87)【国際公開番号】W WO2020023432
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-22
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500080214
【氏名又は名称】イー インク コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】カン, イェレナ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン, トーマス エス.
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-054682(JP,A)
【文献】特開2006-249364(JP,A)
【文献】国際公開第2018/075263(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0000153(US,A1)
【文献】特開2007-152847(JP,A)
【文献】特表2002-507765(JP,A)
【文献】特表2018-503873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
G02F 1/15- 1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張性材料の
光透過性層と
、電気光学材料の層と、第1の光透過性防湿バリアと、第2の防湿バリアとを含む複合材であって、
前記膨張性材料の光透過性層は、前記第1の防湿バリアと前記第2の防湿バリアとの間にあり、
前記膨張性材料の光透過性層は、前記第1の光透過性防湿バリアと前記電気光学材料の層との間に位置し、
前記膨張性材料
の光透過性層は、アミンまたはアミド含有化合物
と可塑剤とを含み、
前記第1の光透過性防湿バリアおよび前記第2の防湿バリアは、60℃および100%RHで0.01g/m
2
/日より小さいまたは等しいWVTRを有する、複合材。
【請求項2】
前記
第1の光透過性防湿バリアが、保護フィルムおよび接着剤の層を含む、請求項1に記載の複合材。
【請求項3】
前記保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンホモポリマーまたはコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項
2に記載の複合材。
【請求項4】
前記接着剤の層が、光学的に透明な接着剤材料を含む、請求項
2に記載の複合材。
【請求項5】
前記膨張性
材料の光透過性層が、チャー形成炭素質材料、脱水触媒、および発泡剤をさらに含む、請求項1に記載の複合材。
【請求項6】
前記チャー形成炭素質材料が、ポリオール、ポリアミド-6、ポリアミド-6およびクレイのナノ複合材、トリアジン誘導体、イソシアヌレート誘導体、エタノールアミン-アミノトリアジンオリゴマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
5に記載の複合材。
【請求項7】
前記脱水触媒が、ポリリン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸クロロアルキル、ホスホン酸クロロアルキル、有機リン酸またはホスホン酸のエステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
5に記載の複合材。
【請求項8】
前記発泡剤が、メラミン、トリアジン誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
5に記載の複合材。
【請求項9】
前記膨張性材料
の光透過性層が、バインダー樹脂をさらに含む、請求項
5に記載の複合材。
【請求項10】
前記バインダー
樹脂が、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニル、EVA、PVAc、エポキシド、ケイ酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
9に記載の複合材。
【請求項11】
前記可塑剤が、グリセロールおよびエチレングリコールからなる群から選択される材料を含む、請求項
1に記載の複合材。
【請求項12】
前記電気光学材料の層が、電気泳動粒子の封入された分散液を含む、請求項
1に記載の複合材。
【請求項13】
太陽電池と組み合わせた、請求項1に記載の複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月25日に出願された通し番号第62/703,156号を有するアメリカ仮特許出願に基づく利益および優先権を主張するものであり、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、柔軟な積層体のための透明な膨張性(intumescent)コーティングに関する。より具体的には、一局面において、本発明は、例えば、電気光学ディスプレイまたは太陽光発電の屋根瓦などの柔軟な積層体に組み込むことができる、透明な膨張性コーティングに関する。
【0003】
チャー形成炭素質材料(「carbonific」)、鉱酸触媒、発泡剤(「spumific」)、およびバインダー樹脂を含む、市販の膨張性コーティングは、膨張する構成要素の1ガロンあたり数ポンドを含む塗料配合物に見られ得る。さらに、配合物は典型的に、厚い層で適用され、その結果、コストのかかるコーティングがもたらされる。
【0004】
膨張性防火コーティング(fire coating)の大部分は、航空宇宙産業および建築/建設用途のために、耐火鋼、コンクリート、木材、およびその他の硬質基板に開発されている。用途の大部分で透明性は必要ないため、現在市販されているシステムの多くは、TiO2、ナノクレイ、グラファイト、カオリン、およびアルミノケイ酸塩を含む。耐火基準に準拠するために、これらの硬質で不透明なコーティングは、建築材料の表面に適用されなければならない。結果として、コーティングを、太陽光発電の屋根瓦など、柔軟性および透明性を必要とする建築材料に使用できない。
【0005】
したがって、柔軟な材料に組み込むことができる改善された透明な膨張性コーティングが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一局面によると、膨張性材料の層および、膨張性材料の層の少なくとも1つの表面と接触する少なくとも1つの防湿バリアを含む、複合材が開示され、膨張性材料は、アミンまたはアミド含有化合物を含む。
【0007】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の説明を考慮して明らかになるであろう。
【0008】
図面の図は、制限としてではなく、例としてのみ、本概念による1つまたは複数の実施を示している。図面は、原寸に比例していない。図において、類似の参照番号は、同じまたは同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による膨張性材料の上面斜視図である。
【0010】
【
図2】
図2は、
図1の膨張性材料の軸I-Iに沿った側面断面図である。
【0011】
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態による複合材の側面断面図である。
【0012】
【
図4】
図4は、本発明の第3の実施形態による複合材の側面断面図である。
【0013】
【
図5】
図5は、本発明の第4の実施形態による複合材の側面断面図である。
【0014】
【
図6】
図6Aは、本発明の第3の実施形態と同様の構造を有する複合材のサンプルに適用されたトーチ火炎の写真である。
【0015】
図6Bは、火炎を取り除いてから10分後の
図6Aのサンプルの写真である。
【0016】
【
図7】
図7は、本発明の第4の実施形態と同様の構造を有する複合材のサンプルから火炎を取り除いてから10分後に撮影した写真である。
【0017】
【
図8】
図8は、表1に示されている環境安定性データのプロットである。
【0018】
【
図9】
図9は、QUV UV試験機でUVに曝露した後の実施例3のサンプルの性能のチャートである。
【0019】
【
図10】
図10Aおよび10Bは、本発明の別の実施形態による膨張性材料の層を含む積層可能なスタックの断面図である。
【0020】
【
図11】
図11は、実施例4で作成したさまざまなサンプルの脆化試験データのチャートである。
【0021】
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に組み込まれた膨張性材料および柔軟な基板のサンプルの光透過データのプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、関連する教示の完全な理解を提供するために、例として多くの具体的な詳細が、明らかにされる。しかしながら、本教示がそのような詳細なしで実施され得ることは、当業者に明らかであるべきである。
【0023】
一般に、本発明の様々な実施形態によって作製された材料は、透明な最上層を必要とする様々なデバイスで使用され得る、耐火性複合材を提供する。本発明の様々な実施形態は、膨張性材料層の追加を介して、新しい積層建築材料を耐火性にする方法を提供することができる。例えば、本発明の別の実施形態において、前述の複合材料を電気光学フィルムと組み合わせることができる。本発明の様々な実施形態による複合材料は、十分に透明で柔軟性があり、その結果、それらは、変色フィルムまたは他の建築用電子ペーパーベースの製品とうまく統合することができる。これは、一部の電子ペーパーベースの製品など、可燃性溶媒を含む建築用製品に特に有利であり得る。本発明による複合材は、光透過性であるため、複合材は、最終製品の電気光学性能にほとんどまたはまったく影響を及ぼさない可能性がある。用語「光透過性」は、このように指定された層が、その層を通して見ている観察者に、、下にある層(複数可)の表面の外観を観察することを可能にするのに十分な光を透過することを意味するために本明細書に使用される。
【0024】
本発明の様々な実施形態による複合材はまた、太陽光発電の屋根瓦に耐火性を提供するために使用され得る。これは、従来の太陽光発電の屋根瓦の最上層として使用されるガラスの代わりに、複合材を柔軟なポリマーカバーとして利用することによって達成できる。
【0025】
本発明の別の実施形態において、本発明の様々な実施形態によって作製された複合材を使用して、耐火性ガラスパネルを提供することができる。通常のガラスパネルは、断熱性や耐火性が高くない。複合材が、例えば、パネルの表面に積層によって容易に適用され得るため、本発明の柔軟で光透過性の複合材は、改善された耐火性パネルを提供し得、複合材内の膨張性材料が、密封されるため、複合材は、透明度が大幅に低下し、たとえば建築用途の窓として使用され得るガラスパネルには非常に望ましくない、劣化の影響を受けにくい。
【0026】
防火コーティングの分類は、それらの望ましい性能に基づいている。すなわち、(1)建築の場合、ASTM E119によって、または炭化水素火災の場合、ASTM E1529によって定義され、時間すなわち、1時間、2時間など、の観点から測定された耐火性を高めるもの、および(2)ASTM E84の火炎拡散指数によって測定された可燃性基板の火炎拡散を低減するもの。本発明の様々な実施形態による、耐火性複合材、ならびに複合材を含む組立品は、好ましくは、ASTM E84に準拠し、Bまたはそれを超える規格、すなわち、75またはより大きいASTM E84によって決定される火炎拡散指数を有する。
【0027】
ここで
図1および2を参照すると、本発明の第1の実施形態による複合材料が示されている。複合材料は、好ましくは特定の積層プロセスにおいて有利であり得る、取り除き可能な剥離シートの形態で提供されるベースシート14を含む。複合材料は、光透過性膨張性材料10の層および保護層12をさらに含み得る。保護層12は、光透過性バリア層15および光透過性接着剤層16を含み得る。前述のように、保護層12は、好ましくは、膨張性材料10からの水分の損失を防止または抑制するために、膨張性材料10の層を取り囲み、囲む。
【0028】
バリア層15は、柔軟な上部基板の形態で提供することができ、上部基板を形成するために使用され得る材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンホモポリマーまたはコポリマー、およびそれらの組み合わせなどのポリマー材料を含むが、これらに限定されない。基板は、好ましくは、1つまたは複数のフィルムでコーティングし、保護層12の防湿バリア特性を強化するか、または下にある膨張性材料の劣化を防止するためのハードコーティング、反射防止コーティング、あるいはUVコーティングなどの他の特性を組み込むことができる材料でできている。コーティング材料の例は、シリカ酸化物、シリカ窒化物、酸化アルミニウムなどの有機および無機化合物、ならびにポリアクリルなどのポリマー、ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。記載された材料の組み合わせは、交互層、例えばポリマー/Al2O3あるいはポリマー/シリカ酸化物またはシリカ窒化物の交互層の形態で提供され得る。バリア層15は、60℃および100%RHで、最大で約10-2g/m2/日、より好ましくは最大で約10-3g/m2/日の水蒸気透過度(WVTR)を示し、膨張性材料の脆化を防止または抑制することが、好ましい。
【0029】
接着剤材料の層16は、好ましくは、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、反応性接着剤、またはそれらの組み合わせなどの光学的に透明な接着剤材料でできている。UV保護材料などの前述のコーティング材料はまた、接着剤材料に組み込まれるか、または接着剤材料と膨張性材料の層との間の別の層として組み込まれ得る。接着剤材料層16は、好ましくは、膨張性材料10が接着剤材料層16内に完全に包まれて、膨張性材料10からの水分の漏出をさらに防止または抑制するような方法で適用される。次に、膨張性材料10が接着剤層材料16に包まれた後、剥離可能なシート14を適用し、複合材の底部を形成し得る。
【0030】
膨張は難燃性の戦略であり、下にある材料を火炎から絶縁する、膨潤したマルチセルの熱的に安定したチャーの加熱による形成を伴う。本発明の様々な実施形態において使用される膨張性材料は、チャー形成炭素質材料、脱水触媒、および発泡剤を含み得る。好ましくは、脱水触媒および炭素質材料は、加熱されるとチャーを形成し、発泡剤は、加熱されると膨張性材料に発泡構造を形成させる。チャー形成炭素質材料は、炭素に富むポリオール、ポリアミド-6、ポリアミド-6およびクレイのナノ複合材、トリアジン誘導体、イソシアヌレート誘導体、エタノールアミン-アミノトリアジンオリゴマー、ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。膨張性材料に含まれ得る脱水触媒は、リン酸誘導体(例えば、ポリリン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸クロロアルキル、ホスホン酸クロロアルキル、有機リン酸またはホスホン酸のエステル)およびそれらの組み合わせなどの鉱酸触媒を含むが、これらに限定されない。発泡剤は、メラミン、トリアジン誘導体、およびそれらの組み合わせなど、アミンまたはアミドを含む化合物を含み得るが、これらに限定されない。膨張性材料は、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニル、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、エポキシド、ケイ酸塩、およびそれらの組み合わせなどのバインダー樹脂をさらに含み得る。本発明の様々な実施形態で使用され得る膨張性材料の例は、FX100樹脂とT50触媒(両方ともFlame Seal Products Inc. of Houston, TXによって製造される)の混合物である。
【0031】
膨張性材料は、好ましくは、元の厚さの50~100倍まで膨張する。活性化されると、膨張性材料は、好ましくは、小さな空気セルからなる絶縁チャー層を形成し、それは、下にある層をさらなる燃焼から保護する。燃焼試験基準を満たすために、チャー泡層は特定の温度(たとえば1または2時間)で一定期間安定している必要がある。膨張性プロセスは、好ましくは、200~250℃で開始する。
【0032】
本発明の一実施形態によると、膨張性材料が熱に露出されたときに発生する化学反応は、以下のように進行し得る。
1.バインダー樹脂が、もし存在する場合、溶融し、液相において化学反応を促進する;
2.脱水触媒が、分解し、酸を形成する;
3.酸が、炭素に富むポリオールと反応し、架橋酸エステルを形成する;
4.エステルが、分解し、チャーマトリックスを形成する、そして
5.発泡剤が、ガスを放出し、マトリックスの膨張を引き起こし、厚くてコンパクトな多孔性のチャーの泡を形成する。
【0033】
本発明の様々な実施形態によって作製された電気光学ディスプレイは、膨張性材料がスタック内の電気光学媒体に近接している、複合材または積層体を提供することができ、可燃性の封入剤を含む電気光学媒体に有利であり得る。
【0034】
材料またはディスプレイに適用される場合、用語「電気光学」は、本明細書において、イメージング技術におけるその従来の意味で使用され、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2のディスプレイ状態を有する材料を指し、材料に電界を印加することにより、材料が第1の表示状態から第2の表示状態に変化する。光学特性は典型的に、ヒトの目に知覚できる色であるが、光透過率、反射率、発光、または機械読み取りを目的としたディスプレイの場合、可視範囲外の電磁波の反射率における変化の意味での疑似カラーなど、別の光学特性であり得る。電気光学材料/ディスプレイは、回転する二色性部材、封入された電気泳動媒体、液晶媒体、エレクトロクロミック媒体、エレクトロウェッティング媒体などの様々なタイプの媒体を含み得る。
【0035】
マサチューセッツ工科大学(MIT)、E Ink Corporation、E Ink California、LLCおよび関連会社に割り当てられた、またはその名前で譲渡された多数の特許および出願は、封入およびマイクロセル電気泳動およびその他の電気光学媒体で使用されるさまざまな技術を記載する。封入された電気泳動媒体は、多数の小さなカプセルを含み、そのそれぞれ自体は、流体媒体中に電気泳動的に移動可能な粒子を含む内相および、内相を取り囲むカプセル壁を含む。典型的に、カプセルは、それ自体がポリマーバインダー内に保持され、2つの電極間に配置されたコヒーレント層を形成する。マイクロセル電気泳動ディスプレイにおいて、荷電粒子および流体は、マイクロカプセル内に封入されておらず、代わりに、担体媒体、典型的にはポリマーフィルム内に形成された複数の空洞内に維持される。これらの特許および出願に記載されている技術は、
(a)電気泳動粒子、液体、および液体添加剤;例えば、米国特許第7,002,728号および第7,679,814号を参照;
(b)カプセル、バインダー、および封入プロセス;例えば、米国特許第6,922,276号;第6,866,760号;および第7,411,719号を参照;
(c)マイクロセルの構造、壁の材料、およびマイクロセルの形成方法;例えば、米国特許第7,072,095号および第9,279,906号を参照;
(d)マイクロセルを充填および密封する方法;例えば、米国特許第7,144,942号および第7,715,088号を参照;
(e)電気光学材料を含むフィルムおよびサブ組立品;例えば、米国特許第6,982,178号および第7,839,564号を参照;
(f)バックプレーン、接着剤層、および他の補助層およびディスプレイで使用される方法;例えば、米国特許第7,116,318号および第7,535,624号を参照;
(g)色の形成および色の調整;例えば、米国特許第7,075,502号および第7,839,564号を参照;
(h)ディスプレイを駆動する方法;例えば、米国特許第7,012,600号および第7,453,445号を参照;
(i)ディスプレイの用途;例えば、米国特許第7,312,784号および第8,009,348号を参照;ならびに
(j)米国特許第6,241,921号および米国特許出願公開第2015/0277160号に記載されている、非電気泳動ディスプレイ;ならびにディスプレイ以外の封入およびマイクロセル技術の応用;例えば、米国特許出願公開第2015/0005720号および第2016/0012710号を参照;
を含む。
【0036】
他のタイプの電気光学媒体もまた、本発明のディスプレイに使用され得る。
【0037】
電気光学ディスプレイは通常、電気光学材料の層および電気光学材料の反対側に配置された少なくとも2つの他の層を含み、これらの2つの層の1つは、電極層である。ほとんどのそのようなディスプレイにおいて、両方の層が、電極層であり、一方または両方の電極層は、ディスプレイのピクセルを定義するためにパターン化されている。例えば、一方の電極層は、細長い列電極にパターン化され得、他方は、列電極に対して直角に走る細長いカラム電極にパターン化され得、ピクセルは、列電極とカラム電極の交差によって定義される。あるいは、より一般的に、一方の電極層は、単一の連続電極の形態を有し、他方の電極層は、ピクセル電極のマトリックスにパターン化され、それぞれがディスプレイの1つのピクセルを定義する。
【0038】
3層電気光学ディスプレイの製造は、通常、少なくとも1回の積層操作を含む。例えば、前述のMITおよびE Inkの特許および出願のいくつかにおいて、封入された電気泳動ディスプレイを製造するためのプロセスの記載があり、バインダー中にカプセルを含む封入された電気泳動媒体が、酸化インジウムスズ(ITO)または同様の導電性コーティング(最終的なディスプレイの1つの電極として機能する)をプラスチックフィルム上で含む柔軟な基板にコーティングされ、カプセル/バインダーコーティングを乾燥させて、基板にしっかりと接着した電気泳動媒体のコヒーレント層を形成する。これとは別に、ピクセル電極のアレイおよび、ピクセル電極を駆動回路に接続するための導体の適切な配置を含む、バックプレーンが調製される。最終的なディスプレイを形成するために、その上にカプセル/バインダー層を有する基板は、積層接着剤を使用されるバックプレーンに積層される。そのようなプロセスの1つの好ましい形態において、バックプレーンはそれ自体が柔軟であり、プラスチックフィルムまたは他の柔軟な基板上にピクセル電極および導体を印刷することによって調製される。このプロセスによるディスプレイの大量生産のための明白な積層技術は、積層接着剤を使用する回転積層体である。同様の製造技術は、他のタイプの電気光学ディスプレイで使用され得る。例えば、マイクロセル電気泳動媒体または回転する二色性部材媒体は、封入された電気泳動媒体と実質的に同じ方法でバックプレーンに積層され得る。
【0039】
前述の米国特許第6,982,178号は、大量生産によく適合した固体電気光学ディスプレイ(封入された電気泳動ディスプレイを含む)を組み立てる方法を記載している。本質的に、本特許は、光透過性導電層;導電層と電気的に接触している固体電気光学媒体の層;接着剤層;および剥離シートを順番に含む、いわゆる「フロントプレーン積層体」(「FPL」)を記載している。典型的には、光透過性導電層は、光透過性基板上に運ばれ、これは、永久変形なしに基板を(例えば)直径10インチ(254mm)のドラムに手動で巻き付けることができるという意味で、好ましくは柔軟である。基板は、典型的に、ポリマーフィルムであり、通常、約1から約25mil(25から634μm)、好ましくは約2から約10mil(51から254μm)の範囲の厚さを有する。導電層は、好都合に、例えば、アルミニウムあるいはITOの薄い金属または金属酸化物層であるか、または導電性ポリマーであり得る。アルミニウムまたはITOでコーティングされたポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムは、例えば、E.I.du Pont de Nemours&Company、Wilmington DEから「アルミ化マイラー」(「マイラー」は登録商標)として市販されており、そのような市販の材料は、フロントプレーン積層体で良好な結果で使用され得る。
【0040】
このようなフロントプレーン積層体を使用した電気光学ディスプレイの組立品は、フロントプレーン積層体から剥離シートを取り除き、接着剤層をバックプレーン接着させるのに有効な条件下で接着剤層をバックプレーンと接触させることによって行うことができ、それにより接着剤層、電気光学媒体の層、および導電層をバックプレーンに固定する。このプロセスは、典型的にロールツーロールコーティング技術を使用する、フロントプレーン積層体を大量生産し、次に特定のバックプレーンでの使用に必要な任意のサイズに切断できるため、大量生産によく適している。
【0041】
米国特許第7,561,324号は、本質的には、前述の米国特許第6,982,178号のフロントプレーン積層体の簡略化されたバージョンである、いわゆる「ダブル剥離シート」を記載している。ダブル剥離シートの1つの形態は、2つの接着剤層の間に挟まれた固体電気光学媒体の層を含み、接着剤層の一方または両方が、剥離シートによって覆われている。ダブル剥離シートの別の形態は、2つの剥離シートの間に挟まれた固体電気光学媒体の層を含む。ダブル剥離フィルムの両方の形態は、すでに記載したフロントプレーン積層体から電気光学ディスプレイを組み立てるプロセスと一般に同様のプロセスで使用することを意図しているが、2つの別々の積層体が含まれ;典型的に、最初の積層体において、ダブル剥離シートが、フロント電極に積層され、フロントサブ組立品を形成し、次に2番目の積層体において、フロントサブ組立品が、バックプレーンに積層され、最終的なディスプレイを形成する。一方、これら2つの積層体の順番は、もし望むなら、逆にすることができる。
【0042】
米国特許第7,839,564号は、前述の米国特許第6,982,178号に記載されているフロントプレーン積層体の変形である、いわゆる「反転フロントプレーン積層体」を記載している。この反転フロントプレーン積層体は、順番に、光透過性保護層および光透過性導電層;接着剤層;固体電気光学媒体の層;ならびに剥離シートのうちの少なくとも1つを含む。この反転フロントプレーン積層体は、電気光学層と前面電極または前面基板との間の積層接着剤の層を有する電気光学ディスプレイを形成するために使用され;第2の、典型的に接着剤の薄い層は、電気光学層とバックプレーンとの間に存在する場合も存在しない場合もある。このような電気光学ディスプレイは、優れた解像度と優れた低温性能を組み合わせることができる。
【0043】
本発明の別の実施形態によると、光透過性、柔軟性、および耐火性複合材は、FPLに積層され得る。FPLは、好ましくは、電気泳動媒体の層を含むスタックを含み、耐火性複合材は、スタックの最も可燃性の構成要素であり得る、電気泳動媒体の層に積層され得る。複合材は、電気泳動媒体の層の片面または両面に積層され得る。
【0044】
例えば、
図3を参照して、本発明の一実施形態によるFPLの断面図を模式的に示す。FPLは、光透過性バリア層15および接着剤材料層16を含む保護層を含み得る。膨張性材料の層10は、接着剤材料の層16内に埋め込まれ得る。本発明の代替の実施形態において、
図4において示されるように、2つのバリア層15a、15bは、2つのバリア層15a、15bの間に埋め込まれた膨張性材料10を含む、単一の接着剤材料層16と共に使用され得る。膨張性層10からの水分の損失を抑制または防止するために、保護層の周辺領域は、挟まれたエッジシール11を含み得る。
【0045】
電気光学層はまた、接着剤材料16の層内に埋め込まれ得る。電気光学層は、電気泳動媒体の層22の反対側に適用された光透過性導電性材料の層18a、18bを有する電気泳動媒体の層22を含み得る。導電性材料の層18a、18bは、電源(示さず)に接続されたときに電極として役に立ち、電気泳動媒体22の厚さ全体に電界を印加して、電気泳動媒体に光学状態を切り替える。光透過性導電性材料の材料は、酸化インジウムスズ、PEDOT-PSS、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェン、有機-金属-有機(OMO)電極、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。オプションの導電性接着剤層20a、20bは、導電性材料の層18a、18bと電気泳動媒体22との間に適用され得る。
【0046】
前に説明したように、電気泳動媒体は、溶媒または溶媒混合物中に電気泳動顔料粒子の封入された分散液を含み得る。溶媒または溶媒混合物、ならびに電気光学媒体の他の構成要素(接着剤材料など)は、非常に可燃性であり得る。したがって、膨張性材料は、電気光学媒体の近くに、好ましくは火に露出される可能性がより高い側に配置されることが好ましい。例えば、
図3に示すように、剥離シート14が、FPLの下部に適用される。剥離シート14は、下にある接着剤材料16を露出させるために取り除き可能であり、その結果、FPLが、表面に接着され得る。結果として、バリア層15が露出し、火災が発生した場合、火炎が最初に露出したバリア層を襲う。膨張性層10をバリア層15と電気光学媒体の層との間に配置することにより、火炎が電気光学媒体の層を燃焼させることができる前に、膨張性材料10は活性化され得る。追加の耐火性のために、または両面ディスプレイなどの複数の露出面を有する複合材のために、膨張性材料の追加の層を複合材に組み込むことができ、例えば、
図5に示す実施形態は、電気光学媒体の層の各側に膨張性層10a、10bを有する。
【0047】
膨張性材料の混合、および層の厚さは、効果的な膨張性能のために、溶融、炭化、架橋、およびガス放出の正確な調整を確実にするように選択される。膨張性材料の層は、好ましくは、膨張中に、活性発泡材料がFPLの内側の可燃性層に向かって移動し、冷却および凝固すると、可燃性層を火から密閉し、隔離するように構成される。
【0048】
膨張性材料の組成は、1つまたは複数の可塑剤を添加することでその柔軟性を改善するように変更され得る。柔軟性を改善するための添加剤は、好ましくは、膨張性材料のバインダー樹脂と適合性であり、混和性である。柔軟性添加剤の例は、Kemectant EB3(Lankem Ltd.、UKから供給)、グリセロール、およびエチレングリコールを含むが、これらに限定されない。好ましい可塑剤は、グリセロールおよびエチレングリコールである。膨張性コーティングは、コーティングの重量に基づいて、1から20重量%、好ましくは5から10重量%の可塑剤を含み得る。膨張性材料と可塑剤(複数可)の混合は、積層可能なスタックに組み込まれ得る。例えば、
図10Aおよび10Bを参照すると、膨張性材料および可塑剤30の混合は、2つの剥離シート32a、32b、および必要に応じて1つまたは複数の光学的に透明な感圧接着剤の層34の間に積層される前に、1つまたは複数の乾燥段階を通って供給される、連続コンベヤー上にコーティング色素でコーティングされ得る。膨張性材料の最終乾燥層の厚さは、25から75ミクロン、より好ましくは40から50ミクロンであり得、コーティング重量は50から150g/m
2、より好ましくは75から90g/m
2であり得る。次に、柔軟な膨張性材料を含むスタックは、防湿バリアおよび/またはFPLに積層され、
図2から5に示されるような積層体に到達され得る。
【実施例】
【0049】
本発明の好ましい複合材の詳細を示すために、例示のみとしてであるが、ここに実施例が与えられる。
【0050】
実施例1
【0051】
膨張性材料を、Flame SealのFX100バインダーおよびT-50加硫剤を4:1の体積比で、2500rpmで60秒間、スピードミキサーで混合することによって調製した。次に、0.003インチの厚さを有する層をバーコートし、材料を乾燥し、次に、0.004インチの厚さを有する膨張性材料の第2のコーティングを適用し、コーティングされた剥離シートを再び乾燥することによって、膨張性材料を剥離シート上にコーティングした。
【0052】
次に、酸化インジウムスズの2つの連続層の間に電気泳動媒体の層を含む、電気光学媒体のサンプルを調製した。ウレタンベースの光学的に透明な接着剤を電気光学媒体の片面に適用し、膨張性材料をウレタン接着剤に積層した後、剥離シートを取り除いた。
【0053】
次に、シリカ酸化物のスパッタコーティングおよび感圧接着剤の層を有するPETからなる保護シートを膨張性層に積層し、同じ組成の2番目の保護シートを電気光学媒体に積層し、
図4に示されている実施形態と同様の構造である。
【0054】
上記の複合材の0.5インチx5インチのサンプルを、UL-94HB試験方法を使用して試験し、12インチx12インチのサンプルを、サンプルの可燃性挙動を調査するためのASTM E-84の縮小バージョン(「ミニE-84」として参照)のためにGuardian Fire試験機関に提出した。フルスケールのASTM E84試験基準と同様に、UL-94HBは、計算された火の拡散速度を報告し、火を拡散する可能性のある、引火性の破片を形成する試験される材料の能力を特定する。両方の試験は、膨張性防火物が上記の基準:燃焼速度は57mm/分(UL94HBに準拠するには76mm/分未満)であり、クラスA規格はミニE-84で達成された、を準拠していることが確認された。非常に膨張した膨張性炭化物を形成することによって、火災は自己消火し、火のしずくは、発生しなかった。結果は、
図6Aおよび6Bで観察され得る。
図6Aは、トーチを使用してサンプルに火を適用した写真であり、
図6Bは、トーチを取り除いてから10分後のサンプルの写真である。
【0055】
実施例2
【0056】
2枚の保護シートの適用前に、膨張性材料が、電気光学媒体の両面に積層されたことを除いて、実施例1によって作製したサンプルを作製した。得られたサンプルは、
図5に示されている実施形態と同様の構造を有した。実施例1のサンプルと同一の火災性能が得られた。
図7は、トーチを取り除いてから10分後に撮影した写真であり、サンプルが自己消火し、火の拡散を十分に封じ込めたことを示している。
【0057】
実施例3
【0058】
サンプルは、SiOxでスパッタされた25μmの厚さのPETベースのフィルム(60C/90%RHで、WVTR<0.15g/m2/日)および25μmの厚さのPSA(38C/90%RHでWVTR<35g/m2/日)からなる保護シート層の間に密封された膨張性材料(Fx100/T50、4:1容量)の層を積層することによって調製した。サンプルは、サンプルの周囲にピンチシールを含んだ。
【0059】
サンプルの環境安定性を、サンプルを40C/30%RHの雰囲気および40C/90%RHの雰囲気の1177時間に露出することによって試験した。b*値を、最も変化しやすい色座標として観察した。40C/30%RHへの1177時間の露出後、Δb*は、1.38であり、40C/90%RHでの1177時間の露出後は2.35であった。結果は、表1および
図8に提供される。膨張性層の脆化は、観察できなかった。
【0060】
【0061】
UV露出の影響を、Q-Lab Corporationによって製造された、QUV UV試験機(蛍光光源、20000Lux、0.5W/m
2@340nm)にサンプルを配置することによっても試験した。
図9に提供されている結果は、色の安定性が、840時間まで許容できたことを示している。
【0062】
実施例4
【0063】
可塑剤を含むおよび含まない膨張性材料の層を柔軟なPET基板にコーティングし、コーティングされた基板を直径約2インチを有するシリンダーに巻き付けることにより、可塑剤を膨張性材料の混合物に添加する効果を試験した。柔軟な基板は、125ミクロンの厚さを有し、膨張性材料の層は、約50ミクロンであった。膨張性材料は、FX100/T50の4:1の製剤であった。対照サンプルは、可塑剤を含まず、第1の試験サンプルの膨張性材料は、5重量%のグリセロールを含み、第2の試験サンプルの膨張性材料は、5重量%のKemectant EB3を含んだ。
【0064】
サンプルは、25Cで30%から60%RHの範囲の条件で、さまざまな期間、保管された。保管中に断続的に、サンプルをマンドレルに巻き付け、任意の亀裂または脆化の出現を記録した。結果を
図11に提供する。
【0065】
膨張性の非修飾4:1 FX100/T50製剤を含む対照サンプルは、25C/30%で1日後に亀裂が発生した。18日以上後、5%グリセロール修飾膨張性材料を含むサンプルにおいて、脆化は観察されなかった。25C/40%RHで、対照サンプルは、保存の1日後に再び故障し、Kemectant EB3修飾サンプルは、40日以上後に柔軟性があり、グリセロール修飾サンプルは、125日以上後に柔軟性があった。
【0066】
修飾膨張性コーティングの光学特性を決定するために、FX100/T50および5重量%グリセロールの4:1の製剤の厚さ約50ミクロンの層を剥離シート上にコーティングすることにより、3つのフィルムを調製した。コーティングされた層を乾燥させた後、各フィルムを剥離シートから取り除き、サンプルをコニカミノルタ3700分光光度計に置き、結果を以下の表2および
図12に提供する。
【0067】
【0068】
図12のグラフに見られるように、本発明の様々な実施形態によって作製された複合材に組み込まれた材料は、可視光の少なくとも約85から90%を透過する。
【0069】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、記載されてきたが、そのような実施形態は、例としてのみ提供されることが理解されよう。本発明の精神から逸脱することなく、多くの変形、変更、および置換が、当業者に生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内にあるようなすべてのそのような変形をカバーすることが意図される。
【0070】
前述の特許および出願のすべての内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
膨張性材料の層および前記膨張性材料の層の少なくとも1つの表面と接触している少なくとも1つの防湿バリアを含む、複合材であって、前記膨張性材料は、アミンまたはアミド含有化合物を含む、複合材。
(項2)
第1および第2の防湿バリアを含む、上記項1に記載の複合材であって、前記膨張性の層が前記第1および第2の防湿バリアの間にある、複合材。
(項3)
前記防湿バリアが、保護フィルムおよび接着剤の層を含む、上記項1に記載の複合材。
(項4)
前記保護フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンホモポリマーまたはコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、上記項3に記載の複合材。
(項5)
前記接着剤の層が、光学的に透明な接着剤材料を含む、上記項3に記載の複合材。
(項6)
前記防湿バリアが、60℃および100%RHで0.01g/m
2
/日より小さいまたは等しいWVTRを有する、上記項1に記載の複合材。
(項7)
前記防湿バリアが光透過性である、上記項1に記載の複合材。
(項8)
前記膨張性材料の層が光透過性である、上記項1に記載の複合材。
(項9)
前記膨張性剤が、チャー形成炭素質材料、脱水触媒、および発泡剤をさらに含む、上記項1に記載の複合材。
(項10)
前記チャー形成炭素質材料が、ポリオール、ポリアミド-6、ポリアミド-6およびクレイのナノ複合材、トリアジン誘導体、イソシアヌレート誘導体、エタノールアミン-アミノトリアジンオリゴマー、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項9に記載の複合材。
(項11)
前記脱水触媒が、ポリリン酸アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸クロロアルキル、ホスホン酸クロロアルキル、有機リン酸またはホスホン酸のエステル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項9に記載の複合材。
(項12)
前記発泡剤が、メラミン、トリアジン誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項9に記載の複合材。
(項13)
前記膨張性材料が、バインダー樹脂をさらに含む、上記項9に記載の複合材。
(項14)
バインダー材料が、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニル、EVA、PVAc、エポキシド、ケイ酸塩、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記項13に記載の複合材。
(項15)
前記膨張性材料が、可塑剤をさらに含む、上記項9に記載の複合材。
(項16)
前記可塑剤が、グリセロールおよびエチレングリコールからなる群から選択される材料を含む、上記項15に記載の複合材。
(項17)
電気光学材料の層をさらに含む、上記項1に記載の複合材。
(項18)
前記膨張性材料の層および前記少なくとも1つの防湿バリアが、光透過性であり、前記膨張性材料の層の少なくとも一部が、前記少なくとも1つの防湿バリアと前記電気光学材料の層との間に位置する、上記項17に記載の複合材。
(項19)
前記電気光学材料の層が、電気泳動粒子の封入された分散液を含む、上記項17に記載の複合材。
(項20)
太陽電池と組み合わせた、上記項1に記載の複合材。