(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】多様に組み立て可能なプリント基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/14 20060101AFI20220817BHJP
H05K 3/36 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H05K1/14 G
H05K3/36 A
(21)【出願番号】P 2021512981
(86)(22)【出願日】2018-12-29
(86)【国際出願番号】 CN2018125657
(87)【国際公開番号】W WO2020133421
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】520439139
【氏名又は名称】深南電路股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENNAN CIRCUITS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 1639, Yanlong Blvd, Pingdi Street, Longgang District Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】冷 科
(72)【発明者】
【氏名】劉 海龍
(72)【発明者】
【氏名】劉 金峰
(72)【発明者】
【氏名】武 鳳伍
(72)【発明者】
【氏名】陳 利
(72)【発明者】
【氏名】張 利華
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0153269(US,A1)
【文献】特開2004-228165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多様に組み立て可能なプリント基板であって、
突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、
前記第1プリント基板にそれぞれ接続される、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を備え、
前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられ
、
それぞれに突出する複数の第3導電性金属が設けられた複数の第3プリント基板をさらに備え、
複数の前記第3プリント基板は、前記第1プリント基板及び/又は前記第2プリント基板に電気的に接続され、積層されるプリント基板の最外層に位置し、
前記第3プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第3導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられ、
及び/又は、前記第3プリント基板と前記第2プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第2導電性金属との間には、前記第3導電性金属と前記第2導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられる多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項2】
複数の前記第2プリント基板が、前記第1プリント基板の同じ側に位置している請求項1に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項3】
複数の前記第2プリント基板が、前記第1プリント基板の同じ側に間隔をおいて位置している請求項2に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項4】
前記第2プリント基板の一部が前記第1プリント基板の第1側に位置し、前記第2プリント基板の他の一部が前記第1プリント基板の第2側に位置し、前記第1側と前記第2側の位置は対向している請求項1に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項5】
前記第2プリント基板の数は2つであり、2つの前記第2プリント基板は前記第1プリント基板の第1側及び第2側にそれぞれ間隔をおいて位置している請求項4に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項6】
前記積層接着シートはプリプレグであり、前記導電性金属ペーストは導電性銅ペーストである請求項1に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項7】
前記固化した導電性金属ペーストの直径は、第1導電性金属及び第2導電性金属の長さに一致する請求項1に記載の多様に組み立て可能なプリント基板。
【請求項8】
多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法において、
突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を提供することと、
各前記第2プリント基板で接続する必要がある側に積層接着シートと分離膜を順にラミネートすることと、
電気的に接続する必要がある第2導電性金属の対応する位置に前記積層接着シート及び前記分離膜を貫通する微細孔を形成し、前記第2導電性金属を前記微細孔から露出させ、前記微細孔に対して金属ペーストの穴埋め操作を実行し、前記微細孔に導電性金属ペーストを形成することと、
前記分離膜を除去した後、各前記第2プリント基板の導電性金属ペーストが形成された側と前記第1プリント基板を予めに設定された接続位置の要件に応じて位置決めし、プレス接合して、前記多様に組み立て可能なプリント基板を得ることと、を含み、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項9】
複数の前記第2プリント基板が、前記第1プリント基板の同じ側に位置している請求項
8に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項10】
複数の前記第2プリント基板が、前記第1プリント基板の同じ側に間隔をおいて位置している請求項
9に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項11】
前記第2プリント基板の一部が前記第1プリント基板の第1側に位置し、前記第2プリント基板の他の一部が前記第1プリント基板の第2側に位置し、前記第1側と前記第2側の位置は対向している請求項
8に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2プリント基板の数は2つであり、2つの前記第2プリント基板は前記第1プリント基板の第1側及び第2側にそれぞれ間隔をおいて位置している請求項
11に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項13】
それぞれに突出する複数の第3導電性金属が設けられた複数の第3プリント基板を提供することと、
表面実装技術により、複数の前記第3プリント基板を、前記多様に組み立て可能なプリント基板における前記第1プリント基板及び/又は前記第2プリント基板とさらに電気的に接続させることと、をさらに含み
前記第3プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第3導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられ、
及び/又は、前記第3プリント基板と前記第2プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第2導電性金属との間には、前記第3導電性金属と第2導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられる請求項
8に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項14】
前記積層接着シートはプリプレグであり、前記導電性金属ペーストは導電性銅ペーストである請求項
8に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項15】
前記プリプレグと分離膜をラミネートする際、ラミネートの温度範囲は60℃~300℃であり、ラミネートの時間範囲は2秒~360秒である請求項
14に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【請求項16】
前記固化した導電性金属ペーストの直径は、第1導電性金属及び第2導電性金属の長さに一致する請求項
8に記載の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、回路基板の技術分野に関し、特に、多様に組み立て可能なプリント基板及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化の傾向が加速し続けるにつれて、従来の電子実装の制限がますます顕著になっている。
【0003】
例えば、従来の半田付け方法では、ソルダーペースト半田を使用し、ソルダーペースト自体の特徴により、ソルダーペースト半田は最初の半田付け後に半田付けを繰り返して行うことができないため、Z方向に繰り返し積層することができず、再度半田付けすると、ソルダーペースト半田は再び溶けて短絡又は開回路の問題が発生する。
【0004】
従って、従来技術の電子実装はZ方向に繰り返し積層することができず、複雑な空間的構造を形成してスペースを節約することができない。さらに、超高度に集積された複雑な相互接続構造を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の解決しようとする主な技術的問題は、Z方向に積層して複雑で超高度に集積された空間相互接続構造を形成するための技術的サポートを提供することができる多様に組み立て可能なプリント基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本出願の採用した技術的手段は、多様に組み立て可能なプリント基板であって、
突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、
前記第1プリント基板にそれぞれ接続される、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を備え、
前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる多様に組み立て可能なプリント基板を提供する。
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本出願の採用した他の技術的手段は、多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法において、
突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を提供することと、
各前記第2プリント基板で接続する必要がある側に積層接着シートと分離膜を順にラミネートすることと、
電気的に接続する必要がある第2導電性金属の対応する位置に前記積層接着シート及び前記分離膜を貫通する微細孔を形成し、前記第2導電性金属を前記微細孔から露出させ、前記微細孔に対して金属ペーストの穴埋め操作を実行し、前記微細孔に導電性金属ペーストを形成することと、
前記分離膜を除去した後、各前記第2プリント基板の導電性金属ペーストが形成された側と前記第1プリント基板を予めに設定された接続位置の要件に応じて位置決めし、プレス接合して、前記多様に組み立て可能なプリント基板を得ることと、を含み、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本出願は、従来技術と異なり、本出願の多様に組み立て可能なプリント基板は、突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、前記第1プリント基板にそれぞれ接続される、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を備え、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる。これにより、複数の第2プリント基板は、第2導電性金属と第1導電性金属との間に設けられた固化した導電性金属ペーストによって第1プリント基板へのそれぞれの接続を実現することができるため、従来の半田付け方法の欠陥を回避できると共に、これに基づいて、他のプリント基板をさらに接続することができる。このようにして、Z方向に積層して複雑で超高度に集積された空間相互接続構造を形成するための技術的サポートを提供することができる。また、第1プリント基板に複数の第2プリント基板を接続することができ、必要な他のプリント基板をさらに接続することもできる。従って、実際のアプリケーション要件に応じて、電子実装の多様な要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本発明の実施例の技術的手段を更に詳細に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、下記の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働を果たさない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の一実施形態の構造模式図である。
【
図2】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の他の実施形態の構造模式図である。
【
図3】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板のさらに他の実施形態の構造模式図である。
【
図4】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板のさらに他の実施形態の構造模式図である。
【
図5】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図6】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の他の実施形態のフローチャートである。
【
図7】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第1ステップの模式図である。
【
図8】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第2ステップの模式図である。
【
図9】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第3ステップの模式図である。
【
図10】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第4ステップの模式図である。
【
図11】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第5ステップの模式図である。
【
図12】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第6ステップの模式図である。
【
図13】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第7ステップの模式図である。
【
図14】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第8ステップの模式図である。
【
図15】本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の実用化における第9ステップの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本願の実施例の添付図面を参照しながら、本願の実施例の技術的手段を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本願の実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本願の実施例に基づいて得られる全ての他の実施例は、本願の保護範囲に含まれるべきである。
【0011】
図1を参照すると、
図1は本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の一実施形態の構造模式図であり、当該多様に組み立て可能なプリント基板は第1プリント基板1と複数の第2プリント基板2とを備える。
【0012】
第1プリント基板1には、突出する複数の第1導電性金属11が設けられ、各第2プリント基板2には、突出する複数の第2導電性金属21が設けられ、複数の第2プリント基板2は第1プリント基板1にそれぞれ接続され、第2プリント基板2と第1プリント基板1の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属21と第1導電性金属11との間には、第2導電性金属21と第1導電性金属11との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペースト3が設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、第2プリント基板2と第1プリント基板1との非電気的な接続を実現するための積層接着シート4が設けられる。
【0013】
第1プリント基板1の面積は、第2プリント基板2の面積よりも大きい。且つ、第1プリント基板1の面積は、複数の第2プリント基板2を収容することができる。第1プリント基板1をマザーボード、複数の第2プリント基板2をまとめてドーターボードと呼んでもよく、本実施形態では、マザーボードに複数のドーターボードを接続している。
【0014】
なお、特に限定されないが、突出する複数の第1導電性金属11は、第1プリント基板1の第1側に設けられてもよく、第1プリント基板1の第1側と反対側の第2側に設けられてもよい。或いは、第1プリント基板1の第1側だけでなく、第1プリント基板1の第2側に設けられてもよい。なお、特に限定されないが、突出する複数の第2導電性金属21は、第2プリント基板2の第1側に設けられてもよく、第2プリント基板2の第1側と反対側の第2側に設けられてもよい。或いは、第2プリント基板2の第1側だけでなく、第2プリント基板2の第2側に設けられてもよい。即ち、第2プリント基板2は、実際の要件に応じて、第1プリント基板1の第1側及び/又は第2側に設けることができる。
【0015】
第1導電性金属11及び第2導電性金属21の具体的な存在形態は、金属箔、金属パッド、又は他の存在形態であってもよい。導電性金属は、一般的に使用される銅であってもよく、或いは、例えば銀等の他の導電性金属であってもよい。導電性金属ペーストは、金粉、銀粉、銅粉、又は銀銅合金等の導電性ペーストであってもよい。
【0016】
具体的に、第2プリント基板2と第1プリント基板1の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属21と第1導電性金属11との間には、第2導電性金属21と第1導電性金属11との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペースト3が設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、第2プリント基板2と第1プリント基板1との非電気的な接続を実現するための積層接着シート4が設けられる。
【0017】
本実施形態では、従来の半田付け方法を採用していない。固化した導電性金属ペースト3の周囲はいずれも積層接着シート4であり、導電性金属ペースト3を一定の空間に制限しているため、再度加熱されても、導電性金属ペースト3は拡散又は収縮せず、導電性金属ペースト3が接続している第2導電性金属21と第1導電性金属11との間は依然として電気的な接続を保持しており、従来の半田付け方法の欠陥を回避することができる。
【0018】
本出願の実施形態による多様に組み立て可能なプリント基板は、突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、前記第1プリント基板にそれぞれ接続される、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を備え、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、前記第2導電性金属と前記第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、前記第2プリント基板と前記第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる。これにより、複数の第2プリント基板は、第2導電性金属と第1導電性金属との間に設けられた固化した導電性金属ペーストによって第1プリント基板へのそれぞれの接続を実現することができるため、従来の半田付け方法の欠陥を回避できると共に、これに基づいて、他のプリント基板をさらに接続することができる。このようにして、Z方向に積層して複雑で超高度に集積された空間相互接続構造を形成するための技術的サポートを提供することができる。また、第1プリント基板に複数の第2プリント基板を接続することができ、必要な他のプリント基板をさらに接続することもできる。従って、実際のアプリケーション要件に応じて、電子実装の多様な要件を満たすことができる。
【0019】
図2を参照すると、一実施形態において、複数の第2プリント基板2は第1プリント基板1の同じ側に位置している(同図の複数の第2プリント基板2はいずれも第1プリント基板1の上側に位置している)。さらに、複数の第2プリント基板2は第1プリント基板1の同じ側に間隔をおいて位置している。言い換えれば、各第2プリント基板2間は、必要な他の電子部品を実装するためのスペースを残すように、互いに離間している。もちろん、実際の必要に応じて、複数の第2プリント基板2を、第1プリント基板1の同じ側に隣接して間隔をあけて配置することができる。このようにして、多様な実装が実現され、多様なニーズが満たされる。
【0020】
図1を参照すると、他の実施形態において、第2プリント基板2の一部が第1プリント基板1の第1側Aに位置し、第2プリント基板2の別の一部が第1プリント基板1の第2側Bに位置する。第1側Aと第2側Bの位置は対向している。
【0021】
さらに、
図3を参照すると、第2プリント基板2の数は2つであり、2つの第2プリント基板2は第1プリント基板1の第1側A及び第2側Bにそれぞれ間隔をおいて位置している。
【0022】
もちろん、実際の必要に応じて、複数の第2プリント基板2を、第1プリント基板1の対向する第1側A及び第2側Bに隣接して間隔をあけて配置することができる。
【0023】
このようにして、多様な実装が実現され、多様なニーズが満たされる。
【0024】
図4を参照すると、さらに他の実施形態において、多様に組み立て可能なプリント基板は、複数の第3プリント基板5をさらに備える。各第3プリント基板5には、突出する複数の第3導電性金属51が設けられ、複数の第3プリント基板5は、第1プリント基板1及び/又は第2プリント基板2に電気的に接続される。即ち、特に限定されないが、複数の第3プリント基板5は、第1プリント基板1にのみ電気的に接続されてもよく、第2プリント基板2にのみ電気的に接続されてもよく、又は、実際の必要に応じて、複数の第3プリント基板5には、第1プリント基板1と電気的に接続されるものもあるし、第2プリント基板2と電気的に接続されるものもある。
【0025】
具体的に、複数の第3プリント基板5が第1プリント基板1にのみ電気的に接続されると、第3プリント基板5と第1プリント基板1の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属51と第1導電性金属11との間には、第3導電性金属51と第1導電性金属11との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられている。
【0026】
複数の第3プリント基板5が第2プリント基板2にのみ電気的に接続されると、第3プリント基板5と第2プリント基板2の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属51と第2導電性金属21とのには、第3導電性金属51と第2導電性金属21との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられている。
【0027】
複数の第3プリント基板5のうちに第1プリント基板1と電気的に接続されるものがあり、第2プリント基板2と電気的に接続されるものもあると、第3プリント基板5と第1プリント基板1の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属51と第1導電性金属11との間には、第3導電性金属51と第1導電性金属11との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられ、第3プリント基板5と第2プリント基板2の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属51と第2導電性金属21との間には、第3導電性金属51と第2導電性金属21との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられている。
【0028】
本出願の実施形態では、第1プリント基板と複数の第2プリント基板とからなる多様に組み立て可能なプリント基板を基に、さらに複数の第3プリント基板を配置している。その時、従来の半田付け方法を採用して、電子実装の多様性要件を達成することができる。
【0029】
また、積層接着シートはプリプレグであり、導電性金属ペーストは導電性銅ペーストである。
【0030】
一実施形態において、固化した導電性金属ペーストの直径は、第1導電性金属及び第2導電性金属の長さに一致する。このようにして、第1導電性金属と第2導電性金属との間の適切な電気的接続を達成でき、固化した導電性金属ペーストの直径が第1導電性金属及び第2導電性金属の長さよりも大きいことにより、電気エネルギーが過剰な熱エネルギーを発生し、プリント基板に悪影響を及ぼすことがない。
【0031】
さらに、実用中では、導電性金属ペースト中の金属は第1導電性金属及び第2導電性金属中の金属と同じ金属を使用して、導電率の均一性を達成する。
【0032】
図5を参照すると、
図5は本出願の多様に組み立て可能なプリント基板の製造方法の一実施形態のフローチャートである。なお、本実施形態の方法によると、上記の多様に組み立て可能なプリント基板のいずれかを製造することができ、関連内容は上記の多様に組み立て可能なプリント基板に関する部分を参照されたい。ここではさらに詳しく説明しない。この方法は、以下のステップを含む。
【0033】
ステップS101:突出する複数の第1導電性金属が設けられた第1プリント基板と、それぞれに突出する複数の第2導電性金属が設けられた複数の第2プリント基板と、を提供する。
【0034】
ステップS102:各第2プリント基板で接続する必要がある側に積層接着シートと分離膜を順にラミネートする。
【0035】
ステップS103:電気的に接続する必要がある第2導電性金属の対応する位置に積層接着シート及び分離膜を貫通する微細孔を形成し、第2導電性金属を微細孔から露出させ、微細孔に対して金属ペーストの穴埋め操作を実行し、微細孔に導電性金属ペーストを形成する。
【0036】
ステップS104:分離膜を除去した後、各第2プリント基板の導電性金属ペーストが形成された側と第1プリント基板を予めに設定された接続位置の要件に応じて位置決めし、プレス接合して、多様に組み立て可能なプリント基板を得る。また、第2プリント基板と第1プリント基板の接続位置ごとに、互いに対応する第2導電性金属と第1導電性金属との間には、第2導電性金属と第1導電性金属との電気的な接続を実現するための固化した導電性金属ペーストが設けられ、非第2導電性金属と非第1導電性金属との間には、第2プリント基板と第1プリント基板との非電気的な接続を実現するための積層接着シートが設けられる。
【0037】
本出願の実施形態において、複数の第2プリント基板は、第2導電性金属と第1導電性金属との間に設けられた固化した導電性金属ペーストによって第1プリント基板へのそれぞれの接続を実現することができるため、従来の半田付け方法の欠陥を回避できると共に、これに基づいて、他のプリント基板をさらに接続することができる。このようにして、Z方向に積層して複雑で超高度に集積された空間相互接続構造を形成するための技術的サポートを提供することができる。また、第1プリント基板に複数の第2プリント基板を接続することができ、必要な他のプリント基板をさらに接続することもできる。従って、実際のアプリケーション要件に応じて、電子実装の多様な要件を満たすことができる。
【0038】
また、複数の第2プリント基板は、第1プリント基板の同じ側に位置する。
【0039】
さらに、複数の第2プリント基板は、第1プリント基板の同じ側に間隔をおいて位置する。
【0040】
また、第2プリント基板の一部が第1プリント基板の第1側に位置し、第2プリント基板の他の一部が第1プリント基板の第2側に位置する。第1側と第2側の位置は対向している。
【0041】
さらに、第2プリント基板の数は2つであり、2つの第2プリント基板は第1プリント基板の第1側及び第2側にそれぞれ間隔をおいて位置している。
【0042】
図6を参照すると、一実施形態において、当該方法は、さらに以下のステップを含む。
【0043】
ステップS105:それぞれに突出する複数の第3導電性金属が設けられた複数の第3プリント基板を提供する。
【0044】
ステップS106:表面実装技術により、複数の第3プリント基板を、多様に組み立て可能なプリント基板における第1プリント基板及び/又は第2プリント基板とさらに電気的に接続させる。
【0045】
また、第3プリント基板と第1プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第1導電性金属との間には、第3導電性金属と第1導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられ、及び/又は、第3プリント基板と第2プリント基板の接続位置において、互いに対応する第3導電性金属と第2導電性金属との間には、第3導電性金属と第2導電性金属との電気的な接続を実現するためのソルダーペーストからの金属スズが設けられる。
【0046】
表面実装技術(Surface Mounted Technology)とは、プリント基板に挿入穴を開ける必要がなく、プリント基板の表面の所定の位置に表面実装部品を直接取り付けるか、又は半田付ける実装技術を指す。具体的に、軟質半田付け方法により、部品の半田付け又はピンとプリント基板のパッドとの間の机械的及び電気的接続を実現する。通常、軟質半田付け方法で使用される半田はソルダーペースト半田である。
【0047】
また、積層接着シートはプリプレグであり、導電性金属ペーストは導電性銅ペーストである。
【0048】
さらに、プリプレグと分離膜をラミネートする場合、ラミネートの温度範囲は60℃~300℃、例えば、60℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃等であり、ラミネートの時間範囲は2秒~360秒、例えば、2秒、10秒、50秒、100秒、150秒、200秒、250秒、300秒、330秒、360秒等である。
【0049】
また、固化した導電性金属ペーストの直径は、第1導電性金属及び第2導電性金属の長さに一致する。
【0050】
図7乃至
図15を参照すると、本出願の方法の流れを、特定の第1プリント基板、第2プリント基板、及び第3プリント基板により以下に説明する。
【0051】
第1ステップでは、実装前に材料を準備し、第1プリント基板1及び2つの第2プリント基板2を提供する。
【0052】
第2ステップでは、2つの第2プリント基板2の接続する必要がある側に積層接着シート4と分離膜44を順にラミネートする。
【0053】
第3ステップでは、電気的に接続する必要がある第2導電性金属21の対応する位置に積層接着シート4及び分離膜44を貫通する微細孔45を形成し、第2導電性金属21を微細孔45から露出させる。
【0054】
第4ステップでは、微細孔45に対して金属ペーストの穴埋め操作を実行し、微細孔45に導電性金属ペースト46を形成する。
【0055】
第5ステップでは、分離膜44を除去する。
【0056】
第6ステップでは、各第2プリント基板2の導電性金属ペースト46(固化した導電性金属ペースト3)が形成された側と第1プリント基板1を予めに設定された接続位置の要件に応じて位置決めする。
【0057】
第7ステップでは、位置決め後に、プレス接合して、多様に組み立て可能なプリント基板を得る。
【0058】
第8ステップでは、複数の第3プリント基板5を提供する。
【0059】
第9ステップでは、表面実装技術により、複数の第3プリント基板5を、多様に組み立て可能なプリント基板における第1プリント基板1及び第2プリント基板2とさらに電気的に接続させる。
【0060】
このようにして、Z方向に積層して複雑で超高度に集積された空間相互接続構造を形成するための技術的サポートを提供することができる。また、第1プリント基板に複数の第2プリント基板を接続することができ、必要な他のプリント基板をさらに接続することもできる。従って、実際のアプリケーション要件に応じて、電子実装の多様な要件を満たすことができる。
【0061】
以上の説明は本願に係る実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。本願の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フローの変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれも同じ理由により本願の保護範囲内に含まれるべきである。