(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】高スループットイオンビーム処理のための抽出装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01J 37/08 20060101AFI20220817BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01J37/08
H01J37/317 Z
(21)【出願番号】P 2021514991
(86)(22)【出願日】2019-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019046123
(87)【国際公開番号】W WO2020060693
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-13
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500324750
【氏名又は名称】バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビロイウ, コステル
(72)【発明者】
【氏名】バロー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブオノドノ, ジェームズ ピー.
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533542(JP,A)
【文献】特開2005-116414(JP,A)
【文献】特開2015-014029(JP,A)
【文献】特表2017-510932(JP,A)
【文献】特表2018-523922(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0179409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 27/08
H01J 37/317
H01J 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイオンビームを抽出するためのイオン抽出光学系であって、
第1の方向に沿って延在する切り欠き領域を画定する抽出プレー
ト、
前記切り欠き領域と重なり合うように配置され、前記第1の方向に沿って、前記抽出プレートに対して摺動可能に移動することができる摺動可能なインサート
であって、当該摺動可能なインサート及び前記切り欠き領域が、第1の開口及び第2の開口を画定する、
摺動可能なインサート、及び
前記第1の開口の第1の部分と重なり合うように配置された第1のビームブロッカであって、当該第1のビームブロッカ及び前記第1の開口が、第1の抽出スリット及び第2の抽出スリットを画定する、第1のビームブロッカ
を備えている、イオン抽出光学系。
【請求項2】
前記抽出プレートが、第1の材料を含み、前記摺動可能なインサートが、前記第1の材料を含む、請求項1に記載のイオン抽出光学系。
【請求項3】
複数のイオンビームを抽出するためのイオン抽出光学系であって、
第1の方向に沿って延在する切り欠き領域を画定する抽出プレート、及び
前記切り欠き領域と重なり合うように配置され、前記第1の方向に沿って、前記抽出プレートに対して摺動可能に移動することができる摺動可能なインサートであって、当該摺動可能なインサート及び前記切り欠き領域が、第1の開口及び第2の開口を画定する、摺動可能なインサート
を備え、
前記抽出プレートが、前記切り欠き
領域の第1の縁及び前記切り欠き
領域の第2の縁に配置された一対の凹部を備え、前記一対の凹部が、前記摺動可能なインサートを受け入れるように配置され、前記摺動可能なインサート及び前記抽出プレートが、前記イオン抽出光学系の外側の共通平面に配置される
、イオン抽出光学系。
【請求項4】
前記摺動可能なインサートが、前記一対の凹部に隣り合って配置された複数の細長いスロットをさらに含み、前記イオン抽出光学系が、一対の連結器をさらに含み、前記一対の連結器が、一対の前記細長いスロットのそれぞれの中に配置され、前記摺動可能なインサートを前記抽出プレートに機械的に連結する、請求項3に記載のイオン抽出光学系。
【請求項5】
前記第2の開口の第2の部分と重なり合うように配置された第2のビームブロッカであって、当該第2のビームブロッカ及び前記第2の開口が、第3の抽出スリット及び第4の抽出スリットを画定する、第2のビームブロッカ
をさらに備えている、請求項1に記載のイオン抽出光学系。
【請求項6】
弾性取り付けアセンブリをさらに備え、前記弾性取り付けアセンブリが、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカを前記抽出プレートに連結する複数の弾性マウントを備えている、請求項5に記載のイオン抽出光学系。
【請求項7】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカが、前記抽出プレートの第1の側に配置され、前記摺動可能なインサートが、前記第1の側とは反対側の前記抽出プレートの第2の側に配置される、請求項5に記載のイオン抽出光学系。
【請求項8】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカが、前記抽出プレートの前記第1の側に面する凹面形状の断面を備えている、請求項7に記載のイオン抽出光学系。
【請求項9】
前記抽出プレートが、導電性材料を含み、前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカが、電気絶縁体を含む、請求項5に記載のイオン抽出光学系。
【請求項10】
処理装置であって、
プラズマを収容するように配置されたプラズマチャンバ、
前記プラズマチャンバの側部に沿って配置された抽出プレートであって、切り欠き領域を画定する抽出プレート、
摺動可能なインサートであって、当該摺動可能なインサートが、前記切り欠き領域と重なり合うように配置され、第1の方向に沿って延在し、前記第1の方向に沿って摺動可能に移動することができ、当該摺動可能なインサート及び前記切り欠き領域が、第1の開口及び第2の開口を画定する、摺動可能なインサート、
前記第1の開口と重なり合うように配置された第1のビームブロッカであって、前記第1のビームブロッカ及び前記第1の開口が、第1の抽出スリット及び第2の抽出スリットを画定する、第1のビームブロッカ、並びに
前記第2の開口と重なり合うように配置された第2のビームブロッカであって、当該第2のビームブロッカ及び前記第2の開口が、第3の抽出スリット及び第4の抽出スリットを画定する、第2のビームブロッカ
を備えている、処理装置。
【請求項11】
前記抽出プレートが、前記切り欠き
領域の第1の縁及び前記切り欠き
領域の第2の縁に配置された一対の凹部を備え、前記一対の凹部が、前記摺動可能なインサートを受け入れるように配置され、前記摺動可能なインサート及び前記抽出プレートが、共通平面に配置される、請求項10に記載の処理装置。
【請求項12】
前記第1の開口の第1の部分と重なり合うように配置された第1のビームブロッカであって、当該第1のビームブロッカ及び前記第1の開口が、第1の抽出スリット及び第2の抽出スリットを画定する、第1のビームブロッカ、並びに
前記第2の開口の第2の部分と重なり合うように配置された第2のビームブロッカであって、当該第2のビームブロッカ及び前記第2の開口が、第3の抽出スリット及び第4の抽出スリットを画定する、第2のビームブロッカ
をさらに備えている、請求項10に記載の処理装置。
【請求項13】
前記第1のビームブロッカ及び前記第2のビームブロッカが、前記抽出プレートの第1の側に面する凹面形状の断面を備え、前記第1の側が、前記プラズマチャンバに隣接する、請求項10に記載の処理装置。
【請求項14】
複数のイオンビームを抽出するためのイオン抽出光学系であって、
第1の方向に沿って延在する切り欠き領域を画定する抽出プレー
ト、
前記切り欠き領域と重なり合うように配置され、前記第1の方向に沿って、前記抽出プレートに対して摺動可能に移動することができるN個の摺動可能なインサートであって、当該N個の摺動可能インサートが、前記切り欠き領域内においてN+1個の抽出開口を画定し、Nは整数である、N個の摺動可能なインサート
、及び
前記N+1個の抽出開口と重なり合うように配置され、2(N+1)個の抽出スリットを画定するN+1個のビームブロッカ
を備えている、イオン抽出光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本実施形態は、処理装置に関し、より具体的には、プラズマからイオンを抽出するための改善された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]基板をイオンで処理するために使用される公知の装置には、ビームライン注入器、及びプラズマ浸漬イオン注入ツールが含まれる。これらのアプローチは、一定の範囲のエネルギーにわたってイオンを注入するのに適している。ビームラインイオン注入器では、イオンは、源から抽出され、質量分析され、次いで基板表面に移送される。プラズマ浸漬イオン注入器では、基板は、プラズマが生成されるチャンバと同じチャンバ内に、プラズマに隣接して配置される。基板は、プラズマに対して負電位に設定され、基板の前でプラズマシースを通過するイオンは、垂直入射角で基板に衝突する。
【0003】
[0003]最近、抽出イオン角度分布(ion angular distribution:IAD)の制御を容易にする新しい処理装置が開発された。この装置では、イオンがプラズマチャンバから抽出される。基板は、このプラズマチャンバに近接して配置される。イオンは、プラズマに近接して配置されたイオン抽出光学系の中に配置された特殊な形状の抽出開口を通して抽出される。制御可能で均一な特性を有するイオンビームを抽出するために、イオンがプラズマから抽出されたときにリボンビームの形状を有するイオンビームが生成されるように、抽出開口を延在させてもよい。例えば、リボンビームは、数ミリメートル程度の短い寸法と、10センチメートルから50センチメートル程度の長い寸法とを有する断面を有し得る。基板をリボンビームに曝露し、短い寸法に平行な方向に沿って、基板を抽出開口に対して走査することによって、大型基板(例えば、300mmウエハ)全体がリボンビームに曝露され得る。
【0004】
[0004]このような装置では、基板を目標投与量のイオンに曝露するためには、基板が適切な速度で抽出開口に対して走査され得る。これにより、所与のリボンビームのイオン密度及びリボンビームのサイズで、基板の各部分が目標投与量を受けることが可能となる。したがって、基板処理のスループットは、短い寸法に沿った抽出開口のサイズ、及びリボンビームを生成するプラズマチャンバのプラズマ密度又はイオン密度によって制限され得る。原則として、基板に供給されるリボンビームのイオンビーム電流は、パラメータ値(例えば、プラズマに供給される電力)の増加によって増大させることができるが、電力の増大は、プラズマ密度を増大させ、その結果、リボンビームのビーム特性(例えば、イオンの入射角又はイオンの入射角度分布)を望ましくない程度に変化させることがある。同様に、原則的には、開口の短い寸法に沿った開口サイズを増大させてもよいが、短い寸法を数ミリメートルから数センチメートルに拡大させた場合、リボンビームの形状を操作且つ制御する能力は実用的でない恐れがある。これらの検討事項及びその他の検討事項に関連して本開示が提供される。
【発明の概要】
【0005】
[0005]一実施形態では、複数のイオンビームを抽出するためのイオン抽出光学系が提供される。イオン抽出光学系は、抽出プレートを含み得、抽出プレートは、切り欠き領域を画定し、切り欠き領域は、第1の方向に沿って延在する。イオン抽出光学系は、摺動可能なインサートを含み得、摺動可能なインサートは、切り欠き領域と重なり合うように配置され、第1の方向に沿って、抽出プレートに対して摺動可能に移動することができ、摺動可能なインサート及び切り欠き領域は、第1の開口及び第2の開口を画定する。
【0006】
[0006]別の実施形態では、処理装置は、プラズマを収容するように配置されたプラズマチャンバ、及びプラズマチャンバの側部に沿って配置された抽出プレートを含み得、抽出プレートは、切り欠き領域を画定する。処理装置は、摺動可能なインサートを含み得、摺動可能なインサートは、切り欠き領域と重なり合うように配置され、第1の方向に沿って伸長され、第1の方向に沿って摺動可能に移動することができ、摺動可能なインサート及び切り欠き領域は、第1の開口及び第2の開口を画定する。処理装置は、第1の開口と重なり合うように配置された第1のビームブロッカをさらに含み得、第1のビームブロッカ及び第1の開口は、第1の抽出スリット及び第2の抽出スリットを画定する。処理装置は、第2の開口と重なり合うように配置された第2のビームブロッカをさらに含み得、第2のビームブロッカ及び第2の開口は、第3の抽出スリット及び第4の抽出スリットを画定する。
【0007】
[0007]さらなる実施形態では、複数のイオンビームを抽出するためのイオン抽出光学系が提供される。イオン抽出光学系は、抽出プレートを含み得、抽出プレートは、切り欠き領域を画定し、切り欠き領域は、第1の方向に沿って延在する。イオン抽出光学系は、N個の摺動可能インサートをさらに含み得、N個の摺動可能インサートは、切り欠き領域と重なり合うように配置され、第1の方向に沿って、抽出プレートに対して摺動可能に移動することができ、切り欠き領域内においてN+1個の抽出開口を画定する。ここで、Nは整数である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の様々な実施形態に係る、処理装置のブロック図を側面図で示す。
【
図2A】本開示の実施形態に係る、イオン抽出光学系の変形例の平面図を示す。
【
図2C】本開示の実施形態に係る、イオン抽出光学系の一部の断面斜視図を示す。
【
図2D】本開示の実施形態に係る、摺動可能なインサートの斜視図を示す。
【
図3A】様々な幾何学的な特徴を示す、
図1のイオン抽出光学系の一変形例の断面図を示す。
【
図3B】一連のイオンビームを含む、稼働中の
図3Aの構成の抽出配置構造を示す。
【
図4】公知の種々の抽出配置構造に対するプラズマ電力の関数として、抽出されたビーム電流を示す種々の曲線を示す。
【
図5】種々の抽出配置構造に対するプラズマ電力の関数として、抽出されたイオンビームの入射角の変化を示すグラフである。
【
図6A】1つのイオン抽出光学形構成を使用して観察された長手方向の電流の均一性を示すグラフである。
【
図6B】
図2A及び
図2Bに概して示されるイオン抽出光学形構成を使用して観察された長手方向の電流の均一性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0019]本明細書に記載された実施形態は、リボンビームを使用して、基板を高スループットイオン処理するための装置及び方法を提供する。本実施形態は、電流の空間的均一性、及びイオンビーム角度分布特性を保ちながら、イオン電流を増加させるように、プラズマからイオンビームを生成するための新規な抽出システムを提供する。
【0010】
[0020]本明細書で使用される「入射角(angle of incidence)」という用語は、基板表面上の法線に対するイオンビームのイオン群の平均入射角を指し得る。「角度広がり(angular spread)」という用語は、略して、平均角度を中心とした分布の幅又は入射角の範囲を指し得る。本明細書に開示される実施形態では、新規な抽出システムは、他のパラメータ(イオンビームの入射角又は角度広がり)に影響を及ぼさずに、リボンビーム構成のプラズマから抽出されたイオン電流を増加させることができる。
【0011】
[0021]
図1は、本開示の実施形態に係る、処理装置100を示す。処理装置100は、プラズマチャンバ102内にプラズマ103を生成するためのプラズマチャンバ102からなるプラズマ源を含む。プラズマチャンバ102は、プラズマ源(例えば、RF誘導結合プラズマ(ICP)源、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、間接加熱カソード(IHC)源、グロー放電源、又は当業者に公知の他のプラズマ源)の一部として機能し得る。この特定の実施形態では、プラズマ源は、ICP源である。このICP源では、RF発生器105からの電力が、RF整合ネットワーク107を介してプラズマに結合する。RF発生器からガス原子及び/又は分子へのRF電力の伝達は、アンテナ106及び誘電体ウィンドウ(図示せず)を介して行われる。ガスマニホールド109が、適切なガスライン及びガス注入口を通してプラズマチャンバ102に接続される。処理装置100のプラズマチャンバ102又は他の構成要素は、さらに真空システム(図示せず)(例えば、回転ポンプ又は膜ポンプによって支えられたターボ分子ポンプ)に接続されてもよい。プラズマチャンバ102は、チャンバ壁によって画定される。プラズマチャンバ102は、処理チャンバ104に隣接して配置され得、絶縁体117によって電気的に絶縁され得る。処理チャンバ104は、基板ホルダ114及び基板116を含む。プラズマチャンバ102は、バイアス電圧供給部112を使用して、基板ホルダ114及び処理チャンバ104に対してバイアスされ得る。例えば、基板ホルダ114、基板116、及び処理チャンバ104が接地されている間、プラズマチャンバ102は、高電圧(例えば、+1000V)に保持され得る。代替的に、プラズマチャンバ102が接地されている間、基板ホルダ114が負電位に保持されてもよい。バイアス電圧供給部112と基板ホルダ114との間の電気的接続は、電気フィードスルー118を介して達成される。これらの場合では、正イオンがプラズマ103から抽出され、プラズマチャンバ102と基板ホルダ114との間の電圧差に比例したイオンエネルギーで基板116に向けられ得る。
【0012】
[0022]イオン抽出光学系120は、
図1に示すように、プラズマチャンバ102の側部に沿って配置され得る。
図1では、イオン抽出光学系120は、プラズマチャンバ102の底部に配置され、水平面において延在する。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ102は、処理チャンバ104の側部に配置されてもよく、イオン抽出光学系は、プラズマチャンバ102の垂直側部に沿って配置される。特に、イオン抽出光学系120は、プラズマチャンバ102と処理チャンバ104との間に配置される。イオン抽出光学系120は、場合によっては、プラズマチャンバ若しくは処理チャンバ、又はその両方のチャンバ壁の一部を画定し得る。イオン抽出光学系120は、開口を含む。この開口を通して、イオンが、イオンビームとして抽出され、基板ホルダ114によって保持された基板116に方向付けられ得る。
【0013】
[0023]様々な実施形態では、基板ホルダ114は、駆動部(図示せず)に連結され得る。この駆動部は、図示の直交座標系のY軸に平行な方向に沿って、基板ホルダ114を移動させるように構成されている。さらなる実施形態では、基板ホルダ114は、X軸、Z軸、又はその両方に平行な方向に沿って移動可能であり得る。この移動は、処理装置100に2つの自由度をもたらす。すなわち、この移動は、抽出開口に対する基板の相対位置の変更を可能にし、基板116が開口に対して走査されることを可能にし、その結果、幾つかの例では、イオンが、基板116の表面全体に供給され得る。様々な実施形態では、基板ホルダ114は、小さな増分(例えば、1度の増分)でZ軸の周りを回転することができるので、処理の均一性をさらに改善することができる。
【0014】
[0024]様々な追加の実施形態では、以下に詳述するように、イオン抽出光学系120は、複数のイオンビームを画定する個々の部分を含み得る。様々な実施形態では、イオン抽出光学系120は、(
図1の平面内で)X方向に沿って延在する複数の抽出スリットを画定する。これらの抽出スリットは、X方向に沿って延在し、且つ設計特性(例えば、イオンエネルギー、イオン電流密度、Z軸に対する設計入射角、及び設計角度広がり)を有する複数のリボンビームを画定する。以下に詳述するように、複数の抽出スリット(例えば、4つ以上のスリット)を設けることにより、他のビーム特性に影響を与えずに、基板116に供給されるイオン電流を増加させることができる。
【0015】
[0025]
図1にさらに示すように、イオン抽出光学系120は、抽出プレート122、及び摺動可能なインサート126を含み得る。特定の実施形態では、イオン抽出光学系120は、抽出プレート122及び摺動可能なインサート126によって画定される開口に近接して配置される第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bをさらに含み得るが、これらについては、以下でさらに詳述する。様々な実施形態によれば、
図1の構成では、抽出プレート122、摺動可能なインサート126、第1のビームブロッカ124A、及び第2のビームブロッカ124Bは、4つの抽出スリットを画定し得る。これらの4つの抽出スリットは、
図1でイオンビーム130として示される4つの異なるリボンビームを生成することができる。抽出プレート122、摺動可能なインサート126、第1のビームブロッカ124A、及び第2のビームブロッカ124Bを慎重に配置することにより、イオンビーム130の安定した動作を維持しながら、基板116の処理のための増大したスループットを得ることができる。
【0016】
[0026]次に
図2Aを参照すると、本開示の実施形態に係る、イオン抽出光学系120の変形例の平面図が示されている。
図2Aの図は、プラズマチャンバ102に対向する処理チャンバ104の視点で示されている。図示されるように、抽出プレート122は、切り欠き領域128を含む。ここでは、切り欠き領域128は、第1の方向に沿って(この場合、X軸に沿って)延在している。切り欠き領域128は、切り欠き領域128の長さとほぼ同じ長さ(例えば、100mm、200mm、300mm、又は400mm)を有するイオンビームを生成する程度まで延在してもよい。実施形態は、この文脈に限定されない。切り欠き領域128は、図示されるように、第1の方向に垂直な第2の方向に沿った(例えば、Y軸に沿った)幅を有するようにさらに配置され得る。Y軸に沿った切り欠き領域128の幅は、プラズマチャンバ102内の均一なプラズマの領域と重なり合う大きさの占有面積を生成するように設計され得る。言い換えれば、切り欠き領域128は、プラズマチャンバ102の側部の中央に配置されてもよく、Y軸に沿った切り欠き領域128の幅は、プラズマがY軸に沿って均一である領域の幅以下である。このようにして、複数のイオンビームが、切り欠き領域128から抽出され得る。切り欠き領域128では、種々のイオンビーム間においてイオン電流密度及び角度特性の差がない。
【0017】
[0027]
図2Aにさらに示されるように、摺動可能インサート126は、切り欠き領域128と重なり合うように配置されるが、さらにX軸に沿って切り欠き領域128を越えて延在する。このようにして、摺動可能なインサート126及び切り取り領域128は、第1の開口132及び第2の開口134を画定する。幾つかの実施形態では、摺動可能なインサート126は、互いに等しいサイズとなるよう第1の開口132及び第2の開口134を生成するように配置され得る。以下でより詳細に説明するように、摺動可能なインサート126は、抽出プレート122に対して独立して移動可能であり得る。具体的には、摺動可能なインサート126は、抽出プレート122に対して摺動可能に移動することができる。以下に説明するように、イオン抽出光学系120を使用してイオンビームを生成するために処理装置が稼働している間、摺動可能なインサート126が抽出プレート122に対してX方向に移動するように、摺動可能なインサート126は拡大又は収縮し得る。幾つかの動作条件下では、500mm長の型の摺動可能なインサート126の場合、摺動可能なインサート126のこの拡大又は移動は、1mm以下などの小スケールで起こり得るが、このような移動は、他の状況では摺動可能なインサート126が抽出プレート122にしっかりと連結された場合に発生する局所的な熱応力を緩和することができる。
【0018】
[0028]様々な実施形態では、抽出プレート122及び摺動可能なインサート126は、導電性材料(例えば、金属、グラファイト、又は他の導体)から作製され得る。抽出プレート122が第1の材料から作製される様々な実施形態によれば、摺動可能なインサート126は、第1の材料、又は第1の材料とは異なる第2の材料から作製されてもよい。
【0019】
[0029]
図2Bを参照すると、処理チャンバ104の視点から、再びイオン抽出光学系120の斜視図が示されている。この実施例では、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bが所定の位置にある。
図2Aも参照すると、第1のビームブロッカ124Aは、第1の開口132の第1の部分と重なり合うように配置され、第1のビームブロッカ124A及び第1の開口132は、第1の抽出スリット142A及び第2の抽出スリット142Bを画定する。同様に、第2のビームブロッカ124Bは、第2の開口134の第2の部分と重なり合うように配置され、第2のビームブロッカ124B及び第2の開口134は、第3の抽出スリット142C及び第4の抽出スリット142Dを画定する。幾つかの例では、抽出スリット(142A、142B、142C、及び142D)の個々の幅は、およそ数ミリメートル、1ミリメートル、又は1ミリメートル未満であってもよく、抽出スリットの長さは、およそ数十センチメートルであってもよい。したがって、抽出スリットは、プラズマチャンバ102から非常に狭いリボンビームを抽出することができる細長い開口を画定し得る。
【0020】
[0030]さらに
図2Cを見ると、プラズマチャンバ102の視点から、イオン抽出光学系120の一部の断面斜視図が示される。図示のように、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、抽出プレート122のプラズマチャンバ側に配置され得、抽出プレート122の第1の側(プラズマチャンバ側)に面する凹面形状の断面を有し得る。稼働中に第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの熱膨張に対応するために、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、弾性取り付け具125を使用して抽出プレート122に取り付けられ得る。第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの凹面形状は、静電ポテンシャル電気力線(electrostatic potential field lines)を形成し、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bが抽出プレート122に対して個々にバイアス可能である実施形態において、イオン抽出光学系120を通して抽出されたイオンビームの入射角及び角度広がりの制御を容易にする。第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、電気伝導体であってもよいが、幾つかの実施形態では、第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bは、電気絶縁体である。
【0021】
[0031]様々な実施形態では、摺動可能なインサート126の熱膨張に対応するために、抽出プレート122は、一対の凹部を含み得る。
図2Dは、1つの凹部、すなわち凹部144を斜視図で示す。幾つかの実施形態では、凹部144は、抽出プレート122の処理チャンバ側に配置され得る。凹部144によって表される一対の凹部は、切り欠き領域128の第1の側128A、及び切り欠き領域128の第2の側128Bに配置され得る。ここで、凹部144は、摺動可能なインサート126を受け入れるように配置される。凹部144は、Y方向に沿った、摺動可能なインサート126の幅よりもわずかに大きな幅を有する細長いスロットとして構成され得る。
【0022】
[0032]様々な実施形態によれば、摺動可能なインサート126は、凹部144に隣り合って配置された、図では細長いスロット146として示される一対の細長いスロットを含み得る。これは、一対の細長いスロットが、抽出プレート122内において、凹部144の少なくとも一部と重なり合うように、摺動可能なインサート126の縁に向けて配置されることを意味する。イオン抽出光学系120は、連結器148として示される一対の連結器をさらに含み得る。連結器148は、細長いスロット146内に配置され、摺動可能インサート126を抽出プレート122に機械的に連結する。一実施例では、連結器は、肩付きねじのような構成要素によって両端が所定位置に保持された位置合わせピンであってもよい。連結器148及び細長いスロット146の機能は、摺動可能なインサート126を抽出プレート122に近接させて保持しながら、摺動可能なインサート126の抽出プレート122に対する相対的移動を可能にすることである。幾つかの実施形態では、摺動可能インサート126及び抽出プレート122は、共通平面(X-Y平面)(例えば、イオン抽出光学系120の外側(処理チャンバ側)に配置され得る。
【0023】
[0033]
図3Aを参照すると、イオン抽出光学系120の一変形例の断面図が示されており、様々な幾何学的特徴が示される。幾つかの実施形態によれば、Y方向に沿った摺動可能なインサート126の幅S、並びに第1のビームブロッカ124A及び第2のビームブロッカ124Bの深さDは、図示されるように、ビームブロッカ間でプラズマ103の進入を容易にするように配置され得る。例えば、摺動可能インサート126の幅Sは、20mmであってもよいが、深さDは、10mmであってもよく、図示のように、プラズマシース縁部の輪郭(破線)が、ビームブロッカ及び摺動可能なインサート126に密接に沿うことを可能にする。同時に、摺動可能なインサートの幅Sとビームブロッカの幅Wの倍の値との和に等しい占有エリアFを許容可能な値に維持することができ、その結果、プラズマ103のプラズマ密度は、Y方向に沿った占有エリアFにわたって変化しない。例えば、幾つかの非限定的な実施形態では、幅Wは、20mmになるように構成されてもよいが、摺動可能なインサート126の幅Sは、20mmと30mmとの間であってもよく、それにより、60mmから70mmの占有エリアが生じる。この構成により、様々な抽出スリットにおいて同じプラズマ密度が保証されるので、種々の抽出スリットから抽出されるイオンビーム電流は、抽出スリットごとにほぼ同じである。さらに、60mmというコンパクトな占有エリアにより、基板116の所与の領域が、過度に移動することなく、4つの抽出スリットから抽出される4つのイオンビームのすべてに確実に曝露され得る。一例として、基板の幅(300mm)+占有エリアFの幅(60mm)、又は360mmに等しい総走査距離にわたって、基板を抽出プレート122に対してY軸に沿って走査することにより、300mmの基板は、イオン抽出光学系120から抽出された種々のイオンビームに完全に曝露され得る。このコンパクトな幾何学的形状により、処理チャンバ104のサイズを許容可能なサイズに維持することができる。なぜならば、処理チャンバ104を、基板のサイズ、及び総走査距離に対応するような大きさにすることができるからである。
【0024】
[0034]
図4及び
図5を参照すると、本実施形態の処理上の利点を強調する実験データが示されている。
図4では、2つの抽出スリット(2sl)を有する既知の抽出装置、及び4つの抽出スリット(4sl)を有する本実施形態に係る抽出アセンブリに関して、プラズマ電力の関数としての抽出ビーム電流を示す様々な曲線が示されている。各構成は、3つの異なる抽出電圧(1.5kVから2.5kV)について示されている。図示されるように、抽出されたビームの電流は、増大する抽出電圧のより弱い関数であり、増大するプラズマ電力のより強い関数である。特に、ほとんどの条件において、本実施形態の4スリット構成は、2スリット構成で抽出される電流の2倍以上の電流をもたらす。
【0025】
[0035]本実施形態の4スリット構成を用いて生成される抽出ビーム電流の所与のレベルは、原理的には、プラズマ電力の増加(2slの2.5kWと4slの1.0kWとの比較)によって、既知の2スリット構成によって達成することができるが、増加したプラズマ電力は、他のビームパラメータに望ましくない変化を引き起こすことがある。
図5は、2スリット構成、及び本実施形態の4スリット構成の一般的な抽出スリット形状に対するプラズマ電力の関数として、抽出されたイオンビームの入射角(基板平面又は抽出プレートの平面に対する法線に対する、すなわち、図のZ軸に対する入射角)を示すグラフである。
【0026】
[0036]さらに
図3Bを見ると、抽出スリットを通して抽出された、イオンビーム130として示されている一連のイオンビームを含む、
図3Aの構成の抽出幾何形状が示されている。図示のように、イオンビーム130は、基板平面(X-Y)軸に対する垂直線に対して非ゼロ入射角θ(+/-)を形成する。所与の条件についての非ゼロ入射角の絶対値は、ビームブロッカ及び抽出プレートの厳密な構成を変えることによって変更することができるが、非ゼロ入射角の値の変化は、
図5に示すように、概して、プラズマ電力に感度の高い関数(sensitive function)である。
図5の異なる実験データについては、0.5kWでのθの平均値は、約20度であるが、2.5kWでのθの平均値は、わずか5度である。4つの抽出スリットを設けることによって、0.5kWで20mAの電流を達成することができ、20度の入射角を維持することが可能である。この幾何学的形状は、基板のフィーチャ(例えば、トレンチ又は側壁)を処理するのに有用であり得る。既知の2スリット構成では、0.5kWの電力ではたった8mAしか発生させず、処理スループットは半分以上減少する。例えば、1.5kVの抽出電圧について、22.5度の角度では、本実施形態の4スリット形状及び2スリット形状に観察されたビーム電流は、それぞれ、28mA及び12mAであった。さらに、本実施形態の4スリット形状では、入射角のスリット間角可変性は、2.5度未満であったが、角度広がりは、デュアルスリット構成よりも狭く(~5度対~7度)、抽出イオンビーム電流の増加と共に減少した。全体的なビーム電流の均一性は、2スリット構成と4スリット構成との間の変更に影響されず、影響は1%未満であった。
【0027】
[0037]本実施形態のコンパクトな形状から生じる1つの問題は、第1の開口132を第2の開口134から分離する材料の幅が比較的狭いことである。とりわけ、本発明者らは、第1の開口132及び第2の開口134が一体型の抽出プレートから形成される構成において、種々の処理条件の影響を調べてきた。言い換えると、第1の開口132及び第2の開口134を画定するために、摺動可能なインサート126を使用するよりも、第1の開口132と第2の開口134との間の材料が、第1の開口132及び第2の開口134の外側に延在する共通プレートにおいて形成され得る。
【0028】
[0038]
図6Aは、
図2A及び
図2Bに概ね示されたイオン抽出光学系構成を用いて観察された長手方向の電流の均一性を示すグラフであるが、抽出プレート122は、摺動可能インサート126の代わりに、抽出プレートの一部を形成する中間部分を含む一体型プレートである。電流は、抽出スリットの長手方向のX軸に沿って測定される。
図6Aの実施例は、2.5kWのプラズマ電力について示されている。図示されるように、ビーム電流の顕著なたるみが、抽出開口の中央に向かって生じる。
【0029】
[0039]
図6Bは、2.5kWのプラズマ電力において、摺動可能なインサート126を備えるように本実施形態に従って配置された、
図2A及び
図2Bに概ね示されたイオン抽出光学系構成を使用して観察された長手方向の電流の均一性を示すグラフである。この実施例では、長手方向の電流の均一性は、
図6Aの実施例と比較して遙かに均一である。任意の特定の理論に縛られるわけではないが、領域(抽出開口間の中央ストリップ)内の材料の温度分布は、種々の電力条件及び材料(例えば、グラファイト及びチタン)についてシミュレートされている。とりわけ、温度は、抽出開口の縁に向かって位置する材料とは対照的に、抽出開口の中心領域に向かって(X方向に沿って)位置する材料において数十度より高くなり、これが中央ストリップの機械的変形をもたらし得る。このような変形は、X方向に沿った抽出スリットの形状を局所的に変化させ、図示のように不均一な電流分布をもたらし得る。本実施形態は、可動インサートを設けることによって、可動インサートがX方向に沿って自由に膨張するので、他の状況ではX方向に沿った温度の不均一性から生じ得る任意の機械的変形を緩和することで、この問題に対処する。
【0030】
[0040]前述の実施形態は、4スリット構成に注目するが、さらなる実施形態では、6スリット構成及び8スリット構成が可能である。例えば、2つの摺動可能なインサートが共通の切り欠き領域に配置されて3つの抽出開口を画定する6スリット構成を実現することができる。したがって、3つのビームブロッカのそれぞれが、3つの抽出開口のそれぞれと重なり合うように配置されてもよく、
図1及び
図2Bに概して示されるように、所与のビームブロッカが、抽出開口と共に一対の抽出スリットを画定し得る。同様に、共通の切り欠き領域に3つの摺動可能なインサートを配置して、4つのビームブロッカと対になった4つの抽出開口を画定することによって、8スリット構成を実現することができる。概して、本実施形態に係るマルチスリットイオン抽出光学系は、1つの切り抜き領域、N個の摺動可能なインサート、及びN+1個のビームブロッカを使用して構成することができ、抽出スリットの数は、2(N+1)に等しい。同様に、この構成は、N対の凹部、N対の細長いスロット、N対の連結器等を含み得る。
【0031】
[0041]さらなる実施形態では、マルチスリット抽出システムは、1つの切り欠き領域、及びN個の摺動可能なインサートを有し、2(N+1)個の抽出スリットを生じさせる抽出プレートによって画定され得る。これらのさらなる実施形態では、ビームブロッカを省略してもよく、抽出スリットは、摺動可能なインサート及び切り欠き領域によって画定される。このような追加の実施形態では、抽出スリットから抽出されるイオンビームの軌道は、基板(Z軸)に対する垂直線に沿って延びてもよい。ここで、「基板に対する垂直線」とは、X-Y面(例えば、ウエハの主表面)において延びる基板の平面の基板表面に対する垂直線のことを意味する。したがって、これらの実施形態では、これらのイオンビームは、基板のX-Y面に対する垂直線に対する0度の入射角で基板に衝突し得る。したがって、これらの後者の実施形態は、角度の付いたイオンビーム(非垂直入射角)が望まれないか又は必要とされない用途において適切であり得る。
【0032】
[0042]本実施形態によって得られる第1の利点は、既知の2スリット構成と比べて、コンパクトなプラズマベースのイオンビームシステムにおいてビーム電流及び処理スループットを増大させる能力である。さらに、垂直線に対してイオンビームの入射角を狭めずに、2スリット構成に対してビーム電流を増加させることができ、高いスループットで基板の側壁及び他の構造体を処理する能力を保つ。さらなる利点は、抽出開口を画定するために抽出プレートにおいて摺動可能なインサートを使用することによって、リボンビームの長手方向に沿って均一なビーム電流を生成する能力である。
【0033】
[0043]本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲が限定されるべきではない。実際のところ、本明細書に記載された実施形態に加えて、本開示の他の様々な実施形態及び本開示の変形例は、当業者であれば、上述の説明及び添付図面から明らかであろう。したがって、このような他の実施形態及び変形例は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本明細書では、本開示が、特定の目的の特定の環境における特定の実装形態に関連して説明されたが、当業者であれば、本開示の有用性がそれに限定されず、本開示が、任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実施され得ることを認識するであろう。したがって、本願の特許請求の範囲は、本明細書に記載された本開示の範囲及び精神を最大限広く見て解釈するべきである。