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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】阻止棒
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/04 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
E01F13/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020042627
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021143515
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2020-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】510231352
【氏名又は名称】株式会社156物産
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】石田 宏樹
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0119126(KR,A)
【文献】特開2006-241921(JP,A)
【文献】特開2009-046972(JP,A)
【文献】特開2003-147734(JP,A)
【文献】特開2016-014257(JP,A)
【文献】特開2001-288720(JP,A)
【文献】特開平08-192748(JP,A)
【文献】特開2009-114681(JP,A)
【文献】特開2009-46972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
13/00-15/14
B61L 29/02
B61L 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は該車両の進行方向に回動させて該車両の通行を許容する阻止棒と、該阻止棒を回動させる阻止機と、を有する車両阻止装置における阻止棒において、
前記阻止棒は、軸方向に延びる支持部材と、該支持部材の周囲に装着固定した保護部材と、を備え
前記保護部材は、軟質の外装用シートで更に被覆されており、該外装用シートは、合成繊維からなるシートの一面側に合成樹脂をラミネート加工又はコーティングして形成され、前記一面側を外部側として用いることを特徴とする阻止棒。
【請求項2】
前記保護部材は、合成樹脂発泡材と、該合成樹脂発泡材を覆う気泡緩衝材とからなる請求項1に記載の阻止棒。
【請求項3】
前記合成樹脂は、ポリオレフィン樹脂である請求項2に記載の阻止棒。
【請求項4】
前記保護部材は、阻止棒が水平方向に延在した状態において、垂直方向下部が周方向全周においてより厚肉に形成されている請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
【請求項5】
前記支持部材は、先端部が弾性変形可能な軟質材で形成されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
【請求項6】
車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は該車両の進行方向に回動させて該車両の通行を許容する阻止棒と、該阻止棒を回動させる阻止機と、を有する車両阻止装置における阻止棒において、
前記阻止棒は、軸方向に延びる支持部材と、該支持部材の周囲に装着固定した保護部材と、を備え
前記保護部材は、合成樹脂発泡材と、該合成樹脂発泡材を覆う気泡緩衝材とからなり、
前記気泡緩衝材は、キャップシートとバックシートとによって複数の気泡室を形成する気泡緩衝材シートであることを特徴とする阻止棒。
【請求項7】
2枚の前記気泡緩衝材シートからなり、前記キャップシート同士を対向密接させて積層形成した一組の気泡緩衝材シートを、バックシート側を合成樹脂発泡材側に装着した請求項6に記載の阻止棒。
【請求項8】
前記一組の気泡緩衝材シートを二組積層して、合成樹脂発泡材側に装着した請求項7に記載の阻止棒。
【請求項9】
前記気泡緩衝材シートは、キャップシート上に更にトップシートを積層形成した請求項6に記載の阻止棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は車両の進行方向に回動させて通行を許容する阻止棒に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の料金所における通行においては自動料金収受システムでは、収受員に対する料金の支払いをすることなく車両が通行できるため、料金所における車両の渋滞が緩和されている。
このシステムは、料金所に進入した車両に搭載した機器と料金所のアンテナで交信し、車両の通行を許可するときは、常時水平となっている阻止棒を上方へ回動して垂直となって該通行を許容するようにしている。従来、この阻止棒の本体部分は、アルミニウム等からなる芯材を合成樹脂で被覆して形成されたものが多く使用されてきた。
しかしながら、車両が料金所に高速で進入してくると、阻止棒の上方への回動が間に合わず、車両が阻止棒に衝突し、阻止棒の破損や、車両の損傷が生ずる場合がある。
【0003】
前記の問題を解決するため、出願人は、空気を圧縮充填してなる阻止棒を提案した(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の阻止棒は、前記長尺袋体と、該長尺袋体を支持する支持部材とからなり、長尺袋体は、支持部材に着脱自在に挿着されている。
特許文献1に係る阻止棒は気体を圧縮充填して形成された長尺袋体を有するため、車両の衝突により容易に弾性変形し、破損し難く繰り返し使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-46972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の阻止棒では、長尺袋体は内部に圧縮充填された気体のみで水平を保持するため、気体の圧力が低下すると先端部側が下がりぎみになるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、形状を保持することができると共に、車両が阻止棒に衝突したとき、破損し難く繰り返し使用可能であり、且つ、衝突した車両に損傷を与えるおそれを抑制する阻止棒を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の通りである。
1.車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は該車両の進行方向に回動させて該車両の通行を許容する阻止棒と、該阻止棒を回動させる阻止機と、を有する車両阻止装置における阻止棒において、
前記阻止棒は、軸方向に延びる支持部材と、該支持部材の周囲に装着固定した保護部材と、を備え
前記保護部材は、軟質の外装用シートで更に被覆されており、該外装用シートは、合成繊維からなるシートの一面側に合成樹脂をラミネート加工又はコーティングして形成され、前記一面側を外部側として用いることを特徴とする阻止棒。
2.前記保護部材は、合成樹脂発泡材と、該合成樹脂発泡材を覆う気泡緩衝材とからなる1.に記載の阻止棒。
3.前記合成樹脂は、ポリオレフィン樹脂である2.に記載の阻止棒。
4.前記保護部材は、阻止棒が水平方向に延在した状態において、垂直方向下部が周方向全周においてより厚肉に形成されている1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
5.前記支持部材は、先端部が弾性変形可能な軟質材で形成されている1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の阻止棒。
6.車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は該車両の進行方向に回動させて該車両の通行を許容する阻止棒と、該阻止棒を回動させる阻止機と、を有する車両阻止装置における阻止棒において、
前記阻止棒は、軸方向に延びる支持部材と、該支持部材の周囲に装着固定した保護部材と、を備え
前記保護部材は、合成樹脂発泡材と、該合成樹脂発泡材を覆う気泡緩衝材とからなり、
前記気泡緩衝材は、キャップシートとバックシートとによって複数の気泡室を形成する気泡緩衝材シートであることを特徴とする阻止棒。
7.2枚の前記気泡緩衝材シートからなり、前記キャップシート同士を対向密接させて積層形成した一組の気泡緩衝材シートを、バックシート側を合成樹脂発泡材側に装着した6.に記載の阻止棒。
8.前記一組の気泡緩衝材シートを二組積層して、合成樹脂発泡材側に装着した7.に記載の阻止棒。
9.前記気泡緩衝材シートは、キャップシート上に更にトップシートを積層形成した6.に記載の阻止棒。
【発明の効果】
【0008】
1.本発明の阻止棒は、軸方向に延びる支持部材と、該支持部材の周囲に装着固定した保護部材と、を備えているため、確実に形状を保持することができると共に、車両が阻止棒に衝突したとき、形状を保持することができると共に、車両が阻止棒に衝突したとき、破損し難く繰り返し使用可能であり、且つ、衝突した車両に損傷を与えるおそれを抑制することができる。
2.保護部材が、合成樹脂発泡材と、合成樹脂発泡材を覆う気泡緩衝材とからなる場合には、合成樹脂発泡材で衝撃を吸収しつつ、気泡緩衝材でも更に衝撃を吸収することができるため、効率よく衝撃を吸収することができる。
3.合成樹脂が、ポリオレフィン樹脂である場合には、軽量であるため、阻止棒にかかる負荷を軽減することができる。
4.保護部材は、阻止棒が水平方向に延在した状態において、垂直方向下部が周方向全周においてより厚肉に形成されている場合には、特に車両の上部への衝突の際の衝撃を効果的に防ぐことができる。
5.支持部材の先端部が弾性変形可能な軟質材で形成されている場合は、軟質材で形成されていれば、車両の衝突時において特に接触しやすい先端部が、車両を損傷させるのを抑制することができる。
6.保護部材は、軟質の外装用シートで更に被覆されており、外装用シートが、合成繊維からなるシートの一面側に合成樹脂をラミネート加工又はコーティングして形成され、一面側を外面側として用いる場合には、車両の衝突の際の擦傷を緩和することができると共に、作製の際の保護部材に対する挿着性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る阻止棒を示す模式的な斜視図である。
図2】実施形態1に係る阻止棒の分解斜視図である。
図3図1の模式的なA-A断面図である。
図4】(a)図3の模式的なB-B断面図、(b)図3の模式的なC-C断面図である。
図5】(a)気泡緩衝材の一例を示す模式的な断面図、(b)気泡緩衝材の他例を示す模式的な断面図、(c)気泡緩衝材の更に他例を示す模式的な断面図である。
図6】実施形態2に係る阻止棒を示す模式的な斜視図である。
図7】実施形態2に係る阻止棒の分解斜視図である。
図8図6の模式的なD-D断面図である。
図9】(a)図8の模式的なE-E断面図、(b)図8の模式的なF-F断面図である。
図10】実施形態1の変形例に係る阻止棒を示す模式的な断面図である。
図11】実施形態2の変形例に係る阻止棒を示す模式的な断面図である。
図12】実施形態1に係る阻止棒を阻止装置に取り付けた状態において、車両の通過直前の状態を示す模式的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図1図12を用いて詳しく説明する。なお、本発明はこれらの図に限定されるものではなく、種々の形態に変更が可能である。
前記「阻止棒」は、車両の通行を規制する阻止機に取り付けられ、車両の通行を拒否するときは水平方向に延在して通行を阻止し、通行を許可するときは先端を上方又は該車両の進行方向に回動させて車両の通行を許容するものである。
前記「車両」とは、自動車、原動機付自転車、トロリーバス、自転車、荷車、その他人や動物又は他の車両にけん引され、レールによらないで運転する車(そり,牛馬を含む)等である。
【0011】
[実施形態1]
本発明の第1実施形態に係る阻止棒1は、例えば、図1図3に示すように、軸方向に延びる支持部材10と、支持部材10の周囲に装着固定した保護部材20と、を備えている。
【0012】
[1]支持部材10
「支持部材」は、その周囲に保護部材が装着される部材である。
支持部材10は、その周囲に保護部材20が装着される部材であり、その取付部15は、図12に示す阻止装置90に取り付けられる。
支持部材の形状は、特に限定はなく、柱状、管状又はこれらの組み合わせとすることができる。また、これらの材質も特に限定されない。
例えば、図1及び図2に示す支持部材10は、円管状の合成樹脂からなる本体部11と、本体部11が挿着固定された金属製の取付部15とを備えている。
本体部11の材質としては、FRP、カーボン繊維、ガラス繊維、アルミニウム等が好適に用いられる。また取付部15の材質としては、アルミニウムが好適に用いられる。
【0013】
支持部材10は、保護部材20に対して接着材等により固着されていてもよいが、着脱自在とすることもできる。着脱自在であれば、支持部材10又は保護部材20のいずれか一方が損傷しても、損傷した部材のみを交換することができる。
なお、取付部15は、本体部11と接続されていれば特に限定はなく、取付部15が本体部11の内部に挿着固定されていてもよい。更に、取付部と本体部が一体に形成されていてもよい。
【0014】
支持部材10は、先端部が弾性変形可能な軟質材で形成されていることが好ましい。軟質材で形成されていれば、車両の衝突時において特に接触しやすい先端部が、車両を損傷させるのを抑制することができる。
例えば、図2に示すように、本体部11に挿着した弾性材17とすることができる。この軟質材17の形状、材質は、特に限定はないが、本体部11が円筒状であれば、密着して挿入固定する上で、円柱状であることが好ましい。
【0015】
軟質材17の素材としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びこれらの発泡体を挙げることができる。
これらの中でも特に、ポリオレフィン樹脂の発泡体が好ましく、特にポリエチレン樹脂の発泡体、又はポリプロピレン樹脂の発泡体であることが更に好ましい。
ポリエチレン樹脂の発泡体、又はポリプロピレン樹脂の発泡体であれば、軽量であるため、阻止棒にかかる負荷を軽減することができ、好適に使用できる。
【0016】
[2]保護部材20
「保護部材」は、支持部材の周囲に装着固定されている部材であり、車両が衝突した場合に、その車両の損傷を防ぐ部材である。保護部材の材質、形状は特に限定はないが、図2に示す保護部材20のように、支持部材10の周囲に装着された合成樹脂発泡材21と、更に合成樹脂発泡材21の周囲に装着された気泡緩衝材25とからなることが好ましい。
保護部材20は、図3に示すように、通常、支持部材10のうちの取付部材15の一部を除いた全長に亘って装着されていることが好ましい。
【0017】
合成樹脂発泡材21の材質は、合成樹脂の発泡材であれば特に限定はなく、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂の発泡体を挙げることができる。これらの中でも特に、ポリオレフィン樹脂の発泡体が好ましく、特にポリエチレン樹脂の発泡体、又はポリプロピレン樹脂の発泡体であることが更に好ましい。
ポリエチレン樹脂の発泡体、又はポリプロピレン樹脂の発泡体であれば、軽量であるため、阻止棒にかかる負荷を軽減することができ、好適に使用できる。
【0018】
気泡緩衝材は、プチプチ(登録商標)などの名称で呼ばれている合成樹脂製の部材である。
合成樹脂発泡材と気泡緩衝材との径方向の厚さ比率は特に限定はないが、例えば、図4(a)に示すように、合成樹脂発泡材21の径Dに対して、気泡緩衝材25の厚さLの比率は、D:L=5~3:1とすることが好ましく、D:L=4.5~3.5:1とすることが更に好ましい。通常D:L=4:1である。例えば、合成樹脂発泡材21の径Dが80mmであれば、気泡緩衝材25の厚さLは、通常20mmである。
【0019】
気泡緩衝材の種類、形状、材質は特に限定はなく、種々のものを使用したり、複数枚を重ねて使用したりすることができる。
例えば、図5(a)に示す気泡緩衝材25は、2枚の気泡緩衝材シート25Aのキャップシート25b側を対向密接させて、バックシート25a側を合成樹脂発泡材21側に装着している。
【0020】
また、図5(b)に示す気泡緩衝材26のように、大きなキャップシート26bをトップシート26aとバックシート26cとで挟み込んだ形状のものを使用することもできる。
更に、図5(c)に示すように、バックシート27aに対して、小さなキャップシート27bを有する4枚の気泡緩衝材シート27Aをそれぞれ2枚ずつをキャップシート27b側を対向密接させて形成し、更にそれぞれを接合して4枚の気泡緩衝材シート27Aからなる気泡緩衝材27を形成することもできる。
【0021】
[3]外装用シート70
「外装用シート」は、保護部材を更に被覆する部材であり、軟質材で形成されている。外装用シートは、軟質材であれば特に限定はないが、伸縮性のある素材であることが好ましい。こうであれば、特に車両の衝突の際の擦傷を緩和することができると共に、作製の際の保護部材に対する挿着性が高まる。
図2に示すように、外装用シート70は、保護部材20を更に被覆している。
外装用シート70は、合成繊維からなるシートの一面側に合成樹脂をラミネート加工又はコーティングして形成され、一面側を外部側として用いることができる。
【0022】
合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ガラス繊維、カーボン繊維のいずれか又はこれらの組み合わせが好適に用いられる。
これらの中では、伸縮性のあるナイロン繊維が特に好適に用いられる。また、ラミネート加工又はコーティングする合成樹脂も特に限定はなく、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂などが例示される。これらの中では、ポリウレタン樹脂が特に好適に用いられる。
こうすることで、阻止棒1に車両が衝突した場合の車両の擦傷を更に防ぐことができる。
また外装用シート70には、白地の本体シート71に、赤色模様75を付して、車両運転者に一時停止の注意を喚起することができる。
【0023】
[実施形態2]
実施形態2に係る阻止棒2は、例えば、図6図8に示すように、軸方向に延びる支持部材30と、支持部材30の周囲に装着した保護部材40と、を備えている。保護部材40は、後述の変形例を除き、合成樹脂発泡材40のみからなる。
【0024】
[4]支持部材30
支持部材30は、その周囲に保護部材40が装着される部材であり、その取付部35は、図12に示す阻止装置90に取り付けられる。
支持部材30は、角管状の合成樹脂からなる本体部31と、本体部31が挿着固定された金属製の取付部35とを備えている。
本体部31の材質については、阻止棒1の本体部21と同様であり、その作用効果も同様であり、前述の通りである。
【0025】
支持部材30は、保護部材40に対して接着材等により固着されていてもよいが、着脱自在とすることもできる。着脱自在であれば、支持部材30又は保護部材40のいずれか一方が損傷しても、損傷した部材のみを交換することができる。
なお、取付部35は、本体部31と接続されていれば特に限定はなく、取付部35が本体部31の内部に挿着固定されていてもよい。更に、取付部35と本体部31が一体に形成されていてもよい。
【0026】
支持部材30は、先端側が弾性変形可能な軟質材で形成されていることが好ましい。軟質材で形成されていれば、車両の衝突時において特に接触しやすい先端部が、車両を損傷させるのを抑制することができる。
例えば、図7に示すように、本体部31に挿着した軟質材37とすることができる。この軟質材37の形状、材質は、特に限定はないが、本体部31が角筒状であるため、密着して挿入固定する上で、角柱状であることが好ましい。
【0027】
軟質材37の素材としては、阻止棒1の軟質材27と同様であり、その作用効果も同様であり、前述の通りである。
【0028】
[5]保護部材40
保護部材40は、支持部材30の周囲に装着固定されている部材であり、車両が衝突した場合に、その車両の損傷を防ぐ部材である。保護部材の材質、形状は特に限定はないが、図7に示す保護部材40のように、支持部材30の周囲に装着された合成樹脂発泡材40からなる。
合成樹脂発泡材40は、図7に示すように、支持部材30のうちの取付部材35の一部を除いた全長に亘って装着固定されている。
【0029】
合成樹脂発泡材40は、図7に示すように、阻止棒2が水平方向に延在した状態において、垂直方向下部が全周に対してより厚肉に形成されている。すなわち、全体形状が角筒状を基調とし、垂直方向下部が厚肉に形成された厚肉部41を有している。厚肉部41が形成されていることにより、特に車両の上部への衝突の際の衝撃を効果的に防ぐことができる。更に好ましくは、図9に示すように、下方に向かって窄まるように湾曲形成されていることが好ましい。
【0030】
こうすることで、車両が衝突した際、湾曲面41aが車両外面と滑合することにより車両の損傷を抑制することができる。より具体的には、合成樹脂発泡材40の直方体形状部の高さHと湾曲形状部の高さSの比率は、H:S=3~1:1であることが好ましく、H:S=2.5~1.5:1であることが更に好ましい。通常、H:S=2:1である。例えば、合成樹脂発泡材40の直方体形状部の高さHが70mmであれば、湾曲形状部の高さSは、通常35mmである。
【0031】
合成樹脂発泡材40の材質については、合成樹脂発泡材20と同様であり、その作用効果も同様であり、前述の通りである。
【0032】
[6]外装用シート80
外装用シート80は、保護部材(合成樹脂発泡材)40を更に被覆する部材であり、軟質材で形成されている。
図7に示すように、外装用シート80は、保護部材40を更に被覆している。
外装用シート80の材質及びその作用効果は、外装用シート70と同様であり、前述した通りである。そして、外装用シート70と同様、白地の本体シート81に、赤色模様85を付して、車両運転者に一時停止の注意を喚起することができる。
【0033】
[変形例]
阻止棒3は、図10に示すように、実施形態1の阻止棒1において、支持部材30の本体部31を角筒状に形成して、本体部31に密接して挿着可能な合成樹脂発泡材22及び、角柱状の軟質材37として形成したものである。阻止棒3であれば角筒状の本体部31に対応することができる。
阻止棒4は、図11に示すように、実施形態2の阻止棒2において、合成樹脂発泡材40を気泡緩衝材45で覆うように形成し、更に外装用シート81で被覆形成したものである。阻止棒4であれば阻止棒2の作用効果に加え、更に気泡緩衝材45の衝撃吸収の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0034】
1、2、3、4;阻止棒、
10、30;支持部材、
17、37;軟質材、
20、40;保護部材、
21、22、40、41;合成樹脂発泡材、
25、26、27、45;気泡緩衝材、
70、80;外装用シート。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12