(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 333Z
(21)【出願番号】P 2017252691
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-12-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】芝野 憲司
(72)【発明者】
【氏名】浅井 隆光
(72)【発明者】
【氏名】小西 洋平
(72)【発明者】
【氏名】池谷 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】芥川 光裕
(72)【発明者】
【氏名】寺島 功
(72)【発明者】
【氏名】中村 護
(72)【発明者】
【氏名】水野 誉士樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 正人
(72)【発明者】
【氏名】吉川 拓蔵
【審査官】手塚 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-041803(JP,A)
【文献】特開2010-200902(JP,A)
【文献】特開2017-093571(JP,A)
【文献】特開2019-024817(JP,A)
【文献】「設定確認タイムチャート(案)/設定変更タイムチャート(案)/RWM異常時遊技停止タイムチャート(案,日本,日本遊技機工業組合,2017年10月05日,2-3頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な主遊技始動口と、
閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、
操作が可能な第1操作手段及び第2操作手段と、
設定値を表示可能な設定値表示部と、
主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、
主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、
変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
遊技者が獲得した賞球を付与する付与手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
遊技に係る情報を報知する報知手段と、
設定値を設定できる状態であり、設定値を設定値表示部に表示可能な設定値設定状態と、
設定値を新たに設定できない状態であり、設定されている設定値を確認可能な設定表示状態と
を有し、
設定値として1つの設定値のみを有しており、
設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、
主遊技識別情報の変動表示が開始される際においても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、
設定値設定状態では、設定値が設定値表示部に表示された状態で第1操作手段の操作が行われた場合、第1操作手段の操作に応じた所定の処理が行われ、前記1つの設定値が設定値表示部に表示されているように構成され、
設定値設定状態では、主遊技識別情報表示部にて設定値設定状態に対応した報知を行
い、
前記付与手段により賞球が付与されている途中で設定表示状態になった場合、賞球の付与を中断する一方、前記付与手段により賞球が付与されている途中で設定値設定状態になった場合、付与されていない賞球データをクリアする
ことを特徴とするぱちんこ遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のぱちんこ遊技機としては、遊技盤面(遊技領域)上の始動口に遊技球が入球したことを契機として所定確率の大当り抽選がなされ、当該大当り抽選に当選した場合には大当り(特別遊技)状態へと移行し、遊技盤面に備えられた大入賞口が開放して大量の賞球を獲得できるぱちんこ遊技機が主流である。このように構成されたぱちんこ遊技機の内には、当該大当り抽選における当選確率を上昇させる確率変動遊技状態や当該大当り抽選における抽選結果を報知するための図柄変動の効率を上昇させる時間短縮遊技状態等を備え、これら遊技状態によって遊技者にとって有利な遊技進行状態を創り出すことで遊技の興趣性を高める遊技機も存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-312674号公報
【文献】特開2011-45518号公報
【文献】特開2008-167875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような遊技機は従来から多く存在しているため、更なる斬新な遊技性が実現されるような機種の開発が望まれているという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本態様に係るぱちんこ遊技機は、
遊技球が入球可能な主遊技始動口と、
閉状態と開状態とを採り得る可変入賞口と、
操作が可能な第1操作手段及び第2操作手段と、
設定値を表示可能な設定値表示部と、
主遊技識別情報を表示可能な主遊技識別情報表示部と、
主遊技始動口への入球に基づき、主遊技情報を取得する取得手段と、
変動表示開始条件が充足した場合に、取得手段が取得した主遊技情報に基づいて、可変入賞口開放遊技を行うか否かの判定を行う特別遊技判定手段と、
遊技者が獲得した賞球を付与する付与手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
遊技に係る情報を報知する報知手段と、
設定値を設定できる状態であり、設定値を設定値表示部に表示可能な設定値設定状態と、
設定値を新たに設定できない状態であり、設定されている設定値を確認可能な設定表示状態と
を有し、
設定値として1つの設定値のみを有しており、
設定値設定状態では、設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、
主遊技識別情報の変動表示が開始される際においても設定値が正常な値か否かを判断する処理を実行可能であり、
設定値設定状態では、設定値が設定値表示部に表示された状態で第1操作手段の操作が行われた場合、第1操作手段の操作に応じた所定の処理が行われ、前記1つの設定値が設定値表示部に表示されているように構成され、
設定値設定状態では、主遊技識別情報表示部にて設定値設定状態に対応した報知を行い、
前記付与手段により賞球が付与されている途中で設定表示状態になった場合、賞球の付与を中断する一方、前記付与手段により賞球が付与されている途中で設定値設定状態になった場合、付与されていない賞球データをクリアする
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
<付記>
尚、本態様とは異なる別態様について以下に列記しておくが、これらには何ら限定されることなく実施することが可能である。
本別態様に係る遊技機は、
識別情報を表示可能な識別情報表示部(例えば、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21g)と、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板MのCPUMC)と
を備え、
前記遊技制御手段は、
識別情報表示部にて識別情報を変動表示した後に停止表示する識別情報停止表示処理と、
識別情報表示部に停止表示している識別情報の表示内容を非表示とする識別情報非表示処理と、
を実行可能であり、
識別情報停止表示処理により識別情報を停止表示させた後に電源断が発生し、その後、復電して遊技の実行が許容された場合に、識別情報表示部にいずれの識別情報も表示されていない非表示状態となるように、識別情報を停止表示してから、復電して遊技の実行が許容されるより前の間の所定のタイミングで識別情報非表示処理を実行する
ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本態様に係る遊技機によれば、遊技者にとって有利な遊技進行状態を創り出すという概念を採用した遊技機において、更なる斬新な遊技性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る主制御表示装置D53の正面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るラウンド表示灯R10、保留表示の表示態様、補助遊技図柄の表示態様を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の背面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的全体構成図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る第2大入賞口C20に係る作用図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメイン処理のフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での設定変更処理のフローチャートである。
【
図9】
図9は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での設定確認処理のフローチャートである。
【
図10】
図10は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメインフローチャートである。
【
図11】
図11は、本実施形態に係るぱちんこ機における、主制御基板側でのNMI割り込み時処理(電断時)のフローチャートである。
【
図12】
図12は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での賞球払出コマンド送信制御処理のフローチャートである。
【
図13】
図13は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での対払出制御基板送信制御処理のフローチャートである。
【
図14】
図14は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での賞球払出コマンド及び払出関連情報に係るイメージ図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での対払出制御基板受信制御処理のフローチャートである。
【
図16】
図16は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での入球検出処理のフローチャートである。
【
図17】
図17は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での補助遊技始動口入球検出処理のフローチャートである。
【
図18】
図18は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技始動口入球検出処理のフローチャートである。
【
図19】
図19は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)大入賞口入球検出処理のフローチャートである。
【
図20】
図20は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での一般入賞口入球検出処理のフローチャートである。
【
図21】
図21は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での排出球検出処理のフローチャートである。
【
図22】
図22は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのアウト口入球検出処理のフローチャートである。
【
図23】
図23は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での賞球数決定処理のフローチャートである。
【
図24】
図24は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
【
図25】
図25は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での電動役物駆動判定処理のフローチャートである。
【
図26】
図26は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
【
図27】
図27は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
【
図28】
図28は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
【
図29】
図29は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられるテーブル構成図である。
【
図30】
図30は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での小当り遊技制御処理のフローチャートである。
【
図31】
図31は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での上遮蔽部材駆動制御処理のフローチャートである。
【
図32】
図32は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での下遮蔽部材駆動制御処理のフローチャートである。
【
図33】
図33は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのV入賞口入球判定処理のフローチャートである。
【
図34】
図34は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
【
図35】
図35は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
【
図36】
図36は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。
【
図37】
図37は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での不正検知情報管理処理のフローチャートである。
【
図38】
図38は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのエラー管理処理のフローチャートである。
【
図39】
図39は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での発射制御信号出力処理のフローチャートである。
【
図40】
図40は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での外部信号出力処理のフローチャートである。
【
図41】
図41は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での払出制御基板側メイン処理のフローチャートである。
【
図42】
図42は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図43】
図43は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での払出モータ動作異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図44】
図44は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での払出異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図45】
図45は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での球経路異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図46】
図46は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での払出モータ異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図47】
図47は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での要払出停止異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。
【
図48】
図48は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での賞球払出関連情報送受信処理(対主制御基板)のフローチャートである。
【
図49】
図49は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での賞球払出制御処理(賞球払出開始・モータ駆動開始時)のフローチャートである。
【
図50】
図50は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)のフローチャートである。
【
図51】
図51は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側での賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)のフローチャートである。
【
図52】
図52は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、払出制御基板側でのモータエラー時処理のフローチャートである。
【
図53】
図53は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのメインフローチャートである。
【
図54】
図54は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での保留情報管理処理のフローチャートである。
【
図55】
図55は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。
【
図56】
図56は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。
【
図57】
図57は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側でのV入賞検出演出表示制御処理のフローチャートである。
【
図58】
図58は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。
【
図59】
図59は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での小当り遊技関連表示制御処理のフローチャートである。
【
図60】
図60は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、V入賞口への入賞に係る作用図である。
【
図61】
図61は、本実施形態における、メモリマップの一例である。
【
図62】
図62は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、設定変更方法に係るイメージ図である。
【
図63】
図63は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、設定変更方法に係るイメージ図である。
【
図64】
図64は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、設定確認方法に係るイメージ図である。
【
図65】
図65は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、設定変更中、及び設定確認中における、演出表示装置での表示態様の例を示した図である。
【
図66】
図66は、本実施形態の変更例に係るぱちんこ遊技機における、正面図である。
【
図67】
図67は、本実施形態の変更例に係るぱちんこ遊技機における、操作部装置を示す図である。
【
図68】
図68は、本例に係るぱちんこ遊技機に適用可能な機能ブロック図である。
【
図69】
図69は、本例に係るぱちんこ遊技機に適用可能な機能ブロック図である。
【
図70】
図70は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
【
図71】
図71は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられる主遊技テーブル構成図である。
【
図72】
図72は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での限定頻度変動態様決定処理のフローチャートである。
【
図73】
図73は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられる限定頻度テーブル構成図である。
【
図74】
図74は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
【
図75】
図75は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での振分遊技実行処理のフローチャートである。
【
図76】
図76は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。
【
図77】
図77は、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での演出内容決定テーブルである。
【
図78】
図78は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのタイマ割り込み時処理のフローチャートである。
【
図79】
図79は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
【
図80】
図80は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での限定頻度変動態様決定処理のフローチャートである。
【
図81】
図81は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられる主遊技テーブル構成図である。
【
図82】
図82は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
【
図83】
図83は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での終了デモ時間制御処理のフローチャートである。
【
図84】
図84は、第2実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。
【
図85】
図85は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での特別遊技制御処理のフローチャートである。
【
図86】
図86は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での振分遊技実行処理のフローチャートである。
【
図87】
図87は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での大入賞口の開放パターンを例示する図である。
【
図88】
図88は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での開始デモ時間制御処理のフローチャートである。
【
図89】
図89は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。
【
図90】
図90は、第2実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での開始デモ演出実行処理のフローチャートである。
【
図91】
図91は、第2実施形態からの変更例3に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。
【
図92】
図92は、第2実施形態からの変更例4に係るぱちんこ遊技機における、設定値に応じて主遊技図柄の当選確率を変更する場合の第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)の構成図である。
【
図93】
図93は、第2実施形態からの変更例5に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。
【
図94】
図94は、第2実施形態からの変更例5に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側での先読み用判定処理のフローチャートである。
【
図95】
図95は、第2実施形態からの変更例5に係るぱちんこ遊技機における、サブメイン制御部側での先読み演出実行判定処理のフローチャートである。
【
図96】
図96は、第2実施形態からの変更例6に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板が有する第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)である。
【
図97】
図97は、第2実施形態からの変更例7に係るぱちんこ遊技における、主制御基板が設定値を把握せずに設定値毎の当否抽選テーブルを得るための構成の例を示した図である。
【
図98】
図98は、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメイン処理のフローチャートである。
【
図99】
図99は、第3実施形態からの変更例1に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメイン処理のフローチャートである。
【
図100】
図100は、第3実施形態からの変更例2に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメイン処理のフローチャートである。
【
図101】
図101は、第3実施形態からの変更例3に係るぱちんこ遊技機における、主制御基板側でのメイン処理のフローチャートである。
【
図102】
図102は、第10実施形態の1に係るぱちんこ遊技機における、電断復帰後の表示態様のイメージ図である。
【実施するための形態】
【0008】
はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」への通過も含む。「識別情報」とは、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて情報の種類を識別可能であればどのような形態でもよいが、好適には、視覚的なもの、例えば、数字、文字、図柄等の形状のあるものを挙げることができる。また、本明細書においては「識別情報」を、主遊技図柄・特別図柄(特図)や装飾図柄(装図)と呼ぶことがあるが、「特別図柄(特図)」は、主制御基板側にて表示制御される識別情報であり、「装飾図柄(装図)」は、副制御基板側にて表示される演出としての識別情報である。「識別情報を表示可能」とは、表示方法には何ら限定されず、例えば、発光手段(例えば液晶、LED、7セグ)の発光(発光の有無だけでなく、色の違いも含む)、物理的な表示(例えば、リール帯に描かれた図柄を所定位置に停止表示する)等、を挙げることができる。「演出」とは、遊技の興趣性を高める表示内容を指し、例えば、識別情報変動・停止や予告等をはじめ、アニメーションや実写等の動画像や絵、写真、文字等の静止画像又はこれらの組み合わせを挙げることができる。「開状態、開放状態」及び「閉状態、閉鎖状態」とは、例えば、一般的な大入賞口(いわゆる、アタッカー)の構成においては、開状態=入賞容易状態であり、閉状態=入賞非容易状態となる。また、例えば、遊技盤(遊技者側)から突き出した状態(以下、進出状態と呼ぶことがある)と遊技盤内(遊技者側と反対側)に引っ込んだ状態(以下、退避状態と呼ぶことがある)とを採り得る構成(いわゆる、ベロ型アタッカー)においては、進出状態=入賞容易状態であり、退避状態=入賞非容易状態となる。「乱数」とは、ぱちんこ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「遊技状態」とは、ぱちんこ遊技機の場合、例えば、大入賞口が開放状態となり得る特別遊技状態、特別遊技状態への移行抽選確率が予め定められた値である非確率変動遊技状態よりも特別遊技状態への移行抽選確率が高い確率変動遊技状態、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が有る補助遊技状態(いわゆる、普通図柄時短状態、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間が長い、可変部材の開放当選確率が高い、可変部材の開放抽選の結果報知の時間が短い)、等の任意の一又は複数の組合せである。「遊技領域」とは、遊技球が転動可能な領域であり、遊技盤D35の手前(遊技者から見て)のみに限られず、例えば、遊技盤D35の奥側(遊技者から見て)と遊技盤D35の手前側(遊技者から見て)との双方を含む遊技球が転動可能な領域であってもよい。「左打ち」とは、後述する、遊技領域D30の左側(左打ちルート)を遊技球が流下するよう、遊技球の発射強度を調節して遊技球を打ち出すことである。「右打ち」とは、後述する、遊技領域D30の右側(右打ちルート)を遊技球が流下するよう、遊技球の発射強度を調節して遊技球を打ち出すことである。また、「左打ち領域」とは、遊技領域中央を基準とした場合に遊技領域D30の左側の領域のことである。「右打ち領域」とは、遊技領域中央を基準とした場合に遊技領域D30の右側の領域のことである。「単位時間あたりにおける易入球遊技の期待平均実行時間」とは、補助遊技図柄の図柄変動が絶え間なく行われる状況(例えば、補助遊技図柄に係る保留が常に存在している状況)を仮定した場合において、始動口に取り付けられた可変部材の単位時間(例えば、5分間)あたりにおける開放期間が占める割合を意味しているが、内部処理的には、前述した遊技状態に基づき換言すると、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間の長短(いわゆる開放延長機能作動状態・非作動状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の当選確率の高低(いわゆる普図高確率抽選状態・低確率抽選状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の変動時間の長短(いわゆる普図変動短縮機能非作動状態・作動状態)、等の任意の一又は複数の組合せによって実現されるものである。「識別情報の変動表示期間の平均値」とは、識別情報の変動表示毎に変動表示期間を実測し、当該実測値に基づく平均値を採るという意味に限定されるものではない。より具体的には、識別情報の変動表示毎に、その変動表示期間を決定するよう構成されている場合であって、決定(選択)されるべき変動表示期間の候補が複数種類ある場合には、当該複数種類の変動表示期間に基づく期待値(「選択確率×変動表示期間」の総和)となるが、当該選択されるべき変動表示期間の候補が一種類である場合には、その一種類の変動表示期間そのものとなる(即ち、双方の概念を含むものである)。更には、ハズレ時における識別情報の変動表示期間の平均値のみに限定した概念又は当り時における識別情報の変動表示期間の平均値のみに限定した概念、或いは、最も選択確率の高い変動表示期間のみに限定した概念としてもよく、即ち、この文言の趣旨は、遊技者が体感できる遊技の進行スピードを指し示す指標として用いることにあることを補足しておく(よって、「識別情報の変動表示期間の平均値」を異ならせる実現方法としては、変動表示期間の候補及び/又は選択確率を異ならせる、或いは、変動表示期間の候補及び/又は選択確率が同一であっても更なる変動表示期間を付加する際の期間値を異ならせる、等の様々な手法はあるが、いずれかの手法に限定されるものではない)。「識別情報の変動表示期間の平均値が第一の期間となる第一変動期間状態と、識別情報の変動表示期間の平均値が当該第一の期間とは異なる第二の期間となる第二変動期間状態とを少なくとも有し、」とは、当該二つの状態のみならず、三つ以上の状態を有していてもよい(或いは、三つ以上の状態を有する場合におけるいずれか二つの状態を対象とする)という意味であり、例えば、識別情報の変動表示回数に応じて、「第一変動期間状態」→「第二変動期間状態」→「第三変動期間状態」との状態遷移を採り得るものも含む。この場合においては、夫々の状態における識別情報の変動表示期間の平均値が、「第一変動期間状態」<「第二変動期間状態」<「第三変動期間状態」となるよう構成した場合、高速な遊技進行状態→中速な遊技進行状態→低速な遊技進行状態、との状態遷移を構築することができる{勿論、この逆となる状態遷移(遊技進行状態)を構築してもよく、その場合、次回の大当りまで継続する確率変動遊技状態+電チュー特定遊技状態と併用する際において好適となる(次回の大当り発生が確定的である状況にも拘わらず、次回の大当りが得られない状況が続くほど、遊技の進行スピードが向上するため、いわゆるハマリ時における倦怠感を払拭できる)場合がある}。更には、各状態の特徴として、「第一変動期間状態」においては、ハズレ時における識別情報の変動表示期間の平均値と当り時における識別情報の変動表示期間の平均値との差が、「第二変動期間状態」におけるその差よりも小さい、「第三変動期間状態」においては、ハズレ時における識別情報の変動表示期間の平均値と当り時における識別情報の変動表示期間の平均値との差が、「第二変動期間状態」におけるその差よりも小さいことに加え、「第一変動期間状態」と比べて、特にハズレ時における識別情報の変動表示期間が相対的に長時間となり易い(即ち、当りやリーチを示唆する変動又はリーチ変動となり易い)、「第二変動期間状態」においては、他の状態と比べて、特に当り時における識別情報の変動表示期間が相対的に長時間となり易い{即ち、ハズレが確定的となる短変動ハズレの変動表示期間や当りを示唆する中変動ハズレの変動表示期間が選択されない(又は選択され難い)が、リーチ変動(長変動当り)の変動表示期間のみ選択される(又は選択され易い)}、といった特徴を有することを例示することができる。「特別遊技の実行終了後での高確率抽選状態における特定期間」とは、当該特別遊技の実行終了直後から所定回数分の図柄変動がなされるまでの期間であってもよいし、当該特別遊技の実行終了後における一又は複数回の図柄変動がなされた後から所定回数分の図柄変動がなされるまでの期間であってもよい(即ち、特別遊技の実行終了後にて高確率抽選状態が維持されている範囲内であれば、その範囲内における任意の期間であることを意味するが故、前述の「第一変動期間状態」→「第二変動期間状態」→「第三変動期間状態」との状態遷移を採り得る場合には、当該特定期間が「第一変動期間状態」及び/又は「第二変動期間状態」の滞在期間を意味するものとなり得る)。「保留に関する情報において所定条件を充足した際」とは、例えば、その保留消化時において特別遊技(いわゆる大当り遊技)が生起する可能性が高いことを意味するが、特別遊技が生起する可能性の判断基準には特に限定されない。より具体的には、「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等の乱数値を判断基準としてもよいし、これら乱数値から導き出される事象内容(当否判定結果、変動時間の長さ、停止図柄の種類、特定遊技への移行可否等)を判断基準としてもよい。「保留の存在を示唆又は報知する」とは、示唆する場合には、例えば、当該保留に到るまでの保留消化時における演出(装飾図柄の図柄変動態様や、それと連動して行われている背景演出等)の実行態様を変化させる、等を挙げることができ、報知する場合には、例えば、当該保留生起時において保留表示灯(液晶表示装置上の画像であってもよい)の表示態様を変化させる(その場合には、表示色を変化させる、表示形状を変化させる、等)、当該保留生起時において保留発生音やBGM等の音響を変化させる、当該保留生起時において演出用の発光体(枠発光体等)の点灯態様を変化させる、或いは、当該保留生起時において実行されている他の演出(装飾図柄の図柄変動態様や、それと連動して行われている背景演出等)の実行態様を変化させる、等を挙げることができる。
【0009】
尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。
【0010】
以下の実施形態は、従来の第1種ぱちんこ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、これには何ら限定されず、他の遊技機(例えば、従来の第1種、第2種、第3種、一般電役等のぱちんこ遊技機)に応用された場合も範囲内である。尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。また、本実施形態では、各種テーブルに関し、抽選テーブルと参照テーブルとが存在するが、これらも限定的ではなく、抽選テーブルを参照テーブルとしたり或いはこの逆としてもよい。また、本例において「テーブル」という場合には、その形式に限定されるものではなく、一又は複数の情報に基づき、複数の選択候補の中から一又は複数の選択候補が選択されるように対応付けられている態様であると理解すべきである。更に、以下の実施形態や変更例において示す具体的一例としての数値{例えば、抽選実行時における当選確率、特別遊技時における最大ラウンド数、図柄変動時間、各遊技状態における継続回数、等}は、あくまで一例であり、特に、異なる条件下(例えば、第1主遊技側と第2主遊技側との条件別、確率変動遊技時と非確率変動遊技時との条件別、時間短縮遊技時と非時間短縮遊技時との条件別、等)において示した数値の大小関係や組み合わせは、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。例えば、第1主遊技側と第2主遊技側とで、抽選実行時における当選確率や特別遊技時における最大ラウンド数の期待値における大小関係が、第1主遊技側=第2主遊技側となるよう例示されていたとしても、当該大小関係を第1主遊技側<第2主遊技側とする、或いは、第1主遊技側>第2主遊技側とするといったように適宜変更してもよい(その他の数値、条件下についても同様)。また、例えば、確率変動遊技状態の継続回数として、次回大当りが発生するまで継続するとの趣旨に基づき構成するに際し、継続回数として「65535」をセットするのか(実質的に継続するよう構成する)、或いは、継続回数をセットせずに次回大当りが発生するまで確率変動遊技状態を維持する、といった同一趣旨に基づく実現方法の選択肢においても、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。
【0011】
(本実施形態)
はじめに、
図1は、本実施形態における、遊技機の前面側の基本構造を示す図面である。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤D35で構成される。以下、これらを順に説明する。
【0012】
はじめに、ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、外枠D12、前枠D14、透明板D16、扉D18、上球皿D20、下球皿D22及び発射ハンドルD44を含む。まず、外枠D12は、ぱちんこ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠D14は、外枠D12の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠D12に開閉可能に取り付けられる。前枠D14は、遊技球を発射する機構、遊技盤D35を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構、サブ入力ボタンSB等を含む。透明板D16は、ガラス等により形成され、扉D18(ガラス扉D18と称することがある)により支持される。扉D18は、図示しないヒンジ機構を介して前枠D14に開閉可能に取り付けられる。上球皿D20は、遊技球の貯留、発射レ-ルへの遊技球の送り出し、下球皿D22への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿D22は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、遊技盤D35の右上方と左上方とにはスピーカD24が設けられており、遊技状態等に応じた効果音が出力される。
【0013】
遊技盤D35と遊技機の前面の透明板D16(例えば、ガラス板)とは、13mmを超え25mmを超えない距離(本例では、19mm)の距離を保ち並行になるように遊技機枠に取り付けられている。ここで、遊技盤D35は、容易に動揺しないように固定機構によってしっかりと固定されている。
【0014】
また、透明板D16(例えば、ガラス板)は、遊技盤の全体の構造の見通しを妨げず、遊技盤上の遊技球の位置を確認できるように遊技領域全体が無色透明で凹凸がないように形成されている。
【0015】
球皿(例えば、上球皿D20、下球皿D22)は、球皿上の遊技球が遊技者にとって可視的(遊技球の数を概ね確認可能)であり、遊技者が受け皿に受けた遊技球の取り出しを阻害しないような形状(遊技球を自由に取り出せるような形状)になっている。
【0016】
次に、サブ入力ボタンSBは、副制御基板Sと電気的に接続された、操作(押下)することによって当該操作に基づく演出が実行されることとなる操作部材である。尚、サブ入力ボタンSBの操作態様として、単発押し(短時間の1回のみサブ入力ボタンSBを押下する操作態様)と、連打(複数回サブ入力ボタンSBを押下する操作態様)と、長押し(所定期間サブ入力ボタンSBを押し続ける操作態様)と、を有するよう構成してもよい。また、副制御基板Sと電気的に接続された、操作(押下)することによって当該操作に基づく演出が実行されることとなる操作部材はサブ入力ボタンSBのみには限定されず、上、下、左、右の4つの操作部を有しており、当該操作部を操作することにより、実行する演出(予告演出等)を選択可能に構成される十字キー、手前に引くことにより演出(可動体役物が作動する、等)が実行されるレバー、等を有するよう構成してもよい。
【0017】
次に、遊技盤D35は、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されており、透明板D16を介して遊技盤D35上(遊技領域D30上)を流下する遊技球の位置を確認できるようになっている。遊技領域D30は、左打ち領域と右打ち領域とに大別される。そして、当該遊技領域D30には、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口(左一般入賞口、右一般入賞口)、左打ちルート、右打ちルートの他、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、が設置され、当該遊技盤D35には、主制御表示装置D53(ラウンド表示灯R10、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20、補助遊技図柄表示装置H20等)、演出表示装置SG、センター飾りD38、アウト口D36が設置されている。尚、本実施形態においては、左打ちルートを第1流下ルートと称することがあり、右打ちルートを第2流下ルートと称することがある。以下、各要素を順番に詳述する。
【0018】
次に、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置A11sは、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
【0019】
次に、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sと、第2主遊技始動口電動役物B11dと、を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置B11sは、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物B11dは、第2主遊技始動口B10に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該閉鎖状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
【0020】
ここで、本実施形態においては、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが設けられており、遊技領域D30の左側(左打ち領域)を流下する遊技球とが第1主遊技始動口A10に誘導され易い一方、遊技領域D30の右側(右打ち領域)を流下する遊技球は第1主遊技始動口A10に誘導され難いよう構成されている。また、遊技領域D30の左側を流下する遊技球と遊技領域D30の右側を流下する遊技球とのいずれも第2主遊技始動口B10に誘導され得るよう構成されている。
【0021】
尚、本実施形態では、第2主遊技始動口B10側に電動役物を設けるよう構成したが、これには限定されず、第1主遊技始動口A10側に電動役物を設けるよう構成してもよい。更には、本実施形態では、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが重ねるように配置されているが、これにも限定されず、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とを離隔して配置してもよい。
【0022】
また、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、第1主遊技始動口A10に誘導され易い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され難く、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、第1主遊技始動口A10に誘導され難い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され易いように夫々の始動口を配置してもよい。尚、「誘導され易い」及び「誘導され難い」は、例えば、遊技球を右側及び左側にそれぞれ10000球発射した際の、入球数の大小で決定するものとする。
【0023】
次に、補助遊技始動口H10は、補助遊技始動口入球検出装置H11sを備える。ここで、補助遊技始動口入球検出装置H11sは、補助遊技始動口H10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す補助遊技始動口入球情報を生成する。尚、補助遊技始動口H10への遊技球の入球は、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを拡開させるための抽選の契機となる。
【0024】
ここで、本実施形態においては、補助遊技始動口H10は、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、誘導され易く、遊技領域D30の左側を流下する遊技球が誘導され難いよう構成されている{但し、これには限定されず、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、補助遊技始動口H10に誘導され易いよう構成してもよい(例えば、遊技領域D30左側と右側に夫々、補助遊技始動口H10を設けてもよい)}。
【0025】
次に、アウト口D36の右上方には、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とが配置されており、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球は、アウト口D36に到達する前に、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20が配置されている領域を通過し易いよう構成されている。
【0026】
次に、第1大入賞口C10は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口C10は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置C11sと、第1大入賞口電動役物C11d{及び第1大入賞口電動役物ソレノイドC13}と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置C11sは、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物C11dは、第1大入賞口C10に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口C10を可変させる(第1大入賞口電動役物ソレノイドC13を励磁して可変させる)。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカ-)や、遊技球が転動可能な通路上の開口部を大入賞口とし、当該開口部を閉鎖する状態と開放する状態とを採り得る態様(いわゆる、スライド式アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
【0027】
次に、第2大入賞口C20は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方、且つ、第1大入賞口C10の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第2大入賞口C20は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口入賞検出装置C21sと、第2大入賞口電動役物C21d(及び第2大入賞口ソレノイドC26)と、小当り遊技開始時に駆動を開始し、遊技球の下遮蔽部材C25への流下を阻害し得る上遮蔽部材C24と、遊技機の電源投入時に駆動を開始し、遊技球のV入賞口C22への流下を阻害し得る下遮蔽部材C25と、小当り遊技時に入球することにより特別遊技に移行する契機となる入賞口であるV入賞口C22と、V入賞口C22への遊技球の入球を検出するためのV入賞口入球検出装置C22sと、第2大入賞口C20に入球した遊技球を排出するための第2大入賞口排出口C23と、第2大入賞口排出口C23への遊技球の入球を検出するための第2大入賞口排出検出装置C23sと、を備える。ここで、第2大入賞口入賞検出装置C21sは、第2大入賞口C20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入球情報を生成する。そして、第2大入賞口C20内に入球した遊技球は、第2大入賞口入賞検出装置C21sよって検出されるよう構成されている。次に、第2大入賞口電動役物C21dは、第2大入賞口C20に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに第2大入賞口C20を可変させる。尚、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。尚、第2大入賞口C20の内部の構造については、後述することとする。
【0028】
尚、非時間短縮遊技状態における左打ちの実行時には(非時間短縮遊技状態においては左打ちにて遊技を進行する)、補助遊技始動口H10(及び右一般入賞口)に遊技球が入球し難いため第2主遊技始動口電動役物B11dが開放し難く、主遊技側の始動口として主に第1主遊技始動口A10への入球によって遊技を進行していくこととなり、一方、時間短縮遊技状態における右打ちの実行時には(時間短縮遊技状態においては右打ちにて遊技を進行する)、補助遊技始動口H10(及び右一般入賞口)に遊技球が入球し易いため第2主遊技始動口電動役物B11dが開放し易く、主遊技側の始動口として主に第2主遊技始動口B10への入球によって遊技を進行していくこととなる。また、非時間短縮遊技状態において左打ちにて遊技球を発射し続けた場合の第1主遊技始動口A10への入球容易性よりも、時間短縮遊技状態において右打ちにて遊技球を発射し続けた場合の第2主遊技始動口B10への入球容易性の方が高い、換言すると、非時間短縮遊技状態において左打ちにて遊技球を発射し続けた場合の第1主遊技始動口A10又は第2主遊技始動口B10への入球容易性よりも、時間短縮遊技状態において右打ちにて遊技球を発射し続けた場合の第1主遊技始動口A10又は第2主遊技始動口B10への入球容易性の方が高くなる。
【0029】
尚、本明細書においては、非確率変動遊技状態を、通常状態、通常遊技状態、通常時、低確率、低確率状態、低確率遊技状態、低確率時、非確変、低確率抽選状態等と称することがある。また、確率変動遊技状態を、高確率、高確率状態、高確率遊技状態、高確率時、確変、高確率抽選状態等と称することがある。また、時間短縮遊技状態を、時短状態、時短中、時短、等と称することがある。また、非時間短縮遊技状態を、非時短状態、非時短中、非時短等と称することがある。また、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態を、通常状態、通常遊技状態、通常時、等と称することがある。
【0030】
ここで、
図2及び
図3を用いて主制御表示装置D53について詳細に説明する。主制御表示装置D53は、主制御基板MのCPUMCにより制御され、複数の情報表示装置(表示部)が集約的に設けられた表示装置であり、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20、補助遊技図柄表示装置H20、ラウンド表示灯R10、その他各種の表示灯を備えている。第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技(第2主遊技)に対応する第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)に関連した表示等を実行する装置である。具体的構成としては、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)と、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)とを備える。ここで、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)は、2個の発光体から構成され、当該発光体の消灯・点灯・点滅の組み合わせにより保留個数が示され、この個数が、第1主遊技(第2主遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない主遊技図柄の変動数)に相当する。第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)は、例えば、発光体として8個の赤色の単色LEDで構成され、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は、「a」~「h」(「k」~「r」)の8個のLEDの点灯パターンで表示される。なお、発光体として複数個のLEDで構成するものには限定されず、7セグメントLEDを用いて記号等によって表示することも可能である。この場合にはいずれの主遊技図柄が表示されたのかを遊技者が認識困難となるように停止図柄のセグメントを割付るようにすることが望ましい。また、本実施形態では、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)の変動中には、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)の右2つの発光体(「g」「h」、「q」「r」)を点滅させる(「g」「h」の点灯、「q」「r」の点灯は、ハズレを示す図柄である)よう構成されているが、これに限定されず、所定の当り図柄を点滅させるよう構成してもよいし、変動中であることを示す変動中図柄を点滅させるよう構成してもよいし、「a」~「h」を順に点灯させていく(「a」→「b」→「c」・・・と点灯させていくが、「b」が点灯する際には直前に点灯させた「a」は消灯となる)よう構成してもよい。さらに、保留数表示においても、2個の発光体から構成されていることには限定されず、最大4個分の保留数を表示可能に構成(例えば、1個の発光体から構成されており、保留数1:点灯、保留数2:低速点滅、保留数3:中速点滅、保留数4:高速点滅、するよう構成)されていればよい。
【0031】
尚、主遊技図柄は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1主遊技図柄表示装置A20の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、主遊技図柄自体に演出的な役割を持たせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置SGのような液晶ディスプレーに、主遊技図柄を表示させるように構成してもよい。
【0032】
次に、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄に関する表示等を実行する装置である。具体的構成としては、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄表示部H21gと、補助遊技図柄保留表示部H21hとを備える。ここで、補助遊技図柄保留表示部H21hは、2個の発光体から構成され、当該発光体の消灯・点灯・点滅の組み合わせにより保留個数が示され、この個数が、補助遊技図柄変動の保留数(実行されていない補助遊技図柄変動の数)に相当する。
【0033】
次に、ラウンド表示灯R10は、4つの発光体から構成され、当該発光体の点灯パターンにより、当りとなった際にラウンド数を示す。
図3を参照すると、例えば、8R当りでは「A」が点灯し、10R当りでは「A」「C」「D」が点灯するよう構成されている。尚、ラウンド表示灯R10は、RAMクリア時には3秒間全点灯するよう構成されている。
【0034】
主制御表示装置D53に設けられている発光体は他にもあり、発光体「5」は、主制御エラー表示灯であり、RAMクリア時に30秒間点灯するよう構成されている。次に、発光体「6」は主遊技図柄が確率変動状態であることを示す主遊技図柄の確変表示灯であり、主遊技図柄が非確率変動状態であれば消灯し、電源投入時に主遊技図柄が確率変動状態であれば点灯するよう構成されている。尚、電源投入後、主遊技図柄による変動が開始すると主遊技図柄の確変表示灯は消灯する。次に、発光体「7」は補助遊技図柄が確率変動状態であることを示す補助遊技図柄の確変表示灯であり、補助遊技図柄が非確率変動状態であれば消灯し、補助遊技図柄が確率変動状態であれば点灯するよう構成されている。次に、発光体「8」は遊技状態が時短中(右打ちすべき遊技状態)であることを示す右打ち表示灯であり、通常中(左打ちすべき遊技状態)であれば消灯し、時短中(右打ちすべき遊技状態)であれば点灯するよう構成されている。
【0035】
次に、演出表示装置SGは、主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の表示等を実行する装置である。ここで、具体的構成としては、演出表示装置SGは、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される表示領域SG10を備える。ここで、表示領域SG10は、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を表示する装飾図柄表示領域SG11と、主遊技保留情報を表示する第1保留表示部SG12及び第2保留表示部SG13と、変動中の演出用保留表示として擬似的な保留表示を示す当該変動擬似保留表示部SG14と、第1主遊技図柄による変動が行われているか第2主遊技図柄による変動が行われているかを示す信号機SG15(第1主遊技図柄による変動の場合には「〇」が点滅し、第2主遊技図柄による変動の場合には「△」が点滅する)と、装飾図柄と共に変動中であることや当りであるかハズレかを示す第4図柄SG16(変動中であれば「☆」が点滅、当りであれば「☆」が色付きで停止、ハズレであれば「☆」が色無しで停止)と、を有している。尚、演出表示装置SGは、本実施形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、第1保留表示部SG12及び第2保留表示部SG13は夫々4個の発光体から構成され、当該発光体は、主遊技図柄の保留発光体と連動している。
【0036】
次に、センター飾りD38は、演出表示装置SGの周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置SGの保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果発光体D26は、遊技領域D30及び/又は遊技領域D30以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
【0037】
次に、アウト口D36は、遊技領域D30の下方に設けられた入球口であり、遊技領域D30に設けられたいずれの入賞口にも入球せずに流下した遊技球が入球する入球口であり、アウト口D36に遊技球が入球した場合には、乱数に基づく各種抽選や入球に基づく賞球等は実行されず、当該遊技球は遊技機外に排出されることとなる。なお、本実施例では、が遊技盤上の最下部にのみ、入賞口に入賞しなかった遊技球が入るアウト口D36が設けられているが、遊技盤の上部の所定箇所にアウト口を設けることも可能である。その場合には、当該入口が入賞口でないことを明らかにするため、シールを用いて、「OUT」を表示する等、入賞口と混同しないようにすることが望ましい。
【0038】
次に、
図4を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口A10(第2主遊技始動口B10)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御基板Mと、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置SG上での各種演出に係る表示制御等を行うサブメイン制御部SMと、主に演出表示を実行するサブサブ制御部SSと、所定のエラー発生時に点灯してエラー発生を報知するエラー発光体SS3と、賞球タンクKT、賞球レールKR及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンクKTから供給される遊技球を上球皿D20へ払い出す払出ユニットKE10等を備える賞球払出装置(セット基盤)KEと、所定のエラーを解除するためのエラー解除スイッチKH3aと、賞球払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、払出に係るエラーの発生状況を表示(例えば、7セグ表示)するエラー表示器KH3と、払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、上球皿D20の遊技球(貯留球)を遊技領域D30へ1球ずつ発射する発射装置D42と、発射装置D42の発射動作を制御する発射制御基板D40と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源供給ユニットEと、ぱちんこ遊技機の電源をオン・オフするスイッチである電源スイッチEa等が、前枠D14裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
【0039】
また、主制御基板M上には、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、左一般入賞口、右一般入賞口、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、等の入賞口への遊技球の入球状況を表示し得る入球状態表示装置J10が設けられており、4桁の8セグメント表示器が横一列に整列されて取り付けられている。尚、同図における入球状態表示装置J10は、主制御基板Mの遊技機の裏側方向の面に設けられており、遊技場側が所持している鍵で扉ユニットD18を解錠して扉ユニットD18を開放し、扉ユニットD18(遊技盤)の裏面に取り付けられた基板類を確認する必要があるので、遊技者は確認することができないよう構成されている。尚、入球状態表示装置J10に表示する入球状況の一例としては、総アウト個数による区間情報やベース比率(『(低確払出個数÷低確アウト個数)×100』で算出される値)等が挙げられる。尚、後述するステップ1550‐10の処理を実行するROM・RAM領域と、後述するステップ1000‐1~ステップ3500の処理を実行するROM・RAM領域とを異なる(互いにアドレスが重複していない)領域となるよう構成してもよい。
【0040】
次に、
図5のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、前述したように、遊技の進行を制御する主制御基板Mと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて遊技球の払出を制御する賞球払出制御基板KHと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果発光体D26の点灯、エラー報知等の実行を制御する副制御基板S(本例では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとが一つの基板上に配置されている)と、これらの制御基板を含む遊技機全体に電源を供給する電源供給ユニットEと、を主体として構成されている。ここで、副制御基板Sは、装飾図柄の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果発光体D26の点灯、エラー報知を制御するサブメイン制御部SMと、演出表示装置SG上での装飾図柄の変動表示・停止表示及び保留表示や予告表示等の表示処理を実行するサブサブ制御部SSの2つの制御部とを備えている。尚、主制御基板M、賞球払出制御基板KH、サブメイン制御部SM及びサブサブ制御部SSには、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAM、電断時に情報を保持するためのバックアップ領域(及びバックアップ用電源)が搭載されている。
【0041】
以下、各基板の概略構成及び各基板・装置間の電気的な接続態様について概説する。まず、主制御基板Mは、入賞口センサ{前述した第1主遊技始動口入球検出装置A11s、第2主遊技始動口入球検出装置B11s、補助遊技始動口入球検出装置H11s、第1大入賞口入賞検出装置C11s、第2大入賞口入賞検出装置C21s、一般入賞口入球検出装置}、図示略する駆動ソレノイド(前述した、第1大入賞口ソレノイドC13、第2大入賞口ソレノイドC23等)、情報表示LED(不図示)等、遊技の進行に必須となる入出力装置である遊技周辺機器(図中の、第1主遊技周辺機器A、第2主遊技周辺機器B、第1・第2主遊技共用周辺機器C、補助遊技周辺機器H)と電気的に接続され、各入力装置からの入力信号に基づいて遊技の進行を制御している。更に、主制御基板Mは、賞球払出制御基板KHと、副制御基板S(サブメイン制御部SM・サブサブ制御部SS)とも電気的に接続されており、遊技進行に基づいて、賞球払出等に関する情報(コマンド)を賞球払出制御基板KHに、演出・遊技の進行状態等に関する情報(コマンドであり、表示指示関連情報とも称する)や賞球払出等の表示に関する情報(コマンドであり、払出動作関連情報とも称する)を副制御基板Sにそれぞれ送信可能に構成されている。
【0042】
また、本実施形態では、
図5の矢印表記の通り、主制御基板Mと賞球払出制御基板KHとは、双方向通信が可能となるよう構成されている一方、主制御基板Mとサブメイン制御部SMとは、主制御基板Mからサブメイン制御部SMへの一方向通信が可能となるよう構成されている(通信方法は、シリアル通信、パラレル通信のいずれを用いてもよい)。尚、制御基板間(制御装置間)の通信については一方向通信でも双方向通信でもよい。また、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHは、外部中継端子板Gを介して、遊技関連情報や払出関連情報を、外部出力情報としてホールコンピュータHCに出力(ホールコンピュータHC側に出力する一方向通信)可能に構成されている。
【0043】
次に、賞球払出制御基板KHは、遊技球の払出を実行する賞球払出装置KEと、遊技者によって操作可能な装置であって遊技球の貸出要求を受付けて賞球払出制御基板KHに伝達する遊技球貸出装置R(カードユニットRと称することがある)とに接続されている。また、図示略するが、本実施形態では、賞球払出制御基板KH内に、発射装置の制御回路部(発射制御基板D40)が併設されており、賞球払出制御基板KHと発射装置D42(発射ハンドル・発射モータ・球送り装置等)とも接続されている。尚、本実施形態では、遊技球貸出装置Rを別体として遊技機に隣接する形態を採用しているが、遊技機と一体としてもよく、その場合には、賞球払出制御基板KHにより貸出制御及び電子マネー等貸出用の記録媒体の管理制御等を統括して行ってもよい。
【0044】
ここで、発射装置D42は、遊技者が発射ハンドルD44を直接操作したことが検出(タッチ検出)された場合に発射ハンドルの操作量に基づいて発射強度(発射位置)を決定し、遊技領域D30の任意の位置に向けて遊技球を1球ずつ発射できるように構成されており、連続して遊技球を発射する場合でも遊技球が1分間に100個を超えて発射できないようにカウンタやタイマ等により一定間隔(例えば599.9ms/1個)で遊技球が発射されるように構成されている。換言すると、確率変動遊技状態等の遊技状態や特別遊技の実行有無等の遊技の状態に関係することなく、常時一定間隔で遊技球の発射が行われる(発射速度が相違しない)ように構成されており、これにより、遊技の状態にかかわらず遊技者の発射技量が適切に反映されるようになっている。詳述すると、遊技者が右打ちを所望する場合には、右打ちを実行可能な発射強度に対応する位置に発射ハンドルD44を操作することにより右打ちを実行可能であり、遊技者が左打ちを所望する場合には、左打ちを実行可能な発射強度に対応する位置に発射ハンドルD44を操作することにより左打ちを実行可能となっており、特別遊技の実行中であるか否かなど遊技の状態に拘わらず、常時発射ハンドルD44の操作に基づく発射強度にて遊技球を発射可能に構成されているのである。
【0045】
なお、発射ハンドルD44には、発射停止スイッチ(不図示)が設けられており、遊技者が任意のタイミングで遊技球の発射を停止することができる(1球単位で発射できる)ように構成されている。具体的には、遊技者が発射ハンドルD44を操作している(発射ハンドルD44を直接操作したことが検出(タッチ検出)されている)場合においても、発射停止スイッチを操作することにより遊技球の発射を停止することが可能となっている。ここで、「直接操作」とは、遊技者の身体の一部を使用し、遊技機に接触して遊技を行うことを意味する。また、本例においては射幸性の観点から、発射装置D42の性能が所定期間に亘って、或いは外来ノイズ等で変化しないよう、また耐久性が担保されるように発射モータ、発射ハンドル(強度調整機能)、発射装置の制御回路が夫々設計されている。また、発射ハンドルD44には、遊技者による発射位置の調整を阻害することがないように、発射ハンドルD44が振動する機能等を搭載しないことが望ましい。
【0046】
また、遊技球の発射に係る装置総体である発射装置D42における遊技球に運動エネルギーを与える部分は、1の発射モータにより構成されている。また、発射ハンドルD44は、遊技者が直接操作していないときにその発射強度が0に戻るよう(ばね等により基準位置方向に付勢され発射ハンドルD44から手を離すと基準位置に戻るよう)になっており、遊技者の強度調整技能が遊技結果に反映可能となっている。
【0047】
尚、本例において、使用する遊技球は、直径11mm、質量が5.4g以上5.7g以下の玉が用いられる。
【0048】
次に、副制御基板Sは、前述したように装飾図柄等を表示する演出表示装置SGと、スピーカD24と、遊技効果発光体D26と、その他演出用の駆動装置(不図示であるが、いわゆる演出用の可動体役物のモータ・ソレノイド等)と接続されている。また、所定の操作(長押しや押下)を実行することにより、ベース値の計測の開始又は終了、所定の演出の実行、又は、メンテナンスモードの表示開始、等が実行可能となるサブ入力ボタンSBも副制御基板Sを接続されている。また、サブ入力ボタン検出装置が検出することにより、サブ入力ボタンSBが操作されたと判定し得る。本実施形態では、前述の通り、副制御基板S内にサブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを有しており、サブメイン制御部SMによりスピーカD24から出力させる音声の制御、遊技効果(電飾)発光体D26の点灯制御並びに、演出表示装置SG上で表示する表示内容の決定制御が行われ、サブサブ制御部SSにより、演出表示装置SG上の表示制御(実体的な表示制御)が行われるように構成されている。尚、本実施形態では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを、副制御基板Sにて一体化されるよう構成されているが、これに限定されるわけではない(別基板として構成してもよいが、一体化するよう構成することでスペースメリットや配線等にノイズが混入してしまう事態を低減できるといったメリットが生ずる)。また、両制御部での作業分担についても、例えばサブサブ制御部SSにより音声制御を実行させる(VDPに音声制御回路が一体化されたものを採用する場合に好適)等、適宜変更できる。また、賞球として物理的な賞球を付与せずに電子的な価値を付与してもよい。
【0049】
次に、同図下段の、遊技球の流路イメージ図を参照し、遊技に供される遊技球の流路について説明する。本実施形態における遊技機においては、遊技領域D30内に発射された遊技球は、各入球口{第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口、アウト口D36}のいずれかに入球し、各入球口に対応する入球センサを通過して遊技機内(遊技機枠D内)に誘導される。ここで、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球については、不正検出の為に設けられた第1主遊技始動口確認センサを通過する。その後、遊技機内に誘導されたすべての遊技球は、総排出確認センサを通過して遊技機外に排出されることとなるのである。尚、本例では特に図示していないが、入球確認用のスイッチ{各入球口(例えば、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、一般入賞口)に入球した遊技球が通過するスイッチであって、各入球口への入球を検出するためのスイッチとは異なる一又は複数のスイッチ}を有しているものとする。
【0050】
次に、
図6は、本実施形態における、第2大入賞口C20に係る作用図であり、より具体的には、第2大入賞口内C20内に設けられた上遮蔽部材C24及び下遮蔽部材C25の開放態様及び閉鎖態様に基づくV入賞口C22への遊技球の入球可否に係る作用図である。尚、本実施形態においては、小当り遊技実行中に遊技球を第2大入賞口C20に向けて発射し続けていれば(右打ちし続けていれば)、第2大入賞口C20に遊技球が複数球入球するよう構成されている{例えば、第2大入賞口C20(第2大入賞口電動役物C21d)の開放態様は「0.2秒開放→0.8秒閉鎖→1秒開放→1秒閉鎖→1秒開放→閉鎖」である}ため、V入賞口C22への遊技球の入球可否は、第2大入賞口C20内の遊技球が、上遮蔽部材C24と下遮蔽部材C25との開放タイミングとうまく合致するか否かによって決定される。以下、小当り遊技中にて、第2大入賞口C20に入球した遊技球の作用について詳述する。
【0051】
まず、
図6(a)に示されるように、第2大入賞口C20は、その内部に(第2大入賞口C20内部における遊技球の流路として)、第2大入賞口C20への入球を検出する第2大入賞口入賞検出装置C21sと、V入賞口C22と、V入賞口C22への入球を検出するV入賞口入賞検出装置C22sと、V入賞口C22へ入球されなかった遊技球の排出流路である第2大入賞口排出口C23と、第2大入賞口排出口C23への入球を検出する第2大入賞口排出検出装置C23sと、を備え、更に、V入賞口C22の上方に設けられた下遮蔽部材C25と、下遮蔽部材C25の上方に設けられた上遮蔽部材C24と、を備え、上遮蔽部材C24及び下遮蔽部材C25は、遊技盤から(遊技者から見て手前側に)突き出した状態(進出状態)となることで遊技球の落下を阻害可能又は阻害容易となる閉鎖状態と、遊技盤内(遊技者から見て奥側)に引っ込んだ状態(退避状態)となることで遊技球の落下を阻害不可能又は阻害困難(遊技球が落下可能)となる開放状態と、を採り得るよう構成されている(いわゆる、ベロ型アタッカーのような構成である)。より詳細には、上遮蔽部材C24が閉鎖状態の場合には、遊技球は下遮蔽部材C25まで到達不可能又は到達困難であり、上遮蔽部材C24が開放状態の場合には、遊技球は下遮蔽部材C25まで到達可能又は到達容易であり、下遮蔽部材C25が閉鎖状態の場合には、遊技球はV入賞口C22まで到達不可能又は到達困難であり、下遮蔽部材C25が開放状態の場合には、遊技球はV入賞口C22まで到達可能又は到達容易となるように構成されている。次に、小当り遊技実行中に第2大入賞口C20に入球した遊技球の具体的な流路に関して説明する。
【0052】
図6(a)に示すように、小当り遊技実行中に第2大入賞口C20に入球した遊技球は、第2大入賞口入賞検出装置C21sを通過した後、閉鎖状態である上遮蔽部材C24まで誘導され、上遮蔽部材C24及び第2大入賞口C20の内壁面等で形成される領域(停留領域とする。)にて停留する(上遮蔽部材C24上に載置される)。本実施形態では、当該停留領域は遊技球が一つのみ載置可能なように構成されているため、
図6(a)に示されるように、或る遊技球が当該停留領域に載置されている場合には、当該或る遊技球の載置タイミング以降に第2大入賞口C20内部に誘導された遊技球は、上遮蔽部材C24上に載置された当該或る遊技球と衝突して、上遮蔽部材C24を通過せずに第2大入賞口排出検出装置C23s及び第2大入賞口排出口C23へ到達する流路(V入賞口C22への入球が不可能又は困難となる流路)へと誘導されるよう構成されている(尚、当該停留領域は、当該別の遊技球が衝突した際の衝撃によっては、当該或る遊技球が当該停留領域から抜出されないよう構成されている)。ここで、
図6(a)右部は、
図6(a)におけるX-X断面を模式的に示した断面図である。当該断面図に示されるように、
図6(a)では、上遮蔽部材C24及び下遮蔽部材C25が共に閉鎖状態{遊技盤から(遊技者から見て手前側に)突き出した状態(当該断面図において左側に突出している状態)}となっており、この場合、上遮蔽部材C24上に遊技球が載置可能となっていることが理解される。
【0053】
尚、本実施形態においては、上遮蔽部材C24は小当り遊技開始から一定時間後(本例では、小当り遊技開始から5秒後)に開放されるように設定されており、下遮蔽部材C25は電源投入時から一定周期(本例では、4秒周期)で閉鎖状態と開放状態との遷移を繰り返すよう構成されている(下遮蔽部材C25の開放タイミングは周期的なものとなる)状況下、V入賞口C22への入球の可否は、上遮蔽部材C24が開放状態となるタイミング(換言すれば、小当り遊技開始のタイミング)によって主に決定されるのである(下遮蔽部材C25が開放状態となるタイミングと上遮蔽部材C24が開放状態となるタイミングとが略一致する予定である小当り遊技が開始される場合に、V入賞口C22へ遊技球が入球し得る)。
【0054】
尚、本実施形態はあくまで一例であり、上遮蔽部材C24及び下遮蔽部材C25は、遊技球の落下を阻害不能又は阻害困難な状態と、遊技球の落下を阻害可能又は阻害容易な状態と、を遷移可能であればどのような構造であってもよいし、その他の構成に関しても何ら限定されるものではない。
【0055】
また、本実施形態においては、V入賞口C22への遊技球の入球を阻害する遮蔽部材を上遮蔽部材C24と下遮蔽部材C25の2つ設けたがこれには限定されず、1つの遮蔽部材にてV入賞口C22への遊技球の入球を阻害するよう構成してもよい。更に、特別遊技中にて特定領域C22に遊技球が入球することにより、当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行することとなる遊技機においても、特定領域C22への遊技球の入球を阻害する遮蔽部材を設けるよう構成してもよい。そのように構成した場合には、遮蔽部材の開放態様は大当りの契機となった大当り図柄によって相違するよう構成してもよく、そのように構成した場合、(1)振分遊技実行ラウンドにおける遮蔽部材の開放態様として、大当り図柄に拘らず振分遊技実行ラウンド開始タイミングから50ms後又は振分遊技実行ラウンド開始タイミングにて遮蔽部材が閉状態から開状態となる、(2)振分遊技実行ラウンドの終了タイミングから200ms後のタイミングで遮蔽部材が開状態から閉状態となる(大当り図柄によって、200ms後の場合や3000ms後の場合がある)、よう構成してもよく、そのように構成することにより、大当り図柄に拘らず遮蔽部材が開放するタイミングが存在する、振分遊技実行ラウンドが開始されてから遮蔽部材が最初に開放を開始するまでの期間よりも、振分遊技実行ラウンドが終了してから遮蔽部材が最後に閉鎖するまでの期間の方が長時間となるよう構成することができる。
【0056】
次に、本実施形態においては、遊技機の主遊技図柄の当否当選確率等に対応する設定値を複数設けて構成されている。そこでこのように設定値を複数設ける遊技機の構成について詳述する。
【0057】
はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、主遊技図柄の当否当選確率を異ならせるための設定値を複数備えるため、設定変更手段として、設定変更用の設定キー(設定キースイッチとも称することがある)を設けている。以下、本例における設定変更用の装置として、設定変更用の設定キーを用いて説明するが、これに限らず、ディップスイッチ等の一般的な入力装置を採用してもよい。また、特定の管理者のみが設定変更を行うことを可能にする観点より、設定変更用の設定キーを用いるのが好適だが、その他にも、パスワードの入力、生体認証、等のセキュリティ性能の高い認証システムを利用して設定変更を可能とするように構成してもよい。尚、設定変更とは、設定値を変更するだけではなく、再度同じ設定値とすることも含む。
【0058】
ここで、本例においては、
(1)設定キーがオン、且つ、RAMクリアボタンがオンの状態で電源が投入されると、設定変更が可能となるよう構成されている
(2)設定キーがオン、且つ、RAMクリアボタンがオフの状態で電源が投入されると、設定確認が可能となるよう構成されている
(3)設定キーがオフ、且つ、RAMクリアボタンがオンの状態で電源が投入されると、RAMクリアが実行されて復電するよう構成されている
(4)設定キーがオフ、且つ、RAMクリアボタンがオフの状態で電源が投入されると、RAMクリアが実行されずに復電するよう構成されている
なお、設定値を変更する際には、RAMクリアボタンの操作により設定値を変更するよう構成してもよいし、RAMクリアボタンや設定キーとは異なる設定値を変更するためのボタン(設定変更ボタン)等を用いて変更するよう構成してもよく、また、主制御基板Mにて管理される他の入力手段によって変更するよう構成してもよい。
【0059】
以下では、電源投入時における、設定変更に係る処理について、
図7を用いて説明する。
【0060】
まず、
図7は、本実施形態に係る、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、ステップ1001で、主制御基板MのCPUMCは、設定キーが操作されていないか否かを判定する。ステップ1001でYesの場合、ステップ1002の処理に移行する。ステップ1001で設定キーがオンであると判定した場合(ステップ1001でNoの場合)、ステップ1030で、主制御基板MのCPUMCは、RAMクリアボタンはオンであるか否かを判定する。ステップ1030でYesの場合、ステップ1003に移行し、設定変更処理を実行する。他方、ステップ1030でNoの場合、ステップ3850で、主制御基板MのCPUMCは、後述する設定確認処理を実行し、ステップ1007に移行する。
【0061】
次に、ステップ1002で、主制御基板Mは、RAMクリアボタンの入力ポートを確認し、電源供給ユニットEのリセットボタン(RAMクリアボタン)が操作されたか否か、即ち、遊技場の管理者等によって意図的にRAMの内容をクリアさせる操作が行われたか否かを判定する。ステップ1002でYesの場合、ステップ1004で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板M側のRAM内容を全てクリアする。次に、ステップ1006で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAMをクリアしたことを示すRAMクリア情報(コマンド)をサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1015の処理に移行する。他方、ステップ1002でNoの場合は、ステップ1007で、主制御基板MのCPUMCは、正常に電源断が行われたことを示す情報がRAMに保存されているか否かを判定する。ステップ1007でYesの場合、ステップ1008で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MにおけるRAM領域の内容をチェックする(例えば、電断時に記録されたチェックサムとRAM領域に保存されている情報量との比較を行う)。次に、ステップ1010で、主制御基板MのCPUMCは、当該チェック結果に基づきRAMの内容が正常でないか否か(正確に電断時の情報がRAMにバックアップされていないか否か)を判定する。ステップ1010でYes、即ちRAMにバックアップされていたデータが異常な場合には、ステップ1004の処理(前述したRAMクリア処理)に移行する。他方、ステップ1007でNo、即ちRAMに正常に電源断したことを示す情報が保存されていない場合、ステップ1004の処理に移行する。ステップ1010でNo、即ちRAMにバックアップされていたデータが正常な場合、ステップ1012で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MにおけるRAM内に記憶(バックアップ)されている電断時の各種情報コマンドを取得し、ステップ1014で、取得した各種情報コマンドをサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1014‐1で、主制御基板MのCPUMCは、ソレノイドの復帰設定{第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11d、大入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)及び後述する可動片(例えば、
図6の上遮蔽部材C24、下遮蔽部材C25等)の開放又は閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させるため、第2主遊技始動口電動役物B11d、大入賞口、可動片の順に、ソレノイド作動ビットがオンか否かを判断し、オンの場合には、(電源断前に第2主遊技始動口/大入賞口/可動片が開放中と判断して、改めて開放させるために)ソレノイド作動フラグを対応するアドレスに格納する}を行い、ステップ1015の処理に移行する。ステップ1015で、主制御基板MのCPUMCは、正常に電源が投入されたことを示す情報をRAMに保存し、ステップ1016の処理に移行する。次に、ステップ1016で、主制御基板MのCPUMCは、同図(b)によって示される主制御基板M側のメイン処理に係る実行定時割り込み(例えば、約1.5ms毎のハードウエア割り込みを契機とするが、本例では、当該割り込み周期をTとする)を許可し{その結果、当該実行定時割り込みタイミング到達時には、同図(b)が実行されることとなる}、ステップ1018の処理に移行する。尚、ステップ1018後は、次の定時割り込みタイミングに到達するまで、主制御基板MのCPUMCは、各種乱数更新処理(例えば、乱数カウンタのインクリメント処理)を繰り返し実行することとなる。
【0062】
このように、本実施形態においては、設定キーが操作された状態で電源が投入された場合、RAMクリアボタンがオンである場合には設定変更モードに移行し、RAMクリアボタンがオフである場合には設定表示モード(設定確認モード)に移行するよう構成されている。管理者の操作としては、設定キーが操作されている且つRAMクリアボタンを押下したまま電源スイッチをオンにすると設定変更モードに移行し、設定キーをオン且つRAMクリアボタンを押下せずに電源スイッチをオンにすると設定表示モードに移行するよう構成されている。また、設定変更モード中においては、設定変更ボタンを押下する毎に、表示されている設定値表示装置に表示されている設定値の表示が「1→2→3・・」のように切り替わっていき、設定キーを所定位置(設定キーの挿抜可能位置)に戻すと設定値表示装置に表示されている設定値となるように、設定値が確定するよう構成されている。また、設定確認モード中から設定キーを所定位置(設定キーの挿抜可能位置)に戻すと、設定確認モードを終了するよう構成してもよい。尚、RAMクリアボタンをオンにした状態で電源を投入して設定変更モードに移行した場合には、スピーカから「設定変更モードに移行しました」との音声を出力し、その後設定キーが所定位置に戻されて設定変更モードが終了した場合に、スピーカから「設定変更モードを終了しました」との音声を出力するよう構成してもよい。また、RAMクリアボタンをオフにした状態で電源を投入して設定確認モードに移行した場合には、スピーカから「設定確認モードに移行しました」との音声を出力し、その後設定キーが所定位置に戻されて設定確認モードが終了した場合に、スピーカから「設定確認モードを終了しました」との音声を出力するよう構成してもよい。そのように構成した場合には、音声のみではなく、枠発光体等の各種発光体や演出表示装置においても、設定変更モード中であるか設定確認モードであるかを判別可能するために、枠発光体等の各種発光体や演出表示装置における表示態様を相違させたり、設定変更モードの開始又は終了、設定確認モードの開始又は終了を判別できるように、枠発光体等の各種発光体や演出表示装置にて報知するよう構成してもよい。
【0063】
尚、本実施形態のように、設定キーがオンの場合にRAMクリアボタンのオン・オフによって、電源投入に設定変更モードに移行するか設定確認モードに移行するかが切り替わるよう構成した場合には、副制御基板S側で制御している、スピーカD24から出力される音声や演出用の発光体(遊技効果発光体)による点灯態様や演出表示装置SGによる表示等によって、設定変更モードに移行した旨と設定確認モードに移行した旨等を報知するよう構成してもよい。一例としては、設定変更モードに移行した際には、「設定変更モード中です」との音声を出力し、設定表示モードに移行した際には、「設定確認モード中です」との音声を出力、設定変更モードが終了した際には、「設定を変更しました」との音声を出力し、設定表示モードが終了した際には、「設定確認モードを終了します」との音声を出力するよう構成してもよい。
【0064】
尚、ステップ1004で、RAMクリアされることにより、作動確率(大当り確率)は低確率となるよう構成されており、設定が変更された後は必ず低確率となる。なお、普通図柄の当り確率も同様に、設定が変更された後はRAMクリアされるため必ず低確率となる。
【0065】
次に、
図8は、本実施形態に係る、設定変更処理の流れを示したフローチャートである。設定変更処理が開始されると、ステップ1003-1で、設定変更処理が開始したことを示すコマンドをセットし、副制御基板Sに対して送信する。これにより、副制御基板Sは、演出表示装置において「設定変更モード中」等の表示を行うことができる(
図65)。また、同時に、外端信号(セキュリティ信号)として外部端子板への出力を行う。ステップ1003-2で、設定値(設定値データ)が正常な範囲(「1」~「6」)にあるか否かを確認し、YESの場合、ステップ1003-4の処理に移行する。ステップ1003-2でNOの場合、すなわち、設定値(設定値データ)が「1」~「6」以外の異常な値と判断された場合には、ステップ1003-3で最低出玉率の設定値(設定値データ)である「1」をセットし、ステップ1003-4の処理に移行する。ステップ1003-4では、設定変更中であることを示す表示態様(例えば、全点灯)で特別図柄表示装置(第1主遊技図柄表示装置A20又は第2主遊技図柄表示装置B20と称することがある)のLEDを点灯させ、同時に、設定値表示装置に現在の設定値を表示する。次に、ステップ1003-5で、RAMクリアボタンの押下による入力信号があるか否かを確認し、NOの場合、ステップ1003-11の処理に移行する。ステップ1003-5でYESの場合、ステップ1003-6で設定キーによって切り替えられた設定値データを取得し、ステップ1003-7の処理に移行する。ステップ1003-7では、現在の設定値(設定値データ)が最大値でないか否かを確認し、YESの場合、ステップ1003-9の処理に移行し、設定値(設定値データ)に1を加算する。ステップ1003-7でNOの場合、すなわち、設定値(設定値データ)が最大の「6」であると判断された場合には、ステップ1003-8で最低出玉率である「1」をセットするとともに、ステップ1003-9の処理に移行し、設定値(設定値データ)に1を加算する。続いて、ステップ1003-10で設定値データの更新を行い、ステップ1003-11で設定キー信号の立下りがあるかどうかを確認する。ステップ1003-11では、設定キー信号の立下りがない場合、ステップ1003-5の処理に移行し、設定キー信号の立下りが確認されるまでステップ1003-5の処理からステップ1003-11の処理を繰り返す。ステップ1003-11でYESの場合、すなわち設定キースイッチが設定変更を行う前の状態に戻ったと判断された場合、ステップ1003-12で特別図柄表示装置のLEDを全消灯することで、設定変更中であることを示す表示態様をクリアした後、ステップ1003-13で、設定変更処理が終了したことを示すコマンドをセットし、副制御基板Sに対して送信する。これにより、副制御基板Sは、演出表示装置において表示中の「設定変更モード中」を非表示にするとともに、外部端子板への出力を停止する。ステップ1003-13の処理が終了した後は、本処理のステップ1004の処理に移行し、RAMクリアを実行する。また、本実施形態の処理フローにおいては、設定キーによって切り替えられた設定値が設定キー信号の立下りによって確定される処理となっているが(ステップ1003-11)、これに限らず、いずれかのメイン操作(図示しない、玉貸しボタンや、ハンドルのセンサ、等)を行うことで設定値を確定させるようにしてもよい。さらにいうと、遊技盤面に設けられた各種スイッチの入力情報(各種ゲート、始動口、アタッカー、等)によって設定値を確定させるようにしてもよく、この場合には、遊技者が各種スイッチに触れることができないことにより、不正な設定変更を防止することができるとともに、このように設定変更において複雑な手順を採用することで、不正な設定変更を予防する役目もある。また、全体の処理を通して、RAMで管理する設定値データとして「1」~「6」を用いて説明したが、それぞれ、設定値データ「0」~「5」に置き換えて処理を行ってもよい。このようにすることで、RAM異常によりRAMクリアが発生した際、設定値データを管理するRAMの値に「0」がセットされることによる異常判定(ステップ1003-2でNO)を回避することができる。設定値データを「0」~「5」で管理すると、「0」は設定値データとして扱われているため、異常と判断されることがない。さらに、設定値データを利用して何らかの抽選を行う場合(例えば、先読みテーブル等において設定値毎に異なるデータを選択する場合)、テーブル選択におけるオフセット処理が行いやすい利点もある。具体的に、設定値データを「1」~「6」で管理する場合、テーブル選択のオフセットデータとしてそのまま使用する際には、開始アドレスを-1する等の処理を行う必要があるが、設定値データを「0」~「5」で管理する場合、そのままの値をオフセットデータとして使用することができる。実際に、設定値データを設定値表示装置に表示する際には、設定値データに1加算することで「1」~「6」として表示する。
【0066】
本実施形態では、設定値(設定値データ)が「1」~「6」以外の異常な値であった場合には、エラーとするよう構成している。この場合、再度、設定変更を行い(設定キーオン・RAMクリアボタンオンで電源投入)、設定値を適切に設定し直すこととなる。このように、設定値が「1」~「6」以外の異常な値のままでは遊技不可能となるよう構成している。また、設定値データが範囲外である「0」の場合に限り設定変更が可能な状態に移行できるように構成されているため、エラーとなった場合には、エラーの復帰処理として設定値データの記憶領域を含むRAMクリアを行うことで、設定値データには範囲外である「0」がセットされることとなる。尚、設定値データを「0」~「5」で管理する場合においてRAMクリア等により設定値データとして「0」が設定されるよう構成すれば、RAMクリアされた場合でも設定値データは範囲内であるためエラーとならない構成となる。
【0067】
本例においては、ステップ1003-2にて設定値(設定値データ)が正常な範囲にあるか否かを判定する、換言すると、設定値(設定値データ)の確認処理を実行するよう構成したが、当該確認処理の実行タイミングとしては、
(1)電源投入直後のタイミング
(2)所定の入球口への入球タイミング
(3)主遊技始動口への入球タイミング
(4)補助遊技始動口への入球タイミング
(5)大入賞口への入球タイミング
(6)主遊技図柄変動開始タイミング
(7)遊技状態が切り替わった直後のタイミング
(8)大当り開始直後のタイミング
(9)大当り終了直後のタイミング
上記のタイミングにて実行してもよい。尚、上記9つのタイミングのいずれか1つのタイミングのみで設定値(設定値データ)の確認処理を実行してもよいし、上記9つのタイミングの複数のタイミングにて設定値(設定値データ)の確認処理を実行してもよい。例えば、電源投入時にはチェックサム処理を実行するよう構成されているため、わざわざ設定値(設定値データ)のみを確認する処理を設ける必要がないという観点から、電源投入直後のタイミングにて設定値(設定値データ)の確認処理を実行しないよう構成してもよい。
【0068】
次に、
図9は、本実施形態における、
図7のステップ3850のサブルーチンに係る設定確認処理のフローチャートである。まず、ステップ3852で、主制御基板MのCPUMCは、現在の設定値情報に応じた設定値を設定値表示装置に表示する。次に、ステップ3854で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのCPUMCは、設定確認が完了した(設定キースイッチ信号が立下り)か否かを判定する。尚、設定確認が完了したと判定する条件としては、前述した設定表示モードの終了条件のいずれとしてもよく、例えば、設定キースイッチがオフとなることによりYesと判定するよう構成してもよい。ステップ3854でNoの場合には、ステップ3852及びステップ3854の処理を繰り返し実行することとなる。他方、ステップ3854でYesの場合、ステップ3856で、主制御基板MのCPUMCは、設定値表示装置に表示している設定値の表示を消去し、次の処理(ステップ1007の処理)に移行する。尚、同図における設定確認処理を実行開始した直後(例えば、ステップ3852の処理を実行する直前)及び前述した設定変更処理を実行開始した直後(例えば、ステップ1003‐14の処理を実行する直前)にてステップ1016の処理と同様にタイマ割り込みを許可する処理を実行してもよい。
【0069】
次に、
図10は、主制御基板Mが行うタイマ割り込み処理の流れを示したフローチャートである。主制御基板MのCPUMCは、定時割り込みタイミングに到達した場合に発生する割り込み要求に基づいて、同図(b)の処理を実行する。即ち、定時割り込み周期Tの到達時(例えば、約1.5ms毎のハードウエア割り込み)を契機として、まず、ステップ1000‐Sで、主制御基板MのCPUMCは、後述の設定キー操作判定処理を実行する。次に、ステップ1000‐1で、主制御基板MのCPUMCは、後述の入力処理を実行する。次に、ステップ1000‐2で、主制御基板MのCPUMCは、後述の各種乱数更新処理を実行する。次に、ステップ1000‐3で、主制御基板MのCPUMCは、後述の初期値更新型乱数更新処理を実行する。次に、ステップ1000‐4で、主制御基板MのCPUMCは、後述の初期値乱数更新処理を実行する。次に、ステップ1000‐5で、主制御基板MのCPUMCは、後述のタイマ減算処理を実行する。次に、ステップ1000‐6で、主制御基板MのCPUMCは、後述の始動口2有効期間設定処理(第2主遊技始動口B10の有効期間を設定する処理)を実行する。次に、ステップ1000‐7で、主制御基板MのCPUMCは、後述の入賞監視処理を実行する。次に、ステップ3000で、主制御基板MのCPUMCは、後述の賞球払出コマンド送信制御処理を実行する。尚、各入賞口に遊技球が入賞した場合の賞球払出数は、第1主遊技始動口A10が4球、第2主遊技始動口B10が1球、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20が13球、左一般入賞口(一般入賞口とも称することがある)が3球、右一般入賞口が2球となっている。尚、これらの賞球払出数は一例であり、第1主遊技始動口A10に入球した場合と、第2主遊技始動口B10に入球した場合との賞球払出数が異なるように構成してもよいし、第1大入賞口C10に入球した場合と、第2大入賞口C20に入球した場合との賞球払出数を異なるようにしてもよい。尚、左一般入賞口に遊技球が入球した場合には、当否抽選等の抽選は実行されず、所定の賞球払出数(本例では、3球)が遊技者に付与されるよう構成されている。また、右一般入賞口に遊技球が入球した場合には、補助遊技側の乱数を取得すると共に、所定の賞球払出数(本例では、2球)が遊技者に付与されるよう構成されている。但し、本例に係るぱちんこ遊技機に設けられている全ての入賞口の賞球個数は、1の入賞(入球)に対して15個を超えず、且つ、遊技状態に関わらず一定(異常状況下やエラー発生中等により無効化されている場合を除く)となるように構成され、また、入賞以外で賞球払出が行われないように構成されており、様々な遊技状態を実現しつつ、直接的な遊技の結果が「発射した遊技球が所定の入賞口に入賞するか否か」に集約されるようになっている。
【0070】
なお、本例では、具体的な賞球払出制御処理が主制御基板Mではなく賞球払出制御基板KHで行われるため、主制御基板Mでは、その払出制御の途中経過をリアルタイムで管理することが難しく、1個の遊技球の入賞に対する払出中に停電等の突発事項により障害があったときには、正確な個数の賞球が行えない場合がある。このため、本例では、改めて当該入賞に対する遊技球の払出しを行う異常時リトライ機能(例えば、第1主遊技始動口A10に遊技球が入賞して、1球の遊技球が払い出された時点で電源断が発生し、その後、電源復帰後に残りの3球の遊技球の払出を実行する機能)を有している。無論、賞球払出制御基板KHにバックアップ機能を付与することでこのような異常が発生した場合にも正確な個数の賞球払出を実現することも可能であり、この場合には、異常時リトライ機能を設けなくてもよい。
【0071】
次に、ステップ2000で、主制御基板MのCPUMCは、後述の入球検出処理を実行する。次に、ステップ1100で、主制御基板MのCPUMCは、後述の補助遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御基板MのCPUMCは、後述の電動役物駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUMCは、後述の主遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御基板MのCPUMCは、後述の主遊技図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1700で、主制御基板MのCPUMCは、後述の小当り遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1750で、主制御基板MのCPUMCは、後述の上遮蔽部材駆動制御処理を実行する。次に、ステップ3450で、主制御基板MのCPUMCは、後述の下遮蔽部材駆動制御処理を実行する。次に、ステップ1950で、主制御基板MのCPUMCは、後述のV入賞口入球判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御基板MのCPUMCは、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1600‐1で、主制御基板MのCPUMCは、大入賞口有効期間設定処理を実行する。次に、ステップ1550で、主制御基板MのCPUMCは、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1550‐1で、主制御基板MのCPUMCは、異常検知処理を実行する。次に、ステップ1550‐2で、主制御基板MのCPUMCは、入球通過時間異常検出処理を実行する。次に、ステップ1550‐3で、主制御基板MのCPUMCは、遊技状態表示処理を実行する。次に、ステップ1550‐4で、主制御基板MのCPUMCは、ハンドル状態信号検査処理を実行する。次に、ステップ1550‐5で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口監視処理を実行する。次に、ステップ1550‐6で、主制御基板MのCPUMCは、LED出力処理を実行する。次に、ステップ1900で、主制御基板MのCPUMCは、後述の不正検知情報管理処理を実行する。次に、ステップ1950-1で、主制御基板MのCPUMCは、後述のエラー管理処理を実行する。次に、ステップ1550‐7で、主制御基板MのCPUMCは、後述の発射制御信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐8で、主制御基板MのCPUMCは、試験信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐9で、主制御基板MのCPUMCは、ソレノイド出力処理を実行する。次に、ステップ1999で、主制御基板MのCPUMCは、制御コマンド送信処理(前述の各処理でセットされたコマンドをサブメイン制御部側に送信する)を実行する。次に、ステップ3500で、主制御基板MのCPUMCは、後述の外部信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐10で、主制御基板MのCPUMCは、入球状態制御処理を実行する。次に、ステップ1550‐11で、主制御基板MのCPUMCは、タイマ割り込みの発生を許可するよう設定し、本割り込み処理の実行直前に実行されていた処理に復帰する。
【0072】
次に、前述した主制御基板MのCPUMCが行うタイマ割り込み処理において行われる各種処理について順に説明する。
【0073】
設定キー操作判定処理とは、設定キースイッチの操作の有無を判定する(設定キーが設定キー差込口に入力されているか否か、及び、設定変更用のキースイッチがON状態となっているか否か、等を判定する)処理である。タイマ割り込み時処理における設定キー操作判定処理において、設定キースイッチの操作が有りと判定された場合(即ち、設定キー差込口に設定キーが挿入され、設定キーが所定の方向に回転されることで設定変更用のキースイッチがON状態となっている場合)、遊技中の不正な設定キーの操作や、ドア解放を伴わない設定キーの操作であると判定し、エラーとして処理することができる。なお、電源投入後の最初のタイマ割り込み処理でのみ設定キーの入力を判定するようにしてもよい。
【0074】
入力処理とは、センサ等の入力装置から主制御基板Mに入力される信号を判定し、当該信号に対応するフラグ等を設定する処理であり、本例においては、遊技盤面に取り付けられているスイッチ(例えば、第1主遊技始動口入球検出装置A11s、第2主遊技始動口入球検出装置B11s、補助遊技始動口入球検出装置H11s、第1大入賞口入賞検出装置C11s、第2大入賞口入賞検出装置C21s、一般入賞検出装置等)、アウト口D36への入球を検出するアウト球カウントスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、開放信号(例えば、前枠D14、扉D18等)、磁気検知信号1(磁気検出センサ1による検出信号)、電波検知信号、衝撃検知信号、タッチ状態信号及び磁気検知信号2(磁気検出センサ2による検出信号)の入力を監視する処理である。尚、本例においては、RAMクリアスイッチ等の特殊な入力については、当該入力処理とは別の処理により入力判定等が行われている。
【0075】
各種乱数更新処理とは、出玉への影響が極めて低い抽選に用いられる乱数を比較的単純に更新(例えば、定数を加算)する処理であり、本例においては、普通図柄変動パターン乱数(例えば、補助遊技図柄変動態様乱数)及び変動パターン乱数(例えば、変動態様抽選乱数)を更新する処理である。
【0076】
初期値更新型乱数更新処理とは、出玉への影響が一定程度生じる抽選に用いられる乱数を更新する処理(前述した、各種乱数更新処理とは異なる処理)であり、本例においては、普通図柄当り乱数(例えば、補助遊技図柄当選乱数)、普通図柄図柄乱数(例えば、補助遊技図柄停止図柄乱数)、特別図柄図柄乱数(例えば、図柄抽選乱数)、後述の特別図柄当りソフト乱数等を更新するための処理である。
【0077】
初期値乱数更新処理とは、前述した出玉への影響が一定程度生じる抽選に用いられる初期値更新型乱数更新処理で更新される乱数の初期値決定用の乱数を更新する処理であり、本例における、更新する乱数の一例としては、普通図柄当り初期値乱数、普通図柄図柄初期値乱数、特別図柄図柄初期値乱数及び特別図柄当りソフト初期値乱数等が例示できる。尚、普通図柄当り初期値乱数及び普通図柄図柄初期値乱数は、補助遊技内容決定乱数を複数有するよう構成した場合に初期値乱数更新処理にて更新される乱数となっている。
【0078】
タイマ減算処理とは、1バイトタイマや2バイトタイマ(例えば、第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマ、第2主遊技始動口電動役物開放タイマ、特別遊技用タイマ、開放時間タイマ等)等の更新を行う処理である。
【0079】
始動口2有効期間設定処理とは、普通電動役物(例えば、第2主遊技始動口電動役物B11d)の作動状態により、普通電動役物が作動することにより入賞容易となる入賞口(例えば、第2主遊技始動口B10)の有効期間を設定する処理である。
【0080】
入賞監視処理とは、スイッチの通過カウンタの更新、外部端子板へ出力するセキュリティの出力要求の作成及び演出制御基板に送信するコマンドの送信要求を行う処理である。
【0081】
大入賞口有効期間設定処理とは、大入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)の有効期間判定の結果を保存する処理である。尚、後述するように、大入賞口内に特定領域C22を有するよう構成した場合には、大入賞口有効期間設定処理によって特定領域C22の有効期間判定の結果を保存するよう構成してもよい。
【0082】
異常検知処理とは、磁気の監視、断線・短絡の監視・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤D35の枠の開閉状態の監視及び衝撃の監視等を行う処理である。
【0083】
入球通過時間異常検出処理とは、各種入球口(例えば、第1主遊技始動口A10)に遊技球が入球する際の入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチレベルの連続オン時間(入球センサの連続オン時間)の監視を行う処理である。
【0084】
遊技状態表示処理とは、特別電動役物が連続して作動する回数(大当りにおける実行ラウンド数)、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数(補助遊技図柄表示装置H20に表示される現在の補助遊技保留球数)及び特別図柄表示装置の作動保留球数(第1主遊技図柄表示装置A20又は第2主遊技図柄表示装置B20に表示される現在の主遊技保留球数)の表示要求を行う処理である。
【0085】
ハンドル状態信号検査処理とは、発射ハンドル(例えば、発射ハンドルD44)のタッチ状態の監視を行う処理である。
【0086】
アウト口監視処理とは、セキュリティの出力要求の作成を行うため、アウト口(例えば、アウト口D36)の監視を行う処理である。
【0087】
LED出力処理とは、特別図柄表示装置における表示(例えば、第1主遊技図柄表示装置A20における第1主遊技図柄の表示、第2主遊技図柄表示装置B20における第2主遊技図柄の表示、第1主遊技図柄表示装置A20における第1主遊技側の作動保留球数の表示、第2主遊技図柄表示装置B20における第2主遊技側の作動保留球数の表示)、普通図柄表示装置における表示(補助遊技図柄表示装置H20における補助図柄の表示、補助遊技図柄表示装置H20における補助遊技側の作動保留球数の表示)、エラー状態の表示、遊技状態の表示、打ち分けの表示(例えば、右打ちするべき状況、左打ちをするべき状況である旨を表示する)及び特別電動役物が連続して作動する回数の表示(大当りにおけるラウンド数の表示)を行うため、表示の初期化、表示データの出力等の主制御基板M側にて制御するLED出力の制御を順次行う処理である。
【0088】
発射制御信号出力処理とは、遊技球の発射の禁止又は許可の信号を出力する処理であり、詳細については後述する。
【0089】
試験信号出力処理とは、遊技機外部の試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する処理である。
【0090】
ソレノイド出力処理とは、普通電動役物(例えば、第2主遊技始動口電動役物B11d)ソレノイド及び大入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)ソレノイドの出力データの出力を行う処理である。尚、後述するように大入賞口内に遮蔽部材(上遮蔽部材C24、下遮蔽部材C25)を有するよう構成した場合には、ソレノイド出力処理にて可動片ソレノイドの出力データの出力を実行する。
【0091】
入球状態制御処理では、入球状態表示装置J10に表示するためのベース値の演算、当該演算結果の記憶、演算結果の表示制御等を実行する。このとき、後述する設定変更手段を設けた場合においては、設定値ごとに通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶し、入球状態表示装置にて表示するよう構成することも可能である。より具体的には、電源投入時に、現在の設定に対応する遊技機の性能(例えば、大当り当選確率や各入賞口の賞球数)を読み出し、さらに、現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)をセットする。そして、それぞれの記憶領域に記憶された値をもとに入状状態情報の生成及び表示を行う。このように構成することで、設定毎の入球状態情報(例えば、ベース値)を適切に生成及び表示することが可能となる。また、入球状態表示装置に表示する入球状態情報について、専用の入球状態表示切替ボタンを操作することにより、又は、設定変更ボタン(設定値を変更するために操作する装置)を操作することにより表示内容が切り替わるよう構成する(例えば、現在の設定が1の場合、入球状態表示切替ボタンが1回操作されると、設定2の入球状態情報が表示され、さらにもう1回操作されると、設定3の入球状態情報が表示される)ことで、設定毎の最新情報を確認可能としてもよい。ここで、設定変更ボタンを用いる場合、設定変更ボタンを操作することで設定が変更されてしまうことがないように、上述した設定キーを用いる構成(例えば、電源オン且つ設定キースイッチを左に回している状態で、設定変更ボタンを操作することで、表示内容が切り替わる構成)が好ましい。尚、入球状態表示切替ボタンや設定変更ボタンにより、入球状態情報の表示を切り替えた場合、所定時間経過すると現在の設定の表示に戻すよう構成してもよい。
【0092】
次に、
図11は、主制御基板Mが行うNMI割り込み処理(電断時)の流れを示したメインフローチャートである。まず、NMI割り込み処理について説明する。前述の通り、主制御基板MのCPUMCは、リセットICからの電断信号がCPUのNMI端子に入力されるように構成されており、遊技機における電源断時において、同図(c)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源断時(本例では、NMI割り込み時)において、ステップ1019‐1で、主制御基板MのCPUMCは、タイマ割り込み中ではないか否かを判定する。ステップ1019‐1でYesの場合、ステップ1019‐2で、主制御基板MのCPUMCは、正常に電源投入されたことを示す情報がRAMに保存されていないか否かを判定する。他方、ステップ1019‐1でNoの場合、再度ステップ1019‐1の処理を行う。ステップ1019‐2でYesの場合、ステップ1019‐3で、主制御基板MのCPUMCは、異常な電源断であることを示す情報をRAMに保存し、次のステップ1022に移行する。他方、ステップ1019‐2でNoの場合、ステップ1019‐4で、主制御基板MのCPUMCは、正常な電源断であることを示す情報をRAMに保存し、ステップ1020で、主制御基板MのCPUMCは、RAM領域の情報に基づき電断時情報(例えば、チェックサム)をセットする。次に、ステップ1022で、主制御基板MのCPUMCは、RAM領域への書き込みを禁止すると共に、タイマ割り込み処理を禁止し、電源断待ちループ処理に移行する。尚、電断信号がCPUのNMI端子に入力されることで電断処理(
図11)を実行する例を説明したが、これに限らず、電断信号を特定の入力ポートに入力するように設定し、主制御基板側メイン処理(
図7)やタイマ割り込み時処理(
図10)にて特定の入力ポートを監視することで電断を判断して電断処理を行うようにしてもよい。
【0093】
次に、
図12は、
図10におけるステップ3000のサブルーチンに係る、賞球払出コマンド送信制御処理のフローチャートである。まず、ステップ3100で、主制御基板Mは、後述する対払出制御基板送信制御処理を実行する。次に、ステップ3200で、主制御基板Mは、後述する対払出制御基板受信制御処理を実行し、次の処理(ステップ2000の処理)に移行する。
【0094】
次に、
図13は、
図12のステップ3100のサブルーチンに係る、対払出制御基板送信制御処理のフローチャートを示したものである。まず、ステップ3105で、主制御基板MのCPUMCは、し、払出信号がOFFであるか否か、即ち、現在払出が実行されていないか否かを判定する。ステップ3105でYesの場合、ステップ3110で、主制御基板MのCPUMCは、未払出賞球(まだ賞球払出コマンドを賞球払出制御基板KH側に送信していない賞球)が存在するか否かを判定する。ステップ3110でYesの場合、ステップ3115で、主制御基板MのCPUMCは、賞球払出を行うことが不適なエラーである賞球払出関連エラー(例えば、払出モータの故障に関するエラー、上皿満タン、球切れエラー等)が発生していないか否かを判定する。ステップ3115でYesの場合、ステップ3120で、主制御基板MのCPUMCは、今回払出処理が実行される順番の未払出賞球情報に対応した賞球払出数分の賞球払出コマンド(
図14参照)をセットする。そして、ステップ3125で、主制御基板MのCPUMCは、今回セットした賞球払出コマンドに対応する未払出賞球情報を消去し、以後の情報をシフトさせる処理を実行する。次に、ステップ3130で、主制御基板MのCPUMCは、セットした賞球払出コマンドを賞球払出制御基板KH側に送信し、次の処理(ステップ3200の対払出制御基板受信制御処理)に移行する。尚、ステップ3105、ステップ3110及びステップ3115でNoの場合にも、次の処理(ステップ3200の処理)に移行する。
【0095】
《主制御基板/払出制御基板間で送受信されるコマンド・情報の内容》
ここで、
図14を参照しながら、主制御基板M及び賞球払出制御基板KH間で送受信されるコマンド及び情報の内容を説明する。ここで、本実施形態に係る主制御基板Mから賞球払出制御基板KHへのコマンドは、賞球払出コマンドであることの特定情報及び賞球個数の情報からなる。具体的には、ビット7~4は、1001固定である(当該コマンドが賞球払出コマンドであることの識別情報)。次に、ビット3~0は、賞球個数に関するものであり、例えば、0(0000B)は賞球0個であることを意味し、15(1111A)は賞球15個であることを意味する。
【0096】
次に、賞球払出制御基板KHから主制御基板M側に送信される払出関連情報を説明することとする。ここで、一例として、払出関連情報(賞球払出関連情報又は払出異常関連情報)は、固定値(スタートビット)、払出モータ動作エラー情報、過剰払出エラー情報、球経路エラー情報、払出モータエラー情報、賞球装置エラー情報、受け皿満タンエラー及び賞球払出完了情報からなる。ここで、夫々のエラー内容の詳細については後述するが、夫々のエラーに対応したビットは、「0」であれば当該エラーが発生していないことを意味し、「1」であれば当該エラーが発生していることを意味する。尚、ビット0は、賞球払出完了に関するものであり、「0」は賞球払出完了であることを意味し、「1」は賞球払出未完了であることを意味する。
【0097】
次に、
図15は、
図12のステップ3200のサブルーチンに係る、対払出制御基板受信制御処理のフローチャートを示したものである。まず、ステップ3205で、主制御基板MのCPUMCは、払出関連情報を受信したか否かを判定する。ここで、ステップ3205でYesの場合、ステップ3210で、主制御基板MのCPUMCは、受信した払出関連情報中にエラー情報(球切れエラー、上皿満タンエラー、他の払出関連エラー)が存在するか否かを判定する。ステップ3210でYesの場合、ステップ3215で、主制御基板MのCPUMCは、該当するエラーに係るエラーフラグをオンにすることで、賞球払出制御基板KH側でのエラー情報を主制御基板M側でも管理(一元管理)する。尚、このとき、払出制御基板KH側のエラー情報を主制御基板Mから副制御基板S側に送信するよう構成してもよい。他方、ステップ3210でNoの場合、ステップ3220で、主制御基板MのCPUMCは、賞球払出制御基板KH側でのエラーに係るエラーフラグをオフにする。そして、ステップ3225で、主制御基板MのCPUMCは、受信した払出関連情報中に賞球払出完了情報が存在するか否かを判定する。ステップ3225でYesの場合、ステップ3230で、主制御基板MのCPUMCは、セットされている賞球払出コマンド(今回の払出完了に係る賞球払出コマンド)をクリアし、次の処理(ステップ2000の処理)に移行する。尚、ステップ3205及びステップ3225でNoの場合にも、次の処理(ステップ2000の処理)に移行する。
【0098】
次に、
図16は、
図10におけるステップ2000のサブルーチンに係る、入球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2100で、主制御基板MのCPUMCは、後述する補助遊技始動口入球検出処理を実行する。次に、ステップ2200で、主制御基板MのCPUMCは、後述する主遊技始動口入球検出処理を実行する。次に、ステップ2300で、入球判定手段は、後述する第1(第2)大入賞口入球検出処理を実行する。次に、ステップ2400で、主制御基板MのCPUMCは、後述する一般入賞口入球検出処理を実行する。次に、ステップ2500で、主制御基板MのCPUMCは、後述する排出球検出処理を実行する。次に、ステップ2600で、主制御基板MのCPUMCは、後述するアウト口入球検出処理を実行する。次に、ステップ2700で、主制御基板MのCPUMCは、後述する賞球決定処理を実行し、次の処理(ステップ1100の処理)に移行する。
【0099】
次に、
図17は、
図16におけるステップ2100のサブルーチンに係る、補助遊技始動口入球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2102で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2102でYesの場合、ステップ2104で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口入球検出装置H11sからの入力が入球検出時間(当該時間以上、補助遊技始動口入球検出装置H11sが入力を検知すると補助遊技始動口H10に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2104でYesの場合、ステップ2106で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動フラグをオンにする。次に、ステップ2108で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口検出継続フラグをオンにし、次の処理(ステップ2200の処理)に移行する。
【0100】
他方、ステップ2102でNoの場合、ステップ2110で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口入球検出装置H11sからの入力が検出終了時間(当該時間以上、補助遊技始動口入球検出装置H11sが入力を検知していない場合、遊技球が補助遊技始動口入球検出装置H11sを通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2110でYesの場合、ステップ2112で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口検出継続フラグをオフにし、次の処理(ステップ2200の処理)に移行する。尚、ステップ2104又はステップ2110でNoの場合にも、次の処理(ステップ2200の処理)に移行する。
【0101】
次に、
図18は、
図16におけるステップ2200のサブルーチンに係る、主遊技始動口入球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2202で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2202でYesの場合、ステップ2204で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口入球検出装置A11sからの入力は入球検出時間(当該時間以上、第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入力を検知すると第1主遊技始動口A10に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2204でYesの場合、ステップ2206で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動フラグをオンにする。次に、ステップ2210で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口検出継続フラグをオンにする。
【0102】
次に、ステップ2211で、主制御基板MのCPUMCは、現第1主遊技始動口入球数カウンタ値に1を加算(インクリメント)し、ステップ2216に移行する。尚、ステップ2204でNoの場合にも、ステップ2216に移行する。
【0103】
他方、ステップ2202でNoの場合、ステップ2212で、主制御基板MのCPUMCは、入球数カウンタMJ10cからの入力が検出時間(当該時間以上、第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入力を検知していない場合、遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。次に、ステップ2214で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2215で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口長時間検出フラグをオフにし、ステップ2216に移行する。尚、ステップ2212でNoの場合にも、ステップ2216に移行する。
【0104】
次に、ステップ2216で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口確認センサが遊技球を検出したか否かを判定する。ステップ2216でYesの場合、ステップ2218で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口確認カウンタ値に1を加算(インクリメントし、ステップ2222に移行する。尚、ステップ2216でNoの場合にも、ステップ2222に移行する。
【0105】
次に、ステップ2222で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2222でYesの場合、ステップ2224で、第2主遊技始動口入球判定手段は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sからの入力は入球検出時間(当該時間以上、第2主遊技始動口入球検出装置B11sが入力を検知すると第2主遊技始動口B10に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2224でYesの場合、ステップ2225で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口有効期間中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2225でYesの場合、ステップ2226で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動フラグをオンにする。次に、ステップ2230で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口検出継続フラグをオンにする。
【0106】
他方、ステップ2222でNoの場合、ステップ2232で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口入球検出装置B11sからの入力が検出時間(当該時間以上、第2主遊技始動口入球検出装置B11sが入力を検知していない場合、遊技球が第2主遊技始動口入球検出装置B11sを通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2232でYesの場合、ステップ2234で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2238で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口長時間検出フラグをオフにし、ステップ2240に移行する。尚、ステップ2224、ステップ2232でNoの場合にも、ステップ2240に移行する。また、ステップ2225でNoの場合、ステップ2231で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口不正入球コマンド(サブ側へのコマンド)をセットし、ステップ2240に移行する。
【0107】
次に、ステップ2240で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口入球検出装置A11s(第2主遊技始動口入球検出装置B11s)が不正検出時間(通常の入球として検出される時間を超えた時間であり、不正が行われていると判定する時間)以上ONとなっているか否かを判定する。ステップ2240でYesの場合、ステップ2242で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)主遊技始動口長時間検出フラグをオンにし、次の処理(ステップ2300の処理)に移行する。他方、ステップ2240でNoの場合にも、次の処理(ステップ2300の処理)に移行する。
【0108】
次に、
図19は、
図16におけるステップ2300のサブルーチンに係る、第1(第2)大入賞口入球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2302で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2302でYesの場合、ステップ2304で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)からの入力が入球検出時間(当該時間以上、入球検出装置が入力を検知すると、当該入球口に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2304でYesの場合、ステップ2305で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口有効期間中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2305でYesの場合、ステップ2306で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口入球フラグをオンにする。次に、ステップ2308で、主制御基板MのCPUMCは、入球数カウンタ値に1を加算する。次に、ステップ2310で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口検出継続フラグをオンにし、ステップ2320に移行する。
【0109】
他方、ステップ2305でNoの場合(大入賞口への入球が有効でない期間中に遊技球の入球を検出した場合)、ステップ2311で、主制御基板MのCPUMCは、大入賞口に不正な入球があったと判定し、第1(第2)大入賞口不正入球コマンド(副制御基板S側へのコマンド)をセットし、ステップ2320に移行する。尚、ステップ2304でNoの場合にも、ステップ2320に移行する。
【0110】
他方、ステップ2302でNoの場合、ステップ2312で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)からの入力が検出時間{当該時間以上、第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)が入力を検知していない場合、遊技球が第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)を通過完了したとみなす時間}以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2312でYesの場合、ステップ2314で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2318で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口長時間検出フラグをオフにし、ステップ2320に移行する。
【0111】
次に、ステップ2320で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)からの入力が不正検出時間{当該時間以上、第1大入賞口入賞検出装置C11s(第2大入賞口入賞検出装置C21s)が入力を検知した場合、第1大入賞口C10(第2大入賞口C20)への不正な入球が検知されたとみなす時間}以上ONであるか否かを判定する。ステップ2320でYesの場合、ステップ2322で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口長時間検出フラグをオンにし、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。他方、ステップ2320でNoの場合にも、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。
【0112】
次に、
図20は、
図16におけるステップ2400のサブルーチンに係る、一般入賞口入球検出処理のフローチャートである。尚、一般入賞口(左一般入賞口と右一般入賞口とを総称して一般入賞口を称することがある)は、遊技球が入球することで、賞球を払い出すが、遊技の進行には影響しない(遊技の進行に影響する抽選を実行しない)入球口であり、遊技球の入球を検出するセンサである一般入賞口入球検出装置(本実施形態においては、左一般入賞口への遊技球の入球を検出するセンサである一般入賞口入球検出装置と右一般入賞口への遊技球の入球を検出するセンサである一般入賞口入球検出装置との2つの一般入賞口入球検出装置を有している)を備えている。
【0113】
まず、ステップ2402で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2402でYesの場合、ステップ2404で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球検出装置からの入力が入球検出時間(当該時間以上、一般入賞口入球検出装置が入力を検知すると一般入賞口に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2404でYesの場合、ステップ2406で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球フラグをオンにする。次に、ステップ2410で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口検出継続フラグをオンにする。他方、ステップ2402でNoの場合、ステップ2412で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球検出装置からの入力が入球検出時間(当該時間以上、一般入賞口入球検出装置が入力を検知しなかった場合、遊技球が一般入賞口入球検出装置を通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2412でYesの場合、ステップ2414で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2418で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口長時間検出フラグをオフにし、ステップ2420に移行する。尚、ステップ2404、ステップ2412でNoの場合にも、ステップ2420に移行する。
【0114】
次に、ステップ2420で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球検出装置からの入力が不正検出時間{当該時間以上、一般入賞口入球検出装置が入力を検知した場合、一般入賞口への不正な入球が検知されたとみなす時間}以上ONであるか否かを判定する。ステップ2420でYesの場合、ステップ2422で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口長時間検出フラグをオンにし、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。尚、ステップ2420でNoの場合にも、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。
【0115】
次に、
図21は、
図16におけるステップ2500のサブルーチンに係る、排出球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2502で、主制御基板MのCPUMCは、排出確認検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2502でYesの場合、ステップ2504で、主制御基板MのCPUMCは、総排出確認センサからの入力が入球検出時間(当該時間以上、総排出確認センサが入力を検知すると総排出確認センサに入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2504でYesの場合、ステップ2506で、主制御基板MのCPUMCは、排出確認検出継続フラグをオンにする。次に、ステップ2508で、主制御基板MのCPUMCは、総排出確認数カウンタに1を加算(インクリメント)し、次の処理(ステップ2600の処理)に移行する。
【0116】
他方、ステップ2502でNoの場合、ステップ2510で、主制御基板MのCPUMCは、総排出確認センサからの入力が検出終了時間(当該時間以上、総排出確認センサが入力を検知しなかった場合、遊技球が総排出確認センサを通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2510でYesの場合、ステップ2512で、主制御基板MのCPUMCは、排出確認検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2514で、主制御基板MのCPUMCは、排出確認長時間検出フラグをオフにし、次の処理(ステップ2600の処理)に移行する。尚、ステップ2504又はステップ2510でNoの場合にも、次の処理(ステップ2600の処理)に移行する。
【0117】
次に、
図22は、
図16におけるステップ2600のサブルーチンに係る、アウト口入球検出処理のフローチャートである。まず、ステップ2602で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口検出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2602でYesの場合、ステップ2604で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口入球検出装置からの入力が入球検出時間(当該時間以上、アウト口入球検出装置が入力を検知するとアウト口D36に入球があったとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2604でYesの場合、ステップ2606で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口検出継続フラグをオンにし、ステップ2608で、入球数カウンタ値に1を加算(インクリメント)し、ステップ2620の処理に移行する。
【0118】
他方、ステップ2602でNoの場合、ステップ2610で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口入球検出装置からの入力が検出終了時間(当該時間以上、アウト口入球検出装置が入力を検知していない場合、遊技球がアウト口入球検出装置を通過完了したとみなす時間)以上OFFであるか否かを判定する。ステップ2610でYesの場合、ステップ2612で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口検出継続フラグをオフにする。次に、ステップ2615で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口長時間検出フラグをオフにし、ステップ2620に移行する。他方、ステップ2604又はステップ2610でNoの場合にも、ステップ2620に移行する。
【0119】
次に、ステップ2620で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口入球検出装置からの入力が不正検出時間(当該時間以上、アウト口入球検出装置が入力を検知している場合に、アウト口D36への不正な入球が行われているとみなす時間)以上ONであるか否かを判定する。ステップ2620でYesの場合、ステップ2622で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口長時間検出フラグをオンにし、次の処理(ステップ2700の処理)に移行する。他方、ステップ2620でNoの場合にも、次の処理(ステップ2700の処理)に移行する。
【0120】
次に、
図23は、
図16におけるステップ2700のサブルーチンに係る、賞球数決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2702で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2702でYesの場合、ステップ2704で、主制御基板MのCPUMCは、賞球数カウンタのカウンタ値に、第1主遊技始動口A10に係る賞球払出数(本例では、3)を加算する。次に、ステップ2708で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10に係る賞球を払い出す旨の情報(例えば、賞球払出数に係る情報)を一時記憶し、ステップ2712に移行する。他方、ステップ2702でNoの場合もステップ2712に移行する。
【0121】
次に、ステップ2712で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2712でYesの場合、ステップ2714で、主制御基板MのCPUMCは、賞球数カウンタのカウンタ値に、第2主遊技始動口B10に係る賞球払出数(本例では、3)を加算する。次に、ステップ2718で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口B10に係る賞球を払い出す旨の情報(例えば、賞球払出数に係る情報)を一時記憶し、ステップ2722に移行する。他方、ステップ2712でNoの場合もステップ2722に移行する。
【0122】
次に、ステップ2722で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口入球フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2722でYesの場合、ステップ2723で、主制御基板MのCPUMCは、第1(第2)大入賞口入球フラグをオフにする。次に、ステップ2724で、主制御基板MのCPUMCは、賞球数カウンタのカウンタ値に第1大入賞口C10(第2大入賞口C20)に係る賞球払出数(本例では、13)を加算する。次に、ステップ2728で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口C10(第2大入賞口C20)に係る賞球を払い出す旨の情報(例えば、賞球払出数に係る情報)を一時記憶し、ステップ2732に移行する。他方、ステップ2722でNoの場合もステップ2732に移行する。
【0123】
次に、ステップ2732で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2732でYesの場合、ステップ2733で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口入球フラグをオフにする。次に、ステップ2734で、主制御基板MのCPUMCは、賞球数カウンタのカウンタ値に、一般入賞口に係る賞球払出数(本例では、10)を加算する。次に、ステップ2738で、主制御基板MのCPUMCは、一般入賞口に係る賞球を払い出す旨の情報(例えば、賞球払出数に係る情報)を一時記憶し、次の処理(ステップ1100の処理)に移行する。他方、ステップ2732でNoの場合にも、次の処理(ステップ1100の処理)に移行する。
【0124】
次に、
図24は、
図10におけるステップ1100のサブルーチンに係る、補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口H10に遊技球が入球(流入、ゲートの場合は通過)したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1103で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技始動口H10に入球した旨に関するコマンドである補助遊技始動口入球コマンドをサブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1110の処理に移行する。他方、ステップ1102でNoの場合、ステップ1104で、主制御基板MのCPUMCは、右一般入賞口に入球したか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1106でYesの場合、ステップ1108で、主制御基板MのCPUMCは、右一般入賞口に入球した旨に関するコマンドである右一般入賞口入球コマンドをサブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1110の処理に移行する。尚、ステップ1106でNoの場合にも、ステップ1110の処理に移行する。次に、ステップ1110で、主制御基板MのCPUMCは、保留球が上限(例えば、4個)でないか否かを判定する。ステップ1110でYesの場合、ステップ1112で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技内容決定乱数(例えば、補助遊技図柄当選乱数)を取得する。次に、ステップ1114で、主制御基板MのCPUMCは、何個目の保留であるかという情報と共に、主制御基板MのRAM領域にセットする形で保留球を1加算し、次の処理(ステップ1200の処理)に移行する。尚、ステップ1104及びステップ1110でNoの場合も、次の処理(ステップ1200の処理)に移行する。ここで、本実施形態においては、補助遊技始動口H10又は右一般入賞口に入球した場合に補助遊技側の乱数を取得し得るよう構成されている。また、補助遊技始動口H10はゲートの形状をしているため、補助遊技始動口H10に入球(補助遊技始動口H10を通過)した遊技球は、遊技盤面を引き続き流下することとなり補助遊技始動口H10よりも下流の入球口(右一般入賞口等)に入球し得る一方、右一般入賞口に入球した遊技球は、遊技盤面の奥に流下していき、以降他の入球口には入球しないよう構成されている。尚、詳細は後述することとなるが、補助遊技始動口H10に遊技球が入球(補助遊技始動口H10を遊技球が通過)しても賞球の払出はないが、右一般入賞口に遊技球が入球した場合には賞球の払出が発生するよう構成されている。
【0125】
次に、
図25は、
図10におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電動役物駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、主制御基板MのCPUMCは、電動役物開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1216で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)を取得すると共に、補助遊技図柄決定用抽選テーブルを参照し、当該取得した補助遊技側の遊技状態及び当該保留球に基づく補助遊技図柄当選乱数に基づき停止図柄を決定(例えば、補助遊技時短フラグがオンである場合には、オフである場合と比して高確率で当選図柄を選択)して主制御基板MのCPUMCのRAM領域に一時記憶する。
【0126】
ここで、同図右は、補助遊技停止図柄決定用抽選テーブルの一例である。同テーブルに示されるように、本例においては、停止図柄は「D0、D1、D2」が存在し、当り図柄となる停止図柄は「D1、D2」であり、夫々が停止したことに起因して開放することとなる電動役物の開放態様は、非時間短縮遊技時においては、停止した図柄が「D1」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→閉鎖)であり、停止した図柄が「D2」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→2.0秒間開放、閉鎖)である(最長開放)。また、時間短縮遊技時においては、停止した図柄が「D1」である場合、開放態様は(1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→閉鎖)であり、停止した図柄が「D2」である場合、開放態様は(0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→4.0秒間開放→閉鎖)であるよう構成されている。尚、非時間短縮遊技時には停止図柄はハズレ図柄「D0」となり易く、時間短縮遊技時には停止図柄は当り図柄「D1」となり易いよう構成されている。
【0127】
次に、ステップ1218で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、補助遊技図柄変動管理用タイマに補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には1秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には10秒)をセットする。そして、ステップ1220で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1222で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄に関する当該保留球を1減算した上で主制御基板MのCPUMCのRAM領域に記録されている保留情報を更新すると共に、補助遊技図柄変動管理用タイマをスタートした後、補助遊技図柄表示部H21g上で補助遊技図柄の変動表示を開始する。
【0128】
次に、ステップ1224で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄変動管理用タイマを参照して、補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1224でYesの場合、ステップ1226で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄の停止図柄を取得すると共に、当該取得した補助遊技図柄の停止図柄を補助遊技図柄表示部H21g上で確定表示する。そして、ステップ1228で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技図柄変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1230で、主制御基板MのCPUMCは、当該補助遊技図柄の停止図柄が「当り」(本例では、D1・D2)であるか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232で、主制御基板MのCPUMCは、補助遊技側の当り図柄に基づき、開放態様(例えば、当り図柄「D1」の場合には、1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→1秒間閉鎖→1秒間開放→閉鎖となる開放態様、当り図柄「D2」の場合には、0.2秒間開放、0.8秒間閉鎖、5秒間開放となる開放態様、)を決定し、第2主遊技始動口電動役物開放タイマに電動役物の開放時間(開閉時間)に係る所定時間をセットする。次に、ステップ1234で、主制御基板MのCPUMCは、電動役物開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1236で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを開放し、ステップ1242に移行する。尚、ステップ1202でNoの場合にも、ステップ1242に移行する。尚、本実施形態においては、主遊技時短フラグオフ且つ補助遊技停止図柄が所定の当り図柄(D2)である場合に第2主遊技始動口電動役物B11dを開放し続ける時間が最長となるよう構成されている。
【0129】
次に、ステップ1242で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口電動役物開放タイマを参照して、電動役物の開放時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1242でYesの場合、ステップ1244及びステップ1246で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口電動役物B11dを閉鎖すると共に、電動役物開放中フラグをオフにし、次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
【0130】
尚、ステップ1204でNoの場合にはステップ1224に移行し、ステップ1206、ステップ1224、ステップ1230及びステップ1242でNoの場合には次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
【0131】
また、本フローチャートでは、便宜上、ステップ1226での停止図柄表示後、すぐに次のステップに移行しているが、これには限定されない。その場合には、500ms程度の停止表示固定時間を経てから次の処理に移行するよう構成してもよい(例えば、停止表示固定中フラグ及びタイマを利用して分岐処理を行うことによりこの処理を達成可能である)。また、補助遊技内容決定乱数は複数あってもよく、補助遊技の当否を決定するための補助遊技図柄当選乱数、補助遊技図柄の停止図柄を決定するための補助遊技図柄停止図柄乱数、補助遊技図柄の変動時間を決定するための補助遊技図柄変動態様乱数等を備えていてもよい。
【0132】
尚、不図示であるが、第2主遊技始動口電動役物B11dの1回の開放動作(1回の補助遊技当り図柄の停止に基づく開放動作)において、第2主遊技始動口B10に遊技球が所定数(例えば、10球)入球した場合にも、第2主遊技始動口電動役物B11dの開放動作を終了するよう構成されている、即ち、時間短縮遊技状態(補助遊技時短フラグオン)の場合に補助遊技停止図柄「D2」に基づく第2主遊技始動口電動役物B11dの開放(最長開放)が実行された場合には、「0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→4秒間開放→閉鎖」の開放時間が終了する、或いは当該第2主遊技始動口電動役物B11dの開放期間中に前記所定数(例えば、10球)の遊技球が第2主遊技始動口B10に入球した場合のいずれか早い方の達成により、第2主遊技始動口電動役物B11dの開放(開放期間)が終了するよう構成されている。また、非時間短縮遊技状態(補助遊技時短フラグオフ)の場合に補助遊技停止図柄「D2」に基づく第2主遊技始動口電動役物B11dの開放(最長開放)が実行された場合には、「0.2秒間開放→0.8秒間閉鎖→2.0秒間開放→閉鎖」の開放時間が終了する、或いは当該第2主遊技始動口電動役物B11dの開放期間中に前記所定数(例えば、10球)の遊技球が第2主遊技始動口B10に入球した場合のいずれか早い方の達成により、第2主遊技始動口電動役物B11dの開放(開放期間)が終了するよう構成されている。また、時間短縮遊技状態(補助遊技時短フラグオン)における最長開放時(補助遊技停止図柄が「D2」の場合)の普通電動役物が開放している時間の合計は4.2秒であり、非時間短縮遊技状態(補助遊技時短フラグオフ)における最長開放時(補助遊技停止図柄が「D2」の場合)の普通電動役物が開放している時間の合計は2.2秒であり、いずれの遊技状態においても、一回の最大開放時間が通じて6秒を超えないよう構成されていると共に、作動中の最大入賞数が概ね10個を超えないように遊技状態毎(時間短縮遊技状態であるか非時間短縮遊技状態であるか)に予め定められている。
【0133】
また、本例では、普通電動役物(第2主遊技始動口電動役物B11d)の作動契機となっている普通図柄(補助遊技図柄)が当り態様で確定表示されると、ただちに(例えば、遊技機における最短の図柄変動時間より短い500ms以内)作動するように構成されており、普通電動役物がどの契機に基づいて作動しているのかが明確に対応づけられるようになっている。尚、普通電動役物(第2主遊技始動口電動役物B11d)の閉鎖動作中(開放→閉鎖となる動作の途中)に多数の遊技球が入賞することを抑止するために、普通電動役物(第2主遊技始動口電動役物B11d)が短時間で未作動中の状態に戻るように駆動源(ソレノイド)が選定されており、必要以上に遊技球が入賞してしまって出玉設計と大きく異なることがないようになっている。
【0134】
次に、
図26は、
図10におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1303で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10に入球した旨に関するコマンドである第1主遊技始動口入球コマンドをサブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1304の処理に移行する。次に、ステップ1304で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技内容決定乱数を取得する。なお、本実施例では、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。次に、ステップ1308で、主制御基板MのCPUMCは、当該取得した乱数を主制御基板MのRAM領域に一時記憶(保留)する。次に、ステップ1310で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技乱数が取得された旨の情報(保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。
【0135】
尚、当否抽選乱数は、1つの乱数により構成されるものでもよいし、2つ以上の乱数により生成される乱数でもよい。2つ以上の乱数により生成される乱数として、CPUのクロックや外部クロックに基づいて更新されるCPU内蔵乱数とタイマ割り込み処理により更新される特別図柄(主遊技図柄)当りソフト乱数とを備え、双方を演算(例えば加算)した結果を用いる等していてもよい。
【0136】
次に、ステップ1312で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1312でYesの場合、ステップ1314で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定する。ステップ1314でYesの場合、ステップ1316で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技内容決定乱数を取得する。なお、本実施形態では、第2主遊技内容決定乱数として、第1主遊技側と同様に当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、第1主遊技側の各乱数の取得範囲と第2主遊技側の各乱数の取得範囲(例えば第1主遊技用の当否抽選乱数と第2主遊技用の当否抽選乱数の取得範囲)を同じに設定している。次に、ステップ1318で、主制御基板MのCPUMCは、当該取得した乱数をRAM領域に一時記憶(保留)する。次に、ステップ1320で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技乱数が取得された旨の情報(保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。尚、ステップ1302及びステップ1304でNoの場合にはステップ1312に移行し、ステップ1312及びステップ1314でNoの場合には次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。
【0137】
次に、
図27は、
図10におけるステップ1400のサブルーチンに係る、主遊技図柄表示処理のフローチャートである。まず、ステップ1401で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域を参照し、第2主遊技図柄の保留が存在していないか否かを確認する。ステップ1401でYesの場合、ステップ1400(1)で、主制御基板MのCPUMCは、後述の第1主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理{ステップ1400(1)、(2)の処理}に移行する。他方、ステップ1401でNoの場合、ステップ1400(2)で、主制御基板MのCPUMCは、後述の第2主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理{ステップ1400(1)、(2)の処理}に移行する。
【0138】
このように、本実施形態においては、第2主遊技図柄の保留球が存在する場合には、第1主遊技図柄の保留球の存在に係らず(たとえ入賞順序が第1主遊技図柄の保留の方が先でも)、第2主遊技図柄の保留消化を優先して実行するよう構成されているが、これには限定されない(入賞順序に基づく保留消化や、双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選する並列抽選を実行するよう構成してもよい)。
【0139】
次に、
図28は、
図27におけるステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1主遊技図柄表示処理(第2主遊技図柄表示処理)のフローチャートである。尚、本処理は、第1主遊技図柄側と第2主遊技図柄とで略同一の処理となるため、第1主遊技図柄側について主に説明し、第2主遊技図柄側の処理については括弧書きとする。まず、ステップ1403で、主制御基板MのCPUMCは、変動開始条件が充足しているか否かを判定する。ここで、当該変動開始条件は、特別遊技中(又は条件装置作動中)でない、且つ、主遊技図柄変動中でない、且つ、主遊技図柄の保留が存在する、且つ、小当り遊技中ではないことが条件となる。尚、本例では図示していないが、変動固定時間(主遊技図柄の確定表示後、当該確定表示図柄を停止表示する時間)を設ける場合、変動固定時間中には、次変動の変動開始条件を満たさないよう構成してもよい。
【0140】
ステップ1403でYesの場合、ステップ1405及びステップ1406で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出すと共に、主制御基板MのRAM領域から削除し、当該一時記憶されている残りの保留情報をシフトする(保留消化処理)。次に、ステップ1410-1で、主制御基板MのCPUMCは、各遊技状態に対応する主遊技テーブル1を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行する。
【0141】
ここで、
図29(主遊技テーブル1)は、第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)の一例である。
【0142】
次に、ステップ1410-2で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技図柄決定用抽選テーブル(第2主遊技図柄決定用抽選テーブル)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらをRAM領域に一時記憶する。
【0143】
ここで、
図29(主遊技テーブル2)は、第1主遊技図柄決定用抽選テーブル(第2主遊技図柄決定用抽選テーブル)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、大当りに当選した場合、複数の主遊技図柄候補(本例では、「4A(例えば、abcdが点灯)・5A(例えば、abcdeが点灯)・7A(例えば、abcdefgが点灯)」及び「4B(例えば、klmnが点灯)・5B(例えば、klmnoが点灯)・7B(例えば、klmnopqが点灯)」)の内から一つの主遊技図柄が大当り図柄として決定されるよう構成されている。尚、当該主遊技図柄を参照して決定される特別遊技のラウンド数は、4A、4B、5A、5Bが8R、7A、7Bが10Rとなっている。尚、乱数値や停止図柄の種類についても、あくまで一例であり、これには限定されない{例えば、ハズレ図柄は一種類の図柄であることには限定されず、複数種類の図柄を設けるよう構成してもよい}。
【0144】
次に、ステップ1410‐2で主遊技図柄に関する停止図柄を決定した後、ステップ1410‐3で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数、当否抽選結果、遊技状態に基づき、主遊技図柄に関する変動態様(又は変動時間)を決定し、ステップ1414に移行する。
【0145】
ここで、
図29に示す主遊技テーブル3は、第1主遊技変動態様決定用抽選テーブル(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブル)の一例である。本図に示されるように、本実施形態においては、主遊技図柄の当否抽選結果、主遊技時短フラグ状態に基づき、ある乱数値に対する主遊技図柄の変動態様(変動時間)が決定され得るよう構成されている。例えば、ある乱数値に関して、主遊技図柄の当否抽選結果が当りの場合には、相対的に変動時間が長時間となる変動態様が決定され易く、主遊技時短フラグがオンである場合(時間短縮遊技状態である場合)には、相対的に変動時間が短時間となる変動態様が決定され易いよう構成されている。尚、本例はあくまでも一例であり、変動態様(変動時間)の種類や選択率等には何ら限定されない。また、時間短縮遊技状態(主遊技時短フラグがオンの場合)における第1主遊技側の図柄変動時間が相対的に長時間となるよう構成してもよい{第2主遊技側での図柄変動が実行されることが遊技者にとって有利となるよう構成されていた際、第1主遊技側の図柄変動効率を低下させることで第2主遊技側の保留が生起し易い(遊技者にとって有利となる)状況を構築することを趣旨とするため、第1主遊技側の始動口と第2主遊技側の始動口とを打ち分けできない場合において特に効果を発揮する}。
【0146】
次に、ステップ1414で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域に一時記憶された主遊技図柄に係るコマンド(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等)及び現在の遊技状態に係るコマンド(図柄変動表示開始指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1415で、主制御基板MのCPUMCが、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間を第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマにセットする。次に、ステップ1416で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上で、主制御基板MのRAM領域に記憶された変動態様に従い、主遊技図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1418で、主制御基板MのCPUMCは、変動中フラグをオンにし、ステップ1420に移行する。
【0147】
他方、ステップ1403でNoの場合、ステップ1419で、主制御基板MのCPUMCは、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1419でYesの場合にはステップ1420に移行し、ステップ1419でNoの場合には次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。
【0148】
次に、ステップ1420で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1420でYesの場合、ステップ1422で、主制御基板MのCPUMCは、図柄変動が終了する旨の情報(図柄確定表示指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1423で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上での主遊技図柄の変動表示を停止し、主制御基板MのRAM領域に記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ1424で、主制御基板MのCPUMCは、変動中フラグをオフにする。
【0149】
次に、ステップ1430で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域を参照し、当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1432で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグをオンにし、ステップ1500に移行する。他方、ステップ1430で停止図柄が大当り図柄でなかった場合、ステップ1434で、主制御基板MのCPUMCは、停止図柄が小当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1434でYesの場合、ステップ1436で、主制御基板MのCPUMCは、小当りフラグをオンにし、ステップ1500に移行する。他方、ステップ1434でNoの場合にも、ステップ1500に移行する。
【0150】
次に、ステップ1500で、主制御基板MのCPUMCは、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。尚、ステップ1420でNoの場合にも、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。
【0151】
次に、
図29(主遊技テーブル1及び主遊技テーブル2)は、本実施形態における、第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)の一例である。本実施形態においては、遊技状態に拘らず、第1主遊技側に係る図柄変動であるか第2主遊技側に係る図柄変動であるかによってのみ参照するテーブル内容が相違するよう構成されている。また、第1主遊技側と第2主遊技側と共に小当りに当選し得るよう構成されており、第2主遊技側における当否抽選結果はほぼ小当りとなる。尚、当選確率はあくまでも一例であり、これには何ら限定されない。また、小当りに当選した場合、第1主遊技側は1種類、第2主遊技側は2種類の主遊技図柄候補のうちから一つの主遊技図柄が小当り図柄として決定されるよう構成されている。尚、乱数値や停止図柄の種類についても、あくまで一例であり、これには限定されない{例えば、ハズレ図柄は一種類の図柄であることには限定されず、複数種類の図柄を設けるよう構成してもよく、特定の図柄が停止表示された場合には当該特定の図柄が停止表示される前とは、主遊技図柄の変動態様の種類及び/又は選択率が異なる状態(限定頻度状態)へ移行するよう構成してもよい}。
【0152】
次に、
図30は、本実施形態における、
図10におけるステップ1700のサブルーチンに係る、小当り遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1701で、主制御基板MのCPUMCは、排出待機中フラグ{後述するステップ1722でオンとなるフラグであり、即ち、予定されていた小当り遊技(特に、予定されていた第2大入賞口C20の開放パターン)の実行終了後において、第2大入賞口C20内に残存している遊技球の排出待ち期間(排出待機時間)中においてオンとなるフラグ}がオフであるか否かを判定する。ステップ1701でYesの場合、ステップ1702で、主制御基板MのCPUMCは、小当りフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1702でYesの場合、ステップ1704で、主制御基板MのCPUMCは、小当りフラグをオフにする。次に、ステップ1705で、主制御基板MのCPUMCは、当該ラウンドの第2大入賞口C20の開放パターン(本例では、例えば、すべての小当り図柄において、「0.2秒開放→0.8秒閉鎖→1秒開放→1秒閉鎖→1秒開放→閉鎖」であり、遊技球を第2大入賞口C20に向けて発射し続けていれば、第2大入賞口C20に遊技球が複数球入球するよう構成されている)をセットする。尚、小当り実行時における大入賞口(第2大入賞口C20)の開放態様は任意に設定可能であり、例えば、小当り1回の実行時における第2大入賞口C20の合計の開放時間を所定時間以下(例えば、1.8秒以下)となるよう構成してもよい(例えば、「0.2秒開放→0.8秒閉鎖→1秒開放→閉鎖」(合計の開放時間=1.2秒))。次に、ステップ1706で、主制御基板MのCPUMCは、小当り実行フラグをオンにする。次に、ステップ1707で、主制御基板MのCPUMCは、小当り実行開始コマンド(小当り遊技が開始された旨のコマンドであり、遊技者に第2大入賞口C20へ向けた遊技球の発射を促すためのコマンドである)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1708で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口C20を開放すると共に、小当り遊技用タイマをスタートする(タイマ値がカウントダウンされる)。次に、ステップ1709で、主制御基板MのCPUMCは、排出待機タイマ(インクリメントタイマ)をスタートし、ステップ1712に移行する。尚、ここでは、当該排出待機タイマが小当り遊技開始時からの経過時間を計測することにより、当該小当り開始から所定時間(本例では、10秒)経過後に排出待機時間が終了するよう構成されている{勿論、排出待機時間の計測方法はこれには限定されず、例えば、予定されていた小当り遊技(特に、予定されていた第2大入賞口C20の開放パターン)の実行終了後から計測開始してもよい}。
【0153】
他方、ステップ1702でNoの場合、ステップ1710で、主制御基板MのCPUMCは、小当り実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1710でYesの場合、ステップ1712に移行する。
【0154】
次に、ステップ1712で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口C20に遊技球の入賞(入球)があったか否かを判定する。ステップ1712でYesの場合、ステップ1714で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口C20に所定個数(例えば、10個)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1714でYesの場合には、ステップ1718に移行する。他方、ステップ1712又はステップ1714でNoの場合、ステップ1716で、主制御基板MのCPUMCは、小当り遊技用タイマを参照して大入賞口開放に係る所定時間(例えば、4秒)が経過したか否かを判定する。ステップ1716でYesの場合、ステップ1718に移行する。
【0155】
次に、ステップ1718で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口電動役物C21dの駆動を停止して第2大入賞口C20を閉鎖する。次に、ステップ1722で、主制御基板MのCPUMCは、排出待機中フラグをオンにし(本処理実行タイミングから排出待機時間が開始されることとなる)、ステップ1724に移行する。尚、ステップ1701でNoの場合にも、ステップ1724に移行する。
【0156】
次に、ステップ1724で、主制御基板MのCPUMCは、当該タイマ値が排出待機時間終了値(本例では、10秒)となったか否かを判定する。ステップ1724でYesの場合、ステップ1725で、主制御基板MのCPUMCは、排出待機タイマをゼロクリアする。次に、ステップ1726で、主制御基板MのCPUMCは、排出待機中フラグをオフにする。次に、ステップ1728で、主制御基板MのCPUMCは、小当り遊技用タイマを停止してリセットする。次に、ステップ1730で、主制御基板MのCPUMCは、小当り実行フラグをオフにし、次の処理{ステップ1750の処理}に移行する。尚、ステップ1710、ステップ1716又はステップ1724でNoの場合にも次の処理{ステップ1750の処理}に移行する。
【0157】
ここで、本例においては、1の小当りにおいてプログラム上として設定された最大入賞数は10個、1回の小当りにおける大入賞口の最大開放時間は通じて1.8秒以下である1.2秒(より具体的には、小当りを1回実行する際の大入賞口の開放態様として、「0.2秒開放→0.8秒閉鎖→1秒開放→閉鎖」する一連の開閉動作)に設定されており、いずれかの閉鎖条件が達成した場合に大入賞口を閉鎖するように制御される。ここで、過剰入賞を抑止して出玉設計値との乖離を最小化するために、閉鎖条件の達成後は直ちに閉鎖するように制御することが望ましい。一方、そのように処理した場合でも閉鎖条件達成直後に大入賞口に入球したり、カウントセンサの手前に入賞済み球が滞留している(閉鎖条件の達成後に入賞済み球をカウントセンサが検出する)ことも考えられる。そこで、最大開放時間の経過後、最大入賞数を超えた後のいずれの場合であっても、所定条件下(閉鎖後の所定期間内)に限り、当該入賞を有効な入賞として処理するよう構成することが望ましい。
【0158】
次に、
図31は、本実施形態における、
図10におけるステップ1750のサブルーチンに係る、上遮蔽部材駆動制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1752で、主制御基板MのCPUMCは、小当り実行フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1752でYesの場合、ステップ1754で、主制御基板MのCPUMCは、所定の駆動パターン(本例では、「5秒閉鎖→1秒開放→24秒閉鎖」を繰り返すパターン)にて上遮蔽部材C24の駆動を開始し、次の処理(ステップの1800の処理)に移行する。尚、上遮蔽部材C24の駆動パターンは変更しても問題ないが、本例では、上遮蔽部材C24の開放タイミングと下遮蔽部材C25の開放タイミングとが一致した場合にのみ、遊技球がV入賞口C22に入球可能となるよう構成されているため、開放時間を3秒等の長時間としたり、駆動開始から10秒以上開放しなかったりとして、V入賞口C22に入球不可能には構成しないことが望ましい。他方、ステップ1752でNoの場合、ステップ1756で、主制御基板MのCPUMCは、上遮蔽部材C24を閉鎖状態(初期位置)にして駆動を終了し、次の処理{ステップの3450の処理}に移行する。このように、第2実施形態においては、上遮蔽部材C24は小当り遊技の開始(小当りに係る第2大入賞口C20の開放開始)を契機として駆動を開始し、小当り遊技の終了を契機として駆動を終了するよう構成されており、前記上遮蔽部材C24の開放パターンにて1回駆動するよりも前に小当り遊技が終了し、上遮蔽部材C24の駆動は終了するよう構成されている。尚、小当り遊技には排出待機時間が設けられているため、小当り遊技に係る第2大入賞口C20の開放が終了した以降も、当該排出待機時間が終了するまで小当り遊技は終了しないこととなる。
【0159】
次に、
図32は、本実施形態における、
図10におけるステップ3450のサブルーチンに係る、下遮蔽部材駆動制御処理のフローチャートである。まず、ステップ3452で、主制御基板MのCPUMCは、電源投入後から常時一定の駆動パターン(本例では、「3秒閉鎖→1秒開放」を繰り返すパターン)にて下遮蔽部材C25を駆動し、次の処理{ステップ1950の処理}に移行する。このように、上遮蔽部材C24が小当り遊技の開始を契機として駆動を開始することに対して、下遮蔽部材C25は遊技機の電源投入を契機として駆動を開始するよう構成されている。
【0160】
次に、
図33は、本実施形態における、
図10におけるステップ1950のサブルーチンに係る、V入賞口入球判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1952で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動予約フラグ(後述するステップ1960でオンとなるフラグであり、即ち、排出待機時間中においてV入賞口C22に遊技球が入球した場合にオンとなるフラグ)がオフであるか否かを判定する。ステップ1952でYesの場合、ステップ1954で、主制御基板MのCPUMCは、V入賞口C22への遊技球の入球があったか否かを判定する。ステップ1954でYesの場合、ステップ1956で、主制御基板MのCPUMCは、V入賞口有効期間(小当り遊技の開始タイミングから、当該小当り遊技に係る排出待機時間終了タイミングまでの期間)内であるか否かを判定する。ステップ1956でYesの場合、ステップ1958で、主制御基板MのCPUMCは、V入賞検出コマンド(後述する、V入賞検出演出を実行するためのコマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1960で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動予約フラグをオンにし、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。
【0161】
他方、ステップ1952でNoの場合、ステップ1962で、主制御基板MのCPUMCは、V入賞口有効期間(小当り遊技の開始タイミングから、当該小当り遊技に係る排出待機時間終了タイミングまでの期間)が終了したか否かを判定する。ステップ1962でYesの場合、ステップ1964で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグをオンにし、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。尚、ステップ1954、ステップ1956又はステップ1962でNoの場合にも、次の処理(ステップ1700の処理)に移行する。また、ステップ1956でNoの場合、換言すれば、小当り遊技が実行されていないにも拘わらずV入賞口C22に遊技球が入球する等の不正入球の危険性が高まる場合においては、適宜エラー処理を実行するよう構成しておくことが好適である。尚、V入賞口C22への入球に係る特別遊技のラウンド数は「9R」となっており、「小当り遊技→V入賞口C22への入球に係る特別遊技」の一連の流れを合計すると、小当り遊技に係るラウンド数の「1R」と特別遊技に係るラウンド数の「9R」とで、「10R」となっている。なお、本例では、V入賞口C22(特定領域)へ入球させるラウンドを1Rとして設定していた(つまり、出玉が獲得できるラウンドは、2~10ラウンドの9ラウンド分である)が、V入賞口C22へ入球した後から1Rとして設計してもよい(つまり、1~10ラウンドの10ラウンド分の出玉が獲得できる)。
【0162】
次に、
図34は、
図10におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604及びステップ1606で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1607で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド数カウンタ(不図示)に初期値(本例では、1)をセットする。次に、ステップ1608で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技を開始する旨の情報(特別遊技開始表示指示コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1612に移行する。
【0163】
他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1610で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。
【0164】
次に、ステップ1612で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド継続フラグがオフであるか否か、換言すれば、各ラウンドの開始直前であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、各ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、セットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開放と閉鎖を複数回行うパターン)をセットする。次に、ステップ1616で、主制御基板MのCPUMCは、入賞球カウンタのカウンタ値をゼロクリアする。次に、ステップ1618で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド継続フラグをオンにする。次に、ステップ1620で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放し、特別遊技用タイマ(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば30秒)をセットしてスタートし、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、大入賞口が開放中である場合、ステップ1614~1620の処理を行うことなく、ステップ1622に移行する。
【0165】
次に、ステップ1622で、主制御基板MのCPUMCは、現在の特別遊技中に係る遊技状態コマンド(例えば、現在のラウンド数や遊技球の入賞個数等)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1624で、主制御基板MのCPUMCは、入賞球カウンタのカウンタ値を参照し、当該ラウンドで第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)に所定個数(例えば、10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1624でYesの場合には、ステップ1628に移行する。他方、ステップ1624でNoの場合、ステップ1626で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技用タイマ(特に開放時間タイマ)を参照して大入賞口の開放に係る所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合にも、ステップ1628に移行する。尚、ステップ1626でNoの場合には、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。
【0166】
次に、ステップ1628で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口C20の第2大入賞口電動役物C21d)の駆動を停止して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を閉鎖する。次に、ステップ1630で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技用タイマ(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1632で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1633で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値に1を加算する。次に、ステップ1634で、最終ラウンドが終了したか否か(例えば、ラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値が最大ラウンド数を超過したか否か)を判定する。ステップ1634でYesの場合、ステップ1636で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ1638で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技を終了する旨の情報(特別遊技終了表示指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファにセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。そして、ステップ1650で、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。尚、ステップ1634でNoの場合にも、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。
【0167】
尚、本例では、1の単位遊技(1回のラウンドの実行)においてプログラム上として設定された遊技球の最大入賞数は、10個として設定されており、当該最大入賞数に達した場合には、大入賞口(例えば、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)を直ちに閉鎖するように制御し、最大入賞数を超える遊技球の入賞を阻止する一方、球がみ(大入賞口の閉鎖動作中に遊技球が扉と遊技盤との間で一時的に停留する)等の不測の事態によって最大入賞数を超えた場合でも、所定条件下(閉鎖後の所定期間内)に限り、当該最大入賞数を超えた入賞を有効な入賞として処理するようになっている。
【0168】
より具体的には、大当りにおける第1ラウンドで第1大入賞口C10が開放する場合、第1ラウンドにおいて第1大入賞口C10に所定個数(例えば、10球)の入賞があった場合に第1ラウンドが終了することとなるが、第1ラウンドにおいて第1大入賞口C10に9球の遊技球が入球した状況にて、第1大入賞口C10への10球目の入球と11球目の入球とが略同時に発生することによって、第1ラウンドが終了することとなる所定個数(例えば、10球)を超過した遊技球が第1大入賞口C10に入球した場合でも、入賞を有効として賞球払出を行うように構成されている。一方、大入賞口の駆動機構(ソレノイドや駆動伝達機構)や開閉部(扉等)は、過剰入賞(最大入賞数を超える入賞)を抑止するように、閉鎖処理の実行とリアルタイムに大入賞口が閉鎖し、閉鎖動作直前に複数の遊技球が開閉部材やその近傍に滞留しないよう構造設計、電気設計がなされている。これにより、出玉設計値と乖離した遊技性能となることを抑止しつつ、遊技者に不利となるようなことがないように構成されている。
【0169】
また、1の単位遊技(1回のラウンドの実行)においてプログラム上として設定された最大開放時間は、1の単位遊技を通じて30秒以下となるように設定されており、最大開放時間経過前に大入賞口への遊技球の入賞数が最大入賞数に達した場合には、大入賞口を直ちに閉鎖するように制御し、最大開放時間経過後には、遊技球の入賞を阻止する一方、球がみ(大入賞口の閉鎖動作中に遊技球が扉と遊技盤との間で一時的に停留する)等の不測の事態によって最大開放時間経過後に入賞した場合でも、所定条件下(閉鎖後の所定期間内)に限り、当該入賞を有効な入賞として処理するようになっている。
【0170】
より具体的には、大当りにおける1回のラウンドを実行する際の大入賞口の開放態様として、大当りの種類や単位遊技の回数(実行ラウンド数)に応じて「15秒開放→2秒閉鎖→14.5秒開放→閉鎖」、「29.5秒開放→閉鎖」等、複数の作動パターンのいずれかが設定されるようになっているが、いずれの作動パターンであっても大入賞口が開放している時間の合計が30秒以下となるよう構成され、1回のラウンドにおいて大入賞口の最大開放時間(29.5秒)が経過して、大入賞口の閉鎖処理中に遊技球が入球した場合であっても、有効期間(大入賞口の閉鎖処理終了後から1000ms程度)内であれば入賞を有効として賞球払出を行うように構成されている。一方、大入賞口の駆動機構(ソレノイドや駆動伝達機構)や開閉部(扉等)は、最大開放時間の経過後の入賞を抑止するように、閉鎖処理の実行とリアルタイムに大入賞口が閉鎖し、閉鎖動作直前に複数の遊技球が開閉部材やその近傍に滞留しないよう構造設計、電気設計がなされている。これにより、出玉設計値と乖離した遊技性能となることを抑止しつつ、遊技者に不利となるようなことがないように構成されている。
【0171】
次に、
図35は、
図34におけるステップ1650のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1681‐1で、主制御基板MのCPUMCは、V入賞口C22への入球を契機とした特別遊技終了後ではないか否かを判定する(本実施形態においては、小当り遊技中にV入賞口C22へ遊技球が入球することを契機として、特別遊技が実行されるよう構成されている)。ステップ1681‐1でYesの場合、ステップ1681‐2で、主制御基板MのCPUMCは、停止図柄が時短大当り図柄(特別遊技の実行終了後に時間短縮遊技状態に移行する大当り図柄であり、本例では、4B・5A・5B・7A・7B)であるか否かを判定する。ステップ1681‐2でYesの場合、ステップ1681‐5に移行する。他方、ステップ1681‐1でNoの場合、ステップ1681‐4で、主制御基板MのCPUMCは、時短小当り図柄(特別遊技の実行終了後に時間短縮遊技状態に移行することとなる、当該特別遊技への移行契機となる小当り図柄であり、本例では、7AK(例えば、fghが点灯)・7BK(例えば、pqrが点灯))を契機とした特別遊技終了後であるか否かを判定する。ステップ1681‐4でYesの場合にはステップ1681‐5に移行する。
【0172】
次に、ステップ1681‐5で、主制御基板MのCPUMCは、時短回数カウンタのカウンタ値に所定回数(本例では、100回)をセットする。次に、ステップ1681‐6及びステップ1681‐7で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技時短フラグ及び補助遊技時短フラグをオンにし、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。尚、ステップ1681‐2でNoの場合、換言すると、停止図柄が時短大当り図柄である4Aの場合、又は、ステップ1681‐4でNoの場合、換言すると、時短小当り図柄である2BK(例えば、oqrが点灯)を契機とした特別遊技終了後である場合にも、次の処理(ステップ1601の処理)に移行する。
【0173】
また、本例においては、大当りの終了に基づいてのみ電サポ遊技状態(普通電動役物に係る入賞口の開放等の時間、開放等までの時間、開放等の回数及び普通電動役物が作動することとなる図柄の組合せが表示される確率を入賞が容易となるように変動させる状態であり、時間短縮遊技状態、補助遊技時間短縮遊技状態とも称することがある)に新たに移行し、当該状態は、予め定められた所定回(例えば、100回)の主遊技図柄の変動が行われるまで(所定回目の主遊技図柄の変動が終了するまで)の間に限られている。更に、他の入賞口への入賞と合わせて獲得される遊技球数が、発射された遊技球数と略同じ(出玉率が1を超えない)か、それ以下となるように電サポ遊技状態中の出玉設計(各入賞口の配置や普通電動役物の作動内容、補助遊技図柄の当り確率等が設計)されており、電サポ遊技状態の出玉性能が、大当り遊技の出玉性能よりも高くならないようになっている。このように構成することで、主遊技図柄に関する遊技と補助遊技図柄に関する遊技とが遊技上の主従関係となり、遊技が必要以上に複雑化しない。
【0174】
次に、
図36は、
図10におけるステップ1550のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1552で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1552でYesの場合、ステップ1554で、主制御基板MのCPUMCは、特定遊技フラグ(主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)をオフにする。次に、ステップ1558で、主制御基板MのCPUMCは、時短回数カウンタの値をクリアする。次に、ステップ1560で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグをオンにする。次に、ステップ1562で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグをオフにし、次の処理(ステップ1550‐1の処理)に移行する。尚、ステップ1552でNoの場合も、次の処理(ステップ1550‐1の処理)に移行する。
【0175】
次に、
図37は、
図10におけるステップ1900のサブルーチンに係る、不正検知情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ1902で、主制御基板MのCPUMCは、不正電波センサを参照し、不正電波センサからの入力が所定回数連続でONであるか否かを判定する(例えば、当該処理はタイマ割り込み処理にて実行される処理であり、所定回数の割り込みにおいて連続でONとなっているか否かを判定することで、ノイズの影響を除去する趣旨である、尚、以下、同図におけるの処理にて「所定回数連続で」という場合には、同様の趣旨である)。ステップ1902でYesの場合、ステップ1904で、主制御基板MのCPUMCは、不正電波が検出されたと判定し、不正電波検出フラグをオンにし、ステップ1912に移行する。他方、ステップ1902でNoの場合、ステップ1906で、主制御基板MのCPUMCは、不正電波センサを参照し、不正電波センサからの入力が所定回数連続でOFFであるか否かを判定する。ステップ1906でYesの場合、ステップ1908で、主制御基板MのCPUMCは、不正電波の検出が終了したと判定し、不正電波検出フラグをオフにし、ステップ1912に移行する。尚、ステップ1906でNoの場合にも、ステップ1912に移行する。
【0176】
次に、ステップ1912で、主制御基板MのCPUMCは、不正磁気センサを参照し、不正磁気センサからの入力が所定回数連続でONであるか否かを判定する。ステップ1912でYesの場合、ステップ1914で、主制御基板MのCPUMCは、不正磁気が検出されたと判定し、不正磁気検出フラグをオンにし、ステップ1922に移行する。他方、ステップ1912でNoの場合、ステップ1916で、主制御基板MのCPUMCは、不正磁気センサを参照し、不正磁気センサからの入力が所定回数連続でOFFであるか否かを判定する。ステップ1916でYesの場合、ステップ1918で、主制御基板MのCPUMCは、不正磁気の検出が終了したと判定し、不正磁気検出フラグをオフにし、ステップ1922に移行する。尚、ステップ1916でNoの場合にも、ステップ1922に移行する。
【0177】
次に、ステップ1922で、主制御基板MのCPUMCは、扉開放センサを参照し、扉開放センサからの入力が所定回数連続でONであるか否かを判定する。ステップ1922でYesの場合、ステップ1924で、主制御基板MのCPUMCは、扉ユニットD18が開放されたと判定し、扉開放中フラグをオンにし、ステップ1932に移行する。他方、ステップ1922でNoの場合、ステップ1926で、主制御基板MのCPUMCは、扉開放センサを参照し、扉開放センサからの入力が所定回数連続でOFFであるか否かを判定する。ステップ1926でYesの場合、ステップ1928で、主制御基板MのCPUMCは、扉ユニットD18が開放されたと判定し、扉開放中フラグをオフにし、ステップ1932に移行する。尚、ステップ1926でNoの場合にも、ステップ1932に移行する。
【0178】
次に、ステップ1932で、主制御基板MのCPUMCは、枠開放センサを参照し、枠開放センサからの入力が所定回数連続でONであるか否かを判定する。ステップ1932でYesの場合、ステップ1934で、主制御基板MのCPUMCは、遊技機枠Dが開放されたと判定し、枠開放中フラグをオンにし、次の処理(ステップ1950‐1の処理)に移行する。他方、ステップ1932でNoの場合、ステップ1936で、主制御基板MのCPUMCは、枠開放センサを参照し、枠開放センサからの入力が所定回数連続でOFFであるか否かを判定する。ステップ1936でYesの場合、ステップ1938で、主制御基板MのCPUMCは、遊技機枠Dが開放されたと判定し、枠開放中フラグをオフにし、次の処理(ステップ1950‐1の処理)に移行する。尚、ステップ1936でNoの場合にも、次の処理(ステップ1950‐1の処理)に移行する。
【0179】
次に、
図38は、
図10におけるステップ1950‐1のサブルーチンに係る、エラー管理処理のフローチャートである。まず、ステップ1952‐1で、主制御基板MのCPUMCは、エラー発生条件が充足されたか否かを判定する。ステップ1952‐1でYesの場合、ステップ1954‐1で、主制御基板MのCPUMCは、エラーが発生した旨及びエラー種別情報に係るコマンド(副制御基板S側へのコマンド)を送信する(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)。次に、ステップ1956‐1で、主制御基板MのCPUMCは、エラー解除条件が充足されたか否かを判定する。ステップ1956‐1でYesの場合、ステップ1958‐1で、主制御基板MのCPUMCは、エラーが解除された旨の情報に係るコマンド(副制御基板S側へのコマンド)を送信(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、次の処理(ステップ1550‐7の処理)に移行する。尚、ステップ1952‐1又はステップ1956‐1でNoの場合にも次の処理(ステップ1550‐7の処理)に移行する。
【0180】
次に、
図39は、
図10におけるステップ1550‐7のサブルーチンに係る、発射制御信号出力処理のフローチャートである。まず、ステップ1550‐7‐1で、主制御基板MのCPUMCは、払出制御基板(賞球払出制御基板KHと称することがある)と通信状態(BIT0)及び断線短絡電源異常(BIT1)を示すエラーフラグを取得する。通信状態を示すBIT0は、「00000000B」であれば正常を示し、「00000001B」であれば異常を示す。断線短絡電源異常を示すBIT1では、「00000000B」であれば正常を示し、「00000010B」であれば異常を示す。次に、ステップ1550‐7‐2で、主制御基板MのCPUMCは、ステップ1550‐7‐1で取得したエラーフラグと、判定データ(「00000011B」)の論理積を算出する。次に、ステップ1550‐7‐3で、主制御基板MのCPUMCは、発射許可信号ビットデータをセットする。例えば、出力ポートのBIT5が発射許可信号を示しており、「00000000B」であればエラー(異常)を示し、「00100000B」であれば正常を示す。次に、ステップ1550‐7‐4で、主制御基板MのCPUMCは、出力ポートへ出力し、次の処理(ステップ1550‐8の処理)に移行する。ここで出力ポートは、例えば、BIT0がデジット1ビットデータ、BIT1がデジット2ビットデータ、BIT2がデジット3ビットデータ、BIT3がデジット4ビットデータ、BIT4がデジット5ビットデータ、BIT5が発射許可信号ビットデータ、BIT6が演出ストローブビットデータ、BIT7がセキュリティビットのように構成されている。
【0181】
次に、
図40は、
図10におけるステップ3500のサブルーチンに係る、外部信号出力処理のフローチャートである。まず、ステップ3502で、主制御基板MのCPUMCは、遊技状態一時記憶手段MBを参照し、遊技機の状態を確認する。次に、ステップ3504で、主制御基板MのCPUMCは、外部端子送信内容決定テーブル1を参照して、当該確認した遊技機の状態に基づき、外部中継端子板Gを介して、ホールコンピュータHCに遊技機の状態を示す信号を出力し、次の処理(ステップ1550‐10の処理)に移行する。
【0182】
(外部中継端子板)
ここで、同図下段(信号出力のイメージ図)を参照しながら、本実施形態に係る外部中継端子板Gを介しての信号出力について説明する。外部中継端子板Gには、各種ケーブルコネクタが接続される出力端子部としての複数の外部接続端子{例えば、賞球払出に関する情報、入賞や図柄停止に関する情報、現在の遊技状態(通常遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態等)に関する情報を出力するための遊技状態情報出力用の端子、扉が開放している際に開放検知センサ等によって検出される各種エラー情報を出力するためのエラー情報出力用の端子等}が設けられている。そして、後述するように、当該複数の出力端子は、ケーブルハーネスによってホールコンピュータHCと結線されることで、当該複数の出力端子からホールコンピュータHCへ情報出力可能に構成されている。ここで、本実施形態においては、賞球払出制御基板KHから出力される情報であって複数種類の情報である払出関連情報の出力用端子として、一の出力端子が割り当てられている。尚、当該一の出力端子以外の出力端子は主制御基板Mから出力される信号の出力用端子であり、例えば、大当り時に大当りの間信号を出力する大当り出力用端子(大当りの種類によって複数あり)、ガラス扉D18が開放している間信号を出力する扉開放出力用端子、始動口に入賞した際に信号を出力する始動口入賞時出力用端子、賞球タンクKTに球が不足している間信号を出力する球切れ時出力用端子、特別図柄確定停止時に信号を出力する特別図柄確定回数用出力用端子等のように、遊技場運営者側にとって重要な情報である遊技関連情報の出力用端子である。即ち、当該払出関連情報の出力用端子を一の出力端子とすることで、これら重要な遊技関連情報の出力用端子が枯渇してしまうことを回避できるよう構成されているのである。
【0183】
また、本実施形態においては、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHは、外部中継端子板Gに対して遊技関連情報及び払出関連情報を一方向シリアル送信の形で送信するよう構成されている。即ち、外部中継端子板Gから主制御基板M及び賞球払出制御基板KHへは送信線が設けられていないのである(外部中継端子板GからホールコンピュータHCへの情報送信も同様)。
【0184】
ここで、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の情報伝達方式についての概略を説明すると、まず、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHと外部中継端子板Gとの間、並びに外部中継端子板GとホールコンピュータHCとの間はケーブルハーネスによって結線されている。他方、本例に示すように、外部中継端子板Gは通信用継電器(所謂、リレー)によって構成されているため、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHとホールコンピュータHCとは常時導通している訳ではない。即ち、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHから外部中継端子板Gの入力端子に入力された電気的な信号(電圧がHiレベル/Lowレベルである2値論理の信号)が、当該リレー部によって一旦物理的な信号(スイッチ状態がオン/オフである2値論理の信号)に置き換えられた上で、外部中継端子板Gの出力端子からホールコンピュータHCへと出力されるのである。より具体的には、外部中継端子板Gは、夫々の入出力端子と対応した複数のリレーコイルG1及び接点部G2を有している。そして、入力端子に入力されたパルス信号に基づきリレーコイルG1を励磁すると磁力が発生し、当該発生した磁力によって接点部G2が閉状態となることで、出力端子とホールコンピュータHCが導通する。また、リレーコイルG1を消磁した場合には、接点部G2が開状態に復帰することで、出力端子とホールコンピュータHCが導通しなくなる。よって、ホールコンピュータHC側では、当該導通した期間を検出することで、外部中継端子板Gの入力端子に入力されたパルス信号と略同一のパルス信号を得ることができるのである。このような構成となっているため、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHからホールコンピュータHCへの一方向通信を物理的に担保することができ、ホールコンピュータHC側から主制御基板M及び賞球払出制御基板KHを不正に操作するゴト行為(所謂、遠隔操作ゴト)を防止しているのである。尚、本例では、リレーコイルを用いた機構によって、ゴト行為を防止しつつ、ホールコンピュータHCへの一方向通信を可能に構成したが、これには限定されず、例えば、一対の発光部と受光部を持つフォトセンサによっても、一方向通信を可能に構成する(例えば、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHに接続された発光部からの光を、ホールコンピュータHCに接続された受光部で読み取ることで、信号を受信する)ことができることを補足しておく。
【0185】
しかしながら、一旦物理的な信号(スイッチ状態がオン/オフ)に置き換えられる構成となるため、主制御基板M及び賞球払出制御基板KHからホールコンピュータHCに対して、外部中継端子板Gにおける一の入出力端子を用いて複雑な情報を送信することは困難であり、当該一の入出力端子を用いて一の種類の情報を送信する(例えば、特別図柄確定回数用出力用端子であれば、「特別図柄の1変動が終了」した旨の情報のみを送信可能とする)よう構成することが通例となっている。
【0186】
次に、
図41~
図52のフローチャートを参照しながら、賞球払出制御基板KH側での処理を詳述することとする。
【0187】
まず、
図41は、賞球払出制御基板KH側で実行されるメインルーチン4000のフローチャートである。はじめに、ステップ4100で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、後述する異常検出時エラー制御処理を実行する。次に、ステップ4200で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、主制御基板Mとの間での、後述する賞球払出関連情報送受信処理を実行する。次に、ステップ4300で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、後述する賞球払出制御処理(賞球払出開始・モータ駆動開始時)を実行する。次に、ステップ4400で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、後述する賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)を実行する。次に、ステップ4500で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、後述する賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)を実行する。そして、ステップ4600で、払出制御基板(払出制御手段)KHは、後述するモータエラー時処理を実行し、ステップ4100に移行する。
【0188】
ここで、同図右のブロック図を参照しながら、本実施形態における遊技機の、賞球払出制御基板KHは、主制御基板M側やカードユニットR側等とのコマンド・情報の送受信の制御を司る送受信制御手段3100と、賞球払出制御基板KH側での払出等に関連したエラーの制御を実行するエラー制御手段3200と、賞球払出コマンドや貸球コマンドを受けて所定数の遊技球の払出処理を実行する払出制御手段3300と、を有している。以下、各手段について詳述する。
【0189】
まず、送受信制御手段3100は、主制御基板MやカードユニットRからの情報(例えば、コマンドや信号)の受信制御を司る受信制御手段3110と、主制御基板MやカードユニットRへの情報の送信制御を司る送信制御手段3120と、を有している。
【0190】
ここで、受信制御手段3110は、主制御基板Mからの情報(例えば、コマンド)の受信制御を司るメイン側受信制御手段3111を更に有している。そして、メイン側受信制御手段3111は、主制御基板M側から送信されてきた情報が一時記憶されるメイン側受信情報一時記憶手段3111aを更に有している。また、送信制御手段3120は、主制御基板M側に送信するための払出動作に係るエラー情報が一時記憶される払出関連エラー情報一時記憶手段3121を更に有している。
【0191】
次に、エラー制御手段3200は、賞球払出制御基板KH側での払出等のエラーフラグのオン・オフ状態を一時記憶するためのエラーフラグ一時記憶手段3221と、払出モータ動作異常が検出された際のエラー制御を司る払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230と、払出異常が検出された際のエラー制御を司る払出異常検出時エラー制御手段3240と、球経路異常が検出された際のエラー制御を司る球経路異常検出時エラー制御手段3250と、払出モータ異常が検出された際のエラー制御を司る払出モータ異常検出時エラー制御手段3260と、賞球払出動作に係る致命的な異常が検出された際のエラー制御を司る要払出停止異常検出時エラー制御手段3270と、賞球払出ユニットKE10の玉噛みエラーが発生した場合に当該エラー報知の期間を管理する玉噛みエラー発生タイマ3200tと、払出カウントセンサKE10sの未通過エラーが発生した場合に当該エラー報知の期間を管理する未通過エラー発生タイマ3200t2と、を更に有している。ここで、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、払出モータ動作異常が検出された回数を累積してカウントするための不正払出累積カウンタ3231を更に有している。また、払出異常検出時エラー制御手段3240は、過剰な賞球の払出個数を累積してカウントするための過剰払出累積カウンタ3241を更に有している。また、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、賞球払出に係る払出間隔の時間延長処理を実行する払出間隔延長制御手段3251を更に有している。また、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、払出モータKE10mの異常動作解消を図るための再試行動作(リトライ動作)を実行するリトライ動作制御手段3261を更に有している。
【0192】
次に、払出制御手段3300は、払出処理の際に必要な情報を一時記憶するための払出処理関連情報一時記憶手段3310を有している。ここで、払出処理関連情報一時記憶手段3310は、払出に関連した状態(例えば、払出中か否か・払出異常が発生しているか否か)を一時記憶するための払出状態フラグ一時記憶手段3311と、払出処理時に、払い出されるべき遊技球数がセットされる払出カウンタと、払出モータKE10mの駆動されるべきステップ数を一時記憶するためのステップカウンタ一時記憶手段と、払出モータKE10mが駆動されている際、励磁されているステータの位置情報を一時記憶するための励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段3314と、1回の連続払出動作(単位払出動作)後における所定時間(球通過待ち時間・モータ休止時間)を計時するための球通過待ちタイマ3315と、単位払出動作によって払出されるべき遊技球数がセットされる単位払出カウンタ3317と、を更に有している。ここで、本実施形態においては、球通過待ちタイマ3315はデクリメント方式のタイマであり、タイマ値が0となった時点で停止するよう構成されているが、これには限定されず、インクリメント方式のタイマを用いて構成することも可能である。以下、各サブルーチンを詳述することとする。
【0193】
次に、
図42は、
図41のステップ4100のサブルーチンに係る、異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、ステップ4110で、エラー制御手段3200は、後述する払出モータ動作異常検出時エラー制御処理を実行する。次に、ステップ4120で、エラー制御手段3200は、後述する払出異常検出時エラー制御処理を実行する。次に、ステップ4140で、エラー制御手段3200は、後述する球経路異常検出時エラー制御処理を実行する。次に、ステップ4170で、エラー制御手段3200は、後述する払出モータ異常検出時エラー制御処理を実行する。次に、ステップ4190で、エラー制御手段3200は、後述する要払出停止異常検出時エラー制御処理を実行し、次の処理(ステップ4200の賞球払出関連情報送受信処理)へ移行する。
【0194】
次に、
図43は、
図42のステップ4110のサブルーチンに係る、払出モータ動作異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、後述する払出モータ動作異常を検出した場合には、当該異常発生回数をカウントすることと、当該異常発生回数が閾値以上となった場合には、エラー発生を示すフラグをオンにすることである。まず、ステップ4111で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、払出モータ動作異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、後述するように、払出モータ動作異常検出フラグは、賞球払出制御基板KH側での賞球払出処理を実行していない状況下で、払出カウントセンサKE10sにて遊技球の通過を検出した場合(払出モータ動作異常)にオンとなるフラグである。ステップ4111でYesの場合、ステップ4112で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、払出モータ動作異常検出フラグをオフにする。次に、ステップ4113で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、不正払出累積カウンタ3231のカウンタ値を1加算(インクリメント)する。次に、ステップ4114で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、不正払出累積カウンタ3231のカウンタ値を参照し、当該カウント値が所定数(例えば、25)以上であるか否かを判定する。ステップ4114でYesの場合、ステップ4115で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の払出モータ動作エラーフラグをオンにし、ステップ4116へ移行する。尚、ステップ4111又はステップ4114でNoの場合にも、ステップ4116へ移行する。
【0195】
次に、ステップ4116で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、払出モータ動作エラーフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4116でYesの場合、ステップ4119で、払出モータ動作異常検出時エラー制御手段3230は、払出関連エラー情報として払出モータ動作エラーを、払出関連エラー情報一時記憶手段3121にセットし、次の処理(ステップ4120の払出異常検出時エラー制御処理)へ移行する。尚、ステップ4116でNoの場合にも、次の処理(ステップ4120の払出異常検出時エラー制御処理)へ移行する。
【0196】
次に、
図44は、
図42のステップ4120のサブルーチンに係る、払出異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、後述する払出異常を検出した場合には、当該異常に起因した過剰な遊技球の払出数をカウントすることと、当該カウント数が閾値以上となった場合には、エラー発生を示すフラグをオンにすることである。まず、ステップ4121で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、払出異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、後述するように、払出異常検出フラグは、主制御基板M側から送信されたコマンドに基づく所定の賞球払出数を超過して、過剰な遊技球の払出が検出された場合(払出異常)にオンとなるフラグである。ステップ4121でYesの場合、ステップ4122で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、払出異常検出フラグをオフにする。次に、ステップ4123で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、払出処理関連情報一時記憶手段3310に一時記憶されている過剰払出数を取得すると共に、当該過剰払出数を過剰払出累積カウンタ3241に加算する。次に、ステップ4124で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、過剰払出累積カウンタ3241のカウンタ値を参照し、当該カウント値が所定数(例えば、25)以上であるか否かを判定する。ステップ4124でYesの場合、ステップ4125で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の過剰払出エラーフラグをオンにし、ステップ4126へ移行する。尚、ステップ4121又はステップ4124でNoの場合にも、ステップ4126へ移行する。尚、当該過剰払出エラー(過剰払出エラーフラグがオンである状態)は、電源の再投入によってのみ、解消されるよう構成されているが、本例はあくまで一例であり、これには限定されず、例えば、エラー解除スイッチの押下や、所定時間経過、等によって当該エラーが解消されるよう構成してもよい。
【0197】
次に、ステップ4126で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、過剰払出エラーフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4126でYesの場合、ステップ4129で、払出異常検出時エラー制御手段3240は、払出関連エラー情報として過剰払出エラーを、払出関連エラー情報一時記憶手段3121にセットし、次の処理(ステップ4140の球経路異常検出時エラー制御処理)へ移行する。尚、ステップ4126でNoの場合にも、次の処理(ステップ4140の球経路異常検出時エラー制御処理)へ移行する。
【0198】
次に、
図45は、
図42のステップ4140のサブルーチンに係る、球経路異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、後述する球経路異常を検出した場合には、(1)賞球タンクKT又は賞球払出ユニットKE10内に遊技球が存在していない(球切れ)異常が発生したか、又は賞球払出ユニットKE10内に存在する遊技球が少量である(球不足)異常が発生したかを調査すると共に、当該球切れ異常又は球不足異常に相当する異常を検出した場合には、エラー発生を示すフラグをオンにすることである。また、(2)球切れ異常又は球不足異常に相当する異常を検出した場合には、賞球払出の払出間隔を延長することで、球切れ異常又は球不足異常が解消されるまでの待ち時間を作り出すことである。まず、ステップ4141で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、球経路異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、後述するように、球経路異常検出フラグは、賞球払出制御基板KH側で予定されている所定個数の払出動作(単位払出動作)実行終了時であって、モータ駆動が正常に動作していると判断されている状況下において、当該払出が予定されている所定個数に満たない状況が検出された場合にオンとなるフラグである。ステップ4141でYesの場合、ステップ4142で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、球経路異常検出フラグをオフにする。次に、ステップ4143で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、球切れ異常又は球不足異常の発生条件を充足しているか否かを判定する。ここで、球切れ異常又は球不足異常の発生条件には特に限定されないが、例えば、賞球タンクKT又は賞球払出ユニットKE10内の所定の位置に遊技球の検出センサを設け、当該検出センサで遊技球の存在を検出できない場合に球切れ異常が発生している条件とする例や、賞球払出ユニットKE10内のスプロケットの直上における球流路(本例では、2条の球流路が存在)の夫々に遊技球の検出センサを設け、当該検出センサの何れかで遊技球の存在を検出できない場合に球不足異常が発生している条件とする例を挙げることができる。ステップ4143でYesの場合、ステップ4144で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の球経路エラーフラグをオンにする。そして、ステップ4146で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、払出関連エラー情報として球経路エラーを、払出関連エラー情報一時記憶手段3121にセットし、ステップ4151へ移行する。尚、ステップ4141又はステップ4143でNoの場合にも、ステップ4151へ移行する。
【0199】
次に、ステップ4151で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、球経路エラーフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4151でYesの場合、ステップ4152で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、球切れ異常又は球不足異常の解消条件を充足しているか否かを判定する。ここで、球切れ異常又は球不足異常の解消条件には特に限定されず、前述の球切れ異常又は球不足異常の発生条件が未充足となった場合に当該異常が解消された条件とする例を挙げることができる。ステップ4152でYesの場合、ステップ4153で、球経路異常検出時エラー制御手段3250は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の球経路エラーフラグをオフにする。そして、ステップ4155で、払出間隔延長制御手段3251は、通常動作時における励磁タイミング(例えば、3ms×8ステップ=24msに1個の速度で所定個数の払出動作を行うよう連続して励磁)や球通過待ち時間(例えば、500ms)を設定し、次の処理(ステップ4170の払出モータ異常検出時エラー制御処理)へ移行する。他方、ステップ4152でNoの場合、ステップ4156で、払出間隔延長制御手段3251は、通常動作時と比較して相対的に球1個の払出速度が低速となるよう励磁タイミングや球通過待ち時間を変更し、次の処理(ステップ4170の払出モータ異常検出時エラー制御処理)へ移行する。尚、ステップ4151でNoの場合にも、次の処理(ステップ4170の払出モータ異常検出時エラー制御処理)へ移行する。ここで、当該変更する励磁タイミングには特に限定されないが、例えば、3ms×8ステップ=24msに1個の速度で球1個分の払出動作を実行した後、所定時間(例えば5秒)の待ち時間を設け、当該待ち時間経過後に、再度3ms×8ステップ=24msに1個の速度で払出動作を実行するよう励磁タイミングを変更する例を挙げることができる。また、当該変更する球通過待ち時間にも特に限定されない(例えば、500msから30秒へ変更)。
【0200】
次に、
図46は、
図42のステップ4170のサブルーチンに係る、払出モータ異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、後述する払出モータ異常を検出した場合には、エラー発生を示すフラグをオンにすると共に、払出モータ(賞球払出ユニットKE10内のステッピングモータKE10m)のリトライ動作への切替制御処理を実行することである。まず、ステップ4171で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、払出モータ異常検出フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、後述するように、払出モータ異常検出フラグは、球がみ等の外的要因により、モータ駆動が正常に動作していないと判断された場合にオンとなるフラグである。ステップ4171でYesの場合、ステップ4172で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内の払出モータ異常検出フラグをオフにする。次に、ステップ4173で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の払出モータエラーフラグをオンにする。次に、ステップ4175で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、払出関連エラー情報として払出モータエラーを、払出関連エラー情報一時記憶手段3121にセットする。そして、ステップ4176で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内のリトライ動作実行待機フラグをオンにして、ステップ4177へ移行する。尚、ステップ4171でNoの場合にも、ステップ4177へ移行する。ここで、リトライ動作実行待機フラグとは、後述するモータエラーが発生した後の所定時間はリトライ動作を待機状態とし、当該所定時間内でのモータエラーの解消待ち時間を設けるためのフラグである。
【0201】
次に、ステップ4177で、払出モータ異常検出時エラー制御手段3260は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、払出モータエラーフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4177でYesの場合、ステップ4178で、リトライ動作制御手段3261は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、リトライ動作実行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4178でYesの場合、ステップ4179で、リトライ動作制御手段3261は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内のリトライ動作実行許可フラグをオフにする。次に、ステップ4180で、リトライ動作制御手段3261は、リトライ動作時における所定のステップ数を、ステップカウンタ一時記憶手段内のステップカウンタ値(n)としてセットする。ここで、リトライ動作時における所定のステップ数には特に限定されないが、後述するリトライ動作時におけるロータ位置確認センサKE10msの確認タイミングと同数としておく例を挙げることができる。次に、ステップ4181で、リトライ動作制御手段3261は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段3314内の励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として0をセットする。次に、ステップ4182で、リトライ動作制御手段3261は、ステッピングモータ動作に係るリトライ動作用の励磁方式(例えば、周知の1‐2相励磁方式)とリトライ動作用の1ステップの切替速度(例えば、6ms)を設定する。次に、ステップ4183で、リトライ動作制御手段3261は、ステッピングモータ動作に係る球通過待ち時間・モータ休止時間として所定値(例えば、500ms)を、球通過待ちタイマ3315にセットする。次に、ステップ4184で、リトライ動作制御手段3261は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内のリトライ動作実行中フラグをオンにする。そして、ステップ4185で、リトライ動作制御手段3261は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内のモータ駆動中フラグをオンにして、次の処理(ステップ4190の要払出停止異常検出時エラー制御処理)に移行する。尚、ステップ4177又はステップ4178でNoの場合にも、次の処理(ステップ4190の要払出停止異常検出時エラー制御処理)に移行する。
【0202】
次に、
図47は、
図42のステップ4190のサブルーチンに係る、要払出停止異常検出時エラー制御処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、賞球払出処理の続行に係る致命的な異常を検出した場合には、エラー発生を示すフラグをオンにすると共に、当該賞球払出処理の続行に係る致命的な異常が解消されるまで賞球払出処理の続行を不能とすることである。ここで、賞球払出処理の続行に係る致命的な異常とは、主制御基板Mと賞球払出制御基板KH間の通信異常、カードユニットRと賞球払出制御基板KH間の通信異常、払出カウントセンサKE10sのセンサ異常、受け皿(上皿)満タン異常等が挙げられる。まず、ステップ4191‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、払出モータエラーフラグがオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ4191‐1でYesの場合、ステップ4191‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、玉噛みエラー発生タイマ3200tにエラー継続時間(例えば、120秒)をセットしてスタートさせ、ステップ4192‐1に移行する。他方、ステップ4191‐1でNoの場合、ステップ4191‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、玉噛みエラー発生タイマ3200tを参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ4191‐3でYesの場合、ステップ4191‐4で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内にある、払出モータエラーフラグをオフにし、ステップ4192‐1に移行する。他方、ステップ4191‐3でNoの場合にも、ステップ4192‐1に移行する。
【0203】
次に、ステップ4192‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、スイッチ未通過エラー検出フラグがオフからオンに切り替わったか否かを判定する。ステップ4192‐1でYesの場合、ステップ4192‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、未通過エラー発生タイマ3200t2にエラー継続時間(例えば、120秒)をセットしてスタートさせ、ステップ4193‐1に移行する。他方、ステップ4192‐1でNoの場合、ステップ4192‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、未通過エラー発生タイマ3200t2を参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ4192‐3でYesの場合、ステップ4192‐4で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内にある、スイッチ未通過エラーフラグをオフにし、ステップ4193‐1に移行する。他方、ステップ4192‐3でNoの場合にも、ステップ4193‐1に移行する。
【0204】
次に、ステップ4193‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラー解除スイッチKH3aが押下されたか否かを判定する。ステップ4193‐1でYesの場合、ステップ4193‐2~ステップ4193‐5で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、当該エラー解除スイッチKH3aの押下をエラー解除条件に含むエラーに係るフラグ(例えば、払出モータ動作エラーフラグ、払出動作未完了時遊技球検出フラグ、払出モータエラーフラグ、スイッチ未通過エラー検出フラグ)をオフにし、ステップ4194‐1に移行する。他方、ステップ4193‐1でNoの場合にも、ステップ4194‐1に移行する。
【0205】
次に、ステップ4194‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、主制御基板Mと賞球払出制御基板KH間の通信異常が検出されたか否かを判定する。ステップ4194‐1でYesの場合、ステップ4194‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の通信エラーフラグをオンにして、ステップ4195‐1へ移行する。他方、ステップ4194‐1でNoの場合、ステップ4194‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の通信エラーフラグをオフにして、ステップ4195‐1へ移行する。
【0206】
次に、ステップ4195‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、払出カウントセンサKE10sのセンサ異常(例えば、カウントセンサからの入力が無い、又は、所定時間以上、入力値が一定である、等)が検出されたか否かを判定する。ステップ4195‐1でYesの場合、ステップ4195‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の賞球装置エラーフラグをオンにして、ステップ4196‐1へ移行する。他方、ステップ4195‐1でNoの場合、ステップ4195‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の賞球装置エラーフラグをオフにして、ステップ4196‐1へ移行する。
【0207】
次に、ステップ4196‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、受け皿(上皿)満タン異常が検出されたか否かを判定する。ステップ4196‐1でYesの場合、ステップ4196‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の受け皿満タンエラーフラグをオンにする。次に、ステップ4196‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、副制御基板S側への、受け皿満タンコマンドを送信して、ステップ4197‐1へ移行する。他方、ステップ4196‐1でNoの場合、ステップ4196‐4で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の受け皿満タンエラーフラグをオフにする。次に、ステップ4196‐5で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、副制御基板S側への、受け皿満タン解除コマンドを送信して、ステップ4197‐1へ移行する。
【0208】
次に、ステップ4197‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、カードユニットRの接続異常が検出されたか否かを判定する。ステップ4197‐1でYesの場合、ステップ4197‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内のCRユニット未接続エラーフラグをオンにして、ステップ4198‐1へ移行する。他方、ステップ4197‐1でNoの場合、ステップ4197‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221内のCRユニット未接続エラーフラグをオフにして、ステップ4198‐1へ移行する。
【0209】
次に、ステップ4198‐1で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、払出動作停止に係るエラーの一部(例えば、過剰払出エラー、賞球装置エラー、払出モータ動作エラー、払出動作未完了時遊技球検出、払出モータエラー、スイッチ未通過エラー)に関するすべてのフラグがオフであるか否かを判定する。
【0210】
ステップ4198‐1でYesの場合、ステップ4198‐2で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、通信エラーフラグ、賞球装置エラーフラグ、受け皿満タンエラーフラグ、CRユニット未接続エラーフラグの全てのエラーフラグがオフであるか否かを判定する。ステップ4198‐2でYesの場合、ステップ4198‐3で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、払出制御手段3300における通常の払出動作を実行(即ち、後述するステップ4198‐4で払出動作を一時停止している場合において、当該払出動作を再開)し、次の処理(ステップ4200の処理)に移行する。他方、ステップ4198‐1又はステップ4198‐2でNoの場合、ステップ4198‐4で、要払出停止異常検出時エラー制御手段3270は、払出制御手段3300における払出動作を強制的に一時停止し、次の処理(ステップ4200の処理)に移行する。
【0211】
次に、
図48は、
図41のステップ4200のサブルーチンに係る、賞球払出関連情報受信処理(対主制御基板)のフローチャートである。ここで、当該フローの前半が主制御基板Mからの情報受信処理(及びこれに伴う賞球払出数のセット処理)であり、当該フローの後半が主制御基板Mへの情報送信処理である。そこで、前半の主制御基板Mからの情報受信処理(及びこれに伴う賞球払出数のセット処理)から説明すると、まず、ステップ4205で、メイン側受信制御手段3111は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、賞球払出中フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、「賞球払出中フラグ」とは、払出制御側での賞球払出処理が実行中の場合(払出装置の払出モータが駆動動作中である場合や、球通過待ち時間・モータ休止時間中である場合)にオンになるフラグである。ステップ4205でYesの場合、ステップ4210で、メイン側受信制御手段3111は、メイン側受信情報一時記憶手段3111aを参照し、賞球払出コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ4210でYesの場合、ステップ4215で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出開始許可フラグをオンにする。次に、ステップ4220で、払出制御手段3300は、メイン側受信情報一時記憶手段3111aに一時記憶されている賞球払出コマンド情報に基づき、今回払い出されるべき賞球払出数を導き、当該賞球払出数情報を払出カウンタにセットし、次の処理(ステップ4225)に移行する。以上で、通常の賞球払出処理が実行される際の、賞球払出数のセット処理を終了する。尚、ステップ4205及びステップ4210でNoの場合にも次の処理(ステップ4225)に移行する。
【0212】
次に、主制御基板Mへの情報送信処理を説明すると、まず、ステップ4225で、送信制御手段3120は、エラーフラグ一時記憶手段3221を参照し、払出関連エラー送信フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、「払出関連エラー送信フラグ」とは、前述のような払出関連エラー{払出モータ動作エラー、過剰払出エラー、球切れエラー、球不足エラー、払出モータエラー、払出停止エラー}が発生した際にオンとなり、当該エラー報知が主制御基板M側になされた後にオフとなるフラグである。ステップ4225でYesの場合、ステップ4230で、エラー制御手段3200は、エラーフラグ一時記憶手段3221内の払出関連エラー送信フラグをオフにする。そして、ステップ4235で、送信制御手段3120は、払出関連エラー情報一時記憶手段3121にセットされた払出関連エラー情報を主制御基板M側に送信し、次の処理(ステップ4240)に移行する。尚、ステップ4225でNoの場合にも次の処理(ステップ4240)に移行する。
【0213】
次に、ステップ4240で、送信制御手段3120は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、賞球払出完了フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、「賞球払出完了フラグ」とは、払出制御手段3300により賞球払出が完了したと判定された場合にオンとなるフラグである。ステップ4240でYesの場合、ステップ4245で、送信制御手段3120は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域にアクセスし、賞球払出完了フラグをオフにする。そして、ステップ4250で、送信制御手段3120は、主制御基板M側に対して賞球払出が完了した旨の情報を送信し、次の処理{ステップ4300の賞球払出制御処理(賞球払出開始・モータ駆動開始時)}に移行する。尚、ステップ4240でNoの場合にも、次の処理{ステップ4300の賞球払出制御処理(賞球払出開始・モータ駆動開始時)}に移行する。以上で、賞球払出完了情報送信処理を終了する。
【0214】
次に、
図49は、
図41のステップ4300のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(賞球払出開始・モータ駆動開始時)のフローチャートである。ここで、当該処理は、次のステップ4400のモータ駆動処理を実行する前段階の処理であり、主制御基板M側からの賞球払出コマンドを受信したことを受けてモータ駆動のステップ数等をセットする処理である。まず、ステップ4305で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、賞球払出開始許可フラグ(
図48のステップ4215参照)がオンであるか否かを判定する。ステップ4305でYesの場合、ステップ4310及びステップ4315で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、賞球払出中フラグをオンにすると共に賞球払出開始許可フラグをオフにする。
【0215】
次に、ステップ4320で、払出制御手段3300は、払出カウンタにセットされている賞球払出個数が所定個数(例えば3個)以上であるか否かを判定する。ステップ4320でYesの場合、ステップ4325で、払出制御手段3300は、所定個数分払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段にカウンタ値(n)を一時記憶し、ステップ4332に移行する。ここで一時記憶されるカウンタ値(n)は、ステッピングモータのステップ数である。他方、ステップ4320でNoの場合、払出制御手段3300は、払出カウンタにセットされている賞球払出個数が払い出されるよう、ステップカウンタ一時記憶手段にカウンタ値(n)を一時記憶し、ステップ4332に移行する。
【0216】
次に、ステップ4332で、払出制御手段3300は、今回の単位払出動作における払出予定個数(即ち、ステップ4325又はステップ4330で予定している払出個数)を、単位払出カウンタ3317にセットする。次に、ステップ4335で、払出制御手段3300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)として0をセットする。ここで、励磁ステータ位置特定カウンタは、ステータに対するロータの相対位置を示したものであり、「0」が払出待機(停止)時におけるデフォルト位置に相当する。次に、ステップ4337で、払出制御手段3300は、ステッピングモータ動作に係る通常動作用の励磁方式(例えば、周知の2‐2相励磁方式)と通常動作用の1ステップの切替速度(例えば、3ms)を設定する。次に、ステップ4338で、払出制御手段3300は、ステッピングモータ動作に係る球通過待ち時間・モータ休止時間として所定値(例えば、500ms)を、球通過待ちタイマ3315にセットする。次に、ステップ4339で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、リトライ動作実行中フラグをオフにする。ここで、リトライ動作実行中フラグとは、前述のようにステッピングモータ動作に係るリトライ動作を実行中においてオンとなるフラグである。そして、ステップ4340で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、モータ駆動中フラグをオンにし、次の処理{ステップ4400の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。
【0217】
他方、ステップ4305でNoの場合、ステップ4345で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4345でYesの場合には、既にモータが駆動されているので、次の処理{ステップ4400の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。
【0218】
他方、ステップ4345でNoの場合には、ステップ4350で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、賞球払出継続フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、賞球払出継続フラグとは、単位払出動作における所定ステップ数分のステッピングモータ動作後であって、球通過待ち時間・モータ休止時間経過時において、賞球払出動作を継続すべき場合(詳細な条件については後述する)にオンとなるフラグである。ステップ4350でYesの場合には、次の処理{ステップ4400の賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)}に移行する。
【0219】
他方、ステップ4350でNoの場合には、ステップ4352で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、賞球払出継続フラグをオフにする。そして、ステップ4354で、払出制御手段3300は、単位払出カウンタ3317を参照し、当該カウンタ値が0超過であるか否か(即ち、今回の単位払出動作による払出予定個数分が全て払出されなかったか否か)を判定する。ステップ4354でYesの場合、ステップ4356で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、球経路異常検出フラグをオンにして、ステップ4320へ移行する。他方、ステップ4354でNoの場合には、ステップ4356を実行することなくステップ4320へ移行する。即ち、賞球払出継続フラグがオンである場合には、主制御基板M側からの賞球払出コマンドの受信を契機とすることなく、再度モータ駆動のステップ数等をセットする処理を実行すると共に、今回の単位払出動作による払出予定個数分が全て払出されなかったと判定された場合には、球切れエラー又は球不足エラーの要因となる異常発生が検出されることとなる。
【0220】
次に、
図50は、
図41のステップ4400のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動終了時・賞球払出終了時)のフローチャートである。ここで、当該処理は、前の処理(ステップ4300)で予定されているすべてのモータの駆動終了を実行し、或いは、予定されているすべての賞球払出が実行された際の終了処理である。ここで、ステップ4402~ステップ4419にかけてモータ駆動終了処理を実行し、ステップ4420~ステップ4425にかけて遊技球検知処理を実行し、ステップ4430~ステップ4462にかけて賞球払出終了処理を実行する。
【0221】
はじめに、モータ駆動終了処理から説明すると、まず、ステップ4402で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域を参照し、賞球払出中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4402でYesの場合、ステップ4405で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4405でYesの場合、ステップ4410で、払出制御手段3300は、ステップカウンタ一時記憶手段内のカウンタ値(n)を参照し、カウンタ値が0であるか否か、即ち、
図49のステップ4325又はステップ4330でセットした今回の単位払出動作におけるステップ数がすべて実行されたか否かを判定する。ステップ4410でYesの場合、ステップ4415で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域にアクセスし、モータ駆動中フラグをオフにする。次に、ステップ4416で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域を参照し、リトライ動作実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4416でYesの場合、ステップ4417で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域にアクセスし、リトライ動作実行中フラグをオフにして、ステップ4418へ移行する。他方、ステップ4416でNoの場合には、ステップ4418へ移行する。次に、ステップ4418で、払出制御手段3300は、ステッピングモータの休止状態を維持(本例では、励磁出力を下げた上で、現在の励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に継続励磁)する。次に、ステップ4419で、払出制御手段3300は、球通過待ちタイマ3315をスタートさせ、ステップ4420に移行する。尚、ステップ4405又はステップ4410でNoの場合にもステップ4420に移行する。以上で、モータ駆動終了処理を終了する。
【0222】
次に、遊技球検出処理を説明すると、まず、ステップ4420で、払出制御手段3300は、払出カウントセンサKE10sから遊技球検出信号を受信したか否かを判定する。ステップ4420でYesの場合、ステップ4422で、払出制御手段3300は、単位払出カウンタ3317に一時記憶されているカウンタ値を1減算する。次に、ステップ4425で、払出制御手段3300は、払出カウンタに一時記憶されているカウンタ値を1減算し、ステップ4430に移行する。尚、ステップ4420でNoの場合にもステップ4430に移行する。ここで、本例では、払出カウンタの値を、入球を検知する毎に1減算(デクリメント)するよう構成しているが、これには限定されず、複数の遊技球の入球を検出している場合には、当該入球数分の値を減算し得るよう構成してもよい。以上で、遊技球検出時処理を終了する。
【0223】
次に、賞球払出終了処理を説明すると、まず、ステップ4430で、払出制御手段3300は、払出カウンタを参照し、カウント値が0以下であるか否かを判定する。ステップ4430でYesの場合、ステップ4431で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグエリアを参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ4431でYesの場合(即ち、当該払出に係るモータの駆動が終了していないにも拘わらず、当該払出に係る遊技球数分の遊技球がセンサに検知された場合)、ステップ4432で、払出制御手段3300は、エラーフラグ一時記憶手段3221内にある、払出未完了時遊技球検出フラグをオンにし、ステップ4435に移行する。他方、ステップ4431でNoの場合にも、ステップ4435に移行する。
【0224】
次に、ステップ4435及びステップ4440で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、賞球払出中フラグをオフにすると共に賞球払出完了フラグをオンにする。次に、ステップ4441で、払出制御手段3300は、払出カウンタを参照し、カウント値が0未満であるか否かを判定する。ステップ4441でYesの場合、ステップ4442で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内の払出異常検出フラグをオンにする。次に、ステップ4443で、払出制御手段3300は、払出カウンタを参照し、当該カウント値に基づき過剰払出数(例えば、カウンタ値が「-3」であれば、過剰払出数は「3」)を払出処理関連情報一時記憶手段3310に一時記憶し、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}に移行する。尚、ステップ4441でNoの場合(即ち、払出カウンタのカウント値が0であり、所定の払出個数分が正常に払出された場合)にも、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}に移行する。尚、本例では、払出カウンタの値が0以下となった時点で、過剰払出の検出を行っているが、これには限定されず、例えば、払出に係るモータの駆動が終了してから所定時間(例えば、当該駆動によって払い出された遊技球が払出カウントセンサKE10sによって検出されるまでに十分な検出待機時間)が経過した時点で、過剰払出の検出(払出カウンタの値が0未満であるか否かの判定)を実行し得るよう構成してもよい(即ち、過剰払出とは、払出予定である遊技球数を超過した個数分の遊技球が払出されたという不測の事態が発生したことを意味し、設計上は極めて発生し難いこの不測の事態が発生したということは、払出機構のいずれかにて不具合が生じているか、払出動作を行っている最中に不正行為が行われた可能性が高いことを意味している)。
【0225】
他方、ステップ4430でNoの場合、ステップ4445で、払出制御手段3300は、球通過待ちタイマ3315のタイマ値を参照し、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ4445でYesの場合、ステップ4446で、払出制御手段3300は、エラーフラグ一時記憶手段3221内にある、スイッチ未通過エラー検出フラグをオンにする(尚、本例では、払出動作終了後、所定時間の球通過待ち時間を経過しても、当該払出動作に係る遊技球数分の遊技球が検出されなかった場合、即座にスイッチ未通過エラーが発生したと判定しているが、これには限定されず、当該事象が複数回発生した場合に、スイッチ未通過エラーが発生したと判定するよう構成してもよい)。
【0226】
次に、ステップ4447で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、リトライ動作実行待機フラグがオフであるか否かを判定する。ここで、リトライ動作実行待機フラグとは、前述のようにモータ駆動中においてモータエラーが発生した場合にオンとなるフラグである。ステップ4447でYesの場合、ステップ4450で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、賞球払出継続フラグをオンにし、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。他方、ステップ4447でNoの場合、ステップ4460及びステップ4462で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、リトライ動作実行待機フラグをオフにすると共に、リトライ動作実行許可フラグをオンにし、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。尚、ステップ4445でNoの場合にも、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。
【0227】
ここで、ステップ4402でNoの場合(即ち、賞球払出処理が実行中でない場合)には、ステップ4470で、払出制御手段3300は、払出カウントセンサKE10sから遊技球検出信号を受信したか否かを判定する。ステップ4470でYesの場合、ステップ4472で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311内の払出モータ動作異常検出フラグをオンにして、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。尚、ステップ4470でNoの場合にも、次の処理{ステップ4500の賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)}へ移行する。
【0228】
次に、
図51は、
図41のステップ4500のサブルーチンに係る、賞球払出制御処理(モータ駆動実行時)のフローチャートである。ここで、当該処理は、前の処理(ステップ4400)でセットされたステップ数に基づき、実際にモータ駆動を実行する処理である。まず、ステップ4505で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311のフラグ領域を参照し、モータ駆動中フラグがオンであるか否かを判定する。尚、モータ駆動中フラグは、ステップカウンタ一時記憶手段に所定のステップカウンタ数がセットされた際にオンとなるフラグであり(
図49のステップ4340参照)、当該所定のステップカウンタ数と対応した励磁がすべて実行された際にオフとなるフラグである。ここで、ステップ4505でYesの場合、ステップ4510で、払出制御手段3300は、ステップカウンタ一時記憶手段のステップカウンタ値(n)を1減算する。次に、ステップ4520で、払出制御手段3300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段3314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)を更新(1インクリメント)する。次に、ステップ4525で、払出制御手段3300は、所定の励磁方式と切替速度に基づき、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段3314における励磁ステータ位置特定カウンタ値(j)に対応したステータを励磁する。
【0229】
次に、ステップ4530で、払出制御手段3300は、励磁ステータ位置特定カウンタ値一時記憶手段3314内のカウンタ値(j)が、ロータ位置確認センサKE10msの確認タイミングであるか否かを判定する。ここで、ロータ位置確認センサKE10msの確認とは、モータ動作に係る異常動作(球がみ等による脱調現象)が発生しているか否かを確認する目的で行われるものである。ステップ4530でYesの場合、ステップ4550で、払出制御手段3300は、ロータ位置確認センサKE10msからの検知信号の有無を参照する。そして、ステップ4555で、エラー制御手段3200は、ステップ4550での検知信号の有無に基づき、ロータが正しく回転していないか否か、即ち、モータエラーが発生しているか否かを判定する。ステップ4555でYesの場合、ステップ4560で、エラー制御手段3200は、払出状態フラグ一時記憶手段3311におけるモータ位置異常フラグをオンにし、次の処理(ステップ4600のモータエラー時処理)に移行する。尚、ステップ4530でNoの場合にも、次の処理(ステップ4600のモータエラー時処理)に移行し、ステップ4555でNoの場合には、ステップ4565で、エラー制御手段3200は、エラーフラグ一時記憶手段3221におけるモータエラーフラグをオフにし、次の処理(ステップ4600のモータエラー時処理)に移行する。
【0230】
次に、
図52は、
図41のステップ4600のサブルーチンに係る、モータエラー時処理のフローチャートである。はじめに、本処理の目的は、モータエラーを検出した際には、モータ駆動を休止状態へと強制的に移行することである。まず、ステップ4605で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を参照し、モータ位置異常フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、
図51のステップ4560に示すように、所定の検知タイミングにてモータが所定の回転位置に存在するか否かを検知した上、当該所定の回転位置に存在しない場合には脱調等をしたと判定し、このモータ位置異常フラグはオンとなる。ステップ4605でYesの場合、ステップ4610で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311にアクセスし、モータ位置異常フラグをオフにする。次に、ステップ4615で、払出制御手段3300は、払出状態フラグ一時記憶手段3311を内の払出モータ異常検出フラグをオンにする。そして、ステップ4620で、エラー制御手段3200は、ステップカウンタ一時記憶手段におけるステップカウンタ値(n)をクリアして、次の処理(ステップ4100の異常検出時エラー制御処理)に移行する。これは、モータエラー発生により、今回セットしたステップ数を実行しなくなったためであり、当該カウント値のクリア実行後は、モータ駆動が休止状態へと移行することとなる(
図50のステップ4410及びステップ4415参照)。尚、ステップ4605でNoの場合にも、次の処理(ステップ4100の異常検出時エラー制御処理)に移行する。
【0231】
次に、
図53を参照して、本実施形態に係るサブメイン制御部SM側で実行される制御処理を説明する。まず、
図53は、副制御基板S側(特に、サブメイン制御部SM側)のメインフローチャートである。ここで、同図(a)の処理は、遊技機への電源投入時等のリセット後に実行されるサブメイン制御部SM側での処理である。即ち、遊技機への電源投入時において、ステップ2001で、副制御基板SのCPUSCは、電源投入タイマをリセットしてスタートする。尚、電源投入タイマは、下遮蔽部材C25の開放タイミングを把握するために設けられている。次に、ステップ2002で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側(主制御基板M側)から受信した情報に基づき、初期処理を実行する(例えば、RAMクリア情報を受信した場合→サブ側のRAMを初期化、各種情報コマンドを受信した場合→電断時の演出関連情報をサブ側のRAMに再セット)。次に、ステップ2003で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側(主制御基板M側)から受信した情報に基づき、保留数(例えば、装図保留カウンタ値)を復元する。尚、実行中の演出、特殊図柄に係る情報等は復元されず、次変動の開始時までは「準備中」画面を表示する。その後、副制御基板SのCPUSCの繰り返し処理ルーチンである(b)を繰り返し実行するループ処理に移行する。ここで、(b)が実行された場合、同図(b)の処理に示されるように、まず、ステップ2400‐1で、副制御基板SのCPUSCは、後述する保留情報管理処理を実行する。次に、ステップ2700‐1で、副制御基板SのCPUSCは、後述する装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ2800で、副制御基板SのCPUSCは、後述する装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ2500‐1で、副制御基板SのCPUSCは、後述するV入賞検出演出表示制御処理を実行する。次に、ステップ2900で、副制御基板SのCPUSCは、後述する特別遊技関連表示制御処理を実行する。次に、ステップ2550で、副制御基板SのCPUSCは、後述する小当り遊技関連表示制御処理を実行する。次に、ステップ2999で、副制御基板SのCPUSCは、表示コマンド送信制御処理(これら一連のサブルーチンでセットされたコマンドをサブサブ制御部SS側に送信する)を実行し、本繰り返し処理ルーチンを終了する。
【0232】
以上のように、サブメイン制御部SMのCPUSCは、リセット後、サブメイン側ルーチン(S2400‐1~S2999)をループ処理する形態を採用している。また、同図(c)の処理は、サブメイン制御部SMの割り込み時の処理であり、前述した主制御基板MにおけるSTB信号線からの信号がサブメイン制御部SMのCPUの一端子(本例では、NMI端子)に接続されていた場合における処理フロー(c)である。即ち、サブメイン制御部SMにおいてNMI割り込みが発生した場合(STB信号線がオンとなった場合)、ステップ2004で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側からのコマンド入力ポート(前述したデータ信号線の入力ポート)を確認する。そして、ステップ2006で、副制御基板SのCPUSCは、当該確認結果に基づき、サブメイン制御部SM側のRAM領域に、主制御基板M側から送信されたコマンドを一時記憶し、本割り込み処理直前に実行されていた処理へ復帰する。
【0233】
尚、本例では、副制御基板SのCPUSCの繰り返し処理ルーチンである(b)を繰り返し実行するループ処理として構成したが、これに限られず、(b)の処理を所定時間毎に実行されるタイマ割り込み処理で構成することも可能である。
【0234】
次に、
図54は、
図53におけるステップ2400‐1のサブルーチンに係る、保留情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ2402‐1で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から新たな保留発生に係るコマンド(第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄に係る保留情報)を受信したか否かを判定する。ステップ2402‐1でYesの場合、ステップ2404‐1で、副制御基板SのCPUSCは、装図保留カウンタ値(本例では、第1主遊技用が最大4個、第2主遊技用が最大4個)に「1」を加算する。次に、ステップ2406‐1で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から送信された保留情報(乱数値等)を、副制御基板SのRAM領域に一時記憶し、ステップ2418‐1に移行する。
【0235】
他方、ステップ2402‐1でNoの場合、ステップ2410‐1で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から図柄変動表示開始指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2410‐1でYesの場合、ステップ2412‐1で、副制御基板SのCPUSCは、装図保留カウンタ値から「1」を減算する。次に、ステップ2414‐1で、副制御基板SのCPUSCは、当該図柄変動に関わる保留情報(乱数値等)を、副制御基板SのRAM領域から削除すると共に、残りの保留情報をシフトする。次に、ステップ2416‐1で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ2418‐1に移行する。尚、ステップ2410‐1でNoの場合にもステップ2418‐1に移行する。
【0236】
次に、ステップ2418‐1で、主制御基板MのCPUMCは、演出表示装置SG上にて、装図保留カウンタ値と同数の保留表示画像を点灯表示し、次の処理(ステップ2700‐1の処理)に移行する。
【0237】
次に、
図55は、
図53におけるステップ2700‐1のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2702‐1で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2702‐1でYesの場合、ステップ2704‐1で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ2706‐1で、副制御基板SのCPUSCは、一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)と、装図変動内容決定用抽選テーブルとを参照して、装飾図柄の停止図柄{例えば、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、「7・7・7」等のゾロ目、ハズレ図柄である場合には、「1・3・5」等のバラケ目}及び変動態様を決定し副制御基板SのRAM領域に一時記憶する。
【0238】
次に、ステップ2712‐1で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理(ステップ2800の処理)に移行する。尚、ステップ2702‐1でNoの場合にも、次の処理(ステップ2800の処理)に移行する。
【0239】
次に、
図56は、
図53におけるステップ2800のサブルーチンに係る、装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2802で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2802でYesの場合、ステップ2804で、副制御基板SのCPUSCは、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ2806で、副制御基板SのCPUSCは、図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ2809で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマをスタートし、ステップ2810に移行する。尚、ステップ2802でNoの場合にも、ステップ2810に移行する。
【0240】
次に、ステップ2810で、副制御基板SのCPUSCは、図柄変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2810でYesの場合、ステップ2811で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマのタイマ値を確認する。次に、ステップ2812で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマと副制御基板SのRAM領域に一時記憶された変動態様とに基づき、装飾図柄の変動開始タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2812でYesの場合、ステップ2814で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置SG上にて装飾図柄の変動を表示するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2832に移行する。
【0241】
他方、ステップ2812でNoの場合、ステップ2816で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマと副制御基板SのRAM領域に一時記憶された変動態様とに基づき、装飾図柄の停止表示タイミング(仮停止表示タイミング)に到達したか否かを判定する。ステップ2816でYesの場合、ステップ2818で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置SG上にて装飾図柄の停止表示(仮停止表示)を表示するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2832に移行する。
【0242】
他方、ステップ2816でNoの場合、ステップ2824で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマと副制御基板SのRAM領域に一時記憶された変動態様とに基づき、予告画像やリーチ画像の表示タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2824でYesの場合、ステップ2826で、副制御基板SのCPUSCは、当該予告画像やリーチ画像に係る画像表示を演出表示装置SGに表示するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2832に移行する。尚、ステップ2824でNoの場合にも、ステップ2832に移行する。
【0243】
次に、ステップ2832で、副制御基板SのCPUSCは、主遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する(例えば、主制御基板M側から主遊技図柄が停止表示される旨の情報を受信したか否かを判定する)。ステップ2832でYesの場合、ステップ2834で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置SGにて装飾図柄の停止表示コマンド(確定表示コマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。次に、ステップ2836で、副制御基板SのCPUSCは、装図変動時間管理タイマを停止すると共にリセット(ゼロクリア)する。次に、ステップ2838で、副制御基板SのCPUSCは、図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2500‐1の処理)に移行する。尚、ステップ2810又はステップ2832でNoの場合にも、次の処理(ステップ2500‐1の処理)に移行する。
【0244】
次に、
図57は、
図53におけるステップ2500‐1のサブルーチンに係る、V入賞検出演出表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2502‐1で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から小当り実行開始コマンド(小当り遊技が開始された旨に係るコマンド)を受信したか否かを判定する。ステップ2502‐1でYesの場合、ステップ2504‐1で、副制御基板SのCPUSCは、右打ち指示演出{小当り遊技中に第2大入賞口C20に向けた遊技球の発射(右打ちの実行)を促す演出}に係るコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2506‐1に移行する。他方、ステップ2502‐1でNoの場合にも、ステップ2506‐1に移行する。次に、ステップ2506‐1で、副制御基板SのCPUSCは、副制御基板SのCPUSCは、メイン側からV入賞検出コマンド(V入賞口C22に遊技球が入球した旨を遊技者に報知するための演出である、V入賞検出演出を実行するためのコマンド)を受信したか否かを判定する。ステップ2506‐1でYesの場合、ステップ2508‐1で、副制御基板SのCPUSCは、V入賞検出演出に係るコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)し、次の処理に移行する。他方、ステップ2506‐1でNoの場合にも、次の処理に移行する。尚、V入賞検出演出は、V入賞口C22に遊技球が入球し、その後特別遊技が実行されることを遊技者に報知する演出であるため、演出内容としては、遊技者を祝福する演出内容や遊技者にとって高利益である旨を報知する演出内容等が望ましく、例えば、演出表示装置SG上に「V」を表示領域SG10一杯に表示する演出となる。
【0245】
次に、
図58は、
図53におけるステップ2900のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2902で、副制御基板SのCPUSCは、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2902でYesの場合、ステップ2904で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から特別遊技開始表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2904でYesの場合、ステップ2912で、副制御基板SのCPUSCは、特別遊技中フラグをオンにする。次に、ステップ2914で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置SG上で大当り開始表示を行い(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)、ステップ2920に移行する。尚、ステップ2902でNoの場合にも、ステップ2920に移行する。
【0246】
次に、ステップ2920で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から逐次送信されている遊技情報に基づき、演出表示装置SG上にてラウンド数と入賞個数と賞球数を逐次表示する(遊技性や大当りの種類等に基づき、必要に応じて適宜実行すればよい)コマンドをセットする。次に、ステップ2926で、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板M側から特別遊技終了表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2926でYesの場合、ステップ2928で、副制御基板SのCPUSCは、演出表示装置SG上で、大当り終了表示をするコマンドをセットする(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)。次に、ステップ2929で、副制御基板SのCPUSCは、入球数カウンタ(特別遊技中における右一般入賞口への入球数を計測するカウンタ)をゼロクリアする。次に、ステップ2930で、副制御基板SのCPUSCは、特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2550の処理)に移行する。尚、ステップ2904又はステップ2926でNoの場合にも、次の処理(ステップ2550の処理)に移行する。
【0247】
次に、
図59は、
図53におけるステップ2550のサブルーチンに係る、小当り遊技関連表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2552で、副制御基板SのCPUSCは、小当り中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2552でYesの場合、ステップ2554で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から小当り開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2554でYesの場合、ステップ2558で、副制御基板SのCPUSCは、小当り開始表示に係るコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。
【0248】
次に、ステップ2562で、副制御基板SのCPUSCは、小当り中フラグをオンにし、ステップ2564に移行する。尚、ステップ2552でNoの場合にも、ステップ2564に移行する。次に、ステップ2564で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から小当り終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2564でYesの場合、ステップ2566で、副制御基板SのCPUSCは、小当り終了表示に係るコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。次に、ステップ2568で、副制御基板SのCPUSCは、小当り中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2999の処理)に移行する。尚、ステップ2554又はステップ2564でNoの場合にも、次の処理(ステップ2999の処理)に移行する。
【0249】
(作用)
次に、
図60を参照しながら、本実施形態における、V入賞口C22への入賞に係る作用について説明する。はじめに、同図は、小当りに係る保留が生起した場合に、変動時間決定時の保留数に基づき算出されることとなる、小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間(以降、単に「上遮蔽部材開放到達時間」と表記する場合がある。)と、V入賞口C22への入球容易性と、の関係性を例示した作用図である。尚、本例においては、ハズレに係る保留が2個存在している或る図柄変動中に小当りに係る保留が生起した場合を例示している。尚、本例においては、保留の消化順は、「第1保留→第2保留→第3保留」の順とする(第3保留が小当りに係る保留である)。尚、以下においては、第3保留(=小当りに係る保留)が生起してから変動中の図柄変動が終了するまでの時間は同一(2秒)であり、第1保留の図柄変動開始のタイミング及び第1保留~第3保留の変動態様決定乱数の乱数値が同一であるとする。
【0250】
まず、ハズレに係る保留が2個存在している図柄変動中に小当りに係る保留が生起した場合、上遮蔽部材開放到達時間は、第3保留(=小当りに係る保留)が生起してから変動中の図柄変動が終了するまでの時間と;第1保留の変動時間と;第2保留の変動時間と;第3保留(=小当りに係る保留)の変動時間と;小当り遊技開始から上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間と;の合計の時間として算出される。
【0251】
次に、同図上部の表を参照しながら、ハズレに係る保留が2個存在(第1保留及び第2保留)している図柄変動中に、第3保留(=小当りに係る保留)が生起した状況下、パターンAとして、第3保留(=小当りに係る保留)生起以降に遊技球の発射を停止した場合{特には、第3保留(=小当りに係る保留)が生起した以降は新たな保留が生起しない場合}の上遮蔽部材開放到達時間と、パターンBとして、第3保留(=小当りに係る保留)生起以降に遊技球の発射を継続した場合{特には、第3保留(=小当りに係る保留)が生起した以降に新たな保留が生起する場合}の上遮蔽部材開放到達時間と、を例示する。
【0252】
パターンAにおいては、第3保留(=小当りに係る保留)が生起した以降は新たな保留が生起せず、第1保留に係る変動時間決定時には、保留数が2個{第2保留及び第3保留(=小当りに係る保留)}であり、第2保留に係る変動時間決定時には、保留数が1個{第3保留(=小当りに係る保留)}であり、第3保留(=小当りに係る保留)に係る変動時間決定時には、保留数が0個となる。この場合、
図29の第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルを参照し、第3保留(=小当りに係る保留)が生起してから変動中の図柄変動が終了するまでの時間が2秒であり;第1保留の変動時間が5秒であり;第2保留の変動時間が10秒であり;第3保留(=小当りに係る保留)の変動時間が60秒であり;小当り遊技開始から上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が5秒である;ことから、上遮蔽部材開放到達時間は82秒となる。
【0253】
次に、パターンBは、第3保留(=小当りに係る保留)が生起した以降、第1保留の図柄変動開始後から第2保留の図柄変動開始前に新たに2個の保留が生起する場合であり、第1保留に係る変動時間決定時には、保留数が2個{第2保留及び第3保留(=小当りに係る保留)}であり、第2保留に係る変動時間決定時には保留数が3個{第3保留(=小当りに係る保留)及び新たに生起した2個の保留}であり、第3保留(=小当りに係る保留)に係る変動時間決定時には、保留数が2個(前記新たに生起した保留2個)となる。この場合、
図29の第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルを参照し、パターンBにおいては、第3保留(=小当りに係る保留)が生起してから変動中の図柄変動が終了するまでの時間が2秒であり;第1保留の変動時間が5秒であり;第2保留の変動時間が5秒であり;第3保留(=小当りに係る保留)の変動時間が60秒であり;小当り遊技開始から上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が5秒である;ことから、上遮蔽部材開放到達時間は77秒となる。
【0254】
ここで、前述のように、V入賞口C22への入球容易性(V入賞口C22への遊技球の入球可否)は、上遮蔽部材C24の開放タイミングと下遮蔽部材C25の開放タイミングとがうまく合致するか否かによって決定される。即ち、上遮蔽部材開放到達時間と下遮蔽部材C25の開放タイミングを参照することにより、上記パターンA及びパターンBに係る小当り遊技時において、V入賞口C22への入球が容易であるか否かを事前に判定することが可能となる。
【0255】
次に、同図下部は、上記パターンA及び上記パターンBの各々における上遮蔽部材C24の開放態様(閉鎖態様)と、下遮蔽部材C25の開放態様(閉鎖態様)(下遮蔽部材C25は、電源投入時から周期的に開放と閉鎖とを繰り返している。)と、を示すタイミングチャートである。本タイミングチャートにおいては、第3保留(=小当りに係る保留)生起タイミングを基準として、第3保留(=小当りに係る保留)生起タイミングからの経過時間を図示している。また、下遮蔽部材C25の開放態様(閉鎖態様)としては、第3保留(=小当りに係る保留)生起タイミングからの経過時間が、「4n+1(秒)」~「4n+2(秒)」(nは整数)となる期間において開放状態となるものとしている。
【0256】
本タイミングチャートに示されるように、パターンAにおいては、上遮蔽部材C24の開放が開始されるタイミングが、第3保留(=小当りに係る保留)生起タイミングから82秒が経過したタイミングであり、遊技球が上遮蔽部材C24の位置から下遮蔽部材C25に到達するまでの時間(本例では0.2秒)を加味すると82.2秒となり、当該82.2秒は、「4n+1(秒)」~「4n+2(秒)」(nは整数)の範囲外である。従って、上遮蔽部材C24の開放タイミングと、下遮蔽部材C25の開放タイミングとが合致せず、上遮蔽部材C24が開放されることで上遮蔽部材C24上に載置されていた遊技球が落下し、下遮蔽部材C25まで到達した時点において、下遮蔽部材C25が開放されていないため、下遮蔽部材C25の下流に位置するV入賞口C22への入球が困難となる(下遮蔽部材C25によってV入賞口C22への入球が阻害され易い)。他方、パターンBにおいては、上遮蔽部材C24の開放が開始されるタイミングが、第3保留(=小当りに係る保留)生起タイミングから77秒が経過したタイミングであり、遊技球が上遮蔽部材C24の位置から下遮蔽部材C25に到達するまでの時間(本例では0.2秒)を加味すると77.2秒となり、当該77.2秒は、「4n+1(秒)」~「4n+2(秒)」(nは整数)の範囲内である(n=19)。従って、上遮蔽部材C24の開放タイミングと、下遮蔽部材C25の開放タイミングとが合致し、上遮蔽部材C24が開放されることで上遮蔽部材C24上に載置されていた遊技球が落下し下遮蔽部材C25まで到達した時点で、下遮蔽部材C25が開放されているため、下遮蔽部材C25の下流に位置するV入賞口C22への入球が容易となる(下遮蔽部材C25によっては遊技球のV入賞口C22への入球が阻害され難い)。尚、当該パターンA及び当該パターンBの場合には、前述した、発射継続指示演出が実行されることとなる。
【0257】
以上のように、本実施形態においては、パターンAとして、小当りに係る保留が生起してから小当りに係る図柄変動が開始されるまでに新たな保留が生起しない(保留数が2個以上である状態にて図柄変動が開始され難い=小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が長くなり易い)場合と、パターンBとして、小当りに係る保留が生起してから小当りに係る図柄変動が開始されるまでに新たな保留が生起する(保留数が2個以上である状態が常に維持されたまま図柄変動が開始され易い=小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が短くなり易い)場合と、において、上遮蔽部材C24の開放タイミングが変化し得る。更には、このような上遮蔽部材C24の開放タイミングの変化により、上遮蔽部材C24の開放タイミングと下遮蔽部材C25の開放タイミングとがうまく合致するか否かが変化し得る構成となっているため、小当りに当選した場合に、V入賞口C22に入球するか否かに注目するような興趣性の高い遊技機とすることができる。
【0258】
尚、本実施形態においては、小当りに係る保留が生起した時点で存在している保留の変動態様決定乱数に基づいて、保留消化時の保留数に対応した実行され得る変動時間をすべて確認し、その結果に基づいて予め小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間を算出し、当該算出された結果と、下遮蔽部材C25の開放タイミングと、を参照する(更には、遊技球が上遮蔽部材C24の位置から下遮蔽部材C25に到達するまでの時間を加味する)ことにより、小当り遊技において、V入賞口C22への入球を容易とする(上遮蔽部材C24の開放タイミングと下遮蔽部材C25の開放タイミングとを合致させる)ための望ましい保留数の変化(どのタイミングでどの程度の保留が存在することが望ましいか)を予想することが可能となる。このように構成し、且つ、小当りとなる保留の生起時に当該保留に係る小当り遊技実行中におけるV入賞口C22への入球が可能である場合、当該入球可能となる変動時間の組み合わせとなり易い遊技球の発射態様(又は、望ましい保留数の変化)を演出として遊技者に報知し得るよう構成してもよく、そのように構成することにより、小当り遊技においてV入賞口C22へ遊技球が入球するか否かが遊技者の技術介入により決定し得るという斬新な遊技性を創出することができることとなる。
【0259】
尚、本実施形態においては、主遊技図柄の変動時間を決定する際の保留数によって、当該決定される変動時間が相違し得るよう構成することによって、小当りとなる保留が生起してから下遮蔽部材C25が開放するまでの時間を変化し得るよう構成し、遊技者の技術介入を可能としたが、小当りとなる保留が生起してから下遮蔽部材C25が開放するまでの時間を、遊技者の技術介入によって相違し得るようにする構成はこれには限定されず、例えば、(1)遊技者が押下することにより主遊技図柄の変動が強制停止して、停止図柄が表示されることとなる変動短縮ボタンを設けて、当該ボタンを押下するタイミングにより、前記時間を相違させる、(2)第1主遊技図柄と第2主遊技図柄との双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選可能(及び変動可能)である並列抽選を実行し得るよう構成し、且つ、第2主遊技図柄に係る停止図柄が小当り図柄となった場合には、当該小当り図柄に係る小当り遊技実行中の期間は第1主遊技図柄の変動時間(変動時間の経過)を一時停止するよう構成して、前記時間を相違させる、よう構成してもよい。
【0260】
尚、本実施形態においては、所定の条件(例えば、特定の小当り図柄が停止中、等)を充足した場合に、当該小当り遊技実行中にV入賞口C22に遊技球が入球し得るような遊技球の発射タイミングを遊技者に報知する演出(例えば、演出表示装置SG上にて、「今特定入球口に入球すればV入賞口に入球する大チャンス!!」等と表示する)を実行し得るよう構成してもよい。
【0261】
また、特定遊技状態として、非確率変動遊技状態と比較して当否抽選結果が遊技者にとって有利となる確率変動遊技状態を有し、且つ、特別遊技中における第2大入賞口C20が開放するラウンドである振分遊技実行ラウンドを有するよう構成し、当該振分遊技実行ラウンド中にV入賞口C22に入球することによって、当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行するよう構成してもよい。また、そのように構成した場合には、振分遊技実行ラウンド以前のラウンドにて、振分遊技実行ラウンドにてV入賞口C22に遊技球が入球し得るような遊技球の発射タイミングを遊技者に報知する演出(例えば、演出表示装置SG上にて、「今第2大入賞口に入球すれば確変の大チャンス!!」等と表示する)を実行し得るよう構成することが望ましい。
【0262】
(メモリマップの構成)
次に、
図61を参照して、本例に係るぱちんこ遊技機に適用可能な主制御基板MのRAMにおけるメモリマップの一部の構成について詳述する。同図に示す領域には、上位アドレスから、
(1)「設定値データ」:設定値に関する情報(設定値を管理するための番号のデータ等)を格納するための領域
(2)「外部信号系データ」:外部信号出力に関係する情報を格納するための領域
(3)「RAMチェックサムデータ」:電源投入時に実行するチェックサム算出処理にて使用するデータであって、電源断時にRAMに記憶されているデータから算出されたデータを記憶し、電源投入時に実行するチェックサム算出処理にて特定の値(例えば「0」)を算出させる為の情報を格納するための領域
(4)「制御コマンドバッファ」:副制御基板側に送信するためのコマンド情報を格納するための領域
(5)「スタックポインタ一時保存バッファ」:電源断復帰時に使用する情報であって、電源断時に現在のスタックポインタに記憶されているデータを記憶し、電源断復帰時にスタックポインタに記憶する情報を格納するための領域
(6)「未使用領域」:遊技に使用されない領域を格納するための領域
(7)「退避データ1~退避データ8」:CALL命令、PUSH命令などにより、退避されるデータが設計上最大に書き込まれる可能性があるRAM
の順に領域が使用されている。このように構成した場合において、設計上スタックポインタが示す最上位アドレスは「7FF8H」となっているが、想定しない不具合(予期しない電断など)が発生した場合には、「7FF8H」よりも上位のアドレスをスタックポインタが示してしまう事態が生じる可能性がある。その場合、予め退避されるデータの領域として確保していた「退避データ1~退避データ8」の領域を超えて、退避データが記憶されてしまう可能性がある。そのような事態を考慮して、前記想定しない不具合が発生した場合にスタックポインタが示してしまう恐れのあるアドレス(「7FF8H」に近いアドレス)には遊技の進行に影響がないデータ(影響が少ないデータ)を格納するよう構成することが好適である。具体的には、予め退避されるデータの領域として確保していた「退避データ1~退避データ8」から少なくとも1アドレス空けたアドレスに、「設定値データ」を記憶するアドレスを設けることにより、遊技者だけでなく遊技場に対しても不利益を与えない遊技機を提供することができる。尚、同図においては、(5)「スタックポインタ一時保存バッファ」は、電源断復帰後に遊技が進行している状況においては使用することのないデータであり、(4)「制御コマンドバッファ」においては、副制御基板S側にコマンドを送信できなくなっても遊技の進行には影響が生じにくく、(3)「RAMチェックサムデータ」は、電源断復帰後に遊技が進行している状況においては使用することのないデータであり、(2)「外部信号系データ」は、ホールコンピュータに送信するためのデータであるため、遊技の進行には影響の少ないデータである。一方、(1)「設定値データ」は遊技の結果に影響のある設定値に関する情報であり、例えば、ゼロクリアされてしまった場合には当否抽選が正常に実行されない等の遊技者に著しい不利益が生じてしまう。以上の通り、(1)「設定値データ」は、遊技の正常な進行にとって重要なデータとなっている。このような理由から、同図における(1)~(7)では、(1)「設定値データ」が最も上位のデータ(上位アドレスに記憶されるデータ)となっている。換言すると、(1)「設定値データ」と(7)「退避データ1~退避データ8」との間のアドレスには、(2)「外部信号系データ」、(3)「RAMチェックサムデータ」、(4)「制御コマンドバッファ」、(5)「スタックポインタ一時保存バッファ」、(6)「未使用領域」、が格納されている。尚、(2)「外部信号系データ」、(3)「RAMチェックサムデータ」、(4)「制御コマンドバッファ」、(5)「スタックポインタ一時保存バッファ」、(6)「未使用領域」の5つのデータを格納するアドレスの順序は変更しても問題なく、例えば、上位アドレスから「(3)→(2)→(4)→(5)→(6)」の順に格納してもよいし、上位アドレスから「(6)→(5)→(3)→(2)→(4)」の順に格納してもよい。また、(6)「未使用領域」を設けないよう構成してもよい。
【0263】
尚、前述した「設定値データ」を格納するための領域(
図61に示す(1)の領域)には、バックアップ用電源によって電断時においても給電されることで設定値データが保持される。この「設定値データ」を保持するためのバックアップ用電源は、電源供給ユニットEや、電源供給ユニットEと主制御基板Mとの間に設けられた中継基板に設けることができる。「設定値データ」を保持するためのバックアップ用電源は、主制御基板Mや副制御基板S(サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SS)や賞球払出制御基板KHなどのCPUを有する基板には搭載されていない。このように構成することで、設定値データが格納された制御基板を交換した際に必ず設定値データがクリアされることになり、制御基板の不正な交換を抑止することができる。無論、設定データを格納している領域のみを当該バックアップ用電源によりバックアップすることもできる。
【0264】
ここで、設定値データを格納している領域と他の領域、或いは、設定値データを格納しているRAMと他のRAMのそれぞれを別々のバックアップ用電源によりバックアップすることも好適である。このように構成することで、重要な設定値データの記憶信頼度を向上させることができる。
【0265】
(設定変更方法の説明)
次に、設定変更方法について説明する。まず、各装置について説明し、次に、設定変更の対象となる機能について説明し、最後に、具体的な設定変更の手順について説明する。
【0266】
≪設定値表示装置≫
まず、設定値表示装置について説明する。本例に係る遊技機は設定変更する際に、設定しようとする設定値を表示するための設定値表示装置を主制御基板Mに備えている。設定値表示装置は、7セグメント表示器であり、「1」~「6」の表示により、設定1~6の6段階を判別可能となっている。尚、本例では、設定値表示装置を、入球状態表示装置J10、RAMクリアボタン等とは別個に備える例を説明したが、これに限らず、入球状態表示装置J10を利用して設定値の表示を行うようにしてもよい。この場合、入球状態表示装置J10には、設定値とベース値との両方が表示されることになるが、設定変更モードや設定確認状態では設定値を表示するようにし、それ以外の場合には、ベース値を表示するよう構成してもよい。また、設定変更モードの間もベース値を表示し続けるようにすることも可能であり、その際は、設定値とベース値の表示を、時間、または、いずれかの入力装置の操作によって切り替えることが考えられる。さらに、入球状態表示装置J10の表示態様を変更することで、4桁の7セグにて、設定値とベース値の両方を同時に表示してもよい。例えば、4桁の7セグのうち、最上位桁に現在の設定値を表示し、残りの3桁にベース値を表示するよう構成してもよい。
【0267】
≪変更対象≫
本例においては、1の遊技状態における主遊技図柄の当否抽選の当選確率を変更可能に構成されている。本実施形態とは異なるが、例えば、設定1~6の6段階が設けられており、設定1から設定6の順で確率変動遊技状態及び非確率変動遊技状態夫々の大当りの当選確率が徐々に高くなるように(遊技者に有利となるように)構成されており、また、設定毎の確率変動遊技状態の当選確率は非確率変動遊技状態の当選確率の2倍となるよう構成となっている。具体的には、非確率変動遊技状態の当選確率は、設定1:1/320(205/65536)、設定2:1/318(206/65536)、設定3:1/317(207/65536)、設定4:1/315(208/65536)、設定5:1/314(209/65536)、設定6:13312(210/65536)のように設けられ、確率変動遊技状態の当選確率は、設定1:1/160(410/65536)、設定2:1/159(412/65536)、設定3:1/158(414/65536)、設定4:1/158(416/65536)、設定5:1/157(418/65536)、設定6:1/156(420/65536)となるように設けることができる。尚、主遊技図柄の当否抽選の当選確率には、小当りの当選確率も含まれ、小当りの当選確率は、設定値及び遊技状態(確率変動遊技状態、非確率変動遊技状態)に関わらず一定(例えば、1/99)となっている。なお、確率変動遊技状態の当選確率は、非確率変動遊技状態の10倍以内になるように、即ち、設定1:1/30.7、設定2:1/30.3、設定3:1/29.9、設定4:1/29.5、設定5:1/28.0、設定6:1/27.0となるように設けていてもよい。
【0268】
本実施形態におけるRAM領域は、設定値の記憶領域(特定の領域)とその他の遊技データ記憶領域(例えば、主遊技側乱数、ラウンド数等)とを有しており、設定値の記憶領域は、RAM領域の上位アドレスに記憶するよう構成されている。尚、設定キースイッチによる設定変更を実行し、且つRAM領域に異常があった場合には、設定値の記憶領域を含め、全てのRAM領域がクリア(初期化)されるが、RAMクリアボタンの操作によるRAMクリアでは、設定値の記憶領域はクリアされず、その他の遊技データ記憶領域のデータのみがクリア(初期化)される。また、RAMクリア時のクリア範囲を指定し易くすることを目的として設定値をRAM領域の先頭アドレスに記憶する例を説明したが、RAM領域のいずれのアドレスに記憶しても問題ない。また、設定変更を実行し、且つRAM領域に異常があった場合にも、クリアされない記憶領域を設けてもよく、例えば、設定変更を実行し、且つRAM領域に異常があった場合にも、入球状態表示装置J10への表示に関する情報はクリアしないよう構成してもよい。
【0269】
≪設定値データの確認タイミング≫
次に、当否抽選時における設定値の確認処理について説明する。当否抽選時における設定値の確認処理は、タイマ割り込み時処理におけるステップ1400の主遊技図柄表示処理中のステップ1410-1の前に行われ、現在設定されている設定値を確認し、設定されている設定値に対応する主遊技テーブル1(つまり、上述した設定に対応する大当りの当選確率)を設定する処理である。当否抽選時において設定値の確認処理を行った後、ステップ1410-1で、主制御基板MのCPUMCは、各遊技状態に対応する主遊技テーブル1を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行する。尚、現在設定されている設定値を確認したときに、設定値が範囲外(例えば、設定1~設定6の6段階設定を使用する場合には、設定値が0以下の場合と7以上の場合に範囲外となる)であると判定した場合には、(1)設定変更時のRAMクリア処理を実行しないと復帰できない復帰不可能エラー(当該エラーが発生する直前の状況には復帰不可能なエラー)として遊技の進行を停止する、(2)設定値を最も遊技者にとって不利な設定1として判定する、のように構成してもよい。
【0270】
尚、特別図柄の抽選処理毎で設定値を確認する構成を説明したが、所定のタイミングでのみ実行することも可能である。具体的には、設定変更時及び電源投入時に情報を一度だけ確認してもよいし、大当り等の遊技状態の変更タイミング毎に確認してもよい。また、入球状態表示装置J10を搭載した遊技機の場合には、その表示タイミングや演算タイミングに合わせて確認してもよい。これにより、設定値を確認するタイミングを少なくでき、他の処理への負担を低減することができる。
【0271】
≪設定変更中の処理≫
次に、設定変更中の処理について説明する。
【0272】
<主制御側の処理>
まず、主制御基板MのCPUMCは、設定変更中であることを特別図柄表示装置(第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20)にて表示可能に構成されている。具体的には、設定変更中は、特別図柄表示装置のLEDが全点灯するよう構成されている。なお、特別図柄表示装置のLEDの全点灯は、遊技者の遊技中に表示されることがない態様であることが望ましい。また、設定変更中であることを示すことが可能であれば、必ずしも、特別図柄表示装置を使用する必要はなく、例えば、遊技盤面に設けられた各種LEDを利用してもよい。ただし、この際、通常の電断復帰時に行われる各種機能に関する報知(電断復帰報知やRAMクリア報知、等)と同一の点灯パターンで報知を行ってしまうと、報知態様が混同して設定変更中であることを明確に判断できない懸念が生じるため、設定変更中でのみ実行される点灯パターンにて報知を行うのが望ましい。この場合、設定変更が終了した後に各種機能に関する報知に切り替えて報知することで、設定変更中から通常の電断復帰状態に移行したことを視覚的に分かりやすくすることができる。また、専用のLEDを設け、設定変更中にのみ表示するように処理することで、その他の遊技情報を表示する各種LED{特別図柄表示装置や普通図柄表示装置(補助遊技図柄表示装置H20)}を兼用するよりも、処理負担を軽くすることができる。
【0273】
<副制御側の処理>
次に、副制御基板SのCPUSCは、設定変更中であることを演出表示装置SG、スピーカD24等にて示唆可能に構成されている。具体的には、演出表示装置SGにて、「設定変更中」の画像を表示するよう構成され、スピーカD24にて「設定変更中です」の音声を出力するよう構成されている。また、設定変更中には、主遊技に関係しない(主制御基板MのCPUMCにて制御されない)遊技データを変更可能に構成されている。例えば、音量変更の設定(可能又は不可能)、RTC(リアルタイムクロック)の設定、省エネモードの設定{遊技待機中(所定期間遊技が実行されていないと判定した場合に遊技待機中となり、例えば、発射ハンドルが5分間操作されていない場合に遊技待機中になるよう構成されており、遊技待機中においては、演出表示装置にて待機デモ画面が表示される)には通常遊技中と比べて光量が低くなる}等の変更が可能となっており、サブ入力ボタンSBや十字キーを操作することでこれらの変更が可能に構成されている。また、これに限らず、タッチパネル等の入力装置を代用してもよい。この場合、演出表示装置としてメインの遊技に使用する液晶ディスプレーの他に、サブ入力のみを行う別の液晶ディスプレーを設け、タッチパネルとして利用するのが望ましい。尚、RTC(リアルタイムクロック)とは、サブメイン制御部の基板上に設けられた、計時を行う機構である。RTC(リアルタイムクロック)は、基板から独立した内蔵電源(バッテリー)を有しており、遊技機に対する電力の供給が行われていない間も計時を継続するため、工場出荷時等に設定された日付・時刻に基づき、現在の日付・時刻を供給することが可能である。
【0274】
<入力制限>
次に、設定変更中の入力制限について説明する。具体的には、ステップ1003の処理(設定変更処理)では、始動口(第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10)への入球を検出しないよう構成されている。例えば、第1主遊技始動口入球検出装置(A11s)又は第2主遊技始動口入球検出装置(B11s)が入力を検出したことにより、入力信号が入力ポートに入力されていたとしても、主制御基板MのCPUMCは、タイマ割り込み時処理を許可していないため、入力ポートを確認することがない。しかし、扉開放検出や磁石検出等のエラー検出を可能に構成されている。従って、主制御基板側メイン処理(設定変更処理)にて扉開放検出や磁石検出等のエラー検出を可能とすることで、設定変更中状態にてゴト行為が行われることを防止することが可能である。
【0275】
<外部出力>
次に、主制御基板MのCPUMCが外部へ出力する情報について説明する。主制御基板MのCPUMCが外部へ出力する情報として、1.設定値、2.設定変更中を示す信号、を出力することが可能である。本実施例においては、1.設定値の外部出力、2.設定変更中を示す情報、の双方とも主制御基板Mからホールコンピュータに出力するよう構成している。なお、設定変更中を示す信号は、設定変更中は継続して出力されており、設定変更終了時から所定時間(例えば、1000ms)が経過するまで継続して出力されるよう構成されている。さらに、主制御基板MのCPUMCは、副制御基板SのCPUSC及び賞球払出制御基板のCPUに、設定値コマンド、設定変更開始コマンド、設定変更終了コマンドを送信するよう構成されている。
【0276】
<払出処理>
次に、払出処理中に電源断が発生し、その後、設定変更となった際の処理について説明する。具体的には、賞球払出ユニットKE10にて賞球の払い出しが行われている状況において電源断が発生した場合には、残賞球数がRAM領域にバックアップされた状態で電源がオフになる。そして、電源復帰時に、通常の電源復帰(つまり、RAMクリアではない)では、残賞球数が記憶されたままであるため、電源復帰後に残賞球数が払い出されるが、設定キースイッチが操作されている(オンとなっている)状況にて電源復帰した場合には、設定値の記憶領域を含む全てのRAM領域がクリアされるため、バックアップされていた残賞球数もクリアされ、賞球払い出し中に電源断となったとしても電源復帰時に残賞球数が払い出されることがないよう構成されている。なお、不図示であるが、設定変更モードに移行した際には、主遊技基板MのCPUMCは、賞球払出制御基板KH(賞球払出制御基板のCPU)に設定変更モードに移行した旨のコマンド(設定変更開始コマンドと称することがある)を送信し、設定変更モード終了時には、設定変更モードが終了した旨のコマンド(設定変更終了コマンドと称することがある)を送信するよう構成されている。なお、設定変更が有効に行われた後に、残賞球数をクリアするように構成してもよい。
【0277】
<乱数更新処理>
本実施形態において、設定変更中に乱数更新処理が行われないよう構成されている。つまり、乱数の更新は、主制御基板側メイン処理のステップ1018の乱数更新又はタイマ割り込み時処理のステップ1000‐2(各種乱数更新処理)、ステップ1000‐3(初期値更新型乱数更新処理)、ステップ1000‐4(初期値乱数更新処理)において行われるのみであり、設定変更処理内では、乱数の更新を行う処理が設けられていない。
【0278】
≪設定確認中の表示≫
次に、設定確認中(設定確認状態、設定表示中と称することがある)の表示について説明する。
【0279】
<主制御側の表示>
まず、主制御側では、上述した通り、特別図柄表示装置(第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20)のLEDにて設定変更中であることを表示可能に構成されているが、設定確認中においても特別図柄表示装置(第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20)のLEDにて設定確認中であることを表示可能に構成されており、設定確認中には特別図柄表示装置の全てのLEDが点滅表示するよう構成されている。尚、特別図柄表示装置の全てのLEDが点滅表示する態様は、遊技者の遊技中に表示されることがない態様であることが望ましい(遊技者の遊技中に表示される態様は、例えば、あるLEDと別のLEDとが交互に点滅表示される態様である)。また、特別図柄の変動中に設定確認中となった際には、特別図柄表示装置(第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20)における主遊技図柄の変動表示は、設定値の表示より優先して表示されるよう構成されている。
【0280】
<副制御側の表示>
次に、設定確認中において、副制御基板S側では、演出表示装置SGにて「設定確認中」の画像表示、スピーカD24にて「設定確認中です」の音声出力が行われる。なお、設定変更中(設定変更モード、設定変更モード中と称することがある)には、主遊技に関係しない(主制御基板MのCPUMCにて制御されない、遊技の結果に影響しない)遊技データを変更可能に構成されている(メンテナンスモード)が、設定確認中には、主遊技に関係しない(主制御基板MのCPUMCにて制御されない、遊技の結果に影響しない)遊技データであっても変更不可能なように構成されており、設定可能な状態とならないよう構成されている。なお、出力時間を延長する他のエラーとの重要度に合わせて出力時間を設定することが望ましい(例えば、設定変更の報知の重要度が初期化時の報知より重要度が高く、初期化時の出力延長時間が5000msであれば、設定変更時にはそれより長い6000msにする等が挙げられる)。
【0281】
<入力情報の制限>
次に、入力情報の制限について説明する。設定変更中には、上述のように、入力情報の制限が設けられていたが、設定確認中には、入力情報の制限が設けられていないよう構成されている。具体的には、設定変更中には入力が制限されていた始動口(第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10)への入球検出が行われる等、主制御側(主制御基板MのCPUMCによる制御)、副制御側(副制御基板SのCPUSCによる制御)に関わらず、遊技に関する全ての情報を検出し、処理するように構成されている。
【0282】
<外部出力>
次に、設定確認中の外部出力について説明する。まず、設定変更中に外部出力を行う設定値について、設定確認中では、外部出力を行わないよう構成されている。次に、設定確認中は、設定確認中であることを示す信号を継続して出力するよう構成されている。また、設定確認終了後、特定時間(例えば、500ms)まで継続して出力するよう構成されており、設定変更中の所定時間(例えば、1000ms)よりも短い時間出力されるよう構成されている。
【0283】
<払出処理>
次に、設定確認中の賞球払出制御について説明する。まず、賞球払出装置KEにて賞球の払い出しが行われている際に、設定確認中となった場合には、賞球の払い出し制御を一旦中断するよう構成されている。設定の確認は、遊技店員等が遊技機枠を開放し、遊技機背面側から設定キースイッチにより確認可能となる。つまり、遊技機枠を開放することにより、店側の球供給装置から遊技機への球供給が正常に行われないようになる可能性がある。したがって、賞球の払い出しを一旦中断する構成が好ましい。なお、不図示であるが、賞球の払い出しを一旦中断する際には、主遊技基板MのCPUMCは、賞球払出制御基板KH(賞球払出制御基板のCPU)に設定確認状態に移行した旨のコマンド(設定確認開始コマンドと称することがある)を送信し、設定確認状態の終了時には、設定確認状態が終了した旨のコマンド(設定確認終了コマンドと称することがある)を送信するよう構成されている。
【0284】
<乱数更新処理等の内部処理>
次に、設定確認中の乱数更新処理等の内部処理について説明する。設定変更中には、乱数の更新処理が行われないよう構成されているが、設定確認中では、遊技中と同様に乱数更新処理等が行われるよう構成されている。
【0285】
≪電源復帰時における処理≫
次に、電源断復帰時の処理について説明する。
【0286】
<通常電源断復帰>
まず、電源復帰時に設定変更及びRAMクリアが行われなかった場合には、設定値を含め、電源断前の遊技状態に復帰させ、遊技が開始されるよう構成されている。
【0287】
<設定変更時の処理>
次に、設定変更時の処理について説明する。設定変更時は、設定値を含め全てのRAM領域のデータがクリアされ、その後、設定された設定値が記憶される。なお、設定値以外のRAM領域のデータのクリアを行う際に、例えば主遊技図柄又は補助遊技図柄の状態等、電断時の遊技状態に応じてRAMクリアを行う範囲を異ならせるように構成することも可能である。具体的には、主遊技図柄が確率変動状態でRAMクリアを行う場合、設定値データと主遊技図柄の状態データ(確率変動、非確率変動等)の双方がクリアされ、主遊技図柄が非確率変動状態でRAMクリアを行う場合、設定値データがクリアされ、主遊技図柄の状態データはクリアされないようにすることが挙げられる。また、補助遊技図柄についても主遊技図柄と同様に構成してもよく、さらに、主遊技図柄の状態と補助遊技図柄の状態との組み合わせにより、RAMクリアを行う範囲を異ならせるよう構成してもよい。このように構成することにより、RAMクリア時の処理負担を軽減させることが可能である。
【0288】
<RAMクリア時の処理>
次に、RAMクリア時の処理について説明する。RAMクリアボタン操作時のRAMクリアでは、設定値を除き、その他の遊技データがクリアされる。また、RAM領域内に異常があった場合のRAMクリアでは、設定値を含め、全てのRAM領域のデータがクリアされるよう構成されている。
【0289】
≪コマンド送信タイミング≫
次に、本実施形態では、タイマ割り込み時処理におけるステップ1999における制御コマンド送信処理においてコマンドが送信されるよう構成されているが、設定変更モードが開始された際又は設定変更モードが終了した際には、主遊技基板MのCPUMCは、賞球払出制御基板KH(賞球払出制御基板のCPU)に、設定変更モードの開始後、即座に、設定変更モード開始に係るコマンド(設定変更開始コマンド)を送信し、設定変更の終了後、即座に、設定変更終了に係るコマンド(設定変更終了コマンド)を送信するよう構成するのが好適である。また、遊技の開始時(例えば、変動開始コマンドの送信タイミング)、遊技の終了時(例えば、変動停止コマンドの停止タイミング)、保留生起時(例えば、後述する、先読み用当否コマンドや先読み用変動態様コマンドの停止タイミング)等のタイミングにて、主制御基板Mから副制御基板Sに対して設定値に関するコマンドを送信するようにしてもよい。このとき、副制御基板Sは、受信した設定値を記憶するとともに、次遊技で受信した設定値との比較を行い、相違する場合には報知を行うようにすることで、遊技途中における不正な設定変更の発見を助長することもできる。
【0290】
≪設定変更に係る処理のまとめ≫
以上のように、設定変更に係る処理を説明したが、概要をまとめると以下の通りとなる。まず、設定変更中の状況にあっては、主制御手段(例えば、主制御基板MのCPUMC)は、演出制御手段(例えば、副制御基板SのCPUSC)と払出制御手段(例えば、賞球払出制御基板KHのCPU)に対して主制御手段において設定変更中の処理が実行される旨を示すコマンド(設定変更開始コマンド)を送信するとともに、当否に関連する乱数の更新処理、始動口センサ等の遊技関連入力、例えば球皿満タン(上球皿D20に過剰に遊技球が貯留されることにより、満タンを検知するセンサが遊技球を検知するエラー)等の優先度の低い異常報知が行われないようにする。また、主制御手段は、外部端子から設定変更中である旨の信号を出力する。なお、優先度の高い異常報知{例えば、不正に直結する異常(磁気検知、電波検知等)}については設定変更中においても報知が行われる。一方、演出制御手段においては、設定変更中である旨の報知を行うとともに、メンテナンスモードに移行し、演出制御手段におけるテスト出力や、各種の演出設定、遊技者操作の有効範囲の設定等が実行できるように構成される。また、払出制御手段にあっては、払出処理及び発射処理のいずれも禁止されるように構成される。
【0291】
尚、上記優先度の低いエラーまたは優先度の高いエラーの発生中(検出中)に電源をオフにし、電源がオフの状況にて設定キースイッチをオンにして電源を投入した場合には、設定変更モードになり、当該設定変更モードにて設定値を変更した場合(設定値を確定した場合)、発生していた優先度の低いエラーまたは優先度の高いエラーの検出及びエラー報知を終了するよう構成してもよい。また、そのように構成した場合にも、設定値の変更後に再度異常を検出した場合には、エラーの検出及びエラー報知を実行するよう構成してもよい。また、設定変更モード中に優先度の低い異常を検出した場合には、エラーであると判定せずにエラー報知を実行しないよう構成してもよいし、設定確認状態中に優先度の低い異常を検出した場合には、エラーであると判定せずにエラー報知を実行しないよう構成してもよい。
【0292】
設定値表示装置にて設定値を表示中の状況にあっては、主制御手段は、演出制御手段と払出制御手段に対して主制御手段において設定値表示中の処理が実行される旨を示すコマンド(設定表示中コマンド)を送信する一方で、当否に関連する乱数の更新処理、始動口センサ等の遊技関連入力、異常報知等、通常と同様の処理が行われるようになっている。但し、外部端子からは設定値表示中である旨の信号を出力する。同様に、演出制御手段においても、設定値を表示中である旨の報知を行うものの、メンテナンスモードに移行することはない。そして、払出制御手段にあっては、払出処理を一旦中断するものの、発射処理の動作は禁止しないように構成される。
【0293】
以上の通り構成されているため、本実施形態においては、設定変更という管理者のみが行う操作に基づく点を考慮して、演出制御手段(例えば、副制御基板SのCPUSC)においても管理者が行う操作モードに移行させ、また、主制御手段(例えば、主制御基板MのCPUMC)や払出制御手段(例えば、賞球払出制御基板KHのCPU)においては、遊技機能を停止する。すなわち、他の制御手段においても設定変更の処理に合わせて管理者のみが実行可能な操作が実行された場合専用の処理が実行され、通常の遊技進行にて実行する処理が実行されない。このため、設定変更という1の操作を起点として、複数の制御手段が夫々に対応した管理処理を実行することができる。一方、設定表示という確認作業の際(設定確認状態)においては、通常の遊技処理を極力維持するように構成することで、必要以上に制御の制約を与えることがなく、適正な処理を実現することができる。
【0294】
(設定変更方法)
次に、
図62及び
図63は、設定キースイッチ及びRAMクリアボタンを用いた設定変更方法を示す遷移図である。当該設定変更方法は以下の手順により行われる。
(1)遊技店員等が前枠D14を外枠D12から開放する。
(2)遊技店員等が前枠D14を開放した際、遊技機の電源スイッチEaがオフ且つ設定キースイッチがオフ且つRAMクリアボタンがオフであれば、次の手順に進む。尚、遊技機の電源スイッチEaがオン又は設定キースイッチがオンであれば、オフにして次の手順に進む。
(3)遊技店員等が設定キースイッチを右方向に回転させてオンにする、RAMクリアボタンをオンにする。
(4)遊技店員等が電源スイッチEaをオンにすると、遊技機は設定変更モードに移行し、設定値表示装置に設定値が表示される。このとき、設定値表示装置にはデフォルト設定値(例えば、大当り確率が最も低い設定1)が表示されるよう構成してもよいし、現在設定されている設定値が表示されるよう構成してもよい。また、設定変更モードであることを把握可能にするため、「設定変更中です」の音声が出力されるよう構成してもよい。
(5)RAMクリアボタンを一旦オフにする
(6)遊技店員等がRAMクリアボタンを押下する毎(オフからオンになる毎)に、設定値(設定値データ、設定値候補と称することがある)が次の設定値(設定値データ)に変更されると共に、設定値表示装置に設定値(設定値データ)が表示される。同図においては、設定値1に+1され、設定値2に変更されているが、設定が飛び番(例えば、設定1→設定3→設定5、設定2→設定4→設定6、等)で構成されている場合であっても、次の設定値(例えば、設定値1から設定値3に変更される)となるよう構成することが好適である。また、遊技店員等が設定変更ボタンを1回押下すると、設定が-1される構成であってもよい。この場合、設定6は大当り確率が最も低い設定であることが望ましく、デフォルト設定値を6としておくことが望ましい。さらに、設定として、7セグメント表示機の設定値表示装置で表示可能である文字や記号が用いられてもよく、例えば、L(LOW)やH(HIGH)とすることも可能である。尚、ここでは設定値の表示や設定値の選択候補が変更可能であって、設定が確定するのは確定条件を満たした際となるよう構成されている。即ち、設定値表示装置の表示は、設定変更モードに移行した時点で「1」が表示され、設定変更ボタンを操作する毎に、「1→2→3→1→2」と表示が切り替わっていき、設定値表示装置の表示が「2」であるときに確定条件を満たすと、設定値が2に設定(確定)されるよう構成されている。
(7)遊技店員等が設定キースイッチを左方向に回転させてオフにすることで設定が確定され(設定変更モード終了)、遊技機の設定値表示装置に表示されていた設定値の表示が消去される。尚、設定確定後、所定時間(例えば、5秒)が経過するまでは設定値が表示されるよう構成してもよい。
(8)前枠D14を閉鎖する。尚、設定が確定されたことにより、遊技が実行可能となるよう構成してもよいし、前枠D14が閉鎖されたことにより、遊技が実行可能となるよう構成してもよい。
【0295】
(設定確認方法)
次に、
図64は、設定キースイッチ及びRAMクリアボタンを用いた設定確認方法を示す遷移図である。当該設定確認方法は以下の手順により行われる。
(1)遊技店員等が前枠D14を外枠D12から開放する。
(2)遊技機の電源スイッチEaがオフ且つ設定キースイッチがオフ且つRAMクリアボタンがオフとなっている。
(3)(4)遊技店員等が設定キースイッチを右方向に回転させてオンにし、電源スイッチEaをオンにすると、遊技機は設定確認モード(設定表示モードと称することもある)へ移行し、設定値表示装置に現在の設定値が表示される。このとき、設定確認モードであることを把握可能にするため、「設定確認中です」の音声が出力されるよう構成してもよく、遊技進行中であるが、遊技音(BGM、SE等)は出力されず(遊技音の出力が停止して)、「設定確認中です」の音声のみが出力されるよう構成してもよく、また、遊技音と「設定確認中です」が同時に出力される構成としてもよい。
(5)遊技店員等が設定キースイッチをオフにすると、遊技機は設定確認モードを終了し、設定値表示装置に表示されていた設定値の表示が消去される。この際、「設定確認を終了します」の音声が出力されるよう構成してもよい。
(6)遊技店員等が前枠D14を閉鎖する。設定確認モードでは、遊技の進行(特別図柄の変動等)が一時停止することなく継続されているため、特別図柄の変動中に前枠が閉鎖された場合であっても、演出表示装置SGでは装飾図柄の変動や演出表示が継続されたままである。尚、設定確認モードにおいて、遊技の進行を一時停止する構成としてもよく、この場合には、設定キースイッチがオンになると設定確認モードに移行して遊技の進行が一時停止され、設定キースイッチがオフになると設定確認モードが終了して一時停止が解除され、引き続き遊技が進行することとなる。ここで、設定確認モードに移行した場合には、設定変更モードに移行した場合とは異なり、確率状態は設定確認モードに移行する直前の状態に維持されている。
【0296】
次に、
図65は、設定変更中、及び設定確認中における、演出表示装置SGでの表示態様の例を示した図である。
【0297】
次に、同図上段は、設定変更処理の期間において、副制御基板Sで実行されるメンテナンスモード中に設定可能な項目の一覧を示すイメージ図である。本例においては、主制御基板M側から設定変更モードに移行したことを示すコマンドを送信することにより、主制御基板M側で設定変更中において、その旨を示すとともに、副制御基板S側でメンテナンスモード(店舗での設定や製造確認用のモード)を実行可能なように構成されている。また、本例においては、メンテナンスモード中、演出表示装置SGに、現在の設定値を案内する設定表示画像SGSHG(本例においては、現在の設定値である「4」を示す画像)の表示を行うよう構成されている。また、同図に示されるように、設定変更モードである場合には、演出表示装置SGにて、設定変更モード情報表示画像SGHMH(現在設定変更中である旨の報知を行う画像であり、本例においては、「設定変更モード中」との表示を行う画像)を表示可能なように構成されている。
【0298】
尚、同図に示されるように、本例においては、メンテナンスモード中、情報出力に関する各種設定として、複数の項目を選択可能に構成されている。より具体的には、本例においては、メンテナンスモード中、出荷時テストモード(例えば、発光体・音声・液晶表示装置・入力確認等のテストを実行するモード)の実行(尚、出荷時テストモードは、一連の動作が終了する、又は、例えばサブ入力ボタンを長押しすることにより本画面に戻る、等としてもよい)、広告内容の設定{即ち、デモ画面を始めとした特定のタイミングにて広告を表示するか否かの設定であり、また広告を表示する場合の具体的な広告内容(例えば、店名等)の設定である}、節電モードの有効又は無効(即ち、遊技待機中等に、省エネモードに自動で移行するか否かの設定である)、RTC演出(所定の時刻に到達すると実行される演出)の有効又は無効の選択(RTC演出を行うか否かの設定であり、全てのRTC演出を一律に設定可能としてもよいし、複数のRTC演出を個別に設定可能としてもよい)、設定確認状態において設定値表示を行うか否かの選択{即ち、遊技機の現在の設定値を演出表示装置SGに表示可能とするモードである設定表示モード(表示設定)と、遊技機の現在の設定値を演出表示装置SGには表示しないモードである設定表示モード(非表示設定)とのいずれを選択するかの設定である}、遊技者音量設定の有効又は無効の選択及び遊技者光量設定の有効又は無効の選択(メンテナンスモード以外での通常状態において、遊技者がサブ入力ボタンや十字キー等を用いて音量設定や光量設定を行うことを可能とするか否かの設定である)、を行うことが可能な構成としている。また、メンテナンスモードの終了が選択された場合、または、設定変更終了時に(例えば、主制御基板M側から設定変更モードからの復帰(設定変更モードの終了)を示すコマンドを受信したことに基づいて)メンテナンスモードを終了し、デモ画面、通常画面、専用画面等の所定の画面が表示される。
【0299】
本例においては、十字キーの操作によって項目を選択し、サブ入力ボタンを押下することで変更内容を決定するよう構成されている。また、演出表示装置SGにて、ボタン操作情報画像SGHMB(メンテナンスモードにおけるボタン操作の説明を行う画像)を表示可能なように構成されている。また、設定変更表示領域(例えば、演出表示装置SG)の下部には、メンテナンスモードの終了条件を示唆・案内する字幕SGHMJ(本例では、「メンテナンスモードは設定変更終了時に強制終了します。…」という字幕)がスクロール表示される。尚、字幕SGHMJは、十字キーで「メンテナンスモードの終了」を選択した場合に表示されてもよいし、メンテナンスモード中において常に表示されてもよい。また、このような字幕SGHMJに限らず、所定の文字情報や音声情報等によりメンテナンスモードの終了条件等を示唆・案内してもよいし、このような案内・示唆を行わなくともよい。また、サブ入力ボタン又は十字キーが所定時間操作されていないことに基づいて自動でメンテナンスモードを終了するよう構成してもよく、この場合、字幕SGHMJとして、サブ入力ボタン又は十字キーの操作が特定時間(所定時間未満の時間)されていない旨と共に、自動でメンテナンスモードを終了するまでの残り時間等を告知するよう構成してもよい。
【0300】
次に、設定確認中の表示画面例について説明する。同図中段は、副制御基板S側が遊技待機状態(図柄変動が実行されておらず、また、保留も存在しない状態)であり、前述したメンテナンスモードにおいて設定表示モードが、設定表示モード(表示設定)となっており、且つ、主制御基板M側が設定確認中において表示されるイメージ図である。本例においては、主制御基板M側から設定確認中モードに移行したことを示すコマンドを送信することにより、主制御基板M側が設定確認中の状態において、副制御基板S側でその旨を示す表示を実行可能なように構成されている。
【0301】
また、本例では、設定表示画像SGSHGは、遊技待機状態に表示されるデモ画面に係る画像の手前に存在する(即ち、設定表示画像SGSHGの方が、デモ画面に係る画像よりも表示の優先度が高く、デモ画面の画像によっては、設定表示画像SGSHGの表示の視認性が妨げられない)よう構成されている。また、本例においては、デモ画面表示領域(例えば、演出表示装置SG)の下部には、設定表示モード(表示設定)の終了条件を示唆・案内する字幕SGSMJ(本例では、「設定表示モード(表示設定)中です。設定キーを抜くと通常モードに戻ります」という字幕)がスクロール表示される。
【0302】
尚、設定変更中又は設定表示中(設定確認中)であることを報知する装置は、演出表示装置SGに限られず、また、設定変更中又は設定表示中(設定確認中)であることを報知する装置において、設定変更中又は設定表示中であることを報知するか否かを遊技店側が選択可能となるよう構成してもよい。例えば、遊技店側は、店員によって設定情報が流出する可能性を防止するなら報知しないようにし、店員によって設定が変更されることを防止するなら報知するように選択するができる。また、設定変更中又は設定表示中(設定確認中)であることを報知するか否かを時間帯により変化させるように構成することも可能である。具体的には、副制御基板SにRTCを搭載して、遊技店側が管理者メニュー画面(RTCの設定、音量設定、省電力モードの設定等が可能)等から報知を実行しない時間帯(或いは報知を実行する時間帯)を設定できるように構成し、RTCの時刻データが設定時間の範囲にある場合には副制御基板SのCPUSCで管理される設定変更中や設定表示中(設定確認中)の報知を行わない(或いは報知を行う)ように制御する。このように構成することにより、設定確認や設定変更を行うことがない営業時間中においては、当該報知を行うように設定し、閉店した後は、当該報知を行わないように設定することができ、これにより、営業時間中の不正については報知することで不正を防止するという目的と、営業時間後において清掃員やアルバイト等に対して設定変更作業を行ったことの示唆の抑止という目的を同時に果たすことができる。尚、上記設定について、音声による報知等の目立つ報知についてのみ設定可能としてもよく、また、報知する(報知しない)装置を選択可能としてもよい。
【0303】
具体的には、設定変更中又は設定確認中にであることを常に報知したい場合は、「目立つ報知を24時間行う」(つまり、目立たない報知を行う時間はない)よう設定する。これにより、いずれの時間においても設定変更又は設定確認が行われていることを察知することができる。また、営業時間外に遊技店の責任者が設定変更又は設定確認していることを、他の遊技店員に察知されないようにしたい場合(すなわち、内部からの情報流出を防止したい場合)には、「目立つ報知を9:00~23:00で行う」(目立たない報知を23:00~9:00で行う)よう設定する。これにより、営業時間外に行われる設定変更又は設定確認に対しては目立たない報知を行うことで、遊技店の責任者が秘密裏に設定変更又は設定確認を行うことができる。さらに、営業時間前に遊技店の責任者が設定変更又は設定確認を行うことが遊技店のオペレーションとして確立されている場合、例えば、「目立つ報知を9:00~5:00で行う」(目立たない報知を5:00~9:00で行う)よう設定することで、より限定的に正規の設定変更又は設定確認のタイミングが規定されるため、限られた時間以外での不正な設定変更又は設定確認を厳密に抑制することができる。逆に、営業時間後に遊技店の責任者が設定変更又は設定確認することが遊技店のオペレーションとして確立されている場合、例えば、「目立つ報知を5:00~23:00で行う」(目立たない報知を23:00~5:00で行う)よう設定することで同様の効果を得ることができる。言うまでもなく、遊技店毎に営業時間が異なるため、例示した時間に限らず、遊技店毎の営業時間とオペレーションに応じて適宜時間の設定を行うのが望ましい。
【0304】
(設定変更方法の変更例)
尚、本例においては、遊技機は複数の設定値(本例では3つの設定値)を備えるが、設定キーの操作態様と、遊技機の設定値の変移との対応は、適宜自由に設計可能である。例えば、本例における設定値の数が6(設定値が「1」~「6」のいずれかとなる)であり、且つ、電源投入時の設定値が「6」の場合、設定キーを1回操作すると、設定値が「5」となり、設定キーを3回操作すると、設定値が「3」となる、といったように、設定キーの操作回数に応じて、設定値を「6」→「1」に繰り下げていく構成であってもよい(同様に、設定キーの操作回数に応じて、設定値を「1」→「6」に順次繰り上げていく構成であってもよい)。また、この場合、設定値が「1」の状態で、設定キーを1回操作すると、設定値が「6」となる、といったように、設定値が下限値である状態にて、設定キーが操作された場合には、設定値が上限値に変移するように構成してもよい。同様に、設定キーの操作回数に応じて、設定値を繰り上げていく構成とし、設定値が上限値(本例では、「6」)の状態にて設定キーが操作された場合には、設定値が下限値(本例では、「1」)に変移するように構成してもよい。また、操作ボタンを長押しすることで、設定値が順次変更されるように構成してもよい。
【0305】
なお、設定値の数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ等、適宜自由に設計可能である。設定値の数が少ないほど(例えば、設定値の数が2つや3つの場合)、複数の設定値を有することに基づく遊技の興趣性を向上させつつも遊技機の構成を簡易なものとすることが可能となり、設定値の数が多いほど(例えば、設定値の数が5つや6つの場合)、より遊技の興趣性を高めることが可能となる。
【0306】
(設定変更に関する変更例)
次に、設定変更に関する変更例について以下に列挙する。
≪設定変更を必要としない遊技機≫
本実施形態では、特別図柄の当否確率について設定値毎に異ならせる例を説明したが、普通機など、電気的に出玉率の設定を行いにくい遊技機においては、実質的に設定変更を行う機能(設定変更手段)を設けることにあまり意味をなさない場合がある。しかし、遊技機開発を行ううえで、設定変更手段を設けた遊技機と設定変更手段を設けない遊技機とを別々に設計するのは、ハード的・ソフト的な観点からも好ましいものではなく、可能な限り、同じソフト構成・ハード構成を利用して多種多様なスペックの遊技機を開発することが、開発コストを抑制するためにも必要である。そこで、以下は、設定変更を必要としない遊技機における、設定変更手段の取り扱いについての一例を列挙する。このように構成することで、設定変更手段を必要としない遊技機においても、設定変更手段を行う遊技機と同様のソフト構成・ハード構成で遊技機開発を行うことが可能となる。また、設定変更手段を必要としない遊技機と、設定変更手段を行う遊技機とで、必ずしもハード構成・ソフト構成が同一である必要はなく、同様の効果を発揮するものであれば、多少の設計変更があっても問題ない。
<1段階設定>
設定変更手段によって変更し得る設定値を1種類に設定する。これにより、設定値を切り替える処理は同じまま(例えば、設定変更モードには移行するが、設定変更スイッチを操作しても設定値は「1」から変更されないように処理を行うことで)、従来と同様に、設定変更を必要としない遊技機と同様の仕様を実現することができる。この場合、設定値として採り得る数値は1種類のため、設定値データとしての「1」を設定値表示装置に表示することで、設定を表示する処理が行われていることを認識させるようにしてもよいし、表示しなくても、どちらでもよい。また、副制御基板に設定値に関する情報を表示する処理が搭載されている場合には、デフォルトの値(例えば「設定1」)を送信するようにしてもよいし、事実上の設定値が存在しない旨のコマンドを送信してもよい。なお、設定値が存在しない旨のコマンドを送信する場合、副制御基板には、当該コマンドの受信により設定値が存在しないことを表示する処理が行われるようにしておくことが望ましい。
<共通設定値>
設定変更手段によって変更し得る設定値を全て同一の設定値として設定する。具体的に、6段階設定(設定1~設定6)を使用する場合、例えば、全ての設定値を「1」として取り扱うことで、いずれの設定値を選択した場合でも同じ設定値として機能させることができる。これにより、設定値を切り替える処理は変更することなく、1段階設定と同様の仕様を実現可能にする。また、設定値データの読み出しに際しては、設定1~設定6のそれぞれに対応するROMのアドレスに設定値「1」のデータを記憶し、選択された設定値に応じたアドレスから設定値「1」のデータを読み出してもよいし、設定1~設定6に共通するアドレスに設定値「1」のデータを記憶するようにしてもよい。このとき、設定値表示装置には、設定キーの操作に応じて、設定値「1」~「6」を表示することも考えられるが、いずれの操作が行われた場合でも設定値「1」を表示するのが設定変更を必要としない機械においては好適であり、これにより、設定値を確認する際の誤認を避けることができる。
<設定値を参照しないソフト処理>
RAMに保存した設定値(設定変更手段によって選択された設定値)を処理的に参照しないようにする。具体的には、設定値を採用する遊技機の場合、特別図柄の当否を抽選する際、当否確率テーブルを参照するにあたっては、選択された設定値としてRAMに保存された設定値を参照して設定値に対応する当否確率テーブルを選択する。このとき、設定値をRAMから参照する処理を省略し、予め定めた1つの当否確率テーブルを決定することで、設定変更を必要としない遊技機と同様の仕様を実現することができる。
<設定値を参照するソフト処理>
設定変更を必要としない遊技機として、上記にて設定値を参照しないソフト処理について説明したが、選択可能な設定値の数に係わらず遊技状態に応じて1つの当否確率テーブルのみを備える場合、この限りでない。選択された設定値がいずれの設定値データであったとしても、同一の当否確率テーブルを決定することになるため、結果として、設定値による設定差が生じることがなくなる。
<識別フラグ>
設定変更を行う遊技機と、設定変更を必要としない遊技機とを識別するフラグを設け、遊技開始タイミング等の所定契機にてフラグを判断することで、設定変更を行う遊技機における処理と、設定変更を必要としない遊技機における処理とを変更する。電源投入時の処理において、ステップ1001の処理を行う前に主制御基板MのROMに格納されたフラグ参照し、設定変更を必要としない遊技機であることを示す値のときは、ステップ1001の処理を行わずにステップ1002の処理に移行することが考えられる。この場合、ソフト的な変更は生じ得るが、少なくとも、ハード的な変更は生じ得ない。
<設定数の設定>
設定変更に使用する設定数を選択する。例えば、1段階設定、3段階設定、6段階設定の3種類を、遊技スペックに応じて適宜選択可能に設計する。具体的には、設定変更を行う際に使用する設定キースイッチの回転位置に応じて設定する方法や、ディップスイッチ等の入力スイッチを使用して選択する方法が考えられる。また、別の手段として、上記の識別フラグを利用した例と同様に、主制御基板MのROMに格納された選択可能な設定数(1段階設定、3段階設定、6段階設定)を示すフラグを、ステップ1001の処理の前や、ステップ1003-1の処理の前に参照することで設定数を選択可能にしてもよい。このような方法を用いることにより、現在の遊技機の仕様として、1段階設定に対応する遊技機、3段階設定に対応する遊技機、6段階設定に対応する遊技機、の3種類に区分けすることが可能となるため、設定数に応じた処理を容易に選択することができる。また、これにより、1段階設定を選択使用する場合には設定変更を必要としない遊技機として機能させることができるとともに、3段階設定、6段階設定を選択使用する場合には選択した設定段階による設定変更が可能な遊技機として機能させることができる。また、上記の1段階設定を利用した例と同様に、副制御基板に設定情報を表示する処理が搭載されている場合には、選択された設定数を示す値(例えば「3段階設定」)を送信するようにしてもよい。これにより、副制御基板Sは、主制御基板Mから受信した値に応じて、「現在、選択されている設定は、3段階設定です」等の報知を、演出表示装置SGやスピーカD24にて行うことができる。また、設定変更に使用する設定数を選択可能な構成でなくともよく、予め設定値の個数に応じて使用する設定値を定めておき、以下のように構成することも可能である。例えば、設定値の数が1個の際は、設定6(又は設定1)を優先して使用するよう構成してもよいし、そうでなくともよい。
(1)1個
設定6を使用する。尚、設定1を使用してもよい。
(2)2個
設定1と設定6を使用する。
(3)3個
(3-1)設定1、設定4、設定6を使用する。
(3-2)設定1、設定3、設定6を使用する。
(3-3)設定1、設定2、設定3を使用する。
(3-4)設定4、設定5、設定6を使用する。
(3-5)設定1、設定2、設定6を使用する。
(3-6)設定1、設定5、設定6を使用する。
(4)4個
(4-1)設定1、設定3、設定4、設定6を使用する。
(4-2)設定1、設定2、設定5、設定6を使用する。
(4-3)設定1、設定2、設定3、設定4を使用する。
(4-4)設定3、設定4、設定5、設定6を使用する。
(4-5)設定1、設定2、設定3、設定6を使用する。
(4-6)設定1、設定4、設定5、設定6を使用する。
(5)5個
(5-1)設定1、設定3、設定4、設定5、設定6を使用する。
(5-2)設定1、設定2、設定4、設定5、設定6を使用する。
(5-3)設定1、設定2、設定3、設定5、設定6を使用する。
(5-4)設定1、設定2、設定3、設定4、設定6を使用する。
(5-5)設定1、設定2、設定3、設定4、設定5を使用する。
(5-6)設定2、設定3、設定4、設定5、設定6を使用する。
<その他>
設定変更に関する機能(設定キー、等)を、主制御基板ではなく、副基板(電源基板、等)に設け、設定変更を必要としない遊技機の場合には、主制御基板への信号入力を行わないようにしてもよい。具体的には、設定変更に関する機能を設けた副基板と、主制御基板との間のハーネス接続を行わない方法や、副基板から主制御基板に対して設定変更に係るコマンドを送信しないようにする方法、等が考えられる。
【0307】
<<設定確認中の構成>>
本例に係る遊技機に適用可能な設定確認中の構成について以下に列挙する。尚、以下に列挙する構成については、上述したすべての実施形態に適用可能であり、1又は複数を適宜組み合わせて問題ないことを補足しておく(設定値を複数設けた場合に限る)。
【0308】
<設定確認中の作用>
設定確認中(設定確認状態)においては、以下のように構成してもよい。
(1)第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、一般入賞口、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、への入球が無効となる(一部の入球口のみ入球が無効となり、その他の入球口への入球は有効としてもよい
(2)第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、一般入賞口、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、への入球が有効のままとなる
(3)発射ハンドルD44の操作が無効となる(遊技球が発射不能となる)
(4)発射ハンドルD44の操作が有効のままとなる(遊技球が発射不能とならない)
(5)エラーの検出は実行可能であるがエラー報知を演出表示装置SGにて表示しない
(6)エラーの検出は実行可能であり、演出表示装置SGにおける設定確認中に係る表示よりも前面レイヤーにてエラー報知を表示する
(7)デモ画面を表示しない(遊技待機状態に移行しない)
(8)主遊技図柄(第1主遊技図柄、第2主遊技図柄)が変動開始しない
(9)補助遊技図柄が変動開始しない
【0309】
<設定確認不可能な期間>
本例においては、遊技機の起動中に設定キースイッチをオンにすることで設定確認状態に移行し得るよう構成したが、以下の期間においては設定キースイッチをオンにしても設定確認できない(設定確認状態に移行しない)よう構成してもよい。
(1)特別遊技開始デモ時間
(2)特別遊技終了デモ時間
(3)特別遊技実行中
(4)主遊技図柄(第1主遊技図柄、第2主遊技図柄)の変動中
(5)補助遊技図柄の変動中
(6)普通電動役物(例えば、第2主遊技始動口電動役物)の作動中
(7)特定演出中(RTCに係る演出の実行中等)
(8)時間短縮遊技状態中
(9)確率変動遊技状態中
(10)特定のエラー(扉開放検出や磁石検出等)発生中
【0310】
<設定確認中から復帰した場合>
本例においては、設定確認状態にて設定キースイッチをオンからオフにすることで設定確認状態から復帰し得るよう構成したが、設定確認中(設定確認状態)から復帰した場合(設定キーをオフにした場合)の作用について以下のように構成してもよい。
(1)音量設定が初期設定に設定される
(2)光量設定が初期設定に設定される
(3)デモ画面が表示される(遊技待機状態に移行する)
【0311】
<<設定変更モードの構成>>
本例に係る遊技機に適用可能な設定変更モードの構成について以下に列挙する。尚、以下に列挙する構成については、上述したすべての実施形態に適用可能であり、1又は複数を適宜組み合わせて問題ないことを補足しておく(設定値を複数設けた場合に限る)。
【0312】
<設定変更モード中に電源断が発生した場合>
設定変更モード中に電源断が発生し、その後電源断から復帰した場合(設定キースイッチはオンのままである場合)、
(1)設定変更モードが再開される
(2)設定変更モードが終了する(その後設定キースイッチをオフ→オンとした場合には設定確認中となる)
(3)設定確認中に移行する
尚、上記(1)のように構成することにより、電源復帰時に設定キースイッチのオン・オフ状況を確認することで、設定変更モードに移行するか否かを判断することができ、簡便な処理にて設定変更モードへの移行有無を判定することができる。
【0313】
<設定変更モード中の作用>
(1)第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、一般入賞口、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、への入球が無効となる(一部の入球口のみ入球が無効となり、その他の入球口への入球は有効としてもよい
(2)第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、一般入賞口、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、への入球が有効のままとなる
(3)発射ハンドルD44の操作が無効となる(遊技球が発射不能となる)
(4)発射ハンドルD44の操作が有効のままとなる(遊技球が発射不能とならない)
(5)エラーの検出は実行可能であるがエラー報知を演出表示装置SGにて表示しない
(6)エラーの検出は実行可能であり、演出表示装置SGにおける設定確認中に係る表示よりも前面レイヤーにてエラー報知を表示する
(7)デモ画面を表示しない(遊技待機状態に移行しない)
(8)主遊技図柄(第1主遊技図柄、第2主遊技図柄)が変動開始しない
(9)補助遊技図柄が変動開始しない
【0314】
<設定変更モード中から復帰した場合>
設定変更モード中から復帰した場合の作用について以下のように構成してもよい。
(1)音量設定が初期設定に設定される
(2)光量設定が初期設定に設定される
(3)デモ画面が表示される(遊技待機状態に移行する)
【0315】
<設定確認状態に関する作用1>
「保留が0個の状況にて遊技球を発射した→遊技領域を遊技球が流下している状況にて扉ユニットD18を開放→設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→遊技球が第1主遊技始動口A10に入球→第1主遊技図柄が変動開始→第1主遊技図柄が大当り図柄にて停止表示」となった場合において、
(1)設定値が表示されたまま大当りが開始される
(2)設定値が表示されたままであり、大当りが開始しない。その後、設定キースイッチを操作して設定確認状態が終了すると、設定値の表示が非表示になると共に大当りが開始される
(3)エラーとなり遊技の進行が停止される
のように構成してもよいし、設定確認状態にて遊技球が第1主遊技始動口A10(または、第2主遊技始動口B10)に入球しても、当該入球は無効となるよう構成してもよいし、当該入球に基づく保留が生起するが、設定確認状態が終了するまで保留が消化されず、図柄変動が開始されないように構成してもよい。尚、設定確認状態に移行しても、遊技の結果には影響がないため、上記(1)のように構成することにより、スムーズに遊技進行が行えることとなる。
【0316】
<設定確認状態に関する作用2>
「保留が0個の状況にて遊技球を発射した→遊技領域を遊技球が流下している状況にて扉ユニットD18を開放→設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→遊技球が第1主遊技始動口A10に入球→第1主遊技図柄が変動開始→第1主遊技図柄が小当り図柄にて停止表示」となった場合において、
(1)設定値が表示されたまま小当りが開始される
(2)設定値が表示されたままであり、小当りが開始しない。その後、設定キースイッチを操作して設定確認状態が終了すると、設定値の表示が非表示になると共に小当りが開始される
(3)エラーとなり遊技の進行が停止される
のように構成してもよい。尚、設定確認状態に移行しても、遊技の結果には影響がないため、上記(1)のように構成することにより、スムーズに遊技進行が行えることとなる。
【0317】
<設定確認状態に関する作用3>
「遊技球を発射した→遊技領域を遊技球が流下している状況にて扉ユニットD18を開放→設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→遊技球が補助遊技始動口H10に入球→補助遊技図柄が変動開始→補助遊技図柄が当り図柄にて停止表示」となった場合において、
(1)設定値が表示されたまま第2主遊技始動口電動役物B11d(普通電動役物)が開放開始する
(2)設定値が表示されたままであり、第2主遊技始動口電動役物B11d(普通電動役物)が開放開始しない。その後、設定キースイッチを操作して設定確認状態が終了すると、設定値の表示が非表示になると共に第2主遊技始動口電動役物B11d(普通電動役物)の開放が開始される
尚、設定確認状態に移行しても、遊技の結果には影響がないため、上記(1)のように構成することにより、スムーズに遊技進行が行えることとなる。
【0318】
<設定確認状態に関する作用4>
「設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→電源断が発生する→設定キースイッチがオンである状況を維持したまま電源復帰する」となった場合において、
(1)電源断時のバックアップ情報に基づき設定確認状態に復帰する
(2)設定変更モードに移行する
(3)設定確認状態にも設定変更モードにも移行しない(その後設定キースイッチをオフ→オンとした場合には設定確認中となる)
尚、電源復帰時に設定値キースイッチがオンであるかを判定し、オンであった場合には設定変更モードに移行するよう構成することで、簡便な処理にて設定変更モードへの移行有無を判定することができるため、上記(2)の構成が最も好適である。
【0319】
<設定確認状態に関する作用5>
「設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→電源断が発生する→設定キースイッチをオフにする→設定キースイッチを再度オンにした状況にて電源復帰する」となった場合において、
(1)電源断時のバックアップ情報に基づき設定確認状態に復帰する
(2)設定変更モードに移行する
(3)設定確認状態にも設定変更モードにも移行しない(その後設定キースイッチをオフ→オンとした場合には設定確認中となる)
尚、電源復帰時に設定値キースイッチがオンであるかを判定し、オンであった場合には設定変更モードに移行するよう構成することで、簡便な処理にて設定変更モードへの移行有無を判定することができるため、上記(2)の構成が最も好適である。
【0320】
<設定確認状態に関する作用6>
「設定キースイッチを操作して設定確認状態にする→電源断が発生する→設定キースイッチをオフにする→設定キースイッチがオフである状況を維持したまま電源復帰する」となった場合において、
(1)設定確認状態にも設定変更モードにも移行しない
【0321】
(設定変更処理のタイミングの変更例)
本実施形態では、ステップ1001で、設定キースイッチがオフであるか否か確認した後、Noの場合に、ステップ1030でRAMクリアボタンがオンであれば、ステップ1003で設定変更処理を実行するよう構成したが、ステップ1001の前に初期設定処理を設け、初期設定処理において設定キースイッチの確認や設定変更処理を行うよう構成してもよい。具体的には、初期設定処理では、まず、各ポートやレジスタの設定処理を行い、その後、設定キースイッチの操作がオンであれば設定変更処理を行うよう構成する。
【0322】
(設定変更に係る乱数範囲の変更例)
本実施形態では、乱数値の分子の数により大当り確率が変更されるよう構成したが、乱数値の分母の数を変更することにより大当り確率が変更するよう構成することも可能である。
【0323】
例えば、まず、非確率変動遊技時は、設定1では、非確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値が65535となっている。乱数値は、乱数値0~204(置数205)が大当り、乱数値205~65535がハズレに設定されている。次に、設定2では、非確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値が65501となっている。乱数値は、乱数値0~204(置数205)が大当り、乱数値205~65501がハズレに設定されている。次に、設定3では、非確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値が65301となっている。乱数値は、乱数値0~204(置数205)が大当り、乱数値205~65301がハズレに設定されている。
【0324】
次に、確率変動遊技状態時は、設定1では、確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値は、非確率変動遊技時の設定1と同様に65535となっている。乱数値は、乱数値0~409(置数410)が大当り、乱数値410~65535がハズレに設定されている。次に、設定2では、確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値は、非確率変動遊技時の設定2と同様に65501となっている。乱数値は、乱数値0~409(置数410)が大当り、乱数値410~65501がハズレに設定されている。次に設定3では、確率変動遊技時において、当選抽選乱数の乱数上限値は、非確率変動遊技状態時の設定3と同様に65301となっている。乱数値は、乱数値0~409(置数410)が大当り、乱数値410~65301がハズレに設定されている。
【0325】
このように構成することにより、設定値を変更することによる当選確率の違いは、同一遊技状態下(例えば、非確率変動遊技時、確率変動時)においては、乱数上限値の違いにより生じることとなる。このため、当選確率を設定毎に変更しつつ、当否抽選用の判定テーブルを共通にすることができ、先読み処理や当否抽選において設定値毎に個別の処理を実行する必要を低減することができる。
【0326】
(2段階当否抽選の実施例)
次に、設定値に応じて主遊技図柄の当選確率を変更する場合の実施例を説明する。本実施例においては、高確率状態(確率変動遊技状態)における当選確率をベースとして2段階抽選を実施する点が特徴である。
【0327】
例えば、第1当否抽選乱数のテーブルは、設定1では2050/65536(1/31.969)、設定2では2100/65536(1/31.208)、設定3では2150/65536(1/30.482)となっており、第2当否抽選乱数のテーブルは、全設定共通で1/2.5とする。つまり、本実施例において、通常遊技状態(非確率変動遊技状態)における当り(大当り)確率は、設定1で1/79.92(2050/65536×1/2.5)、設定2で1/78.02(2100/65536×1/2.5)、設定3で1/76.20(2150/65536×1/2.5)となり、高確率遊技状態(確率変動遊技状態)における当り(大当り)確率は、第1当否抽選乱数のテーブルにおける当選確率であり、設定1で1/31.969、設定2で1/31.208、設定3で1/30.482となる。したがって、本実施例においては、通常遊技状態と高確率遊技状態との確率変更比率は、全設定値において、共通の2.5倍となる。
【0328】
以上のように、本実施例のように2つの当否抽選乱数を採用することにより、所定範囲の乱数値を用いて当否の決定を行う前提で通常時(非確率変動遊技状態時)の当り確率を細かく設定した場合であっても、高確率時(確率変動遊技状態時)との当選比率を各設定で完全に同一とすることができるという効果を得ることができる。
【0329】
(2段階当否抽選の別実施例)
上記にて、高確率状態(確率変動遊技状態)における当選確率をベースとして2段階抽選を実施するよう構成を説明したが、2段階目の抽選(第2当否抽選乱数の判定処理)については、遊技状態毎に1つずつの判定テーブル(1の低確率用の当否抽選テーブルと1の高確率用の当否抽選テーブル)を備えておき、1段目の抽選(第1当否抽選乱数の判定処理)について、設定値毎に異なる判定テーブルを用いて抽選を行うことも可能である。
【0330】
具体的には、第1当否抽選乱数のテーブルは、設定1では98/100、設定2では99/100、設定3では100/100となっており、第2当否抽選乱数の当否抽選乱数判定テーブルのうち、低確率状態用のテーブルは全設定共通で210/65536(1/318.4)、高確率状態用のテーブルは全設定共通で1001/65536(1/65.5)、とする。つまり、通常遊技状態(非確率変動遊技状態)における当り(大当り)確率は、設定1では1/318.4(98/100×210/65536)、設定2で1/315.2(99/100×210/65536)、設定3で1/312.0(100/100×210/65536)となり、高確率遊技状態における当り(大当り)確率は、設定1で1/66.8(98/100×1001/65536)、設定2で1/66.1(99/100×1001/65536)、設定3で1/65.5(100/100×1001/65536)となる。したがって、通常遊技状態(低確率状態)と高確率遊技状態との確率変更比率は、全設定値において、共通の1001/210倍(4.766・・・倍)となる。すなわち、通常遊技状態(低確率状態)と高確率状態との当選確率の比率は低確率用の第2当否抽選乱数判定テーブルと高確率用の第2当否抽選乱数判定テーブルの比となる。このため、その比率を一様に設定することが極めて容易であり、高確率時の当否抽選テーブルの当り乱数の個数を素(本実施例においては、1001個)とした場合でも、設定毎の確率比率を同一とすることができる。
【0331】
なお、最終的に大当りとなるか否かは第2当否抽選乱数のパラメータに大きく依存するため、本パラメータに関する情報のみに基づいて先読み演出の実行を判定することも好適である。詳述すると、実当選確率(最終的に大当りとなる確率)は、第1当否抽選乱数の当選確率と、第2当否抽選乱数の当選確率との合算により算出されるものの、第1当否抽選乱数の当選確率が非常に高く(設定1でも98/100)設定されているため、第2当否抽選乱数の当否結果に大きく依存することになる。したがって、大当りの期待度を示すための情報を生成する先読み判定処理においては、第2当否抽選乱数のパラメータが重要となる。
【0332】
このようなことから、実際の先読み演出の実行判定(例えば本実施形態における副制御基板の先読み処理等)では、その演出の実行可否や内容決定のプロセスにおいて、第2当否抽選乱数の当否結果に基づいて生成される情報の依存度を高く設定することが好ましい。
【0333】
具体的には、複数の乱数を用いて段階的に当否判定を行う場合には、先読み演出の決定(先読み演出の実行可否や先読み判定処理等を含む)に際して当選確率の低い方の情報の依存度を高くすることが好ましく、これにより適切に先読演出による当り示唆の機能を果たせることとなる。
【0334】
(設定値により低確率時の大当り確率が異なり、高確率の大当り確率は設定値に関わらず共通である実施例)
主遊技図柄の変動回数によって確率変動遊技状態が終了する遊技機(所謂ST機)においては、高確率時の大当り確率が異なることにより、確率変動状態の継続確率が一定ではなくなってしまう。そのため、高確率時の大当り確率は、設定値に関わらず共通としておく方が好適である。
【0335】
例えば、第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)における非確率変動遊技状態にて参照するテーブルでは、遊技者に付与される利益率が低いものから順に、設定1、設定2、設定3の順番とする。より具体的には、非確率変動遊技状態での設定1の当り(大当り)当選確率が、約1/320に設定されており、非確率変動遊技状態での設定2の当り(大当り)当選確率が、約1/318に設定されており、非確率変動遊技状態での設定3の当り(大当り)当選確率が、約1/317に設定されている。一方、第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)における確率変動遊技状態にて参照するテーブルでは、いずれの設定値においても当り(大当り)当選確率が同一となるよう構成されている。より具体的には、設定1、設定2及び設定3のすべての設定値において、当り(大当り)当選確率が、約1/159(412/65536)に設定されている。
【0336】
尚、大当り終了後には、当該大当りに係る大当り図柄に拘わらず確率変動遊技状態に移行するよう構成されており、確変回数カウンタに80回がセットされる、換言すると、確変回数は80回となっている。また、確率変動遊技状態における大当り確率は412/65536であるため、確変回数である80回の主遊技図柄の変動のいずれかで大当りに当選できる確率(連荘確率とも称することがある)は、
{1-(1-412/65536)80}×100≒39.62(%)
であり、設定値が相違しても同一の連荘確率となる。
【0337】
以上のように構成することにより、設定値として設定1、設定2、設定3の3つの設定値を有しており、非確率変動遊技状態においては、設定値が相違することにより大当り確率が相違し得るよう構成することにより、遊技者に現在の設定値はどの程度有利な設定値であるかを推測しながら遊技を進行するという斬新な興趣性を提供できると共に、確率変動遊技状態における大当り確率を設定値が相違しても同一の大当り確率となるよう設定することにより、特別遊技の終了後に確率変動遊技状態に移行した場合に主遊技図柄の変動回数によって確率変動遊技状態が終了するよう構成された遊技機において、確率変動遊技状態における連荘確率が設定値によって相違してしまう事態を防止することができ、遊技者にとって有利な状態である確率変動遊技状態にて提供する利益率が遊技する遊技機によって相違することがない、ユーザーフレンドリーな遊技機を創出することができる。
【0338】
(試験端子の概要)
ここで、試験端子および、試験端子から出力する情報について、補足的に説明する。市場(遊技店)に供給する遊技機には搭載しないものの、様々な出玉試験等を容易に行うために、試験時に限り、コネクタ及び、試験端子の出力専用のバッファICやラッチIC等を搭載する(専用ICがない場合には、コネクタのみを搭載する)ことで、遊技機の各種情報を出力可能に構成されている。具体的には、主制御基板Mに試験端子の搭載領域が形成され、試験時に、当該領域の対応したランド(制御回路と電気的に接続されている回路パターン)に対応するように、1又は複数のバッファICやラッチIC(例えば74HC244や74HC541)及び接続コネクタを搭載(半田付)することにより、試験端子から所定の遊技情報が出力可能となる。
【0339】
<試験端子出力情報>
次に、上述した試験端子から出力される情報について簡単に説明する。前述したとおり試験端子は出玉試験等を容易に行うことを目的としているため、出玉の獲得状況や遊技の進行状況を把握するための情報をなるべくリアルタイムに出力できるように構成されている。本実施例においては、遊技に関して主制御基板Mに入力される信号である「アウト球カウント」「タッチ状態」「普通図柄作動ゲート」「第1主遊技始動口」「第2主遊技始動口」「普通入賞口」「第1大入賞口入賞」「第2大入賞口入賞」が出力され、異常に関する信号として「断線短絡電源異常検知信号」「扉開放信号」「磁気検知信号」「電波検知信号」「衝撃検知信号」が出力され、また、遊技機の状態に関する信号として「条件装置作動中」「役物連続作動装置作動中」「第1主遊技図柄当り」「第1主遊技図柄変動中」「第2主遊技図柄当り」「第2主遊技図柄変動中」「第1主遊技高確率状態」「第1主遊技変動時間短縮状態」「第2主遊技高確率状態」「第2主遊技変動時間短縮状態」「補助遊技図柄高確率状態」「補助遊技図柄変動時間短縮状態」「補助遊技開放延長状態」「特別電動役物作動中」「第1大入賞口ソレノイド駆動中」「第2大入賞口ソレノイド駆動中」「補助遊技図柄当り」「補助遊技図柄変動中」「普通電動役物作動中」「遊技機エラー状態」が出力され、その他図柄に関する情報して「主遊技図柄の図柄データ」「補助遊技図柄の図柄データ」が出力される。また、設定装置(設定キースイッチ、設定値の表示及び設定変更に関する装置)を搭載している場合には、設定装置の作動状態(例えば、設定変更モード中であるか、設定表示モード中であるか)及び、設定値の情報も出力され、入球状態表示装置J10を搭載している場合には、当該表示装置に表示される情報についても出力されている。
【0340】
(ECO遊技機)
本実施形態では、遊技者が球皿(上球皿D20、下球皿D22)等から遊技球に触れることが可能であるが、遊技機内部で遊技球が循環する構成とすることで、遊技者が遊技球に触れることが不可能なように構成し、所持している球数データや賞球データを遊技機側(賞球払出制御基板KH)で管理する構成としてもよい。簡易的ではあるが、
図66及び
図67を参照し、ぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。
【0341】
本実施形態との大きな相違点は、ECOユニットEU及び操作部装置50の構成である。具体的には、ぱちんこ遊技機の外部に設置されたECOユニットEUが設けられており、ぱちんこ遊技機とECOユニットEUとの間で様々な遊技情報を通信可能に構成されている。また、操作部装置50には、持ち球数表示装置MU、ECOユニット操作パネルESが設けられている。以下、
図67を用いて持ち球数表示装置MU、ECOユニット操作パネルESについて詳述する。
【0342】
次に、
図67は、
図66における操作部装置50の詳細を示す図である。まず、持ち球数表示装置MUについて説明する。持ち球数表示装置MUには、持ち球数表示部501、精算数設定表示部502、情報表示部503、全精算ボタン504、一部精算ボタン505、精算単位数設定ボタン506が設けられ、ECOユニット操作パネルESには、精算済み表示部601、再遊技ボタン602、カード残高表示部603、貸出ボタン604、カード返却ボタン605、状態表示部606が設けられている。
【0343】
持ち球数表示部501は、例えば、6桁の7セグメントLEDにより構成されており、遊技機側で記憶(保持)している持ち球数を「999,999」個まで表示可能となっている。精算数設定表示部502は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成されており、持ち球数の一部を精算する際の単位遊技球数を「9,999」個まで表示可能となっており、各桁に対応して配置された精算単位数設定ボタン506の上ボタン又は下ボタンを操作することにより、単位精算数を桁ごとに設定することが可能である。情報表示部503は、英字表示可能なLED等により構成されており(図示省略)、エラー等が発生した際にエラー情報の表示や精算確認の表示等(「精算してもよろしいでしょうか?」の表示や音声出力)が可能となっている。具体的には、賞球払出制御基板KHと持ち球数表示部501との間における通信異常であれば「E1」、賞球払出制御基板KHとECOユニットEUとの間における通信異常であれば「E2」のようにエラーに対応するコード情報が表示される。尚、持ち球数表示部501では、持ち球数以外の情報(例えばエラー情報等)が表示されることがないよう構成することが好適である。尚、上記桁数はあくまで一例であり、変更しても問題ない。
【0344】
全精算ボタン504は、メカスイッチ等により構成され、遊技機側で記憶(保持)している遊技球(持ち球)を精算する際に操作するためのボタンであり、操作面が持ち球数表示装置MUの中で最も大きくなるように構成されている。なお、誤操作を防止するために、複数回の操作により全精算処理が行われるよう構成するのが好適である。一部精算ボタン505は、メカスイッチ等により構成され、遊技機側で記憶(保持)している遊技球(持ち球)のうちの一部を精算する際に操作するためのボタンであり、前述した全精算ボタン504よりも操作面が小さくなるように構成されている。なお、全精算処理と同様に誤操作を防止するために、複数回の操作により一部精算の処理が行われるよう構成するのが好適である。
【0345】
次に、ECOユニット操作パネルESについて説明する。精算済み表示部601は、例えば、持ち球数表示部501と同様に、6桁の7セグメントLEDにより構成されており、ECOユニット側で管理されている遊技者の持ち球数を「999,999」個まで表示可能となっている。カード残高表示部603は、例えば、3桁の7セグメントLEDにより構成されており、ICカードに記録された残高(度数)を表示可能である。貸出ボタン604は、例えば、メカスイッチ等により構成され、ICカードに記録された残高(度数)の範囲内で遊技球を貸し出す際に操作するためのボタンである。カード返却ボタン605は、例えば、メカスイッチ等により構成され、遊技者がICカードを抜去する際に操作するボタンである。再遊技ボタン602は、例えば、メカスイッチ等により構成され、遊技者が操作すると精算済み表示部601に表示される精算済み遊技球を利用可能とするためのボタンである。なお、ECOユニット操作パネルESに設けられた各種のボタン入力に応じた制御や表示制御等はECOユニット側の制御部により行われることとなる。状態表示部606は、例えば、LEDにより構成されており、ECOユニットEUとECOユニット操作パネルESとの間で通信異常が発生した場合に点灯や点滅によりエラーが発生したことを報知する。
【0346】
次に、
図68、
図69を参照して、主制御基板及び払出制御基板(賞球払出制御基板)に係る機能ブロック図について例示する。尚、点線は、電源断時のコンデンサからの給電ルート(電源断時に主制御基板のRAM、払出制御基板のRAMのデータを維持するため)を示している。
【0347】
<構成1>
構成1においては、電源基板と払出制御基板とがハーネス1で接続されており、電源基板から払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上及び払出制御基板の基板上にはCPUが設けられている。尚、同図においては、CPU内にROM及びRAMが内蔵されているが、これには限定されず、CPUとROMとRAMとを別々にして払出制御基板の基板上や主制御基板の基板上に設けてもよい。また、払出制御基板と主制御基板とがハーネス2で接続されており、払出制御基板から主制御基板に電力を供給可能に構成されている。また、払出制御基板の基板上にはコンデンサが設けられている。尚、コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサに蓄えられている電力によって、一定時間払出制御基板から主制御基板に電力が供給されることとなる(ハーネス2が接続されている場合)。従って、払出制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータ及び主制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータは、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサから供給される電力によって維持される。
【0348】
<構成2>
構成2においては、電源基板と払出制御基板とがハーネス3で接続されており、電源基板から払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上及び払出制御基板の基板上にはCPUが設けられている。尚、同図においては、CPU内にROM及びRAMが内蔵されているが、これには限定されず、CPUとROMとRAMとを別々にして払出制御基板の基板上や主制御基板の基板上に設けてもよい。また、払出制御基板と主制御基板とがハーネス4で接続されており、払出制御基板から主制御基板に電力を供給可能に構成されている。また、払出制御基板ケース内にて、払出制御基板の基板とコンデンサが設けられた副基板とがフローティングコネクタ等によって接続されている。コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から払出制御基板を介して電力を蓄えることができるよう構成されている。尚、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサに蓄えられている電力によって、一定時間副基板→払出制御基板→主制御基板と電力が供給されることとなる(ハーネス4が接続されている場合)。従って、払出制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータ及び主制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータは、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしても副基板のコンデンサから供給される電力によって維持される。
【0349】
<構成3>
構成3においては、電源基板と払出制御基板とがハーネス5で接続されており、電源基板から払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上及び払出制御基板の基板上にはCPUが設けられている。尚、同図においては、CPU内にROM及びRAMが内蔵されているが、これには限定されず、CPUとROMとRAMとを別々にして払出制御基板の基板上や主制御基板の基板上に設けてもよい。また、払出制御基板と主制御基板とがハーネス6で接続されており、払出制御基板から主制御基板に電力を供給可能に構成されている。また、払出制御基板ケース内にて、払出制御基板の基板とコンデンサが設けられた副基板とがフローティングコネクタ等によって接続されている。コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から払出制御基板を介して電力を蓄えることができるよう構成されている。尚、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサに蓄えられている電力によって、一定時間副基板→払出制御基板、副基板→主制御基板へと電力が供給されることとなる(ハーネス6、ハーネス7が接続されている場合)。従って、払出制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータ及び主制御基板上のCPUに内蔵されたRAMに記憶されているデータは、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしても副基板のコンデンサから供給される電力によって維持される。
【0350】
<構成4>
構成4においては、主制御基板と電源基板とがハーネス8で接続されており、電源基板から主制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上にはCPUが設けられている。また、払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)と電源基板とがハーネス9で接続されており、電源基板から払出制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、払出制御基板の基板上にはCPUが設けられている。また、払出制御基板と副基板(払出制御基板のRAMに記憶されている情報をバックアップするための基板)とがハーネス10で接続されており、副基板から払出制御基板に電力を供給可能に構成されている。尚、主制御基板と払出制御基板とはハーネス11で接続されており、双方向にコマンドを送受信可能に構成されている。また、副基板の基板上にはコンデンサが設けられている。コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から払出制御基板を介して電力を蓄えることができるよう構成されている。尚、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止した場合には、副基板の基板上に設けられたコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間払出制御基板に電力が供給されるよう構成されている(ハーネス10が接続されている場合)。また、電源基板から主制御基板と払出制御基板への電力の供給が停止した場合にも、副基板の基板上に設けられたコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間副基板→払出制御基板→主制御基板へと電力が供給されるよう構成されている(ハーネス10、ハーネス11が接続されている場合)。尚、同図においては、電源基板から払出制御基板に直接電力を供給可能に構成したが、これには限定されず、電源基板と副基板2(同段落で記載した副基板と同一でも問題無い)とをハーネスによって接続し、「電源基板→副基板2→払出制御基板」のように電力を供給可能に構成してもよい。尚、構成4において、主制御基板とハーネスで接続される副基板Bを設けてもよく、そのように構成した場合には、副基板Bの基板上にはコンデンサを設けるよう構成してもよい。
【0351】
<構成5>
構成5においては、主制御基板と電源基板とがハーネス13で接続されており、電源基板から主制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上にはCPUが設けられている。また、主制御基板と副基板(主制御基板のRAMに記憶されている情報をバックアップするための基板)とがハーネス12で接続されており、副基板から主制御基板に電力を供給可能に構成されている。また、副基板の基板上にはコンデンサが設けられている。尚、コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から主制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間副基板から主制御基板に電力が供給されることとなる(ハーネス12が接続されている場合)。また、払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)と電源基板とがハーネス14で接続されており、電源基板から払出制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、払出制御基板の基板上にはCPUとコンデンサとが設けられている。尚、主制御基板と払出制御基板とはハーネス15で接続されており、双方向にコマンドを送受信可能に構成されている。尚、コンデンサは、電力を蓄えることができ、コンデンサを有する払出制御基板は、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止したとしてもコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間払出制御基板に電力が供給される。尚、同図においては、電源基板から主制御基板や払出制御基板に直接電力を供給可能に構成したが、これには限定されない。例えば、電源基板と副基板2(同段落で記載した副基板と同一でも問題無い)とをハーネスによって接続し、「電源基板→副基板2→主制御基板」のように電力を供給可能に構成してもよい。同様に、電源基板と副基板3(同段落で記載した副基板と同一でも問題無い)とをハーネスによって接続し、「電源基板→副基板3→払出制御基板」のように電力を供給可能に構成してもよい。尚、構成5は、封入式の回胴式遊技機や封入式のぱちんこ遊技機に適用してもよい。
【0352】
<構成6>
構成6においては、主制御基板と電源基板とがハーネス16で接続されており、電源基板から主制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、主制御基板の基板上にはCPUが設けられている。また、払出制御基板(遊技メダル、遊技球、得点等の遊技価値を付与するための制御を実行する基板)と電源基板とがハーネス17で接続されており、電源基板から払出制御基板に電力が供給されるよう構成されている。また、払出制御基板の基板上にはCPUが設けられている。尚、主制御基板と払出制御基板とはハーネス19で接続されており、双方向にコマンドを送受信可能に構成されている。また、払出制御基板ケース内にて、払出制御基板の基板とコンデンサが設けられた副基板(払出制御基板のRAMに記憶されている情報をバックアップするための基板)とがフローティングコネクタ等によって接続され、副基板から払出制御基板に電力を供給可能に構成されている。
コンデンサは、電力を蓄えることができ、電源基板から払出制御基板を介して電力を蓄えることができるよう構成されている。尚、電源基板から払出制御基板への電力の供給が停止した場合には、副基板の基板上に設けられたコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間払出制御基板に電力が供給されるよう構成されている(フローティングコネクタが接続されている場合)。また、電源基板から主制御基板と払出制御基板への電力の供給が停止した場合にも、副基板の基板上に設けられたコンデンサに蓄えている電力によって、一定時間副基板→払出制御基板→主制御基板へと電力が供給されるよう構成されている(フローティングコネクタ、ハーネス19が接続されている場合)。尚、同図においては、電源基板から払出制御基板に直接電力を供給可能に構成したが、これには限定されず、電源基板と副基板2(同段落で記載した副基板と同一でも問題無い)とをハーネスによって接続し、「電源基板→副基板2→払出制御基板」のように電力を供給可能に構成してもよい。尚、構成6において、主制御基板とハーネスで接続される副基板Bを設けてもよく、そのように構成した場合には、副基板Bの基板上にはコンデンサを設けるよう構成してもよい。
【0353】
(第2実施形態)
はじめに、第2実施形態に係る遊技機は、第2大入賞口C20の内部に、遊技球が入球可能な特定領域C22を有しており、特別遊技実行中に特定領域C22に遊技球が入球することにより、当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行するような構成(いわゆる、玉確機、VST機)となっている。尚、確率変動遊技状態では、時間短縮遊技状態となっており、また、主遊技図柄の変動回数によって確率変動遊技状態が終了するよう構成されている。尚、第2実施形態では、本実施形態と同様に第2主遊技図柄の保留球が存在する場合には、第1主遊技図柄の保留球の存在に係らず(たとえ入賞順序が第1主遊技図柄の保留の方が先でも)、第2主遊技図柄の保留消化を優先して実行するよう構成するのが好適であるが、これに限定されることはない(入賞順序に基づく保留消化や、双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選する並列抽選を実行するよう構成してもよい)。また、第2実施形態では、本実施形態にて記載した構成(例えば、設定値を備える構成等)を適宜適用してもよいことを補足しておく。
【0354】
まず、
図70は、第2実施形態における、
図28のステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態との相違点は、ステップ1408(第2)、ステップ1411(第2)、ステップ1412‐1(第2)、ステップ1412‐2(第2)、ステップ1450(第2)、ステップ1413(第2)である。即ち、ステップ1410‐2で主遊技図柄の停止図柄を決定した後、ステップ1408(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技時短フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1408(第2)でYesの場合、ステップ1412‐1(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数・当否抽選結果に基づき、主遊技図柄の変動態様を決定する。他方、ステップ1408(第2)でNoの場合、ステップ1411(第2)に移行し、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値が0であるか否かを判定する。ステップ1411でYesの場合、即ち、限定頻度カウンタ値が0である場合、ステップ1412‐2(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数・当否抽選結果に基づき、主遊技図柄の変動態様を決定する。他方、ステップ1411(第2)でNoの場合、ステップ1450(第2)で、限定頻度変動態様決定処理を実行し、ステップ1413(第2)で、限定頻度カウンタ値を1減算する処理を実行する。
【0355】
ここで、
図71は、第2実施形態における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられる主遊技テーブル構成図である。大当りとなる主遊技図柄のうち、特定領域に遊技球が入球容易となる特別遊技が実行されることとなる主遊技図柄は「5A・7A・3B・5B・7B」であり、特定領域に遊技球が入球困難となる特別遊技が実行されることとなる主遊技図柄は「2A」となっている。
【0356】
次に、
図72は、
図70におけるステップ1450(第2)のサブルーチンに係る、限定頻度変動態様決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタを参照し、当該カウンタ値Gが第1段階範囲内の値(80≧G>50)であるか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1454で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数、当否抽選結果に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。
【0357】
ここで、
図73(限定頻度テーブル1)は、限定頻度変動態様決定用抽選テーブルの一例である。本例に示されるように、第2実施形態においては、限定頻度カウンタ値Gが所定の範囲内の値(80≧G>50)である場合に限定頻度テーブル1が参照される。尚、第1主遊技側と第2主遊技側とで参照するテーブルは同一の内容である。また、当り時の変動時間はハズレ時の変動時間と比較して相対的に長くなっている。尚、限定頻度テーブル2及び限定頻度テーブル3と比較すると、限定頻度テーブル1が最も平均の変動時間が短くなるよう構成されている。また、限定頻度テーブル1においては保留球数に拘らず同様のテーブルを参照するよう構成されている。
【0358】
他方、ステップ1452でNoの場合、ステップ1456で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタを参照し、当該カウンタ値Gが第2段階範囲内(50≧G>10)の値であるか否かを判定する。ステップ1456でYesの場合、ステップ1458で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数、当否抽選結果、第2主遊技側の保留球数に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。
【0359】
ここで、
図73(限定頻度テーブル2)は、限定頻度変動態様決定用抽選テーブルの一例である。本例に示されるように、第2実施形態においては、限定頻度カウンタ値Gが所定の範囲内(50≧G>10)の値である場合に限定頻度テーブル2が参照される。尚、第1主遊技側と第2主遊技側とで参照するテーブルは同一の内容となっている。また、当り時の変動時間はハズレ時の変動時間と比較して相対的に長くなっている。尚、限定頻度テーブル2及び限定頻度テーブル3と比較すると、限定頻度テーブル2が最も平均の変動時間が長くなるよう構成されている。また、限定頻度テーブル2においては保留球が0個または1個存在する場合に比べて2個又は3個存在する場合の方が平均の変動時間が短くなるよう構成されている。
【0360】
他方、ステップ1456でNoの場合、換言すると、限定頻度カウンタ値Gが第3段階範囲内(10≧G)の値である場合、ステップ1460で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技側乱数、当否抽選結果に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。
【0361】
ここで、
図73(限定頻度テーブル3)は、限定頻度変動態様決定用抽選テーブルの一例である。本例に示されるように、第2実施形態においては、限定頻度カウンタ値Gが所定の範囲(10≧G)である場合に限定頻度テーブル3が参照される。尚、第1主遊技側と第2主遊技側とで参照するテーブルは同一の内容となっている。また、限定頻度テーブル3にて選択され得る変動時間は1種類のみとなっており、当否抽選結果、保留球数に拘らず一定となっている。
【0362】
尚、限定頻度テーブルの内容はこれには限定されず、所定の段階(例えば、第1段階)においてのみ、第1主遊技側と第2主遊技側とで、参照する限定頻度テーブルの内容が同一となるよう構成してもよい。また、所定の段階(例えば、第3段階)においては、(第1主遊技側、第2主遊技側の双方において)保留数に拘らず変動態様が決定されるように構成してもよい。そのように構成しない場合には、第1主遊技側では保留数に拘らず同一のテーブルから変動態様を選択し、第2主遊技側では、保留数が所定個数以上の場合には、保留数が所定個数以下の場合より相対的に短い変動時間となるよう構成することが望ましい。
【0363】
尚、第2実施形態においては、限定頻度テーブルは3種類とし、限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル3の順に3段階に切り替えるよう構成(いわゆる3段階ST)したがこれには限定されず、限定頻度テーブルの種類を何種類としても、参照するテーブルの順序を変更しても何ら問題ない。更には、限定頻度テーブル1と限定頻度テーブル2との2つのテーブルを有し、参照するテーブルを、限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル1の順に切り替えて3段階STの態様としてもよい。
【0364】
次に、
図74は、第2実施形態における、
図10のステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態との相違点は、ステップ1611(第2)及びステップ1850(第2)であり、その目的は、振分遊技(特定領域を有する第2大入賞口C20を開放する単位遊技)を実行し得るよう構成することである。即ち、ステップ1608でサブ側への特別遊技開始表示指示コマンドをセットした後、又は、特別遊技実行フラグがオンであった場合、ステップ1611(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、現在実行するラウンドが振分遊技実行ラウンド(本例では第2R、4R)であるか否かを判定する。ステップ1611(第2)でYesの場合、ステップ1850(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、後述する振分遊技実行処理を実行し、ステップ1634に移行する。他方、ステップ1611(第2)でNoの場合には、ステップ1612に移行し、本実施形態と同様の処理を実行する。
【0365】
次に、
図75は、第2実施形態における、
図74のステップ1850(第2)のサブルーチンに係る、振分遊技実行処理のフローチャートである。まず、ステップ1852で、主制御基板MのCPUMCは、振分遊技実行中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1852でYesの場合、ステップ1866に移行する。他方、ステップ1852でNoの場合、ステップ1854で、主制御基板MのCPUMCは、停止している主遊技図柄は長開放図柄(振分遊技実行ラウンドにおいて第2大入賞口C20が相対的に長時間開放する大当り図柄であり、本例では、3B・5A・5B・7A・7B)であるか否かを判定する。ステップ1854でYesの場合、ステップ1856で、主制御基板MのCPUMCは、特定領域C22を有する第2大入賞口C20の開放パターンとして、長開放パターン(例えば、15秒間の開放であって、特定領域C22への入球が確定的となるよう設計された開放パターン)をセットし、ステップ1860に移行する。ステップ1854でNoの場合、換言すると、停止図柄が2Aの場合、ステップ1858で、主制御基板MのCPUMCは、特定領域C22を有する第2大入賞口C20の開放パタ‐ンとして、短開放パタ‐ン(例えば、0.1秒間の開放であって、特定領域C22への非入球が確定的となるよう設計された開放パターン)をセットし、ステップ1860に移行する。尚、第1主遊技側の長開放図柄は「5A・7A」となっており、大当り時に選択される割合は「524/1024」となっており、第2主遊技側の長開放図柄は「3B・5B・7B」となっており、大当り時に選択される割合は「1024/1024」となっているため、第1主遊技側の大当りよりも第2主遊技側の大当りの方が振分遊技実行ラウンドにおいて第2大入賞口C20が長開放となる割合が高い、即ち、大当り時に特定領域C22に遊技球が入球し易いよう構成されている。
【0366】
次に、ステップ1860で、主制御基板MのCPUMCは、入賞球カウンタのカウンタ値をクリアする。次に、ステップ1862で、主制御基板MのCPUMCは、振分遊技継続フラグをオンにする。次に、ステップ1864で、主制御基板MのCPUMCは、セットされた開放パターンにて第2大入賞口C20を開放し、ステップ1866に移行する。
【0367】
次に、ステップ1866で、主制御基板MのCPUMCは、入賞球カウンタのカウンタ値を確認し、第2大入賞口C20に遊技球が所定個数(10個)入賞したか否かを判定する。ステップ1866でYesの場合、ステップ1870に移行する。他方、ステップ1866でNoの場合には、ステップ1868で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口C20の開放期間(セットされた開放パターン)が終了したか否かを判定する。ステップ1868でYesの場合、ステップ1870に移行する。次に、ステップ1870で、主制御基板MのCPUMCは、第2大入賞口C20を閉鎖する。次に、ステップ1872で、主制御基板MのCPUMCは、振分遊技実行中フラグをオフにする。次に、ステップ1874で、主制御基板MのCPUMCは、当該振分遊技の実行ラウンドにおいて特定領域C22への遊技球の入球があったか否かを判定する。ステップ1874でYesの場合、ステップ1876で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技確変移行予約フラグをオンにし、ステップ1878に移行する。尚、ステップ1874でNoの場合も、ステップ1878に移行する。次に、ステップ1878で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド数カウンタに1を加算し(振分遊技の実行ラウンドを終了し)、次の処理に移行する。尚、ステップ1868でNoの場合にも、次の処理に移行する。
【0368】
次に、
図76は、第2実施形態における、
図74のステップ1650のサブルーチンに係る特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。第2実施形態では、振分遊技において、特定領域C22への入球があったか否かによって、確率変動遊技状態への移行可否及び時間短縮遊技状態における変動回数の上限値を異ならせるよう構成されている。即ち、本サブルーチンの実行時、ステップ1680(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技確変移行予約フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1680(第2)でYesの場合、ステップ1682(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技確変移行予約フラグをオフにする。次に、ステップ1652及びステップ1654で、主制御基板MのCPUMCは、確変回数カウンタに所定回数(本例では、80回)をセットすると共に、主遊技確変フラグをオンにする。次に、ステップ1684(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタに所定回数A(本例では、80回)をセットする。次に、ステップ1656で、主制御基板MのCPUMCは、時短回数カウンタに所定回数A(本例では、80回)をセットしてステップ1658に移行し、以降、ステップ1658及びステップ1660にて、主遊技時短フラグをオン、補助遊技時短フラグをオンにする処理を実行する。
【0369】
他方、ステップ1680(第2)でNoの場合、ステップ1686(第2)で、主制御基板MのCPUMCは、時短回数カウンタに所定回数B(本例では、50回であるが、これには限定されない。尚、所定回数A以下の値が好適である。)をセットし、ステップ1658に移行する。
【0370】
ここで、第2実施形態においては、特別遊技中における特定領域C22への入球有無に拘らず、特別遊技終了後には時間短縮遊技状態に移行するよう構成されている。また、特別遊技中に特定領域C22への遊技球の入球があった場合には当該特別遊技後にて時間短縮遊技状態となる変動回数が、確率変動遊技状態となる変動回数と同じ所定回数A(本例では80回)となり、特別遊技中に特定領域への遊技球の入球がなかった場合には当該特別遊技後にて時間短縮遊技状態となる変動回数が所定回数Aとは異なる(少ない)回数である所定回数B(本例では50回)となるように構成されている。これにより、万一、特定領域C22への入球が容易となる特別遊技中に特定領域C22を通過しなかった場合でも、一定程度の有利期間を提供でき、特定領域C22を通過しなかった場合の興趣低下の抑止が期待できる。また、時間短縮遊技状態時の主遊技図柄の変動態様は、所定回数Aの時間短縮遊技状態時においては3段階の限定頻度テーブル(限定頻度テーブル1、限定頻度テーブル2及び限定頻度テーブル3)が参照され、所定回数Bの時間短縮遊技状態時においては主遊技テーブル3‐2が参照され、また、演出内容も異なるテーブルを参照するよう構成されている。尚、当該構成は特別遊技の実行契機となった大当り図柄が同一の場合にも相違する場合にも適用される(例えば、同一の大当り図柄を契機とした特別遊技であっても、特別遊技実行中に特定領域C22に入球するか否かによって時短回数が相違する、等)。尚、本例はあくまで一例であり、これには限定されず、例えば、時間短縮遊技の変動上限回数が、大当り時の図柄に基づいて決定されるよう構成してもよい(例えば、特別遊技中に特定領域C22への入球がなされなかった場合、大当り図柄によって時間短縮遊技の変動上限回数が決定される、等)。
【0371】
次に、
図77は、第2実施形態における、演出内容決定テーブルの一例である。第2実施形態では、特別遊技中に特定領域C22に遊技球が入球しなかった場合、特別遊技後の遊技状態は確率変動遊技状態とならず、非確率変動・時間短縮遊技状態(50変動)となる。そうなった場合、当該テーブルを参照し、演出内容を決定することとなる。尚、本例はあくまで一例であり、変動回数、演出内容、変動態様、テーブルの構成等、これには限定されない。
【0372】
以上のように、第2実施形態に係る、特別遊技中の特定領域への遊技球の入球有無によって、当該特別遊技実行後に確率変動遊技状態へと移行するか否かを決定する(特定領域に入球ありで確率変動遊技状態に移行し、入球なしで確率変動遊技状態に移行しない)遊技機(いわゆる、玉確、VSTタイプの遊技機)において、確率変動遊技状態とならなかった場合の非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態中の変動態様(及び演出)を確率変動遊技状態中の変動態様(及び演出)と異ならせることで、遊技者の利益態様に応じた、適切な演出を実行することができるのである。尚、本例では特に図示していないが、振分遊技を実行する際には、専用の演出(第2大入賞口C20が長開放となるか否かを煽る演出、特定領域C22への入球がなされるか否かを煽る演出、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出、等)が実行されるよう構成してもよい{実行態様には特に限定されないが、例えば、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出である場合には、当該入球がなされたタイミング(直後であることが望ましい)にて、演出表示装置SGや演出表示装置SGの前面に設けられた演出装置(例えば、いわゆる演出用の可動体役物や導光板等)にて、当該報知を実行するよう構成することを例示することができる(例えば、演出表示装置SG上に「V」と描かれた画像を表示する、或いは、演出用の可動体役物を初期位置から演出可能な位置へ変位させる、或いは、導光板に光を照射することで導光板上に像を浮かび上がらせる、等)}。尚、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出を実行するに際しては、特定の遊技状態(例えば、確率変動遊技状態)で特別遊技に当選したときや特定の特別図柄(大当り図柄)が当選したとき等の、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行される特別遊技においては、「V」と描かれた画像を控えめに表示(例えば、小さく表示)するなど、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行されない特別遊技が行われる可能性がある状況において(特別遊技における特定領域C22への入球容易性が不明である状況において)、その後、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行された場合には、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出と異なる演出を実行することも好適であり、これにより、必要に応じた優先度で演出を実行することができる。
【0373】
また、第2実施形態においては、第2大入賞口C20が開状態となる単位遊技(ラウンド)における開放態様が、複数存在する(例えば、2種類)。具体的には、特に図示していないが、第一の時間(好適には、遊技球の1発射間隔未満又は以下)開放し得る第一単位遊技と、前記第一の時間開放した後、所定時間の閉鎖を経て、前記第一の時間よりも長い第二の時間再び開放(又は開閉)し得る第二単位遊技と、を有する。このように、第一の単位遊技及び第二の単位遊技を実行可能と構成することにより、確率変動移行への期待度が低い第一の時間の開放動作が終了した後であっても、確率変動移行への期待度が高い第二の時間の開放動作が実行される可能性を持たせることができる。その結果、特別遊技中における遊技の興趣性を高めることが可能となる。尚、前記第二の時間は、特定領域への入球を担保すべく、遊技球の1発射間隔以上又は超であることが好適であり、(当該ラウンドの上限入賞個数の半分)×(遊技球の1発射間隔)以上又は超であることがより好適であり、(当該ラウンドの上限入賞個数)×(遊技球の1発射間隔)以上又は超であることが特に好適である。
【0374】
尚、第2実施形態のような特別遊技の実行中に特定領域C22に入球することにより、特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行し得る遊技機(いわゆる、玉確機、VST機)においては、(1)大入賞口を1つのみ設けて、当該1つの大入賞口にて通常ラウンド(特定領域C22への入球が無効となるラウンド)と振分遊技実行ラウンド(特定領域C22への入球が有効となるラウンド)とを実行する、(2)大入賞口Aと、特定領域C22を有する大入賞口Bとを設けて、大入賞口Aにて通常ラウンドを実行し、大入賞口Bにて振分遊技実行ラウンドを実行する、(3)大入賞口Aと、特定領域C22を有する大入賞口Bと上下に重なるような配置(大入賞口Bが上となっている)にて設け、大入賞口Aにて通常ラウンドを実行し、大入賞口Bにて振分遊技実行ラウンドを実行し、振分遊技実行ラウンドの実行中のみ特定領域C22がへの入球が有効となり得る、(4)大入賞口Aと、特定領域C22を有する大入賞口Bと上下に重なるような配置(大入賞口Bが上となっている)にて設け、大入賞口Aにて通常ラウンドを実行し、大入賞口Bにて振分遊技実行ラウンドを実行し、振分遊技実行ラウンドの実行中のみ特定領域C22に遊技球が入球し得る(遮蔽部材が設けられており、当該遮蔽部材が開放状態であると特定領域C22への入球が容易となり、当該遮蔽部材が閉鎖状態であると特定領域C22への入球が困難となる)、のように構成してもよい。
【0375】
(第2実施形態からの変更例1)
尚、第2実施形態においては、特別遊技実行中に特定領域C22に入球することによって当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行する遊技機の構成を例示したが、このような構成は第2実施形態に構成には限定されない。そこで、第2実施形態とは異なる特定領域C22を有する構成を第2実施形態からの変更例1とし、以下、第2実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
【0376】
はじめに、
図78は、第2実施形態からの変更例1における、主制御基板MのCPUMCが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。本実施形態との相違点は、入賞口に対応する賞球数であり、即ち、第1主遊技始動口A10の賞球数は3球であり、第2主遊技始動口B10の賞球数は1球であり、第1大入賞口C10の賞球数は15球であり、第2大入賞口C20の賞球数は13球であり、一般入賞口(左一般入賞口、右一般入賞口)の賞球数は10球である。このように、第2実施形態からの変更例1においては、第1大入賞口C10の賞球数よりも、第2大入賞口C20の賞球数の方が少なくなっている。
【0377】
次に、
図79は、第2実施形態からの変更例1における、
図27のステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1(第2)主遊技図柄表示処理のフローチャートである。はじめに、第2実施形態からの変更点は、ステップ1450(第2変1)、ステップ1431‐1(第2変1)及びステップ1431‐2(第2変1)であり、即ち、ステップ1411で限定頻度カウンタ値が0ではない場合、ステップ1450(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、後述する限定頻度変動態様決定処理を実行し、ステップ1413に移行する。
【0378】
また、ステップ1440で、条件装置作動フラグをオンにした後、ステップ1431‐1(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、停止図柄が限度頻度大当り図柄(大当り終了後の時間短縮遊技状態が終了した後に限定頻度状態となる大当り図柄であり、本例では、7B)であるか否かを判定する。ステップ1431‐1(第2変1)でYesの場合、ステップ1431‐2(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、限度頻度カウンタに所定回数(本例では、100回)をセットし、ステップ1500に移行する。
【0379】
次に、
図80は、第2実施形態からの変更例1における、
図79のステップ1450(第2変1)のサブルーチンに係る、限定頻度変動態様決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1451‐1で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値Gが第1段階範囲内の値(100≧G>21)であるか否かを判定する。ステップ1451‐1でYesの場合、ステップ1451‐2で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技テーブル3を参照して主遊技側乱数、当否抽選結果に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。他方、ステップ1451‐1でNoの場合、ステップ1451‐3で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値Gが第2段階範囲内の値(G=21)であるか否かを判定する。尚、限定頻度カウンタ値が21の場合には、時間短縮遊技状態における最終変動となっている。ステップ1451‐3でYesの場合、ステップ1451‐4で、主制御基板MのCPUMCは、現在の遊技状態が確率変動遊技状態であるか否かを判定する。ステップ1451‐4でYesの場合、ステップ1451‐5で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度テーブル1を参照して、主遊技側乱数、当否抽選結果に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。尚、ステップ1451‐4でNoの場合にはステップ1451‐2に移行し、主遊技テーブル3を参照して主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定する。このように、第2実施形態からの変更例1においては、時間短縮遊技状態の最終変動において、確率変動遊技状態である場合と非確率変動遊技状態である場合とで、変動態様を決定する際に参照するテーブルが相違する。換言すると、限度頻度大当り図柄である「7B」に係る大当りの実行中に特定領域C22に遊技球した場合と入球しなかった場合とで、当該大当り終了後の時間短縮遊技状態の最終図柄変動にて変動態様を決定する際に参照するテーブルが相違するよう構成されている。尚、ステップ1451‐3でNoの場合、ステップ1451‐6で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度テーブル2を参照して、主遊技側乱数、当否抽選結果に基づき、主遊技図柄に係る変動態様(変動時間)を決定し、次の処理(ステップ1413の処理)に移行する。また、第2実施形態からの変更例1においては、前述した、限度頻度大当り図柄である「7B」に係る大当りが終了した場合には、限定頻度カウンタに100回がセットされ、時短回数カウンタに80回がセットされる。このように構成しているため、限定頻度カウンタ値が第1段階範囲内でない、即ち、限定頻度カウンタ値が20以下の値である場合には、非時間短縮遊技状態且つ限定頻度カウンタ値が0より大きい状況となる。このような状態の場合に限定頻度テーブルを参照して主遊技図柄の変動態様を決定するよう構成することにより、限度頻度大当り図柄である「7B」に係る大当りが終了した場合には、「図柄変動80回分の時間短縮遊技状態→図柄変動20回分の限定頻度状態(非時間短縮遊技状態)」のように遷移していくこととなる。尚、このような構成には限定されず、時間短縮遊技状態においては80回の図柄変動の期間にて限定頻度状態A(参照する限定頻度テーブルが「限定頻度テーブルA1→限定頻度テーブルA2→限定頻度テーブルA3」と遷移する)となり、時間短縮遊技状態が終了し非時間短縮遊技状態に移行してから20回の図柄変動の期間にて限定頻度状態B(参照する限定頻度テーブルは「限定頻度テーブルB1」のみとなる)となる、即ち、限定頻度状態は、異なる遊技状態を跨がないよう構成してもよい。尚、限度頻度大当り図柄である「7B」が当選した場合には当該「7B」に係る特別遊技実行中に特定領域C22に入球するか否かに拘らず時短回数カウンタに80回がセットされ、限定頻度カウンタに100回がセットされる、即ち、時間短縮遊技状態の終了後に限定頻度状態に移行するよう構成されている。尚、限定頻度カウンタ値が0ではない状態にて大当りした場合には連荘中の大当りと見做し、前述した連荘回数カウンタ値を加算するよう構成してもよい(時間短縮遊技状態が終了していても、限定頻度状態にて大当りに当選したならば連荘の大当りと見做してよい)。尚、これには限定されず、限度頻度大当り図柄である「7B」が当選した場合において、当該「7B」に係る特別遊技実行中に特定領域C22に入球した場合には時短回数カウンタに80回がセットされ、限定頻度カウンタに100回がセットされる一方、特定領域C22に入球しなかった場合には時短回数カウンタに50回がセットされ、限定頻度カウンタに70回がセットされるように構成してもよい。また、限度頻度大当り図柄である「7B」が当選した場合において、当該「7B」に係る特別遊技実行中に特定領域C22に入球しなかった場合の、特別遊技終了後の時間短縮遊技状態における最終変動においては、当該最終変動のみにて参照される限定頻度テーブル(例えば、限定頻度テーブル3)を参照して主遊技図柄の変動態様を決定するよう構成してもよい。尚、限定頻度テーブル3の内容は、保留数に依存せず、当りの場合もハズレの場合も7秒の均一の変動時間が決定されるよう構成してもよい。また、限度頻度大当り図柄である「7B」が当選した場合において、当該「7B」に係る特別遊技実行中に特定領域C22に入球しなかった場合の、特別遊技終了後の時間短縮遊技状態における最終変動にて参照する限定頻度テーブルを、当該「7B」に係る特別遊技実行中に特定領域C22に入球した場合の、特別遊技終了後の時間短縮遊技状態における最終変動にて参照する限定頻度テーブルを同一とするよう構成してもよく、そのように構成した場合には、時間短縮遊技状態における最終変動における演出内容及び演出傾向を同一としてもよい。
【0380】
ここで、
図81は、第2実施形態からの変更例1における、主制御基板側での第1(第2)主遊技図柄表示処理にて用いられる主遊技テーブル構成図である。第2実施形態からの変更点は、大当りとなる主遊技図柄の組み合わせが異なる点と、限定頻度テーブルの構成である。尚、大当りとなる主遊技図柄のうち、特定領域に遊技球が入球容易となる特別遊技が実行されることとなる主遊技図柄は「5A・7A・3B・5B・7B」であり、特定領域に遊技球が入球困難となる特別遊技が実行されることとなる主遊技図柄は「4A」となっている。また、前述した、限度頻度大当り図柄である「7B」に係る大当りが終了した場合には、80回の図柄変動の時間短縮遊技状態に移行し(主遊技テーブル3を参照して変動時間が決定される)、当該80回の図柄変動が終了すると、その後20回の図柄変動の限定頻度状態に移行する(限定頻度テーブル2を参照して変動時間が決定される)よう構成されている。尚、限定頻度テーブル2を参照する限定頻度状態の場合には、主遊技図柄の変動時間は、当否抽選結果に拘らず10秒を超過するような長時間が選択されないよう構成されている。また、限度頻度大当り図柄である「7B」に係る大当りが終了した場合に移行する時間短縮遊技状態の最終変動(大当り終了後から80変動目)においては、当該「7B」の実行中にて特定領域C22への入球があった場合には限定頻度テーブル1を参照して変動態様を決定する一方、当該「7B」の実行中にて特定領域C22への入球がなかった場合には主遊技テーブル3を参照して変動態様を決定するよう構成されている(主遊技テーブル3のハズレにおける最短変動時間よりも限定頻度テーブル1のハズレにおける最短変動時間の方が長時間となっている)。尚、時間短縮遊技状態における最終変動では限定頻度テーブル1又は主遊技テーブル3が参照され得るよう構成されているが、時間短縮遊技状態における最終変動が確率変動遊技状態である場合と非確率変動遊技状態である場合とで当該最終変動における演出内容を相違させる、即ち、特別遊技中に特定領域C22に遊技球が入球するか否かで当該最終変動における演出内容を相違させるよう構成してもよい。例えば、相対的に長時間の図柄変動となる限定頻度テーブル1を参照した場合には、当該図柄変動にて確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態が終了するかもしくは大当りとなるかを煽るような演出を実行してもよい。
【0381】
次に、
図82は、第2実施形態からの変更例1における、
図10のステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。はじめに、第2実施形態からの変更点は、ステップ1635‐1(第2変1)及びステップ1635‐2(第2変1)、ステップ1800(第2変1)であり、即ち、ステップ1634で特別遊技における最終ラウンドであった場合、ステップ1635‐1(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行許可フラグ(オンとなることにより特別遊技終了デモ時間が開始されることとなるフラグ)をオンにし、ステップ1635‐2(第2変1)に移行する。尚、ステップ1634でNoの場合にもステップ1635‐2(第2変1)に移行する。次に、ステップ1635‐2(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1635‐2(第2変1)でYesの場合、ステップ1800(第2変1)に移行し、Noの場合には次の処理に移行する。
【0382】
次に、
図83は、第2実施形態からの変更例1における、
図82のステップ1800(第2変1)のサブルーチンに係る、終了デモ時間制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1802で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1802でYesの場合、ステップ1803(第2変1)で、主制御基板MのCPUMCは、当該特別遊技にて特定領域C22への入球があったか否かを判定する。ステップ1803(第2変1)でYesの場合にはステップ1806に移行し、Noの場合にはステップ1808に移行する。ステップ1806で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ時間タイマ(特別遊技の終了デモ時間を計測するためのメイン側のタイマ)に長時間(例えば、10秒)をセットしてスタートし、ステップ1810に移行する。他方、ステップ1804でNoの場合、換言すると、停止図柄が短デモ時間大当り図柄(3A・3B・5A・5B)である場合、ステップ1808で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ時間タイマに短時間(例えば、3秒)をセットしてスタートし、ステップ1810に移行する。次に、ステップ1810で、主制御基板MのCPUMCは、サブ側への特別遊技終了表示指示コマンド及び決定した終了デモ時間情報に係るコマンドをセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1812で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行中フラグをオンにし、ステップ1814に移行する。尚、ステップ1802でNoの場合にも、ステップ1814に移行する。
【0383】
次に、ステップ1814で、主制御基板MのCPUMCは、当該タイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ1814でYesの場合、ステップ1816で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行中フラグをオフにする。次に、ステップ1818で、主制御基板MのCPUMCは、終了デモ実行許可フラグをオフにする。次に、ステップ1820で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ1650で、主制御基板MのCPUMCは、前述した特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理に移行する。尚、ステップ1814でNoの場合にも、次の処理に移行する。
【0384】
このように、第2実施形態からの変更例1においては、特別遊技の最終ラウンド終了後の期間である特別遊技終了デモ時間は、当該特別遊技の実行中に特定領域C22への遊技球の入球があったか否かによって時間値が相違するよう構成されている。尚、特別遊技終了デモ時間が相違する条件はこれには限定されず、例えば、大当りとなった時点での遊技状態によって相違させてもよい。具体的には、(1)確率変動遊技状態であるか非確率変動遊技状態であるかによって相違する、(2)時間短縮遊技状態であるか非時間短縮遊技状態であるかによって相違する、(3)確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態と、確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態と、非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態と、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態と、の夫々が相違する、(4)確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態と、確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態と、非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態と、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態と、の一部の組み合わせで相違する、よう構成してもよい。
【0385】
また、本例においては、或る大当り図柄に係る特別遊技について、(1)非時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選し、特別遊技中に特定領域C22への入球があった場合の特別遊技終了デモ時間は第一期間(10秒)、(2)非時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選し、特別遊技中に特定領域C22への入球がなかった場合の特別遊技終了デモ時間は第二期間(3秒)、(3)時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選し、特別遊技中に特定領域C22への入球があった場合の特別遊技終了デモ時間は第二期間(1秒)、(4)時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選し、特別遊技中に特定領域C22への入球がなかった場合の特別遊技終了デモ時間は第三期間(3秒)、のように、「第二期間<第三期間<第一期間」となるよう構成してもよい。尚、このような構成は、非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態又は確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態にて当選した特別遊技に適用することが好適である。尚、特別遊技終了デモ時間にて実行される演出の具体例としては、第一期間においては、確率変動遊技状態に移行する旨を報知する演出、遊技球の貸出に使用するICカードの取り忘れの注意喚起に関する演出、のめりこみ防止を図る標語の表示演出、遊技機メーカーのロゴを表示する演出を実行し、第三期間においては、非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態に移行する旨を報知する演出、ICカードの取り忘れの注意喚起に関する演出を実行し、第二期間においては、確率変動遊技状態(連荘状態)が継続する旨を報知する演出を実行する。このように、特別遊技終了デモ時間の長さによって実行される演出が相違するよう構成してもよい。また、状況別の特別遊技終了デモ時間の長短を比較すると、特別遊技開始前が非確率変動遊技状態であり特別遊技終了後が確率変動遊技状態となる場合(初当り)の特別遊技終了デモ時間が10秒、特別遊技終了後が非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態となる場合の特別遊技終了デモ時間が3秒、特別遊技開始前が確率変動遊技状態であり特別遊技終了後が確率変動遊技状態となる場合(連荘継続)の特別遊技終了デモ時間が1秒、といった時間値の関係となるよう構成してもよい。
【0386】
次に、
図84は、第2実施形態からの変更例1における、
図53のステップ2900のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ2980(第2変1)~ステップ2984(第2変1)である。即ち、ステップ2930で特別遊技中をオフにした後、ステップ2980(第2変1)で、副制御基板SのCPUSCは、特別遊技終了コマンドは長開放コマンド(ステップ1810にてセットされる終了デモ時間情報に係るコマンドであり、終了デモ時間が長時間である10秒である旨に係るコマンド)であるか否かを判定する。ステップ2980(第2変1)でYesの場合、ステップ2982(第2変1)で、副制御基板SのCPUSCは、連荘継続画像(特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行する旨を報知する演出であり、例えば、「おめでとう!まだまだ継続!」と表示する)を長時間(本例では、10秒)表示するコマンドをセットし、次の処理に移行する。他方、ステップ2980(第2変1)でNoの場合、即ち、特別遊技終了コマンドが短開放コマンドであった場合、ステップ2984(第2変1)で、連荘終了画像(特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行しない旨を報知する演出であり、例えば、「またね!」と表示する)を短時間(本例では、3秒)表示するコマンドをセットし、次の処理に移行する。尚、特別遊技終了デモ時間が長時間(10秒)である場合と短時間(3秒)である場合とで、特別遊技終了デモ時間にて実行する演出態様が相違するよう構成したが、特別遊技終了デモ時間が長時間(10秒)である場合の特別遊技終了後の時間短縮遊技状態における演出態様(演出傾向)と、特別遊技終了デモ時間が短時間(3秒)である場合の特別遊技終了後の時間短縮遊技状態における演出態様(演出傾向)とは同一となるよう構成されている。
【0387】
以上のように構成することにより、第2実施形態からの変更例1に係る遊技機においては、特別遊技における最終ラウンドが終了した後に特別遊技終了デモ時間を設け、実行中の特別遊技にて特定領域C22へ遊技球が入球したか否かによって、特別遊技終了デモ時間の期間が相違するよう構成することにより、特定領域C22に入球した場合には遊技者にとって高利益であることから長時間の遊技者を祝福するような演出を実行する一方、特定領域C22に入球しなかった場合には遊技者にとって高利益でないことから短時間の演出を実行した後通常遊技に戻るような、より抑揚のある遊技機とすることができる。
【0388】
尚、第2実施形態からの変更例1においては、特別遊技開始デモ時間を設けてもよい。尚、特別遊技開始デモ時間においては、当該特別遊技にて特定領域C22に遊技球が入球するか否かが決定していないため、特定領域C22への入球有無によっては特別遊技開始デモ時間の期間は相違しないこととなる。但し、特別遊技に当選した際の遊技状態に応じて特別遊技開始デモ時間を相違させてもよく、例えば、非時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選した場合には10秒(遊技者に右打ちの実行を促す演出を実行するため相対的に長時間)、非時間短縮遊技状態にて特別遊技に当選した場合には3秒(遊技者に右打ちの実行を促す演出を実行しないため相対的に短時間)となるよう構成してもよい。また、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行される特別遊技が行われる際には、特別遊技開始デモ時間において「SUPERラッキー!」のように、実質的に特別遊技終了後に確率変動遊技状態となることを示唆するような演出を実行して抑揚を高めてもよい。
【0389】
(第2実施形態からの変更例2)
尚、第2実施形態及び第2実施形態からの変更例1においては、特別遊技実行中に特定領域C22に入球することによって当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行する遊技機の構成を例示したが、このような構成としては第2実施形態及び第2実施形態からの変更例1の構成のみには限定されない。そこで、第2実施形態及び第2実施形態からの変更例1とは異なる特定領域C22を有する構成を第2実施形態からの変更例2とし、以下、第2実施形態からの変更点についてのみ詳述する。
【0390】
はじめに、
図85は、第2実施形態からの変更例2における、
図10のステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、第2実施形態との相違点は、ステップ1609‐1(第2変2)及びステップ3100‐1(第2変2)であり、即ち、ステップ1608でサブ側への特別遊技開始表示指示コマンドをセットした後、ステップ1609‐1(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ実行許可フラグをオンにし、ステップ3100‐1(第2変2)に移行する。他方、ステップ1610でYesの場合にも、ステップ3100‐1(第2変2)に移行する。次に、ステップ3100‐1(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、後述する開始デモ時間制御処理を実行し、ステップ1610‐1に移行する。
【0391】
次に、
図86は、第2実施形態からの変更例2における、
図85のステップ1850(第2)のサブルーチンに係る、振分遊技実行処理のフローチャートである。はじめに、第2実施形態との相違点は、ステップ1851‐1(第2変2)、ステップ1899‐1(第2変2)~ステップ1899‐7(第2変2)であり、即ち、ステップ1851‐1(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分デモ時間中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1851‐1(第2変2)でYesの場合、ステップ1852に移行し、Noの場合にはステップ1854に移行する。また、ステップ1856で長開放パターンをセットした後、又は、ステップ1858で、短開放パターンをセットした後、ステップ1899‐1(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、停止図柄は第1主遊技図柄(第1主遊技大当り図柄)であるか否かを判定する。ステップ1899‐1(第2変2)でYesの場合、ステップ1899‐2(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分開始デモタイマに長時間{ステップ1899‐3(第2変2)でセットする時間値よりも長時間となる時間値であり、本例では、10秒}をセットしてスタートし、ステップ1899‐4(第2変2)に移行する。他方、ステップ1899‐1(第2変2)でNoの場合、換言すると、停止図柄が第2主遊技図柄(第2主遊技大当り図柄)であった場合、ステップ1899‐3(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分開始デモタイマに短時間{ステップ1899‐2(第2変2)でセットする時間値よりも短時間となる時間値であり、本例では、3秒}をセットしてスタートし、ステップ1899‐4(第2変2)に移行する。次に、ステップ1899‐4(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、決定した振分開始デモ時間情報に係るコマンド(サブ側へのコマンドであり、実行中の特別遊技の振分デモ時間の時間値に係るコマンド)をセットする。次に、ステップ1899‐5(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分デモ時間中フラグ(オンとなることにより振分デモ時間が開始されるフラグ)をオンにし、ステップ1899‐6(第2変2)に移行する。尚、ステップ1851‐1(第2変2)でNoの場合にも、ステップ1899‐6(第2変2)に移行する。次に、ステップ1899‐6(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分開始デモタイマの値が0であるか否かを判定する。ステップ1899‐6(第2変2)でYesの場合、ステップ1899‐7(第2変2)で、主制御基板MのCPUMCは、振分デモ時間中フラグをオフにし、ステップ1860に移行する。尚、ステップ1899‐6(第2変2)でNoの場合には、次の処理に移行する。このように、第2実施形態からの変更例2においては、振分遊技実行ラウンドの開始デモ時間である、振分開始デモ時間は、第1主遊技側の大当りである場合の方が第2主遊技側の大当りである場合よりも長時間となっている。
【0392】
次に、
図87は、大入賞口の開放パターンの一例の構成図である。第2実施形態における大当り図柄は、第1主遊技大当り図柄が「4A・5A・7A」の3種類、第2主遊技大当り図柄が「4B・5B・7B」の3種類の合計6種類の大当り図柄を有しており、1回のラウンドにおける開放パターンは、「短開放=500ms開放→閉鎖」、「長開放=30000ms開放→閉鎖」の2種類のみとなっている。尚、大入賞口(第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20)の開放パターンはこれには限定されず、種類を増やしてもよいし、1回のラウンドにおいて複数回開放するような開放パターン(例えば、「10000ms開放→10000ms閉鎖→10000ms開放→閉鎖」)としてもよい。ここでは、第2主遊技長開放大当りである「5B・7B」のみすべてのラウンド(10R)において大入賞口の開放パターンが長開放となっている。また、第2大入賞口C20が開放することとなる振分遊技実行ラウンドは第4ラウンドとなっており、その他のラウンドは第1大入賞口が開放することとなる。また、すべての大当りにおいて、実行されるラウンド数は4ラウンド以上となっており、振分遊技実行ラウンドが必ず実行されるよう構成されている。このように、第1主遊技長開放大当りである「5A・7A」には短開放となるラウンドが存在する(第2R)一方、第2主遊技長開放大当りである「5B・7B」には短開放となるラウンドが存在しない、即ち、短開放となるラウンド数は、第2主遊技長開放大当りよりも第1主遊技長開放大当りの方が多いよう構成されている。
【0393】
次に、
図88は、第2実施形態からの変更例2における、
図85のステップ3100‐1(第2変2)のサブルーチンに係る開始デモ時間制御処理のフローチャートである。まず、ステップ3102で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ実行中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ3102でYesの場合、ステップ3104で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ時間タイマに開始デモ時間(本例では、3秒)をセットしてスタートする。次に、ステップ3106で、主制御基板MのCPUMCは、停止中の大当り図柄が第2主遊技大当り図柄(本例では、3B、5B及び7B)か否かを判定する。ステップ3106でYesの場合、ステップ3108で、主制御基板MのCPUMCは、サブ側への特別遊技開始表示指示コマンドとして、第2長開放コマンド(第2主遊技大当り図柄に係る特別遊技が開始された旨に係るコマンド)をセットし、ステップ3116に移行する。他方、ステップ3106でNoの場合、ステップ3110で、主制御基板MのCPUMCは、停止中の大当り図柄が第1主遊技長開放大当り図柄(本例では、5A及び7A)である否かを判定する。ステップ3110でYesの場合、ステップ3112で、主制御基板MのCPUMCは、サブ側への特別遊技開始表示指示コマンドとして、第1長開放コマンド(第1主遊技大当り図柄のうち第2大入賞口C20が長開放となる特別遊技が開始された旨に係るコマンド)をセットし、ステップ3116に移行する。他方、ステップ3110でNoの場合、換言すると、停止中の大当り図柄が第1主遊技長開放大当り図柄ではないの場合、即ち、第1主遊技短開放図柄(本例では、2A)である場合、ステップ3114で、主制御基板MのCPUMCは、サブ側への特別遊技開始表示指示コマンドとして、第1短開放コマンド(第1主遊技大当り図柄のうち第2大入賞口C20が短開放となる特別遊技が開始された旨に係るコマンド)をセットし、ステップ3116に移行する。
【0394】
次に、ステップ3116で、主制御基板MのCPUMCは、サブ側への決定した開始デモ時間情報に係るコマンドをセットする。次に、ステップ3118で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ実行中フラグをオンにし、ステップ3120に移行する。尚、ステップ3102でNoの場合にも、ステップ3120に移行する。次に、ステップ3120で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ時間タイマのタイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ3120でYesの場合、ステップ3122で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ実行中フラグをオフにする。次に、ステップ3124で、主制御基板MのCPUMCは、開始デモ実行許可フラグをオフにする。次に、ステップ3124で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグをオンにし、次の処理に移行する。他方、ステップ3120でNoの場合にも、次の処理に移行する。
【0395】
次に、
図89は、第2実施形態からの変更例2における、
図53のステップ2900のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。第2実施形態からの変更点は、ステップ2903‐1(第2変2)~ステップ2903‐11(第2変2)及びステップ2350(第2変2)であり、即ち、ステップ2902で特別遊技中フラグをオフにした後、ステップ2903‐1(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ中フラグ(オンとなることにより特別遊技開始デモ時間が開始されることとなるフラグ)がオフである否かを判定する。ステップ2903‐1(第2変2)でYesの場合、ステップ2904に移行する。次に、ステップ2904でYesの場合、ステップ2903‐2(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ表示タイマに所定時間(例えば、3秒)をセットして当該タイマをスタートする。次に、ステップ2903‐3(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ中フラグをオンにする。次に、ステップ2350(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、後述する開始デモ演出実行処理を実行し、ステップ2903‐4(第2変2)に移行する。尚、ステップ2903‐1(第2変2)でNoの場合にもステップ2903‐4(第2変2)に移行する。
【0396】
次に、ステップ2903‐4(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ時間タイマのタイマ値が0であるか否かを判定する。ステップ2903‐4(第2変2)でYesの場合、ステップ2903‐5(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ中フラグをオフにし、ステップ2912に移行する。他方、ステップ2903‐4(第2変2)でNoの場合、次の処理に移行する。
【0397】
また、ステップ2914で大当り開始表示に係るコマンドをセットした後、ステップ2903‐6(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から振分開始デモ時間情報に係るコマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2903‐6(第2変2)でYesの場合、ステップ2903‐7(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、振分開始デモ時間は長時間(本例では、10秒)であるかを判定する。尚、ここでは、振分開始デモ時間、即ち、振分遊技実行ラウンドの開始デモ時間の時間値は、長時間と短時間の2種類存在している。ステップ2903‐7(第2変2)でYesの場合、ステップ2903‐8(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、長時間となる振分開始デモ時間にて入球容易未報知演出(振分遊技実行ラウンドにて第2大入賞口C20が長開放となるか否かを遊技者に確定的に報知しない演出)を実行し、ステップ2903‐10(第2変2)に移行する。他方、ステップ2903‐7(第2変2)でNoの場合、ステップ2903‐9(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、短時間となる振分開始デモ時間にて入球容易報知演出(振分遊技実行ラウンドにて第2大入賞口C20が長開放となることを遊技者に確定的に報知する演出)を実行し、ステップ2903‐10(第2変2)に移行する。尚、ステップ2903‐6(第2変2)でNoの場合にも、ステップ2903‐10(第2変2)に移行する。このように、第1主遊技図柄に係る振分遊技実行ラウンドにおいては入球容易未報知演出を実行し、第2主遊技図柄に係る振分遊技実行ラウンドにおいては入球容易報知演出を実行するよう構成されている。尚、これには限定されず、遊技状態によっても入球容易未報知演出と入球容易報知演出とのいずれの演出を実行するかを相違させてもよい。例えば、非時間短縮遊技状態且つ非確率変動遊技状態にて当選した第1主遊技側の長開放大当り(5A・7A)に係る振分遊技実行ラウンドにおいては入球容易未報知演出を実行し、時間短縮遊技状態且つ確率変動遊技状態にて当選した第2主遊技側の長開放大当り(3B・5B・7B)に係る振分遊技実行ラウンドにおいては入球容易報知演出を実行するよう構成してもよい。また、エンディング演出を実行し得るよう構成してもよく、そのように構成した場合には、エンディング演出を実行する特別遊技実行中においては、入球容易未報知演出及び入球容易報知演出は遊技者にとって目立たないよう表示するよう構成することが好適である。そのように構成することによって、達成難易度が高いエンディング演出に対してより注目させることができることとなる。同様に、特別遊技に実行中において存在する保留の中に大当りとなる保留が存在している旨を遊技者に報知する保留内連荘演出を実行可能に構成し、当該保留内連荘演出が実行された場合においても入球容易未報知演出及び入球容易報知演出を遊技者にとって目立たないよう表示するよう構成してもよい。
【0398】
次に、ステップ2903‐10(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、実行中の特別遊技は第2主遊技長開放大当り図柄に係る特別遊技であるか否かを判定する(第2主遊技長開放大当り図柄は、3B、5B及び7Bとなっている)。ステップ2903‐10(第2変2)でYesの場合にはステップ2916に移行する。他方、ステップ2903‐10(第2変2)でNoの場合、ステップ2903‐11(第2変2)で、副制御基板SのCPUSCは、入賞個数を遂次表示するコマンドをセット(短開放となるラウンドが存在する大当りでは、ラウンド数を報知しない)し、ステップ2926に移行する。このように、第2実施形態からの変更例2においては、すべてのラウンドにおいて第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が長開放となる大当り図柄である第2主遊技長開放大当り図柄に係る大当りにおいては、各ラウンドの実行時に実行中のラウンドを報知する(現在第何ラウンドを実行しているかを報知する)一方、いずれかのラウンドにおいて第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が短開放となる大当りにおいては(もしくは、第1大入賞口C10が短開放となるラウンドを有する大当りにおいては)、各ラウンドの実行時に実行中のラウンドを報知しないよう構成されている。また、実行中のラウンドを報知しない場合には、ラウンドを報知する表示の代わりにラウンド数(実質ラウンド数)に対応するオブジェクト画像(例えば、宝箱、等)を第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が長開放となるラウンドが実行される毎に追加して表示していくよう構成してもよい。また、特別遊技開始時(又は、特別遊技開始直後)にてオブジェクト画像を複数個表示しておき、当該オブジェクト画像の個数分のラウンド数が長開放となることを保障する演出を実行するよう構成してもよい。尚、すべてのラウンドが長開放となる特別遊技実行時には当該演出を実行しなくてもよいし、実行してもよいが、実行しない場合には現在実行しているラウンド数を表示するよう構成することが望ましい。尚、いずれかのラウンドにおいて第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が短開放となる大当りにおいては(もしくは、第1大入賞口C10が短開放となるラウンドを有する大当りにおいては)、第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が長開放となるラウンド数のみを報知するよう構成してもよい(例えば、「第1R=長開放、第2R=短開放、第3R=長開放」となる場合には、第3Rにて2ラウンド目であることを報知する、等)。尚、特別遊技の実行中に実行する演出はこれには限定されず、例えば、特別遊技実行中の振分遊技実行ラウンド以降の所定のラウンド(もしくは振分遊技実行ラウンド)にて保留内に大当りとなる保留が存在する場合には、大当りとなることが確定的である旨を報知する保留内連荘演出を実行し得るよう構成してもよい。尚、このように構成した場合には、振分遊技実行ラウンド以前のラウンドにて保留内連荘演出を実行した場合には、特別遊技終了後の遊技状態が決定していない(特定領域C22への入球有無が決定していない)ため、大当りとなることを報知したにも拘らず、当該報知対象となった保留に係る図柄変動がハズレとなってしまう可能性が生じるため、保留内連荘演出の実行タイミングは、振分遊技実行ラウンドにて特定領域C22に入球した後、もしくは、振分遊技実行ラウンドが終了した後とすることが好適である。また、振分遊技実行ラウンドはどのラウンドとしてもよく、例えば、第1ラウンドを振分遊技実行ラウンドとするよう構成してもよい(大入賞口が1つである場合にも適用可能である)が、打球すべき遊技球が存在しない場合(例えば、当りとなる図柄変動中に全ての遊技球を打ち切ってしまった場合)でも追加の遊技球の貸出が行える時間を十分とれるように第2ラウンド以降とすることが望ましい。
【0399】
次に、
図90は、第2実施形態からの変更例2における、
図89のステップ2350(第2変2)のサブルーチンに係る、開始デモ演出実行処理のフローチャートである。まず、ステップ2352で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から第2長開放コマンドを受信するか否かを判定する。ステップ2352でYesの場合、ステップ2360に移行する。他方、ステップ2352でNoの場合、ステップ2354で、副制御基板SのCPUSCは、メイン側から第1長開放コマンドを受信するか否かを判定する。ステップ2354でYesの場合、ステップ2356で、副制御基板SのCPUSCは、1/5で当選する確定演出実行抽選(実行中の特別遊技において第2大入賞口C20が長開放する旨を報知するか否かの抽選)を実行する。次に、ステップ2358で、副制御基板SのCPUSCは、当該確定演出実行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ2358でYesの場合、ステップ2360に移行する。次に、ステップ2360で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ演出として、長開放確定報知演出(実行中の特別遊技において第2大入賞口C20が長開放する旨を報知する演出)を実行し、次の処理{ステップ2903‐4(第2変2)の処理}に移行する。尚、ステップ2354でNoの場合(メイン側から第1短開放コマンドを受信した場合)又はステップ2358でNoの場合、ステップ2362で、副制御基板SのCPUSCは、開始デモ演出として長開放有無非報知演出(実行中の特別遊技において第2大入賞口C20が長開放するのか短開放するのかを報知しない演出)を実行し、次の処理{ステップ2903‐4(第2変2)の処理}に移行する。尚、開始デモ演出が実行されることとなる特別遊技開始デモ時間においても、振分開始デモ時間と同様に、第1主遊技側の大当り(のうち高い割合)では10秒、第2主遊技側の大当り(のうち高い割合)では3秒となるように構成してもよい。
【0400】
以上のように構成することにより、第2実施形態からの変更例2においては、第2主遊技側に係る特別遊技においては、すべての特別遊技で振分遊技実行ラウンドにて第2大入賞口C20が長開放し、第1主遊技側に係る特別遊技においては、振分遊技実行ラウンドにて第2大入賞口C20が長開放する特別遊技と短開放する特別遊技とを設けるよう構成し、第2主遊技側の特別遊技においては、特別遊技の開始デモ時間にて第2大入賞口C20が長開放する旨を報知する一方、第1主遊技側の特別遊技においては、第2大入賞口C20が長開放する特別遊技であっても特別遊技の開始デモ時間にて第2大入賞口C20が長開放する旨を報知する場合と報知しない場合とを有するよう構成し、特別遊技中に特定領域C22に入球することが確定的な第2主遊技側の特別遊技では遊技者に第2大入賞口C20が長開放する旨を報知する一方、特別遊技中に特定領域C22に入球することが確定的ではない第1主遊技側の特別遊技では遊技者に第2大入賞口C20が長開放するか否かを煽る演出を基本的には実行するが確定的に報知する場合もあるよう構成することにより、特定領域C22への入球容易性に対応した演出を実行可能な興趣性の高い遊技機とすることができる。
【0401】
尚、第2実施形態からの変更例2においては、入球容易報知演出及び入球容易未報知演出を振分開始デモ時間にて実行するよう構成したが、振分遊技実行ラウンドよりも前に実行されるラウンドの実行中(複数ラウンドに亘って実行してもよい)にて実行してもよいし、振分遊技実行ラウンドの実行中にて実行してもよい。
【0402】
(確変変動遊技状態の終了条件)
以上、第2実施形態及び、これらの変更例では、確率変動遊技状態の終了条件として、大当りの当選によって終了する場合と、大当り終了後の主遊技図柄の変動回数によって終了する場合と、確変転落抽選によって終了する場合とが挙げられる。ここでは
図91を参照し、確率転落抽選によって終了する場合について説明する。
【0403】
図91における本例の特徴は、ステップ1448‐1(第2変3)~ステップ1448‐4(第2変3)であり、即ち、ステップ1406で保留消化を実行した後、ステップ1448‐1(第2変3)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技確変フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1448‐1(第2変3)でYesの場合、ステップ1448‐2(第2変3)で、主制御基板MのCPUMCは、所定確率(例えば、1/50)で当選する確変転落抽選(確率変動遊技状態が終了するか否かの抽選)を実行する。次に、ステップ1448‐3(第2変3)で、主制御基板MのCPUMCは、確変転落抽選に当選したか否かを判定する。ステップ1448‐3(第2変3)でYesの場合、ステップ1448‐4(変1)で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技確変フラグをオフにし、ステップ1410‐1に移行する。尚、ステップ1448‐1(第2変3)又はステップ1448‐3(第2変3)でNoの場合にも、ステップ1410‐1に移行する。
【0404】
以上のように構成することにより、大当り終了後に確率変動遊技状態に移行した場合には、主遊技図柄の変動回数によって当該確率変動遊技状態が終了しないよう構成されている状況下、確率変動遊技状態にて実行される主遊技図柄の変動毎(当否抽選実行直前のタイミング)に確変転落抽選を実行し、当該確変転落抽選に当選した場合には、確率変動遊技状態が終了する(確率変動遊技状態から非確率変動遊技状態に移行する)よう構成することによって、遊技者はいつ確率変動遊技状態が終了するのかに注目し、確率変動遊技状態における主遊技図柄の図柄変動の興趣性を向上させることができる。
【0405】
また、確変転落抽選の当選確率、確変回数、等を設定値毎に調整することによって、遊技者にとって有利な確率変動遊技状態の期待値が設定毎に相違し難い遊技機の構成を例示したが、上述した要素を組み合わせて調整することによって、遊技者にとって有利な確率変動遊技状態の期待値が設定毎に相違し難い遊技機を構成してもよい。具体的には、確率変動遊技状態における大当り当選確率と確変転落抽選の当選確率と大当り終了後に付与される確変回数とを適宜調整することによって、遊技者にとって有利な確率変動遊技状態の期待値が設定毎に相違し難い遊技機を構成してもよい。
【0406】
(小当りによって出玉を増やす性能)
また、本実施形態、第2実施形態やその変更例では、第2大入賞口C20の内部にV入賞口C22を備えた遊技機を前提として説明したが、第2大入賞口C20の内部にV入賞口C22を設けていない一般的な確率変動機能付きの遊技機(図柄により確率変動遊技に移行するか否が定まる確率変動機能付きの遊技機)の第1主遊技図柄表示装置A20と第2主遊技図柄表示装置B20に小当りを備え、第2主遊技図柄表示装置B20では小当りが発生しやすい構成の遊技機に適用することもできる。以下では、当該遊技機の遊技性について簡単に説明する。
【0407】
まず、第1主遊技図柄表示装置A20で大当りとなり、時短状態へ移行することによって第2主遊技始動口電動役物B11dが開放し易くなるため、第2主遊技図柄表示装置B20による遊技が主となる。第2主遊技図柄表示装置B20では小当りが多く発生する(例えば、
図29のような構成)よう構成した場合、時短状態では、第2主遊技図柄表示装置B20による小当りにより第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)が開放され、出玉を獲得することが可能となる。
【0408】
このような遊技機は、時短状態の終了条件を満たすまで、第2主遊技図柄表示装置B20による遊技を主とするゲーム性が継続されるため、大当りによる出玉獲得に加え、小当りにより出玉獲得させることが可能な遊技機となっている。
【0409】
(先読み演出の実行に関する実施例)
第2実施形態では、設定値を備えていない構成を説明したが、上述した通り、第2実施形態において複数の設定値を備える構成としてもよく、複数の設定値を備えた場合の先読み演出の実行に関する実施例を第2実施形態からの変更例4として以下に説明する。
【0410】
図92は、設定値に応じて主遊技図柄の当選確率を変更する場合の第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)の一例である。本例では、設定1、設定2、設定3の順に遊技者に付与される利益率が高くなるよう構成されている。より具体的には、非確率変動遊技時の設定1の当り(大当り)当選確率が、約1/320に設定されており、非確率変動遊技時の設定2の当り(大当り)当選確率が、約1/318に設定されており、非確率変動遊技時の設定3の当り(大当り)当選確率が、約1/317に設定されている。また、確率変動遊技時の設定1の当り(大当り)当選確率が、約1/160に設定されており、確率変動遊技時の設定2の当り(大当り)当選確率が、約1/159に設定されており、確率変動遊技時の設定3の当り(大当り)当選確率が、約1/158に設定されている。よって、確率変動遊技時の当り(大当り)当選確率が、非確率変動遊技時の当り(大当り)当選確率の約2倍になっており、その比率が全設定で共通になるよう構成されている。この点は、第1主遊技側、第2主遊技側も同様となっている。
【0411】
また、同図に示されるように、非確率変動遊技時の設定1において当り(大当り)と判定される乱数値範囲にも、非確率変動遊技時の設定2において当り(大当り)と判定される乱数値範囲にも、非確率変動遊技時の設定3において当り(大当り)と判定される乱数値範囲にも、「0~204」が共通の範囲として含まれている。よって、例えば、「0~204」のいずれかを乱数値とする保留が非確率変動遊技時において生起した場合において、当該保留が消化され当否抽選が行われるよりも前に、当該保留が当り(大当り)となる予定である旨を事前報知した場合(且つ、「0~204」の範囲外となる当り(大当り)と判定される乱数値の場合には、事前報知しないこととすると)、その事前報知(先読み演出)が実行されることなく当該保留が消化され当否抽選が行われる(結果、大当りが発生する)ことの頻度が高まるほど、設定3である可能性が高くなる(設定値の示唆が可能となる)よう構成することもできる(設定1、設定2、設定3の順で、「0~204」の範囲外となる当り(大当り)と判定される乱数値が多くなるためである)。尚、この点については、確率変動遊技時にも同様に適用可能であり、第1主遊技側でも第2主遊技側でも同様に適用可能である。また、ある設定値において当り(小当り)と判定される乱数値範囲は、他の設定値において当り(大当り)と判定される乱数値範囲と重複していないため、設定値がいずれであるかに拘わらず、当り(小当り)と判定される乱数値範囲に属する乱数値とする保留が生起した場合において、当該保留が消化され当否抽選が行われるよりも前に、当該保留が当り(小当り)となる予定である旨を事前報知すると、設定値がいずれであっても当り(小当り)の事前報知とできる(先読み演出に係る事前判定処理を共通化できる)。
【0412】
他方、先読み演出によって設定値の示唆が行われないよう構成することも可能であり、以下、その一例を示す。下表の先読み判定テーブルは、主制御基板Mが有している事前判定用のテーブルである。主制御基板Mは、保留が生起すると当該保留に係る乱数値に基づき先読み判定テーブルを参照して先読みコードを導出し、副制御基板Sへ送信する。副制御基板Sは、予め主制御基板Mから送信された設定値に係る情報に基づき、例えば、主制御基板M側が設定3であれば、先読みコードA、B、Cのいずれかの場合に当り(大当り)である旨の事前報知を行い、主制御基板M側が設定2であれば、先読みコードA、Bのいずれかの場合のみに当り(大当り)である旨の事前報知を行い、主制御基板M側が設定1であれば、先読みコードAの場合のみに当り(大当り)である旨の事前報知を行う。このように構成することで、先読み演出の実行傾向からは主制御基板M側の設定を推測することが困難となるのである。
【0413】
上述したように、先読み演出を行うためには、遊技状態(例えば、非確率変動遊技時)と設定値(例えば、設定1)とを踏まえて、保留として保持されている乱数値が、当り(大当り)と判定される乱数値範囲(例えば、「0~204」)に属するか否かを事前判定しなければ不正確なものとなり得る。その際、先読み演出の実行可否を副制御基板S側で決定するよう構成する場合、例えば、保留として保持されている乱数値が、当り(大当り)と判定される乱数値範囲に属するか否かを副制御基板S側で事前判定する必要性があり、その際には副制御基板S側にて設定値に関する情報が必要となる。ところが、主制御基板Mが保持している設定値に関する情報を副制御基板Sへ送信してしまうことはセキュリティ上或いは遊技の公正性を担保する上では好ましくない{副制御基板S側へ送信する際に設定値に関する情報が傍受され悪用される恐れもあるし、副制御基板S側にて設定値に関する情報を外部へ明確に報知した(例えば、遊技場運営者がメンテナンスの用途で表示した)ものが遊技行為者に盗み見られる恐れもある}。そこで、主制御基板Mが保持している設定値に関する情報を副制御基板Sへ送信せずとも先読み演出を正確に行うための手法を、以下に詳述する。
【0414】
まず、本例においては、新たな保留が生起した際に、当該新たな保留が大当りとなる保留であるか否かによって、先読み演出抽選の実行又は非実行となる確率が相違するように(即ち、先読み演出抽選の際には、当該新たな保留に係る「当否抽選乱数」に関する情報を参照するように)構成されている。
【0415】
この場合、新たな保留に係る当否抽選乱数が同じであっても、設定毎にその当否抽選結果(大当りであるか否か)が異なり得る、という状況が生じ、更には、当否抽選結果が相違する結果、同じ変動態様抽選乱数が取得されたとしても、選択される変動態様(例えば、変動時間)が異なる、という状況が生じ得る。一例として、『「当否抽選乱数」が「206」であり、変動態様抽選乱数が「900」』という保留が生起した場合に、設定値3においては「大当り」となり且つ「変動時間が60秒」であることが決定され、設定値1においては「ハズレ」となり且つ「変動時間が30秒」であることが決定される、といった状況が生じ得る。この場合、設定3においては、(当該新たな保留に係る大当り期待度が高いことを報知するために)先読み演出抽選が実行され易いように(先読み演出抽選確率が高くなるように)構成することが望ましい一方で、設定1においては、先読み演出抽選が実行され難いように(先読み演出抽選確率が低くなるように)構成することが望ましい、といった場合がある。しかしながら、副制御基板S側が現在の設定値に係る情報を有していない(副制御基板S側が現在の設定値を保持していない)場合、副制御基板Sは、当否抽選乱数「206」が、「大当り」と判定されるのか「ハズレ」と判定されるのかが判断できない結果、正確な先読み演出が実行困難となる事態が想定される。
【0416】
そこで、設定値を有する遊技機においては、先読み演出抽選の実行又は非実行を決定する(抽選する)際に、「当否抽選乱数」に関する情報を参照することなく、「変動態様抽選乱数」及び/又は「図柄抽選乱数」に関する情報のみを参照する構成としてもよい。一例として、新たに生起した保留に係る変動時間が長時間(例えば、60秒)であることが確定している{そのような乱数値範囲に属する「変動態様抽選乱数」であった場合であり、例えば、
図92の主遊技テーブル3においては、「1000~1023」の何れかであった場合には、大当りであるか否かに拘わらず長時間(例えば、60秒)の変動態様が選択される}場合には、特定確率(例えば、1/3)で当選となる先読み演出抽選を実行する一方で、変動時間が短時間(例えば、3秒又は5秒又は10秒)であることが確定している{そのような乱数値範囲に属する「変動態様抽選乱数」であった場合であり、例えば、
図92の主遊技テーブル3においては、「0~2」の何れかであった場合には、大当りであるか否かに拘わらず短時間(例えば、3秒又は5秒又は10秒)の変動態様が選択される}場合には、上記特定確率よりも低い確率である所定確率(例えば、1/50)で当選となる先読み演出抽選を実行する、等である。このように構成することで、先読み演出として「新たに生起した保留に係る変動時間が長時間となる予定であることを示唆する」ことに関して、先読み演出を正確に行うことは可能となる。
【0417】
同様に、「図柄抽選乱数」のみを参照して先読み演出抽選を実行する場合、「新たな保留が生起した際に、図柄抽選乱数のみに基づき先読み演出抽選を行い、当該新たに生起した保留に係る停止図柄がいずれであるかを示唆する演出」(当該新たな保留が仮に大当りであった場合の図柄種別(確率変動大当り図柄であるか否か)を示唆する演出)、と読み替えることもできる。
【0418】
次に、主制御基板Mが保持している設定値に関する情報を副制御基板Sへ送信せずとも先読み演出を正確に行うための別の手法(主制御側で設定値に応じて当否判定を行う手法)を第2実施形態からの変更例5として以下に説明する。
【0419】
図93は、本例における、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。本実施形態である
図26との相違点は、ステップ1316‐1(第2変5)にて、主制御基板MのCPUMCは、先読み用判定処理を行うことである。
【0420】
次に、
図94は、本例における、先読み用判定処理のサブルーチンに係るフローチャートである。まず、ステップ1316‐1‐2で、主制御基板MのCPUMCは、現在の設定値が3(=設定3)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐2でYesの場合、ステップ1316‐1‐3で、主制御基板MのCPUMCは、設定3における当否判定テーブル(当該当否判定テーブルは、当否抽選テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照し、取得した第2主遊技内容決定乱数が当り(大当り)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐3でYesの場合、ステップ1316‐1‐4で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応する当り時の判定用限定頻度テーブル(当該判定用限定テーブルは、限定頻度テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照して、変動態様を判定する。他方、ステップ1316‐1‐3でNoの場合、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応するハズレ時の限定頻度テーブルを参照して、変動態様を判定する。次に、ステップ1316‐1‐2でNoの場合、ステップ1316‐1‐6で、主制御基板MのCPUMCは、現在の設定値が2(=設定2)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐6でYesの場合、ステップ1316‐1‐7で、主制御基板MのCPUMCは、設定2における当否判定テーブル(当該判定テーブルは、当否抽選テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照し、取得した第2主遊技内容決定乱数が当り(大当り)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐7でYesの場合、ステップ1316‐1‐8で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応する当り時の判定用限定頻度テーブル(当該判定用限定テーブルは、限定頻度テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照して、変動態様を判定する。他方、ステップ1316‐1‐7でNoの場合、ステップ1316‐1‐9で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応するハズレ時の限定頻度テーブルを参照して、変動態様を判定する。次に、ステップ1316‐1‐6でNoの場合、ステップ1316‐1‐10で、主制御基板MのCPUMCは、現在の設定値が1(=設定1)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐10でYesの場合、ステップ1316‐1‐11で、主制御基板MのCPUMCは、設定1における当否判定テーブル(当該判定テーブルは、当否抽選テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照し、取得した第2主遊技内容決定乱数が当り(大当り)であるか否かを判定する。ステップ1316‐1‐11でYesの場合、ステップ1316‐1‐12で、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応する当り時の判定用限定頻度テーブル(当該判定用限定テーブルは、限定頻度テーブルと同様の内容であるが、参照タイミングが異なるため、別のテーブルとして備えられている)を参照して、変動態様を判定する。他方、ステップ1316‐1‐11でNoの場合、主制御基板MのCPUMCは、限定頻度カウンタ値、保留情報(当該取得した乱数値を含める保留数、変動態様乱数)に基づき、対応するハズレ時の限定頻度テーブルを参照して、変動態様を判定する。ステップ1316‐1‐4、ステップ1316‐1‐5、ステップ1316‐1‐8、ステップ1316‐1‐9、ステップ1316‐1‐12、ステップ1316‐1‐13の処理が終了すると、ステップ1316‐1‐14で、主制御基板MのCPUMCは、当否判定結果及び変動態様の判定結果に基づいて、先読み用当否コマンド及び先読み用変動態様コマンドをセットし、次の処理(ステップ1318)の処理に移行する。なお、ステップ1316‐1‐10でNoの場合も次の処理(ステップ1318)の処理に移行する。
【0421】
このように、主制御基板MのCPUMCは、乱数値(例えば、主遊技用乱数値、変動態様乱数値)を取得した際に、設定値に応じた当否判定を行ったうえで、変動態様判定を行い、当否判定結果(先読み用当否コマンド)及び変動態様結果(先読み用変動態様コマンド)を副制御基板SのCPUSCに送信することで、副制御基板SのCPUSCは、主制御側の設定値による影響を受けることなく、当否結果と変動態様に応じた先読み演出の実行判定を行うことが可能となる。
【0422】
なお、本例では、取得した乱数値を保留する前に先読み用判定処理を行う(つまり、取得したレジスタにおいて取得している乱数値を直接判定する)よう構成したが、これに限られず、取得した乱数値をRAMに一度記憶した後、記憶した乱数値を読み出して先読み判定処理を行うよう構成することも可能である。
【0423】
次に、
図95は、本例における、先読み演出実行判定処理のフローチャートである。本例では、本実施形態の保留情報管理処理において、ステップ2418‐1の処理を実行する前に当該先読み演出実行判定処理(ステップ2150(第2変5))を実行する構成となっている。
【0424】
先読み演出実行判定処理では、まず、ステップ2152で、副制御基板SのCPUSCは、先読み演出実行カウンタ値が0であるか否かを判定する。ステップ2152でYesの場合、ステップ2155で、副制御基板SのCPUSCが、保留内に当り保留がないか否か判定しYesの場合、ステップ2156の処理に移行する。他方、ステップ2155でNoの場合、次の処理に移行する。次に、ステップ2156で、副制御基板SのCPUSCは、現在セット(一時記憶)されている滞在ステージが「長演出ステージ」であるか否かを判定する。
【0425】
ステップ2156でYesの場合、ステップ2158では、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板MのCPUMCから送信された先読み用変動態様コマンドに基づいて、変動時間を事前判定する。次に、ステップ2160で、副制御基板SのCPUSCは、当該新たな保留の変動時間が所定時間(例えば、10秒)以上となることが確定しているか否かを判定する。ここで、変動時間を事前判定するに際して、例えば、当該新たな保留の変動態様乱数値が900~1023である場合、当該新たな保留消化時の保留数に関係なく、変動時間は10秒以上となることが判定できる。
【0426】
ステップ2160でYesの場合、ステップ2162で、副制御基板SのCPUSCは、当該新たな保留が大当りとなる保留であるか否かを判定する(例えば、当否抽選乱数に基づいて判定する)。ステップ2162でYesの場合、ステップ2164で、副制御基板SのCPUSCは、所定確率(例えば、1/3)で当選となる先読み演出抽選を実行し、ステップ2176に移行する。他方、ステップ2162でNoの場合、ステップ2166で、副制御基板SのCPUSCは、所定確率(例えば、1/5であるが、ステップ2164での当選確率より低確率であればよい)で当選となる先読み演出抽選を実行し、ステップ2176に移行する。
【0427】
他方、ステップ2156でNoの場合、ステップ2168で、副制御基板SのCPUSCは、現在セット(RAM領域に一時記憶)されている滞在ステージが「固定演出ステージ」であるか否かを判定する。ステップ2168でYesの場合、ステップ2170で、副制御基板SのCPUSCは、当該新たな保留が大当りとなる保留であるか否かを判定する(例えば、当否抽選乱数に基づいて判定する)。ステップ2170でYesの場合、ステップ2172で、副制御基板SのCPUSCは、所定確率(例えば、1/4)で当選となる先読み演出抽選を実行し、ステップ2176に移行する。他方、ステップ2170でNoの場合、ステップ2174で、副制御基板SのCPUSCは、所定確率(例えば、1/6であるが、ステップ2172での当選確率より低確率であればよい)で当選となる先読み演出抽選を実行し、ステップ2176に移行する。
【0428】
次に、ステップ2176で、副制御基板SのCPUSCは、先読み演出抽選(ステップ2164、ステップ2166、ステップ2172、ステップ2174いずれかの抽選)に当選したか否かを判定する。ステップ2176でYesの場合、ステップ2178で、副制御基板SのCPUSCは、副制御基板SのRAM領域に一時記憶された保留数を参照し、前記抽選に当選した保留(トリガ保留)が消化されるまでの主遊技図柄の変動停止回数Ha(0~4回)を導出する。次に、ステップ2180で、副制御基板SのCPUSCは、滞在ステージ管理カウンタを参照し、当該カウンタ値に基づき、現在の滞在ステージが終了するまでの主遊技図柄の変動停止回数Hbを導出する。
【0429】
ここで、変動停止回数Hbは、現時点で変動表示中の図柄の変動停止回数をも含む。また、先読み演出の実行可否は、後述するように、変動開始時に決定するため、図柄変動中である場合には、当該変動中の図柄が停止した次の変動から、先読み演出が実行され得るのである。
【0430】
次に、ステップ2182で、副制御基板SのCPUSCは、先読み演出を実行する回数(本例では、Ha)が、最低先読み演出回数(有効な先読み演出を実行するための最低回数であり、例えば、2回)以上であるか否かを判定する。ステップ2182でYesの場合、ステップ2184で、副制御基板SのCPUSCは、当該導出したHa及びHbが、Ha≦Hbの関係を充足している(先読み演出が現在の滞在ステージ中に終了する)か否かを判定する。ステップ2184でYesの場合、ステップ2186で、副制御基板SのCPUSCは、先読み演出実行カウンタにHaをセットし、次の処理に移行する。尚、ステップ2152、ステップ2154、ステップ2160、ステップ2168、ステップ2176、ステップ2182、ステップ2184のいずれかでNoの場合にも、次の処理に移行する。
【0431】
このように、複数変動に亘る先読み演出が、現在の滞在ステージ中に終了しない場合には先読み演出を実行しないよう構成することで(特に、ステップ2184)、テーブルの切り替わりと先読み演出とが同時に実行されないこととなり、遊技者を混乱させてしまう事態を回避することが可能となるのである。尚、先読み演出抽選を実行した後、滞在ステージを跨ぐかの判断に応じて先読み演出の実行可否判断を行うよう構成しても良いし、先読み演出に係る処理の順序は適宜変更してもよく、例えば滞在ステージを跨ぐことが判定された後に先読み演出抽選を実行するよう構成してもよい(即ち、滞在ステージを跨ぐことが予定されている場合には、そもそも先読み演出抽選自体を実行しない構成をも含むとの意)。
【0432】
尚、本例における先読み演出はトリガ保留に係る変動でも発生する演出、つまり、複数変動に亘る先読み演出における当該複数変動には当該トリガ保留に係る変動を含んでもよい。例えば、同一の態様の演出もしくは同系統の演出が、トリガ保留に係る変動より以前の変動から当該トリガ保留に係る変動まで発生する演出でもよい。
【0433】
尚、本例はあくまで一例であり、これには限定されず、例えば、複数変動に亘る先読み演出の終了が現在の滞在ステージ終了(又は切り替わり)後となる場合にも先読み演出を実行可能とし、複数変動に亘る先読み演出が滞在ステージ終了(又は切り替わり)を跨いだ場合には、当該先読み演出に係るいずれかの変動において大当りとなる期待度が、滞在ステージ終了(又は切り替わり)を跨がない先読み演出を実行している場合よりも相対的に高いよう構成してもよい。そのように構成した場合には、滞在ステージ(及び演出)の終了(又は切り替わり)を跨いで先読み演出が発生するか否か、という点に遊技者の注目を集めることが可能となり、遊技の興趣性を高めることができることとなる。
【0434】
また、複数変動に亘る先読み演出が、現在の滞在ステージの終了(又は切り替わり)後となる場合にも先読み演出を実行可能とした場合、当該先読み演出は、現在の滞在ステージが終了する最終変動までで終了(中断)するよう構成してもよい。また、先読み演出を中断した場合、当該中断した先読み演出とは異なる先読み演出(例えば、切り替わった後の滞在ステージでの演出に即した先読み演出又はその他の演出)を代わりに実行し得るよう構成してもよい。更には、複数変動に亘る先読み演出が終了するまで、現在の滞在ステージを少なくとも見た目上、終了(又は切り替わり)させないように構成することも可能である。
【0435】
また、或る滞在ステージにおいて、以後の変動において高期待度演出もしくは変動時間が長い変動態様が選択される旨を報知する先読み演出が発生し、且つ当該或る滞在ステージで当該高期待度演出もしくは変動時間が長い変動態様が選択されなかった場合には、次の滞在ステージにて当該高期待度演出もしくは変動時間が長い変動態様が選択されるよう構成してもよい。また、そのように構成した場合には、次の滞在ステージにおける先読み演出は当該次の滞在ステージに即した演出にすることが望ましい。
【0436】
(先読み演出の実行に関する別の実施例)
また、主制御基板Mにて保留として保持されている乱数値に関する情報は、副制御基板Sへ送信可能であり、当該保留の消化時において当り(大当り)と判定されたか否かは、主制御基板Mから特別遊技の発生有無に関する情報を副制御基板Sへ送信することで副制御基板S側にて把握可能である。このような前提構成に着目すると、副制御基板S側にて設定値に関する情報を保持せずとも先読み演出を正確に行うための別の手法を挙げることができる。
【0437】
より具体的には、非確率変動遊技状態である状況下、主制御基板Mにて或る保留として保持されている乱数値に関する情報が「204」として副制御基板Sへ送信され、当該或る保留の消化時において主制御基板Mから特別遊技発生有りの旨の情報が副制御基板Sへ送信された場合、その特別遊技の実行後であって非確率変動遊技状態である状況下、主制御基板Mにて別の保留として保持されている乱数値に関する情報が「204」として副制御基板Sへ送信された際には、副制御基板S側は、当該別の保留が消化されるよりも前に、特別遊技が発生予定であることを推測できるため、この推測に基づき副制御基板Sは、当該別の保留が消化されるよりも前に当り(大当り)に関する先読み演出(事前報知)が実行可能となる。
【0438】
即ち、副制御基板S側において、保留として保持されている乱数値に関する情報と、その保留が消化された際に発生した事象とを遊技履歴として蓄積していく(副制御基板S側が学習していく)ことで、当該遊技履歴に基づく先読み演出は、当り(大当り)に関する事前報知として正確なものとなり得る。
【0439】
但し、このように、保留として保持されている乱数値に関する情報と、その保留が消化された際に発生した事象とを遊技履歴として蓄積していく(副制御基板S側が学習していく)ことで、当該遊技履歴に基づく先読み演出の精度を向上させる手法は、主制御基板M側の設定が或る設定値にて維持(固定)されていることが前提条件として必要であるため、主制御基板M側の設定値が変更されたことが副制御基板S側で推測・把握された場合(例えば、電源断があった場合、主制御基板M側から設定値が変更された旨のコマンドが送信された場合)には、それまでに蓄積された情報はクリアして再蓄積していくことが望ましい。
【0440】
加えて、主制御基板Mが有する第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)が
図92に示されるような乱数値範囲で設定されていた場合、非確率変動遊技状態である状況下、主制御基板Mにて或る保留として保持されている乱数値に関する情報が「206」として副制御基板Sへ送信され、当該或る保留の消化時において主制御基板Mから特別遊技発生有りの旨の情報が副制御基板Sへ送信された場合、{乱数値「206」が当り(大当り)と判定されるのは設定3のみであるが故}、主制御基板Mが保持している設定値に関する情報を副制御基板Sへ送信せずとも(換言すれば、副制御基板S側にて設定値に関する情報を保持せずとも)、副制御基板S側は主制御基板M側が設定3であることを把握可能となる(その場合、副制御基板S側は、乱数値「206」が当り(大当り)と判定されること=設定3であることの対応関係は予め保持しておく必要性がある)。
【0441】
更には、主制御基板Mが有する第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)が
図96(第2実施形態からの変更例6)に示されるような乱数値範囲で設定されており、副制御基板S側でも同様のテーブルを有していた場合、即ち、ある設定値において当り(大当り)と判定される乱数値範囲が、他の設定値において当り(大当り)と判定される乱数値範囲と重複しない場合(本例では、非確率変動遊技状態且つ設定1:0~204、非確率変動遊技状態且つ設定2:205~410、非確率変動遊技状態且つ設定3:411~617)、非確率変動遊技状態である状況下、主制御基板Mにて或る保留として保持されている乱数値に関する情報が「411~617」の何れかとして副制御基板Sへ送信され、当該或る保留の消化時において主制御基板Mから特別遊技発生有りの旨の情報が副制御基板Sへ送信された場合、主制御基板Mが保持している設定値に関する情報を副制御基板Sへ送信せずとも(換言すれば、副制御基板S側にて設定値に関する情報を保持せずとも)、副制御基板S側は主制御基板M側が設定3であることを把握可能となる。よって、このように構成した場合には、副制御基板S側は主制御基板M側の設定値が何れであるかを迅速に把握可能となる。
【0442】
尚、同様に、非確率変動遊技状態である状況下、主制御基板Mにて或る保留として保持されている乱数値に関する情報が「0~204」の何れかとして副制御基板Sへ送信され、当該或る保留の消化時において主制御基板Mから特別遊技発生有りの旨の情報が副制御基板Sへ送信されなかった場合(「ハズレ」であった場合)、副制御基板S側は主制御基板M側が設定2又は3であることを把握可能となるので、このような観点からも副制御基板S側は主制御基板M側の設定値が何れであるか(何れである可能性があるか)を迅速に把握可能となるといえる。
【0443】
以上、説明した各実施例(特に、設定値を複数有する実施形態)においては、主制御基板Mが設定値情報を把握し、把握された設定値情報に基づいて主遊技図柄の当否抽選テーブルを選択する等の処理をおこなっていたが、副制御基板Sのみならず、主制御基板Mの制御プログラムにおいても設定情報を把握できないように構成することで、不正等に対する強化を図ることが期待できる。そこで、変更例として、主制御基板M(CPU)の制御プログラムと独立して設定に応じた当選値等のパラメータを設定可能な形態を第2実施形態からの変更例7として例示する。
【0444】
具体的には、本変更例においては、設定値(本変更例においては設定1~3の3段階)に応じた当選確率テーブルを通常の記憶領域と別の領域である当選値データ記憶装置Q20に設け、当選値データ記憶装置Q20に記憶された当選値等のデータのうち、設定変更手段Q10により設定された設定値に応じた当選値等のデータを主制御基板MのCPUMCが読み出すことができるように構成されている。
図97の本変更例におけるハードウエアの概略ブロック図を用いて詳述すると、主制御基板MのCPUMCと当選値データ記憶装置Q20との間が8ビットのデータバスで接続されるとともに、当選値データ記憶装置(ROM)Q20の下位アドレス(例えば、下位2ビットである「A0・A1」アドレス信号線)及び読取要求信号(例えばリード信号)を送信可能に電気的に接続されている。また、当選値データ記憶装置(ROM)Q20の上位アドレス(例えば「A14・A15」のアドレス)に対応した端子が設定変更手段Q10と接続されており、設定変更手段Q10から出力される設定値に対応した信号が当選値データ記憶装置Q20の上位アドレス(例えば「A14・A15」のアドレス)の指定データとなるようになっている。
【0445】
次に、当該概略ブロック図における設定変更手段Q10の構成について詳述する。本変更例における設定変更手段Q10は、ロータリースイッチに近似した設定キースイッチと、設定キースイッチにより操作した1~3の設定値を報知する3つの設定値表示LEDとを備えている。本変更例における設定キースイッチは、設定キーを挿入してから右方向に2段階回転するように構成され、且つ、1段階目~2段階目の間は1段階目の位置に付勢されている。このような設定キースイッチに、設定キーを挿入し、右方向に1段階回転させると現在選択されている設定値に対応した設定値表示LEDが点灯するように構成され、この状態から2段階目の回転可能な位置まで右方向に回転させると1回毎に設定値が1ずつインクリメントするように構成されている。なお、設定値の最大値である3が設定されている状態で更に1回、回転させると設定値が最小値である1に戻るように構成されている。そして、設定キースイッチにより設定された設定値は設定変更手段Q10により保持され、2ビットの信号(設定1であれば「01」、設定2であれば「10」、設定3であれば「11」)として出力され、出力されたデータは、前述の通り当選値データ記憶装置(ROM)Q20の上位ビット端子に入力されるように電気的に接続されている。
【0446】
次に、当該概略ブロック図における当選値データ記憶装置(ROM)Q20の構成について詳述する。本変更例における当選値データ記憶装置(ROM)Q20は、0000h~FFFFhまでの16ビットのアドレスに対応した8ビットのデータ格納領域を備えた記憶装置を例示しており、
図97のテーブルに示すように上位アドレス「01」「10」「11」(即ち、「40h」「80h」「C0h」)に対応させて設定値毎の当り値が非確率変動遊技状態(低確率)・確率変動遊技状態(高確率)毎に記憶されている。また、当選値データ記憶装置(ROM)Q20のリード端子(読出を要求する端子)及び、下位2ビットのアドレス並びに、データバスは主制御基板MのCPUMCと接続されている。なお、概要ブロック図では図示を省略しているが、「A3」~「A13」までのアドレスバスについてはGNDと接続されており、
図97のテーブルに示すアドレスに対応した記憶領域以外へのアクセスが不可能となっている。
【0447】
(作用)
次に、本変更例においての各設定値に対応する当選値の読み込みの流れについて、設定変更手段Q10により設定値「1」が設定され、遊技状態が通常遊技状態(非確率変動遊技状態)である場合を例示して説明する。主制御基板MのCPUMCは、当選値を参照すべき所定の処理を実行する際(例えば、当否抽選を行う際)に、通常遊技状態(非確率変動遊技状態)に対応したアドレスのうち、当選値の下位の値に該当するデータアドレス(00h)を指定して当該指定アドレスのデータをリードする。すると、当選値データ記憶装置(ROM)Q20の上位アドレスは、設定変更手段Q10からの出力データにより設定値「1」に対応した「4000h」に固定されているため、「4000h」のデータである「11001100」がデータバスから出力される。そして、主制御基板MのCPUMCは、データバスに出力された「11001100」の値を一旦レジスタ等に取り込み、続けて、通常遊技状態(非確率変動遊技状態)に対応したアドレスのうち、当選値の上位の値に該当するデータ(01h)を指定して当該指定アドレスのデータをリードする。すると、当選値データ記憶装置(ROM)Q20の上位アドレスは設定変更手段Q10からの出力データにより設定値「1」に対応した「4000h」に固定されているため、「4001h」のデータである「00000000」がデータバスから出力される。そして、主制御基板MのCPUMCは、データバスに出力された「00000000」の値を一旦レジスタ等に取り込み、先に取り込んだ下位アドレスのデータ「11001100」と合わせて16ビットの値である「0000000011001100(10進数で205)」を得る。そして、主制御基板MのCPUMCは、当否判定用の乱数値「N」と、前述のように取得した当選値とを比較し、乱数値が「N」が当選値以下(N≦当選値)かを判定し、当選値以下であれば当りと判定する。
【0448】
以上のように構成することにより、主制御基板MのCPUMCは、そもそも設定値が何れであるかを把握していないものの、設定値に応じた抽選を実現することができ、不正対策に適した遊技機を提供することができる。
【0449】
なお、本変更例においては、通常のプログラムを記憶した記憶装置(ROM)と別の記憶装置(ROM)を用いたが、共通の記憶装置(ROM)を用いて一部のエリアを当選値データ記憶領域に割当て、該当する領域について、上述のように読み込み対象のアドレスを外部から操作するように構成することも可能である。また、本変更例ではハードウエアにより設定値に対応した記憶領域をリードするように構成したが、ソフトウエアにより一定の制限を行って不正防止を担保することも可能である。
【0450】
具体的には、各実施例における主制御基板Mにおけるメインルーチンに移行する前の処理(電源投入後の初期化処理)において、設定変更手段Q10からの出力情報(設定値)を読み取り、読み取った出力情報に応じた当選値の格納領域を特定させる(当否抽選時にリードすべき記憶領域を特定させる)。そして、初期化処理以外、即ち、初期化処理完了後に移行するメインルーチン処理や割り込み処理においては、設定変更手段Q10からの出力情報(設定値)を読み込む処理を設けることなく、特定された格納領域の当選値を使用するように構成する。このように構成することにより、電源投入後等の特定の時期以外(初期化処理以外)においては設定値情報を読み取ることができないプログラムを構成することができ、不正防止に寄与することが期待できる。
【0451】
以上のように、各実施形態においては、ハードウエア及びソフトウエアにより所定条件下(所定の制限のもと)で設定値に応じた当選値テーブルの格納エリアを指定することにより、設定値に応じた確率で抽選等を行いつつ、主制御基板Mでの通常の処理ルーチンにおいて設定値情報を確認できないように構成されているため、主制御基板Mのみならず副制御基板Sにおいても設定値情報を認識することができず、設定値情報を盗み取るような不正を効果的に抑止することが期待できる。
【0452】
前述した先読み用判定処理において、設定されている設定値を参照して先読み演出の実行有無を判定し得るよう構成したが、これには限定されず、設定値を参照せずに先読み演出を実行するよう構成してもよい。具体的には、前述した先読み判定テーブルにおける先読みコードA(設定値に関わらず大当りとなる乱数範囲)と先読みコードD(設定値に関わらず小当りとなる乱数範囲)、先読みコードE(設定値に関わらずハズレとなる乱数範囲)に決定された場合には、先読み抽選を実行し得る一方、先読みコードB及びC(設定値によって大当りとなる場合とハズレとなる場合がある乱数)に決定された場合には、先読み抽選を実行しないよう構成してもよい。
【0453】
以上のように構成することで、設定値に関わらず共通の処理を用いて副制御基板が先読み演出を実行可能に構成することができる。
【0454】
尚、主制御基板M側から副制御基板S側に設定値に関する情報を送信し得るよう構成することによって、副制御基板S側が現在設定されている設定値を把握可能に構成してもよく、そのように構成した場合には、特定の予告演出を実行可能に構成し、設定値によって当該特定の予告演出の発生確率が相違するよう構成してもよいし、特定の設定値(例えば、設定6)の場合にのみ特定の予告演出が実行され得るよう構成してもよい。また、設定値毎に所定の演出に対する選択上限回数(例えば、RAMクリアによって選択上限回数はリセットされる)を設けて、設定1~設定5では選択上限回数が特定回数未満となっており、設定6では選択上限回数が特定回数以上となるよう構成することで、所定の演出が特定回数以実行された場合に設定値が設定6であることを遊技者が認識できるよう構成してもよい。そのように構成することによって、遊技者は前記特定の演出の実行有無又は実行頻度に注目することによって、現在設定されている設定値を推測しながら遊技を実行していくことができ、興趣性の高い遊技機を提供することができる。
【0455】
(主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定変更の操作に関するコマンドを送信する構成)
上述したように、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値を送信しない遊技機において、設定値とは異なる情報を送信するよう構成することによって、副制御基板SのCPUSCが現在設定されている設定値を把握可能に構成することが可能であるが、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定変更を行うためのスイッチ(例えば、RAMクリアボタン、設定変更ボタン)の押下コマンドを送信し、この情報に基づいて設定値を推測することも好適である。具体的には、RAMクリアボタンの押下により設定値を変更する構成である場合、RAMクリアボタンの押下時(RAMクリア時、設定変更操作時)にRAMクリアボタンの押下を示すコマンドを主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ送信するよう構成することで、副制御基板SのCPUSCは、電源投入後、当該コマンドを受信した回数を所定の条件(例えば、電源投入後の1回目のコマンドは設定変更を実行するためのRAMクリアボタンの操作であるため無視する)で記憶することで設定値を推測する。例えば、副制御基板SのCPUSCは、設定キースイッチがONとなった後から設定キースイッチがOFFになるまでの間(すなわち、設定変更の開始を示すコマンドを受信したときから設定変更の終了を示すコマンドを受信するまでの間)において、RAMクリアボタン(又は設定変更ボタン)の入力コマンドの受信回数をカウントする。例えば、「1」~「6」の6段階設定でRAMクリアボタン(又は設定変更ボタン)の入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの初期値が「1」(設定1)にセットされる仕様の場合、設定変更中に8回のRAMクリアボタンの入力コマンドを受信した場合、RAMクリアボタンが1回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「2」となり「設定2」に変更され、RAMクリアボタンが2回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「3」となり「設定3」に変更され、RAMクリアボタンが3回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「4」となり「設定4」に変更され、RAMクリアボタンが4回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「5」となり「設定5」に変更され、RAMクリアボタンが5回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「6」となり「設定6」に変更され、RAMクリアボタンが6回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「1」となり「設定1」に変更され、RAMクリアボタンが7回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「2」となり「設定2」に変更され、RAMクリアボタンが8回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「3」となり「設定3」に変更されるため、副制御基板SのCPUSCは現在の設定値が「設定3」に設定されていると推測することができる。そして、RAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値は、バックアップ電源等により、電源断によってクリアされないよう構成されているため、次回の設定変更時には、RAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「3」から開始され、RAMクリアボタンが1回押下されるとRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値が「4」となり「設定4」に変更される。このように、副制御基板SのCPUSCは、推測した設定値の情報を電断時もクリアされないように記憶しておくことで、次回の電断復帰時であっても設定変更中におけるRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数のカウントを継続することが可能であるが、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板MのCPUMCから設定変更に伴い送信されるRAMクリア情報を受信すると、副制御基板S側で持つRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタをクリアする構成とすることで、主制御側の設定値と副制御側の設定値が同一となることを補足しておく。このとき、副制御基板SのCPUSCは、設定値を推測するためのカウンタは、最大設定値の数(=N)で1周するカウンタ(本例においてはN=「6」のため、6カウントで1周するカウンタである)を用いるのが最適であるが、設定変更中の全てのRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数を累積カウントするカウンタを設け、N-1の数(本例における5)で除算することで算出することもできる。例えば、カウンタが211の場合、5で除算すると42余り1となり、余りの「1」が設定値を表すこととなる。ここで、副制御基板Sにおける主制御基板Mから受信したRAMクリアボタンの入力コマンドの受信回数をカウントするカウンタの値として「1」~「6」を用いて説明したが、前述のとおり、それぞれ、設定値データ「0」~「5」に置き換えて処理を行ってもよい。
【0456】
尚、設定値の変更操作としてRAMクリアボタンが押下される毎に、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへRAMクリアボタンの入力コマンドを送信する構成としたが、これに限られず、主制御基板MのCPUMCは、設定変更中にRAMクリアボタンが押下された回数をカウントしておき、設定変更終了時に計数したカウントに基づくコマンドを副制御基板SのCPUSCへ送信するよう構成してもよいし、主制御基板MのCPUMCは、前回の設定値と今回の設定値の差分に基づくコマンドを副制御基板SのCPUSCへ送信するよう構成してもよい。
【0457】
次に、設定変更が行われた否かを遊技者が判別することが困難である構成又は設定変更が行われたか否かを遊技者が判別(推測)可能な構成を示す。
【0458】
(第3実施形態)
上記の実施形態では、設定変更を行った際にはRAMクリアが行われるよう構成されており、RAMクリアにより主遊技図柄表示部(第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g)、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄がクリアされてしまい、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が容易に判別できてしまうといった懸念がある。より詳細には、電源スイッチEaのオンのみによる電断復帰では、RAMクリアが行われず、設定変更があったか否かに拘わらず、RAMクリアが行われた場合と、RAMクリアが行われなかった場合とで、主遊技図柄表示部及び補助遊技図柄表示部H21gに表示される図柄が異なることとなる(RAMクリア時:図柄データがクリア、電源スイッチEaのオンのみによる電断復帰時:図柄データがクリアされない)。このことは、図柄データがクリアされている場合には、少なくとも、RAMクリアボタンの操作によるRAMクリア又は設定変更によるRAMクリアが行われたことを表し、反対に、図柄データがクリアされていない場合には、設定変更がされていないことを表す。すなわち、遊技者は、遊技店の開店後、最初に選択した遊技機の主遊技図柄表示部又は補助遊技図柄表示部H21gの図柄がクリアされているか否かを確認することで、設定変更が行われたか否かを正確に把握することはできないが、少なくとも、「設定変更が行われた可能性がある台」と「設定変更が行われなかった台」を判別することができてしまう。そこで、第3実施形態として、設定変更が行われたか否かを判別し難い遊技機の構成について説明する。第3実施形態は、前述した本実施形態に対して設定変更が行われたか否かを判別し難い構成を追加的に搭載しているため、本実施形態と同一の処理については説明を省略或いは簡略化し、相違点を中心に図面を用いて説明する。
【0459】
図98は、第3実施形態における、主制御基板MのCPUMCが行う主制御基板側メイン処理のフローチャートである。本実施形態との相違点は、ステップ1005(第3)、ステップ1011‐1(第3)、ステップ1011‐2(第3)、ステップ1011‐3(第3)である。尚、本実施形態では、図示していない(
図7)が、RAMクリアが行われた場合には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gへの表示データとして、RAMクリア時のデータ(消灯データ)をセットし、RAMクリアが行われない場合には、電断時のデータをセットするよう構成されている。
【0460】
即ち、ステップ1003の設定変更処理が行われた後、又は、ステップ1002でRAMクリアボタンが操作されたと判定された後、ステップ1004でRAMクリアが行われ、次に、ステップ1005(第3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する予め定められた初期データをセットするよう構成されている。次に、ステップ1010でNoの場合、ステップ1011‐1(第3)で、遊技待機中ではないか否かを判定する。ステップ1011‐1(第3)でYesの場合{つまり、変動中、図柄確定中(ハズレ時の図柄固定時間中、当り時の開始デモ中等)、大当り中、小当り中、等の遊技待機中ではない場合}、ステップ1011‐2(第3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する電断時のデータをセットする。尚、ステップ1011‐1(第3)でNoの場合(つまり、遊技待機中の場合)、ステップ1011‐3(第3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期データをセットする。ステップ1011‐2(第3)、ステップ1011‐3(第3)の処理が終了すると、ステップ1012へ移行する。ステップ1005(第3)、ステップ1011‐2(第3)、ステップ1011‐3(第3)でセットされたデータに基づいて、タイマ割り込みの許可後、タイマ割込み処理のLED出力処理(
図10のステップ1550‐6)によって図柄が表示される。補足であるが、遊技待機中とは、主遊技図柄の変動を開始させることが可能な状況であり、図柄確定中とは、主遊技図柄の表示時間中であり、且つ、変動を開始させることが不可能な状況である。例えば、ハズレ図柄の図柄固定時間中(例えば、500ms)は、保留がある状況であっても変動を開始させることはできないため、「ハズレ図柄の図柄確定中」と言え、ハズレ図柄の図柄固定時間を経過すると、変動を開始させることが可能となるため、「遊技待機中」と言える。
【0461】
RAMクリアを行うと初期データの図柄が表示され、前日の停止図柄の態様であるか初期データの図柄であるかを確認することで設定変更が行われた可能性があることを判別することが可能であるが、このように、設定変更時、RAMクリア時、遊技中ではない場合(=遊技待機中)の電断復帰時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに予め定められた初期データを表示するよう構成することで、RAMクリアがされた状態であるのか、それとも、RAMクリアがされずに電断復帰した状態であるのかの判別が困難になる。
【0462】
(第3実施形態の変更例1)
次に、
図99は、第3実施形態の変更例1における、主制御基板MのCPUMCが行う主制御基板側メイン処理のフローチャートである。第3実施形態との相違点は、ステップ1005‐1(第3変1)、ステップ1011‐2‐1(第3変1)である。
【0463】
即ち、ステップ1003の設定変更処理が行われた後、又は、ステップ1002でRAMクリアボタンが操作されたと判定された後、ステップ1004でRAMクリアが行われ、次に、ステップ1005‐1(第3変1)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示するハズレ図柄を選択し、選択したハズレ図柄を初期データとしてセットするよう構成されている。次に、ステップ1007、ステップ1010でNoの場合、ステップ1011‐2‐1(第3変1)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する電断時のデータをセットし、ステップ1012へ移行する。ステップ1005‐1(第3変1)、ステップ1011‐2‐1(第3変1)でセットされたデータに基づいて、タイマ割り込みの許可後、タイマ割込み処理のLED出力処理(
図10のステップ1550‐6)によって図柄が表示される。
【0464】
第3実施形態との相違点は、RAMクリア後にセットする図柄のデータが異なる点と、RAMクリアを行わない電断復帰時にセットする図柄のデータが異なる点であり、第3実施形態の変更例1では、RAMクリア後にハズレ図柄のデータをセットし、RAMクリアを行わない電断復帰時には、遊技待機中であるか否かに関わらず、電断時のデータをセットする。尚、本実施形態から変更する際には、第3実施形態と第3実施形態の変更例1のいずれを採用してもよい。
【0465】
このように、設定変更時、RAMクリア時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに、選択したハズレ図柄を表示する構成することで、RAMクリアがされた状態であるのか、それとも、ハズレとなった後に停止している状態であるのかの判別が困難になる。
【0466】
(第3実施形態の変更例2)
次に、
図100は、第3実施形態の変更例2における、主制御基板MのCPUMCが行う主制御基板側メイン処理のフローチャートである。第3実施形態との相違点は、ステップ1005‐2(第3変2)、ステップ1011‐2‐2(第3変2)である。
【0467】
即ち、ステップ1003の設定変更処理が行われた後、又は、ステップ1002でRAMクリアボタンが操作されたと判定された後、ステップ1004でRAMクリアが行われ、次に、ステップ1005‐2(第3変2)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄を、全ての図柄(当り図柄、ハズレ図柄を含む全ての図柄)からランダムに選択し、選択した図柄を初期データとしてセットするよう構成されている。次に、ステップ1007、ステップ1010でNoの場合、ステップ1011‐2‐2(第3変2)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する電断時のデータをセットし、ステップ1012へ移行する。ステップ1005‐2(第3変2)、ステップ1011‐2‐2(第3変2)でセットされたデータに基づいて、タイマ割り込みの許可後、タイマ割込み処理のLED出力処理(
図10のステップ1550‐6)によって図柄が表示される。
【0468】
このように、設定変更時、RAMクリア時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに、全ての図柄からランダムに選択した図柄を表示する構成することで、設定変更あり且つRAMクリア状態であるのか、それとも、設定変更なし且つRAMクリア状態であるのかの判別が困難になる。
【0469】
尚、RAMクリアを行わない電断復帰の際{ステップ1011‐2‐2(第3変2)}にも、RAMクリア時と同様に、表示する図柄をランダムに選択してデータをセットする構成としてもよい。このように構成することで、前日から停止図柄の態様が変更されているか否かを確認することにより、RAMクリアがされた可能性があることを判別することが不可能となる。特に、ハズレ図柄を複数備える遊技機であった場合には、前日のハズレ図柄と翌日のハズレ図柄を比較することで、RAMクリアがされた可能性があることを判別することが容易となってしまう可能性があるが、このように構成することで、RAMクリアがされた可能性があることを判別することが不可能となる。
【0470】
(第3実施形態の変更例3)
次に、
図101は、第3実施形態の変更例3における、主制御基板MのCPUMCが行う主制御基板側メイン処理のフローチャートである。第3実施形態との相違点は、ステップ1004(第3変3)、ステップ1050(第3変3)、ステップ1005‐3(第3変3)、ステップ1052(第3変3)、ステップ1011‐2‐3(第3変3)である。
【0471】
即ち、ステップ1003の設定変更処理が行われた後、又は、ステップ1002でRAMクリアボタンが操作されたと判定された後、ステップ1004(第3変3)でRAMクリアが行われる。ただし、第3実施形態の変更例3におけるステップ1004(第3変3)のRAMクリアでは、第1主遊技図柄、第2主遊技図柄、補助遊技図柄のデータはクリ
アされないよう構成されている。次に、ステップ1050(第3変3)で、RAMに第1主遊技図柄、第2主遊技図柄、補助遊技図柄のデータが正しく記憶されているか否かを判定する。ステップ1050(第3変3)でYesの場合、ステップ1005‐3(第3変3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する電断時のデータをセットするよう構成されている。尚、ステップ1050(第3変3)でNoの場合、ステップ1052(第3変3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する予め定められた初期データをセットするよう構成されている。次に、ステップ1007、ステップ1010でNoの場合、ステップ1011‐2‐3(第3変3)で、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する電断時のデータをセットし、ステップ1012へ移行する。ステップ1005‐3(第3変3)、ステップ1052(第3変3)、ステップ1011‐2‐3(第3変3)でセットされたデータに基づいて、タイマ割り込みの許可後、タイマ割込み処理のLED出力処理(
図10のステップ1550‐6)によって図柄が表示される。
【0472】
このように、RAMクリア後にRAMに第1主遊技図柄、第2主遊技図柄、補助遊技図柄のデータが正しく記憶されている場合には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに予め定められた初期データを表示し、RAMクリア後にRAMに第1主遊技図柄、第2主遊技図柄、補助遊技図柄のデータが正しく記憶されていない場合やRAMクリアボタンの操作によるRAMクリア時、又は、RAMクリアボタンが操作されなかった場合の電断復帰時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに、電断時のデータを表示するよう構成することで、RAMクリア後にRAMに第1主遊技図柄、第2主遊技図柄、補助遊技図柄のデータが正しく記憶されていない場合以外の電源投入時では、RAMクリアがされて電断復帰した状態であるのか、それとも、RAMクリアがされずに電断復帰した状態であるのかの判別が困難になる。
【0473】
(付加可能な構成又は変更可能な構成)
上述した実施例において、RAMクリアを行ったか否かを遊技者が判別し難い遊技機の基本構成について説明した。以下に、付加可能な構成又は変更可能な構成について列挙する。
<付加可能な構成1>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄でRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、遊技待機中に表示されている図柄を消去する構成を付加することが可能である。
【0474】
具体的には、主制御基板MのCPUMCにより主遊技図柄の変動が停止してからの期間を計測し、所定期間(例えば、242秒)に達すると、副制御基板SのCPUSCへ遊技待機デモ開始コマンドを送信するとともに、主制御基板MのCPUMCが制御する主制御表示装置D53の表示をクリア(消灯)する。また、副制御基板SのCPUSCは、主制御基板MのCPUMCから送信された遊技待機デモ開始コマンドを受信すると、当該コマンドの受信に基づいて遊技待機デモ画面(遊技待機デモムービー等)を表示させ、装飾図柄、背景画像、演出ステージ、音量、光量等の情報をクリアしたりリセットすることでデフォルト設定に戻すように処理する。このように構成することにより、電断前に表示されていた図柄と電源投入時に表示されている図柄とを比較することができなくなり、RAMクリアが行われたか否かを判別することが困難になる。
【0475】
<変更可能な構成1>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄でRAMクリアされたか否か判別し難くする構成として、設定変更時、RAMクリア時、遊技中ではない場合(=遊技待機中)の電断復帰時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに予め定められた初期図柄(データ)、ランダムに選択した(外れ)図柄を表示したり、2回目以降の設定変更時には電断前の図柄を表示する形態について説明したが、電源投入回数に応じて、初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。尚、初期図柄とは、ハズレ図柄、当り図柄、小当り図柄のいずれかであってもよいし、ハズレ図柄を複数種類持つ場合には、当該複数種類のハズレ図柄のうちいずれかであってもよいし、電断復帰時にのみ表示可能な図柄(当否抽選結果を示さない図柄)であってもよい。
【0476】
具体的には、設定変更の有無に関わらず電源投入(電断復帰)の回数に応じて第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに初期図柄を表示する。例えば、1回目の電源投入であれば、本実施形態の第1主遊技図柄表示部A21gでは「a」を点灯させ、第2主遊技図柄表示部B21gでは「k」を点灯させ、補助遊技図柄表示部H21gでは「1」を点灯させ、2回目の電源投入であれば、第1主遊技図柄表示部A21gでは「b」を点灯させ、第2主遊技図柄表示部B21gでは「l」を点灯させ、補助遊技図柄表示部H21gでは「2」を点灯させる。このように、主遊技図柄表示部では、電源投入回数が1回増えると、前回点灯された発光体の右隣りの発光体が点灯するよう構成され、補助遊技図柄表示部H21gでは、「1」と「2」が交互に点灯するよう構成するのである。尚、本構成例では、第1主遊技図柄表示部A21gで「h」が点灯された後は、再び「a」が点灯され、第2主遊技図柄表示部B21gで「r」が点灯された後は、再び「k」が点灯されるよう構成しているが、「h」の次には「g」が点灯し徐々に「a」に向かって変化するように構成してもよい。また、初回に表示される初期図柄は、遊技機の遊技に関わる図柄として使用している当り図柄、ハズレ図柄、変動中図柄等であってもよいし、遊技機の遊技に関わる図柄として使用しておらず初期図柄でのみしか表示されない図柄であってもよい。このように構成することにより、第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3と同様にRAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることが可能である。
【0477】
<変更可能な構成2>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄でRAMクリアされたか否か判別し難くする構成として、設定変更時、RAMクリア時、遊技中ではない場合(=遊技待機中)の電断復帰時には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに予め定められた初期図柄(データ)、ランダムに選択した(外れ)図柄を表示したり、2回目以降の設定変更時には電断前の図柄を表示する形態について説明したが、設定変更によるRAMクリアでは、図柄データをクリアしない構成とすることで、設定変更によりRAMクリアされたか否か判別し難くすることが可能である。
【0478】
具体的には、主制御基板MのCPUMCは、設定変更によるRAMクリアでは、設定値データ及び抽せんに関するデータをクリアし、他の部分はクリアしないように制御する。ここで、抽せんに関するデータとは、主遊技図柄が確率変動状態であるか否かを示すフラグ、補助遊技図柄が確率変動状態であるか否かを示すフラグ、停止表示中の図柄データ等であるが、少なくとも抽選に関するデータのうち図柄データに係る領域のクリアを行わないように制御する。一方、設定変更によらないRAMクリア(設定キーオフ、RAMクリアボタンオン、電源スイッチオンの場合)では、全てのRAM領域をクリアし、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄は、設定変更によらないRAMクリア時の初期図柄となるように制御する。
【0479】
このように構成することにより、設定変更によるRAMクリアであっても、電断前の図柄が継続して表示されることになるため、設定変更によりRAMクリアされたか否か判別し難くすることが可能である。尚、この際、設定変更によるRAMクリアによって抽せんに関するデータがクリアされることで、遊技状態が変更される一方、保記憶の情報等、一部のデータをクリアしない場合には、先読み演出等の演出表示に矛盾が生じる虞がある。そこで、先読み演出への対応策として、制御基板SのCPUSCは、設定変更によるRAMクリアの際には、電断前に実行されていた先読み演出を実行しないように構成することが可能である。
【0480】
具体的には、保留表示において先読み演出(保留変化演出)が実行されていた状況にて電断が発生し、設定変更によるRAMクリアにより電断復帰すると、保留表示における先読み演出(保留変化演出)は実行されず、デフォルトの保留表示が行われるように制御する方法が挙げられる。尚、先読み演出とは、
図94の先読み用判定処理で主制御基板Mが決定した結果に基づいて送信される先読み用コマンドに基づいて副制御基板Sが実行する事前判定演出のことである。また、先読みステージが実行されていた場合には電断復帰するとRAMクリア時に表示される通常ステージとなり、変動停止時に同じ色の装飾図柄が表示されるチャンス目表示が実行されていた場合には電断復帰するとチャンス目表示は継続されないように制御する方法が挙げられる。このように構成することにより、電断前の図柄を継続して表示しつつ、設定変更によるRAMクリアによって抽せんに関するデータがクリアされることで、遊技状態が変更され、遊技状態が変更される前に決定した先読み演出等の演出表示に矛盾が生じることを防止することができる。
【0481】
上記した具体例に加え、副制御基板SのCPUSCは、RAMクリアを行わない電断復帰の際に、主制御基板MのCPUMCから新たに受信したコマンド(遊技状態を示すコマンド等)に基づき、既存の保留に対して新たに先読み演出の実行抽選や先読み演出の演出パターン抽選を行うように制御することも好適である。このように構成することにより、RAMクリアを行わない電断復帰の際に、新たに先読み演出を実行し直すことができる。
【0482】
<変更可能な構成3>
第3実施形態では、RAMクリアを行わない電断復帰の際に、遊技待機中であった場合には、表示する図柄を電断前に表示されていた図柄とは異なる図柄とする構成を説明したが、RAMクリアを行わない電断復帰の際に、電断前にハズレ図柄が表示されていた場合にのみ、表示する図柄を変更する構成とすることが可能である。
【0483】
具体的には、RAMクリアを行わない電断復帰(電源投入)の際、電断前に所定の図柄が表示されていた場合には、特定の初期図柄に変更する。例えば、電断復帰時にRAMクリアが行われなかった際には、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gにハズレ図柄が表示されていた場合には、電断復帰時にのみ表示可能な図柄(ハズレ図柄でも当り図柄でもない図柄。すなわち、当否抽選結果を示さない図柄。以下同様)に変更する。尚、電断復帰時に設定変更に基づくRAMクリアが行われた際には、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに当り図柄が表示されていた場合には、従来と同様に設定変更によらないRAMクリア時と同様の初期図柄を表示し、電断復帰時にRAMクリアが行われなかった際には、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに当り図柄が表示されていた場合には、その当り図柄を再び表示する。このように構成することで、RAMクリアにより電断復帰時にのみ表示可能な図柄が表示されているのか、それとも、RAMクリアが行われず電断前にハズレ図柄が表示されていたことにより電断復帰時にのみ表示可能な図柄が表示されているのかの判別が困難となるよう構成することが可能である。
【0484】
<変更可能な構成4>
第3実施形態では、RAMクリアを行わない電断復帰(電源投入)の際に、遊技待機中であった場合には、表示する図柄を電断前に表示されていた図柄とは異なる図柄とする構成を説明したが、RAMクリアを行わない電断復帰の際に、電断前にいずれの図柄が表示されていても、表示する図柄を変更する構成とすることが可能である。
【0485】
具体的には、RAMクリアを行わない電断復帰(電源投入)の際、電断前に表示されていた図柄に関わらず、特定の初期図柄を表示する。例えば、電源投入(設定変更なしの電断復帰)の際、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄が当り図柄又はハズレ図柄のいずれであっても、電断復帰時にのみ表示可能な図柄を表示する。このように構成することにより、RAMクリアが行われて電断復帰時にのみ表示可能な図柄が表示された場合でも電源を再投入することにより、RAMクリアが行われていない図柄を表示させることができるため、表示されている図柄から設定変更が行われたか否かの判別が困難となるよう構成することが可能である。なお、このように構成することにより、電源を再投入させなければ異なる初期図柄が表示されることになる。これにより遊技店が意図的にRAMクリア(設定変更)を行った痕跡を残したい場合には電源を再投入させないという選択ができ、遊技店側のニーズにあった初期図柄の表示を行うことができる。
【0486】
<変更可能な構成5>
第3実施形態では、設定変更によるRAMクリア後の電断復帰の際及びRAMクリアを行わない電断復帰の際に遊技待機中であった場合には、表示する図柄を電断前に表示されていた図柄とは異なる図柄とする構成を説明したが、設定変更(RAMクリア)の際及びRAMクリアを行わない電断復帰の際に、電断前に表示されていた図柄に応じて表示する図柄を変更する構成とすることが可能である。
【0487】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、電断前に表示されていた図柄に応じた特定の初期図柄に変更する制御、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰の際、電断前に表示されていた図柄群に応じた特定の初期図柄に変更する制御を採用することが挙げられる。例えば、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰の際、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄が、当り図柄であるか、ハズレ図柄であるかに応じて、電断復帰時にのみ表示可能な図柄に変更する。このように構成することにより、RAMクリアが行われて電断復帰時にのみ表示可能な当り図柄に対応する図柄やハズレ図柄に対応する図柄等が表示されているのか、それとも、RAMクリアが行われず電断復帰時にのみ表示可能な当り図柄に対応する図柄やハズレ図柄に対応する図柄が表示されているのかの判別が困難となるよう構成することが可能である。
【0488】
また、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、電断前に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄群{例えば、当り図柄1(10Rフル開放当り)、当り図柄2(10R当り:実質8R当り)、当り図柄3(8Rフル開放当り)、ハズレ図柄等}に応じた電断復帰時にのみ表示可能な図柄に変更する。このように構成することにより、RAMクリアが行われて電断復帰時にのみ表示可能な当り図柄群に対応する図柄やハズレ図柄群に対応する図柄等が表示されているのか、それとも、RAMクリアが行われず電断復帰時にのみ表示可能な当り図柄群に対応する図柄やハズレ図柄群に対応する図柄が表示されているのかの判別が困難となるよう構成することが可能である。
【0489】
なお、設定変更によりRAMクリアが行われる電断復帰(電源投入)の際は、主制御基板MのCPUMCは、電断前に主遊技図柄表示部(第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g)又は補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄(当り図柄、ハズレ図柄等)に応じた特定の初期図柄(電断復帰時にのみ表示可能な図柄)を決定するよう構成し、決定した特定の初期図柄が当り図柄に応じた図柄である場合には、ハズレ図柄に応じた初期図柄に変更すると、より好適である。このように構成することで、初期図柄と遊技状態、初期図柄と遊技状態の報知態様とが異なることがないようにすることができる。
【0490】
この点を詳述すると、上述した「変更可能な構成5」の各例で設定変更によるRAMクリアが行われると、主遊技図柄表示部又は補助遊技図柄表示部H21gに表示される図柄は、電断前に表示されていた図柄群であるため、確変図柄群に対応する初期図柄が表示される可能性があるものの、RAMクリアが行われているため実際の遊技状態は非確変状態であり、確変図柄が停止表示されているにも関わらず非確変状態となっているという状況が想定される。しかも、電断復帰時に主遊技図柄の確変表示灯で確変であるか否かを示す場合には、主制御表示装置D53の確変表示灯が消灯するといった状況が発生し得るという問題が生じる。しかしながら、本構成を採用すれば、初期図柄と遊技状態、初期図柄と遊技状態の報知態様とを一致させることができるため、主遊技図柄表示部に表示される図柄と主制御表示装置D53の確変表示灯が示す遊技状態との矛盾が生じるといった状況を回避することが可能である。
<変更可能な構成6>
変更可能な構成5で、図柄(当り図柄、ハズレ図柄等)や図柄群(当り図柄群、ハズレ図柄群等)に応じた電断復帰時にのみ表示可能な図柄を表示する構成を説明したが、非確変図柄を持たない遊技機には適用できないため、非確変図柄を持たない遊技機に適用可能な構成とすることも可能である。但し、このような遊技機は、翌日の営業開始時に確率変動遊技から遊技が開始されないように設定変更に関わらずRAMクリアを行う点に着目すると、以下のように構成することで結果的に、図柄から設定変更が行われたか否かの判別を困難にすることができる。
【0491】
具体的には、大当り終了後に必ず確率変動状態へ突入する非確変図柄を持たない遊技機(例えば、100%ST機等)においては、主制御基板MのCPUMCは、電断時に当り図柄が表示されていた場合には、当該図柄を設定変更によるRAMクリアが行われた場合と設定変更によらないRAMクリアが行われた場合とで、RAMクリア時にのみ表示可能な共通の図柄を表示する。このように構成することにより、非確変図柄を持たない遊技機については、設定変更によるRAMクリアが行われたのか、それとも、設定変更によらないRAMクリアが行われたのか判別することを困難にすることができ、非確変図柄を持たない遊技機に対しては実質的に設定変更が行われたか否の判別を困難にすることができる。
<変更可能な構成7>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCの個別IDに応じた初期図柄を表示することも可能であり、これにより、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0492】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、識別情報(主制御基板MのCPUMCの個別ID)を参照し、参照結果に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を表示する。このように構成することにより、遊技機毎に固有の初期図柄が表示されることとなり、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることが可能である。なお、参照結果に対応して1対1の初期図柄を設定してもよく、この場合には初期表示される図柄により必ず固有の初期図柄が表示されることになるため、RAMクリアされたか否か判別し難くするだけでなく、夜間に主制御基板を不正に交換されたことを認識することができる。無論、他のパラメータと参照結果とにより複数の初期図柄をランダムに表示させることも可能である。
<変更可能な構成8>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCの処理結果に応じた初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0493】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、誤り判定(チェックサム)を行うが、このときのチェックサムの値に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を表示する。このように構成することにより、電源復帰処理で必ず参照され、且つ、電源断時の処理状況(処理結果)により異なるチェックサムの値を用いることで、余計な乱数取得や乱数生成を行うことなくランダムな初期図柄を選択でき、且つ、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることが可能である。
<変更可能な構成9>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCの特定のアドレスデータに応じた初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0494】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、特定のアドレスデータ(例えば、
図61の(2)、(4)、(7)で示されるいずれかのデータ)を参照し、参照結果に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する。このように構成することにより、電源断時の処理状況(処理結果)によりある程度ランダム性が生じるアドレスのデータを用いることで、余計な乱数取得や乱数生成を行うことなくランダムな初期図柄を選択でき、且つ、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることが可能である。
<変更可能な構成10>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCは、型式名に応じた初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0495】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、型式名(プログラムに記憶されている遊技機の名称)に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する。このように構成することにより、型式毎に固有の初期図柄が表示されることとなり、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることが可能である。なお、型式名に対応して1対1の初期図柄を設定してもよく、この場合には初期表示される図柄により必ず型式固有の初期図柄が表示されることになるため、RAMクリアされたか否か判別し難くするだけでなく、製造時等に型式に対応する主制御基板Mが搭載されているかを認識することができる。無論、他のパラメータと参照結果とにより複数の初期図柄をランダムに表示させることも可能である。
<変更可能な構成11>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCは、設定キーの回転速度に応じた初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0496】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、設定キーを回転させる速度に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する。このように構成することにより、設定変更(RAMクリア)後に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gが消灯している状況が解消されるためRAMクリアが行われたか否かの判断が困難になる。また、遊技店員が設定キーをゆっくり回転させた際に表示される初期図柄が表示されている場合には、当該遊技店では設定変更が行われている可能性が高い等の遊技店独自の法則により、遊技者に設定変更が行われたことを示唆することも可能である。なお、設定キーを回転させなかったときと所定の速度で回転させたときとで同一の図柄が表示される場合があるように図柄を選択しておけば、設定キーを挿入しなかった場合でも設定キーを操作した場合に表示される図柄が選択され得ることになり、RAMクリアが行われたか否かの判別をより困難にすることができる。
<変更可能な構成12>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCは、設定キーの回転させたタイミングに応じた初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0497】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、設定キーを回転させたタイミングに応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する。例えば、主制御基板MのCPUMCは、電源投入後からの経過期間を計測し、設定変更が行われた経過期間によって初期図柄を表示する。このように構成することにより、設定変更(RAMクリア)後に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21gや補助遊技図柄表示部H21gが消灯している状況が解消されるため設定変更が行われたか否かの判断が困難になる。また、遊技店員が設定変更を行うタイミング(電源投入からの経過期間)により初期図柄が異なるため、遊技店員が電源投入後から所定期間(例えば、300秒)経過後に設定変更を行った際に表示される初期図柄が表示されている場合には、当該遊技店では設定変更が行われている可能性が高い等の遊技店独自の法則により、遊技者に設定変更が行われたことを示唆することも可能である。なお、設定キーを回転させなかったときと所定のタイミングで回転させたときとで同一の図柄が表示される場合があるように図柄を選択しておけば、設定キーを挿入しなかった場合でも設定キーを操作した場合に表示される図柄が選択され得ることになり、RAMクリアが行われたか否かの判別をより困難にすることができる。
<変更可能な構成13>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄を変化させることでRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、表示する図柄の選択方法として、主制御基板MのCPUMCは、RAMクリアボタンが押下された期間に応じて初期図柄を表示することで、RAMクリアされたか否か判別し難くする構成とすることも可能である。
【0498】
具体的には、設定変更やRAMクリアの有無に関わらず電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、一定期間(例えば、電源投入時から3分)の間にRAMクリアボタンが押下された期間に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する。このように構成することにより、設定変更がなされたか否かやRAMクリアが行われたか否かに関わらずRAMクリアスイッチの操作時間により初期図柄が選択されるため、設定変更やRAMクリア処理を行ったことにより選択された初期図柄なのか、単にRAMクリアスイッチを操作したことによる選択された初期図柄なのかがわからなくなり、RAMクリアや設定変更が行われたか否かの判断が困難になる。また、遊技店員がRAMクリアボタンを長く(例えば、5秒以上)押下した際に表示される初期図柄が表示されている場合には、当該遊技店では設定変更が行われている可能性が高い等の遊技店独自の法則により、遊技者に設定変更が行われたことを示唆することも可能である。
<変更可能な構成14>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄でRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、主制御基板MのCPUMCは、電源断から所定時間以上経過した場合には設定変更(RAMクリア)を行うことで遊技が可能となる構成とすることで、RAMクリアされたか否かの判別を不可能とすることも可能である。
【0499】
具体的には、電源断から所定期間以上経過して電源投入された場合には、主制御基板MのCPUMCは、設定変更(RAMクリア)を行うことで遊技可能な状態とする。例えば、電源がオフとなってから6時間以上経過して電源がオンとなると、設定変更を行わなければ遊技が開始可能とならないよう構成する。尚、主制御基板M上にRTCを設け、主制御基板MのCPUMCは、RTCより電源がオフになった時間と電源がオンになった時間とを把握し、これらの時間に基づいて電源がオフとなっている期間を把握することが可能である。このように構成することにより、翌日なると設定変更(RAMクリア)されていない遊技機が存在しなくなり、電源投入後の遊技機の表示態様から設定変更(RAMクリア)がなされたことを判別できなくなる。
<変更可能な構成15>
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、電源投入時に表示する図柄でRAMクリアされたか否か判別し難くする構成について説明したが、前日に特殊変動パターンを参照している遊技状態で遊技が終了した場合、翌日に特殊変動パターンの参照を継続しているか、それとも、特殊変動パターンの参照を行わない状況となっているかにより、設定変更の有無(RAMクリアの有無)が判別できてしまう可能性がある。そこで、主制御基板MのCPUMCは、電断前に参照していた特殊変動パターンテーブルを電断復帰後も継続して参照することで、設定変更(RAMクリア)されたか否かの判別を不可能とすることも可能である。
【0500】
具体的には、設定変更によりRAMクリアが行われる電断復帰(電源投入)の際、主制御基板MのCPUMCは、電断前に主遊技図柄の当選確率が低確率であり且つ主遊技図柄の変動態様の種類及び/又は選択率が異なる特殊変動パターンテーブル(限定頻度テーブル)を参照していた場合であっても、特殊変動パターンテーブルの参照を予め定められた特殊変動パターンテーブルの参照回数に到達するまで継続する。このように構成することにより、設定変更によりRAMクリアが行われる電断復帰(電源投入)の際であっても、特殊変動パターンテーブルの参照を継続する構成とすることで、設定変更の有無(RAMクリアの有無)を判別不可能にすることができる。
【0501】
(第4実施形態)
第3実施形態及び第3実施形態の変更例1~3では、設定変更処理等に応じて電源投入後に表示される図柄を変化させ、或いは統一化させることにより、表示されている図柄から設定変更が行われたか否かを判別し難いように構成したものを例示したが、第4実施形態では、初期図柄のような図柄を持つことなく、表示されている図柄から設定変更が行われたか否かを判別する態様について説明する。
【0502】
まず、本実施形態では、補助遊技図柄の停止図柄が「当り」となり、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを開放した際に、第2主遊技始動口B10に遊技球が入球した場合にのみ、入球したことを検出するよう構成されている。このような構成では、設定変更によりRAMクリアが実行されると、第2主遊技図柄表示部B21gに表示されていた図柄データ(主遊技図柄のデータ)がクリアされ、初期データ等の予め定められたデータにて表示される(消灯も含む)こととなるため、設定変更が行われたか否かの判別が容易となってしまう虞がある。
【0503】
そこで、電源投入(又はRAMクリア)から所定期間(例えば、5秒間)内に、第2主遊技始動口B10に遊技球が入球した場合には、入球したことを検出するよう構成することで、遊技店員等が第2主遊技図柄表示部B21gに表示されている図柄を変更することを可能とする。例えば、第2主遊技図柄表示部B21gに表示される可能性のある図柄が「4B(4R当り)」「5B(5R当り)」「7B(7R当り)」、「F(ハズレ)」「2BK(小当り)」「7BK(小当り)」であり、設定変更時(RAMクリア時)に第2主遊技図柄表示部B21gに表示される図柄として、第2主遊技図柄表示部B21gの「k」「r」が点灯する場合、第2主遊技図柄表示部B21gの「k」「r」が点灯されていると、遊技者は設定変更が行われた可能性が高いと判断することが可能であるため、遊技店員等は遊技店の開店前に、電源投入時から所定時間(例えば、5秒間)内に第2主遊技始動口B10に遊技球を入球させ(手入れ等)、第2主遊技図柄表示部B21gに表示されている図柄を「k」「r」から変更することで、遊技者は設定変更が行われたか否かを判別しづらくなるようにする。「k」「r」から変更する図柄としては、当り図柄やハズレ図柄等が挙げられる。
【0504】
ただし一般的には、RAMクリアや電源投入(RAMクリアなし)の際には、装飾図柄表示領域SG11に所定の図柄組み合わせ(例えば、RAMクリアでは「331」、電源投入では「246」等)が表示されるよう構成されていることが多く、上記のように第2主遊技始動口B10に遊技球を入球させてしまうと装飾図柄が変動してしまうため、装飾図柄表示領域SG11に表示されていた所定の図柄組み合わせが変更されてしまう虞がある。従って、電源投入時から所定時間(例えば、5秒間)内に第2主遊技始動口B10へ遊技球が入球した場合には、副制御基板SのCPUSCは、装飾図柄を変動させないよう構成するのが好ましい。
【0505】
(第5実施形態)
第5実施形態では、第3実施形態、第3実施形態の変更例1~3、第4実施形態とは異なる構成による、設定変更が行われたか否かを判別し難い遊技機の構成について説明する。
【0506】
第5実施形態では、電源投入(又はRAMクリア)から所定期間(例えば、10秒)内に、所定の操作(例えば、RAMクリアボタンの押下等)を行うことで、第2主遊技図柄表示部B21gに表示されている図柄を変更することが可能となるよう構成する。例えば、第2主遊技図柄表示部B21gに表示される可能性のある図柄が「4B(4R当り)」「5B(5R当り)」「7B(7R当り)」、「F(ハズレ)」「2BK(小当り)」「7BK(小当り)」であり、設定変更時(RAMクリア時)に第2主遊技図柄表示部B21gに表示される図柄として「k」「r」が点灯する場合、第2主遊技図柄表示部B21gに「k」「r」が点灯されていると、遊技者は設定変更が行われた可能性が高いと判断することが可能であるため、遊技店員等が遊技店の開店前に、電源投入から10秒以内にRAMクリアボタンの押下を行い、第2主遊技図柄表示部B21gに表示されている図柄を「k」「r」からランダムに変更又予め定められた図柄(例えば、ハズレ図柄「q」「r」の点灯)に変更することで、遊技者は設定変更が行われたか否かを判別することが困難となる。
【0507】
本実施形態では、設定変更を行った際にはRAMクリアが行われるよう構成されており、RAMクリアに第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄がクリアされてしまい、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が容易に判別できてしまう懸念がある。第6実施形態及び第6実施形態の1~3では、遊技店の店員等により、遊技者が設定変更を判別できるようにするか、又は、遊技者が設定変更を判別し難くするかを選択可能な遊技機の構成について説明する。
【0508】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
(1)『設定変更によるRAMクリア(設定変更の操作を行う)』では、RAMクリアを行うが、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データはクリアすることなく、保持し続ける
(2)『設定変更を行わないRAMクリア(設定変更の操作を行わず、RAMクリアの操作のみを行う)』では、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含み、RAMクリアを行う
このように構成することにより、遊技店側は、遊技者に設定変更したことを判別させたいのであれば、『設定変更によるRAMクリア』を行った後に『設定変更を行わないRAMクリア』を行うことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含むRAMクリアをすればよく、他方、遊技者に設定変更したことを判別させたくないのであれば、『設定変更によるRAMクリア』を行うことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データ以外のRAMクリアを行えばよい。
【0509】
(第6実施形態の1)
第6実施形態の1に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
(1)『設定変更の際に、現在の設定値から1周させずに設定値を確定する』と、RAMクリアを行うが、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データはクリアすることなく、保持し続ける
(2)『設定変更の際に、現在の設定値から1周以上させて設定値を確定する』と、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含み、RAMクリアを行う
具体的には、例えば、6段階の設定で、現在の設定値が2で設定値を3に変更する場合、次の2通りの方法がある。
1.設定値2→設定値3と変更し、設定値を確定させた場合には、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データはクリアすることなく、保持し続ける
2.設定値2→設定値3→設定値4→設定値5→設定値6→設定値1→設定値2→設定値3と変更し、設定値を確定させた場合には、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含み、RAMクリアを行う
このように構成することにより、遊技店側は、遊技者に設定変更したことを判別させたいのであれば、『設定変更の際に、現在の設定値から1周以上させて設定値を確定する』ことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含むRAMクリアをすればよく、遊技者に設定変更したことを判別させたくないのであれば、『設定変更の際に、現在の設定値から1周させずに設定値を確定する』ことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データ以外のRAMクリアを行えばよい。
【0510】
(第6実施形態の2)
第6実施形態の2に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
・設定変更完了時における所定の入力部の入力状況や設定変更の完了操作に応じた図柄の表示処理を行う
具体的には、設定値を確定させる際に、『RAMクリアボタンを押下せず、設定キーをオフにする』と、RAMクリアを行うが、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データはクリアすることなく、保持し続ける。設定値を確定させる際に、『RAMクリアボタンを押下しながら設定キーをオフにする』と、主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含み、RAMクリアを行う。
このように構成することにより、遊技店側は、遊技者に設定変更したことを判別させたいのであれば、設定値を確定させる際に『RAMクリアボタンを押下しながら設定キーをオフにする』ことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データを含むRAMクリアをすればよく、遊技者に設定変更したことを判別させたくないのであれば、設定値を確定させる際に『RAMクリアボタンを押下せず、設定キーをオフにする』ことで、設定変更と主遊技図柄の図柄データ及び補助遊技図柄の図柄データ以外のRAMクリアを行えばよい。
【0511】
(第6実施形態の3)
第6実施形態の3に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
・主制御基板MのCPUMCで管理(制御)される操作手段(RAMクリアボタン、初期図柄を変更するための専用ボタン等)の入力回数に応じて、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄を決定する
具体的には、主制御基板MのCPUMCは、RAMクリアボタン(又は初期図柄を変更するための専用ボタン)を押下した回数に応じて初期図柄を決定するよう構成される。例えば、第1主遊技図柄表示部A21gで「a」「h」が点灯されていた場合には、RAMクリアボタンが1回押下されたことを示し、主遊技図柄表示部A21gで「a」「g」が点灯されていた場合には、RAMクリアボタンが2回押下されたことを示し、主遊技図柄表示部A21gで「a」「f」が点灯されていた場合には、RAMクリアボタンが3回押下されたことを示すように、RAMクリアボタンの押下した回数に応じて、「a」といずれの発光体が点灯するかの組み合わせが異なるよう構成される。つまり、第1主遊技図柄表示部A21gで「a」「g」が点灯されていた場合、RAMクリアボタンが2回押下されたことを示し、遊技者は前日から設定値が2段階上がった(設定値が2から4に変更された)かもしれないと推測することが可能となる。一方、遊技店側は、遊技店の開店前であれば、設定値の変更が何度も可能であるため、例えば、前日の設定値が2で、1回目の設定変更で設定値を1に変更(RAMクリアボタンを5回操作し、第1主遊技図柄表示部A21gで「a」「d」が点灯)し、その後、2回目の設定変更で設定値を2に変更する(RAMクリアボタンを1回操作)と、第1主遊技図柄表示部A21gで「a」「h」が点灯されることとなり、設定値は前日から変更されていないにも関わらず、設定値が1段階上がったかもしれないことを示す表示を行うことも可能である。
【0512】
本実施形態では、設定変更を行った際にはRAMクリアが行われるよう構成されており、RAMクリアにより第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄がクリアされてしまい、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が容易に判別できてしまう懸念がある。第7実施形態及び第7実施形態の1~5では、様々なタイミングにより第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄とは異なる表示態様に変更したり、変更された図柄の表示態様から所定のタイミングで復帰させたりすることで、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が判別することが困難であるが、遊技中には適切な図柄表示を行うことができる遊技機の構成について説明する。
【0513】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る遊技機では、変動停止時や電源投入時に図柄の表示が消去される構成を備えている。
(1)変動停止から一定時間経過後(例えば、60秒)に、主遊技図柄表示部(第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g)、補助遊技図柄表示部H21gに表示されている図柄を消灯させる(主遊技図柄の変動が停止した後は、主遊技図柄表示部を消灯し、補助遊技図柄の変動が停止した後は、補助遊技図柄表示部を消灯する)
(2)電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gでは、図柄を消灯させる
このように構成することにより、変動停止から一定時間経過している状況の遊技機が多い前日の閉店間際や電源投入後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで図柄が消灯している状況となるため、遊技者が、前日の閉店間際に遊技することなく、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで表示されている図柄を確認し、翌日に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで図柄が消灯していると設定変更(RAMクリア)が行われたと判別することが困難になる。尚、設定変更なしの電断復帰の際は、まず、記憶している電源断前の図柄を表示し、一定時間(例えば、100ms)経過後に消灯するよう構成してもよい。
【0514】
(第7実施形態の1)
第7実施形態の1に係る遊技機では、図柄が表示されていない状況において、図柄を表示させることとなるタイミングについての構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gでは、図柄が変動していない場合には、図柄を消灯させ、遊技が開始されると図柄を表示する
このように構成することにより、電源投入の際に、図柄が変動していない場合には、電源投入時には必ず第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで、図柄は消灯しているため、遊技者は設定変更が行われたのか否かの判断が困難となり、遊技が開始されると図柄が表示されるため、遊技者は遊技中であることを認識可能となっている。なお、電源投入の際に主遊技図柄又は補助遊技図柄が変動している場合には、そのまま変動させる。また、遊技が開始されるとは、例えば、始動口入賞(主遊技図柄始動口、補助遊技図柄始動口)、アウト口通過、発射ハンドルへの接触又は発射等である。尚、設定変更なしの電断復帰の際は、まず、記憶している電源断前の図柄を表示し、一定時間(例えば、100ms)経過後に消灯するよう構成してもよい。
【0515】
尚、第7実施形態の1に係る遊技機に以下の構成を付加することも可能である。
・図柄が変動していない場合であってもエラーを表示する表示灯(例えば、主制御エラー表示灯)を消灯させない
・図柄が変動していない場合であっても遊技状態を表示する表示灯(例えば、確変表示灯)を消灯させない
このように構成を付加することにより、遊技店側が確認できなければならない情報(エラー情報等)については表示された上で、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が判別することが困難なように、図柄については消灯させる構成とすることができる。
【0516】
(第7実施形態の2)
第7実施形態の2に係る遊技機では、電断復帰時に図柄を消灯させ、所定条件を充足すると図柄の表示を復帰させる構成を備えている。
(1)電断復帰時{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}には、電源断前の図柄情報を保持しているが、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gでは、図柄を消灯させる
(2)遊技開始後、所定条件(いずれかの始動口に入球)を充足すると、保持している図柄情報に基づいて図柄を表示させる
このように構成することにより、電源投入後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで図柄が消灯している状況となるため、遊技者が遊技台を選別する状況においては設定変更(RAMクリア)が行われたか否かの判断を困難にさせることができる一方で、遊技が始まった場合(例えば、始動口への入球等)には電源断前から保持していた図柄を表示させることで、前回の停止図柄を明確に表示させることができる。
【0517】
(第7実施形態の3)
第7実施形態の3に係る遊技機では、図柄固定時間の経過後に図柄の表示を消去させる構成を備えている。
(1)変動が停止した後、図柄固定時間(主遊技図柄の変動が停止した際、停止した状態を維持する時間であり、例えば、500ms)の経過後に、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されている図柄を消灯させる(主遊技図柄の変動が停止した後は、主遊技図柄表示部を消灯し、補助遊技図柄の変動が停止した後は、補助遊技図柄表示部を消灯する)
(2)電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gでは、図柄を消灯させる
このように構成することにより、変動が停止している場合及び電源投入後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで図柄が消灯している状況となるため、遊技者は設定変更(RAMクリア)が行われたか否かの判断が困難になる。尚、設定変更なしの電断復帰の際は、まず、記憶している電源断前の図柄を表示し、一定時間(例えば、100ms)経過後に消灯するよう構成してもよい。
【0518】
(第7実施形態の4)
第7実施形態の4に係る遊技機では、電断復帰時に図柄を消灯させるのではなく、設定変更(RAMクリア)されたことが判別できないように点灯させる構成を備えている。
・電断復帰時{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gのLEDを全点灯させる
このように構成することにより、電源投入後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gのLEDが全点灯している状況となるため、遊技者は設定変更(RAMクリア)が行われたか否かの判断が困難になる。さらに、電断復帰時(又はRAMクリア時)にのみ点灯するLEDを設けておき、電源投入(又はRAMクリア)後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gのLEDと電断復帰時にのみ点灯するLEDとを含め全点灯するよう構成することも可能である。尚、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gのLEDを全点灯させなくともよく、例えば、当り図柄や小当り図柄等とならないよう、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21gの8つのLEDのうち1つを消灯させる、8つのLEDのうち2つを消灯させる、構成としてもよい。
【0519】
(第7実施形態の5)
第7実施形態の5に係る遊技機では、電断復帰後に図柄の表示を消去するが、電断復帰後であることを示す構成を備えている。
・電断復帰時{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}には、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gでは、図柄を消灯させ、電断復帰後であることを示す電断復帰LEDを点灯させる
このように構成することにより、電源投入後は、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gで図柄が消灯している状況となるため、遊技者は設定変更(RAMクリア)が行われたか否かの判断が困難になる。また、主遊技図柄表示部と補助遊技図柄表示部のLEDが消灯(図柄が消灯)しているため、遊技店員や遊技者が遊技可能であるか否かを判断することが困難になってしまう虞があるが、電断復帰LEDを点灯させておくことで遊技が可能であると容易に判断することができる。
【0520】
本実施形態では、設定変更を行った際にはRAMクリアが行われるよう構成されており、RAMクリアにより第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄がクリアされてしまい、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が容易に判別できてしまう懸念がある。しかし、このような懸念点を利用することによって、遊技者が、設定変更が行われたか否かや設定値を推測しながら遊技することが可能な遊技機も求められている。そこで、第8実施形態及び第8実施形態の1では、副制御基板SのCPUSCが、設定変更や設定値を示唆することにより、遊技者に設定変更や設定値を推測させることができる遊技機の構成について説明する。
【0521】
(第8実施形態)
第8実施形態の1に係る遊技機では、遊技店側が設定値に関わらず設定変更時に表示する装飾図柄を設定することができる構成を備えている。
・設定変更(RAMクリア)時に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)又は/及び設定変更なしの電断復帰時に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)を遊技店側(遊技店員等)が設定することを可能とする
例えば、遊技店員等が電源投入した後、所定期間(例えば、20秒)以内に特定の操作態様(例えば、サブ入力ボタンSBを長押し)を実行することで、設定変更(RAMクリア)時に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)又は/及び設定変更なしの電断復帰時に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)を設定することが可能な画面に移行するよう構成する。つまり、副制御基板SのCPUSCが制御する演出表示装置SG(装飾図柄の表示)、演出用発光体(遊技機枠LED、盤面LED等)、操作手段(サブ入力ボタンSB等)等により、設定変更や設定値を示唆することが可能となるよう構成している。表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)としては、例えば、設定変更を行った可能性が高い場合や設定値が良い場合には、良い設定値である「4」「5」「6」(「4」「5」「6」が良い設定値の場合)を表示する可能性が高く、設定変更を行った可能性が低い場合や設定値が悪い場合には、悪い設定値である「1」「2」「3」(「1」「2」「3」が悪い設定値の場合)を表示する可能性が高い等が挙げられ、他にも、設定変更を行った可能性が高い場合や設定値が良い場合には、語呂合わせ{例えば、114(いいよ)}や1つズレ(例えば、112)や連続する数字(例えば、123)を表示する可能性が高くなるよう設定することも可能である。操作手段では、操作手段が振動したり、演出用LEDでは、特定色(例えば、赤色)の割合が多い、等のように構成することも可能である。
このように構成することにより、設定変更したことや設定値を示唆したい遊技店では独自のルールに基づく装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)等を表示させ、設定変更を行った可能性が高いことや設定値を示唆することが可能であり、遊技者に設定変更や設定値を推測させる興趣性の高い遊技機を提供することができる。
【0522】
(第8実施形態の1)
第8実施形態の1に係る遊技機では、副制御基板S側で設定変更を推測し、推測した結果に基づいた表示を行う構成を備えている。
(1)主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値に関するコマンドを送信する
(2)副制御基板SのCPUSCは、受信した設定値に関するコマンドに基づいて、設定値に関する情報を記憶する(RAMクリア時であってもクリアされない)
(3)副制御基板SのCPUSCは、電源投入時(設定変更時)に、記憶している設定値に関する情報と電源投入時(設定変更時)に受信したコマンドが示す設定値に関する情報とを比較し、設定値が異なっていると判断した場合には、設定変更が行われた可能性が高いことを報知又は示唆する
例えば、設定変更が行われたことが高いことを報知又は示唆する手法としては、演出用LEDの色、演出表示装置SGへの表示(装飾図柄、背景画像、演出頻度)、音の違い等が挙げられる。
このように構成することにより、単なる設定の報知ではなく、あくまで設定変更の示唆を実現でき、さらに、主制御基板M側では、設定変更や設定値を示唆するためのプログラム容量を必要とせず、副制御基板S側で、設定変更や設定値を示唆するよう構成することが可能であり、遊技者に設定変更や設定値を推測させる興趣性の高い遊技機を提供することが可能である。
尚、設定値が異なっている場合であっても、設定変更が行われた可能性が低いことを報知又は示唆しても良いし、設定値が同じ場合に、設定変更が行われた可能性が低いことを報知又は示唆しても良いし、設定値が同じ場合であっても、設定変更が行われた可能性が高いことを報知又は示唆しても良い。
【0523】
本実施形態では、設定変更を行った際にはRAMクリアが行われるよう構成されており、RAMクリアにより第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示されていた図柄がクリアされてしまい、設定変更が行われた可能性があることを遊技者が容易に判別できてしまう懸念がある。さらに、装飾図柄も設定変更時(RAMクリア時)と電断復帰時{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}で異なっていることが多い(例えば、RAMクリア時:331、電断復帰時:246、等)。また、副制御基板SのCPUSCでは、主制御基板Mから送信されたコマンドに基づいて記憶する主遊技図柄の停止図柄情報や限定頻度テーブル情報、副制御基板S側でのみ記憶するステージ情報や内部カウンタ値、予告情報等のバックアップを行っている(電断時にデータが消去されない構成)場合に、RAMクリアが行われてしまうと、設定変更を行ったことを遊技者が判別できてしまう。そこで、第9実施形態及び第9実施形態の1、2では、副制御基板SのCPUSCが制御する情報(ステージ表示、内部カウンタ値、予告表示等)により、設定変更されたことを遊技者が判別することが困難な遊技機の構成について説明する。
【0524】
(第9実施形態)
第9実施形態に係る遊技機では、副制御基板S側の制御のみで副制御基板S側で記憶するデータをクリアすることが可能となる構成を備えている。
(1)副制御基板SのCPUSCは、特定の操作態様(例えば、サブ入力ボタンSBを押下したまま電源投入)により副制御基板S側で記憶するバックアップデータ(例えば、主制御基板M側から送信されたコマンドに基づいて副制御基板S側で記憶する主遊技図柄情報(停止図柄情報)や限定頻度テーブル情報、副制御基板S側でのみ記憶するステージ情報、内部カウンタ値、予告情報等)のうち、少なくとも一部のクリアを行う
このように構成することにより、副制御基板S側のRAMは、RAMクリアボタンの操作による主制御基板M側のRAMクリアや設定変更による主制御基板M側のRAMクリアの有無に関わらず、副制御基板SのCPUSCの制御のみで副制御基板S側で記憶するバックアップデータをクリアすることが可能である。尚、副制御基板SのCPUSCの内部カウンタにより変動停止期間を計測して遊技待機デモ画面(変動停止期間が一定期間に達すると開始されるムービー)を表示する構成の場合、上記の副制御基板S側のRAMクリアにより、複数の遊技機間で遊技待機デモ画面の表示状況にズレが生じる虞があり、このズレにより設定変更が行われたことを遊技者が判別することが可能となってしまう。そこで、遊技待機デモ画面の開始及び進行管理は、副制御基板S側に設けられたRTC(リアルタイムクロック)により制御するよう構成することが好ましい。
【0525】
また、以下のように構成することも可能である。
・副制御基板SのCPUSCは、特定の条件(例えば、RTCの日付が変更された後の電源投入である)を充足した場合に、副制御基板SのCPUSCが記憶するバックアップデータ(例えば、主制御基板M側から送信されたコマンドに基づいて副制御基板S側で記憶する主遊技図柄情報(停止図柄情報)や限定頻度テーブル情報、副制御基板S側でのみ記憶するステージ情報、内部カウンタ値、予告情報等)のうち、少なくとも一部のクリアを行う
このように構成することにより、副制御基板SのCPUSCは、営業中の電断復帰では、記憶しているバックアップデータをクリアせず、翌日である日付変更後の電断復帰では、記憶しているバックアップデータをクリアすることも可能である。
・遊技店員等は、所定の操作態様(例えば、電源投入した後、10秒以内にサブ入力ボタンSBを操作する)により、電源投入の度に副制御基板S側で記憶しているバックアップデータ(例えば、ステージ情報や内部カウンタ、予告情報等)のクリアを行うか否かを設定する
具体的には、遊技店員等が、電源投入した後、10秒以内にサブ入力ボタンSBを押下すると、管理者メニュー画面が表示され、ここで、「電源投入の度に副制御基板S側で記憶しているバックアップデータをクリアするか否か」を設定することが可能である。尚、「電源投入の度に副制御基板S側で記憶しているバックアップデータをクリアしない」設定とした場合には、上述した、「(1)副制御基板SのCPUSCは、特定の操作態様(例えば、サブ入力ボタンSBを押下したまま電源投入)により副制御基板S側で記憶するバックアップデータ(例えば、ステージ情報や内部カウンタ値、予告情報等)のクリアを行う」ようにしてもよい。このように構成することにより、副制御基板SのCPUSCで管理(制御)される情報をクリアするか否かを遊技店側の意思により管理することが可能となる。
【0526】
(第9実施形態の1)
第9実施形態の1に係る遊技機では、副制御基板SのCPUSCで制御される表示にて設定変更されたか否かを判別することが困難な構成として、次のいずれかの構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際に、副制御基板SのCPUSCで制御する表示を固定で表示する
・電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際に、副制御基板SのCPUSCで制御する表示をランダムに表示する
副制御基板SのCPUSCで制御される表示として、演出ステージ、装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)、信号機SG15、第4図柄SG16等が挙げられる。また、電源投入の際は、装飾図柄、信号機SG15、第4図柄SG16等の表示を消去するよう構成してもよい。このように構成することにより、主制御基板MのCPUMCで制御される主遊技図柄表示装置によって遊技者が設定変更されたか否かを判別することが困難になるように構成(電源投入の際に、主遊技図柄表示装置に表示される図柄を固定にする又はランダムにする)した上で、副制御基板SのCPUSCで制御される演出表示装置SGによっても遊技者が設定変更されたか否かを判別することが困難となるよう構成することが可能である。
【0527】
尚、遊技店側が設定変更したことを示唆したい場合も考えられるため、「電源投入の際、副制御基板SのCPUSCで制御される表示の一部については表示を固定にするのではなく、設定変更(RAMクリア)と設定変更なしの電断復帰とで異ならせ、その他の副制御基板SのCPUSCで制御される表示については固定で表示する」よう構成することで、設定変更を行ったことを意図的に示唆することも可能である。例えば、設定変更(RAMクリア)と設定変更なしの電断復帰とで、第4図柄のみを異ならせる等の構成としてもよい。また、副制御基板SのCPUSCで制御する設定変更を示唆するための表示部等を設け、電源投入の際にランダムで「設定変更?」等のように設定変更を示唆する表示をするよう構成する、又は、設定キーが操作されたことを契機として、「設定変更?」等の表示を行うか否かを抽選するよう構成してもよい。
【0528】
「電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際に、副制御基板SのCPUSCで制御する表示をランダムに表示する」場合、予め定められた電源投入時専用の装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)のうちから抽せんにより表示する装飾図柄を決定する構成としてもよい。尚、装飾図柄に限られず、電源投入時専用の演出ステージ、電源投入時専用の信号機SG15の表示、電源投入時専用の第4図柄SG16の表示等についても同様に構成することが可能である。
【0529】
(第9実施形態の2)
第9実施形態の2に係る遊技機では、主制御基板MのCPUMCで制御される図柄の表示にあわせて、副制御基板SのCPUSCで制御される表示を行う構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際は、副制御基板SのCPUSCで制御する表示を、主制御基板MのCPUMCから送信されたコマンドに基づいて行う
具体的には、電源投入時に主制御基板MのCPUMCでは主遊技図柄表示部に表示する図柄をランダムに抽選で決定するよう構成した場合、主制御基板Mは、決定した主遊技図柄表示部に表示する図柄に関するコマンドを副制御基板SのCPUSCに送信し、副制御基板SのCPUSCでは、受信したコマンドに基づいて演出ステージ、装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)、信号機SG15、第4図柄SG16等の表示内容を決定する。
例えば、電源投入時に主制御基板MのCPUMCでは主遊技図柄表示部に表示する図柄をランダムに抽選で決定するよう構成した場合に、電源投入時に主制御基板MのCPUMCで、第1主遊技図柄表示部A21gに表示する図柄としてハズレ図柄(「g」「h」の点灯)を決定し、第2主遊技図柄表示部B21gに表示する図柄としてハズレ図柄(「q」「r」の点灯)を決定し、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄としてハズレ図柄(「1」「2」が消灯)を決定した場合には、主制御基板MのCPUMCは副制御基板SのCPUSCへ、第1主遊技図柄表示部A21gに表示する図柄がハズレ図柄(「g」「h」の点灯)であることを示すコマンド、第2主遊技図柄表示部B21gに表示する図柄がハズレ図柄(「q」「r」の点灯)であることを示すコマンド、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄がハズレ図柄(「1」「2」の消灯)であることを示すコマンド、をそれぞれ送信する。副制御基板SのCPUSCでは、電源投入時の遊技状態が通常状態であれば、受信した第1主遊技図柄表示部A21gに表示する図柄がハズレ図柄(「g」「h」の点灯)であることを示すコマンドに基づいて、演出表示装置SGに表示する内容として、通常状態の演出ステージ、第1主遊技図柄がハズレ図柄であることを示す装飾図柄(例えば、253等のバラケ目)、第1主遊技図柄の変動が停止していることを示す信号機SG15の「〇」、第1主遊技図柄がハズレで停止していることを示す第4図柄SG16の「☆(色なし)」を表示する。
このように構成することにより、主制御基板MのCPUMCが表示する内容と副制御基板SのCPUSCが表示する内容とに齟齬が生じることがないため、遊技者は設定変更されたことを判別することが困難となる。
【0530】
本実施形態にて説明した「小当りによって出玉を増やす性能」の遊技機では、第1主遊技図柄と第2主遊技図柄が同時に変動することが可能なように構成されている(並列抽せん機)。通常時(低ベース時)には第1主遊技図柄による遊技を行うため、第2主遊技図柄における変動時間は第1主遊技図柄の変動時間と比較すると相対的に長く(例えば、10分等)なるよう設計されており、反対に、時短中(高ベース時)には第2主遊技図柄による遊技を行うため、第1主遊技図柄における変動時間は第2主遊技図柄の変動時間と比較すると相対的に長く(例えば、10分等)なるよう設計されている。このような構成では、長い変動の途中に電断復帰となる可能性があり、設定変更を行ったことを遊技者が判別できてしまう。そこで、第10実施形態及び第10実施形態の1では、「小当りによって出玉を増やす性能」の遊技機において、設定変更されたことを遊技者が判別することが困難な構成について説明する。
【0531】
(第10実施形態)
通常時において、第1主遊技図柄が停止状態かつ第2主遊技図柄が変動中において電断→電断復帰{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}となった際、演出表示装置SG等では、第2主遊技図柄の変動を示す装飾図柄の表示が極めて小さく表示される等のように視認困難に構成されているため、遊技店員等は、第2主遊技図柄が変動していることを見落としてしまう虞がある。そこで、遊技店員が変動中であることを見落とすことがない遊技機が求められる。
【0532】
そこで、本実施例では、
図102を参照しながら、通常時において、第1主遊技図柄が停止状態かつ第2主遊技図柄が変動中において電断復帰した際において、電断復帰(設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰)後に、変動中であることを見落とすことがない遊技機の構成について説明する。
【0533】
電断復帰した後、第1主遊技図柄表示装置では、第1主遊技図柄は変動しておらず「g」「h」が点灯した状態で停止したままである。第2主遊技図柄表示装置では、第2主遊技図柄は変動中であり、ここでは「q」「r」が点滅表示されている。次に、演出表示装置では、第2主遊技図柄による変動であることを示す「△」が第2主遊技図柄と同様に点滅表示されている。遊技機枠LEDは、第1主遊技図柄と第2主遊技図柄が共に変動していない場合又は第1主遊技図柄が変動している場合とは異なる発光態様により、発光し続けている。尚、遊技機枠LEDではなく、盤面LEDや音声により認識可能となるよう構成してもよい。
【0534】
このように、遊技機枠LED等により特殊な態様となっていれば、遊技店員等は設定変更していない状態且つ変動時間が長い状態であることを認識でき、設定変更(RAMクリア)を行うことで変動を停止状態にさせたり、変動が停止するのを待って開店を迎えることができるように注意を払うことができる。
【0535】
尚、通常時において、第1主遊技図柄が変動中かつ第2主遊技図柄が停止中において電断復帰した際には、遊技機枠LED等により特殊な態様で報知せず、演出表示装置SG等により第1主遊技図柄が変動中であることが示される(例えば、装飾図柄が変動する、メッセージを表示する)ことが好適である。
【0536】
(第10実施形態の1)
第10実施形態の1に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)}の際に、初期図柄{主遊技図柄表示部(第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g)、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄}を決定するために擬似的に当否抽選、停止図柄の抽選、変動態様の抽選を行い、抽選結果に基づいて初期図柄を表示する
具体的には、電源投入{設定変更(RAMクリア)}の後、第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄を決定するために、電源投入{設定変更(RAMクリア)}後の遊技状態に基づいて、擬似的に当否抽選、停止図柄の抽選、変動態様(変動時間)の抽選を行う。つまり、第1主遊技図柄表示部A21gに表示する図柄を決定するために、擬似的に当否抽選、停止図柄の抽選、変動態様(変動時間)の抽選を行い、第2主遊技図柄表示部B21gに表示する図柄を決定するために、擬似的に当否抽選、停止図柄の抽選、変動態様(変動時間)の抽選を行い、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄を決定するために、擬似的に当否抽選、停止図柄の抽選、変動態様(変動時間)の抽選を行う。尚、表示する図柄を決定するための擬似的な抽選であるため、決定された変動態様により図柄を変動表示させることはなく、また、変動態様の抽選を省略してもよい。
このように構成することにより、設定変更(RAMクリア)後に第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する図柄を遊技機の遊技性(各図柄表示部における図柄の表示割合)に沿ったものとすることができる。
【0537】
(第11実施形態)
第11実施形態に係る遊技機では、以下の構成を備えている。
・主遊技図柄又は補助遊技図柄の状態に応じてRAMクリアを行う範囲を異ならせる
具体的には、主遊技図柄が確率変動状態でRAMクリアを行う場合、設定値データと主遊技図柄の状態データ(確率変動、非確率変動等)の双方がクリアされ、主遊技図柄が非確率変動状態でRAMクリアを行う場合、設定値データがクリアされ、主遊技図柄の状態データはクリアされない。また、補助遊技図柄についても主遊技図柄と同様に構成してもよく、さらに、主遊技図柄の状態と補助遊技図柄の状態との組み合わせにより、RAMクリアを行う範囲を異ならせるよう構成してもよい。
このように構成することにより、RAMクリア時の処理負担を軽減させることが可能である。
【0538】
(第12実施形態)
第12実施形態に係る遊技機では、リミッタ機と呼ばれる遊技機に関して、設定変更が行われたか否かを遊技者が判別可能である点に言及する。また、RAMクリアを判別可能か否かによって遊技店の開店直後の恩恵が変わるため、遊技者に大きな利益差が生じる可能性がある。
【0539】
まず、リミッタ機とは、大当りが予め定められた回数に達するまで確率変動が継続される遊技機である。例えば、リミッタ3回の遊技機であれば、初当り(大当り1回目)→確率変動突入→大当り(大当り2回目)→確率変動突入→大当り(大当り3回目)→非確率変動突入→・・・・→初当り(大当り1回目)→確率変動突入→大当り(大当り2回目)→確率変動突入→大当り(大当り3回目)→非確率変動突入→・・・、のように遊技状態が遷移する。尚、リミッタを大当りではなく、確率変動突入回数等で定めることも可能である。
【0540】
このようなリミッタ機においては、大当りとなった後に非確率変動となった際、遊技日の大当り回数を参照すると、設定変更(RAMクリア)が行われた否かの判別が可能である。具体的には、設定変更(RAMクリア)が行われていると、遊技日における初当り(大当り1回目)→確率変動突入→大当り(大当り2回目)→確率変動突入→大当り(大当り3回目)→非確率変動突入となるが、遊技日における初当り(1回目の大当り)→非確率変動突入、であれば、設定変更(RAMクリア)は行われておらず、前日に、初当り(大当り1回目)→確率変動→大当り(2回目大当り)→確率変動、の状態で遊技が終了していたこととなる。つまり、設定変更(RAMクリア)が行われていれば非確率変動状態から遊技を開始することになるし、設定変更(RAMクリア)が行われていなければ確率変動状態から遊技を開始することができる可能性がある。尚、リミッタ到達時や非確変図柄当りで、リミッタに到達して非確率変動状態となることを示す演出を行う遊技機では、遊技状態を判断するよりも明確にいつリミッタに到達したかを把握可能である。
【0541】
このように、リミッタ機においては、大当りに当選することで遊技者が設定変更が行われたか否かを判別することが可能であるし、遊技店の開店直後の恩恵が変わることによって遊技者に大きな利益差が生じる可能性があるため、設定変更(RAMクリア)を行ったことを判別させたくない遊技店であれば、上述した設定変更(RAMクリア)の判別が困難となる構成を用いた遊技機で、電源投入時に設定変更(RAMクリア)を行う方が好ましいため、リミッタ機において、RAMクリアが行われたか否かの判別を困難にする手法を適用することは好適である。
【0542】
(第13実施形態)
本実施形態では、主制御基板MのCPUMCは、副制御基板SのCPUSCに対して設定値を送信しない構成としたが、主制御基板MのCPUMCは、副制御基板SのCPUSCに対して設定値を送信する構成とすることも可能である。この場合に、設定値を送信するタイミングとしては、以下の3のタイミングのいずれか1つ又は複数のタイミングで送信することが好適である。
(1)電断復帰{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰}後、遊技可能となるタイミングで、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値コマンドを送信する
(2)変動開始タイミング又は変動停止タイミングにて、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値コマンドを送信する
(3)始動口入球タイミングにて、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値コマンドを送信する
【0543】
特に、変動開始タイミング又は変動停止タイミングにて、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値コマンドを送信することで、副制御基板SのCPUSCは、毎変動正しい設定値に基づいて演出抽選を行うことが可能となり、始動口入球タイミングにて、主制御基板MのCPUMCから副制御基板SのCPUSCへ設定値コマンドを送信することで、副制御基板SのCPUSCは、始動口入球タイミングで正しい設定値に基づいて先読み演出の演出抽選を行うことが可能となる。
【0544】
(第14実施形態)
上記の実施形態では、遊技店が設定変更を行ったか否かを遊技者が判別困難となる遊技機の構成を主に説明したが、第14実施形態(1~3)として、遊技者に設定値を推測させる遊技機の構成について説明する。
【0545】
(第14実施形態の1)
第14実施形態の1に係る遊技機では、主制御基板MのCPUMCが設定値を示唆可能な構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)}の際は、主制御基板MのCPUMCは、設定値に基づいて第1主遊技図柄表示部A21g、第2主遊技図柄表示部B21g、補助遊技図柄表示部H21gに表示する初期図柄の抽選を行う
例えば、設定値が良い場合に表示され易い初期図柄、設定値が悪い場合に表示され易い初期図柄を備え、設定値に基づく確率で初期図柄の抽選を行うよう構成する。尚、電断復帰{設定変更(RAMクリア)なしの電断復帰)}の際は、設定値に関わらずランダムに初期図柄の抽選を行う。
【0546】
(第14実施形態の2)
第14実施形態の2に係る遊技機では、装飾図柄により設定を示唆可能な構成を備えている。
・電源投入{設定変更(RAMクリア)/設定変更なしの電断復帰}の際に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)又は/及び設定変更なしの電断復帰時に表示する装飾図柄(装飾図柄組み合わせ)を設定値に基づく抽選により決定する
例えば、設定値が良い場合には、良い設定値である「4」「5」「6」(「4」「5」「6」が良い設定値の場合)を表示する可能性が高く、設定値が悪い場合には、悪い設定値である「1」「2」「3」(「1」「2」「3」が悪い設定値の場合)を表示する可能性が高い等が挙げられ、他にも、設定変更を行った可能性が高い場合や設定値が良い場合には、語呂合わせ{例えば、114(いいよ)}や1つズレ(例えば、112)や連続する数字(例えば、123)を表示する可能性が高くなるよう構成することが可能である。
【0547】
また、RTCを用いて特定時間における図柄変動のハズレ図柄の組合せ(装飾図柄)により示唆することも可能であるため、以下の構成としてもよい。
・特定期間における装飾図柄のハズレ図柄組合せを、設定値に基づく抽選により決定する
例えば、18:00~18:05の間の図柄変動でリーチなし外れとなった場合には設定を示唆する装飾図柄の組合せが表示される。
【0548】
このように構成することにより、装飾図柄(装飾図柄の組み合わせ)により設定値を示唆することが可能であり、遊技者に設定値を推測させる興趣性の高い遊技機を提供することができる。
【0549】
(第14実施形態の3)
第14実施形態の3に係る遊技機では、主制御基板MのCPUMCからのコマンドに基づいて副制御基板SのCPUSCは、設定値示唆を行うタイミングを決定する構成を備えている。
(1)主制御基板MのCPUMCは、設定値を示唆する設定示唆表示を行うための設定示唆コマンドを副制御基板SのCPUSCへ送信する
(2)副制御基板SのCPUSCは、主制御基板MのCPUMCから設定示唆コマンドを受信すると、設定値に基づいて設定示唆表示を行う
例えば、主遊技図柄(特別図柄)の図柄固定時間中にハンドルのタッチセンサによる検出がオフからオンになると、主制御基板MのCPUMCは設定示唆コマンドを副制御基板SのCPUSCへ送信する。副制御基板SのCPUSCは、設定示唆コマンドを受信すると、演出表示装置SG、スピーカD24、演出用の発光体(枠発光体等)等により現在の設定値を示唆する。その他に主制御基板MのCPUMCが設定示唆コマンドを送信するタイミングとしては、特定の状況下(保留4個時、保留変化時、大当り中等)で遊技球が入賞口に入賞した場合、所定条件(10連チャン達成等)を満たした場合、等でもよい。尚、設定示唆コマンドを送信する条件(タイミング)は、1つでもよいし、2つ以上の条件のうちいずれかを満たした場合でもよいし、2つ以上の条件を満たした場合でもよい。
【0550】
<<本例における課題・効果のまとめ>>
ここで、上述した各実施形態における課題及び効果を以下に詳述する。
【0551】
<本実施形態における課題>
小当りを有する遊技機において、より興趣性の高い遊技性の創出が求められていた。
【0552】
<本実施形態の効果>
パターンAとして、小当りに係る保留が生起してから小当りに係る図柄変動が開始されるまでに新たな保留が生起しない(保留数が2個以上である状態にて図柄変動が開始され難い=小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が長くなり易い)場合と、パターンBとして、小当りに係る保留が生起してから小当りに係る図柄変動が開始されるまでに新たな保留が生起する(保留数が2個以上である状態が常に維持されたまま図柄変動が開始され易い=小当りに係る保留が生起してから上遮蔽部材C24の開放が開始されるまでの時間が短くなり易い)場合と、において、上遮蔽部材C24の開放タイミングが変化し得る。更には、このような上遮蔽部材C24の開放タイミングの変化により、上遮蔽部材C24の開放タイミングと下遮蔽部材C25の開放タイミングとがうまく合致するか否かが変化し得る構成となっているため、小当りに当選した場合に、V入賞口C22に入球するか否かに注目するような興趣性の高い遊技機とすることができる。
<第2実施形態における課題>
大当り図柄によって確率変動遊技状態に移行するか否か、という点で遊技者の期待感を煽ることができる遊技機が求められていた。
【0553】
<第2実施形態の効果>
特別遊技中の特定領域への遊技球の入球有無によって、当該特別遊技実行後に確率変動遊技状態へと移行するか否かを決定する(特定領域に入球ありで確率変動遊技状態に移行し、入球なしで確率変動遊技状態に移行しない)遊技機(いわゆる、玉確タイプの遊技機)において、確率変動遊技状態とならなかった場合の非確率変動遊技状態且つ時間短縮遊技状態中の変動態様(及び演出)を確率変動遊技状態中の変動態様(及び演出)と異ならせることで、遊技者の利益態様に応じた、適切な演出を実行することができるのである。尚、本例では特に図示していないが、振分遊技を実行する際には、専用の演出(第2大入賞口C20が長開放となるか否かを煽る演出、特定領域C22への入球がなされるか否かを煽る演出、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出、等)が実行されるよう構成してもよい{実行態様には特に限定されないが、例えば、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出である場合には、当該入球がなされたタイミング(直後であることが望ましい)にて、演出表示装置SGや演出表示装置SGの前面に設けられた演出装置(例えば、いわゆる演出用の可動体役物や導光板等)にて、当該報知を実行するよう構成することを例示することができる(例えば、演出表示装置SG上に「V」と描かれた画像を表示する、或いは、演出用の可動体役物を初期位置から演出可能な位置へ変位させる、或いは、導光板に光を照射することで導光板上に像を浮かび上がらせる、等)}。尚、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出を実行するに際しては、特定の遊技状態(例えば、確率変動遊技状態)で特別遊技に当選したときや特定の特別図柄(大当り図柄)が当選したとき等の、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行される特別遊技においては、「V」と描かれた画像を控えめに表示(例えば、小さく表示)するなど、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行されない特別遊技が行われる可能性がある状況において(特別遊技における特定領域C22への入球容易性が不明である状況において)、その後、特定領域C22への入球が略確定的となるよう設計された開放パターンが実行された場合には、特定領域C22への入球がなされた旨を報知する演出と異なる演出を実行することも好適であり、これにより、必要に応じた優先度で演出を実行することができる。
【符号の説明】
【0554】
M 主制御基板
A 第1主遊技周辺機器、A10 第1主遊技始動口
A11s 第1主遊技始動口入球検出装置、A20 第1主遊技図柄表示装置
A21g 第1主遊技図柄表示部、A21h 第1主遊技図柄保留表示部
B 第2主遊技周辺機器、B10 第2主遊技始動口
B11s 第2主遊技始動口入球検出装置、B11d 第2主遊技始動口電動役物
B20 第2主遊技図柄表示装置、B21g 第2主遊技図柄表示部
B21h 第2主遊技図柄保留表示部
C 第1・第2主遊技共用周辺機器、C10 第1大入賞口
C11s 第1大入賞口入賞検出装置、C11d 第1大入賞口電動役物
C20 第2大入賞口、C21s 第2大入賞口入賞検出装置
C21d 第2大入賞口電動役物、D30 遊技領域
D44 発射ハンドル
D32 外レール、D34 内レール
H 補助遊技周辺機器、H10 補助遊技始動口
H11s 補助遊技始動口入球検出装置、H20 補助遊技図柄表示装置
H21g 補助遊技図柄表示部、H21h 補助遊技図柄保留表示部
S 副制御基板、SM 演出表示制御手段(サブメイン制御基板)
SG 演出表示装置
SG10 表示領域、SG11 装飾図柄表示領域
SG12 第1保留表示部、SG13 第2保留表示部
KH 賞球払出制御基板
KE 賞球払出装置、KE10 払出ユニット
D16 透明板、KR 賞球レール
KT 賞球タンク、KH 賞球払出制御基板
Ea 電源スイッチ、D42 発射装置
E 電源供給ユニット、D40 発射制御基板
C22 特定領域(V入賞口)、
C23 第2大入賞口排出口、C23s 第2大入賞口排出検出装置
C24 上遮蔽部材、C25 下遮蔽部材
C22s V入賞口入球検出装置
SB サブ入力ボタン、 サブ入力ボタン入力検出装置
KH 賞球払出制御基板、KE 賞球払出装置
3100 送受信制御手段
3110 受信制御手段、3111メイン側受信情報一時記憶手段
3300 払出制御手段、 3310払出処理関連情報一時記憶手段
42 発射装置
EU ECOユニット
50 操作部装置