(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】注文準備用システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/06 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
B65G1/06 M
(21)【出願番号】P 2019555919
(86)(22)【出願日】2018-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2018059024
(87)【国際公開番号】W WO2018189110
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-16
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518127451
【氏名又は名称】エグゾテック
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ムーラン,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】エツ,ルノー
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-042810(JP,U)
【文献】国際公開第2016/196815(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文準備用システムにおいて、
- 通路を画定する明確に区別された2つの収納棚に各々一体化された2本の縦材と、
- 前記収納棚のうちの少なくとも1つの中で一注文の目的物を取り出すことを目的とする、少なくとも2つの転動ホイールを有する自動誘導式台車、および前記台車が前記縦材に沿って上昇できるように前記縦材と協働することのできる動力式クライミング手段を含むシステムであって、
前記クライミング手段は、4つの縦材のうちの1つと各々協働することを目的とするほぼ平行な軸の4つの歯付きホイールを含み、歯付きホイールの軸は、転動ホイールの軸とほぼ直交しており、
歯付きホイールの各々は2つの位置、すなわち、
前記歯付きホイールの少なくとも一部が、前記シャーシの列の外で横方向に突出している展開位置と、
-前記支持体上に取付けられた歯付きホイールが前記シャーシと対面している引込位置と、
の間で、前記台車のシャーシとの関係において可動である支持体の上に取付けられている、注文準備用システムであって、
ローラーチェーンが、ほぼぴんと張られて前記縦材のそれぞれの上に固定され、前記チェーンは、チェーンが固定される縦材の長手方向軸にほぼ平行に延在しまたチェーンが固定された縦材と協働する歯付きホイールの少なくとも1つの歯を受けることを目的とし、前記チェーンの隣接した2つのローラーが、前記歯付きホイールのピッチの値とほぼ等しい距離だけ間隔をおいており、また可動である支持体がそれぞれ、前記可動である支持体に取付けられる歯付きホイールの軸とこの歯付きホイールの歯を受けるチェーンとの間に既定の隔たりを保持することができるように
、縦材の上で転がるのに適した、可動である支持体に取り付けられる歯付きホイールの軸に平行な軸の、少なくとも1つの支えホイールを含む、前記4つの縦材のうちの1つとの連動手段を有することを特徴とする、注文準備用システム。
【請求項2】
前記チェーンのそれぞれが、前記縦材のうちの1つの、2つのほぼ端部に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の注文準備用システム。
【請求項3】
前記チェーンをぴんと張ることを可能にすることを目的とした、前記縦材の長手方向軸に沿って前記縦材のうちの1つのほぼ端部にある、前記チェーンのうちの少なくとも1つの固定手段のうちの少なくとも1つの位置調整手段を含むことを特徴とする、請求項2に記載の注文準備用システム。
【請求項4】
前記調整手段が、ばねを含むことを特徴とする、請求項3に記載の注文準備用システム。
【請求項5】
可動である各支持体の、前記4つの縦材のうちの1つとの前記連動手段が
、可動である支持体に取り付けられる歯付きホイールの軸に平行な軸の
、補助ホイール
をさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【請求項6】
前記可動である支持体が、前記台車のシャーシの4つのほぼ端部に取り付けられることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【請求項7】
前記縦材が、前記チェーンを受けるのに適した長手方向の溝を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【請求項8】
前記縦材が、前記縦材の長手方向軸にほぼ垂直に延在する少なくとも1つの翼部を含み、前記支えホイールが前記翼部の一面に押し付けられるようになり、また前記補助ホイールが前記翼部の反対側の面に押し付けられるようになることを特徴とする、請求項
5に記載の注文準備用システム。
【請求項9】
前記縦材が、オメガ形のレールであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【請求項10】
前記台車が、目的物の収納用トレーの把持手段を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1つに記載の注文準備用ステム。
【請求項11】
前記クライミング手段の制動手段を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【請求項12】
それぞれが歯付きホイールの組のうちの1つを駆動することを目的とした、独立した2つのモータを含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか1つに記載の注文準備用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、倉庫内物流の分野、詳細には、部品または製品の荷役または輸送の分野である。
【0002】
より厳密には、本発明は注文準備用システムに関する。
【0003】
本発明は、例えば物流ラインの注文準備用倉庫内など、保管用倉庫の流れの管理の自動化において応用される。
【背景技術】
【0004】
包括的物流ラインの中で、倉庫内での製品の流れの管理および取扱は、極めて重要な役割を果たす。
【0005】
従来、準備作業者は、一注文中の各製品を、収納棚の棚板上の製品の場所から収集するために倉庫内を移動する。
【0006】
このような組織では、一労働日の間に準備作業者が長い行程を走り回ることを意味し、行程が最適化されない場合には、疲労と時間の浪費が引き起こされる。
【0007】
もう1つの欠点は、時間を無駄にしないために準備作業者が倉庫の配設を完璧に知っていなければならない、という点にある。
【0008】
移動に起因する疲労を制限し、ピッキング(または英語で「picking」)の管理を改善し、注文準備時間およびそのコストを削減するために、製品が注文準備ステーションまで機械によって搬送される倉庫の組織が考案された。
【0009】
こうして、倉庫の内部で収納棚から準備ステーションに至るまで製品を輸送するためのコンベヤの使用が提案された。
【0010】
この公知の技術の欠点は、それが重く高価な基礎部分を必要とするという点にある。
【0011】
この技術の別の欠点は、それを進展させるのが厄介で高コストであるという点にある。
【0012】
さらなる1つの欠点は、コンベヤは嵩が高く、そのため保管有効表面積の損失が大きくなるという点にある。
【0013】
トレーを取り出すかまたは置く目的で収納棚の各レベルに到達できるようにする昇降機を支持する支柱を収納棚に沿って水平方向に移動させることからなる技術も、同様に公知である。
【0014】
この技術の欠点は、倉庫内で1つの収納棚につき1つの支柱を設置することが検討されなければならないという点にある。
【0015】
この公知の技術の別の欠点は、支柱によって取り出されたトレーを注文準備区域に向かって輸送するために各収納棚列の端部に1つ以上のコンベヤを想定する必要があるという点にある。
【0016】
同様の原理に基づいて、レールで形成され、かつ各々1つの収納棚の1つの棚板の高さで複数のレベルに配設された通行路上を移動する、自動誘導型シャトルを使用することからなる技術も知られている。レベルを変更するために、シャトルは、収納棚の端部に配置された専用昇降機を利用する。シャトルは、棚板上のトレーを取り出すと、下降して収納棚の根元に位置するコンベヤ上にトレーを置く。
【0017】
この公知の技術の欠点は、シャトルが1つの収納棚から別の収納棚へと移動できず、そのため多数のシャトルを想定する必要があるという点にある。
【0018】
この技術の別の欠点は、通行路とコンベヤを想定しなければならず、そのコストは高いものであるという点にある。
【0019】
さらにこの技術の欠点は、昇降機が解放されるのを待って初めてシャトルはコンベヤにアクセスでき、このため注文の準備が遅くなるという点にある。
【0020】
一変形形態においては、通行路の数を削減するために、シャトルが通行路レベルより上のいくつかの棚に到達できるようにするため通行路上で昇降機を移動させることが考案された。
【0021】
この変形形態の欠点は、その実施がさらに一層高コストで複雑であるということにある。
【0022】
倉庫内に配置された収納棚を、自動装置を用いて注文準備区域まで輸送することも同様に提案された。このためには、自動装置が収納棚の下に入りこの収納棚を持ち上げて輸送できるようにする。
【0023】
この公知の技術の欠点は、この技術が一方では準備作業者が人の背丈の高さで製品を取り出すことができるようにするために、また他方では運搬の際の収納棚の転倒を回避するために、保管容積の高さを制限することを含むことにある。
【0024】
その上、倉庫内に保管される商品の容積を増大させるために、上に積重ねられ保管用区域上にまとめられたトレー内に直接商品を保管することが考えられた。
【0025】
注文の目的物または商品を格納するトレーを抜き出すために、保管用容積の頂部を通行する自動装置が使用される。自動装置が上位のレベルに保管されていないトレーを取り出さなければならない場合、自動装置は、このトレーの上方に位置するトレーを次々と連続的に取り除く。この作業に際して、自動装置は、保管用容積の表面上の空の収納部内に取り除いた各トレーを順次に置き直す。
【0026】
この技術の欠点は、1つのトレーだけを抜き出すために自動装置が大量のトレーを毎回取り扱い、このため注文の準備が遅くなるという点にある。
【0027】
例えば米国特許第7101139号明細書または米国特許出願公開第2012/0039693号明細書から、自らのシャーシの各々の側で2つの引込式歯付きホイールを備えた自動装置もまた知られている。これらの歯付きホイールは、収納棚に固定された垂直のラックに噛み合うことを目的としており、自動装置は2つの収納棚の間で上昇し、商品倉庫においては取り出すべき目的物を含むトレーのレベルに、または収納棚式の車庫においては降ろすべき自動車のレベルにまで到達することが可能となる。
【0028】
4つの引込式歯付きホイールを備えた自動装置というこの公知の技術の欠点は、各収納棚にラックを備える必要があるので高コストである、という点にある。
【0029】
この技術の別の欠点は、ラック上の4つの歯付きホイールのうちの1つの高さ方向の進行が各瞬間において他の歯付きホイールの進行と完璧に同一でない場合に、上昇または下降の際に自動装置が不動状態にとどまる可能性がある、という点にある。
【0030】
この技術のさらに別の欠点は、歯付きホイールのラックへの噛み合わせが、大きな騒音源となることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【文献】米国特許第7101139号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0039693号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
本発明はしたがって、特に上述の現状技術の欠点を克服することを目的とする。
【0033】
より厳密には、本発明の目的は、人の介入を制限し実施が容易である注文準備技術を提供することにある。
【0034】
本発明の別の目的は、コストが低い注文準備技術を提供することにある。
【0035】
本発明のさらに別の目的は、あまり騒音を出さない注文準備技術を提供することにある。
【0036】
本発明の目的は、保管用区域の変化に容易に適応し得る注文準備技術を提供することにある。
【0037】
本発明の別の目的は、高密度の保管用区域と適合し得る注文準備技術を提案することにある。
【0038】
本発明の目的は、同じ倉庫内で高さおよび/または向きの異なる収納棚を使用できるような技術を提案することにある。
【0039】
本発明の別の目的は、既存の収納棚を使用できる注文準備技術を提供することにもある。
【0040】
さらに本発明の目的は、オペレータにとって危険の無い注文準備技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0041】
これらの目的ならびに以下で明らかとなる他の目的は、注文準備用システムにおいて、通路を画定する明確に区別された2つの収納棚に一体化された2組の縦材と、収納棚のうちの少なくとも1つの中で一注文の目的物を取り出すことを目的とする、少なくとも2つの転動ホイールを有する自動誘導式台車、および前記台車が縦材に沿って上昇できるように縦材と協働することのできる動力式クライミング手段を含むシステムであって、クライミング手段は、4つの縦材のうちの1つと各々協働することを目的とするほぼ平行な軸の4つの歯付きホイールを含み、歯付きホイールの軸は、転動ホイールの軸とほぼ直交しており、
歯付きホイールの各々は2つの位置、すなわち、
-支持体上に取付けられた歯付きホイールの少なくとも一部が、シャーシの列の外で横方向に突出している展開位置と、
-支持体上に取付けられた歯付きホイールがシャーシと対面している引込位置と、
の間で、台車のシャーシとの関係において可動である支持体の上に取付けられている、注文準備用システムを用いて達成される。
【0042】
本発明によると、ローラーチェーンが、ほぼぴんと張られて前記縦材のそれぞれの上に固定され、前記チェーンは、チェーンが固定される縦材の長手方向軸にほぼ平行に延在し、またチェーンが固定された縦材と協働する歯付きホイールの少なくとも1つの歯を受けることを目的とし、前記チェーンの隣接した2つのローラーは、前記歯付きホイールのピッチの値とほぼ等しい距離だけ間隔をおいており、また可動である支持体はそれぞれ、前記可動である支持体に取付けられる歯付きホイールの軸とこの歯付きホイールの歯を受けるチェーンとの間に既定の隔たりを保持することができるように構成された、前記4つの縦材のうちの1つとの連動手段を有する。
【0043】
したがって、本発明は、収納棚内の注文された目的物を取り出し、これらの目的物をオペレータが段ボール箱に入れる注文準備用区域まで輸送する少なくとも1つの自動誘導式台車によって、注文された商品の段ボール箱への梱包作業のみに人間の介入を限定することのできるシステムに関する。
【0044】
この台車は有利には、これらの2つの平行な棚板に跨って上昇するために、通路の両側の明確に区別された2つの棚に単純に固定されたまたは一体化された2組の縦材をよじ登る、すなわちしがみつきながら登ることができるように構成される。
【0045】
また、クライミング手段は、台車がその上昇または下降の際に1つまたは複数の縦材と常時嵌合状態にとどまることができるようにし、かつ台車をほぼ水平に維持することができ、こうして台車が担持するトレーまたは目的物の落下を防止することができる。
【0046】
2つの可動支持体はさらに、可動支持体が引込められているときに、通路の両側の2つの縦材の間を台車が滑動することができるようにし、次に可動支持体を展開させて縦材の組に沿ってよじ登ることができるようにする。
【0047】
さらに、ローラーチェーンによって、低コストで収納棚の「登攀用梯子」を利用することが可能になる。この「梯子」は、環の局部的な摩耗の場合には関連する環を交換するだけでよいことから、メンテナンスが極めて容易である。そのうえ摩耗が分散している場合、縦材全体よりもチェーンを交換する方が、より簡単でより低コストである。
【0048】
本発明の範囲内で、歯付きホイールとは、モノブロック全体、あるいはまた、上に歯付きベルトが取り付けられた2つのプーリで形成される全体を意味することに留意されたい。
【0049】
本発明の範囲内で、チェーンと歯付きホイールの軸との間の隔たりとは、チェーンの長手方向軸に垂直な方向にしたがって測定された、チェーンの長手方向軸と歯付きホイールの回転軸との間の距離を意味することにもまた留意されたい。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によると、前記チェーンのそれぞれは、前記縦材のうちの1つの、2つのほぼ端部に固定される。
【0051】
本発明の有利な実施形態によると、上に記述されたようなシステムは、前記チェーンをぴんと張ることを可能にすることを目的とした、前記縦材の長手方向軸に沿って前記縦材のうちの1つのほぼ端部にある、前記チェーンのうちの少なくとも1つの固定手段のうちの少なくとも1つの位置調整手段を含む。
【0052】
このように、メンテナンス作業の際に、チェーンが緩んでいたらチェーンを再びぴんと張ることが可能である。
【0053】
本発明の特に有利な実施形態によると、固定手段のうちの少なくとも1つの前記位置調整手段は、ばねを含む。
【0054】
このように、チェーンの張りは、オペレータがチェーンの張りを調整するために介入する必要なく、チェーンが伸びる時にばねにより一定に保たれることができる。
【0055】
本発明の特定実施形態によると、可動である各支持体の、前記4つの縦材のうちの1つとの前記連動手段は、前記縦材のうちの1つの上で転がるのに適した、可動である支持体に取り付けられる歯付きホイールの軸に平行な軸の、少なくとも1つの支えホイールと補助ホイールとを含む。
【0056】
このように、支えホイールと補助ホイールとの間で縦材の壁を挟むことによって、歯付きホイールとぴんと張ったチェーンとの間の一定の隔たりが保たれる。2つの収納棚の間の台車の横方向位置はしたがってこのように一定に保たれ、これにより、歯付きホイールの歯またはベルトの刻み目が、チェーンを通り抜けて縦材を擦ることを防ぎ、また早期に摩耗が生じることが制限される。
【0057】
本発明の有利な態様によると、前記可動である支持体は、前記台車のシャーシの4つのほぼ端部に取り付けられる。
【0058】
台車に荷物が積まれていようがいまいが、台車の総量はシャーシの4隅にこのように分散され、これにより、不安定さが制限され、また縦材に対する支持体の連動手段にかけられる応力は削減される。
【0059】
本発明の有利な実施形態によると、前記縦材は、前記チェーンを受けるのに適した長手方向の溝を含む。
【0060】
チェーンはこのように、溝の中で側面に沿って保持されることができ、また台車によってかけられる圧力下で外れることはない。
【0061】
本発明の特定の態様によると、前記縦材は、前記縦材の長手方向軸にほぼ垂直に延在する少なくとも1つの翼部を含み、前記支えホイールは前記翼部の一面に押し付けられるようになり、また前記補助ホイールは前記翼部の反対側の面に押し付けられるようになる。
【0062】
本発明の特定の態様によると、縦材は、オメガ形のレールである。
【0063】
本発明の特定実施形態によると、上に記述されたような注文準備用システムは、前記収納棚に対する縦材の固定手段を含む。
【0064】
本発明の特定実施形態において、縦材は、1つまたは複数の収納棚の近傍の床に固定される。
【0065】
好ましくは台車は、目的物の収納用トレーの把持手段を有する。
【0066】
台車は、外部からの介入なく、特に人の介入なく、収納棚の棚板上の保管場所にあるトレーを自律的に取り出すかまたは置くことができる。
【0067】
そのような把持手段は例えば、トレーを押すかまたは引くための伸縮式ショベル、伸縮式サイドアーム、および/またはフィンガーを備えた伸縮式フォークを含むことができる。
【0068】
本発明の有利な実施形態によると、上述のうちの1つのような注文準備用システムは、クライミング手段の制動手段を含む。
【0069】
このようにして、台車が不調のとき、特にクライミング手段のモータに給電するバッテリーが放電したとき、台車の下降に安全性が確保される。
【0070】
制動は、本発明の特定の実施形態において、「粘性」タイプであり得、モータの電機子を分流することによって磁気制動により獲得され得る。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によると、制動手段は、少なくとも1つの歯付きホイールに連動する被駆動プーリの駆動ベルトに押し付けられる引っ張りローラーを含み、引っ張りローラーは駆動ベルトが破断した場合、摩擦によって被駆動プーリが動かなくなるような位置に落下する。
【0072】
本発明の好ましい実施形態によると、同じ収納棚の縦材間の距離は、台車の同じ側方面に取り付けられた支持体の2つの歯付きホイール間の隔たりとほぼ同一である。
【0073】
本発明の特定の実施形態によると、縦材とは収納棚の縦材である。
【0074】
このように、設置は単純化され、コストは削減される。
【0075】
本発明の特定の実施形態によると、転動ホイールのうちの少なくとも1つ、および電動のクライミング手段は、同じモータによって駆動される。
【0076】
このように、軽量かつ特に使用が簡単であるシステムが得られる。
【0077】
有利には、上述のようなシステムは、それぞれが歯付きホイールの組の1つを駆動することを目的とした、独立した2つのモータを含む。
【0078】
このように2組の歯付きホイールは、通路の各側に設置されたチェーンの環の間に寸法差が存在する場合に台車を水平に保つために、異なる速度で回転することができる。
【0079】
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定的な例示的実施例として与えられている本発明の1つの実施形態についての以下の説明および添付の図面を読了した時点でより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】本発明による注文準備用システムの実施形態例を備えた倉庫の概略斜視図である。
【
図2】
図1に関連して例示された倉庫内で使用される自動誘導式台車の斜視図による概略的表現である。
【
図3】
図2に関連して提示された台車が、平行な2つの収納棚を支えとしてよじ登っている上面図である。
【
図4】
図1に関連して例示された収納棚の縦材の基部の詳細図である。
【
図5】
図2に関連して提示された台車のクライミング用モジュールの詳細断面図である。
【
図6】
図1に関連して例示された収納棚の縦材と協働する台車のクライミング用モジュールの上面図である。
【
図7】
図2に関連して提示された台車のクライミング用モジュールの駆動システムの詳細図である。
【
図8】
図2に関連して提示された台車のクライミング用モジュールを備える、特定の断面を持った2つのレール間のずれを補正する装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本発明の第1の実施形態例
図1中には、発送を目的とする製品の保管のための倉庫1が例示された。この倉庫は、保管用区域10と注文準備用区域11とに配分されている。
【0082】
準備用区域11内には、オペレータ13が1件の注文製品の入った輸送荷物14を準備する注文準備用ステーション12が配置されている。
【0083】
保管用区域10は、縦材105によって支えられた、複数のレベル101上の棚板を伴う収納棚100の形に組織され、これらの棚板の上に、保管対象の製品または品物を格納するトレー102が保管される。
【0084】
一群の自動誘導式台車103(英語では「Automatic Guided Vehicle」)が、保管用区域10と注文準備用ステーション12との間でのトレー102の輸送を確保する。
【0085】
各々の自動装置103は、オペレータ13のうちの一人によって処理される注文を補完するため、取りに行くべき品物を格納するトレー102の位置決定情報を受信する。自動装置103は、トレー102が整理されている場所に行き、受信した位置決定情報により特定された収納棚100のレベル101からこのトレーを抜き出す。その後、自動装置103は、収納棚100から通路104を通って注文準備用ステーション12までトレー102を輸送する。オペレータ13がなすべきことは、一定量の注文された品物を取り出しそれらを梱包するだけである。自動装置103はその後、トレー102を保管用区域10内のその場所に戻す。
【0086】
収納棚100は、同一であり、また平行に配置されている。2つの収納棚100の間の空間は、自動装置103のための床通路として役立つ区画104を形成する。
【0087】
図2に、シャーシ200で形成された自動装置103が例示されており、このシャーシは2つの遊動ホイール201によって担持され、互いに独立したモータ203によって作動する2つの駆動ホイール202によって牽引される。こうして、ほぼ平面で水平な床上で、自動誘導式台車103は、モータ203の回転の制御に応じて、直線、曲線軌道をたどることができ、それ自体が旋回することができる。
【0088】
棚100を登攀するために、自動装置103のシャーシには、シャーシのほぼ四隅に、引込式クライミング用モジュール204が備わっている。これらのクライミング用モジュール204の出し入れは、クライミング用モジュール204を備えた側方の2つの伸縮式フォーク205を展開位置と引込位置との間で平行移動させるモータ(表示されていない)によって作動する。
【0089】
こうして自動装置103は、その重量を4つの縦材105に分散しながら、向かい合う2つの平行な収納棚100の縦材を上ることができる。
【0090】
側方の伸縮式フォーク205はそれぞれ、制御ロッド206、方向転換ロッド207、およびそれぞれクライミング用モジュール204を備えている2つのスライディングアーム210で形成される。
【0091】
各伸縮式フォーク205において、方向転換ロッド207は、その中心で、中心軸と呼ばれる第1の軸208を使った枢動連結によって、ほぼ直角に交わる制御ロッド206の遠位端部とともに保持される。さらに方向転換ロッド207は、各遠位端部で、スライディングアーム210に、第2の軸209によって枢動して連結される。
【0092】
これらの枢動連結のおかげで、自動装置は、登攀すべき収納棚100の縦材105間の隔たりの変化を受け入れる。これらの枢動連結はまた、自動装置103の長手方向軸と縦材105の各組との間の平行性のずれを修正することも可能にする。実際に、同じフォークのクライミング用モジュールが相次いで接触し、続いて同時に押されることにより、位置のずれを正すことが可能になる。このメカニズムは、縦材105間の隔たりの補正(
図2では表示されていない)によって補完され、この装置は以下に
図8でより詳細に記述されることになる。
【0093】
各伸縮式フォーク205はまた、シャーシの同じ側に位置する2つのクライミング用モジュール204の駆動システムも備えている。この駆動システムは伝動軸211で形成され、伝動軸は、被駆動プーリ212が固定され、各端部でクライミング用モジュール204の歯付きホイールがつながれている(
図4の詳細図で見ることができる)。
【0094】
被駆動プーリ212は、クライミング用モータ215によって作動する駆動プーリ214の動きを伝達する歯付きベルト213によって駆動する。伝動軸211はさらに、伸縮式フォーク205の2つのクライミング用モジュール204間の横の位置のずれを許容する、2つの継ぎ手のついた自在継手216を備え、これにより等速伝動を実現することが可能になる。
【0095】
各登攀用モータ215は、自動装置103が水平状態にとどまり、また積荷が転落しないことを保証するために、モータの軸の位置の制御用モジュール(
図2では表示されていない)によって独立して制御される。このように制御用モジュールは、製作公差を考慮し製造時に長さが異なり得る各縦材105に固定されたチェーンのローラー間のずれを補正するために、各モータ215の速度を適合させる。
【0096】
実際に、同じタイプのチェーンを備えた長さ10~12mの縦材105について、2つのチェーンの端部のローラー間の位置のずれが20mmに達する可能性があることに注目する必要がある。
【0097】
図3に、通路104を画定するほぼ平行な2つの収納棚100の2組の縦材105と協働する、4つのクライミング用モジュール204を使って2つの収納棚100をよじ登っている自動装置103を上面図で示した。
【0098】
自動装置103は、展開位置と引込位置との間の、伸縮式フォーク205の平行移動システムを備える。この平行移動システムは、自動装置103の中央横断面においてシャーシに連動している鋸歯状のベルトと、2つのプーリを含む(
図3では表示されていない)。さらに、この鋸歯状のベルトと向かい合った各ベルトの上に、2つの制御ロッド206のうちの1つの近位端部が固定される。クライミング用モジュール204を出し入れするために、フォーク205の制御用モータ(
図3では表示されていない)によって作動する駆動プーリが、クライミング用モジュール204の平行移動を制御する鋸歯状のベルトを駆動する。
【0099】
したがって、クライミング用モジュール204を、床移動のための引込位置と、収納棚を登るための展開位置との間で平行移動させることを可能にするのは、フォーク205の制御用モータ(
図3では表示されていない)の軸の位置の制御用モジュールによって制御されるステッピングモータの回転方向である。
【0100】
このように、クライミング用モジュール204は、自動装置103の2つの側面すなわち横方向の側で同時に出し入れされる。また、もし通路104における自動装置103の中心合わせのずれのせいで、伸縮式フォーク205のクライミング用モジュール204が縦材105に通路104の一方の側より先に他方の側に接触するようになるならば、伸縮式フォーク205によってかけられる圧力は、通路104の両側の縦材105間で自動装置103を中心へ戻す。
【0101】
図4から
図6に、クライミング用モジュール204と、オメガ(「Ω」)の形をしたレール410が固定された縦材105がより詳細に例示された。
図4に見られるように、各クライミング用モジュール204は、歯付きホイール401を支える台座400、中心合わせホイール402、2つの支えホイール403、および2つの補助ホイール404を含む。
【0102】
また、特定の断面を持ったレール410の基部が、正面に切り込み412を含む支持体411の中に保持され、この切り込みは、クライミング用モジュール204が外に出るときに、特定の断面を持ったレール410に対してクライミング用モジュールの位置を中心合わせししたがって保証するために、クライミング用モジュールの中心合わせホイール402を誘導するためのものであることが注目される。
【0103】
特定の断面を持ったレール410はさらに、その基部においてU字形に縮小され、このU字形は、翼部413の後部にクライミング用モジュール204の2つの補助ホイール404を通すために、この部分において空き空間414を形成する。この中心合わせホイール402はしたがって、「Ω」形のレール410に対して、歯付きホイール401、2つの支えホイール403および2つの補助ホイール404の相対位置を保証する。
【0104】
引込式クライミング用モジュール204の展開位置での断面図である
図5において、歯付きホイール401は、オメガ形のレール410の奥部にぴんと張った状態に維持された、通常のローラーチェーン500の環と協働している。そのために、ローラーチェーン500の第1の端部は、登攀またはYに沿った移動のための始点の役目を果たす、特定の断面を持ったレール410の基部の留め具ポイント(図上では表示されていない)でのボルト締めによって固定されている。チェーンの第2の端部は、第2のボルトによって、特定の断面を持ったレール410のほぼ頂部に固定される。この第2のボルトの位置は、使用時間とともに長さが増すチェーン500の張りを修正するために調整可能である。
【0105】
図6での上面図でより詳細に見られるように、特定の断面を持ったレール410は、溝600を有し、この溝は、互いに平行であり補助ホイール404の直径を上回る高さの2つの側面602とほぼ直角に交わる奥部601によって画定される。
【0106】
さらに、各側面602は、側面602から特定の断面を持ったレール410の外側に向かって横断方向に、したがってほぼ垂直に延在する翼部413によって延長される。各側面602はさらに、支えホイール403と補助ホイール404の幅を超える幅を有し、このようにこれらのホイール403、404のためにそれぞれ支え前面603および支え後面604を形成する。
【0107】
図6で、クライミング用モジュール204は、歯付きホイール401がチェーン500に噛み合っている展開位置で示されている。このクライミングの構成において、各ホイール403は、「Ω」形レール410の第1の翼部413の前面603に押し付けられており、その一方で各補助ホイール404は、第2の翼部413の後面604に押し付けられている。したがって、翼部413の前面603および後面604は、支えホイール403および補助ホイール404で形成される組み立て部品610によって挟まれる走行路を形成するのが確認される。このように各組み立て部品610は、特定の断面を持ったレール410に対するクライミング用モジュール204の相対位置、したがってチェーン500の位置に対する歯付きホイール401の回転軸の位置を誘導し維持する。挟み部品610は、歯付きホイール401のチェーン500との一定の噛み合いを保証することによって、最小90°の通常限度よりもずっと小さい、歯付きホイール401上でのチェーン500のわずかな巻きの弧を補う。
【0108】
収納棚401を登攀するために、自動装置103は、縦材105に整列してから4つの歯付きホイール401を展開し、これにより歯付きホイール401が、4つの縦材105の特定の断面を持ったレール410の中にあるチェーン500に噛み合うことが可能になる。続いて、歯付きホイール401の回転により自動装置103が垂直に移動することが可能になり、縦材105に沿ってよじ登ること、または下降することができる。
【0109】
登攀を開始するために、フォーク205を出すための制御用モータの軸の位置の制御用モジュールは、クライミング用モジュール204の出しを制御して、補助ホイール404が空き空間区域414を越えて翼部413の裏側の後面604に接触するまで、支えホイール403が特定の断面を持ったレール410の翼部413の前面603に圧力をかける。
【0110】
このように各歯付きホイール401は、支えホイール403によって特定の断面を持ったレール410にかけられる圧力によってチェーン500と噛み合った状態にとどまり、これによりチェーンの飛び出しが妨げられる。
【0111】
空き空間区域414が越えられると、モータの軸の位置の制御用モジュールは、逆方向にベルトを導くためのモータの回転方向の反転の際に取り戻さなければならないトランスミッションの遊びよりも少ない回転部分で、フォーク205の制御用モータの回転方向を反転する。フォーク205の横断方向の動きはそのとき、遊びの間で自由である。そのようにして、同じ横断方向平面における2つのクライミング用モジュール204間の隔たりは、通路104の両側の向かい合った2つの縦材105間の距離の変化の幅を補うためにわずかに変化させることができる。各クライミング用モジュール204の各組み立て部品610はそのとき、各歯付きホイール401が、向かい合ったチェーン500と噛み合ったままでいることを保証する。
【0112】
下降の際、モータの軸の位置の制御用モジュールは、フォーク205の制御用モータに、空き空間区域414の近傍またはこの区域の中で、特定の断面を持ったレール410に圧力をかけるように指示する。
【0113】
各伸縮式フォーク205の2つのクライミング用モジュール204の駆動システム700の詳細図であるこの
図7に見られるように、駆動システム700はさらに、引っ張りローラー702を用いた、駆動プーリ214と被駆動プーリ212を伴うベルト213のクラッチ装置701を含む。この引っ張りローラー702は、歯付きベルト213の上部ベルト703の外側部分を押さえつけるために、歯付きベルトより上方に配置される支持体の中に可動に取り付けられる。この引っ張りローラー702は、以下の3つの位置間で可動である、
-引っ張りローラー702が接触していない、つまりベルト213をぴんと張らないので、駆動プーリ214と被駆動プーリ212の接続が切られている、解放された位置、
-ローラー702がベルト213をぴんと張って、伝動軸211に対するモータ215のトルクの良好な伝動を保証する、公称動作に相当するかみ合わせ位置、および
-被駆動プーリ212と接触する引っ張りローラー702の自動落下を引き起こし、摩擦によって被駆動プーリを動かないようにする、歯付きベルト213が破断した場合のセキュリティ位置。
【0114】
標準作動状態で、ローラー702は、歯付きホイール401に対するモータトルクの伝動を保証するためのかみ合わせ位置にある。
【0115】
登攀中、特にベルト213の破断によって自動装置103が動かなくなった場合、メンテナンススタッフはそのとき引っ張りローラー702を手動で解放することによってモータのクラッチを切って、自動装置103を下降させることができる。
【0116】
図8で、収納棚100の1組の縦材105の特定の断面を持った2つのレール410の間のずれを補正する装置800を詳細図で示した。この補正装置800は、スライディングアーム210の端部と、クライミング用モジュール204の台座400との間に挿入される。各伸縮式フォーク205は、駆動システム(
図8では表示されていない)と向かい合ったスライディングアーム210上に、補正装置800をただ1つ備える。補正装置800は、スライディングアーム210につながれた軸受で形成されるすべり溝801、および台座400と連動する軸で形成されるスライダ802を含み、両者は、自動装置103の長手方向の向きにしたがって、1センチメートルの長さ上を互いに摺動する。
【0117】
補正装置のこのストロークによって、自動装置103は、縦材105の各組の特定の断面を持った2つのレール410間の、+/-5mmの変化を受け入れる。
【0118】
本発明の他の利点および選択可能な特徴
上に詳細に記述された本発明の実施形態の変形例において、以下もまた想定することができる、
-自動誘導式台車に、この台車の中心に据えられる2つの駆動ホイールを備えること、その一方で2つの遊動ホイールは外周部分に配置され、台車の安定性を保証する。駆動装置のこの構造はこのとき、バランスシステム(systeme de balancier)と連結されており、このバランスシステムは、床の欠陥と無関係に静定構造を保証し、自動装置の重量およびその積荷を4つのホイールの上に分散させることを可能にする、
-下降時の台車の制動装置、
-異常時、例えば電力喪失時の、台車の自動下降。この状況においてブレーキは解かれ、床までの下降速度は、粘性ブレーキが作り出されるように単数または複数のクライミング手段に磁場を加えることによって、制限される、
-例えばRFID(英語Radio Frequency Identificationの頭字語)チップを使ったトレーの識別、トレーを支える棚板の識別による、位置高度決定、
-自動誘導式台車に、トレーまたは目的物を持ち上げ平行移動し降ろすための伸縮式ショベルまたは伸縮式フォークを備えること、
-自動誘導式台車に、トレーをその棚板の上で滑らせながら押すかまたは引くことを目的とした、フィンガーの取り付けられた端部を有する伸縮式フォークまたは伸縮式サイドアームを備えること、
-台車に、トレーの収容物の在庫を確認することを可能にするトレーの計量器を備えること、
-自動装置が収納棚に沿って上昇および下降することを可能にするために、縦材を収納棚のすぐ近傍に設置することであって、これらの縦材は床または収納棚に固定され得る、
-ただ1つの側方翼を有する特定の断面を持った縦材を準備することであって、該縦材は、ただ1つの側方翼と協働するのに適した単一の支えホイールおよび単一の補助ホイールを有するクライミング用モジュールと結びついている、
-奥部および側面が、蟻ほぞの雌の形状の型を形成する、レールの形をした縦材、
-各クライミング用モジュールに2つの平行な歯付きホイールを備え、また各縦材に二重チェーンを備えること、
-縦材の一端に、ばねを使った、チェーンの張り調整手段を準備すること、
-収納棚に対して縦材の外側面に、クライミング用モジュールのホイールの支えのための翼部と、チェーンが収容される溝とを有する縦材、
-特定の断面を持ったレールのチェーンに対する、歯付きホイールの中心合わせをほぼ保証するように、特定の断面を持ったレールの側面上で転がるのに適した、歯付きホイールに垂直な軸の長手方向のガイドホイールを少なくとも一つ、各クライミング用モジュールについて準備すること、
-台座につながれたすべり溝、および、スライディングアームと連動するスライダ802、
-縦材の上を滑ることを目的としたフランジを含む連動手段。
【0119】
上述の注文準備用システムの例は、さまざまなタイプの産業環境において、例えば注文準備の物流センターにおいて、または製造ラインの部品や構成部品の供給物流チェーンの内部で利用されることができる。
【符号の説明】
【0120】
12 注文準備用システム
100 収納棚
103 自動誘導式台車
105 縦材
202 転動ホイール
204 動力式クライミング手段
214 支持体
402 連動手段
403 連動手段
404 連動手段
500 ローラーチェーン