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特許7125690遺骨の埋葬方法、遺骨カプセル、及び遺骨バルーン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】遺骨の埋葬方法、遺骨カプセル、及び遺骨バルーン
(51)【国際特許分類】
   F23G 1/00 20060101AFI20220818BHJP
   A61G 17/08 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
F23G1/00 L
A61G17/08 Z
F23G1/00 Z
F23G1/00 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019228693
(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公開番号】P2021096053
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-06-25
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】500341296
【氏名又は名称】緑川 達登志
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】緑川 達登志
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-125858(JP,A)
【文献】特開2013-063126(JP,A)
【文献】特開2014-200779(JP,A)
【文献】特開2003-008171(JP,A)
【文献】特開2015-112929(JP,A)
【文献】特開2006-061245(JP,A)
【文献】特表2006-526760(JP,A)
【文献】国際公開第2013/172798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 1/00
A61G 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、
前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、
前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨容器に封入する封入工程と、
前記遺骨容器を封止する封止工程と、
前記遺骨容器にヘリウムガスが封入された浮遊体を装着し、空中に飛ばす飛散工程と、を有することを特徴とする遺骨の埋葬方法。
【請求項2】
前記気化工程では、前記遺骨を接着部材に貼付し、前記接着部材と前記遺骨とを気化させることを特徴とする請求項1に記載の遺骨の埋葬方法。
【請求項3】
支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、
前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、
前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨カプセルに封入する封入工程と、
前記遺骨カプセルを封止する封止工程と、を有する遺骨の埋葬方法によって得られた、前記圧縮工程により圧縮された前記気体が封入された遺骨カプセル。
【請求項4】
支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、
前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、
前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨バルーンに封入する封入工程と、
前記遺骨バルーンを封止する封止工程と、を有する遺骨の埋葬方法によって得られた、前記圧縮工程により圧縮された前記気体が封入された遺骨バルーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遺骨の埋葬方法、遺骨カプセル、及び遺骨バルーンに関し、特に人間及び動物の埋葬方法並びに遺骨カプセル及び遺骨バルーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人が亡くなると火葬した後にお墓に埋葬したり、寺院の納骨堂に納めることが行われている。特に、故人の遺骨の一部を持ち歩きたいとの思いに鑑み、遺骨を粉々に粉砕して整形した整形体を空洞部に封入した遺骨収納具がある(例えば、特許文献1)。遺骨収納具では、空洞部内を整形体が転動することによって振動音を聞くことができ、これにより故人を偲び寂しい気持ちを癒すことができる。
【0003】
また、遺骨をバインダで所定の形状に成形し、当該成形体を骨壺に収容することなく埋葬する方法が知られている(例えば、特許文献2)。この方法では、バインダを任意に選択することができ、例えば生分解性を有するバインダ、加熱や加水によって固化するバインダ等を用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-125858号公報
【文献】特開2019-103741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の遺骨収納具では、遺骨を整形した整形体を持ち運ぶこととなり、ある程度の重量がある。特に、ネックレスとして首に下げる場合には可能な限り軽量化することが望ましい。また、すべての遺骨を整形体とすると非常に巨大になってしまうため、整形体に用いた以外の遺骨については、通常と同じように墓地などに埋葬する必要があった。
【0006】
特許文献2に記載の埋葬方法であっても、すべての遺骨をバインダと混合して成形体とすることは難しく、残った遺骨をお墓などに埋葬しなければならなかった。
【0007】
また、墓じまいのときに先祖の遺骨を他の墓地や永代供養墓地に改葬する際、遺骨という形で残すのではなく、他の形によって供養することを望む声もあった。さらに、近親者がおらず亡くなっても遺骨の引き取り手がいない場合の埋葬についても、墓地の維持管理費用が発生し、各自治体における負担となっていた。
【0008】
また、現実の墓地を所有することによって、維持管理費用が発生し残された遺族の負担になっていたため、遺族の意思に沿った形で墓参り等の供養をすることが求められていた。
【0009】
そこで、本発明は、遺族の負担になることなく故人を埋葬することができる遺骨の埋葬方法及び遺骨容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために第1の発明は、支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨容器に封入する封入工程と、前記遺骨容器を封止する封止工程と、前記遺骨容器にヘリウムガスが封入された浮遊体を装着し、空中に飛ばす飛散工程と、を有することを特徴とする遺骨の埋葬方法を提供している。
【0011】
第2の発明では、第1の発明に記載された遺骨の埋葬方法であって、前記気化行程では、前記遺骨を接着部材に貼付し、前記接着部材と前記遺骨とを気化させることを特徴としている。
【0012】
第3の発明では、支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨カプセルに封入する封入工程と、前記遺骨カプセルを封止する封止工程と、を有する遺骨の埋葬方法によって得られ、前記圧縮工程により圧縮された前記気体が封入された遺骨カプセルを提供している
【0013】
第4の発明では、支持台上の遺骨を高温プラズマによって気化させる気化工程と、前記気化工程で気化させたことにより発生した気体を、前記支持台の上方に設置された集塵口から集塵する集塵工程と、前記集塵口から集塵された前記気体を圧縮する圧縮工程と、前記圧縮工程によって圧縮された前記気体を遺骨バルーンに封入する封入工程と、前記遺骨バルーンを封止する封止工程と、を有する遺骨の埋葬方法によって得られ、前記圧縮工程により圧縮された前記気体が封入された遺骨バルーンを提供している。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によると、遺骨容器に高温プラズマによって気化された遺骨の気体を封止するため、遺骨容器を故人の遺骨として取り扱うことができる。遺骨容器を装飾品として身に付ける場合には、従来の遺骨を整形した整形体を持ち運ぶときに比べ軽量となるため、身体への負担を軽減することができる。また、気化行程で気化させた気体を集塵しているため、遺骨容器に気体を封入することができる。さらに、封止行程によって遺骨容器を封止しているため、気体が遺骨容器の外部に漏出することを抑制できる。
【0015】
第2の発明によると、遺骨を接着部材に貼付して接着部材と遺骨とを高温プラズマで気化させるため、簡易な方法により遺骨を保持した状態で高温プラズマを当てることができる。
【0016】
第3の発明によると、遺骨容器に浮遊体を装着して空中に飛ばすため、墓地等に埋葬する場合と比較すると維持管理費用がなく遺族の負担が少ない。さらに、空に遺骨が気化された気体を封入した遺骨容器を飛ばすことにより、故人が空に帰るという遺族の意向を反映することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の概略図。
図2】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法のプラズマトーチの電極近傍の断面図。
図3】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の接着部材に遺骨を貼付したときの断面図。
図4】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の遺骨カプセルに気体を封入するときの断面図。
図5】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法のフローチャート。
図6】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の埋葬システムの概略図。
図7】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の埋葬システムのブロック図
図8】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の埋葬システムのフローチャート。
図9】本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法の埋葬システムの墓地作成のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態による遺骨の埋葬方法を図1から図9に基づき説明する。本発明による遺骨の埋葬方法では、遺骨気化システム1によって遺骨10を気化させて元素還元を行う。
【0019】
遺骨気化システム1では、作業者11がプラズマ発生装置2から発生した高温プラズマによって遺骨10の気化処理を行う。遺骨気化システム1は、プラズマ発生装置2と、支持台3と、集塵ダクト4と、集塵ボックス5と、バルブ部6と、から構成される。
【0020】
プラズマ発生装置2は、本体部21と、プラズマトーチ22と、本体部21とプラズマトーチ22とを繋ぐケーブル23と、を有している。本体部21は、プラズマトーチ22に電源を供給するための電源ユニットと、動作流体である水を貯えるタンク部と、を有している。
【0021】
プラズマトーチ22は、作動流体として水を用いた水プラズマであって、電極間に発生させたプラズマによる水プラズマ火炎22Aの温度は1万度以上となる。プラズマトーチ22のノズル部24の構造について、図2を参照して説明する。ノズル部24には、アノード電極25と、電極ホルダ26と、カソード電極27と、作動流体を供給するための図示せぬ供給管と、を有している。
【0022】
アノード電極25及びカソード電極27の間に、本体部21から供給された電源によって高電圧を付加することでアークを発生させる。カソード電極27は電極ホルダ26によって保持されており、図示せぬ移動機構によって電極ホルダ26は前後に移動可能となっている。移動機構によってカソード電極27を前進させてカソード電極27と一時的に接触させ、その後両者を離間させることにより電極間にアークが発生する。
【0023】
電極ホルダ26は、漏電防止のために絶縁体に覆われている。プラズマ発生装置2のタンク部から供給された作動流体である水は、アークによって加熱されてスチームとなり、供給管によってアノード電極25とカソード電極27との間に供給されプラズマアークとなる。このようにして発生した水プラズマ火炎22Aは、アノード電極25に形成された開口25aから噴出される。
【0024】
支持台3は、台座部31と、吊り部32と、滑車33とを有している。台座部31の下面に滑車33が設けられていて、支持台3は任意の位置に移動可能である。滑車33には図示せぬストッパが設けられ、支持台3を所望の位置で固定できる。支持台3には、情報に延びるように吊り部32が設けられていて、吊り部32から延びるワイヤ34で遺骨10が貼付された接着部材12を保持する。詳細には、ワイヤ34の先端に設けられた図示せぬ保持部材によって接着部材12を保持する。
【0025】
図3に示すように、接着部材12には細かく粉砕された遺骨10が接着面の全面に貼付されている。なお、接着部材12の両面に遺骨10を貼付してもよい。
【0026】
集塵ダクト4は、略U字状であって、一端に集塵口41が設けられ、他端が集塵ボックス5に接続されている。集塵ダクト4は、上端部を移動レール42によって集塵ダクト4の位置を調整することができる。また、移動レールの長さを変えることで、集塵口41と吊り部32との距離を調節することができる。
【0027】
集塵ボックス5は、集塵モータ51と、圧縮機52と、を有している。集塵モータ51は集塵ダクト4からの集塵を行って一部を圧縮機52に供給し、残りを大気に放出する。圧縮機52は、集塵ダクト4からの気体を圧縮して所定の圧力まで圧縮し、バルブ部6に供給する。
【0028】
バルブ部6は、遺骨カプセル13及び遺骨バルーン14の少なくとも一方に集塵ダクト4が集塵した気体を封入するための機構である。バルブ部6は、Y字状のバルブとなっていて、第1バルブ61と、第2バルブ62とを有している。第1バルブ61を開くことで、遺骨カプセル13に集塵口41からの気体を封入することができる。第2バルブ62を開くことで、遺骨バルーン14に集塵口41からの気体を封入することができる。遺骨カプセル13及び14は、本発明の遺骨容器の一例である。
【0029】
遺骨カプセル13への気体の封入方法について、図4を参照して説明する。遺骨カプセル13は、弾性体である被挿入部15が設けられている。被挿入部15にはバルブ部6の挿入針63が挿入され、挿入針63を介して遺骨10が気化された気体が圧縮機52によって所定圧力まで圧縮されて遺骨カプセル13に封入される。気体が封入されている間は、遺骨カプセル13は図示せぬ保持体によって固定されている。
【0030】
遺骨バルーン14は、圧縮機52によって圧縮された気体が封入される。遺骨バルーン14への気体封入が完了すると、図示せぬ安全弁によって、圧縮機52によって圧縮された気体は大気に放出される。
【0031】
次に、遺骨10の埋葬方法について、図5を参照して説明する。作業者11は、粉砕機で遺骨10を細かく粉砕する粉砕処理を行う(S1)。粉砕した遺骨10を接着部材12に貼付し(S2)、ワイヤ34に吊り下げて支持台3を固定する。作業者11は、プラズマトーチ22から発生する約1万℃の水プラズマ火炎22Aで遺骨10の気化処理を行う(S3)。水プラズマ火炎22Aによって遺骨10を気化させる気化処理は、本発明の気化行程に相当する。
【0032】
遺骨10が気化された気体は、集塵モータ51によって集塵ダクト4の集塵口41から集塵される。集塵ダクト4で気化した気体を集塵する処理は、本発明の集塵行程に相当する。集塵ボックス5に案内された気体は、圧縮機52によって所定の圧力まで圧縮され、遺骨カプセル13又は遺骨バルーン14の少なくとも一方に封入される(S4)。作業者11は、第1バルブ61及び第2バルブ62の開閉を行うことで、遺骨カプセル13又は遺骨バルーン14に気体を封入する。遺骨カプセル13又は遺骨バルーン14の少なくとも一方に気体を封入する処理は、本発明の封入行程に相当する。
【0033】
遺骨10の燃焼が完了すると、遺骨カプセル13をバルブ部6から取り外して被挿入部15を樹脂等で封止するとともに、遺骨バルーン14をバルブ部6から取り外して開口を閉じる(S5)。遺骨カプセル13及び14を封止する処理は、本発明の封止行程に相当する。なお、被挿入部15は弾性体であるため、挿入針63を抜去したときは被挿入部15の弾性力により、挿入針63によって貫通された貫通穴は一時的に塞がれる。これにより、遺骨10を気化した気体が外部に漏出することを抑制できる。遺骨カプセル13は、ネックレスやブローチ等の装飾品に加工することで故人を偲ぶことができる。遺骨バルーン14は、ヘリウムガスが封入された複数のバルーンによって空高く舞い上げられ、故人の遺骨10が埋葬される。
【0034】
次に、遺骨10を遺骨気化システム1によって埋葬した後に発行される還元証明書に基づいて利用することができる墓地管理システム7について、図6から図9を参照して説明する。
【0035】
墓地管理システム7は、図6に示すように、サーバ8と、管理端末71と、利用者端末72と、から構成されており、サーバ8と、管理端末71と、利用者端末72とはネットワーク73を介して双方向通信可能に有線又は無線で接続されている。
【0036】
墓地管理システム7では、サーバ8にインストールされたアプリケーションを利用者端末72で表示及び操作することにより、墓参り等の故人の供養を行うことができる。管理端末71は、墓地管理システム7全体を管理する端末であって、システムの更新等の処理を行う。管理端末71及び利用者端末72からサーバ8へは、ブラウザを介してアクセス可能なウェブアプリケーションであってもよく、管理端末71又は利用者端末72にインストールされた所定のアプリケーションを介してサーバ8にアクセスしてもよい。
【0037】
図7に示すように、サーバ8は、制御部81と、記憶部82と、ネットワーク73と通信する通信部83と、を有している。制御部81は、利用者登録部84と、仮想墓地生成部85と、故人情報処理部86と、を有している。制御部81は、CPU(Central Processing Unit)であって、記憶部82に保存されている各種アプリケーションを展開している。
【0038】
利用者登録部84は、墓地管理システム7の利用者の利用者登録を行う。利用者とは、主に故人の近親者であるが、第3者が利用することもできる。利用者登録部84は、遺骨気化システム1によって還元処理された還元証明書に付与されている識別情報と利用者とを関連付けて登録する。
【0039】
仮想墓地生成部85は、利用者の操作に基づいて、仮想墓地の位置や形状を生成する。故人情報処理部86は、故人に関する情報の登録及び読出し等の処理を行う。
【0040】
記憶部82には、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、利用者データ87、墓地データ88、及び故人データ89が互いに関連付けてデータベースとして記憶されている。例えば、HDDは、各種アプリケーション、及び墓地管理システム7の管理に必要となる各種データ等を保存している。RAMは、揮発性メモリであってプログラムの作業領域として使用され、ROMは非揮発性メモリであってプログラムの記憶領域として使用される。本実施の形態に係る処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、上記の各部(利用者登録部84、仮想墓地生成部85、及び故人情報処理部86)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、制御部81がHDDから所定のプログラムを読み出して実行することにより、各部が記憶部上に生成されるように構成することができる。
【0041】
利用者データ87は、利用者に関するデータであって識別情報と利用者に関する情報とを関連付けて記憶している。利用者に関する情報とは、例えば、氏名、住所、電話番号、年齢、生年月日、メールアドレス、宗派などである。墓地データ88は、利用者によって生成された仮想墓地に関するデータであって、例えば、宗派、墓石の意匠、文字、墓石、仕上げ方法などである。故人データ89は、利用者によって登録された故人に関する情報をデータベース化したものであって、例えば、死亡日時、故人の家系、画像、動画、音声、経歴、出生地、年表、近親者及び続柄並びにそれらの個人情報、などである。
【0042】
次に、墓地管理システム7の利用方法について、図8及び図9を参照して説明する。利用者は、遺骨気化システム1によって遺骨10の気化処理を行ったことを示す還元証明書を取得する。還元証明書は、遺骨気化システム1及び墓地管理システム7を運用している事業者から発行され、還元証明書に記載される識別情報は管理端末71によって予め記憶部82に記憶される。
【0043】
利用者は、遺骨気化システム1の事業者から還元証明書を取得する(S11)。次に、所定のウェブページにアクセスし、還元証明書に記載されている識別情報に基づいて利用者登録を行う(S12)。利用者登録部84は、利用者端末72によって入力された利用者に関する情報と識別情報とを関連付けて利用者データ87として記憶部82に記憶する。
【0044】
利用者は、利用者端末72によって故人に関する情報を入力しDBを作成する(S13)。故人に関する情報とは、死亡日時、故人の家系、画像、動画、音声、経歴、出生地、年表、近親者及び続柄並びにそれらの個人情報である。
【0045】
次に、利用者は、利用者端末72からサーバ8の記憶部82に仮想墓地を生成する(S14)。仮想墓地は、図9に示すフローに基づいて生成される。
【0046】
利用者は、マップ上で仮想墓地を設置する位置を決定し(S21)、区画のサイズを大、中、小から選択する(S22)。宗教の宗派を選択すると(S23)、宗派に対応した墓石の一覧が利用者端末72に表示される。利用者は、例えば、三段、洋式平石、自然石等のうちから所望の意匠の墓石を選択する(S24)。
【0047】
次に、利用者端末72には宗派に対応した文字列が表示されるため、所望の文字列を選択する(S25)。このとき、任意の文字列を入力することもできる。さらに、文字の書式を、例えば、楷書、ゴシック体、草書、行書、隷書のうちから所望の書式を選択することができる。文字の書式は、これに限定されず任意の書体を選択可能としてもよい。
【0048】
利用者は、墓石の種類を、例えば、花崗岩、安山岩、班レイ岩等のうちから所望の石を選択する(S26)。最後に、利用者は、墓石の仕上げ方法を、例えば、本磨き、水磨き、びしゃん叩き、野面仕上げ等のうちから所望の方法を選択する(S27)。
【0049】
仮想墓地生成部85は、S21からS27によって選択された情報に基づいて仮想墓地を生成するとともに、墓地データ88として記憶部82に記憶する。利用者は、サーバ8にログインすることで、作成した仮想墓地にいつでも墓参りを行うことができる。
【0050】
このような構成によると、遺骨カプセル13又は遺骨バルーン14に水プラズマ火炎22Aによって気化された遺骨の気体を封止するため、遺骨カプセル13又は遺骨バルーン14を故人の遺骨として取り扱うことができる。遺骨カプセル13を装飾品として身に付ける場合には、従来の遺骨を整形した整形体を持ち運ぶときに比べ軽量となるため、身体への負担を軽減することができる。また、気化行程で気化させた気体を集塵ダクト4で集塵しているため、遺骨カプセル13及び遺骨バルーン14に気体を封入することができる。さらに、封止行程によって遺骨カプセル13及び遺骨バルーン14を封止しているため、気体が遺骨カプセル13及び遺骨バルーン14の外部に漏出することを抑制できる。
【0051】
このような構成によると、遺骨10を接着部材12に貼付して接着部材12と遺骨10とをプラズマトーチ22から発せられる水プラズマ火炎22Aで気化させるため、簡易な方法により遺骨10を保持した状態で水プラズマ火炎22Aを当てることができる。
【0052】
このような構成によると、遺骨バルーン14に複数のバルーンを装着して空中に飛ばすため、墓地等に埋葬する場合と比較すると維持管理費用がなく遺族の負担が少ない。さらに、空に遺骨が還元された気体を封入した遺骨バルーン14を飛ばすことにより、故人が空に帰るという遺族の意向を反映することができる。
【0053】
本発明による遺骨の埋葬方法及び遺骨容器は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0054】
上述の実施の形態では、故人の遺骨を対象としたが、これに限定されずペット等の動物の遺骨に対して遺骨気化システムを用いることもできる。
【0055】
上述の実施の形態では、遺骨容器として遺骨カプセル13及び遺骨バルーン14を例示したが、これに限定されず、気体が漏れない容器であればどのような形状であってもよい。
【0056】
上述の実施の形態では、遺骨10を接着部材12に貼付し水プラズマ火炎22Aで気化処理を行ったが、これに限定されない。例えば、遺骨10を直接保持して接着部材12に貼付することなく気化処理を行ってもよい。これにより、遺骨10が気化した気体のみを集塵することができるため、不要な不純物が混入する可能性が低くなる。
【符号の説明】
【0057】
1 遺骨気化システム
2 プラズマ発生装置
3 支持台
4 集塵ダクト
5 集塵ボックス
6 バルブ部
13 遺骨カプセル
14 遺骨バルーン
22 プラズマトーチ
22A 水プラズマ火炎
41 集塵口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9