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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】家具用接続部材および組み立て式家具
(51)【国際特許分類】
   F16B 12/40 20060101AFI20220818BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20220818BHJP
   F16B 12/48 20060101ALI20220818BHJP
   F16B 12/52 20060101ALI20220818BHJP
   F16B 7/18 20060101ALI20220818BHJP
   A47B 7/00 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
F16B12/40 C
A47B13/00 Z
F16B12/48 B
F16B12/52 B
F16B7/18 E
A47B7/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021140111
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520467899
【氏名又は名称】株式会社不動建装
(74)【代理人】
【識別番号】100184789
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼ 浩充
(72)【発明者】
【氏名】古川 貴晃
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-010504(JP,U)
【文献】特開2002-153326(JP,A)
【文献】実開平03-084407(JP,U)
【文献】米国特許第04923322(US,A)
【文献】実公昭47-009951(JP,Y1)
【文献】特開昭58-049111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 12/00- 12/60
F16B 7/18
F16B 7/20
A47B 96/06
A47B 96/02
A47B 13/00
A47B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレーム材を互いに接続させて構成される組み立て式家具に用いられ、中空構造の前記フレーム材に係合可能な家具用接続部材であって、
複数の前記フレーム材のうち第1のフレーム材とネジ材により螺合可能な基部と、
前記基部から直交方向に立ち上がる支持部と、
対向する複数の前記支持部の間に直交方向に配置される柱部と、
を備え、
複数の前記支持部は、互いに平行に配置されるとともに、複数の前記フレーム材のうち前記第1のフレーム材とは異なる第2のフレーム材の内周に当接するよう構成され
前記基部は、前記第2のフレーム材の開口部に収容可能に構成され
前記柱部は、対向し合う複数の前記支持部の各々に当接する家具用接続部材。
【請求項2】
前記基部は、前記第2のフレーム材の開口部に収容されると、前記第2のフレーム材の端部と略面一になるよう構成される請求項に記載の家具用接続部材。
【請求項3】
複数のフレーム材を互いに接続させて構成される組み立て式家具であって、
中空構造を有し、脚部を構成する第1フレーム材と、
対向する前記脚部同士を連結する第2フレーム材と、
前記第1フレーム材と前記第2フレーム材とを連結させる家具用接続部材、
を備え、
前記家具用接続部材は、
前記第2フレーム材と係合する基部と、
前記基部から垂直方向に立ち上がるとともに、前記第1フレーム材の内周に当接する支持部と、
をさらに備え、
対向する前記脚部を構成する複数の前記第1フレーム材に各々係合する複数の前記家具用接続部材同士は、前記支持部が互いに直交方向に配置される組み立て式家具。
【請求項4】
前記支持部は、前記基部から互いに略平行に複数形成される請求項に記載の組み立て式家具。
【請求項5】
前記第1フレーム材は、上部が開口する中空構造を有する請求項3又は4に記載の組み立て式家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具用接続部材および組み立て式家具に関し、殊に、フレーム材同士を接続させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のフレーム材を接続させて構成される組み立て式家具およびこれに用いられる家具用接続部材が知られている。一例として、脚部に貫通孔を設け、締結具であるボルトを挿通させて、天板に配置される埋込ナットに螺合させて構成されるユニット家具が提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3215275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において開示されるユニット家具によると、天板と脚部とはボルトと埋込ナットを係合させることにより接続される。しかしながら、天板と脚部の接続状態をボルトのみにより保持しなければならず、部材同士の接続状態を安定的に保持させるという点において改良の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するべく、部材同士の接続状態を安定的に保持可能な家具用接続部材および組み立て式家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、複数のフレーム材を互いに接続させて構成される組み立て式家具に用いられ、中空構造の前記フレーム材に係合可能な家具用接続部材であって、複数の前記フレーム材のうち第1のフレーム材とネジ材により螺合可能な基部と、前記基部から直交方向に立ち上がる支持部と、対向する複数の前記支持部の間に直交方向に配置される柱部とを備え、複数の前記支持部は、互いに平行に配置されるとともに、複数の前記フレーム材のうち前記第1のフレーム材とは異なる第2のフレーム材の内周に当接するよう構成され、前記基部は、前記第2のフレーム材の開口部に収容可能に構成され、前記柱部は、対向し合う複数の前記支持部の各々に当接する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、フレーム材同士の接続状態を安定的に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態における組み立て式家具の構成の一例を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図10】本発明の第2実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図11】本発明の第3実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
図12】本発明の第3実施形態における家具用接続部材の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者は、家具用接続部材および組み立て式家具について鋭意検討した結果、以下の知見を有するに至った。
【0010】
本発明の一態様である家具用接続部材は、複数のフレーム材を互いに接続させて構成される組み立て式家具に用いられ、中空構造の前記フレーム材に係合可能な家具用接続部材であって、前記フレーム材と係合可能な基部と、前記基部から直交方向に立ち上がる支持部とを備え、複数の前記支持部は、互いに平行に配置されるとともに、中空構造の前記フレーム材の内周に当接する家具用接続部材である。
【0011】
このような構成により、フレーム材同士を簡便かつ安定的に接続させることが可能となる。
【0012】
本発明の一態様である家具用接続部材は、複数のフレーム材を互いに接続させて構成される組み立て式家具に用いられ、前記フレーム材に係合可能な家具用接続部材であって、前記フレーム材と係合可能な基部と、前記基部から直交方向に立ち上がる支持部とを備え、複数の前記支持部は、互いに平行に配置されるとともに、前記フレーム材の周縁に当接する家具用接続部材である。
【0013】
このような構成により、フレーム材同士を簡便かつ安定的に接続させることが可能となる。
【0014】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記基部の各辺は、前記フレーム材の内周と略同じサイズに形成され、複数の前記支持部は、前記基部の端部に対向して各々配置されてもよい。
【0015】
このような構成により、フレーム材の中空に良好に進入するとともに、内周に複数の支持部が各々当接してフレーム材を安定的に支持可能となる。
【0016】
本発明の一態様である家具用接続部材において、一の前記支持部は、前記基部の端部に配置され、他の前記支持部は、前記基部の中間部に配置され、前記基部は、前記フレーム材を支持してもよい。
【0017】
このような構成により、基部がフレーム材を支持することが可能となる。
【0018】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記基部は、ネジ材を取り付け可能な第1の取付孔をさらに備えてもよい。
【0019】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記基部は、前記フレーム材の形状に対応して屈曲して構成されてもよい。
【0020】
このような構成により、家具用接続部材は、より安定的にフレーム材を支持可能となる。
【0021】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記基部は、複数の前記フレーム材同士の接続箇所の形状に対応して屈曲して構成されてもよい。
【0022】
このような構成により、家具用接続部材は、フレーム材同士の接続箇所に良好に当接することが可能となる。
【0023】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記基部は、前記フレーム材の断面の形状と略同じ形状に構成されてもよい。
【0024】
このような構成により、フレーム材から基部が突出するのを防止可能となる。
【0025】
本発明の一態様である家具用接続部材において、複数の前記支持部は略同形状に構成されてもよい。
【0026】
このような構成により、支持部は、各々フレーム材の内周と当接し、均等にこれを支持することが可能となる。
【0027】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記支持部は、ネジ材を取り付け可能な第2の取付孔を備え、前記第2の取付孔は、前記フレーム材に形成される貫通孔に対応する位置に形成されてもよい。
【0028】
このような構成により、家具用接続部材とフレーム材とをより強固に係合させることが可能となる。
【0029】
本発明の一態様である家具用接続部材において、前記支持部は、ネジ材を取り付け可能な複数の第2の取付孔を、対角の関係にある角部近傍に備えてもよい。
【0030】
このような構成により、家具用接続部材とフレーム材とを強固に螺合させることが可能となる。
【0031】
本発明の一態様である家具用接続部材を用いる組み立て式家具において、対向する脚部を構成する前記フレーム材に用いられる複数の前記家具用接続部材は、前記支持部同士が直交方向に配置されてもよい。
【0032】
このような構成により、多方向からの力に対して脚部を支持することが可能となる。
【0033】
本発明の一態様である家具用接続部材を用いる組み立て式家具において、前記フレーム材は、前記支持部の断面形状に対応する挿通孔を備え、前記支持部は、前記挿通孔に挿通可能に構成されてもよい。
【0034】
このような構成により、家具用接続部材は、より強固にフレーム材同士を接続可能となる。
【0035】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、同一の構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。
【0036】
図1は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。接続部材1は、組み立て式家具200に用いられる。組み立て式家具200は、複数のフレーム材100同士を互いに接続させて構成される。
【0037】
接続部材1は、フレーム材100に係合可能な部材であり、複数のフレーム材100同士を互いに接続させる。第1実施形態では、組み立て式家具200の一例として組み立て式テーブルを示す。ただし、本発明における組み立て式家具200はこれに限定されるものではなく、椅子、棚、陳列用棚など組み立て可能な家具を広く含む。
【0038】
組み立て式家具200を構成するフレーム材100の全部又は一部は、中空構造を有する。フレーム材100は、肉薄に構成されて貫通孔を備えてもよい。フレーム材100は、スチールなどの金属により構成されてもよいし、木、樹脂などにより構成されてもよい。フレーム材100が金属により構成される場合に、外側表面が防錆加工を施されてもよい。
【0039】
第1実施形態において例示される接続部材1は、基部2と、支持部4を備える。基部2は、平板状に構成される。支持部4は、基部2から立ち上がるとともに、基部2に対して直交方向に延びる。
【0040】
第1実施形態において例示される接続部材1は、複数の支持部4を備える。複数の支持部4は、各々対向して配置される。図1に示される例において、支持部4は、互いに平行に配置される。
【0041】
支持部4は、中空構造を有するフレーム材100の内周に進入可能に構成される。支持部4は、中空構造を有するフレーム材100の内周に当接可能に構成される。このような構成により、接続部材1は、フレーム材100に安定的に係合することができる。
【0042】
基部2は、フレーム材100に係合可能に構成される。このような構成により、接続部材1は、フレーム材100同士を安定的に接続させることが可能となる。第1実施形態に示される例において、基部2は、フレーム材100に螺合可能に構成される。一例として、基部2は、ボルト90を挿通可能な第1取付孔10を備えてもよい。
【0043】
図1において、接続部材1とフレーム材100とを螺合させる部材として、ボルト90を例示したが、これに限られず、例えば、先端がV字状に構成されるビスを用いてもよい。
【0044】
図1に示される例において、支持部4は、フレーム材100の開口部から中空に進入するとともに、フレーム材100の内周に当接する。基部2は、ボルト90を第1取付孔10に挿通させてフレーム材100と螺合される。2つのフレーム材100は、接続部材1を用いて互いに接続される。
【0045】
図2は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図2に示される例において、2つの支持部4は、基部2の端部に夫々配置される。2つの支持部4は、互いに対向して配置される。
【0046】
支持部4は、基部2に対して直交方向に立ち上がる。図2において、支持部4は、平面視矩形状に構成される。好ましくは、支持部4は、平面視長方形状に構成される。図2に示される例において、2つの支持部4は、互いに平行に配置される。
【0047】
図2に示される例において、基部2と支持部4とは一体形成される。接続部材1は、鉄などの金属により構成されてもよいし、樹脂や木材により構成されてもよい。好ましくは、接続部材1は、防錆加工を施された金属により構成されてもよい。或いは、これとは異なり、基部2と支持部4とは、互いに着脱可能に構成されてもよい。
【0048】
接続部材1は、フレーム材100が防錆加工を施された金属により構成される場合に、同じく防錆加工を施された金属により構成されてもよい。接続部材1は、フレーム材100と略同じ色彩の塗料により表面を塗装されてもよい。或いはこれとは異なり、接続部材1は、フレーム材100と相違する色彩の塗料により表面を塗装されてもよい。
【0049】
図2に示される例において、基部2は、第1取付孔10を略中央に備える。基部2は、複数の第1取付孔10を備えてもよいし、一の第1取付孔10を備えてもよい。好ましくは、基部2は、対角の角部の各々に第1取付孔10を備えてもよい。このような構成により、基部2は、フレーム材100との係合状態を安定化させることが可能となる。
【0050】
図2において、基部2は、正面視長方形状に構成される。支持部4は、基部2の長辺端部から、基部2に対して直交方向に立ち上がる。このような構成により、支持部4は、幅広に形成されるため、良好にフレーム材100の内周に当接する。
【0051】
これとは異なり、支持部4は、基部2の短辺端部から、基部2に対して直交方向に立ち上がって構成されてもよい。このように構成される場合、支持部4を細長に構成できるため、フレーム材100の開口が狭い場合にも進入可能となる。
【0052】
支持部4は、板状に構成される。支持部4は、一例として0.8mmから1.5mmの間の厚さを有してもよい。好ましくは、支持部4は、1.0mmから1.3mmの間の厚さを有してもよい。このように構成されることにより、フレーム材100の内周に当接し、フレーム材100を支持可能な強度を確保することができる。
【0053】
図2に示される例とは異なり、支持部4は、ボルト90を取り付け可能な第2取付孔12を備えてもよい。このような構成により、接続部材1とフレーム材100とを良好に係合させることが可能となる。
【0054】
好ましくは、第2取付孔12は、支持部4において対角の角部に各々配置されてもよい。このような構成により、接続部材1とフレーム材100とを強固に係合させることが可能となる。
【0055】
図3は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図3(a)は、接続部材1の側面図の一例である。支持部4は、基部2の端部から直交方向に延びる。2つの支持部4は対向して配置され、2つの支持部4の間は所定距離を有する。支持部4に隣接する面は開放される。このような構成により、接続部材1を軽量化することが可能となる。
【0056】
対向し合う複数の支持部4は、略同形状に構成される。支持部4は、フレーム材100の内周に対応するサイズに構成されてもよい。
【0057】
図3(b)に示される例において、基部2は長方形状に構成される。基部2は、フレーム材100の開口部の形状に対応する形状に構成されてもよい。このような構成により、基部2は、フレーム材100の開口部に嵌合することが可能となる。
【0058】
図4は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図4は、フレーム材100と接続部材1との係合態様の一例を示す。支持部4は、フレーム材100の開口から中空領域に進入し、フレーム材100の内周における一辺に当接する。図4に示される例において、支持部4の一辺は、フレーム材100における当接する一辺と略同サイズに構成される。このような構成により、支持部4は、フレーム材100の中空領域にスムーズに進入可能となる。
【0059】
接続部材1は、支持部4がフレーム材100の中空領域に進入して、基部2がフレーム材100の端部と略面一となるときに停止する。図4に示される例において、基部2は、フレーム材100の開口部と略同じ形状に構成される。このような構成により、基部2はフレーム材100の開口部と嵌合し、フレーム材100から基部2が突出するのを回避できる。
【0060】
図5は、第1実施形態における組み立て式家具200の構成の一例を示す図である。組み立て式家具200は、フレーム材100と、フレーム材同士を接続させる接続部材1とを備える。組み立て式家具200は、天板202をさらに備えてもよい。
【0061】
フレーム材100の全部又は一部は、中空構造を有する。図5に示される例において、接続部材1の支持部4は、中空構造を有するフレーム材100の内周に進入する。対向する脚部を構成するフレーム材100に用いられる複数の接続部材1は、各々の支持部4同士が直交方向に配置されてもよい。
【0062】
図5に示される例において、組み立て式家具200は、4脚の脚部を備える。脚部を構成するフレーム材100は、上部が開口する中空構造を備える。接続部材1は、脚部を構成するフレーム材100の開口部から支持部4が進入して、フレーム材100の内周に当接する。
【0063】
対向する脚部を構成するフレーム材100に接続部材1が係合する際に、各々の接続部材1の支持部4同士は、互いに直交方向に配置される。一例として、接続部材1a(1)の支持部4は、x軸とz軸により形成されるx-z面に延びる。接続部材1b(1)の支持部4は、y軸とz軸により形成されるy-z面に延びる。
【0064】
すなわち、図5に示される例において、接続部材1a(1)の支持部4と、接続部材1b(1)の支持部4は、互いに直交方向に配置される。接続部材1a(1)の支持部4は、y軸方向の力に対して脚部を良好に支持可能である。接続部材1b(1)の支持部4は、x軸方向の力に対して脚部を良好に支持可能である。このような構成により、接続部材1は、多方向からの力に対して良好に脚部を支持することが可能となる。
【0065】
図6は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図6に例示される接続部材1は、第1実施形態において上述された例とは異なり、支持部4は、基部2の中間部に配置される。
【0066】
図6に例示される接続部材1において、一の支持部4は、基部2の端部に配置され、他の支持部4は、基部2の中間部に配置される。基部2は、中間部に配置される支持部4との当接部より延伸する。このような構成により、基部2は、フレーム材100を良好に支持することができる。
【0067】
図6に例示される接続部材1において、基部2は、複数の第1取付孔10を備える。一の第1取付孔10は、中間部に配置される支持部4より延伸する部分に配設される。このような構成により、基部2は、その延伸する部分によりフレーム材100を良好に支持できるとともに、複数のフレーム材100同士を良好に接続させることが可能となる。
【0068】
図7は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図7に例示される接続部材1は、第1実施形態において上述された例とは異なり、フレーム材100は、支持部4を挿通可能な挿通孔110を備える。
【0069】
挿通孔110は、支持部4の形状に対応する形状に形成される。図7に示される例において、支持部4は、一のフレーム材100の挿通孔110に挿通された後に、他のフレーム材の開口部から進入して内周に当接する。
【0070】
基部2がフレーム材100と当接するまで、支持部4はフレーム材100の中空領域を進む。基部2がフレーム材100と当接すると、支持部4は停止する。挿通孔110を備えるフレーム材100は、接続部材1と他のフレーム材100により挟持される。このような構成によると、接続部材1は、フレーム材100同士を安定的に接続させることが可能となる。
【0071】
図8は、第1実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図8に例示される接続部材1は、第1実施形態において上述された例とは異なる。図8において、接続部材1は、対向し合う支持部4の間に柱部6をさらに備える。
【0072】
図8(a)に示されるように、柱部6は、対向し合う支持部4の間に配置される。柱部6の端部は、対向し合う支持部4の各々に当接する。このような構成により、支持部4がフレーム材100の内周に当接している状態において、フレーム材100から中心方向に押圧された場合に、柱部6は、支持部4同士の距離を良好に維持することが可能となる。
【0073】
図8(b)の底面図に示されるように、柱部6は、支持部4と直交するように端部が当接する。このような構成により、柱部6は、フレーム材100による中心方向への押圧力に対して、良好に支持部4同士の距離を維持することが可能となる。
【0074】
第1実施形態において上述した接続部材1において、支持部4は、フレーム材100の外周に当接してもよい。このような構成により、接続部材1は、フレーム材100の端部断面を隠蔽することが可能となる。
【0075】
一例として、天板202がガラスや樹脂などの透視可能な素材で構成される場合に、接続部材1は、フレーム材100の端部断面を隠蔽することにより、天板202を通してフレーム材100の断面が視認されるのを抑制する。これにより、組み立て式家具200の美観向上を促進できる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、接続部材1は、フレーム材100の外周に当接する。
【0077】
図9は、第2実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。第2実施形態において、接続部材1は、接続される複数のフレーム材100の外壁に当接するとともに、ボルト90により各々のフレーム材100に螺合する。
【0078】
第2実施形態において、支持部4は、フレーム材100の外周に当接可能に構成される。図9に示される例において、支持部4は、複数のフレーム材100が直交する側面に当接する。支持部4は、複数のフレーム材100が直交方向に接続される側面を支持する。
【0079】
なお、図9における例示とは異なり、支持部4は、直交方向に接続されるフレーム材100の各々と螺合可能に構成されてもよい。このように構成されることにより、支持部4は複数のフレーム材100を安定的に接続させることが可能となる。
【0080】
第2実施形態において、基部2は、複数のフレーム材100同士の接続部分の形状に応じて屈曲して構成される。図9に例示される接続部材1において、基部2は、2つのフレーム材100同士が直交方向に接続されるのに応じて屈曲部を有する。
【0081】
図9に示される例において、基部2は、直交方向に接続されるフレーム材100の角部に外側から当接する。基部2は、屈曲部を挟む各面において第1取付孔10を備える。基部2は、ボルト90によりフレーム材100と螺合可能に構成される。
【0082】
図10は、第2実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図10(a)に示されるように、基部2は、屈曲部を有する。複数の支持部4は、基部2の端部から各々立ち上がって配置される。複数の支持部4は、互いに平行に対向する。
【0083】
図10(a)に示される接続部材1は、一面が開放され、他の面が基部2と支持部4により閉塞される三角柱状に構成される。複数のフレーム材100同士が交錯して形成される角部に、開口から接続部材1を被せるように配設することが可能である。基部2が複数のフレーム材100同士の接続箇所の形状に対応して屈曲するため、基部2は接続される各フレーム材100に良好に当接可能である。
【0084】
上述したように、図10(a)に例示される支持部4は、互いに平行に対向して配置される。支持部4は、複数のフレーム材100同士が接続して形成される角部の側面に良好に当接可能である。また、支持部4は、フレーム材100同士の接続状態を側面から良好に支持することができる。
【0085】
図10(b)に例示される接続部材1は、2面が開放されるとともに、他の面が基部2と支持部4により閉塞される三角柱状に構成される。図10(b)に例示される接続部材1において、基部2は、接続される複数のフレーム材100のうち一のフレーム材100の外壁に螺合可能に構成される。
【0086】
支持部4は、接続される複数のフレーム材100の各々と螺合可能に構成されてもよい。殊に、直交方向に接続される複数のフレーム材100の各々と螺合することにより、支持部4は、フレーム材100の接続状態を良好に保持可能である。
【0087】
図10(c)に例示される接続部材1は、図10(a)および(b)において上述した場合とは異なり、単数の支持部4を備える。支持部4は、基部2の端部から直交方向に立ち上がる。支持部4の一辺は、基部2の対向する端部同士を結ぶ。このような構成により、複数のフレーム材100の接続状態を良好に保持可能となる。
【0088】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態にて例示される接続部材1において、支持部4は、ボルト90を取り付け可能な第2取付孔12を備える。
【0089】
図11は、第3実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。支持部4は、ボルト90を取り付け可能な第2取付孔12を備える。第2取付孔12は、フレーム材100に形成される貫通孔に対応する位置に形成される。
【0090】
図11に示されるように、第2取付孔12にボルト90が挿通されるとともに、ボルト90はフレーム材100に形成される貫通孔に挿通される。これにより、接続部材1とフレーム材100が螺合される。支持部4は、フレーム材100の外周に当接する。
【0091】
図11に示される例において、支持部4は複数の第2取付孔12を備える。ただし、これに限られず、支持部4は一の第2取付孔12を備えてもよい。
【0092】
第3実施形態において、支持部4は、基部2に当接する。図11に示される例において、支持部4は、基部2に直交方向に当接する。
【0093】
基部2は、複数のフレーム材100同士の接続箇所の形状に応じて屈曲して構成される。図11に示される例において、基部2は、複数のフレーム材100同士の接続箇所に下方から当接する。このような構成により、基部2は、フレーム材100同士の接続箇所を支持することが可能となる。
【0094】
図12は、第3実施形態における接続部材1の構成の一例を示す図である。図12(a)における正面図に示されるように、基部2は、略直角に屈曲する屈曲部を有する。支持部4は、基部2に対して直交方向に端部に当接する。
【0095】
支持部4は、接続される複数のフレーム材100の各々の外周に当接可能に構成される。図12(a)に示される例では、支持部4は正面視三角形状に構成されるが、これに限られず、矩形状或いは円形状に構成されてもよい。
【0096】
第2取付孔12は、複数のフレーム材100の各々に形成される貫通孔に対応する位置に形成される。このような構成により、支持部4は、接続される複数のフレーム材100の各々と螺合する。そのため、フレーム材100同士の接続状態を良好に保持することが可能となる。
【0097】
図12(b)における斜視図に示されるように、複数の支持部4は、各々基部2の端部に当接し、互いに対向し合う。好ましくは、支持部4は、互いに平行に対向し合い、基部2を挟持する。
【0098】
対向し合う複数の支持部4同士の距離は、フレーム材100の幅方向のサイズと略同じであってもよい。図12(b)において、x軸方向の基部2のサイズは、フレーム材100の幅方向のサイズと略同じであってもよい。このような構成により、複数のフレーム材100同士を接続させる際に、フレーム材100の各々に基部2および支持部4を当接させることにより、簡便かつ効率的にフレーム材100同士を接続させることが可能となる。
【0099】
(変形例)
上記の各実施形態において、本発明が適用される一例を説明した。しかしながら、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。
【0100】
上記各実施形態において、複数の支持部4同士は、互いに平行に対向し合う場合を説明した。しかしながら、これに限られず、支持部4同士の距離が先端に向かって漸次拡大してもよい。
【0101】
このような構成により、支持部4は、フレーム材100の内周に良好に当接するとともに、フレーム材100内からの抜けを良好に抑制できる。
【0102】
また、上記各実施形態において、基部2および支持部4が板状に構成される場合を示した。しかしながら、これに限られず、基部2および支持部4の両方又は一方は、内部が開口するとともに周囲を囲むフレーム状に構成されてもよい。このような構成により、接続部材1の軽量化を促進できる。
【0103】
また、上記各実施形態において、接続部材1とフレーム材100とが螺合する場合を示したが、これに限られず、公知の係合態様を広く含む。
【0104】
また、上記各実施形態において、接続部材1とフレーム材100とを螺合させる部材として、ボルト90を例示したが、これに限られず、先端がV字状のビスを用いてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 接続部材(家具用接続部材)
2 基部
4 支持部
10 第1取付孔(第1の取付孔)
12 第2取付孔(第2の取付孔)
100 フレーム材
110 挿通孔
200 組み立て式家具
【要約】
【課題】部材同士の接続状態を安定的に保持可能な家具用接続部材および組み立て式家具を提供する。
【解決手段】複数のフレーム材100を互いに接続させて構成される組み立て式家具200に用いられ、中空構造のフレーム材100に係合可能であって、フレーム材100と係合可能な基部2と、基部2から直交方向に立ち上がる支持部4とを備え、複数の支持部4は、互いに平行に配置されるとともに、中空構造のフレーム材100の内周に当接する接続部材1を提供する。
【選択図】図1
図1
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図10
図11
図12