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特許7125735高性能グラファイトシート及びその製造方法(Graphite Sheet Having Excellent Thermal Conductivity and Method for Preparing The Same)
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  • 特許-高性能グラファイトシート及びその製造方法(Graphite  Sheet  Having  Excellent  Thermal  Conductivity  and  Method  for  Preparing  The  Same) 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】高性能グラファイトシート及びその製造方法(Graphite Sheet Having Excellent Thermal Conductivity and Method for Preparing The Same)
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/205 20170101AFI20220818BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20220818BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20220818BHJP
   C08K 3/30 20060101ALI20220818BHJP
   C08K 3/32 20060101ALI20220818BHJP
   C08L 79/08 20060101ALI20220818BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20220818BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
C01B32/205
C08J5/18 CFG
C08K3/26
C08K3/30
C08K3/32
C08L79/08 Z
H01L23/36 D
H01L23/36 M
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017249200
(22)【出願日】2017-12-26
(65)【公開番号】P2019089688
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0149916
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514225065
【氏名又は名称】ピーアイ アドヴァンスド マテリアルズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PI Advanced Materials CO., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、トン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒョン チャイ
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョン ス
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-017169(JP,A)
【文献】特開2017-043668(JP,A)
【文献】特開平06-145378(JP,A)
【文献】特開2006-225640(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0112329(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/205
C08J 5/18
C08K 3/26
C08K 3/30
C08K 3/32
C08L 79/08
H01L 23/36
H01L 23/373
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化および/または黒鉛化させて高性能グラファイトシートを製造する方法であって、
前記ポリイミドフィルムは
1フィラーをフィラー全体に対して、0%超過乃至40%以下の含量比で含み
2フィラーをフィラー全体に対して、60%以上乃至100%未満の含量比で含み、
前記第1フィラーは、平均粒径が2.0μm乃至2.5μmであり、
前記第2フィラーは、平均粒径が1.0μm乃至1.6μmであり、
前記第1フィラーと前記第2フィラーの合計は、ポリアミック酸の重量を基準に2000ppm乃至4000ppmの含量で含まれ、
熱伝導度が1,400W/m・K以上である高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項2】
第1項において、
前記第1フィラーと前記第2フィラーは、炭化および/または黒鉛化過程において昇華されて、前記グラファイトシートに空隙を形成する高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項3】
第1項において、
前記フィラーは、平均粒径が相対的に大きい第1フィラー及び平均粒径が相対的に小さい第2フィラーを含む高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項4】
第1項において、
前記第1フィラーと前記第2フィラーは、炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム及び硫酸バリウムからなる群から選択される一つ以上である高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項5】
第4項において、
前記第1フィラーと前記第2フィラーは、第2リン酸カルシウムおよび/または硫酸バリウムである高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項6】
第1項において、
前記黒鉛化工程における熱処理温度は、2700℃以上である高性能グラファイトシートの製造方法。
【請求項7】
二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化及び/または黒鉛化させて製造された高性能グラファイトシートであって、
前記ポリイミドフィルムは
1フィラーをフィラー全体に対して、0%超過乃至40%以下の含量比で含み
2フィラーをフィラー全体に対して、60%以上乃至100%未満の含量比で含み、
前記第1フィラーは、平均粒径が2.0μm乃至2.5μmであり、
前記第2フィラーは、平均粒径が1.0μm乃至1.6μmであり、
前記第1フィラーと前記第2フィラーの合計は、ポリアミック酸の重量を基準に2000ppm乃至4000ppmの含量で含まれ、
熱伝導度が1,400W/m・K以上である高性能グラファイトシート。
【請求項8】
第7項において、
前記ポリイミドフィルムは、平均粗さ(average roughness;Ra)が8nm乃至30nmである高性能グラファイトシート。
【請求項9】
第7項において、
前記炭化及び黒鉛化の過程においてフィラーが昇華されて形成された空隙を含む高性能グラファイトシート。
【請求項10】
第9項において、
前記空隙の少なくとも一部は、グラファイトシートの表面に突出された形状の突起を形成する高性能グラファイトシート。
【請求項11】
第10項において、
前記突起は平均粒径が0.5mm未満である高性能グラファイトシート。
【請求項12】
第7項において、
前記黒鉛化工程における熱処理温度は2700℃以上である高性能グラファイトシート。
【請求項13】
第7項において、
前記グラファイトシートは15μm乃至40μmの厚さを有する高性能グラファイトシート。
【請求項14】
第7項による高性能グラファイトシートを含む電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高性能グラファイトシート及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ポリイミド樹脂とは、芳香族二無水物と芳香族ジアミンまたは芳香族ジイソシアネートを溶液重合してポリアミック酸誘導体を製造した後、高温で閉環脱水させてイミド化して製造される高耐熱樹脂をいう。
【0003】
ポリイミドフィルムは、このようなポリイミド樹脂を用いて薄い薄膜の形態で製造したフィルムであって、機械的及び熱的寸法安定性に優れており、化学的安定性を有する特性によって、電気/電子材料、宇宙/航空及び電気通信分野にわたって広く用いられている。
【0004】
特に、最近の電子機器は、徐々にその構造が軽量化、小型化、薄型化及び高集積化されているため、これにより単位体積当りの発熱量が増加し熱負荷による多くの問題が発生しており、これによって、このような電子機器の効果的な熱の放出は至って重要な課題の一つとして注目されている。
【0005】
これに対して、前記電子機器に使用される放熱手段としては、グラファイトが例として挙げられており、グラファイト(graphite)は炭素原子が六角形で形成された板状の二次元のシートであるグラフェン(graphene)が積層された構造であり、熱伝導度及び機械的強度が高い。
【0006】
かかるグラファイトは二次電池、燃料電池及びスーパーキャパシタ(super capacitor)のようなエネルギー保存素材、濾過膜、化学検出器、透明電極及び放熱材料などで広く使用されている。
【0007】
特に、最近は、ポリイミド樹脂を用いて製造されたポリイミドフィルムを炭化させた後に黒鉛化させることによって製造されるグラファイトシートに対する関心が高まっている。
【0008】
具体的には、前記グラファイトシートはポリイミドフィルムをそれぞれ異なる温度範囲で熱処理して炭化及び黒鉛化させることによって製造される。
【0009】
この際、前記ポリイミドフィルムから製造されたグラファイトシートは、炭化及び黒鉛化工程において印加される熱によって脆性(brittleness)が増加するため、相対的に劣悪な柔軟性を有する。
【0010】
これに対して、熱によって昇華されるフィラーを前記ポリイミドフィルムに添加して、グラファイトシートを製造するための炭化および/または黒鉛化過程において前記フィラーの昇華によりグラファイトシート内に空隙を発生させることによって、前記柔軟性の劣化を解消することができる。
【0011】
しかし、前記フィラーの平均粒径及び含量のような要因に応じてポリイミドフィルム表面の粗さ(roughness)が低下し、これによって前記フィルムの巻き取り性が低下し、表面に突出痕が発生することがあり、前記空隙によってグラファイトシートの熱伝達経路が長くなってむしろ熱伝導度が低下するなどの問題が発生することもあり得る。
【0012】
即ち、グラファイトシートを製造するにおいて、グラファイトシートの優れた熱伝導度とその他の物理的特性を同時に維持することは至って難しい実情である。
【0013】
従って、このような問題を根本的に解決できる技術に関する必要性が高い実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記のような従来技術の問題点と過去から求められてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本出願の発明者らは、深度ある研究と様々な実験を重ねた結果、以下に説明することを確認し、本発明を完成するに至った。すなわち、平均粒径が異なる2以上のフィラーを含むポリイミドフィルムからグラファイトシートを製造するように構成されることによって、熱伝導度が1,400W/m・K以上の高性能グラファイトシートを製造することができる。
【0016】
また、前記優れた熱伝導度の他に、グラファイトシートの製造過程において発生し得る脆性の増加、柔軟性の低下を予防することができるため、グラファイトシートの優れた熱伝導度及び物理的特性を同時に達成することができる。
【0017】
また、小さい平均粒径を有するフィラーのみを添加する場合に発生し得るポリイミドフィルムの粗さの低下による工程性の低下を予防し、前記ポリイミドフィルム表面における突出痕の発生を無くすか、最小化することができる。
【0018】
従って、グラファイトシートの取り扱い及び成形時に発生し得る損傷などを最小化することができて、これによって最終製品の不良を無くすか、最小化することができるため、前記グラファイトシートの製造に所要される人力、時間及び費用を節約できることを確認した。
【0019】
二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化および/または黒鉛化させて高性能グラファイトシートを製造する方法であって、
前記ポリイミドフィルムは平均粒径が異なる2以上のフィラー(filler)を含み、
熱伝導度が1,400W/m・K以上であってもよい。
【0020】
一つの具体例として、前記フィラーは、炭化および/または黒鉛化の過程において昇華されることによって前記グラファイトシートに空隙を形成することができる。
【0021】
また、前記フィラーは、平均粒径が相対的に大きい第1フィラー及び平均粒径が相対的に小さい第2フィラーを含むことができる。
【0022】
一方、前記ポリイミドフィルムは、
前記第1フィラーをフィラー全体に対して、0%超過乃至40%以下の含量比で含むことができ、
前記第2フィラーをフィラー全体に対して、60%以上乃至100%未満の含量比で含むことができる。
【0023】
一つの具体例として、前記第1フィラーは平均粒径が2.0μm乃至2.5μmであり、
前記第2フィラーは平均粒径が1.0μm乃至1.6μmであってもよい。
【0024】
また、前記フィラーは、ポリアミック酸の重量を基準に2000ppm乃至4000ppmの含量で含むことができる。
【0025】
一方、前記フィラーは炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム及び硫酸バリウムからなる群から選択される一つ以上であってもよい。
【0026】
さらに具体的には、前記フィラーは第2リン酸カルシウムおよび/または硫酸バリウムであってもよい。
【0027】
一つの具体例として、前記黒鉛化工程における熱処理温度は2700℃以上であってもよい。
【0028】
本発明は、また、二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化および/または黒鉛化させて製造された高性能グラファイトシートであって、
前記ポリイミドフィルムは平均粒径が異なる2以上のフィラー(filler)を含み、
熱伝導度が1,400W/m・K以上である高性能グラファイトシートを提供する。
【0029】
この際、前記ポリイミドフィルムは平均粗さ(average roughness;Ra)が8nm乃至30nmであってもよい。
【0030】
また、前記炭化及び黒鉛化の過程においてフィラーが昇華されて形成された空隙を含むことができる。
【0031】
この際、前記空隙の少なくとも一部はグラファイトシートの表面に突出された形状の突起を形成することができる。
【0032】
また、前記突起は平均粒径が0.5mm未満であってもよい。
【0033】
一方、前記黒鉛化工程における熱処理温度は2700℃以上であってもよい。
【0034】
一つの具体例として、前記グラファイトシートは15μm乃至40μmの厚さを有することができる。
【0035】
また、本発明は、前記高性能グラファイトシートを含む電子装置を提供する。
【発明の効果】
【0036】
以上に説明したように、本発明による高性能グラファイトシートの製造方法は、平均粒径が異なる2以上のフィラーを含むポリイミドフィルムからグラファイトシートを製造するように構成されることによって、熱伝導度が1,400W/m・K以上である高性能グラファイトシートを製造することができる。
【0037】
また、前記優れた熱伝導度の他に、グラファイトシートの製造過程において発生し得る脆性の増加、柔軟性の低下を予防することができるため、グラファイトシートの優れた熱伝導度及び物理的特性を同時に達成することができる。
【0038】
また、均一な平均粒径を有するフィラーを添加する場合に発生し得るポリイミドフィルムの粗さの低下による工程性の低下を予防し、前記ポリイミドフィルム表面における突出痕の発生を無くすか、最小化することができる。
【0039】
従って、グラファイトシートの取り扱い及び成形時に発生し得る損傷などを最小化することができて、これにより最終製品の不良を無くすか、最小化することができるため、前記損傷及び不良を処理するために所要される人力、時間及び費用を節約できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は比較例3のポリイミドフィルムを巻き取りした場合の外面写真である。
【0041】
図2図2は実施例1のポリイミドフィルムを用いて製造されたグラファイトシートの外面写真である。
【0042】
図3図3は比較例1のポリイミドフィルムを用いて製造されたグラファイトシートの外面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0044】
本発明による高性能グラファイトシートの製造方法は、二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化および/または黒鉛化させて高性能グラファイトシートを製造する方法であって、前記ポリイミドフィルムは平均粒径が異なる2以上のフィラー(filler)を含み、熱伝導度が1,400W/m・K以上であってもよい。
【0045】
詳細には、前記グラファイトは熱伝導度が1,500W/m・K以上、更に詳細には1,600W/m・K以上であってもよい。
【0046】
上述と同様に、グラファイトシートは熱処理による炭化および/または黒鉛化の過程において柔軟性が低下し、脆性(brittleness)が増加することが一般的である。これに対して、本発明によるポリイミドフィルムに含まれるフィラーは、グラファイトシートを製造するための炭化および/または黒鉛化の過程において昇華されるため、前記グラファイトシートに空隙を形成することができる。
【0047】
さらに具体的には、前記フィラーは、グラファイトシートを製造するための炭化および/または黒鉛化の過程において熱によって昇華されて、前記昇華過程において発生するガスがグラファイトシートに発泡性空隙を発生させる。前記グラファイトシートに形成された発泡性空隙はグラファイトシートの柔軟性を向上させることができるため、これによって前記グラファイトシートの取り扱い性及び成形性が向上され得る。
【0048】
特に、前記ロールタイプのグラファイトシート用ポリイミドフィルムは、平均粒径が異なる2以上のフィラーを含むことによって、均一な平均粒径のフィラーを含むポリイミドフィルムに比べて、グラファイトシートの製造時に所望する程度の優れた熱伝導度と柔軟性、および脆性を同時に達成することができて、前記ポリイミドフィルム表面の低い粗さによる突出痕の発生を予防することができる。
【0049】
具体的に、前記ポリイミドフィルムが平均粒径が小さいフィラーのみを含む場合には、微細な発泡性空隙によってグラファイトシートの熱伝導度を1,400W/m・K以上に維持しながらも、前記シートの柔軟性を向上させることができる一方で、前記平均粒径が小さいフィラーによって、グラファイトシートを製造する前に、これを含むポリイミドフィルムの表面粗さが低くなることがあり得る。
【0050】
これによって、表面接着性を向上させるためのコロナ処理のようにポリイミドフィルムを追加加工する過程において、または、グラファイトシートを製造する過程において、前記ポリイミドフィルムを巻き取る場合、相互重畳されるフィルム表面間の摩擦力が増加するようになって、工程取り扱い性が低下する。詳細には、前記重畳されるフィルム間で増加された摩擦力は、ポリイミドフィルムの巻き取り過程において発生する斜行性による巻き取り不良の修正を困難にすることで、結果的に巻き取り性が低下されて、コロナ処理時に増加される接着性によるブロッキング(blocking)現象を発生させることがある。
【0051】
また、前記巻き取り過程において重畳されるフィルムの間に微細なサイズの異物が流入される場合、低い表面粗さのために前記異物のサイズを相殺することができる位の空間を確保することができない。従って、巻き取りを繰り返してロールの厚さが増加するほど前記異物によって該当部位の厚さの偏差が増加するため、結局、異物によって変形された痕跡である突出痕が発生し得る。
【0052】
即ち、前記フィラーを添加してポリイミドフィルムを製造する場合、前記ポリイミドフィルムから製造されるグラファイトシートが優れた熱伝導度を維持するためには平均粒径が小さいフィラーを添加しなければならないが、これによってポリイミドフィルムの表面粗さが低くなり、製品生産間の工程性が低下し、突出痕が発生し得る。
【0053】
これと反対に、前記ポリイミドフィルムが平均粒径が大きいフィラーのみを含む場合には、炭化及び黒鉛化の過程において前記フィラーの昇華によって発生する発泡性空隙がグラファイトシートの表面に過度に大きく、より詳細には約0.5mm以上の直径を有するサイズの突起であるブライトスポット(bright spot)を形成して外面不良を形成することができる。また、前記大きい空隙によってグラファイトシートの熱伝達経路が長くなるため、前記グラファイトシートの熱伝導度を低下させることができ、グラファイトシートに形成される空隙の量が減少することによって、むしろシートの脆性を増加させることがあるという問題点がある。
【0054】
これによって、前記フィラーは平均粒径が相対的に大きい第1フィラー及び平均粒径が相対的に小さい第2フィラーを含むことによって、前記フィラーを含むポリイミドフィルムから製造されるグラファイトシートが所望の熱伝導度を維持すると同時に、前記均一な平均粒径のフィラーのみを含む場合に発生し得る問題点を解決することができる。
【0055】
ここで、前記二無水物単量体は、ピロメリト酸二無水物(pyromellitic dianhydride;PMDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(biphenyltetracarboxylic dianhydride;BPDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(benzophenonetetracarboxylic dianhydride;BTDA)及びオキシジフタル酸無水物(oxydiphthalic anhydride;ODPA)からなる群から選択される1種以上の単量体を含むことができ、詳細にはPMDAを含むことができる。
【0056】
また、前記ジアミン単量体は、オキシジアニリン(oxydianiline;ODA)、メチレンジアニリン(methylenedianiline;MDA)及びパラフェニレンジアミン(para-phenylenediamine;PPD)単量体から選択される1種以上の単量体を含むことができ、詳細にはODA、またはODA及びMDAを含むことができる。
【0057】
この際、前記ポリイミドフィルムは、
前記第1フィラーをフィラー全体に対し、0%超過乃至40%以下の含量比で含むことができ、前記第2フィラーをフィラー全体に対し、60%以上乃至100%未満の含量比で含むことができる。
【0058】
即ち、前記ポリイミドフィルムは、優れた熱伝導度を維持するため相対的に平均粒径が大きい第1フィラーに比べて平均粒径が小さい第2フィラーをより高含量で含むことができる。
【0059】
また、前記第1フィラーは平均粒径が2.0μm乃至2.5μmであってもよく、
前記第2フィラーは平均粒径が1.0μm乃至1.6μmであってもよい。
【0060】
若し、前記第1フィラーまたは第2フィラーの含量比および/または平均粒径が、前記範囲から外れて大き過ぎたり、小さ過ぎる場合には、上述のように最終的に製造されるグラファイトシートの熱伝導度、柔軟性、及び脆性を同時に所望の範囲で維持することができず、前記フィラー及びフィラーの昇華過程において発生する空隙が上述したポリイミドフィルムの巻き取り性の低下、表面突出痕の増加、グラファイトシート外面の不良の問題点を発生し得る。
【0061】
一方、前記フィラーは、ポリアミック酸の重量を基準に2000ppm乃至4000ppmの含量で含むことができる。
【0062】
若し、前記フィラーの含量がポリアミック酸の重量を基準に2000ppm未満になる場合には、前記フィラーの昇華によってグラファイトシートに発生する空隙が少なくなるため、所望の柔軟性増加の効果を発揮できない一方、ポリイミドフィルムの表面の粗さが低くなって摩擦力が増加するため、巻き取り性が低下し、巻取りの過程において流入される異物による突出痕が発生し得る。
【0063】
これと反対に、前記フィラーの含量がポリアミック酸の重量を基準に4000ppmを超過する場合には、前記フィラーの昇華によってグラファイトシートに発生する空隙が多くなり過ぎるためグラファイトシートの熱伝導度が低下される一方、脆性を増加させることがある。
【0064】
また、前記平均粒径が異なる2以上のフィラーは、互いに同一または異なる物質からなることができ、詳細には前記フィラーは炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム及び硫酸バリウムからなる群から選択される一つ以上であってもよい。
【0065】
より詳細には、前記平均粒径が異なる2以上のフィラーは、第2リン酸カルシウムおよび/または硫酸バリウムであってもよく、その種類がこれに限られるものではなく、ポリイミドフィルムを炭化及び黒鉛化させてグラファイトシートを製造する過程において昇華されることにより十分な空隙を形成できるものであれば、特に制限されない。
【0066】
また、前記黒鉛化工程における熱処理温度は2700℃以上であってもよい。
【0067】
若し、前記黒鉛化工程における熱処理温度が2700℃未満の場合には、前記工程を経て製造されたグラファイトシートの熱伝導度を含む物性が低下されることがある。
【0068】
一方、本発明は、二無水物単量体とジアミン単量体の反応によって形成されたポリアミック酸をイミド化して製造されるポリイミドフィルムを、炭化および/または黒鉛化させて製造された高性能グラファイトシートであって、
前記ポリイミドフィルムは平均粒径が異なる2以上のフィラー(filler)を含み、
本発明は、熱伝導度が1,400W/m・K以上の高性能グラファイトシートを提供する。詳細には、前記グラファイトは熱伝導度が1,500W/m・K以上、更に詳細には、1,600W/m・K以上であってもよい。
【0069】
ここで、前記ポリイミドフィルムは平均粗さ(Ra)が8nm乃至30nmであってもよい。
【0070】
若し、前記ポリイミドフィルムの粗さが前記範囲から外れて過度に低い場合には、フィルムの巻き取りの際に発生する突出痕を効果的に予防することができず、前記フィルム表面の摩擦力が増加するにつれて巻き取り性が低下されるため、結果的に製品生産間の工程性が低下されることがある。
【0071】
これと反対に、前記ポリイミドフィルムの粗さが前記範囲から外れて過度に高い場合には、ポリイミドフィルムの加工及びグラファイトシートの製造のための巻取りの際に、互いに重畳される表面間に不要に広い離隔空間が発生する場合があり、巻取りを繰り返してロールの厚さが増加するほど、前記離隔空間によって重畳されるフィルム自体の厚さに比べてロールの厚さが過度に増加するため、これに対する取り扱いが容易ではなく、保存及び輸送の際に過度に広い空間が所要される問題がある。
【0072】
一つの具体例としては、前記高性能グラファイトシートは前記炭化及び黒鉛化の過程においてフィラーが昇華されて形成された空隙を含んでもよい。
【0073】
この際、前記空隙の少なくとも一部は、グラファイトシートの表面に突出された形状の突起を形成することができるが、前記突起は平均粒径が0.5mm未満であってもよい。
【0074】
前記平均粒径が0.5mm以上である突起はブライトスポットとして外面不良を発生させ得るという問題がある。
【0075】
しかし、本発明の方法によって製造された高性能グラファイトシートは、平均粒径が大きいフィラーに比べて、平均粒径が小さいフィラーを相対的に高含量で含むことによって、前記ブライトスポットによる外面不良の問題点を解決することができる。
【0076】
一方、前記黒鉛化工程における熱処理温度は2700℃以上であってもよい。
【0077】
また、前記グラファイトシートは15μm乃至40μmの厚さを有していてもよい。
【0078】
若し、前記グラファイトシートの厚さが前記範囲から外れて過度に薄い場合や、厚過ぎる場合には、所望の範囲の熱伝導度を発揮することができないことがあり、所望の電子装置などにグラファイトシートを適用するための加工過程においてこの取り扱い及び成形が容易ではない場合がある。
【0079】
本発明は、また、前記高性能グラファイトシートを含む電子装置を提供しており、前記電子装置の具体的な種類、構成乃至構造は当業界に公知されているため、これに関する詳細な説明は省略する。
【0080】
以下、本発明の実施例及びそれに応じる図面を参照して本発明をさらに上述するが、本発明の範疇がそれによって限られるのではない。
【実施例
【0081】
<実施例及び比較例:ポリイミドフィルムの製造>
〔実施例1〕
0.8L反応器に溶媒としてジメチルホルムアミド405.5gを入れて、温度を30℃に設定した後、ジアミン単量体としてODA44.3gを投入し溶解させた後に、二無水物としてピロメリット酸二無水物を47.8g投入して、溶解及び重合反応させてポリアミック酸溶液を製造した。前記製造されたポリアミック酸溶液に第1フィラーとして平均粒径が2.0μmの第2リン酸カルシウム0.0018g及び第2フィラーとして平均粒径が1.0μmの第2リン酸カルシウム0.1824gを投入して第1フィラー:第2フィラー=1:99の含量比を有し、フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に2000ppmになるように混合溶液を製造した。製造された混合溶液をイミド化触媒、脱水剤と混合した後に、前記混合溶液が乾燥後に所定の厚さになるようにガラス板またはスチール板上に塗布した後、110℃のオーブンで熱風にて4分、280℃のオーブンで熱風にて3分、420℃のオーブンで熱風にて3分間、順次的に乾燥することにより、50μmの厚さを有するシート形状のポリイミドフィルムを製造した。
【0082】
〔実施例2〕
第1フィラー:第2フィラー=20:80の含量比を有するように、前記第1フィラー及び第2フィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0083】
〔実施例3〕
第1フィラー:第2フィラー=40:60の含量比を有するように、前記第1フィラー及び第2フィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0084】
〔実施例4〕
第1フィラーの平均粒径が2.3μmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0085】
〔実施例5〕
第1フィラーの平均粒径が2.5μmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0086】
〔実施例6〕
第2フィラーの平均粒径が1.3μmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0087】
〔実施例7〕
第2フィラーの平均粒径が1.6μmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0088】
〔実施例8〕
フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に3000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0089】
〔実施例9〕
フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に4000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0090】
〔実施例10〕
第1フィラー:第2フィラー=40:60の含量比を有し、フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に3000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0091】
〔実施例11〕
第1フィラー:第2フィラー=40:60の含量比を有し、フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に4000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0092】
〔比較例1〕
フィラーとして第1フィラーのみを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0093】
〔比較例2〕
第1フィラー:第2フィラー=45:55の含量比を有するように、前記第1フィラー及び第2フィラーを投入したことを除いて、実施例A-1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0094】
〔比較例3〕
フィラーとして第2フィラーのみを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0095】
〔比較例4〕
第1フィラーの代わりに平均粒径が1.8μmであるフィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0096】
〔比較例5〕
第1フィラーの代わりに平均粒径が3.0μmであるフィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0097】
〔比較例6〕
第2フィラーの代わりに平均粒径が0.5μmであるフィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0098】
〔比較例7〕
第2フィラーの代わりに平均粒径が1.8μmであるフィラーを投入したことを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0099】
〔比較例8〕
フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に1000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0100】
〔比較例9〕
フィラーの総含量がポリアミック酸の重量を基準に5000ppmであることを除いて、実施例1と同一な方法でポリイミドフィルムを製造した。
【0101】
(実験例1)
実施例1乃至実施例9、および比較例1乃至比較例9でそれぞれ製造したポリイミドフィルムが100mの長さを有するようにスケールアップ(scale-up)して製造した。前記製造されたポリイミドフィルムの平均粗さ(Ra)及び突出痕発生数量をそれぞれ測定して、その結果を下記表1に示した。
【0102】
参考に、前記の平均粗さはISO1997方法を使用して測定し、Cut off 0.25mm、測定速度0.1mm/sec、1回当たり測定長さ3mmの条件で5回測定した平均値を使用した。この際、平均粗さを測定する面はポリイミドフィルムのエア(air)面が使用された。
【0103】
また、突出痕の発生数量はそれぞれのグラファイトシートを製造する前にポリイミドフィルム100mをロール状で巻き取った後に前記ロールの最外枠の表面に発生した突出痕の数量を測定した。
【0104】
【表1】
【0105】
(実験例2)
実験例1でスケールアップして製造されたそれぞれのポリイミドフィルム を炭化が可能な高温炉を用いて窒素気体下で3℃/分の速度で1,200℃まで昇温して約2時間維持させた(炭化)。続いて、超高温炉を用いてアルゴン気体下で5℃/分の昇温速度で2,800℃まで昇温して1時間維持(黒鉛化)させた後、冷却して25μmの厚さを有するグラファイトシートを製造した。
【0106】
前記製造されたグラファイトシートの熱伝導度、脆性とブライトスポットの発生数量をそれぞれ測定して、その結果を表2に示した。
【0107】
参考に、前記熱伝導度は放熱材料に対する熱伝導度の測定規格であるASTM E 1461の方法によって測定し、前記脆性はそれぞれの実施例及び比較例に対する耐屈曲性評価を通じて確認した。
【0108】
この際、前記耐屈曲性評価は、実施例及び比較例のポリイミドフィルムから製造されたグラファイトシートに対して折り曲げ、広げることを繰り返し行いながら、前記グラファイトシートが切断されるまでの繰り返し回数を測定することによって行なわれる。耐屈曲性評価はTOYOSEIKI社のMIT-DA(Folding Endurance Tester)装置を用いて行なった。グラファイトシートは幅15mmに切断して測定を行い、グラファイトシートを固定して折曲させるクランプの曲率半径は0.5mm、屈曲角度は135度、屈曲速度は90回/分、荷重は250gである条件で測定を行なった。
【0109】
参考に、前記グラファイトシートの脆性が高いほど切断されるまでの繰り返し回数が少なく、これとは反対に脆性が低いほど切断されるまでの繰り返し回数が多い。
【0110】
また、ブライトスポットの発生数量はグラファイトシートの表面不良を発生させる要因であって、前記シートの100mm×100mmである正方形の内部にサイズが0.5mm以上である突起の発生数量を測定した。
【0111】
【表2】
【0112】
表1及び表2に示すように、本発明によるフィラーの含量比、粒径及び総含量を有する実施例1乃至9のポリイミドフィルムから製造されたグラファイトシートの場合、前記フィラーの含量比、粒径及び総含量の少なくともいずれかの範囲から外れる比較例1乃至9に比べて優れた熱伝導度、柔軟性及び低い脆性を同時に維持することができ、平均粒径が異なるフィラーを所望の範囲に含むことによって、ポリイミドフィルムの巻き取りの際に異物の流入によるフィルム表面の突出痕発生を抑制することができ、フィラーの昇華によってシート表面に発生するブライトスポットが無いことが分かる。
【0113】
一方で、第2フィラーのみを含む比較例3、第2フィラーに比べて平均粒径が小さいフィラーを含む比較例6、およびフィラーの全体含量が所望の範囲から外れて過度に低い比較例8の場合、他の比較例に比べてグラファイトシートが優れた熱伝導度を示すが、ポリイミドフィルムの低い粗さによって工程処理の際に巻き取り性が低下する問題が発生する場合があり、前記フィルムの巻き取りの際に異物の流入による突出痕が表面に発生したことが分かる。
【0114】
また、比較的に平均粒径が大きい第1フィラーのみを含む比較例1、相対的に平均粒径が大きい第1フィラーの含量が高い比較例2、第1フィラーに比べて平均粒径が小さいフィラーを含む比較例4、第1フィラーに比べて平均粒径が大きいフィラーを含む比較例5、第2フィラーに比べて平均粒径が大きいフィラーを含む比較例7、およびフィラー全体の含量が所望の範囲から外れて過度に高い比較例9の場合、他の比較例に比べて高い粗さを有する。しかし、グラファイトシートに発生する空隙の量及び分布の変化のために熱伝導度が低下されており、グラファイトシートの表面にブライトスポットが発生したことが分かる。
【0115】
特に、相対的に平均粒径が大きい第1フィラーのみを含む比較例1、第1フィラーに比べて平均粒径が大きいフィラーを含む比較例5、第2フィラーに比べ平均粒径が大きいフィラーを含む比較例7、フィラー全体の含量が所望の範囲から外れて過度に低い比較例8の場合、フィラー粒子の絶対数量が減少するにつれて脆性が増加する傾向があることが確認できる。
【0116】
図1には、比較例3のポリイミドフィルムを巻き取った場合の外面写真が示されている。
【0117】
図1を参照すると、平均粒径が小さい第2フィラーのみを含む比較例3のポリイミドフィルムは巻き取った際に、互いに重畳されるフィルムの間に異物が流入されることによって、赤い円で示した部分に突出痕が発生したことが表面に反射されたイメージの屈折として示される。
【0118】
図2及び3には、それぞれ実施例1及び比較例1のポリイミドフィルムを用いてそれぞれ製造されたグラファイトシートの外面写真が示されている。
【0119】
図2及び図3を共に参照すると、フィラーの粒径、含量比、総含量を所望の範囲に含む実施例1のポリイミドフィルムを用いて製造されたグラファイトシートは滑らかな外面を形成した。
【0120】
一方に、フィラーとして相対的に平均粒径が大きい第1フィラーのみを含む比較例1のポリイミドフィルムを用いて製造されたグラファイトシートは、大きなサイズの空隙によってブライトスポットが形成されて外面不良が発生した。
【0121】
以上、本発明の実施例等及びそれに応じる図面等を参照して説明したが、本発明に属する分野における通常の知識を有する者であれば、前記内容に基づいて本発明の範疇内で様々な応用及び変形を行なうことが可能である。
図1
図2
図3