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<図1>
  • 特許-粉粒体材料の捕集装置 図1
  • 特許-粉粒体材料の捕集装置 図2
  • 特許-粉粒体材料の捕集装置 図3
  • 特許-粉粒体材料の捕集装置 図4
  • 特許-粉粒体材料の捕集装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】粉粒体材料の捕集装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/32 20060101AFI20220818BHJP
   B65G 53/24 20060101ALI20220818BHJP
   B65D 88/26 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
B65G65/32 B
B65G53/24
B65D88/26 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018109275
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019210122
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂下 博之
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178965(JP,A)
【文献】特開昭58-031824(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0088988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/32
B65G 53/24
B65D 88/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引源に接続される吸引口及び輸送される粉粒体材料を受け入れる導入口が設けられた捕集器本体と、この捕集器本体の下端側の筒状の排出部を開閉する弁体と、この弁体に一端が固定され該弁体が開閉される際に他端側の支点回りに回転される保持アームと、を備えており、
前記弁体、閉鎖状態で前記排出部の下端部との間に粉粒体材料よりも大きな隙間を設けて該下端部を受け入れ上方側に向けて開口する受入凹所の内周面を区画し、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられた環状壁部と、閉鎖状態で前記排出部の外周側に設けられたシール受部に当接されるシール部を構成し、かつ前記環状壁部の基端部から外周側に向けて鍔状に延出するように設けられた平板状部と、を備えていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項2】
吸引源に接続される吸引口及び輸送される粉粒体材料を受け入れる導入口が設けられた捕集器本体と、この捕集器本体の下端側の筒状の排出部を開閉する弁体と、この弁体に一端が固定され該弁体が開閉される際に他端側の支点回りに回転される保持アームと、を備えており、
前記弁体は、閉鎖状態で前記排出部の下端部との間に粉粒体材料よりも大きな隙間を設けて該下端部を受け入れる上方側に向けて開口する受入凹所の内周面を区画し、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられた環状壁部と、該環状壁部の外周側において該環状壁部を囲むように、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられ、閉鎖状態で前記排出部の外周側に設けられたシール受部に当接されるシール部を構成する環状シール壁部と、を備えており、
前記環状シール壁部の突出寸法は、前記環状壁部の突出寸法よりも小とされていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記受入凹所の弁体開放状態における下方側に位置する内周面は、該受入凹所の底面から開口側に向かうに従い拡開状に傾斜する傾斜面とされていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項において、
前記環状壁部の弁体開放状態における上方側に位置する外周面は、該環状壁部の基端側よりも先端側が中心側となるように傾斜する傾斜面とされていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送される粉粒体材料を捕集する粉粒体材料の捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、吸引源に接続される吸引口及び輸送される粉粒体材料を受け入れる導入口を設け、輸送された粉粒体材料を捕集する捕集器を備えた粉粒体材料の捕集装置が知られている。このような捕集装置においては、捕集器の下端に設けられた排出管の開口が開放された状態では、粉粒体材料の輸送が成され難くなるため、排出管の開口を開閉するダンパー(弁体)が設けられている。このようなダンパーとしては、エアーシリンダー等の適宜の駆動機構によってスライドされるスライドダンパー等が挙げられるが、このようなものでは、構造的にも制御的にも複雑化し、また、粉粒体材料の噛み込み等に起因する動作不良が生じ易くなるという問題があった。
例えば、下記特許文献1には、本体収容部の下部の材料排出口を開閉する蓋体を、材料排出口との間に所定の隙間空間を隔てて待機位置において保持する構成とされた吸引式粉粒体捕集器が開示されている。この捕集器においては、気体吸引装置による吸引力によって蓋体が吸い上げられ、材料排出口を塞ぐ構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-178965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成とされた捕集器においては、材料排出口の周縁部や蓋体の上面に粉粒体材料が付着していても蓋体を吸い上げる際に吸引がなされるので、噛み込みの低減が可能となる。しかしながら、静電気等によって上記のような箇所に付着した粉粒体材料が蓋体吸い上げの際に十分に吸引されずに残存したり、蓋体が閉鎖される際に本体収容部内に付着していた粉粒体材料が落下したりして材料排出口と蓋体との間に粉粒体材料を噛み込むことが考えられた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、粉粒体材料の噛み込みを抑制して閉鎖状態における排出側の密閉性を向上し得る粉粒体材料の捕集装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、吸引源に接続される吸引口及び輸送される粉粒体材料を受け入れる導入口が設けられた捕集器本体と、この捕集器本体の下端側の筒状の排出部を開閉する弁体と、この弁体に一端が固定され該弁体が開閉される際に他端側の支点回りに回転される保持アームと、を備えており、前記弁体、閉鎖状態で前記排出部の下端部との間に粉粒体材料よりも大きな隙間を設けて該下端部を受け入れ上方側に向けて開口する受入凹所の内周面を区画し、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられた環状壁部と、閉鎖状態で前記排出部の外周側に設けられたシール受部に当接されるシール部を構成し、かつ前記環状壁部の基端部から外周側に向けて鍔状に延出するように設けられた平板状部と、を備えていることを特徴とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、吸引源に接続される吸引口及び輸送される粉粒体材料を受け入れる導入口が設けられた捕集器本体と、この捕集器本体の下端側の筒状の排出部を開閉する弁体と、この弁体に一端が固定され該弁体が開閉される際に他端側の支点回りに回転される保持アームと、を備えており、前記弁体は、閉鎖状態で前記排出部の下端部との間に粉粒体材料よりも大きな隙間を設けて該下端部を受け入れる上方側に向けて開口する受入凹所の内周面を区画し、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられた環状壁部と、該環状壁部の外周側において該環状壁部を囲むように、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられ、閉鎖状態で前記排出部の外周側に設けられたシール受部に当接されるシール部を構成する環状シール壁部と、を備えており、前記環状シール壁部の突出寸法は、前記環状壁部の突出寸法よりも小とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、上述のような構成としたことで、粉粒体材料の噛み込みを抑制して閉鎖状態における排出側の密閉性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図2】同捕集装置の一部破断概略正面図である。
図3】同捕集装置の一部破断概略正面図である。
図4】(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図5】(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態では、各実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1図3は、第1実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、図1図3に示すように、吸引源2に接続される吸引口12及び輸送される粉粒体材料4を受け入れる導入口14が設けられた捕集器本体10と、この捕集器本体10の下端側の筒状の排出部16を開閉する弁体20と、を備えている。この捕集装置1は、吸引源2及び粉粒体材料4の輸送元(材料元)3に接続され、吸引空気によって空気輸送される輸送元3からの粉粒体材料4を吸引空気から分離させて捕集する構成とされている。
【0011】
ここに、粉粒体材料4は、粉体・粒体状の材料を指すが、空気輸送可能なものであれば、どのような形状のものでもよい。図例では、粉粒体材料4を、略球状のものとした例を示しているが、略柱状や略立方体状、多面体状、薄片状、短繊維片状等、どのようなものでもよい。また、図例では、全ての粉粒体材料4を、同寸同形状としたような例を示しているが、このような態様に限られない。形状や大きさにばらつきがある粉粒体材料4でもよい。また、粉粒体材料4の大きさは、10mm以下でもよく、5mm以下でもよく、3mm以下でもよい。なお、粉粒体材料4の大きさ(粉粒体材料4一粒(粒子)の大きさ)は、ばらつきがある場合は最大のものの大きさを指し、また、略球状である場合は径、球状以外の場合は最長部の寸法を指す。
また、粉粒体材料4としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。また、粉粒体材料4としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0012】
吸引源2としては、空気吸引管を介して接続される吸引ブロワー等の空気吸引源であってもよい。このような吸引源2としては、当該捕集装置1専用のものに限られず、例えば、当該捕集装置1への輸送と他の装置への輸送とが切替弁等によって切り替えられる態様とされたものとしてもよい。
輸送元3としては、材料輸送管を介して接続される材料タンクや、乾燥ホッパー、粉粒体材料を計量する計量ホッパー、複数種の粉粒体材料4を所定割合で配合する配合ホッパー等であってもよい。また、これら各種ホッパーの下流側に設けられる一時貯留部を輸送元3としてもよい。また、当該捕集装置1に接続される材料輸送管を、単一の輸送元3に接続して単一の粉粒体材料4を当該供給装置1において捕集する態様に限られない。例えば、相異なる粉粒体材料4をそれぞれに貯留する複数の輸送元3に当該捕集装置1に接続される材料輸送管を接続し、これら複数の輸送元3からの複数種の粉粒体材料4を当該捕集装置1において捕集する態様としてもよい。
【0013】
また、当該捕集装置1の供給先としては、当該捕集装置1において捕集した粉粒体材料4を一時的に貯留する貯留タンクや貯留ホッパー等の貯留部を供給先としてもよく、また、粉粒体材料4を乾燥する乾燥ホッパーを供給先としてもよい。また、例えば、射出成形機等の成形機を当該捕集装置1の供給先としてもよい。この場合は、当該捕集装置1を、成形機上に直接的に設置する態様としてもよい。なお、供給先としての成形機は、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。また、当該捕集装置1において捕集された粉粒体材料4の供給先としては、単一の供給先に限られず、複数の供給先としてもよい。
【0014】
捕集器本体10は、上部側部位が略筒形状とされ、下部側部位が略逆錐形状とされたホッパー状とされている。この捕集器本体10は、略円筒状とされたものでもよく、略角筒状とされたものでもよい。なお、捕集器本体10としては、ホッパー状とされたものに限られず、タンク状やドラム状とされたものでもよい。また、捕集器本体10としては、上端部に設けられた捕集部よりも大容量の本体部を捕集部の下方側に設けたような構成とされたものでもよい。
この捕集器本体10には、捕集器本体10内において開口する吸引口12を構成する吸引接続管11と導入口14を構成する材料導入管13とが設けられている。図例では、吸引源2に接続される吸引接続管11を、捕集器本体10の上端部に開閉自在に設けられた蓋体に設けた例を示している。また、捕集器本体10の上端側部位の側部に、輸送元3に接続される材料導入管13を設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、捕集器本体10内の上下方向途中部位や下端部等に位置するように導入口14を設け、吸引口12を上端部に設けて粉粒体材料4を流動可能とした態様等としてもよい。この場合は、材料導入管13が捕集器本体10内に差し入れられたような構成とされたものでもよい。吸引口12及び導入口14の位置や形状等は、その他、種々の変形が可能である。
【0015】
また、捕集器本体10には、吸引口12に向かう輸送空気から粉粒体材料4を分離させる分離部15が設けられている。このような分離部15としては、粉粒体材料4と輸送空気とを分離可能なものであればどのようなものでもよいが、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる粉粒体材料4の通過を阻止するパンチングメタルや網状(メッシュ状)の多孔板状体等からなるものとしてもよい。例えば、このような分離部15を、捕集器本体10の蓋体によって開閉される上方開口を覆うように設けた構成等としてもよい。また、分離部15を、このような多孔板状体からなるものとした態様に代えて、捕集器本体10の内周面との間に隙間を隔てて設けられる邪魔傘状とされたものとしてもよい。その他、種々の構成とされた分離部15の採用が可能である。また、このような分離部15を設けずに、いわゆるサイクロン式にて輸送空気から粉粒体材料4を分離させる構造とされたものとしてもよい。
【0016】
排出部16は、捕集器本体10の略逆錐形状とされた部位の下端側に設けられている。この排出部16は、本実施形態では、軸方向を上下方向に沿わせた筒状とされている。この排出部16は、略円筒状とされたものでもよく、略角筒状とされたものでもよい。また、この排出部16の下方側に向けて開口する排出口を構成する開口17の開口端面となる下端面は、略真下方向に向く平坦面状とされている。なお、このような態様に代えて、排出部16の下端面を、斜め下方側に向く傾斜面状とされたものとしてもよい。
また、本実施形態では、捕集器本体10に、当該捕集装置1の設置対象に固定されるベース部18を設けた構成としている。図例では、捕集器本体10の排出部16の上端部を囲むように、厚さ方向を上下方向に沿わせた平板状のベース部18を設けた構成としている。
【0017】
また、捕集装置1は、弁体20に一端が固定され弁体20が開閉される際に他端側の支点(アーム軸)27回りに回転される保持アーム26を備えている。
この保持アーム26は、一端が弁体20の閉鎖状態における下面側に固定され、弁体20の閉鎖状態において概ね水平方向に延びるように設けられている。また、この保持アーム26の支点となるアーム軸27は、排出部16の外周側(径方向外側)において軸方向を略水平方向に沿わせるように設けられている。図例では、保持アーム26の長手方向両端側部位に、弁体20側及びアーム軸27側に向けて屈曲された屈曲部を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。
【0018】
この保持アーム26がアーム軸27回りに回転されれば、アーム軸27を円心とする円弧を描くように弁体20が移動し、排出部16の開閉がなされる。この保持アーム26は、電動や空圧、油圧等の各種シリンダや、モーター等の電動機等の適宜の駆動装置によって回転されるものでもよいが、本実施形態では、このような駆動装置を設けていない構成としている。本実施形態では、保持アーム26は、弁体20を開放させる側には弁体20に負荷される粉粒体材料4の荷重によって回転される一方、弁体20を閉鎖させる側には閉鎖機構29によって回転される構成とされている。また、閉鎖機構29を、一端がアーム軸27に固定的に設けられた錘側アーム28の他端に設けられた錘とした例を示している。また、閉鎖機構29は、本実施形態では、吸引源2が駆動されていない状態において弁体20を閉鎖状態に位置付ける構成とされている。つまり、アーム軸27よりも閉鎖機構29を構成する錘側の荷重を、アーム軸27よりも弁体20側の荷重よりも大としている。この錘側の荷重は、図3に示すように、粉粒体材料4の荷重によって弁体20が開放位置となるように適宜の荷重としてもよい。
【0019】
なお、閉鎖機構29としては、上記のような構成とされたものに限られず、弁体20への負荷(吸引源2の駆動による吸引作用または粉粒体材料4の荷重)が除荷された状態で、後記するシール受部19aとシール部24aとの間に僅かな隙間を設けた待機位置において弁体20の保持が可能な構成とされたものでもよい。例えば、アーム軸27よりも弁体20側の荷重とアーム軸27よりも閉鎖機構29を構成する錘側の荷重とが釣り合う構成とされたものでもよい。この場合は、吸引源2の駆動による吸引作用によって弁体20が吸い上げられて閉鎖位置とされるものでもよい。また、閉鎖機構29としては、錘に限られず、ばね等でもよい。
また、保持アーム26を回転させる態様としては、上記のような態様に代えて、弁体20を開放させる側への回転及び閉鎖させる側への回転の両方または一方が上記のような駆動装置によってなされるものでもよい。また、閉鎖側に回転させる駆動装置を設けた場合には、後記する弁体20を粉粒体材料4の荷重に抗して閉鎖位置(待機位置)において維持可能な構成としてもよい。つまりは、捕集器本体10内に粉粒体材料4の貯留が可能な構成としてもよい。
【0020】
弁体20には、閉鎖状態で排出部16の下端部との間に粉粒体材料4(粉粒体材料4一粒(粒子)の大きさ)よりも大きな隙間G1,G2を設けて下端部を受け入れる受入凹所21が上方側に向けて開口するように設けられている。また、排出部16の外周側及び弁体20のうちの一方には、閉鎖状態で他方に設けられたシール受部19aに当接されるシール部24aが設けられている。
受入凹所21は、閉鎖状態で排出部16の下端面と平行状に配される底面を区画する底壁部22と、この底壁部22の周縁部から閉鎖状態における上方側に向けて突出するように設けられた環状壁部23と、によって区画されている。この受入凹所21は、閉鎖状態で、排出部16の下端面と底壁部22の上面(受入凹所21の底面)との間に隙間G1が形成され、排出部16の外周面と環状壁部23の内周面(受入凹所21の内周面)との間に隙間G2が形成されるように設けられている。
この受入凹所21は、開口方向(閉鎖状態における上下方向)に見た形状(内周形状)が排出部16の開口方向に見た外郭形状に応じた形状とされたものでもよい。つまり、受入凹所21の開口方向に見た形状と排出部16の開口方向に見た外郭形状とを概ね相似形状としてもよい。また、受入凹所21は、閉鎖状態で開口方向に見て(平面視して)排出部16と同軸状(同心状)に設けられるものでもよい。
【0021】
この受入凹所21の深さや径、受入凹所21に差し入れられる排出部16の下端部の上下方向に沿う寸法、隙間G1,G2は、図2に示すように、弁体20を閉鎖させた状態で、粉粒体材料4が環状壁部23を乗り越えないように適宜の寸法としてもよい。また、隙間G1,G2は、上記した粉粒体材料4の大きさ(粉粒体材料4一粒(粒子)の大きさ)よりも大であればよいが、大きくし過ぎれば、弁体20が大型化する傾向や受入凹所21が深くなる傾向があることから、粉粒体材料4の大きさの1.1倍~5倍程度でもよく、3倍以下でもよい。また、図例では、排出部16の下端面と底壁部22の上面(受入凹所21の底面)との間に形成される隙間G1と排出部16の外周面と環状壁部23の内周面(受入凹所21の内周面)との間に形成される隙間G2とを略同寸法とした例を示しているが、異なる寸法としてもよい。また、排出部16の外周面と環状壁部23の内周面(受入凹所21の内周面)との間に形成される隙間G2は、全周に亘って概ね同寸法とされたものでもよく、周方向で異なる寸法とされた部位があってもよい。
【0022】
底壁部22は、閉鎖状態において上下方向に厚さ方向を沿わせて配される平板状とされている。環状壁部23は、本実施形態では、外周面及び内周面を底壁部22に対して略垂直状に設けた構成とされている。また、この環状壁部23の突出寸法は、全周に亘って同寸法とされている。
また、本実施形態では、受入凹所21を区画する環状壁部23の基端部から外周側に向けて鍔状に延出するように設けられシール部24aを構成する平板状部24を設けた構成としている。平板状部24は、閉鎖状態において上方側に向く面がシール部24aを構成し、かつ全体に亘って平坦面状とされている。図例では、受入凹所21の底側を区画する底壁部22と平板状部24とを、一連状に平板状に設けた例を示している。つまり、図例では、受入凹所21の底面とシール部24aとを同一平面状とした例を示しているが、このような態様に限られない。また、これら一連状とされた底壁部22及び平板状部24に別体とされた環状壁部23を接合したような構成とした例を示しているが、環状壁部23も含んで一体的とされたものでもよく、または、一体的に設けられた底壁部22及び環状壁部23に対して別体の平板状部24が接合されたものでもよい。
【0023】
シール受部19aは、排出部16の外周側に設けられている。本実施形態では、排出部16の外周側において排出部16を囲むように、かつ下方側に向けて突出するように設けられた受壁部19の先端面(下端面)をシール受部19aとしている。
この受壁部19の平面視した形状は、閉鎖状態の弁体20の平面視した形状に応じた形状とされたものでもよい。また、この受壁部19は、排出部16と概ね同軸状に設けられたものでもよい。図例では、受壁部19を、捕集器本体10の下端側部位に設けられたベース部18の下面から下方側に向けて突出させるように設け、筒状とした例を示している。つまり、ベース部18の下面側に、排出部16と受壁部19とを有した二重筒状部を設けた構成としている。
【0024】
また、シール受部19aは、下方側を向き、全体に亘って平坦面状とされている。上記した弁体20が閉鎖状態とされれば、このシール受部19aに、弁体20の平板状部24のシール部24aが全周に亘って当接され、排出部16の開口17がその下流側(下方側)と略気密的に封止される。図例では、弁体20を閉鎖させた状態で、平板状部24の外周端部のシール部24aがシール受部19aに当接される構成とした例を示している。また、図例では、受入凹所21の底面とシール部24aとを同一平面状としているので、排出部16の下端面よりもシール受部19aを隙間G1に応じて下方側に位置させた例を示している。なお、受壁部19の内径は、小型化を図る観点や開閉時における弁体20(環状壁部23)との干渉を抑制する観点等から適宜の寸法としてもよい。
また、捕集器本体10の少なくとも排出部16や受壁部19、弁体20の粉粒体材料4が付着する可能性がある部位に帯電防止剤等を塗布したり、これらの部位を帯電防止性を有した材料から形成されたものとしてもよい。
【0025】
上記構成とされた捕集装置1においては、例えば、以下のようにして粉粒体材料4の捕集と排出とがなされる。
図1に示すように、吸引源2(図2参照)が停止され、捕集器本体10内に粉粒体材料4が捕集されていない状態では、弁体20が待機位置とされる。つまり、この状態では、弁体20には、吸引源2による吸引力及び粉粒体材料4の荷重が作用していない。また、本実施形態では、弁体20は、この待機位置において弁体20のシール部24aが捕集器本体10側のシール受部19aに当接され、閉鎖位置と同位置とされる。
【0026】
図2に示すように、吸引源2が駆動されれば、弁体20のシール部24aと排出部16の外周側のシール受部19aとの当接によって排出部16の開口17がその下流側(下方側)と略気密的に封止されているので、捕集器本体10内が負圧となり、輸送元3から粉粒体材料4が空気輸送され、当該捕集装置1において捕集される。なお、上記のように待機位置においてシール部24aとシール受部19aとの間に隙間が形成される場合には、吸引源2の駆動による吸引力によって弁体20が吸い上げられて閉鎖位置とされるものでもよい。
また、図2に示すように、捕集器本体10内に捕集されて下端側に落下(流下)した粉粒体材料4は、弁体20の受入凹所21を区画する環状壁部23によって堰き止められて外周側、つまり、平板状部24側への漏出が抑制される。つまり、排出部16の下端部と閉鎖状態においてこれを受け入れる受入凹所21とが粉粒体材料4の漏出を抑制するシャッター部として機能する。
【0027】
そして、例えば、所定の輸送時間が経過すれば、吸引源2を停止させる。これにより、閉鎖位置とされた弁体20には、落下する粉粒体材料4の荷重が作用し、図3に示すように、落下する粉粒体材料4によって弁体20が押し退けられるようにしてアーム軸27回りに回転して開放位置とされ、開口17が開放される。
また、捕集器本体10内の粉粒体材料4が排出されれば、弁体20が待機位置(閉鎖位置)とされる。つまり、閉鎖機構29によって弁体20が閉鎖側に回転され、図1に示すように、待機位置(閉鎖位置)とされる。
なお、当該捕集装置1の供給先側の材料要求信号を受信し、吸引源2等を駆動制御する制御部を適所に設けた構成としてもよい。また、吸引源2の駆動制御や弁体20の開閉制御態様は、上記したような例に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0028】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、上述のような構成としたことで、粉粒体材料4の噛み込みを抑制して閉鎖状態における排出側の密閉性を向上させることができる。
つまり、吸引源2に接続される吸引口12及び輸送される粉粒体材料4を受け入れる導入口14が設けられた捕集器本体10の下端側の排出部16を開閉する弁体20を備えた構成としている。従って、上記のように、吸引源2を作動させ、弁体20を閉鎖すれば、捕集器本体10内が負圧となり、吸引作用によって空気輸送された粉粒体材料4を捕集することができる。
また、弁体20に、閉鎖状態で排出部16の下端部との間に粉粒体材料4よりも大きな隙間G1,G2を設けて下端部を受け入れる受入凹所21を上方側に向けて開口するように設けた構成としている。従って、閉鎖状態では、受入凹所21の内面(底面及び内周面)と排出部16の下端部の外面(下端面及び外周面)との間に形成される隙間G1,G2によって粉粒体材料4の噛み込みを効果的に抑制することができる。
【0029】
また、閉鎖させる際に受入凹所21の内面や排出部16の下端部に粉粒体材料4が付着していたり、捕集器本体10内の内周面に付着していた粉粒体材料4が落下したりしたとしても、上記の隙間G1,G2によって粉粒体材料4の噛み込みを効果的に抑制することができる。また、排出部16の外周側及び弁体20のうちの一方に、閉鎖状態で他方に設けられたシール受部19aに当接されるシール部24aを設けた構成としている。従って、シール受部19aにシール部24aを当接させることで、排出側を略気密的に封止することができる。換言すれば、閉鎖状態において粉粒体材料4の漏出を抑制するシャッター部(排出部16の下端部及び受入凹所21)と略気密的に封止するシール部(シール受部19a及びシール部24a)とを別部位に設けた構成となり、粉粒体材料4の噛み込みの抑制が可能でありながらも、排出側の密閉性を向上させることができる。
また、これらシール受部19a及びシール部24aは、閉鎖状態において排出部16の外周側に離間して設けられることとなるので、これらの部位における粉粒体材料4の付着を低減することができる。
【0030】
また、本実施形態では、弁体20に、受入凹所21を区画する環状壁部23の基端部から外周側に向けて鍔状に延出し、シール部24aを構成する平板状部24を設けた構成としている。従って、例えば、受入凹所21の開口周縁部から外周側に向けて延出する平板状部位をシール部として設けたものや環状壁部23の外周側に突出する環状シール壁部をシール部として設けたものと比べて、弁体20を開放させて粉粒体材料4を排出させる際におけるシール部24aへの粉粒体材料4の接触や引っ掛かりを抑制することができる。
【0031】
なお、本実施形態では、排出部16の軸方向を上下方向に沿わせた例を示しているが、傾斜状とされたものでもよい。この場合は、弁体20が閉鎖状態において傾斜状に配されるものとしてもよい。
また、本実施形態では、排出部16の下端面を、軸方向に略直交する面とした例を示しているが、軸方向に対して傾斜する傾斜面としてもよい。この場合は、弁体20の受入凹所21の底面を、閉鎖状態で排出部16の下端面に平行状となるように設けた構成としてもよい。また、この場合は、弁体20の環状壁部23や受壁部19等を必要に応じて変形するようにしてもよい。
【0032】
次に、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置の他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、先に説明した実施形態と同様の動作や作用等についても説明を省略または簡略に説明する。
【0033】
図4(a)は、第2実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Aの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Aは、弁体20Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。また、本実施形態では、捕集器本体10の排出部16Aの上下方向に沿う寸法を、上記第1実施形態よりも短い寸法としている。また、本実施形態では、ベース部18Aに一体的に受壁部19Aを設け、この受壁部19Aの下端部から外周側に向けて平板状に延出された部位の下面をシール受部19aとした例を示している。
【0034】
弁体20Aには、本実施形態では、環状壁部23Aの外周側において環状壁部23Aを囲むように、かつ閉鎖状態における上方側に向けて突出しシール部25aを構成する環状シール壁部25が設けられている。また、この環状シール壁部25の突出寸法を環状壁部23Aの突出寸法よりも小としている。このような構成とすれば、環状シール壁部25を設けながらも、弁体20Aを開放させて粉粒体材料4を排出させる際における環状シール壁部25への粉粒体材料4の接触を抑制することができる。なお、このような態様に代えて、環状シール壁部25の突出寸法を、環状壁部23Aの突出寸法よりも大としてもよい。例えば、上記第1実施形態において説明した受壁部19を、ベース部18側ではなく弁体20側に設けたような態様等としてもよい。
また、本実施形態では、環状壁部23Aの基端部から外周側に向けて鍔状に延出するように設けられた平板状部24Aの外周側端部に環状シール壁部25を設けた構成としている。この環状シール壁部25の突出方向先端面となる閉鎖状態で上方側に向く面がシール部25aを構成する。また、このシール部25aは、閉鎖状態において受入凹所21Aの底面よりも上方側に位置する構成とされている。
【0035】
また、本実施形態では、弁体20Aの環状壁部23Aの弁体開放状態における上方側に位置する外周面を、環状壁部23Aの基端側よりも先端側が中心側となるように傾斜する傾斜面(外周傾斜面)23aとしている。つまり、環状壁部23Aの弁体開放状態における上方側に位置する外周面を、閉鎖状態において外周側に向けて下るように傾斜する外周傾斜面23aとしている。このような構成とすれば、弁体20Aを開放させて粉粒体材料4を排出させる際に、環状壁部23Aの上方側に位置する外周傾斜面23aに粉粒体材料4を引っ掛かり難くすることができる。
また、本実施形態では、受入凹所21Aの弁体開放状態における下方側に位置する内周面を、受入凹所21Aの底面から開口側に向かうに従い拡開状に傾斜する傾斜面(内周傾斜面)23bとしている。つまり、受入凹所21Aの弁体開放状態における下方側に位置する内周面を、閉鎖状態において弁体中心側(環状壁部23Aの軸心側)に向けて下るように傾斜する内周傾斜面23bとしている。このような構成とすれば、弁体20Aを開放させて粉粒体材料4を排出させる際に、受入凹所21Aの下方側に位置する内周面を構成する内周傾斜面23bに粉粒体材料4を引っ掛かり難くすることができる。
【0036】
これら外周傾斜面23a及び内周傾斜面23bの傾斜角度は、弁体開放状態において環状壁部23Aの基端側から先端側に向けて下る下り坂状となるように適宜の角度としてもよい。
また、本実施形態では、受入凹所21Aの環状壁部23Aの軸方向を、底壁部22Aに対して傾斜状に設けて上記の外周傾斜面23a及び内周傾斜面23bを設けた構成としている。つまり、環状壁部23Aの弁体開放状態における上方側に位置する部位及び弁体開放状態における下方側に位置する部位を、基端部から先端側に向かうに従いアーム軸27から離間するように傾斜する形状としている。なお、このような構成とした場合には、排出部16Aの外周面と環状壁部23Aの内周面との隙間G2が上下方向の全体に亘って均等な隙間とならないが、上下方向において最も小さい隙間G2を、粉粒体材料4よりも大としてもよい。
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Aにおいても、上記した第1実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、当該捕集装置1Aにおいても、上記第1実施形態と同様にして弁体20Aの開閉がなされる。
【0037】
図4(b)は、第3実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Bの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Bは、弁体20Bの構成が上記各実施形態とは主に異なる。また、本実施形態では、上記第2実施形態と同様、排出部16Aの上下方向に沿う寸法を、上記第1実施形態よりも短い寸法とし、ベース部18Aに一体的に受壁部19Aを設け、この受壁部19Aの下端部の延出された部位の下面をシール受部19aとした例を示している。
【0038】
弁体20Bは、本実施形態では、受入凹所21Bを区画する底壁部22Bに環状壁部23Bを一体的に設けた構成としている。また、平板状部24Bを環状壁部23Bの基端部に一体的に設けた構成としている。また、本実施形態では、上記第1実施形態と概ね同様、平板状部24Bのシール部24aがシール受部19aに当接される構成としている。また、このシール部24aは、上記第2実施形態と概ね同様、閉鎖状態において受入凹所21Bの底面よりも上方側に位置する構成とされている。
このような弁体20Bは、図例のように、絞り加工等によって形成されたものに限られず、鋳造成形や射出成形等によって成形されたものでもよい。なお、弁体20Bの底壁部22B、環状壁部23B及び平板状部24Bを一体的に設けた態様に代えて、これらのうちの少なくとも一つが別体とされて接合されたものでもよい。
また、本実施形態では、環状壁部23Bの外周面を全周に亘って、閉鎖状態において外周側に向けて下るように傾斜する外周傾斜面23aとしている。また、環状壁部23B(受入凹所21B)の内周面を全周に亘って、閉鎖状態において弁体中心側(環状壁部23Bの軸心側)に向けて下るように傾斜する内周傾斜面23bとしている。つまり、本実施形態では、環状壁部23Bは、周方向に見て、両側面が先端側に向かうに従い先細状、つまりは、山形状とされている。
【0039】
なお、図例では、外周傾斜面23a及び内周傾斜面23bの傾斜角度を上記第2実施形態よりも急角度とした例を示しているが、緩やかな角度としてもよい。また、環状壁部23B(受入凹所21B)の内周面を全周に亘って、図例とは逆側に傾斜させた構成としてもよい。つまりは、環状壁部23Bを、先端側(受入凹所21Bの開口側)に向かうに従い先細状(縮径状)としてもよい。
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Bにおいても、上記した実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、当該捕集装置1Bにおいても、上記第1実施形態と同様にして弁体20Bの開閉がなされる。
【0040】
図5(a)は、第4実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Cの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Cは、弁体20Cの構成が上記各実施形態とは主に異なる。また、本実施形態では、上記第2実施形態と同様、排出部16Aの上下方向に沿う寸法を、上記第1実施形態よりも短い寸法とし、ベース部18Aに一体的に受壁部19Bを設け、この受壁部19Bの下端部の延出された部位の下面をシール受部19aとした例を示している。また、図例では、受壁部19Bの上下方向に沿う寸法を上記第2実施形態及び第3実施形態よりも小さい寸法とした例を示している。また、本実施形態では、このシール受部19aは、排出部16Aの下端面よりも上方側に位置する構成とされている。
【0041】
弁体20Cは、本実施形態では、受入凹所21Cを区画する底壁部22Cに環状壁部23Cを一体的に設けた構成としている。また、本実施形態では、環状壁部23Cの先端部から外周側に向けて鍔状に延出する平板状部24Cを環状壁部23Cに一体的に設けた構成としている。つまり、本実施形態では、環状壁部23Cの基端側ではなく、先端側に平板状部24Cを設けた構成としている。また、この平板状部24Cのシール部24aがシール受部19aに当接される構成としている。つまり、本実施形態においても、シール部24aは、閉鎖状態において受入凹所21Cの底面よりも上方側に位置する構成とされている。
【0042】
上記のような弁体20Cは、上記同様、絞り加工等によって形成されたものに限られず、鋳造成形や射出成形等によって成形されたものでもよい。なお、弁体20Cの底壁部22C、環状壁部23C及び平板状部24Cを一体的に設けた態様に代えて、これらのうちの少なくとも一つが別体とされて接合されたものでもよい。
また、本実施形態においても、環状壁部23C(受入凹所21C)の内周面を全周に亘って、閉鎖状態において弁体中心側(環状壁部23Cの軸心側)に向けて下るように傾斜する内周傾斜面23bとしている。
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Cにおいても、上記した実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、当該捕集装置1Cにおいても、上記第1実施形態と同様にして弁体20Cの開閉がなされる。
【0043】
図5(b)は、第5実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Dの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Dは、弁体20Dの構成が上記各実施形態とは主に異なる。また、本実施形態では、上記各実施形態とは異なり、平板状とされたベース部18Bの下方側に向く下面をシール受部18aとしている。また、上記第4実施形態と同様、このシール受部18aは、排出部16Aの下端面よりも上方側に位置する構成とされている。
【0044】
弁体20Dは、本実施形態では、受入凹所21Dを区画する環状壁部23Dの先端面をシール部23cとした構成とされている。つまり、本実施形態では、上記各実施形態のように、環状壁部23,23A~23Cの外周側にシール部24a,25aを設けた構成に代えて、環状壁部23D自体にシール部23cを設けた構成としている。このような構成とすれば、排出部16Aの外周側のシール受部18a及び弁体20Dの構造の簡略化を図ることができる。また、受入凹所21Dを区画する底壁部22Dに対して略直交状に環状壁部23Dを設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、上記同様、環状壁部23Dを種々の形状とされたものとしてもよい。
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Dにおいても、上記した実施形態と概ね同様の効果を奏する。また、当該捕集装置1Dにおいても、上記第1実施形態と同様にして弁体20Dの開閉がなされる。
【0045】
なお、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、必要に応じて変形し、組み替えて適用したり、組み合わせて適用したりするようにしてもよい。
また、上記各実施形態に係る捕集装置1,1A~1Dが備える各部材の具体的構成としては、上記した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1,1A~1D 粉粒体材料の捕集装置
10 捕集器本体
12 吸引口
14 導入口
16,16A 排出部
18a,19a シール受部
20,20A~20D 弁体
21,21A~21D 受入凹所
23,23A~23D 環状壁部
23a 外周傾斜面(傾斜面)
23b 内周傾斜面(傾斜面)
23c,24a,25a シール部
24,24B 平板状部
25 環状シール壁部
26 保持アーム
27 アーム軸(支点)
2 吸引源
4 粉粒体材料
G1,G2 隙間
図1
図2
図3
図4
図5