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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】照明器具本体
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20220818BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20220818BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220818BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 310
F21V7/04
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021524866
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2020021846
(87)【国際公開番号】W WO2020246485
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2019104050
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592064110
【氏名又は名称】株式会社モデュレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105614
【弁理士】
【氏名又は名称】児島 敦
(72)【発明者】
【氏名】曄道悟朗
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-067410(JP,A)
【文献】米国特許第5709460(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0204888(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 7/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に直交し出射口が位置する方向を前方とする前後方向、及び長手方向と前後方向とに直交する方向を左右方向としたときに、
左右の光源と、
左右の前記光源がそれぞれ配設される左右の収納部、左右の前記光源からの光を反射する左右の第1反射面、左右の第2反射面、及び左右の第1,第2反射面からの光を出射する前記出射口が、それぞれ長手方向に形成された形材と、を備え、
前記出射口が左右の前記第1,第2反射面の前側に形成され、左の前記収納部が右斜め後方を向いた所定の第2傾斜角度で形成され、また、右の前記収納部が左斜め後方を向いた所定の第1傾斜角度で形成され、
所定の前記第1,第2傾斜角度が、前記出射口の前方からの左右の前記光源の目視を不能にする角度であり、かつ、左右の前記光源の左右方向の配設位置が前記出射口の左右方向の配設位置内に含まれる、
ことを特徴とする照明器具本体。
【請求項2】
前記出射口からは、左右の前記光源から出た直接光は出射されず、左右の前記光源から出て左右の前記第1,第2反射面で反射された間接光のみが出射される、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具本体。
【請求項3】
左右の前記収納部は、それぞれ凹状に形成されて左右の前記光源が配設される所定の前記第1,第2傾斜角度の底面、後側に位置する左右の後側面、及び前側に位置する左右の前側面を有し、
左右の前記第1反射面は、凹状に形成されるとともに左右の前記後側面の先端近傍から前記前記出射口の左右方向の中心を通り前後方向に平行な中心線まで延び、
左右の前記第2反射面は、凸状に形成されるとともに左右の前記前側面の先端近傍から前記出射口の外側端部まで延びる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具本体。
【請求項4】
前後方向を基準とした所定の前記第1傾斜角度をθ1、所定の前記第2傾斜角度をθ2が、
30°≦θ1,θ2≦60°
である、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の照明器具本体。
【請求項5】
左の前記光源は、左の前記前側面の先端を通り、右の前記第2反射面に引いた第2接線よりも左の前記底面側、又は左の前記前側面の先端と左右の前記第1反射面の交点とを結ぶ第3直線よりも左の前記底面側に配設され、
右の前記光源は、右の前記前側面の先端を通り、左の前記第2反射面に引いた第1接線よりも右の前記底面側、又は右の前記前側面の先端と左右の前記第1反射面の交点とを結ぶ第3直線よりも右の前記底面側に配設されている、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の照明器具本体。
【請求項6】
前記形材は、左右の前記収納部、左右の前記第1反射面、左右の前記第2反射面、及び前記出射口が、前記中心線に対して、左右対称に構成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の照明器具本体。
【請求項7】
左右の前記第2反射面は、前記形材を構成する複数のパーツのうちのそれぞれ別の1個のパーツで形成され、
左右の前記第1反射面は、他の1個のパーツで形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の照明器具本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の造作を変更することなく、間接照明を行うことができる照明器具の照明器具本体に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の造作を変えることなく、間接照明を行うことができる照明器具本体が、特許文献1に提案されている。
このものは、出願時の[要約]の[解決手段]に、
【0003】
「反射形材1は、図1に図示するように、照明器具2と、この照明器具2を取り付けると共に、その照射を反射させる反射面30を備え、且つ、その反射面30より光を放射させる形材3からなる。前記形材3はアミル形材からなるもので、前記反射面30により、柔らかな光沢の光が生成され、その形材を光学的手段として、柔らかな光の演出が可能となっている。」
と記載されている。
さらに、特許時の[特許請求の範囲]の[請求項1]には、
【0004】
「発光手段としてのLEDプレートを備えた照明器具と、この照明器具を取り付けると共に、その照明器具の照射光を反射させる反射面を備え、且つ、その反射面より放射される光を形成する形材からなり、前記反射面は、前記形材の一端側に位置して前記照明器具の照射面に対して傾斜する傾斜面と、前記照射面と略平行に形成された平面と、前記平面から前記形材の他端側にかけて延在し、かつ、前記平面と平行でない面と、を備える反射形LEDを備えた型材。」
という記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6425436号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1によると、[図2A]の左右を左右方向としたときに、反射形材1の左右方向の幅が広くなりがちであるという問題があった。
【0007】
すなわち、傾斜面300、平面301、及び曲面302からなる反射面30によって反射された反射光が、照射面24の右側に形成された「出射口」から出射されるため、反射形材1の左右方向の幅は、「照射面24の左右方向の幅+出射口の左右方向の幅+α」となり、広くなりがちであった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、室内の造作を変更することなく、間接照明を行うことができ、しかも、照明器具本体の左右方向の幅を狭くすることができる照明器具本体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明に係る照明器具本体は、長手方向に直交し出射口が位置する方向を前方とする前後方向、及び長手方向と前後方向とに直交する方向を左右方向としたときに、左右の光源と、左右の前記光源がそれぞれ配設される左右の収納部、左右の前記光源からの光を反射する左右の第1反射面、左右の第2反射面、及び左右の第1,第2反射面からの光を出射する出射口が、それぞれ長手方向に形成された形材と、を備え、前記出射口が左右の前記第1,第反射面の前側に形成され、左の前記収納部が右斜め後方を向いた所定の第1傾斜角度で形成され、また、右の前記収納部が左斜め後方を向いた所定の第2傾斜角度で形成され、所定の前記第1,第2傾斜角度が、前記出射口の前方からの左右の前記光源の目視を不能にする角度であり、かつ、左右の前記光源の左右方向の配設位置が前記出射口の左右方向の配設位置内に含まれる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照明器具本体は、出射口に対し、左右の光源、左右の収納部、左右の第1反射面、及び左右の第2反射面が形成されているので、出射口から出射される光は、ほぼ左右対称となる。
【0011】
また、照明器具本体は、左の収納部が右斜め後方を向いた所定の第1傾斜角度で、また右の収納部が左斜め後方を向いた所定の第2傾斜角度で形成され、所定の第1,第2傾斜角度が、出射口の前方からの左右の光源の目視を不能にする角度であるので、室内の造作を変更することなく、間接照明を行うことができる。
【0012】
さらに、照明器具本体は、左右の光源の左右方向の配設位置が、出射口の左右方向の配設位置内に含まれるので、「光源の左右方向の幅+出射口の左右方向の幅」が、「出射口の左右方向の幅」を超えることがなく、その分、左右方向の幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】照明器具100の斜視図である。
図2】実施形態1の照明器具本体1の長手方向に直交する断面を模式的に示す図である。
図3】実施形態2の照明器具本体2の長手方向に直交する断面を模式的に示す図である。
図4図2に示す照明器具本体1の光路図である。
図5図3に示す照明器具本体2の光路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0015】
<実施形態1>
図1図2図4を参照して本発明を適用した実施形態1に係る照明器具本体1について説明する。
【0016】
ここで、図1は、照明器具100の斜視図である。また、図2は、実施形態1の照明器具本体1の長手方向に直交する断面を模式的に示す図である。また、図4は、図2に示す照明器具本体1の光路図である。
【0017】
以下の説明では、図1に矢印で示すように、照明器具100に沿った方向を長手方向、長手方向に直交する方向の1つを前後方向(ただし、出射口13が位置する方向を前方向、その反対側を後方向とする。)、及び長手方向と前後方向とに直交する方向を左右方向として、説明を行う。また、図2に矢印で示す前後左右が、照明器具本体1の前後左右に相当する。
【0018】
照明器具100は、図1に示すように、長手方向に長い照明器具本体1、その後端に配設された固定プレート5、及び長手方向の両端にそれぞれ配設された化粧カバー6,7等によって構成されている。
【0019】
このうち、照明器具本体1は、図2に示すように、右の形材10(以下単に形材10という)、左の形材20(以下単に形材20という)、中央の形材30(以下単に形材30という)、及び光源40を備えている。
【0020】
形材10,20,30は、例えば、アルミニウム材の引き抜き加工により、長手方向に長く形成されている。形材10,20,30は、ボルト等(不図示)によって相互に締結されて、左右方向の幅Wよりも前後方向の長さHの方が長い、縦長の長方形状に形成されている。図2に示す例では、左右方向の幅Wは、1インチ(25.4mm)以下に設定されている。
【0021】
形材10は、右の収納部11及び右の第2反射面12(右の第1反射面31は後述する。)を備えている。
【0022】
このうち右の収納部11は、凹状に形成されて、右の底面11a、後側に位置する右の後側面11b、及び前側に位置する右の前側面11cを有している。ここで、後述の出射口33の左右方向の中心を通り、前後方向に平行な直線を中心線CLとする。右の底面11aは、平面状に形成され、中心線CLに対して、所定の第1傾斜角度θ1で左斜め後方を向いて配置されている。この底面11aの所定の第1傾斜角度θ1は、右の収納部11の所定の第1傾斜角度θ1と等しいものである。
【0023】
右の第2反射面12は、凸状に形成されている。右の後側面11bの先端を先端b1とし、右の前側面11cの先端を先端c1とすると、右の第2反射面12は、右の前側面11cの先端c1近傍から前方に行くに連れて、徐々に中心線CLから離れていき、後述する出射口33の右端近傍に至る。
【0024】
形材20は、左の収納部21及び左の第2反射面22(左の第1反射面32は後述する。)を備えている。
【0025】
このうち左の収納部11は、凹状に形成されて、左の底面21a、後側に位置する左の後側面21b、及び前側に位置する左の前側面21cを有している。左の底面21aは、平面状に形成され、中心線CLに対して、所定の第2傾斜角度θ2で右斜め後方を向いて配置されている。この底面21aの所定の第2傾斜角度θ2は、左の収納部21の所定の第2傾斜角度θ2と等しいものである。
【0026】
左の第2反射面22は、凸状に形成されている。左の後側面21bの先端を先端b2とし、左の前側面21cの先端を先端c2とすると、左の第2反射面22は、左の前側面21cの先端c2近傍から前方に行くに連れて、徐々に中心線CLから離れていき、後述する出射口33の左端近傍に至る。
【0027】
形材30は、それぞれ凹状の右の第1反射面31と左の第1反射面32とを有している。右の第1反射面31は、形材10の右の後側面11bの先端b1近傍から右の底面11aに対して垂直に延び、左にカーブしながら最後点p1(最も後側に位置する点)に到達し、その後は前方に移動して、右の前側面11cの先端c1よりも少し後側の交点dで中心線CLに交差する。
【0028】
左の第1反射面32は、形材20の左の後側面21bの先端b2近傍から左の底面21aに対して垂直に延び、右にカーブしながら最後点p2(最も後側に位置する点)に到達し、その後は前方に移動して、左の前側面21cの先端c2よりも少し後側の交点dで中心線CLに交差する。
【0029】
出射口33は、照明器具本体1の前端に形成されている。出射口33は、形材10,20の前端に形成されており、この出射口33において、左右の第2反射面22,12の間隙Lは、最も広くなっている。
【0030】
左右の光源40,40は、それぞれ左の収納部21、右の収納部11に配設されている。左右の光源40,40は、それぞれ長手方向に長い基板41と、その基板41上に等間隔で並べられたLED(発光ダイオード)42とによって構成されている。左右の光源40,40は、基板41の背面を左右の収納部21,11の左右の底面21a,11aに密着させるようにして配設されている。左右の光源40,40のLED42,42の発光面42a,42aは、左右の第1反射面32,31に対向するように配置されている。
【0031】
ここで、右の収納部11の前側面11cの先端c1を通り、左の形材20の第2反射面22に引いた接線を第1接線M1(接点a2)とすると、右の光源40は、この第1接線M1よりも右側(右の底面11a側)に配設されている。
【0032】
同様に、左の収納部21の前側面21cの先端c2を通り、右の形材10の第2反射面12に引いた接線を第2接線M2(接点a1)とすると、左の光源40は、この第2接線M2よりも左側(左の底面21a側)に配設されている。
【0033】
このため、左右の光源40,40を出射口33の前方から出射口33を介して見ようとしても、左右の収納部21,11の陰になって見ることができない。
【0034】
さらに、左右の光源40,40の左右方向の配設位置は、出射口33の左右方向の配設位置内に設定されている。このため、出射口の左右方向の隣に光源が配設されている従来技術と比較して、左右方向の幅を小さくすることが可能である。
【0035】
上述のように、左右の第2反射面22,12は、形材を構成する複数のパーツのうちのそれぞれ別の1個のパーツ(形材20,10)で形成され、また、左右の第1反射面32,31は、他の1個のパーツ(形材30)で形成されている。これにより、左の第2反射面22、右の第2反射面12、及び左右の第1反射面32,31は、途中につなぎ目ができるおそれはなく、光を円滑に反射することができる。
【0036】
上述の照明器具本体1は、例えば、固定プレート5を介して、天井Cに取り付ける。
【0037】
図1に示すように、固定プレート5における化粧カバー6近傍、化粧カバー7近傍、及びこれらの中間に開けられた計3個の長孔5aに、下側からネジ(不図示)を通し、固定プレート5を天井Cに取り付けることができる。
【0038】
つづいて、この固定プレート5に、形材10,20のそれぞれの上部から内側に出っ張った凸部15,25を下側から当てて、照明器具本体1を位置決めする。
【0039】
そして、収納室Rに設けた落下防止具(不図示)により、固定プレート5に、照明器具本体1を取り付ける。
【0040】
以上で、照明器具本体1を天井Cに取り付けることができる。
【0041】
なお、照明器具本体1は、天井Cに変えて、壁面(不図示)に、長手方向を縦に向けて、あるいは長手方向を横に向けて取り付けることもできる。
【0042】
図4に、図2で示す照明器具本体1を、床面Fから3000mmの高さの天井Cに取り付けた場合の光路を示す。
【0043】
図4に示すように、この照明器具本体1によれば、床面Fの広い照射領域を間接光によって照射することができる。
【0044】
以上では、照明器具本体1の形材10,20,30は、中心線CLに対して、特に左右対称ではない場合について記載した。
【0045】
これに代えて、照明器具本体1の形材10,20,30が、中心線CLに対して、左右対称に構成するようにしてもよい。
【0046】
すなわち、左右の収納部21,11、左右の第1反射面32,31、左右の第2反射面22,12、及び出射口33が、出射口33の左右方向の中心を通り前後方向に平行な中心線CLに対して、左右対称に構成するのである。
【0047】
これにより、照明器具本体1の出射口33から出射される光は、中心線CLに対し、左右対称に出射されることになる。
【0048】
ここで、実施形態1の照明器具本体1の作用、効果を纏める。
【0049】
・(効果1)照明器具本体1は、出射口33に対し、左右の光源40,40、左右の収納部21,11、左右の第1反射面32,31、及び左右の第2反射面22,12が形成されているので、出射口33から出射される光は、ほぼ左右対称となる。
【0050】
また、照明器具本体1は、左の収納部21が右斜め後方を向いた所定の第2傾斜角度θ2で、また右の収納部11が左斜め後方を向いた所定の第1傾斜角度θ1で形成され、所定の第1,第2傾斜角度θ1,θ2が、出射口33の前方からの左右の光源40,40の目視を不能にする角度であるので、室内の造作を変更することなく、間接照明を行うことができる。
【0051】
さらに、照明器具本体1は、左右の光源40,40の左右方向の配設位置が、出射口33の左右方向の配設位置内に含まれるので、「光源40,40の左右方向の幅+出射口33の左右方向の幅」が、「出射口33の左右方向の幅」Lを超えることがなく、その分、左右方向の幅を狭くすることができる。
【0052】
・(効果2)照明器具本体1は、出射口33からは、左右の光源40,40から出た直接光は出射されず、左右の光源40,40から出て左右の第1反射面32,31、左右の第2反射面22,12で反射された間接光のみが出射されるので、使用者に直接光があたって、眩しくなるようなことはない。
【0053】
・(効果3)照明器具本体1は、左右の第1反射面32,31が凹状に形成されるとともに左右の後側面21b,11bの先端b2,b1から中心線CLまで延び、左右の第2反射面22,12が凸状に形成されるとともに左右の前側面21c,11cの先端c2,c1から出射口33の外側端部まで延びるので、照明器具本体1を例えば天井Cに取り付けた場合には、床面Fを比較的広く照射することができる。
【0054】
・(効果4)照明器具本体1は、前後方向を基準とした所定の第1傾斜角度θ1、所定の第2傾斜角度θ2を、30°≦θ1,θ2≦60°とすることにより、所定の第1傾斜角度θ1、所定の第2傾斜角度θ2が大きいほど、例えば、床面Fの照射領域を広げることができる。
【0055】
・(効果5)照明器具本体1は、左の光源40が第2接線M2よりも左の底面21a側に配設され、右の光源40が第1接線M1よりも右の底面11a側に配設されているので、出射口33の前方からは収納部21,11の陰となって光源40が見えないようになっている。
【0056】
・(効果6)照明器具本体1は、左右の収納部21,11、左右の第1反射面32,31、左右の第2反射面22,12、及び出射口33が、中心線CLに対して、左右対称に構成された場合には、出射口33から出射される光は、中心線CLを基準に左右対称となる。
【0057】
・(効果7)照明器具本体1は、左右の第2反射面22,12が、形材を構成する複数のパーツのうちのそれぞれ別の1個のパーツ(形材20,10)で形成され、また、左右の第1反射面32,31が、他の1個のパーツ(形材30)で形成されているので、左右の第2反射面22,12、左右の第1反射面32,31に、つなぎ目ができるおそれはなく、光を円滑に反射することができる。
【0058】
<実施形態2>
図3図5を参照して本発明を適用した実施形態2に係る照明器具本体2について説明する。
【0059】
ここで、図3は、実施形態2の照明器具本体2の長手方向に直交する断面を模式的に示す図である。また、図5は、図3に示す照明器具本体2の光路図である。
【0060】
本実施形態では、左右の収納部61,51、左右の第1反射面72,71、左右の第2反射面62,52、及び出射口73が、中心線CLに対して左右対称である場合について説明する。
【0061】
なお、照明器具本体2の、天井Cあるいは壁面への取付け方法については、実施形態1の照明器具本体1と同様である。また、以下では、図3に示す照明器具本体2と、図2に示す照明器具本体1との違いを主に説明する。
【0062】
照明器具本体2は、図3に示すように、形材50,60,70、及び光源40を備えている。
【0063】
ここで、形材50と形材60とは、中心線CLに対してほぼ左右対称に構成され、また、形材70自体は、中心線CLに対して左右対称に構成されている。
【0064】
形材50は、凹状の右の収納部51、及び凸状の右の第2反射面52を有している。
【0065】
また、形材60は、凹状の左の収納部61、及び凸状の左の第2反射面62を有している。
【0066】
さらに、形材70は、中心線CLに対してそれぞれ対称な凹状の左右の第1反射面72,71が形成されている。
【0067】
左右の収納部61,51の所定の傾斜角度θ(θ=θ1=θ2)は、左右の底面61a,51aの所定の傾斜角度θと等しく、図3に示す例では、θ=35°に設定されている。ちなみに、実施形態1の図2に示す例では、θ=θ1=θ2=45°である。
【0068】
本実施形態では、実施形態1よりも、光源40が立ち上がっているため、出射口73の前方から出射口73を介して、光源40,40が見えやすくなる。そこで、本実施形態では、左右の第1反射面72,71の交点aの位置が、図2に示す交点dの位置よりも、前側(出射口73側)に位置するようにした。そして、左の光源40が、左の前側面61cの先端cと左右の第1反射面72,71の交点aとを結ぶ第3直線M3よりも左の底面61a側に配設されるようにした。なお、右の光源40についても同様である。
【0069】
以上により、左右の光源40,40が、出射口73の前方から出射口73を介して見えないようにした。
【0070】
図5に、図3で示す照明器具本体2を、床面Fから3000mmの高さの天井Cに取り付けた場合の光路を示す。
【0071】
図5に示すように、この照明器具本体2によれば、図4に示す照明器具本体1と比較して、床面Fの照射面積は狭くなるものの、より明るくすることができる。
【0072】
本実施形態の照明器具本体2は、実施形態1の照明器具本体1の作用、効果のうち(効果5)を除いたすべてを奏することができる。
【0073】
そして、効果5に代えて、左の光源40は、左の前側面61cの先端cと左右の第1反射面72,71の交点aとを結ぶ第3直線M3よりも左の底面61a側に配設した。
これにより、左の光源40は確実に見えなくなった。
【0074】
なお、右の光源40についても同様である。
【符号の説明】
【0075】
1 照明器具本体(実施形態1)
2 照明器具本体(実施形態2)
10,20,30,50,60,70
形材
11,51
右の収納部
11a,51a
右の底面
11b 右の後側面
11c 右の前側面
12,52
右の第2反射面
21,61
左の収納部
21a,61a
左の底面
21b 左の後側面
21c 左の前側面
22,62
左の第2反射面
31,71
右の第1反射面
32,72
左の第1反射面
33,73
出射口
40 右の光源
40 左の光源
100 照明器具
a 左右の第1反射面の交点
a1,a2
接点
b1 右の後側面の先端
b2 左の後側面の先端
c 左の前側面の先端
c1 右の前側面の先端
c2 左の前側面の先端
d 左右の第1反射面の交点
M1 第1接線
M2 第2接線
M3 第3直線
θ,θ1,θ2
所定の傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5