(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】脂環式ジオールの作製方法
(51)【国際特許分類】
C07C 29/20 20060101AFI20220818BHJP
C07C 35/21 20060101ALI20220818BHJP
C07C 41/20 20060101ALI20220818BHJP
C07C 43/196 20060101ALI20220818BHJP
B01J 23/46 20060101ALN20220818BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220818BHJP
【FI】
C07C29/20
C07C35/21
C07C41/20
C07C43/196
B01J23/46 301Z
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020038310
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2020-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500447978
【氏名又は名称】台灣中油股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】紀景發
(72)【発明者】
【氏名】楊英傑
(72)【発明者】
【氏名】陳怡惠
(72)【発明者】
【氏名】何奇律
(72)【発明者】
【氏名】王逸萍
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-184032(JP,A)
【文献】特開平6-335619(JP,A)
【文献】特開2005-103411(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103706395(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106083529(CN,A)
【文献】特表2013-513477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 29/20
C07C 35/21
C07C 41/20
C07C 43/196
B01J 23/46
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応装置内において、触媒が存在する状態且つ水素雰囲気のもとで、ビスフェノールAまたは下記化学式1で表されるビスフェノールA誘導体の溶液を、水素化反応させて、対応する脂環式ジオールを生成する脂環式ジオールの作製方法であって、
触媒の調整法は、
ジルコニア硝酸塩を炭酸ナトリウムまたはアンモニアまたはこれらの混合の水溶液に添加して共沈殿を行わせ、
沈殿物に対して濾過、洗濯及び乾燥を行ってから、600~800°C
のか焼を行い、
さらに、
粉砕し、
ふるいによって選別し、
前記ふるいのふるい目数は20~30メッシュとし、
顆粒の触媒担体を得て、
この触媒担体にウェット含浸法によって、塩化ルテニウムまたはトリニトロ亜硝酸ルテニウム水溶液を含浸させてから、か焼後、ルテニウムを含んだ触媒を得て、
さらに、反応装置に前記触媒を充填し、水素雰囲気中
で還元
した後、
一価アルコールの組み合せを溶媒としたビスフェノールAまたはビスフェノールA誘導体の溶液を前記反応装置に吸い込んで水素化反応を行わせ、
そのときの前記反応装置の圧力が、1~50バール(Bar)であり、反応温度が、50~100°Cである
ことを特徴とする脂環式ジオールの作製方法。
【化1】
m+n=2~4である。
【請求項2】
請求項1に記載の脂環式ジオールの作製方法において、
溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、シクロヘキサノール、ノナノール或いはこれらの一価アルコールの組合せが、含まれる
ことを特徴とする脂環式ジオールの作製方法。
【請求項3】
請求項1に記載の脂環式ジオールの作製方法において、
ルテニウムの、触媒全体に対する割合が、0.5~8重量百分率である
ことを特徴とする脂環式ジオールの作製方法。
【請求項4】
請求項1に記載の脂環式ジオールの作製方法において、
当該反応装置が、バッチ式反応装置(Batchwise)や撹拌タンク式反応装置(Stir tank)、トリクル層反応装置(Trickle bed)、気泡塔反応装置(Bubble column)或いは多管反応装置(Multi-tube)である
ことを特徴とする脂環式ジオールの作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビス脂環式を含むグリコールの作製方法に関し、そして、芳香族化合物の水素化方法に関し、特に、ビス芳香族を含むグリコールを、水素化反応させて、対応するビス脂環式グリコールを生成する水素化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素化ビスフェノールAは、ビスフェノールAを水素化反応させ、ベンゼン環を飽和させて、対応する脂環族化合物を生成し、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル系樹脂の製造に利用され、それによって、合成された材料は、良い耐候性や耐コロナ性、耐漏電性、高絶縁耐力及び耐薬品性等の優れた特性を持つ。また、ビスフェノールAとエチレングリコールを反応させて、形成されたグリコール誘導体は、ポリエステルや塗装及びPU等の幅広い分野に適用できるが、そのストラクチャーの化合物に二つのベンゼン環が含まれるストラクチャーのために、製品の特性に悪影響を与えて、その応用が制限され、その問題を解消するために、ベンゼン環を脂環族に水素化させるストラクチャーにより、その応用価値が大幅に向上される。
【0003】
既存の、ビスフェノールAを水素化するビジネス プロセスは、殆ど、バッチ式反応装置を利用し、また、高圧(100バール(Bar)より高い)か高温(100°Cより高い)或いは高圧且つ高温の稼動状況下で行うため、投資コストや後続操作及びメインテナンスコストが、高くなる。触媒選択性が少ない問題や触媒安定性が悪い問題がある。そのため、如何に、触媒の活性を向上して、反応温度や圧力を低減させ、また、製品純度と産出高の両立、そして、投資コストや後続の純化コストの低減を求めて、全体としての経済効率を向上させることは、至急の課題である。
【0004】
本発明者は、上記欠点を解消するため、慎重に研究し、また、学理を活用して、有効に上記欠点を解消でき、設計が合理である本発明を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、上記らの従来問題を解消でき、ビス芳香族を含むグリコールの水素化方法を提供し、低温低圧下で、対応するビス脂環式のグリコールを製造でき、また、本発明の利点は、反応温度が50~100°Cの範囲内、圧力が1~50バールに範囲内であっても、変換率が、99.8%以上に達し、同時に生成物選択性が98%以上に達するため、副産物の生成が低減され、後続の分離純化コストが低下され、全体としての経済利益が向上される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の目的を達成するため、ビス脂環式を含むグリコールの作製方法を提供し、反応装置内において、触媒が存在する状態且つ水素雰囲気の元で、ビス芳香族のグリコール溶液を、水素化反応させて、対応するビス脂環式グリコールを生成し、当該触媒に、ニッケル(Ni)やプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)及びロジウム(Rh)の元素周期表の第VIIIB族である遷移元素の活性金属、或いは上記らの組合せが含まれ、触媒担体に、元素周期表の第IVB族元素の酸化物が含まれ、その中、当該ビス芳香族を含むグリコール溶液に、ビス芳香族を含むグリコールや溶剤が含まれ、当該ビス芳香族を含むグリコールに、ビスフェノールA(Bisphenol A, BPA)或いはビスフェノールA誘導体(Ethoxylated Bisphenol A, BPAEO)が含まれ、また、当該ビスフェノールA誘導体のストラクチャーが、
【化2】
である。
【0007】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該溶剤は、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、シクロヘキサノール、ノナノール或いは上記らの一価アルコールの組合せが、含まれる。
【0008】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該IVB 族元素酸化物は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハーニウム(Ha)の金属酸化物或いは上記らの組合せの金属酸化物が、含まれる。
【0009】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該VIIIB族遷移元素の活性金属は、ルテニウム(Ru)やロジウム(Rh)或いは上記らの組合せが、含まれる。
【0010】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該活性金属の、触媒全体に対した割合が、0.5~8重量百分率である。
【0011】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該反応装置の圧力が、1~50バール(Bar)である。
【0012】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該反応装置の反応温度が、50~100°Cである。
【0013】
本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法によれば、当該反応装置が、バッチ式反応装置(Batchwise)や撹拌タンク式反応装置(Stir tank)、トリクル層反応装置(Trickle bed)、気泡塔反応装置(Bubble column)或いは多管反応装置(Multi-tube)である。
【0014】
以下、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらは、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ビス脂環式を含むグリコールの作製方法を提供し、水素と触媒が存在する状態下、ビス芳香族を含むグリコールを水素化させる方法に適用でき、本発明に論述されたビス芳香族を含むグリコールは、ビスフェノールA(Bisphenol A, BPA)かビスフェノールA誘導体(Ethoxylated Bisphenol A, BPAEO)であり、その中、当該ビスフェノールA誘導体のストラクチャーは、
【化3】
であり、
その中、m+n=2~4であり、主として、上記ストラクチャーを有するビスフェノールA誘導体に対して、本発明の触媒で、水素が存在する状態において、水素化反応させて、ビス脂環式を含むグリコールを生成させ、その生成物のストラクチャーは、
【化4】
であり、
その中、m+n=2~4である。
【0016】
まず、触媒を、反応装置内に入れ込み、ビス芳香族を含むグリコール溶液をポンプで、当該反応装置内へ吸い込み、同時に、水素を導入して、水素化反応を行い、当該反応装置は、例えば、トリクル層反応装置(Trickle bed reactor)や撹拌タンク式反応装置(Stir tank reactor)、気泡塔反応装置(Bubble column reactor)及び多管反応装置(Multi-tube reactor)等の連続式反応装置であり、或いは、例えば、バッチ式反応装置(Batchwise reactor)の非連続式反応装置である。当該反応装置圧力は、1~60バール(Bar)で、より良い反応圧力が、1~40バールであって、最も良い反応圧力が、1~20バールであり、反応温度は、40~120°Cで、より良い反応温度が、40~100°Cで、最も良い反応温度が、40~80°Cである。
【0017】
本発明は、触媒が存在する状態下で反応させ、当該反応装置の中に、当該触媒があり、当該触媒に、触媒担体と活性金属が含まれ、その中、当該触媒担体に、元素周期表の第IVB族の元素酸化物が含まれ、当該IVB 族の元素酸化物に、チタン(Ti)やジルコニウム(Zr)、ハーニウム(Ha)の金属酸化物、或いは上記らの組合せの金属酸化物が含まれ、当該活性金属に、ニッケル(Ni)やプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)及びロジウム(Rh)である元素周期表の第VIIIB族の遷移金属元素、或いは上記らの組合せが含まれる。当該活性金属が、全体としての触媒に対して、5~12重量百分率になり、より良いのが、0.5~10重量百分率になり、最も良いのが、0.5~8重量百分率になる。
【0018】
当該触媒担体は、第IVB族の金属塩を、溶剤に溶けてから、少しずつ、アルカリ溶液を添加して、混合溶液のpH値が、8~12の間にあるように調整する。当該第IVB族の金属塩は、例えば、酸塩化ジルコニウム(ZrOCl2)やジルコニア硝酸塩(ZrO(NO3)2)、ヒドロキシルジルコニア硝酸塩(ZrO(OH)NO3)、ジルコニア硫酸塩(ZrOSO4)、酸塩化チタン(TiOCl2)及び酸化チタン硝酸塩(TiO(NO3)2)、或いは上記らの混合物である。当該アルカリ溶液は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及びアンモニウム、或いは上記らの混合物である。
【0019】
そして、上記溶液を、例えば、1~24時間放置し、放置時の温度は、例えば、室温の25°C乃至110°Cである。それから、上記の放置した後の溶液に対して、濾過や洗濯及び乾燥を行って、触媒担体が得られる。一つの実施例において、乾燥温度は、例えば、100~150°Cで、乾燥時間は、例えば、12~24時間である。
【0020】
その後、金属ルテニウムを、上記触媒担体に積載するステップを行い、例えば、塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O)やトリニトロ亜硝酸ルテニウム(Ru(NO3)3.NO)、或いは酸化ルテニウム(RuO2)のルテニウム金属を含む先駆体を、一つの実施例によれば、ルテニウムを含む先駆体を、例えば、沈積-沈殿法か溶液滴下含浸法を利用して、ルテニウム金属先駆体を上記触媒担体に含浸させ、含浸温度が、例えば、室温の25°C乃至60°Cで、時間が、例えば、1~5時間であり、ルテニウム金属の濃度範囲が、例えば、1~5重量百分率になるように、調理する。
【0021】
そして、乾燥とか焼のステップを行い、一つの実施例によれば、乾燥温度が、例えば、100乃至150°Cで、乾燥時間が、例えば、12~24時間であり、鍛燒温度が、例えば、300~550°Cで、鍛燒時間が、例えば、4~18時間である。
【0022】
それから、水素化反応のステップを説明するが、これによって制限されることはない。
【0023】
調理された触媒を、反応装置の中に入れ込み、触媒は、例えば、触媒担体に元素周期表の第IVB族元素の酸化物が含まれ、また、同時に1乃至5重量百分率の活性金属が含まれる。反応装置は、例えば、トリクル層反応装置や撹拌タンク式反応装置、気泡塔反応装置或いは多管反応装置等の連続式反応装置、或いは、例えば、バッチ式反応装置の非連続式反応装置である。
【0024】
その後、ビス芳香族を含むグリコール溶液を、反応装置内に入れ込み、同時に、水素を、反応装置内へ導入する。当該ビス芳香族を含むグリコール溶液は、反応物(ビス芳香族を含むグリコール)と溶剤(solvent)が含まれる。本発明に論述された反応工程は、溶剤やその他の希釈剤(diluent)が存在する状態下で、行ってもよく、溶剤や希釈剤の選択は、主な反応物の相容性を考慮する必要があって、避免造成相分離や非混合の状況を避けなければならなく、また、水素化条件下で、反応をしないものであり、また、水素化生成物自身を溶剤や希釈剤としてもよい。一つの実施例によれば、当該溶剤は、例えば、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、シクロヘキサノール及びノナノールの一価アルコール、或いは上記らの一価アルコールの組合せである。一つの実施例によれば、当該ビス芳香族を含むグリコール溶液の濃度は、例えば、5~30重量百分率である。
【0025】
一つの実施例によれば、上記触媒や水素及びビス芳香族を含むグリコール溶液を、有する反応装置に対して、加熱して、水素化反応を行わせ、対応するビス脂環式グリコールが形成される。一つの実施例によれば、反応温度は、例えば、50~100°Cであり、その他の実施例によれば、反応温度は、例えば、50~70°Cである。反応圧力は、例えば、5~50バールであり、その他の実施例によれば、反応圧力は、例えば、5~20バールである。反応時間は、反応装置の種類と製品品質によって、適当に調整され、例えば、トリクル層反応装置や多管反応装置等の連続式反応装置であれば、空間速度を競ってする必要があり、撹拌タンク式や非連続式反応装置のバッチ式反応装置であれば、製品品質に基づいて、適当な反応時間を調整しなければならない。水素化後の製品から溶剤を除去した後、必要とする水素化生成物が得られ、また、溶剤は、再生利用可能である。
【0026】
以下の実施例は、ただ、例として挙げられ、本発明のディテールや内容を理解させものであり、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。
【0027】
[調理例一]触媒Aの調理方法
24.6グラムのジルコニア硝酸塩を、200 mLの脱イオン水に溶けてから、炭酸ナトリウムやアンモニア水(或いは、両者の混合)を添加し、共沈殿を行わせ、そして、上記溶液を4~24時間放置する。そして、上記の放置された後の溶液に対して、濾過や洗濯及び乾燥を行ってから、600~800°Cの高温か焼を行い、その後、触媒担体が得られる。
【0028】
そして、10グラムを取って、粉砕選別し、20~30ふるい目数の担体顆粒が得られ、ウェット含浸法によって、適当に、塩化ルテニウムやトリニトロ亜硝酸ルテニウム水溶液を、触媒担体にお含浸させてから、400°Cの高温か焼後、ルテニウム含量が3 wt%である触媒が、得られる。
【0029】
本発明は、触媒担体と活性金属が含まれる触媒を、ビス芳香族を含むグリコールの水素化反応に適用し、ビス芳香族を含むグリコールを反応物として、水素化反応を行わせ、反応条件と反応結果は、以下の様である。
【0030】
[実施例1]
2mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤として、ビスフェノールAの重量百分率が10である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで、水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィー(Gas chromatography, GC)で、変換率と選択率を分析し、稼動状況と実験結果が、表一のようになる。
【0031】
【0032】
[実施例2]
2mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤として、ビスフェノールAの重量百分率が10である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで、水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィーで、変換率と選択率を分析し、稼動状況と実験結果が、表二のようになる。
【0033】
【0034】
[実施例3]
2mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤として、ビスフェノールAの重量百分率が15である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで、水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィーで、変換率と選択率を分析し、稼動状況と実験結果が、表三のようになる。
【0035】
【0036】
[実施例4]
2mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤として、ビスフェノールAの重量百分率が15である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで、水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィーで、変換率と選択率を分析し、稼動状況と実験結果が、表四のようになる。
【0037】
【0038】
[実施例5]
7mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤とし、ビスフェノールA誘導体を例として、そのストラクチャーが、下記のようになる(その中、m+n=2が85%で、m+n=3が12%で、m+n=4が3%である)。
【化5】
上記のビスフェノールA誘導体の重量百分率が10である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーで分離した後、直列されるUV検出器を用いた液体クロマトグラフィー(Liquid chromatograph-UV detector, LC-UV)で、変換率を分析して、OH value値で、生成物選択性を算出し、稼動状況と実験結果が、表五のようになる。
【0039】
【0040】
[実施例6]
7 mLであり、粒径が20~30 meshである触媒Aを、反応装置に充填し、水素氣氛中、250°Cで、還元させ、温度が下がった後、イソプロパノールを溶剤とし、ビスフェノールA誘導体(Ethoxylated Bisphenol A, BPAEO4)を例として、そのストラクチャーが、下記のようになる(その中、m+n=4である)。
【化6】
上記のビスフェノールA誘導体の重量百分率が10である溶液を、フィードポンプで、反応装置に吸い込んで水素化反応を行わせ、反応後の生成物を収集して、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーで分離した後、直列されるUV検出器を用いた液体クロマトグラフィーで、変換率を分析して、OH value値で、生成物選択性を算出し、稼動状況と実験結果が、表六のようになる。
【0041】
【0042】
以上のように、本発明は、ビス芳香族を含むグリコールを水素化する方法を提供し、低温低圧下、対応するビス脂環式のグリコールを製造でき、また、反応温度が、50~100°Cだけの間にありながら、圧力が、1~50バールだけの間にあることで、変換率が、99.8%以上に達することができ、また、生成物の選択性が、98%以上に達することができ、副産物の生成や後続の分離純化コストを低下することで、全体としての経済利益が上げられる。
【0043】
以上のように、本発明に係るビス脂環式を含むグリコールの作製方法は、有効的に従来の諸欠点を解消でき、ビス芳香族を含むグリコールを水素化反応させて、対応したビス脂環式のグリコールを形成できる水素化方法であり、この水素化反応は、低圧(<50バール)且つ低温(<100°C)環境下で行うことができ、変換率が、99.8%以上に達し、また、生成物選択性が98%以上に達するため、有効的に、副産物の生成や後続の分離純化コストを低減でき、全体としての経済利益が向上され、そのため、本発明は、より進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0044】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。