(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】イメージセンサ及びこれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220818BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220818BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20220818BHJP
H04N 9/07 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 E
H01L27/146 A
G02B5/20 101
H04N5/369
H04N9/07 A
(21)【出願番号】P 2016196183
(22)【出願日】2016-10-04
【審査請求日】2019-07-05
(31)【優先権主張番号】10-2015-0161884
(32)【優先日】2015-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 光 熙
(72)【発明者】
【氏名】李 啓 滉
(72)【発明者】
【氏名】尹 晟 榮
(72)【発明者】
【氏名】林 東 ソク
(72)【発明者】
【氏名】ブリアド ザビエ
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇 完
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-311550(JP,A)
【文献】特開2011-199798(JP,A)
【文献】特開2008-108918(JP,A)
【文献】特開2008-091753(JP,A)
【文献】特開2008-079937(JP,A)
【文献】特開2002-373980(JP,A)
【文献】特開2007-201267(JP,A)
【文献】特開2008-258474(JP,A)
【文献】特開2013-030592(JP,A)
【文献】特開2013-118335(JP,A)
【文献】特開2015-038979(JP,A)
【文献】特開2008-085160(JP,A)
【文献】特開2010-080953(JP,A)
【文献】特開2007-073742(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0287766(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0375826(US,A1)
【文献】特開2004-172278(JP,A)
【文献】特開2006-203457(JP,A)
【文献】特開2007-336282(JP,A)
【文献】特開2009-135550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0205765(US,A1)
【文献】特開2016-201449(JP,A)
【文献】特開2016-157744(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129406(WO,A1)
【文献】特開2016-040823(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0372036(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0084164(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/14
H01L 27/146
G02B 5/20
H04N 5/369
H04N 9/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光感知素子を含む半導体基板と、
前記半導体基板の全面に位置して青色光及び赤色光から選択される一つである第1可視光を選択的に感知する光電素子と、
前記複数の光感知素子に対応するように位置する複数のカラーフィルタと、を備え、
前記複数のカラーフィルタは、
前記第1可視光と異なり、青色光及び赤色光から選択される一つである第2可視光を選択的に透過させる第1カラーフィルタと、
前記第1可視光を含まず前記第2可視光を含む第1混合光を
選択的に透過させる第2カラーフィルタと、を含み、
前記光電素子は、
互いに対向する一対の電極と、
前記一対の電極の間の全面に位置して可視光線領域の三原色の光のうちの一つである前記第1可視光を選択的に吸収する吸光層と、を含み、
前記光感知素子は、
前記第1カラーフィルタに重畳して前記第2可視光を感知する第1光感知素子と、
前記第2カラーフィルタに重畳して前記第2可視光及び緑色光を含む第2混合光を感知する第2光感知素子と、を含み、
前記第2光感知素子は、前記第1光感知素子よりも厚く、
入射光のうちの前記第1可視光は、前記光電素子によって選択的に吸収され、
前記光電素子を通過した前記第1可視光以外の光のうちの前記第1カラーフィルタを通過した前記第2可視光は、前記第1光感知素子によって感知され、
前記光電素子を通過した前記第1可視光以外の光のうちの前記第2カラーフィルタを通過した混合光は、前記第2光感知素子によって感知されることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記複数のカラーフィルタは、少なくとも一つの前記第1カラーフィルタ及び少なくとも一つの前記第2カラーフィルタからなるカラーフィルタアレイを形成し、
前記カラーフィルタアレイにおいて、前記第2カラーフィルタの個数は、前記第1カラーフィルタの個数と同一であるか又は多いことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第2混合光は、前記第1混合光と同一であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第2混合光は、前記第1混合光と同一であり、
前記第1混合光及び前記第2混合光は、前記第1可視光を含まないことを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1混合光及び前記第2混合光は、青色光と緑色光との混合光、又は赤色光と緑色光との混合光であることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1混合光及び前記第2混合光は、それぞれ緑色光を含むことを特徴とする請求項
3に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第2可視光は、青色光であり、
前記第2混合光は、青色光と緑色光との混合光であることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第2可視光は、赤色光であり、
前記第2混合光は、赤色光と緑色光との混合光であることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1可視光は、赤色光又は青色光であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第1可視光は、赤色光であり、
前記第2可視光は、青色光であることを特徴とする請求項
9に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記第1可視光は、青色光であり、
前記第2可視光は、赤色光であることを特徴とする請求項
9に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載のイメージセンサを含むことを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサ及びこれを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやカムコーダーなどには映像を撮影して電気的信号として貯蔵する撮像素子が使用され、撮像素子は入射する光を波長によって分解してそれぞれの成分を電気的信号に変換するイメージセンサを含む。
【0003】
イメージセンサは日増しに小型化が要求されている。近来、イメージセンサの大きさを小さくするために積層構造のイメージセンサが研究されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、吸光効率及び感度を改善させた積層構造のイメージセンサ及びこれを含む電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるイメージセンサは、複数の光感知素子を含む半導体基板と、前記半導体基板の一面に位置して第1可視光を選択的に感知する光電素子と、前記複数の光感知素子に対応するように位置する複数のカラーフィルタと、を備え、前記複数のカラーフィルタは、前記第1可視光と異なる第2可視光を選択的に透過させる第1カラーフィルタと、前記第2可視光を含む第1混合光を透過させる第2カラーフィルタと、を含む。
【0006】
前記複数のカラーフィルタは、少なくとも一つの前記第1カラーフィルタ及び少なくとも一つの前記第2カラーフィルタからなるカラーフィルタアレイを形成し、前記カラーフィルタアレイにおいて、前記第2カラーフィルタの個数は、前記第1カラーフィルタの個数と同一であるか又は多くあり得る。
前記光感知素子は、前記第1カラーフィルタに重畳して前記第2可視光を感知する第1光感知素子と、前記第2カラーフィルタにと重畳して前記第2可視光をむ第2混合光を感知する第2光感知素子と、を含み、前記第2混合光は、前記第1混合光と同一であるか又は異なり得る。
前記第2混合光は、前記第1混合光と同一であり、前記第1混合光及び前記第2混合光は、前記第1可視光を含まなくあり得る。
前記第1混合光及び前記第2混合光は、青色光と緑色光との混合光、又は赤色光と緑色光との混合光であり得る。
前記第1混合光は、前記第2混合光と異なり、前記第1混合光は、前記第1可視光を含み、前記第2混合光は、前記第1可視光を含まなくあり得る。
前記第1混合光及び前記第2混合光は、それぞれ緑色光を含み得る。
前記第1混合光は、赤色光、緑色光、及び青色光の混合光であり、前記第2混合光は、青色光と緑色光との混合光、又は赤色光と緑色光との混合光であり得る。
前記第2可視光は、青色光であり、前記第2混合光は、青色光と緑色光との混合光であり得る。
前記第2可視光は、赤色光であり、前記第2混合光は、赤色光と緑色光との混合光であり得る。
前記第1光感知素子及び前記第2光感知素子は、厚さが異なり得る。
前記第2光感知素子は、前記第1光感知素子より厚くあり得る。
前記第1可視光は、赤色光又は青色光であり得る。
前記第1可視光は、赤色光であり、前記第2可視光は、青色光であり得る。
前記第1可視光は、青色光であり、前記第2可視光は、赤色光であり得る。
前記第1混合光は、前記第1可視光を含む混合光であり得る。
前記第1混合光は、赤色光、緑色光、及び青色光の混合光であり得る。
前記第1混合光は、前記第1可視光を含まない混合光であり得る。
前記光電素子は、互いに対向する一対の電極と、前記一対の電極の間に位置して前記第1可視光を選択的に吸収する吸光層と、を含み得る。
【0007】
上記目的を達成するためになされた一態様による電子装置は、前記イメージセンサを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸光効率を高めた高感度イメージセンサを具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【
図2】他の実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【
図3】一実施形態によるイメージセンサにおける単位カラーフィルタアレイの第1例を示す概略図である。
【
図4】一実施形態によるイメージセンサにおける単位カラーフィルタアレイの第2例を示す概略図である。
【
図5】一実施形態によるイメージセンサにおける単位カラーフィルタアレイの第3例を示す概略図である。
【
図6】一実施形態によるイメージセンサにおける単位カラーフィルタアレイの第4例を示す概略図である。
【
図7】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第1例を示す概略図である。
【
図8】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第2例を示す概略図である。
【
図9】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第3例を示す概略図である。
【
図10】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第4例を示す概略図である。
【
図11】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第5例を示す概略図である。
【
図12】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第6例を示す概略図である。
【
図13】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第7例を示す概略図である。
【
図14】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第8例を示す概略図である。
【
図15】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第9例を示す概略図である。
【
図16】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第10例を示す概略図である。
【
図17】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第11例を示す概略図である。
【
図18】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第12例を示す概略図である。
【
図19】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第13例を示す概略図である。
【
図20】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第14例を示す概略図である。
【
図21】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第15例を示す概略図である。
【
図22】一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の第16例を示す概略図である。
【
図23】既存の断層構造のイメージセンサのカラーフィルタ層の配置の第1例を示す概略図である。
【
図24】既存の断層構造のイメージセンサのカラーフィルタ層の配置の第2例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0011】
図面において様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体に亘って類似の部分については同一図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという場合、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるという場合には中間に他の部分がないことを意味する。
【0012】
以下、図面を参照して本実施形態によるイメージセンサを説明する。ここではイメージセンサの一例としてCMOSイメージセンサについて説明する。
【0013】
図1は、一実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態によるイメージセンサ200は、光電素子30と、複数の光感知素子(50a、50b)、電荷貯蔵所55、及び伝送トランジスタ(図示せず)を含む半導体基板110と、カラーフィルタ層70とを含む。
【0015】
光電素子30は、光が入射する側に位置し、可視光線領域のうちの一部の第1可視光線領域の光(以下、‘第1可視光’という)を選択的に感知する。第1可視光は三原色(three primary colors)の光のうちの一つである。
【0016】
光電素子30は、互いに対向する下部電極31と上部電極33、そして下部電極31と上部電極33との間に位置する吸光層32を含む。
【0017】
下部電極31及び上部電極33のうちのいずれか一つはアノード(anode)であり、他の一つはカソード(cathode)である。下部電極31及び上部電極33は両方とも透光電極である。透光電極は、例えばインジウムスズオキシド(indium tin oxide:ITO)、インジウム亜鉛オキシド(indium zinc oxide:IZO)のような透明導電体で形成されるか、或いは数ナノメートル~数十ナノメートル厚さの薄い厚さで形成された金属薄膜又は金属酸化物がドーピングされた数ナノメートル~数十ナノメートル厚さの薄い厚さで形成された単一層又は複数層の金属薄膜である。
【0018】
吸光層32は第1可視光を選択的に吸収する。吸光層32は、第1可視光を選択的に吸収し、第1可視光以外の光をそのまま通過させる。
【0019】
一例として、第1可視光は、約600nm超700nm以下で最大吸収波長(λmax)を有する赤色光である。第1可視光は、上記範囲内で例えば約630nm~680nmで最大吸収波長を有する赤色光である。
【0020】
一例として、第1可視光は、約400nm以上500nm未満で最大吸収波長(λmax)を有する青色光である。第1可視光は、上記範囲内で例えば約420nm~480nmで最大吸収波長を有する青色光である。
【0021】
一例として、第1可視光は、約500nm~600nmで最大吸収波長(λmax)を有する緑色光である。第1可視光は、上記範囲内で例えば約520nm~580nmで最大吸収波長を有する緑色光である。
【0022】
吸光層32はp型半導体及びn型半導体を含み、p型半導体及びn型半導体はpn接合(pn junction)を形成する。吸光層32は、第1可視光を選択的に吸収してエキシトン(exciton)を形成した後、生成されたエキシトンを正孔と電子とに分離し、分離された正孔は下部電極31及び上部電極33のうちの一つのアノード側に移動し、分離された電子は下部電極31及び上部電極33のうちの他の一つのカソード側に移動することによって光電効果を発揮する。分離された電子及び/又は正孔は電荷貯蔵所55に集められる。
【0023】
p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも一つは第1可視光を選択的に吸収する。p型半導体及びn型半導体は、それぞれ独立して有機物、無機物、又は有機物及び無機物を含む。p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも一つは有機物を含む。
【0024】
吸光層32は単一層であるか又は複数層である。吸光層32は、例えば真性層(intrinsic layer:I層)、p型層/I層、I層/n型層、p型層/I層/n型層、p型層/n型層などの多様な組み合わせである。
【0025】
真性層(I層)はp型半導体とn型半導体とが約1:100~約100:1の体積比で混合されて含まれる。p型半導体とn型半導体とは、上記範囲内で例えば約1:50~50:1の体積比で含まれ、上記範囲内で例えば約1:10~10:1の体積比で含まれ、上記範囲内で例えば約1:1の体積比で含まれる。p型半導体とn型半導体とが上記範囲の組成比を有することによって効果的なエキシトン生成及びpn接合形成に有利である。
【0026】
p型層はp型半導体を含み、n型層はn型半導体を含む。
【0027】
吸光層32は約1nm~500nmの厚さを有する。吸光層32は、上記範囲内で例えば約5nm~300nmの厚さを有し、例えば約5nm~200nmの厚さを有する。上記範囲の厚さを有することによって第1可視光を効果的に吸収し、正孔と電子を効果的に分離及び伝達することによって光電変換効率を効果的に改善することができる。
【0028】
吸光層32はイメージセンサ200の全面(whole surface)に形成される。これにより、イメージセンサ200は、イメージセンサの全面で第1可視光を選択的に吸収し、光面積が増えて高い吸光効率を有する。
【0029】
半導体基板110は、シリコン基板であり、第1光感知素子50a、第2光感知素子50b、電荷貯蔵所55、及び伝送トランジスタ(図示せず)が集積される。
【0030】
第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bは光ダイオード(photodiode)である。第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bはそれぞれ光をセンシングし、センシングされた情報は伝送トランジスタによって伝達される。電荷貯蔵所55は光電素子30に電気的に連結され、電荷貯蔵所55の情報は伝送トランジスタによって伝達される。
【0031】
第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bの上には金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。金属配線及びパッドは信号遅延を減らすために低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、及びこれらの合金で形成されるが、これに限定されるものではない。しかし、上記構造に限定されず、金属配線及びパッドが第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bの下部に配置され得る。
【0032】
半導体基板110の上には下部絶縁層60及び上部絶縁層80が形成される。下部絶縁層60及び上部絶縁層80は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素のような無機絶縁物質、或いはSiC、SiCOH、SiCO、及びSiOFのような低誘電率(low K)物質で形成される。下部絶縁層60及び上部絶縁層80は電荷貯蔵所55を露出するトレンチ(貫通口)85を有する。トレンチ85は充填材で満たされる。下部絶縁層60及び上部絶縁層80のうちの少なくとも一つは省略され得る。
【0033】
カラーフィルタ層70は行及び列に沿って反復的に配列された複数の単位カラーフィルタアレイ(unit color filter array)を含み、単位カラーフィルタアレイは、例えば2×2、3×3、4×4などの多様なマトリックス配列を有する。
【0034】
単位カラーフィルタアレイは、三原色の光のうちの一つの単一光を透過させる少なくとも一つの第1カラーフィルタ70aと、三原色の光のうちの少なくとも二つの混合光(mixed light)を透過させる少なくとも一つの第2カラーフィルタ70bを含む。
【0035】
第1カラーフィルタ70aは、第1可視光と異なる第2可視光線領域の光(以下、‘第2可視光’という)を選択的に透過させ、例えば赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタ、青色光を選択的に透過させる青色フィルタ、又は緑色光を選択的に透過させる緑色フィルタである。
【0036】
一例として、第1可視光が赤色光である場合、第1カラーフィルタ70aは、約400nm以上500nm未満で最大吸収波長(λmax)を有する青色光を選択的に透過させる青色フィルタであるか、又は約500nm~600nmで最大吸収波長(λmax)を有する緑色光を選択的に透過させる緑色フィルタである。
【0037】
一例として、第1可視光が青色光である場合、第1カラーフィルタ70aは、約600nm超700nm以下で最大吸収波長(λmax)を有する赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタであるか、又は約500nm~600nmで最大吸収波長(λmax)を有する緑色光を選択的に透過させる緑色フィルタである。
【0038】
一例として、第1可視光が緑色光である場合、第1カラーフィルタ70aは、約400nm以上500nm未満で最大吸収波長(λmax)を有する青色光を選択的に透過させる青色フィルタであるか、又は約600nm超700nm以下で最大吸収波長(λmax)を有する赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタである。
【0039】
第2カラーフィルタ70bは、例えば青色光、緑色光、及び赤色光から選択される少なくとも二つの混合光を透過させ、例えば青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタ(cyan filter)、赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタ(yellow filter)、青色光と赤色光との混合光を透過させるマゼンタフィルタ(magenta filter)、又は青色光、緑色光、及び赤色光の混合光を透過させる白色フィルタ(white filter)である。
【0040】
一例として、第2カラーフィルタ70bは、第2可視光を含む混合光を透過させる。
【0041】
一例として、第2カラーフィルタ70bは、第2可視光を含み第1可視光を排除した混合光を透過させる。
【0042】
一例として、第2カラーフィルタ70bは、第1及び第2可視光と異なる第3可視光線領域の光(以下、‘第3可視光’という)と第2可視光との混合光を透過させる。
【0043】
一例として、第2カラーフィルタ70bは、第1可視光、第2可視光、及び第3可視光の混合光を透過させる。
【0044】
一例として、第1可視光が赤色光であり、第2可視光が青色光であり、第3可視光が緑色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタである。
【0045】
一例として、第1可視光が赤色光であり、第2可視光が青色光であり、第3可視光が緑色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光、緑色光、及び赤色光の混合光を透過させる白色フィルタである。
【0046】
一例として、第1可視光が赤色光であり、第2可視光が緑色光であり、第3可視光が青色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタである。
【0047】
一例として、第1可視光が赤色光であり、第2可視光が緑色光であり、第3可視光が青色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光、緑色光、及び赤色光の混合光を透過させる白色フィルタである。
【0048】
一例として、第1可視光が青色光であり、第2可視光が赤色光であり、第3可視光が緑色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタである。
【0049】
一例として、第1可視光が青色光であり、第2可視光が赤色光であり、第3可視光が緑色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、赤色光、緑色光、及び青色光の混合光を透過させる白色フィルタである。
【0050】
一例として、第1可視光が青色光であり、第2可視光が緑色光であり、第3可視光が赤色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタである。
【0051】
一例として、第1可視光が青色光であり、第2可視光が緑色光であり、第3可視光が赤色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光、緑色光、及び赤色光の混合光を透過させる白色フィルタである。
【0052】
一例として、第1可視光が緑色光であり、第2可視光が赤色光であり、第3可視光が青色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、赤色光と青色光との混合光を透過させるマゼンタフィルタである。
【0053】
一例として、第1可視光が緑色光であり、第2可視光が赤色光であり、第3可視光が青色光である場合、第2カラーフィルタ70bは、青色光、緑色光、及び赤色光の混合光を透過させる白色フィルタである。
【0054】
単位カラーフィルタアレイは、少なくとも一つの第1カラーフィルタ70a及び少なくとも一つの第2カラーフィルタ70bを含み、第2カラーフィルタ70bの個数が第1カラーフィルタ70aの個数と同一であるか又はそれより多い。このように、混合光を透過させる第2カラーフィルタ70bの個数が単一光を透過させる第1カラーフィルタ70aの個数と同一であるか又はそれより多いことによって、低照度環境でもイメージセンサの感度及び輝度が急激に低下することを防止し、高感度及び高輝度特性を具現することができる。
【0055】
図3~
図6は、それぞれ一実施形態によるイメージセンサにおける単位カラーフィルタアレイの多様な例(第1例~第4例)を示す概略図である。
【0056】
図3に示すように、第1例による単位カラーフィルタアレイは、2×2マトリックス形態であり、2つの第1カラーフィルタ70a及び2つの第2カラーフィルタ70bからなる。
【0057】
図4に示すように、第2例による単位カラーフィルタアレイは、2×2マトリックス形態であり、1つの第1カラーフィルタ70a及び3つの第2カラーフィルタ70bからなる。
【0058】
図5に示すように、第3例による単位カラーフィルタアレイは、3×3マトリックス形態であり、4つの第1カラーフィルタ70a及び5つの第2カラーフィルタ70bからなる。
【0059】
図6に示すように、第4例による単位カラーフィルタアレイは、3×3マトリックス形態であり、3つの第1カラーフィルタ70a及び6つの第2カラーフィルタ70bからなる。
【0060】
第1光感知素子50aは第1カラーフィルタ70aに重畳するように配置され、第2光感知素子50bは第2カラーフィルタ70bに重畳するように配置される。
【0061】
第1光感知素子50aは光電素子30及び第1カラーフィルタ70aを通過した光を感知する。即ち、入射光のうちの第1可視光は光電素子30によって選択的に吸収され、光電素子30を通過した第1可視光以外の光のうちの第1カラーフィルタ70aを通過した第2可視光が第1光感知素子50aによって感知される。
【0062】
第2光感知素子50bは光電素子30及び第2カラーフィルタ70bを通過した光を感知する。即ち、入射光のうちの第1可視光は光電素子30によって選択的に吸収され、光電素子30を通過した第1可視光以外の光のうちの第2カラーフィルタ70bを通過した混合光が第2光感知素子50bによって感知される。
【0063】
第2光感知素子50bが感知する混合光は、第2カラーフィルタ70bが透過させる混合光と同一であるか又は異なる。
【0064】
一例として、第2カラーフィルタ70bが第1可視光を含む混合光を透過させる場合、第2光感知素子50bが感知する混合光は、第2カラーフィルタ70bが透過させる混合光と異なる。
【0065】
例えば、光電素子30によって吸収される第1可視光が赤色光であり、第2カラーフィルタ70bが赤色光、緑色光、及び青色光を透過させる白色フィルタである場合、第2光感知素子50bは、青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0066】
例えば、光電素子30によって吸収される第1可視光が青色光であり、第2カラーフィルタ70bが赤色光、緑色光、及び青色光を透過させる白色フィルタである場合、第2光感知素子50bは、赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0067】
一例として、第2カラーフィルタ70bが透過させる混合光が第1可視光を含まない混合光である場合、第2光感知素子50bが感知する混合光は、第2カラーフィルタ70bが透過させる混合光と同一である。
【0068】
例えば、光電素子30によって吸収される第1可視光が赤色光であり、第2カラーフィルタ70bが青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタである場合、第2光感知素子50bは、青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0069】
例えば、光電素子30によって吸収される第1可視光が青色光であり、第2カラーフィルタ70bが赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタである場合、第2光感知素子50bは、赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0070】
図7~
図22は、それぞれ一実施形態によるイメージセンサにおける光電素子及びカラーフィルタ層の配置の例(第1例~第16例)を示す概略図である。
図7~
図14では2×2マトリックス形態の単位画素群を例として示し、
図15~
図22では3×3マトリックス形態の単位画素群を例として示したが、これに限定されるものではない。
【0071】
図7に示すように、第1例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタBと青色光、赤色光、及び緑色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。青色フィルタBの個数と白色フィルタWの個数は同一である。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0072】
図8に示すように、第2例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタBと青色光、赤色光、及び緑色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。白色フィルタWの個数は青色フィルタBの個数より多い。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0073】
図9に示すように、第3例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタB及び青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタCyを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。青色フィルタBの個数とシアンフィルタCyの個数は同一である。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、シアンフィルタCyに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びシアンフィルタCyを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0074】
図10に示すように、第4例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタB及び青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタCyを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。シアンフィルタCyの個数は青色フィルタBの個数より多い。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、シアンフィルタCyに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びシアンフィルタCyを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0075】
図11に示すように、第5例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタRと青色光、赤色光、及び緑色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。赤色フィルタRの個数と白色フィルタWの個数は同一である。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0076】
図12に示すように、第6例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタRと青色光、赤色光、及び緑色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。白色フィルタWの個数は赤色フィルタRの個数より多い。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0077】
図13に示すように、第7例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタR及び赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタYを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。赤色フィルタRの個数とイエローフィルタYの個数は同一である。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、イエローフィルタYに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びイエローフィルタYを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0078】
図14に示すように、第8例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタR及び赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタYを2×2マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。イエローフィルタYの個数は赤色フィルタRの個数より多い。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、イエローフィルタYに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びイエローフィルタYを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0079】
図15及び
図16に示すように、第9例及び第10例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタBと青色光、赤色光、及び緑色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを3×3マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。白色フィルタWの個数は青色フィルタBの個数より多い。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0080】
図17及び
図18に示すように、第11例及び第12例のイメージセンサは、全面に形成されて赤色光を選択的に吸収及び感知する赤色光電素子R、そして青色光を選択的に透過させる青色フィルタB及び青色光と緑色光との混合光を透過させるシアンフィルタCyを3×3マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。シアンフィルタCyの個数は青色フィルタBの個数より多い。この場合、青色フィルタBに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び青色フィルタBを通過した青色光を感知し、シアンフィルタCyに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びシアンフィルタCyを通過した青色光と緑色光との混合光、即ちシアン光を感知する。
【0081】
図19及び
図20に示すように、第13例及び第14例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタRと赤色光、緑色光、及び青色光の混合光を透過させる白色フィルタWとを3×3マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。白色フィルタWの個数は赤色フィルタRの個数より多い。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、白色フィルタWに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及び白色フィルタWを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0082】
図21及び
図22に示すように、第15例及び第16例のイメージセンサは、全面に形成されて青色光を選択的に吸収及び感知する青色光電素子B、そして赤色光を選択的に透過させる赤色フィルタR及び赤色光と緑色光との混合光を透過させるイエローフィルタYを3×3マトリックス形態に含むカラーフィルタ層70を含む。イエローフィルタYの個数は赤色フィルタRの個数より多い。この場合、赤色フィルタRに重畳するように位置する第1光感知素子50aは光電素子30及び赤色フィルタRを通過した赤色光を感知し、イエローフィルタYに重畳するように位置する第2光感知素子50bは光電素子30及びイエローフィルタYを通過した赤色光と緑色光との混合光、即ちイエロー光を感知する。
【0083】
本実施形態によるイメージセンサは、光感知素子と光電素子とが積層された構造を有することによってイメージセンサの面積を減らすことができ、これによりイメージセンサの小型化を具現することができる。
【0084】
また、本実施形態によるイメージセンサは、混合光を透過させるカラーフィルタを含むことによってカラーフィルタによる光損失を減らして吸光効率を高めることができる。これにより、高感度イメージセンサを具現することができる。
【0085】
図7~
図22に示した本実施形態によるイメージセンサを既存の2×2及び3×3マトリックス形態の断層構造のイメージセンサと比較すると、吸光効率の改善程度を評価することができる。既存の2×2及び3×3マトリックス形態の断層構造のイメージセンサのカラーフィルタ層の配置の例(第1例及び第2例)を
図23及び
図24に示す。
【0086】
吸光効率の相対的な比較を次のような方法で計算した。
【0087】
1)単位画素に入射する入射光を1と仮定する。
2)赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタのような単色フィルタは、入射光のうちの1/3のみを透過させるため、単位画素の光感知素子で感知される光を1/3と仮定する。
3)光電素子は赤色、緑色、又は青色光を選択的に吸収するため、光電素子で吸収される光を1/3と仮定する。
4)混合フィルタは光電素子で吸収された光を除いた2色又は3色を吸収するため、単位画素の光感知素子で感知される光を2/3と仮定する。即ち、第1可視光を吸収する光電素子と白色フィルタとが重畳する構造の場合、単位画素の光感知素子で感知される光は入射光のうちの第1可視光を除いた光であるため2/3と仮定する。同様に、第1可視光を吸収する光電素子と第1可視光を除いた混合光を透過する混合フィルタ、即ちシアンフィルタ又はイエローフィルタとが重畳する構造の場合、単位画素の光感知素子で感知される光は入射光のうちの2/3と仮定する。
5)基準例1、2の吸光効率を100%として、相対的な比率で計算する。
計算結果は表1の通りである。
【0088】
【0089】
表1に示すように、
図7~
図22に示した本実施形態によるイメージセンサは、基準例1、2による既存の断層構造のイメージセンサと比較して2倍以上の吸光効率に高められ、これから高感度イメージセンサの具現が期待される。
【0090】
図2は、他の実施形態によるイメージセンサを示す断面図である。
【0091】
図2に示すように、本実施形態によるイメージセンサ300は、
図1の実施形態と同様に、光電素子30と、第1及び第2光感知素子(50a、50b)、電荷貯蔵所55、及び伝送トランジスタ(図示せず)を含む半導体基板100と、カラーフィルタ層70と、下部絶縁層60及び上部絶縁層80と、を含む。
【0092】
しかし、本実施形態によるイメージセンサ300は、
図1の実施形態とは異なり、第1及び第2光感知素子(50a、50b)が半導体基板110の表面から深い位置に形成される。第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bは、積層深さに応じて可視光線領域のうちのそれぞれ異なる波長領域の光を感知するため、感知する波長領域によって第1光感知素子50a及び第2光感知素子50bの位置は多様に変更される。
【0093】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0094】
30 光電素子
31 下部電極
32 吸光層
33 上部電極
50a 第1光感知素子
50b 第2光感知素子
55 電荷貯蔵所
60 下部絶縁層
70 カラーフィルタ層
70a 第1カラーフィルタ
70b 第2カラーフィルタ
80 上部絶縁層
85 トレンチ(貫通口)
110 半導体基板
200、300 イメージセンサ