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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】プリンタ装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20220818BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
B65H7/14
B41J15/04
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018201488
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020066523
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】矢田 雄二
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-013945(JP,A)
【文献】特開2017-035857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/14
B41J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙が設置される設置領域を有するプリンタ本体部と、
前記記録紙に印刷をする印刷ヘッドと、
制御部と、
前記設置領域において、前記記録紙の幅を規定する可動ガイドと、
前記設置領域に取り付けられた前記可動ガイドの位置を検出する第1の検出スイッチと、
を有し、
前記可動ガイドは、前記設置領域内の両側に設けられており、
外側に設けられた側壁と、
前記側壁よりも内側に設けられた第1ホルダ部と、
前記第1ホルダ部よりも内側に設けられた第2ホルダ部と、
を有し、
前記第1ホルダ部と前記第2ホルダ部との間には段部が形成されており、
前記第1ホルダ部には、前記第1ホルダ部に設置される前記記録紙を検出する第2の検出スイッチが設けられており、
前記制御部は、前記第1の検出スイッチ及び前記第2の検出スイッチにおいて得られた情報に基づき、前記記録紙の幅に応じた印刷制御をすることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】
前記第1の検出スイッチは、複数設けられていることを特徴とする請求項に記載のプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタは、商店等のレジスタや持ち運びが可能なモバイル型のレシート発行装置等の用途に幅広く用いられている。プリンタ装置には、プリンタ本体部と、プリンタ本体部に回動可能な状態で支持された蓋部が設けられたものがあり、蓋部を開くことにより記録紙ホルダに、ロール状に巻かれた記録紙を入れることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-13945号公報
【文献】特開2000-302299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したプリンタ装置に用いられるロール紙には様々な幅のものがあり、一つのプリンタ装置で様々な幅の記録紙に印刷をすることができれば、プリンタ装置としての汎用性が向上する。
【0005】
よって、幅の異なる記録紙に対応しているプリンタ装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の一観点によれば、記録紙が設置される設置領域を有するプリンタ本体部と、前記記録紙に印刷をする印刷ヘッドと、制御部と、前記設置領域において、前記記録紙の幅を規定する可動ガイドと、前記設置領域に取り付けられた前記可動ガイドの位置を検出する第1の検出スイッチと、を有し、前記可動ガイドは、前記設置領域内の両側に設けられており、外側に設けられた側壁と、前記側壁よりも内側に設けられた第1ホルダ部と、前記第1ホルダ部よりも内側に設けられた第2ホルダ部と、を有し、前記第1ホルダ部と前記第2ホルダ部との間には段部が形成されており、前記第1ホルダ部には、前記第1ホルダ部に設置される前記記録紙を検出する第2の検出スイッチが設けられており、前記制御部は、前記第1の検出スイッチ及び前記第2の検出スイッチにおいて得られた情報に基づき、前記記録紙の幅に応じた印刷制御をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、幅の異なる記録紙に対応するプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態のプリンタ装置の斜視図(1)
図2】本実施の形態のプリンタ装置の斜視図(2)
図3】本実施の形態のプリンタ装置の斜視図(3)
図4】本実施の形態のプリンタ装置の上面図
図5】本実施の形態のプリンタ装置の断面図(1)
図6】本実施の形態のプリンタ装置の断面図(2)
図7】本実施の形態の可動ガイドの斜視図
図8】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(1)
図9】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(2)
図10】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(3)
図11】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(4)
図12】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(5)
図13】本実施の形態のプリンタ装置の説明図(6)
図14】本実施の形態のプリンタ装置の制御方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0010】
プリンタ装置で幅の異なるロール状の記録紙を用いる場合について説明する。例えば、4インチ幅のロール紙を記録紙ホルダ等の設置領域に設置できるプリンタ装置では、幅が4インチよりも狭い、例えば3インチ幅や2インチ幅のロール紙を設置領域に入れることは可能である。このため、4インチ幅のロール紙に対応したプリンタ装置であれば、3インチ幅や2インチ幅のロール紙に印刷をすることは不可能ではない。
【0011】
しかしながら、4インチ幅のロール紙に対応した設置領域に4インチよりも幅の狭いロール紙を入れた場合、ロール紙が設置領域内で幅方向に移動してしまう。このため、幅の狭いロール紙を位置決めするための位置決め部材が必要となる。
【0012】
また、位置決め部材によりロール紙の位置決めがなされても、4インチ幅のロール紙に対応したプリンタ装置では4インチ幅の記録紙に印刷をすることを前提に作られているため、そのまま3インチ幅や2インチ幅のロール紙に印刷をすると、印刷される情報が記録紙よりはみ出してしまい、所望の情報を記録紙に印刷することができない。このため、例えば2インチ幅のロール紙に印刷をする場合には、設置領域に入れられているロール紙の幅は2インチであることをプリンタ装置が認識する必要がある。
【0013】
4インチ幅のロール紙に対応したプリンタ装置の設置領域に、4インチよりも幅の狭い3インチ幅や2インチ幅のロール紙が入れられた場合に、プリンタ装置が記録紙の幅を自動的に検出できれば、各々の記録紙の幅に対応した印刷動作を行うことができるため、印刷される情報が記録紙よりはみ出してしまうことを防ぐことができる。
【0014】
本実施の形態のプリンタ装置は、このような観点よりなされた発明であり、プリンタ装置の設置領域に入れられている記録紙の幅を検出することができ、検出された情報に基づき記録紙の幅に対応して印刷ヘッドを駆動することにより、複数の幅の異なる記録紙を用いた印刷を可能とするものである。
【0015】
(プリンタ装置)
本実施の形態のプリンタ装置について、図1から図6に基づき説明する。図1は本実施の形態のプリンタ装置の斜視図であり、図2は蓋を開いた状態の斜視図であり、図3は蓋を開き記録紙が入れられている状態の斜視図であり、図4は上面図であり、図5図4における一点鎖線4A-4Bにおいて切断した断面図であり、図6図4における一点鎖線4C-4Dにおいて切断した断面図である。
【0016】
本実施の形態のプリンタ装置は、プリンタの本体部20と、本体部20に回動可能な状態で接続されている蓋30とを有している。蓋30の内側には、回転可能な状態でプラテンローラ40が取り付けられており、本体部20の内部には、サーマルヘッド等の印刷ヘッド50が取り付けられている。本実施の形態のプリンタ装置では、蓋30を回動させて開くことにより、本体部20に設けられている記録紙が設置される設置領域60が開かれ、設置領域60にロール状の記録紙100を入れることができる。図3に示される記録紙100は、例えば幅が114mmの、一般的に4インチ幅と呼ばれている記録紙である。
【0017】
蓋30を閉じることにより、プリンタ装置に記録紙100を設置することができる。記録紙100の端部は、プラテンローラ40と印刷ヘッド50との間に挟まれ、不図示のモータによりプラテンローラ40を回転させることにより記録紙100を搬送しながら、印刷ヘッド50により記録紙100に印刷をし、図5の破線矢印に示す方向に排紙することができる。
【0018】
また、プリンタ装置の内部には、図5に示されるように、プリンタ装置を制御するための制御基板70が設けられており、様々な制御をすることが可能である。更に、プラテンローラ40を回転させるための不図示のモータや印刷ヘッド50を駆動するための電力を供給するための電池71が設けられている。
【0019】
本実施の形態のプリンタ装置においては、図6等に示されるように、設置領域60内で記録紙100を幅方向の両側よりガイドする可動ガイド80が設けられている。可動ガイド80は、設置領域60内での取り付け位置を変えることができ、記録紙100を両側よりガイドするために2つ設けられており、設置領域60内において記録紙の幅方向に対称となる位置に設置される。設置領域60内には、可動ガイド80の位置を検出するための検出スイッチSW1、SW2が設けられており、可動ガイド80には記録紙を検出するための検出スイッチSW3が設けられている。尚、本願においては、検出スイッチSW1、SW2を第1の検出スイッチと記載し、検出スイッチSW3を第2の検出スイッチと記載する場合がある。また、本実施の形態では、検出スイッチSW1、SW2、SW3はメカニカルスイッチであるが、光の反射等を検出する反射型の光学スイッチ等であってもよい。
【0020】
(記録紙可動ガイド)
次に、図7に基づき、可動ガイド80について説明する。可動ガイド80は、外側に記録紙の位置を幅方向より規定する側壁81が設けられており、側壁81よりも内側には第1ホルダ部82が、更に第1ホルダ部82の内側には第2ホルダ部83が形成されており、第1ホルダ部82と第2ホルダ部83との間には段部84が形成されており、第1ホルダ部82よりも第2ホルダ部83が深くなっている。可動ガイド80は、設置領域60内において記録紙の幅方向に3段階に移動させることができる。
【0021】
第1ホルダ部82及び第2ホルダ部83は、ロール状の記録紙の外形に対応した円弧状に形成されている。検出スイッチSW3は、可動ガイド80の第1ホルダ部82に対応する位置に設けられており、第1ホルダ部82に入っている記録紙を検出するが、第2ホルダ部83に入っている記録紙は検出しない。
【0022】
図8及び図9は、最も幅の広い、例えば4インチ幅の記録紙101に対応した状態を図示するものである。図8はこの状態のプリンタの本体部20の上面図であり、図9は斜視図であり、記録紙101は破線で示されている。可動ガイド80にはネジ穴85が設けられており、設置領域60の所定の位置にネジにより固定することができる。この状態では、検出スイッチSW1及び検出スイッチSW2は可動ガイド80を検出しない。最も幅の広い幅L1の記録紙が入れられた場合には、記録紙は第1ホルダ部82に入るため、可動ガイド80に設けられた検出スイッチSW3により記録紙が検出される。本実施の形態においては、幅L1は約114mmであり、4インチ幅の記録紙に対応している。また、幅L1よりも幅の狭い幅L2の記録紙は第2ホルダ部83に入るため、検出スイッチSW3では検出されない。
【0023】
図10及び図11は、幅L2よりも幅の狭い、例えば3インチ幅の記録紙102に対応した状態を図示するものである。図10は、この状態のプリンタの本体部20の上面図であり、図11は斜視図であり、記録紙102は破線で示されている。この状態では、検出スイッチSW1は可動ガイド80を検出するが、検出スイッチSW2では可動ガイド80は検出されない。幅L3の記録紙が入れられた場合、記録紙は第1ホルダ部82に入るため、記録紙は検出スイッチSW3により検出される。本実施の形態においては、幅L3は約80mmであり、3インチ幅の記録紙に対応している。また、幅L3よりも幅の狭い幅L4の記録紙は第2ホルダ部83に入るため、検出スイッチSW3では検出されない。
【0024】
図12及び図13は、幅L4よりも幅の狭い、例えば2インチ幅の記録紙103に対応した状態を図示するものである。図12は、この状態のプリンタの本体部20の上面図であり、図13は斜視図であり、記録紙103は破線で示されている。この状態では、検出スイッチSW1は可動ガイド80を検出しないが、検出スイッチSW2は可動ガイド80を検出する。幅L4よりも幅の狭い幅L5の記録紙が入れられた場合、記録紙は可動ガイド80の第1ホルダ部82に入るため、検出スイッチSW3により検出される。本実施の形態において、幅L5は約58mmであり、2インチ幅の記録紙に対応している。また、幅L5よりも幅の狭い幅L6の記録紙は第2ホルダ部83に入るため、検出スイッチSW3では検出されない。
【0025】
本実施の形態のプリンタ装置における記録紙の幅と検出スイッチSW1、SW2、SW3のオン、オフの関係を表1に示す。尚、表1では、検出有りをオン、検出なしをオフ、オンを1、オフを0とする。
【0026】
【表1】
【0027】
このように検出スイッチSW1、SW2、SW3において得られた情報は、制御基板70に伝達され、制御基板70において伝達された情報に基づき設置領域60に設置されている記録紙の幅を検出することができ、その幅に対応した制御がなされる。本出願においては、制御基板70を制御部と記載する場合がある。
【0028】
記録紙が幅L1であると検出した場合、幅L1に対応した4インチ幅の記録紙に対応する印刷ヘッド50の制御がなされる。また、記録紙が幅L5であると検出した場合には、幅L5に対応した2インチ幅の記録紙に対応した印刷ヘッド50の制御、例えば、印刷ヘッド50が印刷する幅などの印刷領域の制限等がなされる。尚、ホルダ部は3つ以上でもよく、その場合は第2の検出スイッチを(ホルダ部の数-1)の数設けてもよい。
【0029】
(プリンタ装置の制御方法)
次に、本実施の形態のプリンタ装置による制御について説明する。実施の形態のプリンタ装置は、検出スイッチSW1、SW2、SW3において得られた情報に基づき、制御基板70で設置領域60に入れられている記録紙の幅を検出し、検出された記録紙の幅に対応した制御、例えば印刷ヘッド50の駆動領域の制限を行うものである。
【0030】
図14に基づき、本実施の形態のプリンタ装置の制御方法について説明する。
【0031】
最初に、S102では、検出スイッチSW1による可動ガイド検出の有無が判断される。検出スイッチSW1により可動ガイドが検出された場合(S102 YES)にはS110に移行し、検出スイッチSW1により可動ガイドが検出されなかった場合(S102 NO)にはS104に移行する。
【0032】
S104では、検出スイッチSW2による可動ガイド検出の有無が判断される。検出スイッチSW2により可動ガイドが検出された場合(S104 YES)にはS108に移行し、検出スイッチSW2により可動ガイドが検出されなかった場合(S104 NO)にはS106に移行する。
【0033】
S106では、検出スイッチSW3による記録紙検出の有無が判断される。検出スイッチSW3により記録紙が検出された場合(S106 YES)にはS122に移行し、記録紙の幅はL1と判断され、幅L1の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。検出スイッチSW3により記録紙が検出されなかった場合(S106 NO)にはS124に移行し、記録紙の幅はL2と判断され、幅L2の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。
【0034】
S108では、検出スイッチSW3による記録紙検出の有無が判断される。検出スイッチSW3により記録紙が検出された場合(S108 YES)はS130に移行し、記録紙の幅はL5と判断され、幅L5の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。検出スイッチSW3により記録紙が検出されなかった場合(S108 NO)にはS132に移行し、記録紙の幅はL6と判断され、幅L6の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。
【0035】
S110では、検出スイッチSW3による記録紙検出の有無が判断される。検出スイッチSW3により記録紙が検出された場合(S110 YES)にはS126に移行し、記録紙の幅はL3と判断され、幅L3の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。検出スイッチSW3により記録紙が検出されなかった場合(S110 NO)にはS128に移行し、記録紙の幅はL4と判断され、幅L4の記録紙に対応した制御により印刷がなされる。
【0036】
本実施の形態においては、プラテンとヘッドが直接接触すると摩擦が大きいため用紙幅が狭いとモータのトルク不足でモータが脱調して印字不良になることがあるが、幅を自動的に検出すると、各用紙幅に最適な用紙搬送速度で印字することができ、印字品質が向上する。また、プリンタ側で自動的に用紙幅を検出し印刷制御するので、ホスト側から用紙のない部分に空白データを送信したりホスト側の用紙幅の設定を変更したりする必要がない。
【0037】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0038】
20 本体部
30 蓋
50 印刷ヘッド
60 設置領域
70 制御基板
80 可動ガイド
81 側壁
82 第1ホルダ部
83 第2ホルダ部
84 段部
100 記録紙
SW1、SW2 検出スイッチ(第1の検出スイッチ)
SW3 検出スイッチ(第2の検出スイッチ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14