(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】取り付け装置及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
F16B 2/20 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
F16B2/20 A
(21)【出願番号】P 2019546803
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(86)【国際出願番号】 US2018019395
(87)【国際公開番号】W WO2018160453
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-22
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス,マシュー カイル
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0209632(US,A1)
【文献】特表2014-506775(JP,A)
【文献】特開2016-120738(JP,A)
【文献】特開2003-120628(JP,A)
【文献】米国特許第05902007(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0143673(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0006927(US,A1)
【文献】米国特許第02378258(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0135703(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/01-13/04
B60R 13/08
B64B 1/00-1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64F 1/00-5/60
B64G 1/00-99/00
F16B 2/00-2/26
F16B 23/00-43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナーと、
前記ファスナーに連結されたクリップとを備える、
レールのための取り付け装置であって、
前記クリップは、
それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、前記係合面は互いに対向して、前記レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定する、第1及び第2の部材と、
前記第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、
前記ブリッジ部材は、前記間隙に整列された少なくとも1つの開口部を有し、かつ、アクセスをこじ開け工具に提供して、前記第1及び/又は第2の係合面を弾性的に偏向させて前記レールからの前記クリップの取り外しを容易に
し、
前記第1の部材、前記ブリッジ部材、及び前記第2の部材は、二つ折りされ、重なり合う関係で配列されており、それによって前記第2の部材は、横方向から見て前記第1の部材と前記ブリッジ部材との間に配置されており、
前記ブリッジ部材は、前記レールの内面に係合する第3の係合面を有する、
取り付け装置。
【請求項2】
前記各開口部は、前記ブリッジ部材の側縁部から内側に延びる、請求項1に記載の取り付け装置。
【請求項3】
前記第1の係合面は概ね平坦である、請求項1または2に記載の取り付け装置。
【請求項4】
前記第2の係合面は凸状の輪郭を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の取り付け装置。
【請求項5】
前記第2の部材は、横方向から見て各開口部に隣接する位置で終端する遠位端を有する、請求項1~
4のいずれか1項に記載の取り付け装置。
【請求項6】
ファスナーと、
前記ファスナーに連結されたクリップとを備える、
レールのための取り付け装置であって、
前記クリップは、
それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、前記係合面は互いに対向して、前記レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、前記第1の係合面は概ね平坦であり、前記間隙の長手方向に対して垂直に規定される高さHを有する、第1及び第2の部材と、
前記第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、
前記ブリッジ部材は、前記第1の係合面の平面から距離D1だけ延びる第3の係合面を有し、比D1/Hは0.7~2の範囲にある、取り付け装置。
【請求項7】
ファスナーと、
前記ファスナーに連結されたクリップとを備える、
レールのための取り付け装置であって、
前記クリップは、
それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、前記係合面は互いに対向して、前記レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、前記第2の部材は、こじ開け工具の先端を受容するように成形された長手方向のくぼみを含む、第1及び第2の部材と、
前記第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを含
み、
前記第1の部材、前記ブリッジ部材、及び前記第2の部材は、二つ折りされ、重なり合う関係で配列されており、それによって前記第2の部材は、横方向から見て前記第1の部材と前記ブリッジ部材との間に配置されている、
取り付け装置。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか1項に記載の取り付け装置を前記レールに連結する方法であって、
前記レールの縁部を前記間隙に整列させることと、
前記第1及び第2の部材が前記レールの対向する側面に互いに係合するまで前記レールの前記縁部を前記間隙に押し込んで、前記レールの一部分を前記間隙内に機械的に保持することとを含む、方法。
【請求項9】
請求1~
5のいずれか1項に記載の取り付け装置を前記レールから解放する方法であって、
前記開口部を通してこじ開け工具を挿入することと、
前記第1の部材又は第2の部材に力を加えて、前記第1の部材及び/又は第2の部材を互いに離すように弾性的に偏向させることと、
広がった前記間隙を通して前記レールの一部分を摺動的に除去することとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書には、外部構造に機械的に連結する取り付け装置及びそれに関連する方法が記載される。記載される取り付け装置は、例えば、自動車及び航空宇宙構造に連結するために有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
市場は、物品を構造要素に締結することを目的とした多様な商業的及び工業的な解決策に満ちあふれている。このような解決策は、日常的な家事ニーズに役立つ消費者向け製品から、複雑で構成要素の多い装置を製造する際に使用される高性能の連結器までの範囲にわたり得る。そのような製品が役立つ技術市場には、建築製品、工業輸送、エネルギー市場及び電子市場、消費者向け製品、ヘルスケア、並びに多くの他の製品が含まれ得る。
【0003】
そのような解決策を考案する際には、一般的には、形状が機能に追従する。多くの場合、単純な裏面接着剤付きファスナーが適切であり得る。いくつかの適用例では、取り付けた後に簡単に除去することのできる一時的なファスナーが求められる。いくつかの適用例では、ファスナーが除去可能であるだけでなく、連結された構造の上で再配置可能であることが更に要求される。更に、これらのファスナーでは、所与の構造体にしっかりと連結され、そこから取り外されながらも、固着構造への損傷を引き起こすこと、又は除去時に接着剤の残留物を残すことを回避することが更に望ましいことがある。
【0004】
航空宇宙産業で現在使用されている1つのファスナーは、航空機胴体の外部構造を横断するレール状構造体である、ストリンガ(又はロンジロン)に取り付けられる。これらのストリンガは、航空機の構造フレームの一部であり、航空機の外殻の機内側に接合している。一般的にストリンガは、内壁、断熱防音材、暖房換気ダクト、及び電気配線を含む、胴体の内部構成要素を固定するために使用される。
【0005】
ストリンガには、多くの異なる断面構成がある。航空機の構造的必要性に基づいて、あるものは概ねU字形状の断面を有することがあり、あるものはL字形状の断面又は、他の形状及び特徴の組み合わせを有することがある。そのそれぞれに、利便性を備えながらも確実な取り付けをファスナーに提供することに関して、1組の特有な技術的課題がある。
【発明の概要】
【0006】
航空機のストリンガに物品を取り付けるとき、一般的には、感圧接着剤(PSA)で裏打ちされたファスナーからなる基本的な取り付け装置を使用する。PSAは、航空機の外殻の露出した領域に直接取り付けてもよい。これには、その領域に障害物がないこと及び、装置が接着するためのきれいな表面領域が必要である。接着後にファスナーが除去可能であることは意図されない。このため、それらのファスナーを誤って配置した場合には、こそぎ落として廃棄しなければならない。
【0007】
あるいは、解放可能な様式でストリンガに取り付けられるクリップに、ファスナーを連結してもよい。しかし、これらのクリップのほとんどでは、概ねL字形状の断面を有するストリンガへの連結は、意図されていない。そのようなストリンガに連結できるクリップでは、堅固な連結の実現が困難である。例えば、これらのクリップは、レールの長手方向軸の周りで捻れたときに、レールから自然に外れることがある。また、レールに係合するクリップの突起部へのアクセスがクリップ自体の本体によって妨げられることがあるため、レールからのクリップの意図的な係合解除にもまた、技術的な難題がある。
【0008】
提供される取り付け装置は、必要時の係合解除を容易にするために、クリップの係止部分へのアクセスを提供しながらレールとの締まり嵌めを提供することによって、上記の技術的問題を克服する。(外殻への接着とは対照的に)ストリンガに装着することにより、障害物による影響が少なく、きれいな貼り付け面に依存しない、柔軟な設置が可能になる。これらの新しい取り付け具は、金属構成要素のないナイロンなどのプラスチックで作られ、よって、電気化学的腐食を回避する。
【0009】
有利には、取り付け装置は、断熱防音材料を突き通して航空機構造に保定する、一体型有棘スパイクを含んでもよい。あるいは、有棘スパイクを、装着支柱、ループホルダ、又はケーブルタイアンカーなどの他の多くの代替的締結機構のいずれかで置き換えてもよい。
【0010】
第1の態様では、レールのための取り付け装置が提供される。取り付け装置は、ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備え、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、係合面は互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定する、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、ブリッジ部材は、間隙に整列された少なくとも1つの開口部を有し、かつ、アクセスをこじ開け工具に提供して、第1及び/又は第2の係合面を弾性的に偏向させてレールからのクリップの取り外しを容易にする。
【0011】
第2の態様では、レールのための取り付け装置が提供され、この取り付け装置は、ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備え、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、係合面は互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、第1の係合面は概ね平坦であり、間隙の長手方向に対して垂直に規定される全高Hを有する、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、ブリッジ部材は、第1の係合面に直交する第3の係合面を有し、第3の係合面は、第1の係合面の平面から距離Dだけ延び、比D/Hは0.7~2の範囲にある。
【0012】
第3の態様では、レールのための取り付け装置が提供され、この取り付け装置は、ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備え、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、係合面は互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、第2の係合面は、こじ開け工具の先端を受容するように成形された長手方向のくぼみを含む、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備える。
【0013】
第4の態様では、連結されたアセンブリが提供され、このアセンブリは、前述の取り付け装置と、取り付け装置内に機械的に保持されたレールとを備える。
【0014】
第5の態様では、前述の取り付け装置をレールに連結する方法が提供され、この方法は、レールの縁部を間隙に整列させることと、第1及び第2の部材がレールの対向する側面に互いに係合するまでレールの縁部を間隙に押し込んで、レールの一部分を間隙内に機械的に保持することとを含む。
【0015】
第6の態様では、前述の取り付け装置をレールから解放する方法が提供され、この方法は、開口部を通してこじ開け工具を挿入することと、第1の部材又は第2の部材に力を加えて、第1の部材及び/又は第2の部材を互いに離すように弾性的に偏向させることと、広がった間隙を通してレールの一部分を摺動的に除去することとを含む。
【0016】
第7の態様では、取り付け装置をレールから解放する方法が提供され、取り付け装置は、レールの対向する面に係合された第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備える。この方法は、ブリッジ部材の開口部を通してこじ開け工具を挿入して第1の部材又は第2の部材にアクセスすることと、こじ開け工具を用いて、第1及び/又は第2の部材を互いに離すように弾性的に偏向させることと、レールを第1及び第2の部材から摺動的に係合解除することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】例示的な一実施形態による取り付け装置の側面図である。
【
図2】
図1の取り付け装置の上面、後面、及び側面を示す、等角投影図である。
【
図3】
図1~2の取り付け装置の底面、後面、及び側面を示す、等角投影図である。
【
図4】レールに連結された、
図1~3の取り付け装置のアセンブリの側面図である。
【
図4A】レールへの連結又は連結解除の過程にある取り付け装置を示す、
図4のアセンブリの側面図である。
【
図5】
図4のアセンブリの前面、上面及び側面を示す、等角投影図である。
【
図6】別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図7】別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図8】更に別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図9】更に別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図10】更に別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図11】更に別の例示的な実施形態による取り付け装置の側面図及び等角投影図である。
【
図12】前述の取り付け装置と共に使用するための例示的な工具の等角投影図である。
【
図13】
図1~4の取り付け装置に係合された
図12の工具の部分的等角投影図である。
【0018】
定義
本明細書で使用する場合、
「距離」は、2つの物体又はそれらの物体上の指定された位置の間の空間の最短の長さを意味し、
「直交する」は、直角をなすことを意味し、
「横(方向)」は、所与の物品に対して水平方向に沿うことを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
明細書及び図面中の参照文字が繰り返して使用されている場合、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。このような特徴及び要素は、適用例に応じて他の配向を使用することもできるとの理解のもとで、図面に示された物品の向きを反映する言葉を使用して記載される。本体の動きを記載するとき、そのような運動に関する座標系が本体又はその周囲構造のいずれかに基づき得ることを理解されたい。
【0020】
多数の他の変更及び実施形態を当業者が考案でき、それらは、本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれる。図面は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。
【0021】
解放可能で再配置可能な取り付け装置及びそれらの使用法の実施形態について、ここで例説及び例によって記載する。一定の実施形態は、航空機構造への物品の固定の目的で記載されているが、これらは限定を意図するものではない。具体的に命名された構造の図示される形状及びサイズは、例示されているものとは異なることがあり、著しく異なることもあるが、同じ又は同等の機能を実施する。それとは対照的に、明確な告知がない場合、提供される装置及び関連する方法は、概して、もっぱら航空機のストリンガのみに、更には航空宇宙の適用例にのみ使用する必要はない。
【0022】
図1~3に例示的な取り付け装置を示し、番号100によって指定する。装置100は、ファスナー102及び、ファスナー102に連結されたクリップ104を含む。
【0023】
ファスナー102の構造は特に制限されない。図示される実施形態では、ファスナー102は複数の係止棘108を有するスパイク106である。スパイク106は、取り付け装置100のファスナー102が、例えば断熱ブランケットを部分的に又は完全に突き通せるようにする構成を有する。スパイク106がブランケットを貫通してから、係止棘108が、ブランケットの外向きの面に、又はブランケットをファスナー102に機械的に固定する補足的な保持部材に、当接してもよい。そのような保持部材は、例えば、ブランケットのクリップ104から見て対向する側に配置された、溝付き穴を有するプラスチックディスクであってもよい。
【0024】
クリップ104は、第1の部材110、第2の部材112、及び、第1の部材110と第2の部材112を互いに接続するブリッジ部材114を含む。この実施形態では、第1の部材110、ブリッジ部材114、及び第2の部材112は、2重に重なる関係で配列され、それによって第2の部材112は、横方向から見て第1の部材110とブリッジ部材114の間に配設される。第1の部材110及び第2の部材112は、それぞれの第1の係合面116及び第2の係合面118を有し、それらは互いに対向する。第1の係合面116及び第2の係合面118は集合的に、クリップ104をレール150に係合させたときにレールの一部分(
図4に示される)を受容するための間隙120を画定する。
【0025】
ブリッジ部材114は、クリップ104の外向き面上に呈される第3の係合面122を更に含む。ここに図示されるように、第3の係合面122は、概ね平坦であってもよい。L字形状のレールと共に使用される構成では、また、ここに図示されるように、第1の部材110及びブリッジ部材114がそれぞれの直交するレールの内面に平坦に係合し得るように、第3の係合面122の少なくとも一部は平坦な第1の係合面116に概ね直交してもよい。第3の係合面122が連結先のレールの断面形状に応じて代替の配向を有してもよいことが、理解される。
【0026】
任意選択として、また、図示されるように、第1の係合面116は概ね平坦である。任意選択として、また、図示されるように、第2の係合面118は、少なくとも、非平坦な部分を有する。
図1で、第2の係合面118は、横方向から見たときに凸状の輪郭を見せる。更なる任意選択肢として、第1の係合面116及び第2の係合面118の一方又は両方が平坦であってもよく、第1の係合面116及び第2の係合面118、又はその接平面の部分が、互いに概ね平行であってもよい。
【0027】
第1及び第2の係合面116、118の間の間隙120は、
図1に示すように、概ね不変の幅、又は可変の幅を有してもよい。間隙120は、その最も狭い点において、レールの間隙120内に受容される部分の厚さとほぼ同じ幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、(例えば、
図4に示されるように)クリップ104内に受容されるときにレールに圧縮力が印加されるように、間隙はレールの厚さよりも狭くてもよい。
【0028】
間隙120は、長さ「L」(細長い間隙120の長手方向軸に沿って画定される)と、間隙の最も狭い点で画定される幅「W」とを有する。最も一般的なサイズのレールについて、Wは、0mm~5mm、0.2mm~4mm、又は0.4mm~3mmの範囲にあってもよく、いくつかの実施形態では、0.1mm、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5mmより小さいか、それらに等しいか、それらより大きくてもよい。幅Wは、レール厚さの0%~100%、20%~80%、又は30%~70%の範囲にあってもよく、いくつかの実施形態では、レール厚さの1%、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、98、又は100%より小さいか、それらに等しいか、それらより大きくてもよい。
【0029】
ここで
図2を参照すると、クリップ104が高さ又は深さ寸法に対して横寸法に沿って(係合時にレールに平行に)拡大されることによって、第1と第2の係合面116と118の間の間隔120が拡大される。間隙120は、最も狭い点において、100:1~10:1、80:1~20:1、又は60:1~30:1の範囲、いくつかの実施形態では、100:1、95:1、90:1、85:1、80:1、75:1、70:1、65:1、60:1、55:1、50:1、45:1、40:1、35:1、30:1、25:1、20:1、15:1、又は10:1より小さいか、それらに等しいか、それらより大きいアスペクト比(すなわち、L:W)を有してもよい。
【0030】
図3は取り付け装置100の底面を示し、ブリッジ部材114内に対称に配設された一対の開口部130、すなわち「カットアウト」を見せる。各開口部130は、細長い形状を有し、ブリッジ部材114の側縁部132から横方向に沿って内側に延びている。
図3では、開口部130は、細長い矩形の形状を有するが、他の形状もまた可能である。各開口部130は、第1の係合面116と第2の係合面118の間の間隙120に概ね整列され、その中に挿入されるこじ開け工具の先端に対して十分に大きいサイズである。
【0031】
開口部130の具体的な寸法、形状、及び位置は、特に限定されない。代替的な実施形態では、例えば、単一の開口部を使用することもできる。その単一の開口部を、任意選択として、クリップの側縁部間の中心に置くこともできる。開口部は、クリップの側縁部から離間している場合には、ブリッジ部材114の中に完全に囲い込まれる。クリップが鋳造プロセスを使用して作られる場合は、完全に囲い込まれた開口部は、その後の製造工程を使用して形成することもできる。
【0032】
有利には、開口部130は、第2の部材112の遠位端134へのアクセスを可能にすることによって、クリップ104の操作を容易にする。後に詳細に説明するように、こじ開け工具の平坦な遠位端を1つ又は両方の開口部130を通して挿入し、ユーザが第2の部材112の遠位端134に力を加えて、第1の部材110及び第2の部材112を互いに離すように弾性的に偏向させることによって間隙120を広げられるようにしてもよい。この操作は、第2の部材112の遠位端134に位置し、そのようなこじ開け工具を収容するように成形された、長手方向のくぼみ136によって、更に補助してもよい。
【0033】
図4及び5に示される連結アセンブリ190では、この構成の利点がより明らかになり、ここでは、取り付け装置100が、壁160に取り付けられた例示的なL字形状のレール150に解除可能に取り付けられている。限定を意図するものではないが、レール150及び壁160は、航空機、商用車両、又は建物の壁上の構造要素(例えば、それぞれ、航空機のストリンガレール及び外殻)であってもよい。
【0034】
図4に示す構成は、レール150の縁部が間隙120への入口に整列するように、取り付け装置100を配置することによって得られる。次いで、第1及び第2の部材110、120がレールの対向する側面に互いに係合するまで、レールの縁部150を間隙に押し込んで、レール150の一部分を間隙120内に機械的に保持する。
【0035】
この構成では、第1の係合面116はレール150の前向き側部152に平坦に係合し、第2の係合面118はレール150の後ろ向き側部154に係合し、第3の係合面122はレール150の下向き側部156に係合する。図示される実施形態では、レールの前向き側部152と後向き側部154は互いに平行であるが、これは必須ではない。
【0036】
クリップ104は、レール150の3つの別個の側部152、154、156に同時に係合することによって、レール150との堅固な連結を実現することができる。好ましくは、この堅固な連結は、ファスナー102に運用荷重が加えられたときでも摺動及び回転運動を阻止する。
【0037】
いくつかの実施形態では、取り付け装置100は、6つの自由度のうち5については動かないようにレール150に連結される。1つの自由度として、取り付け装置100は、レール150の長さに沿って長手方向に摺動するように構成してもよい。あるいは、クリップ104は、レール150との十分な摩擦を提供し、それによって取り付け装置100がレール150に対して6つの自由度全てについて本質的に不動となる構成を有することができる。所望であれば、係合面116、118、122のうち1つ以上にゴム状材料などの材料又はテクスチャを配設することによって摩擦を向上させて、レール150に対する摺動を阻止してもよい。
【0038】
図4及び5に更に示されるように、レール150は、レール150の前向き側部152及び後向き側部154の両方に横方向から見て直交するリターンフランジ158を更に含む。クリップ104がレール150に連結されると、リターンフランジ158の遠位端159が第2の係合面118の一部分137に接触する。レール150に沿ったリターンフランジ158と後向き側部154という2つの別々の位置に接触することによって、第2の係合面118の構成において、クリップ104とレール150の間の相対的な回転運動に対する阻止性が高まる。
【0039】
再び
図4を参照すると、第1の係合面116は、図示するように、間隙の長手方向軸に垂直に規定された全高「H」を有する。第3の係合面122は、図示するように、第1の係合面116の平面から距離「D1」だけ延びている。有利には、D1は、レールの断面寸法に対して大きくてもよく、それによって、そうでなければクリップ104を(
図4の取り付け装置100の時計回りの回転に基づいて)レール150から係合解除するであろう、捻りの力がクリップ104に加わったときに、それに対抗する強いモーメントを可能にする。
図4には距離「D2」も示されており、これは、D1の最大値であり、第1の係合面116の平面と壁160の間に画定される。
【0040】
比D1/Hは、0.7~2、0.9~1.8、又は1~1.5の範囲にあってもよく、いくつかの実施形態では、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、又は1.5より小さいか、それらと等しいか、それらより大きくてもよい。比D1/D2は、0.5~1、0.6~1、又は0.7~1の範囲にあってもよく、いくつかの実施形態では、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、又は0.95より小さいか、それらと等しいか、それらより大きくてもよい。
【0041】
任意選択として、また、図示されるように、ブリッジ部材114の第3の係合面122は、レールの対応する内面に接触する。この特定の実施形態では、ブリッジ部材114とレール150の間の接触は、
図4のブリッジ部材114のわずかに突出する角部に沿って生じる。この第3の係合面122は、図示するように、ブリッジ部材が使用中にある程度屈曲しても、接触点が確実に角部で生じるようにするために役立つ。そうするために、クリップ104の形状及び全体寸法を考慮して、D1、D1/H及びD1/D2を可能な限り最大化してもよい。
【0042】
ここで、ブリッジ部材114とレール150の間の線接触は、
図4に示されるように、特異な値D1をおおよそ画定する。代替的な実施形態では、ブリッジ部材がレールに平坦に係合する平面接触が好ましい場合がある。このような場合、D1、D1/H及びD1/D2はそれぞれ、ある範囲の値を包含することもできる。
【0043】
図4Aは、レール150へ取り付けられるか、あるいは、レール150から除去される過程にある、取り付け装置100を示す。図示するように、第2の部材112の遠位端134は、第1の係合表面116の平面から離れて、ブリッジ部材114の内面138に向かって偏向している。任意選択として、また、図示されるように、第2の部材112は、内面138に接触する。この完全に開いた構成では、
図4Aに示されるように、第2の部材112の遠位端134と、第1の部材110の第1の係合面116の間には、リターンフランジ158が進入及び退出できるために十分な程度の空間が存在する。
【0044】
取り付け装置100は、部品を組み立てる時間及び費用を回避するために、単一の一体型構造として作られてもよい。一実施形態では、ファスナー102及びクリップ104は、射出成形工程を使用して、エンジニアリングポリマーから一体成形される。好ましくは、取り付け装置100に使用されるポリマーは、物品をレール150に確実に固着させるために十分な剛性を有するが、クリップ104をレール150に容易にはめこみ、外すことができるために十分な可撓性を有する。
【0045】
本明細書に記載の取り付け装置の製造に有用なポリマーには、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、並びに、これらの混合物及びコポリマーが含まれる。好ましい一実施形態では、取り付け装置100は、ナイロン6,6から射出成形される。代替的に、又は組み合わせで、金属、セラミック及び/又は複合材料もまた、近い将来の適用例に応じて、取り付け装置の構成要素に使用してもよい。
【0046】
図6~11は、クリップ104と構造的に類似するクリップを有するが、異なる締結機構を使用する、他の取り付け装置を示す。締結機構は単なる例示であり、変形例はいくつでも可能である。下記のこれらの図の説明では、取り付け装置のクリップ部分に関連する具体的な任意選択肢及び利点は繰り返さない。
【0047】
図6~7は、クリップ204に一体化して連結されたラグファスナー202を有する取り付け装置200を示す。クリップ204は、取り付け装置100のクリップ104と同様に機能するが、ラグファスナー202は、1つ以上の周辺物品を結びつけるための、交差した孔262、264を有するラグ本体260を有するという点で、ファスナー102とは異なる。孔262、264は、図示されるように、矩形の断面を有し、また、紐が水平又は垂直にラグ本体260を通り抜けることができるように、互いに直交する。
【0048】
図8~9は、クリップ304に一体化して連結された柱状ファスナー302を有する別の取り付け装置300を示す。ここで、柱状ファスナー302は、クリップ304の第1の部材310に対して垂直の方向に沿って外側に延びる本体366を含む。本体366の中に、周辺物品を取り付けるためのねじ(図示せず)を収容する、長手方向に整列した孔368がある。開口部368の内面は、任意選択として、ねじ溝を有してもよい。本体366は、ここに示されるように円筒形であるが、他の形状を使用することもできる。
【0049】
図10~11は、クリップ404に一体化して連結されたループファスナー402を有する、更に別の取り付け装置400を示す。ループファスナー402は、クリップ404の第1の部材から外側に延びる円筒形本体466から構成されている。円筒形本体466の反対側の端部には、概ねU字形状の形態を有する可撓性バンド470が接続されている。この事例では、可撓性バンド470の末端部472は、解放可能に互いに連結して、閉じたループを形成することができる。この場合、閉鎖は、末端部472の一方に恒久的に取り付けられた有棘柱474を、対向する末端部472上の嵌合レセプタクル476を介して挿入することによって実現される。
【0050】
図12は、レールに連結された取り付け装置の係合解除を容易にするために使用できる、任意選択のこじ開け工具580を示す。取り付け装置及びレールが互いに堅く連結されているとき、取り付け装置が、使用中の通常の力を受けることがある点に注目すべきである。例えば、そのような力は、静荷重、取り付けられた構造の加速又は減速に起因する揺動、振動、更には設置時の衝撃や動揺によってもたらされることがある。ここで、取り付け装置100及び工具580は、偶発的な係合を有利に阻止しながらも、「オンデマンド」での容易な解放に備える様式ではたらく。
【0051】
図12に示すように、工具580は概ね平坦で、ヘッド部分584に連結されたハンドル582で構成され、ヘッド部分584は一対の離間した突起部586を有する。突起部586は、矩形の断面を有し、先細の端部588で終端する。任意選択として、また、図示されるように、ヘッド部分584はハンドル582に対してわずかに角度をなして、操作者の手のために余分の隙間を提供し、これは壁付近で作業する際に有用であり得る。
【0052】
図13は、工具580と取り付け装置100の間の係合様式を示す。図示されるように、突起部586の先細の端部588が、両方の開口部130を通して挿入され、長手方向のくぼみ136内で第2の部材112の遠位端134に接触する。この位置から、開口部130のそれぞれの周縁部131の周りで工具580のハンドルを枢動させると、第2の部材112の各遠位端134が、工具580によって周縁部131に加えられる相互的な力に応答して弾性的に偏向する。遠位端134のそのような偏向によって、第1の部材110と第2の部材112の間の間隙120が広がり、クリップ104とレール(
図13には示されていない)の間の締まり嵌めが解除されて、取り付け装置100を間隙120から摺動的に除去し、レールから係合解除できるようになる。
【0053】
両方の開口部130を突起部586係合させることによって、クリップ104の左側及び右側の両方を同時にレールから係合解除できるため、ある程度の時間の節約が得られる。上記にもかかわらず、マイナスドライバなどの専用ではない工具を使用して一度に片側に係合し、第1の部材110と第2の部材112をこじって離間させ、クリップ104を同様の様式で解放することも可能である。ドライバなどの単一の突起状工具を使用する場合、工具を工具の長軸に沿って捻ることによって間隙120をこじ開けると好都合な場合がある。
【0054】
網羅的であることは意図しないが、更なる非限定的な実施形態を下記に列挙する。
【0055】
1. ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備える、レールのための取り付け装置であって、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する、第1及び第2の部材であって、係合面が互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定する、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、ブリッジ部材は、前記間隙に整列された少なくとも1つの開口部を有し、かつ、アクセスをこじ開け工具に提供して、第1及び/又は第2の係合面を弾性的に偏向させてレールからのクリップの取り外しを容易にする、取り付け装置。
【0056】
2. ファスナーは、係止棘を有するスパイクを含む、実施形態1の取り付け装置。
【0057】
3. ファスナーは、ループファスナーを含む、実施形態1の取り付け装置。
【0058】
4. ループファスナーは、再閉鎖可能である、実施形態3の取り付け装置。
【0059】
5. ファスナーはレセプタクルを含む、実施形態1の取り付け装置。
【0060】
6. 間隙は細長い間隙である、実施形態1~5のいずれか1つの取り付け装置。
【0061】
7. 細長い間隙は、100:1~10:1の範囲のアスペクト比を有する、実施形態6の取り付け装置。
【0062】
8. 細長い間隙は、80:1~20:1のアスペクト比を有する、実施形態7の取り付け装置。
【0063】
9. 細長い間隙は、60:1~30:1のアスペクト比を有する、実施形態8の取り付け装置。
【0064】
10. 第1及び第2の部材及びブリッジ部材は、一体型部材の一部である、実施形態1~9のいずれか1つの取り付け装置。
【0065】
11. 一体型部材はポリマーを含む、実施形態10の取り付け装置。
【0066】
12. ポリマーは、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、並びにこれらの混合物及びコポリマーからなるグループから選択される、実施形態11の取り付け装置。
【0067】
13. 少なくとも1つの開口部は、それぞれが間隙に整列された一対の開口部を含む、実施形態1~12のいずれか1つの取り付け装置。
【0068】
14. 各開口部は、ブリッジ部材の側縁部から内側に延びる、実施形態1~13のいずれか1つの取り付け装置。
【0069】
15. 第1の係合面は、概ね平坦である、実施形態1~14のいずれか1つの取り付け装置。
【0070】
16. 第2の係合面は、概ね凸状である、実施形態1~15のいずれか1つの取り付け装置。
【0071】
17. 第1の部材、ブリッジ部材、及び第2の部材は、二つ折りされ、重なり合う関係で配列されており、それによって第2の部材は、横方向から見て第1の部材とブリッジ部材の間に配設されている、実施形態1~16のいずれか1つの取り付け装置。
【0072】
18. ブリッジ部材は、概ねU字形状の構成を有する、実施形態1~17のいずれか1つの取り付け装置。
【0073】
19. 第2の部材は、横方向から見て各開口部に隣接する位置で終端する遠位端を有する、実施形態1~18のいずれか1つの取り付け装置。
【0074】
20. 第1及び第2の係合面の少なくとも部分は、互いに概ね平行である、実施形態1~19のいずれか1つの取り付け装置。
【0075】
21. ブリッジ部材は、レールの内面に係合する第3の係合面を有する、実施形態1~20のいずれか1つの取り付け装置。
【0076】
22. 第3の係合面の少なくとも部分は、第1の係合面に概ね直交する、実施形態21の取り付け装置。
【0077】
23. 第3の係合面は、概ね平坦である、実施形態21又は22の取り付け装置。
【0078】
24. 第3の係合面は、第1の係合面の平面から距離D1だけ延び、第1の係合面は、間隙の長手方向軸に垂直に規定される全高Hを有し、比D1/Hは0.7~2の範囲にある、実施形態23の取り付け装置。
【0079】
25. 比D1/Hは0.9~1.8の範囲にある、実施形態24の取り付け装置。
【0080】
26. 比D1/Hは1~1.5の範囲にある、実施形態25の取り付け装置。
【0081】
27. ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備える、レールのための取り付け装置であって、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、係合面は互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、第1の係合面が概ね平坦であり、間隙の長手方向に対して垂直に規定される高さHを有する、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備え、ブリッジ部材は、第1の係合面の平面から距離D1だけ延びる第3の係合面を有し、比D1/Hは0.7~2の範囲にある、取り付け装置。
【0082】
28. 比D1/Hは、0.9~1.8の範囲にある、実施形態27の取り付け装置。
【0083】
29. 比D1/Hは、1~1.5の範囲にある、実施形態28の取り付け装置。
【0084】
30. 第2の係合面は、こじ開け工具の先端を受容するように成形された長手方向のくぼみを含む、実施形態27~29のいずれか1つの取り付け装置。
【0085】
31. ファスナーと、ファスナーに連結されたクリップとを備える、レールのための取り付け装置であって、クリップは、それぞれ第1及び第2の係合面を有する第1及び第2の部材であって、係合面が互いに対向して、レールの一部分を受容するサイズの間隙を画定し、第2の部材は、こじ開け工具の先端を受容するように成形された長手方向のくぼみを含む、第1及び第2の部材と、第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを含む、取り付け装置。
【0086】
32. レールが取り付け装置内に機械的に保持されている、実施形態1~31のいずれか1つの取り付け装置を備える、連結アセンブリ。
【0087】
33. 実施形態1~31のいずれか1つの取り付け装置をレールに連結する方法であって、レールの縁部を間隙に整列させることと、第1及び第2の部材がレールの対向する側面に互いに係合するまでレールの縁部を間隙に押し込んで、レールの一部分を間隙内に機械的に保持することを含む、方法。
【0088】
34. 実施形態1~31のいずれか1つの取り付け装置をレールから解放する方法であって、開口部を通してこじ開け工具を挿入することと、第1の部材又は第2の部材に力を加えて、第1の部材及び/又は第2の部材を互いに離すように弾性的に偏向させることと、広がった間隙を通してレールの一部分を摺動的に除去することとを含む、方法。
【0089】
35. 取り付け装置をレールから解放する方法であって、取り付け装置は、レールの対向する表面に係合された第1及び第2の部材と、前記第1及び第2の部材を互いに接続するブリッジ部材とを備えており、ブリッジ部材の開口部を通してこじ開け工具を挿入して第1の部材又は第2の部材にアクセスすることと、こじ開け工具を用いて、第1及び/又は第2の部材を互いに離すように弾性的に偏向させることと、レールを第1及び第2の部材から摺動的に係合解除することとを含む、方法。
【0090】
36. 第1及び/又は第2の部材を弾性的に偏向させることは、第2の部材を弾性的に偏向させることを含む、実施形態34又は35の方法。
【0091】
37. 第2の部材を弾性的に偏向させることは、第2の部材の遠位端を弾性的に偏向させることを含む、実施形態36の方法。
【0092】
38. 第2の部材の遠位端を弾性的に偏向させることは、相互的な力が開口部の周縁部に加えられる状態で、第2の部材の遠位端に力を加えることを含む、実施形態37の方法。
【0093】
39. 第2の部材の遠位端に力を加えることは、こじ開け工具を開口部の周縁部の周りで枢動させることを含む、実施形態38の方法。
【0094】
40. レールは、航空機ストリンガの一部である、実施形態33~39のいずれか1つの取り付け装置。
【0095】
41. レールは、概ねL字形状の断面を有する、実施形態33~40のいずれか1つの方法。
【0096】
42. クリップを締まり嵌めによってレールに機械的に保持することができる、実施形態33~41のいずれか1つの方法。
【0097】
43. 第2の部材及びブリッジ部材は、レールの隣接する直交した表面に係合することができる、実施形態33~42のいずれか1つの方法。
【0098】
44. 第2の係合面は、レールに沿った2つの別々位置に接触する、実施形態43に記載の方法。
【0099】
45. 2つの別々の位置は、レールのリターンフランジと、後向き側部とにある、実施形態44の方法。
【0100】
46. リターンフランジは、レールの後ろ向き側部に直交する、実施形態45の方法。
【0101】
47. 第2の部材は、こじ開け工具の先端を受容するように成形された長手方向のくぼみを含む、実施形態33~46のいずれか1つの方法。
【0102】
48. 取り付け装置を、6の自由度のうち5について動かないようにレールに連結することができる、実施形態33~47のいずれか1つの方法。
【0103】
49. ブリッジ部材は、レールの内面に係合する第3の係合面を有し、レールは、第1の係合面から距離D2だけ離間された壁に取り付けられており、更に、比D1/D2は0.5~1の範囲にある、実施形態33~48のいずれか1つの方法。
【0104】
50. 比D1/D2は0.6~1の範囲にある、実施形態49の取り付け装置。
【0105】
51. 比D1/D2は0.7~1の範囲にある、実施形態50の取り付け装置。
【0106】
上記特許出願において引用された全ての文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、特許請求の範囲に記載の開示を当業者が実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。