(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】結晶性関節障害を処置するためのCXCR-2阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/506 20060101AFI20220818BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220818BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20220818BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220818BHJP
A61K 31/165 20060101ALI20220818BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P19/02
A61P19/06
A61K45/00
A61K31/165
A61P43/00 111
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021078242
(22)【出願日】2021-05-05
(62)【分割の表示】P 2018547929の分割
【原出願日】2017-03-09
【審査請求日】2021-05-25
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510146366
【氏名又は名称】アルデア バイオサイエンシーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ナナバティ,パヤル
(72)【発明者】
【氏名】マイナー,ジェフリー
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-520838(JP,A)
【文献】特表2013-536234(JP,A)
【文献】Seminars in Arthritis and Rheumatism,2015年,45,pp.341-350
【文献】ARTHRITIS & RHEUMATISM,1998年,41(5),pp.900-909
【文献】Rheumatology,2014年,53,pp.1920-1926
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)コルヒチン、および、
(ii)
N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド[化1]:
【化1】
であるCXCR-2阻害剤、
またはその薬学的に許容可能な塩、
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
(i)治療上有効な量のコルヒチン、および、
(ii)治療上有効な量の、
N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド[化2]:
【化2】
であるCXCR-2阻害剤、
またはその薬学的に許容可能な塩、
を含む、医薬組成物。
【請求項3】
固定された投与量の組み合わせを有する、請求項1または2のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項4】
0.1mg~
0.5mgのコルヒチンを含む、請求項1または2のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
0.5mg未満のコルヒチンを含む、請求項1または2のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
さらに薬学的に許容可能な希釈剤または担体を含む、請求項1-5のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年3月11日に出願された米国仮出願第62/307,348号の利益を主張するものであり、この文献は参照によって全体として本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
痛風は、関節、腱、および周囲の組織で結晶して蓄積する尿酸の高いレベルに関連付けられる。しばしば再発性の痛風発赤は耐え難い関節痛の突然の発作を特徴とし、発症した関節は、柔軟性、腫脹、熱さ、発赤、および/または堅さの兆候を示す。
【発明の概要】
【0003】
本明細書では、CXCR-2阻害剤化合物と、上記化合物を含む医薬組成物が提供される。主題の化合物と組成物は、痛風、痛風性関節炎、および痛風発赤を含む結晶性関節障害を処置するのに役立つ。
【0004】
本明細書に提供されるいくつかの実施形態は、結晶性関節炎を処置する方法を記載しており、当該方法は、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0005】
【0006】
いくつかの実施形態において、結晶性関節炎は、尿酸一ナトリウム結晶性疾患、尿酸結晶性疾患、ピロリン酸カルシウム疾患、カルシウム結晶性疾患、塩基性リン酸カルシウムヒドロキシ-アパタイト沈着症、石灰性関節周囲炎、シュウ酸カルシウムリン酸アルミニウム沈着症、キサンチン沈着症、システイン/シスチン沈着症、シャルコー・ライデン疾患、あるいはリゾホスホリパーゼ沈着症である。
【0007】
さらにいくつかの実施形態では、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患を処置する方法が提供され、該方法は、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0008】
本明細書で提供される他の実施形態は、被験体が経験する痛風発赤を処置する方法を記載しており、該方法は、CXCR-2阻害剤を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0009】
いくつかの実施形態では、痛風発赤または痛風発赤の初期症状を経験する被験体において症状の緩和の迅速さを増加させる方法が本明細書で提供され、該方法は、CXCR-2阻害剤を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0010】
本明細書で提供される他の実施形態は、被験体が経験する痛風発赤の持続期間と強度を減少させる方法も本明細書で提供され、該方法は、CXCR-2阻害剤を被験体に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0011】
いくつかの実施形態において、痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法が本明細書で提供され、該方法は、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0012】
本明細書に提供される他の実施形態は、痛風治療に関連付けられる痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法を記載しており、該方法は、痛風の治療を受けている被験体に、治療量のCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、痛風治療は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、URAT1阻害剤、尿酸排泄剤、尿酸オキシダーゼ酵素、PNP阻害剤、SGLT2阻害剤、あるいはその組み合わせを用いる処置を含む。ある実施形態では、痛風治療は、アロプリノール、フェブキソスタット、ウリカーゼ、ペグ化ウリカーゼ、ラスブリカーゼ、プロベネシッド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、フェノフィブラート、レシヌラド、ズラムピック(zurampic)、Verinurad、アルハロフェナート、経口ブシラミン、あるいはこれらの組み合わせから選択される。
【0013】
本明細書に提供されるいくつかの実施形態は、急性の痛風発赤を処置するための方法を記載しており、当該方法は、必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与する工程を含む。さらに、いくつかの実施形態では、痛風発赤を防ぐ方法が本明細書で提供され、該方法は、必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与する工程を含む。さらに、いくつかの実施形態では、被験体における痛風発赤の予防と処置のための方法が本明細書で提供され、該方法は、必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、被験体は成人である。さらなるまたは追加の実施形態では、組み合わせは相乗的な組み合わせである。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。さらなるまたは追加の実施形態では、該方法は、1.2mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。他の実施形態では、該方法は、0.6mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。
【0014】
さらにいくつかの実施形態では、被験体におけるコルヒチンの治療指数を改善する方法が本明細書で提供され、該方法は、被験体にCXCR-2阻害剤を、同時にまたは経時的に投与する工程を含む。
【0015】
本明細書に提供される他の実施形態は、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤を含む医薬組成物を記載している。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(i)治療上有効な量のコルヒチン、および(ii)治療上有効な量のCXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、(i)約0.1mg~約0.5mgのコルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、(i)0.5mg未満のコルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物はさらに薬学的に許容可能な希釈剤または担体を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0016】
いくつかの実施形態では、痛風発赤を経験する被験体を処置するためのキットも本明細書で記載され、該キットは、(i)CXCR-2阻害剤、および、(ii)痛風発赤を処置するCXCR-2阻害剤の投与のための説明書を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。さらなるまたは追加の実施形態では、キットはコルヒチンを含む。
【0017】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての出版物と特許出願は、個々の出版物または特許出願がそれぞれ引用によって組み込まれるよう特別に個別に指示があった場合のように、引用によって本明細書に組み込まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲において説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【
図1A】化合物1と2に関する好中球とPBMCの数を用いる細胞移動アッセイの結果を描く(実施例2を参照)。
図1Aは好中球数を描く。
【
図1B】化合物1と2に関する好中球とPBMCの数を用いる細胞移動アッセイの結果を描く(実施例2を参照)。
図1BはPBMC数を描く。
【
図2A】化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例4を参照)。
図2Aは平均滲出量を描く。
【
図2B】化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例4を参照)。
図2Bは総白血球数を描く。
【
図2C】化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例4を参照)。
図2Cは好中球数を描く。
【
図3A】コルヒチンと組み合わせて化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例5を参照)。
図3Aは平均滲出量を描く。
【
図3B】コルヒチンと組み合わせて化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例5を参照)。
図3Bは総白血球数を描く。
【
図3C】コルヒチンと組み合わせて化合物2を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例5を参照)。
図3Cは好中球数を描く。
【
図4A】化合物2、3、および4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例6を参照)。
図4Aは平均滲出量を描く。
【
図4B】化合物2、3、および4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例6を参照)。
図4Bは総白血球数を描く。
【
図4C】化合物2、3、および4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例6を参照)。
図4Cは好中球数を描く。
【
図5A】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例7を参照)。
図5Aは平均滲出量を描く。
【
図5B】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例7を参照)。
図5Bは総白血球数を描く。
【
図5C】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例7を参照)。
図5Cは好中球数を描く。
【
図6A】コルヒチンと組み合わせて化合物3を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例8を参照)。
図6Aは平均滲出量を描く。
【
図6B】コルヒチンと組み合わせて化合物3を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例8を参照)。
図6Bは総白血球数を描く。
【
図6C】コルヒチンと組み合わせて化合物3を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例8を参照)。
図6Cは好中球数を描く。
【
図7A】コルヒチンと組み合わせて化合物4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例9を参照)。
図7Aは平均滲出量を描く。
【
図7B】コルヒチンと組み合わせて化合物4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例9を参照)。
図7Bは総白血球数を描く。
【
図7C】コルヒチンと組み合わせて化合物4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例9を参照)。
図7Cは好中球数を描く。
【
図8A】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例10を参照)。
図8Aは平均滲出量を描く。
【
図8B】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例10を参照)。
図8Bは総白血球数を描く。
【
図8C】コルヒチンと組み合わせて化合物3と4を用いる結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルからの結果を描く(実施例10を参照)。
図8Cは好中球数を描く。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
障害に苦しむ個体などに関して本明細書で使用されるような「被検体」との用語は、哺乳動物と非哺乳動物を包含する。本明細書に提供される方法および組成物の1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0020】
用語「有効な量」、「治療上有効な量」、または、「薬学的に有効な量」とは、本明細書で使用されるように、障害を処置するのに十分なBTK阻害剤化合物の量を指す。結果は、疾患の徴候、症状、または原因の減少および/または緩和、あるいは生体系の他の所望の変化を含む。例えば、治療用途のための「有効な量」は、疾患の臨床的に有意な減少をもたらすのに必要とされる、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。個々のケースでの適切な「有効な」量は、用量漸増試験などの技術を使用して決定される。
【0021】
薬剤または治療の「治療量以下の量」とは、薬剤または治療の有効な量未満の量であるが、有効な量または治療量以下の量の別の薬剤または治療と組み合わせるとき、例えば、例えば、結果として生じる有効な効果の相乗作用、あるいは副作用の減少によって医師によって望ましい効果を生むことができる。
【0022】
薬剤または治療の「相乗的に有効な」治療量は、有効な量または治療量以下の量の別の薬剤または治療と組み合わせる際に、2つの薬剤のいずれかが単独で使用されるときよりも優れた効果をもたらす。いくつかの実施形態において、薬剤または治療の相乗的に有効な治療量は、単独で使用された時の2つの薬剤または治療の各々の相加効果よりも、組み合わせて使用されたときのほうがより大きな効果を生む。用語「より大きな効果」とは、処置される障害の症状の減少だけでなく、副作用プロフィールの改善、耐用性の改善、コンプライアンスの改善、効能の改善、あるいは他の臨床の結果の改善を包含する。
【0023】
(同時にあるいは連続して)組み合わせて使用される2以上の薬学的に活性な成分の効果に適用されるような「相乗的な」および「相乗的に」との用語は、2つの薬剤のいずれかが単独で使用されるときのより大きな効果を指す。
【0024】
用語「約」は支持された数または値の±10%を指す。
【0025】
本明細書の文脈において、特段の逆の指示がないかぎり、用語「治療」は「予防」も含む。「治療的」および「治療上」との用語は、それに応じて解釈されなければならない。
【0026】
薬剤コルヒチン
コルヒチンは、急性の痛風発赤の予防と同様に、急性の痛風発赤(および、関連する症状)を処置するために使用される。コルヒチンが鎮痛剤でも尿酸排泄薬でもなく、慢性痛風性関節炎への進行を防がない場合、それは、急性の発作の発生率を低下させ、かつ残った苦痛を軽減するのを助ける予防的、抑制的な効果を有する。コルヒチンは胃腸管から迅速に吸収される。ピーク濃度は0.5~2時間で生じる。薬とその代謝産物は、白血球、腎臓、肝臓、脾臓、および腸管に分布する。コルヒチンは肝臓で代謝され、主として糞便で排出され、10-20%は変化することなく尿で除去される。
【0027】
COLCRYS(コルヒチン、USP)は痛風発赤の予防と処置の両方について示される(COLCRYSの処方情報または米国特許第7,964,647号と第7,981,938号を参照)。COLCRYSの処方情報は以下を要求する:痛風発赤の予防のために0.6mgを週に一度または二度~最大投与量で1.2mg/日;および、痛風発赤の処置のために、痛風発赤の最初の兆候時に1.2mg、その1時間後に0.6mg。
【0028】
COLCYSを摂取する一般的な副作用は、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、および咽喉頭痛を含む。COLCRYSの使用に関する警告は、血液疾患(骨髄抑制、白血球減少症、顆粒球減少、血小板減少症、および再生不良性貧血);P-gpおよび/またはCYP3A4阻害剤による薬物相互作用(生命を脅かす相互作用と死をもたらす)、および神経筋毒性(横紋筋融解症を含む筋毒性)を含む。
【0029】
コルヒチン治療の最も頻繁に報告された有害な副作用は、とりわけ、胃腸の下痢;けいれんを伴う腹痛;吐き気;および、嘔吐である。あまり頻繁ではないか、あるいはめったに報告されないコルヒチン治療に関連する有害な副作用は、拒食症、無顆粒球症、アレルギー性皮膚炎、アレルギー反応、脱毛症、血管浮腫、再生不良性貧血、骨髄抑制、筋疾患、ニューロパシー、発疹、血小板減少性障害、およびじん麻疹を含む。
【0030】
コルヒチンに関する臨床試験研究(米国特許第7,964,647号を参照)は、コルヒチンの「標準の」投与量レジメン(急性の痛風発作の発症時に投与された1.2mgと、その後、6時間にわたって毎時間0.6mg)は、プラセボよりも多くの胃腸の副作用(73%対19%)と、プラセボより多くの下痢(73%対14%)を引き起こしたことを示した。重症の下痢が患者の19%で生じ、嘔吐は患者の15%で生じた。「低」投与量レジメン(急性の痛風発作の発症時に投与された1.2mgのコルヒチンと、その1時間後に0.6mg)は、プラセボよりも多くの胃腸の副作用(24%対19%)とプラセボよりも多くの下痢(22%対14%)を引き起こした。
【0031】
急性痛風性関節炎の発作を処置または予防するために使用されるコルヒチンの「標準」投与量は、苦痛が軽減されるまでか、あるいは下痢がその後に続いて起こるまで、1.0-1.2mg、典型的にはその後、毎時間0.5-0.6mgであった(「下痢用の投与量(diarrheal dose)」)。胃腸の不快あるいは下痢がある場合、投薬を止めなければならない(オピエートは下痢を制御するために必要なこともある)。その後の発作では、患者は、下痢用の投与量には至らないようにするのに十分なほど正確に薬物治療要件を判断することができなければならない。発作の間に疼痛と炎症を制御するのに必要とされるコルヒチンの総量は、4-8mgの範囲であると考えられていた。コルヒチンの経過間の3日間の間隔は累積的な毒性の可能性を最小限に抑えるために考案されたものであった。
【0032】
CXCR-2阻害剤
ケモカインは、様々な疾患や障害における免疫と炎症反応で重要な役割を果たす。これらの小さな分泌された分子は、保存されたシステインモチーフを特徴とする8-14kDaのタンパク質の成長しているスーパーファミリーである。
【0033】
ケモカインスーパーファミリーは、特徴的な構造的なモチーフを示す3つの群、C-X-C、C-C、およびC-X3-Cのファミリーを含む。C-X-Cケモカインはいくつかの有力な化学誘引剤と、インターロイキン8(IL-8)と好中球活性化ペプチド2(NAP-2)などの好中球の活性剤を含んでいる。
【0034】
研究は、ケモカインの作用が、Gタンパク質共役型受容体(その中でも(C-X-Cファミリーに関して)指定されたCXCR-1、CXCR-2、CXCR-3、CXCR-4、およびCXCR-5)のサブファミリーによって媒介されることを実証した。IL-8のみが、およびIL-8受容体を結合する特定の他のC-X-Cケモカインがヒト好中球を化学誘引すると知られている。現在までに同定されたヒトC-X-Cケモカイン受容体(CXCR-1、2、3、4、および5)のうち、CXCR-1とCXCR-2だけが高親和性IL-8受容体として作用する。好中球を化学誘引するC-X-Cケモカインは、特定の配列モチーフを共有する。これらの受容体を調節する薬剤が免疫性および炎症性の関連する障害と疾患の処置に役立つことになるので、これらの受容体は薬剤開発の優れた標的を表す。
【0035】
CXCR-2はIL8受容体である。CXCR-2を結合するケモカインは、急性痛風における好中球の炎症に必要とされる(Terkaltaub et al,Arthritis & Rheumatism,(1988),Vol 41,(No5)pp 900-909)。尿酸塩結晶は体液と細胞の炎症性のメディエーターの合成と放出を刺激するため、極度の炎症性の発作を開始、増幅、および保持することができる。好中球の関節滑膜炎は急性の痛風発作の特徴である。好中球は正常な滑液ではまれである。過飽和な細胞外液からの尿酸一ナトリウム一水和物(MSUM)結晶は滑膜組織に沈着し、これは常在性の単核食細胞と滑膜表層細胞を活性化して、好中球のケモタキシン-IL-8および密接に関連する好中球走化性のC-X-Cケモカインを放出させる。新しく生成された好中球のケモタキシンは好中球の遊出を指示する。MSUM結晶は2つの広いメカニズムによって食細胞と相互作用する。最初に、結晶はオプソニン化されたおよび貪食された粒子として細胞を活性化し、食細胞反応と炎症性メディエーターの放出を誘発する。次に、尿酸塩結晶は脂質膜とタンパク質に直接、相互作用して、複数のシグナル伝達経路の活性化をもたらす。これらの工程は結晶により引き起こされたインターロイキン(IL)-8発現に必要不可欠である。IL-8は、急性痛風と偽痛風の両方中の滑液中に豊富である。結晶により活性化された常在性単核の食細胞と滑膜表層細胞によるIL-8(および他の好中球の走化性C-X-Cケモカイン)の迅速な放出は、急性痛風を引き起こす。いったん、滑膜組織において、好中球は、C5a、ロイコトリエンB4、血小板活性化因子、IL-1、およびIL-8などの化学誘引剤の濃度勾配に従う。これらの因子のうち、IL-8は好中球の侵入に中心的な役割を果たし、尿酸塩結晶に応じて単球の好中球の走化性活性のおよそ90%を占める。
【0036】
IL-8に対する特定の好中球の反応を抑えるコルヒチンの能力は、急性痛風におけるその予防的および治療的な特性に寄与することができると仮定されている。IL-8またはその受容体CXCR-2の中和は、IL-8により誘発された好中球の炎症過程を実質的に減少させ、痛風における潜在的な治療の標的を提供することもある。
【0037】
いくつかの実施形態において、以下の表で提供される以下の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、ケモカイン受容体がCXCケモカイン受容体サブファミリーに属する疾患を処置するのに有用であっても良く、より好都合なことには、標的ケモカイン受容体はCXCR-2受容体である。いくつかの実施形態において、化合物1、2、3、および4はCXCR-2阻害剤である。
【0038】
【0039】
いくつかの実施形態において、化合物、1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩は、医薬品として、とりわけ、ケモカイン受容体(特にCXCR-2)活性のモジュレーターとして有用であり、ケモカインの過度か無秩序な産生によって悪化するか引き起こされるヒトとヒト以外の動物の疾病/疾患の処置(治療的または予防的)で使用されることもある。特別の実施形態では、疾病/疾患は痛風発赤である。したがって、本発明は、治療において使用される化合物1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、治療において使用される、化合物3と4、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0040】
化合物3(N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)アゼチジン-1-スルホンアミド)と、化合物4 N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド)は、ピリミジニルスルホンアミドであり、ケモカイン受容体のモジュレーターとして有用である。
【0041】
WO2004/011443は、ケモカイン受容体のモジュレーターとして使用されるピリミジニルスルホンアミド誘導体を記載している。
【0042】
化合物3のインビトロの効能とPKパラメーターは、WO2006/024823とWO2010/007427に記載されている。化合物3は、ラットでの優れたバイオアベイラビリティー(49%)、イヌでの長い半減期、優れた可溶特性、および高い効能を示す。化合物3はCOPDに関して第II相試験中であった。化合物3の調製は、6つの結晶の形態に加えて、WO2012/007748に記載されている。
【0043】
化合物4の調製は、いくつかの明確な結晶の形態に加えて、WO2013/008002に記載されている。
【0044】
他のCXCR-2阻害剤の例はとしては、限定されないが、AZD-8309、AZ-10397767、エルブリキシン、ダニリキシン、ナバリキシン、レパリキシン、ラダリキシン、およびメラキシンが挙げられる。他のCXCR-2阻害剤の追加の例としては、限定されないが、以下の表の中の化合物が挙げられる:
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
またさらなる態様では、本発明は、結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、および痛風発赤の処置のための薬剤として使用される、上文で定義されるとおりの化合物1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を供給する。
【0054】
さらなる態様では、本発明は、治療で使用される薬剤の製造における、上文に定義されるとおりの化合物1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を供給する。
【0055】
さらなる態様では、本発明は、ケモカイン受容体活性の調節が有益であるヒトの疾患あるいは疾病の処置のための薬剤の製造における、上文に定義されるとおりの化合物1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を供給する。
【0056】
またさらなる態様では、本発明は、結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、および痛風発赤の処置のための薬剤の製造における、上文で定義されるとおりの化合物1、2、3、および4、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を供給する。
【0057】
方法
結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、または痛風発赤に苦しんでいる、あるいは結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、または痛風発赤のリスクのある患者において、結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、または痛風発赤を処置する方法が本明細書に記載され、該方法は、治療上有効な量のCXCR-2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩を患者に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、化合物1、2、3あるいは4、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は化合物3あるいは4、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は化合物3またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は化合物4またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0058】
結晶性関節炎
結晶性関節症は、1つ以上の関節における小さな結晶の蓄積を特徴とする関節障害(関節症)のクラスである。偏光顕微鏡法は、尿酸一ナトリウム、ピロリン酸カルシウム(軟骨石灰化または偽痛風)、カルシウムハイドロキシアパタイト、およびシュウ酸カルシウムを含む様々な微結晶の同定を可能にする。結晶性関節症を進行させる危険因子としては、肥満、腎不全、リン酸塩過剰血症、上皮小体機能亢進症、高カルシウム血症、および組織損傷(異栄養性石灰化)などが挙げられる。
【0059】
結晶性関節炎を処置する方法が本明細書で提供され、該方法は、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、結晶性関節炎を処置する方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、結晶性関節炎を処置する方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0060】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、結晶性関節炎を処置する方法も本明細書に記載されている。
【0061】
いくつかの実施形態において、結晶性関節炎は、尿酸一ナトリウム結晶性疾患、尿酸結晶性疾患、ピロリン酸カルシウム疾患、カルシウム結晶性疾患、塩基性リン酸カルシウムヒドロキシ-アパタイト沈着症、石灰性関節周囲炎、シュウ酸カルシウムリン酸アルミニウム沈着症、キサンチン沈着症、システイン/シスチン沈着症、シャルコー・ライデン疾患、あるいはリゾホスホリパーゼ沈着症である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎は尿酸一ナトリウム結晶性疾患である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎は尿酸結晶性疾患である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はピロリン酸カルシウム疾患である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はカルシウム結晶性疾患である。いくつかの実施形態では、結晶性関節炎は塩基性リン酸カルシウムヒドロキシ-アパタイト沈着症である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎は石灰性関節周囲炎である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はシュウ酸カルシウムリン酸アルミニウム沈着症である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はキサンチン沈着症である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はシステイン/シスチン沈着症である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はシャルコー・ライデン疾患である。いくつかの実施形態において、結晶性関節炎はリゾホスホリパーゼ沈着症である。
【0062】
結晶の蓄積を特徴とする疾患
必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することにより、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患を処置する方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患を処置する方法は、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患を処置する方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0063】
必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患を処置する方法も本明細書に記載されている。
【0064】
痛風
痛風は、(尿酸の生産過剰あるいはより一般的には尿酸を排泄する腎臓の能力の低下による)尿酸の蓄積によって引き起こされた疾患であり、関節および周囲組織における結晶の沈着を引き起こし、炎症反応を刺激する。急性痛風性関節炎(あるいは「痛風発赤」または「痛風発作」)は疼痛の突然の発作であり、夜に頻繁に発症し、通常は1つだけあるいは少数の関節しか含まず、足の親指、膝、または足首の関節は最もしばしば罹患する。痛みはずきずきしたり、激しかったり、ヒリヒリしたり、激烈に痛かったりと評されている。発症した関節は、温かさまたは熱さ、発赤、圧痛、腫脹および/または剛性の兆候を示すこともある。微熱があることもある。発症した領域を動かすときは常に、関節の内部の結晶が激しい苦痛を引き起こす。発症した関節の周囲の組織の炎症は皮膚を腫脹させ、かつ柔らかくなって、最も軽い圧力でも痛みを感じることもある。
【0065】
慢性痛風は、関節痛の繰り返しの発作を含み、それはしばしば長く続く。一年以内の複数回の痛風発作は関節変形と関節の可動の制限をもたらしかねない。痛風結節と呼ばれる尿酸沈着は、軟骨組織、腱、および軟繊維で発症するが、通常は、患者が長年その病気に苦しんだ後にのみ発症する。沈着は腎臓でも生じて、慢性腎不全を引き起こすことがある。
【0066】
痛風発赤
必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することにより、被験体が経験する痛風発赤を処置する方法も本明細書で記載される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、被験体が経験する痛風発赤を処置する方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、被験体が経験する痛風発赤を処置する方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0067】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、被験体が経験する痛風発赤を処置する方法も本明細書に記載されている。
【0068】
さらに、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することにより、痛風発赤または痛風の初期症状を経験する被験体の症状の軽減の速度を増大させる方法も本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、痛風発赤または痛風の初期症状を経験する被験体の症状の軽減の速度を増大させる方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、痛風発赤または痛風の初期症状を経験する被験体の症状の軽減の速度を増大させる方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0069】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、痛風発赤または痛風の初期症状を経験する被験体の症状の軽減の速度を増大させる方法も本明細書に記載されている。
【0070】
必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することにより、被験体が経験する痛風発赤の持続期間と強度を減少させる方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、被験体が経験する痛風発赤の持続期間と強度を減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、被験体が経験する痛風発赤の持続期間と強度を減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0071】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、被験体が経験する痛風発赤の持続期間と強度を減少させる方法も本明細書に記載されている。
【0072】
さらに、必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することによって、痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法も記載されている。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0073】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法も本明細書に記載されている。
【0074】
いくつかの例では、痛風発赤の増大は、組織沈着物からの尿酸塩の動員を引き起こす血清尿酸レベルの変化によって痛風治療(例えば、尿酸低下治療)の開始後に生じる。いくつかの例では、予防的な治療は尿酸低下治療の最初の6か月の間は有益である。必要としている被験体にCXCR-2阻害剤を投与することによって、痛風治療に関連付けられる痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法が記載されている。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいはN-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、痛風治療に関連付けられる痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、痛風治療に関連付けられる痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法は、必要としている被験体に、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、痛風治療は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、URAT1阻害剤、尿酸排泄剤、尿酸オキシダーゼ酵素、PNP阻害剤、SGLT2阻害剤、あるいはその組み合わせを用いる処置を含む。いくつかの実施形態では、痛風治療は、アロプリノール、フェブキソスタット、ウリカーゼ、ペグ化ウリカーゼ、ラスブリカーゼ、プロベネシッド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、フェノフィブラート、レシヌラド、ズラムピック(zurampic)、Verinurad、アルハロフェナート、経口ブシラミン、あるいはこれらの組み合わせから選択される。
【0075】
いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、最初の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月間、尿酸低下治療のために予防的に投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、尿酸低下治療の最初の6か月間、予防的に投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、尿酸低下治療の最初の3-6か月間、予防的に投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、尿酸低下治療の最初の6-9か月間、予防的に投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、尿酸低下治療の最初の9-12か月の間予防的に投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、尿酸低下治療の最初の3-9か月間、予防的に投与される。
【0076】
さらに、必要としている被験体に、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩、あるいは、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、痛風治療に関連付けられる痛風発赤の発生を防ぐか減少させる方法も本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、痛風治療は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、URAT1阻害剤、尿酸排泄剤、尿酸オキシダーゼ酵素、PNP阻害剤、SGLT2阻害剤、あるいはその組み合わせを用いる処置を含む。いくつかの実施形態では、痛風治療は、アロプリノール、フェブキソスタット、ウリカーゼ、ペグ化ウリカーゼ、ラスブリカーゼ、プロベネシッド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、フェノフィブラート、レシヌラド、ズラムピック(zurampic)、Verinurad、アルハロフェナート、経口ブシラミン、あるいはこれらの組み合わせから選択される。
【0077】
コルヒチンとの併用
さらに併用療法も本明細書に記載され、ここで、本明細書で開示されるCXCR-2阻害剤のいずれか1つまたはその薬学的に許容可能な塩は、追加の治療と、および/または結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、あるいは痛風発赤の処置のための薬剤と同時にあるいは連続して投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、結晶性関節炎、痛風、痛風性関節炎、あるいは痛風発赤の処置のための追加の薬剤と同時にあるいは連続して投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩は、コルヒチンと同時にまたは連続して投与される。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、化合物1、2、3、あるいは4、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0078】
必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与することにより、急性の痛風発赤を処置するための方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態では、組み合わせは相乗的な組み合わせである。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、本明細書に開示された化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0079】
いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、0.6mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg、1.1mg、1.0mg、0.9mg、0.8mg、0.7mg、0.6mg、0.5mg、0.4mg、0.3mg、0.2mg、あるいは0.1mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、約1.2mg、約1.1mg、約1.0mg、約0.9mg、約0.8mg、約0.7mg、約0.6mg、約0.5mg、約0.4mg、約0.3mg、約0.2mg、または約0.1mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.05~0.55mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.2~0.4mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.1~0.3mgのコルヒチンを投与する工程を含む。
【0080】
必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与することにより、痛風発赤を予防するための方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態では、組み合わせは相乗的な組み合わせである。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、本明細書に開示された化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0081】
いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、0.6mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg、1.1mg、1.0mg、0.9mg、0.8mg、0.7mg、0.6mg、0.5mg、0.4mg、0.3mg、0.2mg、あるいは0.1mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、約1.2mg、約1.1mg、約1.0mg、約0.9mg、約0.8mg、約0.7mg、約0.6mg、約0.5mg、約0.4mg、約0.3mg、約0.2mg、または約0.1mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.05~0.55mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.2~0.4mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.1~0.3mgのコルヒチンを投与する工程を含む。
【0082】
必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与することにより、被験体におけるコルヒチンの治療指数を改善する方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態では、組み合わせは相乗的な組み合わせである。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、本明細書に開示された化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0083】
いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、0.6mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg、1.1mg、1.0mg、0.9mg、0.8mg、0.7mg、0.6mg、0.5mg、0.4mg、0.3mg、0.2mg、あるいは0.1mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、約1.2mg、約1.1mg、約1.0mg、約0.9mg、約0.8mg、約0.7mg、約0.6mg、約0.5mg、約0.4mg、約0.3mg、約0.2mg、または約0.1mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.05~0.55mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.2~0.4mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.1~0.3mgのコルヒチンを投与する工程を含む。
【0084】
必要としている被験体に、(i)コルヒチン、および、(ii)CXCR-2阻害剤の組み合わせを、同時にまたは経時的に投与することにより、被験体における痛風発赤の予防と処置のための方法も本明細書で記載されている。いくつかの実施形態において、被験体は成人である。いくつかの実施形態では、組み合わせは相乗的な組み合わせである。いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、本明細書に開示された化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0085】
いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、0.6mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、1.2mg、1.1mg、1.0mg、0.9mg、0.8mg、0.7mg、0.6mg、0.5mg、0.4mg、0.3mg、0.2mg、あるいは0.1mg未満のコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、当該方法は、約1.2mg、約1.1mg、約1.0mg、約0.9mg、約0.8mg、約0.7mg、約0.6mg、約0.5mg、約0.4mg、約0.3mg、約0.2mg、または約0.1mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.05~0.55mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.2~0.4mgのコルヒチンを投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、約0.1~0.3mgのコルヒチンを投与する工程を含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、コルヒチンとCXCR-2阻害剤の組み合わせの投与は、相乗効果をもたらす。本明細書で使用されるように、「相乗作用」、「相乗的に」、「相乗的な」との用語、または他のその文法的な等価物は、効果が相加的である(つまり、2つの化合物の効果がいずれかの個々よりも大きい)か、あるいは1つの化合物の追加が必要とされている他の化合物の減少をもたらすような、2つ以上の化合物の相互作用を意味する。いくつかの実施形態において、化合物3あるいは化合物4などのCXCR-2阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩の同時投与は、低用量の第2の有効な薬剤を必要とする。いくつかの実施形態において、第2の有効な薬剤と、化合物3あるいは化合物4などのCXCR-2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩との同時投与は、化合物3あるいは化合物4などの低用量のCXCR-2阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩を必要とする。いくつかの実施形態において、化合物3あるいは化合物4などのCXCR-2阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩の同時投与は、痛風発赤を処置または予防するための低用量のコルヒチンを必要とする。いくつかの実施形態において、低用量のコルヒチンおよび/CXCR-2阻害剤は治療量以下の有効な量である。
【0087】
多くの併用療法の効果を予言するのは困難である。例えば、互いに相互に作用して治療有効性を低下させたり、望ましくない副作用を引き起こしたりする薬物も中にはある。こうした薬物は典型的には、拮抗作用を有するものとして分類される。他の複合薬は個々の薬物の合計としてその治療有効性を明示する。こうした組み合わせは相加効果を有するものとして分類される。さらに他の複合薬は、個々の薬物の合計よりも大きな治療指数をもたらす。これらは相乗効果を有するものとして分類される。
【0088】
相乗効果を有する併用療法は、多くの理由で非常に望ましい。例えば、相乗的な併用療法での各成分は単独療法(つまり、単一の薬の投与)での個々の薬物の治療用量よりも低い量で使用可能である。さらに、副作用のリスクおよび/または重症度は、各薬物の量を減らすことにより著しく低下させることができる。さらに、併用療法は、処置の全体的な効果を著しく増加させることもある。
【0089】
併用療法の相乗作用は、副作用が極端であるか重篤であるか処置、および/または、単独療法の効能が望ましいとは言い難い処置において特に役に立つ。治療の相乗作用は、組み合わせて使用される同じ薬物に関連する単独療法の任意の許容された投与量で達成される最適な効果を超過する併用療法の許容されたレジメンで達成される治療効果を表す。
【0090】
医薬組成物
本明細書に記載される化合物、化合物形態、および組成物は、単独で、あるいは、標準的な薬務に従って、医薬組成物中の薬学的に許容可能なアジュバント、担体、賦形剤、または希釈剤と組み合わせて投与される。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物のいずれか1つなどのCXCR-2阻害剤、あるいはその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤、または担体と伴って含む医薬組成物が本明細書で記載されている。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、医薬組成物はコルヒチンをさらに含む。
【0092】
さらに、いくつかの実施形態では、コルヒチンとCXCR-2阻害剤を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤、または担体と伴って含む医薬組成物も本明細書で記載されている。さらに、治療上有効な量のコルヒチンと、治療上有効な量のCXCR-2阻害剤を含む医薬組成物が本明細書で開示される。さらに、治療量以下の有効な量のコルヒチンと、治療量以下の有効な量のCXCR-2阻害剤を含む医薬組成物が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は固定された投与量の組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg-約0.5mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、あるいは約0.5mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg-約0.6mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、あるいは約0.6mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1mg-約1.0mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、または約1.0mgのコルヒチンと、CXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.5mg未満のコルヒチンとCXCR-2阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物はさらに薬学的に許容可能な希釈剤または担体を含む。
【0093】
いくつかの実施形態において、CXCR-2阻害剤は、本明細書に開示された化合物の1つ、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、1-(4-クロロ-2-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イルスルホニル)フェニル)-3-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)尿素(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、(R)-2-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-3-((2-((1-(5-メチルフラン-2-イル)プロピル)アミノ)-3,4-ジオキソシクロブタ-1-エン-1-イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0094】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は障害の処置のためのものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、哺乳動物の障害の処置のためのものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、ヒトの障害の処置のためのものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、結晶性関節炎の処置または予防のためのものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の関節における結晶の蓄積を特徴とする疾患の処置または予防のためのものである。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、痛風、痛風性関節炎、および痛風発赤の処置または予防のためのものである。
【0095】
投与の様式に依存して、医薬組成物は、好都合なことに0.05~99%w(重量パーセント)、より好都合なことに0.05~80%w、さらにより好都合なことに0.10~70%w、またさらにより好都合なことに0.10~50%wの活性成分を含み、すべての重量パーセントは組成物全体に基づいている。
【0096】
さらに、CXCR-2阻害剤(例えば、化合物3または4)あるいはその薬学的に許容可能な塩を、薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤、または担体と混合することを含む、本発明の医薬組成物の調製のプロセスも本明細書で記載されている。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカンエアロゾル、および乾燥粉末製剤の形で局所的に(例えば、肺および/または気道に、あるいは皮膚に)投与されるか、あるいは、例えば、錠剤、カプセル、シロップ、粉末、または顆粒の形態で経口投与によって、溶液または懸濁液の形態で非経口的投与によって、皮下投与によって、あるいは坐薬の形態で直腸投与によって、あるいは経皮的に、全身に投与される。好都合なことに、化合物3または化合物4、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、経口で投与される。
【0097】
投与の様式
本明細書に記載される化合物、化合物形態、および組成物は、単独で、あるいは、標準的な薬務に従って、医薬組成物中の薬学的に許容可能なアジュバント、担体、賦形剤、または希釈剤と組み合わせて投与される。
【0098】
本明細書に記載された医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、錠剤、粉末、徐放性製剤、溶液、懸濁液としての経口投与、無菌の溶液、懸濁液、またはエマルジョンとしての非経口注入、軟膏またはクリームとしての局所投与、あるいは坐薬としての直腸投与に適した形態である。医薬組成物は、実施形態によっては、正確な投与量の単回の投与に適した単位用量形態である。医薬組成物は、活性成分として本明細書に記載されるとおりの化合物または化合物形態と、従来の医薬担体または賦形剤を含む。いくつかの実施形態において、これらの組成物は、他のまたは追加の薬剤または医薬製剤、担体、アジュバントなどを含む。
【0099】
医薬組成物は好都合なことに単位用量形態で提示される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、製薬分野の当業者に既知または明白な方法のいずれかによって、特定の量の活性化合物で調製される。
【0100】
投与量
投与された医薬組成物の量はまず、処置されている哺乳動物に依存する。医薬組成物がヒト被験体に投与される例において、一日の投与量は、処方する医師によって決定され、投与量は一般に、個々の患者の年齢、性別、食事、体重、全体的な健康および反応、患者の症状の重症度、処置されている詳細な徴候または疾病、処置されている徴候または疾病の重症度、投与時間、投与経路、組成物の性質、排泄速度、薬物の組み合わせ、および、処方する医師の裁量に応じて変化する。さらに、投与ルートは疾病とその重症度に依存して変わる。医薬組成物は実施形態によっては、単位用量形態である。そのような形態では、調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するのに有効な量)を含んでいる単位投与量へ細分される。特定の状況のための適切な投与量の決定は当該技術分野の範囲内である。便宜上、いくつかの実施形態では、毎日の投与量の合計は分割され、必要に応じて、その日に複数回に分けて投与される。投与の量と頻度は上に記載されたような因子を考慮して担当する臨床医師の判断によって調節される。したがって、投与される医薬組成物の量は状況によって変動する可能性がある。いくつかの例では、前述の範囲の下限より下の投与量レベルは十二分に適切であるが、その一方で、他の場合では、例えば、一日を通して投与するために、さらに大量の投与量を複数回の少量の投与量に分割することによって、どんな有害な副作用も引き起こすことなく、大量の投与量を用いる。化合物が唯一の治療ではない併用適用では、少量の化合物を投与しても、依然として治療または予防効果を有することができる。
【0101】
キット
本明細書に記載された化合物、化合物形態、組成物、および方法は、本明細書に記載されたものなどの疾患と障害の処置のためのキットを提供する。こうしたキットは、容器内の本明細書に記載された化合物、化合物形態、または組成物、および随意に、本明細書に記載される様々な方法や手法に従ってキットの使用を教示する説明書を含む。そのようなキットは、実施形態によっては、組成物の活性および/または利点を示すか確立し、および/または、投薬、投与、副作用、薬物相互作用を記載する、科学参考文献、添付文書材料、臨床試験結果、および/または上記の要約などの情報、あるいは医療従事者にとって有用な他の情報も含む。そのような情報は、様々な研究(例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用する研究とヒト臨床試験に基づく研究)の結果に基づくこともある。本明細書に記載されたキットは、医師、看護師、薬剤師、処方集役人などを含む医療従事者に、提供され、販売され、および/または促進される。キットは、実施形態によっては、消費者にも直接販売される。
【0102】
本明細書に記載された化合物のいずれか1つなどのCXCR-2阻害剤あるいはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物またはキットが本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、キットはコルヒチンをさらに含む。
【0103】
本明細書に記載された化合物のいずれか1つなどのCXCR-2阻害剤と、痛風発赤を処置するCXCR-2阻害剤の投与のための説明書を含む、痛風発赤を経験する被験体を処置するための組成物およびキットが本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(2-((2,3-ジフルオロベンジル)チオ)-6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)ピリミジン-4-イル)-アゼチジン-1-スルホンアミド(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、CXCR-2阻害剤は、N-(6-(((2R,3S)-3,4-ジヒドロキシブタン-2-イル)オキシ)-2-((4-フルオロベンジル)チオ)ピリミジン-4-イル)-3-メチルアゼチジン-1-スルホンアミド(化合物4)またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、キットはコルヒチンをさらに含む。
【0104】
ある実施形態において、CXCR-2阻害剤、二重の低密度ポリエチレンビニール袋、およびHDPE容器を含む組成物またはキットが提供される。さらなる実施形態では、組成物あるいはキットはさらに、ホイル袋(例えば、熱密封された無水のホイルバッグなどの無水のホイルバッグ)を含む。いくつかの実施形態において、組成物またはキットはさらに乾燥剤を含み、さらに別の実施形態では、乾燥剤は必要とされない、および/または存在しない。いくつかの例では、そのようなパッキングは、CXCR-2阻害剤の安定性を改善する。
【0105】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された化合物、化合物形態、および医薬組成物は、診断のために、および研究試薬として利用される。例えば、いくつかの実施形態では、化合物、化合物形態、および医薬組成物は、単独で、あるいは他の化合物と組み合わせて、微分解析および/または組み合わせ解析ツールとして使用されることにより、細胞と組織内で発現した遺伝子の発現パターンを解明する。1つの非限定的な例として、1つ以上の化合物で処置された細胞または組織内の発現パターンは、化合物で処置されてない対照細胞または対照組織と比較され、生じたパターンは、例えば、それらが疾患の関連性、シグナル伝達経路、細胞の局在性、発現レベル、検査された遺伝子のサイズ、構造、あるいは機能に関係することから、異なるレベルの遺伝子発現に関して解析される。こうした分析は、刺激された細胞あるいは刺激されていない細胞で、および発現パターンに影響を与える他の化合物がある状態またはない状態で行われる。
【0106】
ヒトの処置に役立つことに加えて、本明細書に記載された化合物、化合物形態、および医薬組成物は動物の獣医学的処置にも役立つ。
【0107】
以下に提供される実施例と調製は、本発明の化合物とそのような化合物を調製する方法を例示および例証する。以下の例と調製の範囲によっていかなる方法でも本発明の範囲が限定されないことを理解されたい。
【実施例】
【0108】
以下の例はさらに本発明を例示するが、いかなるようにもその範囲を限定するものであると解釈されてはならない。とりわけ、処理条件は単なる例示に過ぎず、当業者によって容易に変えることができる。
【0109】
本明細書で特段の定めのない限り、あるは、さもなければ文脈により明らかに矛盾しない限り、本明細書に記載されるすべての方法は適切な順序で行うことができる。ありとあらゆる例、あるいは本明細書で提供される例示的な言葉(例えば「~など」)の使用は、単に本発明をより良く例証するようにと意図したものに過ぎず、それ以外に主張されない限り本発明の範囲を限定するものではない。別段の定めのない限り、本明細書に記載される技術的かつ科学的な用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0110】
本発明の実施形態は本明細書に記載されている。こうした実施形態の変更形態は、前述の記載を読むと当業者には明白になるものであってもよい。発明者らは、当業者が必要に応じてそうした変更形態を使用することを期待しており、発明者らは、本明細書に具体的に記載された通り以外に、本発明が実施されることを意図している。これに応じて、本発明は、本明細書に詳述された主題のすべての改良物と等価物を含んでいる。さらに、あらゆる可能な変更形態の上記の要素の任意の組み合わせは、別段の定めのない限り、または、さもなければ文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明により包含される。
【0111】
実施例1:試験化合物
化合物1、2、3、および4を、単独で、あるいはコルヒチンと組み合わせて、結晶により引き起こされた関節症の疾患モデルで試験した。
【0112】
【0113】
コルヒチンはSigma Aldrichから入手した。化合物1、2、3、および4は、CXCR-2を阻害することが示された(Dwyer & Yu, Expert Opin. Ther. Patents (2014), 24(5), 519)。化合物1は以前に記載されており(例えば、WO2009/039091を参照)、R&D Systemsから得られた。化合物2は以前に記載されており(例えば、WO2009/073683を参照)、Medchem Expressから得られた。化合物3は以前に記載されており、米国特許第8,748,603号に示される通りに調製された。化合物4はスキーム1(以下)と米国特許8,735,413号で示される通りに調製された。
【0114】
【化2】
実施例2:細胞移動アッセイ(インビトロ炎症)
【0115】
実施例2A:Leukopacksの単球分離
【0116】
主要な血中単球(PMBC)は、正常なドナーからの末梢血のリンパ細胞層(バフィーコート)から得られた。各leukopack(Interstate Blood Bank)は等量のPBSで希釈し、35mLの血液調製物を15mLのフィコール-Paque(商標)PLUS(GE Healthcare Bio-Sciences)の上に重ねて置いた。チューブを室温で30分間、間断なく700xgで遠心分離にかけた。
【0117】
バフィーコートインタフェースを取り除き、PBS(40mL)に加え、300xgで遠心分離にかけた。細胞ペレット中の任意の赤血球を、室温で10分間、赤血球溶解緩衝液(10mL、R&D Systems)に細胞を培養することにより溶解させた。溶解後、PBS(40mL)を加え、細胞を200xgで5分間遠心分離にかけた。ペレットをPBSで一度洗浄し、完全なRPMI中で再懸濁し、BDFalcon(商標)100mmの組織培養皿(Cat.No.353003)に播種した。1時間後に培地を吸引し、粘着細胞(主に単球)を、細胞スクレーパーを使用して収集し、走化性アッセイで使用した。
【0118】
実施例2B:走化性アッセイ
【0119】
走化性は、hFNでコーティングされた3μmの孔部を備えるBD Falcon FluoroBlok Multiwell 挿入物(Cat.No.351161あるいは351162)を用いて、48ウェルプレートで分析された。簡潔に言えば、新鮮に隔離された単球を、2×106細胞/mlの密度で走化性アッセイ緩衝液(0.1%のBSAで補充されたHBSS)中において再懸濁した。37°C、5%のCO2で40分間、1.0μMのCalcein AMで細胞を標識した。インキュベーション後、細胞を一度洗浄し、2.0×106細胞/mlの密度でアッセイ緩衝液中において再懸濁した。標識した細胞懸濁液を挿入物(250μl/ウェル)に加え、わきに置いた。別のBDFalcon(商標)48ウェルの平底プレートにおいて、化合物1または化合物2(750μl、10Μm)を加えた。細胞を含むマルチウェル挿入物を、化学誘引剤を含むプレートに優しく下ろして、すぐに底の蛍光プレートリーダーに入れた。挿入物の底面へ移動した細胞から放射された蛍光は、様々な時間点で測定された。Calcein AMで標識された細胞を、485/530nm(Ex/Em)波長で読み取った。
【0120】
尿酸一ナトリウム結晶条件培地を使用した。化合物1を10μMで使用する。化合物2を10μMで使用する。
【0121】
実施例2C:結果
【0122】
好中球数は
図1Aにおいてグラフで提示され、これは、(MSU条件培地における)好中球中の移動の有意な阻害を提供する化合物1と化合物2を示す。PBMC数は
図1Bにおいてグラフで提示され、これはPBMCでの移動での有意な阻害を提供する化合物1と2を示す。
【0123】
実施例3:結晶により引き起こされた関節症のラットの空気嚢モデルに関する基本手順
【0124】
実施例3A:試薬の調製
【0125】
尿酸一ナトリウム(MSU):水酸化ナトリウム(40g、Fisher Scientific)を脱イオン化した水(100mL、dH2O)に溶かして、10N溶液を得た。尿酸(16g、Sigma)を、水酸化ナトリウム溶液(11.8mL、10N)を含む脱イオン化水(3400 mL)に加え、一定して撹拌しながら60°Cまで加熱した。pHを10Nの水酸化ナトリウム溶液で8.9まで調節した。結果として生じた透明な溶液を4-8°Cに冷まし、結晶の形成をもたらした。これをろ過によって単離し、脱イオン化された水(1L)で3回洗浄し、37°Cで乾燥させた。乾燥した尿酸一ナトリウム結晶をふるいにかけて、貯蔵用の気密容器へ入れた。尿酸一ナトリウム(10g)を注入用の無菌の食塩水(1L、0.9%、USP、Hospira)中で懸濁し、撹拌プレート上に置いて、一定の10mg/mLの均質懸濁液を維持した。
【0126】
ビヒクル:ビヒクルとして使用される0.4%の溶液を提供するために、メチルセルロース(0.4g、Sigma)を脱イオン化された水(100mL)に溶かした。
【0127】
コルヒチン:1mg/mLの溶液を提供するために、コルヒチン(7mg、Sigma)を無菌の食塩水(7mL)に溶かした。
【0128】
ヘパリン化した生理食塩水:無菌の塩化ナトリウム溶液(400mL、0.9%)にヘパリン(0.4mL、10,000U/ml、APP Pharmaceuticals)を加えることにより、ヘパリン化した食塩水(10U/mL)を調製した。
【0129】
試験化合物:試験化合物をビヒクル中に懸濁させて、所望の濃度を得て、それに応じて希釈した。例えば、30mg/mLの懸濁液を得るために、試験化合物(102.5mg)をビヒクル(3.417mL)中で懸濁した。3mg/mLの懸濁液を得るために、30mg/mLの懸濁液の0.3mLをビヒクル(2.7mL)に加えた。0.3mg/mLの懸濁液を得るために、3mg/mLの懸濁液の0.3mLをビヒクル(2.7mL)に加えた。
【0130】
実施例3B:ラット
【0131】
オスのスプラーグドーリーラット(Charles River Laboratories、160-180g)を受け取り、個々に検査し、各々のケージに5匹のラットを収容した。動物は疾患または苦痛の臨床的症状のない、明白な健康状態にあった。ラットは毎日検査をして隔離下に置き、識別目的のために耳に切痕を残し、首の頂部を剪毛した。
【0132】
0日目:ラットに麻酔をかけ(イソフルラン)、首の頂部を70%のイソプロピルアルコール(Butler Animal Health Supply)で洗浄し、その後、ポビドンヨード溶液(Ricca Chemical Co.)で洗浄した。無菌の空気(30mL、0.2μm、Millipore)を、30mLの注射器に固定された23Gx1 1/2インチの針を使って皮下に注入した。何の有害な反応も観察されなければ、ラットをいつもの住居に戻した。
【0133】
3日目:ラットに麻酔をかけ(イソフルラン)、首の頂部を70%のイソプロピルアルコール(Butler Animal Health Supply)で洗浄し、その後、ポビドンヨード溶液(Ricca Chemical Co.)で洗浄した。無菌の空気(15mL、0.11μm、Millipore)を、20mLの注射器に固定された23Gx1 1/2インチの針を使って皮下に注入した。何の有害な反応も観察されなければ、ラットをいつもの住居に戻した。
【0134】
ラットの体重を測り、平均体重に基づいて処置群へ分類した。
【0135】
適切なように、ラットに試験化合物またはビヒクル(生理食塩水のみ)を経口投薬した。
【0136】
適切なように、ラットにコルヒチン(1mL/kg)で皮下注射した。
【0137】
適切なように、ラットにコルヒチン(皮下注射された)と組み合わせて、試験化合物(経口投与)を投薬した。
【0138】
SC注入の30分後、あるいはPO投薬の2時間後に、MSU(15mL)を、20mLの注射器に適合させた18Gx2インチの針を使用して、空気小袋に注入した。対照群を15mLの無菌の食塩水(ビヒクル)に注入した。注入部位を閉じ(コロジオン、Macron)、有害な作用が見られなかったラットをケージに戻した。
【0139】
実施例3C:サンプル
【0140】
MSU/生理食塩水注射の4時間後に、ラットに麻酔をかけ、ヘパリン処理された食塩水(5mL、10U/mL)を空気嚢に注入した。空気嚢を優しくマッサージし、6mLの注射器に適合させた14Gx1インチの針を使用して、内容物を即座に取り除き、滲出量を記録した。滲出物のアリコートを、総白血球数(WBC)測定のための緑のエッペンドルフチューブに移した。MSU結晶を10分間沈降させた後、滲出物のアリコートを、差異の白血球数のためにヘパリン処理されたmicrotainerチューブ(Becton Dickinson)に移した。滲出物の剰余を遠心分離にかけ、上澄みのアリコートを、標識された透明なエッペンドルフチューブに分注して、-80°Cで保存した。ラットを失血させてあらかじめ冷やしておいた血清分離器チューブへ入れ、血清になるまで処理して、0.5mLのアリコートを、標識されたエッペンドルフチューブ中で-80°Cで保存した。
【0141】
実施例4:ラット空気嚢モデル中の化合物2
化合物2を、実施例2に記載されたプロトコルに従って試験した。60匹のラットを用いて、10匹の動物の6つの群に以下のように分割した:
【0142】
【0143】
結果-平均滲出量(
図2A)、総白血球数(
図2B)、および好中球数(
図2C)は、以下の表で提供され、
図2に提示される。
【0144】
【0145】
実施例5:ラット空気嚢モデル中でコルヒチンと組み合わせる化合物2
化合物2を、実施例2に記載されるプロトコルに従って、様々な投与量でコルヒチンのある状態とない状態で試験した。90匹のラットを用いて、10匹の動物の9つの群に以下のように分割した:
【0146】
【0147】
結果-平均滲出量(
図3A)、総白血球数(
図3B)、および好中球数(
図3C)は、以下の表で提供され、
図3に提示される。
【0148】
【0149】
実施例6:ラットの空気嚢モデルにおける化合物2、化合物3、および、化合物4
化合物2、化合物3、および、化合物4を、実施例2に記載されたプロトコルに従って試験した。100匹のラットを用いて、10匹の動物の10の群に以下のように分割した:
【0150】
【0151】
結果-平均滲出量(
図4A)、総白血球数(
図4B)、および好中球数(
図4C)は、以下の表で提供され、
図4に提示される。
【0152】
【0153】
実施例7:ラットの空気嚢モデル中でコルヒチンと組み合わせる化合物3と化合物4
化合物3と化合物4を、実施例2に記載されるプロトコルに従って、様々な投与量でコルヒチンのある状態とない状態で試験した。100匹のラットを用いて、10匹の動物の10の群に以下のように分割した:
【0154】
【0155】
結果-平均滲出量(
図5A)、総白血球数(
図5B)、および好中球数(
図5C)は、以下の表で提供され、
図5に提示される。
【0156】
【0157】
実施例8:ラットの空気嚢モデル中でコルヒチンと組み合わせる化合物3
化合物3を、実施例2に記載されるプロトコルに従って、様々な投与量でコルヒチンのある状態とない状態で試験した。100匹のラットを用いて、10匹の動物の10の群に以下のように分割した:
【0158】
【0159】
結果-平均滲出量(
図6A)、総白血球数(
図6B)、および好中球数(
図6C)は、以下の表で提供され、
図6(群1、2、3、6、および10)に提示される。
【0160】
【0161】
実施例9:ラットの空気嚢モデル中でコルヒチンと組み合わせる化合物4
化合物4を、実施例2に記載されるプロトコルに従って、様々な投与量でコルヒチンのある状態とない状態で試験した。100匹のラットを用いて、10匹の動物の10の群に以下のように分割した:
【0162】
【0163】
結果-平均滲出量(
図7A)、総白血球数(
図7B)、および好中球数(
図7C)は、以下の表で提供され、
図7(群1、2、3、6、および10)に提示される。
【0164】
【0165】
実施例10:治療モデル中でコルヒチンと組み合わせる化合物3と化合物4
化合物3と化合物4を、実施例2に記載されるプロトコルに従って、様々な投与量でコルヒチンのある状態とない状態で試験した。140匹のラットを用いて、10匹の動物の14の群に以下のように分割した:
【0166】
【0167】
結果-平均滲出量(
図8A)、総白血球数(
図8B)、および好中球数(
図8C)は、以下の表で提供され、
図8(群1、2、3、6、9、11、および14)に提示される。
【0168】