(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】来訪者入場管理システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/32 20200101AFI20220818BHJP
【FI】
G07C9/32
(21)【出願番号】P 2021175233
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2021-11-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521470870
【氏名又は名称】グリーン・スペース・ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100789
【氏名又は名称】馬場 玄式
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【氏名又は名称】富崎 元成
(72)【発明者】
【氏名】持田 昇一
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-047766(JP,A)
【文献】特開2002-215765(JP,A)
【文献】特開2002-269391(JP,A)
【文献】特開2009-181561(JP,A)
【文献】特開2009-176063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に購入された商品に関わるサービスを提供する事業者の提供サービスに関わるJOBを登録し提供するJOB提供手段、
前記JOBを顧客に提供する業務を請負するサービス員のデータを登録した求人情報提供サービス手段、及び、
前記
提供サービスの認証を行うためのサービス確認手段
からなる来訪者入場管理システムにおいて、
前記JOB提供手段は、前記商品の購入データが前記事業者に通知されたとき、前記
提供サービスに係る前記JOBに
ついて予め設定された手順
で、前記商品、配達地域、配達日、及び配達時間帯が自動的に生成されて登録される
ものであり、
前記顧客が所持する機器、又は、前記顧客がいる建造物のゲートに若しくは前記ゲートの付近に設置された機器で、前記サービス員の生体情報
である撮影画像を取得するための撮影手段、
前記サービス確認手段は、
前記顧客によって購入された前記
提供サービスに係り予め設定された手順にて自動的に生成された前記
提供サービスに関わるJOBであるか否かを示すサービス正誤確認を行うための
処理であり、前記顧客から受信した前記サービス員の個人データ
である前記撮影画像を処理して第1特徴データを抽出して、前記JOBに関連付けられてワンタイムパスワードとして登録され
ている前記サービス員の生体データ
である撮影データから第2特徴データを抽出して照合して、前記サービス正誤確認を行った結果を返信する
ものであり、
前記
提供サービスを提供しようとする
前記サービス員を前記撮影手段で撮影した
前記撮影
画像を、前記サービス確認手段に送信し、前記サービス確認手段から前記サービス正誤確認を行った前記結果を受信する顧客側通信手段、
前記サービス正誤確認の前記結果を表示する表示手段、及び、
前記サービス正誤確認の前記結果が前記サービス員により提供される正規の前記
提供サービスであることを示す正常認証の場合、前記表示手段からの指示により前記ゲートを開錠する開錠手段、若しくは、前記ゲートの物理的な鍵を管理するゲートキーパーサービス手段、又は、前記顧客により前記ゲートを開錠する手動解除手段
からなり、
前記求人情報提供サービス手段は、
前記サービス員を希望する希望者
の前記提供サービスの請負
が承認され、個人認証情報の登録が通知された前記サービス員の前記第2特徴データを、前記サービス員が応募して前記請負が承認された前記JOBに関連付けて登録する請負登録データを受信し登録する希望者登録手段、
前記請負登録データを前記事業者が承認する請負承認データを前記事業者から受信し、登録する請負登録手段、及び、
前記請負
登録手段で承認された前記希望者に
前記個人認証情報を登録する旨を通知する請負認証通知手段からなり、
前記サービス確認手段は、
前記サービス員が所持するサービス員撮影手段で撮影した前記サービス員の
前記撮影データを前記サービス員から受信する撮影データ受信手段、
前記撮影データを処理して
前記第2特徴データを抽出する特徴点抽出手段、
前記
第2特徴データを前記サービス正誤確認に用いる
前記ワンタイムパスワードとして前記サービス員が応募した前記JOBに関連付けて登録するパスワード登録手段、
前記ゲートキーパーサービス手段から前記サービス正誤確認を要求する確認要求データを受信し、前記サービス正誤確認の結果を返信するサービス側通信手段、及び、
前記確認要求データを処理し、前記
第2特徴データを利用して前記サービス正誤確認を行う確認処理手段からなる。
【請求項2】
請求項
1に記載の来訪者入場管理システムにおいて、
前記サービス員の個人認証を行うためのもので、前記顧客から受信した前記サービス員の
前記撮影画像を、前記顧客によって前記購入された前記
提供サービスに関わる前記JOBのみに関連付けて
前記ワンタイムパスワードとして登録し、前記サービス員の個人認証を行った結果を返信する本人確認手段、
前記撮影
画像を、前記本人確認手段に送信し、かつ、前記本人確認手段から前記サービス員の個人認証を行った前記結果を受信する前記顧客側通信手段、
前記個人認証の前記結果を表示する前記表示手段}及び、
前記個人認証の前記結果が正規の前記サービス員であることを示す正常認証の場合、前記表示手段からの指示により前記ゲートを開錠する前記開錠手段、若しくは、前記ゲートキーパーサービス手段、又は、前記手動解除手段からなる
ことを特徴とする来訪者入場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配サービス、在宅訪問サービス等において、来訪者入場管理システムに関する。詳しくは、顔認証をワンタイムパスワードとして用いる来訪者入場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2019年から世界的に大流行しているコロナ渦の中で、在宅勤務、サービス業の人員の遠隔連絡等を始め、社会全体が新たな生活様式への移行している中で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速している。また、商品の売買において、実店舗よりネットショッピング、いわゆるオンライン・ショッピングサイトで買い物するユーザが増えている。
【0003】
従来から、オンラインショッピングに関する様々なシステムが提案されている。例えば、オンラインショッピングにおいて、安全に製品を売買できるためには、これに関わる注文者のユーザ端末、販売業者端末、配送業者端末、金融業者端末、認証機関端末は、製品の売買を行う前に、お互いの信頼性に関する情報をそれぞれの端末でネットワークを介して認証機関から取得することによって、事前に相手の信頼性を確認してから製品の売買を行う通信販売システムが開示されている(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかながら、顧客が購入した商品を、配達業者が顧客へ配達する際、配達のサービス員の多様化と共に、顧客側でサービス員を個人認証することが求められている。また、在宅サービス業等のサービス員を派遣する分野では、なりすまし等の様々な事件、課題等があることが指摘されている。この中で、サービス員を遠隔操作で登録、認証し、サービスのために派遣する分野、リモート営業等の非対面型ビジネスモデルとして、そしてなりすまし等の特殊詐欺の対策として、確実で安全なサービス環境を提供することが求められている。
【0006】
本発明は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、サービス事業者が提供するサービスをサービス員が請負し、顧客を訪問しサービスを提供するとき、サービスの正誤の確認を行うための来訪者入場管理システムを提供する。
【0007】
本発明の他の目的は、サービス事業者が提供するサービスをサービス員が請負し、顧客を訪問しサービスを提供するとき、サービス員の個人認証を行うための来訪者入場管理システムを提供する。
【0008】
本発明の他の目的は、サービス事業者が提供するサービスをサービス員が請負し、顧客を訪問しサービスを提供するとき、サービス員の顔特徴をワンタイムパスワードとして利用しサービスの正誤確認及びサービス員の個人認証を行うための来訪者入場管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本発明1の来訪者入場管理システムは、
顧客に購入された商品に関わるサービスを提供する事業者の提供サービスに関わるJOBを登録し提供するJOB提供手段、
前記JOBを顧客に提供する業務を請負するサービス員のデータを登録した求人情報提供サービス手段、及び、
前記提供サービスの認証を行うためのサービス確認手段
からなる来訪者入場管理システムにおいて、
前記JOB提供手段は、前記商品の購入データが前記事業者に通知されたとき、前記提供サービスに係る前記JOBについて予め設定された手順で、前記商品、配達地域、配達日、及び配達時間帯が自動的に生成されて登録されるものであり、
前記顧客が所持する機器、又は、前記顧客がいる建造物のゲートに若しくは前記ゲートの付近に設置された機器で、前記サービス員の生体情報である撮影画像を取得するための撮影手段、
前記サービス確認手段は、
前記顧客によって購入された前記提供サービスに係り予め設定された手順にて自動的に生成された前記提供サービスに関わるJOBであるか否かを示すサービス正誤確認を行うための処理であり、前記顧客から受信した前記サービス員の個人データである前記撮影画像を処理して第1特徴データを抽出して、前記JOBに関連付けられてワンタイムパスワードとして登録されている前記サービス員の生体データである撮影データから第2特徴データを抽出して照合して、前記サービス正誤確認を行った結果を返信するものであり、
前記提供サービスを提供しようとする前記サービス員を前記撮影手段で撮影した前記撮影画像を、前記サービス確認手段に送信し、前記サービス確認手段から前記サービス正誤確認を行った前記結果を受信する顧客側通信手段、
前記サービス正誤確認の前記結果を表示する表示手段、及び、
前記サービス正誤確認の前記結果が前記サービス員により提供される正規の前記提供サービスであることを示す正常認証の場合、前記表示手段からの指示により前記ゲートを開錠する開錠手段、若しくは、前記ゲートの物理的な鍵を管理するゲートキーパーサービス手段、又は、前記顧客により前記ゲートを開錠する手動解除手段
からなり、
前記求人情報提供サービス手段は、
前記サービス員を希望する希望者の前記提供サービスの請負が承認され、個人認証情報の登録が通知された前記サービス員の前記第2特徴データを、前記サービス員が応募して前記請負が承認された前記JOBに関連付けて登録する請負登録データを受信し登録する希望者登録手段、
前記請負登録データを前記事業者が承認する請負承認データを前記事業者から受信し、登録する請負登録手段、及び、
前記請負登録手段で承認された前記希望者に前記個人認証情報を登録する旨を通知する請負認証通知手段からなり、
前記サービス確認手段は、
前記サービス員が所持するサービス員撮影手段で撮影した前記サービス員の前記撮影データを前記サービス員から受信する撮影データ受信手段、
前記撮影データを処理して前記第2特徴データを抽出する特徴点抽出手段、
前記第2特徴データを前記サービス正誤確認に用いる前記ワンタイムパスワードとして前記サービス員が応募した前記JOBに関連付けて登録するパスワード登録手段、
前記ゲートキーパーサービス手段から前記サービス正誤確認を要求する確認要求データを受信し、前記サービス正誤確認の結果を返信するサービス側通信手段、及び、
前記確認要求データを処理し、前記第2特徴データを利用して前記サービス正誤確認を行う確認処理手段からなる。
【0011】
本発明2の来訪者入場管理システムは、本発明1において、
前記サービス員の個人認証を行うためのもので、前記顧客から受信した前記サービス員の前記撮影画像を、前記顧客によって前記購入された前記提供サービスに関わる前記JOBのみに関連付けて前記ワンタイムパスワードとして登録し、前記サービス員の個人認証を行った結果を返信する本人確認手段、
前記撮影画像を、前記本人確認手段に送信し、かつ、前記本人確認手段から前記サービス員の個人認証を行った前記結果を受信する前記顧客側通信手段、
前記個人認証の前記結果を表示する前記表示手段}及び、
前記個人認証の前記結果が正規の前記サービス員であることを示す正常認証の場合、前記表示手段からの指示により前記ゲートを開錠する前記開錠手段、若しくは、前記ゲートキーパーサービス手段、又は、前記手動解除手段からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、次の効果が奏される。本発明によると、商品、サービスを提供するとき、JOB及びそれを請負するサービス員をオンラインでマッチングし、サービス員の顔特徴をワンタイムのパスワードとして利用することができるようになった。具体的には、サービス提供者(組織)、サービス員、サービス先(顧客)の円滑な連携が可能になった。
【0017】
サービス員は生体情報をシステムに登録し、サービス員の訪問先はカメラでサービス員を撮影し、サービス確認サービス又は本人確認サービス等を利用してサービスの正誤確認又はサービス員の個人認証を円滑に行うことができるようになった。これにより、サービス提供時のなりすまし等の犯罪を防ぐことができるようになり、そして、来訪者入場管理システムは、サービス員の個人情報を最低限しか保持しないようになった。
【0018】
また、本発明によると、顧客及びサービスをサービス員の生体データに関連付けることで、サービス確認サービスによってサービス員の生体データを用いてサービス正誤確認をし、登録されたサービスであるか否かを判定することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1の概要を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1のデータベース3の概要を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1の動作概要を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1において、顧客が商品を購入する画面例を図示した図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1において、JOBが登録されたカレンダーの例を図示した図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態1の来訪者入場管理システム1において、JOBの詳細例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の第2の実施の形態の来訪者入場管理システムの概要を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本発明の第3の実施の来訪者入場管理システム1の動作概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1の概要を
図1にブロックで図示している。来訪者入場管理システム1は、クラウドサーバ2、クラウドサーバ2上のデータベース3、サービス事業者端末5、顧客端末7、サービス員端末9、ネットワーク10等からなる。本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1は、サービスを提供するサービス事業者、商品を購入する顧客、及び、顧客を訪問しサービスを提供するサービス員に共通のプラットフォームを提供するクラウド型システムである。
【0021】
特に、商品を購入した顧客への商品の配達とこの商品に関わるJOBを提供するサービス員8と、サービス事業者4に共通のプラットフォームを提供し、JOBと、JOBを請負するサービス員8をウェブでマッチングを行うためのクラウド型システムである。来訪者入場管理システム1は、本人認証サービス、認証アプリケーションプログラム等を備え、サービス員8の個人認証に利用する。来訪者入場管理システム1は、オンライン・ショッピングサイトを含むものであるが、外部のオンライン・ショッピングサイトと提携するものであっても良い。
【0022】
以下は、本実施の形態では、区別せず、オンライン・ショッピングサイトとする。クラウドサーバ2上のデータベース3に、商品データ、JOBデータ、サービス員データ等が格納されている。サービス事業者4、顧客6、及びサービス員8のそれぞれは、サービス事業者端末5、顧客端末7、サービス員端末9を利用して、データベース3にアクセスし、商品の登録、商品の注文、JOBマッチング、サービス員8の個人認証に必要な各種処理をクラウドサーバ2等によって行う。
【0023】
具体的には、サービス事業者4は、サービス事業者端末5を利用して、クラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、商品を登録、商品の販売に関わるJOBを登録する。サービス事業者4は、サービス事業者端末5を使用して、顧客6が注文した商品の注文を確認する処理、その注文を確定する処理、この注文に関わるJOBを生成する処理、JOBに応募するサービス員8を確認する処理、それを承認する処理等を行う。
【0024】
顧客6は、顧客端末7を使用してクラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、商品を検索し注文する処理、注文された商品を配達するサービス員を撮影する処理等を行う。サービス員8は、サービス員端末9を使用して、クラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、JOBを検索する処理、JOBに応募する処理、自身の生体情報を登録する処理(既登録済の場合は、パスワード、生体(例えば、指紋)認証等で本人確認)、JOBマッチングの結果を確認する処理等を行う。
【0025】
サービス員8は、応募したJOBが承認された場合、商品を顧客6が指定した場所、日時に配達する。サービス員8は、顧客6を訪問するとき、顧客6の玄関等において、顧客6の所持する顧客端末7によって撮影される。この撮影を用いて顧客6の要望で、サービス員8の個人認証が行われる。この個人認証が正常に承認されたら、サービス員8は商品を顧客6に提供する。
【0026】
ここでいう商品とは、有形の販売商品、無形のサービス、又はこれらの組み合わせである。例えば、有形の販売商品とは、書籍、印刷物、家電製品、衣服、食料品、各種原材料を始め有形の各種製品である。無形のサービスとは、電子計算機のメンテナンス、建築物の掃除作業、ビル又は装置の点検作業、各種業務の指導等のあらゆるサービス業を含むものである。無論、無形のサービスは、上述の有形の販売商品に関わる各種サービス、例えば、それらの設置、処理、初期化、包装からの取り出し、中古品の回収等であることができる。本発明では、このように商品を広く解釈する。
【0027】
サービス事業者端末5は、顧客端末7、及び、サービス員端末9は、中央処理手段、入力手段、出力手段、メモリ、データバスを備えた電子計算機である。サービス事業者端末5、汎用のデスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン等のように、クラウドサーバ2とデータベース3へネットワーク10を介して接続し、クラウドサービスに接続できる任意の電子計算機である。顧客端末7とサービス員端末9は、汎用の電子計算機であり、携帯可能な電子計算機で、タブレット端末、スマートフォン等が望ましい。
【0028】
サービス事業者端末5は、商品をオンラインで販売する事業者、サービスを提供する事業者等が利用するものである。来訪者入場管理システム1は、ウェブシステムを利用し、商品登録から商品配達に至るワークフローをウェブ上でインタラクティブに完結するものである。クラウドサーバ2は、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1のクラウドサービスを提供するための電子計算機であり、データベース3を備える。
【0029】
クラウドサーバ2は、専用サーバ、共同サーバ等であるが、クラウドサービスを提供するAWS(登録商標)等のクラウドサービスを利用したものである。クラウドサーバ2は、中央処理手段、入力手段、出力手段、データバスを備えた、サーバであり、特にクラウドサービスを提供するサーバである。
【0030】
データベース3は、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1のクラウドサービスに必要なデータを格納するものであり、MySQL(商標)、Oracle Database(商標)、PostgreSQL(商標)、Microsoft SQL Server(商標)、IBM DB2(商標)、SAP Sybase(商標)等の既存のデータベースを用いることができる。
【0031】
また、クラウドサーバ2とデータベース3を利用した、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1のクラウドサービスは、クラウドサービスとして提供されるDBaaS(データベース・アズ・ア・サービス)を利用することができ、例えば、Amazon Relational Database Service (RDS)(商標)、Azure SQL Database (Azure Database for MySQL、 Azure Database for PostgreSQL、 Azure Database for MariaDB)(商標)、Google Cloud SQL(商標)等のサービスを利用することができる。
【0032】
これまでは、データベース3がクラウドサーバ2に付属するものと説明したが、データベース3が独立したデータベースサーバに搭載され、クラウドサーバ2がこのデータベースサーバにネットワーク10経由で接続してデータの送受信を行うことができる。このように、クラウドサーバ2とデータベース3は、以下に説明する機能を実現できるものであれば、上述のようなデータベースとDBaaSを利用することができる。本発明はサーバとデータベースの構築のための発明ではないので、クラウドサーバ2とデータベース3について詳細な説明は省略する。
【0033】
ネットワーク10は、クラウドサーバ2を各端末と互いに接続して、データの送受信を行うための通信サービス、そのためのネットワークである。ネットワーク10は、一般電話加入線ネットワーク、携帯通信網、LAN、WAN、インターネット等の任意の通信ネットワーク、又はこれらの組み合わせである。以下、ネットワーク10は、インターネットを例に説明する。サービス事業者端末5は、ネットワーク10に直接することができるが、一般的に、ゲートウェイ、ルータ、基地局等の中継器11を介して接続する。
【0034】
中継器11、ネットワーク10に接続するためのプロトコル等は、本発明の要旨ではないので、詳細な説明は省略する。事業者端末4、顧客端末8、サービス員端末9は、ネットワーク10、クラウドサーバ2に接続するとき、ユーザ認証を行い、正常に認証された後、クラウドサーバ2とデータベース3とのデータの送受信を行う。これらの端末とネットワーク10、クラウドサーバ2間のデータ通信は、TCP/IP等のインターネットの所定のプロトコルを利用し、暗号化して行われる。
【0035】
各端末の通信、暗号化は、本発明の要旨ではないので、詳細な説明は省略する。来訪者入場管理システム1は、データベース3、サービス事業者データベース21、サービス員データベース22、顧客データベース23、カレンダーデータベース24、評価データベース25等からなるが、それぞれ独立データベースでも、データベース3のテーブルであっても良い。
【0036】
本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1は、以下、書籍等の有形の商品を提供する例に説明する。来訪者入場管理システム1は、ショッピングサイト、配達スケジューリングシステム、オンラインカレンダー、本人確認サービス等のサブシステムを備える。ショッピングサイトは、商品、サービスを販売する汎用のオンライン・ショッピングサイト等である。
【0037】
配達スケジューリングシステムは、商品の配達を行う配達業者のためのシステムであり、商品を配達するために必要な各種手続きをオンラインで行うためのシステムで、商品配達の進捗状況もオンラインで確認できる。ショッピングサイトと配達スケジューリングシステムは、汎用のシステムであり、詳細は省略する。ショッピングサイトと配達スケジューリングシステムは、サービス事業者データベース21、サービス員データベース22、顧客データベース23、カレンダーデータベース24、評価データベース25等に格納のデータを利用する。
【0038】
ショッピングサイトと配達スケジューリングシステムが外部システムの場合、来訪者入場管理システム1は、これらの外部システムにアクセスし必要なデータを取得しデータベース3に格納するか連携する。サービス事業者データベース21は、サービス事業者4に関わるデータを登録するものであり、例えば、識別するサービス識別番号、サービス事業者4が登録したJOB識別番号、サービス事業者4の会社情報データ、求人情報データ等からなる。
【0039】
求人情報データ21aは、JOB及びJOBの遂行に必要なデータであり、例えば、JOBの内容、属性、場所、交通、期間、時間、賃金、支払い等が例示できる。サービス員データベース22は、サービス員8に関するデータであり、例えば、属性情報データ、認証情報データ、情報公開項目データ等からなる。顧客データベース23は、顧客に関するデータであり、例えば、顧客識別番号、商品の発注の内容の記録等が例示できる。
【0040】
カレンダーデータベース24は、上述のカレンダーの内容を示すデータであり、例えば、カレンダー基本データ、求人データ、予約データ、承認データ、顧客訪問データ等が例示できる。評価データベース25は、顧客6、サービス員8の評価に関するデータであり、例えば、顧客6が商品、サービス員8を評価したデータ、サービス員8が顧客6を評価したデータ等が例示できる。
【0041】
[システムの動作の流れ]
図3は、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1の動作の流れの概要を示すフローチャートであり、以下、これを参照しながら説明する。まず、サービス事業者4は、サービス事業者端末5で、来訪者入場管理システム1にアクセスし、商品とJOBを登録する(ステップ1、2)。
【0042】
具体的には、サービス事業者4は、サービス事業者端末5をネットワーク10に接続し、端末上にブラウザを起動させて、来訪者入場管理システム1のURL(Universal Resource Location)アドレスを入力して、来訪者入場管理システム1のクラウドサービスにアクセスする。まず、サービス事業者4は、ログイン手続きをした後、商品とJOBを登録する。来訪者入場管理システム1は、ウェブ上のクラウドサービスであり、商品を販売するオンライン・ショッピングサイト、サービスを提供するオンライン予約サイト等である。
【0043】
以下は、商品の物品を購入するショッピングサイトを例に説明する。この場合、サービス事業者4は、販売する商品をオンライン・ショッピングサイト等にアップロードし登録する(ステップ1、2)。この登録時、ショッピングサイトには、商品の説明、価格、購入方法、支払方法、配達方法、配達料金、配達時期、返品方法、返金方法、付随するサービス、付随するサービス料金、商品の評価、商品の人気度、商品の販売順位等の商品販売に係るデータを必要に応じて登録する。この商品販売に係るデータはシステム上でデータベース3を利用し自動的に集計され、登録されても良い。
【0044】
顧客6は、顧客端末7を利用して、来訪者入場管理システム1のクラウドサーバ2にアクセスし、商品を検索し、利用する又はサービスを受ける商品を選択し、購入する(ステップ3)。顧客6は、来訪者入場管理システム1の顧客用の販売サイト、又は来訪者入場管理システム1と提携するオンライン・ショッピングサイトにアクセスし、商品を購入する。このような顧客用のサイトでは、サービス事業者4が提供する商品が表示され、又は、顧客6の検索にヒットして表示される。
【0045】
顧客6は、商品を選択し、これをショッピングカートに入れ、支払をする。この例では、顧客6が商品を購入する手続きは、汎用のオンライン・ショッピングサイトに利用される公知技術、公知方法を利用するものである。本発明は、商品を購入する諸手続きは公知技術、公知方法を利用するため、詳細な説明は省略する。
【0046】
顧客6が購入した商品に関する購入データは、サービス事業者4に通知され、購入された商品に係るJOBが登録される。例えば、商品を配達するためのJOBが登録される。このJOB登録は、来訪者入場管理システム1に予め設定された手順で自動的に生成されて、カレンダーデータベース24に登録されるか、サービス事業者4が購入データに基づいて生成しても良い。カレンダーにこれらのJOBが登録され、サービス員8へ公開される。具体的には、カレンダーは、カレンダーデータベース24の内容をウェブ上で表示するものである。
【0047】
図1に図示したサービス員側8aにおいて、サービス員8になることを希望する希望者は、来訪者入場管理システム1にアクセスし、氏名、住所、職種等の必要な個人情報を入録する(ステップ4)。サービス事業者4は希望者が入力したデータを確認し、サービス員を認定するか拒否するかを決定し、認定された場合にサービス員8になる。サービス員8を希望する希望者は、来訪者入場管理システム1に個人情報を登録し、システム登録者になることができる。
【0048】
システム登録者は、JOBを希望し、それをサービス事業者4が審査してサービス員8に認定するか否かを決定することができる。この認定によって、システム登録者はサービス員8になる。以下、システム登録者はサービス員8と違うとき必要な説明をするが、基本的にサービス員8として説明する。希望者は、来訪者入場管理システム1にアクセスし、個人情報等を入力して、必要な書類をアップロードしてシステム登録者になり、サービス事業者4は必要に応じてサービス員8として認定する。
【0049】
希望者が登録する情報は、氏名、住所、生体データ、学歴、職業歴、勤務希望地域、勤務希望日、勤務希望時間帯、勤務に必要で所持する機械・道具等の個人及び勤務に関するデータであり、サービス事業者4が必要に応じて追加又は削減できる。サービス員8として認定されるとき、又は認定された後でも、個人及び勤務に関するデータを追加入力することができる。生体データは、サービス員8を認証するためのものであり、サービス員8又はシステム登録者が自身の顔を撮影して、来訪者入場管理システム1に登録する。
【0050】
本発明の来訪者入場管理システム1は、顧客6へJOBを提供するとき、顧客6の玄関、ゲート等においてサービス員8をこの生体情報を利用して認証する。希望者は来訪者入場管理システム1へサービス員端末9を利用してアクセスし、登録をすると、サービス事業者4からユーザ名とパスワード等が通知される(ステップ4)。ユーザ名は、希望者が入力した名前、メールアドレス、システム側で自動的に又は連番で生成された番号若しくは名称等である。
【0051】
希望者は、以後、システム登録者又はサービス員8としてユーザ名とパスワードを利用してログインし、JOBを検索することができる。パスワードは、システム側で自動生成されたものであるが、システム登録者が入力したものでも良く、システム登録者が自由に変更することができる。サービス員8は、来訪者入場管理システム1へアクセスし、基本的にカレンダーにアクセスし、JOBを検索して、希望するJOBを申請する(ステップ5)。
【0052】
例えば、本例の商品配達では、サービス員8は購入された商品の配達の場合、配達する商品、配達地域、配達日、配達時間帯を確認し、JOBに応募する。サービス事業者4は、カレンダーのJOBを確認し、応募者を確認し、応募者が複数の場合、1名の応募者を選択し、承認する(ステップ6)。このように、来訪者入場管理システム1はほぼ自動でJOBとサービス員のマッチングを行う。サービス事業者4が応募者を承認し、JOBをサービス員8に委託すると、承認されたサービス員8へこれが通知される(ステップ7)。
【0053】
サービス員8は、この通知を受け、この通知に含まれるリンクに従って生体情報を本人確認サービスに登録する(ステップ8)。サービス員8は、リンクに従って、顔写真を撮影し生体データとして来訪者入場管理システム1へアップロードする。来訪者入場管理システム1では、サービス員8からアップロードされた生体データを受信すると、これを処理して、生体データから生体認証に必要な特徴データを抽出し、生体認証用データとし、生体データとサービス員8のデータに関連付けてデータベース3に格納する。
【0054】
以上のように、来訪者入場管理システム1を利用して、サービス事業者4が商品及びこれに係るJOBを登録する手続き、顧客6が商品を購入する手続き、サービス員8がJOBに応募しJOBマッチングを行う手続きを説明した。言い換えると、サービス事業者4が提供するサービスを、サービス員8が応募しJOBマッチングが行われる手続きを説明した。
【0055】
以下は、サービス員8(サービス員側8b)が、顧客側6aを訪問してJOBを提供するときの手続きを説明する。サービス員8は、応募したJOBが認証されると、JOBを遂行する(提供する)。まず、サービス員8は、サービス事業者4から又はサービス事業者4が指定した営業所若しくは場所から、商品12を受け取り、顧客6を訪問する(ステップ9)。サービス員8は商品12を受け取るとき、商品12を配達する際の注意事項、取り扱い説明、関連サービス等の必要な説明をサービス事業者4から受ける。
【0056】
サービス員8は、JOBに指定された日又は指定された時間帯に、商品12を顧客6に搬送(配達)し、顧客6のゲート(玄関、受付、納品用受付)等(以下、ゲートという。)で、個人認証を受ける。具体的には、サービス員8は、顧客6のゲートで顧客6によって撮影される(ステップ10)。ゲートでは、来訪者入場管理システム1の認証手段が設置されている。認証手段は、撮影装置と通信装置を備える。例えば、認証手段は、カメラ付きのスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末であっても良い。
【0057】
来訪者入場管理システム1は、顧客6の認証手段用に認証アプリケーションプログラムを提供する。認証アプリケーションプログラムは、顧客6によってダウンロードされ、顧客6の顧客端末7にインストールされて、動作する。認証アプリケーションプログラムは、本人確認サービス、カレンダー等の付属又は連携しているシステムと連携して動作するものである。
【0058】
認証アプリケーションプログラムは、顧客端末7で動作を開始すると、顧客端末7のカメラを利用して、訪問したサービス員8をインターフォン画面、防犯用覗き窓等から撮影し、この撮影した撮影画像を本人確認サービスへ送信し、認証を申請する(ステップ11)。認証アプリケーションプログラムは、デスクトップ、スマートフォン、タブレット端末等の電子計算機上で動作し、本人確認サービスと連携して、サービス員8等の登録者が本人である否かの確認、認証を行うアプリケーションプログラム、又はユーザ側本人確認手段である。
【0059】
その機能と動作は以下に説明する。認証アプリケーションプログラムと本人確認サービスの間の通信は、アクセスするユーザの認証を行い、通信データは暗号化等の必要なセキュリティを確保して行うが、本発明はこのセキュリティが要旨ではないので、詳細は省略する。
【0060】
本人確認サービスでは、顧客端末7から送信された撮影画像を処理し、特徴データを取得し、保存されている生体用認証データの特徴データと比較し、正規のサービスであるか、正規に登録されたサービスを提供する者であるか等の個人認証を行い、結果を顧客端末7へ送信する(ステップ12)。顧客端末7は、サービス員8の認証結果を画面上に表示する(ステップ13)。認証結果が正常認証である場合、言い換えると、サービス員8がカレンダーに登録された者で、顧客6が購入した商品を配達する者であるとき、顧客6は認証結果を見て、顧客6がサービス員8から商品を受け取る、又は、ドアを開けてサービス員8を建物の中へ通し、商品を受け取る(ステップ14)。
【0061】
顧客端末7に表示されるサービス員8の認証結果が正常認証ではなく、個人認証できなかった場合は、顧客6がサービス員8から商品12を受け取ることをせず、又は、ドアを開けることをせず、さらなる個人認証を行い、来訪者入場管理システム1へ通知する。このように、サービス員8を個人認証することができなかった場合、顧客6は来訪者入場管理システム1から送信されてくる指示に従って、対応することができる。
【0062】
このシステムは、例えば、顧客端末7の画面に表示される指示に従って、サービス員8の身分証明を確認したり、サービス員8を再度撮影して個人認証を行ったり、画面上に表示されるサービス員8の写真を訪問したサービス員8と比較してみて本人確認したりすることができる。また、サービス員8から秘密の合言葉、暗証番号、識別番号を聞いて、来訪者入場管理システム1側に確認することができる。サービス員8の個人認証が終わると、サービス員8は商品12を顧客6に渡し、商品引き渡しの手続きが行われる。
【0063】
商品引き渡しの手続きは、サービス員端末9又は顧客端末7で商品12を撮影し来訪者入場管理システム1へ送信、サービス員端末9の画面又は顧客端末7の画面に表示される商品受け取りを示すボタンを押印する、サービス員端末9の画面又は顧客端末7の画面に表示される商品受け取り領域に顧客6がサインする等により、商品、サービスの確認と承認を行う。また、サービス員8は、サービス員端末9で商品の引き渡しを示す証拠写真を撮影して、来訪者入場管理システム1へ送信することもできる。
【0064】
同じく、顧客9は、顧客端末7で商品を受け取ったことを示す証拠写真を撮影して、来訪者入場管理システム1へ送信することができる。最後に、顧客6とサービス員8は、商品を配達したことを評価する。例えば、顧客6は来訪者入場管理システム1の画面上に表示される質問に回答する。質問としては、商品の状態、配達が指定時間に行われたか、サービス員8の態度等の質問であるが、必要であれば他の追加質問事項があっても良い。
【0065】
来訪者入場管理システム1は、この評価に関するデータを、サービス事業者4が提供する業務分析と、顧客6とサービス員8の評価等に利用することができる。本人確認サービスは、サービス員8が登録した生体情報を利用して個人認証を一度のJOB、言い換えるとサービス員が応募したJOBのみに利用する。JOBが遂行し終わると、本人確認サービスは、次に利用できないように、サービス員8が登録したパスワード、個人情報、生体情報等を必要に応じて削除する。
【0066】
サービス員8は、基本的に、複数のJOBに応募するとき、JOBそれぞれの個人認証のために生体情報をJOB毎に登録する。しかし、一度に複数のJOBに応募するとき、サービス員は応募するJOBにまとめて生体情報を登録することができる。例えば、サービス員は、カレンダーから応募したJOBが承認され、来訪者入場管理システム1からサービス員8にJOB承認を示す通知が送信されるとき、生体情報登録の通知又はリンクが通知される。
【0067】
このときは、サービス員8は、来訪者入場管理システム1からの指示に従って生体情報を登録するが、この登録時に、来訪者入場管理システム1又は本人確認サービスから、生体情報を複数のJOB認証に利用できるか否かの確認を行う。サービス員8が生体情報を登録するためにアクセスすると、来訪者入場管理システム1又は本人確認サービスは、サービス員8が生体情報を登録していないJOBを検索して一覧を作成して、サービス員8のサービス員端末9の画面に表示し、サービス員6は、登録するJOBを選択して、自身の顔を撮影して生体情報として送信する。
【0068】
サービス員8から送信された生体情報は、各JOBに関連付けられて本人確認サービス又はデータベース3に格納される。JOBの遂行時にサービス員8は顧客6を訪問し、顧客6がサービス員8の顔を撮影して、本人確認サービスへ送信して個人認証を行う。本人確認サービスは、顧客6から送信されてきた生体データをそのJOBのみに登録された生体情報と比較して本人確認を行う。よって、1つのJOBに登録された生体情報は、他のJOBに利用されることがなくなり、生体情報はワンタイムパスワードとして利用される。また、JOB毎に顔の向きなど特徴点の照合方法を変えパスワードの強化を図ってもよい。
【0069】
このように、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1は、サービス員8の生体情報をワンタイムパスワードとして利用する。サービス員8の生体情報をワンタイムパスワードとして利用することで、個人認証時のなりすまし等の犯罪を防ぐことができる。顧客6が撮影したリアルタイムデータを、サービス員8本人が登録した生体情報と比較する。
【0070】
そのため、他のシステムへの情報提供がなくなり、情報漏えいを防止でき、更に、来訪者入場管理システム1は、サービス員8の個人情報を最低限しか保持しないようになった。サービス員8が顧客6を訪問するスケジュールは、事前に登録されるので、訪問先のゲートでこのスケジュール通りのみに受け付け、かつ、サービス員8のリアルタイムの生体情報を利用して個人認証を行うので、なりすまし等の犯罪を防止することができる。
【0071】
[画面例]
図4には、顧客が買い物するときの画面例を図示している。ブラウザが起動され、そのアドレスバーに来訪者入場管理システム1のクラウドサービスのURLアドレス、又は、オンライン・ショッピングサイトのアドレスを入力しアクセスする。来訪者入場管理システム1のクラウドサービス(以下、来訪者入場管理システム1という。)の画面が、ブラウザの表示部に表示され、サービス事業者4が提供する商品が表示され、顧客6はこれを検索し、希望の商品を選択し、ショッピングカートに入れる。
【0072】
図4は、ショッピングカートの例を示す画面50を図示している。画面50には、ホームアイコン51、ログインアイコン52、ショッピングカート53、買い物継続アイコン54、購入手続きアイコン55等が表示されている。ホームアイコン51は、オンライン・ショッピングサイトのメイン画面へ遷移するためのアイコンである。ログインアイコン52は、顧客が自身のユーザ名と識別番号を用いてオンライン・ショッピングサイトにログインするためのアイコンである。
【0073】
ショッピングカート53は、顧客が選択し、購入する商品の一覧を示す領域である。買い物継続アイコン54は、顧客がショッピングカート53の中身を確認し、買い物を継続するためのアイコンで、基本的に、オンライン・ショッピングサイトのメイン画面へ移行する。購入手続きアイコン55は、顧客6がショッピングカート53の中身を確認し、支払いを行う画面へ遷移するためのものである。
【0074】
ショッピングカート53の中には、買物進捗状況を示す領域56が表示され、ここで例えば、ショッピングカート、支払い・配達、入力内容の確認、完了等のように買物する作業の進行手順を示す。領域57は、顧客が選択した商品一覧が表示され、商品の名称、単価、数量、商品の代金等が表示される領域である。領域58は、消費税を入れた支払金額の合計が表示される領域である。
【0075】
顧客6が買い物するときの手続きは、汎用のオンライン・ショッピングサイトの手順と同じであり、詳細な説明は省略する。顧客6が購入した商品、その支払い、配達に関する各種データは、データベース3に格納される。また、これらのデータに基づいて、配達に関わるJOBが生成され、カレンダーに登録される。
【0076】
図5には、カレンダーの画面例を図示している。カレンダーを確認するには、端末にブラウザが起動され、そのアドレスバーに来訪者入場管理システム1のカレンダーのURLアドレスを入力しアクセスする。ここで、ユーザ(サービス員8)は、カレンダーのログイン画面にアクセスし、ユーザ名とパスワードを入力し、ログインすると、
図5に図示したような画面70がブラウザの表示部に表示され、システムに登録されたJOBが表示される。
【0077】
画面70の領域71には、表示される年月が表示され、また、カレンダーのデータ更新、カレンダーからログアウトするためのアイコン等が表示される。領域72には、カレンダーが日、週、月の単位で表示される。この例では、月単位で表示されており、各欄は曜日毎にJOBを表示している。
【0078】
例えば、JOB73は、「確定」と記載があり、確定したJOBの例であり、JOB74は「募集中」と記載があり、サービス員8を募集しているJOBの例である。サービス員8は、このカレンダーを見て、「募集中」の記載があるJOBを見て、希望のJOBを選択しその内容を詳細に確認して、応募する。サービス事業者4がJOBへの応募者を確認し、確定すると、カレンダーに「確定」が記載される。
【0079】
図6は、カレンダーのJOBの詳細の例を示す画面90である。
図5において、JOB73、JOB74等のように登録された各JOBを選択すると、画面90が表示される。画面90は、カレンダーの画面70に重ねて表示しても、ブラウザの別のタブに又は別の画面に表示しても良い。領域91にJOBの詳細な内容が表示される。
【0080】
例えば、サービス事業者4を示す「会社」、JOBの配達時間帯を示す「タイム」、サービス員8の報酬を示す「給料」、サービス員8の勤務携帯を示す「区分」、必要なサービス員8を示す「求人数」、JOBを遂行する地域を示す「どこ」、サービス員8の雇用の種類を示す「社員種類」、サービス員8の年齢を示す「年齢」、保険の有無を示す「保険」、報酬の支払い期間を示す「支払い」、システム側の手数料を示す「対応費用」、JOBの処理状態を示す「処理中」、サービス員8の要求学歴を示す「学歴」、JOBが作成された日を示す「作成日付」、JOBの交通の携帯を示す「交通」、JOBの説明を示す「説明」、サービス員8の経験要求を示す「経験」等が表示されている。
【0081】
サービス員8は、この画面90でJOBの詳細を確認し、申し込む場合は、申込みアイコン92をクリックして、JOBへの申込みを行う。サービス員8が申し込みしたJOBはカレンダーに表示され、サービス事業者4は、申込みを行ったサービス員8を確認することができ、承認すると、カレンダーにJOBが確定として表示される。
【0082】
[サービス員]
上述のようにサービス員8の登録は、本人が個人データを入力して登録する例を説明したが、来訪者入場管理システム1は、サービス員8として、配達業務を専門とする業者等の専門業者が認証したサービス員を採用することもできる。この場合、来訪者入場管理システム1は、専門業者のシステムと連携し、このシステムに登録された人員をサービス員8として自動登録することができる。このように登録されたサービス員8がJOBへの応募も、サービス員8本人又は、その所属する専門業者行うことができる。
【0083】
[顧客]
顧客6は、一軒家、マンション、アパートに居住する個人であると共に、法人であっても良い。顧客6は、サービス員8と直接対面することができる場合、上述のように顧客6がスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末で、サービス員8を撮影して個人認証を行う。
【0084】
このような場面は顧客6が一軒家、マンション、アパート等に居住、オフィスビル等に勤務する場合にある。また、顧客6は、サービス員8が直接対面できない場合、次のように対応する。顧客6が居住または勤務するビル等の建造物の玄関又は入れ口に、ゲートが設けられており、このゲートに撮影装置を備えたカメラが設置され、認証端末に接続される。
【0085】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の第2の実施の形態は、上述の第1の実施の形態と基本的に同じであり、異なる部分のみを説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態の来訪者入場管理システム100の概略を図示したものである。来訪者入場管理システム100において、顧客はゲートキーパーサービス101を利用している。
【0086】
ゲートキーパーサービス101は、顧客のゲート102に施錠手段103と、ゲート102に又はその付近に撮影手段104を設置している。ゲートキーパーサービス101は、通信手段105を有し、通信手段105が撮影手段104、施錠手段103に接続する。施錠手段103は、ゲート102をロック、アンロックする装置であり、外部からの指示で動作し、ゲート102を開閉する。施錠手段103は、ドアを自動施錠するオートロック、自動で開閉する改札装置等が例示できる。
【0087】
撮影手段104は、カメラ、インターフォン、スマートロック、テレビドアホン等であり、訪問者を撮影できるものであれば任意の装置が利用できる。通信手段105は、撮影手段104で撮影した画像を、本人確認サービスに送信し、本人確認サービスから個人認証結果を受信する。通信手段105は、個人認証結果を、撮影手段104又は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等の他の通知手段によって、画像、音声、光で通知することができる。
【0088】
また、通信手段105は、個人認証結果が正常認証である場合、施錠手段103に解除通知を送信する。個人認証結果が正常認証ではない場合、通信手段105は、撮影手段104又は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等の他の通知手段によって個人認証ができなかった旨を画像、音声、光で通知する。これを受け取ったサービス員8は再度個人認証を行うか、他の手段で商品配達のための認証を行い、又は、顧客に他の手段で連絡取る。
【0089】
施錠手段103は、解除通知を受信すると、ゲート102を開き、サービス員8を通過させる。サービス員8はゲート102を通過すると、顧客のところを訪問し、商品を引き渡す手順を開始する。顧客が会社である場合、オフィスビルのゲート102を通過し、指定された箇所に商品を置く又は担当者に渡す。このように、サービス員8は、商品を引き渡したらその証拠写真を所持するサービス員端末9で撮影することができる。
【0090】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態について説明する。本発明の第3の実施の形態は、上述の第1及び第2の実施の形態と基本的に同じであり、異なる部分のみを説明する。本発明の第3の実施の形態の来訪者入場管理システム1は
図1にブロックで図示しており、上述の第1の実施の形態の来訪者入場管理システム1と同じハードウェア環境を利用する。来訪者入場管理システム1は、クラウドサーバ2、クラウドサーバ2上のデータベース3、サービス事業者端末5、顧客端末7、サービス員端末9、ネットワーク10等からなる。
【0091】
本発明の第3の実施の形態の来訪者入場管理システム1は、サービス員8が顧客6を訪問するとき、顧客6側からの提供情報に基づいて、サービス員8の生体データに関連付けられた顧客6及びJOBを確認することで、サービス員8が提供するサービスの正誤を確認し、その確認結果を顧客6に提供するものである。来訪者入場管理システム1は、サービス確認サービス、認証アプリケーションプログラム等を備え、サービスの正誤の確認(サービス正誤確認)又は判定(サービス正誤判定)に利用する。
【0092】
来訪者入場管理システム1は、オンライン・ショッピングサイトを例に説明する。クラウドサーバ2上のデータベース3に、商品データ、JOBデータ、サービス員データ等が格納されている。サービス事業者4、顧客6、及びサービス員8のそれぞれは、サービス事業者端末5、顧客端末7、サービス員端末9を利用して、データベース3にアクセスし、商品の登録、商品の注文、JOBマッチング、サービス員8の個人データ及び生体データの登録、サービス正誤確認に必要な各種処理をクラウドサーバ2等によって行う。
【0093】
具体的には、サービス事業者4は、サービス事業者端末5を利用して、クラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、商品を登録、商品の販売に関わるJOBを登録する。サービス事業者4は、サービス事業者端末5を使用して、顧客6が注文した商品の注文を確認する処理、その注文を確定する処理、この注文に関わるJOBを生成する処理、JOBに応募するサービス員8を確認する処理、それを承認する処理等を行う。
【0094】
顧客6は、顧客端末7を使用してクラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、商品を検索し注文する処理、注文された商品を配達するサービス員8を撮影する処理等を行う。サービス員8は、サービス員端末9を使用して、クラウドサーバ2と、データベース3にアクセスし、JOBを検索する処理、JOBに応募する処理、自身の生体情報を登録する処理(既登録済の場合は、パスワード、生体(例えば、指紋)認証等で本人確認)、JOBマッチングの結果を確認する処理等を行う。
【0095】
サービス員8は、応募したJOBが承認された場合、商品を顧客6が指定した場所、日時に配達する。サービス員8は、顧客6を訪問するとき、顧客6の玄関等において、顧客6の所持する顧客端末7によって撮影され、サービスがシステムに登録された正規のサービスである否かのサービス正誤確認が行わる。この確認が正常に承認されたら、言い換えると、正規に登録されたサービスであると承認されたら、顧客6がサービス員8の入場を許可し、サービス員8から商品が顧客6に提供される。
【0096】
来訪者入場管理システム1は、ショッピングサイト、配達スケジューリングシステム、オンラインカレンダー、サービス確認サービス等のサブシステムを備える。サービス確認サービスは、基本的にクラウドサービスであり、顧客6からの要求を受け取り、顧客6へのサービスの正誤を確認し、その結果を顧客6へ返信するサービスである。本例では、顧客6は、注文した商品に係るサービスを受けるとき、このサービスを提供しようとするサービス確認サービスを利用する。
【0097】
そして、顧客6はサービス員8を撮影した写真等の生体情報、又は、サービス員8が配達する商品のコード等の識別データを撮影して、サービス確認サービスへ送信する。サービス確認サービスは、顧客6から提供されたこれらのデータと、顧客6のデータを利用して、サービスのJOBを検索し、該当する者があるか否かを確認し、その返事を顧客へ送信するものである。サービス確認サービスは、ショッピングサイトと、配達サイト等のサービス提供に直接係るサイトから独立して、サービスの有効性、言い換えるとサービスが承認された正しいものであるか否かを確認し、結果を要求者に返信するものである。
【0098】
これにより、サービス正誤確認は、確認を要求する顧客6及び、サービスを提供するサービス員8の生体データを利用して確認が行われるので、サービス員8のなりすまし、間違ったスケジュールの配達、配達商品の間違い等を防ぐことができる。顧客6は、個人の場合、自宅等の玄関で、所持携帯端末等の顧客端末7で、インターフォン画面、防犯用覗き窓等からサービス員8を、必要であれば商品を撮影できるので、犯罪防止にも有効である。
【0099】
顧客6は、法人の場合、又は大量の商品の配達において、携帯端末又は専用カメラで、サービス員8、必要であれば商品を撮影することができ、サービス正誤確認の結果がすぐにその端末に表示されるので、商品の受け取り処理がスムーズに行われると共に、サービス員8のなりすまし等の犯罪防止もできる。
【0100】
[システムの動作の流れ]
図8は、本発明の実施の形態の来訪者入場管理システム1の動作の流れの概要を示すフローチャートであり、以下、これを参照しながら説明する。来訪者入場管理システム1商品の物品を購入するショッピングサイトを例に説明する。まず、サービス事業者4は、サービス事業者端末5で、来訪者入場管理システム1にアクセスし、商品を登録する(ステップ20、21)。
【0101】
サービス事業者4は、販売する商品をオンライン・ショッピングサイト等にアップロードし登録し、商品に係るJOBの内容をカレンダーに登録する(ステップ21)。顧客6は、顧客端末7を利用して、来訪者入場管理システム1のクラウドサーバ2にアクセスし、商品を検索し、利用する又はサービスを受ける商品を選択し、購入する(ステップ22)。具体的に、顧客6は、商品を選択し、これをショッピングカートに入れ、支払をする。
【0102】
顧客6が購入した商品に関する購入データは、サービス事業者4に通知され、購入された商品に係るJOBが新規に登録又は登録されたJOB内容が更新される。例えば、商品を配達するためのJOBが登録される。このJOB登録は、来訪者入場管理システム1に予め設定された手順で自動的に生成されて、カレンダーデータベース24に登録されるか、サービス事業者4が購入データに基づいて生成される。カレンダーにこれらのJOBが登録され、サービス員8へ公開される。カレンダーデータベース24の内容をウェブ上で表示される。
【0103】
図1に図示したサービス員側8aにおいて、サービス員8になることを希望する希望者は、来訪者入場管理システム1にアクセスし、氏名、住所、職種等の必要な個人情報を入録する(ステップ23)。サービス事業者4は希望者が入力したデータを確認し、サービス員を認定するか拒否するかを決定し、認定された場合にサービス員8になる。サービス員8は、認定されるとき、又は認定された後で、個人及び勤務に関するデータを入力する。特に、サービス員8は、生体情報を登録し、これがサービスの正誤に利用される。
【0104】
例えば、生体情報として、サービス員8は自身の顔を撮影して、来訪者入場管理システム1に登録する。本発明の来訪者入場管理システム1は、サービス員8が顧客6へJOBを提供するとき、顧客6の玄関、ゲート等において、サービス員8の生体情報を利用してサービス正誤確認を行う。サービス員8は、来訪者入場管理システム1へアクセスし、基本的にカレンダーにアクセスし、JOBを検索して、希望するJOBを申請する(ステップ24)。
【0105】
例えば、本例の商品配達では、サービス員8は購入された商品の配達の場合、配達する商品、配達地域、配達日、配達時間帯を確認し、JOBに応募する。サービス事業者4は、カレンダーのJOBを確認し、応募者を確認し、応募者が複数の場合、1名の応募者を選択し、承認する(ステップ25)。このように、来訪者入場管理システム1はほぼ自動でJOBとサービス員のマッチングを行う。
【0106】
サービス事業者4が応募者を承認し、JOBをサービス員8に委託すると、承認されたサービス員8へこれが通知される。これにより、JOBはサービス員8へ委託され、言い換えると、サービス員8はJOBを正式に請負する(ステップ26)。サービス員8は、この通知を受け、この通知に含まれるリンクに従って生体情報を登録する(ステップ27)。サービス員8は、リンクに従って、顔写真を撮影し生体データとしてサービス確認サービスへアップロードする。
【0107】
来訪者入場管理システム1では、サービス員8からアップロードされた生体データを受信すると、これを処理して、生体データから生体認証に必要な特徴データを抽出し、サービス確認用データとして、生体データとサービスのデータを関連付けてデータベース3、又は、サービス確認サービス用の独自データベースに格納する。このように、サービス員8は、応募したJOBが認証されると、JOBを遂行する(顧客6へ提供する)。まず、サービス員8は、サービス事業者4から又はサービス事業者4が指定した営業所若しくは場所から、商品12を受け取り、顧客6を訪問する(ステップ28)。
【0108】
サービス員8(サービス員側8b)は、JOBに指定された日又は指定された時間帯に、商品12を顧客6に搬送(配達)し、顧客6のゲート等で、サービス正誤確認を受ける。具体的には、サービス員8は、顧客6のゲートで顧客6によって撮影される(ステップ29)。顧客6は、カメラ付き携帯電話機、スマートフォン等の撮影手段を所持しており、これにより、サービス員8、必要であれば配達商品の識別番号等を撮影する。識別番号は、商品のバーコード、QRコード(登録商標)等のコード等である。
【0109】
顧客6は、撮影した撮影データを、通信手段で、サービス確認サービスへ送信する。顧客はカメラ付き携帯電話機、スマートフォン等の通信機能を備えている携帯機器を所持している場合、顧客6は、撮影データを、これを利用し、サービス確認サービスへ送信する。来訪者入場管理システム1は、サービス正誤確認用にサービス確認用アプリケーションプログラムを提供する。サービス確認用アプリケーションプログラムは、顧客6によってダウンロードされ、顧客6の顧客端末7にインストールされて、動作する。
【0110】
サービス確認用アプリケーションプログラムは、上述のサービス確認サービス、カレンダー等の付属又は連携しているシステムと連携して動作するものである。サービス確認用アプリケーションプログラムは、顧客端末7で動作し、顧客端末7のカメラを利用して、訪問したサービス員8をインターフォン画面、防犯用覗き窓等から撮影し、この撮影した撮影画像をサービス確認サービスへ送信し、サービス正誤確認を申請する(ステップ30)。
【0111】
サービス確認用アプリケーションプログラムは、デスクトップ、スマートフォン、タブレット端末等の電子計算機上で動作し、サービス確認サービスと連携して、サービス員8が提供するサービスが正当なものであるか否かを確認(判定)するものである。サービス正誤確認はサービス員8の生体データを利用して行われているので、サービス確認用アプリケーションプログラムにより、顧客側6aでサービス員8の認証を行っているサービス員8の本人認証(本人確認)であるとも言える。
【0112】
サービス確認用アプリケーションプログラムの機能と動作は以下に説明する。サービス確認用アプリケーションプログラムとサービス確認サービスの間の通信は、アクセスするユーザの認証を行い、通信データは暗号化等の必要なセキュリティを確保して行う。サービス確認サービスでは、顧客端末7から送信された撮影画像を処理して特徴データを取得し、この特徴データをJOBに関連付けられているサービス員8の特徴データと比較し、サービス正誤確認を行い、その結果を顧客端末7へ送信する(ステップ31)。
【0113】
顧客端末7は、サービス正誤確認の結果を画面上に表示する(ステップ32)。確認結果は、サービスがカレンダーに登録されたもので、顧客6が購入した商品を配達する予定と合致するとき、顧客6はこれを見て、顧客6がサービス員8から商品を受け取る、又は、ドアを開けてサービス員8を建物の中へ通し、商品を受け取る(ステップ33)。顧客端末7に表示される確認結果が正常ではなく、サービスを確認できなかった場合は、顧客6がサービス員8から商品12を受け取ることをせず、又は、ドアを開けることをせず、さらなるサービス員8の個人認証又はサービス確認を他の手段で行い、来訪者入場管理システム1へ通知する。
【0114】
このように、正規のサービスを確認することができなかった場合、顧客6は来訪者入場管理システム1から送信されてくる指示に従って、対応することができる。このシステムは、例えば、顧客端末7の画面にされる表示される指示に従って、サービス員8の身分証明を確認したり、サービス員8を再度撮影してサービス正誤確認と、個人認証を行ったり、画面上に表示されるサービス員8の写真を訪問したサービス員8と比較してみて本人確認したりすることができる。
【0115】
また、サービス員8から秘密の合言葉、暗証番号、識別番号を聞いて、来訪者入場管理システム1側に確認することができる。サービス正誤確認が終わると、サービス員8は商品12を顧客6に渡し、商品引き渡しの手続きが行われる。サービス員8は、基本的に、複数のJOBに応募するとき、JOBそれぞれのサービス正誤確認のために生体情報をJOB毎に又はまとめて登録する。サービス員8から送信された生体情報は、サービス員データベース22に登録されるが、サービス確認サービスの独自のデータベースに登録されることもできる。
【0116】
サービス確認サービスは、サービス員データベース22に登録されたサービス員8の識別番号を用いてサービス員8の生体情報又はその生体情報の特徴データを登録する。よって、サービス確認サービスにおいて、JOB毎にサービス員8の生体情報を登録し、サービス完了時に削除すれば、サービス員8の生体情報はワンタイムパスワードとして利用されることになる。サービス員8の1つの生体情報をサービス員が請け負う複数のJOBに関連付けて登録することができ、全てのJOBが終了したら、サービス員8の生体情報を削除しても良い。
【0117】
また、サービス員の1つの生体情報をサービス員8が請け負うJOBの数だけ複製して、それぞれに関連付けて登録することができる。この場合、JOBが終了したら、そのJOBに関連付けた生体情報を削除することで、サービス員8の生体情報はJOB毎に利用するワンタイムパスワードとして利用されることになる。
【0118】
以上のように、サービス正誤確認は、サービス員の生体情報を利用して確認することと、提供される商品に付与したバーコード等の識別番号を利用することもできるが、両方を組み合わせて利用することも可能である。サービス員の生体情報と商品の識別番号の両方を利用すると、サービス員が複数の商品を提供するときの作業漏れ、誤配達等の配達時に起こるトラブルを防ぐことができる。
【0119】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の第4の実施の形態は、上述の第3の実施の形態と基本的に同じであり、異なる部分のみを説明する。本発明の第4の実施の形態の来訪者入場管理システム100は、本発明の第2の実施の形態の来訪者入場管理システム100と同じ
図7に図示したゲートキーパーサービス101を利用している。
【0120】
通信手段105は、撮影手段104で撮影した画像を、サービス確認サービスに送信し、サービス確認サービスからサービス正誤確認の結果を受信する。通信手段105は、サービス正誤確認の結果を、撮影手段104又は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等の他の通知手段によって、画像、音声、光で通知する。また、通信手段105は、サービス正誤確認の結果が登録されたサービスである場合、施錠手段103に解除通知を送信する。
【0121】
サービス正誤確認の結果が登録されたサービスではない場合、通信手段105は、撮影手段104又は、ディスプレイ、スピーカ、ランプ等の他の通知手段によってサービス確認ができなかった旨を画像、音声、光で通知する。これを受け取ったサービス員8は再度にサービス正誤確認を申請、又はサービス員8の個人認証を行うか、他の手段でサービスの認証を行い、又は、顧客に他の手段で連絡を取る。
【0122】
施錠手段103は、解除通知を受信すると、ゲート102を開き、サービス員8を通過させる。サービス員8はゲート102を通過すると、顧客のところを訪問し、商品を引き渡す手順を開始する。顧客が会社である場合、オフィスビルのゲート102を通過し、指定された箇所に商品を置く又は担当者に渡す。ここのように、サービス員8は、商品を引き渡したらその証拠写真を所持するサービス員端末9で撮影することができる。
【0123】
[その他の実施の形態]
上述のように、正規のサービスの確認と、サービス員の個人認証は、サービス員を撮影した生体データを利用して行われたが、商品のバーコード、QRコード等の識別番号を顧客が撮影し、サービス確認サービスに送信して、サービス正誤確認を行うことができる。必要であれば、サービス員の個人認証と組み合わせても良い。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、人材派遣業、スマート住宅、宅配業、在宅訪問サービス業、ビル管理業、建築施設業、警備業等の分野に利用すると良い。また、スマート住宅、オフィスビルの自動ゲート、自動改札口等のように、人員の入退室時の認証を自動で行う分野に利用すると良い。
【符号の説明】
【0125】
1、100…システム
2…クラウドサービス
3…データベース
4…サービス事業者
5…サービス事業者端末
6…顧客
7…顧客端末
8…サービス員
9…サービス員端末
10…ネットワーク
11…中継器
12…商品
21…サービス事業者データベース
22…サービス員データベース
23…顧客データベース
24…カレンダーデータベース
25…評価データベース
101…ゲートキーパーサービス
102…ゲート
103…施錠手段
104…撮影手段
105…通信手段
【要約】 (修正有)
【課題】サービス事業者が提供するサービスをサービス員が請負し、顧客を訪問しサービスを提供するとき、サービスの正誤の確認を行うための来訪者入場管理システムを提供する。
【解決手段】サービス員の個人認証を行う来訪者入場管理システムにおいて、サービス員は、商品を配達するJOBに応募して登録し、生体情報をワンタイムパスワードとして登録する。サービス員は、商品を配達するために顧客を訪問するとき、顧客が所持する携帯端末で撮影される。撮影データはサービス確認サービスに送信され、登録された生体データと照合され確認が行われ、顧客の携帯端末に表示される。これを顧客が確認し、サービス員から商品を受け取る。オフィスビル等のゲート、オートロックドアの場合、設置された撮影手段で、サービス員が撮影され、通信手段からサービス確認サービスに送信される。正常認証の場合、開錠手段でゲート、オートロックドアが解錠される。
【選択図】
図1