(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】OpenFlowインスタンスの構成
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0895 20220101AFI20220818BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20220818BHJP
H04L 45/74 20220101ALI20220818BHJP
【FI】
H04L41/0895
H04L45/42
H04L45/74
(21)【出願番号】P 2021517004
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2019108242
(87)【国際公開番号】W WO2020063776
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】201811140453.9
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】張慶軍
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109041086(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104837147(CN,A)
【文献】国際公開第2015/105985(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0895
H04L 45/42
H04L 45/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの
アクセスポイント(AP)がアクセスする
アクセスコントローラ(AC)に適用されるOpenFlowインスタンスの構成方法であって、
グローバルインスタンスの構成情報と、各APに対応するAPインスタンスの構成情報とを取得することと、
対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが受信したAPインスタンスの構成情報に基づいて
OpenFlowインスタンスであるAPインスタンスを生成し、生成されたAPインスタンスにAP識別子をバインドすることと、
前記グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、
グローバルOpenFlowインスタンスであるグローバルインスタンスを生成することと、
AC識別子と各APのAP識別子とを前記グローバルインスタンスにバインドすることと、
を含むOpenFlowインスタンスの構成方法。
【請求項2】
ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、前記ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信し、前記第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含むことと、
第1のAPから送信された、前記第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、前記第1のAPの前記上りデータメッセージを受信する無線仮想インタフェースが、前記第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断することと、
前記無線仮想インタフェースが前記第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、前記第1の上りフローエントリに基づいて、前記宛先IPアドレスに前記上りデータメッセージを転送することと、を含み、
または、
前記SDNコントローラから送信された、前記ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信し、前記第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
前記第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、前記下りデータメッセージを転送する第1のAPが、前記第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第1のAPが前記第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第1の下りフローエントリによって、前記第1のAPに接続する無線インターフェースを介して前記第1のAPに下りデータメッセージを送信することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
SDNコントローラから送信された、前記ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信し、前記第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2のAPから送信された、前記第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値、送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値、送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、前記第2のAPが前記第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第2のAPが前記第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第2の上りフローエントリによって、前記上りデータメッセージを転送することと、を含み、
または、
SDNコントローラから送信された、前記ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信し、前記第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
前記第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、前記下りデータメッセージを転送する第2のAPが、前記第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第2のAPが前記第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第2の下りフローエントリによって、前記第2のAPに下りデータメッセージを送信することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信し、前記第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
前記第2のAPに前記第3の上りフローエントリを送信することで、前記第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、前記上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが前記第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、前記第3の上りフローエントリによって前記ACに前記上りデータメッセージを転送することと、を含み、
または、
SDNコントローラから送信された、前記第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信し、前記第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含むことと、
前記第2のAPに前記第3の下りフローエントリを送信することで、前記第2のAPが前記ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、前記下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが前記第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、前記第3の下りフローエントリによって端末に前記下りデータメッセージを転送することと、
を含む、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
アクセスポイント(AP)に適用されるOpenFlowインスタンスの構成方法であって、
ユーザーから入力された、あるいは、アクセスコントローラ(AC)から送信されたAPインスタンスの構成情報を取得することと、
前記APインスタンスの構成情報に基づいて、
OpenFlowインスタンスであるAPインスタンスを生成することと、
前記生成されたAPインスタンスを前記APのAP識別子にバインドすることと、
を含む、OpenFlowインスタンスの構成方法。
【請求項6】
前記APがローカル転送をサポートする場合、
前記ACから送信された、前記APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信し、前記上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、前記上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが前記上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、前記上りフローエントリに基づいて前記ACに前記上りデータメッセージを転送することと、を含み、
または、
前記APがローカル転送をサポートする場合、前記ACから送信された、前記APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信し、前記下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含むことと、
前記ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、前記下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが前記下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、前記下りフローエントリによって端末に前記下りデータメッセージを転送することと、
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プロセッサと、前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが記憶されている機械可読記憶媒体とを備える
アクセスコントローラ(AC)であって、
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
グローバルインスタンスの構成情報と、各
アクセスポイント(AP)に対応するAPインスタンスの構成情報とを取得することと、
対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが受信したAPインスタンスの構成情報に基づいて
OpenFlowインスタンスであるAPインスタンスを生成し、生成されたAPインスタンスにAP識別子をバインドすることと、
前記グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、
グローバルOpenFlowインスタンスであるグローバルインスタンスを生成することと、
AC識別子と各APのAP識別子を前記グローバルインスタンスにバインドすることと、
を実行させるAC。
【請求項8】
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、前記ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信し、前記第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含むことと、
第1のAPから送信された、前記第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、前記第1のAPの前記上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、前記第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断することと、
前記無線仮想インタフェースが前記第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、前記第1の上りフローエントリに基づいて、前記宛先IPアドレスに前記上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
前記SDNコントローラから送信された、前記ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信し、前記第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
前記第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、前記下りデータメッセージを転送する第1のAPが、前記第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第1のAPが前記第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第1の下りフローエントリによって、前記第1のAPに接続する無線インターフェースを介して前記第1のAPに下りデータメッセージを送信することと、
を実行させる請求項7に記載のAC。
【請求項9】
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、前記ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信し、前記第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2のAPから送信された、前記第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値、送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値、送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、前記第2のAPが前記第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第2のAPが前記第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第2の上りフローエントリに基づいて、前記上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、前記ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信し、前記第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
前記第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値、宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、前記下りデータメッセージを転送する第2のAPが、前記第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
前記第2のAPが前記第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、前記第2の下りフローエントリに基づいて、前記第2のAPに下りデータメッセージを送信することと、
を実行させる請求項7に記載のAC。
【請求項10】
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信し、前記第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
前記第2のAPに前記第3の上りフローエントリを送信することで、前記第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、前記上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが前記第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、前記第3の上りフローエントリに基づいて前記ACに前記上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、前記第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信し、前記第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含むことと、
前記第2のAPに前記第3の下りフローエントリを送信することで、前記第2のAPが前記ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、前記下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが前記第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、前記第3の下りフローエントリによって端末に前記下りデータメッセージを転送することと、
を実行させる請求項7又は9に記載のAC。
【請求項11】
プロセッサと、前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが記憶されている前記機械可読記憶媒体とを備える
アクセスポイント(AP)であって、
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
ユーザーから入力された、あるいは、アクセスコントローラ(AC)から送信されたAPインスタンスの構成情報を取得することと、
前記APインスタンスの構成情報に基づいて、
OpenFlowインスタンスであるAPインスタンスを生成することと、
生成されたAPインスタンスを前記APのAP識別子にバインドすることと、
を実行させるAP。
【請求項12】
前記機械実行可能なコマンドによって、前記プロセッサに、
前記APがローカル転送をサポートする場合、
前記ACから送信された、前記APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信し、前記上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、前記上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが前記上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、前記上りフローエントリに基づいて前記ACに前記上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
前記APがローカル転送をサポートする場合、前記ACから送信された、前記APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信し、前記下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含むことと、
前記ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、前記下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが前記下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、前記下りフローエントリによって端末に前記下りデータメッセージを転送することと、
を実行させる請求項11に記載のAP。
【請求項13】
機械実行可能なコマンドが記憶されている機械可読記憶媒体であって、
前記機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、前記プロセッサに請求項1~4いずれか一項に記載の方法を実行させる機械可読記憶媒体。
【請求項14】
機械実行可能なコマンドが記憶されている機械可読記憶媒体であって、
前記機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、前記プロセッサに請求項5~6いずれか一項に記載の方法を実行させる機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2018年9月28日に中国国家知的財産権局へ提出された、出願番号が201811140453.9であり、発明の名称が「OpenFlowインスタンスの構成方法及び装置」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア定義ネットワーク(Software Defined Network:SDN)アーキテクチャにおいて、コントローラと転送層との間の通信インターフェース標準はOpenFlowと定義される。OpenFlowはコントロールプレーンとデータプレーンとの分離を実現できる。
【0003】
無線ネットワークにOpenFlow標準を適用する場合、端末がアクセスポイント(Access Point:AP)にアクセスすると、APは無線仮想インタフェースを生成して、この無線仮想インタフェースに対してインスタンスを構成し、端末がAPとの接続を切断すると、APはこの無線仮想インタフェースに対して構成されたインスタンスを削除する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は本開示の実施例に係るOpenFlowネットワークのアーキテクチャの模式図である。
【
図2】
図2は本開示の実施例に係るOpenFlowマルチインスタンスの例示的な模式図である。
【
図3】
図3は本開示の実施例に係る無線ネットワークアーキテクチャの模式図である。
【
図4】
図4は本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンス構成結果の例示的な模式図である。
【
図5】
図5は本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は本開示の実施例に係る他のOpenFlowインスタンスの構成方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は本開示の実施例に係る集中上り転送の流れの模式図である。
【
図8】
図8は本開示の実施例に係る集中下り転送の流れの模式図である。
【
図9】
図9は本開示の実施例に係るローカル上り転送の流れの模式図である。
【
図10】
図10は本開示の実施例に係るローカル下り転送の流れの模式図である。
【
図11】
図11は本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成装置の構成の模式図である。
【
図12】
図12は本開示の実施例に係る他のOpenFlowインスタンスの構成装置の構成の模式図である。
【
図13】
図13は本開示の実施例に係るACの構成の模式図である。
【
図14】
図14は本開示の実施例に係るAPの構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術案を明確かつ全体的に説明する。勿論、説明される実施例は単に本開示の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本開示の実施例に基づき、当業者が創造的な努力をせずに想到し得る他の実施例はすべて本開示の保護範囲に含まれる。
【0006】
本開示の実施例はOpenFlowネットワークに適用される。
図1に示すように、
図1は本開示の実施例に係るOpenFlowネットワークのアーキテクチャの模式図である。OpenFlowネットワークは、OpenFlowデバイスと、OpenFlowコントローラと、OpenFlowデバイスとOpenFlowコントローラとの間のセキュアチャネル(Secure Channel)とを含む。
【0007】
OpenFlowコントローラは仮想ネットワークの制御中枢であり、ユーザーの構成または動的に動作するプロトコルに基づいて、フローテーブルを生成し、フローテーブルをOpenFlowデバイスに送信することができる。
【0008】
OpenFlowデバイスは、OpenFlowコントローラから送信されたフローテーブルを受信し、フローテーブルに基づいてメッセージ処理を行う。また、OpenFlowデバイスは、デバイス状態やイベント、例えば、インターフェースUPまたはインターフェースDOWNなどのイベントを、OpenFlowコントローラに報告することにも用いられる。ここで、OpenFlowデバイスは、アクセスコントローラ(Access Controller:AC)またはAPであってもよい。
【0009】
図1における点線は、OpenFlowコントローラとOpenFlowデバイスとの間の通信をサポートするためのセキュアチャネルである。
【0010】
現在、OpenFlowデバイスには複数のOpenFlowインスタンスを構成でき、1つのOpenFlowインスタンスは複数のOpenFlowコントローラを接続できて、1つのOpenFlowコントローラも複数のOpenFlowインスタンスを接続できる。
図2に示すように、1つのOpenFlowデバイスにポートが3つある場合、各ポートはそれぞれ1つのOpenFlowインスタンス、すなわち、OpenFlowインスタンス1、OpenFlowインスタンス2およびOpenFlowインスタンス3に対応する。ここで、OpenFlowインスタンス1はOpenFlowコントローラ1に接続され、OpenFlowインスタンス2はOpenFlowコントローラ1およびOpenFlowコントローラ2に接続され、OpenFlowインスタンス3はOpenFlowコントローラ3接続されている。
【0011】
図2におけるOpenFlowデバイスがAPである場合、端末がAPにアクセスするとき、または、端末がAPとの間の接続を切断するときに、APと端末との間の無線仮想インタフェースは変化する。APと端末との間の無線仮想インタフェースが頻繁に変化すると、OpenFlowコントローラは、APの無線仮想インタフェースに対してインスタンスを頻繁に構成することになってしまう。
【0012】
例えば、ネットワークが不安定な場合には、端末が頻繁にAPとの接続を確立したり切断したりすることになり、または、端末がAP信号カバレッジの端にある場合にも、端末が頻繁にAPとの接続を確立したり切断したりすることになる。
【0013】
例えば、端末がAPにアクセスした後、APは、この端末のために生成した無線仮想インタフェースをOpenFlowコントローラに報告し、OpenFlowコントローラは、この無線仮想インタフェースに対してインスタンスを構成する。しかし、短時間で、端末がAPとの接続を切断し、APがこの無線仮想インタフェースを削除すると、OpenFlowコントローラは、この無線仮想インタフェースに対して構成されたインスタンスを削除する必要がある。端末がAPとの接続を確立したり切断したりすることを繰り返すと、OpenFlowコントローラの構成が不安定になってしまう。このことから、従来技術では、無線デバイスにOpenFlowマルチインスタンスを実現するのは複雑であることがわかる。
【0014】
上記の課題を解決するために、本開示の実施例は、無線ネットワークに適用されるOpenFlowインスタンスの構成を提供する。無線ネットワークは、SDNコントローラと、ACと、複数のAPと、複数の端末とを含む。ここで、複数のAPはACにアクセスし、ACによってまとめて管理され、複数の端末はAPにアクセスし、APによってサービスが端末に提供される。
図3に示すように、
図3は、例示的に、1つのSDNコントローラと、1つのACと、ACに接続されているAP1およびAP2とを示す。
【0015】
ここで、SDNコントローラは、OpenFlowプロトコルによりACまたはAPと通信することができる。本開示の実施例では、SDNコントローラは、OpenFlowコントローラとも呼ばれる。SDNコントローラは、スイッチを介してACに接続することもできる。AP1は、端末1および端末2にサービスを提供でき、無線仮想インタフェース1を介して端末1と通信し、無線仮想インタフェース2を介して端末2と通信することができる。AP2は、端末3にサービスを提供し、無線仮想インタフェース3を介して端末3と通信する。
【0016】
無線デバイスにOpenFlowマルチインスタンスを実現するのは複雑であるという問題を解決するために、本開示の実施例において、SDNコントローラは、各APにそれぞれ1つのOpenFlowインスタンスを割り当て、APが生成した無線仮想インタフェースは、APに対応するOpenFlowインスタンスにバインドできる。このように、APの無線仮想インタフェースが変化すると、OpenFlowコントローラは改めてOpenFlowインスタンスを割り当てる必要がなく、無線デバイスにOpenFlowマルチインスタンスを実現する複雑度が低減される。
【0017】
図3に示す無線ネットワークアーキテクチャのように、本開示の実施例では、
図3における無線デバイスのために構成されたインスタンスは
図4に示される。ここで、AP1の識別子がOpenFlowインスタンス1にバインドされ、AP2の識別子がOpenFlowインスタンス2にバインドされ、AP1の識別子およびAP2の識別子がいずれもグローバルOpenFlowインスタンスにバインドされる。
【0018】
端末がAP1にアクセスしたときに、AP1が生成した無線仮想インタフェースは、いずれもOpenFlowインスタンス1に属し、例えば、
図3における無線仮想インタフェース1および無線仮想インタフェース2は、いずれもOpenFlowインスタンス1に属する。端末がAP2にアクセスしたときに、AP2が生成した無線仮想インタフェースは、いずれもOpenFlowインスタンス2に属し、例えば、
図3における無線仮想インタフェース3は、OpenFlowインスタンス2に属する。
【0019】
1つの可能な実施形態において、SDNコントローラは、1つのAPに対して、複数のインスタンスを生成し、無線仮想インタフェースの特徴とインスタンスとの対応関係を事前に確立してもよい。無線仮想インタフェースの特徴は、この無線仮想インタフェースを介してアクセスした端末の特徴であり、端末の特徴は、具体的に、端末のメーカーやモデルなどであってもよい。例えば、AP1にインスタンスAおよびインスタンスBを生成し、メーカー1の端末およびメーカー2の端末に接続するための無線仮想インタフェースはインスタンスAに属され、メーカー3の端末およびメーカー4の端末に接続するための無線仮想インタフェースはインスタンスBに属されるように事前に設置する。
【0020】
以下、具体的な実施例を参照して、本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成方法を説明する。
【0021】
図5に示すように、本開示の実施例は、OpenFlowインスタンスの構成方法を提供する。この方法は、少なくとも1つのAPにアクセスされているACによって実行され、以下のステップを含む。
【0022】
S501において、ACは、グローバルインスタンスの構成情報と、各APに対応するAPインスタンスの構成情報とを取得する。
【0023】
本開示の実施例では、ACがグローバルインスタンスの構成情報に基づいて生成したグローバルOpenFlowインスタンスは、グローバルインスタンスと略称される。APがAPインスタンスの構成情報に基づいて生成したOpenFlowインスタンスは、APインスタンスと略称される。以下、略称で説明する。
【0024】
具体的に、ACは、ユーザーから入力された、あるいは、SDNコントローラから送信されたグローバルインスタンスの構成情報を受信する。グローバルインスタンスの構成情報は、グローバルインスタンスを生成するための情報と、SDNコントローラのインターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)アドレスおよびポート番号とを含み、さらに、ACのIPアドレスおよびポート番号を含んでもよい。
【0025】
ACは、さらに、ユーザーから入力された、あるいは、SDNコントローラから送信された各APに対応するAPインスタンスの構成情報を受信する。
【0026】
例えば、
図3に示すように、ACは、AP1に対応するAPインスタンス1の構成情報と、AP2に対応するAPインスタンス2の構成情報とを受信する。
【0027】
S502において、ACは、各APに対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが受信したAPインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドする。
【0028】
例えば、
図3において、ACは、AP1にAPインスタンス1の構成情報を送信し、AP2にAPインスタンス2の構成情報を送信する。AP1およびAP2がAPインスタンスの構成情報を受信した後、AP1はAPインスタンス1を生成し、AP2はAPインスタンス2を生成し、且つ、AP1の識別子がAPインスタンス1にバインドされ、AP2の識別子がAPインスタンス2にバインドされる。
【0029】
S503において、ACは、グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、グローバルインスタンスを生成する。
【0030】
S504において、ACは、AC識別子と各APのAP識別子をグローバルインスタンスにバインドする。
【0031】
例示的に、
図4に示すように、
図3におけるAP1の識別子はAPインスタンス1にバインドされ、AP2の識別子はAPインスタンス2にバインドされ、AP1の識別子とAP2の識別子とはいずれもグローバルインスタンスにバインドされている。
【0032】
本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成方法よれば、ACは、グローバルインスタンスの構成情報に基づいてグローバルインスタンスを生成して、ACの識別子と各APの識別子をグローバルインスタンスにバインドし、且つ、各AP識別子をAPが生成されたAPインスタンスにバインドする。APにおける無線仮想インタフェースが変化しても、APの識別子とOpenFlowインスタンスとの間のバインド関係は変化しなく、インスタンスを改めて構成する必要はない。従来の技術における無線仮想インタフェースに基づいてインスタンスを構成する方法と比べて、本開示の実施例によるインスタンスを構成する方法は、構成の作業量を減らすことができ、実施するのも簡単である。
【0033】
ACは、グローバルインスタンスを生成した後、フローエントリに基づいてメッセージを処理するように、SDNコントローラから送信されたフローエントリを受信してもよい。
【0034】
1つ目の可能な実施形態において、集中転送方式について、以下の方法で処理してもよい。
【0035】
ACは、SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信する。
【0036】
ここで、第1の上りフローエントリは、宛先IPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワーク(Virtual Local Area Network:VLAN)値と、宛先媒体アクセス制御(Media Access Control:MAC)アドレスと、端末がAPにアクセスする無線仮想インタフェース識別子とを含む。
【0037】
第1の上りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(端末がAPにアクセスする無線仮想インタフェース識別子)+Output(宛先IPアドレス)と表されてもよい。
【0038】
ACが第1のAPから送信された、第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、ACは、第1のAPが上りデータメッセージを受信する無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断する。第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、ACは、第1の上りフローエントリに基づいて、宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送する。
【0039】
即ち、ACが受信した上りデータメッセージが、第1の上りフローエントリにおける基本マッチングングドメインおよび拡張マッチングングドメインの両方にマッチングすると、ACは、第1の上りフローエントリのoutputに基づいてこの上りデータメッセージを転送する。
【0040】
この実施形態において、ACは、さらに、SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信することもできる。
【0041】
ここで、第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含む。
【0042】
第1の下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(APと接続する無線インターフェース識別子)と表されてもよい。
【0043】
ACが第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、ACは、下りデータメッセージを転送するための第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、ACは、第1の下りフローエントリに基づいて、第1のAPに接続する無線インターフェースを介して第1のAPに下りデータメッセージを送信する。
【0044】
即ち、ACが受信した下りデータメッセージが、第1の下りフローエントリにおける基本マッチングングドメインおよび拡張マッチングングドメインの両方にマッチングすると、ACは、第1の下りフローエントリのoutputに基づいてこの下りデータメッセージを転送する。
【0045】
2つ目の可能な実施形態において、ローカル転送方式について、以下の方法で処理してもよい。
【0046】
ACは、SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信する。
【0047】
ここで、第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含む。
【0048】
第2の上りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(送信元IPアドレス+VLAN値+送信元MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(宛先IPアドレス)と表されてもよい。
【0049】
ACが第2のAPから送信された、第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、ACは、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、ACは、第2の上りフローエントリに基づいて上りデータメッセージを転送する。具体的に、ACは、第2の上りフローエントリに基づいて宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送する。
【0050】
即ち、ACが受信した上りデータメッセージが、第2の上りフローエントリにおける基本マッチングングドメインおよび拡張マッチングングドメインの両方にマッチングすると、ACは、第2の上りフローエントリのoutputに基づいてこの上りデータメッセージを転送する。
【0051】
この実施形態において、ACは、さらに、SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信することもできる。
【0052】
ここで、第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含む。
【0053】
第2の下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(AP識別子)と表されてもよい。
【0054】
ACが第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、ACは、下りデータメッセージを転送するための第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、ACは、第2の下りフローエントリに基づいて、第2のAPに下りデータメッセージを送信する。
【0055】
即ち、ACが受信した下りデータメッセージが、第2の下りフローエントリにおける基本マッチングングドメインおよび拡張マッチングングドメインの両方にマッチングすると、ACは、第2の下りフローエントリのoutputに基づいてこの下りデータメッセージを転送する。
【0056】
ローカル転送方式を採用するには、APによるメッセージの転送およびカプセル化の必要があるため、上記の2つ目の実施形態に基づいて、SDNコントローラは、さらに、ACを介してAPにフローエントリを送信し、APが受信したフローエントリに基づいてメッセージを処理するようにしてもよいことが理解される。具体的な実施は以下の通りである。
【0057】
ACは、SDNコントローラから送信された第3の上りフローエントリを受信する。その後、ACは、第2のAPに第3の上りフローエントリを送信し、第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、第2のAPが第3の上りフローエントリに基づいてACにこの上りデータメッセージを転送する。
【0058】
ここで、第3の上りフローエントリは、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送することに用いられる。第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含む。
【0059】
第3の上りフローエントリは、OpenFlow拡張マッチングングドメイン(無線仮想インタフェースの識別子)+Output(AC識別子)と表されてもよい。
【0060】
また、ACは、SDNコントローラから送信された第3の下りフローエントリを受信する。その後、ACは、第2のAPに第3の下りフローエントリを送信し、第2のAPがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが第3の下りフローエントリにおけるMACアドレスであるときに、第2のAPが第3の下りフローエントリに基づいて端末にこの下りデータメッセージを転送する。
【0061】
ここで、第3の下りフローエントリは、第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送することに用いられる。第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含む。
【0062】
第3の下りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子をさらに含む。ACは、具体的に、第3の下りフローエントリにおける無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースを介して下りデータメッセージを転送する。
【0063】
第3の下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先MACアドレス)+Output(無線仮想インタフェースの識別子)と表されてもよい。
【0064】
図5に示す実施例に対応して、本開示の実施例は、APにより実行されるOpenFlowインスタンスの構成方法をさらに提供する。この方法は、
図6に示すように、以下のステップを含む。
【0065】
S601において、APは、APインスタンスの構成情報を取得する。
【0066】
ここで、APは、ユーザーから入力されたAPインスタンスの構成情報を受信し、あるいは、APは、SDNコントローラからACに送信されてさらにACからAPに転送されたインスタンスの構成情報を受信する。APインスタンスは、APがAPインスタンスの構成情報に基づいて生成したOpenFlowインスタンスであり、APインスタンスと略称される。以下、略称で説明する。
【0067】
APインスタンスの構成情報は、APインスタンスを生成するための情報と、SDNコントローラのIPアドレスおよびポート番号とを含み、さらに、APのIPアドレスおよびポート番号を含んでもよい。
【0068】
S602において、APは、APインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成する。
【0069】
S603において、APは、APのAP識別子を生成されたAPインスタンスにバインドする。
【0070】
ここで、APが生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドした後、APが生成した、端末に接続するための無線仮想インタフェースは、このAPインスタンスにも属する。
【0071】
本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成方法によれば、APは、APインスタンスの構成情報に基づいてAPインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAPのAP識別子にバインドし、すなわち、このAPがAPインスタンスに属する。APにおける無線仮想インタフェースが変化しても、AP識別子とAPインスタンスとの間のバインド関係は変化しなく、APの無線仮想インタフェースの変化はAPインスタンスの割り当てに影響しない。すなわち、APの無線仮想インタフェースが変化しても、インスタンスを改めて構成する必要はない。従来の技術における無線仮想インタフェースに基づいてインスタンスを構成する方法と比べて、本開示の実施例によるAPによりインスタンスを構成する方法は、構成の作業量を減らすことができ、実施するのも簡単である。
【0072】
APがAPインスタンスを生成した後、APがローカル転送をサポートする場合、APは、ACから送信された上りフローエントリおよび下りフローエントリを受信する。この上りフローエントリは、上記の実施例における第3の上りフローエントリであり、この下りフローエントリは、上記の実施例における第3の下りフローエントリである。この上りフローエントリは、APが上りデータメッセージをローカル転送することに用いられ、この下りフローエントリは、APが下りデータメッセージをローカル転送することに用いられる。
【0073】
ここで、上りフローエントリは、無線仮想インタフェースの識別子を含む。この無線仮想インタフェースは、端末がAPにアクセスすること、すなわち、端末がこの無線仮想インタフェースを介してAPに接続することに用いられる。
【0074】
この上りフローエントリは、OpenFlow拡張マッチングングドメイン(無線仮想インタフェースの識別子)+Output(AC識別子)と表されてもよい。
【0075】
APが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信した無線仮想インタフェースが上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであると、APは、上りフローエントリに基づいてACに上りデータメッセージを転送する。
【0076】
即ち、APが受信した上りデータメッセージと、上りフローエントリにおける拡張マッチングングドメインとがマッチングすると、APは、上りフローエントリにおけるOutputに基づいて上りデータメッセージを転送し、すなわち、OutputにおけるAC識別子に基づいてこのAC識別子に対応するACに上りデータメッセージを転送する。
【0077】
下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含む。この下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先MACアドレス)+Output(無線仮想インタフェースの識別子)と表されてもよい。
【0078】
APがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであると、APは、下りフローエントリに基づいて端末に下りデータメッセージを転送する。
【0079】
具体的に、APは、下りフローエントリにおける無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースを介して、端末にデータメッセージを転送する。
【0080】
即ち、APが受信した下りデータメッセージと、下りフローエントリにおける基本マッチングングドメインとがマッチングすると、APは、下りフローエントリにおけるOutputに基づいて下りデータメッセージを転送し、すなわち、Outputにおける無線仮想インタフェースの識別子に基づいて、この無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースにこの下りデータメッセージを転送する。
【0081】
以下、具体的な例を参照して、本開示の実施例に係るOpenFlowインスタンスの構成方法を説明する。
図3および
図4に示すように、ACは、グローバルインスタンスを生成し、ACの識別子、AP1の識別子とAP2の識別子をグローバルインスタンスにバインドする。AP1は、APインスタンス1を生成して、AP1の識別子をAPインスタンス1にバインドする。AP2は、APインスタンス2を生成して、APインスタンス2をAP2の識別子にバインドする。ここで、AP1は集中転送をサポートするとし、AP2はローカル転送をサポートするとする。
【0082】
図7に示すように、
図7は、集中上り転送の流れの例示的な模式図である。
図7のシチュエーションでは、AP1が集中転送をサポートし、SDNコントローラは、AP1に上りフローエントリを送信する必要がなく、第1の上りフローエントリすなわち、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MAC値)+拡張マッチングングドメイン(端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子)+Output(宛先IPアドレス)をACに送信する。
【0083】
現在、AP1は、RFポートにより端末1から送信された上りデータメッセージを受信した後、
図7における矢印の方向によって、上りデータメッセージを転送する。すなわち、AP1が無線転送によって上りデータメッセージをACのレイア2転送モジュールに転送して、ACのレイア2転送モジュールが上りデータメッセージをレイア3転送モジュールに転送して、レイア3転送モジュールがさらに上りデータメッセージをACの無線転送モジュールに転送する。その後、無線転送モジュールが上りデータメッセージをレイア2転送モジュールに転送して、レイア2転送モジュールが上りデータメッセージにおける宛先IPアドレスに基づいて上りデータメッセージを転送する。
【0084】
本開示の実施例において、ACにおける第1の上りフローエントリは、
図7におけるレイア2転送モジュールおよびレイア3転送モジュールに換わることができる。すなわち、AP1は、端末1から送信された上りデータメッセージを受信した後、無線転送によって上りデータメッセージをACの無線転送モジュールに転送する。
【0085】
ACは、上りデータメッセージにおける宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスが、第1の上りフローエントリにおける基本マッチングングドメインにマッチングし、且つ、AP1がこの上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリにおける無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであると確定すると、ACは、この上りデータメッセージと第1の上りフローエントリとがマッチングすると確定して、第1の上りフローエントリに基づいて、無線転送モジュールによってこの上りデータメッセージを宛先IPアドレスに転送する。
【0086】
図8に示すように、
図8は、集中下り転送の流れの例示的な模式図である。
図8のシチュエーションでは、AP1が集中転送をサポートし、SDNコントローラは、AP1に下りフローエントリを送信する必要がなく、第1の下りフローエントリ、すなわち、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(APと接続する無線インターフェース識別子)をACに送信する。
【0087】
現在、ACは、下りデータメッセージを受信した後、
図8における矢印の順番で、下りデータメッセージ転送する。本開示の実施例において、ACにおける下りフローエントリは、
図8におけるレイア2転送モジュールおよびレイア3転送モジュールに換わることができる。すなわち、ACが下りデータメッセージを受信した後、下りデータメッセージにおける宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスが、下りフローエントリにおける基本マッチングングドメインにマッチングし、且つ、この下りデータメッセージを転送するためのAP1が、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであると確定すると、ACはこの下りデータメッセージと第1の下りフローエントリとがマッチングすると確定して、第1の下りフローエントリに基づいて、APに接続する無線インターフェースを介してAP1に下りデータメッセージを送信し、AP1によってこの下りデータメッセージを端末に転送する。
【0088】
図9に示すように、
図9は、ローカル上り転送の流れの例示的な模式図でる。
図9のシチュエーションでは、AP2がローカル転送をサポートし、ACが受信した第2の上りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(送信元IPアドレス+VLAN値+送信元MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(宛先IPアドレス)であり、AP2が受信した第3の上りフローエントリは、OpenFlow拡張マッチングングドメイン(無線仮想インタフェースの識別子)+Output(AC識別子)である。
【0089】
現在、AP2は、端末からの上りデータメッセージを受信した後、
図9における矢印の順番で上りデータメッセージを転送する。本開示の実施例において、ACの第2の上りフローエントリは、
図9におけるACのレイア2転送モジュールおよびレイア3転送モジュールに換わることができで、AP2の第2の上りフローエントリは、
図9におけるAP2のレイア2転送モジュールに換わることができる。
【0090】
すなわち、AP2が端末からの上りデータメッセージを受信した後、AP2がこの上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第3の上りフローエントリの拡張マッチングングドメインにおける無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであると、AP2は、この上りデータメッセージとAP2における第3の上りフローエントリとがマッチングすると確定して、この第3の上りフローエントリに基づいてACにこの上りデータメッセージを転送する。ACがこの上りデータメッセージを受信した後、上りデータメッセージにおける宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスが、自身に記憶されている第2の上りフローエントリにおける基本マッチングングドメインにマッチングし、且つ、この上りデータメッセージを送信したAP2が、第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであると確定すると、ACは、この上りデータメッセージとこの第2の上りフローエントリとがマッチングすると確定して、この第2の上りフローエントリに基づいて、この上りデータメッセージを宛先IPアドレスに転送する。
【0091】
図10に示すように、
図10は、ローカル下り転送の流れの例示的な模式図でる。
図10のシチュエーションでは、AP2がローカル転送をサポートし、ACが受信した第2の下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先IPアドレス+VLAN値+宛先MACアドレス)+拡張マッチングングドメイン(AP識別子)+Output(AP識別子)であり、AP2が受信した第3の下りフローエントリは、OpenFlow基本マッチングングドメイン(宛先MACアドレス)+Output(無線仮想インタフェースの識別子)である。
【0092】
現在、AP2は、下りデータメッセージを受信した後、
図10における矢印の順番で下りデータメッセージを転送する。本開示の実施例において、ACの第2の下りフローエントリは、
図10におけるACのレイア2転送モジュールおよびレイア3転送モジュールに換わることができて、AP2の第3の下りフローエントリは、
図10におけるAP2のレイア2転送モジュールに換わることができる。
【0093】
すなわち、ACが下りデータメッセージを受信した後、下りデータメッセージにおける宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスが、第2の下りフローエントリにおける基本マッチングングドメインにマッチングすると確定し、且つ、この下りデータメッセージによって、この下りデータメッセージを転送するためのAP2が、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであると確定すると、ACは、この下りデータメッセージと、この第2の下りフローエントリとがマッチングすると確定して、この第2の下りフローエントリに基づいて、この下りデータメッセージをAP2に転送する。
【0094】
AP2がウンストリームデータメッセージを受信した後、下りデータメッセージにおける宛先MACアドレスが、自身に記憶されている第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであると確定すると、AP2は、この下りデータメッセージとこの第3の下りフローエントリとがマッチングすると確定して、第3の下りフローエントリにおける無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースを介して、この下りデータメッセージを端末に転送する。
【0095】
図5における方法の実施例に対応して、本開示の実施例は、さらに、OpenFlowインスタンスの構成装置を提供する。この装置は、ACに適用され、
図11に示すように、取得モジュール1101と、送信モジュール1102と、生成モジュール1103と、バインドモジュール1104とを含む。
【0096】
取得モジュール1101は、グローバルインスタンスの構成情報および各APに対応するAPインスタンスの構成情報を取得する。
【0097】
送信モジュール1102は、各APに対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが、受信したAPインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドする。
【0098】
生成モジュール1103は、取得モジュール1101が取得したグローバルインスタンスの構成情報に基づいて、グローバルインスタンスを生成する。
【0099】
バインドモジュール1104は、AC識別子と各APのAP識別子をグローバルインスタンスにバインドする。
【0100】
この装置は、判断モジュール1105をさらに含んでもよい。
【0101】
取得モジュール1101は、ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信する。第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含む。
【0102】
判断モジュール1105は、第1のAPから送信された、第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信するときに、第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断する。
【0103】
送信モジュール1102は、第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、第1の上りフローエントリによって、宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送する。
【0104】
取得モジュール1101は、さらに、SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信する。第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含む。
【0105】
判断モジュール1105は、さらに、第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。
【0106】
送信モジュール1102は、さらに、下りデータメッセージを転送するための第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるときに、第1の下りフローエントリによって、第1のAPに接続する無線インターフェースを介して第1のAPに下りデータメッセージを送信してもよい。
【0107】
取得モジュール1101は、さらに、SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信する。第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含んでもよい。
【0108】
判断モジュール1105は、さらに、第2のAPから送信された、第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。
【0109】
送信モジュール1102は、さらに、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるときに、第2の上りフローエントリによって上りデータメッセージを転送する。
【0110】
取得モジュール1101は、さらに、SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信する。第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含んでもよい。
【0111】
判断モジュール1105は、さらに、第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断する。
【0112】
送信モジュール1102は、さらに、下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるときに、第2の下りフローエントリによって、第2のAPに下りデータメッセージを送信する。
【0113】
取得モジュール1101は、さらに、SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信する。第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含んでもよい。
【0114】
送信モジュール1102は、さらに、第2のAPに第3の上りフローエントリを送信することで、第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、送信モジュール1102が第3の上りフローエントリによってACに上りデータメッセージを転送する。
【0115】
取得モジュール1101は、さらに、SDNコントローラから送信された、第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信する。第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含んでもよい。
【0116】
送信モジュール1102は、さらに、第2のAPがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、第3の下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送するように、第2のAPに第3の下りフローエントリを送信する。
【0117】
図6に示した方法の実施例に対応して、本開示の実施例は、さらに、OpenFlowインスタンスの構成装置を提供する。この装置は、APに適用され、
図12に示すように、取得モジュール1201と、生成モジュール1202と、バインドモジュール1203とを含む。
【0118】
取得モジュール1201は、APインスタンスの構成情報を取得する。
【0119】
生成モジュール1202は、取得モジュール1201が取得したAPインスタンスの構成情報に基づいてAPインスタンスを生成する。
【0120】
バインドモジュール1203は、生成されたAPインスタンスをAPのAP識別子にバインドする。
【0121】
この装置は、送信モジュール1204をさらに含んでもよい。
【0122】
取得モジュール1201は、さらに、APがローカル転送をサポートする場合、アクセスコントローラACから送信された、APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信する。上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含む。
【0123】
送信モジュール1204は、端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、上りフローエントリによってACに上りデータメッセージを転送する。
【0124】
取得モジュール1201は、さらに、APがローカル転送をサポートする場合、ACから送信された、APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信する。下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含んでもよい。
【0125】
送信モジュール1204は、さらに、ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送する。
【0126】
本開示の実施例は、
図13に示すように、プロセッサ1301と、通信インターフェース1302と、メモリ1303と、通信バス1304とを含むACをさらに提供する。プロセッサ1301、通信インターフェース1302およびメモリ1303は、通信バス1304を介して互いに通信する。
【0127】
メモリ1303は、コンピュータープログラムを格納する。
【0128】
プロセッサ1301は、メモリ1303に格納されているプログラムを実行すると、上記の方法の実施例におけるACによって実行されるステップを実現する。
【0129】
上記のACにおける通信バスは、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect:PCI)バス、または拡張工業標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture:EISA)バスなどであってもよい。この通信バスは、アドレスバス、データバス、コントロールバスなどに分かれてよい。図示の都合上、通信バスは、図に1本の太線のみで示されているが、バスが1本しか存在しない、或いは、バスが1種類しか存在しないという意味ではない。
【0130】
通信インターフェースは、上記のACと他のデバイスとの間の通信を行うことに用いられる。
【0131】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)または不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory:NVM)を含み、例えば、少なくとも1つのディスクメモリであってよい。好ましく、メモリは、少なくとも1つの上記のプロセッサから離れた記憶装置であってもよい。
【0132】
上記のプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor:NP)などの汎用プロセッサであってもよく、また、上記のプロセッサは、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing:DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、現場で構成可能な回路アレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、または、他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート、あるいは、トランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0133】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが記憶されている機械可読記憶媒体とを備えるACをさらに提供し、機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
グローバルインスタンスの構成情報と、各APに対応するAPインスタンスの構成情報とを取得することと、
各APに対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが、受信したAPインスタンスの構成情報に基づいてAPインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドすることと、
グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、グローバルインスタンスを生成することと、
AC識別子と各APのAP識別子をグローバルインスタンスにバインドすることと、を実行させる。
【0134】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信し、第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含むことと、
第1のAPから送信された、第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む上りフローエントリを受信する場合、第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断することと、
第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、第1の上りフローエントリに基づいて、宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信し、第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第1の下りフローエントリに基づいて、第1のAPに接続する無線インターフェースを介して第1のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0135】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信し、第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2のAPから送信された、第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の上りフローエントリに基づいて、上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信し、第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の下りフローエントリによって、第2のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0136】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信し、第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
第2のAPに第3の上りフローエントリを送信することで、第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、第3の上りフローエントリによってACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信し、第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含むことと、
第2のAPに第3の下りフローエントリを送信することで、第2のAPがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、第3の下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させてもよい。
【0137】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、機械可読記憶媒体をさらに提供する。この機械可読記憶媒体は、ACに適用されてもよく、プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが機械可読記憶媒体に記憶され、機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、プロセッサに、
グローバルインスタンスの構成情報と、各APに対応するAPインスタンスの構成情報とを取得することと、
各APに対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが、受信したAPインスタンスの構成情報に基づいてAPインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドすることと、
グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、グローバルインスタンスを生成することと、
AC識別子と各APのAP識別子をグローバルインスタンスにバインドすることと、を実行させる。
【0138】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信し、第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含むことと、
第1のAPから送信された、第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む上りフローエントリを受信する場合、第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断することと、
第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、第1の上りフローエントリに基づいて、宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信し、第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第1の下りフローエントリに基づいて、第1のAPに接続する無線インターフェースを介して第1のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0139】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信し、第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2のAPから送信された、第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の上りフローエントリに基づいて、上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信し、第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の下りフローエントリに基づいて、第2のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0140】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信し、第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
第2のAPに第3の上りフローエントリを送信することで、第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、第3の上りフローエントリに基づいてACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信し、第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含むことと、
第2のAPに第3の下りフローエントリを送信することで、第2のAPがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、第3の下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させてもよい。
【0141】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、機械実行可能なコマンドをさらに提供する。機械実行可能なコマンドは、機械可読記憶媒体に記憶され、ACに適用されてもよく、機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、プロセッサに、
グローバルインスタンスの構成情報と、各APに対応するAPインスタンスの構成情報とを取得することと、
各APに対応するAPインスタンスの構成情報をそれぞれ各APに送信することで、各APが、受信したAPインスタンスの構成情報に基づいてAPインスタンスを生成して、生成されたAPインスタンスをAP識別子にバインドすることと、
グローバルインスタンスの構成情報に基づいて、ACは、グローバルインスタンスを生成することと、及び
AC識別子と各APのAP識別子をグローバルインスタンスにバインドすることと、を実行させる。
【0142】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージを集中転送するための第1の上りフローエントリを受信し、第1の上りフローエントリは、宛先インターネットプロトコルIPアドレスと、仮想ローカルエリアネットワークVLAN値と、宛先媒体アクセス制御MACアドレスと、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子とを含むことと、
第1のAPから送信された、第1の上りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスを含む上りフローエントリを受信する場合、第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースであるか否かを判断することと、
第1のAPが上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが、第1の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェース識別子に対応する無線仮想インタフェースである場合、第1の上りフローエントリによって、宛先IPアドレスに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージを集中転送するための第1の下りフローエントリを受信し第1の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第1の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレス下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第1のAPが、第1の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第1の下りフローエントリに基づいて、第1のAPに接続する無線インターフェースを介して第1のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0143】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、ACが上りデータメッセージをローカル転送するための第2の上りフローエントリを受信し、第2の上りフローエントリは、送信元IPアドレスと、VLAN値と、送信元MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2のAPから送信された、第2の上りフローエントリに含まれる送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスにそれぞれマッチングする送信元IPアドレス、VLAN値および送信元MACアドレスを含む上りデータメッセージを受信する場合、第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、及び
第2のAPが第2の上りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の上りフローエントリに基づいて、上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、ACが下りデータメッセージをローカル転送するための第2の下りフローエントリを受信し、第2の下りフローエントリは、宛先IPアドレスと、VLAN値と、宛先MACアドレスと、AP識別子とを含むことと、
第2の下りフローエントリに含まれる宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレスにそれぞれマッチングする宛先IPアドレス、VLAN値および宛先MACアドレス下りデータメッセージを受信する場合、下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPであるか否かを判断することと、
下りデータメッセージを転送する第2のAPが、第2の下りフローエントリにおけるAP識別子に対応するAPである場合、第2の下りフローエントリに基づいて、第2のAPに下りデータメッセージを送信することと、を実行させてもよい。
【0144】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが上りデータメッセージをローカル転送するための第3の上りフローエントリを受信し、第3の上りフローエントリは、端末が第2のAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
第2のAPに第3の上りフローエントリを送信することで、第2のAPが端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが第3の上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、第3の上りフローエントリによってACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
SDNコントローラから送信された、第2のAPが下りデータメッセージをローカル転送するための第3の下りフローエントリを受信し、第3の下りフローエントリは、宛先MACアドレスを含むことと、
第2のAPに第3の下りフローエントリを送信することで、第2のAPがACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが第3の下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、第3の下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させてもよい。
【0145】
本開示の実施例は、
図14に示すように、プロセッサ1401と、通信インターフェース1402と、メモリ1403と、通信バス1404とを含むAPをさらに提供する。プロセッサ1401、通信インターフェース1402およびメモリ1403は、通信バス1404を介して互いに通信する。
【0146】
メモリ1403は、コンピュータープログラムを格納する。
【0147】
プロセッサ1401は、メモリ1403に格納されているプログラムを実行すると、上記の方法の実施例におけるAPによって実行されるステップを実現する。
【0148】
上記のAPにおける通信バスは、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect:PCI)バス、または拡張工業標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture:EISA)バスなどであってもよい。この通信バスは、アドレスバス、データバス、コントロールバスなどに分かれてよい。図示の都合上、通信バスは、図に1本の太線のみで示されているが、バスが1本しか存在しない、或いは、バスが1種類しか存在しないという意味ではない。
【0149】
通信インターフェースは、上記のAPと他のデバイスとの間の通信を行うことに用いられる。
【0150】
メモリは、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)または不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory:NVM)を含み、例えば、少なくとも1つのディスクメモリであってよい。メモリは、上記のプロセッサの記憶装置から離れた少なくとも1つの記憶装置であってもよい。
【0151】
上記のプロセッサは、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor:NP)などの汎用プロセッサであってもよく、また、上記のプロセッサは、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing:DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、現場で構成可能な回路アレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、または、他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート、あるいは、トランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0152】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが記憶されている機械可読記憶媒体とを備えるAPをさらに提供し、機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
APインスタンスの構成情報を取得することと、
APインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成することと、
生成されたAPインスタンスをAPのAP識別子にバインドすることと、を実行させる。
【0153】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
APがローカル転送をサポートする場合、アクセスコントローラACから送信された、APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信し、上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、上りフローエントリに基づいてACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
APがローカル転送をサポートする場合、ACから送信された、APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信し、下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含むことと、
ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、下りフローエントリに基づいて端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させてもよい。
【0154】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、機械可読記憶媒体をさらに提供する。この機械可読記憶媒体は、APに適用されてもよく、プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドが機械可読記憶媒体に記憶され、機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、プロセッサに、
APインスタンスの構成情報を取得することと、
APインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成することと、
生成されたAPインスタンスをAPのAP識別子にバインドすることと、を実行させる。
【0155】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
APがローカル転送をサポートする場合、アクセスコントローラACから送信された、APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信し、上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、上りフローエントリに基づいてACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
APがローカル転送をサポートする場合、ACから送信された、APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信し、下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含むことと、
ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させてもよい。
【0156】
同じ技術的概念に基づいて、本開示の実施例は、機械実行可能なコマンドをさらに提供する。機械実行可能なコマンドは、機械可読記憶媒体に記憶され、APに適用されてもよく、機械実行可能なコマンドは、プロセッサによって呼び出して実行されると、プロセッサに、
APインスタンスの構成情報を取得することと、
APインスタンスの構成情報に基づいて、APインスタンスを生成することと、
生成されたAPインスタンスをAPのAP識別子にバインドすることと、を実行させる。
【0157】
機械実行可能なコマンドによって、プロセッサに、
APがローカル転送をサポートする場合、アクセスコントローラACから送信された、APが上りデータメッセージをローカル転送するための上りフローエントリを受信し、上りフローエントリは、端末がAPにアクセスするための無線仮想インタフェースの識別子を含むことと、
端末から送信された上りデータメッセージを受信し、且つ、上りデータメッセージを受信するための無線仮想インタフェースが上りフローエントリに含まれる無線仮想インタフェースの識別子に対応する無線仮想インタフェースであるときに、上りフローエントリに基づいてACに上りデータメッセージを転送することと、を実行させ、
または、
APがローカル転送をサポートする場合、ACから送信された、APが下りデータメッセージをローカル転送するための下りフローエントリを受信し、下りフローエントリは、宛先媒体アクセス制御MACアドレスを含むことと、
ACから送信された下りデータメッセージを受信し、且つ、下りデータメッセージに含まれる宛先MACアドレスが下りフローエントリにおける宛先MACアドレスであるときに、下りフローエントリによって端末に下りデータメッセージを転送することと、を実行させる。
【0158】
上記の実施例の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアまたはそれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアによって実現すると、その全部または一部は、コンピュータープログラム製品で実現されてもよい。前記コンピュータープログラム製品は、1つまたは複数のコンピューターコマンドを含む。コンピューターに前記コンピュータープログラムコマンドは、ロードされ実行される場合は、本開示の実施例による前記流れ又は機能の全部または一部従う。前記コンピューターは、汎用コンピューター、専用コンピューター、コンピューターネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってもよい。前記コンピューターコマンドは、コンピューター可読記憶媒体に記憶されてもよく、または、コンピューター可読記憶媒体から別のコンピューター可読記憶媒体に伝送されてもよく、例えば、前記コンピューターコマンドは、ウェブサイトやコンピューター、サーバー、データセンターから、有線(例えば、同軸ケーブル、ファイバー、デジタル加入者線(DSL))または無線(例えば、赤外線、ラジオ、マイクロ波など)方式によって、別のウェブサイトやコンピューター、サーバー、データセンターに伝送する。前記コンピューター可読記憶媒体は、コンピューターがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよく、または、1つまたは複数の利用可能な媒体を含むサーバーやデータセンターなどのデータ記憶デバイスであってもよい。前記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、または、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ Solid State Disk(SSD))などであってもよい。
【0159】
なお、本明細書では、第1のや第2のなどのような関係用語は1つのエンティティ又は操作を他のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティ又は操作間にこのような実際の関係又は順序があることを要求又は示唆しない。また、用語「含む」、「備える」又は他の変形は非排他的包含をカバーすることで、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置はこれらの要素を含むだけでなく、明確に列挙していない他の要素をさらに含み、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置固有の要素をさらに含む。特に限定しない限り、文「1つの…を含む」により限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は装置が他の同一の要素をさらに含むことを排除するものではない。
【0160】
本明細書における各実施例は、相互に関連したように記載されており、各実施例における同一または類似な部分を相互に参照すればよく、各実施例に対しても、他の実施例との間の異なる点を重点的に説明する。特に、装置実施例について、方法の実施例と基本的に同様であるため、簡単に説明されるが、関連する内容は、方法の実施例の説明部分に参照すればよい。
【0161】
以上、本開示の好適な実施例を説明したが、本開示の保護範囲を限定するものではない。本開示の精神及び原則を逸脱せずに行われる変更、等価置換、改良などはすべて本開示の保護範囲に属する。