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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】内部蒸発器を有する流体タンク
(51)【国際特許分類】
   F17C 9/02 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
F17C9/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021521926
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 KR2019007993
(87)【国際公開番号】W WO2020009396
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0076744
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521001618
【氏名又は名称】ラティステクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク,フン チン
(72)【発明者】
【氏名】パク,クン オ
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-160330(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0142746(KR,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0011381(KR,U)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0018198(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0011957(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液相流体が貯蔵されるタンク本体(100)と、
前記タンク本体(100)の内部に備えられて液相流体が供給され、外部から供給される加熱媒体を液相流体と熱交換させて液相流体を気相流体に変換させる変換手段(200)と、
前記タンク本体(100)の内部の液相流体を前記変換手段(200)に供給させ、前記変換手段(200)で変換された気相流体を気相流体配管(300)により外部の使用先に送り出すように備えられる送り出し手段(400)とを含
前記変換手段(200)は、
加熱媒体の供給を受けて前記タンク本体(100)の内部から供給される液相流体を気相流体に変換させる変換手段本体(210)と、外部から前記変換手段本体(210)に加熱媒体が供給される高温加熱媒体配管(220)と、前記変換手段本体(210)で液相流体と熱交換された加熱媒体が外部に排出される低温加熱媒体配管(230)と、前記変換手段本体(210)を断熱するように備えられる断熱手段とを含み、液相流体が前記タンク本体(100)の外部に流動しないことから液相による超低温脆性の引き起こしを防止することができ、前記タンク本体(100)の外部で気相流体に変換させるための手段を削除可能なことから手段を備えるための空間を節約し、且つ、前記断熱手段を介して液相流体を気相流体に変換させるための加熱媒体が供給されても、前記タンク本体(100)の内部に貯蔵された液相流体への影響を最小化することができる、内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項2】
前記気相流体配管(300)は、
使用先に流動する気相流体を制御可能な気相流体配管制御弁(310)を含む、請求項1に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項3】
前記流体タンク(1000)は、
前記タンク本体(100)の内部の圧力を制御することができるタンク減圧弁(510)およびタンク安全弁(520)を含む圧力制御部(500)をさらに含む、請求項1に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項4】
前記断熱手段は、
前記変換手段本体(210)の外周に断熱材からなる第1断熱手段(241)または前記変換手段本体(210)の外周を真空状態で維持するように真空手段からなる第2断熱手段(242)である、請求項1に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項5】
前記変換手段(200)は、
前記変換手段本体(210)と脱着可能に備えられ、前記変換手段本体(210)を前記タンク本体(100)の内部に固定させる支持台(250)をさらに含む、請求項1に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項6】
前記タンク本体(100)は、
開閉可能に備えられるメンテナンス開口部(110)を含む、請求項5に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【請求項7】
前記変換手段(200)は、
前記高温加熱媒体配管(220)に外部の気体を流入させることができる排出気体配管(260)をさらに含み、
前記排出気体配管(260)は、前記高温加熱媒体配管(220)に流入する外部の気体を制御することができる排出気体制御弁(261)を含む、請求項1に記載の内部蒸発器を有する流体タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部蒸発器を有する流体タンクに関し、より詳細には、タンク本体の内部に貯蔵された液相流体をタンク本体の内部に備えられる蒸発器などの変換手段により気相流体に変換し、変換した気相流体を送り出し手段により使用先に送り出すことができ、空間活用性に優れるだけでなく、超低温脆性の引き起こしを防止することができる内部蒸発器を有する流体タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の流体タンク10を示す図である。
【0003】
図1を参照すると、従来の流体タンク10は、液化天然ガスなどの液相流体が貯蔵されるタンク本体11を含む。
【0004】
この際、天然ガスなどの気相流体を使用先に供給するためには、タンク本体11の内部に貯蔵された液相流体を送り出すことができる送り出し手段13を備え、これにより、液相流体を外部に送り出す。外部に送り出された液相流体をタンク本体11の外部に備えられる蒸発器12により加熱して気相流体に変換させることで、気相流体を使用先に供給することができる。
【0005】
この際、使用先に気相流体を供給しないように動作を止めるためには、蒸発器12前後のバルブ15、16を閉める。この際、残存する液相流体は、蒸発器減圧弁18-1または蒸発器安全弁18-2を含む蒸発器制御弁18の制御により、排出部に排出しなければならない。
【0006】
なお、液相流体がタンク本体11の外部に流動し、蒸発器12により気相流体に変換されるため、これは、超低温の液相流体の超低温脆性を引き起こす恐れがあるだけでなく、気相流体に変換するために蒸発器12を備えることに伴って別の空間を要するという問題が発生する。
【0007】
図2に図示されている流体タンク20は、図1に図示されている流体タンク10の問題点を解消するために導き出されたものであって、蒸発器22をタンク本体21の内部に備え、蒸発器22により変換した気相流体は、圧縮器22-1などにより気相流体の使用先に送り出す構成である。
【0008】
しかし、図2に図示されている流体タンク20の場合、蒸発器22によりタンク本体21の内部の液相流体の全体を加熱しなければならないため、気相流体に変換するためのエネルギーが多量消費されるという問題がある。また、運転の中断時に圧縮器22-1前後のバルブ25、26を閉めることになり、残存する液相流体は、蒸発器減圧弁28-1または蒸発器安全弁28-2を含む蒸発器制御弁28の制御により排出部に排出しなければならない。
【0009】
なお、タンク本体21の内部で変換された気相流体を使用先に送り出すための圧縮器22-1を別に備えなければならないため、圧縮器22-1を備えるための別の空間を要するだけでなく、圧縮器22-1の頻繁な故障によってメンテナンス費用が増大するという問題がある。
【0010】
図1図2に図示されている17-1、17-2、27-1、27-2は、タンク本体11、21の圧力制御のためのタンク減圧弁17-1、27-1およびタンク安全弁17-2、27-2を含むタンク制御弁17、27である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述のような問題点を解決するために導き出されたものであって、本発明は、タンク本体の内部に貯蔵された液化天然ガスなどの液相流体をタンク本体の内部に備えられる蒸発器などの変換手段により天然ガスなどの気相流体に変換し、変換した気相流体を送り出し手段により使用先に送り出すことで、液化天然ガスの超低温脆性の引き起こしを防止することができる内部蒸発器を有する流体タンクを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、液相流体を排出または制御するための制御手段が必要でないことから、空間活用性に優れるだけでなく、製造費用および製造時間を減少させることができる内部蒸発器を有する流体タンクを提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、タンク本体の内部に備えられる変換手段により、タンク本体の内部に貯蔵された液相流体が影響を受けないように構成することで、液化天然ガスなどの液相流体の変換を防止するとともに、これを液相で維持するためのエネルギーの消費を最小化することができる内部蒸発器を有する流体タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による内部蒸発器を有する流体タンクは、液相流体が貯蔵されるタンク本体100と、前記タンク本体100の内部に備えられて液相流体が供給され、外部から供給される加熱媒体を液相流体と熱交換させて液相流体を気相流体に変換させる変換手段200と、前記タンク本体100の内部の液相流体を前記変換手段200に供給させ、前記変換手段200で変換された気相流体を気相流体配管300により外部の使用先に送り出すように備えられる送り出し手段400とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記気相流体配管300は、使用先に流動する気相流体を制御可能な気相流体配管制御弁310を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記流体タンク1000は、前記タンク本体100の内部の圧力を制御することができるタンク減圧弁510およびタンク安全弁520を含む圧力制御部500をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
また、前記変換手段200は、加熱媒体の供給を受けて液相流体を気相流体に変換させる変換手段本体210と、外部から前記変換手段本体210に加熱媒体が供給される高温加熱媒体配管220と、前記変換手段本体210で液相流体と熱交換された加熱媒体が外部に排出される低温加熱媒体配管230と、前記変換手段本体210を断熱するように備えられる断熱手段とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記断熱手段は、前記変換手段本体210の外周に断熱材からなる第1断熱手段241または前記変換手段本体210の外周を真空状態で維持するように真空手段からなる第2断熱手段242であることを特徴とする。
【0019】
また、前記変換手段200は、前記変換手段本体210と脱着可能に備えられ、前記変換手段本体210を前記タンク本体100の内部に固定させる支持台250をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
また、前記タンク本体100は、開閉可能に備えられるメンテナンス開口部110を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記変換手段200は、前記高温加熱媒体配管220に外部の気体を流入させることができる排出気体配管260をさらに含み、前記排出気体配管260は、前記高温加熱媒体配管220に流入する外部の気体を制御することができる排出気体制御弁261を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明による内部蒸発器を有する流体タンクは、タンク本体の内部に貯蔵された液化天然ガスなどの液相流体をタンク本体の内部に備えられる変換手段により天然ガスなどの気相流体に変換し、変換した気相流体を送り出し手段により使用先に送り出すことで、液化天然ガスの超低温脆性の引き起こしを防止することができるという利点がある。
【0023】
また、本発明による内部蒸発器を有する流体タンクは、液相流体を排出または制御するための制御手段が必要でないことから、空間活用性に優れるだけでなく、製造費用および製造時間を減少させることができるという利点がある。
【0024】
さらに、本発明による内部蒸発器を有する流体タンクは、タンク本体の内部に備えられる変換手段により、タンク本体の内部に貯蔵された液相流体が影響を受けないように構成することで、液化天然ガスなどの液相流体の変換を防止するとともに、これを液相で維持するためのエネルギーの消費を最小化することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来の流体タンクを示す図である。
図2】従来の流体タンクを示す他の図である。
図3】本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図である。
図4】本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
図5】本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図である。
図6】本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
図7】本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図である。
図8】本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、上述のような本発明による内部蒸発器を有する流体タンクについて、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図3は本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図であり、図4は本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
【0028】
図3図4を参照すると、本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、貯蔵された液相流体を気相流体に変換し、気相流体を使用先に送り出すための構成であって、大きく、タンク本体100と、変換手段200と、送り出し手段400とを含んでなる。
【0029】
タンク本体100は、液相流体が貯蔵される構成であって、この際、タンク本体100に貯蔵される液相流体は、液化天然ガス(LNG)であってもよく、このために、タンク本体100は、液化天然ガスを貯蔵するための超低温を維持しなければならない。
【0030】
本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000のタンク本体100は、液化天然ガスの他に、超低温を維持して貯蔵されなければならない様々な液相流体が貯蔵可能であることは言うまでもない。
【0031】
なお、タンク本体100は、液相流体が供給されて貯蔵されるための流入部(図示せず)を含むことができ、ある選択される目的によって、液相流体をタンク本体100の内部から排出させるための排出部(図示せず)を含むことができる。この際、流入部は、ノズルで構成され、スプレー方式でタンク本体100の内部に液相流体を供給するか、その他、様々な実施形態が可能であり、公知の技術として詳細な説明は省略する。
【0032】
変換手段200は、タンク本体100の内部に備えられ、且つ外部から供給される加熱媒体を用いて液相流体と熱交換させることで、液相流体の加熱により気相流体を形成する構成である。
【0033】
この際、変換手段200は、液相流体を加熱して気相流体に変換させるための蒸発器からなることが好ましいが、液相流体を加熱して気相流体に変換させることができる他の様々な手段からなり得ることは言うまでもない。
【0034】
蒸発器からなる変換手段200における加熱媒体は、電気エネルギーの供給により液相流体を加熱する手段であり得るが、本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000における加熱媒体は、気相の加熱媒体手段または液相の加熱媒体手段からなり、これにより液相流体と熱交換させることで、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体を加熱し、気相流体に形成することが好ましい。
【0035】
送り出し手段400は、タンク本体100の内部の液相流体を変換手段200に供給し、液相流体の加熱により気相流体に変換させ、気相流体を気相流体配管300により外部の使用先(エンジンなど)に送り出すように備えられる。
【0036】
この際、送り出し手段400は、液相流体を変換手段200に供給し、変換手段200で変換された気相流体を気相流体配管300により外部の使用先に供給することができるポンプからなることができる。
【0037】
送り出し手段400の他の手段としては、液相流体を加熱してタンク本体100の内部を加圧し、液相流体を外部に送り出すことができる加熱式加圧装置からなることができるなど、液相流体を変換手段200に供給し、変換手段200で変換された気相流体を気相流体配管300により外部の使用先に送り出すことができれば、様々な実施形態が可能である。
【0038】
上述のように、本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、超低温の液相流体をタンク本体100の内部に備えられた変換手段200により気相流体にタンク本体100の内部で変換させ、これを気相流体配管300により使用先に送り出すことができることで、液相状態での流体がタンク本体100外部に流動しないため、液相による超低温脆性の引き起こしを削除することができる。
【0039】
また、液相流体を気相流体に変換させるための変換手段200が、タンク本体100の内部に位置することから、タンク本体100の外部で気相流体に変換させるための変換手段200を備えず、これを備えるための空間を節約することができるという利点がある。
【0040】
なお、液相流体をタンク本体100の内部に備えられた変換手段200により気相流体に変換することから、タンク本体100外部で気相流体を使用先に供給するために液相流体を気相流体に変換する外部変換手段(蒸発器)を備えなくてもよく、液相流体の流動を制御するためのバルブなどと、バルブの制御のための液相流体の測定装置などを削除することができ、流体タンク1000の製造費用および製造時間を減少できるだけでなく、空間活用性に優れるという利点がある。
【0041】
なお、本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、上述のように、変換手段200と送り出し手段400の動作を用いて、気相流体配管300により使用先に気相流体を供給し、気相流体配管300は、使用先に送り出される気相流体を制御するための気相流体配管制御弁310を含むことができる。
【0042】
気相流体配管制御弁310は、気相流体配管300を流動する気相流体を制御することができれば、様々な制御弁手段からなり得るため、限定せず、気相流体制御弁310は、気相流体の流動の制御とともに、気相流体の流動量などを測定することができるセンサなどをさらに備えてもよい。
【0043】
また、本発明の第1実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、タンク本体100の内部の圧力を制御することができる圧力制御部500をさらに含むことができ、圧力制御部500は、タンク本体100の圧力を減圧するためのタンク減圧弁510およびタンク安全弁520からなることができる。
【0044】
タンク減圧弁510とタンク安全弁520を含む圧力制御部500は、タンク本体100の内部の圧力を制御することができるように、タンク本体100の内部の気相流体を排出部に排出させることができる。
【0045】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図であり、図6は本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
【0046】
図5図6を参照すると、本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000の変換手段200は、供給される液相流体と加熱媒体を熱交換させて気相流体に変化させる変換手段本体210と、外部から変換手段本体210に加熱媒体が供給される高温加熱媒体配管220と、変換手段本体210で液相流体と熱交換された加熱媒体が外部に排出される低温加熱媒体配管230と、前記変換手段本体210の外部に包むように形成されて変換手段本体210とタンク本体100の内部を断熱するように備えられる断熱手段とを含んでなる。
【0047】
より詳細に説明すると、変換手段本体210は、蒸発器からなることができ、高温加熱媒体配管220により供給される加熱媒体により液相流体と熱交換させることで、液相流体を気相流体に変換させ、液相流体との熱交換により相対的に低温に変換された加熱媒体は、低温加熱媒体配管230により外部に排出させる。
【0048】
この際、高温加熱媒体配管220と低温加熱媒体配管230は、加熱媒体が変換手段本体210に流入するか変換され、且つそれぞれ独立して備えられてもよく、これとは異なり、一つの加熱媒体循環システムをなして低温加熱媒体配管230により排出された加熱媒体を加熱し、高温加熱媒体配管220に流動させることができるため、限定しない。
【0049】
なお、高温加熱媒体配管220は、加熱媒体の供給を制御する高温加熱媒体制御弁221をさらに含むことができる。
【0050】
上述のように、変換手段本体210は、タンク本体100の内部に位置し、加熱媒体の流入によって温度が上昇するため、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体への影響を最小化するために断熱手段を備えることができる。
【0051】
断熱手段の実施形態としては、図5に図示されているように、断熱材からなる第1断熱手段241であり得る。
【0052】
第1断熱手段241は、断熱材からなることで、変化手段本体210での加熱媒体による熱エネルギーが、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体に伝達されることを防止することができる。
【0053】
この際、第1断熱手段241をなす断熱材は、変換手段本体210での熱エネルギーが、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体に伝達されることを防止することができれば、様々な断熱材からなり得ることは言うまでもない。
【0054】
断熱手段240の他の実施形態としては、図6に図示されているように、変換手段本体210の外周面を真空で形成することができる真空手段からなる第2断熱手段242であり得る。
【0055】
第2断熱手段242は、真空手段からなり、変換手段本体210外周を真空状態で維持するようにすることで、変換手段本体210における加熱媒体による熱エネルギーがタンク本体100の内部に貯蔵された液相流体に伝達されることを防止することができる。
【0056】
第2断熱手段242をなす真空手段は、真空チャンバ、真空断熱外皮などの様々な手段で構成可能であることは言うまでもない。
【0057】
すなわち、本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、第1断熱手段241または第2断熱手段242からなる断熱手段を含むことで、変換手段本体210における加熱媒体によって発生した熱エネルギーが液相流体に伝達されることを防止して液相流体が超低温を維持するようにし、気相に変換されることを防止するとともに、流体を液相状態で維持するためのエネルギー損失を最小化することができる。
【0058】
なお、本発明の第2実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000の変換手段200は、変換手段本体210をタンク本体100の内部に支持するように備えられる支持台250をさらに含むことができる。
【0059】
支持台250の形状は、限定されないが、変換手段本体210のタンク本体100内での位置固定が容易で、且つメンテナンスのために変換手段本体210との脱着が容易であるように形成することが好ましい。
【0060】
なお、タンク本体100は、蒸発器などからなる変換手段本体210のメンテナンスのために支持台250から脱着させ、その補修または入れ替えのためのメンテナンス開口部110を含んでなる。
【0061】
メンテナンス開口部110は、開閉可能に形成されることで、開放によって変換手段200を外部に移動させることができ、変換手段200のメンテナンスまたは入れ替えを容易にすることができる。
【0062】
メンテナンス開口部110の形状は、限定されないが、変換手段200のタンク本体100の内部への挿入および引出が容易であるように、変換手段200の大きさよりは大きく開放されなければならないことは言うまでもなく、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体または気相流体の漏れを防止することができる構造で形成されなければならないことは言うまでもない。
【0063】
<第3実施形態>
図7は本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す図であり、図8は本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンクを示す他の図である。
【0064】
図7図8を参照すると、本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000の変換手段200は、高温加熱媒体配管220に外部の気体を流入させることができる排出気体配管260をさらに含む。
【0065】
すなわち、使用先に気相流体を送り出せずに流体タンクの動作を止める場合、変換手段200には加熱媒体が残存するため、タンク本体100の内部に貯蔵された液相流体への影響を最小化するためには加熱媒体を除去しなければならない。
【0066】
このために、本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000の変換手段200は、外部の気体を高温加熱媒体配管220に供給することができる排出気体配管260を含むことで、外部から供給される気体により加熱媒体を低温加熱媒体配管230により外部に排出させることで、加熱媒体による液相流体への影響を最小化することができる。
【0067】
なお、排出気体配管260は、高温加熱媒体配管220に流入する外部の気体を制御することができる排出気体制御弁261をさらに含む。
【0068】
すなわち、本発明の第3実施形態による内部蒸発器を有する流体タンク1000は、動作時には排出気体制御弁261を閉めて外部の気体が高温加熱媒体配管220に流入することを防止し、流体タンク1000の動作が止めると、外部の気体を高温加熱媒体配管220に流動させて低温加熱媒体配管230により加熱媒体とともに排出されるようにすることで、変換手段本体210の内部に残存する加熱媒体を迅速に除去し、液相流体への影響を最小化することができる。
【符号の説明】
【0069】
1000 内部蒸発器を有する流体タンク
100 タンク本体
200 変換手段
210 変換手段本体
220 高温加熱媒体配管
221 高温加熱媒体制御弁
230 低温加熱媒体配管
241 第1断熱手段
242 第2断熱手段
250 支持台
260 排出気体配管
261 排出気体制御弁
300 気相流体配管
310 気相流体配管制御弁
400 送り出し手段
500 圧力制御部
510 タンク減圧弁
520 タンク安全弁

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8