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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-17
(45)【発行日】2022-08-25
(54)【発明の名称】チャンバーシールアセンブリ及び成長炉
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20220818BHJP
   C30B 25/08 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
C30B29/36 A
C30B25/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021532510
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2019105409
(87)【国際公開番号】W WO2020078147
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】201811201774.5
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509047535
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue,Beijing Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼ 祥雷
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-069104(JP,A)
【文献】特開平07-151312(JP,A)
【文献】特開平07-068151(JP,A)
【文献】中国実用新案第207715049(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107966022(CN,A)
【文献】特開平11-097447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B
B01J 3/00
F16J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の反応チャンバーと、前記反応チャンバーの端部に配置されかつ前記反応チャンバーを包囲する炉室フランジと、の間に配置されるチャンバーシールアセンブリであって、前記チャンバーシールアセンブリは、前記反応チャンバーを包囲し、
シールスペーサーリング、及びそれぞれ前記シールスペーサーリングの軸方向両側に設けられるシールリングを含み前記シールスペーサーリング内に第1排気通路が設けられ、前記第1排気通路が前記シールスペーサーリングの内側と連通し、そして、前記炉室フランジ内に第2排気通路が設けられ、前記第2排気通路がそれぞれ前記第1排気通路及び排気装置に接続されることを特徴とするチャンバーシールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1排気通路は前記シールスペーサーリングの周方向に沿って均等に分布する複数の排気孔を含み、各前記排気孔は前記シールスペーサーリング内に穿設されることを特徴とする請求項1に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項3】
前記シールスペーサーリングの内周壁上に環状凹溝が形成され、各前記排気孔の内端はいずれも前記環状凹溝内に位置することを特徴とする請求項2に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項4】
前記排気孔の直径は前記シールスペーサーリングの軸方向厚さの1/4であることを特徴とする請求項2に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項5】
前記排気孔の数は12~36個であることを特徴とする請求項2に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項6】
前記排気孔の内端は前記シールスペーサーリングの軸方向厚さの中間位置に位置することを特徴とする請求項2に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項7】
前記第1排気通路から遠い前記第2排気通路の一端は前記炉室フランジの外周壁上に位置することを特徴とする請求項1に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項8】
上裏当てリング及び下裏当てリングをさらに含み、且つ前記シールリング及び前記シールスペーサーリングが前記上裏当てリングと前記下裏当てリングとの間に設けられることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のチャンバーシールアセンブリ。
【請求項9】
反応チャンバー、上室及び下室を含み、前記上室と下室はそれぞれ前記反応チャンバーの上端と下端に套設され、そして、前記上室及び下室はいずれも下から上に順に積層されたフランジエンドカバー、炉室フランジ及び炉室本体を含み、そのうち、前記炉室フランジの内周壁と前記反応チャンバーの外周壁との間に環状隙間を有する成長炉であって、
前記環状隙間内にチャンバーシールアセンブリが設けられ、前記チャンバーシールアセンブリは請求項1~8のいずれか一項に記載のチャンバーシールアセンブリを使用することを特徴とする成長炉。
【請求項10】
前記排気装置は真空コネクタ、排気配管及び排気ポンプを含み、そのうち、
前記真空コネクタは前記第2排気通路の第2端に接続され、
前記排気配管はそれぞれ前記排気ポンプ及び前記真空コネクタに接続されることを特徴とする請求項9に記載の成長炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造の分野に関し、具体的には、チャンバーシールアセンブリ及び成長炉に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素(SiC)単結晶は高熱伝導率、高破壊電圧、高キャリア移動度、高化学的安定性等の優れた半導体の物理的性質を有し、高温、強放射条件下で動作する高周波、高出力の電子デバイス及び光電子デバイスを製造でき、国防、ハイテク、工業生産、給電、変電等の分野で大きな応用価値があり、発展の将来性が極めて期待できる第3世代広帯域半導体材料としてみなされている。
【0003】
炭化ケイ素単結晶材料の成長には特別のプロセス装置が必要である。該プロセス装置は主に成長炉アセンブリ、加熱アセンブリ、ガスアセンブリ及び制御アセンブリ等を含み、そのうち、成長炉アセンブリはキー構造の一つである。図1は成長炉の構造概略図である。図1を参照すると、成長炉は反応チャンバー1、上室2及び下室3を含み、上室2と下室3はそれぞれ反応チャンバー1の上端と下端から反応チャンバー1に套設される。そして、上室2と反応チャンバー1との間、及び下室3と反応チャンバー1との間にシールアセンブリ(図示せず)が設けられ、それによって反応チャンバー1の内部にシールチャンバーが形成される。従来のSiC成長プロセスのニーズに応じて、該密閉チャンバーは比較的高い真空度レベルを維持する必要がある。
【0004】
従来のシールアセンブリは、通常、互いに間隔をあけた2つのシールリングを含む。この場合、実際の応用では以下の問題が存在し、即ち、取り付けるときに、2つのシールリングの間に空気が閉じ込められ、反応チャンバー1の真空引きが完了した後、チャンバー内部の真空度が比較的高く、2つのシールリング間の間隔内の圧力(空気が閉じ込められるため)とチャンバー内の圧力との差が比較的大きいため、不可避的に、間隔内に閉じ込められた空気がごくわずかにチャンバー内に漏れるとしても、チャンバーの圧力上昇率の上昇を招く可能性があり、晶体成長プロセスの展開に悪影響を与えてしまう。また、間隔内の圧力が外部大気圧力よりも低いため、該間隔が負圧状態になることを引き起こし、それによってチャンバーの取り外し・メンテナンスを行う際に、炉室フランジの取り外しが困難になることを引き起こし、それによって反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する技術的問題の一つを解決するために、チャンバーシールアセンブリ及び成長炉を提案し、それは空気が反応チャンバー内に漏れることを回避できるとともに、チャンバーの取り外し・メンテナンスの効率を向上させ、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクを回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を実現するために、チャンバーシールアセンブリを提供し、炉室フランジと反応チャンバーとの間に周設され、
シールスペーサーリング、及びそれぞれ前記シールスペーサーリングの軸方向両側に設けられるシールリングを含み、そのうち、前記シールスペーサーリング内に第1排気通路が設けられ、前記第1排気通路が前記シールスペーサーリングの内側と連通し、そして、前記炉室フランジ内に第2排気通路が設けられ、前記第2排気通路がそれぞれ前記第1排気通路及び排気装置に接続される。
【0007】
選択肢として、前記第1排気通路は前記シールスペーサーリングの周方向に沿って均等に分布する複数の排気孔を含み、各前記排気孔は前記シールスペーサーリング内に穿設される。
【0008】
選択肢として、前記シールスペーサーリングの内周壁上に環状凹溝が形成され、各前記排気孔の内端はいずれも前記環状凹溝内に位置する。
【0009】
選択肢として、前記排気孔の直径は前記シールスペーサーリングの軸方向厚さの1/4である。
【0010】
選択肢として、前記排気孔の数は12~36個である。
【0011】
選択肢として、前記排気孔の内端は前記シールスペーサーリングの軸方向厚さの中間位置に位置する。
【0012】
選択肢として、前記第1排気通路から遠い前記第2排気通路の一端は前記炉室フランジの外周壁上に位置する。
【0013】
選択肢として、さらに上裏当てリング及び下裏当てリングを含み、且つ前記シールリングと前記シールスペーサーリングが前記上裏当てリングと前記下裏当てリングとの間に設けられる。
【0014】
別の技術案として、本発明はさらに成長炉を提供し、反応チャンバー、上室及び下室を含み、前記上室と下室はそれぞれ前記反応チャンバーの上端と下端に套設され、そして、前記上室及び下室はいずれも下から上に順に積層されたフランジエンドカバー、炉室フランジ及び炉室本体を含み、そのうち、前記炉室フランジの内周壁と前記反応チャンバーの外周壁との間に環状隙間を有し、
前記環状隙間内にチャンバーシールアセンブリが設けられ、前記チャンバーシールアセンブリは本発明が提供する上記チャンバーシールアセンブリを使用する。
【0015】
選択肢として、前記排気装置は真空コネクタ、排気配管及び排気ポンプを含み、そのうち、
前記真空コネクタは前記第2排気通路の第2端に接続され、
前記排気配管はそれぞれ前記排気ポンプ及び前記真空コネクタに接続される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明が提供するチャンバーシールアセンブリによれば、それはシールスペーサーリング内に第1排気通路が設けられ、且つ炉室フランジ内に第2排気通路が設けられることによって、排気装置を利用して順に該第2排気通路と第1排気通路を介してシールスペーサーリングと反応チャンバーとの間の間隔内の空気を排出することができ、それによって該間隔内の空気が反応チャンバー内に漏れることを回避でき、チャンバーの圧力上昇率の要件を確保し、また、さらにチャンバーの取り外し・メンテナンスを行う際に、第2排気通路及び第1排気通路を介して上記間隔と大気環境を連通させることができ、それによって間隔内の負圧状態を解除でき、炉室フランジの取り外しが容易になり、それによってチャンバーの取り外し・メンテナンスの効率を向上させ、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクを回避することができる。
【0018】
本発明が提供する成長炉によれば、それは本発明が提供する上記チャンバーシールアセンブリを使用することによって、空気が反応チャンバー内に漏れることを回避できるだけでなく、チャンバーの取り外し・メンテナンスの効率を向上させ、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は成長炉の構造概略図である。
図2図2は本発明の実施例が使用する成長炉の部分断面図である。
図3図3図2中のI領域の拡大図である。
図4図4は本発明の実施例が使用するシールスペーサーリングの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するようにするために、以下、図面を参照しながら本発明が提供するチャンバーシールアセンブリ及び成長炉を詳細に説明する。
【0021】
図2を参照すると、本発明の実施例が使用する成長炉の部分断面図である。該成長炉は反応チャンバー10、上室及び下室を含み、上室と下室はそれぞれ反応チャンバー10の上端と下端から反応チャンバー10上に套設される。図2には、上炉室及びそれと反応チャンバー10とのシール構造の部分断面図のみが示される。下炉室と反応チャンバー10との間のシール構造は上炉室と反応チャンバー10とのシール構造に類似するため、本実施例では、上炉室と反応チャンバー10とのシール構造のみを例とする。
【0022】
本実施例では、上炉室は上から下に順に設けられる上エンドカバー13、上炉室本体12及び炉室フランジ11を含み、そのうち、炉室フランジ11は反応チャンバー10上に套設され、且つ炉室フランジ11と反応チャンバー10との間の間隔内にチャンバーシールアセンブリ14が周設され、炉室フランジ11と反応チャンバー10との密封を実現することに用いられる。
【0023】
図2及び図3を併せて参照すると、本実施例が提供するチャンバーシールアセンブリはシールスペーサーリング144、及びそれぞれ該シールスペーサーリング144の軸方向両側に設けられるシールリング143を含む。シールスペーサーリング144はシールリング143を隔離し且つ支持する役割を果たすことに用いられる。
【0024】
しかし、チャンバーシールアセンブリを取り付ける際に、シールスペーサーリング144の内側において、且つ2つのシールリング143の間に位置する間隔内に空気が閉じ込められ、反応チャンバー10の内部の真空引きが完了した後、チャンバー内部の真空度が比較的高く、両側のシールリング143の間の間隔内の圧力とチャンバーの内圧との差が比較的大きいため、不可避的に、2つのシールリング143の間の間隔内に閉じ込められた空気がごくわずかにチャンバー内に漏れるとしても、チャンバーの圧力上昇率の上昇を招く可能性があり、晶体成長プロセスの展開に悪影響を与えてしまう。また、上記間隔内の圧力が外部大気圧力よりも低いため、該間隔が負圧状態であり、それによってチャンバーの取り外し・メンテナンスを行う際に、炉室フランジの取り外しが困難になり、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクがある。
【0025】
上記問題を解決するために、本実施例では、シールスペーサーリング144内に第1排気通路1441が設けられ、該第1排気通路1441がシールスペーサーリング144の内側と連通し、具体的には、第1排気通路1441の第1端と第2端はそれぞれシールスペーサーリング144の内周壁と外周壁上に位置する。そして、炉室フランジ11内に第2排気通路111が設けられ、該第2排気通路111の第1端が第1排気通路1441の第2端に接続され、第2排気通路111の第2端が排気装置(図示せず)を接続することに用いられる。
【0026】
チャンバーシールアセンブリの取り付けが完了した後、排気装置を利用して順に第2排気通路111及び第1排気通路1441を介してシールスペーサーリング144の内側の間隔内の空気を排出し、それによって該間隔内の空気が反応チャンバー10の内部に漏れることを回避でき、チャンバーの圧力上昇率の要件を確保し、また、さらにチャンバーの取り外し・メンテナンスを行う際に、第2排気通路111及び第1排気通路1441を介して上記間隔と大気環境とを連通させることができ、それによって該間隔内の負圧状態を解除でき、炉室フランジ11の取り外しが容易になり、それによってチャンバーの取り外し・メンテナンスの効率を向上させ、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクを回避することができる。
【0027】
本実施例では、図4に示すように、第1排気通路1441はシールスペーサーリング144の周方向に沿って均等に分布する複数の排気孔を含み、各排気孔はシールスペーサーリング144内に穿設される。選択肢として、各排気孔はシールスペーサーリング144の径方向に沿って設けられるストレート貫通孔である。シールスペーサーリング144の周方向に沿って均等に分布する複数の排気孔によって、シールスペーサーリング144の内側の間隔内の空気を均一に排出でき、それによってシールスペーサーリング144全体の円周方向に空気を完全に排出できるように確保できるとともに、均一に排気することでシールリング143の変形を回避することができる。
【0028】
本実施例では、選択肢として、シールスペーサーリング144の内周壁上に環状凹溝1442が形成され、各排気孔1441の内端はいずれも環状凹溝1442内に位置する。環状凹溝1442によって、2つのシールリング143間の空気を完全に排出することにさらに有利である。
【0029】
選択肢として、排気孔の直径はシールスペーサーリング144の軸方向厚さの1/4である。例えば、シールスペーサーリング144の軸方向厚さが4mmであると、排気孔の直径は1mmである。シールスペーサーリング144の軸方向厚さが8mmであると、排気孔の直径は2mmである。このように、シールスペーサーリング144の強度を確保するうえに、排気速度を向上させることができる。
【0030】
選択肢として、排気孔の数は12~36個である。このように、シールスペーサーリング144の強度を確保するうえに、排気速度を向上させることができる。
【0031】
選択肢として、排気孔の内端はシールスペーサーリング144の軸方向厚さの中間位置に位置し、このように、空気を完全に排出できることに有利である。
【0032】
本実施例では、図2に示すように、第1排気通路1441から遠い第2排気通路111の一端は炉室フランジ11の外周壁上に位置し、それによって排気装置を接続することに用いられる真空コネクタ15の取り付けが容易になる。
【0033】
本実施例では、チャンバーシールアセンブリはさらに上裏当てリング141及び下裏当てリング142を含み、そのうち、シールリング143及びシールスペーサーリング144が上裏当てリング141と下裏当てリング142との間に設けられる。上裏当てリング141及び下裏当てリング142は2つのシールリング143を固定して動かないようにすることに用いられる。
【0034】
本実施例では、上裏当てリング141の上端は炉室本体12に接触し、下裏当てリング142の下端は下エンドカバー(図示せず)に接触する。そして、上炉室本体12、炉室フランジ11及び下エンドカバーはねじによって一体に固定され、且つねじを締めることで、上炉室本体12及び下エンドカバーが反応チャンバー10の軸方向に沿って2つのシールリング143を押し締め、それにより、シールリング143を反応チャンバー10の径方向に沿って膨張変形させ、それによって炉室フランジ11と反応チャンバー10との間の隙間をシールすることを実現する。
【0035】
なお、本実施例では、シールリング143は2つであるが、本発明はこれに限定されず、実際の応用では、シールリング143はまだ1つ又は3つ以上であってもよい。この場合、シールスペーサーリングの構造及び数に対して適応的な改良を行うことができ、シールリングを固定できればよい。
【0036】
別の技術案として、本発明の実施例はさらに成長炉を提供し、それは反応チャンバー、上室及び下室を含み、上室と下室はそれぞれ反応チャンバーの上端と下端に套設され、そして、上室及び下室はいずれも下から上に順に積層されたフランジエンドカバー、炉室フランジ及び炉室本体を含み、そのうち、炉室フランジの内周壁と反応チャンバーの外周壁との間に環状隙間を有し、該環状隙間内にチャンバーシールアセンブリが設けられ、炉室フランジと反応チャンバーとの密封を実現することに用いられる。該チャンバーシールアセンブリは本発明の実施例が提供する上記チャンバーシールアセンブリを使用する。
【0037】
本実施例では、成長炉は真空コネクタ、排気配管及び排気ポンプを含み、そのうち、真空コネクタは第2排気通路の第2端に接続され、排気配管はそれぞれ排気ポンプ及び真空コネクタに接続される。
【0038】
本発明の実施例が提供する成長炉によれば、それは本発明の実施例が提供する上記チャンバーシールアセンブリを使用することによって、空気が反応チャンバー内に漏れることを回避できるだけでなく、チャンバーの取り外し・メンテナンスの効率を向上させ、反応チャンバーの損傷を引き起こすリスクを回避することができる。
【0039】
理解できるように、以上の実施形態は単に本発明の原理を説明するために使用される例示的な実施形態であるが、本発明はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の精神及び趣旨を逸脱しない場合に、様々な変形や改良を行うことができ、これらの変形や改良も本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0040】
10 反応チャンバー
11 炉室フランジ
111 第2排気通路
12 上炉室本体
13 エンドカバー
14 チャンバーシールアセンブリ
141 上裏当てリング
142 下裏当てリング
143 シールリング
144 シールスペーサーリング
1441 排気孔
1442 環状凹溝
図1
図2
図3
図4