(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】超音波加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
B23K20/10
(21)【出願番号】P 2018223385
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】307044493
【氏名又は名称】株式会社アドウェルズ
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100178995
【氏名又は名称】丸山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】中居 誠也
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/057961(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/097727(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物をその加工方向に相対的に移動させつつ超音波により加工する超音波加工装置において、
上下方向に移動可能で、かつ、回転可能に設けられた移動手段と、
前記移動手段に取り付けられ、振動子および該振動子により発生する超音波振動に共振するホーンを有する超音波振動手段と、
前記ホーンの下方に配設され前記ホーンとの間で前記被加工物を挟持するステージと、
前記移動手段に取り付けられて前記ホーンの下面付近に配設されて、前記移動手段の上下動および回転により前記ホーンとともに上下移動および回転移動し、少なくとも前記被加工物の幅方向の両端それぞれに対する位置を検出する第1、第2検出手段と、
前記第1、第2検出手段による検出データを取り込み、前記移動手段の上下の移動および回転を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
水平な基準面に対する前記第1、第2検出手段それぞれの相対位置の検出データに基づき、前記
移動手段を制御して前記ホーンの下面が水平になるように調整する初期設定を行い、
前記ステージと前記ホーンとの間に配置されて前記加工方向に移動される前記被加工物に対し、前記第1、第2検出手段により前記被加工物の上面の前記両端それぞれに対する位置を検出して、初期設定により水平に調整された前記ホーンの下面に対する前記被加工物の上面の傾きを導出し、前記移動手段を回転させることにより、前記ホーンの下面の傾きが、導出した前記被加工物の上面の傾きに一致するように調整しながら前記超音波振動手段を制御して前記被加工物を超音波加工する
ことを特徴とする超音波加工装置。
【請求項2】
前記第1、第2検出手段は、前記ホーンに対し、前記加工方向に移動される前記被加工物の前記加工方向の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
【請求項3】
前記被加工物表面のほぼ中央に対する位置を検出する第3検出手段をさらに備え、
前記第1、第2検出手段と前記第3検出手段は、前記ホーンを挟むように上流側と下流側に分かれて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波加工装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記ステージと前記ホーンとの間に配置された前記被加工物の表面の上下位置の変化を検知して超音波振動手段の上下位置を調整する調整手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
【請求項5】
前記第1、第2検出手段の下端が、前記ホーンの下面と同一水平面内に配置され、
前記制御手段は、
前記移動手段を前記基準面に向かって移動させることにより、前記超音波振動手段を前記第1、第2検出手段とともに上下に移動させ、前記第1検出手段または前記第2検出手段のいずれかの下端が前記基準面に当接した状態から、前記第1、第2検出手段の下端がともに前記基準面に当接するように、前記移動手段を回転させることにより、前記超音波振動手段および前記第1、第2検出手段を回転させて、前記初期設定を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
【請求項6】
前記被加工物は少なくとも2つの被溶着物が重ね合されてなり、
前記2つの被溶着物が、前記超音波振動手段による連続的な超音波の印加により連続溶着されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
【請求項7】
前記ホーンの下端に取り付けられ前記ホーンの下面に平行に刃面が設定された切断刃を備え、
前記被加工物は
、搬送手段による搬送が所定位置ごとに停止され、停止中に前記超音波振動手段による超音波の印加によって切断加工されるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
【請求項8】
前記移動手段は、上下方向を含む他の方向にも移動可能で3次元的に移動するものであることを特徴する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の超音波加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を超音波により溶着、切断等の加工を行う超音波加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被加工物を溶着したり、切断したりするのに超音波振動が使用されており、超音波振動するホーン、或いは、ホーンの下端に取り付けられた切断刃と、被加工物を支持する支持体との間に被加工物を配置し、ホーンの超音波振動を被加工物に与えることにより、被加工物の溶着或いは切断を行っている。このとき、ホーンの下面、或いは、ホーンに取り付けられた切断刃の刃面と、被加工物の上面とが平行に保持されていない場合、被加工物を全面にわたって均一に溶着できずに溶着むらが生じ、切断では切り残しが発生するなどの問題が生じるおそれがある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のような倣い機構を、被加工物を搭載する搭載部に設け、この倣い機構により搭載部の搭載面を水平な倣い基準面に倣い調整し、倣い調整後の水平な搭載部に被加工物を搭載し、既に水平に保持されたホーンの下面、或いは、既に水平に保持された切断刃の刃面と、被加工物とを平行に保持した状態で、ホーン或いは切断刃により、被加工物を超音波により溶着あるいは切断することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-212214号公報(段落0050~0059および
図1~
図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、被加工物を搭載する搭載部は水平に調整されるものの、被加工物の厚みが一定でその上面が水平であるとは限らず、このように上面が水平ではない被加工物を溶着したり切断したりするには、被加工物の上面が常に水平に保持されるように倣い調整するか、ホーンの下面或いは切断刃の刃面を被加工物の上面に対して平行になるように倣い調整する必要が生じる。
【0006】
特に、所定の加工方向に移動される被加工物を例えば全面にわたって連続的に溶着する場合に、上記した特許文献1に記載のような倣い機構では、移動される被加工物の上面をリアルタイムで水平に倣い調整してホーンの下面に対して平行に常に保持することができないことから、移動される被加工物を全面にわたり連続的に溶着することができないという不都合が生じる。また、被加工物を移動しつつ一定間隔ごとに切断する場合も同様に、被加工物の上面全面をリアルタイムでホーンに取り付けた切断刃の刃面に対して平行に保持することができないため、移動される被加工物を切り残しなく切断することが困難である。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、被加工物の表面の傾きをリアルタイムで検出し、超音波振動手段のホーン下面が、検出した被加工物表面の傾きに一致するようにリアルタイムで調整しつつ、被加工物を超音波加工することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明に係る超音波加工装置は、被加工物をその加工方向に相対的に移動させつつ超音波により加工する超音波加工装置において、上下方向に移動可能で、かつ、回転可能に設けられた移動手段と、前記移動手段に取り付けられ、振動子および該振動子により発生する超音波振動に共振するホーンを有する超音波振動手段と、前記ホーンの下方に配設され前記ホーンとの間で前記被加工物を挟持するステージと、前記移動手段に取り付けられて前記ホーンの下面付近に配設されて、前記移動手段の上下動および回転により前記ホーンとともに上下移動および回転移動し、前記被加工物の幅方向の両端それぞれに対する位置を検出する第1、第2検出手段と、前記第1、第2検出手段による検出データを取り込み、前記移動手段の上下の移動および回転を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、水平な基準面に対する前記第1、第2検出手段それぞれの相対位置の検出データに基づき、前記移動手段を制御して前記ホーンの下面が水平になるように調整する初期設定を行い、前記ステージと前記ホーンとの間に配置されて前記加工方向に移動される前記被加工物に対し、前記第1、第2検出手段により前記被加工物の上面の前記両端それぞれに対する位置を検出して、初期設定により水平に調整された前記ホーンの下面に対する前記被加工物の上面の傾きを導出し、前記移動手段を回転させることにより、前記ホーンの下面の傾きが、導出した前記被加工物の上面の傾きに一致するように調整しながら前記超音波振動手段を制御して前記被加工物を超音波加工することを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、ステージとホーンとの間に配置されて加工方向に相対的に移動される被加工物の幅方向の両端それぞれに対する位置が第1、第2検出手段により検出され、第1、第2検出手段による検出データに基づき、制御手段により初期設定されて水平に調整されたホーンの下面に対する被加工物の上面の幅方向における傾きが導出され、移動手段が制御手段により制御されて回転され、ホーンの下面の傾きが、導出された被加工物の上面の幅方向における傾きに一致するように調整される。そのため、被加工物の上面の幅方向における傾きをリアルタイムで検出しながら、ホーンの下面を被加工物の上面の傾きに合わせつつ、加工方向に移動される長尺の被加工物を超音波加工することができる。
【0010】
また、前記第1、第2検出手段は、前記ホーンに対し、前記加工方向に移動される前記被加工物の前記加工方向の上流側に配置されているとよい。こうすると、被加工物の加工方向の上流側で被加工物の上面の傾きをリアルタイムで検知し、検知した傾きをフィードバックすることにより、加工前にホーンの下面の傾きを調整して被加工物を超音波加工することができ、リアルタイムでホーンの下面を被加工物の上面の傾きに合わせることができる。
【0011】
また、前記被加工物表面のほぼ中央に対する位置を検出する第3検出手段をさらに備え、前記第1、第2検出手段と前記第3検出手段は、前記ホーンを挟むように上流側と下流側に分かれて配置されているとよい。こうすると、第1、第2検出手段に加えて第3検出手段を設けることで、3点で被加工物の表面の3次元的な傾きを検知することができ、被加工物の表面の加工方向への傾きに追従してホーンの加工方向への傾きも調整することができ、ホーンの上下の中心軸が被加工物の表面に対して常に垂直に接するように、リアルタイムでホーンの3次元的な傾きを調整しつつ被加工物の超音波加工を行うことが可能になる。
【0012】
また、前記移動手段は、前記ステージと前記ホーンとの間に配置された前記被加工物の表面の上下位置の変化を検知して超音波振動手段の上下位置を調整する調整手段を備えるとよい。
【0013】
こうすると、被加工物の厚みを含む表面の上下位置が一定ではなくばらついていても、調整手段によって、被加工物の厚みを含む表面の上下位置の変動にリアルタイムで追従して超音波振動手段の上下位置が調整されるため、厚みを含む表面の上下位置にばらつきを有する被加工物を均質に超音波加工することができる。
【0014】
また、前記第1、第2検出手段の下端が、前記ホーンの下面と同一水平面内に配置され、前記制御手段は、前記移動手段を前記基準面に向かって移動させることにより、前記超音波振動手段を前記第1、第2検出手段とともに上下に移動させ、前記第1検出手段または前記第2検出手段のいずれかの下端が前記基準面に当接した状態から、前記第1、第2検出手段の下端がともに前記基準面に当接するように、前記移動手段を回転させることにより、前記超音波振動手段および前記第1、第2検出手段を回転させて、前記初期設定を行うようにするとよい。こうすると、ホーンの下面が水平になるように調整する初期設定を、精度よく行うことができる。
【0015】
また、前記被加工物は少なくとも2つの被溶着物が重ね合されてなり、前記2つの被溶着物が、前記超音波振動手段による連続的な超音波の印加により連続溶着されるのが望ましい。このような構成によれば、長尺の被加工物を成す2つの被溶着物を全面にわたって連続的に均質に超音波溶着することができる。
【0016】
また、前記ホーンの下端に取り付けられ前記ホーンの下面に平行に刃面が設定された切断刃を備え、前記被加工物は、搬送手段による搬送が所定時間ごとに停止され、停止中に前記超音波振動手段による超音波の印加によって切断加工されるものであってもよい。このような構成によれば、長尺の被加工物の上面の傾きに切断刃の刃面を合わせつつ、長尺の被加工物を例えば一定間隔ごとに切り残しなく超音波切断することができる。
【0017】
また、前記移動手段は、上下方向を含む他の方向にも移動可能で3次元的に移動するものであってもよい。こうすると、超音波振動手段のホーンの下面の傾きを3次元的に調整することができ、ホーンの縦方向の中心軸を常に被加工物の表面に対して垂直に保持して加工することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ホーンの下面の傾きを、被加工物の上面の幅方向における傾きに一致するように調整されるため、ホーンの下面を、被加工物の上面の幅方向における傾きにリアルタイムで合わせながら、所定の加工方向に移動される被加工物を均質に超音波加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る超音波溶着装置の左側面図である。
【
図5】第1実施形
態の動作説明用フローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る超音波切断装置の一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
本発明を超音波溶着装置に適用した第1実施形態について
図1ないし
図5を参照して説明する。
【0021】
(装置構成)
図1、
図2に示すように、超音波溶着装置1は、右側面視がコ字状をなす固定の取付部材2と、この取付部材2に対し上下方向に移動自在に設けられた第1の移動手段3と、第1の移動手段3をZ軸の双方向に上下駆動する上下駆動手段4と、第1の移動手段3に対し回転自在に設けられた第2の移動手段5と、所定の回転軸周りに第2の移動手段5を回転駆動する回転駆動手段6と、振動子71、ブースタ72およびホーン73を有し、第2の移動手段5に取り付けられた超音波振動手段7と、ホーン73の下方に配設され、2つの重畳された被溶着物から成る被加工物Pをホーン73との間で挟持するステージ8と、被加工物Pを水平方向の加工方向であるY軸方向に搬送する搬送手段(図示省略)と、被加工物Pの幅方向の両端それぞれに対する位置を検出する第1、第2検出手段9a,9bと、第1、第2検出手段9a,9bによる検出データを取り込み、超音波振動手段7、上下駆動手段4、回転駆動手段6および搬送手段を制御するマイクロコンピュータ構成の制御手段10とを備えている。ここで、第1の移動手段3および第2の移動手段5が、本発明における移動手段に相当する。
【0022】
上下駆動手段4は、取付部材2の前方に延出した上端部2aに配置されたモータ41と、取付部材2の上端部2a、および、該上端部2aと同じく前方に延出した下端部2bに上下端が回転自在に保持されモータ41の回転により回転する雄ねじから成るボールねじ42と、取付部材2の前面の左、右端部にそれぞれ設けられた上下方向(Z軸方向)の左、右ガイドレール43a,43bとを備えている。
【0023】
第1の移動手段3は、前面上部に前方に延出して上延出部31aが一体形成されたベース部材31と、ベース部材31の前方に配設され後面下部に後方に延出して下延出部32aが一体形成された支持部材32と、上延出部31aの下面にシリンダチューブ33aが取り付けられた流体シリンダ33と、下延出部32aの上面に設けられた荷重検出用のロードセル34とを備えている。
【0024】
そして、流体シリンダ33のシリンダチューブ33a内を上下動するピストンのロッド33bの下端部が、シリンダチューブ33aから下方に突出し、このロッド33bの下端に下延出部32aが連結されて、支持部材32が流体シリンダ33により上方に牽引されるようにしてベース部材31に連結されている。このとき、図示省略されているが、ベース部材31に対し支持部材32がガイドを介して取り付けられている。また、ロードセル34により検出される流体シリンダ33の荷重データが制御手段10により取り込まれ、ロードセル34の検出荷重が常に予め規定された所定値になるように制御手段10により流体シリンダ33が制御されてベース部材31に対する支持部材32の上下方向(Z軸方向)の位置が調整され、これにより第2の移動手段5さらにはホーン73の下面の上下位置が、後述するように被加工物Pの厚みを含む表面の上下位置の変化に追従して調整されるようになっている。ここで、流体シリンダ33およびロードセル34が、本発明における調整手段に相当する。
【0025】
ところで、第1の移動手段3のベース部材31の後端部には上下方向の貫通孔(図示省略)が透設され、この貫通孔の内面に雌ねじが形成されており、この貫通孔に上下駆動手段4のボールねじ42が螺通されるとともに、ベース部材31の後面の左右端部に形成された上下方向のガイド溝(図示省略)に、上下駆動手段4の、左、右ガイドレール43a,43bそれぞれが嵌まり込んだ状態でベース部材31が上下駆動手段4に取り付けられており、モータ41が回転してボールねじ42が回転することにより、ベース部材31が両ガイドレール43a,43bに沿ってZ軸の双方向である上方または下方に移動する。このようにして、第1の移動手段3が取付部材2に上下動自在に取り付けられて上下駆動手段4により上下に移動する。
【0026】
第2の移動手段5は筒状の基部51を有し、基部51の内側に超音波振動手段7を保持し、基部51の後面中央に後方へ膨出して一体に設けられた回転軸52を中心に回転自在に、第1の移動手段3の支持部材32の前面側に第2の移動手段5が支持されている。このとき、
図1に示すように、第1の移動手段3の支持部材32の前面中央に形成された凹部にはボールベアリング35が埋設されており、このボールベアリング35に回転軸52が内嵌され、第2の移動手段5の基部51が回転軸52の周りに回転するようになっている。
【0027】
回転駆動手段6は、第2の移動手段5の基部51の右側面に取り付けられた収容部61と、該収容部61内に収容されたアクチュエータ部(図示省略)と、該アクチュエータ部の上下方向(Z軸の双方向への)への移動に連動して回転する回転軸62と、第2の移動手段5の基部51の右側面に左端が固着され、右端部に回転軸62が前後方向(Y軸方向)に貫設されて回転軸62に連動して回転する連結部63とを備える。
【0028】
なお、上記したアクチュエータ部はX軸の双方向に移動可能に収容部61に収容されている。このとき、アクチュエータ部の上下動により回転軸62が回転し、連結部63が回転軸62に連動して回転したときに、第2の移動手段5の基部51が連結部63の回転に連動して回転しようとするが、基部51は、回転軸52を中心にして回転自在に第1の移動手段3の支持部材32に支持されているため、基部51は回転軸52を中心に回転することになる。そして、基部51が回転軸52周りに自在に回転する場合、回転駆動手段6側の回転軸62は回転軸52を中心とする円弧を描いて移動するため、回転軸62のこのような回転軸52を中心とする円弧移動を可能にするには、回転軸62を水平方向であるX軸の双方向にフリーに移動可能に支持する必要がある。
【0029】
そこで、上記したように、回転駆動手段6のアクチュエータ部を、X軸の双方向にフリーに移動可能に収容部61に収容している。なお、アクチュエータ部は、モータおよびボールねじ、ベアリングやスライドガイド等の組み合わせから成る周知の構成を有し、アクチュエータ部の上下方向(Z軸の双方向)への移動が回転軸62の回転に変換されるようになっている。
【0030】
ところで、回転駆動手段6には、回転軸62の回転を所定範囲に規制するためのリミッタ64が設けられている。このリミッタ64は、連結部63の右側面に設けられた取付部64aと、取付部64aの上下に配設された上、下リミットセンサ64b,64cと、収容部61の右側面であって上リミットセンサ64bの上方位置および下リミットセンサ64cの下方位置それぞれに設けられた上、下規制部64d,64eとを備えている。
【0031】
そして、連結部63のX軸方向の中心軸が水平状態つまりX軸に平行な状態において、上、下リミットセンサ64b,64cそれぞれから、上、下規制部64d,64eまでの距離が同じ距離になるように、上、下リミットセンサ64b,64cおよび上、下規制部64d,64eの設置位置が初期状態として設定されている。そのため、連結部63のX軸方向の中心軸が水平な状態から、回転軸62の回転によって第2の移動手段5の基部51が回転軸52を中心に回転する際に、上リミットセンサ64bまたは下リミットセンサ64cが上規制部64dまたは下規制部64eに接触するまでの規制範囲内で、基部51の回転が許容されるようになっている。
【0032】
超音波振動手段7は、上記したように振動子71、ブースタ72、ホーン73を有し、ブースタ72の下端とホーン73の上端とが、互いの中心軸が同軸になるように無頭ねじにより連結され、ブースタ72のほぼ中央の位置と両端位置とが、超音波振動の最大振幅点となるように、ブースタ72は共振周波数の一波長の長さに形成されている。このとき、最大振幅点から1/4波長離れた位置は、それぞれ第1および第2最小振幅点に相当する。また、ブースタ72は、上端部側から見た断面が例えば円柱状に形成され、ブースタ72の上端に、ブースタ72の中心軸と同軸になるように振動子71が無頭ねじにより接続されている。
【0033】
そして、ブースタ72の第1最小振幅点および第2最小振幅点において、ブースタ72が第2の移動手段5の基部51に支持され、基部51の内側に把持されるようにして超音波振動手段7が第2の移動手段5に取り付けられている。また、ホーン73は、その両端位置が最大振幅点となるように、超音波振動における共振周波数の半波長の長さに形成され、正面視で矩形状であって側面視で先端に向ってやや先細りする形状に形成されている。
【0034】
第1、第2検出手段9a,9bは、例えば被加工物Pの上面との間の距離を計測する距離センサにより構成され、被加工物Pの表面における幅方向の両端それぞれからの距離から相対的な位置を検出するものであり、ホーン73に対し、搬送手段による被加工物Pの
図1中の矢印に示す搬送方向(Y軸方向)の上流側に配置されている。ここで、第1、第2検出手段9a,9bを構成する距離センサは、接触式或いは非接触式のいずれであってもよいが、1μm単位で計測できるものを使用するのが望ましい。
【0035】
具体的には、
図2、
図3に示すように、左右の取付部15a,15bが第2の移動手段5の基部51の例えば下面の左右の前端に垂下して設けられ、両取付部15a,15bの下端部に第1、第2検出手段9a,9bが取り付けられ、第1、第2検出手段9a,9bの下端を含む面が、ホーン73の下面付近であって該下面と同一水平面内に配置され、上下駆動手段4および回転駆動手段6の動作によりホーン73とともに上下移動し、回転するようになっている。このとき、第1、第2検出手段9a,9b間の距離が、被加工物Pの幅とほぼ同じか、或いは若干狭くなるように第1、第2検出手段9a,9bが取り付けられる。
【0036】
そして、第1、第2検出手段9a,9bの検出データに基づき、制御手段10により、ホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線が水平になるように初期設定され、初期設定により水平に調整されたホーン73に対して被加工物P(ここでは、2つの被溶着物)の上面がどれくらい傾いているかが検出され、被加工物Pの上面の傾きにホーン73の下面の傾きが一致するように回転駆動手段6によりホーン73が回転され、被加工物Pの上面とホーン73の下面とが同じ傾きに調整された状態で、ホーン73とステージ8との間に挟持された状態の被加工物Pに超音波振動が与えられ、被加工物Pが溶着される。このとき、
図4に示すように、被加工物Pの上面の幅方向における傾きがリアルタイムで検出されてホーン73の下面が被加工物Pの上面の傾きに調整されつつ、搬送手段により
図4中の矢印方向に搬送される長尺の被加工物Pを超音波振動による熱によって連続的に溶着される。
【0037】
(初期設定動作)
次に、ホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線を水平に調整する初期設定の手順について、
図5のフローチャートを参照して詳述する。
【0038】
図5に示すように、ほぼ水平に設定されたホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線を水平に調整する初期設定動作がスタートし、予め水平な基準面が準備されてホーン73の下方に配置され、制御手段10により上下駆動手段4が制御されて第1の移動手段3が下動され、ホーン73が下方の基準面に向かって
図1、
図2中のZ軸方向に下動される(ステップS1)。このとき、例えば1~5mm/sの速度で下動させる。
【0039】
次に、第1、第2検出手段9a,9bの検出データに基づき、第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線がホーン73の下面と同一面内に位置するように配置された第1検出手段9aまたは第2検出手段9bのいずれかの下端が基準面に当接したかどうかの判定がなされ(ステップS2)、この判定結果がNOであればステップS1に戻り、判定結果がYESであれば、上下駆動手段4による第1の移動手段3の下動が停止される(ステップS3)。
【0040】
その後、制御手段10により上下駆動手段4が制御されて、第1の移動手段3が上動(Z軸方向)されてホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端が上方に例えば0.1mm上昇され(ステップS4)、制御手段10により回転駆動手段6が制御され、ステップS2において第1検出手段9aのみが当接と判定されていれば回転軸62が
図2中のA矢印方向(時計方向)に、第2検出手段9bのみが当接と判定されていれば回転軸62が
図2中のB矢印方向(反時計方向)に、所定角度(例えば0.5°)回転されてホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線の傾きが調整される(ステップS5)。
【0041】
そして、再び制御手段10により上下駆動手段4が制御されて第1の移動手段3が下動され、ホーン73が
図1、
図2中のZ軸方向に1~2mm/sの速度で最初よりゆっくりと下動され(ステップS6)、第1検出手段9aおよび第2検出手段9bの両方の下端が基準面に当接したかどうかの判定がなされ(ステップS7)、この判定結果がNOであれば、ホーン73の下面は未だ水平に調整されていないことから、上記したステップS3に戻り、回転軸62の回転により回転されてホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線の傾き調整が繰り返される。
【0042】
一方、ステップS7の判定結果がYES、つまり第1、第2検出手段9a,9bの両方の下端が基準面に当接していれば、ホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線が、水平な基準面に一致したとして、上下駆動手段4による第1の移動手段3の下動が停止され(ステップS8)、ホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線が水平に調整され、そのときの第1、第2検出手段9a,9bの検出データ(検出距離)とともに、回転駆動手段6による回転軸62の回転角度が初期値として制御手段10の内蔵メモリに記憶され、初期設定が完了し(ステップS9)、その後動作は終了する。
【0043】
(溶着動作)
ホーン73の下面および第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線が水平な状態に初期設定された後、
図1に示すように、ステージ8とホーン73との間に配置されて図外の搬送手段により
図1、
図4中の矢印方向(Y軸方向)に搬送される被加工物Pに対し、第1、第2検出手段9a,9bにより被加工物Pの上面の両端それぞれに対する位置がリアルタイムで検出される。そして、第1、第2検出手段9a,9bの検出データが制御手段10に取り込まれ、制御手段10により、初期設定によって水平に設定された状態のホーン73の下面に対する被加工物Pの上面の傾きが導出され、被加工物Pの上面が水平から傾いていれば、その傾きに応じてホーン73の下面を傾けるべく、制御手段10により回転駆動手段6が制御されて第2の移動手段5がメモリに記憶された初期値の回転角度から必要な角度だけ回転される。
【0044】
こうして、ホーン73の下面の傾きが、導出された被加工物Pの上面の傾きに一致するようにリアルタイムで調整されるとともに、流体シリンダ33によりホーン73に所定の加圧力が加えられてステージ8上の被加工物Pが加圧されつつ、制御手段10による超音波振動手段7の制御により、被加工物Pに超音波振動が与えられて溶着され、このようなリアルタイムでのホーン73の下面の傾き調整と超音波による溶着がリアタイムで繰り返され、被加工物Pの連続溶着が行われる。なお、溶着時のホーン73の加圧力はロードセル34の検出荷重に基づいて調整される。
【0045】
ところで、2枚の長尺の被溶着物を重ね合せて成る被加工物Pの厚みは一定ではなく変動するため、流体シリンダ33およびロードセル34の作用によって、被加工物Pの厚みを含む表面の上下位置の変動に応じてホーン73のZ軸方向の高さ位置がリアルタイムで調整される。
【0046】
すなわち、
図1に示すように、例えば搬送中の被加工物Pの厚みが溶着工程の途中で厚くなると、ロードセル34により検出される流体シリンダ33の荷重が予め規定された所定値の状態から増加し、搬送中の被加工物Pの厚みが溶着工程の途中で薄くなると、ロードセル34により検出される流体シリンダ33の荷重が上記所定値の状態から減少する。そのため、溶着時にロードセル34の検出データを制御手段10に取り込み、制御手段10により、ロードセル34の検出荷重が常に上記所定値になるように流体シリンダ33が制御されてベース部材31に対する支持部材32の上下方向(Z軸方向)の位置が調整され、被加工物Pの厚みを含む表面の上下位置の変動に応じてホーン73のZ軸方向の高さ位置がリアルタイムで調整される。なお、このようなホーン73の下面の高さ位置の調整は、ホーン73の下面の傾き調整と並行して行うことが可能である。
【0047】
なお、溶着される被加工物Pを構成する2つの被溶着物は、樹脂と樹脂、樹脂と金属、金属と金属の組み合わせからであるのが望ましく、その他の素材であってもよい。
【0048】
したがって、第1実施形態によれば、ステージ8とホーン73との間に配置されて搬送される被加工物Pの幅方向の両端それぞれに対する位置が第1、第2検出手段9a,9bにより検出され、第1、第2検出手段9a,9bによる検出データに基づき、制御手段10により初期設定されて水平に調整されたホーン73の下面に対する被加工物Pの上面の幅方向における傾きが検出され、回転駆動手段6が制御手段10により制御されて第2の移動手段5が回転され、ホーン73の下面の傾きが、検出された被加工物Pの上面の幅方向における傾きに一致するように調整されるため、被加工物Pの上面の幅方向における傾きをリアルタイムで検出しながら、ホーン73の下面を被加工物Pの上面の傾きに合わせつつ、搬送される長尺の被加工物Pを全面にわたり均質にむらなく超音波溶着することができる。
【0049】
また、被加工物Pの厚みを含む表面の上下位置が一定ではなくばらついていても、流体シリンダ33およびロードセル34を備える調整手段の動作により、搬送手段により搬送される被加工物Pの厚みを含む表面の上下位置の変動にリアルタイムで追従してホーン73の下面の高さ位置が調整されるため、表面の上下位置にばらつきを有する被加工物Pであっても均質に超音波加工することができる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、本発明を超音波切断装置に適用した第2実施形態について
図6、
図7を参照して説明する。
【0051】
本実施形態における超音波切断装置1aの構成は、上記した超音波溶着装置1とほぼ同じであり、超音波振動手段7のホーン73の下端部に切断刃75が取り付けられ、微調整手段を構成する流体シリンダ33およびロードセル34が不要であって、切断時等の切断刃75の荷重を検出するための他のロードセル(図示省略)を設けた点が上記した第1実施形態と異なる。
【0052】
このとき、第1、第2検出手段9a,9bの下端を結ぶ線は、切断刃75の下端の刃面と同一面内か或いは当該刃面よりも所定量だけ上方に位置するように設定しておくとよい。
【0053】
そして、第1実施形態と同様の初期設定処理により、切断刃75の刃面および第1、第2検出手段9a,9bの下端の検出面が水平に調整された後、リアルタイムで切断対象となる被加工物Pの表面の傾きに応じて切断刃75の刃面の傾きが調整され、搬送手段による搬送が所定位置ごとに停止されて当該停止中に超音波振動手段7による超音波がホーン73を介し切断刃75に与えられて被加工物Pが切断され、搬送手段による被加工物Pの搬送が再開され、その後、搬送停止と切断、および搬送再開が繰り返されて長尺の被加工物Pが切断される。
【0054】
ここで、上記した超音波切断装置1aは、シリコーンや軟質樹脂、その他の可撓性を有する樹脂、エラストマー,軟質ゴムなどの被加工物Pを切断することができる。また、切断刃75は、高炭素鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度鋼、焼結高速度鋼、超硬合金、セラミックス、サーメット、工業用ダイヤモンド、電鋳ダイヤモンドなどの種々の材質により形成することができ、熱硬化性や熱可塑性の性質を有する樹脂接着剤や、Ni、Cu、Agなどの金属ろう、はんだなどの接着材によって接着されることによりホーン73に取り付け、或いはねじによりホーン73に直接取り付けるとよい。さらに、切断刃75の刃先を、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)により、窒化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond-like Carbon)などの硬質物質によりコーティングするとよい。
【0055】
したがって、第2実施形態によれば、搬送手段により搬送される長尺の被加工物Pの上面の傾きに切断刃75の刃面をリアルタイムで合わせることができるため、長尺の被加工物Pを従来のように切り残しが生じることなく超音波切断することができる。
【0056】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、被加工物Pは必ずしも長尺である必要はなく、所定の加工方向に相対的に移動されるものであってもよい。
【0057】
また、上記した実施形態において、上下動駆動手段4や回転駆動手段6をなくして第1の移動手段3を多関節ロボットに接続し、第1の移動手段3を、上下左右前後方向の移動および回転を含む3次元的に移動可能に支持して、超音波振動手段7を上下左右前後に移動可能でかつ回転可能に支持し、搬送手段によらずして装置1,1a全体を加工方向に移動させて被加工物Pを相対的に加工方向に移動させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記した第1実施形態の溶着に代えて、搬送方向(加工方向)に移動(搬送)される長尺の基材の表面に、例えば一定間隔で基材よりも小さい複数の接合物を超音波により連続して接合する場合にも、本発明を適用することが可能である。この場合にも、ホーン73の下面を、例えば長尺の基材表面の傾き、或いは、各接合物の表面の傾きに合わせるようにリアルタイムで調整しつつ接合することができる。この場合にも、多関節ロボットを使用してもよいのは勿論である。
【0059】
また、上記した第1、第2検出手段9a,9bは、ホーン73に対し、被加工物Pの
図1中の矢印に示す搬送方向(加工方向)の下流側に配置されていてもよい。こうすると、ホーン73による被加工物Pの加工の仕上がりを検知することができ、例えば溶着の場合、第1検出手段9a側と第2検出手段9b側との被加工物Pの溶着の仕上がりの差を把握することができ、仕上がりの差がなくなるようにホーン73の傾きを調整することで、このような差をなくすことが可能になる。
【0060】
また、第3実施形態として、
図8に示すように、第1の移動手段3を3次元的に移動可能に多関節ロボット100に取り付けてもよく、こうすると、第1の移動手段3、上下駆動手段4、第2の移動手段5、回転駆動手段6および超音波振動手段7を、上下左右前後方向の移動および回転を含む3次元的に移動させることが可能になり、ホーン73の下面の傾きも3次元的に調整することができる。
【0061】
そこで、例えば
図9に示すように、ホーン73を挟むように上流側に第1、第2検出手段9a,9bを配置し、同様に被加工物Pの表面に対する位置を検出する第3検知手段9cを下流側に配置することにより、第1、第2検出手段9a,9bおよび第3検出手段9cにより被加工物Pの表面に対する3点の位置を検出でき、被加工物Pの表面の3次元的な傾きに追従してホーン73の下面の傾きも3次元的に調整することができ、ホーン73の上下の中心軸が被加工物Pの表面に対して常に垂直に接するように調整して溶着等の加工を行うことができる。
【0062】
なお、
図9に示す第1、第2検出手段9a,9bを下流側、第3検出手段9cを上流側に配置してもよい。
【0063】
そして、本発明は、長尺の被加工物を超音波振動により加工する装置すべてに適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 …超音波溶着装置(超音波加工装置)
1a …超音波切断装置(超音波加工装置)
3 …第1の移動手段
4 …上下駆動手段
5 …第2の移動手段
6 …回転駆動手段
7 …超音波振動手段
8 …ステージ
9a,9b …第1、第2検出手段
P …被加工物
73 …ホーン
75 …切断刃