(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】車両用表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20220819BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220819BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20220819BHJP
【FI】
B60R16/02 640K
B60R16/02 630J
B60R11/02 C
G06F3/04812
(21)【出願番号】P 2018104617
(22)【出願日】2018-05-31
【審査請求日】2021-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村澤 透
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-093550(JP,A)
【文献】特開平07-114859(JP,A)
【文献】特開2018-37941(JP,A)
【文献】特開2013-25579(JP,A)
【文献】特表2011-526037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60R 11/02
G06F 3/04812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メニュー(500)及びポインタ(520)の表示を制御する車両用表示制御装置(20)と、前記メニュー(500)及び前記ポインタ(520)を表示する表示装置(10)と、ユーザの操作に応じて、前記ポインタ(520)の位置を指定する位置信号、及び前記メニュー(500)に含まれる1つの項目(510)を選択するための選択信号を発生させる選択装置(200)と、前記ユーザによって最終的に選択された項目(510)に対応する、車載機器(400)の操作処理を実行する動作実行装置(26)と、を有する車載機器操作システム(100)に用いられる前記車両用表示制御装置(21)であって、
複数の前記項目(510)を含む前記メニュー(500)の画像の生成を制御する情報処理部(22)と、前記情報処理部(22)の制御の下で前記メニュー(500)の画像を生成する画像生成部(23)と、を有し、
前記情報処理部(22)は、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn(nは2以上の自然数)番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定した場合、前記ポインタ(520)にn番目の前記項目(510)を指定さ
せ、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定し、n番目の前記項目(510)を指定する位置から所定値だけ離れた場合、前記ポインタ(520)にn+1番目の前記項目(510)を指定させる、ことを特徴とする車両用表示制御装置。
【請求項2】
前記選択装置(200)の操作が開始された際に入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のk(kは自然数)番目の前記項目(510)を指定していた場合、n=k+m(mは自然数であり、1≦m<k)又は/及びn=k-mである、ことを特徴とする
請求項1に記載の車両用表示制御装置。
【請求項3】
メニュー(500)及びポインタ(520)の表示を制御する車両用表示制御装置(20)と、前記メニュー(500)及び前記ポインタ(520)を表示する表示装置(10)と、ユーザの操作に応じて、前記ポインタ(520)の位置を指定する位置信号、及び前記メニュー(500)に含まれる1つの項目(510)を選択するための選択信号を発生させる選択装置(200)と、前記ユーザによって最終的に選択された項目(510)に対応する、車載機器(400)の操作処理を実行する動作実行装置(26)と、を有する車載機器操作システムであって、
複数の前記項目(510)を含む前記メニュー(500)の画像の生成を制御する情報処理部(22)と、前記情報処理部(22)の制御の下で前記メニュー(500)の画像を生成する画像生成部(23)と、を有し、
前記情報処理部(22)は、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn(nは2以上の自然数)番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定した場合、前記ポインタ(520)にn番目の前記項目(510)を指定さ
せ、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定し、n番目の前記項目(510)を指定する位置から所定値だけ離れた場合、前記ポインタ(520)にn+1番目の前記項目(510)を指定させる、ことを特徴とする車載機器操作システム。
【請求項4】
メニュー(500)及びポインタ(520)の表示を制御する車両用表示制御装置(20)と、前記メニュー(500)及び前記ポインタ(520)を表示する表示装置(10)と、ユーザの操作に応じて、前記ポインタ(520)の位置を指定する位置信号、及び前記メニュー(500)に含まれる1つの項目(510)を選択するための選択信号を発生させる選択装置(200)と、前記ユーザによって最終的に選択された項目(510)に対応する、車載機器(400)の操作処理を実行する動作実行装置(26)と、を有する車載機器操作システム(100)に用いられる前記車両用表示制御装置(21)によって実行されるGUIプログラムであって、
前記車両用表示制御装置(21)に、
複数の前記項目(510)を含む前記メニュー(500)の画像を生成する第1の処理と、
前記メニュー(500)のうち単一の前記項目(510)を指定していることを示す前記ポインタ(520)の画像を生成する第2の処理と、を実行させ、
前記第2の処理は、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn(nは2以上の自然数)番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定した場合、前記ポインタ(520)にn番目の前記項目(510)を指定させる処理
と、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定し、n番目の前記項目(510)を指定する位置から所定値だけ離れた場合、前記ポインタ(520)にn+1番目の前記項目(510)を指定させる処理と、を含む、ことを特徴とするGUIプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車等の車両に搭載される車両用表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドルを握って車両を運転しているユーザ(運転者)は、前方を注視しつつ、ブラインドタッチで車両用のポインティングデバイスを直観的に操作し、メニュー画像を表示させ、極めて短時間で項目を選択する必要がある。したがって、例えば、デスクトップパソコン等で、マウス等のポインティングデバイスを用いてメニュー画像を選択する場合に比べて、精度あるいはポインティングデバイスの操作速度の点で劣るのはやむを得ない。したがって、車載機器を操作する際に、冗長な操作が極力生じないように配慮することが望まれる。
【0003】
このため、例えば、特許文献1に、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等の表示装置に表示された車載機器の項目を示すラジアル操作メニューを、ポインティングデバイスによりユーザがブラインド操作で選択できるようにした車載機器操作システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ラジアル操作メニューとは、所定の点を中心とした円の軌道上に複数の選択アイコンが配列されたメニュー形式である。ハンドル(ステアリングホイール)を把持したユーザが親指で操作可能な位置に円状に配置された接触センサが設けられ、親指が触れる接触センサの位置に基づき、ラジアル操作メニューにおける単一の項目を選択する。
【0006】
ユーザ(運転者)は、車両を運転しながら接触センサにより操作を行うため、上述したようにディスプレイに視覚的注意を向けながらパソコンのポインティングデバイスを操作する場合に比べて操作精度が低下する。したがって、意図した項目を過ぎた操作をしてしまい、慎重な再操作が必要となり、目的とする項目に辿り着くまでに冗長な操作を必要とし、目的とする項目に迅速に辿り着くことができない、といった不都合があった。
【0007】
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、冗長な操作を省き、目的とする項目に迅速に辿り着くことができる、車両用表示制御装置、車載機器操作システム、及びGUIプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0010】
第1の態様において、車両用表示制御装置(21)は、
メニュー(500)及びポインタ(520)の表示を制御する車両用表示制御装置(20)と、前記メニュー(500)及び前記ポインタ(520)を表示する表示装置(10)と、ユーザの操作に応じて、前記ポインタ(520)の位置を指定する位置信号、及び前記メニュー(500)に含まれる1つの項目(510)を選択するための選択信号を発生させる選択装置(200)と、前記ユーザによって最終的に選択された項目(510)に対応する、車載機器(400)の操作処理を実行する動作実行装置(26)と、を有する車載機器操作システム(100)に用いられる前記車両用表示制御装置(21)であって、
複数の前記項目(510)を含む前記メニュー(500)の画像の生成を制御する情報処理部(22)と、前記情報処理部(22)の制御の下で前記メニュー(500)の画像を生成する画像生成部(23)と、を有し、
前記情報処理部(22)は、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn(nは2以上の自然数)番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定した場合、前記ポインタ(520)にn番目の前記項目(510)を指定させ、
前記選択装置(200)から入力した前記位置信号が、前記メニュー(500)のn番目の前記項目(510)を指定してから隣り合うn+1番目の前記項目(510)を指定し、n番目の前記項目(510)を指定する位置から所定値だけ離れた場合、前記ポインタ(520)にn+1番目の前記項目(510)を指定させる。
【0011】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る車載機器操作システムの全体構成図である。
【
図2】車載機器操作システムで使用される選択装置の外観図であり、(a)は、表面図、(b)は断面図である。
【
図3】ラジアル操作メニューの具体例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る車両用表示制御装置の構成図である。
【
図5】ラジアル操作メニューの一例を示す図であり、選択装置による操作位置との対応関係も示している。
【
図6】ラジアル操作メニューの一例を示す図であり、選択装置による操作位置との対応関係も示している。
【
図7】ラジアル操作メニューの一例を示す図であり、選択装置による操作位置との対応関係も示している。
【
図8】ラジアル操作メニューの一例を示す図であり、選択装置による操作位置との対応関係も示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0014】
(実施形態の構成)
図1を参照する。
図1は、本発明の実施の形態(以下、単に、本実施形態という)に係る車載機器操作システム100の全体構成図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の車載機器操作システム100は、表示装置10と、制御装置20と、例えば、ステアリングホイール3に設けられ、ユーザ(ここでは運転者とする)が指(手)で操作可能な選択装置200と、を備える。又、車両ECU401、ナビ(ナビゲーション)ECU402、オーディオECU403、空調ECU404、通信機器からなる外部通信部405等の車載機器400を有し、これらは、バス(BUS)を介して、車載機器操作システム100の図示しない入出力I/Fに接続されている。
【0016】
表示装置10は、実像及び虚像の画像の少なくとも一方を表示可能であり、ここでは、例えば、虚像を表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)装置を搭載するものとし、このHUD装置によって、ウインドシールド(フロントガラス等)2の虚像表示領域(図中、破線の四角で示される虚像表示可能領域101)内に虚像を表示する。
【0017】
図1では、虚像として、ラジアル操作メニュー500(V)が表示されている。なお、符号500(V)の「(V)」は、虚像であることを示している。ここで、ラジアル操作メニューとは、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、この2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した部分円(セクタ領域)に、それぞれ項目を割り当てたメニュー形式をいう。ただし、ラジアル操作メニューは、所定の点を中心とした、円軌道上、楕円軌道上、矩形などの多角形軌道上に、複数の項目(アイコンなども含む)が配列されたメニュー形式も含んでもよい。
【0018】
また、符号520は、ユーザの指(手)の動き(選択装置200が検出する)に応じて位置が変化するポインタ520(ここでは、時計の針のように、時計回りあるいは反時計回りに移動する)である。このポインタ520は、ラジアル操作メニュー500(V)に含まれる複数の項目のうちの1つを指定する機能を有する。
【0019】
本実施形態の車載機器操作システム100において、表示装置10として使用されるHUD装置の内部構成の一例が
図2に示されている。HUD装置は、自動車などの車両のダッシュボードに搭載される。HUD装置は、表示光をウインドシールドに照射し、表示光を車両前方の実景と重ねてユーザに視認させる表示装置である。
【0020】
なお、表示装置10は、インストルパネル内又はインストルパネル上に設けられる表示パネル等の表示器であってもよく、HUD装置と表示器とが併用されてもよい。
【0021】
説明を
図1に戻す。車載機器400(車両ECU401、ナビECU402、オーディオECU403、空調ECU404、外部通信部(通信機器)405)は、車載機器情報を、バス(BUS)を介して車載機器操作システム100に送る。
【0022】
ここで、車両ECU401は、車両1の走行モード(ECOモード、SPORTモード)、平均燃費、走行可能距離(航続可能距離)、水温、油温などを出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、車両1の走行モードを示し、あるいは選択されることで走行モードを変更可能とする画像(選択画像)を表示したり、平均燃費、走行可能距離(航続可能距離)、水温、油温等を表示したりする。1つのメニュー項目510が選択された場合には、さらに、車両1に関する詳細情報に関するメニュー項目510をラジアル操作メニュー500(V)内に表示してもよい。
【0023】
ナビECU402は、次の分岐路の方向及び分岐路までの距離に関する情報や、車両1の経路付近に位置するオススメの経由地に関する施設情報や、これを経由した場合にロスする時間などの情報を出力可能である。制御装置20に含まれる表示制御装置(
図6の符号201)は、上記の情報に基づき、例えば、次の分岐路の方向及び分岐路までの距離、経路案内のオン/オフを切り替える画像、オススメの経由地に関する施設情報、及び経由地を設定する画像等の少なくとも1つをメニューとして表示することができる。
【0024】
オーディオECU403は、オススメの音楽に関する情報などを出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、オススメの音楽(オーディオ)に関する情報や、楽曲を選択するための画像をメニューとして表示することができる。
【0025】
空調ECU404は、現在の空調状態に関する情報等を出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、現在の空調状態に関する情報や、空調状態を変更可能とする画像を表示することができる。
【0026】
外部通信部405は、着信状態やメール受信情報など、車両1の外部からの情報を出力可能である。制御装置20は、上記した情報に基づき、着信があること、メール受信があることを示す情報、電話を受話する又はメールを音声で読ませることが可能な画像等をメニューとして表示することができる。
【0027】
次に、
図2を参照して、選択装置200の構成を説明する。
図2(a)は、選択装置200の外観を示す図、
図2(b)は、
図2(a)におけるb-b線に沿う断面構造を示す図である。ここでは、選択装置200が、
図1において示したラジアル操作メニュー500(V)における項目を選択することに用いられることを想定して説明する。
【0028】
選択装置200は、ユーザの親指等が操作面に触れた位置(操作位置C)を検出するタッチセンサであり、
図2(B)に示すように、表面カバー211と、センサシート212と、スペーサ213と、を備える。選択装置200は、ユーザが、親指等でその操作面上を触れる操作(以下、タッチ操作という)あるいは所定の軌跡を描くようになぞる操作(以下、ジェスチャ操作という)を行った際に、ユーザの親指等が操作面に触れている位置(操作位置C)を検出して、操作位置Cを示す信号(位置信号)を出力し、ユーザによる選択(決定)がなされると、その選択(決定)を検出して、例えば、選択(決定)がなされたことを示す信号(選択信号、言い換えれば選択(決定)検出信号)を出力する。
【0029】
選択装置200における表面カバー211は、合成樹脂等の遮光性の絶縁材料によってシート状に形成され、凸状断面の立体形状が、中心点Qを中心とする円の円周に沿って連続的に形成された凸部(凸領域)211a(
図2(A)において、放射状の模様が付された領域)と、凸部(凸領域)211aに連接する比較的平坦な平坦部(平坦領域)211bと、を有する。凸部(凸領域)211aは、山状の断面(凸状断面)を有し、その山(凸形状)は、中心点Qに向かう方向(内側)に長く、その反対方向である外側に短い輪郭線(稜線)を有する。その山(凸形状)が、中心点Qを中心とする円の円周に沿って、断続的に設けられることで凸部(凸領域)211aが構成される。
【0030】
また、
図2(B)に記載されるように、表面カバー211における凸部(凸領域)211aの下には、センサシート212が設けられており、これらを含む部分によって、上記の操作位置検出部210が構成される。ユーザは、例えば、上記の凸部(凸領域)211aの、長手方向(中心点Qに向かう方向であり、言い換えれば内側方向)の斜面を指の触感で認識することにより、操作位置検出部210上における指のおおよその位置を認識することができ、選択装置200を見なくても、選択装置200を操作することができる。言い換えれば、ブラインド操作が可能となる。なお、上記の凸部(凸領域)211aが設けられない場合も想定され得るが、この場合でも、ユーザが、中心点Qを中心とした円の円周に沿って手(指)の位置を移動させた場合、ユーザは、自身が移動させた手(指)の軌跡(指等がタッチセンサの操作面に接触した位置の時間的変遷の跡)を知覚できることから、ユーザは、自身の手の位置が、円の円周上のおおよそどの位置にあるかの見当をつけることができる。したがって、この場合でも、ブラインド操作が可能である。
【0031】
センサシート212は、少なくとも凸部(凸領域)211aに対応する表面カバー211の裏面側において、中心点Qを中心とする円の円周に沿って配設され、ユーザの指の操作位置Cを検出して、制御装置20(車両用表示制御装置21)に、ユーザの指等の操作位置Cに関する情報(操作位置の情報、あるいは操作位置を示す信号)を出力する。センサシート212は、例えば、絞り加工により表面カバー211と一体成形されることで、表面カバー211と同様の形状に加工される(
図2(B)参照)。このように一体成形されることで、表面カバー211とセンサシート212は、一枚のシートのようになり、上記の凸部(凸領域)211aの段差形状は、その一枚のシートの曲がった部分(盛り上がった部分)で構成されることになる。また、このように一体成形されることで、表面カバー211の裏面とセンサシート212の表面とが当接する。これにより、表面カバー211の段差形状に対応して、センサシート212の検出部が配置されることになる。このように表面カバー211の段差形状に対応してセンサシート212の検出部が配置されているため、ユーザの指等の移動が、凸部(凸領域)211a等の段差形状を有した操作面上で行われるものであっても、例えば車両用表示制御装置21が、ユーザの指の位置を検出することが可能である。
【0032】
スペーサ213は、センサシート212の裏面側に位置し、一体成形された表面カバー211とセンサシート212の形状に合わせて形成され、ユーザの指等によって、表面カバー211が表側から押圧された際に、上記の形状を保持する部材である。
【0033】
決定操作検出部220は、操作位置検出部210の裏面側に複数(
図2(B)の例では5個)設けられる。決定操作検出部220は、制御装置20(車両用表示制御装置21を含む)と電気的に接続されており、ユーザが、操作位置検出部210の操作面(表面カバー211の凸部(凸領域))211aを押下する操作(以下、押下操作という)を行うと、決定操作検出部220が押され、これによって、ユーザによって選択(決定)がなされたことが検出され、選択(決定)がなされたことを示す信号(選択信号、言い換えれば選択(決定)検出信号)が出力される。出力された選択(決定)検出信号は、制御装置20(車両用表示制御装置21を含む)に送られる。車両用表示制御装置21は、送られてきた選択(決定)検出信号に基づき、例えば、ラジアル操作メニュー500に含まれる複数のメニュー項目510のうちのどのメニュー項目510が選択されたかを判定し、その選択に応じた操作メニュー画像を生成し、表示装置10に表示する。これによって、選択されたメニュー項目510の内容に応じて、操作メニューの表示が切り替えられる。
【0034】
リターンスイッチ230は、操作位置検出部210及び決定操作検出部220とは離れた位置にあるスイッチである。ユーザが、リターンスイッチ230の操作面を押下する(言い換えれば、押下操作がなされる)と、制御装置20内の車両用表示制御装置21にリターン信号が送信される。車両用表示制御装置21は、リターンスイッチ230からのリターン信号に基づき、ラジアル操作メニュー500の表示を、直近の過去の操作メニュー画像に戻す。言い換えれば、直前の表示への切り替えが行われる。
【0035】
次に、
図3を用いて、表示装置10に表示されるラジアル操作メニュー500の詳細について説明する。上述したように、本実施形態のラジアル操作メニュー500とは、円の中心を基点に半径方向に延びる2本の線と、この2本の線の間の円弧で囲まれた、円を分割した部分円(セクタ領域)に、それぞれ項目を割り当てたメニュー形式である。なお、以下の説明において、制御装置20が、車載機器400の制御状態に関わる情報を取得あるいは検索し、この取得あるいは検索した情報を画像としてラジアル操作メニュー500を構成する部分円(セクタ領域)に割り当てたアイコン画像をメニュー項目510と称して説明し、ユーザの指(手)の動き(選択装置200が検出する)に応じて位置が変化する指定画像520をポインタと称して説明する。
【0036】
メニュー項目510は、セクタ領域に区画された表示領域を有する画像であり、初期表示モードとして、例えば、
図3に示すように、円の中心Pを基点に連続的に配列される。本実施形態の車載機器操作システム100では、アイコン画像を示すメニュー項目510として、階層項目511と、処理項目512と、表示項目513と、が表示されるようになっている。
【0037】
階層項目511は、操作する車載機器400の種類(例えば、「AIR CONTROL」)や制御状態を示す情報(例えば、設定温度「28℃」)などが区画された表示領域(部分円またはセクタ領域)内に表示された画像であり、この階層項目511を、選択装置200の操作により選択することで、例えば、空調装置の風量,風向き、温度設定など、指定された階層項目511に関連する新しいメニュー項目510を含む新たなラジアル操作メニュー500の画像を表示する階層表示モードへ移行させることが可能である。
【0038】
例えば、空調ECU404に関連する階層項目511を、選択装置200の操作により指定した場合、表示装置10の表示は、階層表示モードに移行する。階層表示モードで表示されるメニュー項目510としては、空調ECU404に関する空調装置の風量,風向きに関する処理項目等が表示される(階層表示モード)。風量,風向きに関する処理項目512を選択することで、空調装置の風量,風向きを変更することができ、温度設定に関する階層項目511を選択することで温度設定に関する階層表示モードに移行することができる。
【0039】
処理項目512は、車載機器400を制御する項目(例えば、「ABS」)や設定値などが表示された画像であり、この処理項目512を、選択装置200の操作により選択することで、表示された項目や設定値に合わせて車載機器400に各種処理を実行させることが可能である。具体的に、例えば、「TCS」などを選択装置200により選択することで、車両ECU401に対してTCS機能のオンオフ処理を実行させることができる。
【0040】
なお、選択された処理項目512は、選択されたことを示すように色や形状が変化した表示態様J2aで表示され、選択されたことをユーザに認識させる。
【0041】
表示項目513は、車両ECU401から入力される車両情報(例えば、水温、油温)などを区画された表示領域内に表示した画像であり、ユーザに情報を伝達するための画像である。この表示項目513を、選択装置200の操作により選択することで、表示された情報の詳細情報を表示させることが可能である。
【0042】
表示項目513の区画された表示領域(部分円またはセクタ領域)内に表示される情報は、車両ECU401から出力される各種センサ情報(例えば、水温、油温等)に関わる情報,車両1の各種設定(例えば、ABS,TCS,ECSなどの機能オンオフ、ECOモード、SPORTモードなどの走行モード)に関わる情報、ナビECU402から出力されるナビ情報(例えば、到着時間,目標地点までの距離,ターンバイターン等)に関わる情報、オーディオECU403の再生時間,曲名などを示す情報、空調ECU404の設定(例えば、温度設定、風量、風向など)を示す情報、外部通信部405に接続された車載機器400の制御状態を示す情報(例えば、着信の有無、メール内容)などの、制御装置20が車載機器400から取得/検索した情報である。これら制御装置20が連続的または断続的に車載機器400から取得/検索した情報によってメニュー項目510内の表示が更新される。
【0043】
また、メニュー項目510は、制御装置20が車載機器400から取得/検索した情報に関する画像のみならず、制御装置20自身が生成する情報に基づく画像であってもよい。具体的に、例えば、制御装置20が計時機能を有している場合、メニュー項目510としてストップウォッチ画像を表示してもよい。又、表示装置10が計時機能を有している場合、制御装置20が表示装置10の計時機能を実行して、表示装置10にメニュー項目510としてストップウォッチ画像を表示させてもよい。
【0044】
なお、ポインタ520は、円の中心Pを基点としてメニュー項目510側に延在してメニュー項目510を指定する指針を示す画像であり、選択装置200の操作位置Cの移動に応じて、滑らかに指示位置Dを変化させ、指定するメニュー項目510を切り替えるものである。ユーザ(運転者等)は、このポインタ520を視認することによって、選択装置200の操作で指定しているメニュー項目510を確認することが可能である。なお、ポインタ520は、選択装置200の操作で指定しているメニュー項目510の外郭を強調表示するカーソル指定画像521や、選択装置200の操作位置Cをメニュー項目510の外側から指示するポインタ指定画像522などで代替してもよく、これらの指示方式を組み合わせてもよい。
【0045】
次に、
図4を参照して本実施形態の制御装置20のより具体的な構成について説明する。ここで、制御装置20は、車両用表示制御装置21と、動作実行装置25と、を含む構成をいう。なお、
図4において、
図1と共通する部分については同じ符号が示されている。
【0046】
制御装置20は、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、および少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの少なくとも1つの半導体集積回路を含む。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能で有形な記録媒体から1つまたは複数のプログラム(GUIプログラムも含む)を読み取ることにより、情報処理部22、画像生成部23、動作実行装置25としての機能の全部または一部を実行することができる。そのような記録媒体は、ハードディスクのような任意のタイプの磁気媒体、CDおよびDVDのような任意のタイプの光学媒体、揮発性メモリのような任意のタイプの半導体メモリ、および不揮発性メモリを含む。揮発性メモリはDRAMおよびSRAMを含み、不揮発性メモリはROMおよびNVROMを含む。半導体メモリは、少なくとも1つのプロセッサと共に回路の一部となる半導体回路でもある。ASICは、
図4に示す機能ブロックの全部または一部を実行するようにカスタマイズされた集積回路であり、FPGAは、製造後に、
図4に示す機能ブロックの全部または一部を実行できるように設計された集積回路である。
【0047】
制御装置20は、ラジアル操作メニュー500に含まれる一つの項目を指定するために、ユーザが選択装置200の操作面上を触れるタッチ操作あるいは所定の軌跡を描くようになぞるジェスチャ操作に応じて生成される位置情報、あるいは押下するユーザ操作に応じて生成される選択(決定)信号(選択決定情報)を、図示しない入出力I/F経由で取得して、情報処理部22、動作実行装置25のそれぞれへ出力する。
【0048】
表示制御装置(車両用表示制御装置)21における画像生成部23は、ラジアル操作メニュー500の画像を生成する。例えば、予め用意されている複数のメニューファイル24の中から使用可能なものを取り出し(読み出し)、必要な情報を画像合成で組み込むことで、複数のメニュー項目510を含むメニュー(操作メニュー)の画像を生成する。但し、これに限定されるものではなく、記憶部(不図示)に予め記憶された配列、又は記憶部(不図示)に記憶されたプログラムにより定められた配列に従って、複数の項目を配置する(項目を画像合成する)ことで、メニュー(操作メニュー)の画像を生成してもよく、あるいは、レンダリングにより画像を生成してもよい。生成された画像は、画像RAM(不図示)等に、一旦、蓄積される。
【0049】
なお、表示制御装置(車両用表示制御装置)21は、車載機器400(車両ECU401、ナビECU402、オーディオECU403、空調ECU404、外部通信部(通信機器)405)からの情報を使用して画像を生成することができ、あるいは、その情報を使用せずに、記憶部(不図示)に予め記憶された画像データのみに基づき画像を生成してもよい。これによって、例えば、
図1で示したラジアル操作メニュー500(V)の元となる画像(元画像)を生成することができる。
【0050】
表示制御装置(車両用表示制御装置)21は、具体的には、例えば、階層構造を有すると共に、1つの階層の画像に複数の項目が含まれるメニューの表示を制御するものであり、上述のとおり、メニューの画像を生成する画像生成部23と、入力した情報を処理して画像生成部23に所定の画像の生成を指示する情報処理部22と、を有する。
【0051】
画像生成部23は、画像RAM(不図示)等から、生成された画像(画像データ)を読み出し、データ形式を整えたり、表示に必要な情報を付加したりし、その結果として得られた画像データを表示装置10に送る。
【0052】
表示される車両用メニューは、階層構造を有しており、選択された1つの項目に関連付けされた下位階層のメニューがある場合は、その下位階層のメニューが順次、表示される。下位階層のない項目(処理項目512)が選択されると、例えば、画像生成部23から動作実行装置25に、最終的に選択された項目の内容を示す情報が送られる。動作実行装置25は、例えば、機器動作ファイル26を参照して、実行すべき処理の具体的な内容を示すデータを取得し(但し、この動作は不要な場合もあり得る)、取得したデータを、図示しない入出力I/F及びバスBUSを経由して、車載機器(車載機器)400に送る。これによって、ユーザによって選択された項目に関連付けられている処理が実行される。
【0053】
次に、
図5を参照する。
図5(A)は、メニューに含まれる項目と選択装置での選択位置との対応関係を仮想的に示す図(左図)、及びメニューの画像を示す図(右図)であり、
図5(B)(C)は、選択装置での操作位置が変化したときの、メニューに含まれる項目と選択装置での選択位置との対応関係を仮想的に示す図(左図)、及びメニューの画像を示す図(右図)である。なお、ここでは、メニューの表示は、HUD装置を用いて虚像として表示されるものとし、また、メニューは、ラジアル操作メニューであるものとする(これらの点は、
図5、
図6、
図7、
図8の例でも同様である。但し、これらは一例であり、これらの例に限定されるものではない)。
【0054】
図5(A)の左側の例では、メニュー画像は、メニュー全体の外形(ここでは、点Qを中心とする円)の内部に、同形状で同サイズの4つの部分円環(点Qを中心とする円環を四等分して得られるものである)が設けられると共に、上側の領域に「ItemA(1番目)」、右側の領域に「ItemB(2番目)」、下側の領域に「ItemC(3番目)」、左側の領域に「ItemD(4番目)」が配置されたラジアル操作メニュー画像となっている。
【0055】
図5(A)の左図において、符号211aは、先に
図2を用いて説明したとおり、選択装置200における円環状の操作位置検出部210に対応した、円環状の凸部(凸領域)を示している。また、符号αは、円環状の凸部(凸領域)上における位置(ユーザによる選択位置)を示している。
図5(A)の左図では、操作位置αは、ラジアル操作メニューの「ItemA」に対応している。この場合、
図5(A)の右図のように、「ItemA」のメニュー項目510が選択されていることを示すため、ポインタ520(外郭を強調するカーソル指定画像521)が表示される。
【0056】
ここで、
図5(B)の左図に示されるように、操作位置αが「ItemA(1番目)」に対応する位置から「ItemC(3番目)」に対応する位置へ変化が生じると、
図5(B)の右図のように、「ItemC(3番目)」のメニュー項目510が選択されたことを示すカーソル指定画像521が表示される。
【0057】
次に、
図5(C)の左図に示されるように、操作位置αが「ItemC(3番目)」に対応する位置から「ItemD(4番目)」に対応する位置へ変化が生じた場合でも、
図5(C)の右図のように、「ItemC」のメニュー項目510が選択されたままとなる。この処理について説明すると、情報処理部22は、選択装置200から入力した位置信号が、メニュー項目510のn(
図5の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510を指定してから隣り合うn+1(
図5の例では、n+1=4)番目のメニュー項目510を指定した場合、ポインタ520にn(
図5の例では、n=3)番目のメニュー項目510を指定させる。これによって、「ItemC(n番目)」のメニュー項目510から「ItemD(n+1番目)」のメニュー項目510へ操作が過ぎてしまうことを防止することができる。
【0058】
次に、
図6を参照する。
図6の例では、「ItemC(n番目)」のメニュー項目510から「ItemD(n+1番目)」のメニュー項目510へ操作位置αが変化した場合であっても、所定値Lt以上離れた場合に、「ItemD(n+1番目)」が選択される。
【0059】
図6(A)の左図に示されるように、操作位置αが「ItemC(n番目)」に対応する位置から「ItemD(4番目)」に対応し、「ItemC(n番目)」から所定値Lt以内の位置へ変化が生じると、
図6(A)の右図のように、「ItemC」のメニュー項目510が選択されたままとなる。この処理について説明すると、情報処理部22は、選択装置200から入力した位置信号が、n(
図6の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510を指定してから隣り合うn+1(
図6の例では、n+1=4)番目のメニュー項目510を指定した場合、n(
図6の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510と操作位置αとの間の距離が所定値Lt以上であるか判定し、所定値Lt未満であれば、ポインタ520にn(
図6の例では、n=3)番目のメニュー項目510を指定させる。
【0060】
一方、
図6(B)の左図に示されるように、操作位置αが「ItemC(n番目)」に対応する位置から「ItemD(n+1番目)」に対応し、「ItemC(n番目)」から所定値Lt以上の位置へ変化が生じると、
図6(B)の右図のように、「ItemD(n+1番目)」のメニュー項目510が選択される。この処理について説明すると、情報処理部22は、選択装置200から入力した位置信号が、n(
図6の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510を指定してから隣り合うn+1(
図6の例では、n+1=4)番目のメニュー項目510を指定した場合、n(
図6の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510と操作位置αとの間の距離が所定値Lt以上であるか判定し、所定値Lt以上であれば、ポインタ520にn(
図6の例では、n+1=4)番目のメニュー項目510を指定させる。
【0061】
次に、
図7、
図8を参照する。
図7、
図8の例では、選択装置200の操作が開始された際の操作位置αに基づき、ポインタ520が行き止まる位置を変更する。
【0062】
図7の例では、選択装置200の操作が開始された際の操作位置αは、「ItemA」のメニュー項目510に対応しており、この場合、操作位置αが「ItemB」から「ItemC」に移動しても、ポインタ520は、「ItemB」から「ItemC」に移動せずに、「ItemB」で行き止まる。この処理について説明すると、情報処理部22は、選択装置200の操作が開始された際に入力した操作位置αが、k(
図7の例では、k=1)番目の「ItemA」に対応していた場合、n=k+m(予めm=1とすると、n=1+1=2)となり、n(
図7の例では、n=2)番目のメニュー項目510が設定される(
図7(A))。その後、選択装置200から入力した位置信号が、n(
図7の例では、n=2)番目の「ItemB」のメニュー項目510を指定した(
図7(B))後、隣り合うn+1(
図7の例では、n+1=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510を指定した(
図7(C))場合、ポインタ520にn(
図7の例では、n=2)番目のメニュー項目510を指定させ続ける。
【0063】
一方、
図8の例では、選択装置200の操作が開始された際の操作位置αは、「ItemB」のメニュー項目510に対応しており、この場合、操作位置αが「ItemB」から「ItemC」に移動すると、ポインタ520は、「ItemB」から「ItemC」に移動し、操作位置αが「ItemC」から「ItemD」に移動すると、ポインタ520は、「ItemC」から「ItemD」に移動せずに、「ItemC」で行き止まる。この処理について説明すると、情報処理部22は、選択装置200の操作が開始された際に入力した操作位置αが、k(
図8の例では、k=2)番目の「ItemB」に対応していた場合、n=k+m(予めm=1とすると、n=2+1=3)となり、n(
図8の例では、n=3)番目のメニュー項目510が設定される(
図8(A))。その後、選択装置200から入力した位置信号が、n(
図8の例では、n=3)番目の「ItemC」のメニュー項目510を指定した(
図8(B))後、隣り合うn+1(
図8の例では、n+1=4)番目の「ItemD」のメニュー項目510を指定した(
図8(C))場合、ポインタ520にn(
図8の例では、n=3)番目のメニュー項目510を指定させ続ける。
【0064】
情報処理部22は、単一もしくは複数のメニュー項目510に対して、ユーザが任意に度当たり(ポインタ520が行き止まる位置)を設定できてもよい。度当たりをユーザが任意に設定することで、使用する頻度の高いアイコン画像に対する操作性が向上し、ユーザが感じる煩わしさを低減することができる
【0065】
情報処理部22は、使用する頻度に応じて上位から順番に単一もしくは複数のメニュー項目510に対して、度当たりを設定してもよい。度当たりを使用頻度に応じて自動で設定することで、ユーザが手を加えずとも、使用する頻度の高いアイコン画像に対する操作性が向上し、ユーザが感じる煩わしさを低減することができる
【0066】
情報処理部22は、度当たりの設定がされているメニュー項目510に対してマーキングもしくはエフェクトを付けてもよい。度当たりに対してマーキングやエフェクトをつけることでユーザは指定画像がどのアイコン画像上で一時停止するかが一目でわかるため、不意に一時停止することによって発生する煩わしさを低減することができる。
【0067】
なお、本明細書において、車両とは、例えば自動車、電車、飛行機、船舶等の「乗り物」を示す用語として広義に解釈し、又、メニューという用語も、例えば「複数の選択肢を含む表示」というように、広義に解釈するものとする。
【0068】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができる。
【符号の説明】
【0069】
1…車両、3…ステアリングホイール、10…表示装置、20…制御装置、21…車両用表示制御装置、22…情報処理部、23…画像生成部、24…メニューファイル、25…動作実行装置、26…機器動作ファイル、100…車載機器操作システム、101…虚像表示可能領域、200…選択装置、210…操作位置検出部、211…表面カバー、212…センサシート、213…スペーサ、220…決定操作検出部、230…リターンスイッチ、400…車載機器、401…車両ECU、402…ナビECU、403…オーディオECU、404…空調ECU、405…外部通信部、500…ラジアル操作メニュー、510…メニュー項目、511…階層項目、512…処理項目、513…表示項目、520…ポインタ(指定画像)、521…カーソル指定画像、522…ポインタ指定画像、