IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧 ▶ 国立大学法人 岡山大学の特許一覧

<>
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図1
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図2
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図3
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図4
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図5
  • 特許-ランダムアクセス待機時間設定方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ランダムアクセス待機時間設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20220819BHJP
   H04W 60/00 20090101ALI20220819BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W60/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018166124
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020039079
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】市川 一興
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆
(72)【発明者】
【氏名】樋口 雄太
(72)【発明者】
【氏名】田野 哲
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-283498(JP,A)
【文献】特表2013-520103(JP,A)
【文献】特開2009-049465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置が基地局装置に位置登録を行うためのランダムアクセスの待機時間を設定する方法であって、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置から、当該他の端末装置が位置登録を行う予定の基地局装置を表わす情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて得られた前記情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であって前記端末装置の周囲に在る前記他の端末装置の数を計数する第1計数ステップと、
前記第1計数ステップにて得られた数結果が所定値より小さい場合に、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする前記他の端末装置および前記端末装置のそれぞれが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす前記情報を、前記サービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置で共有する共有ステップと、
前記共有ステップにて共有された前記情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であって前記サービスエリア内に在る前記他の端末装置の数を計数する第2計数ステップと、
前記第1計数ステップにて得られた数結果が前記所定値より小さい場合には前記第2計数ステップにて得られた数結果に基づき、または、前記第1計数ステップにて得られた数結果が前記所定値以上である場合には前記第1計数ステップにて得られた数結果に基づき、当該計数結果が大きいほど、前記端末装置が前記基地局装置へアクセスするまでの最大待機時間をより長く設定する待機時間設定ステップと
を有するランダムアクセス待機時間設定方法。
【請求項2】
端末装置が基地局装置に位置登録を行うためのランダムアクセスの待機時間を設定する方法であって、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置から、当該他の端末装置が位置登録を行う予定の基地局装置を表わす情報を取得する取得ステップと、
前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする前記他の端末装置および前記端末装置のそれぞれが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす前記情報を、前記サービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置で共有する共有ステップと、
前記共有ステップにて共有された前記情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であって前記サービスエリア内に在る前記他の端末装置の数を計数する計数ステップと、
前記計数ステップにて得られた計数結果が大きいほど、前記端末装置が前記基地局装置へアクセスするまでの最大待機時間をより長く設定する待機時間設定ステップと
を有するランダムアクセス待機時間設定方法。
【請求項3】
端末装置が基地局装置に位置登録を行うためのランダムアクセスの待機時間を設定する方法であって、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置から、当該他の端末装置が位置登録を行う予定の基地局装置を表わす情報を取得する取得ステップと、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする前記他の端末装置の移動方向を推定する移動方向推定ステップと、
前記取得ステップにて得られた前記情報と前記移動方向推定ステップにて得られた移動方向の情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であり、且つ、前記端末装置の移動方向と同じ方向に移動している前記端末装置の周囲に在る前記他の端末装置の数を計数する第1計数ステップと、
前記第1計数ステップにて得られた数結果が所定値より小さい場合に、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする前記他の端末装置および前記端末装置のそれぞれが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす前記情報および前記移動方向の情報を、前記サービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置で共有する共有ステップと、
前記共有ステップにて共有された前記情報および前記移動方向の情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であり、且つ、前記端末装置の移動方向と同じ方向に移動している前記サービスエリア内に在る前記他の端末装置の数を計数する第2計数ステップと、
前記第1計数ステップにて得られた数結果が前記所定値より小さい場合には前記第2計数ステップにて得られた数結果に基づき、または、前記第1計数ステップにて得られた数結果が前記所定値以上である場合には前記第1計数ステップにて得られた数結果に基づき、当該計数結果が大きいほど、前記端末装置が前記基地局装置へアクセスするまでの最大待機時間をより長く設定する第1待機時間設定ステップと、
現在の時刻から一定時間だけ遡った時間範囲内にある前回の前記計数結果を参照し、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定の前記他の端末装置の数のうち、前記端末装置の移動方向と同じ方向に移動している前記他の端末装置の数が所定値よりも多い場合に、前回の前記数結果に基づいて前記最大待機時間を設定する第2機時間設定ステップと
を有するランダムアクセス待機時間設定方法。
【請求項4】
端末装置が基地局装置に位置登録を行うためのランダムアクセスの待機時間を設定する方法であって、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置から、当該他の端末装置が位置登録を行う予定の基地局装置を表わす情報を取得する取得ステップと、
前記端末装置の周囲に在って位置登録を行なおうとする前記他の端末装置の移動方向を推定する移動方向推定ステップと、
前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする前記他の端末装置および前記端末装置のそれぞれが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす前記情報および前記移動方向の情報を、前記サービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置で共有する共有ステップと、
前記共有ステップにて共有された前記情報および前記移動方向の情報を用いて、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定であり、且つ、前記端末装置の移動方向と同じ方向に移動している前記サービスエリア内に在る前記他の端末装置の数を計数する計数ステップと、
前記計数ステップにて得られた計数結果が大きいほど、前記端末装置が前記基地局装置へアクセスするまでの最大待機時間をより長く設定する第1待機時間設定ステップと、
現在の時刻から一定時間だけ遡った時間範囲内にある前回の前記計数結果を参照し、前記端末装置が位置登録を行う予定の前記基地局装置に位置登録を行う予定の前記他の端末装置の数のうち、前記端末装置の移動方向と同じ方向に移動している前記他の端末装置の数が所定値よりも多い場合に、前回の前記数結果に基づいて前記最大待機時間を設定する第2機時間設定ステップと
を有するランダムアクセス待機時間設定方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のランダムアクセス待機時間設定方法において、
前記待機時間設定ステップにおいて、前記数結果の時間変化量に基づいて前記数結果を補正する
ことを特徴とするランダムアクセス待機時間設定方法。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載のランダムアクセス待機時間設定方法において、
前記第1待機時間設定ステップまたは前記第2待機時間設定ステップにおいて、前記数結果の時間変化量に基づいて前記数結果を補正する
ことを特徴とするランダムアクセス待機時間設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置へ端末装置のアクセスが集中する輻輳を回避可能なランダムアクセス待機時間設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在策定が進められている第5世代移動通信システムの技術的要求条件の一つが「超多数の端末装置の同時接続」である。
【0003】
多数の端末装置が一つの基地局装置へのアクセスを試みた場合、最初の段階において、ランダムアクセスチャネルの輻輳という問題が生じえる。
【0004】
ランダムアクセスチャネルの輻輳に対するいくつかの対策が知られている。
(1)基地局装置が各端末装置に対して発信規制を行うことによって、基地局装置にアクセス可能な端末装置の総数を制限する。
(2)輻輳が発生しやすい基地局装置において、自律的にランダムアクセスチャネルを増やす。
(3)電車、バスなど、多数の端末装置が同時に移動することが予め分かっている環境において、ムービングセルを設ける。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】5Gのサービスと要求条件~5Gの要求条件、株式会社NTTドコモ、[平成30年6月1日検索]、インターネット〈https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/technology/rd/tech/5g/5g01/02/02.html〉
【文献】重要通信の確保、株式会社NTTドコモ、[平成30年6月1日検索]、インターネット〈https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/disaster/secure_connection/index.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記(1)と(2)の対策は、端末装置からアクセスされる基地局装置が取ることが可能な輻輳への受動的対抗策である。上記(3)の対策は、特定の環境においてのみ取ることが可能な対策である。上記(1)の対策によると、端末装置を使用するユーザーにとって不利益になる虞がある。上記(2)の対策によると、ランダムアクセスチャネルを無制限に増やすことはできないので、トラヒックの著しい増大に基づく輻輳を回避できない虞がある。上記(3)は、ムービングセルを設けることのできる環境以外の環境では採用できない。
【0007】
そこで本発明は、基地局装置へ端末装置のアクセスが集中する輻輳を回避可能なランダムアクセス待機時間設定技術を新たに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、端末装置が位置登録を行う予定の基地局装置に位置登録を行う予定の他の端末装置の数を計数し、この数が多いほど、端末装置が基地局装置へアクセスするまでの最大待機時間がより長く設定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、同じ基地局装置に位置登録を予定している端末装置の個数が多いほど、端末装置が基地局装置へアクセスするまでの自己の待機時間をより長く自律的に設定するので、輻輳を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】通信システムの構成例を示す図。
図2】実施形態1における処理フロー図。
図3】実施形態2における処理フロー図。
図4】実施形態3における処理フロー図。
図5】実施形態4における処理フロー図。
図6】ハードウェア構成例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
<実施形態1>
本実施形態において、図1に示す通信システムは、多数の基地局装置Bと、多数の端末装置T-i(iは1以上の整数を表わす)を含む。各端末装置T-iは、近距離通信部1-iと、待機時間設定部3-iと、メモリ5-iと、NW通信部7-iと、推定部9-iと、制御部11-iを含む。
【0013】
任意の端末装置T-k(k∈{i|iは1以上の整数})が新たな基地局装置B(k)のサービスエリアに入り基地局装置B(k)への位置登録を試みる前に、下記の処理が行われる(図2参照)。
【0014】
まず、端末装置T-kは、端末装置T-kの周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置T-iから、他の端末装置T-iが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす予定情報を取得する(ステップS1)。端末装置T-kの制御部11-kは、近距離無線通信(IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)等)を行う近距離通信部1-kを介して、近距離無線が届く範囲にある端末装置T-kj(kj∈{i|iは1以上の整数}-{k},j∈{1,…,M})に対して、位置登録を行う予定の基地局装置を表わす予定情報を求めるリクエストを送信する。この例では、近距離無線が届く範囲にある端末装置の個数をM個とする。
【0015】
端末装置T-kj(kj∈{i|iは1以上の整数}-{k},j∈{1,…,M})の近距離通信部1-kjが上記リクエストを受信すると、端末装置T-kjの制御部11-kjは、端末装置T-kjが基地局装置への位置登録を行なおうとしている場合、近距離通信部1-kjを介して、端末装置T-kjが位置登録を行う予定の基地局装置を表わす予定情報を端末装置T-kに送信する。この例では、M個の端末装置のうち、基地局装置への位置登録を行なおうとしている端末装置の個数をN個とする。
【0016】
この結果、端末装置T-kの近距離通信部1-kは、端末装置T-kの周囲に在って位置登録を行なおうとする端末装置T-kh(kh∈{i|iは1以上の整数}-{k},h∈{1,…,N},{k1,…,kh,…,kN}⊂{k1,…,kj,…,kM})から、当該端末装置T-khが位置登録を行う予定の基地局装置B(kh)を表わす予定情報を取得する。取得された予定情報は、端末装置T-kのメモリ5-kに保存される。
【0017】
基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする端末装置T-iのそれぞれは、ステップS1の処理を行う。
【0018】
次に、端末装置T-kの制御部11-kは、ステップS1の処理において取得した予定情報を用いて、端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定であって端末装置T-kの周囲に在る他の端末装置T-iの数を計数する(ステップS2)。数結果Lは端末装置T-kのメモリ5-kに保存される。制御部11-kは、数結果Lが所定値Lmaxより小である場合にはステップS2aの処理を実行する制御を行い、数結果Lが所定値Lmax以上である場合にはステップS3の処理を実行する制御を行う。ステップS2aの処理を実行する場合、ステップS2の処理で得られた数結果は破棄される。
【0019】
ステップS2aの処理では、基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置(端末装置T-kを含む)のそれぞれの予定情報を、基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置(端末装置T-kを含む)で共有する処理を行う。
【0020】
ステップS2aの処理は、具体的には次のとおりである。基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置T-iが近距離通信部1-iを用いてメッシュネットワークを構築する。メッシュネットワークの構築方法は既知であるから説明を省略する。また、このメッシュネットワークはマルチホップ機能を持つものとする。メッシュネットワークは、位置登録が既に完了している端末装置を含んでもよい。基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする端末装置T-iのそれぞれが収集した予定情報は、メッシュネットワークを通じて、基地局装置B(k)のサービスエリア内において位置登録を行なおうとする全ての端末装置T-iで共有される。共有された予定情報は各端末装置T-iのメモリ5-iに保存される。この結果、端末装置T-kは、基地局装置B(k)のサービスエリア内において基地局装置B(k)に位置登録することを予定している端末装置T-iの数を計数できるようになる(この処理は次のステップS2bの処理で行われる)。
【0021】
端末装置T-kの制御部11-kは、ステップS2aの処理において共有した予定情報を用いて、端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定であって基地局装置B(k)のサービスエリア内に在る他の端末装置T-iの数を計数する(ステップS2b)。数結果をLとする。数結果Lは端末装置T-kのメモリ5-kに保存される。
【0022】
ステップS3の処理では、端末装置T-kの待機時間設定部3-kは、端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定の端末装置の数が多いほど、端末装置T-kが基地局装置B(k)へアクセスするまでの最大待機時間をより長く設定し、少ないほど最大待機時間をより短く設定する。
【0023】
待機時間設定部3-kは、例えば、基地局装置B(k)への物理ランダムアクセスチャネルを同時に占有可能な端末装置の数Pと、ステップS2またはステップS2bの処理で得られた数結果Lを用いて、L-P>0であれば最大待機時間を初期値+L-Pに設定し、L-P≦0であれば最大待機時間を初期値に設定する。例えば、3GPP(登録商標)(Third Generation Partnership Project)では初期値は1である。Pは基地局装置B(k)からサービスエリア内に報知されており、端末装置T-kにとって既知である。既述の所定値Lmaxは、待機時間が長くなり過ぎないために設定されている。
【0024】
端末装置T-kが、NW通信部7-kを介して、基地局装置B(k)への位置登録を試みる際の送信タイミングは、ステップS3の処理で設定された最大待機時間を上限としてランダムに設定される。
【0025】
実施形態1によると、基地局装置に依らず端末装置だけでアクセスの一時的な集中を検知でき、端末装置が周辺環境に応じて自律的に自己の待機時間を設定するので、輻輳の発生を予防できる。
【0026】
<実施形態2>
実施形態2(図3参照)は実施形態1の簡易形態であり、ステップS2の処理が省略される。つまり、実施形態2では、ステップS1,S2a,S2b,S3の順番で処理を行う。
【0027】
<実施形態3>
実施形態3(図4参照)では、実施形態1と異なり、端末装置T-kの推定部9-kが、端末装置T-kの周囲に在って位置登録を行なおうとする他の端末装置T-iの移動方向を推定するステップS1aの処理を含む。移動方向の推定は、例えば、端末装置間のドップラー周波数シフトあるいは近距離無線通信における電界強度の時間変化を観測することによって行われる。
実施形態3では、実施形態1と異なり、ステップS2の処理では、端末装置T-kの制御部11-kは、予定情報と移動方向の情報を用いて、端末装置T-kの周囲に在って端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定の他の端末装置T-iの数だけでなく、端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定であり、且つ、端末装置T-kの移動方向と同じ方向に移動している端末装置T-kの周囲に在る他の端末装置T-iの数も計数する。数結果は端末装置T-kのメモリ5-kに保存される。
実施形態3では、実施形態1と異なり、ステップS2aの処理では、予定情報だけでなく移動方向の情報も共有される。
実施形態3では、実施形態1と異なり、ステップS2bの処理では、端末装置T-kの制御部11-kは、予定情報と移動方向の情報を用いて、サービスエリア内に在って端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定の他の端末装置T-iの数だけでなく、端末装置T-kが位置登録を行う予定の基地局装置B(k)に位置登録を行う予定であり、且つ、端末装置T-kの移動方向と同じ方向に移動しているサービスエリア内の他の端末装置T-iの数を計数する。数結果は端末装置T-kのメモリ5-kに保存される。
【0028】
実施形態3では、ステップS1の処理の前にステップS1pの処理が実行される。ステップS1pの処理では、端末装置T-kの制御部11-kは、メモリ5-kに保存されている現在の時刻から一定時間だけ遡った時間範囲内にある前回の計数結果を参照し、基地局装置B(k)に位置登録を行う予定の他の端末装置T-iの数のうち、端末装置T-kの移動方向と同じ方向に移動している他の端末装置T-iの数が所定値より多い場合(例えば、90%以上)、ステップS1qの処理を実行する制御を行い、そうでない場合、ステップS1の処理を実行する制御を行う。ステップS1qの処理では、端末装置T-kの待機時間設定部3-kは、前回の数結果に基づいて最大待機時間を設定する。これにより、多くの端末装置が集団で同一方向に移動している場合、次のサービスエリアに移動した際にステップS1~S3の処理を実行しないので、ランダムアクセスを開始するまでの時間を短縮することができる。
【0029】
<実施形態4>
実施形態4(図5参照)は実施形態3の簡易形態であり、実施形態2と同様に、ステップS2の処理を省略できる。
【0030】
<変形例>
実施形態1または実施形態2のステップS3或いは実施形態3または実施形態4のステップS1pの処理において、待機時間設定部3-kは、数結果Lの時間変化量yに基づいて、数結果Lを補正してもよい。具体的には、待機時間設定部3-kは、数結果Lに1+yを乗じた結果を新たな数結果Lとして、L-P>0であれば最大待機時間を初期値+L-Pに設定し、L-P≦0であれば最大待機時間を初期値に設定する。時間変化量yは、端末装置T-kが位置する現在のサービスエリアにて基地局装置B(k)に位置登録を行う予定の端末装置の数を計数した時点から一定時間(例えば1~2時間程度)だけ遡った時間範囲内でのサービスエリアごとの計数結果の時間変化を用いるのが好ましい。また、時間変化量yに上限値と下限値(例えば-0.5≦y≦1.0)を設定してもよい。変形例2によると、端末装置のサービスエリアへの集中傾向あるいはサービスエリアからの離散傾向に応じて適切に最大待機時間が設定される。
【0031】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置、端末装置などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図6は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置及び端末装置は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局装置及び端末装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局装置及び端末装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、端末装置の制御部は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。送受信部103は、送信部103aと受信部103bとで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、基地局装置及び端末装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0032】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0033】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0034】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0035】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0036】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0037】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0038】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0039】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0040】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0041】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0042】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0043】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0044】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0045】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0046】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0047】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0048】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0049】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0050】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6