IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シグニティの特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図12
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図13
  • 特許-情報処理装置及びプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220819BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021101109
(22)【出願日】2021-06-17
【審査請求日】2022-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518384711
【氏名又は名称】株式会社シグニティ
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】特許業務法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 俊
(72)【発明者】
【氏名】河本 恭一
(72)【発明者】
【氏名】芋田 真吾
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許第103369515(CN,B)
【文献】特開2012-065239(JP,A)
【文献】特開2014-067435(JP,A)
【文献】特開2006-120051(JP,A)
【文献】特表2004-517405(JP,A)
【文献】特開2014-049071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがプッシュ通知の受信を許諾した被許諾者のコンテンツに関するデータを管理するサーバ装置に対して、公衆電気通信網を介して接続されるコンピュータに、
前記コンテンツを利用するための鍵情報を記憶する記憶手段と、
前記被許諾者が通知元となるプッシュ通知の通知画面にリンク付けされたURLがクリックされたことに基づいて、前記鍵情報を更新する更新手段と、
前記サーバ装置に前記コンテンツを要求したことに基づいて、前記鍵情報を参照して、前記コンテンツの利用の可否を判定する判定手段と、
前記判定の結果を前記サーバ装置に送信する送信手段と、
を実現させるプログラム。
【請求項2】
前記鍵情報は、前記コンテンツの利用期間、利用回数、または利用ポイントを含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記サーバ装置が配信する前記コンテンツに関するWebサイトへのアクセスに伴って、前記鍵情報を前記記憶手段に記憶させる手段をさらに実現させる、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記判定結果が否定的であるときに、前記サーバ装置から広告ページのURLがリンク付けされたボタンを有する画面を受信する手段をさらに実現させ、
前記更新手段は、前記画面上のボタンがクリックされたことに基づいて、前記コンテンツの利用を可能とするために前記鍵情報を更新する、請求項1記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネット上には、漫画、音楽、映画、動画などのコンテンツを配信する配信サイトが数多く存在する。配信サイトには、訪問した全てのユーザが制限なく自由にコンテンツを利用することができる配信サイト、名前、メールアドレスなどの必要事項を登録(ユーザ登録)することを条件として、ユーザ登録した全てのユーザが制限なく自由にコンテンツを利用することができる配信サイト、配信サイトに対して課金をしたユーザにのみに利用を制限した配信サイトなどがある。
【0003】
課金を利用条件とする配信サイトでは、コンテンツを利用する毎にユーザから直接的に利用料金を徴収できるが、課金自体のハードルが高く、ユーザが課金しようと思う程の魅力的なコンテンツばかりを集めるのは大変な作業であり、コンスタントに利用するユーザの確保が難しい。利用条件のない、又はユーザ登録のみを利用条件とする配信サイトでは、課金を条件としないため、コンスタントに利用するユーザを確保しやすいが、ユーザから直接的に利用料金を徴収できない。
【0004】
配信サイトを運営する運営会社は、配信サイトを介して収入を得るために、例えば、広告主から入稿された広告を配信サイト内に掲載していた。配信サイトに広告を掲載する方法として、視聴中の動画の途中に動画広告を挿入する方法、配信ページにバナー広告を表示する方法などが知られている。動画広告は、ユーザによる閲覧が期待できるが、動画広告によって動画の視聴が途中で中断されてしまうために、ユーザは煩わしさを感じるかもしれない。バナー広告は、動画広告のこういった煩わしさはないが、ユーザによる積極的な閲覧を期待できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、ユーザに広告を閲覧する動機付けを与えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るプログラムは、ユーザがプッシュ通知の受信を許諾した被許諾者のコンテンツに関するデータを管理するサーバ装置に対して、公衆電気通信網を介して接続されるコンピュータに、コンテンツを利用するための鍵情報を記憶する手段と、被許諾者が通知元となるプッシュ通知の通知画面にリンク付けされたURLがクリックされたことに基づいて、鍵情報を更新する手段と、サーバ装置にコンテンツを要求したことに基づいて、鍵情報を参照して、コンテンツの利用の可否を判定する判定手段と、判定の結果をサーバ装置に送信する送信手段と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る広告配信システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1の管理サーバ装置の構成図である。
図3図3は、図2の記憶装置に記憶されている端末情報管理テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、図2の記憶装置に記憶されているサイト情報管理テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、図2の記憶装置に記憶されている広告情報管理テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、音楽サイトのトップページを訪問したユーザ端末に暗号鍵が登録されるまでの手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、図6の受付画面の一例を示す図である。
図8図8は、ユーザ端末にプッシュ通知が送られてからユーザ端末に登録されている暗号鍵が更新されるまでの手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図8プッシュ通知の通知画面の一例を示す図である。
図10図10は、暗号鍵が無効な状態のユーザ端末が制限コンテンツにアクセスしてから、暗号鍵が更新されるまでの手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、図10の応答画面の一例を示す図である。
図12図12は、音楽サイトのトップページを訪問したユーザ端末に暗号鍵が登録されるまでの手順の他の例を示すフローチャートである。
図13図13は、ユーザ端末にプッシュ通知が送られてからユーザ端末に登録されている暗号鍵が更新されるまでの手順の他の例を示すフローチャートである。
図14図14は、暗号鍵が無効な状態のユーザ端末が制限コンテンツにアクセスしてから、暗号鍵が更新されるまでの手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態と第2実施形態とを説明する。
本発明の1つの特徴は、インターネット上の特定のサイトにおいて利用が制限されたコンテンツ(制限コンテンツ)を利用するためのユーザの権限を、ユーザ端末に送信された特定のサイトからのプッシュ通知がクリックされたことに基づいて、更新することにある。
【0009】
第1実施形態と第2実施形態とでは、ストリーミングにより音楽、ミュージックビデオなどの制限コンテンツをユーザ端末に配信する音楽サイトを例に説明する。音楽サイトに初めてアクセスしたユーザのユーザ端末には、音楽サイトにおいて利用が制限されたコンテンツ(制限コンテンツ)を利用するための暗号鍵情報が提供される。暗号鍵情報は、暗号鍵と、有効期間とを含む。ユーザは、有効期間内であれば音楽サイトの制限コンテンツを何回でも利用することができる。有効期間が過ぎてしまうと、暗号鍵は無効となり、ユーザは、音楽サイトの制限コンテンツを利用できない。無効となってしまった暗号鍵を再び有効とするため、又は有効な暗号鍵の有効期間を延長するための機会として、ユーザ端末には、その音楽サイトからのプッシュ通知が送信される。プッシュ通知の通知画面には例えば、広告用のWEBページのURLがリンク付けされている。プッシュ通知の通知画面がクリックされたことに基づいて、無効となってしまった暗号鍵を再び有効にし、又は有効な暗号鍵の有効期間を延長する仕様となっている。音楽サイトの制限コンテンツの利用期間を延長したり、制限コンテンツの利用を再開できるようにすることは、ユーザがプッシュ通知の通知画面をクリックする大きな動機付けとなり、ユーザによる広告用のWEBページの積極的な閲覧が期待できる。
【0010】
制限コンテンツの利用を制限できるものであれば、暗号鍵には有効期間ではなく有効使用回数、有効ポイントが定められていてもよい。例えば、有効ポイントは100ポイントなどと決められており、ユーザにより、音楽、ミュージックビデオなどの制限コンテンツを利用されるたびに有効ポイントが消費される。ユーザは、有効ポイントがゼロになるまで、制限コンテンツを利用することができる。
【0011】
暗号鍵情報の管理、更新は、ユーザ端末で実施されてもよいし、制限コンテンツを管理するサーバ装置で実施されてもよいし、これら以外の外部のサーバ装置で実施されてもよい。同様に、ユーザによる制限コンテンツの利用可否の判定は、ユーザ端末で実施されてもよいし、制限コンテンツを管理するサーバ装置で実施されてもよいし、これら以外の外部のサーバ装置で実施されてもよい。
【0012】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る広告配信システムは、ユーザ端末において暗号鍵情報の管理、暗号鍵情報の更新処理、及び暗号鍵情報に基づくユーザによる制限コンテンツの利用可否の判定処理を行うように構成される。
【0013】
図1に示すように、広告配信システムは、広告配信サービスを提供する会社(広告配信会社)が管理する情報処理装置(管理サーバ装置)10と、音楽サイトの運営会社が管理する情報処理装置(第1サーバ装置)20と、広告主が管理する情報処理装置(第2サーバ装置)30と、ユーザ端末50にプッシュ通知を送信する情報処理装置(プッシュ通知サーバ装置)40とを含む。これらはインターネット等のネットワーク90を介して通信可能に接続されている。ユーザ端末50は、広告配信システムを構成する各サーバ装置にネットワーク90を介して通信可能に接続されている。
【0014】
第1サーバ装置20は、音楽サイトを構成する複数のWEBページにそれぞれ対応する複数のHTMLファイルのデータと、音楽サイトを構成するコンテンツのデータを記憶する。第1サーバ装置20は、ユーザ端末50のブラウザからの要求に対する応答として、要求されたWEBページに対応するHTMLファイルのデータ、要求されたコンテンツに対応するデータをユーザ端末50のブラウザに送信する。第1サーバ装置20に記憶されている音楽サイトの任意のWEBページ、典型的にはトップページに対応するHTMLファイルには、2つのHTMLタグが埋め込まれている。第1HTMLタグは、後述の受付プログラムを管理サーバ装置10に要求するタグである。第2HTMLタグは、後述の登録プログラムを管理サーバ装置10に要求するタグである。
【0015】
もちろん、音楽サイトのトップページにアクセスしたユーザ端末50に、受付プログラムと登録プログラムとを実行させることができるのであれば、それを実現する形態は上記に限定されない。例えば、音楽サイトのトップページに直接的に上記の2つのプログラムが記述されていてもよいし、管理サーバ装置10ではない他のサーバ装置に上記の2つのプログラムを要求するようにしてもよい。
【0016】
第1サーバ装置20は、制限コンテンツの取得を要求したユーザ端末50を認証する機能を有する。例えば、第1サーバ装置20は、ユーザ端末50のブラウザに登録されたサービスワーカーから制限コンテンツの利用が可能であることを示す情報を受信したとき、要求された制限コンテンツのデータをユーザ端末50に送信する。第1サーバ装置20は、制限コンテンツの利用が不可であることを示す情報を受信したとき、又は制限コンテンツの利用が可能であることを示す情報を受信できなかったとき、制限コンテンツが利用できないことをユーザに通知するための通知画面のデータをユーザ端末50に送信する。
【0017】
第2サーバ装置30は、広告ページに対応するHTMLファイルのデータと広告ページを構成するコンテンツデータとを記憶する。第2サーバ装置30は、ユーザ端末50のブラウザからの要求に対する応答として、要求された広告ページに対応するHTMLファイルのデータをユーザ端末50のブラウザに送信する。
【0018】
図2に示すように、管理サーバ装置10はプロセッサ11を有する。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)により構成され、システムバス19に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM12には、プロセッサにより実行されるBIOS(Basic Input Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)等が記憶される。RAM13は、プロセッサ11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。記憶装置17には、各種プログラム、テーブルデータなどが記憶されている。その詳細は後述する。通信装置15は、インターネットを介して外部装置との通信を制御する。
【0019】
記憶装置17には、受付プログラムと登録プログラムとが記憶されている。
受付プログラムは、音楽サイトからのプッシュ通知の受信の可否を受け付け、プッシュ通知の受信を許諾したユーザ端末50の端末情報をプッシュ通知サーバ装置40と管理サーバ装置10に登録する一連の処理を記述したプログラムである。ユーザ端末50のブラウザにより受付プログラムが実行されることで、ユーザ端末50の画面に音楽サイトからのプッシュ通知の許諾画面を表示する機能と、ユーザ端末50の操作により許諾画面の許諾ボタンが押されたときにプッシュ通知サーバ装置40に対してプッシュ通知の登録要求を送信する機能と、管理サーバ装置10に対してプッシュ通知の許諾通知を送信する機能とが実現される。
【0020】
登録プログラムは、ユーザ端末50のブラウザにサービスワーカーを登録し、動作させるためのJavaScriptである。サービスワーカーは、音楽サイトの暗号鍵情報の管理、暗号鍵情報の更新、暗号鍵情報に基づく判定処理に関する一連の処理を記述したJavaScriptであり、ブラウザにより実行され、ブラウザのバックグラウンドで動作する。サービスワーカーは、暗号鍵を利用するサイト毎に用意され、暗号鍵を利用するサイトを識別する情報により管理されている。ユーザ端末50のブラウザによりサービスワーカーが実行されることで、音楽サイトを利用するための暗号鍵情報をブラウザの記憶領域に記憶させる機能と、音楽サイトからのプッシュ通知の通知画面がクリックされたことに基づいて、暗号鍵情報を更新する機能と、ブラウザから第1サーバ装置20に制限コンテンツが要求されたときに、暗号鍵情報に基づいてユーザによる制限コンテンツの利用の可否を判定し、その判定結果を示す情報を第1サーバ装置20に送信する機能とが実現される。
【0021】
記憶装置17には、プッシュ通知の受信を許諾したユーザ端末50の端末情報を管理するテーブル(端末情報管理テーブル)と、広告配信サービスを申し込んだ、換言すると受付プログラムと登録プログラムとを提供したサイト情報を管理するテーブル(サイト情報管理テーブル)と、広告主から入稿された広告情報を管理するテーブル(広告情報管理テーブル)とが記憶される。
【0022】
図3に示すように、端末情報管理テーブルでは、プッシュ通知の送信先を特定するための各種情報が管理されている。例えば、プッシュ通知を許諾したユーザ端末50を一意に識別するためのUUID(Universally Unique Identifier)に対して端末情報が関連付けられている。端末情報は、ユーザ端末50から送信されるものであり、レジストレーションIDと送信者IDとブラウザ情報とを含む。レジストレーションIDは、プッシュ通知の受信を許諾したユーザ端末50を特定するための固有IDであり、プッシュ通知サーバ装置40により発行される。送信者IDは、プッシュ通知の送信元を特定するための固有IDであり、プッシュ通知サーバ装置40により発行される。送信者IDは、アプリケーションであれば、アプリケーション毎、WEBサイトであればWEBサイト毎に発行される。
【0023】
図4に示すように、サイト情報管理テーブルでは、暗号鍵を管理するサイト、換言するとプッシュ通知の通知元に関する情報が管理されている。例えば、サイトを一意に特定するためのサイトIDに対してサイト情報が関連付けられている。サイト情報は、サイト名、アカウントID、送信者ID,及びサーバーキーを含む。アカウントIDは、広告配信サービスを利用するために必要なIDであり、管理サーバ装置10により発行される。送信者IDは、プッシュ通知の送信元を特定するためのIDであり、プッシュ通知サーバ装置40により発行される。サーバーキーは、プッシュ通知サービスを利用するための認証鍵であり、プッシュ通知サーバ装置40により発行される。管理サーバ装置10は、送信者IDとサーバーキーとを保持することで、音楽サイトを運営する運営会社を代理してプッシュ通知サーバ装置40にプッシュ通知を依頼することができる。送信者IDとサーバーキーとは、音楽サイトの運営会社により、プッシュ通知サービスの利用を申請することで予め取得される。
【0024】
サイト情報管理テーブルで管理されている情報は、サイトを運営する運営会社により登録される。管理サーバ装置10は、運営会社によりサイト情報が登録されると、第1HTMLタグと第2HTMLタグとを発行する。管理サーバ装置10により発行された第1HTMLタグと第2HTMLタグとは、運営会社の担当者などにより音楽サイトのトップページのHTMLファイルに埋め込まれる。
【0025】
図5に示すように、広告情報管理テーブルでは、広告主から入稿された広告情報が管理されている。例えば、広告を一意に特定するための広告IDに対して広告情報と広告主を特定する広告主IDとが関連付けられている。広告情報は、サイトID及びURLを含む。サイトIDは、複数のサイトから広告主により選択されたサイトに対応する。広告主により選択されたサイトはプッシュ通知の送信元となる。URLは、プッシュ通知の通知画面がクリックされたときにユーザ端末50に表示される広告ページのURLである。広告情報管理テーブルで管理される広告情報は広告配信会社が提供する広告配信サイトを介して広告主により登録される。広告主は、複数のサイトのうち、広告ページのターゲット顧客層とターゲットが合致するサイトを選択することで、広告による宣言効果を向上させることができる。広告IDに対して、テキストデータ、画像データ等のプッシュ通知画面に表示するデータが関連付けられていてもよい。
【0026】
以下、図6図7を参照して、音楽サイトのトップページを訪問したユーザのユーザ端末50のブラウザにサービスワーカーが登録されるまでのフローを説明する。
【0027】
図6に示すように、ユーザ操作によりユーザ端末50でブラウザが起動され(工程S11)、ブラウザにより表示された画面上で音楽サイトのトップページのURLが入力される(工程S12)。ユーザ端末50のブラウザは、入力されたURLに対応するIPアドレスにより第1サーバ装置20を特定し、音楽サイトのトップページに対応するHTMLファイルを要求する。第1サーバ装置20は、ユーザ端末50のブラウザから要求されたHTMLファイルのデータを記憶部から読み出し(工程S13)、ユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第1サーバ装置20から受信したHTMLファイルのデータを解析し(工程S14)、ユーザ端末50に音楽サイトのトップページを表示する(工程S15)。また、HTMLファイルに含まれる第1HTMLタグと第2HTMLタグとを読み込み、管理サーバ装置10から、受付プログラムと登録プログラムとをダウンロードする。
【0028】
ユーザ端末50のブラウザは、受付プログラムを実行することで以下の処理を実行する(工程S16)。ブラウザは受付ウィンドウを表示する(工程S17)。図7に示すように、受付ウィンドウは、音楽サイトからのプッシュ通知の受信の可否をユーザが判断するための判断ボックスを含む。受付ウィンドウの「許可」ボタン(許諾ボタン)がクリックされたとき(工程S18)、ブラウザは登録要求として、ブラウザ情報と音楽サイトのトップページ又は受付プログラムにおいて指定された送信者IDとをプッシュ通知サーバ装置40に送信する。プッシュ通知サーバ装置40は登録要求を受信したことに基づいて、レジストレーションIDを発行し(工程S19)、発行したレジストレーションIDを送信者ID、ブラウザ情報に関連付けて登録し(工程S20)、ユーザ端末50のブラウザに送信する。ブラウザは、許諾通知として、ブラウザ情報、送信者ID,及びプッシュ通知サーバ装置40により発行されたレジストレーションIDを管理サーバ装置10に送信する。管理サーバ装置10は、ユーザ端末50から受信したレジストレーションID,送信者ID,及びブラウザ情報を関連付けて端末情報管理テーブルに登録する(工程S21)。
【0029】
ユーザ端末50のブラウザは、サービスワーカー登録プログラムを実行し(工程S22)、ブラウザの記憶領域にサービスワーカーを登録する(工程S23)。サービスワーカーは、工程S18で許可ボタンがクリックされたことに基づいて、暗号鍵情報をブラウザの記憶領域に登録し、ステータスを管理する(工程S24)。
【0030】
以下、図8図9を参照して、プッシュ通知がユーザ端末50に送信されてから、ユーザ端末50に登録された暗号鍵情報が更新されるまでのフローを説明する。
【0031】
図8に示すように、広告主は、パソコン、スマートフォンなどの情報処理装置を用いて、管理サーバ装置10が提供する広告配信サイトにアクセスし、広告情報として広告ページのURLを登録し(工程S31)、送信ボタンをクリックする(工程S32)。
【0032】
プッシュ通知の送信ボタンがクリックされたとき、管理サーバ装置10からプッシュ通知サーバ装置40に広告情報が送信者ID,サーバーキーとともに送信される。プッシュ通知サーバ装置40は、送信者ID、サーバーキーにより認証処理し、送信者IDに基づいて音楽サイトからのプッシュ通知の受信を許諾したユーザ端末50を特定する(工程S33)。プッシュ通知サーバ装置40は、特定したユーザ端末50のブラウザに広告情報をプッシュ通知により送信する。ユーザ端末50のブラウザは、広告情報に基づいて、プッシュ通知の通知画面を表示する(工程S34)。図9に示すように、プッシュ通知の通知画面は、ホーム画面上でダイアログ表示される。通知画面には、プッシュ通知の送信元が音楽サイトであることを示す情報が含まれる。また、通知画面には、広告ページのURLのリンクが設定されている。プッシュ通知には、プッシュ通知のリンクをクリックすることで、送信元の音楽サイトの制限コンテンツを利用できる期間が延長されることを示すテキストが含まれていてもよい。
【0033】
プッシュ通知の通知画面がクリックされたことに基づいて(工程S35)、ユーザ端末50のサービスワーカーは、暗号鍵情報を更新する(工程S36)。工程36の処理により、暗号鍵の有効期間が延長される。工程36の処理では、有効期間の延長ではなく、利用回数を増やす、有効ポイントを増やすなどであってもよい。ユーザ端末50のブラウザはブラウザ画面を起動し(工程S37)、リンク先のURLに対応するIPアドレスにより第2サーバ装置30を特定し、URLに対応するHTMLファイルを要求する。第2サーバ装置30は、ユーザ端末50のブラウザから要求されたHTMLファイルのデータを記憶部から読み出し(工程S38)、ユーザ端末50のブラウザに送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第2サーバ装置30から受信したHTMLファイルのデータを解析し(工程S39)、広告ページを表示する(工程S40)。
【0034】
以下、図10図11を参照して、ユーザ端末50を用いて制限コンテンツを利用するフローを説明する。なお、図10の工程S51乃至工程S55は、図6の工程S11乃至工程S15にそれぞれ対応するため説明を省略する。
【0035】
音楽サイトにおいて、ユーザ操作により制限コンテンツが選択されると(工程S56)、ブラウザは制限コンテンツを第1サーバ装置20に要求し、サービスワーカーは、制限コンテンツの利用可否を判定し(工程S57)、制限コンテンツの利用可否を示す情報を第1サーバ装置20に送信する。ここでは、ユーザによる制限コンテンツの利用が不可であるものとして説明する。なお、ユーザによる制限コンテンツの利用が可能である場合、第1サーバ装置20は、制限コンテンツのデータをユーザ端末50に送信する。それにより、ユーザは、ユーザ端末50で制限コンテンツを利用することができる。もちろん、制限コンテンツの要求を受信した第1サーバ装置20が、ユーザ端末50に、暗号鍵情報を要求し、ユーザ端末50から受信した暗号鍵情報に基づいて、制限コンテンツの利用可否を判定するようにしてもよい。また、制限コンテンツの要求を受信した第1サーバ装置20がユーザ端末50に制限コンテンツの利用可否の判定結果を要求し、ユーザ端末50から判定結果を受信するようにしてもよい。
【0036】
ユーザによる制限コンテンツの利用が不可であることを示す情報を受信したとき、第1サーバ装置20は、応答画面のHTMLファイルのデータを読み出し(工程S58)、ユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第1サーバ装置20から受信したHTMLファイルのデータを解析し、応答画面を表示する(工程S59)。
【0037】
図11に示すように、応答画面は、制限コンテンツの利用が不可であることをユーザに通知するためのテキストと、制限コンテンツを再び利用できるようにするための「広告」ボタンを含む。広告ボタンには、広告ページのURLがリンク付けされている。応答画面の「広告」ボタンがクリックされたことに基づいて(工程S60)、ユーザ端末50のサービスワーカーは、暗号鍵情報を更新する(工程S61)。
【0038】
一方、ユーザ端末50のブラウザはブラウザ画面を起動し(工程S62)、リンク先のURLに対応するIPアドレスにより第2サーバ装置30を特定し、URLに対応するHTMLファイルを要求する。第2サーバ装置30は、ユーザ端末50のブラウザから要求されたHTMLファイルのデータを記憶装置17から読み出し(工程S63)、ユーザ端末50のブラウザに送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第2サーバ装置30から受信したHTMLファイルのデータを解析し(工程S64)、広告ページを表示する(工程S65)。工程S61の処理により、暗号鍵の有効期間が新たに設定され、ユーザは、制限コンテンツを再び利用することができる。
【0039】
以上説明した第1実施形態に係る広告配信システムによれば、以下のような効果を奏する。すなわち、ユーザ端末50に登録された暗号鍵情報は、プッシュ通知の通知画面がクリックされたことに基づいて更新されるため、制限コンテンツを継続して利用するために、プッシュ通知の通知画面をクリックして通知画面に設定されたリンク先の広告ページを積極的に閲覧する動機付けをユーザに与えることができる。プッシュ通知の通知画面を通知されたタイミングでクリックする必要はなく、ユーザは、空いた時間などの好きなタイミングでプッシュ通知の通知画面をクリックすればよいため、プッシュ通知の通知画面に設定されたリンク先の広告ページを閲覧する煩わしさを、動画を視聴している途中に動画広告が挿入されている場合に比べて感じにくいはずである。
【0040】
ユーザ端末50に登録された暗号鍵情報を、プッシュ通知の通知画面がクリックされたことを契機として更新するだけではなく、応答画面の「広告」ボタンがクリックされたことを契機として更新できるようにすることで、ユーザが、制限コンテンツにアクセスして、初めて暗号鍵の有効期限切れ等により制限コンテンツが利用できない状態であることを知ったとしても、応答画面の「広告」ボタンをクリックすることで暗号鍵情報を更新することができるため、プッシュ通知を待つことなく、即時的に制限コンテンツの利用を再開することができる。
【0041】
ユーザ端末50において、制限コンテンツの利用に必要な暗号鍵情報の管理、暗号鍵情報の更新処理、及び暗号鍵情報に基づいてユーザの利用可否の判定処理を行うように構成することで、制限コンテンツを配信する会社が端末情報などのユーザ端末50の識別情報を管理する必要はなく、個人情報の漏洩リスクはほとんどない。また、暗号鍵情報を管理する必要もないため、暗号鍵の流出リスクは小さく、流出した暗号鍵を用いた不正アクセスを防げる。このように、広告配信サービスを利用する会社による各種情報の管理負担を軽減することができる。
【0042】
広告配信サービスの利用にあたって、広告配信サービスを利用する会社は、既存のWEBページに広告配信会社から提供されたHTMLタグを埋め込むだけでよく、作業負担は小さく、サービスを利用する障壁はかなり低いといえる。
【0043】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る広告配信システムは、管理サーバ装置10において暗号鍵情報の管理、暗号鍵情報の更新処理、及び暗号鍵情報に基づくユーザによる制限コンテンツの利用可否の判定処理を行うように構成される。
【0044】
以下、図12を参照して、音楽サイトのトップページを訪問したユーザのユーザ端末50のブラウザに暗号鍵情報が登録されるまでのフローを説明する。なお、図12の工程S71乃至工程S83の処理は、図6の工程S11乃至工程S23の処理と同一であるため、説明を省略する。なお、第2実施形態においてサービスワーカーは、第1実施形態におけるサービスワーカーとは異なるプログラムである。
【0045】
図12に示すように、管理サーバ装置10は、ユーザ端末50から受信したレジストレーションID,送信者ID,及びブラウザ情報を関連付けて端末情報管理テーブルに登録する(工程S81)。さらに、暗号鍵を発行し、発行した暗号鍵を有効期間に関する情報とともに端末情報に関連付けて端末情報管理テーブルに登録する(工程S84)。管理サーバ装置10は、暗号鍵をユーザ端末50のブラウザに送信する。ユーザ端末50のブラウザに登録されたサービスワーカーは、暗号鍵をブラウザの記憶領域に登録する(工程S85)。
【0046】
以下、図13を参照して、プッシュ通知がユーザ端末50に送信されてから、ユーザ端末50に登録された暗号鍵が更新されるまでのフローを説明する。なお、図13の工程S91乃至工程S99の処理は、図8の工程S31乃至工程S35、工程S37乃至工程S40の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0047】
図13に示すように、プッシュ通知の通知画面がクリックされたことに基づいて(工程S95)、ユーザ端末50のサービスワーカーは、通知画面がクリックされたことを示すクリック情報を端末情報とともに管理サーバ装置10に送信する。管理サーバ装置10は、クリック情報を受信したことに基づいて、端末情報に対応付けられた暗号鍵情報を更新する(工程S100)。工程S100での処理により、例えば、暗号鍵の有効期間が延長される。管理サーバ装置10は、更新した暗号鍵情報をユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50のサービスワーカーは、ブラウザの記憶領域に保持されている暗号鍵情報を更新する(S101)。ユーザ端末50のサービスワーカーは第1実施形態でユーザ端末50に登録されるサービスワーカーと同様の機能を有するものである。
【0048】
以下、図14を参照して、ユーザ端末50を用いて制限コンテンツを利用するフローを説明する。なお、図14の工程S111乃至工程S116は、図6の工程S11乃至工程S15にそれぞれ対応するため説明を省略する。
【0049】
図14に示すように、音楽サイトにおいて、ユーザ操作により制限コンテンツが選択されると(工程S116)、ブラウザは制限コンテンツを第1サーバ装置20に要求する。このとき、サービスワーカーは暗号鍵を端末情報とともに第1サーバ装置20に送信する。第1サーバ装置20は、確認依頼としてユーザ端末50から受信した暗号鍵、端末情報を管理サーバ装置10に転送する。管理サーバ装置10は、端末情報により特定される暗号鍵情報を参照して、ユーザの利用可否を判定する(工程S117)。暗号鍵が合致した上で、有効期間内の利用である場合に、ユーザの利用が「可」であると判定される。暗号鍵が合致しない、又は暗号鍵が合致しても、有効期間外の利用である場合には、ユーザの利用が「不可」であると判定される。管理サーバ装置10は、確認結果としてユーザの利用可否を示す情報を第1サーバ装置20に返信する。ここでは、ユーザの利用が「不可」であるものとして説明する。なお、確認結果としてユーザの利用が「可」であることを示す情報を受信したとき、第1サーバ装置20は、制限コンテンツのデータをユーザ端末50に送信する。それにより、ユーザは、ユーザ端末50で制限コンテンツを利用することができる。
【0050】
ユーザの利用が「不可」であることを示す情報を受信したとき、第1サーバ装置20は、応答画面のHTMLファイルのデータを読み出し(工程S118)、ユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第1サーバ装置20から受信したHTMLファイルのデータを解析し、応答画面を表示する(工程S119)。応答画面の「広告」ボタンがクリックされたことに基づいて(工程S120)、ユーザ端末50のサービスワーカーは、「広告」ボタンがクリックされたことを示すクリック情報を端末情報とともに管理サーバ装置10に送信する。管理サーバ装置10は、端末情報管理テーブルに登録されている暗号鍵情報を更新し(工程S121)、更新した暗号鍵情報をユーザ端末50に送信する。ユーザ端末50のサービスワーカーは、ブラウザの記憶領域に保持されている暗号鍵情報を更新する(S123)。応答画面の「広告」ボタンがクリックされたことに基づいて(工程S120)、ユーザ端末50のブラウザはブラウザ画面を起動し(工程S124)、リンク先のURLに対応するIPアドレスにより第2サーバ装置30を特定し、URLに対応するHTMLファイルを要求する。第2サーバ装置30は、ユーザ端末50のブラウザから要求されたHTMLファイルのデータを記憶部から読み出し(工程S125)、ユーザ端末50のブラウザに送信する。ユーザ端末50のブラウザは、第2サーバ装置30から受信したHTMLファイルのデータを解析し(工程S126)、広告ページを表示する(工程S127)。
【0051】
以上説明した第2実施形態に係る広告配信システムによれば、管理サーバ装置10で、暗号鍵の発行、管理を行わなくてはいけないものの、第1実施形態に係る広告配信システムと同様にプッシュ通知がクリックされたことに基づいて暗号鍵の更新処理を行うことができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
10…情報処理装置(管理サーバ装置)、20…情報処理装置(第1サーバ装置)、30…情報処理装置(第2サーバ装置)、40…情報処理装置(プッシュ通知サーバ装置)、50…情報処理端末(ユーザ端末)、90…ネットワーク回線(公衆電気通信網)。
【要約】
【課題】目的は、ユーザに広告を閲覧する動機付けを与えることにある。
【解決手段】 本発明の一形態に係るプログラムは、ユーザがプッシュ通知の受信を許諾した被許諾者のコンテンツに関するデータを管理するサーバ装置に対して、公衆電気通信網を介して接続されるコンピュータに、コンテンツを利用するための鍵情報を記憶する手段と、被許諾者が通知元となるプッシュ通知の通知画面にリンク付けされたURLがクリックされたことに基づいて、鍵情報を更新する手段と、を実現させる。
【選択図】 図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14