7126202 手すり

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-08-18

(45)【発行日】2022-08-26

(54)【発明の名称】手すり

(51)【国際特許分類】

   E04F 11/18 20060101AFI20220819BHJP

【ＦＩ】

E04F11/18

【請求項の数】 3

(21)【出願番号】P 2018208640

(22)【出願日】2018-11-06

(65)【公開番号】P2020016137

(43)【公開日】2020-01-30

【審査請求日】2021-06-30

(31)【優先権主張番号】P 2018133850

(32)【優先日】2018-07-17

(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP

(73)【特許権者】

【識別番号】594087104

【氏名又は名称】三和アルミ工業株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】000112185

【氏名又は名称】ビニフレーム工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110002712

【氏名又は名称】特許業務法人みなみ特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】青木 仁史

(72)【発明者】

【氏名】中西 章

(72)【発明者】

【氏名】吉野 貴之

【審査官】清水 督史

(56)【参考文献】

【文献】独国特許出願公開第１９６２１３４８（ＤＥ，Ａ１）

【文献】特開平０６－１６７０８３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０９－０４１５２７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０５－０７９１４９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－２００４８０（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開昭６１－１７９２５３（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｆ １１／１８

Ｅ０４Ｂ １／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

躯体の前側に取り付ける手すりであって、
支柱と、前記躯体に取り付けた躯体側固定具と、前記支柱に取り付けた支柱側固定具と、カバーを備え、
前記躯体側固定具は、前記躯体から前側に突出する受け部を有しており、
前記支柱側固定具は、前記支柱から後側に突出する載置部を有しており、
前記載置部が前記受け部に載置してあり、前記載置部と前記受け部が固定してあり、
前記躯体側固定具と前記支柱側固定具が、前記支柱の見付幅内に納まっており、
前記カバーは、前記躯体側固定具及び前記支柱側固定具を左右側から覆うものであることを特徴とする手すり。

【請求項2】

前記カバーが、後側に向けて開口する略コ字形で上下に延びており、前記支柱、前記躯体側固定具及び前記支柱側固定具を内側に納めるようにして前側から取り付けてあることを特徴とする請求項１記載の手すり。

【請求項3】

前記カバーの左右の内側面が、前記支柱の左右側面に当接していることを特徴とする請求項２記載の手すり。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、集合住宅のベランダなどに設置される手すりに関する。

【背景技術】

【0002】

マンションなどの集合住宅のベランダや通路などに設置される手すりにおいて、支柱を躯体から外側に持ち出して取り付けるものがある。たとえば、特許文献１に示すものは、躯体の縦面に取り付けた一対のＬ字状金具により、支柱を挟み込んで固定するものである。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２００６－１５２７０５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、このような特許文献１の手すりは、Ｌ字状金具が躯体の縦面と支柱の側面にそれぞれ固定されるものであるから、支柱を取り付ける際、支柱が躯体側のどこにも係止されない。よって、支柱の取付開始から完了までの間、常に支柱を把持してその全荷重を受け続けなくてはならず、施工性が劣るものであった。

【0005】

本発明は、このような事情を鑑みたものであり、躯体から持ち出して設置されるものであって、施工が容易な手すりを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明のうち請求項１の発明は、躯体の前側に取り付ける手すりであって、支柱と、前記躯体に取り付けた躯体側固定具と、前記支柱に取り付けた支柱側固定具と、カバーを備え、前記躯体側固定具は、前記躯体から前側に突出する受け部を有しており、前記支柱側固定具は、前記支柱から後側に突出する載置部を有しており、前記載置部が前記受け部に載置してあり、前記載置部と前記受け部が固定してあり、前記躯体側固定具と前記支柱側固定具が、前記支柱の見付幅内に納まっており、前記カバーは、前記躯体側固定具及び前記支柱側固定具を左右側から覆うものであることを特徴とする。

【0007】

本発明のうち請求項２の発明は、前記カバーが、後側に向けて開口する略コ字形で上下に延びており、前記支柱、前記躯体側固定具及び前記支柱側固定具を内側に納めるようにして前側から取り付けてあることを特徴とする。

【0008】

本発明のうち請求項３の発明は、前記カバーの左右の内側面が、前記支柱の左右側面に当接していることを特徴とする。

【発明の効果】

【0011】

本発明のうち請求項１の発明によれば、支柱を取り付ける際、支柱側固定具の載置部を躯体側固定具の受け部に載置することで、受け部が支柱を支持して荷重を受けるので、施工が容易である。また、躯体側固定具と支柱側固定具が、支柱に隠れて前側から見えず、さらにカバーに覆われて左右側からも見えないので、意匠性が良好である。

【0012】

本発明のうち請求項２の発明によれば、カバーによって前側及び左右側から躯体側固定具と支柱側固定具が見えないので、意匠性がより良好である。

【0013】

本発明のうち請求項３の発明によれば、カバーの左右幅が支柱の左右幅よりわずかに広い程度のものとなるので、意匠性がより良好である。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】手すりの第一実施形態の縦断面図（図３のＡ－Ａ線断面図）である。

【図2】手すりの第一実施形態の横断面図（図３のＢ－Ｂ線断面図）である。

【図3】手すりの第一実施形態の正面図である。

【図4】（ａ）～（ｃ）は、手すりの取付位置の調整についての説明図である。

【図5】手すりの取付部分のカバーを示す縦断面図であり、（ａ）～（ｃ）は、それぞれ取付位置の調整に対応した場合である。

【図6】手すりの取付部分のカバーを示す横断面図であり、（ａ）～（ｃ）は、それぞれ取付位置の調整に対応した場合である。

【図7】手すりの第一実施形態において、躯体の前側面が傾斜している場合の説明図である。

【図8】手すりの第二実施形態の縦断面図（図１０のＣ－Ｃ線断面図）である。

【図9】手すりの第二実施形態の横断面図（図１０のＤ－Ｄ線断面図）である。

【図10】手すりの第二実施形態の正面図である。

【図11】（ａ）、（ｂ）は、手すりの第三実施形態の縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の手すりの具体的な内容について説明する。この手すりは、種々の場所に設置して用いられるものであるが、ここでは第一実施形態として、転落防止を目的として集合住宅のベランダに設置されるものを示す。なお、以下において、前後方向とは手すりの見込方向であり、ベランダに設置された状態で、屋外側が前側、屋内側が後側である。

【0018】

すなわち、この手すりは、躯体１００の前側に取り付けられる。ここで、手すりが取り付けられる躯体１００は、図１に示すように、建物の外壁面から前側に水平向きに突出する床スラブ１０１と、その前端部から上向きに延びる立ち上がり壁１０２からなるものである。立ち上がり壁１０２の高さは、床スラブ１０１の厚さと略同じである。そして、躯体１００の前側面は、垂直向きの面となっている。

【0019】

まず、手すりの第一実施形態の全体構成について説明する。図１～図３に示すように、この手すりは、支柱１と、躯体側固定具２と、支柱側固定具３と、上桟５と、下桟６と、縦格子７を備える。支柱１は、躯体１００の前側に位置して立設してあり、その下端面が床スラブ１０１の下面と略面一であって、左右に間隔を空けて複数本が並んでいる。躯体１００と支柱１とは、躯体１００に取り付けた躯体側固定具２と支柱１に取り付けた支柱側固定具３を介して固定してある。支柱１の上端には、複数本の支柱１に跨って、左右に延びる上桟５が取り付けてある。また、隣り合う支柱１間の、立ち上がり壁１０２よりやや上側の位置には、左右に延びる下桟６が取り付けてある。そして、隣り合う支柱１間の、上桟５と下桟６の間に、左右に並ぶ複数本の縦格子７が取り付けてある。なお、図３に示すように、手すりの右端においては、上桟５が躯体１００の壁面に固定してある。

【0020】

続いて、手すりの第一実施形態の各構成部材について説明する。支柱１は、断面略正方形で中空の押出形材からなり、その長手方向が垂直方向となるように立設してあって、その下端部の後側面が、躯体１００（床スラブ１０１及び立ち上がり壁１０２）の前側面に対向している。そして、支柱１の中空部内には、補強材１１が挿入してある。補強材１１は、断面形状が支柱１よりも一回り小さい略正方形で、外周側に向けて放射状に延びるリブを有しており、支柱１の中空部内に丁度納まる大きさである。補強材１１の長さは、支柱１の全長よりも短く、支柱１の下端から所定範囲のみに挿入してある。また、支柱１の下端には、支柱１の断面形状と同形で平板状の蓋１２を取り付けてあり、開口部を塞いである。

【0021】

躯体側固定具２は、略コ字形の金具からなるものであって、前側に開口する向きで、躯体１００（床スラブ１０１及び立ち上がり壁１０２）の前側面に取り付けてある。より詳しくは、矩形平板状で垂直向きの取付部２２と、矩形平板状で取付部２２の上端から前側に向けて延びる上側受け部２１ａと、同じく矩形平板状で取付部２２の下端から前側に向けて延びる下側受け部２１ｂからなる（上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂを合わせて受け部２１とする）。取付部２２及び受け部２１の左右幅は、支柱１の左右幅に等しい。そして、取付部２２には、上下に２つのボルト孔を形成してあり、上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂにも、それぞれ１つずつボルト孔を形成してある。何れのボルト孔も、各部の左右方向中心に位置している。また、上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂの上面には、略全面にわたって、それぞれ左右に延びる凹溝を前後に複数本並べて形成してあり、左右方向から見て矩形波形状の凹凸部２４ａ，２４ｂとなっている。さらに、躯体１００の前側面には、上下の２箇所にアンカーボルト２３ａ，２３ｂを埋め込んである。アンカーボルト２３ａ，２３ｂの先端は、躯体１００から前側に突出している。また、上下のアンカーボルト２３ａ，２３ｂにおいて、躯体１００に埋め込まれた部分の長さは、上側のアンカーボルト２３ａよりも下側のアンカーボルト２３ｂの方が長くなっている。そして、躯体側固定具２の取付部２２を、躯体１００の前側面に当接させて、２つのボルト孔にそれぞれアンカーボルト２３ａ，２３ｂの先端部を挿入してあり、各アンカーボルト２３ａ，２３ｂに前側からナットを螺合して、躯体側固定具２を躯体１００に固定してある。

【0022】

支柱側固定具３は、２つの略Ｌ字形の金具からなるものであって、支柱１の後側面に取り付けてある。より詳しくは、略Ｌ字形の上側部材３ａ及び下側部材３ｂからなり、上側部材３ａは、矩形平板状で垂直向きの上側取付部３２ａと、矩形平板状で上側取付部３２ａの上端から後側に向けて延びる上側載置部３１ａからなり、下側部材３ｂは、矩形平板状で垂直向きの下側取付部３２ｂと、矩形平板状で下側取付部３２ｂの下端から後側に向けて延びる下側載置部３１ｂからなる（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂを合わせて載置部３１とする）。上側部材３ａの上側取付部３２ａと上側載置部３１ａ及び下側部材３ｂの下側取付部３２ｂと下側載置部３１ｂの左右幅は、支柱１の左右幅に等しい。そして、上側取付部３２ａ及び下側取付部３２ｂには、それぞれ１つずつボルト孔３３ａ，３３ｂを形成してあるが、このボルト孔３３ａ，３３ｂは、上下に長い長孔となっている。さらに、上側載置部３１ａ及び下側載置部３１ｂにも、それぞれ１つずつボルト孔３４ａ，３４ｂを形成してあるが、このボルト孔３４ａ，３４ｂも、前後に長い長孔となっている。何れのボルト孔３３ａ，３３ｂ，３４ａ，３４ｂも、各部の左右方向中心に位置している。また、上側載置部３１ａ及び下側載置部３１ｂの下面には、略全面にわたって、それぞれ左右に延びる凹溝を前後に複数本並べて形成してあり、左右方向から見て矩形波形状の凹凸部３５ａ，３５ｂとなっている。この凹凸部３５ａ，３５ｂの波形は、躯体側固定具２の凹凸部２４ａ，２４ｂの波形と同じである。さらに、支柱１の下部には、上下の２箇所に支柱１及び補強材１１を前後に貫通するボルト孔を形成してある。そして、上側部材３ａの上側取付部３２ａと下側部材３ｂの下側取付部３２ｂを、それぞれ支柱１の後側面に当接させて、支柱１のボルト孔と上側取付部３２ａ及び下側取付部３２ｂのボルト孔３３ａ，３３ｂを連通させ、支柱１の前側からボルトを挿入し、後側からナットを螺合して、支柱側固定具３を支柱１に固定してある。この際、上側取付部３２ａ及び下側取付部３２ｂのボルト孔３３ａ，３３ｂが長孔なので、支柱１に対する上側部材３ａ及び下側部材３ｂの取付位置を上下に調整できるが、上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂの間隔は、躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂの間隔と同じになっている。

【0023】

そして、支柱側固定具３の上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂが、それぞれ躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂに載置してある。この際、上側受け部２１ａの凹凸部２４ａに上側載置部３１ａの凹凸部３５ａが噛み合い、下側受け部２１ｂの凹凸部２４ｂに下側載置部３１ｂの凹凸部３５ｂが噛み合うが、噛み合う範囲（受け部２１と載置部３１が重なり合う範囲）は、受け部２１と載置部３１を固定可能な範囲で任意に設定できる。すなわち、上側受け部２１ａと上側載置部３１ａの相互の当接面の凹凸部２４ａ，３５ａと、下側受け部２１ｂと下側載置部３１ｂの相互の当接面の凹凸部２４ｂ，３５ｂが、それぞれ位置決め構造４となっていて、この位置決め構造４により、受け部２１（上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂ）に対して、載置部３１（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂ）を、前後方向の複数箇所で位置決めできる。そして、上側載置部３１ａのボルト孔３４ａと上側受け部２１ａのボルト孔を連通させ、下側載置部３１ｂのボルト孔３４ｂと下側受け部２１ｂのボルト孔を連通させ、それぞれ上側からボルトを挿入し、下側からナットを螺合して、支柱側固定具３の載置部３１（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂ）と躯体側固定具２の受け部２１（上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂ）が固定してある。この際、上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂが長孔であって、これに対して上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂのボルト孔が連通する範囲が、位置決めの調整可能範囲である。なお、このように受け部２１（上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂ）の上面と載置部３１（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂ）の下面に凹凸部２４ａ，２４ｂ，３５ａ，３５ｂが形成されて相互に噛み合っているのに対し、受け部２１の下面と載置部３１の上面は平面となっている。これにより、受け部２１と載置部３１を固定するボルトとナットの座面の接触面積が大きくなり（ボルトの座面が載置部３１の上面に接触し、ナットの座面が受け部２１の下面に接触する）、確実に固定することができる。

【0024】

この位置決め構造４による、載置部３１の取付位置の調整について示したのが図４である。（ｂ）に示すのは、上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの前後方向中央部に、上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂのボルト孔が連通した状態（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの前後方向中央部にボルトが通る状態）である。この際の受け部２１に対する載置部３１の前後方向位置を、基準位置とする。これに対し、（ａ）に示すのは、上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの後端部に、上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂのボルト孔が連通した状態（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの後端部にボルトが通る状態）である。この場合、受け部２１に対して載置部３１が基準位置よりも前側に位置しており、支柱１が躯体１００からより離隔している。また、（ｃ）に示すのは、上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの前端部に、上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂのボルト孔が連通した状態（上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂのボルト孔３４ａ，３４ｂの前端部にボルトが通る状態）である。この場合、受け部２１に対して載置部３１が基準位置よりも後側に位置しており、支柱１が躯体１００により近接している。

【0025】

このようにして、躯体側固定具２と支柱側固定具３が固定され、すなわち、支柱１が躯体１００に対して躯体側固定具２及び支柱側固定具３を介して固定される。この際、躯体側固定具２と支柱側固定具３の左右幅は何れも支柱１の左右幅に等しく、躯体側固定具２と支柱側固定具３は、支柱１の見付幅内に納まるように取り付けられているので、前側からは支柱１に隠れて見えなくなる。

【0026】

上桟５は、目板部材５１と表面部材５２の２部材からなる。目板部材５１は、略平板状の押出形材からなり、隣り合う支柱１に跨って左右に延びるものであって、より詳しくは、１本の支柱１の左右方向中心から、隣り合う支柱１の左右方向中心まで延びており、前後幅は支柱１の前後幅よりもわずかに長い。目板部材５１の上面には、前縁及び後縁に沿って左右に延びる爪部５１１が形成してある。爪部５１１は、上側に向けて先細りで、前後方向の外側に向けて突出する返しを有する形状である。そして、このような目板部材５１の左右端部を、各支柱１の上端面に当接させ、上側からネジ止めして固定してある。表面部材５２は、下側に向けて開口する略コ字形の押出形材からなり、目板部材５１と同様に左右に延びており（左右長さは必ずしも目板部材５１と同じでなくてもよい）、前後幅は目板部材５１の前後幅よりもわずかに長い。前側面部及び後側面部の下端部には、内側に向けて突出し先端が上向きに屈曲している突起５２１が形成してある。また、人が手を掛ける部材なので、上面は丸みを帯びた形状となっている。そして、目板部材５１の前後の爪部５１１に、表面部材５２の前後の突起５２１を係合させ、表面部材５２で目板部材５１を上側から覆い隠すようにして取り付けてある。なお、手すりの左右長さが長い場合、表面部材５２は複数本に分割されるが、その分割位置は、必ずしも目板部材５１と同じでなくてもよい。そして、分割位置において、表面部材５２は端面同士を突き合わせて取り付けられる。

【0027】

下桟６は、下側に向けて開口する略コ字形の押出形材からなり、隣り合う支柱１間で左右に延びており、端面は支柱１の左右側面に当接している。その前後幅は、支柱１の前後幅よりもわずかに短い。支柱１の左右側面の、立ち上がり壁１０２の上端よりやや上側の位置には、Ｌ字形のアングル材６１の垂直面部をネジ止めして固定してあり（水平面部が上側となる向き）、下桟６の端部を左右の支柱１に取り付けたアングル材６１の水平面部に載置して、下桟６の上側からネジ止めして固定してある。

【0028】

縦格子７は、断面略矩形で中空の押出形材からなり、上桟５と下桟６の間でその長手方向が垂直方向となるように立設してある。縦格子７の上端面は、上桟５の目板部材５１の下面に当接していて、目板部材５１の上側からネジ止めして固定してあり、縦格子７の下端面は、下桟６の上面に当接していて、下桟６の下側からネジ止めして固定してある。また、縦格子７の前後幅は、下桟６の前後幅よりも短く、左右幅はさらに短い。

【0029】

また、支柱１の後側面の、下桟６と略同じ高さ位置には、Ｌ字形のアングル材１３の垂直面部をネジ止めして固定してあり（水平面部が下側となる向きで、水平面部の上面と立ち上がり壁１０２の上面が面一となる高さである）、このアングル材１３の水平面部に、平板状の化粧板１４を取り付けてある。化粧板１４は、中空の押出形材からなり、左右に延びるものであって、上面の後側部分が、後方へ下向きに傾斜している。そして、化粧板１４の前端部が、アングル材１３の水平面部に載置してあり、アングル材１３の下側からネジ止めして固定してある。また、化粧板１４の後側部分が、立ち上がり壁１０２の上面に載置してある。こうして、化粧板１４により、支柱１と躯体１００の間の隙間を塞いである。支柱１と躯体１００の間に隙間があると、隙間を通して地表面が見えるため、屋内側（後側）の住人が恐怖を感じる場合があるが、化粧板１４で隙間を塞ぐことで、それを防いでいる。なお、化粧板１４の前後幅は、図４（ａ）に示すように、支柱１と躯体１００の間の隙間が最も広い場合でも、その隙間を塞ぐことができるだけの長さである。

【0030】

続いて、この手すりの第一実施形態の施工手順を説明する。
１．工場において、上桟５の目板部材５１、下桟６及び縦格子７を組んで、面状のユニットとする。
２．現場において、躯体１００の前側面の支柱１に対応する位置に、それぞれ２本のアンカーボルト２３ａ，２３ｂを埋め込む。
３．このアンカーボルト２３ａ，２３ｂに対して、躯体側固定具２を取り付ける。
４．各支柱１に、支柱側固定具３（上側部材３ａ及び下側部材３ｂ）及びアングル材６１を取り付ける。
５．支柱側固定具３の載置部３１を躯体側固定具２の受け部２１に載置して、位置決め構造４により載置部３１の前後方向位置を調整する。
６．載置部３１と受け部２１を固定する。
７．支柱１の上端に、ユニットの目板部材５１を取り付け、アングル材６１に、ユニットの下桟６を取り付ける。
８．目板部材５１に表面部材５２を取り付ける。
９．支柱１に化粧板１４を取り付ける。
以上で、手すりの第一実施形態の施工が完了する。なお、上桟５の表面部材５２は、工場で予め取り付けてもよい（上記の工程８を、工程１に組み込んでもよい）。

【0031】

このように構成した手すりの第一実施形態によれば、支柱１を取り付ける際、支柱側固定具３の載置部３１（上側載置部３１ａ及び下側載置部３１ｂ）を躯体側固定具２の受け部２１（上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂ）に載置することで、受け部２１が支柱１を支持して荷重を受けるので、作業者がその全荷重を受け続ける必要がなく、施工が容易である。また、躯体側固定具２と支柱側固定具３が支柱１の見付幅内に納まり、支柱１に隠れて前側から見えないので、意匠性が良好である。さらに、位置決め構造４により、躯体側固定具２の受け部２１に対して支柱側固定具３の載置部３１を前後方向の複数箇所で位置決めできるので、特に改修用のものとして用いられる場合において、躯体１００側に段差などがある場合でも、適宜支柱１と躯体１００の間隔を調整することで、手すりを左右方向直線上に誤差なく設置できる。また、この位置決め構造４は、受け部２１（上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂ）の凹凸部２４ａ，２４ｂと載置部３１（上側載置部３１ａ及び下側載置部３１ｂ）の凹凸部３５ａ，３５ｂとが噛み合うものであるから、載置部３１を受け部２１に載置した際に、位置決め構造４が滑り止めとなり、受け部２１から載置部３１が脱落することがなく、安全かつ確実に施工作業を行うことができるとともに、受け部２１と載置部３１の固定強度がより高いものとなる。さらに、上桟５の目板部材５１、下桟６及び縦格子７を、予め工場で組んでユニット化できるので、現場における施工が容易で工期を短縮できる。

【0032】

なお、この手すりの第一実施形態において、図５及び図６に示すように、支柱１の下部にカバー８を取り付けてもよい。このカバー８は、後側に向けて開口する略コ字形の押出形材からなり、上下に延びており、支柱１の下端から支柱側固定具３の上側載置部３１ａの上面までの長さに等しい長さとなっている。また、前側部分は、左右幅が、支柱１が内側に丁度納まる幅となっており、前端部は、先細り形状で、後側部分は、前側部分と段部を介して連続していて、左右幅は、前側部分よりもわずかに広くなっている。そして、このカバー８は、支柱１、躯体側固定具２及び支柱側固定具３を内側に納めるようにして、前側から取り付けてあり、左右から支柱１にネジ止めして固定してある。この際、支柱１の前側面から突出するボルトの頭部が、カバー８の前端部の先細り形状部分の内側に納まる。図５及び図６の（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は、それぞれ図４の（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に対応している。図５（ｃ）及び図６（ｃ）に示すように、支柱１を躯体１００に最も近づけた場合に、カバー８の後端が躯体１００の前側面に当接するものであり、（ａ）、（ｂ）に示すように、支柱１がそれよりも前側に位置している場合は、カバー８の後端が躯体１００の前側面から離隔する。また、このカバー８を取り付けた場合は、支柱１の下端に取り付ける蓋１２に替えて、カバー８の断面形状と同形のカバー用蓋８１を取り付ける。

【0033】

このように、カバー８及びカバー用蓋８１を取り付けることにより、前側、左右側及び下側から躯体側固定具２及び支柱側固定具３がほとんど見えなくなるので、意匠性がより良好である。

【0034】

また、この手すりの第一実施形態は、躯体１００の前側面が垂直方向に対して傾斜している場合にも対応できる。たとえば、図７に示すのは、躯体１００の前側面が垂直方向に対して後傾する向きに傾斜している場合であり、垂直方向に対する傾斜角度は２度である。この場合、躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂは、前側が高くなる向きで水平方向に対して２度傾斜するが、支柱側固定具３の上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂは、水平向きとなっている。この際、躯体側固定具２の受け部２１と支柱側固定具３の載置部３１とは、図１に示す躯体１００の前側面が垂直向きの場合と同様に、位置決め構造４によって前後方向に位置決めされている。すなわち、上側受け部２１ａの凹凸部２４ａと上側載置部３１ａの凹凸部３５ａが噛み合っており、下側受け部２１ｂの凹凸部２４ｂと下側載置部３１ｂの凹凸部３５ｂが噛み合っている。ただし、図１に示す躯体１００の前側面が垂直向きである場合と比べて、躯体側固定具２の上側受け部２１ａに対する支柱側固定具３の上側載置部３１ａの位置が、凹凸部２４ａ，３５ａの突起１つ分だけ前側にずれており、躯体側固定具２の下側受け部２１ｂに対する支柱側固定具３の下側載置部３１ｂの位置が、凹凸部２４ｂ，３５ｂの突起１つ分だけ後側にずれている。また、上側受け部２１ａの凹凸部２４ａのうち、前側の一部の突起のみが上側載置部３１ａの凹凸部３５ａと噛み合っており、後側の一部の突起はその上面が上側載置部３１ａの凹凸部３５ａの突起の下面と当接している。さらに、下側受け部２１ｂの凹凸部２４ｂのうち、前側の一部の突起のみが下側載置部３１ｂの凹凸部３５ｂと噛み合っており、後側の一部の突起はその上面が下側載置部３１ｂの凹凸部３５ｂの突起の下面と当接している。これにより、傾斜する躯体側固定具２の上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂに対して、支柱側固定具３の上側載置部３１ａ及び下側載置部３１ｂは水平向きとなり、上側取付部３２ａ及び下側取付部３２ｂは垂直向きとなって、結果として支柱１は長手方向が垂直方向となっている。

【0035】

このように、躯体１００の前側面が垂直方向に対して傾斜しており、それに伴って躯体側固定具２の受け部２１が傾斜している場合において、位置決め構造４により、上側受け部２１ａに対する上側載置部３１ａの前後位置と下側受け部２１ｂに対する下側載置部３１ｂの前後位置をずらすことで、支柱１を垂直向きに設けることができる。上下における前後位置のずれを小さくすれば、躯体１００の前側面の傾斜角度が小さい場合に対応し、上下における前後位置のずれを大きくすれば、躯体１００の前側面の傾斜角度が大きい場合に対応する。なお、躯体側固定具２の傾斜した受け部２１の凹凸部２４ａ，２４ｂに対して、支柱側固定具３の載置部３１が水平向きとなる状態でその凹凸部３５ａ，３５ｂが嵌合するのは、嵌合する凹凸部同士（凹凸部２４ａと凹凸部３５ａ、凹凸部２４ｂと凹凸部３５ｂ）がクリアランスを有しているからであり、傾斜角度がクリアランスの範囲を超えると、両者を嵌合させることはできなくなる。本実施形態では、躯体１００の前側面の垂直方向に対する傾斜角度が概ね３度以下であれば、両者を嵌合させて、支柱１を垂直向きにできる。また、躯体１００の前側面が垂直方向に対して前傾する向きに傾斜している場合にも、同様に対応できる。その場合、図１に示す躯体１００の前側面が垂直向きである場合と比べて、躯体側固定具２の上側受け部２１ａに対する支柱側固定具３の上側載置部３１ａの位置を後側にずらし、躯体側固定具２の下側受け部２１ｂに対する支柱側固定具３の下側載置部３１ｂの位置を前側にずらせばよい。

【0036】

次に、この手すりの第二実施形態について説明する。第二実施形態は、図８～図１０に示すように、第一実施形態における縦格子７に替えて、ガラスパネル９を取り付けたものである。ガラスパネル９は、上桟５、下桟６及び左右の縦桟９１によって形成される枠体の内周側に嵌め込まれるものであり、第一実施形態とは、ガラスパネル９及び縦桟９１を有する点並びに上桟５及び下桟６の形状が異なっている。以下、第一実施形態と異なる部分に絞って説明する。

【0037】

第二実施形態の上桟５は、目板部材５１と表面部材５２の２部材からなり、表面部材５２は、第一実施形態のものと同じである。目板部材５１は、略平板状の押出形材からなり、複数本の支柱１に跨って左右に延びており、前後幅は支柱１の前後幅よりもわずかに長い。目板部材５１の上面には、第一実施形態のものと同様に、前縁及び後縁に沿って左右に延びる爪部５１１が形成してある。目板部材５１の下面には、前後方向中央部に、左右に延びる嵌合溝５１３が形成してある。嵌合溝５１３は、略コ字形で下側に向けて開口するものである。このような目板部材５１を、各支柱１の上端面に当接させ、上側からネジ止めして固定してある。そして、目板部材５１の前後の爪部５１１に、表面部材５２の前後の突起５２１を係合させ、表面部材５２で目板部材５１を上側から覆い隠すようにして取り付けてある。

【0038】

第二実施形態の下桟６は、下側に向けて開口する略コ字形の押出形材からなり、隣り合う支柱１間で左右に延びており、端面は支柱１の左右側面に当接している。その前後幅は、支柱１の前後幅よりもわずかに短い。また、その上面には、前後方向中央部に、左右に延びる嵌合溝６２が形成してある。嵌合溝６２は、略コ字形で上側に向けて開口するものである。支柱１の左右側面の、立ち上がり壁１０２の上端よりやや上側の位置には、略コ字形の係止部材６３をネジ止めして固定してあり（左右に延び上側に開口する向き）、下桟６の嵌合溝６２の端部を、左右の支柱１に取り付けた略コ字形の係止部材６３に上側から嵌め込み、下桟６を係止部材６３に係止してある。

【0039】

そして、隣り合う支柱１間において、上桟５と下桟６の間の、左右端部の支柱１の近傍に、縦桟９１を取り付けてある。左右の縦桟９１は、対称な構成であり、ガラスパネル９の端面及び前側面に対向する断面略Ｌ字形の基材９１１と、ガラスパネル９の後側面に対向する押縁材９１２からなる。基材９１１の上下端部は上桟５の目板部材５１及び下桟６にネジ止めしてあり、ガラスパネル９を上桟５の嵌合溝５１３と下桟６の嵌合溝６２にケンドンで嵌め込んだ後、縦桟９１の押縁材９１２を取り付けて固定するものである。

【0040】

このように構成した手すりの第二実施形態も、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。また、第一実施形態の縦格子７に替えてガラスパネル９を取り付けたものであるが、第一実施形態と同様に、上桟５の目板部材５１、下桟６、縦桟９１及びガラスパネル９を、予め工場で組んでユニット化できるので、現場における施工が容易で工期を短縮できる。

【0041】

次に、この手すりの第三実施形態について説明する。第三実施形態は、図１１に示すように、躯体１００の前側面が垂直方向に対して傾斜しており、支柱１の後側面と支柱側固定具３との間、又は躯体１００の前側面と躯体側固定具２との間に、スペーサ１０を挟んである。躯体側固定具２及び支柱側固定具３の形状や、支柱１、上桟５、下桟６及び縦格子７の形状は、第一実施形態と同じである。以下、第一実施形態と異なる部分に絞って説明する。

【0042】

まず、図１１（ａ）に示す場合について説明する。この場合、躯体１００の前側面が、垂直方向に対して後傾する向きに傾斜しており、垂直方向に対する傾斜角度は８度である。この躯体１００の前側面に、躯体側固定具２の取付部２２が当接しており、躯体１００の前側面に埋め込まれており躯体側固定具２を貫通する上下２本のアンカーボルト２３ａ，２３ｂにより固定されている。よって、躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂは、前側上方に向けて突出する。また、スペーサ１０を、支柱１の後側面と支柱側固定具３との間に挟んで取り付けてある。スペーサ１０は、下側に向けて先細りとなるくさび状の金属製部材であって、前側面が垂直面であり、後側面が前側面（垂直面）に対して躯体１００の前側面の傾斜角度と同じ角度だけ傾斜している。また、スペーサ１０の左右幅は、支柱１の左右幅に等しい。さらに、スペーサ１０には、上下に２つのボルト孔を形成してあり、何れのボルト孔も、スペーサ１０の左右方向中心に位置している。このスペーサ１０の前側面に、支柱１の後側面が当接しており、スペーサ１０の後側面に、支柱側固定具３の上側部材３ａの上側取付部３２ａと下側部材３ｂの下側取付部３２ｂが当接しており、支柱１、スペーサ１０及び支柱側固定具３を貫通する上下２本のボルトにより固定されている（この際、躯体側固定具２の上側取付部３２ａ及び下側取付部３２ｂから後側に突出するボルトの後端部に、傾斜座金１０ａ，１０ｂを外挿してからナットを螺合してある。傾斜座金１０ａ，１０ｂは、スペーサ１０と相似形で上下反対向きなので、後側面が垂直面となり、ナットの座面と平行になるので、ナットを確実に締結できる）。よって、支柱１は垂直向きとなり、支柱側固定具３の上側部材３ａの上側載置部３１ａ及び下側部材３ｂの下側載置部３１ｂは、後側下方に向けて突出し、躯体側固定具２の上側受け部２１ａ及び下側受け部２１ｂと平行になる。そして、支柱側固定具３の上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂが、それぞれ躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂに載置してあり、それぞれボルト止めして固定してある。

【0043】

次に、図１１（ｂ）に示す場合について説明する。この場合、躯体１００の前側面が、垂直方向に対して前傾する向きに傾斜しており、垂直方向に対する傾斜角度は８度である。また、躯体１００の前側面が平面ではなく凹凸を有している。この躯体１００の前側面に、躯体側固定具２を取り付けてあるが、ここで、スペーサ１０を、躯体１００の前側面と躯体側固定具２の取付部２２との間に挟んで取り付けてある。スペーサ１０は、上側に向けて先細りとなるくさび状の金属製部材であって、前側面が垂直面であり、後側面が前側面（垂直面）に対して躯体１００の前側面の傾斜角度と同じ角度だけ傾斜している。また、スペーサ１０の左右幅は、支柱１の左右幅に等しい。さらに、スペーサ１０には、上下に２つのボルト孔を形成してあり、何れのボルト孔も、スペーサ１０の左右方向中心に位置している。このスペーサ１０の後側面に、躯体１００の前側面が当接しており、スペーサ１０の前側面に、躯体側固定具２の取付部２２が当接しており、躯体１００の前側面に埋め込まれておりスペーサ１０及び躯体側固定具２を貫通する上下２本のアンカーボルト２３ａ，２３ｂにより固定されている。よって、躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂは、前側に向けて水平に突出する。また、第一実施形態と同様に、支柱１の後側面に、支柱側固定具３の上側部材３ａの上側取付部３２ａと下側部材３ｂの下側取付部３２ｂが当接しており、支柱１及び支柱側固定具３を貫通する上下２本のボルトにより固定されている。よって、支柱１は垂直向きとなり、支柱側固定具３の上側部材３ａの上側載置部３１ａ及び下側部材３ｂの下側載置部３１ｂは、後側に向けて水平に突出する。そして、支柱側固定具３の上側載置部３１ａと下側載置部３１ｂが、それぞれ躯体側固定具２の上側受け部２１ａと下側受け部２１ｂに載置してあり、それぞれボルト止めして固定してある。

【0044】

このように構成した手すりの第三実施形態も、第一実施形態と同様の作用効果を奏するものである。そして、躯体１００の前側面が大きく傾斜している場合であっても、その傾斜角度に合わせたスペーサ１０を用意することで、スペーサ１０によりその傾斜角度を補正して、支柱１を垂直向きに取り付けることができる。すなわち、第一実施形態において、躯体側固定具２に対して支柱側固定具３の前後位置を上下においてずらすことで躯体１００の前側面の傾斜に対応する場合、対応可能な傾斜角度は概ね３度以下であったが、この第三実施形態のスペーサ１０を用いれば、それよりも大きな傾斜角度にも対応できる。また、特に図１１（ｂ）に示す場合のように、躯体１００の前側面が平面ではなく凹凸を有する場合であっても、スペーサ１０により、躯体側固定具２の取付面（スペーサ１０の前側面）を平面にできる。なお、躯体１００の前側面が垂直方向に対して後傾する向きに傾斜している場合において、スペーサ１０を躯体１００と躯体側固定具２との間に取り付けてもよいし、躯体１００の後側面が垂直方向に対して前傾する向きに傾斜している場合において、スペーサ１０を支柱１と支柱側固定具３との間に取り付けてもよい。また、スペーサ１０は、上下反転させて用いることが可能であり、これにより、１つのスペーサ１０で、躯体１００の前側面が垂直方向に対して後傾する向きに傾斜している場合と前傾する向きに傾斜している場合の両方に対応できる。さらに、図１１に図示したスペーサ１０は中実部材からなるものであるが、変形例として、スペーサは必要強度を維持する程度に肉抜きした中空部材からなるものであってもよい。

【0045】

本発明は、前記の実施形態に限定されない。たとえば、躯体側固定具は、上側受け部を含み上側のアンカーボルトによって固定される部材と下側受け部を含み下側のアンカーボルトによって固定される部材の２部材に分かれていてもよい。２部材で構成することにより、躯体の前側面が上下に長く、上下のアンカーボルトの間隔が広い場合でも、躯体側固定具を構成するために要する材料を節約できる。また、支柱側固定具は、単一の部材からなるものであってもよい。単一の部材で構成することにより、部品点数を減らすことができる。さらに、上桟と下桟の間部分の構成は、前記の縦格子やガラスパネルを設けた構成のほか、横格子やルーバー格子を設けてもよく、意匠性などを考慮して自在に設定できる。

【符号の説明】

【0046】

１ 支柱
２ 躯体側固定具
３ 支柱側固定具
４ 位置決め構造
１０ スペーサ
２１ 受け部
３１ 載置部
１００ 躯体

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】