(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】車両用無線電力送信装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220819BHJP
H02J 50/70 20160101ALI20220819BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20220819BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20220819BHJP
H01F 27/08 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/70
H02J50/10
H02J7/00 301B
H01F38/14
H01F27/08 150
(21)【出願番号】P 2021147392
(22)【出願日】2021-09-10
(62)【分割の表示】P 2020501813の分割
【原出願日】2018-07-12
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】10-2017-0090413
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0080586
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511302024
【氏名又は名称】アモグリーンテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ファン スンゼ
【審査官】山本 香奈絵
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1733579(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0288067(US,A1)
【文献】特開2003-272938(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0011106(KR,A)
【文献】特開2008-294385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 50/70
H02J 50/10
H01F 38/14
H01F 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力を送出するための少なくとも1つの無線電力送信用アンテナと、前記少なくとも1つの無線電力送信用アンテナの一面に配置される磁場遮蔽シートとを含む無線電力送信モジュールと、
前記無線電力送信モジュールが一側に結合され、前記無線電力送信モジュールを駆動するための少なくとも1つの回路基板が内蔵され、熱源から発生した熱を放出する放熱ケースと、
前記無線電力送信モジュールと放熱ケースとの間に配置され、前記少なくとも1つの無線電力送信用アンテナから発生した熱を分散させる放熱プレートと、
前記放熱プレートの一面に配置されて前記放熱ケースと放熱プレート間の熱移動を遮断する断熱層と、
前記放熱ケースに着脱可能に結合されるカバーと、を含み、
前記断熱層は、前記放熱プレートと前記放熱ケースとの間に配置され、前記放熱プレートが前記放熱ケースと直接接触するのを防ぐ車両用無線電力送信装置。
【請求項2】
前記断熱層は、中空シリカ粒子が含まれた断熱シート、微細気孔を有するナノ繊維ウェブおよび前記放熱プレートの少なくとも一面に熱反射物質がコーティングされたコーティング層のうち、いずれか1つである請求項1に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項3】
前記放熱プレートは、金属材質からなり、板状に形成される請求項1に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項4】
前記放熱プレートは、銅およびアルミニウムのうち、少なくともいずれか1つを含む請求項3に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項5】
前記放熱プレートは、締結部材を媒介として前記放熱ケースの一面に固定される請求項1に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項6】
前記放熱ケースは、金属材質や金属板が埋め込まれた放熱プラスチック材質であり、前記少なくとも1つの回路基板から発生する電磁波を吸収する請求項1に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項7】
前記放熱ケースは、前記放熱ケースで吸収された電磁波が接地ケーブルを通じて車両の車体に移動されるように、前記接地ケーブルの端部が締結される締結孔を含む請求項6に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項8】
前記放熱ケースは、外部面に塗布される放熱コーティング層をさらに含む請求項1に記
載の車両用無線電力送信装置。
【請求項9】
前記無線電力送信用アンテナは、コイル部材である請求項1に記載の車両用無線電力送信装置。
【請求項10】
前記コイル部材は、平板型コイルである請求項9に記載の車両用無線電力送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力送信に関するものである。より具体的には、車両用無線電力送信装
置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、外部からの電力でバッテリーを再充電する電気器機、例えば、携帯電話やスマー
トフォン、タブレットPC、ノートパソコン、デジタル放送用端末、PDA(Perso
nal Digital Assis)、PMP(Portable Multimed
ia Player)およびナビゲーションのような移動端末の使用が増加している。こ
れらの移動端末は、車両のような動的な空間でも頻繁に使用される。
【0003】
これにより、車両側には、車両の電源から供給される電気エネルギーを無線送信方式で
送出する車両用無線電力送信装置が埋め込まれている。これにより、前記移動端末は、前
記車両用無線電力送信装置から送出される無線電力を用いてバッテリーを充電できる。
【0004】
このような無接点方式の一例として、磁気誘導方式による充電方式が多く使用されてい
る。すなわち、磁気誘導方式による充電方式は、移動端末が車両内に埋め込まれた車両用
無線電力送信装置に近接する場合、車両用無線電力送信装置に含まれた1次コイルと無線
電力受信モジュールに含まれた2次コイル間の誘導結合によって移動端末のバッテリーが
充電される方式である。
【0005】
このとき、前記車両用無線電力送信装置は、車両内の埋め込み設置のために外部ケース
および外部ケースと結合されるカバーを含み、外部ケースは、放熱のためにアルミニウム
材質が使用される。
【0006】
しかし、前記外部ケースがアルミニウム材質からなっていても、ある程度の放熱効果は
期待できるが、移動端末が直接接触するカバーの表面温度を下げるには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような点を勘案して案出したものであって、断熱層を通じて熱的移動
を遮断することにより、カバーの表面温度を下げられる車両用無線電力送信装置を提供す
ることにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような目的を達成するために、本発明は、無線電力を送出するための少なくとも
1つの無線電力送信用アンテナと前記無線電力送信用アンテナの一面に配置される磁場遮
蔽シートとを含む無線電力送信モジュールと、前記無線電力送信モジュールが一側に結合
され、前記無線電力送信モジュールを駆動するための少なくとも1つの回路基板が内蔵さ
れ、熱源から発生した熱を放出する放熱ケースと、前記無線電力送信モジュールと放熱ケ
ースとの間に配置され、前記無線電力送信用アンテナから発生した熱を分散させる放熱プ
レートと、前記放熱プレートの一面に配置されて前記放熱ケースと放熱プレート間の熱移
動を遮断する断熱層と、前記放熱ケースに着脱可能に結合されるカバーと、を含む車両用
無線電力送信装置を提供する。
【0009】
また、前記断熱層は、中空シリカ粒子が含まれた断熱シート、微細気孔を有するナノ繊
維ウェブおよび前記放熱プレートの少なくとも一面に熱反射物質がコーティングされたコ
ーティング層のうち、いずれか1つであり得る。
【0010】
また、前記放熱プレートは、金属材質からなり、板状に形成され得る。一例として、前
記放熱プレートは、銅およびアルミニウムのうち、少なくともいずれか1つを含む金属板
であり得る。
【0011】
また、前記放熱プレートは、締結部材を媒介として前記放熱ケースの一面に固定され得
る。
【0012】
また、前記放熱ケースは、接地ケーブルを媒介として車両の車体と接続され得る。
【0013】
また、前記放熱ケースは、金属材質や金属板が埋め込まれた放熱プラスチック材質であ
り得る。
【0014】
また、前記放熱ケースは、外部面に塗布される放熱コーティング層をさらに含み得る。
【0015】
また、前記無線電力送信用アンテナは、コイル部材であり得、前記コイル部材は、平板
型コイルであり得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、断熱層を通じてコイル部と回路基板部との間の熱的移動を遮断するこ
とにより、カバーの表面温度を効率的に下げられ、締結性および発熱の問題を改善し得る
。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置を示す図面。
【
図6】
図6は、本発明に適用できる放熱ケースの一例として、金属プレートが埋め込まれた放熱プラスチックとして具現される場合、本体の一部を切開した状態を示す図面。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置が車両に設置された状態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常
の知識を有する者が容易に実施するように詳しく説明する。本発明は、様々な異なる形態
として具現でき、ここで説明する実施例に限定されない。図面で本発明を明確に説明する
ために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素につ
いては、同一の参照符号を付加する。
【0019】
本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、
図1および
図2に示すよう
に、放熱ケース120およびカバー150を含み得、無線電力送信モジュール、放熱プレ
ート130および断熱層140が前記放熱ケース120とカバー150との間に配置され
得る。
【0020】
前記無線電力送信モジュールは、充電対象である電子機器側に無線電力を送出し得る。
このために、前記無線電力送信モジュールは、少なくとも1つの無線電力送信用アンテナ
111、112、113と磁場遮蔽シート114を含み得る。
【0021】
具体的に、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は、電源供給時に無線
電力を送出する1次コイルの役割を行い得る。このとき、前記電子機器側には、前記無線
電力送信用アンテナ111、112、113と対応する別の受信用アンテナ(一例として
、2次コイル(Rx Coil))が内蔵され得る。また、前記電子機器は、携帯電話、
PDA、PMP、タブレット、マルチメディア機器のようなポータブル電子機器であり得
る。
【0022】
これにより、前記2次コイルは、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113
から送出された無線電力を受信し得、前記電子機器は、前記2次コイルを通じて受信され
た無線電力を用いてメインバッテリーを充電できる。
【0023】
本発明において、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は、Qi方式、
PMA方式またはA4WP方式のうち、いずれか1つの方式で作動でき、接近する無線電
力受信モジュールの作動方式によってQi方式、PMA方式およびA4WP方式のうち、
2つ以上の方式が転換される形態で作動できる。
【0024】
これらの無線電力送信用アンテナ111、112、113は、所定の長さの導電性部材
が時計方向または反時計方向に複数回巻線されたコイル部材であり得、両端部が一対の接
続端子111a、112a、113aの役割を行い得る。また、前記無線電力送信用アン
テナ111、112、113は、1つであってもよく、複数が備えられてもよい。さらに
、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は、円形、楕円形または四角形の
形状を有する平板型コイルであってもよく、ソレノイド形のコイルであってもよい。
【0025】
このとき、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記無線電力送
信用アンテナ111、112、113が複数の平板型コイルで備えられる場合、前記複数
の平板型コイルは、少なくとも一部が互いに重畳するように積層され得る。一例として、
前記無線電力送信用アンテナ111、112、113は、3つの平板型コイルで備えられ
得る。
【0026】
このような場合、
図3に示すように、前記3つのコイル部材111、112、113の
うち、いずれか1つのコイル部材111は、残りの2つのコイル部材112、113と互
いに一部が重畳するように残りの2つのコイル部材112、113の上部側に配置され得
る。
【0027】
しかし、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の数および配置関係をこ
れに限定するものではなく、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の配置
関係および全体の数は、設計条件に応じて適切に変更できる。
【0028】
また、図面と説明には、無線電力を送出する1次コイルとしてコイル部材111、11
2、113を例示したが、本発明をこれに限定するものではなく、前記1次コイルは、回
路基板の一面に銅箔や導電性インクを用いてパターン形成されたアンテナパターンであり
得る。
【0029】
前記磁場遮蔽シート114は、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の
一面に配置され得、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113から発生する磁
場を遮蔽するとともに所要の方向に集束させ得る。
【0030】
これらの磁場遮蔽シート114は、所定の面積を有する板状の部材で形成され得る。こ
のとき、前記磁場遮蔽シート114は、磁場を遮蔽するとともに所要の方向に集束させる
ように磁性を有する材質からなり得る。
【0031】
一例として、前記磁場遮蔽シート114は、非晶質合金およびナノ結晶粒合金のうち、
少なくとも1種以上を含む薄板のリボーンシート、フェライトシートまたはポリマーシー
トなどが使用できる。
【0032】
ここで、前記非晶質合金は、Fe系またはCo系の磁性合金が使用でき、前記フェライ
トシートは、Mn-ZnフェライトおよびNi-Znフェライトのうち、1種以上を含む
焼結フェライトシートであり得る。
【0033】
また、前記磁場遮蔽シート114は、フレーク処理されて複数に分離形成され得、複数
のシートが多層に積層された多層シートであり得る。
【0034】
これらの磁場遮蔽シート114は、公知の構成であるため、詳細な説明は省略し、遮蔽
シートとして通常的に使用される公知の材料がすべて使用できる。また、前記磁場遮蔽シ
ート114は、所定の長さを有するバー形状であり得、前記磁場遮蔽シート114は、全
体的な形状が前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の形状に応じて適切に
変更できる。
【0035】
前記放熱ケース120は、内部に少なくとも1つの回路基板161、162が収容され
得、前記少なくとも1つの回路基板161、162は、前記無線電力送信用アンテナ11
1、112、113と電気的に接続されることにより、無線電力送信モジュールの全般的
な駆動を制御できる。
【0036】
ここで、前記回路基板161、162は、前記無線電力送信モジュールの全般的な駆動
を制御するための各種回路素子を実装し得、前記回路基板は、複数が備えられてもよく、
1つが備えられてもよい。
【0037】
一例として、前記放熱ケース120は、回路基板161、162が内蔵されるように上
部が開放された収容空間を有する筐体形状の本体121を含み得、前記収容空間の開放さ
れた上部は、所定の面積を有する板状の形で提供されるカバープレート122を通じて覆
われ得る。
【0038】
これらのカバープレート122は、締結部材128を媒介として前記本体121に着脱
可能に結合され得る。また、前記無線電力送信モジュールは、前記カバープレート122
の一面に固定され得る。
【0039】
このとき、前記放熱ケース120は、駆動時に回路基板161、162のような熱源か
ら発生した熱を外部に放出するように熱伝導率に優れた材質からなり得る。
【0040】
一例として、前記放熱ケース120は、銅またはアルミニウムのような金属材質からな
り得る。
【0041】
代案として、前記放熱ケース120は、放熱プラスチック材質からなり得る。本発明に
おいて、前記放熱プラスチック材質は、グラファイト複合体を含む放熱部材形成組成物を
用いて射出された射出物であり得るが、これに限定するものではなく、放熱性を有する公
知の放熱プラスチックがすべて適用できる。
【0042】
また他の代案として、
図6に示すように、前記放熱ケース120は、銅またはアルミニ
ウムのような板状の金属プレートDがグラファイト複合体を含む放熱部材形成組成物Cと
インサート射出を通じて一体化した形態であり得る。
【0043】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、駆動時に前記
回路基板161、162のような熱源から発生した熱が前記放熱ケース120側に伝達さ
れ得、前記放熱ケース120に伝達された熱は、外部に放出され得る。
【0044】
これらの放熱ケース120は、一側が前記カバー150と着脱可能に結合され得る。す
なわち、前記カバー150は、一側が開放された筐体形状であり得、前記カバー150は
、開放された部分が前記無線電力送信用アンテナ111、112、113の上部を覆うよ
うに放熱ケース120に結合され得る。これにより、前記放熱ケース120の一面に配置
された無線電力送信用アンテナ111、112、113は、前記カバー150を通じて外
部露出が防止できる。
【0045】
一例として、前記放熱ケース120は、外部面に形成される少なくとも1つの係止突起
123を含み得、前記カバー150は、開放された部分の枠側が前記係止突起123を通
じて係止設置され得る。これにより、前記カバー150は、前記放熱ケース120に着脱
可能に結合され得る。
【0046】
前記放熱プレート130は、所定の面積を有する板状の部材であり得、前記磁場遮蔽シ
ート114の一面に配置され得る。このような放熱プレート130は、熱伝導性成分を含
む接着層(図示せず)を媒介として前記磁場遮蔽シート114の一面に付着できる。
【0047】
このとき、前記放熱プレート130は、締結部材128が通過する少なくとも1つの組
立孔132が貫通形成され得る。これにより、前記放熱プレート130は、ボルト部材の
ような締結部材128を媒介として前記放熱ケース120に締結され得る。
【0048】
一方、前記放熱プレート130は、銅やアルミニウムのように熱伝導率に優れた金属材
質からなり得る。これにより、前記放熱プレート130は、前記磁場遮蔽シート114を
支持する支持体としての役割と前記磁場遮蔽シート114の一面に固定された無線電力送
信用アンテナ111、112、113から発生する熱を分散させる役割をすべて行い得る
。
【0049】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記磁場遮蔽
シート114がフェライトシートやポリマーシートのように強度が弱いか、またはフレキ
シブルなシートで備えられる場合、前記磁場遮蔽シート114は、所定の強度を有する金
属材質からなる放熱プレート130を通じて支持され得る。
【0050】
これにより、前記磁場遮蔽シート114がフェライトシートやポリマーシートのように
強度が弱いか、またはフレキシブルなシートで備えられても、前記磁場遮蔽シート114
と放熱ケース120の組立ての際、組立性および締結性を高められる。
【0051】
また、前記放熱プレート130は、前記磁場遮蔽シート114の一面に配置されること
により、前記無線電力送信用アンテナ111、112、113から発生した熱が磁場遮蔽
シート114を通じて放熱プレート130側に伝達された後に分散し得る。
【0052】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、作動の際、前
記無線電力送信用アンテナ111、112、113から熱が発生する場合、前記無線電力
送信用アンテナから発生した熱と前記カバー150の内部に存在する空気の熱交換量を減
少させ得る。
【0053】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記放熱プレ
ート130を含まない形態と比較するとき、前記カバー150の内部に存在する空気の温
度が相対的により低い温度を有し得る。
【0054】
これにより、前記カバー150の内部に存在する空気を通じてカバー150側に伝達さ
れる熱の量は減少し、結果的にカバー150の表面温度は、前記放熱プレート130を含
まない形態に比べて相対的に低くなる。
【0055】
このとき、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記放熱プレー
ト130の一面に断熱層140が配置され得る。
【0056】
これらの断熱層140は、前記放熱プレート130と放熱ケース120との間に配置さ
れ得、前記放熱プレート130が前記放熱ケース120と接触することを遮断し得る。こ
れにより、前記放熱プレート130と放熱ケース120は、前記断熱層140を通じて相
互間の熱的移動が遮断され得る。
【0057】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、駆動の際、回
路基板161、162と無線電力送信用アンテナ111、112、113から互いに異な
る温度の熱がそれぞれ発生する場合、熱的平衡のために相対的に高温である部分から低温
である部分への熱移動が遮断され得る。
【0058】
すなわち、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前述したように
、前記無線電力送信用アンテナから発生した熱は、前記放熱プレート130を通じて分散
し得、前記回路基板161、162から発生した熱は、放熱ケース120を通じて外部に
放出され得る。
【0059】
また、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記回路基板161
、162で前記無線電力送信用アンテナよりも相対的に高温の熱が発生することにより、
前記断熱層140の両側に温度差が存在しても、熱の移動は、前記断熱層140を通じて
遮断され得る。
【0060】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、相対的に高温
である放熱ケース120から相対的に低温である放熱プレート130側への熱伝達が源泉
的に防止できる。
【0061】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記回路基板
から発生した熱は、前記断熱層140を通じて前記カバー150側に移動することが遮断
されることにより、伝導および対流を通じて前記放熱ケース120側にのみ伝達され得、
前記回路基板側から発生した熱を通じて暖められた放熱ケース120内部の空気は、放熱
ケース120の内部でのみ流動し得る。
【0062】
これにより、前記回路基板側から発生した熱が無線電力送信用アンテナ111、112
、113から発生した熱よりも相対的に高温であっても、前記カバー150の内部に存在
する空気の温度を上昇させる影響を最小化するか、または源泉的に遮断し得る。これによ
り、前記カバー150の表面温度は、回路基板から発生した熱によって上昇することが防
止できる。
【0063】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記カバー1
50の内部に存在する空気が回路基板から発生した熱よりも相対的に低温である無線電力
送信用アンテナ111、112、113から発生した熱のうち、一部の熱によってだけ加
熱されるため、前記カバー150の表面温度が上昇することを低減させ得る。
【0064】
これらの断熱層140は、板状のシートまたはフィルム形態で備えられ得、前記放熱プ
レート130の一面にコーティングされるコーティング層であり得る。
【0065】
具体的な一例として、前記断熱層140は、中空シリカ粒子が含まれた断熱シートであ
り得る。代案として、前記断熱層140は、高分子樹脂からなるナノ繊維を通じて微細気
孔を有するように形成されたナノ繊維ウェブであり得る。また他の代案として、前記断熱
層140は、前記放熱プレート130の少なくとも一面に熱反射物質がコーティングされ
たコーティング層として形成され得る。
【0066】
しかし、前記断熱層140をこれに限定するものではなく、断熱のための目的として使
用される公知の断熱材または断熱シートがすべて使用でき、前記断熱層140は、絶縁層
の役割を兼ね得る。
【0067】
一方、本発明に適用できる放熱ケース120は、
図5および
図6に示すように、より優
れた放熱性を具現するように放熱コーティング層180を含み得る。これにより、本発明
の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、充電対象である電子機器が置かれる
カバー150の表面温度をさらに下げられる。
【0068】
すなわち、前記放熱コーティング層180は、前記放熱ケース120の表面に所定の厚
さに塗布されるコーティング層として形成されることにより、前記放熱ケース120の全
体的な放熱性をさらに高められる。
【0069】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、作動の際、熱
源から発生する熱を通じて昇温するカバー150の表面温度をさらに下げられる。
【0070】
これにより、前記カバー150が高温に昇温しないことにより、前記カバー150の表
面に使用者の身体が接触しても、使用者は、高温で感じられる不快感を減少させ得る。
【0071】
非制限的な一例として、前記放熱コーティング層180は、主剤樹脂を含むコーティン
グ層の形成成分、カーボン系フィラーおよび放熱性と付着性の向上のための物性向上成分
を含み得る。
【0072】
しかし、前記放熱コーティング層180をこれに限定するものではなく、放熱のために
使用される公知の放熱コーティング層がすべて適用できる。
【0073】
一方、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、
図4および
図5に示
すように、前記放熱ケース120の底面に配置される熱伝逹部材170を含み得る。
【0074】
これらの熱伝逹部材170は、一面が前記放熱ケース120の底面に接するように配置
され得、他面が前記放熱ケース120の内部に配置される回路基板162と接するように
配置され得る。これにより、前記回路基板162から発生した熱は、前記熱伝逹部材17
0を通じて前記放熱ケース120側に円滑に伝達され得る。
【0075】
このとき、前記熱伝逹部材170は、前記回路基板162上に実装されるICチップの
ような発熱素子と対応する領域に配置され得る。これにより、前記熱伝逹部材170は、
前記発熱素子から発生した熱を放熱ケース120側に円滑に伝達し得る。
【0076】
これらの熱伝逹部材170は、熱伝導性フィラーおよび相変異化合物(Phase C
hange Materials)のうち、少なくともいずれか1つを含む放熱形成組成
物が固化したパッド形態であり得る。また、前記熱伝達部材170は、前記放熱ケース1
20の底面に相変異化合物および熱伝導性フィラーのうち、いずれか1つ以上を含む放熱
形成組成物が所定の厚さに直接塗布された後に固化した形態であり得る。
【0077】
前述した車両用無線電力送信装置100は、前記放熱ケース120と結合されたカバー
150の一面が外部に露出するように車両に埋め込まれ得る。一例として、前記車両用無
線電力送信装置100は、車両のギアボックス側に埋め込まれ得る。
【0078】
このとき、前記放熱ケース120は、
図7に示すように、接地ケーブル10を媒介とし
て金属材質からなる車両の車体20と連結され得る。
【0079】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記放熱ケー
ス120が金属材質を含む場合、前記回路基板161、162から発生した電磁波が前記
放熱ケース120に吸収され得、前記放熱ケース120に吸収された電磁波は、前記接地
ケーブル10を通じて車両の車体20側に移動され得る。
【0080】
これにより、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記回路基板
161、162から発生した電磁波を遮蔽する遮蔽性能が高められる。これにより、本発
明の一実施例による車両用無線電力送信装置100は、前記回路基板161、162から
発生した電磁波によって充電効率が低下することを防止するか、または最小化できる。
【0081】
このために、前記放熱ケース120は、本体121の底部に形成される締結孔124を
含み得、前記接地ケーブル10は、端部が前記締結孔124に締結され得る。
【0082】
これにより、前記接地ケーブル10は、一端部側が前記本体121の締結孔124に固
定され得、他端部側が前記車両の車体20に固定され得る。これにより、前記接地ケーブ
ル10は、前記放熱ケース120の底部と車両の車体20を接続し得る。
【0083】
しかし、前記接地ケーブル10と放熱ケース120の接続関係をこれに限定するもので
はなく、前記接地ケーブル10と接続される放熱ケース120の位置は、設計条件に応じ
て適切に変更できる。
【0084】
一方、本発明の一実施例による車両用無線電力送信装置100の一形態として、前記放
熱ケース120は、上部が開放された筐体形状の本体121とカバープレート122を含
むものと図示して説明したが、本発明をこれに限定するものではなく、前記カバープレー
ト122は、省略され得る。このような場合、前記断熱層140を含む前述の放熱プレー
ト130は、前記カバープレート122を代替し得、前記断熱層140を含む放熱プレー
ト130が前記本体121の開放された上部を覆う形態であり得る。
【0085】
以上で、本発明の一実施例について説明したが、本発明の思想は、本明細書に提示され
る実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は、同じ思想の範囲内で、構成要
素の付加、変更、削除、追加などによって他の実施例を容易に提案し得るが、これも本発
明の思想の範囲内に含み得る。