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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 15/00 20060101AFI20220819BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
H02J15/00 G
H02J7/00 303E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022526388
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 JP2022005563
【審査請求日】2022-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-158205(JP,A)
【文献】特開2016-090035(JP,A)
【文献】特開2019-149265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M8/04-8/0668
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであって、
電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、
前記水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、
前記水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する第1燃料電池と第2燃料電池を含む燃料電池部と、
前記第1燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と、前記第2燃料電池で得られた電力を蓄積する第2蓄電装置を含む蓄電部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1燃料電池への水素の供給元を、前記第1貯蔵装置と、前記第2貯蔵装置と、前記第1貯蔵装置と前記第2貯蔵装置の両方と、で切替制御し、
前記制御部は、前記第2燃料電池への水素の供給元を、前記第1貯蔵装置と、前記第2貯蔵装置と、前記第1貯蔵装置と前記第2貯蔵装置の両方と、で切替制御し、
前記負荷へ電力供給は、前記第1蓄電装置と、前記第2蓄電装置と、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置の両方のいずれから行われ、
前記第1蓄電装置から前記負荷への電力供給が行われている時は、前記制御部は、前記第1燃料電池への水素の供給を停止し、前記第2燃料電池への水素の供給を可能な状態にし、
前記第2蓄電装置から前記負荷への電力供給が行われている時は、前記制御部は、前記第2燃料電池への水素の供給を停止し、前記第1燃料電池への水素の供給を可能な状態にし、
前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置から前記負荷への電力供給が行われている時は、前記制御部は、前記第1燃料電池と前記第2燃料電池への水素の供給を停止する、電力供給システム。
【請求項2】
前記燃料電池部は、前記水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する第3燃料電池を含み、
前記蓄電部は、前記第3燃料電池で得られた電力を蓄積する第3蓄電装置を含、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記第1貯蔵装置から、前記第1燃料電池と前記第2燃料電池と前記第3燃料電池の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、前記制御部は、前記水素生成装置から前記第1貯蔵装置への水素の供給を停止し、前記水素生成装置から前記第2貯蔵装置への水素の供給を可能な状態にし、
前記第2貯蔵装置から、前記第1燃料電池と前記第2燃料電池と前記第3燃料電池の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、前記制御部は、前記水素生成装置から前記第2貯蔵装置への水素の供給を停止し、前記水素生成装置から前記第1貯蔵装置への水素の供給を可能な状態にする、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
第1変換装置と第2変換装置と第3変換装置を含む第1変換部を備え、
前記第1変換装置は、前記第1燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、前記第1蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換し、
前記第2変換装置は、前記第2燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、前記第2蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換し、
前記第3変換装置は、前記第3燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、前記第3蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換する、請求項2または請求項3に記載の電力供給システム。
【請求項5】
外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであって、
電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、
前記水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、
前記水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する第1燃料電池と第2燃料電池を含む燃料電池部と、
前記第1燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と、前記第2燃料電池で得られた電力を蓄積する第2蓄電装置を含む蓄電部と、
制御部と、
自然エネルギーに基づいて直流電力を発する第1発電装置と、自然エネルギーに基づいて交流電力を発する第2発電装置の少なくとも一方を含む発電部と、
前記水素生成装置で得られた水素を圧縮する圧縮部と、
自然エネルギーに基づいて、且つ電力に変換せずに、動力を発生させる動力発生部と、を備え、
前記制御部は、前記第1燃料電池への水素の供給元を、前記第1貯蔵装置と、前記第2貯蔵装置と、前記第1貯蔵装置と前記第2貯蔵装置の両方と、で切替制御し、
前記制御部は、前記第2燃料電池への水素の供給元を、前記第1貯蔵装置と、前記第2貯蔵装置と、前記第1貯蔵装置と前記第2貯蔵装置の両方と、で切替制御し、
前記負荷へ電力供給は、前記第1蓄電装置と、前記第2蓄電装置と、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置の両方のいずれから行われ、
前記水素生成装置は、前記発電部からの電力に基づいて電気分解を行い、
前記圧縮部は、前記動力発生部で得られた動力に基づいて、駆動する、電力供給システム。
【請求項6】
前記水素供給部は、前記水素生成装置に電解液を供給するポンプを含み、
前記ポンプと前記圧縮部は、前記動力発生部で得られた動力に基づいて、駆動する、請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記動力発生部は、風力と波力の少なくとも一方に基づいて、前記動力として回転力を発生させ、
前記圧縮部は、前記動力発生部で得られた回転力に基づいて、駆動する、請求項5に記載の電力供給システム。
【請求項8】
自然エネルギーに基づいて直流電力を発する第1発電装置と、自然エネルギーに基づいて交流電力を発する第2発電装置の少なくとも一方を含む発電部を備え、
前記水素生成装置は、前記発電部からの電力に基づいて電気分解を行う、請求項1~請求項3のいずれかに記載の電力供給システム。
【請求項9】
外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであって、
電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、
前記水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、
前記水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する燃料電池を含む燃料電池部と、
前記燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と第2蓄電装置を含む蓄電部と、
制御部と、
自然エネルギーに基づいて直流電力を発する第1発電装置と、自然エネルギーに基づいて交流電力を発する第2発電装置の少なくとも一方を含む発電部と、
前記水素生成装置で得られた水素を圧縮する圧縮部と、
自然エネルギーに基づいて、且つ電力に変換せずに、動力を発生させる動力発生部と、を備え、
前記制御部は、前記燃料電池への水素の供給元を、前記第1貯蔵装置と、前記第2貯蔵装置と、前記第1貯蔵装置と前記第2貯蔵装置の両方と、で切替制御し、
前記負荷へ電力供給は、前記第1蓄電装置と、前記第2蓄電装置と、前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置の両方のいずれから行われ、
前記水素生成装置は、前記発電部からの電力に基づいて電気分解を行い、
前記圧縮部は、前記動力発生部で得られた動力に基づいて、駆動する、電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、電力を蓄積し、蓄積した電力を電気自動車などに供給する電気自動車用充放電装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-208132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の蓄電装置の充放電制御が考慮されていない。
【0005】
したがって本発明の目的は、複数の電源を使って効率的に負荷への電力供給が可能な電力供給システムなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力供給システムは、外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであり、電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する第1燃料電池と第2燃料電池を含む燃料電池部と、第1燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と、第2燃料電池で得られた電力を蓄積する第2蓄電装置を含む蓄電部と、制御部と、を備える。
制御部は、第1燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置の両方と、で切替制御する。
制御部は、第2燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置の両方と、で切替制御する。
負荷へ電力供給は、第1蓄電装置と、第2蓄電装置と、第1蓄電装置と第2蓄電装置の両方のいずれから行われる。
【0007】
複数の水素貯蔵装置の一方(例えば、第1貯蔵装置)で水素充填を行い、他方(例えば、第2貯蔵装置)で燃料電池への水素の供給を行うことが出来る。
また、複数の燃料電池の一方(例えば、第1燃料電池)を休ませて、他方で蓄電装置(例えば、第2燃料電池)への電力供給を行うことが出来る。
さらに、充電を行っていない蓄電装置(例えば、第1蓄電装置)を使って、外部の負荷に電力供給を行うことが出来る。
このため、安全に水素の充填と放出を行うことが出来る。
また、燃料電池と蓄電装置の負担を軽減して、劣化しにくく出来る。
【0008】
好ましくは、第1蓄電装置から負荷への電力供給が行われている時は、制御部は、第1燃料電池への水素の供給を停止し、第2燃料電池への水素の供給を可能な状態にする。
第2蓄電装置から負荷への電力供給が行われている時は、制御部は、第2燃料電池への水素の供給を停止し、第1燃料電池への水素の供給を可能な状態にする。
第1蓄電装置と第2蓄電装置から負荷への電力供給が行われている時は、制御部は、第1燃料電池と前記第2燃料電池への水素の供給を停止する。
【0009】
さらに好ましくは、燃料電池部は、水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する第3燃料電池を含む。
蓄電部は、第3燃料電池で得られた電力を蓄積する第3蓄電装置を含む。
制御部は、第1燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第3貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置と第3貯蔵装置のうち少なくとも2つと、で切替制御する。
制御部は、第2燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第3貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置と第3貯蔵装置の少なくとも2つと、で切替制御する。
【0010】
さらに好ましくは、第1貯蔵装置から、第1燃料電池と第2燃料電池と第3燃料電池の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、制御部は、水素生成装置から第1貯蔵装置への水素の供給を停止し、水素生成装置から第2貯蔵装置への水素の供給を可能な状態にする。
第2貯蔵装置から、第1燃料電池と第2燃料電池と第3燃料電池の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、制御部は、水素生成装置から第2貯蔵装置への水素の供給を停止し、水素生成装置から前記第1貯蔵装置への水素の供給を可能な状態にする。
【0011】
さらに好ましくは、電力供給システムは、第1変換装置と第2変換装置と第3変換装置を含む第1変換部を備える。
第1変換装置は、第1燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、第1蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換する。
第2変換装置は、第2燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、第2蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換する。
第3変換装置は、第3燃料電池からの電力の電気の流れ方を直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、第3蓄電装置に蓄電するために所定の電圧に変換する。
【0012】
交流に変換せずに蓄電装置に電力供給する形態に比べて、蓄電装置の充電に適した電圧への調整が容易に行える。
【0013】
また、好ましくは、電力供給システムは、自然エネルギーに基づいて直流電力を発する第1発電装置と、自然エネルギーに基づいて交流電力を発する第2発電装置の少なくとも一方を含む発電部と、水素生成装置で得られた水素を圧縮する圧縮部と、自然エネルギーに基づいて、且つ電力に変換せずに、動力を発生させる動力発生部と、を備える。
水素生成装置は、発電部からの電力に基づいて電気分解を行う。
圧縮部は、動力発生部で得られた動力に基づいて、駆動する。
【0014】
圧縮部の駆動に、動力発生部で発生した動力が用いられる。このため、発電部で得られた電力を使って、効率良く電気分解を行って多くの水素を生成することが可能になる。
【0015】
さらに好ましくは、水素供給部は、水素生成装置に電解液を供給するポンプを含む。
ポンプと圧縮部は、動力発生部で得られた動力に基づいて、駆動する。
【0016】
また、好ましくは、動力発生部は、風力と波力の少なくとも一方に基づいて、動力として回転力を発生させる。
圧縮部は、動力発生部で得られた回転力に基づいて、駆動する。
【0017】
また、好ましくは、電力供給システムは、自然エネルギーに基づいて直流電力を発する第1発電装置と、自然エネルギーに基づいて交流電力を発する第2発電装置の少なくとも一方を含む発電部を備える。
水素生成装置は、発電部からの電力に基づいて電気分解を行う。
【0018】
本発明に係る電力供給システムは、外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであり、電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する燃料電池を含む燃料電池部と、燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と第2蓄電装置を含む蓄電部と、制御部と、を備える。
制御部は、燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置の両方と、で切替制御する。
負荷へ電力供給は、第1蓄電装置と、第2蓄電装置と、第1蓄電装置と第2蓄電装置の両方のいずれから行われる。
【0019】
複数の水素貯蔵装置の一方(例えば、第1貯蔵装置)で水素充填を行い、他方(例えば、第2貯蔵装置)で燃料電池への水素の供給を行うことが出来る。
また、充電を行っていない蓄電装置(例えば、第1蓄電装置)を使って、外部の負荷に電力供給を行うことが出来る。
このため、安全に水素の充填と放出を行うことが出来る。
また、蓄電装置の負担を軽減して、劣化しにくく出来る。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によれば、複数の電源を使って効率的に負荷への電力供給が可能な電力供給システムなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態の電力供給システムの構成図である。
図2】第2実施形態の電力供給システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0023】
(電力供給システム1)
第1実施形態の電力供給システム1は、発電部10、動力発生部20、水素供給部30、圧縮部40、水素貯蔵部50、燃料電池部60、第1変換部70、蓄電部80、第2変換部90、第1バルブB1~第7バルブB7、第1スイッチS1~第3スイッチS3を備える(図1参照)。
【0024】
(制御部3)
制御部3は、電力供給システム1の各部を制御する。
特に、発電部10における発電状態、水素生成装置31における電解液の充填状態、水素貯蔵部50における水素の充填状態、蓄電部80における蓄電状態、負荷100の使用状態などに基づいて、第1バルブB1などを制御する。
【0025】
例えば、制御部3は、第1燃料電池61への水素の供給元を、第1貯蔵装置51と、第2貯蔵装置52と、第3貯蔵装置53と、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52と第3貯蔵装置53のうち少なくとも2つと、で切替制御する。
また、制御部3は、第2燃料電池62への水素の供給元を、第1貯蔵装置51と、第2貯蔵装置52と、第3貯蔵装置53と、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52と第3貯蔵装置53の少なくとも2つと、で切替制御する。
【0026】
また、例えば、第1蓄電装置81から負荷100への電力供給が行われている時は、制御部3は、第1燃料電池61への水素の供給を停止し、第2燃料電池62と第3燃料電池63への水素の供給を可能な状態にする。
第2蓄電装置82から負荷100への電力供給が行われている時は、制御部3は、第2燃料電池62への水素の供給を停止し、第1燃料電池61と第3燃料電池63への水素の供給を可能な状態にする。
第3蓄電装置83から負荷100への電力供給が行われている時は、制御部3は、第3燃料電池63への水素の供給を停止し、第1燃料電池61と第2燃料電池62への水素の供給を可能な状態にする。
第1蓄電装置81と第2蓄電装置82と第3蓄電装置83から負荷100への電力供給が行われている時は、制御部3は、第1燃料電池61と第2燃料電池62と第3燃料電池63への水素の供給を停止する。
【0027】
また、例えば、第1貯蔵装置51から、第1燃料電池61と第2燃料電池62と第3燃料電池63の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、制御部3は、水素生成装置31から第1貯蔵装置51への水素の供給を停止し、水素生成装置31から第2貯蔵装置52への水素の供給を可能な状態にする。
第2貯蔵装置52から、第1燃料電池61と第2燃料電池62と第3燃料電池63の少なくとも1つへの水素の供給が行われている時に、制御部3は、水素生成装置31から第2貯蔵装置52への水素の供給を停止し、水素生成装置31から第1貯蔵装置51への水素の供給を可能な状態にする、
【0028】
具体的な制御内容については、後述する。
【0029】
(発電部10)
発電部10は、第1発電装置11と第2発電装置12を有する。
【0030】
第1発電装置11は、太陽光発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて直流電力を発する発電装置(再生可能エネルギー由来電力発生装置)である。
第1発電装置11は、常時、発電が可能な状態にされる。
第1発電装置11で得られた電力は、水素生成装置31に供給される。
第1発電装置11は、ダイオードなどの逆流防止装置を含む。
【0031】
第2発電装置12は、風力発電装置、波力発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて交流電力を発する発電装置(再生可能エネルギー由来電力発生装置)である。
第2発電装置12は、常時、発電が可能な状態にされる。
ただし、第2発電装置12が風力発電装置であって、且つ、第2発電装置12が受ける風力が所定の風力を超える場合には、第2発電装置12は、発電が出来ない状態にされる。
第2発電装置12で得られた電力は、水素生成装置31に供給される。
第2発電装置12は、第2発電装置12で発生した電力の電気の流れ方を交流から直流に変換するAC/DCコンバーターを含む。
【0032】
(動力発生部20)
動力発生部20は、自然エネルギーに基づいて、且つ電力に変換せずに、回転力などの動力を発生させる。
例えば、動力発生部20は、タービンなどで構成され、風力、波力、地熱などに基づいて、当該動力として、回転力を発生させる。
動力発生部20で発生した回転力は、ポンプ33、第1圧縮装置41、第2圧縮装置42に伝達される(図1の破線矢印参照)。
【0033】
(水素供給部30)
水素供給部30は、水素生成装置31、ポンプ33、電解液貯蔵部35を有する。
【0034】
水素生成装置31は、水などの電解液の電気分解を行って、水素を発生させる。
水素生成装置31で得られた水素は、圧縮部40(第1圧縮装置41、第2圧縮装置42)を介して、水素貯蔵部50(第1貯蔵装置51、第2貯蔵装置52)に蓄積される。
電気分解で生成された酸素は、大気中に放出されてもよいし、後述する燃料電池部60で用いられてもよい。
【0035】
ポンプ33は、電解液貯蔵部35から電解液を吸い上げて水素生成装置31に供給する。
ポンプ33に含まれる機械要素(渦巻き羽根など)は、動力発生部20から伝達された回転力に基づいて駆動(回転)する。
ただし、動力発生部20から伝達された回転力が十分でない場合には、ポンプ33は、第1発電装置11若しくは第2発電装置12から供給された電力に基づいて駆動する。すなわち、ポンプ33に含まれる機械要素は、モーターなど電動機器によっても駆動(回転)する。
【0036】
電解液貯蔵部35は、電解液を貯蔵する。
電解液は、水道水などの水が用いられてもよいし、燃料電池部60における水素と酸素の反応によって得られた水が用いられてもよい。
【0037】
(圧縮部40)
圧縮部40は、第1圧縮装置41、第2圧縮装置42を有する。
【0038】
第1圧縮装置41は、第1貯蔵装置51に水素を貯蔵するために、水素生成装置31で得られた水素を圧縮する。
第1圧縮装置41に含まれる機械要素(タービンなど)は、動力発生部20から伝達された回転力に基づいて駆動(回転)する。
ただし、動力発生部20から伝達された回転力が十分でない場合には、第1圧縮装置41は、第1発電装置11若しくは第2発電装置12から供給された電力に基づいて駆動する。すなわち、第1圧縮装置41に含まれる機械要素は、モーターなど電動機器によっても駆動(回転)する。
【0039】
第2圧縮装置42は、第2貯蔵装置52に水素を貯蔵するために、水素生成装置31で得られた水素を圧縮する。
第2圧縮装置42に含まれる機械要素(タービンなど)は、動力発生部20から伝達された回転力に基づいて駆動(回転)する。
ただし、動力発生部20から伝達された回転力が十分でない場合には、第2圧縮装置42は、第1発電装置11若しくは第2発電装置12から供給された電力に基づいて駆動する。すなわち、第2圧縮装置42に含まれる機械要素は、モーターなど電動機器によっても駆動(回転)する。
【0040】
(水素貯蔵部50)
水素貯蔵部50は、第1貯蔵装置51、第2貯蔵装置52を有する。
第1貯蔵装置51は、圧縮した状態の水素を貯蔵する。
第2貯蔵装置52は、圧縮した状態の水素を貯蔵する。
第1貯蔵装置51に貯蔵された水素、及び第2貯蔵装置52に貯蔵された水素は、燃料電池部60(第1燃料電池61、第2燃料電池62、第3燃料電池63)に供給される。
【0041】
(燃料電池部60)
燃料電池部60は、第1燃料電池61、第2燃料電池62、第3燃料電池63を有する。
第1燃料電池61と第2燃料電池62と第3燃料電池63は、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52の少なくとも一方から供給された水素に基づいて発電する発電装置(燃料電池)である。
【0042】
(第1変換部70)
第1変換部70は、第1変換装置71、第2変換装置72、第3変換装置73を有する。
【0043】
第1変換装置71は、DC/ACインバーター、AC/DCコンバーターを有し、第1燃料電池61からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、電圧を、第1蓄電装置81に蓄電するための所定の値に変換する。
【0044】
第2変換装置72は、DC/ACインバーター、AC/DCコンバーターを有し、第2燃料電池62からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、電圧を、第2蓄電装置82に蓄電するための所定の値に変換する。
【0045】
第3変換装置73は、DC/ACインバーター、AC/DCコンバーターを有し、第3燃料電池63からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、更に交流から直流に変換し、電圧を、第3蓄電装置83に蓄電するための所定の値に変換する。
【0046】
(蓄電部80)
蓄電部80は、第1蓄電装置81、第2蓄電装置82、第3蓄電装置83を有する。
第1蓄電装置81、第2蓄電装置82、第3蓄電装置83は、並列に配線される。
第1蓄電装置81は、第1燃料電池61からの電力を蓄積するための充電デバイス及び蓄電デバイスを有する。
第2蓄電装置82は、第2燃料電池62からの電力を蓄積するための充電デバイス及び蓄電デバイスを有する。
第3蓄電装置83は、第3燃料電池63からの電力を蓄積するための充電デバイス及び蓄電デバイスを有する。
【0047】
(第2変換部90)
第2変換部90は、第4変換装置91、第5変換装置92、第6変換装置93を有する。
【0048】
第4変換装置91は、DC/ACインバーターを有し、第1蓄電装置81からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、電圧を、負荷100を駆動するための所定の値(例えば、三相200V)に変換する。
【0049】
第5変換装置92は、DC/ACインバーターを有し、第2蓄電装置82からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、電圧を、負荷100を駆動するための所定の値(例えば、三相200V)に変換する。
【0050】
第6変換装置93は、DC/ACインバーターを有し、第3蓄電装置83からの電力について、電力の電気の流れ方を、直流から交流に変換し、電圧を、負荷100を駆動するための所定の値(例えば、三相200V)に変換する。
【0051】
(第1バルブB1、第2バルブB2)
第1バルブB1は、水素生成装置31と第1圧縮装置41の間に設けられる。
第1バルブB1は、水素生成装置31から第1圧縮装置41への水素の供給量を制御する。
第2バルブB1は、水素生成装置31と第2圧縮装置42の間に設けられる。
第2バルブB2は、水素生成装置31から第2圧縮装置42への水素の供給量を制御する。
【0052】
(第3バルブB3、第4バルブB4)
第3バルブB3は、第1貯蔵装置51と第1燃料電池61~第3燃料電池63の間であって、第1貯蔵装置51の水素排出側に設けられる。
第3バルブB3は、第1貯蔵装置51から第1燃料電池61~第3燃料電池63の少なくとも1つへの水素の供給量を制御する。
第4バルブB4は、第2貯蔵装置52と第1燃料電池61~第3燃料電池63の間であって、第2貯蔵装置52の水素排出側に設けられる。
第4バルブB4は、第2貯蔵装置52から第1燃料電池61~第3燃料電池63の少なくとも1つへの水素の供給量を制御する。
【0053】
(第5バルブB5~第7バルブB7)
第5バルブB5は、第1貯蔵装置51~第2貯蔵装置52と第1燃料電池61の間であって、第1燃料電池61の水素取り込み口側に設けられる。
第5バルブB5は、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52の少なくとも一方から第1燃料電池61への水素の供給量を制御する。
第6バルブB6は、第1貯蔵装置51~第2貯蔵装置52と第2燃料電池62の間であって、第2燃料電池62の水素取り込み口側に設けられる。
第6バルブB6は、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52の少なくとも一方から第2燃料電池62への水素の供給量を制御する。
第7バルブB7は、第1貯蔵装置51~第2貯蔵装置52と第3燃料電池63の間であって、第3燃料電池63の水素取り込み口側に設けられる。
第7バルブB7は、第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52の少なくとも一方から第3燃料電池63への水素の供給量を制御する。
【0054】
(第1スイッチS1~第3スイッチS3)
第1スイッチS1は、第1蓄電装置81と第4変換装置91の間に設けられる。
第1スイッチS1は、第1蓄電装置81から第4変換装置91への電力供給のオンオフ制御を行う。
第2スイッチS2は、第2蓄電装置82と第5変換装置92の間に設けられる。
第2スイッチS2は、第2蓄電装置82から第5変換装置92への電力供給のオンオフ制御を行う。
第3スイッチS3は、第3蓄電装置83と第6変換装置93の間に設けられる。
第3スイッチS3は、第3蓄電装置83から第6変換装置93への電力供給のオンオフ制御を行う。
【0055】
例えば、第3バルブB3と第6バルブB6と第7バルブB7が開状態にされ、第4バルブB4と第5バルブB5が閉状態にされた場合には、第1貯蔵装置51から第2燃料電池62と第3燃料電池63に水素が供給される。これにより、第2燃料電池62から第2蓄電装置82に電力供給が行われ、第3燃料電池63から第3蓄電装置83に電力供給が行われる。
このとき、第2スイッチS2と第3スイッチS3はオフ状態にされ、第2蓄電装置82と第3蓄電装置83から負荷100への電力供給は停止される。
【0056】
(動作制御)
制御部3による第1バルブB1などの動作制御について説明する。
発電部10(第1発電装置11、第2発電装置12)、動力発生部20は、常時駆動している。
ただし、第1発電装置11が、太陽光発電装置であって、夜間など光が十分に供給されない場合は、第1発電装置11は殆ど発電しない。
また、第2発電装置12が、風力発電装置であって、風が殆ど吹いていない場合は、第2発電装置12は殆ど発電しない。
また、動力発生部20が、風力に基づいて回転力を発生するものであって、風が殆ど浮いていない場合は、動力発生部20は殆ど回転力を発生させない。
【0057】
第1発電装置11と第2発電装置12から供給される電力P11が電力閾値Thp以上に大きい場合には、水素生成を行う。
【0058】
(動力発生部20への電力供給制御)
動力発生部20の単位時間あたりの回転量rv1が、回転量閾値Thrv以上に多い場合は、制御部3は、第1発電装置11と第2発電装置12からの電力を、水素生成装置31に供給させる。この場合、ポンプ33と第1圧縮装置41と第2圧縮装置42は、動力発生部20から伝達された回転力に基づいて駆動する。
動力発生部20の単位時間あたりの回転量rv1が、回転量閾値Thrvよりも少ない場合は、制御部3は、第1発電装置11と第2発電装置12からの電力を、水素生成装置31とポンプ33と第1圧縮装置41と第2圧縮装置42に供給させる。この場合、ポンプ33と第1圧縮装置41と第2圧縮装置42は、第1発電装置11と第2発電装置12からの電力に基づいて駆動する。
【0059】
(水素生成装置31への電解液供給制御)
水素生成装置31における電解液の残量qv1が、残量閾値Thqvよりも少ない場合は、制御部3は、電解液貯蔵部35から水素生成装置31に電解液が供給されるように、ポンプ33を動作させる。
【0060】
(第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52の水素排出制御)
第1貯蔵装置51における水素の充填率(第1水素充填率rh1)が、水素充填率閾値Thrhよりも少ない場合は、制御部3は、水素生成装置31から第1圧縮装置41を介して第1貯蔵装置51に水素が供給されるように、第1バルブB1を開状態にする。
第2貯蔵装置52における水素の充填率(第2水素充填率rh2)が、水素充填率閾値Thrhよりも少ない場合は、制御部3は、水素生成装置31から第2圧縮装置42を介して第2貯蔵装置52に水素が供給されるように、第2バルブB2を開状態にする。
ただし、第1発電装置11と第2発電装置12から供給される電力P11が電力閾値Thpよりも小さい場合には、水素生成が行なえないので、制御部3は、第1バルブB1と第2バルブB2を閉状態にする。
【0061】
(第1蓄電装置81の充放電制御)
第1蓄電装置81の充電率(第1充電率R1)が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第1水素充填率rh1が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第1貯蔵装置51から第1燃料電池61に水素が供給されるように、第3バルブB3と第5バルブB5を開状態にする。この場合、制御部3は、第1蓄電装置81から第4変換装置91を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第1スイッチS1をオフ状態にする。
第1燃料電池61は、第1貯蔵装置51から供給された水素に基づいて発電し、第1変換装置71を介して、第1蓄電装置81に電力を供給する。
【0062】
第1充電率R1が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第2水素充填率rh2が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第2貯蔵装置52から第1燃料電池61に水素が供給されるように、第4バルブB4と第5バルブB5を開状態にする。この場合、制御部3は、第1蓄電装置81から第4変換装置91を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第1スイッチS1をオフ状態にする。
第1燃料電池61は、第2貯蔵装置52から供給された水素に基づいて発電し、第1変換装置71を介して、第1蓄電装置81に電力を供給する。
【0063】
第1充電率R1が、充電率閾値Thrc以上に大きい場合は、第1蓄電装置81から第4変換装置91を介して負荷100への電力供給が行われるように、制御部3は、第1スイッチS1をオン状態にする。このときに、第1燃料電池61から第1変換装置71を介した第1蓄電装置81への電力供給が行われないように、第5バルブB5は閉状態にされるのが望ましい。
【0064】
(第2蓄電装置82の充放電制御)
第2蓄電装置82の充電率(第2充電率R2)が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第1水素充填率rh1が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第1貯蔵装置51から第2燃料電池62に水素が供給されるように、第3バルブB3と第6バルブB6を開状態にする。この場合、制御部3は、第2蓄電装置82から第5変換装置92を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第2スイッチS2をオフ状態にする。
第2燃料電池62は、第1貯蔵装置51から供給された水素に基づいて発電し、第2変換装置72を介して、第2蓄電装置82に電力を供給する。
【0065】
第2充電率R2が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第2水素充填率rh2が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第2貯蔵装置52から第2燃料電池62に水素が供給されるように、第4バルブB4と第6バルブB6を開状態にする。この場合、制御部3は、第2蓄電装置82から第5変換装置92を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第2スイッチS2をオフ状態にする。
第2燃料電池62は、第2貯蔵装置52から供給された水素に基づいて発電し、第2変換装置72を介して、第2蓄電装置82に電力を供給する。
【0066】
第2充電率R2が、充電率閾値Thrc以上に大きい場合は、第2蓄電装置82から第5変換装置92を介して負荷100への電力供給が行われるように、制御部3は、第2スイッチS2をオン状態にする。このときに、第2燃料電池62から第2変換装置72を介した第2蓄電装置82への電力供給が行われないように、第6バルブB6は閉状態にされるのが望ましい。
【0067】
(第3蓄電装置83の充放電制御)
第3蓄電装置83の充電率(第3充電率R3)が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第1水素充填率rh1が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第1貯蔵装置51から第3燃料電池63に水素が供給されるように、第3バルブB3と第7バルブB7を開状態にする。この場合、制御部3は、第3蓄電装置83から第6変換装置93を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第3スイッチS3をオフ状態にする。
第3燃料電池63は、第1貯蔵装置51から供給された水素に基づいて発電し、第3変換装置73を介して、第3蓄電装置83に電力を供給する。
【0068】
第3充電率R3が、充電率閾値Thrcよりも小さく、且つ第2水素充填率rh2が水素充填率閾値Thrh以上に多い場合は、制御部3は、第2貯蔵装置52から第3燃料電池63に水素が供給されるように、第4バルブB4と第7バルブB7を開状態にする。この場合、制御部3は、第3蓄電装置83から第6変換装置93を介した負荷100への電力供給が行われないように、制御部3は、第3スイッチS3をオフ状態にする。
第3燃料電池63は、第2貯蔵装置52から供給された水素に基づいて発電し、第3変換装置73を介して、第3蓄電装置83に電力を供給する。
【0069】
第3充電率R3が、充電率閾値Thrc以上に大きい場合は、第3蓄電装置83から第6変換装置93を介して負荷100への電力供給が行われるように、制御部3は、第3スイッチS3をオン状態にする。このときに、第3燃料電池63から第3変換装置73を介した第3蓄電装置83への電力供給が行われないように、第7バルブB7は閉状態にされるのが望ましい。
【0070】
(充放電制御の応用例)
負荷100で消費される電力が大きく、第1充電率R1と第2充電率R2と第3充電率R3がいずれも充電率閾値Thrc以上に大きい場合は、第1蓄電装置81と第2蓄電装置82と第3蓄電装置83から負荷100への電力供給が行われるように、制御部3は、第1スイッチS1と第2スイッチS2と第3スイッチS3をオン状態にする。このときに、第1燃料電池61から第1蓄電装置81への電力供給と、第2燃料電池62から第2蓄電装置82への電力供給と、第3燃料電池63から第3蓄電装置83への電力供給が行われないように、第5バルブB5と第6バルブB6と第7バルブB7は閉状態にされるのが望ましい。
また、水素生成装置31から第1貯蔵装置51と第2貯蔵装置52への水素供給が行われるように、制御部3は、第1バルブB1と第2バルブB2を開状態にする。
【0071】
(水素貯蔵装置、燃料電池、蓄電装置を複数設けることの効果)
複数の水素貯蔵装置の一方(例えば、第1貯蔵装置51)で水素充填を行い、他方(例えば、第2貯蔵装置52)で燃料電池への水素の供給を行うことが出来る。
また、複数の燃料電池の一方(例えば、第1燃料電池61)を休ませて、他方で蓄電装置(例えば、第2燃料電池62)への電力供給を行うことが出来る。
さらに、充電を行っていない蓄電装置(例えば、第1蓄電装置81)を使って、外部の負荷100に電力供給を行うことが出来る。
このため、安全に水素の充填と放出を行うことが出来る。
また、燃料電池と蓄電装置の負担を軽減して、劣化しにくく出来る。
【0072】
(直流から交流に変換した後に蓄電装置に電力供給することの効果)
交流に変換せずに蓄電装置に電力供給する形態に比べて、蓄電装置の充電に適した電圧への調整が容易に行える。
【0073】
(動力発生部20を用いることの効果)
圧縮部の駆動に、動力発生部20で発生した動力が用いられる。このため、発電部10で得られた電力を使って、効率良く電気分解を行って多くの水素を生成することが可能になる。
【0074】
(貯蔵装置、燃料電池、蓄電装置の数の応用例)
第1実施形態では、2つの貯蔵装置(第1貯蔵装置51、第2貯蔵装置52)、3つの燃料電池(第1燃料電池61、第2燃料電池62、第3燃料電池63)、3つの蓄電装置(第1蓄電装置81、第2蓄電装置82、第3蓄電装置83)を用いた例を説明した。
しかしながら、貯蔵装置の数は3つ以上であってもよい。また、燃料電池の数は2つ若しくは4つ以上であってもよい。また、蓄電装置の数は2つ若しくは4つ以上であってもよい。
【0075】
また、燃料電池は、1つだけ設けられる形態であってもよい(第2実施形態、図2参照)。
この場合には、第1燃料電池61は第1変換装置71と第2変換装置72と第3変換装置73に電力供給を行う。また、第1燃料電池61から第1変換装置71への電力供給のオンオフ制御を行うための第4スイッチS4、第1燃料電池61から第2変換装置72への電力供給のオンオフ制御を行うための第5スイッチS5、第1燃料電池61から第3変換装置73への電力供給のオンオフ制御を行うための第6スイッチS6が設けられる。
【0076】
(水素貯蔵装置、蓄電装置を複数設けることの効果)
複数の水素貯蔵装置の一方(例えば、第1貯蔵装置51)で水素充填を行い、他方(例えば、第2貯蔵装置52)で燃料電池への水素の供給を行うことが出来る。
また、充電を行っていない蓄電装置(例えば、第1蓄電装置81)を使って、外部の負荷100に電力供給を行うことが出来る。
このため、安全に水素の充填と放出を行うことが出来る。
また、蓄電装置の負担を軽減して、劣化しにくく出来る。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲及び要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 電力供給システム
3 制御部
10発電部
11 第1発電装置
12 第2発電装置
20 動力発生部
30 水素供給部
31 水素生成装置
33 ポンプ
35 電解液貯蔵部
40 圧縮部
41 第1圧縮装置
42 第2圧縮装置
50 水素貯蔵部
51 第1貯蔵装置
52 第2貯蔵装置
60 燃料電池部
61 第1燃料電池
62 第2燃料電池
63 第3燃料電池
70 第1変換部
71 第1変換装置
72 第2変換装置
73 第3変換装置
80 蓄電部
81 第1蓄電装置
82 第2蓄電装置
83 第3蓄電装置
90 第2変換部
91 第4変換装置
92 第5変換装置
93 第6変換装置
100 負荷
B1 第1バルブ
B2 第2バルブ
B3 第3バルブ
B4 第4バルブ
B5 第5バルブ
B6 第6バルブ
B7 第7バルブ
P11 第1発電装置と第2発電装置から供給される電力
qv1 水素生成装置における電解液の残量
R1 第1充電率(第1蓄電装置の充電率)
R2 第2充電率(第2蓄電装置の充電率)
R3 第3充電率(第3蓄電装置の充電率)
rh1 第1水素充填率(第1貯蔵装置の水素充填率)
rh2 第2水素充填率(第2貯蔵装置の水素充填率)
rv1 動力発生部の単位時間あたりの回転量
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3 第3スイッチ
S4 第4スイッチ
S5 第5スイッチ
S6 第6スイッチ
Thp 電力閾値
Thqv 残量閾値
Thrc 充電率閾値
Thrh 水素充填率閾値
Thrv 回転量閾値
【要約】
電力供給システムは、外部の負荷に電力を供給する。
複数の電源を使って効率的に負荷への電力供給が可能な電力供給システムを提供する。電力供給システムは、外部の負荷に電力を供給する電力供給システムであり、電気分解を行って水素を発生させる水素生成装置を含む水素供給部と、水素供給部で得られた水素を貯蔵する第1貯蔵装置と第2貯蔵装置を含む水素貯蔵部と、水素貯蔵部から供給された水素に基づいて発電する燃料電池を含む燃料電池部と、燃料電池で得られた電力を蓄積する第1蓄電装置と第2蓄電装置を含む蓄電部と、制御部と、を備える。制御部は、燃料電池への水素の供給元を、第1貯蔵装置と、第2貯蔵装置と、第1貯蔵装置と第2貯蔵装置の両方と、で切替制御する。負荷へ電力供給は、第1蓄電装置と、第2蓄電装置と、第1蓄電装置と第2蓄電装置の両方のいずれから行われる。

図1
図2