(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-18
(45)【発行日】2022-08-26
(54)【発明の名称】狭帯域用の物理的に分離されたチャンネル、低複雑な受信機
(51)【国際特許分類】
H04W 48/10 20090101AFI20220819BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220819BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W72/04 132
H04W72/04 131
H04L27/26 113
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020204648
(22)【出願日】2020-12-10
(62)【分割の表示】P 2019516410の分割
【原出願日】2017-09-25
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルス トーマス
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037514(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321370(US,A1)
【文献】国際公開第2010/087172(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機であって、
前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は、無線信号(220)を受信して処理するように構成され、前記無線信号(220)は、少なくとも第1の周波数帯域(SC)および第2の周波数帯域(D1)を含み、前記第1の周波数帯域(SC)は第1の信号(222)を含み、前記第2の周波数帯域(D1)は第2の信号(224)を含み、前記第1の信号(222)および前記第2の信号(224)はそれぞれ、複数のフレーム(226,M-フレーム)を含み、各フレーム(226,M-フレーム)は複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)を有し、
前記第1の信号(222)の1つまたは複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)は、受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報を含み、
前記第2の信号(224)の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)はすべて、いかなる接続情報も含まず、前記第2の信号を聴取している受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が、前記無線通信システムとの接続を確立することができないようになっており、
前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は、前記接続情報を使用して前記無線通信システムとの接続を確立するように構成され、そして、前記無線通信システムとの前記接続を確立した後、かつ、前記第2の周波数帯域(D1)を示す帯域情報に応答して、前記第2の周波数帯域(D1)で動作するように構成され、
前記接続情報はシステム情報を含み、前記システム情報は、前記受信機がランダムなアクセスのために使用する複数の周波数帯域からランダムな選択を提供し、
周波数帯域におけるランダムアクセススロット
が発生する間隔がシグナリングされる、受信機。
【請求項2】
前記第1の信号(222)の各サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、前記接続情報を含む、請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
前記接続情報は、同期情報(M-PSCH,M-SSCH)をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の受信機。
【請求項4】
前記第1の信号(222)の1つまたは複数の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、
制御チャンネル(M-PDCCH)のための領域であって、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は前記制御チャンネル内の情報を使用して、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)の動作および/または前記無線通信システムとの通信を制御するように構成される、領域、
ランダムアクセスチャンネル(M-RACH)のための領域、
ダウンリンクチャンネル(M-PDSCH)のための領域、および/または
アップリンクチャンネル(M-PUSCH)のための領域、および/または
アップリンク制御チャンネル(M-PUCCH)のための領域、および/または
マルチキャストDLもしくはULチャンネルのための領域、
のうちの1つ以上を含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の受信機。
【請求項5】
前記無線信号(220)は第3の周波数帯域を含み、前記第3の周波数帯域は前記第1の信号(222)を含む、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の受信機。
【請求項6】
前記無線信号(220)は第4の周波数帯域を含み、前記第4の周波数帯域は前記第2の信号(224)を含む、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の受信機。
【請求項7】
前記第2の周波数帯域(D1)における前記第2の信号(224)は、前記第4の周波数帯域を示すさらなる帯域情報システム情報を含み、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は、前記さらなる帯域情報に応じて前記第2の周波数帯域(D1)において動作するように構成される、請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
前記帯域情報は、特定の受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)について、それぞれの帯域の容量に依存して、または受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)の種類に依存して、または受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が提供する特定の機能に依存して、または、たとえば、緊急情報をシグナリングするために用いられる優先メッセージ等の受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)側で搬送されるメッセージタイプに依存して、前記第2および前記第4の無線周波数帯域を示す、請求項6または請求項7に記載の受信機。
【請求項9】
前記受信機は複数の前記周波数帯域間をホップするように構成される、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の受信機。
【請求項10】
前記第2の信号(224)の1つまたは複数の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、
制御チャンネル(M-PDCCH)のための領域であって、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は前記制御チャンネル内の情報を使用して、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)の動作および/または前記無線通信システムとの通信を制御するように構成された、領域、
ランダムアクセスチャンネル(M-RACH)のための領域、
ダウンリンクチャンネル(M-PDSCH)のための領域、
アップリンクチャンネル(M-PUSCH)のための領域、および/または
マルチキャストDLもしくはULチャンネルのための領域、
のうちの1つ以上を含む、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の受信機。
【請求項11】
前記第2の信号(224)のすべての前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、
制御チャンネル(M-PDCCH)のための領域のみ、
ランダムアクセスチャンネル(M-RACH)のための領域のみ、
ダウンリンクチャンネル(M-PDSCH)のための領域のみ、
アップリンクチャンネル(M-PUSCH)のための領域のみ、または
マルチキャストDLもしくはULチャンネルの領域、
を含む、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の受信機。
【請求項12】
前記第1の周波数帯域(SC)を受信し、前記システム情報に応答して、前記第1の周波数帯域(SC)から前記第2の周波数帯域(D1)に切り替えられるように構成される受信機セクション(214)を含み、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)は、前記帯域情報を用いて前記第1の周波数帯域(SC)から前記第2の周波数帯域(D1)に切り替えるように構成される、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の受信機。
【請求項13】
複数の周波数帯域を同時に受信し、そして、前記第1および第2の信号(222,224)を同時に処理するように構成される受信機セクション(214)を含む、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の受信機。
【請求項14】
複数の周波数帯域において信号を同時に送信するように構成される送信機セクションを含む、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の受信機。
【請求項15】
前記受信機はIoTデバイスであり、前記無線通信システムは、非IoTデバイスおよびIoTデバイスに作用するように構成され、前記第1および第2の周波数帯域(SC,D1)は、非IoTデバイスが動作可能である周波数帯域の帯域幅よりも狭い帯域幅を有する、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の受信機。
【請求項16】
前記無線通信システムは、IFFT(逆フーリエ変換)ベース信号を使用する、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の受信機。
【請求項17】
前記IFFTベース信号は、CPを有するOFDM、CPを有するDFT-s-OFDM、またはCPのないIFFTベース波形を含む、請求項16に記載の受信機。
【請求項18】
CPを有するOFDMはダウンリンク伝送のために使用され、CPを有するDFT-s-OFDM、またはシングルトーン伝送は、アップリンク伝送のために使用される、請求項17に記載の受信機。
【請求項19】
前記第1の信号(222)は、前記第2の周波数帯域(D1)を示す前記帯域情報を含む、請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の受信機。
【請求項20】
送信機であって、
前記送信機は無線信号(220)を送信するように構成され、前記無線信号(220)は少なくとも第1の周波数帯域(SC)および第2の周波数帯域(D1)を含み、前記第1の周波数帯域(SC)は第1の信号(222)を含み、前記第2の周波数帯域(D1)は第2の信号(224)を含み、前記第1の信号(222)および前記第2の信号(224)はそれぞれ、複数のフレーム(226,M-フレーム)を含み、各フレーム(226,M-フレーム)は複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)を有し、
前記第1の信号(222)の1つまたは複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)は、受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報を含み、
前記第2の信号(224)の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)はすべて、いかなる接続情報も含まず、前記第2の信号を聴取している受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が、前記無線通信システムとの接続を確立することができないようになっており、
前記接続情報はシステム情報を含み、前記システム情報は、前記受信機がランダムなアクセスのために使用する複数の周波数帯域からランダムな選択を提供し、
周波数帯域におけるランダムアクセススロット
が発生する間隔がシグナリングされる、送信機。
【請求項21】
無線通信システムは、
請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)と、
請求項20に記載の送信機と、
を含む、無線通信システム。
【請求項22】
無線通信システムの受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)によって、無線信号(220)を受信し、処理するステップであって、前記無線信号(220)は少なくとも第1の周波数帯域(SC)および第2の周波数帯域(D1)を含み、前記第1の周波数帯域(SC)は第1の信号(222)を含み、前記第2の周波数帯域(D1)は第2の信号(224)を含み、前記第1の信号(222)および前記第2の信号(224)はそれぞれ、複数のフレーム(226,M-フレーム)を含み、各フレーム(226,M-フレーム)は複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)を有し、前記第1の信号(222)の1つまたは複数の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報を含み、そして、前記第2の信号(224)の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)はすべて、いかなる接続情報も含まず、前記第2の信号を聴取している受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が、前記無線通信システムとの接続を確立することができないようになっている、受信し、処理するステップと、
前記接続情報を使用して受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)と前記無線通信システムとの接続を確立するステップと、そして、
前記無線通信システムとの前記接続を確立した後に、前記第2の周波数帯域(D1)を示す帯域情報に応答して、前記第2の周波数帯域(D1)で前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)を動作するステップと、
を含む、方法であって、
前記接続情報はシステム情報を含み、前記システム情報は、前記受信機がランダムなアクセスのために使用する複数の周波数帯域からランダムな選択を提供し、
周波数帯域におけるランダムアクセススロット
が発生する間隔がシグナリングされる、方法。
【請求項23】
無線通信システムの送信機によって、無線信号(220)を送信するステップであって、前記無線信号(220)は少なくとも第1の周波数帯域(SC)および第2の周波数帯域(D1)を含み、前記第1の周波数帯域(SC)は第1の信号(222)を含み、前記第2の周波数帯域(D1)は第2の信号(224)を含み、前記第1の信号(222)および前記第2の信号(224)はそれぞれ、複数のフレーム(226,M-フレーム)を含み、各フレーム(226,M-フレーム)は複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)を有する、送信するステップを含む方法であって、
前記第1の信号(222)の1つまたは複数の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報を含み、そして
前記第2の信号(224)の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)はすべて、いかなる接続情報も含まず、前記第2の信号を聴取している受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が、前記無線通信システムとの接続を確立することができないようになっており、
前記接続情報はシステム情報を含み、前記システム情報は、前記受信機がランダムなアクセスのために使用する複数の周波数帯域からランダムな選択を提供し、
周波数帯域におけるランダムアクセススロット
が発生する間隔がシグナリングされる、方法。
【請求項24】
無線通信デバイスの送信機によって、無線信号(220)を送信するステップであって、前記無線信号(220)は少なくとも第1の周波数帯域(SC)および第2の周波数帯域(D1)を含み、前記第1の周波数帯域(SC)は第1の信号(222)を含み、前記第2の周波数帯域(D1)は第2の信号(224)を含み、前記第1の信号(222)および前記第2の信号(224)はそれぞれ、複数のフレーム(226,M-フレーム)を含み、各フレーム(226,M-フレーム)は複数のサブフレーム(200,M-サブフレーム)を有し、前記第1の信号(222)の1つまたは複数の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)は、受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報を含み、そして、前記第2の信号(224)の前記サブフレーム(200,M-サブフレーム)はすべて、いかなる接続情報も含まず、前記第2の信号を聴取している受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)が、前記無線通信システムとの接続を確立することができないようになっている、送信するステップと、
前記無線通信システムの受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)によって、前記無線信号(220)を受信し、処理するステップと、
前記接続情報を使用して、前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)と前記無線通信システムとの接続を確立するステップと、そして、
前記無線通信システムとの前記接続を確立した後に、前記第2の周波数帯域(D1)を示す帯域情報に応答して、前記第2の周波数帯域(D1)で前記受信機(UE
1-UE
3,104
1-104
2,212,RX)を動作するステップと、
を含む、方法であって、
前記接続情報はシステム情報を含み、前記システム情報は、前記受信機がランダムなアクセスのために使用する複数の周波数帯域からランダムな選択を提供し、
周波数帯域におけるランダムアクセススロット
が発生する間隔がシグナリングされる、方法。
【請求項25】
コンピュータ上で実行されたときに請求項22に記載の方法を実行する命令を格納するコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
コンピュータ上で実行されたときに請求項23に記載の方法を実行する命令を格納するコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
コンピュータ上で実行されたときに請求項24に記載の方法を実行する命令を格納するコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークまたはシステム、より具体的には、IoT(Internet-of-Things:モノのインターネット)デバイスのような狭帯域の低複雑な受信機によってアクセスされる無線通信ネットワークまたはシステムの分野に関する。実施の形態は、複数の物理的に分離されたチャンネルを使用して無線通信ネットワークにアクセスする、IoTデバイスのような狭帯域の低複雑な受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
IoTデバイスは、電子装置、ソフトウェア、センサー、アクチュエーターなどが埋め込まれた物理的装置、車両、建物、および他の品目、ならびにこれらの装置が既存のネットワークインフラストラクチャにわたってデータを収集および交換することを可能にするネットワーク接続性を含み得る。
図1は、複数の基地局eNB
1~eNB
5を含む無線通信システムのような、そのようなネットワークインフラストラクチャの一例の概略図である。そして、各々が、セル100
1から100
5によって概略的に表される基地局を囲む特定のエリアにサービスする。基地局は、セル内のユーザにサービスするために提供される。ユーザは、据え置き型の装置でもモバイル型の装置でもよい。さらに、無線通信システムは、基地局またはユーザに接続するIoTデバイスによってアクセスされ得る。
図1は、5つのセルのみの例示的な図を示すが、無線通信システムはより多くのそのようなセルを含み得る。
図1は、セル100
2内にあり、基地局eNB
2によってサービス提供される、ユーザ機器(UE:User Equipment)とも呼ばれる2人のユーザUE
1およびUE
2を示す。基地局eNB
4によってサービス提供される別のユーザUE
3がセル100
4に示されている。矢印102、102
2および102
3は、ユーザUE
1、UE
2およびUE
3から基地局eNB
2、eNB
4にデータを送信するため、または基地局eNB
2、eNB
4からユーザUE
1、UE
2、UE
3にデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表す。さらに、
図1はセル100
4内の2つのIoTデバイス104
1および104
2を示しており、これらは固定装置または移動装置であり得る。IoTデバイス104
1は、矢印105
1によって概略的に表されるようにデータを送受信するために基地局eNB
4を介して無線通信システムにアクセスする。矢印105
2によって概略的に表されるように、IoTデバイス104
2は、ユーザUE
3を介して無線通信システムにアクセスする。
【0003】
無線通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)システム、LTE規格によって定義された直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)システムのような周波数分割多重に基づく任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムであり得る。CPの有無にかかわらず、他のIFFTベース信号、例えば、DFT-s-OFDM多重アクセスのための非直交波形のような他の波形、例えば、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC:Filter-Bank Multicarrier)を使用することができる。
【0004】
ユーザUE1、UE2、UE3のような標準LTEデバイスは第1の帯域幅内で動作し、IoTデバイス1041および1042は第1の帯域幅より狭い第2の帯域幅内で動作する。第2の帯域幅は、以下ではNB-IoTとも呼ばれる標準のLTEリリース13(LTE Rel. 13)のNB-IoT拡張に従って定義され得る。LTE規格に従って動作する無線通信システムは、1.4MHz、3.0MHz、5MHz、10MHz、15MHz、20MHzのシステム帯域幅、またはこれらの任意の組み合わせからなる集合システム帯域幅、そして200kHzによる標準のLTEリリース13のNB-IoT拡張に従う帯域幅を有する。
【0005】
データ伝送のためのOFDMAシステムは、それぞれが7個のOFDMシンボルによって12個のサブキャリアによって定義され、様々な物理チャンネルおよび物理信号がマッピングされるリソース要素のセットを含む、複数の物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)を備えるOFDMAベースの物理リソースグリッドを含み得る。リソース要素は、時間領域の1つのシンボルと周波数領域の1つのサブキャリアで構成される。例えば、LTE規格によれば、1.4MHzのシステム帯域幅は6つのPRBを含み、標準のLTEリリース13のNb-IoT拡張に従う200kHzの帯域幅は、1つのPRBを含む。LTEおよびNB-IoTによれば、物理チャンネルは、ダウンリンクペイロードデータとも呼ばれるユーザ固有データを含む物理ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、例えば、マスタ情報ブロック(MIB:Master Informatio Block)またはシステム情報ブロック(SIB:System Informatio Block)を含む物理ブロードキャストチャンネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、例えば、ダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)などを含む物理ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)などを含むことができる。物理信号は、基準信号(RS)、同期信号などを含み得る。LTEリソースグリッドは、周波数領域、たとえば、1.4MHzにおいて一定の帯域幅を有する、時間領域における10msのフレームを含む。フレームは1ms長の10個のサブフレームを有し、各サブフレームはサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長に応じて6個または7個のOFDMシンボルの2つのスロットを含む。
【0006】
図2は、異なる選択されたTxアンテナ・ポートに対して2つのアンテナ・ポートを有する例示的なLTE OFDMAベースのサブフレームを示す。サブフレームは、それぞれがサブフレームの1つのスロットと周波数領域内の12個のサブキャリアとからなる2つのリソースブロック(RB:Resource Block)を含む。周波数領域のサブキャリアは、サブキャリア0からサブキャリア11として示されており、そして、時間領域では、各スロットは、たとえば、スロット0は、OFDMシンボル0から6であり、そして、スロット1は、OFDMシンボル7から13であるように、7個のOFDMシンボルを含む。ホワイトボックス106は、ペイロード領域とも呼ばれるペイロードまたはユーザ・データを含む、PDSCHに割り当てられたリソース要素を表す。制御領域とも称される物理制御チャンネル(非ペイロードまたは非ユーザ・データを含む)のためのリソース要素は、ハッチングされたボックス108によって表される。例によれば、リソース要素108は、PDCCH、物理制御フォーマットインジケータチャンネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、および物理ハイブリッドARQ(Automatic Repeat reQuest:自動再送要求)インジケータチャンネル(PHICH:Physical Hybrid AQR Indicator Channel)に割り当てられ得る。クロスハッチングされたボックス110は、チャンネル推定に使用され得るRS(cell-specific Reference Signal:セル固有の参照信号)に割り当てられているリソース要素を表す。ブラックボックス112は、他のアンテナ・ポート内のRSに対応し得る現在のアンテナ・ポート内の未使用のリソースを表す。物理制御チャンネルおよび物理参照信号に割り当てられたリソース要素108、110、112は、時間が経つにつれて均等に分配されない。より具体的には、サブフレームのスロット0において、シンボル0およびシンボル1に関連付けられたリソース要素は、物理制御チャンネルまたは物理参照信号に割り当てられ、シンボル0および1内のリソース要素は、ペイロード・データに割り当てられない。サブフレームのスロット0のシンボル4に関連付けられたリソース要素、ならびにサブフレームのスロット1のシンボル7および11に関連付けられたリソース要素は、部分的には、物理制御チャンネルまたは物理参照信号に割り当てられる。
図2に示されるホワイトリソース要素は、ペイロード・データまたはユーザ・データに関連付けられたシンボルを含み、シンボル2、3、5、および6のスロット0に含まれる。すべてのリソース要素106はペイロード・データに割り当てられてもよく、一方、より少ないリソース要素106はスロット0のシンボル4のペイロード・データに割り当てられ、リソース要素106はシンボル0および1のペイロード・データに割り当てられない。スロット1では、シンボル8、9、10、12、および13に関連するリソース要素はすべてペイロード・データに割り当てられ、シンボル7および11では、より少ないリソース要素がペイロード・データに割り当てられる。
【0007】
図3は、NB-IoTに従ってダウンリンクに使用され得る時間単位の例を示す。上述のように、NB-IoTは200kHzの帯域幅内で動作することができ、これは周波数領域で12個のサブキャリアまたは1個の物理リソースブロック(PRB)に対応する。ダウンリンクは、直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に基づいてもよく、LTE規格によって定義されるのと同じサブキャリア間隔、同じOFDMシンボル期間、同じスロット・フォーマット、同じスロット期間、および同じサブフレーム期間を有してもよい。SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)の特別な場合として、アップリンクは、ユーザ機器ごとにシングルトーン送信を含むSC-FDMA(シングルキャリア周波数分割多元接続)に基づくことができる。さらに、マルチトーン送信のためにPAPR(ピーク対平均電力比)低減技術を考慮することができる。NB-IoTシステムの帯域幅は最小のLTE帯域幅のわずか6分の1(例えば、1.4MHz帯域幅システムでは6PRB)であるという事実により、「M-フレーム」および「M-サブフレーム」と呼ばれる時間単位が導入される。
図3は、M-フレームと呼ばれ、60msの長さを有するNB-IoT無線フレームを示す。各M-フレームは、それぞれ6msの持続時間を有する10個のM-サブフレーム200を含む。各M-サブフレームは6つの連続したサブフレーム202を含み、各サブフレームは1msの長さを有する。各サブフレーム202は、
図2に示すような構造を有し、2つのスロット204を含み、各スロットは7つのシンボル206を含み、各シンボルは実際の信号とサイクリックプレフィックスとを含む。
【0008】
図4(a)は、
図3のM-フレームの最初の3つのM-サブフレーム200
0、200
1、および200
2の例を示す。M-サブフレームでは、最小スケジューリング単位は1PRB(1ms×180kHz)である。したがって、最大6人のユーザまたは装置がM-サブフレームのうちの1つ(1サブフレームにつき1人のユーザ)でスケジュールされ得る。LTEの原理に従って、トランスポートブロックは、1つのM-サブフレーム内でユーザに割り当てられたスケジューリングユニット(PRB)にマッピングされる。たとえば、1.4MHz帯域幅システムにおける6つのPRBであるスケジューリング単位を分散されるLTEとは異なり、周波数次元において、NB-IoTは、時間拡張アプローチを適用して、スケジューリング単位を時間次元に広げる。
図4(a)は、NB-IoTリソース要素がどのようにそれぞれのLTEダウンリンク物理チャンネルおよび物理信号にマッピングされるかをさらに示す。LTEと同様に、NB-IoTも以下のLTE物理チャンネルを含み得る:
- M-PBCH :システム情報のブロードキャストを含む
- M-PDSCH:ダウンリンクUEデータおよび制御情報を含む
- M-PDCCH:ダウンリンク制御情報、例えばスケジューリング情報を含む
- M-PSCH :無線通信ネットワークとの時間および周波数同期を得るために使用される一次同期信号(PSS)および二次同期信号(SSS)を含む。
【0009】
M-サブフレームの各々は、
図2を参照して上述したものと同様の構造を有する6個のサブフレーム202
0から202
5を含む。LTE物理チャンネルおよび物理信号は、
図4(a)に示すように分布している。第1のM-サブフレーム200
0内の各サブフレーム202
0~202
5は、最初に、第1のOFDMシンボルとM-PDCCHにマッピングされる12個のサブキャリアとによって定義されるリソース要素を含む。各サブフレームは、参照信号CRSにマッピングされたリソース要素だけでなく、M-PBCHに、M-PDSCHにマッピングされたリソース要素をさらに含むことができる。第2のM-サブフレーム200
1はまた、6つのサブフレーム202
0から202
5を含み、各サブフレームは、M-PDCCHにマッピングされた第1のOFDMシンボルにおけるリソース要素を含む。また、各サブフレームは、参照信号CRSにマッピングされたリソース要素を含む。サブフレーム202
0、202
1、202
3、202
4および202
5では、M-PDCCHにマッピングされたリソース要素および参照信号CRSにマッピングされたリソース要素を除いて、実質的にすべてのリソース要素がM-PDSCHにマッピングされる。サブフレーム202
2において、M-PDCCHにマッピングされたリソース要素および参照信号CRSにマッピングされたリソース要素を除いて、実質的にすべてのリソース要素が、二次および一次同期信号を含むM-PSCHにマッピングされる。6つのサブフレーム202
0から202
5を含む第3のM-サブフレーム200
2においては、M-PDCCHにマッピングされたリソース要素および参照信号CRSにマッピングされたリソース要素を除いて、M-PDSCHにマッピングされたリソース要素を含むすべてを供給する。
図3に示すM-フレームを形成する残りのM-サブフレーム200
3~200
9は、
図4(a)には示されていない。
図4(b)は、M-フレームのうちの200
0から200
9までの全てのM-サブフレームを示す。M-サブフレーム200
4、200
5、200
7、および200
9は、第3のM-サブフレーム202
2と同じ構造を有する、すなわち、第1のリソースエレメント内の制御情報および参照信号に加えて、M-PDSCHにマッピングされたリソース要素のみを含む。M-サブフレーム200
3、200
6、および200
8は、M-サブフレーム200
3、および200
8では、一次および二次同期信号が最後のサブフレーム202
5内にあることを除いて、第2のM-サブフレーム200
1と実質的に同じ構造を有する。
【0010】
したがって、上記の例では、第1のM-フレーム200
0ではリソース要素はM-PBCHにマッピングされるが、第2および第3のM-サブフレーム202
1および202
2ではリソース要素はM-PBCHにマッピングまたは割り当てられない。M-PSCHの一次および二次同期信号PSSおよびSSSは、第2、第4、第7および第9のM-サブフレーム200
1、200
3、200
6および200
8では送信されるが、第1のM-サブフレーム200
0では送信されず、第2のM-サブフレーム200
1に続くM-サブフレーム200
2、200
4、200
5、200
7および200
9でも送信されない。M-サブフレーム200
1、200
3、200
6および200
8では、PSSおよびSSSは、連続したOFDMシンボルに配置される(
図4(b)のシンボル206を参照)。M-PDCCHは、より具体的には
図4(a)および
図4(b)の例では、M-サブフレームにわたって分散され、各M-サブフレーム内の最初のOFDMシンボルにおけるリソース要素は、M-PDCCHにマッピングされる。M-PDCCHシンボルを受信している間にM-PDSCHシンボルのバッファリングを回避するために、NB-IoTに対して順方向スケジューリング方法が使用されてもよく、M-サブフレームにおいて与えられるM-PDCCHスケジューリング情報は、少なくとも1つのM-サブフレーム後で始まるM-PDSCHに適用可能であり得る。
【0011】
図5を参照して、NB-IoTの3つの動作モード、すなわち、インバンドLTE動作モード、スタンドアロンGSM動作モード、およびLTEガード・バンド動作モードについて説明する。
図5は、NB-IoTとも呼ばれる、NB-IoTに従った異なる動作モードの概略図である。
図5(a)は、NB-IoTチャンネルとも呼ばれるNB-IoTキャリアまたは周波数帯域300がLTEキャリアまたは周波数帯域301内に配置される、それに従ってインバンドLTE動作モードを示す。
図5(b)は、複数のGSM搬送波302の中にNB-IoT周波数帯域300を配置するスタンドアロンGSM動作モードを示す。NB-IoT周波数帯域300は、GSM搬送波から保護帯域によって分離されている。
図5(c)は、LTEガード・バンド動作モードを示しており、これによれば、NB-IoTキャリア300は、標準LTEのキャリアの両端に設けられたLTEガード・バンドの一方に配置される。
【0012】
NB-IoTに従って動作する受信機、例えば据え置き型またはモバイルIoTデバイスまたは他のLTEレガシー・ユーザは、情報を受信または送信するために、
図1に示すもののような無線通信ネットワークとの接続を確立する必要がある。ネットワークへの接続を設定するために、受信機は、受信機がサブフレームレベルで同期し、物理層セル識別グループ番号を取得することを可能にする一次同期信号PSSおよび二次同期信号SSSを見つけるために、NB-IoT周波数帯域を聴取するように調整される。この同期手順に続いて、受信機は、M-PBCHで提供されるマスタ情報ブロック(MIB)からシステム情報を読むことに進む。
図6は、複数のM-フレームにわたる接続を確立するための情報を含むM-サブフレームの分布を示す。第1のM-サブフレーム200
0は、各M-フレームの始めに設けられ、続いて第2のM-サブフレーム200
1が設けられる。NB-IoT周波数帯域またはNB-IoTチャンネルで送信された無線信号を聴取するとき、PSSおよびSSSは平均15ミリ秒ごとに受信され、60ミリ秒のM-フレーム内で4回発生する(
図3および
図4参照)。システム情報は、240msの送信時間間隔(TTI)を有する60msごとにM-PBCHを介して各M-フレーム内のすべてのM-サブフレーム0の一部で転送される。したがって、残りのM-サブフレーム200
2~200
9が接続およびシステム情報にマッピングされたいかなるリソース要素も含まないので、NB-IoTに従って動作する、IoTデバイスのような受信機の接続を確立することは遅延され得る。また、複数のIoTデバイスにサービスを提供するとき、M-フレーム内の6つのPRBをIoTデバイス間で共有する必要があり、それはデータを送受信するときにさらなる遅延をもたらす可能性がある。したがって、NB-IoTチャンネルまたはNB-IoT周波数帯域に接続して送信するときの同期、ランダム・アクセス、およびアクティビティ時間は、かなり長くなる可能性がある。また、例えば、複数のNB-IoTチャンネルまたはNB-IoT周波数帯域を使用する場合であっても、提供するIoTデバイスの数を増やすために、各チャンネルは同じ構造を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、NB-IoTチャンネルに接続し、NB-IoTチャンネル上で送受信する際の同期、ランダム・アクセス、およびアクティビティ時間を削減するために、NB-IoTチャンネルまたはIoT周波数帯域で効率的な低遅延アクセスを可能にするアプローチを提供することである。より多くのトラフィックとより多くのデバイスを処理できるようにするためのスケーラビリティを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、独立請求項に定義されている主題によって達成される。
【0015】
実施の形態は従属請求項に定義されている。
【0016】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、無線通信システムの一例の概略図を示す。
【
図2】
図2は、従来のLTEダウンリンク通信に使用されるとき、2つのアンテナ・ポートのための例示的なOFDMAサブフレームを示す。
【
図3】
図3は、NB-IoTに従ってダウンリンクに使用され得る時間単位の例を示す。
【
図4a】
図4は、
図3のM-フレームの一例を示し、
図4(a)は、M-フレームの最初の3つのM-サブフレーム、およびNB-IoTリソース要素がどのようにそれぞれのLTEダウンリンク物理チャンネルおよび物理信号にマッピングされるかを示す。
【
図4b】
図4は、
図3のM-フレームの一例を示し、
図4(b)は、M-フレームのすべてのM-サブフレームを示す。
【
図5】
図5は、NB-IoTによる異なる動作モードの概略図であり、
図5(a)は帯域内LTE動作モードを示し、
図5(b)は独立型GSM動作モードを示し、そして、
図5(c)は、LTEガード・バンド動作モードを示す。
【
図6】
図6は、複数のNB-IoT無線フレームまたはM-フレームを介して接続を確立するための情報を含むM-サブフレームの分布を示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態による、無線信号を使用して
図1を参照して上述したような無線通信ネットワークの送信機と受信機との間の無線伝送の概略図である。
【
図8】
図8は、無線信号が3つの周波数帯域またはチャンネルを含み、一方が同期情報、システム情報および制御チャンネル情報を含み、他方がダウンリンク共有データ・チャンネル専用である本発明のアプローチの一実施の形態を示す図である。
図8(a)は従来のアプローチを示し、
図8(b)は本発明のアプローチの詳細を示す。
【
図9】
図9は、M-RACHのための追加の帯域を含む
図8(b)に示されるような専用周波数帯域を使用して本発明のアプローチに従って受信機を通信ネットワークに接続するための例を示す。
【
図10】
図10は、M-RACHからM-PDCCHへのマッピングの例を示す。
【
図11a】
図11は、専用のM-RACHチャンネルを使用するNB-IoTシステムの一例を示し、
図11(a)はM-RACHチャンネルをシグナリングするための従来のアプローチを示す。
【
図11b】
図11は、専用のM-RACHチャンネルを使用するNB-IoTシステムの一例を示し、
図11(b)は本発明のアプローチによるシグナリングを示す。
【
図12】
図12は、M-RACHおよびULリソースを従来のIoT帯域に再編成することによってシフトされたランダムアクセススロットの実施の形態を説明する図であり、ここで、
図12(a)はNB-IoT信号におけるランダムアクセスシーケンスの従来の配置を示し、
図12(b)はランダム・アクセス情報を互いにずらして示し、
図12(c)はランダム・アクセス情報を、周波数帯域を交互にずらして示している。
【
図13】
図13は、6つの周波数帯域またはチャンネルを使用する狭帯域IoTシステム、および異なる受信モジュールを有するデバイスがどのようにそれぞれのチャンネルを利用するかの概略図を示す。
【
図14】
図14は、送信機から受信機に情報を送信するための無線通信システムの概略図である。
【
図15】
図15は、実施の形態による、データまたは情報を受信機に送信するための無線通信システム内の送信機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下において、本発明の好ましい実施の形態は、同じまたは類似の機能を有する要素が同じ参照符号によって参照される添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【0019】
図7は、
図1を参照して上述した無線通信ネットワークの送信機210と受信機212との間の無線伝送の概略図である。送信機210は基地局eNBまたはユーザ機器とすることができ、受信機212はIoTデバイスまたはNB-IoTに従って動作する別のユーザ機器とすることができる。受信機212は、アンテナ218に結合された受信部214および送信部216を含む。受信機212は、アンテナ218を介して、送信機210から無線信号を受信し、その無線信号は
図7の220に示される。無線信号は、第1のチャンネルまたは第1の搬送波とも呼ばれる第1の周波数帯域SCと、第2のチャンネルまたは第2の搬送波とも呼ばれる第2の周波数帯域D1とを含む。周波数帯域SC、D1のそれぞれは、信号を含むかまたは搬送する。第1の周波数帯域SCは、複数のM-フレーム226
n-1、226
nおよび226
n+1を有する第1の信号222を含む。第2の周波数帯域D1は、複数のM-フレーム228
n-1、228
nおよび228
n+1を有する第2の信号224を含む。実施の形態によれば、第1の信号は、レガシー・ユーザをサポートするレガシーLTEリリース13のNB-IoTキャリアであり得る。本発明によれば、第1の信号は、本明細書で説明されるように、第2/第3/第4の狭帯域搬送波を参照して、新しいユーザのための新しいシステム情報を転送することができる。M-フレームの数は、
図7に示されるものより多くても少なくてもよい。M-フレームの各々は、10個のM-サブフレームを含み、それらの各々は、
図1および
図2を参照して上述したような構造を有する。すなわち、図示の実施の形態によれば、各サブフレームは、1つのサブキャリアと1つのOFDMシンボルとによって定義される複数のリソースシンボルを含む。
【0020】
従来技術のアプローチ以外で、各M-サブフレーム内の第1のリソース要素がM-PDCCH内の制御情報にマッピングまたは割り当てられる。そして、他のリソース要素は、M-PBCH、M-PSCH、M-PDSCH、またはM-PUSCH(物理アップリンク共有チャンネル)またはM-RACH(ランダムアクセスチャンネル)のうちの少なくとも1つにマッピングされる。本発明のアプローチによれば、第1および第2の周波数帯域SC、D1内の信号のうちの少なくとも1つは、単一または複数の予め定義された機能に専念される。例えば、第1の信号222のM-サブフレームは、一次および/または二次同期信号とシステム情報とを含む上述の同期チャンネルのように、接続情報を含みうる。一方、第2の信号224はサブフレームを有し、それらのすべては接続情報を含まない。受信機212は、受信した無線信号220を処理し、第1の信号222が送信される第1の周波数帯域SCを聴取して接続情報を受信し、受信機212が、例えば送信機210との無線通信の設定によって無線通信ネットワークとの接続を確立できるようにする。言い換えれば、本発明のアプローチによれば、受信機212が通信ネットワークへの接続を確立することを可能にする接続情報は、第2の周波数帯域D1の第2の信号224では提供されない。そのため、第1の周波数帯域SCを聴取していない受信機は、送信機210との接続を設定する位置にない。必要な接続情報が得られたときに初めて、帯域情報によって、さらなる情報またはデータを送受信するために使用される第2の周波数帯域D1について受信機に通知される。
【0021】
本発明のアプローチによれば、接続情報は、低減された遅延を有する受信機212と無線通信ネットワークとの同期を許容する上述した従来技術のアプローチよりも短い間隔で第1の信号222のM-サブフレーム内に配置することができる。第1の信号222の1つまたは複数のM-サブフレームでは、リソース要素を接続情報にマッピングすることができる。また、第1の信号222のM-サブフレーム内のリソース要素は、第2の信号224を含む第2周波数帯域D1を示す帯域情報にマッピングされる。受信機212は、帯域情報に基づいて、通信システムとの接続を同期させ確立した後、第2の周波数帯域D1で動作する。すなわち、受信セクション214は、例えば、第1の周波数帯域SCから第2の周波数帯域D1への帯域情報に基づいて、受信セクション214を調整することによって、第2の信号224を処理する。他の実施の形態では、受信セクション214は、無線通信ネットワークとの接続が確立された後に、第1および第2の周波数帯域SC、D1を同時に聴取するように動作してもよく、第2の周波数帯域D1の第2の信号224が処理される。さらに他の実施の形態では、受信セクション214は、1つまたは複数の他のキャリア上で送信しながら1つまたは複数のキャリアを聴取するために、今述べた半二重モードではなく全二重モードで動作し得る。NR内の基地局も全二重モードで同じ周波数で送信および受信することができる。
【0022】
実施の形態によれば、第2の信号224は、M-PDSCHにマッピングされたリソース要素と同様にM-PDCCH、M-PUSCHおよびM-RACHでもよい。第1の信号222から第2の信号224に向けられた後、受信機212は、第2の信号で受信された制御情報に従って動作し、M-RACHを使用してネットワークにアクセスするためのステップを実行し、M-PDSCHおよびM-PUSCHに提供されるリソース要素上でデータを送受信する。
【0023】
したがって、本発明のアプローチは、それぞれが例えば200kHzの帯域幅を有する1つまたは複数のNB-IoT周波数帯域またはチャンネル上に単一または複数の予め定義された機能をマッピングすることを可能にする。本発明のアプローチは、同じ機能のためにいくつかの200kHzキャリア(帯域)を集約することを可能にする。例えば、NB-IoTキャリアがLTEガード・バンドの内側に割り当てられている場合(上記の
図5(c)を参照)、2つのNB-IoTキャリアが利用されてもよく、一方はLTEコンポーネントキャリアの右側にあり、他方はLTEコンポーネントキャリアの左側にある。これらのガード・バンドNB-IoTキャリアは、「通常の」LTEバンドと同時に動作することができ、狭帯域または広帯域デバイスとして動作するUEに対して追加の情報またはよりロバストな情報を提供することができる。さらに、追加の情報が提供されてもよい。さらに、NB-IoTキャリアは、ダウンリンクFDDコンポーネントキャリアとアップリンクFDDコンポーネントキャリアとの間のデュプレックスギャップに割り当てられ、たとえば、LTEまたはUMTS FDDシステムにおいて、集約されうる。
【0024】
実施例によれば、第1の信号222を含む第1の周波数帯域SCは、帯域情報と共に、無線通信ネットワークへの接続を設定するために必要とされる同期チャンネル情報およびブロードキャスト情報、例えば、一次および/または二次同期信号、PSS、SSSおよびブロードキャストチャンネルM-PBCHを含むM-PSCHおよびM-SSCHを含むように専用化されてもよい。第2の信号224は、1つまたは複数のシステム情報、制御情報(M-PDCCH)、M-PDSCH、M-PUSCHまたはM-RACHを含む専用チャンネルであり得る。
【0025】
他の実施例によれば、3つ以上の周波数帯域は、例えば、上記の情報のうちの1つだけを含む専用信号である、それぞれ第3の信号と第4の信号を含む第3の周波数帯域と第4の周波数帯域を使用し得る。これまでの他の実施例によれば、関連チャンネルは、たとえば、第2の信号224が、特定の受信機212のためのデータおよび制御メッセージを含むように、たとえば、特定のユーザに関連する組み合わせチャンネルであり得る。他の実施例において、送信に関連したチャンネルは、組み合わされてもよく、例えば、第1の信号222は、同期、システム情報、および制御情報送信、ならびにM-PDSCHを提供するために使用されうるが、一方、第2の信号224は、M-RACHおよびPUSCHのように、アップリンクのみに使用される。
【0026】
実施の形態によれば、ロードバランシングアプローチを提供することができ、それに従って、第1の信号222内のシステム情報または帯域情報は、制御情報およびランダムアクセスチャンネル情報を取得するために特定の受信機によって使用される第2の周波数帯域D1または第3および第4の周波数帯域を異なる受信機に示し、それによって、それぞれの帯域またはチャンネル内のトラフィックのバランスを取る。例えば、アラートを提供するIoTデバイスのような特定の受信機212は、そのような種類のデバイスとの通信のために予約されている周波数帯域をシグナリングされ得る。他の実施の形態によれば、システム情報は、ネットワークに接続している受信機212に対して第2、第3または第4の周波数帯域をランダムに割り当てることができ、それによって、ランダムな選択を提供する。重み付けされたランダム選択もまた提供され得る。
【0027】
他の実施の形態によれば、周波数帯域のうちの1つは、アンカーチャンネルとして使用されてもよく、ホッピングシーケンス情報または再構成メッセージを受信機212に提供してもよい。
【0028】
図8は、無線信号が3つの周波数帯域またはチャンネルSC、D1、D2を含む本発明のアプローチの一実施例を示す。一方のチャンネルSCは、同期情報、システム情報および制御チャンネル情報を含めることを専用とされる。他のチャンネルD1、D2は、ダウンリンク共有データ・チャンネル専用とされる。
図8(a)は従来のアプローチを示し、
図8(b)は本発明のアプローチの詳細を示す。
【0029】
図8(a)は、従来のNB-IoTに従って動作する3つのチャンネルまたは周波数帯域C1~C3を示す。チャンネルC1~C3のそれぞれに対して、3つのM-サブフレーム200
0~200
2が示されている。各チャンネルは、M-PDCCHおよびM-PDSCHの他にも最初のM-フレームサブフレーム200
0はM-PBCHも含むという点で同じ構造を有する。後続のM-サブフレームはブロードキャスト情報を含まず、第2のM-サブフレーム200
1のみがM-PSCHを含む。各チャンネルC1~C3の構造は、
図4に示すものに対応する。したがって、チャンネルC1~C3のそれぞれは、受信機に提供されるべき全機能をカバーする情報を含む。
【0030】
図8(b)は、単一または複数の予め定義された機能をいくつかのNB-IoT帯域またはチャンネルにマッピングする本発明のアプローチによる実施の形態を示す。
図8(a)と同様に、IoTデバイスにサービスを提供するための3つの周波数帯域またはチャンネルSC、D1、D2が使用される。やはり、3つの連続するM-サブフレーム200
0~200
2が示されている。
図8(a)と比較すると、周波数帯域SC、D1、D2の各々は専用の周波数帯域またはチャンネルである。例えば、第1のチャンネルSCは同期チャンネルと呼ばれることがあり、
図8(a)以外では、第1のチャンネルSCは、各M-サブフレーム200
0~200
2内にM-PSCHおよびM-PBCHを含む。さらに、PDCCHは、M-サブフレーム200
0~200
2のそれぞれに提供される。受信機212(
図7参照)は、同期チャンネルSCを含む第1の周波数帯域SCに同調されており、そして、同期情報およびブロードキャスト情報に基づいて、通信ネットワーク、たとえば送信機210への接続を確立することができる(
図7参照)。さらに、同期チャンネルSCで提供されるさらなる情報は、利用可能なさらなる周波数帯域について受信機に知らせる。したがって、
図8(b)の実施の形態によれば、同期チャンネルSC内の第1の信号は、各M-フレームの1つまたは複数のM-サブフレームがネットワークへの接続を許容する接続情報を含む。他の実施の形態によれば、同期チャンネルは、各M-サブフレームにおいて、利用可能なさらなる周波数帯域について受信機に知らせる帯域情報と共に接続情報のみを含み得る。接続情報は、各M-サブフレームにおいて連続的に送信されえ、または、例えばn番目のM-サブフレームにおいて間欠的に送信されうる。後者の場合、送信機が電池駆動装置、例えば他のUEであるとき、同期情報は送信機でのエネルギー消費を減らすために特定の時間に送信されるだけである。
【0031】
第2および第3の周波数帯域D1、D2またはチャンネルD1、D2はM-PDSCH専用であり、第2および第3の周波数帯域D1、D2における第2および第3の信号224、230のサブフレームはいずれの接続情報も含まれない。受信機が通信ネットワークに接続すると、受信機は、ダウンリンクにおいてこれらのチャンネルD1、D2で提供されたデータを受信し処理するために、周波数帯域D1、D2の一方または両方の周波数帯域D1、D2に同調する。
【0032】
図8の実施の形態では、本発明のアプローチに従って、受信機212に提供されるべき特定の情報は、別々の物理的狭帯域チャンネルを介して送信される。本発明のアプローチの利点は、それがシステム全体をよりスケーラブルにするということである。例えば、より制御された帯域幅が必要とされる場合には、さらなるチャンネル、たとえば、M-PDCCHまたは追加の同期チャンネルにのみマッピングされたリソース要素を有するチャンネルが追加されてもよい。本発明のアプローチの別の利点は、専用同期帯域SC内に同期情報およびシステム情報を提供することにより、受信機212でのセルサーチ手順がより高速かつより簡単になることである。例えば、アクセス証明を改善するために、M-RACHのための専用チャンネルを使用することができ、それによって、ランダム・アクセス手順をスピードアップする。本発明のアプローチのさらに別の利点は、それが拡大縮小することである。例えば、1…n個の利用可能な周波数帯域またはチャンネルは、NB-IoTキャリアアグリゲーションとも呼ばれる周波数領域で集めることができる。また、追加の容量が必要な場合は、追加のチャンネルを導入することができる。
【0033】
図8(b)の例では、同期チャンネルSCを使用すること、またはこれらの同期チャンネルのうちの2つ以上を使用することは、例えば異なるチャンネルに関するさらなるシステム情報を指す少なくとも基本システム情報を有する同期情報を提供する。同期チャンネルSC上で転送される同期情報に加えて、
図8の実施の形態では、このチャンネル上でさらなる情報が送信される。他の実施の形態によれば、データもこのチャンネルで送信され得る。システム情報は、セルに関する必要な情報、例えばFFTサイズなど、ならびにさらなるチャンネルの位置およびこれらのさらなるチャンネルの機能を含む。狭帯域アグリゲーションをサポートし、同時に複数の制御チャンネルを処理することができるUEの場合、制御データは、制御チャンネルのより良いリソース利用を可能にし得るいくつかの周波数帯域に分割され得る。基本システム・パラメータは、セルID、動作モード、さらなるNB-IoTチャンネルまたはLTE帯域の位置、およびアクセス禁止フラグを含み得る。さらなる帯域をシグナリングすることによって、UEは、システム情報ブロック(SIB)を同期させ復号した後にこれらの帯域のうちの1つに切り替えることができる。そして、専用の狭帯域があるので、同期およびシステム情報ブロックはより頻繁に送信され得る。
【0034】
図8(b)に示すように、チャンネルD1、D2は、DLデータが送信され、IoTデバイスがDL許可を受信した後にそれぞれの帯域にジャンプする専用のDLデータ・チャンネルであり得る。チャンネルD1、D2は、システム情報によってIoTデバイスにシグナリングされる。さらに、これらのチャンネルにIoTデバイスがスケジュールされていない場合、これらのチャンネルは非IoTデバイス、たとえば、LTEユーザが使用することがある。実施の形態によれば、上述のシステム情報はまた、残容量を有するチャンネルをアドバタイズすること、またはUEがそのようなチャンネルを選択する優先度/可能性をアドバタイズすることもできる。さらに、システムへの接続を直ちに設定する必要がある特定の装置がこれらのケースを使用することを可能にするために、チャンネルは特定のUEグループまたは特定の機能、たとえば、非常時のM-RACHについてアドバタイズされうる。
【0035】
図9は、専用周波数帯域を使用する本発明のアプローチによるNB-IoTシステム、例えば、ランダムアクセスチャンネル用および制御チャンネル用の追加の帯域を含む
図8(b)に示すようなシステムを使用して、受信機を通信ネットワーク、より具体的にはその基地局に接続するための例を示す。(1)UEは、最初に、初期時間および周波数同期にも使用されるPSSおよびSSS信号のためにチャンネルを検索する。そのような同期信号を受信すると、(2)UEは、M-PBCHからのシステム情報、例えばM-RACHからM-PDCCHへのマッピングを復号する。さらに、優先度の高いアクセスまたは緊急アクセスのためのアクセス制限および/または特別なチャンネルがシグナリングされてもよい。(3)システムで指定された帯域iまたは帯域情報に対してランダム・アクセスが実行され、そして、(4)UEは、接続プロセスを完了する上述のM-RACHからM-PDCCHへのマッピングに応じて帯域j上のM-PDCCHにおける制御情報を復号する。このとき、
図9に示すように、IoTデバイスは、通信ネットワークに接続されている。(5)ここで、データは、M-PDSCHで送信されてもよく、制御情報またはシステム情報によって、示されているように別々の周波数帯域で提供され得る。
【0036】
図10は、1…N個のM-RACHチャンネルおよび1…K個のM-PDCCHチャンネルを有するシステムにおける上述のM-RACHからM-PDCCHへのマッピングの例を示す。Nは、Kに対して、より大きくても、より小さくても、または等しくてもよい。元のRACHの予め定義されたM-PDCCHが初期のRACH応答に使用されてもよく、そして初期のランダム・アクセスの後に、特定のユーザが異なる制御チャンネルに割り当てられてもよい。このマッピングは受信機に格納されてもよく、または他のUEがこの情報を必要とする場合には、M-PBCHを使用してブロードキャストされてもよい。
図10は、N個のM-RACHチャンネルおよびK個のM-PDCCHチャンネルの例を示しており、これらのチャンネルの各々は専用周波数帯域で送信され得る。例によれば、チャンネル1…N個および1…K個のそれぞれは、M-PARCHまたはM-PDCCHのみを含む専用チャンネルであり得る。M-PBCHによって提供されるマッピング情報は、制御情報を見つけるべき周波数帯域のみを示してもよい。他の実施の形態によれば、それぞれのチャンネルは他の情報も含み得る。そして、それぞれのランダム・アクセス情報および制御情報は、チャンネル内の特定の位置に配置され得る。この場合、M-PBCHによって提供されるマッピング情報は、制御情報を見つけるべき周波数帯域およびそれぞれの周波数帯域内の位置、例えば、M-サブフレーム内のどのリソース要素が制御情報に割り当てられるかを示し得る。
【0037】
図10の例では、いくつかの専用ランダムアクセスチャンネルを提供することができ、チャンネルまたは周波数帯域を利用可能な電力によって分離することができ、その結果、バッテリ駆動装置は、いくつかの再送信が受け入れられるUEよりも混雑の少ないM-RACHチャンネルに割り当てられ得る。これは、上述したように、UEカテゴリ、情報タイプ(遅延許容情報/警報/緊急)またはUSIM(ユニバーサル加入者識別モジュール)優先順位クラスに応じて、システム情報ブロック内でシグナリングされ得る。ランダム・アクセスに応答して、各帯域は専用M-RACH応答チャンネル(M-PDCCH)を有することができ、または専用M-RACHシーケンスは、UEが聴取している制御チャンネルに依存することができる。
【0038】
図11は、専用M-RACHチャンネルを用いたNB-IoTシステムの一例を示す図である。
図8と同様に、
図11(a)は、M-RACHチャンネルをシグナリングするための従来のアプローチを示し、そして、
図11(b)は、本発明のアプローチによるシグナリングを示す。
【0039】
図11(a)では、3つの周波数帯域またはチャンネルC1~C3が示されており、M-RACHは、第1および第2のM-サブフレーム200
0および200
1に設けられている。以下のM-フレームが、M-PUSCHに提供される。したがって、従来のアプローチによれば、ランダム・アクセス情報が第1および/または第2のM-サブフレーム200
0および200
1から取得された後に初めてランダム・アクセスが可能となる。
【0040】
図11(b)に示す本発明の実施の形態によれば、
図8を参照して上述した同期チャンネルSCに加えて、いかなる接続情報も含まないチャンネルD1に加えて、さらなるチャンネル、または、接続情報を含まなくてもよい周波数帯域RU、U1、U2が提供される。周波数帯域RUの狭帯域キャリアが、ランダム・アクセス情報のために提供され、追加のアップリンク・チャンネルU1、U2が、別々のキャリアまたは周波数帯域上に提供される。したがって、
図11(a)の従来のアプローチは、各狭帯域キャリアC1~C3上にそれ自体のM-RACHおよびULリソースを有し、本発明のアプローチによれば、追加のチャンネルU1およびU2が追加のアップリンクリソースを提供しながら、リソースは専用チャンネルRU上で一定のランダム・アクセスを可能にするように再編成される。
【0041】
他の実施の形態によれば、
図11(a)の従来のアプローチにおけるM-RACHおよびULリソースは、各チャンネルC1~C3において、ULリソースとランダムアクセスリソースは、同じチャンネルに維持されるように異なる方法で再編成され得る。しかしながら、
図11(a)以外では、ランダムアクセススロットは同時に開始するのではなく、シフトされる。
図12は、上述のようにリソースを再編成することによってシフトされたランダムアクセススロットの実施の形態を説明する。
【0042】
図12(a)は、NB-IoT信号におけるランダムアクセスシーケンスの従来の構成を示す。3つの周波数帯域または搬送波C1からC3を考慮すると、各チャンネルでランダム・アクセス情報は、チャンネル間で同期され、各チャンネルにおいて、同時に間隔Δt
1で発生する。
【0043】
本発明の実施の形態によれば、この同期は回避される。むしろ、
図12(b)に示されるように、各チャンネルC1~C3内で、ランダム・アクセス情報は、従来のアプローチにおいて、ランダムアクセススロット間の間隔Δt
2が、間隔Δt
1よりも短くなるように互いに対してシフトされる。それにより、例えば、周波数帯域C1~C3のそれぞれを聴取することができるIoTデバイスの場合、アクセス時間を短縮することが可能になる。
【0044】
図12(c)は、周波数帯域C1からC3の信号を提供する送信機によるシグナリングの低減を可能にする本発明のアプローチの別の実施の形態を示す。3つの周波数帯域の場合には、ランダムアクセススロットは、同じ時間間隔Δt
1で3つのチャンネルすべてを観察するときに通知される。しかしながら、第1のランダムアクセススロットは第1のキャリア上でシグナリングされ、第2のスロットは第2のキャリア上でシグナリングされ、そして第3のスロットは第3のキャリア内でシグナリングされる。これに続いて、次の第4のランダムアクセススロットが再び第1の搬送波においてシグナリングされる。これは、送信機によって要求される各チャンネルにおけるシグナリングを低減させる。
【0045】
上述の実施の形態によれば、機能固有の狭帯域チャンネルは、単純な(複雑さが低い)受信機が一度に単一の狭帯域チャンネル上で動作することを可能にする。受信機の受信機モジュール(
図7参照)は半二重動作を提供することができ、すなわち一度に単一の周波数帯域で動作することを可能にする。他の実施の形態では、上述の狭帯域チャンネルのいくつか、あるいは標準LTEチャンネルと狭帯域チャンネルの組み合わせさえも集約するように、より複雑な装置、例えば、キャリアアグリゲーションまたは複数の周波数帯域でデータを受信することを可能にする広帯域受信モードで動作する受信機が提供され得る。この集約により、そのような装置はより速く同期し、より高い伝送速度を持ち、同時に制御データとユーザ・データを受信することが可能になる。より複雑なトランシーバ(IoTデバイスまたは基地局)は、1つまたは複数の狭帯域搬送波の同時送信および受信を伴う全二重モードで動作し得る。
【0046】
図13は、6つの周波数帯域またはチャンネルを使用する狭帯域IoTシステム、および異なる受信モジュールを有するデバイスがどのようにそれぞれのチャンネルを利用するかの概略図を示す。
図13において、第1のチャンネルは、少なくとも情報PSSとSSSを送信する同期チャンネルである。2番目のチャンネルはデータ・チャンネルであり、3番目のチャンネルは制御チャンネルである。第4チャンネルもまた同期チャンネルであり、第5および第6チャンネルもまたデータ・チャンネルである。第2、第3、第5および第6のチャンネルは、実施の形態によれば、受信機に通信ネットワークに接続することを許容するいかなる情報も含まない専用チャンネルである。
図13の実施の形態では、3つの異なる装置クラス、すなわち一度に単一の狭帯域チャンネル上で動作する受信機モジュールを有する200kHzの装置が想定される。本発明のアプローチによれば、周波数帯域1~6のそれぞれにおいて送信される信号は、周波数帯域1および4において、接続情報および帯域情報であり、残りの周波数帯域2、3、5および6は、データおよび制御情報を含み、一方、帯域2、3、5および6を聴取している受信機は、通信ネットワークへの接続を設定することができないように、いかなる接続情報もない。
【0047】
200kHz受信機は最初に接続情報および帯域情報を受信するために周波数帯域1を聴取する。受信機が通信ネットワークに接続されると、周波数帯域1の帯域情報に基づいて、受信モジュールは受信機を動作させるための制御情報を導出するために周波数帯域3に同調される。制御情報は、データを受信または送信するために受信モジュールを周波数帯域2に切り替えるように受信機を制御するさらなる帯域情報を含む。
【0048】
図13はさらに、2つの周波数帯域を同時に聴取することができ、接続情報および制御情報を得るために最初に2つの隣接する周波数帯域3および4を同時に聴取するように調整される400kHzの装置を示す。そして、帯域情報に基づいて、受信機は、これらの帯域でデータを受信/送信するように周波数帯域5および6に同調され得る。
【0049】
図13に示すさらなる装置は、4つの周波数帯域1~4を同時に聴取する800kHzの装置であり、使用されうる同期帯域1および4から接続するための情報としてそのような装置のより速い接続を許容する接続情報を含む。制御情報はバンド3で見つけられ、同期バンドによってシグナリングされ、そしてデータはバンド2で送信/受信され得る。
【0050】
図13を参照して上述した例では、400kHzおよび800kHzの装置は、適切な広帯域受信機によって達成され得る隣接周波数帯域を聴取するように示されている。しかしながら、他の例によれば、400kHzおよび800kHzの装置は、1つの周波数帯域のみを聴取して同時に動作する別々の狭帯域受信機を含み、そして、それぞれの狭帯域受信機モジュールを隣接する周波数帯域に同調させるとき、
図13に示されるような聴取スキームが達成され得る。他の例では、400kHzおよび800kHzの装置は、例えば、別々の狭帯域または広帯域受信機を異なる周波数に同調することによって、隣接していない周波数帯域で動作し得る。その結果、例えば400kHzの装置の場合、第1狭帯域受信モジュールは接続情報を得るために周波数帯域1を聴取し、第2受信モジュールは制御情報を得るために周波数帯域3を聴取することができる。同様に、800kHzの装置は別々の周波数帯域を聴取することができる。
【0051】
400kHzおよび800kHzの装置の場合、より高いデータレートおよび/または制御チャンネルとデータ・チャンネルの同時受信を達成することができる。同様に、UEが広帯域送信機を有する場合、またはそれがいくつかの狭帯域送信機を有する場合、アップリンクにおいて、より高いデータレートを可能にする
図13の周波数帯域5および6のように、隣接帯域でもあり得るいくつかの帯域を同時に使用し得る。さらに、ダウンリンクおよびアップリンクにおけるいくつかのチャンネル間でホッピングすることによって、周波数ダイバーシティが達成され得る。
図13の例では、
図5(a)および5(c)に示すように、NB-IoTシステムをLTE帯域と一緒に使用する場合、下位2つのデータ・チャンネル5および6は、狭帯域IoTユーザとLTEユーザとの間で動的に共有され得る。
【0052】
本発明の実施の形態は、基地局、移動端末のようなユーザ、およびIoTデバイスを含む
図1に示されるような無線通信システムにおいて実施され得る。
図14は、送信機TXから受信機RXに情報を送信するための無線通信システム250の概略図である。送信機TXは、少なくとも1つのアンテナANT
TXを含み、受信機RXは少なくとも1つのアンテナANT
RXを含む。他の実施の形態では、送信機TXおよび/または受信機RXは、MIMO、SIMOまたはMISOを実装するために2つ以上のアンテナを含み得る。矢印252によって示されるように、信号は、無線リンクのような無線通信リンクを介して送信機TXと受信機RXとの間で送信される。送信は、OFDMA通信アプローチに従ってもよい。
【0053】
送信機TXとRXとの間のシグナリングは、本発明の上述の実施の形態によれば、例えば、受信機RXは、アンテナを介して、送信機TXからの無線信号を受信し、無線信号を処理するための信号プロセッサ256を含むOFDMA復調器254に信号を供給する。無線信号は、少なくとも第1の周波数帯域SCと第2の周波数帯域D1とを有する。第1周波数帯域SCは第1の信号を含み、第2周波数帯域D1は第2の信号を含み、そして、第1の信号および第2の信号はそれぞれ、複数のフレームを有し、各フレームは複数のサブフレームを有する。第1の信号の1つまたは複数のサブフレームは、受信機が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報と、第2の周波数帯域D1を示す帯域情報とを含む。第2の信号のすべてのサブフレームは、接続情報が全くない。受信機RXは、接続情報を用いて無線通信システムとの接続を確立し、かつ無線通信システムとの接続を確立した後、帯域情報に応答して、第2の周波数帯域D1で動作する。
【0054】
送信機TXは、受信機RXに送信されるべき信号を生成するための信号プロセッサ260を含むOFDMA変調器258を備える。送信機TXは、少なくとも第1の周波数帯域SCと第2の周波数帯域D1とを有する無線信号を送信することができる。第1周波数帯域SCは第1の信号を含み、第2周波数帯域D1は第2の信号を含み、第1の信号および第2の信号はそれぞれ、複数のフレームを有し、各フレームは複数のサブフレームを有する。第1の信号の1つまたは複数のサブフレームは、受信機RXが無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報と、第2の周波数帯域D1を示す帯域情報とを含む。第2の信号のすべてのサブフレームは、接続情報が全くない。送信機は、接続情報および帯域情報、ならびにそれぞれの周波数帯域内のサブフレーム内の他の情報を割り当てるように動作するOFDMA変調器を含む。
【0055】
図15は、上記の実施の形態による、無線信号を受信機に送信するための無線通信システムにおける送信機300のブロック図である。送信機300は、チャンネルエンコーダ304によって符号化され、変調器306によって変調され、マッパー308によって複数の搬送波または周波数帯域にマッピングされたデータ302を受信する。制御信号314は、制御チャンネルユニット316および制御マッパー318によって提供され、パイロット・シンボル320は、パイロット・シンボル生成器322によって提供され、PSS/SSS信号324は、PSS/SSS信号生成器326から供給される。信号は、第1の周波数帯域SCで送信される第1の信号が提供され、第2の周波数帯域D1で送信される第2の信号が提供されるように、コンバイナ312によって結合される。信号は、受信機が無線通信システムとの接続を確立することを許容する接続情報と、第2の周波数帯域D1を示す帯域情報とを含む1つまたは複数のサブフレームを有するように、そして、第2の信号の全てのサブフレームはいかなる接続情報も含まないように、組み合わされる。合成信号328は、IFFT+CPブロック330に提供され、DAC332によってアナログ領域に変換される。アナログ信号336は無線送信のために処理され、そして最終的にアンテナ338によって送信される。
【0056】
記載された概念のいくつかの態様が装置という脈絡の中で記載されていた場合であっても、該態様も、対応する方法の説明を表現するものとして理解される。その結果、ブロックまたは装置の要素は、それぞれの方法のステップに対応するか、または方法ステップの特徴として理解されうる。類推によって、態様は、それとともに記載されていたか、または、方法ステップもブロックに対応し、または装置に対応する詳細あるいは特性の説明を表す。
【0057】
特定の実現要求に応じて、本発明の実施の形態は、ハードウェアにおいて、または、ソフトウェアにおいて、または、部分的にハードウェアにおいて、または、部分的にソフトウェアにおいて、実行されうる。その実現態様は、それぞれの方法が実行されるように、プログラミング可能なコンピュータシステムと協働しうるか、または、協働する、そこに格納された電子的に読み込み可能な制御信号を有するデジタル記憶媒体、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、またはFLASHメモリ、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶されたハードドライブまたは他の磁気または光学メモリを使用して実行されうる。従って、デジタル記憶媒体は、コンピュータ読み込み可能でもよい。
【0058】
本発明による若干の実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つが実行されるように、プログラミング可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み込み可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0059】
通常、本発明の実施の形態は、プログラムコードを有するコンピュータ・プログラム製品として実施され、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で実行する場合、プログラムコードは、いくつかの方法を実行するために作動される。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに格納される。
【0060】
他の実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを含み、コンピュータ・プログラムが、機械可読キャリアに格納される。換言すれば、従って、コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で実行する場合、本発明の方法の実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータ・プログラムである。
【0061】
従って、本発明の方法のさらなる実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを含むデータキャリア(または、デジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。従って、本発明の方法のさらなる実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを表しているデータストリームまたは一連の信号である。例えば、データストリームまたは一連の信号は、データ通信接続、例えば、インターネットを介して転送されるように構成されうる。さらなる実施の形態は、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するために構成され、または適応される処理手段、例えば、コンピュータ、またはプログラミング可能な論理回路を含む。さらなる実施の形態は、その上にインストールされ、本願明細書において記載される方法のうちの一つを実行するためのコンピュータ・プログラムを有するコンピュータを含む。
【0062】
いくつかの実施の形態において、プログラミング可能な論理回路(例えば、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array))が、本願明細書において記載されるいくつかまたは全ての機能を実行するために使用されうる。いくつかの実施の形態において、現場でプログラム可能なゲートアレイは、本願明細書において記載される方法のいくつかを実行するために、マイクロプロセッサと協働しうる。一般に、いくつかの実施の形態において、方法は、いくつかのハードウェア装置によって、好ましくは実行される。
【0063】
上述した実施の形態は、本発明の原則の例を表すだけである。本願明細書において記載される装置および詳細の修正および変更は、他の当業者にとって明らかであるものと理解される。こういうわけで、記述の手段および実施の形態の議論によって、本願明細書において表された明細書の詳細な記載によりはむしろ、以下の請求項の範囲によってのみ制限されるように意図する。